JP2004080900A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子の制御タイミングを適正に保ち、効率の低下を防止する。
【解決手段】主スイッチング素子3に駆動信号が与えられてから、整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間t2は、トランス6のリーケージインダクタンス7により、負荷抵抗16に流れる電流が多くなる程長くなる。その場合には可変遅延回路17’が、主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くするように調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】主スイッチング素子3に駆動信号が与えられてから、整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間t2は、トランス6のリーケージインダクタンス7により、負荷抵抗16に流れる電流が多くなる程長くなる。その場合には可変遅延回路17’が、主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くするように調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子とを備えた同期整流回路により、トランスの2次巻線に誘起された電圧を整流するスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、従来のフォワード型スイッチング電源装置の一例を示す回路図である。同図において、1は入力電源、2はこの入力電源1の両端間に接続する入力コンデンサで、出力負荷である負荷抵抗16に対して並列接続されたフォワードコンバータ11に、入力電源1からの直流入力電圧Vinが印加されるようになっている。まずフォワードコンバータ11の説明をすると、絶縁トランス6は入力側と出力側とを絶縁するもので、この絶縁トランス6の1次巻線とMOSFETからなる主スイッチング素子3との直列回路が入力電源1の両端間に接続される。4は主スイッチング素子3のボディダイオードであるが、場合によっては外付けのダイオードを使用してもよい。また5は主スイッチング素子3の寄生容量であるが、これも外付けのコンデンサを使用してもよい。主スイッチング素子3は、制御回路18からのPWM(パルス幅制御)パルス制御信号を遅延回路17で遅延させたパルス駆動信号によって、スイッチング動作するようになっている。
【0003】
一方、絶縁トランス6の2次側には、絶縁トランス6の2次巻線の非ドット側端子にドレイン端子を接続した整流素子としての整流スイッチング素子9と、この2次巻線と整流スイッチング素子9とからなる直列回路の両端に接続する還流素子としての還流スイッチング素子12と、出力電圧ラインの一方に挿入接続されるチョークコイル14が各々設けられる。そして、主スイッチング素子3のオンに同期して整流スイッチング素子9がオンするように、2次巻線のドット側端子と整流スイッチング素子9のゲート端子との間にゲート抵抗8が接続されると共に、主スイッチング素子3のオフに同期して還流スイッチング素子12がオンするように、前記主スイッチング素子3へのパルス制御信号が絶縁トランス19の1次巻線に印加され、このパルス制御信号のオフ時に絶縁トランス19の2次巻線から駆動回路20を通して、還流スイッチング素子12のゲート端子に駆動信号が与えられるようになっている。尚、10,13は、それぞれ整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12のボディダイオードである。これらの整流スイッチング素子9や還流スイッチング素子12は、整流素子や還流素子の内部損失を小さくするためにある。また、7は絶縁トランス6の2次側のリーケージインダクタンスである。そして、平滑コンデンサ15の両端間に発生した直流出力電圧Voが負荷抵抗16に供給されるようになっている。
【0004】
次に上記構成についてその作用を説明すると、主スイッチング素子3のスイッチングに伴い、入力電源1からの直流入力電圧Vinが絶縁トランス6の1次巻線に断続的に印加される。そして、主スイッチング素子3がオン状態の時には、2次巻線のドット側端子に正極性の電圧が発生し、ゲート抵抗8を介して整流スイッチング素子9にゲート駆動電圧が印加され、この整流スイッチング素子9がオンする。一方、主スイッチング素子3に遅延回路17を通したパルス駆動信号が供給されている間は、絶縁トランス19の2次巻線の非ドット側端子に正極性の電圧が誘起され、還流スイッチング素子12はオンしない。従って、この場合は絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を経由して負荷抵抗16に出力電流が流れ、チョークコイル14にエネルギーが蓄積される。
【0005】
やがて、主スイッチング素子3へのパルス駆動信号が途絶えると、主スイッチング素子3がオフして絶縁トランス6の2次巻線の非ドット側端子に正極性の電圧が発生する。この時、整流スイッチング素子9のゲート電圧は低下して、この整流スイッチング素子9はオフするが、今度は絶縁トランス19の2次巻線のドット側端子に正極性の電圧が誘起され、駆動回路20により還流スイッチング素子12がオンする。従って、それまでチョークコイル14に蓄えられていたエネルギーが、出力電流として負荷抵抗16に供給される。
【0006】
ところで、上記従来回路では、還流スイッチング素子12がターンオフする前に主スイッチング素子3がターンオンすると、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となり、絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を通り負荷抵抗16へ流れていた電流が、還流スイッチング素子12に流れ込む貫通電流となって効率の悪化を招いていた。そこで、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れないように、遅延回路17を通したパルス駆動信号を主スイッチング素子3に入力してスイッチングをすることにより、主スイッチング素子3のターンオンタイミングを意図的に遅らせて、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12の同時にオンとなる状態を防止していた。
【0007】
図6は、出力負荷が重い場合と出力負荷が軽い場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧,主スイッチング素子3のゲート電圧,絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧,および還流スイッチング素子12のゲート電圧の各タイミング波形をそれぞれを示したものである。この場合、制御回路18のPWMパルス制御信号の立ち上がりを受けて、遅延回路17は決められた固定の遅れ時間t1をもって主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げる。これにより、絶縁トランス6は2次側のリーケージインダクタンス7による遅れ時間t2の後で、整流スイッチング素子9をターンオンするに十分な誘起電圧が2次巻線に発生する。一方、前記PWMパルス制御信号が立ち上がると、絶縁トランス19および駆動回路20の素子特性に依存して決まる固定した遅れ時間t3の後で、還流スイッチング素子12をターンオフするレベルにまでそのゲート電圧が低下する。
