JP2004082380A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電力を利用した液体吐出装置において、複数の液滴のサイズがばらつくことなく略均一な液滴を吐出することのできる液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドであるインクジェットヘッド10は、帯電した色剤成分を含むインクが一方向に流れるインク液室30と、インク液室30に設けられた孔から先端が突出した突起であって、インク液室30内を流れるインクをこの先端近傍に導くインクガイド46が一方向に複数配列して設けられた列状インクガイド部材42と、インクガイド46それぞれの先端近傍に導かれたインクを静電力を用いてインクを吐出させる吐出用電極45と、を有し、列状インクガイド部材42を、インクガイド46の配列方向がインク液室30内のインクの流れる方向に対して略直交するように配置する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電力により、帯電した荷電粒子を含む液体を吐出する静電吐出型の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電吐出型インクジェット記録方式は、帯電した色剤成分を含むインクを用い、画像データに応じて、インクジェットヘッドの飛翔用電極に所定の電圧を印加することにより、静電力を利用してインクの吐出を行い、画像データに対応した画像を記録媒体上に記録する方式である。この静電吐出型インクジェット記録方式を用いた記録装置として、例えば特開平10−230608号公報に開示されたインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
図7(a),(b)は、上記公報に開示されたインクジェット記録装置において、1つのインク滴を吐出する1単位のインクジェットヘッドの構成を概念的に表した図である。
インクジェットヘッド60は、インクガイド基板62と、インクガイド64と、配線基板(絶縁性基板)66と、飛翔用電極68と、対向電極70とを備えている。
【0004】
インクガイド64は、インクガイド基板62の上に配置され、インクガイド64の中央部分には、図中上下方向に切り欠き溝が設けられインク案内溝72が形成されている。
配線基板66には、インクガイド64の配置位置に対応して貫通孔74が設けられ、インクガイド64が貫通孔74を通り抜け、先端が配線基板66の表面上に突出するように構成されている。
また、インクガイド基板62と配線基板66とによって、インク液室となるインク流路76が形成されるとともに、飛翔用電極68が、配線基板66に設けられた貫通孔74の周りを囲むように配線基板66の表面(図中上側の面)に、リング状に形成されている。
一方、インクガイド64と対向する位置には、インク中の帯電した色剤成分の極性が反対の電圧が印加される対向電極70が設けられ、この対向電極70の表面に記録媒体Pが配置される。
【0005】
このようなヘッド構成において、飛翔用電極68に印加される電圧レベルと同極性に帯電した色剤成分を含むインクが一方向(図中右から左の方向)に向かって流れ、飛翔用電極68の電圧レベルがオフ状態の時、インクの流動エネルギーおよびインク案内溝74における毛細管現象の力を受けて、配線基板66の表面より突出したインクガイド64の先端部にインクが上昇し、所定のメニスカスを形成する。
この状態で、画像データに応じて、飛翔用電極68に所定の電圧が印加されると、インクガイド64の先端部に位置するインクは帯電した色剤成分に作用する静電力(斥力)によりインク滴として吐出する。このようにして吐出した、帯電した色剤成分を有するインク滴は、対向電極70の反対の極性に引き寄せられ、記録媒体Pに着弾する。
こうして、インクジェットヘッド60と対向電極70上に配置された記録媒体Pとを相対的に移動させながら記録媒体Pに所望の画像を記録することができる。
【0006】
上記公報では、このような1単位のインクジェットヘッドを複数並べマルチチャンネル化することにより、インクジェット記録装置を構成することができるとされている。具体的には、図8に示すように、複数のインクガイド64を一方向に配列した列状インクガイド部材61を複数配列してマルチチャンネル化し、図8に示すよう列状インクガイド部材61におけるインクガイド64の配列方向にインクを流すことによって複数のインクガイド64からインク滴を吐出させることができるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に示すように、インクの流れる方向に沿って複数のインクガイド64を配列した列状インクガイド部材61を用いてマルチチャンネル化したインクジェットヘッドの構成では、インク滴の吐出の際に、吐出するインク滴のサイズにばらつきが生じ、適正なサイズのインク滴を均一に吐出させることができないといった問題があった。
具体的には、インクの流れる上流側に位置するインクガイド64から吐出するインク滴に対して、下流側に位置するインクガイド64から吐出するインク滴のサイズが小さく、場合によってはインク滴が吐出しなくなる。このため、所望の画像を正確に記録することができないというものである。
このような問題は、インクジェット記録装置のみならず、静電力を利用して液滴を吐出させる液体吐出装置に共通した問題である。
【0008】
そこで、本発明は、上述の静電力を利用した液体吐出装置において、複数の液滴のサイズがばらつくことなく略均一な液滴を吐出することのできる液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
前記液室に設けられた孔から先端が突出した突起であって、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く突起状ガイドが一方向に複数配列して設けられた列状ガイド部材と、
