【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済みの発泡スチロールを燃料油等として有効活用するための発泡スチロール油化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、工業製品の梱包材や建築用資材,防音材等として多用されている発泡スチロールの殆どは、その役目が終了した後、可燃ゴミとして焼却処分されているのが現状である。
【0003】
しかしながら、この発泡スチロールはポリスチレン樹脂に低沸点炭化水素を加え、これを加熱して数十倍に膨張させてなるものであるため、これを焼却炉等に搬送する際やゴミ置き場などに保管した際に嵩張ってしまう上に、焼却した際に多量の煤煙や有害ガスを発生して周囲環境を悪化させてしまうといった不都合がある。
【0004】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、処分が困難な発泡スチロールを効果的に処分できると共に、これを熱分解処理して燃料油等として有効活用できる新規な発泡スチロール油化装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、請求項1に示すように、投入された発泡スチロールを加熱して溶解する溶解槽と、この溶解槽内の溶解液をさらに加熱し熱分解して分解ガスを生成するガス化器と、このガス化器で得られた熱分解ガスを冷却・凝縮して油化するコンデンサと、上記溶解槽で得られた溶融液と上記ガス化器で得られた熱分解ガス間で熱交換するエコノマイザとを備えたものである。
【0006】
これによって従来焼却処分されていた発泡スチロールを熱分解処理して再生油として回収し、有効利用することができる。
【0007】
また、請求項2に示すように、上記エコノマイザと溶解槽との間に、そのエコノマイザで発生した熱分解ガスの凝縮液の一部又は全部を上記溶解槽側に戻す返送ラインを接続することにより、溶解槽内の溶解液と再生油の一部とが混ぜ合わされてその溶解液の粘度が下がり、その溶解液をスムーズにガス化器側へ移送することができる。
【0008】
また、請求項3に示すように、上記溶解槽に、発泡スチロールを細かく粉砕して投入する粉砕機構を備えることにより、発泡スチロールの粉砕処理を投入と同時に行うことができる。
【0009】
また、請求項4に示すように、上記溶解槽に、その溶解槽内で発生したガスを抜き出す排気ラインを接続し、その排気ラインにそのガスを熱分解して脱臭する脱臭器を備えれば、不快な有臭ガスがそのまま大気中に漏れ出すことがなくなり、周囲環境の悪化を未然に防止することができる。
【0010】
また、請求項5に示すように、上記排気ラインに、抜き出されたガス中の蒸気スチレンを冷却・凝縮して上記溶解槽内に戻すベントクーラーを備えることにより、有害な蒸気スチレンの大気中への排出を未然に防止することができる。
【0011】
また、請求項6に示すように、上記脱臭器に、その燃焼ガスを排気する燃焼ガスラインを接続すると共に、その燃焼ガスラインを上記ガス化器と溶解槽内を順次通過させるようにすれば、脱臭器で発生した廃熱をガス化と溶解時の熱の一部あるいは全部として有効利用することができる。
【0012】
また、請求項7に示すように、上記ガス化器に、所定量以上の溶解液をオーバーフローさせて排出する溢流堰を設けると共に、その溢流堰と上記溶解槽間にオーバーフローした溶解液をその溶解槽側に戻す循環ラインを接続することにより、特に溶解液の移送量をコントロールすることなく、常に一定量の溶解液をガス化器内に移送することができる。
【0013】
さらに、請求項8に示すように、上記ガス化器に、スクリューコンベアを備えれば、ガス化器内の溶解液の流動化を促進して伝熱特性が向上すると共に、ガス化器底部に溜まった残滓の清掃作業を容易に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明に係る発泡スチロール油化装置の実施の一形態を示したものである。尚、図中破線矢印は主にガスが流れるライン,実線矢印は主に液体が流れるラインを示したものである。
【0016】