【0008】
そして、出力負荷が重い場合には、この出力負荷に流れる電流が多く、絶縁トランス6の2次側にあるリーケージインダクタンス7の影響による遅れ時間t2も長くなるため、図6の左側の波形図に示すように、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がって、所定の遅れ時間t1を経てスイッチング素子3がターンオンすると、次に還流スイッチング素子12がターンオフした後で、絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧が整流スイッチング素子9をターンオンするレベルにまで上昇する。したがってこの場合は、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12が同時にオンすることはなく、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れない適正な制御が行われる。
【0009】
ところが、出力負荷が軽い場合には、この出力負荷に流れる電流が少なく、絶縁トランス6のリーケージインダクタンス7の影響による遅れ時間t2も短くなるため、図6の右側の波形図に示すように、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がって、所定の遅れ時間t1を経てスイッチング素子3がターンオンすると、次に絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧が整流スイッチング素子9をターンオンするレベルにまで上昇した後で、還流スイッチング素子12がターンオフする。その結果、還流スイッチング素子12がターンオフする前に、絶縁トランス6の2次巻線へ電圧が誘起され、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となって、絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を通り負荷抵抗16へ流れる電流が、還流スイッチング素子12に流れ込む貫通電流となり損失を招くこととなる。
【0010】
更には、上記の件を踏まえて出力負荷が軽い場合においても、主スイッチング素子3と還流スイッチング素子12が同時にオン状態となることを防止しようとすると、絶縁トランス6のリーケージインダクタンス7による遅れ時間t2が、出力負荷を流れる電流に応じて変化することに対応して、主スイッチング素子3のデットタイム(ターンオフしている遅れ時間t1)を必要以上に長めに設定せざるを得ない。そのため、特に出力負荷が重い状態では、還流スイッチング素子12がオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間が長くなり、その期間にチョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を導通して損失を発生させ、効率を低下させることとなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子の制御タイミングを適正に保ち、効率の低下を防止できるスイッチング電源装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1のスイッチング電源装置は、上記目的を達成するために、主スイッチング素子のスイッチングに伴ないトランスの2次巻線に誘起された電圧を、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子とを備えた同期整流回路により整流して、出力負荷に直流電圧を供給すると共に、前記還流スイッチング素子がターンオフする前に前記トランスの2次巻線に誘起電圧が立ち上がって、この還流スイッチング素子に貫通電流が流れないように、前記主スイッチング素子のターンオンタイミングを遅らせる遅延手段を備えたスイッチング電源において、出力負荷に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流が多く流れるに従って前記主スイッチング素子のターンオンタイミングの遅れ時間を短くする遅延時間可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、主スイッチング素子に駆動信号が与えられてからトランスの2次巻線に発生する誘起電圧が上昇して整流スイッチング素子がターンオンするまでの期間は、トランスの2次側のリーケージインダクタンスによる影響で、出力負荷に流れる電流が多くなる程長くなるが、その場合には遅延時間可変手段が、前記主スイッチング素子のターンオンタイミングの遅れ時間を短くするように調整して、主スイッチング素子の制御を行うので、還流スイッチング素子がターンオフしてから整流スイッチング素子がオンするまでの時間を、略一定に保つことができる。そのため、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子が同時オン状態にはならない。しかも、出力負荷に流れる電流が少ない状態であっても、主スイッチング素子と還流スイッチング素子の両方がオフになる期間が不必要に長くならず、チョークコイルのエネルギーが還流スイッチング素子のボディダイオードを流れることによる効率の低下を最小限に止めることができる。
【0014】
本発明における請求項2のスイッチング電源装置は、前記主スイッチング素子を制御して過大な前記電流が出力負荷に流れることを制限する過電流保護手段に、前記電流検出器がその検出信号を出力するように構成している。
【0015】
この場合、本来は過電流保護手段の電流検出用に、その検出信号を出力していた電流検出器を、遅延時間可変手段のために兼用することができる。したがって、過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置であれば、特別な電流検出器を追加することなく、既存の電流検出器をそのまま利用することができる。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい実施態様について、添付図である図1〜図4を参照して詳細に説明する。尚、図5の従来回路と構成及び動作が重複するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
回路の全体構成を示す図1において、21は出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流を検出する例えばカレントトランスなどの電流検出器で、この電流検出器21は本来、PWMICからなる前記制御回路18に内蔵され、主スイッチング素子3を制御して過大な電流が負荷抵抗16に流れることを制限する過電流保護手段18Aに、検出信号を出力するために設けられている。17’は前記遅延回路17に代わる遅延時間可変手段としての可変遅延回路であり、これは制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がると、電流検出器21からの検出信号を受けて、負荷抵抗16に流れる電流の増減に対応して可変する遅れ時間t1を決定し、この遅れ時間t1を経て、主スイッチング素子3をオンにするPWMパルス駆動信号を、主スイッチング素子3のゲートに供給するものである。
【0018】