前記突起状ガイドそれぞれの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイドそれぞれに対して設けられた吐出用電極と、を有する液体吐出ヘッドであって、
前記列状ガイド部材は、突起状ガイドの配列方向が前記液室内の前記液体の流れる方向に対して略直交するように配置されたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
【0010】
突起状ガイドの配列方向が前記液室内の前記液体の流れる方向に対して略直交するように、前記列状ガイド部材を配置することにより、配列方向に並ぶ前記突起状ガイドに対して、前記液体の供給圧力を略均等に掛けることができ、その結果、前記基板上方の、突出する前記突起状ガイドの先端に、前記突起状ガイドに導かれて形成される前記液体のメニスカスの位置が略均一となり、液滴として吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0011】
前記列状ガイド部材を少なくとも1つ収納するための凹状嵌合部を有するガイド受部材が、前記列状ガイド部材を収納して前記液室の所定の位置に位置決めされて配置されるのが好ましい。
これにより、各突起状ガイドの先端の前記液室から突出する高さが略均一となり、液滴として吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。また、前記突起状ガイドの配置位置の精度が向上し、例えば記録媒体に液滴を吐出して記録する際の吐出した液滴の記録媒体への着弾位置の精度が向上する。
【0012】
また、前記ガイド受部材には、前記吐出用電極の形成された基板を載置して接合するための接合面が設けられ、この接合面に前記基板を接合することによって前記液室を形成する第1の壁面が形成されており、さらに、前記ガイド受部材に前記列状ガイド部材を収納することにより、前記突起状ガイドの基部に、前記接合面と段差を持って、前記液室を形成する第2の壁面が形成されており、前記第1の壁面および前記第2の壁面が、前記液室の天井面および底面を成すのが好ましい。
これにより、各突起状ガイドの先端の前記液室から突出する高さが略均一となり、液滴として吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができるほか、略一定の高さを持つ液室を形成することができる。
【0013】
また、前記ガイド受部材には、前記基板を接着するための接着剤塗布用溝が前記液室から見て前記接合面の外側に設けられているのが好ましい。
これにより、塗布する接着剤の量を高精度に管理する必要はなくなり、接着後の前記接合面と前記基板との間に隙間を発生することなく組み立てることができる。したがって、各突起状ガイドの先端の前記液室から突出する高さを略均一とし、液滴の大きさを一定とすることができるほか、略一定の高さを持つ液室を形成することができる。
【0014】
さらに、前記列状ガイド部材と前記ガイド受部材とが同一の材料によって成形されるのが好ましい。
これにより、前記列状ガイド部材と前記ガイド受部材の線膨張係数を等しくすることができ、硬化接着剤を用いて前記基板を接合して組み立てる際の環境変動または記録時の環境変動に対して各部材が同等に膨張あるいは収縮するため、前記基板の上方の、突出する前記突起状ガイドの先端に、前記突起状ガイドに導かれて形成される前記液体のメニスカスの位置を略均一とし、液滴として吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。また、前記突起状ガイドの配置位置の精度が向上し、例えば記録媒体に液滴を吐出して記録する際の吐出した液滴の記録媒体への着弾位置の精度が向上する。
【0015】
また、本発明は、荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
前記液室に設けられた孔から先端が突出した突起であって、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く突起状ガイドが設けられたガイド部材と、
前記突起状ガイドの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイド近傍に設けられた吐出用電極と、
前記液室に液体を供給する液体供給路と、
前記液室から液体を回収する液体回収路と、がそれぞれヘッドブロックに設けられた液体吐出ヘッドであって、
前記液室の壁面と、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の壁面とがヘッドブロックと接合する基板によって形成されるとともに、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の液路と前記液室のそれぞれの周りを囲むように、前記基板と前記ヘッドブロックとの接合する接合部分の一部分が密着されて前記液路と前記液室のそれぞれが別々にシールドされていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
【0016】
これにより、前記ヘッドブロックと前記基板との接合部分の領域全体を密着するのではなく、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の液路と前記液室のそれぞれの周りを密着するので、前記液路および前記液室のそれぞれを別個にシールドすることができ、圧力を加えて流れる前記液体の漏れを防ぎ、漏れた液体が異なる流路または前記液室へ流入することを防止することができる。
なお、密着を行う場合、接着剤を用いて前記基板と前記ヘッドブロックとを接着してもよく、また、シール剤を用いて密着してもよい。シール剤を用いると、ヘッドの分解を容易に行うことができ、再利用することが可能である。
【0017】
また、前記ヘッドブロックには、前記液体供給路および前記液体回収路のそれぞれの周りを囲むように第1の接着剤塗布用溝が設けられ、この第1の接着剤塗布用溝に接着剤を塗布することで、前記ヘッドブロックに前記基板が接着されるのが好ましい。
