JP2004082618A - 傾斜機能材料、並びに傾斜機能材料の製造方法及び装置 - Google Patents

傾斜機能材料、並びに傾斜機能材料の製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】充填率が小さい沈積物でも凍結乾燥法を適用することにより、安価で且つ簡単な方法でひびや層間剥離或いは型崩れを生じることのない傾斜機能材料、並びにその製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】自転ユニット8は、第1モータ10の運転時に水平回転板9を介して公転し、遠心力によって角度θ(90度)まで底部側が外側に振り上げられる(自転ユニット8a参照)。自転ユニット8は、第2モータ32によって自身の中心軸の回りにも自転可能である。自転ユニット8の型枠内に収容した混合物から固体成分は、これらの回転で遠心分離され、型枠の壁部に沿って組成遷移部を含む層状に沈積する。沈積物は、ノズル22から凍結用液体の噴射供給で急速凍結され、その後、凍結水分の昇華で乾燥され、更に整形・焼成される。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物から、固体成分の存在比率が連続的に変化する組成遷移層を含む構造に成形される傾斜機能材料、並びに傾斜機能材料の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、懸濁液や泥漿に遠心力を作用させてセラミックスや複合材料を製造する方法が知られている。これらの方法では、遠心力で沈積させたり沈積物の充填率(かさ比重)を高めるため、超高速の回転による大きな遠心力を利用したり、石膏型の吸水性を利用して成形体の高密度化を図っている。また、乾燥後の成形体の取扱いを容易にするため、沈積物を固定するための結合材(バインダ)を添加している。
【0003】
遠心力を利用したセラミックスや複合材の製造方法の例として、特許第3005660号明細書、特開平5−65504号公報又は特開平3−36340号に開示されているものがある。特許第3005660号には、超伝導体の完全反磁性を利用して磁束遮蔽をする磁気シールド体の製造方法が開示されている。この製造方法は、焼成により高温超伝導体となる結晶形態が板状結晶であり、仮焼粉末の泥漿を遠心成形し、得られた円筒形成形体を焼成することから成っている。遠心力によって管状鋳型の内部に仮焼粉末の泥漿を均一な厚みで着肉させ、固化した後に鋳型から円筒形成形体を取り出すので、円筒形成形体は密度、厚さが均一であり、焼成して得られた磁気シールド体も密度が均一となる。
【0004】
特開平11−71576号公報には、金属酸化物からなる原料粉末を含む泥漿について、遠心力を利用して固液の分離を行って固形成形体を得て、得られた固形成形体を解砕して粒状としたものにマイクロ波を照射し、平均粒径が1μm以下、且つマイクロビッカース硬度が18GPa以上である焼結砥粒を得る高速遠心成形法が開示されている。この高速遠心成形法によれば、成形と同時に脱泡も行われるので、原理的に欠陥のない高品質な成形体が得られ、1μm以下の原料を均一且つ高充填度に成形するファインセラミックスの複雑形状製品の作成に適している。また、金型を使用できるので、形状の自由度や寸法精度に優れるという特徴を持っている。
【0005】
特開平5−65504号公報には、金属、セラミックス等の粉体を液体に混練してなる泥漿、懸濁液などの流動体を底部が密閉された型内に入れ、型の底部を遠心機の回転方向外方に向けて遠心機を回転させた後、型の上部に分離された液体を除去して、固形状の成形体を得る成形方法が開示されている。また、粉体光学学会誌35,555−559(1998)には、液中沈降法を用いた傾斜成分充填層の作製と題して、粉粒体粒子の粒径や密度によって液中沈降速度が異なることを利用して、遠心沈降によって、傾斜成分粒子充填層を簡単に作製することが開示されている。
【0006】
しかしながら、上記の従来の方法では、沈積物、即ち成形体の充填率を高めるためには、10G以上の大きな遠心力が好ましいとされており、小さな遠心力で沈降した沈積物は、充填率が小さいために乾燥過程での乾燥収縮が大きくなり、成形体にひびや層間剥離が生じるという問題がある。しかしながら、10G以上の大きな遠心力を生じさせるには、回転数を高くしたり回転半径を大きくすることにより遠心力発生装置が大規模化する等の問題点もある。また、乾燥収縮によるこれらの問題を解決するため、調合物にバインダを添加して成形体の強度を高めることも行われているが、バインダの添加量が多くなると焼成前に脱脂工程が必要となる等、工程数が増加し、コスト上昇要因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
固体分の沈積のために作用させる遠心力が小さければ、沈積物の充填率が小さくなることが予想される。そうした充填率が小さい沈積物であっても、固体成分の組成比率が連続的に変化する組成遷移層を有しながら、バインダを添加することなく均質で高品質な成形体を得ることができれば、傾斜機能材料としては勿論のこと、遠心力発生装置を小型化・低速回転化可能となる等、傾斜機能材料の製造上好ましい。そこで、組成比率が連続的に変化した組成遷移層を有する傾斜機能材料とその製造において、充填率が小さい沈積物からでも乾燥収縮を起こさないように水分を除去可能にする点で解決すべき課題がある。
【0008】
この発明の目的は、組成比率が連続的に変化した組成遷移層を有する傾斜機能材料とその製造において、小さい遠心力を用いて得られた充填率の小さい沈積物からでも、安価で且つ簡単な方法でひび割れや層間剥離或いは型崩れを生じることのない均質で高品質な成形体を得る傾斜機能材料、並びにその製造方法及び装置を提供することである。また、そうして得られた成形体を成型して各種形状・構造を有する傾斜機能材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による傾斜機能材料は、2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物に遠心力を作用させて前記固体粒子を組成比率が連続的に変化した組成遷移層を含む沈積物として沈積させ、前記沈積物を凍結して前記沈積物に含まれる凍結状態の前記液体成分を取り除くことにより前記沈積物を乾燥して得られていることから成っている。
【0010】
この傾斜機能材料においては、この傾斜機能材料において、沈積物は固体粒子の粒度や比重の差に起因して先後に時間差を置いて沈積し、組成遷移層は一方の組成比率を持つ第1組成層と他方の組成比率を持つ第2組成層との間において、両組成比率間で組成比率が連続的に変化している。固体粒子の組成成分は2種類に限らず3種類以上であって良いが、第1組成層と第2組成層との間の組成遷移層は、遠心力の作用によって、着目する組成比率が一方の組成比率から他方の組成比率へと連続的に変化した層として形成される。沈積物の凍結によって、沈積物の内部の液体成分は表面に滲み出て凍結するので、沈積物の内部は乾燥状態にすることができる。表面にでた凍結成分を除去することにより、全体として乾燥が進んだ沈積物が得られる。
【0011】
この傾斜機能材料において、前記固体粒子を一種類又は複数種類の金属粒子と一種類又は複数種類のセラミックス粒子とし、前記組成遷移層を、前記遠心力による沈積の際に先に沈積して成る金属層と後に沈積して成るセラミックス層との間で前記金属と前記セラミックスとの組成比率を連続的に変化して形成することができる。固体成分を粉末状の金属及びセラミックスとすることによって、強度や加工性に優れると共に電磁特性を示す金属層と、保温性、耐熱性或いは耐腐食性を備えたセラミックス層との利点をそれぞれ発揮させた複合材料を、組成遷移層によって相互になじませながら結合させると共に温度、応力、変位等の金属層とセラミックス層との間に生じる急激な変化を緩和させることが可能な傾斜機能材料が得られる。金属粒子とセラミックス粒子とについては、それぞれ沈積の速度を決定付ける比重(金属種類)と粒度について複数種類とすることができる。
【0012】
この傾斜機能材料において、乾燥された前記沈積物を成形して得られた成形体を焼成することにより、又は乾燥された前記沈積物を成形と同時に焼成することにより、焼成物として得ることができる。凍結乾燥によって得られた成形体は、一軸加圧成型、冷間静水圧プレス(CIP)等による二次的な成型を行うことができ、また、ホットプレス(HP)、熱間静水圧プレス(HIP)等による成型と焼成とを同時に行う成型で行うこともできる。
【0013】
この傾斜機能材料において、外周部を前記金属層とし、内周部を前記セラミックス層とし、前記外周部と前記内周部との間の中間層を前記組成遷移層とした円筒パイプ状に成形することができる。このようにして形成された円筒パイプ状の傾斜機能材料は、そのまま、配管等として利用可能であると共に、切断して切り出した湾曲辺を平坦に加工して平板状の傾斜機能材料としても利用することができる。
【0014】