図3は、可変遅延回路17’の構成を示すものである。電流検出器21であるカレントトランスの2次巻線の端子間に、アノードを電流検出器21側としたダイオードすなわち整流素子23と抵抗24との直列回路が接続されると共に、電流検出器21と整流素子23のアノードとの接続点に、アノードを電流検出器21側とした別のダイオードすなわち整流素子22とコンデンサ25との直列回路が並列に接続される。また、制御回路18からのPWMパルス制御信号ラインに、抵抗26の一方の端子と抵抗29の一方の端子と、コンデンサ28の放電用ダイオードである整流素子30のカソードがそれぞれ接続され、抵抗26の他方の端子はMOSFET27のドレインに接続され、抵抗29の他方の端子は整流素子30のアノードへ接続され、その接続点がMOSFET27のソースに接続される。このMOSFET27のソースはコンデンサ28の一方の端子に接続され、コンデンサ28の他方の端子は電流検出器21であるカレントトランスの非ドット側端子に接続され、ここで接地されている。さらに、前記MOSFET27のゲートは整流素子22とコンデンサ25との接続点に接続される。比較器であるオペアンプ31のプラス側入力端子は前記整流素子30のアノードと抵抗29の他方の端子との接続点に接続され、マイナス側入力端子は基準電圧を出力する直流定電圧源32に接続されると共に、オペアンプ31の出力端子は、スイッチング素子3のゲート端子へ接続される。
【0019】
そして、抵抗26,29及びコンデンサ28により、制御回路18からのPWMパルス制御信号を遅らせてオペアンプ31に供給する時定数回路が構成されると共に、電流検出器21からの検出信号に基づき、スイッチ素子であるMOSFET27のオンタイミングを変えることで、前記抵抗26を時定数回路に接続するタイミングを調整するようにしている。
【0020】
次に上記構成についてその作用を説明すると、前述したように、主スイッチング素子3のスイッチングに伴い、入力電源1からの直流入力電圧Vinが絶縁トランス6の1次巻線に断続的に印加されると、絶縁トランス6の2次巻線に発生した誘起電圧が、整流スイッチング素子9や還流スイッチング素子12からなる同期整流回路に整流され、この整流出力がチョークコイル14及び平滑コンデンサ15で平滑されることで、負荷抵抗16に所望の直流出力電圧Voが供給される。
【0021】
この一連の動作において、負荷抵抗16を流れる電流を検出するために、絶縁トランス6の1次側電流が電流検出器21で検出され、電流検出器21の2次巻線を流れる電流(検出電流)が抵抗24で電圧に変換される。ここで、電流検出器21の検出電流が大きい場合、即ち絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が多い場合、抵抗24の端子間電圧も大きくなりコンデンサ25に電荷が急速に充電され始め、MOSFET27のゲート電圧も直ぐに上昇して、抵抗29とコンデンサ28からなる時定数回路に抵抗26が短時間に接続され、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がってから比較的短い遅れ時間で、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが上昇し始める。そして直流定電圧源32からオペアンプ31のマイナス側入力端子へ入力される基準電圧よりも、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが高い場合に、オペアンプ31から主スイッチング素子3にゲート駆動信号が加わって、主スイッチング素子3がターンオンする。
【0022】
一方、電流検出器21の検出電流が少ない場合、即ち負荷抵抗16に流れる電流が減少すると(若しくは負荷抵抗16の変動がなく流れる電流が少ない場合)抵抗24の端子間電圧も小さくなり、MOSFET27のゲート電圧の上昇が緩やかになるため、MOSFET27をオンするまでの時間が長くなる。、そのため、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がってから比較的長い遅れ時間で、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが上昇し始め、PWMパルス制御信号が立ち上がってから主スイッチング素子3がターンオンするまでのタイミングは、負荷抵抗16に流れる電流が多い場合よりも遅くなる。このように電流検出器21で検出する電流が少ない時、即ち軽い負荷となる場合には、抵抗26が時定数回路に接続されるタイミングが早くなり、逆に電流検出器21で検出する電流が大きい時、即ち重い負荷となる場合には、抵抗26が時定数回路に接続されるタイミングが遅くなって、出力負荷に流れる電流に拘らず、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの時間を略一定にするように、主スイッチング素子3を制御するものである。
【0023】
図2は、図6の従来回路と同様に、本願発明回路の出力負荷が重い場合と出力負荷が軽い場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧,主スイッチング素子3のゲート電圧,絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧,還流スイッチング素子12のゲート電圧の各タイミング波形をそれぞれを示したものである。制御回路18のPWMパルス制御信号立ち上がり後、一定の遅れ時間t3をおいて還流スイッチング素子がターンオフするのは図3の回路と同様である。
【0024】
図2の左側に示すように、出力負荷(負荷抵抗16)が重い場合には、この出力負荷に流れる電流が多く、リーケージインダクタンス7の影響によって、主スイッチング素子3がターンオンして整流スイッチング素子9をターンオンするに十分な誘起電圧が2次巻線に発生するまでの遅れ時間t2も長くなるが、前述の可変遅延回路17’により、制御回路18のPWMパルス制御信号が立ち上がってから、主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げるまでの遅れ時間t1が短く設定されるため、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの時間は極力短くなる。したがって、チョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を導通して流れることによる効率の低下を、最小限に止めることができる。
【0025】
一方、図2の右側に示すように、出力負荷(負荷抵抗16)が軽い場合には、出力負荷に流れる電流が少なくなって上記遅れ時間t2も短くなるが、この場合は制御回路18のPWMパルス制御信号が立ち上がってから、主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げるまでの遅れ時間t1が長く設定されるので、還流スイッチング素子12がターンオフした後で、整流スイッチング素子9が確実にターンオンする。したがって、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となって、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れれる不具合を一掃できる。
【0026】