前記液体供給路および前記液体回収路のそれぞれの周りを囲むように、前記ヘッドブロックと前記基板とが接合する接合部分の一部分で接着されるので、前記基板に反りが生じるような場合でも、前記液体供給路および前記液体回収路の間に位置する前記液室の高さを一定にすることができ、つまり、前記液室から突出する前記突起状ガイドの突出高さを略均一とし、吐出する液滴の大きさを一定とすることができる。
【0018】
前記ガイド部材を少なくとも1つ収納するための凹状嵌合部を有するガイド受部材が、前記列状ガイド部材を収納して前記液室の所定の位置に位置決めされて配置され、前記ガイド受部材には、前記基板を載置して接合するための接合面が設けられるとともに、この接合面の近傍に前記基板を接着するための第2の接着剤塗布用溝が設けられ、前記液体供給路および前記液体回収路のそれぞれの周りを囲むように設けられた前記第1の接着剤塗布用溝と前記ガイド受部材の前記接合面の近傍に設けられた前記第2の接着剤塗布用溝とが連通しているのが好ましい。
これにより、前記液室を前記液体供給路および前記液体回収路からシールドすることができ前記液体の漏れを防ぐことができる。その結果、前記液体を必ず前記液室に供給することができ、荷電粒子をロスすることなく前記突起状ガイドへ供給することができる。
【0019】
また、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の流路は、前記液室との接続部分において、前記液室の深さに対応して流路深さが前記液室に向かって徐々に浅くなるように、流路の底面が斜面となっているのが好ましい。
これにより、前記液室への前記液体の供給は滑らかになり、かつ、前記液体の流速が上昇するので、荷電粒子の移動を促すことができる。
【0020】
また、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の流路は、前記液室との接続部分において、前記液室に向かって流路深さが徐々に浅くなった後、前記液室の横幅に対応して前記液室に向かって流路の横幅が拡がっているのが好ましい。
これにより、前記液室への前記液体の供給が滑らかに行われ、かつ、前記液体にかかる圧力を均等にすることができ、前記基板上方の、突出する前記突起状ガイドの先端に、前記突起状ガイドに前記液体が導かれて形成される前記液体のメニスカスの位置が略均一となり、液滴として吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0021】
また、本発明は、荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
前記液室に設けられた孔から先端が突出し、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く複数の突起状ガイドを直交する2方向に2次元配列した2次元配列ガイド部材と、
前記突起状ガイドのそれぞれの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイド近傍に設けられた吐出用電極と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
前記2次元配列ガイド部材は、一体的に成形された部材であると共に、前記突起状ガイドの配列する2方向のうち、配列個数の多い方向が前記液室内の前記液体の流れる方向に対して略直交するように、前記2次元配列ガイド部材が配置されたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
【0022】
これにより、部材の線膨張係数を等しくすることができ、硬化接着剤を用いて前記基板を接合して組み立てる際の環境変動または記録時の環境変動に対して各部材が同等に膨張あるいは収縮するため、前記基板上方の、突出する前記突起状ガイドの先端に、前記突起状ガイドに前記液体が導かれて形成される前記液体のメニスカスの位置を略均一とし、吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。しかも、配列方向に並ぶ前記突起状ガイドに対して、液体の供給圧力を略均等に掛けることができ、その結果、前記突起状ガイドに液体が導かれて前記基板の上方に形成される前記液体のメニスカスの位置が略均一となり、液体が吐出する際の液滴の大きさを前記突起状ガイドの配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0023】
なお、前記荷電粒子は、例えば、色剤成分であり、前記液体は、帯電した色剤成分を含むインクである。
また、上記液体吐出ヘッドを用いて前記液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の液体吐出装置に用いる本発明の液体吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドの斜視図である。
図1に示すインクジェットヘッド10は、静電力により、帯電した色剤成分が溶媒中に分散されたインク中の色剤成分を凝集し、凝集したインクをインク滴として吐出させることで、画像データに対応する画像を記録紙上に記録する静電吐出型インクジェット記録装置の記録ヘッドである。
インクジェットヘッド10は、ヘッドブロック12と、ヘッドブロック12に設けられた吐出部14と、配線基板16とを主に有して構成される。
【0026】
ヘッドブロック12は、図1に示すように、図中上面が略長方形をした所定の厚さを有する板状部材であり、図1中右側面には、インクを吐出部14に供給するインク供給口18とインクを吐出部14から回収するインク回収口20が設けられ、図示されないインク循環装置に接続されている。
インク供給口18は、後述するインク供給路26(図2参照)に、インク回収口20は、後述するインク回収路28に繋がっている。