また、この発明による傾斜機能材料は、金属部と、前記金属部の周囲を取り囲むセラミックス部と、前記金属部と前記セラミックス部とを一体的に接続し且つ金属とセラミックスとの組成比率が前記両部の間で連続的に変化する組成遷移部とから成り、誘導加熱又はマイクロ波加熱によって前記金属部が発熱する発熱モジュールとして適用可能である。誘導加熱又はマイクロ波加熱することによって金属部が発熱して発熱モジュールが高温化するが、金属部は金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化する組成遷移部を介してセラミックス部と一体化されているので、組成遷移部が、セラミックスと金属との熱膨張差により発生する熱応力を緩和し、層間亀裂の発生を抑制するため、高い強度と耐衝撃性を有し且つ誘導加熱やマイクロ波加熱によって発熱する金属の特性と、熱伝導率が小さく保温性を有するセラミックスの特性を併せ持つ、発熱モジュールが得られる。発熱モジュールは、金属粒子とセラミックス粒子とを含む2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物から遠心沈積法と凍結乾燥法とを適用することによって、金属層、組成遷移層及びセラミックス層を有する傾斜機能材料として成形することができる。金属層同士を背中合わせに成型して、金属層の両側で組成遷移層を介してセラミックス層で挟んだ構造にすることができる。更に、そうした挟み込み構造の周辺部を塑性変形加工することにより、互いに接触した前記金属層を前記金属部とし、前記組成遷移層及び前記セラミックス層をそれぞれ繋げて前記組成遷移部及び前記セラミックス部として、中心側の金属部を組成遷移部を介して外周をセラミックス部で覆った発熱モジュールが得られる。
【0015】
発熱モジュールとして適用可能な傾斜機能材料において、前記発熱モジュールは、電磁調理用又は電子レンジ調理用の容器に埋め込むことにより、調理用容器の発熱体として適用することができる。発熱モジュールを埋め込んだ調理用容器は、誘導加熱することで金属部を発熱させて電磁調理器用として使用することができ、また、マイクロ波加熱することで金属部を発熱させて電子レンジ調理用の容器として使用することができる。発熱モジュールを調理用容器に埋め込むことによって、容器中に食材や飲料を収容した状態のままで調理が可能になり、調理後の再加熱に便利であり且つ長時間の保温性にも優れている。
【0016】
発熱モジュールとして適用可能な傾斜機能材料において、前記発熱モジュールについては、前記金属部が円板、矩形板、十字形、升形、ダブルリング形等の平面で見て幾何学的な面状又は線状パターンにて形成されている円盤状駒、前記金属部が中心軸に沿って棒状に形成されている串、又は前記金属部が中心部に位置する塊状に形成されている球とすることができる。発熱モジュールを円盤状駒に形成する場合、金属部を円板、矩形板等の平面で見て面状のパターンにて形成したときには、発熱モジュールは、誘導加熱にもマイクロ波加熱にも用いることができる。円板、矩形板、十字形、升形、ダブルリング形等の平面で見て幾何学的な線状パターンに形成された金属部は、磁力線の向きに対応して形成することができ、発熱モジュールに生じる電流と効率的に作用して発熱する。発熱モジュールを串に形成する場合には、串を食肉のような加熱品の内部に一部又は全部を差し込んで使用することができ、また、発熱モジュールを球に形成する場合には、球を加熱品の内部に詰め物又は敷物として使用することができる。このように、発熱モジュールを埋め込んだ調理用容器は、特に、誘導加熱又はマイクロ波加熱で内部の金属部を加熱したり、電気・ガスオーブンで一度外部から加熱してセラミック部の保温性を利用することで、電磁調理器用容器として使用することができる。
【0017】
この発明による傾斜機能材料の製造方法は、2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物を型枠内に収容する混合物収容工程、前記型枠を回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移層を含む沈積物として前記固体粒子を前記型枠内に沈積させる遠心沈積工程、及び前記沈積物を凍結し前記沈積物に含まれる凍結状態の前記液体成分を取り除くことにより前記沈積物を乾燥させる凍結乾燥工程から成っている。
【0018】
この傾斜機能材料の製造方法によれば、先ず、混合物収容工程において、2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物が型枠内に収容される。この混合物は、固体粒子が液体の中に浮かぶ懸濁液や泥漿となる。次の遠心沈積工程において、型枠を回転させるときに作用する遠心力によって混合物中の固体を型枠内に沈積させると、比重差に基づいて、比重の重い方の固体が先に多量に沈積し、軽い比重の固体ほど後に沈積するので、容器内には、実質的に比重の重い固体のみの層、実質的に比重の軽い固体のみの層、及び両層に連続的に堆積し且つ固体の存在比率が連続的に変化した組成遷移部から成る沈積物が形成される。この際、スラリー中の固体粒子が分散状態にあると比重差による沈降速度差が明確になりすぎて、組成遷移層を形成し難い。そこで、スラリー中の固体粒子が凝集状態となるようにスラリーの調整を行うことにより、組成遷移層を形成し、傾斜機能材料を形成することが可能となる。その後の凍結乾燥工程においては、沈積された固体の沈積物に凍結乾燥法が適用され、沈積物の内部から滲み出して表面で凍結した液体成分を取り除くことによって、乾燥収縮を抑制した成形体が形成される。凍結乾燥法を用いて乾燥させるので、混合物を沈積させるときの遠心力を比較的小さくすることが可能である。遠心力が小さいと成形体の固体成分の充填率が小さくなるが、凍結乾燥法の適用によって乾燥収縮が小さくて済み、ひび、剥離及び型崩れのない成形体が得られる。
【0019】
この傾斜機能材料の製造方法において、前記混合物は、添加される分散剤量を調整することにより、凝集状態とすることができる。混合物を凝集状態とすることにより、遠心沈積工程における、固体成分の沈積を効率良く行うことが可能になる。
【0020】
この傾斜機能材料の製造方法において、前記固体粒子を一種類又は複数種類の金属粒子と一種類又は複数種類のセラミックス粒子とし、前記遠心沈積工程において、前記遠心力による沈積の際に先に沈積して成る金属層と後に沈積して成るセラミックス層との間で金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化した層として前記組成遷移層を形成することができる。固体成分を比重と粒度で沈積速度が調整可能な金属粒子とセラミックス粒子とすることによって、電磁特性を示し強度や加工性に優れた金属層と、保温性、耐熱性及び耐腐食性を備えたセラミックス層との利点をそれぞれ併せ持つ複合材料を、組成遷移層によって相互になじませながら結合させ、且つ金属層とセラミックス層とに生じる、熱、応力や歪み等の負荷の急激な変化を緩和させた傾斜機能材料を製造することができる。
【0021】
この傾斜機能材料の製造方法において、前記凍結乾燥工程において、前記沈積物の凍結を液体窒素等の極低温液体を用いた急速凍結によって行い、前記沈積物の乾燥を真空下での昇華によって行うことができる。沈積物は、例えば型枠内に沈積され、沈積物は液体窒素のような極低温の流体に晒すことによって凍結される。沈積物に含まれる凍結状態の液体成分は沈積物の表面に滲み出して凍結し、沈積物の内部を液体成分の少ない乾燥状態とすることができる。凍結した液体成分は、例えば、真空雰囲気下に置くことで直接に昇華させることによって取り除かれる。従って、バインダを用いなくてもひび割れ、層間の剥離、或いは型崩れのない乾燥した成形体が得られる。
【0022】
この傾斜機能材料の製造方法において、凍結乾燥工程の後に、乾燥された前記沈積物を成形して成形体を得る成形工程、及び前記成形工程の後に前記成形体を焼成する焼成工程を備えること、又は乾燥された前記沈積物を成形と同時に焼成する成形・焼成工程を備えることができる。凍結乾燥工程によって得られた沈積物は、成形工程によって所望の成形体に成形することができ、更に、焼成工程によって成形体を焼成し、固体粒子同士を焼成によって固く結合させることで、一方の成分から組成遷移層を経て他方の成分に至るまで、強度や剛性を備えた傾斜機能製品が得られる。
【0023】
この傾斜機能材料の製造方法において、厚み方向に前記金属層、前記セラミックス層及び前記組成遷移層とが積層された二枚の前記成形体を前記金属層同士を背中合わせにした状態で成型することにより、前記金属部の誘導加熱又はマイクロ波加熱によって発熱する発熱モジュールの製造に適用することができる。二枚の成形体については、個々の底の浅い筒状型枠を利用する方法の他に、例えば、円筒状型枠を用いて成型される円筒状成形体を大径で且つ薄肉の円筒状成形体とすることで、そこから湾曲度の小さい板状成形体に切り出すこともできる。そうした板状の成形体の金属層同士を背中合わせに突き合わせた状態にして両板状成形体を、例えば、モジュールの外形に対応した型枠内で成形することにより、両金属層が重なって形成された金属部を中央に置き、組成遷移層が繋がって形成される組成遷移部を介して、両成形体のセラミックス層を両外側に配置したセラミックス部とした発熱モジュールが得られる。発熱モジュールは、焼成することにより傾斜機能製品化することができ、金属部の誘導加熱又はマイクロ波加熱によって発熱させることができる。