こうして、ここで図示するように可変遅延回路17’で、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が大きくなるに従い、主スイッチング素子3のターンオンの遅延時間t1を短くなるように制御するため、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷が重い場合であっても、また軽い場合であっても適正な制御タイミングが得られるようになることが分かる。
【0027】
以上のように本実施例では、主スイッチング素子3のスイッチングに伴ないトランス6の2次巻線に誘起された電圧を、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12とを備えた同期整流回路により整流して、出力負荷である負荷抵抗16に直流電圧(直流出力電圧Vo)を供給すると共に、還流スイッチング素子12がターンオフする前にトランス6の2次巻線に誘起電圧が立ち上がって、この還流スイッチング素子12に貫通電流が流れないように、主スイッチング素子3のターンオンタイミングを遅らせる遅延手段を備えたものにおいて、負荷抵抗16に流れる電流を検出する電流検出器21と、前記電流が多く流れるに従って主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くする遅延時間可変手段としての可変遅延回路17とを備えている。
【0028】
この場合、主スイッチング素子3に駆動信号が与えられてから、トランス6の2次巻線に発生する誘起電圧が上昇して整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間t2は、トランス6の2次側のリーケージインダクタンス7による影響で、負荷抵抗16に流れる電流が多くなる程長くなるが、その場合には可変遅延回路17’が、主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くするように調整して、主スイッチング素子3の制御を行うので、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がオンするまでの時間を、略一定に保つことができる。そのため、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12が同時オン状態にはならない。しかも、負荷抵抗16に流れる電流が少ない状態であっても、主スイッチング素子9と還流スイッチング素子12の両方がオフになる期間が不必要に長くならず、チョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を流れることによる効率の低下を最小限に止めることができる。したがって、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素12子の制御タイミングを適正に保つことが可能になり、効率の低下を防止できる。
【0029】
また本実施例では、主スイッチング素子3を制御して過大な前記電流が負荷抵抗16に流れることを制限する過電流保護手段18Aに、電流検出器21がその検出信号を出力するように構成している。
【0030】
この場合、本来は過電流保護手段18Aの電流検出用に、その検出信号を出力していた電流検出器21を、可変遅延回路17’のために兼用することができる。したがって、過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置であれば、特別な電流検出器21を追加することなく、既存の電流検出器21をそのまま利用することができる。
【0031】
次に、可変遅延回路17’の別な変形例を図4に示す。この変形例では、前述のMOSFET27に代わり、NPNトランジスタ33,34のベースどうしと、PNPトランジスタ35,36のベースどうしを接続し、トランジスタ33,35の各コレクタとPWM制御信号ライン間に、それぞれ第1の抵抗37と第2の抵抗38を接続し、トランジスタ33,34の各エミッタと接地ライン間に、それぞれ第3の抵抗39と第4の抵抗40を接続したカレントミラー回路を接続する。このカレントミラー回路はさらに、トランジスタ33のベースとコレクタを接続し、トランジスタ35のベースとコレクタを接続し、トランジスタ34,35のエミッタどうしを接続すると共に、トランジスタ33のエミッタと抵抗39との接続点を、前記整流素子22とコンデンサ25の接続点に接続し、さらには時定数回路を構成する抵抗26と直列に、トランジスタ36のエミッタ・コレクタを接続して構成される。そしてこの場合も、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が大きくなるに従い、主スイッチング素子3のターンオンの遅延時間t1が短くなるように、可変遅延回路17’による制御が行われる。
【0032】
本変形例は、トランジスタ33〜36を多く使用している分、スイッチ手段が単独である図3の可変遅延回路17’よりも、回路構成が複雑になるが、カレントミラー回路によって回路素子のバラツキを補償することができるため、負荷抵抗16を流れる電流に対応した精度の高い遅れ時間t1の可変制御を行なうことが可能になる。
【0033】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば上記実施例では電流検出器21及び可変遅延回路17’を、絶縁トランス6の1次巻線側に配置しているが、絶縁トランス6の2次巻線側へ配置し、還流スイッチング素子12の制御を行うことも可能である。電流検出器としてはカレントトランスや抵抗素子を用いることが好ましい。また主スイッチング素子3、整流スイッチチング素子8、還流スイッチング素子12はそれぞれトランジスタで構成してもよく、整流スイッチング素子8に至ってはダイオードを用いることも可能である。
【0034】
【発明の効果】
本願発明の請求項1のスイッチング電源装置によれば、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子の制御タイミングを適正に保ち、効率の低下を防止できる。
【0035】
本発明の請求項2のスイッチング電源装置によれば、特別な電流検出器を追加することなく、既存の電流検出器をそのまま利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図2】図1に示す回路の重い負荷の場合、軽い負荷の場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧、主スイッチング素子3のゲート電圧、絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧、還流スイッチング素子12のゲート電圧の各動作タイミング波形図である。
【図3】MOSFETを用いた可変遅延回路の一例を示す回路図である。
【図4】トランジスタを用いた可変遅延回路の一例を示す回路図である。
【図5】従来型のスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。
【図6】図3に示す回路の重い負荷の場合、軽い負荷の場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧、主スイッチング素子3のゲート電圧、絶縁トランス6の2次巻線への誘起電圧、還流スイッチング素子12のゲート電圧の各動作タイミング波形図である。
【符号の説明】
3 主スイッチング素子
6 トランス(絶縁トランス)
9 整流スイッチング素子
12 還流スイッチング素子