図示するように、この発泡スチロール油化装置は、発泡スチロールを加熱して溶解する溶解槽1と、この溶解槽1内の溶解液をさらに加熱し熱分解して分解ガスを生成するガス化器2と、このガス化器2で得られた熱分解ガスを冷却・凝縮して油化するコンデンサ3と、上記溶解槽1で得られた溶融液と上記ガス化器2で得られた熱分解ガス間で熱交換するエコノマイザ4とから主に構成されている。
【0017】
先ず、この溶解槽1は、上部に発泡スチロールの投入口5を備えた槽体6内に、一定量の液状の熱媒が供給貯留されていると共にこの熱媒を加熱するための面状の電気ヒータ7が収容されており、投入口5から投入された発泡スチロールをその熱媒によって加熱して溶融・溶解するようになっている。また、この投入口5には、粉砕機構8が一体的に接続されており、ホッパ9から投入されたブロック状の発泡スチロールを粉砕ローラ10で細かく粉砕して槽体6内に供給するようになっている。尚、この粉砕機構8内にはロータリーバルブ11が設けられており、槽体6内の気密性を維持するようになっている。
【0018】
ガス化器2は、横長の密閉容器12内に電気式のガス化ヒータ13を収容したものであり、移送ポンプ14及びフィルター15が備えられた移送ラインL1を介して移送されてきた溶解液をそのガス化ヒータ13でさらに高温に加熱して熱分解し、その熱分解ガスをガス出口16から回収ラインL2を介してコンデンサ3側に送り出すようになっている。
【0019】
また、この密閉容器12内には、溢流堰17が形成されており、密閉容器12内の溶解液の量が一定量を超えないようにコントロールしている。すなわち、溶解槽1側から供給されてきた溶解液の量が一定量を超えてその液位が上昇すると、その溶解液の一部がこの溢流堰17をオーバーフローして循環ラインL3側に流れ、この循環ラインL3を介して溶解槽1側に戻されるようになっている。
【0020】
さらに、この密閉容器12内には、ギアードモータ18によって駆動されるスクリューコンベア19が設けられており、密閉容器12内部の溶解液を任意に攪拌するようになっている。また、このスクリューコンベア19は、樋状に形成された密閉容器12底部に収容されるように設けられており、密閉容器12底部に溜まった残滓を掻き集めて密閉容器12外へ排出し、これを残滓ポット20内に集めるような作用も有している。
【0021】
一方、コンデンサ3は、このガス化器2の回収ラインL2側に設けられた、いわゆる非接触式の熱交換器であり、水道水等の冷却水(冷媒)を用いてその回収ラインL2を流れる高温の熱分解ガスを急冷・凝縮して再生油とし、これをそのままオイルタンク21側に送るようになっている。
【0022】
また、エコノマイザ4は、このコンデンサ3と同様に、前記移送ラインL1の途中に設けられた、いわゆる非接触式の熱交換器であり、ガス化器2の回収ラインL2を流れる高温の熱分解ガスの一部を、その回収ラインL2の途中から分岐する分岐ラインL4から抜き出し、移送ラインL1を流れる低温の溶解液と熱交換させて凝縮して液化し、これをそのまま溶解槽1側に戻すようになっている。
【0023】
他方、この溶解槽1には、排気ラインL5が設けられており、発泡スチロールの粉砕時及び溶解時に発泡スチロールから発生する有臭ガスや蒸気スチレン等の有害ガスを強制的に抜き出し、浄化して大気中に放出することで周囲へのリークを防止するようになっている。
【0024】
すなわち、図示するようにこの排気ラインL5には、ベントクーラー22,フィルター23,ブロアー24,脱臭器25が順に設けられており、溶解槽1で発生したガスをブロアー24で強制的に抜き出し、そのガス中の蒸気スチレンをベントクーラー22で冷却凝縮して除去した後、ガス中の臭気成分を脱臭器25で高温で熱分解して大気中に放出するようになっている。また、この排気ラインL5は、さらにガス化器2と溶解槽1内を順次通過して大気中に臨むように延びており、脱臭処理時に発生した高温ガス中の廃熱をガス化器2と溶解槽1の処理熱として有効利用するようになっている。
【0025】
次に、このような構成をした本発明の発泡スチロール油化装置の作用、すなわち本発明装置を用いた発泡スチロールの油化方法の一例を説明する。
【0026】
先ず、溶解槽1内にA重油等の熱媒を所定量投入し、これを電気ヒータ7によって所定温度、例えば、通常の発泡スチロールが容易に溶融する温度である150℃程度まで加熱しておく。そして、この加熱によって溶解槽1内が所定の温度に達したならば、この溶解槽1内に処理対象となる発泡スチロールをその投入口から順次投入することになるが、通常、使用済みの発泡スチロールはブロック片等の大きな塊として発生することから、予めこの発泡スチロールの塊を粉砕機構8によって細かく粉砕してから溶解槽1内へ投入することで、効率良く溶融することが可能となる。また、直接発泡スチロールを電気ヒータ7で加熱するのではなく、熱媒を介して加熱することで素早く発泡スチロールを溶解することができる。尚、このようにして溶解槽1内に所定量の溶解液が溜まったならば、その後この溶解液自体が次に投入される発泡スチロールの熱媒として作用するため、運転を継続している間は、運転初期に必要であったA重油等の新たな熱媒の投入は不要である。
【0027】
また、この溶融処理においては、溶解槽1内で発泡スチロール中の臭気成分や蒸気スチレンを含むガスが発生するが、上述したようにこのガスは排気ラインL5から抜き出された後、ベントクーラー22でガス中の蒸気スチレン等が凝縮・液化して溶解槽1内に戻され、残りのガスは、脱臭器25で燃焼されて臭気成分が分解されて無臭化される。その後、この脱臭器25で脱臭処理された排ガスは高温の燃焼ガスとなってさらに排気ラインL5を通過しながらその熱がガス化器2及び溶解槽1で回収された後、低温の燃焼ガスとなって大気中に放出されることになる。このため、溶解槽1内で発生した有臭・有害ガスが溶解槽1からそのまま周囲にリークすることがなくなり、周囲環境の悪化を未然に防止することができる。
【0028】
一方、溶解槽1で発生した溶解液は、移送ポンプ14によって溶解槽1内から順次抜き出され、移送ラインL1を介してガス化器2側に送られた後、このガス化器2内でそのガス化ヒータ13によってさらにその沸点以上の高温、例えば400℃程度まで加熱処理される。すると、この加熱処理によってガス化器2内の溶解液(スチレンポリマー)が熱分解してガス化し、熱分解ガスとなってガス化器2頂部のガス出口16から回収ラインL2に流出した後、コンデンサ3で強制的に冷却されることで凝縮して液化し、再生油となってオイルタンク21に回収されることになる。
【0029】
そして、この再生油はスチレンモノマーからなる炭化水素を主成分とする液体であるため、A重油等の化石燃料と同様にボイラーやガスバーナー等の燃料等として、あるいは新たな発泡スチロールの原料として有効に活用することが可能となる。
【0030】
また、本発明の油化装置にあっては、ガス化器2で発生した熱分解ガスの一部を分岐ラインL4からエコノマイザ4に流し、液化してから溶解槽1内の溶解液と合流させるようにしたことから溶解槽1内の溶解液をスムーズにガス化器2側に移送することができる。すなわち、溶解槽1内の溶解液はその粘度が再生油よりも高くそのままでは移送時に移送ポンプ14等に大きな負荷が掛かるが、このように粘度の低い再生油を予め混ぜ合わせてその粘度を下げることによって移送ポンプ14等に加わる負荷が軽減されるため、スムーズな移送が達成でき、ひいては移送ポンプ運転用の消費電力も削減可能となる。加えてこのように移送ラインL1に設けられたエコノマイザ4によってこれを通過する溶融液と熱分解ガスの一部を熱交換させるようにしたことから、熱分解ガスの熱がガス化器2側に送られる溶解液の加熱に利用され、その熱分解ガスの廃熱を有効利用することができる、尚、このエコノマイザ4においては、熱分解ガスと熱交換する媒体が比較的温度の高い溶解液であるため、その全てが完全に液化せず、再生油と分解ガスの混合流体となって溶解槽1側に戻る場合が考えられが、この溶解槽1側に戻された熱分解ガスは、ここで発生したガスと共に排気ラインL5から抜き出させて同様な処理を施されることになるため、何ら問題は生じない。
【0031】
また、前述したようにこのガス化器2内に溢流堰17を設け、ガス化器2内の溶解液の量が一定量を超えた場合には、余剰の溶解液をオーバーフローさせて循環ラインL3から溶解槽1内へ戻すようにしたことから、移送ポンプ14による溶解液の移送量を、ガス化器2内で熱分解ガスの発生によって減少する分解液の量よりもやや上回るように設定しておけば、ガス化器2内において常に一定量の液位を保つことができるため、効率的な熱分解処理が実施されると同時に、いわゆる空焚き等の不都合も回避することができる。尚、このガス化器2には、万一空焚きや異常な圧力上昇が発生した場合に直ちにガス化器2の運転を停止できるようにその異常を検知するための温度センサや圧力センサ,安全弁等の安全機構がさらに備えられていることは勿論である。また、図示するように、このガス化器2を溶解槽1よりも高い位置に設置しておけば、溢流堰17をオーバーフローした分解液はそのまま重力によって溶解槽1側へ戻されることになるため、返送用のポンプ等を省略することが可能となる。反対に、この溶解槽1をガス化器2よりも高い位置に設置した場合には、返送用ポンプが必要となるが、この場合には、溶解槽1からガス化器2側に溶解液を移送するための移送ポンプ14を省略、あるいはより小型化することも可能となる。
【0032】
さらに、本発明にあってはこのガス化器2内に、ギアードモータ18によって任意に駆動制御されるスクリューコンベア19が設けられていることから、これを駆動することによって密閉容器12内部の溶解液が攪拌されながら加熱されるようになるため、熱分解処理を効率的に行うことができる。また、このスクリューコンベア19は樋状をしたガス化器2底部に収容されるように設けられていることからガス化器2内底部に溜まった熱分解不能な残滓をガス化器2内底部から掻き取って排出し、残滓ポット20に回収することが可能となるため、定期的に必要となるガス化器2内の清掃作業も容易に行うことができる。
【0033】
また、本発明装置は、搬送や設置,移設等が容易に行えるように、各構成部品を1つのハウジング内に一体的に備えることが好ましいが、処理能力を大きくした場合は、その一部の部品を独立した状態で設置することになる。例えば、本発明装置を構成する部品のうち、特に大型化し易い部分はホッパ9を備えた粉砕機構8の部分であることから、図2に示すようにこの部分を溶解槽1と分離して独立して形成し、両者をベルトコンベア26で連結して構成するようにしても良い。さらに処理する発泡スチロールの種類によってはその表面に溶解しないシールやビニール,プラスチック等が付着、あるいは金属片や木片、土砂等が混入している場合が多いことから、運転を継続するに従って溶解槽1内には大量の残滓が発生する。このため、同図に示すようにこの溶解槽1内にその底部から液面上に延びるベルトコンベア27をさらに付設しておき、溶解液内あるいはその液面に混入したこれら残滓を自動的に取り除くように構成しても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、使用済みの発泡スチロールを加熱溶解してガス化し、これを凝縮して再生油として回収することができる。従って、従来そのまま焼却処分されていた発泡スチロール廃棄物を燃料油や新たな発泡スチロールの原料等として有効活用できると共に、焼却処分に起因する周囲環境の悪化等を未然に防止することができる等といった優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発泡スチロール油化装置の実施の一形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る発泡スチロール油化装置の他の実施の形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 溶解槽
2 ガス化器
3 コンデンサ
4 エコノマイザ
8 粉砕機構
14 移送ポンプ
17 溢流堰
19 スクリューコンベア
21 オイルタンク
22 ベントクーラー
25 脱臭器
L1 移送ライン
L2 回収ライン
L3 循環ライン
L4 分岐ライン
L5 排気ライン[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a styrofoam oiling device for effectively using used styrofoam as fuel oil or the like.
[0002]
Problems to be solved by the prior art and the invention
Conventionally, most of styrofoam, which is frequently used as packing materials for industrial products, building materials, soundproofing materials, and the like, is currently incinerated as combustible waste after the end of its role.
[0003]
However, since this polystyrene foam is obtained by adding a low-boiling hydrocarbon to a polystyrene resin and heating it to expand it by several tens of times, when it is transported to an incinerator or stored in a garbage depot, etc. In addition, there is a disadvantage that when incinerated, a large amount of soot and harmful gas is generated to deteriorate the surrounding environment.
[0004]
Therefore, the present invention has been devised in order to effectively solve such a problem, and an object of the present invention is to effectively dispose of styrofoam which is difficult to dispose, and to thermally decompose the styrofoam to obtain fuel oil It is intended to provide a novel styrofoam oiling device that can be effectively used as a device.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention provides a dissolving tank for heating and dissolving the supplied polystyrene foam, a dissolving solution in the dissolving tank is further heated and thermally decomposed to decompose gas. A condenser for cooling and condensing the pyrolysis gas obtained by the gasifier to convert it into oil, a melt obtained in the dissolving tank, and a heat obtained by the gasifier. An economizer for exchanging heat between cracked gases is provided.
[0006]
Thereby, the polystyrene foam that has been conventionally incinerated can be thermally decomposed, recovered as a regenerated oil, and used effectively.
[0007]
Further, as described in claim 2, by connecting a return line for returning a part or all of the condensate of the pyrolysis gas generated in the economizer to the dissolution tank side, between the economizer and the dissolution tank. In addition, the solution in the dissolution tank and a part of the regenerated oil are mixed to lower the viscosity of the solution, and the solution can be smoothly transferred to the gasifier.
[0008]
In addition, as described in the third aspect, by providing the dissolving tank with a pulverizing mechanism for finely pulverizing and charging the polystyrene foam, the pulverization processing of the polystyrene foam can be performed simultaneously with the charging.
[0009]
Further, as set forth in claim 4, an exhaust line for extracting gas generated in the melting tank is connected to the melting tank, and the exhaust line is provided with a deodorizer for thermally decomposing and deodorizing the gas. In addition, the unpleasant odorous gas does not leak to the atmosphere as it is, and the deterioration of the surrounding environment can be prevented.
[0010]
Further, as described in claim 5, the vent line is provided with a vent cooler that cools and condenses vapor styrene in the extracted gas and returns the vapor styrene in the dissolving tank to the exhaust line. Can be prevented beforehand.
[0011]
As described in claim 6, a combustion gas line for exhausting the combustion gas is connected to the deodorizer, and the combustion gas line is sequentially passed through the gasifier and the dissolving tank. In addition, the waste heat generated by the deodorizer can be effectively used as part or all of the heat during gasification and melting.
[0012]
Further, as set forth in claim 7, the gasifier is provided with an overflow weir for overflowing and discharging a predetermined amount or more of the solution, and a solution overflowing between the overflow weir and the dissolution tank is provided. By connecting a circulation line returning to the dissolving tank side, a fixed amount of the dissolving solution can always be transferred into the gasifier without controlling the transfer amount of the dissolving solution.
[0013]
Furthermore, as shown in claim 8, if the gasifier is provided with a screw conveyor, the fluidization of the solution in the gasifier is promoted to improve the heat transfer characteristics, and at the bottom of the gasifier. Cleaning work of the accumulated residue can be easily performed.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0015]
FIG. 1 shows an embodiment of a styrofoam oiling device according to the present invention. In the drawings, broken arrows indicate lines through which gas mainly flows, and solid arrows indicate lines through which liquid mainly flows.
[0016]
As shown in the figure, the styrofoam oiling apparatus includes a dissolving tank 1 for heating and dissolving styrofoam, and a gasifier 2 for further heating and thermally decomposing the dissolved liquid in the dissolving tank 1 to generate a decomposed gas. A condenser 3 for cooling and condensing the pyrolysis gas obtained in the gasifier 2 to make it oily, and a condenser 3 for melting the melt obtained in the melting tank 1 and the pyrolysis gas obtained in the gasifier 2. And an economizer 4 for heat exchange.
[0017]
First, in a dissolving tank 1, a fixed amount of a liquid heat medium is supplied and stored in a tank body 6 provided with a styrofoam inlet 5 at an upper portion, and a planar electric power for heating the heat medium is provided. A heater 7 is housed therein, and the styrofoam supplied from the input port 5 is heated and melted / dissolved by the heat medium. Further, a pulverizing mechanism 8 is integrally connected to the input port 5, and the block-shaped polystyrene foam supplied from the hopper 9 is finely pulverized by the pulverizing roller 10 and supplied into the tank body 6. ing. Note that a rotary valve 11 is provided in the pulverizing mechanism 8 so as to maintain airtightness in the tank body 6.
[0018]
The gasifier 2 accommodates an electric gasification heater 13 in a horizontally long closed container 12, and is used to dissolve a solution transferred through a transfer line L1 provided with a transfer pump 14 and a filter 15. The gasification heater 13 further heats the gas to a high temperature to thermally decompose it, and sends out the pyrolysis gas from the gas outlet 16 to the condenser 3 via the recovery line L2.
[0019]
In addition, an overflow weir 17 is formed in the closed container 12 to control the amount of the solution in the closed container 12 so as not to exceed a certain amount. That is, when the amount of the dissolving solution supplied from the dissolving tank 1 exceeds a certain amount and its level rises, a part of the dissolving solution overflows the overflow weir 17 and flows toward the circulation line L3. , And is returned to the dissolving tank 1 through the circulation line L3.
[0020]
Further, a screw conveyor 19 driven by a geared motor 18 is provided in the closed container 12 so as to arbitrarily agitate the solution inside the closed container 12. The screw conveyor 19 is provided so as to be accommodated in the bottom of the closed container 12 formed in a gutter shape, and scrapes up the residue accumulated in the bottom of the closed container 12 and discharges the residue to the outside of the closed container 12. It also has the effect of collecting in the residue pot 20.
[0021]
On the other hand, the condenser 3 is a so-called non-contact type heat exchanger provided on the recovery line L2 side of the gasifier 2, and flows through the recovery line L2 using cooling water (refrigerant) such as tap water. The high-temperature pyrolysis gas is rapidly cooled and condensed into regenerated oil, which is sent to the oil tank 21 as it is.
[0022]
The economizer 4 is a so-called non-contact heat exchanger provided in the middle of the transfer line L1 similarly to the condenser 3, and is a high-temperature pyrolysis gas flowing through the recovery line L2 of the gasifier 2. Is extracted from a branch line L4 branching from the middle of the recovery line L2, exchanged heat with a low-temperature solution flowing through the transfer line L1, condensed and liquefied, and returned to the dissolution tank 1 as it is. It has become.
[0023]
On the other hand, the dissolving tank 1 is provided with an exhaust line L5 for forcibly extracting and purifying odorous gas such as odorous gas and steam styrene generated from the styrene foam at the time of pulverizing and dissolving the styrene foam, purifying the styrene gas into the atmosphere. To prevent leakage to the surroundings.
[0024]
That is, as shown in the figure, a vent cooler 22, a filter 23, a blower 24, and a deodorizer 25 are provided in this order on the exhaust line L5, and the gas generated in the melting tank 1 is forcibly extracted by the blower 24, and After the vapor styrene in the gas is cooled and condensed and removed by the vent cooler 22, the odor component in the gas is thermally decomposed at a high temperature by the deodorizer 25 and released to the atmosphere. The exhaust line L5 further extends through the gasifier 2 and the dissolving tank 1 so as to be exposed to the atmosphere. The heat is effectively used as the processing heat of the melting tank 1.
[0025]
Next, the operation of the styrofoam oiling apparatus of the present invention having such a configuration, that is, an example of a method for oiling styrofoam using the apparatus of the present invention will be described.
[0026]
First, a predetermined amount of a heat medium such as heavy oil A is charged into the dissolving tank 1 and heated by an electric heater 7 to a predetermined temperature, for example, about 150 ° C., which is a temperature at which ordinary styrene foam is easily melted. Then, when the inside of the melting tank 1 reaches a predetermined temperature by this heating, the polystyrene foam to be treated is sequentially charged into the melting tank 1 from its charging port. Since the styrofoam lump is finely pulverized by the pulverizing mechanism 8 beforehand and then put into the dissolving tank 1, it can be efficiently melted because it is generated as a large lump such as a block piece. Further, the styrofoam can be quickly dissolved by heating the styrofoam via a heating medium instead of directly heating the styrofoam with the electric heater 7. When a predetermined amount of the dissolving solution is accumulated in the dissolving tank 1 in this manner, the dissolving solution itself acts as a heat medium for the next polystyrene foam to be charged. In addition, it is unnecessary to add a new heat medium such as heavy fuel oil A, which was necessary in the initial operation.
[0027]
Further, in this melting treatment, a gas containing an odor component and vapor styrene in the polystyrene foam is generated in the melting tank 1, but as described above, this gas is extracted from the exhaust line L <b> 5, and then is discharged by the vent cooler 22. Vapor styrene and the like in the gas are condensed and liquefied and returned to the dissolving tank 1, and the remaining gas is burned in the deodorizer 25 to decompose odor components and deodorize. Thereafter, the exhaust gas deodorized by the deodorizer 25 becomes a high-temperature combustion gas, and the heat is recovered in the gasifier 2 and the melting tank 1 while passing through the exhaust line L5. And will be released into the atmosphere. Therefore, the odorous and harmful gas generated in the dissolving tank 1 does not leak from the dissolving tank 1 to the surroundings as it is, so that the deterioration of the surrounding environment can be prevented.
[0028]
On the other hand, the dissolved liquid generated in the dissolving tank 1 is sequentially extracted from the dissolving tank 1 by the transfer pump 14 and sent to the gasifier 2 side via the transfer line L1. The gasification heater 13 further heats to a high temperature higher than the boiling point, for example, about 400 ° C. Then, by this heat treatment, the dissolved liquid (styrene polymer) in the gasifier 2 is thermally decomposed and gasified, becomes a pyrolysis gas, and flows out from the gas outlet 16 at the top of the gasifier 2 to the recovery line L2. By being forcibly cooled by the condenser 3, it is condensed and liquefied by being cooled, and is recovered in the oil tank 21 as recycled oil.
[0029]
And since this regenerated oil is a liquid mainly composed of hydrocarbons composed of styrene monomer, it can be effectively used as a fuel for boilers and gas burners, etc., as well as fossil fuels such as heavy fuel oil A, or as a raw material for new styrene foam. It can be used.
[0030]
Further, in the oil liquefaction apparatus of the present invention, a part of the pyrolysis gas generated in the gasifier 2 flows from the branch line L4 to the economizer 4, liquefies, and then joins with the solution in the dissolution tank 1. By doing so, the solution in the dissolution tank 1 can be smoothly transferred to the gasifier 2 side. That is, the viscosity of the solution in the dissolving tank 1 is higher than that of the regenerated oil, and a large load is applied to the transfer pump 14 or the like during transfer, but the regenerated oil having such a low viscosity is previously mixed to lower the viscosity. As a result, the load applied to the transfer pump 14 and the like is reduced, so that smooth transfer can be achieved, and power consumption for operating the transfer pump can be reduced. In addition, since the economizer 4 provided on the transfer line L1 exchanges heat with a part of the melt and the pyrolysis gas passing therethrough, the heat of the pyrolysis gas is transferred to the gasifier 2 side. It is used for heating the solution to be sent, and the waste heat of the pyrolysis gas can be effectively used. In this economizer 4, the medium that exchanges heat with the pyrolysis gas is a solution having a relatively high temperature. Therefore, it is conceivable that not all of them are completely liquefied and return to the dissolving tank 1 side as a mixed fluid of regenerated oil and decomposition gas. Since the same processing is performed by extracting the gas from the exhaust line L5 together with the gas generated in the above, no problem occurs.
[0031]
Further, as described above, the overflow weir 17 is provided in the gasifier 2, and when the amount of the solution in the gasifier 2 exceeds a certain amount, the excess solution is caused to overflow to the circulation line. Since the liquid is returned from L3 into the dissolving tank 1, the transfer amount of the dissolving solution by the transfer pump 14 is set to be slightly larger than the amount of the decomposing solution reduced by the generation of the pyrolysis gas in the gasifier 2. If this is done, a constant level of liquid can always be maintained in the gasifier 2, so that an efficient thermal decomposition process can be performed and, at the same time, inconveniences such as so-called empty firing can be avoided. The gasifier 2 has a temperature sensor, a pressure sensor, and a safety valve for detecting an abnormality so that the operation of the gasifier 2 can be immediately stopped in the event of an empty boil or an abnormal pressure rise. Needless to say, a safety mechanism such as described above is further provided. As shown in the figure, if the gasifier 2 is installed at a position higher than the dissolving tank 1, the decomposition solution overflowing the overflow weir 17 is returned to the dissolving tank 1 by gravity as it is. Therefore, it is possible to omit a return pump or the like. Conversely, if the dissolving tank 1 is installed at a position higher than the gasifier 2, a return pump is required. In this case, the dissolving solution is transferred from the dissolving tank 1 to the gasifier 2 side. It is also possible to omit the transfer pump 14 for transferring or to reduce the size.
[0032]
Further, in the present invention, since a screw conveyor 19 which is arbitrarily driven and controlled by a geared motor 18 is provided in the gasifier 2, the screw conveyor 19 is driven to drive the dissolved liquid inside the closed container 12. Is heated while being stirred, so that the thermal decomposition treatment can be performed efficiently. Further, since the screw conveyor 19 is provided so as to be accommodated in the bottom of the gasifier 2 having a gutter shape, the non-decomposable residue accumulated in the bottom of the gasifier 2 is removed from the inner bottom of the gasifier 2. Since it is possible to scrape and discharge and collect the residue in the residue pot 20, it is possible to easily perform the cleaning work in the gasifier 2 that is required regularly.
[0033]
Further, in the apparatus of the present invention, it is preferable that each component is integrally provided in one housing so that transport, installation, relocation, and the like can be easily performed. Parts will be installed independently. For example, among the parts constituting the apparatus of the present invention, the part which tends to be particularly large is the part of the pulverizing mechanism 8 provided with the hopper 9, and as shown in FIG. It is also possible to form them by connecting them with a belt conveyor 26. Further, depending on the type of styrofoam to be treated, a seal, vinyl, plastic, or the like that does not dissolve adhere to the surface, or metal pieces, wood chips, earth and sand, etc. are often mixed. Generates a large amount of residue. For this reason, as shown in the figure, a belt conveyor 27 extending from the bottom to the liquid surface is further provided in the dissolving tank 1, and these residues mixed in the dissolving liquid or on the liquid level are automatically removed. You may comprise so that it may be.
[0034]
【The invention's effect】
In short, according to the present invention, it is possible to heat and dissolve used polystyrene foam to gasify it, condense it, and recover it as regenerated oil. Therefore, it is possible to effectively utilize styrofoam waste conventionally incinerated as it is as a raw material for fuel oil and new styrofoam, and to prevent deterioration of the surrounding environment due to incineration, etc. The effect can be exhibited.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing one embodiment of a styrofoam oiling device according to the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing another embodiment of the styrofoam oiling device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 melting tank 2 gasifier 3 condenser 4 economizer 8 crushing mechanism 14 transfer pump 17 overflow weir 19 screw conveyor 21 oil tank 22 vent cooler 25 deodorizer L1 transfer line L2 recovery line L3 circulation line L4 branch line L5 exhaust line