また、ヘッドブロック12の図中左右の側面には、ヘッドブロック12をインクジェット記録装置の所定の位置に取り付けるための取付部22が設けられている。
【0027】
吐出部14は、ヘッドブロック12に設けられ、ヘッドブロック12の略中央部が所定の形状に加工されて形成された部位であり、インク滴を吐出する。
図2は、吐出部14を拡大した拡大斜視図である。
図2に示すように、吐出部14は、インク液室30と、インク液室30にインクを供給するインク供給路26と、インク液室30に配設され画像データに応じてインク滴の吐出/非吐出を行う吐出デバイス24と、吐出されなかったインクを回収するインク回収路28と、が形成されている。
また、吐出部14の外周部には、吐出部14に配線基板16をヘッドブロック12に載置して接着するための接着剤塗布用溝32が形成されている。接着剤塗布用溝32に接着剤を塗布し、この部分において配線基板16を接着することで、加圧されて供給されるインクが吐出部14の外部に漏れないように、吐出部14内部をこの周りを取り巻く外部から遮断する(シールドする)ことができる。
また、さらに、吐出部14には、接着剤塗布用溝34、36が形成され、この接着剤塗布用溝34、36が、接着剤塗布用溝32とともに連通して接続され、インク供給路26の周りを囲むように、また、インク液室30の周りを囲むように、さらに、インク回収路28の周りを囲むように構成されている。
すなわち、ヘッドブロック12が配線基板16と接合する部分のうち、インク供給路26、インク液室30およびインク回収路28のそれぞれの周りを囲む部分において、配線基板16がヘッドブロック12と密着して接着されている。
これにより、インク供給路26、インク液室30およびインク回収路28のそれぞれが接着により互いに完全に遮断され、加圧されて流れるインクが配線基板16の接着面が僅かに剥がれた部分から漏れ、例えばインク供給路26からインク液室30を経由せずにインク回収路28に流れ込むのを防止することができる。
【0028】
配線基板16は、上面に配線導体が形成された絶縁性基板であり、ヘッドブロック12の上面と接合するように載置して固定される。図3に示すように、配線基板16には、貫通孔47の周りに飛翔用電極45が形成されている。配線基板16は、本発明における基板に対応する。
配線基板16には、電圧供給用コネクタ40が図1に示すように下面側に設けられており、電圧供給用コネクタ40の各々の端子と飛翔用電極45とが、配線基板16上に形成された配線を介して接続されている。
配線基板16は、ヘッドブロック12の上面全面を覆うように載置され、上述した接着剤塗布用溝32、34および36に塗布された接着剤により、ヘッドブロック12に密着され、さらに、ヘッドブロック12の上面の4隅に設けられた取付ネジ38によってヘッドブロック12に固定される。
なお、インクジェットヘッド10は、接着剤を用いて配線基板16をヘッドブロック12に密着して接着するが、本発明においては、接着剤の替わりに、シール剤を用いて配線基板16をヘッドブロック12に密着させ、この状態で、取付ネジ38によってヘッドブロック12に固定してもよい。
【0029】
図3は、また、ヘッドブロック12に固定された配線基板16の状態を示す図である。図3からわかるように、配線基板16に設けられた貫通孔47をインクガイド46のそれぞれが通り抜け、インクガイド46の先端が配線基板16の表面から突出している。貫通孔47の周りに設けられた飛翔用電極45は、貫通孔47を通り抜けたインクガイド46の近傍を囲むように位置する。
【0030】
吐出部14は、吐出デバイス24とインク液室30とを有し、吐出デバイス24はマルチチャンネル化された複数のインクガイド46からインク滴を吐出する部位である。
吐出デバイス24は、配線基板16に形成された飛翔用電極45と、3つの列状インクガイド部材42a,42b,42cと、インクガイド受部材44とによって形成される。
【0031】
図4(a),(b)は、3つの列状インクガイド部材42a,42b,42cと、インクガイド受部材44との構成を示す概略斜視図である。
列状インクガイド部材42a,42b,42cのそれぞれは、複数のインクガイド46が一方向に配列するようにガイド基板と一体的に形成された部材である。
インクガイド46は、インクの流動エネルギーによってインクを先端に導く部位であり、先端に導かれたインクは、飛翔用電極45に印加された色剤成分と同極性の電圧によって発生する静電力により吐出されるように構成される。
一方、インクガイド受部材44は、列状インクガイド部材42a,42b,42cを収納するための凹状嵌合部50を有する部材であり、図4(b)に示すように、列状インクガイド部材42a,42b,42cを凹状嵌合部50に並列に収納して、インク液室30の所定の位置に位置決めされて配置される。
【0032】
より詳しく説明すると、列状インクガイド部材42a,42b,42cを収納したインクガイド受部材44は、図5に示すように、インクヘッドブロック12の所定の位置、すなわち、インク供給路26およびインク回収路28の間に設けられたインク液室30内に、しかも、列状インクガイド部材42a,42b,42のそれぞれにおけるインクガイド46の配列方向が、インク供給路26から供給されインク液室30内を流れるインクの流れ方向に対して略直交するように、列状インクガイド部材42a,42b,42cが配置されている。
【0033】
また、図4(b)に示されるように、列状インクガイド部材42a,42b,42cを収納したインクガイド受部材44が所定の位置に配置されたとき、配線基板16と接合する配線基板接合面52が、ヘッドブロック12の接合面と面一になるようにインクガイド受部材44の両端部に設けられ、この配線基板接合面52に配線基板16を接合することによってインク液室30の天井面が形成される。
一方、インクガイド受部材44に列状インクガイド部材42a,42b,42cを収納することにより、列状インクガイド部材42a,42b,42cのそれぞれのインクガイド46の基部の面48によって、配線基板接合面52と段差を持った、インク液室30の底面が形成される。