16 負荷抵抗(出力負荷)
17’ 可変遅延回路(遅延回路,遅延時間可変手段)
21 電流検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子とを備えた同期整流回路により、トランスの2次巻線に誘起された電圧を整流するスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、従来のフォワード型スイッチング電源装置の一例を示す回路図である。同図において、1は入力電源、2はこの入力電源1の両端間に接続する入力コンデンサで、出力負荷である負荷抵抗16に対して並列接続されたフォワードコンバータ11に、入力電源1からの直流入力電圧Vinが印加されるようになっている。まずフォワードコンバータ11の説明をすると、絶縁トランス6は入力側と出力側とを絶縁するもので、この絶縁トランス6の1次巻線とMOSFETからなる主スイッチング素子3との直列回路が入力電源1の両端間に接続される。4は主スイッチング素子3のボディダイオードであるが、場合によっては外付けのダイオードを使用してもよい。また5は主スイッチング素子3の寄生容量であるが、これも外付けのコンデンサを使用してもよい。主スイッチング素子3は、制御回路18からのPWM(パルス幅制御)パルス制御信号を遅延回路17で遅延させたパルス駆動信号によって、スイッチング動作するようになっている。
【0003】
一方、絶縁トランス6の2次側には、絶縁トランス6の2次巻線の非ドット側端子にドレイン端子を接続した整流素子としての整流スイッチング素子9と、この2次巻線と整流スイッチング素子9とからなる直列回路の両端に接続する還流素子としての還流スイッチング素子12と、出力電圧ラインの一方に挿入接続されるチョークコイル14が各々設けられる。そして、主スイッチング素子3のオンに同期して整流スイッチング素子9がオンするように、2次巻線のドット側端子と整流スイッチング素子9のゲート端子との間にゲート抵抗8が接続されると共に、主スイッチング素子3のオフに同期して還流スイッチング素子12がオンするように、前記主スイッチング素子3へのパルス制御信号が絶縁トランス19の1次巻線に印加され、このパルス制御信号のオフ時に絶縁トランス19の2次巻線から駆動回路20を通して、還流スイッチング素子12のゲート端子に駆動信号が与えられるようになっている。尚、10,13は、それぞれ整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12のボディダイオードである。これらの整流スイッチング素子9や還流スイッチング素子12は、整流素子や還流素子の内部損失を小さくするためにある。また、7は絶縁トランス6の2次側のリーケージインダクタンスである。そして、平滑コンデンサ15の両端間に発生した直流出力電圧Voが負荷抵抗16に供給されるようになっている。
【0004】
次に上記構成についてその作用を説明すると、主スイッチング素子3のスイッチングに伴い、入力電源1からの直流入力電圧Vinが絶縁トランス6の1次巻線に断続的に印加される。そして、主スイッチング素子3がオン状態の時には、2次巻線のドット側端子に正極性の電圧が発生し、ゲート抵抗8を介して整流スイッチング素子9にゲート駆動電圧が印加され、この整流スイッチング素子9がオンする。一方、主スイッチング素子3に遅延回路17を通したパルス駆動信号が供給されている間は、絶縁トランス19の2次巻線の非ドット側端子に正極性の電圧が誘起され、還流スイッチング素子12はオンしない。従って、この場合は絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を経由して負荷抵抗16に出力電流が流れ、チョークコイル14にエネルギーが蓄積される。
【0005】
やがて、主スイッチング素子3へのパルス駆動信号が途絶えると、主スイッチング素子3がオフして絶縁トランス6の2次巻線の非ドット側端子に正極性の電圧が発生する。この時、整流スイッチング素子9のゲート電圧は低下して、この整流スイッチング素子9はオフするが、今度は絶縁トランス19の2次巻線のドット側端子に正極性の電圧が誘起され、駆動回路20により還流スイッチング素子12がオンする。従って、それまでチョークコイル14に蓄えられていたエネルギーが、出力電流として負荷抵抗16に供給される。
【0006】
ところで、上記従来回路では、還流スイッチング素子12がターンオフする前に主スイッチング素子3がターンオンすると、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となり、絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を通り負荷抵抗16へ流れていた電流が、還流スイッチング素子12に流れ込む貫通電流となって効率の悪化を招いていた。そこで、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れないように、遅延回路17を通したパルス駆動信号を主スイッチング素子3に入力してスイッチングをすることにより、主スイッチング素子3のターンオンタイミングを意図的に遅らせて、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12の同時にオンとなる状態を防止していた。
【0007】
図6は、出力負荷が重い場合と出力負荷が軽い場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧,主スイッチング素子3のゲート電圧,絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧,および還流スイッチング素子12のゲート電圧の各タイミング波形をそれぞれを示したものである。この場合、制御回路18のPWMパルス制御信号の立ち上がりを受けて、遅延回路17は決められた固定の遅れ時間t1をもって主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げる。これにより、絶縁トランス6は2次側のリーケージインダクタンス7による遅れ時間t2の後で、整流スイッチング素子9をターンオンするに十分な誘起電圧が2次巻線に発生する。一方、前記PWMパルス制御信号が立ち上がると、絶縁トランス19および駆動回路20の素子特性に依存して決まる固定した遅れ時間t3の後で、還流スイッチング素子12をターンオフするレベルにまでそのゲート電圧が低下する。
【0008】
そして、出力負荷が重い場合には、この出力負荷に流れる電流が多く、絶縁トランス6の2次側にあるリーケージインダクタンス7の影響による遅れ時間t2も長くなるため、図6の左側の波形図に示すように、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がって、所定の遅れ時間t1を経てスイッチング素子3がターンオンすると、次に還流スイッチング素子12がターンオフした後で、絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧が整流スイッチング素子9をターンオンするレベルにまで上昇する。したがってこの場合は、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12が同時にオンすることはなく、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れない適正な制御が行われる。
【0009】