【0024】
発熱モジュールは、特にマイクロ波加熱をする場合、金属部を直接に外部に曝すことは避けることが好ましい。そのため、焼成する前に、両金属層から形成される金属部の全周囲を組成遷移層が繋がって形成される組成遷移部で囲み、更にその外側をセラミックス層が繋がって形成されるセラミックス部で取り囲む形に成形し、セラミックス部で包み込んだ発熱モジュール用の成形体を得ることが好ましい。また、発熱モジュールを、成形体の状態又は焼成されたものを容器成形体に埋め込んだ状態で容器成形体と共に焼成すれば、電磁調理器用又は電子レンジ調理用の容器の製造に適用することができる。発熱モジュール用の成形体については、陶磁器原料から製作された容器成形体の、例えば底部内部に埋め込んだ状態で容器成形体と共に焼成させることで、発熱モジュールを備えた調理器用容器を製作することが可能になる。発熱モジュール用の成形体の焼成を陶磁器原料から製作された容器成形体の焼成と同時に行えば、発熱モジュール用成形体を単独で焼成する必要がなく、焼成終了時には発熱モジュールを容器と一体化させることが可能になる。
【0025】
更に、この発明による傾斜機能材料の製造装置は、公転回転用の第1モータ、前記第1モータによって回転される水平回転板、前記水平回転板の外周部に周方向にそれぞれ隔置して配置され且つ弦方向に延びる水平ヒンジ軸の回りに回動自在な複数の自転ユニット、及び前記自転ユニットへ凍結用液体を供給する凍結手段を備え、前記自転ユニットは、自転回転用の第2モータ、前記第2モータによって前記水平ヒンジ軸と直交する自転軸の回りに回転駆動される回転ドラム、及び前記回転ドラムに同心状に支持され2種以上の固体粒子が液体中に分散された混合物を収容可能な型枠を有しており、前記第1モータと前記第2モータの少なくとも一方を駆動することにより前記型枠を公転回転又は自転回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から前記固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移部を含む沈積物として前記固体を前記型枠内に沈積させることから成っている。
【0026】
この傾斜機能材料の製造装置によれば、第1モータを駆動することにより水平回転板が回転し、水平回転板の外周部に周方向にそれぞれ隔置して配置されている複数の自転ユニットが公転する。自転ユニットに働く遠心力によって、各自転ユニットは水平ヒンジ軸の回りに回動し、自転ユニットの型枠内に注入・収容されている2種以上の固体と液体とから成る混合物は遠心分離機と同様の作用を受けて、横向きに回動状態にある自転ユニットに支持された型枠内の外方寄り底壁部に沿って、固体成分が組成遷移部を中間に置いて層状に分離する。また、第2モータを駆動することにより、自転ユニットは自転軸の回りに回転し、自転ユニットの回転ドラムと、回転ドラムに同心状に支持された型枠とが回転し、型枠内に注入・収容された2種以上の固体と液体とから成る混合物の固体成分は型枠内の周壁部に沿って組成遷移部を中間に置いて層状に分離する。第1モータと第2モータとを同時に駆動することにより、自転ユニットは水平回転板によって公転して水平ヒンジ軸回りに回動して横向きの状態となり、その状態のまま自転軸の回りに自転する。従って、型枠内に注入・収容された2種以上の固体と液体とから成る混合物の固体成分は、回転ドラムに同心状に支持された型枠内において内壁部に沿って組成遷移部を介して層状に分離する。型枠を自転軸方向に一方が開口した器状型枠とし、器状型枠を自転軸回りに自転させつつ公転軸の周りに公転回転させることによって、固体成分を器状型枠の底壁と周壁とに渡る内壁面に沿って連続的な層状の器状沈積物として遠心沈積させ、器状沈積物をそのまま凍結乾燥させることにより器状成形体を得て、その後、器状成形体を焼成することで器状製品を得ることができる。
【0027】
この傾斜機能材料の製造装置において、前記各自転ユニットに対応して、前記沈積物を凍結乾燥して形成された成形体を前記型枠との間で成型する成型機構を配設することができる。遠心力による固体の沈積作用のみでは、直ちに焼成を行うことが可能な程度の形状にまで成形されていることは稀であるので、成型機構によって、沈積物を凍結乾燥して形成された成形体を型枠との間で成型することが好ましい。成型機構は、自転ユニットから製造装置の外に取り外した部分と組み合わせて用いることができる。前記成型機構については、前記自転ユニットの前記型枠の外側に直接又は間接的に嵌合するガイド体と、前記ガイド体が前記型枠に案内されるときに前記型枠内に侵入して前記型枠との間で前記成形体を成型する成型用雄型とを備えていることができる。自転ユニットの型枠の外側に直接又は間接的に嵌合するガイド体を設けることにより型枠に対する成型用雄型の位置が規定されるので、凍結乾燥された成形体を型枠と成型用雄型との間で所定の形に整形することができる。
【0028】
この傾斜機能材料の製造装置には、水平回転板と同軸に同じ速度で回転し且つ凍結用液体の供給源に接続された供給通路が形成されている回転体と、回転体に取り付けられ各自転ユニットにそれぞれ対応して各自転ユニットの型枠にまで延びて凍結用液体を注入可能な可動供給ノズルとを備えた凍結手段を備えることができる。可動供給ノズルを、水平回転板と同軸に同じ速度で回転する回転体に、各自転ユニットの型枠にまで延びる状態に取り付けることにより、可動供給ノズルの位置は、常に、各自転ユニットの型枠に対応しており、凍結用液体を可動供給ノズルから各自転ユニットの型枠内に確実に注ぐことができる。また、凍結手段は、水平回転板の回転軸に対向した位置において機枠に固定され且つ凍結用液体の供給源に接続された中央供給通路が形成されているアダプタと、自転ユニットの数に合わせた個数でアダプタに取り付けられ且つそれぞれが中央供給通路に接続すると共に各自転ユニットの型枠に相当する位置まで延びて凍結用液体を注入可能な固定供給ノズルとを備えた構成とすることもできる。固定供給ノズルを、水平回転板に対して別個に且つ機構的な関連無しに、位置のみ回転軸に対向した位置に配設することにより、凍結手段を簡素な構造で構成することができる。凍結用液体の注出は、各固定供給ノズルをそれぞれ自転ユニットの型枠に位置合わせしてから行われる。
【0029】
この発明による別の傾斜機能材料の製造装置は、駆動モータ、前記駆動モータによって自転軸回りに水平回転される回転ドラム、前記回転ドラム内に同心状に配置され且つ2種以上の固体と液体とから成る混合物が収容可能な円筒状型枠、前記円筒状型枠内に凍結用液体を供給する凍結手段を備え、前記駆動モータを駆動することにより前記円筒状型枠を回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から前記固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移部を含む沈積物として前記固体を前記円筒状型枠内に沈積させることから成っている。
【0030】
この傾斜機能材料の製造装置によれば、駆動モータを駆動することにより横向き状態にある回転ドラムが円筒状型枠と共に回転する。円筒状型枠内に注入・収容されている2種以上の固体と液体とから成る混合物は、遠心分離機と同様の遠心力作用を受けて円筒状型枠の種壁部に沿って沈積され、固体成分が組成遷移部を中間に介して層状に分離する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、この発明による傾斜機能材料とその製造方法及び製造装置についての実施例を説明する。図1はこの発明による傾斜機能材料の製造装置の一例を示す平面図、図2は図1に示した傾斜機能材料の製造装置のA−A及びB−B断面図である。図1及び図2に示す傾斜機能材料の製造装置1は、遠心分離装置を応用した装置であって、固定のハウジング2は、円板状の基台3と、基台3上に載置固定されている円筒状ケース4と、円筒状ケース4の上側開口側に掛け渡された架橋板5とから成っており、ハウジング2の内部6には後述する遠心駆動機構7が配設されている。
【0032】
遠心駆動機構7は、固体と液体の混合物であるスラリーが注入される型枠を有する自転ユニット8を自転させることができると共に、複数の自転ユニット8を備えた水平回転板9を回転させることで各自転ユニット8を公転させることもできる機構である。基台3の中心位置には、水平回転板9を回転させるための第1モータ10が立設されている。第1モータ10の出力軸11は、水平回転板9に固定されていると共に軸端部において架橋板5に回転自在に支持された回転体12を有している。自転ユニット8は水平回転板9の周囲に等間隔に隔置して配置されており、各自転ユニット8は、水平回転板9の外周部に外方に向かって開いた状態に切り欠かれた切欠き部13に回動可能に支持されている。各自転ユニット8の詳細については後述する。
【0033】