【0034】
したがって、列状インクガイド部材42a,42b,42cを収納したインクガイド受部材44を所定の位置に位置決めして配置し、インクガイド受部材44の配線基板接合面52に配線基板16を載置し接着することで、インク液室30が形成される。その際、インクガイド46は、インクガイド46の長さが、形成されるインク液室30の深さより長くなるように形成されており、配線基板16に設けられた貫通孔47から先端が突出するように構成される。
配線基板16をヘッドブロック12およびインクガイド受部材44に接合させて固定した場合、図3に示すように、貫通孔47の周りに形成された飛翔用電極45が、突出したインクガイド46の周りを取り巻く位置に配される。
【0035】
なお、インクガイド受部材44と列状インクガイド部材42a,42b,42cは、同一の線膨張係数を持ち、変形や歪みが部分的に生じないように、同一の材料によって形成されるのが好ましい。
【0036】
また、インクガイド受部材44には、配線基板12を接着するための接着剤塗布用溝54が、インク液室30から見て配線基板接合面52の外側に配線基板接合面52を分断するように設けられ、図2に示すように、接着剤塗布用溝34と連通している。
【0037】
なお、1つの列状インクガイド部材42(インクガイド部材42a,42b,42cの総称として符号42を付す)が備えるインクガイド46の配列個数やインクガイド受部材44の収納する列状インクガイド部材42の収納個数は、特に制限されない。また、本発明では、記録する記録紙の幅一杯にヘッドが延在したラインヘッドの構成としてもよいし、記録紙に対して相対的に移動しつつ記録するシリアル型ヘッドの構成としてもよい。また、インクジェットヘッド10が、色剤成分の異なるインク、すなわち、色相の異なるインクをそれぞれ吐出するように複数を設けた構成としてもよいし、無彩色を含む1色のインクを吐出する1つのインクジェットヘッド10からなるヘッド構成としてもよい。
【0038】
図5および図6は、吐出部14の断面斜視図および部分拡大図である。
これらの図に示されるように、インク液室30は、インク供給路26とインク回収路28との間に設けられ、インク供給路26およびインク回収路28は、インク液室30との接続部分において、インク液室30の深さに対応して流路深さがインク液室30に向かって徐々に浅くなるように、流路の底面に斜面56a,56bを有する。また、インク供給路26およびインク回収路28は、インク液室30との接続部分において、インク液室30に向かって流路深さが徐々に浅くなった後、インク液室30の横幅に対応してインク液室30に向かって流路の横幅が拡がっている。
したがって、インク供給路26は、インク液室30に向かうに従って流路深さが浅くなり(断面積が狭くなり)、インクの流速を速くし、この後、インク供給路26はインク液室30に向かって拡がり、インクを一様に、しかも、インクガイド46の配列方向に対して略直交する方向に流す。インク回収路28では、回収されるインクがインク液室30から離れるに従って流路の横幅が狭まり、この後、流路深さが深くなる。
【0039】
なお、インク供給路26の斜面56aおよびインク回収路28の斜面56bの下方には、インクに含まれる色剤成分を凝集するための凝集用電極(図示されず)が設けられている。
凝集用電極は、帯電した色剤成分と同極性の電圧を加えることにより色剤成分を配線基板16側に付勢し所定濃度に凝集させる。
インク液室30にインクが流入される前に、色剤成分が配線基板16側に凝集されるので、高濃度のインクをインクガイド46から吐出することができ、高い吐出周波数に対しても色剤成分の凝集を追従させることができる。
【0040】
また、インク液室30の下流側に位置するインク回収路28側に凝集用電極を設けることにより、凝集用電極で凝集されず、インク回収路28側へ流出しようとする色剤成分の流出を抑制することができる。
これにより、さらなる高濃度のインクをインクガイド46から吐出することができ、より高い吐出周波数に対しても色剤成分の凝集を追従させることができる。なお、凝集用電極は、図5中の吐出デバイス24の下方に設けられてもよい。
【0041】
このように、インクジェットヘッド10では、インクガイド46の配列方向がインク液室30内のインクの流れる方向に対して略直交するようにインクガイド部材42を配置するが、この配置構成を採用するのは以下の理由による。
すなわち、従来のように、インクガイド部材のインクガイド64の配列方向をインクの流れに平行にすると、図9に示すように、インクの流れにおける下流側で、インクガイド64の先端に形成されるインクのメニスカス位置は、インクの保有する流動エネルギーの損失により低下し、飛翔用電極68の上方に導かれたインクの量が少なくなり、この結果、インクガイド64から吐出されるインク滴の大きさが小さくなり、上流側から吐出されるインク滴と下流側から吐出されるインク滴との大きさが異なりばらつく結果となるからである。
【0042】
インクジェットヘッド10では、インクガイド46の配列方向がインクの流れに対して略直交するように列状インクガイド部材42を配置する構成とするので、配列方向に並ぶインクガイド46に対して、インクの供給圧力を略均等に掛けることができ、その結果、配線基板16上方の、突出するインクガイド46の先端に、インクガイド46に導かれて形成されるインクのメニスカスの位置が略均一となり、インク滴として吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0043】
また、列状インクガイド部材42を収納するための凹状嵌合部50を有するガイド受部材44が、列状インクガイド部材42を収納してインク液室30の所定の位置に位置決めされて配置されるので、各インクガイド46の先端のインク液室30から突出する高さが略均一となり、インク滴として吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。また、インクガイド46の配置位置の精度を向上することができるので、記録紙にインク滴を吐出して記録する際のインク滴の記録紙への着弾位置の精度を向上させることができる。
【0044】
記録紙とインクジェットヘッド10とを記録紙の幅方向に相対的に移動しつつ1ライン〜数ライン分ずつを記録する場合、インクガイド部材42のインクガイド46の配列方向を記録紙の幅方向と一致させることで、主走査方向に記録される1ライン分〜数ライン分の画像を位置によらず略均一なインク滴を用いて吐出することができる。
【0045】
また、インクガイド受部材44には、吐出用電極45の形成された配線基板16を載置して接合するための配線基板接合面52が設けられ、この配線基板接合面52に配線基板16を接合することによってインク液室30の天井面となる壁面が形成され、また、インクガイド受部材44に列状インクガイド部材42を収納することにより、インクガイド46の基部に、配線基板接合面52と段差を持って、インク液室30の底面となる壁面が形成されるので、各インクガイド46の先端のインク液室30から突出する高さが略均一となり、インク滴として吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができるほか、略一定の高さを持つインク液室30を形成することができる。
【0046】
また、インクガイド受部材44には、配線基板16を接着するための接着剤塗布用溝54がインク液室30から見て配線基板接合面52の外側に設けられているので、塗布する接着剤の量を高精度に管理する必要はなくなり、接着後の配線基板接合面52と配線基板16との間に隙間を発生することなく組み立てることができる。したがって、各インクガイド46の先端のインク液室30から突出する高さを略均一とし、吐出するインク滴の大きさを一定とすることができるほか、略一定の高さを持つインク液室30を形成することができる。
【0047】
さらに、列状インクガイド部材42とインクガイド受部材44とが同一の材料によって形成されることにより、列状インクガイド部材42とインクガイド受部材44の線膨張係数を等しくすることができ、硬化接着剤を用いて配線基板16を接合して組み立てる際の環境変動または記録時の環境変動に対して各部材が同等に膨張あるいは収縮するため、配線基板16の上方の、突出するインクガイド46の先端に、インクガイド46に導かれて形成されるインクのメニスカスの位置を略均一とし、インク滴として吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。また、インクガイド46の配置位置の精度が向上し、記録紙にインク滴を吐出して記録する際の吐出したインク滴の記録紙への着弾位置の精度を向上させることができる。
【0048】
また、インク供給路26およびインク回収路28とインク液室30のそれぞれの周りを囲むように、配線基板16とヘッドブロック12との接合する接合部分の一部分が密着されてインク供給路26およびインク回収路28とインク液室30のそれぞれが別々にシールドされているので、圧力を加えて流れるインクの漏れを防ぎ、漏れたインクがインク供給路26、インク回収路28あるいはインク液室30へ流入することを防止することができる。
【0049】
また、ヘッドブロック12には、インク供給路26およびインク回収路28のそれぞれの周りを囲むように、接着剤塗布用溝34,36が設けられ、接着剤塗布用溝34,36に接着剤を塗布することで、ヘッドブロック12に配線基板16が接着されるので、すなわち、ヘッドブロック12と配線基板16とが接合する接合部分の一部分で接着されるので、配線基板16に反りが生じるような場合でも、インク供給路26およびインク回収路28の間に位置するインク液室30の高さを一定にすることができ、つまり、インク液室30から突出するインクガイド46の突出高さを略均一とし、吐出する液滴の大きさを一定とすることができる。
【0050】
インクガイド受部材44に設けられた接着剤塗布用溝54と、インク液体供給路26およびインク回収路28のそれぞれの周りを囲むように設けられた接着剤塗布用溝34,36とが連通しているので、インク液室30をインク供給路26およびインク回収路28から完全にシールドすることができインクの漏れを防ぐことができる。その結果、色剤成分を含んだインクを必ずインク液室30に供給することができ、色剤成分をロスすることなくインクガイド46へ供給することができる。
【0051】
また、インク供給路26およびインク回収路28は、インク液室30との接続部分において、流路深さがインク液室30に向かって徐々に浅くなるように、流路の底面が斜面となっているので、インク液室30へのインクの供給は滑らかになり、かつ、インクの流速が上昇するので、色剤成分の移動を促すことができる。さらに、インク供給路26およびインク回収路28は、インク液室30との接続部分において、インク液室30に向かって流路深さが徐々に浅くなった後、インク液室30に向かって流路の横幅が拡がっているので、インク液室30へのインクの供給が滑らかに行われ、かつ、圧力を均等にすることができ、配線基板16上方の、突出するインクガイド46の先端に、インクガイド46にインクが導かれて形成されるインクのメニスカスの位置が略均一となり、インク滴として吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0052】
なお、インクジェットヘッド10は、対向する記録紙の後方に位置する対向電極と、記録紙を搬送する公知の記録紙搬送手段と、記録紙の幅方向にヘッドを移動させる公知のキャリッジ機構と、公知のインクタンク等と共に、吐出するインク滴の大きさが略均一な静電吐出型インクジェット記録装置を構成する。
【0053】
インクジェットヘッド10では、インクガイド46は、1つの梁が突出した形態であるが、本発明においては、図7(a)に示すように、インクガイドの中央部分に、上下方向に切り欠き溝が設けられインク案内溝が形成されたものであってもよく、インクガイド46の形態は特に制限されない。
【0054】
このようなインクジェットヘッド10では、図示されないインク循環装置によりヘッドブロック12のインク供給口18から供給された帯電した色剤成分を含むインクが、インク供給路26を経て、インク液室30内へ均一に供給される。この時、インクに含まれる色剤成分は、インク供給路26側に設けられ凝集用電極に印加された電圧により、配線基板16側へ付勢され、所定の濃度に凝集される。色剤成分が所定の濃度に凝集されたインクがインク液室30内へ供給される。
【0055】
インク液室30では、飛翔用電極45の電圧レベルがオフの状態では、インクは、メニスカスの位置を保持した状態で静止し、インクガイド46の先端からインクが吐出しない。一方、飛翔用電極45の電圧レベルがオンの状態では、飛翔用電極45の印加される電圧によって発生する色剤成分に作用する静電力(斥力)により、先端に導かれたインクがインク滴として飛び出し、対向する記録紙に向けて飛翔する。この場合、図7(a)に示す対向電極70と同様の対向電極が設けられているので、この対向電極の極性により、記録紙の所定の位置に真っ直ぐ飛翔して着弾する。
吐出されないインクはインク液室30を通過してインク回収路28へ流れ、インク回収口20から回収される。
【0056】
このようにして、インクジェットヘッドと記録紙とを相対的に移動させながら記録を行うことにより、記録紙に画像データに対応する画像を記録することができる。
【0057】
なお、インクジェットヘッド10は、列状インクガイド42を複数重ねてインクガイド受部材44に収納した部材を、2次元配列ガイド部材として、一体的に成形し、インクガイドの配列する2方向のうち、配列個数の多い方向がインク液室30内のインクの流れる方向に対して略直交するように、2次元配列ガイド部材を配置する構成とすることもできる。これにより、硬化接着剤を用いて前記基板を接合して組み立てる際の環境変動または記録時の環境変動に対して各部材が同等に膨張あるいは収縮するため、配線基板16上方の、突出するインクガイド46の先端に、インクガイド46にインクが導かれて形成されるインクのメニスカスの位置を略均一とし、吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。しかも、配列方向に並ぶインクガイド46に対して、インクの供給圧力を略均等に掛けることができ、その結果、インクガイド46に導かれて配線基板16の上方に形成されるインクのメニスカスの位置が略均一となり、インクが吐出する際のインク滴の大きさをインクガイド46の配列方向の位置に関わらず一定とすることができる。
【0058】
本発明の液体吐出ヘッドは、帯電した色剤成分を含むインクに限定されるものではなく、荷電粒子を含む液体を吐出させる液体吐出ヘッドであれば特に制限されない。例えば、上記インクジェット記録装置の他に、帯電粒子を利用して液滴を吐出して対象物を塗布する塗布装置に適用することができる。
【0059】
以上、本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0060】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、マルチチャンネル化した静電型液体吐出装置および液体吐出ヘッドにおいて、複数の液滴のサイズがばらつくことなく略均一な液滴を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出装置に用いる本発明の液体吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドの斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの要部の拡大斜視図である。
【図3】図1に示すインクジェットヘッドの配線基板の表面を示す斜視図である。
【図4】(a),(b)は、図1に示すインクジェットヘッドにおける列状インクガイド部材とインクガイド受部材との構成を示す概略斜視図である。
【図5】図1に示すインクジェットヘッドにおける吐出部の断面斜視図である。
【図6】図5に示す吐出部の部分拡大図である。
【図7】(a),(b)は、従来の静電吐出型のインクジェット記録装置における1単位のインクジェットヘッドの構成を概念的に表した図である。
【図8】図7に示すインクジェットヘッド記録装置におけるインクガイドの配列を説明する図である。
【図9】従来のインクジェット記録装置におけるインクガイドに形成されるインクのメニスカスを説明する図である。
【符号の説明】
10,60 インクジェットヘッド
12 ヘッドブロック
14 吐出部
16,66 配線基板
18 インク供給口
20 インク回収口
22 取付部
24 吐出デバイス
26 インク供給路
28 インク回収路
30 インク液室
32,34,36,54 接着剤塗布用溝
38 取付ネジ
40 電圧供給用コネクタ
42,42a,42b,42c,61 列状インクガイド部材
44 インクガイド受部材
45,68 飛翔用電極
46,64 インクガイド
47 貫通孔
48 インクガイドの基部の面
50 凹状嵌合部
52 配線基板接合面
56a,56b 斜面
70 対向電極

Claims (13)

  1. 荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
    前記液室に設けられた孔から先端が突出した突起であって、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く突起状ガイドが一方向に複数配列して設けられた列状ガイド部材と、
    前記突起状ガイドそれぞれの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイドそれぞれに対して設けられた吐出用電極と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記列状ガイド部材は、突起状ガイドの配列方向が前記液室内の前記液体の流れる方向に対して略直交するように配置されたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記列状ガイド部材を少なくとも1つ収納するための凹状嵌合部を有するガイド受部材が、前記列状ガイド部材を収納して前記液室の所定の位置に位置決めされて配置された請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記ガイド受部材には、前記吐出用電極の形成された基板を載置して接合するための接合面が設けられ、この接合面に前記基板を接合することによって前記液室を形成する第1の壁面が形成されており、
    さらに、前記ガイド受部材に前記列状ガイド部材を収納することにより、前記突起状ガイドの基部に、前記接合面と段差を持って、前記液室を形成する第2の壁面が形成されており、
    前記第1の壁面および前記第2の壁面が、前記液室の天井面および底面を成す請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ガイド受部材には、前記基板を接着するための接着剤塗布用溝が前記液室から見て前記接合面の外側に設けられている請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記列状ガイド部材と前記ガイド受部材とが同一の材料によって成形されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
    前記液室に設けられた孔から先端が突出した突起であって、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く突起状ガイドが設けられたガイド部材と、
    前記突起状ガイドの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイド近傍に設けられた吐出用電極と、
    前記液室に液体を供給する液体供給路と、
    前記液室から液体を回収する液体回収路と、がそれぞれヘッドブロックに設けられた液体吐出ヘッドであって、
    前記液室の壁面と、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の壁面とがヘッドブロックと接合する基板によって形成されるとともに、前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の液路と前記液室のそれぞれの周りを囲むように、前記基板と前記ヘッドブロックとの接合する接合部分の一部分が密着されて前記液路と前記液室のそれぞれが別々にシールドされていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 前記ヘッドブロックには、前記液体供給路および前記液体回収路のそれぞれの周りを囲むように第1の接着剤塗布用溝が設けられ、この第1の接着剤塗布用溝に接着剤を塗布することで、前記ヘッドブロックに前記基板が接着されている請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記ガイド部材を少なくとも1つ収納するための凹状嵌合部を有するガイド受部材が、前記列状ガイド部材を収納して前記液室の所定の位置に位置決めされて配置され、
    前記ガイド受部材には、前記基板を載置して接合するための接合面が設けられるとともに、この接合面の近傍に前記基板を接着するための第2の接着剤塗布用溝が設けられ、
    前記液体供給路、前記吐出部および前記液体回収路のそれぞれの周りを囲むように設けられた前記第1の接着剤塗布用溝と前記ガイド受部材の前記接合面の近傍に設けられた前記第2の接着剤塗布用溝とが連通している請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の流路は、前記液室との接続部分において、前記液室の深さに対応して流路深さが前記液室に向かって徐々に浅くなるように、流路の底面が斜面となっている請求項6〜8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記液体供給路および前記液体回収路の少なくとも一方の流路は、前記液室との接続部分において、前記液室に向かって流路深さが徐々に浅くなった後、前記液室の横幅に対応して前記液室に向かって流路の横幅が拡がっている請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 荷電粒子を含む液体が一方向に流れる液室と、
    前記液室に設けられた孔から先端が突出し、前記液室内を流れる液体をこの先端近傍に導く複数の突起状ガイドを直交する2方向に2次元配列した2次元配列ガイド部材と、
    前記突起状ガイドのそれぞれの先端近傍に導かれた前記液体を前記液体中の荷電粒子に作用する静電力を用いて前記液体を吐出させる、前記突起状ガイド近傍に設けられた吐出用電極と、を備えた液体吐出ヘッドであって、
    前記2次元配列ガイド部材は、一体的に成形された部材であると共に、前記突起状ガイドの配列する2方向のうち、配列個数の多い方向が前記液室内の前記液体の流れる方向に対して略直交するように、前記2次元配列ガイド部材が配置されたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  12. 前記荷電粒子は、色剤成分であり、前記液体は、帯電した色剤成分を含むインクである請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを用いて前記液体を吐出することを特徴とする液体吐出装置。
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