ところが、出力負荷が軽い場合には、この出力負荷に流れる電流が少なく、絶縁トランス6のリーケージインダクタンス7の影響による遅れ時間t2も短くなるため、図6の右側の波形図に示すように、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がって、所定の遅れ時間t1を経てスイッチング素子3がターンオンすると、次に絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧が整流スイッチング素子9をターンオンするレベルにまで上昇した後で、還流スイッチング素子12がターンオフする。その結果、還流スイッチング素子12がターンオフする前に、絶縁トランス6の2次巻線へ電圧が誘起され、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となって、絶縁トランス6の2次巻線からチョークコイル14を通り負荷抵抗16へ流れる電流が、還流スイッチング素子12に流れ込む貫通電流となり損失を招くこととなる。
【0010】
更には、上記の件を踏まえて出力負荷が軽い場合においても、主スイッチング素子3と還流スイッチング素子12が同時にオン状態となることを防止しようとすると、絶縁トランス6のリーケージインダクタンス7による遅れ時間t2が、出力負荷を流れる電流に応じて変化することに対応して、主スイッチング素子3のデットタイム(ターンオフしている遅れ時間t1)を必要以上に長めに設定せざるを得ない。そのため、特に出力負荷が重い状態では、還流スイッチング素子12がオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間が長くなり、その期間にチョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を導通して損失を発生させ、効率を低下させることとなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子の制御タイミングを適正に保ち、効率の低下を防止できるスイッチング電源装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1のスイッチング電源装置は、上記目的を達成するために、主スイッチング素子のスイッチングに伴ないトランスの2次巻線に誘起された電圧を、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子とを備えた同期整流回路により整流して、出力負荷に直流電圧を供給すると共に、前記還流スイッチング素子がターンオフする前に前記トランスの2次巻線に誘起電圧が立ち上がって、この還流スイッチング素子に貫通電流が流れないように、前記主スイッチング素子のターンオンタイミングを遅らせる遅延手段を備えたスイッチング電源において、出力負荷に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流が多く流れるに従って前記主スイッチング素子のターンオンタイミングの遅れ時間を短くする遅延時間可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、主スイッチング素子に駆動信号が与えられてからトランスの2次巻線に発生する誘起電圧が上昇して整流スイッチング素子がターンオンするまでの期間は、トランスの2次側のリーケージインダクタンスによる影響で、出力負荷に流れる電流が多くなる程長くなるが、その場合には遅延時間可変手段が、前記主スイッチング素子のターンオンタイミングの遅れ時間を短くするように調整して、主スイッチング素子の制御を行うので、還流スイッチング素子がターンオフしてから整流スイッチング素子がオンするまでの時間を、略一定に保つことができる。そのため、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子が同時オン状態にはならない。しかも、出力負荷に流れる電流が少ない状態であっても、主スイッチング素子と還流スイッチング素子の両方がオフになる期間が不必要に長くならず、チョークコイルのエネルギーが還流スイッチング素子のボディダイオードを流れることによる効率の低下を最小限に止めることができる。
【0014】
本発明における請求項2のスイッチング電源装置は、前記主スイッチング素子を制御して過大な前記電流が出力負荷に流れることを制限する過電流保護手段に、前記電流検出器がその検出信号を出力するように構成している。
【0015】
この場合、本来は過電流保護手段の電流検出用に、その検出信号を出力していた電流検出器を、遅延時間可変手段のために兼用することができる。したがって、過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置であれば、特別な電流検出器を追加することなく、既存の電流検出器をそのまま利用することができる。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい実施態様について、添付図である図1〜図4を参照して詳細に説明する。尚、図5の従来回路と構成及び動作が重複するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
回路の全体構成を示す図1において、21は出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流を検出する例えばカレントトランスなどの電流検出器で、この電流検出器21は本来、PWMICからなる前記制御回路18に内蔵され、主スイッチング素子3を制御して過大な電流が負荷抵抗16に流れることを制限する過電流保護手段18Aに、検出信号を出力するために設けられている。17’は前記遅延回路17に代わる遅延時間可変手段としての可変遅延回路であり、これは制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がると、電流検出器21からの検出信号を受けて、負荷抵抗16に流れる電流の増減に対応して可変する遅れ時間t1を決定し、この遅れ時間t1を経て、主スイッチング素子3をオンにするPWMパルス駆動信号を、主スイッチング素子3のゲートに供給するものである。
【0018】
図3は、可変遅延回路17’の構成を示すものである。電流検出器21であるカレントトランスの2次巻線の端子間に、アノードを電流検出器21側としたダイオードすなわち整流素子23と抵抗24との直列回路が接続されると共に、電流検出器21と整流素子23のアノードとの接続点に、アノードを電流検出器21側とした別のダイオードすなわち整流素子22とコンデンサ25との直列回路が並列に接続される。また、制御回路18からのPWMパルス制御信号ラインに、抵抗26の一方の端子と抵抗29の一方の端子と、コンデンサ28の放電用ダイオードである整流素子30のカソードがそれぞれ接続され、抵抗26の他方の端子はMOSFET27のドレインに接続され、抵抗29の他方の端子は整流素子30のアノードへ接続され、その接続点がMOSFET27のソースに接続される。このMOSFET27のソースはコンデンサ28の一方の端子に接続され、コンデンサ28の他方の端子は電流検出器21であるカレントトランスの非ドット側端子に接続され、ここで接地されている。さらに、前記MOSFET27のゲートは整流素子22とコンデンサ25との接続点に接続される。比較器であるオペアンプ31のプラス側入力端子は前記整流素子30のアノードと抵抗29の他方の端子との接続点に接続され、マイナス側入力端子は基準電圧を出力する直流定電圧源32に接続されると共に、オペアンプ31の出力端子は、スイッチング素子3のゲート端子へ接続される。