第1モータ10は、電源に接続されれている電源コード14から供給される電力で回転される。電源コード14は、スリップリング15と電線16を介して自転ユニット8に備わる第2モータ32に電力を供給している。架橋板5には、スラリーの凍結を行うための凍結用液体である液体窒素をその供給源から給送する配管17が備わっている。架橋板5の中央部に設けられた接続体18の中心孔19、回転体12の中心孔20及び中心孔20に繋がる複数の放射孔21は、配管17に繋がる凍結用液体の供給通路となっており、この供給通路は、回転体12に放射状に配設された複数の可動供給ノズル22のそれぞれに接続されている。各可動供給ノズル22は、個々の自転ユニット8に対応しており、各自転ユニット8の型枠37(後述する)にまで延びて凍結用液体を型枠37内に注入可能である。回転体12と接続体18との間での液体窒素の漏れを防止するために、シール23が配設されている。水平回転板9と同軸に同じ速度で回転し且つ凍結用液体の供給通路が形成された回転体12と、回転体12に取り付けられた可動供給ノズル22とは、この発明の凍結手段を構成している。
【0034】
傾斜機能材料の製造装置1の基台3には、排泥液を受ける受け皿24が設けられている。受け皿24は、第1モータ10の外側に配置される内周壁部25と、内周壁部25に対して同心状の外周壁部26と、両周壁部を繋ぐ底壁部27とから成る環状構造に形成されている。底壁部27には、受けた排泥液を製造装置1の外部に排出する排出管28が開口している。受け皿24は、遠心沈積工程が終了して、スラリーに含まれる液体成分のうち沈積物の上部の溜まった上澄み液を受け取ることができる。
【0035】
第1モータ10を運転して水平回転板9を回転すると自転ユニット8は角速度ω1で公転し、符号8aで示す自転ユニットに見られるように、作用する遠心力によって切欠き部13内において回動し、角度θ(通常は90度)まで底部側が外側に振り上げられる。また、自転ユニット8は第2モータ32によって自身の中心軸の回りにも角速度ω2で自転可能である。第1モータ10の駆動によって自転ユニット8を公転のみをさせることで、収容した混合物から固体成分を型枠の底壁に沿って組成遷移部を含む層状に沈積させることが可能である。また、第2モータ32によっての駆動によって自転ユニット8を自転のみで回転させることで、型枠に収容した混合物から固体成分を型枠の周壁に沿って組成遷移部を含む層状に沈積させることが可能である。更に、第1モータ10と第2モータ32とを共に駆動することにより、自転ユニット8を公転しながら自転させることもできる。この場合、型枠に収容した混合物の固形成分は型枠の底壁と周壁とに沿って組成遷移部を含む層状に遠心分離される。
【0036】
図3はこの発明による傾斜機能材料の別の製造装置の一例を示す断面図である。図3に示す傾斜機能材料の製造装置50は、図1及び図2に示す傾斜機能材料の製造装置1と比較して、凍結用液体を供給する凍結手段が異なる以外は同じ構造であるので、同じ構成要素には同じ符号を付すことによって再度の説明を省略する。傾斜機能材料の製造装置50において、固定のハウジング2に掛け渡された架橋板5の水平回転板9の回転中心に対向した位置にアダプタ51が取り付けられており、アダプタ51の内部には配管17に接続される中央供給通路52が形成されている。アダプタ51の外周部には自転ユニット8の数に合わせた個数の固定供給ノズル53が等間隔に隔置して放射状に取り付けられており、各固定供給ノズル53は、中央供給通路52に接続して自転ユニット8の型枠に相当する位置まで延びている。遠心沈積工程が終了して水平回転板9の回転と自転ユニット8の回転を停止し、上澄み液の排出をし、更に自転ユニット8の型枠の位置を固定供給ノズル53の噴射位置に合わせた後に、固定供給ノズル53からの凍結用液体の噴射が行われる。配管17、アダプタ51及び固定供給ノズル53は、傾斜機能材料の製造装置50の凍結手段を構成している。固定供給ノズル53を、水平回転板9に対して別個に且つ機構的な関連無しに、回転中心に対向した位置に配設することにより、凍結手段を簡素な構造で構成することができる。
【0037】
図4は、遠心沈積工程の終了後に、自転ユニットを傾転させてスラリーの上澄みを排出する状況を示す断面図である。スラリー中の固体粒子が遠心沈積されたとき、スラリー中の液体部分は、一部が吸水性の型枠37(詳細は図5に基づいて説明)に吸収されるが、大部分は型枠37内に上澄み29として残される。図4に示すように、自転ユニット8の自転及び公転が停止された後、沈積物70を凍結乾燥させる前に、適宜の手段によって自転ユニット8を水平ヒンジ軸31の周りに傾転させることにより、上澄み29を受け皿24に流し出すことで、こうした上澄み29を取り除くことができる。
【0038】
図5は、傾斜機能材料の製造装置に用いられる自転ユニットの詳細を示す断面図である。自転ユニット8は、水平回転板9に水平ヒンジ軸31,31で回動自在に支持された外枠30と、外枠30に対して水平ヒンジ軸31,31から遠い側の端部に取り付けられた第2モータ32と、外枠30の内部に配置され且つ第2モータ32によって自転回転される回転ドラム36を備えている。水平ヒンジ軸31,31は水平回転板9の切欠き部13において弦方向に延びており、水平回転板9の回転時に、自転ユニット8は遠心力を受けて水平ヒンジ軸31,31の回りに真に径方向外側に向けて回動する。第2モータ32の回転出力は、カップリング33を経て回転駆動軸34に伝達され、回転駆動軸34は軸受35によって外枠30に回転支持されている。回転駆動軸34の回転は、回転中心が回転駆動軸34と同心に固定されている回転ドラム36に伝達される。回転ドラム36内には、回転中心が回転駆動軸34と同心状であって自転軸方向に一方が開口しコップ状の型枠37が収容されている。コップ状の型枠37内に注入されたスラリー状の混合物中の固体成分は、遠心沈積工程において、コップ状の型枠37を回転駆動軸34と同心の自転軸回りに自転させつつ公転軸の周りに公転させることによって型枠37の内壁面に沿って沈積物70として沈積する。
【0039】
遠心沈積工程で得られた沈積物70は、コップ状の型枠37の内壁面に沿って沈積したコップ状沈積物である。固体成分を鉄粉のような金属粉末とセラミックスの粉末とするとき、沈積物70は、遠心分離作用によって固体成分のうち先に沈積した外側の金属層71aと、後に沈積した最内側のセラミックス層72aと、両層の間に、金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化した組成遷移層73aとからなる回転体形状を呈している。即ち、沈積物70の組成遷移層73aは、第1組成層として一方(金属)の組成比率を持つ金属層71aと、第2組成層として他方(セラミックス)の組成比率を持つセラミックス層72aの間で組成比率が両組成比率間で連続的に変化して形成されている。図5に示すように、遠心沈積工程が終了し、上澄み29を排出(図4)した後に、第2モータ32を稼働させて型枠37を自転させながら、可動供給ノズル21又は固定供給ノズル53から凍結用液体である液体窒素を噴射することにより、混合物から遠心沈積した沈積物70は液体窒素の噴流39によって急速に凍結される。このとき、沈積物70の内部に残る液体成分は沈積物70の表面に滲み出して凍結し、その結果、沈積物70の内部は液体成分に乏しい状態、即ち、乾燥状態となる。凍結乾燥工程において、凍結された沈積物70を真空環境下に置くと、凍結した液体成分は昇華によって直接に蒸発し、成形体としてコップ状の成形体75(図6参照)が得られる。なお、固体の組成成分は2種類に限らず3種類以上であってよいが、第1組成層と第2組成層との間の組成遷移層は、遠心力の作用によって、着目する組成比率が一方の組成比率から他方の組成比率へと連続的に変化した層として形成することができる。
【0040】
図6は、凍結乾燥によって得られた成形体を成型する工程を示す説明図である。図6の下側部分は自転ユニット8から型枠37や成形体75と共に取り出した回転ドラム36を示す図である。図6の上方部分は、各自転ユニット8について凍結乾燥によって得られた成形体75を成型するための成型機構40を示している。遠心力による固体成分の沈積作用のみでは、直ちに焼成を行うことが可能な程度の形状にまで成形されていることは稀である。従って、型枠37と協働して成形体75の内面を成型するため、成型機構40が設けられる。成型機構40は、雌型としての型枠37よりも一回り小さい底面42と外形面43とを有する円筒状の成型用雄型41を備えている。成型用雄型41の上部には、支持部44及び取付け部45を介して予め定められた位置にガイド体46が取り付けられている。ガイド体46は、回転ドラム36の外周面38に対して内周面47において嵌合する。従って、成型機構40を回転ドラム36に対して嵌め合わせるときに、ガイド体46が回転ドラム36に案内されつつ移動し、成型用雄型41が型枠37に対して所定の位置関係に規定された状態で侵入し、凍結乾燥された成形体75を内側から成形する。沈積物70の金属層71a,セラミックス層72a及び組成遷移層73aは、成形体75においてそれぞれ金属層71b,セラミックス層72b及び組成遷移層73bとなる。この例では、ガイド体46は、回転ドラム36の外側に嵌合しているが、これに代えて、型枠37の外側に直接に嵌合させるようにしてもよい。
【0041】
図7は、図6に示す成形体の成型用雄型による成型状態を示す断面図である。成型用雄型41が回転ドラム36に完全に嵌合され、型枠37と成型用雄型41との間の隙間に成形体75がプレスされる。成形体75の金属層71b,セラミックス層72b及び組成遷移層73bは、成型体76においてそれぞれ金属層71c,セラミックス層72c及び組成遷移層73cとなる。図8は、型成形された成型体を焼成した傾斜機能製品を示す断面図である。図7に示す成形体75の成型後、型枠37と成型用雄型41とを分離することによって得られた円筒容器状の成型体76を焼成することによって、セラミックスが傾斜機能部分である組成遷移部を含めて焼き固められ、コップ状の傾斜機能製品77が得られる。成型体76の金属層71c,セラミックス層72c及び組成遷移層73cは、傾斜機能製品77においてそれぞれ金属層71d,セラミックス層72d及び組成遷移層(傾斜機能部)73dとなる。
【0042】
図9は、この発明による傾斜機能材料の製造装置に別の実施例を示す図である。図9(a)は傾斜機能材料の製造装置の一部を破断して示す側面図、図9(b)は図9(a)に示す傾斜機能材料の製造装置の正面図、図9(c)はこの製造装置によって得られた傾斜機能を持つ円筒状製品の一部を破断して示す側面図である。図9に示す傾斜機能材料の製造装置60は、回転軸を横置きした円筒形遠心分離装置であって、基台61と、基台61に回転自在に横置き状態に支持された回転ドラム62とを備えている。回転ドラム62はその一端(図では右端)においては軸部63となっており、軸部63は基台61に立設された支持枠64に設けられた軸受によって回転自在に支持されている。また、回転ドラム62の他側(図では左端)は、基台61に立設された支持枠65の四隅に設けられたローラ66によって回転自在に支持されている。回転ドラム62の内部には、環状の溝62aを置いて、成形用の型として自転軸回りに回転対象な円筒状型枠67が配置されており、円筒状型枠67は両端で回転ドラム62に固定されている。基台61には、また、駆動モータ68が載置されており、ベルト等の無端伝動帯69が駆動モータ68と軸部63とに巻掛けられている。回転ドラム62の他側の端部及びそれに対応した円筒状型枠67の自転軸方向他方の端部は、閉鎖可能な開口62bとなっており、その開口62bを通して、固体粒子を液体中に分散させた混合物や液体窒素等の凍結用液体の注入を可能にしている。即ち、凍結用液体は、開口62bを通して回転ドラム62の軸方向に進退可能であると共に管中心回りに回転可能な可動供給管22aと、その先端部に接続し、径方向に延びた供給ノズル22bとを備えている。
【0043】
図9(a)及び(b)に示す製造装置60によれば、混合物収容工程においては、開口62bを通して固体と液体との混合物が円筒状型枠67内に注入され、その後の遠心沈積工程において、駆動モータ68を駆動することによって無端伝動帯69を介して回転ドラム62及び円筒状型枠67を自転軸である水平回転軸の回りに速度ω2’で回転する。この場合、混合物の固体成分は、遠心力の作用によって、円筒状型枠67の内壁面に沿って円筒状沈積物80として沈積する。固体成分を金属粉末とセラミックス粉末のような2種類以上の成分とすると、円筒状沈積物80は、遠心分離作用により、円筒状型枠67の内壁面寄りから、先に沈積する外側の金属層、金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化した組成遷移層、最後に沈積する内側のセラミックス層とが層状に積層して形成される。次の凍結乾燥工程において、開口62bから挿入した可動供給管22aが回転しながら進退させて供給ノズル22bから液体窒素等の凍結用液体を注入することにより、円筒状沈積物80が凍結され、凍結された円筒状沈積物80を真空環境下に置くことにより凍結した液体成分が直接に昇華して乾燥され、その結果、成形体として、ひび割れ、層間剥離や型崩れのない乾燥した円筒状成形体が得られる。円筒状成形体は、その後の焼成工程において、適宜に成型・焼成されて傾斜機能を持つ円筒状製品87とされる。
【0044】
図9(c)に示す円筒状製品87は、外周側の金属層81と、その内側に金属成分と他方の固形成分であるセラミックス成分とが組成比率を連続的に変化させた傾斜機能を持つ中間層83と、最も内側の焼成されたセラミックス層82とから成る円筒状製品である。外側の金属層81は、他の金属構造物に溶接やロー付けが可能であり、セラミックス層82は、その耐熱性、耐腐食性、多孔性を備えていることを利用して、円筒状製品87は、外周側を金属製のリングに嵌合し内周側で軸を回転又は摺動支持する回転用又は摺動用軸受の外筒部、ピストン機構のピストン又はシリンダライナ、化学機器用の反応容器又は配管、熱交換器等に適用可能である。円筒状製品87については、湾曲した切断片に切り出し、切り出した切断片をそのまま、或いは平坦に加工して、湾曲状又は平板状の傾斜機能材料として用いることも可能である。
【0045】
図10は、この発明によって得られた傾斜機能材料を調理機能を持つ飲食物用容器に適用した例を示す図であり、図10(a)は全体が傾斜機能構造を有する調理器用容器の断面図、図10(b)は傾斜機能を持つ発熱モジュールが埋め込まれた調理器用容器の断面図である。図10(a)に示す調理器用容器90は、外側の金属層91、内側のセラミックス層92、及び金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化する組成遷移層93が積層されて構成されている椀形の容器である。調理器用容器90を、誘導コイルに交流電流を流すことで生じる磁力線の中に置くことにより、主として金属層91に渦電流が生じて調理器用容器90を誘導加熱によって発熱させることができる。調理器用容器90を電子レンジ内においてマイクロ波加熱することによっても金属層91が発熱するので、調理器用容器90は電子レンジ調理用容器とすることもできる。調理器用容器90は、図1〜図7に示す製造装置によって得られた成形体をプレス等によって器状に成型し、その成型体を焼成することによって製造することができるが、予め容器90の形状に合わた型枠を用いて混合物を遠心沈積及び凍結乾燥することにより得られた成形体を、成型することなく直ちに焼成して製造することもできる。
【0046】
図10(b)に示す調理器用容器100は、傾斜機能を持つ円盤形駒としての発熱モジュール103を、陶磁器材であるセラミックス材から成形された容器本体101の糸尻部102に埋め込んだ容器である。発熱モジュール103は、内部の金属部104、金属部104を取り囲む外側のセラミックス部105、及び金属部104とセラミックス部105との間に組成比率が連続的に変化する組成遷移部106とから成っている。調理器用容器100を変動磁場内に置くことによる誘導加熱、又は電子レンジ内に置くことによるマイクロ波加熱によって、金属部104が発熱する。保温性のあるセラミックス部105が金属部104を取り囲んでいるので、金属部104で発生した熱は徐々に放熱され容器100の保温性が向上する。また、調理器用容器100内の調理品が冷えたときには、容器100ごとの再加熱も容易である。発熱する金属部104の周囲はセラミックス部105で覆われているので、マイクロ波加熱する際にも安全であると共に高温になった金属部104に直接触れることがない。従って、火傷の虞がないと共に、遠赤外線を徐放する等のセラミックスの保温性が利用され、長時間に渡って熱を徐々に放出することができる。
【0047】
図11は、図10(b)に示す発熱モジュールの製造方法を示す工程図である。図11(a)は、遠心分離機によって遠心沈積させた後に凍結乾燥させた成形体の状態にある傾斜機能駒111を示している。型枠112内の傾斜機能駒111は概略円盤形状を有しており、厚み方向の一側面側に金属層113が他側面側にセラミックス層114が形成され、両層間に金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化した組成遷移層115が形成されている。傾斜機能駒111の周縁部では、後工程での変形分を考慮して、金属層113側が内寄りに後退したアール部116となっている。図11(b)は、成形体としての傾斜機能駒111を型枠112から取り出した状態を示している。図11(c)に示すように、一対の傾斜機能駒111,111は金属層113,113側を背中合わせに重ね合わされて重ね駒117とされ、図11(d)に示すように上型と下型とから成る成形型118内に置かれる。重ね駒117は、図11(e)に示すように成形型118内でプレスされ、成形型118から取り出した平面図としての図11(f)及び(f)のD−D断面図である図11(g)に示すように、重ね合わせた金属層113,113からひと回り小さい円盤状の金属部121が形成される。組成遷移層115,115及びセラミックス層114,114がそれぞれ互いに繋がって組成遷移部123、セラミック部122を形成し、両傾斜機能駒111,111は、金属部121がその全周囲において組成遷移部123、セラミック部122で包み囲まれた円盤状の発熱モジュール用成形体120となる。
【0048】
図12は、この発明による傾斜機能製品としての発熱モジュール成形体の別の実施例を示す図である。図12(a)及び(b)は、それぞれ金属部131が十字形の平面パターンを有している発熱モジュール成形体130の平面図及びそのE−E断面図である。図12(c)及び(d)は、それぞれ金属部136が升形平面パターンを有している発熱モジュール成形体135の平面図及びそのE−E断面図である。更に、図12(e)及び(f)は、金属部141がダブルリング形の平面パターンを有している発熱モジュール成形体140の平面図及びそのG−G断面図である。発熱モジュール成形体130,135,140において、金属部131,136,141の全周囲がそれぞれ金属とセラミックスの組成が連続的に変化する組成遷移部133,138,143で覆われ、更にその外側が円盤状の形状を持つまでセラミックス部132,137,142となっている。平面での金属部のパターンはこれらに限られず、磁力線の向きに対応し、誘導される電流によって効率的に誘導加熱することができる任意の線状または面状パターンに形成することができる。図12の各例に示すような面状又は線状パターンを持つ発熱モジュール成形体を遠心沈積法及び凍結乾燥法を適用して製造するには、そのようなパターンを有する凹部又は溝を有する型枠を用いて、金属粒子が主にそうした凹部又は溝に厚く沈積した金属層を形成し、金属層の上に組成遷移層及びセラミックス層を沈積することで成形体を形成し、そうした成形体を対にして凹部又は溝に厚く沈積した金属部分同士を突き合わせて、金属部を組成遷移層とセラミック層とで包み込むように成型する。
【0049】
図11に示す発熱モジュール用成形体120及び図12に示す発熱モジュール用成形体130,135,140については、焼成して傾斜機能製品としての発熱モジュールとし、得られた発熱モジュールを器状容器に埋め込んで使用してもよい。また、これらの発熱モジュール用成形体120〜140を焼成せずに成形体の状態のまま陶磁器原料から製作された容器成形体に埋め込み、発熱モジュール用成形体120〜140を容器成形体と共に焼成してもよい。調理器用容器を、その内部に飲食物を収容した状態で誘導加熱又はマイクロ波加熱をすることで、発熱モジュールを発熱させ、発熱後にはセラミックスの保温性によって徐々に放熱することによって長時間に渡って調理品を保温することができる。なお、傾斜機能駒111は、図11に示したように個々に遠心沈積・凍結乾燥を行うのに代えて、大径で且つ薄肉の円筒状成形体から湾曲度の小さい板状成形体を切り出すことによっても得ることができる。
【0050】
図13は、図10に示す傾斜機能製品としての調理用容器と同様の調理用容器の製造方法を示す図である。図13に示す調理用容器は、器状容器の本体部と糸尻部とを別個に製作してそれらを合体成型して製造したものである。図13(a)は、型枠として、中央底部151を有する浅底器状型枠150を用いて、金属粒子とセラミックス粒子とが液体中に分散したスラリー状の混合物を遠心分離機によって浅底器状型枠150に沈積させて、浅底の器状本体沈積物160を形成している。浅底器状型枠150の中央底部151とその近傍に金属層161aが集中して沈積し、金属層161aの上に組成遷移層163aを介してセラミックス層162aが沈積している。同様に、図13(b)は、型枠として、中央底部155を有する糸尻型枠154を用いて、同様のスラリー状の混合物を遠心分離機によって糸尻型枠154に沈積させて糸尻沈積物164を形成している。中央底部153とその近傍に金属層165aが沈積し、金属層165aの上に組成遷移層167aを介してセラミックス層166aが沈積している。糸尻型枠154は、金属層が底側に沈積させるように上下反転した状態で成形する型枠である。
【0051】
器状本体沈積物160と糸尻沈積物164とは、それぞれ、凍結用液体によって凍結し真空環境下で乾燥させて、器状本体成形体170と糸尻成形体171とに成形される。器状本体成形体170と糸尻成形体171とは、図13(c)に示すように、両金属層161b,165bを突き合わせた状態で重ね合わされる。重ね合わされた器状本体成形体170と糸尻成形体171とは、図13(d)に示すように、上下の型枠172a,172bから成る成形型172を用いた型成形によって器状成型体173に型成形される。このとき、互いに当接していた両金属層161b,165bは型成形に伴って金属部174となり、金属部174は、組成遷移層163b及び167bが繋がった組成遷移部178を介して、外側のセラミックス層162b,166bの変形・繋がりによって得られるセラミックス部である器状成型体173の内部に包み込まれる。その後、器状成型体173は成形型172から取り出されて焼成されることにより、図13(e)に示すように、器本体176に発熱体である金属部174が内包された器状製品175として製作される。金属部174は、糸尻177の上方で且つ飲食物が載る中央底部179の内部に位置するので、器状製品175は調理品の加熱、再加熱及び保温に有利である。
【0052】
図14は、調理用器具に適用されたこの発明による傾斜機能製品の別の実施例を示す断面図である。図14に示す傾斜機能製品は、調理用器具としての串180に適用されており、内部の金属部181がその全周囲を組成遷移部183を介してセラミック部182で覆われている。串180は、肉のような加熱品の内部に一部又は全部を差し込んだ状態で、金属部181を誘導加熱する電磁調理器、又は金属部181をマイクロ波加熱する電子レンジにおいて使用される。串180を電気・ガスオーブンにて加熱するだけでも、セラミック部182の蓄熱作用にてその後も長い時間に渡って徐々に放熱することができる。このように、串180が直接加熱されることから、加熱品を内部から均一に効率良く加熱することができる。また、セラミックス部182からの余熱作用及び赤外線放射作用も期待できる。
【0053】
図15は、調理用器具に適用されたこの発明による傾斜機能製品の更に別の実施例を示す断面図である。図15に示す傾斜機能製品は、調理用器具としての石焼きの加熱石のような働きをする球190に適用されている。球190の内部の金属部191がその全周囲を組成遷移部193を介してセラミック部192で覆われている。球190は、鳥の丸焼きの場合ように、加熱品の内部に詰め物又は敷き詰めた状態で使用される。球190は、串180と同様、金属部191を誘導加熱する電磁調理器、マイクロ波加熱する電子レンジ、或いは直接加熱する電気・ガスオーブンにおいて使用することができ、加熱品を内部から均一に効率良く加熱することができる。また、セラミックス部192からの余熱作用及び赤外線放射作用も期待できる。図14及び図15に示す例では、固形成分、特に遠心沈積用の形枠に予め形成しておいた溝や円形凹部に金属粒子を集中的に沈積させて成形体を作り、金属層を突き合わせ状態にして、セラミックス層や組成遷移層をプレス等で金属部を包み込むように整形し、更に焼成することで、串形や球形の発熱モジュールを製造することができる。
【0054】
この傾斜機能材料において、器状製品175(77,90,100も含む)は、グラス、コップ、椀、丼、樽等の飲食物用容器として用いることができる。器状製品においては、製品の外側に金属層を配置し、飲食物が触れる製品の内側には、従来の陶磁器と同様にセラミックス層とすることが好ましい。加工性の良い外側の金属層には、凹凸をも含む装飾を施すことができ、製品の付加価値を高めることができる。器状製品を床等に落下させることがあっても、直接に衝撃を受ける金属層は傷を受けにくく、他方、セラミックス層は直接に衝撃を受けないので破損し難い。また、飲食物用容器は、既に説明したように、金属層を、変化する磁力線内に置いたときに生じる渦電流等の誘導電流に基づいて発熱する発熱体として用いることによって、電磁調理器用、保温用の各種容器とすることができる。更に、この傾斜機能材料において、器状製品は、燭台、反応容器、ピストン、シリンダライナ、軸受部品等の工業部品として用いることもできる。強度のある金属層を外側に置き、耐熱性や耐腐食性を備えるセラミックス層を内側に置くことにより、この傾斜機能材料を反応容器や軸受部品等の工業部品として用いることができる。更にまた、この傾斜機能製品は、行火や懐炉等の使い捨てではなく、再使用可能な暖房用部品としても適用可能である。
【0055】
図16は、この発明によって得られた傾斜機能材料を発熱モジュールとして具体化した例と、それの調理器具への適用例を示す概略図である。図16(a)は、基本的な構造を有する発熱モジュールの一例を示す側面断面図であり、発熱モジュール200は、一側で層状となった金属部201と、他側で層状となったセラミックス部203と、両部間を一体的に積層した組成遷移部202とからなっている。図16(b)及びその一部の拡大図である図16(c)に示すように、発熱モジュール200は、土鍋等の調理容器204の底部205に粘土やセラミック用接着剤206で取り付けられる。発熱モジュール200付きの調理容器204を誘導加熱調理器具207に置いて、発熱モジュール200を発熱させることにより、調理をすることができる。また図17は、この発明によって得られた傾斜機能材料を発熱モジュールとして具体化した別の例と、それの調理器具への適用例を示す概略図である。図17(a)は、発熱モジュール210の側面断面図であり、図16(a)に示す傾斜機能材料を二つ用意し、金属部201同士を背中合わせに貼り合わせて、組成遷移部202,202を介して上下両側をセラミックス部203,203とした構造を有している。図17(b)及びその一部の拡大図である図17(c)に示すように、発熱モジュール210は誘導加熱調理器具207にセットされており、土鍋等の調理容器204を発熱モジュール210上に載せることにより、調理をすることができる。図17に示す発熱モジュール210は、特に、調理容器204が発熱性において必ずしも充分ではないが熱電導性について優れている場合に、特に有効である。
【0056】
【実施例】
以下、この発明による傾斜機能材料の製造方法の実施例を説明する。この発明による実施例は、ジルコニアとステンレスを用いて、一方がジルコニア層、他方がステンレス層で、その間に両方の組成が連続的に変化する組成遷移層を有する傾斜機能材料の作製例である。原料には、比重8.1、平均粒径4.4μm、比表面積1.6m/gのステンレス鋼粉末と、比重6.1、平均粒径0.34μm、比表面積17m/gのイットリア部分安定化ジルコニア粉末とが使用された。混合物であるスラリーの分散状態を調整するために、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウムが使用された。傾斜機能材料は、以下の1〜4の工程を経て製作された。
【0057】
1.泥漿調整工程
ジルコニア33.3wt%、ステンレス16.7wt%、蒸留水50wt%を配合して、その混合物に、分散剤をジルコニアとステンレスの合量に対して、0.04wt%、0.08wt%、0.16wt%、0.32wt%、0.40wt%、0.64wt%を添加して6種類の調合物(サンプル)を得た。これらの調合物をアルミナ製ポットミルで5時間混合し、スラリーを得た。得られたスラリーは、分散剤量が0.4wt%以上で良好に分散し、それ以下では凝集状態となった。なお、ジルコニアとステンレスとの配合割合を変えて、ステンレスの分量を多くすると比較的少量の分散剤添加量で二層分離が生じ、ジルコニアが多くなると分散剤添加量が0.5%以下では二層分離が生じないという傾向がある。上記スラリーが、20mlのポリエチレン製のビーカーに注入される。
【0058】
2.遠心沈積工程
スラリーが注入されたビーカーを遠心機で1000〜3000回転の範囲で遠心分離させ、沈積物を得た。実験に用いた遠心機では、1000回転で約180G、2000回転で約700G、3000回転で約1600Gの遠心力が発生する(Gは地表での標準重力)。上記にて調整したスラリーのうち沈積分離が生じていない分散性が良好であった分散剤量0.4wt%以上のサンプルではステンレスとジルコニアとの境界が明確となり、組成比率が沈積方向に変化する傾斜層は確認できなかった。凝集状態であった0.32wt%添加品にて良好な傾斜層が見られた。
【0059】
3.凍結乾燥工程
遠心沈積した沈積物から成形体を取り出すため、凍結乾燥を行った。遠心沈積後の沈積物の上部にはうわ水が生じているので、うわ水を捨てて水位を沈積物表面まで下げ、試料容器ごと液体窒素に浸漬して急速凍結を行った。試料温度が十分に低下してから試料を凍結乾燥機に移し、約12時間の乾燥を行った。凍結乾燥が試料に生じさせる乾燥収縮は小さいため、成形体に乾燥割れが発生し難い。凍結乾燥された試料と室温での普通乾燥された試料との外観を観察してみると、普通乾燥試料では、遠心沈積時に容器内の沈積物に生じたひび割れが乾燥するに従って拡大し、成形体には大きなひび割れが生じていたが、凍結乾燥試料では、成形体にはそのような割れ目の拡大は生じていないことが確認された。
【0060】
4.焼成工程
凍結乾燥物を容器から取り出し、雰囲気炉で仮焼成した。試料はモリブデン板の上に置き、炭素製容器に入れた。焼成条件は、1250℃、アルゴンガス雰囲気;0.5気圧、キープ時間;1時間で行った。サンプルは、良好な傾斜層が見られた分散剤量0.32wt%のものを用いた。仮焼成物は、チョーク程度の強度があり、切断や切削等の加工が可能である。
上記の仮焼物に対してホットプレス焼結を行った。焼成条件は、1300℃、加圧力;1トン、アルゴンガス雰囲気;1気圧、キープ時間;1時間であった。
ホットプレスした試料を切断して断面を研磨後、反射顕微鏡と走査型電子顕微鏡で備構造を観察した。Zrを主成分に持つ左側のジルコニア層の中に、Fe及びNiを主成分として持つ右側のステンレス層から明るいステンレス粒子が徐々に拡散し、組成比率が連続的に変化した傾斜構造が形成されていることが確認された。
【0061】
【発明の効果】
この発明による傾斜機能材料、並びにその製造方法及び装置は、上記のように遠心沈積した沈積物に凍結乾燥法を適用しているので、成形型の観点からすれば吸水性の成形型を使用する必要がなく、また、成形体の観点では、乾燥収縮が殆どないので成形体のひび割れや層間剥離、或いは型崩れ等の不都合がなく、歩留りを向上することができ、更に、得られた生成体及び焼成して製作された最終製品である傾斜機能材料の品質も良好となる。また、従来、生成体の強度を向上するために必要であったバインダ等の樹脂が不要であり、製造工程を簡素化することができ、製造装置としても簡素に且つ安価に構築可能である。更に、従来、沈積して形成された沈積物に熱風を吹きかけたり、除湿乾燥した空気に晒したり、あるいはマイクロ波乾燥では、ひびや剥離が生じて製造することができなかったような沈積物でも、問題なく成形体を製作することができる。また、遠心沈積過程を用いているが、遠心機の回転数が小さくてもよいので、遠心力を発生させる装置が簡単になりかつ安価に入手可能となる。従って、大きな傾斜機能材料の製造にも対応することができる。
【0062】
本発明の傾斜機能材料によれば、固体成分が液体中に浮遊するスラリー状の混合物を構成する固体成分として金属粒子を含めることにより、沈積した金属層から形成される金属部は、誘導電流による誘導加熱又はマイクロ波加熱されて発熱可能な発熱体となる。金属粒子に加えて他の固体成分としてセラミックス粒子を用いることにより、そうした発熱体を持つ傾斜機能材料は、直接に容器や調理器に整形することができる。また、発熱体の全周囲を組成遷移部、即ち傾斜機能を奏する部位にて覆い、更に最外側をセラミックス部で覆うことで、取扱いが便利な発熱モジュールが得られ、容器や調理器内に組み込むことにより、陶磁器感覚でありながら調理可能な容器や、串形又は球形の調理具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による傾斜機能材料の製造装置の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示した傾斜機能材料の製造装置のA−A及びB−B断面図である。
【図3】この発明による傾斜機能材料の別の製造装置の一例を示す断面図である。
【図4】遠心沈積工程の終了後に、自転ユニットを傾転させてスラリーの上澄みを排出する状況を示す断面図である。
【図5】この発明による傾斜機能材料の製造装置に用いられる自転ユニットの詳細を示す断面図である。
【図6】凍結乾燥によって得られた成形体の整形工程を示す説明図である。
【図7】図6に示す成形体の整形用雄型による整形状態を示す断面図である。
【図8】図7に示す整形状態から得られた整形体を示す断面図である。
【図9】この発明による傾斜機能材料の製造装置に別の実施例を示す図であり、(a)は傾斜機能材料の製造装置の一部を破断して示す側面図、(b)は(a)に示す傾斜機能材料の製造装置の正面図、(c)はこの製造装置によって得られた円筒状の傾斜機能製品の一部を破断して示す側面図である。
【図10】この発明によって得られた傾斜機能材料を電磁調理機能を持つ飲食物用容器に適用した例を示す図であり、(a)は全体が傾斜機能構造を有する電磁調理器用容器の断面図、(b)は傾斜機能を持つ発熱モジュールが埋め込まれた電磁調理器用容器の断面図である。
【図11】図10(b)に示す発熱モジュールを製作するための製造方法を示す工程図である。
【図12】平面パターンで形成された金属部を備える傾斜機能材料としての発熱モジュールの例を示す図である。
【図13】この発明による傾斜機能材料として電磁調理用容器の別の製造方法を示す工程図である。
【図14】この発明によって得られた傾斜機能材料を串に応用した例を示す断面図である。
【図15】この発明によって得られた傾斜機能材料を球形の調理具に応用した例を示す断面図である。
【図16】この発明によって得られた傾斜機能材料としての発熱モジュールの例と、それの調理器具への適用例を示す概略図である。
【図17】この発明によって得られた傾斜機能材料としての発熱モジュールの別の例と、それの調理器具への適用例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 傾斜機能材料の製造装置 2 ハウジング     3 基台
5 架橋板         6 ハウジングの内部  7 遠心駆動機構
8,8a 自転ユニット   9 水平回転板    10 第1モータ
11 出力軸         12 回転体      13 切欠き部
17 配管          22 可動供給ノズル
22a 可動供給管      22b 供給ノズル
24 受け皿         29 上澄み
30 外枠          31 水平ヒンジ軸
32 第2モータ       34 回転駆動軸   36 回転ドラム
37 型枠          39 噴流
40 成型機構        41 成型用雄型   46 ガイド体
50 傾斜機能材料の製造装置 53 固定供給ノズル
60 傾斜機能材料の製造装置 61 基台      62 回転ドラム
67 円筒状型枠       68 駆動モータ   70 沈積物
71a,71b,71c,71d 金属層
72a,72b,72c,72d セラミックス層
73a,73b,73c,73d 組成遷移層
75 成形体        76 成型体      77 傾斜機能製品
80 円筒状沈積物     81 金属層      82 セラミックス層
83 中間層        87 円筒状製品
90 電磁調理器用容器   91 金属層      92 セラミックス層
93 組成遷移層
100 電磁調理器用容器 101 容器本体    103 発熱モジュール
104 金属部      105 セラミックス部 106 組成遷移部
111 傾斜機能駒    112 型枠      113 金属層
114 セラミックス層  115 組成遷移層   117 重ね駒
118 成形型      120 発熱モジュール用成形体
121 金属部      122 セラミック部  123 組成遷移部
130,135,140 発熱モジュール用成形体
131,136,141 金属部  132,136,142 セラミックス部
133,137,143 組成遷移部
150 浅底器状型枠   151 中央底部    154 糸尻型枠
155 中央底部  160 器状本体沈積物 161a,161b 金属層
162a,162b セラミックス層       163a 組成遷移層
164 糸尻沈積物          165a,165b 金属層
166a,166b セラミックス層       167a 組成遷移層
170 器状本体成形体  171 糸尻成形体   172 成形型
173 器状成型体    174 金属部     175 器状製品
180 串形調理具    181 金属部     182 セラミックス部
183 組成遷移部
190 球形調理具    191 金属部     192 セラミックス部
193 組成遷移部
200,210  発熱モジュール
201 金属部      202 組成遷移部   203 セラミックス部
204 調理容器     207 誘導加熱調理器具

Claims (16)

  1. 2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物に遠心力を作用させて前記固体粒子を組成比率が連続的に変化した組成遷移層を含む沈積物として沈積させ、前記沈積物を凍結して前記沈積物に含まれる凍結状態の前記液体成分を取り除くことにより前記沈積物を乾燥して得られていることから成る傾斜機能材料。
  2. 前記固体粒子は一種類又は複数種類の金属粒子と一種類又は複数種類のセラミックス粒子であり、前記組成遷移層は、前記遠心力による沈積の際に先に沈積して成る金属層と後に沈積して成るセラミックス層との間で前記金属と前記セラミックスとの組成比率が連続的に変化して形成されていることから成る請求項1に記載の傾斜機能材料。
  3. 乾燥された前記沈積物を成形して得られた成形体を焼成することにより、又は乾燥された前記沈積物を成形と同時に焼成することにより、焼成物として得られていることから成る請求項1又は2に記載の傾斜機能材料。
  4. 外周部が前記金属層であり、内周部が前記セラミックス層であり、前記外周部と前記内周部との間の中間層が前記組成遷移層である円筒パイプ状に成形されていることから成る請求項2に記載の傾斜機能材料。
  5. 金属部と、前記金属部の周囲を取り囲むセラミックス部と、前記金属部と前記セラミックス部とを一体的に接続し且つ金属とセラミックスとの組成比率が前記両部の間で連続的に変化する組成遷移部とから成り、誘導加熱又はマイクロ波加熱によって前記金属部が発熱する発熱モジュールとして適用可能であることから成る傾斜機能材料。
  6. 前記発熱モジュールは、電磁調理用又は電子レンジ調理用の容器に埋め込むことにより、調理用容器の発熱体として適用されていることから成る請求項5に記載の傾斜機能材料。
  7. 前記発熱モジュールは、前記金属部が円板、矩形板、十字形、升形、ダブルリング形等の平面で見て幾何学的な面状又は線状パターンにて形成されている円盤状駒、前記金属部が中心軸に沿って棒状に形成されている串、又は前記金属部が中心部に位置する塊状に形成されている球であることから成る請求項5又は6に記載の傾斜機能材料。
  8. 2種以上の固体粒子が液体中に分散した混合物を型枠内に収容する混合物収容工程、前記型枠を回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移層を含む沈積物として前記固体粒子を前記型枠内に沈積させる遠心沈積工程、及び前記沈積物を凍結し前記沈積物に含まれる凍結状態の前記液体成分を取り除くことにより前記沈積物を乾燥させる凍結乾燥工程から成る傾斜機能材料の製造方法。
  9. 前記混合物は、添加される分散剤量を調整することにより、凝集状態とされていることから成る請求項8に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  10. 前記固体粒子は一種類又は複数種類の金属粒子と一種類又は複数種類のセラミックス粒子であり、前記遠心沈積工程において、前記組成遷移層は前記遠心力による沈積の際に先に沈積して成る金属層と後に沈積して成るセラミックス層との間で金属とセラミックスとの組成比率が連続的に変化して形成されることから成る請求項8に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  11. 前記凍結乾燥工程において、前記沈積物の凍結は液体窒素等の極低温液体を用いた急速凍結によって行われ、前記沈積物の乾燥は真空下での昇華によって行われることから成る請求項8に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  12. 乾燥された前記沈積物を成形して成形体を得る成形工程、及び前記成形工程の後に前記成形体を焼成する焼成工程を備えていること、又は乾燥された前記沈積物を成形と同時に焼成する成形・焼成工程を備えていることから成る請求項8に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  13. 厚み方向に前記金属層、前記セラミックス層及び前記組成遷移層とが積層された二枚の前記成形体を前記金属層同士を背中合わせにした状態で成型することにより、前記金属部の誘導加熱又はマイクロ波加熱によって発熱する発熱モジュールの製造に適用されることから成る請求項10に記載の傾斜機能材料の製造方法。
  14. 公転回転用の第1モータ、前記第1モータによって回転される水平回転板、前記水平回転板の外周部に周方向にそれぞれ隔置して配置され且つ弦方向に延びる水平ヒンジ軸の回りに回動自在な複数の自転ユニット、及び前記自転ユニットへ凍結用液体を供給する凍結手段を備え、前記自転ユニットは、自転回転用の第2モータ、前記第2モータによって前記水平ヒンジ軸と直交する自転軸の回りに回転駆動される回転ドラム、及び前記回転ドラムに同心状に支持され2種以上の固体粒子が液体中に分散された混合物を収容可能な型枠を有しており、前記第1モータと前記第2モータの少なくとも一方を駆動することにより前記型枠を公転回転又は自転回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から前記固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移部を含む沈積物として前記固体を前記型枠内に沈積させることから成る傾斜機能材料の製造装置。
  15. 前記各自転ユニットに対応して、前記沈積物を凍結乾燥して形成された成形体を前記型枠との間で成型する成型機構が配設されていることから成る請求項14に記載の傾斜機能材料の製造装置。
  16. 駆動モータ、前記駆動モータによって自転軸回りに水平回転される回転ドラム、前記回転ドラム内に同心状に配置され且つ2種以上の固体と液体とから成る混合物が収容可能な円筒状型枠、前記円筒状型枠内に凍結用液体を供給する凍結手段を備え、前記駆動モータを駆動することにより前記円筒状型枠を回転させるときに作用する遠心力によって前記混合物から前記固体の組成比率が連続的に変化した組成遷移部を含む沈積物として前記固体を前記円筒状型枠内に沈積させることから成る傾斜機能材料の製造装置。
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