【0019】
そして、抵抗26,29及びコンデンサ28により、制御回路18からのPWMパルス制御信号を遅らせてオペアンプ31に供給する時定数回路が構成されると共に、電流検出器21からの検出信号に基づき、スイッチ素子であるMOSFET27のオンタイミングを変えることで、前記抵抗26を時定数回路に接続するタイミングを調整するようにしている。
【0020】
次に上記構成についてその作用を説明すると、前述したように、主スイッチング素子3のスイッチングに伴い、入力電源1からの直流入力電圧Vinが絶縁トランス6の1次巻線に断続的に印加されると、絶縁トランス6の2次巻線に発生した誘起電圧が、整流スイッチング素子9や還流スイッチング素子12からなる同期整流回路に整流され、この整流出力がチョークコイル14及び平滑コンデンサ15で平滑されることで、負荷抵抗16に所望の直流出力電圧Voが供給される。
【0021】
この一連の動作において、負荷抵抗16を流れる電流を検出するために、絶縁トランス6の1次側電流が電流検出器21で検出され、電流検出器21の2次巻線を流れる電流(検出電流)が抵抗24で電圧に変換される。ここで、電流検出器21の検出電流が大きい場合、即ち絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が多い場合、抵抗24の端子間電圧も大きくなりコンデンサ25に電荷が急速に充電され始め、MOSFET27のゲート電圧も直ぐに上昇して、抵抗29とコンデンサ28からなる時定数回路に抵抗26が短時間に接続され、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がってから比較的短い遅れ時間で、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが上昇し始める。そして直流定電圧源32からオペアンプ31のマイナス側入力端子へ入力される基準電圧よりも、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが高い場合に、オペアンプ31から主スイッチング素子3にゲート駆動信号が加わって、主スイッチング素子3がターンオンする。
【0022】
一方、電流検出器21の検出電流が少ない場合、即ち負荷抵抗16に流れる電流が減少すると(若しくは負荷抵抗16の変動がなく流れる電流が少ない場合)抵抗24の端子間電圧も小さくなり、MOSFET27のゲート電圧の上昇が緩やかになるため、MOSFET27をオンするまでの時間が長くなる。、そのため、制御回路18からのPWMパルス制御信号が立ち上がってから比較的長い遅れ時間で、オペアンプ31のプラス側入力端子の電圧レベルが上昇し始め、PWMパルス制御信号が立ち上がってから主スイッチング素子3がターンオンするまでのタイミングは、負荷抵抗16に流れる電流が多い場合よりも遅くなる。このように電流検出器21で検出する電流が少ない時、即ち軽い負荷となる場合には、抵抗26が時定数回路に接続されるタイミングが早くなり、逆に電流検出器21で検出する電流が大きい時、即ち重い負荷となる場合には、抵抗26が時定数回路に接続されるタイミングが遅くなって、出力負荷に流れる電流に拘らず、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの時間を略一定にするように、主スイッチング素子3を制御するものである。
【0023】
図2は、図6の従来回路と同様に、本願発明回路の出力負荷が重い場合と出力負荷が軽い場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧,主スイッチング素子3のゲート電圧,絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧,還流スイッチング素子12のゲート電圧の各タイミング波形をそれぞれを示したものである。制御回路18のPWMパルス制御信号立ち上がり後、一定の遅れ時間t3をおいて還流スイッチング素子がターンオフするのは図3の回路と同様である。
【0024】
図2の左側に示すように、出力負荷(負荷抵抗16)が重い場合には、この出力負荷に流れる電流が多く、リーケージインダクタンス7の影響によって、主スイッチング素子3がターンオンして整流スイッチング素子9をターンオンするに十分な誘起電圧が2次巻線に発生するまでの遅れ時間t2も長くなるが、前述の可変遅延回路17’により、制御回路18のPWMパルス制御信号が立ち上がってから、主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げるまでの遅れ時間t1が短く設定されるため、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がターンオンするまでの時間は極力短くなる。したがって、チョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を導通して流れることによる効率の低下を、最小限に止めることができる。
【0025】
一方、図2の右側に示すように、出力負荷(負荷抵抗16)が軽い場合には、出力負荷に流れる電流が少なくなって上記遅れ時間t2も短くなるが、この場合は制御回路18のPWMパルス制御信号が立ち上がってから、主スイッチング素子3のゲート電圧を立ち上げるまでの遅れ時間t1が長く設定されるので、還流スイッチング素子12がターンオフした後で、整流スイッチング素子9が確実にターンオンする。したがって、整流スイッチング素子9と還流スイッチング12が同時にオンする状態となって、還流スイッチング素子12に貫通電流が流れれる不具合を一掃できる。
【0026】
こうして、ここで図示するように可変遅延回路17’で、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が大きくなるに従い、主スイッチング素子3のターンオンの遅延時間t1を短くなるように制御するため、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷が重い場合であっても、また軽い場合であっても適正な制御タイミングが得られるようになることが分かる。
【0027】
以上のように本実施例では、主スイッチング素子3のスイッチングに伴ないトランス6の2次巻線に誘起された電圧を、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12とを備えた同期整流回路により整流して、出力負荷である負荷抵抗16に直流電圧(直流出力電圧Vo)を供給すると共に、還流スイッチング素子12がターンオフする前にトランス6の2次巻線に誘起電圧が立ち上がって、この還流スイッチング素子12に貫通電流が流れないように、主スイッチング素子3のターンオンタイミングを遅らせる遅延手段を備えたものにおいて、負荷抵抗16に流れる電流を検出する電流検出器21と、前記電流が多く流れるに従って主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くする遅延時間可変手段としての可変遅延回路17とを備えている。
【0028】
この場合、主スイッチング素子3に駆動信号が与えられてから、トランス6の2次巻線に発生する誘起電圧が上昇して整流スイッチング素子9がターンオンするまでの期間t2は、トランス6の2次側のリーケージインダクタンス7による影響で、負荷抵抗16に流れる電流が多くなる程長くなるが、その場合には可変遅延回路17’が、主スイッチング素子3のターンオンタイミングの遅れ時間t1を短くするように調整して、主スイッチング素子3の制御を行うので、還流スイッチング素子12がターンオフしてから整流スイッチング素子9がオンするまでの時間を、略一定に保つことができる。そのため、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素子12が同時オン状態にはならない。しかも、負荷抵抗16に流れる電流が少ない状態であっても、主スイッチング素子9と還流スイッチング素子12の両方がオフになる期間が不必要に長くならず、チョークコイル14のエネルギーが還流スイッチング素子12のボディダイオード13を流れることによる効率の低下を最小限に止めることができる。したがって、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子9と還流スイッチング素12子の制御タイミングを適正に保つことが可能になり、効率の低下を防止できる。
【0029】
また本実施例では、主スイッチング素子3を制御して過大な前記電流が負荷抵抗16に流れることを制限する過電流保護手段18Aに、電流検出器21がその検出信号を出力するように構成している。
【0030】
この場合、本来は過電流保護手段18Aの電流検出用に、その検出信号を出力していた電流検出器21を、可変遅延回路17’のために兼用することができる。したがって、過電流保護機能を備えたスイッチング電源装置であれば、特別な電流検出器21を追加することなく、既存の電流検出器21をそのまま利用することができる。
【0031】
次に、可変遅延回路17’の別な変形例を図4に示す。この変形例では、前述のMOSFET27に代わり、NPNトランジスタ33,34のベースどうしと、PNPトランジスタ35,36のベースどうしを接続し、トランジスタ33,35の各コレクタとPWM制御信号ライン間に、それぞれ第1の抵抗37と第2の抵抗38を接続し、トランジスタ33,34の各エミッタと接地ライン間に、それぞれ第3の抵抗39と第4の抵抗40を接続したカレントミラー回路を接続する。このカレントミラー回路はさらに、トランジスタ33のベースとコレクタを接続し、トランジスタ35のベースとコレクタを接続し、トランジスタ34,35のエミッタどうしを接続すると共に、トランジスタ33のエミッタと抵抗39との接続点を、前記整流素子22とコンデンサ25の接続点に接続し、さらには時定数回路を構成する抵抗26と直列に、トランジスタ36のエミッタ・コレクタを接続して構成される。そしてこの場合も、絶縁トランス6の2次巻線の出力負荷である負荷抵抗16に流れる電流が大きくなるに従い、主スイッチング素子3のターンオンの遅延時間t1が短くなるように、可変遅延回路17’による制御が行われる。
【0032】
本変形例は、トランジスタ33〜36を多く使用している分、スイッチ手段が単独である図3の可変遅延回路17’よりも、回路構成が複雑になるが、カレントミラー回路によって回路素子のバラツキを補償することができるため、負荷抵抗16を流れる電流に対応した精度の高い遅れ時間t1の可変制御を行なうことが可能になる。
【0033】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば上記実施例では電流検出器21及び可変遅延回路17’を、絶縁トランス6の1次巻線側に配置しているが、絶縁トランス6の2次巻線側へ配置し、還流スイッチング素子12の制御を行うことも可能である。電流検出器としてはカレントトランスや抵抗素子を用いることが好ましい。また主スイッチング素子3、整流スイッチチング素子8、還流スイッチング素子12はそれぞれトランジスタで構成してもよく、整流スイッチング素子8に至ってはダイオードを用いることも可能である。
【0034】
【発明の効果】
本願発明の請求項1のスイッチング電源装置によれば、負荷状態に拘らず、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子の制御タイミングを適正に保ち、効率の低下を防止できる。
【0035】
本発明の請求項2のスイッチング電源装置によれば、特別な電流検出器を追加することなく、既存の電流検出器をそのまま利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスイッチング電源装置の回路図である。
【図2】図1に示す回路の重い負荷の場合、軽い負荷の場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧、主スイッチング素子3のゲート電圧、絶縁トランス6の2次巻線の誘起電圧、還流スイッチング素子12のゲート電圧の各動作タイミング波形図である。
【図3】MOSFETを用いた可変遅延回路の一例を示す回路図である。
【図4】トランジスタを用いた可変遅延回路の一例を示す回路図である。
【図5】従来型のスイッチング電源装置の一例を示す回路図である。
【図6】図3に示す回路の重い負荷の場合、軽い負荷の場合における、制御回路18のPWMパルス制御信号電圧、主スイッチング素子3のゲート電圧、絶縁トランス6の2次巻線への誘起電圧、還流スイッチング素子12のゲート電圧の各動作タイミング波形図である。
【符号の説明】
3 主スイッチング素子
6 トランス(絶縁トランス)
9 整流スイッチング素子
12 還流スイッチング素子
16 負荷抵抗(出力負荷)
17’ 可変遅延回路(遅延回路,遅延時間可変手段)
21 電流検出器
Claims (2)
- 主スイッチング素子のスイッチングに伴いトランスの2次巻線に誘起された電圧を、整流スイッチング素子と還流スイッチング素子とを備えた同期整流回路により整流して、出力負荷に直流電圧を供給すると共に、前記還流スイッチング素子がターンオフする前に前記トランスの2次巻線に誘起電圧が立ち上がって、この還流スイッチング素子に貫通電流が流れないように、前記主スイッチング素子のターンオンタイミングを遅らせる遅延手段を備えたスイッチング電源において、出力負荷に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流が多く流れるに従って前記主スイッチング素子のターンオンタイミングの遅れ時間を短くする遅延時間可変手段とを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
- 前記電流検出器は、前記主スイッチング素子を制御して過大な前記電流が出力負荷に流れることを制限する過電流保護手段にその検出信号を出力するものであることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
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Legal Events
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Effective date: 20050720 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080627 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080901 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |