JP2004079159A - 光記録媒体の記録膜の初期化方法および装置ならびに光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体の記録膜の初期化方法および装置ならびに光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することができる光記録媒体の記録膜初期化方法を提供する。
【解決手段】 透明中間層12を介して、二層の記録層20、30が形成された光記録媒体10に、所定の範囲内で、パワーが制御されるレーザビームを照射し、二層の記録層に含まれた記録膜22、33を同時に結晶化させて、初期化する光記録媒体の記録膜初期化方法であって、記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームのエネルギーが、記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、レーザビームのパワーおよびレーザビームの焦点の位置を設定して、光記録媒体の記録膜に、レーザビームを照射することを特徴とする光記録媒体の記録膜初期化方法。
【選択図】     図7

Description

 本発明は、光記録媒体の記録膜の初期化方法および装置ならびに光記録媒体に関するものであり、さらに詳細には、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することができる光記録媒体の記録膜初期化方法および装置ならびに複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化するのに適した光記録媒体に関するものである。
 従来より、デジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録媒体が広く利用されている。このような光記録媒体には、次第に、大きな記録容量が要求されるようになってきており、光記録媒体の記録容量を増大させるために、種々の提案がなされている。
 その一つとして、二層の記録層を備えた光記録媒体が提案されており、再生専用の光記録媒体であるDVD−VideoやDVD−ROMにおいて、すでに実用化されている。
 このように、二層の記録層を備えた再生専用の光記録媒体は、記録層を構成するプレピットが表面に形成された2枚の基板が、中間層を介して、積層された構造を有している。
 また、近年、ユーザによるデータの書き換えが可能な光記録媒体(書き換え型光記録媒体)についても、二層の情報記録層を備えた光記録媒体が提案されている(特開2001−243655号公報参照)。
 二層の記録層を備えた書き換え型光記録媒体においては、記録膜と、記録膜を挟んで形成された誘電体層(保護層)によって記録層が形成され、かかる構造を有する記録層が、中間層を介して、積層されている。
 相変化材料によって形成された記録膜を有する書き換え型光記録媒体にデータを記録する場合には、結晶状態にある記録膜に、そのパワーが、再生パワーPrよりも高レベルの記録パワーPwに変調されたレーザビームを照射して、レーザビームが照射された記録膜の領域を融点以上の温度に加熱し、次いで、レーザビームのパワーを低レベルの基底パワーPbに変調して、加熱された記録膜の領域を急冷する。その結果、レーザビームが照射された記録膜の領域が、結晶状態からアモルファス状態に変化し、記録膜に、記録マークが形成される。こうして、記録マークが形成された記録膜の領域の反射率は、記録マークが形成されていない記録膜のブランク領域とは異なるため、記録マークが記録された記録膜の領域とブランク領域の反射率の違いを利用して、データを再生することができる。
 このように、データが記録されていない記録膜は結晶状態にあることが要求されるが、スパッタリングなどによって形成された記録膜はアモルファス化されているため、記録膜にデータを記録するに先立って、記録膜を結晶化させることが必要になる。この処理は、一般に、記録膜の初期化と呼ばれ、記録膜の初期化にあたっては、レーザビームを照射することによって、アモルファス状態にある記録膜が、結晶化される。
 したがって、複数のデータ記録層を有する書き換え型光記録媒体にあっては、単一のデータ記録層を備えた書き換え型光記録媒体に比して、記録膜の初期化に要する時間が長くなるという問題があった。
 そこで、特開平9−91700号公報は、レーザビームを照射するために、複数のヘッドを用い、あるいは、開口数NAが非常に小さい対物レンズを用いることによって、複数の記録膜を同時に初期化する方法を提案している。
特開平9−91700号公報
 しかしながら、特開平9−91700号公報に開示された方法によって、複数の記録膜を同時に初期化するためには、複数のヘッドが必要で、初期化装置の構造が複雑になったり、あるいは、NA(開口数)が非常に小さい対物レンズを用いることが必要であり、レーザビームのパワーが不足し、所望のように、複数の記録膜を同時に初期化することができないという問題があった。
 したがって、本発明は、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することができる光記録媒体の記録膜初期化方法および装置ならびに複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化するのに適した光記録媒体を提供することを目的とするものである。
 本発明のかかる目的は、透明中間層を介して、記録膜を含む複数の記録層が形成された光記録媒体に、所定の範囲内で、パワーが制御されるレーザビームを照射し、前記記録膜を同時に結晶化させて、初期化する光記録媒体の記録膜初期化方法であって、前記記録膜のそれぞれに照射される前記レーザビームのエネルギーが、前記記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、前記レーザビームのパワーおよび前記レーザビームの焦点の位置を設定して、前記光記録媒体の前記記録膜に、レーザビームを照射することを特徴とする光記録媒体の記録膜初期化方法によって達成される。
 本発明によれば、光記録媒体の記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームのエネルギーが、記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、レーザビームのパワーおよびレーザビームの焦点の位置を設定して、光記録媒体の記録膜に、レーザビームを照射するように構成されているから、単一の光学ヘッドを用いて、複数の記録膜を同時に初期化することができ、また、開口数NAの小さい対物レンズを用いる必要もなく、したがって、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明の好ましい実施態様においては、前記レーザビームを、その焦点が、前記透明中間層内に位置するように、フォーカスするように構成されている。
 本発明の好ましい実施態様によれば、レーザビームを、その焦点が、透明中間層内に位置するように、フォーカスするように構成されているから、記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームはデフォーカス状態にあり、したがって、レーザビームのパワーとレーザビームの焦点の位置を調整することによって、光記録媒体の記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームのエネルギーを、記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上に設定することが可能になり、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明のさらに好ましい実施態様においては、焦点深度Dが、d≧λ/NA(ここに、dは前記透明中間層の厚さで、λは、前記レーザビームの波長、NAは、レーザビームを集束させる対物レンズの開口数である。)を満たすように、前記レーザビームを、前記対物レンズによって、集束させるように構成されている。
 本発明の好ましい実施態様においては、前記光記録媒体が、前記レーザビームが入射する光入射面に近い位置に形成された第一の記録層と、前記光入射面から遠い位置に形成された第二の記録層と、前記第一の記録層と前記第二の記録層の間に形成された透明中間層を備え、PL0/A0≧P0で、かつ、T×PL0/A1≧P1(ここに、PL0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのエネルギー、A0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積、A1は、前記第二の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積、Tは、前記第一の記録層の光透過率、P0は、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギー、P1は、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーである。)を満足するように、前記レーザビームのパワーおよび前記レーザビームの焦点の位置を設定して、前記光記録媒体の前記第一の記録層および前記第二の記録層に、レーザビームを照射するように構成されている。
 本発明の前記目的はまた、透明中間層を介して、記録膜を含む複数の記録層が形成された光記録媒体に、レーザビームを照射し、前記記録膜を同時に結晶化させて、初期化する光記録媒体の記録膜初期化装置であって、前記レーザビームを発し、前記光記録媒体の表面に垂直な方向に移動可能な半導体レーザと、前記レーザビームを集束するための対物レンズと、記録膜初期化装置全体の動作を制御するコントローラを備え、前記コントローラが、前記記録膜のそれぞれに照射される前記レーザビームのエネルギーが、前記記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワーおよび前記半導体レーザの前記光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されたことを特徴とする光記録媒体の記録膜初期化装置によって達成される。
 本発明によれば、光記録媒体の記録膜初期化装置は、レーザビームを発し、光記録媒体の表面に垂直な方向に移動可能な半導体レーザと、レーザビームを集束するための対物レンズと、記録膜初期化装置全体の動作を制御するコントローラを備え、コントローラが、記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームのエネルギーが、記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、半導体レーザから発せられるレーザビームのパワーおよび半導体レーザの光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されているから、単一の光学ヘッドを用いて、複数の記録膜を同時に初期化することができ、また、開口数NAの小さい対物レンズを用いる必要もなく、したがって、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明の好ましい実施態様においては、前記コントローラが、前記レーザビームの焦点が、前記透明中間層内に位置するように、前記半導体レーザの前記光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定するように構成されている。
 本発明の好ましい実施態様によれば、コントローラが、レーザビームの焦点が、透明中間層内に位置するように、半導体レーザの光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定するように構成されているから、記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームはデフォーカス状態にあり、したがって、レーザビームのパワーとレーザビームの焦点の位置を調整することによって、光記録媒体の記録膜のそれぞれに照射されるレーザビームのエネルギーを、記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上に設定することが可能になり、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明のさらに好ましい実施態様においては、焦点深度Dが、d≧λ/NA(ここに、dは前記透明中間層の厚さで、λは、前記レーザビームの波長、NAは、レーザビームを集束させる前記対物レンズの開口数である。)を満たすように、前記半導体レーザおよび前記対物レンズが選択されている。
 本発明の好ましい実施態様においては、前記光記録媒体が、前記レーザビームが入射する光入射面に近い位置に形成された第一の記録層と、前記光入射面から遠い位置に形成された第二の記録層と、前記第一の記録層と前記第二の記録層の間に形成された透明中間層を備え、前記光記録媒体の記録膜初期化装置が、さらに、前記光記録媒体の種類ごとに、前記第一の記録層の光透過率T1、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP0、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP1および前記光入射面と前記第一の記録層の間の前記光記録媒体の光透過率T2を記憶したメモリを備え、前記コントローラが、T2×P/A0≧P0で、かつ、T1×T2×P/A1≧P1(ここに、Pは、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワー、A0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積およびA1は、前記第二の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積である。)を満足するように、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワーPおよび前記半導体レーザの前記光入射面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されている。
 本発明の好ましい実施態様によれば、光記録媒体の記録膜初期化装置が、さらに、光記録媒体の種類ごとに、第一の記録層の光透過率T1、第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP0、第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP1および光入射面と第一の記録層の間の光記録媒体の光透過率T2を記憶したメモリを備え、コントローラが、T2×P/A0≧P0で、かつ、T1×T2×P/A1≧P1を満足するように、半導体レーザから発せられるレーザビームのパワーPおよび半導体レーザの光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されているから、単に、光記録媒体の記録膜初期化装置に、光記録媒体の種類を入力するだけで、自動的に、第一の記録層に含まれた記録膜および第二に記録層に含まれた記録膜を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明の前記目的はまた、基板と、前記基板上に、記録膜を含む第二の記録層と、透明中間層と、記録膜を含む第一の記録層と、レーザビームが入射する光透過層とを、この順に備え、前記第一の記録層および前記第二の記録層が、0.8≦T×P0/P1≦1.2(ここに、Tは、前記第一の記録層の光透過率、P0は、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギー、P1は、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーである。)を満足するように、形成されたことを特徴とする光記録媒体によって達成される。
 本発明の好ましい実施態様においては、前記第一の記録層に含まれた前記記録膜および前記第二の記録層に含まれた前記記録膜が、相変化材料を主成分として含んでいる。
 本発明によれば、簡易な構造で、かつ、効率的に、光記録媒体の複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化することができる光記録媒体の記録膜初期化方法および装置ならびに複数の記録層の記録膜を同時に結晶化させて、初期化するのに適した光記録媒体を提供することが可能になる。
 以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
 図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる記録膜初期化装置によって初期化された光記録媒体の構造を示す略断面図である。
 図1に示されるように、本実施態様にかかる光記録媒体10は、ディスク状の支持基板11と、透明中間層12と、光透過層13と、透明中間層12と光透過層13との間に設けられたL0層20と、支持基板11と透明中間層12との間に設けられたL1層30とを備えている。
 L0層20およびL1層30は、データを記録する記録層であり、本実施態様にかかる光記録媒体10は、二層の記録層を有している。
 L0層20は、光透過層13に近い記録層を構成し、図1に示されるように、支持基板11側から、第二の誘電体膜21、L0記録膜22および第一の誘電体膜23が積層されて、構成されている。
 一方、L1層30は、光透過層13から遠い記録層を構成し、図1に示されるように、支持基板11側から、反射膜31、第四の誘電体膜32、L1記録膜33および第三の誘電体膜34が積層されて、構成されている。
 支持基板11は、光記録媒体10に求められる機械的強度を確保するための支持体として、機能する。
 支持基板11を形成するための材料は、光記録媒体10の支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではない。支持基板11は、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂などによって、形成することができる。これらのうち、成形の容易性の観点から、樹脂が好ましく使用される。このような樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂がとくに好ましく、本実施態様においては、支持基板21は、ポリカーボネート樹脂によって形成されている。本実施態様においては、レーザビームLは、支持基板11とは反対側に位置する光透過層13を介して、L0層20およびL1層30に照射されるから、支持基板11が、光透過性を有していることは必要でない。
 本実施態様においては、支持基板11は、約1.1mmの厚さを有している。
 図1に示されるように、支持基板11の表面には、交互に、グルーブ11aおよびランド11bが形成されている。支持基板11の表面に形成されたグルーブ11aおよび/またはランド11bは、L1層30にデータを記録する場合およびL1層30からデータを再生する場合において、レーザビームLのガイドトラックとして、機能する。
 グルーブ11aの深さは、とくに限定されるものではないが、10nmないし100nmに設定することが好ましく、グルーブ11aのピッチは、とくに限定されるものではないが、0.2μmないし0.9μmに設定することが好ましい。
 透明中間層12は、L0層20とL1層30とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる機能を有している。
 図1に示されるように、透明中間層12の表面には、交互に、グルーブ12aおよびランド12bが設けられている。透明中間層12の表面に形成されたグルーブ12aおよび/またはランド12bは、L0層20にデータを記録する場合およびL0層20からデータを再生する場合において、レーザビームLのガイドトラックとして、機能する。
 グルーブ12aの深さおよびピッチは、支持基板11の表面に設けられたグルーブ11aの深さおよびピッチと同程度に設定することができる。
 透明中間層12は、5μmないし50μmの厚さを有するように形成されることが好ましく、さらに好ましくは、10μmないし40μmの厚さを有するように、形成される。
 透明中間層12を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることが好ましい。
 透明中間層12は、L1層30にデータを記録し、L1層30からデータを再生する場合に、レーザビームLが通過するため、十分に高い光透過性を有している必要がある。
 光透過層13は、レーザビームを透過させる層であり、その一方の表面によって、光入射面13aが構成されている。
 光透過層13は、30μmないし200μmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
 光透過層13を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、透明中間層12と同様に、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることが好ましい。
 光透過層13は、L1層30にデータを記録し、L1層30からデータを再生する場合に、レーザビームLが通過するため、十分に高い光透過性を有している必要がある。
 L0層20を構成するL0記録膜22およびL1層30を構成するL1記録膜33は、いずれも相変化材料によって形成されており、結晶状態にある場合の反射率と、アモルファス状態にある場合の反射率とが異なることを利用して、L0記録膜22およびL1記録膜33にデータが記録され、L0記録膜22およびL1記録膜33からデータが再生される。
 L0記録膜22およびL1記録膜33を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、高速で、データを直接的に上書きすることを可能にするためには、アモルファス状態から結晶状態への相変化に要する時間(結晶化時間)が短いことが好ましく、このような材料としては、SbTe系材料を挙げることができる。
 SbTe系材料としては、SbTeのみでもよいし、結晶化時間をより短縮するとともに、長期の保存に対する信頼性を高めるために、添加物が添加されていてもよい。
 具体的には、組成式(SbTe1−x1−y(MはSbおよびTeを除く元素である。)で表されるSbTe系材料のうち、0.55≦x≦0.9、0≦y≦0.25であるSbTe系材料によって、L0記録膜22およびL1記録膜33が形成されることが好ましく、0.65≦x≦0.85、0≦y≦0.25であるSbTe系材料によって、L0記録膜22およびL1記録膜33が形成されることがより好ましい。
 元素Mはとくに限定されるものではないが、結晶化時間を短縮し、保存信頼性を向上させるためには、元素Mが、In,Ag,Au,Bi,Se,Al,P,Ge,H,Si,C,V,W,Ta,Zn,Mn,Ti,Sn,Pd,N,Oおよび希土類元素よりなる群から選ばれる1または2以上の元素であることが好ましい。とくに、保存信頼性を向上させるためには、元素Mが、Ag,In,Geおよび希土類元素よりなる群から選ばれる1または2以上の元素によって構成されることが好ましい。
 L1層30に、データを記録し、L1層30に記録されたデータを再生する場合には、光透過層13に近い側に位置するL0層20を介して、レーザビームLが照射される。したがって、L0層20は、高い光透過率を有していることが必要である。
 後述するように、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化するためには、L0層20およびL1層30は、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP0と、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP1と、L0層20の光透過率Tが、次式を満たすように、形成されることが好ましい。
       0.8≦P0/P1≦1.2
 第一の誘電体膜23および第二の誘電体膜21は、L0記録膜22を保護する保護膜として機能し、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32は、L1記録膜33を保護する保護膜として機能する。
 第一の誘電体膜23、第二の誘電体膜21、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32の厚さは、とくに限定されるものではないが、1nmないし200nmの厚さを有していることが好ましい。これら誘電体膜の厚さが1nm未満である場合には、保護膜としての機能が十分でなくなり、後述する初期化工程において、クラックが生じたり、ダイレクトオーバーライトを繰り返し行った場合における特性(繰り返し書き換え特性)が劣化する。その一方で、これら誘電体膜の厚みが200nmを超えている場合には、成膜に要する時間が長くなって、生産性が低下したり、内部応力によって、L0記録膜22やL1記録膜33にクラックが発生するおそれがある。
 第一の誘電体膜23、第二の誘電体膜21、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32は、1層の誘電体膜からなる単層構造であってもよいし、2層以上の誘電体膜からなる積層構造であってもよい。たとえば、第一の誘電体膜23を屈折率の異なる2層の誘電体膜からなる積層構造とすれば、より大きな光干渉効果を得ることが可能となる。
 第一の誘電体膜23、第二の誘電体膜21、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、Al、AlN、SiO、Si、CeO、ZnS、TaOなど、Al、Si、Ce、Zn、Ta、Tiなどの酸化物、窒化物、硫化物、炭化物あるいはそれらの混合物を用いて、第一の誘電体膜23、第二の誘電体膜21、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32を形成することが好ましく、とくに、ZnS・SiOからなる誘電体を主成分とすることがより好ましい。ここで、「ZnS・SiO」とは、ZnSとSiOとの混合物を意味する。
 L1層30に含まれる反射膜31は、光入射面13aから入射されるレーザビームLを反射し、再び、光入射面13aから出射させる役割を果たすとともに、レーザビームLの照射によって、L1記録膜33に生じた熱を効果的に放熱させる役割を果たす。
 L1層30に含まれる反射膜31は、20nmない200nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。L1層30に含まれる反射膜31の厚さが20nm未満であると、L1記録層に生成された熱を放熱することが困難になり、その一方で、反射膜31の厚さが200nmを越えていると、反射膜31の成膜に長い時間を要するため、生産性を低下し、内部応力などによって、クラックが発生するおそれがある。
 反射膜31を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、Ag、Alなどの熱伝導性の高い金属によって、反射膜31を形成することが好ましく、Agによって、反射膜31を形成することがより好ましい。Agを主成分として、反射膜31を形成し、さらに、Au、Cu、Pt、Pd、Sb、Ti、Mgなどの耐食性の高い元素を添加すると、とくに好ましい。
 以上のような構成を有する光記録媒体10は、たとえば、以下のようにして、製造される。
 図2ないし図5は、光記録媒体10の製造方法を示す工程図である。
 まず、図2に示されるように、スタンパ40を用いて、表面に、グルーブ11aおよびランド11bを有する支持基体11が、射出成形によって形成される。
 次いで、図3に示されるように、グルーブ11aおよびランド11bが形成されている支持基体11の表面のほぼ全面に、スパッタリング法などの気相成長法によって、反射膜31、第四の誘電体膜32、L1記録膜33および第三の誘電体膜34が順次、形成されて、L1層30が形成される。スパッタリングなどによって、形成された直後におけるL1記録膜33は、通常、アモルファス状態にある。
 さらに、図4に示されるように、L1層30上に、紫外線硬化性樹脂をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、スタンパ41を被せた状態で、スタンパ41を介して、紫外線を照射することによって、表面に、グルーブ12aおよびランド12bが形成された透明中間層12を形成する。
 次いで、図5に示されるように、グルーブ12aおよびランド12bが形成された透明中間層12の表面のほぼ全面に、スパッタリング法などの気相成長法によって、第二の誘電体膜21、L0記録膜22および第一の誘電体膜23が、順次、形成されて、L0層20が形成される。スパッタリングなどによって、形成された直後におけるL0記録膜22は、通常、アモルファス状態にある。
 さらに、L0層20上に、紫外線硬化性樹脂を、スピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜に紫外線を照射することによって、光透過層13を形成する。
 こうして、アモルファス状態のL0記録膜22およびL1記録膜33を備えた光記録媒体10’が作製される。
 こうして作製された光記録媒体10’のL0記録膜22およびL1記録膜33はアモルファス状態にあるため、L0記録膜22およびL1記録膜33にデータを記録するのに先立って、L0記録膜22およびL1記録膜33に初期化処理が施され、L0記録膜22およびL1記録膜33が結晶化される。
 図6は、光記録媒体10’のL0記録膜22およびL1記録膜33を初期化するために用いられる本発明の好ましい実施態様にかかる記録膜初期化装置の概略図である。
 図6に示されるように、本実施態様にかかる記録膜初期化装置50は、アモルファス状態のL0記録膜22およびL1記録膜33を備えた光記録媒体10’ を回転させるスピンドルモータ51と、光記録媒体10’に向けて、レーザビームLを照射する光学ヘッド60と、光学ヘッド60を、光記録媒体10’の光入射面13aに垂直な方向および光記録媒体10’の半径方向に移動させるヘッド駆動機構52と、スピンドルモータ51およびヘッド駆動機構52の動作を制御するコントローラ53とを備えている。
 図6に示されるように、光学ヘッド60は、レーザビームLを発する半導体レーザ61と、半導体レーザ61から発せられるレーザビームLを平行なビームに変換するコリメータレンズ62と、コリメータレンズ62を通過したレーザビームLのビーム形状を略矩形状に整形するシリンドリカルレンズ系63と、シリンドリカルレンズ系63を通過したレーザビームLを光記録媒体10’に集束する対物レンズ64を備えている。
 ここに、光学ヘッド60から発せられるレーザビームLのパワーは、所定の範囲内で、たとえば、1100mWないし1350mWの範囲内で、制御可能に構成されている。
 対物レンズ64としては、0.25以上の開口数NAを有していることが好ましく、0.4以上の開口数NAを有していることがより好ましく、0.6以上の開口数NAを有していることが最も好ましい。
 本実施態様においては、対物レンズ64によって、集束されるレーザビームLの焦点深度Dが、透明中間層12の厚さd12よりも小さくなるように、レーザビームLの波長λおよび対物レンズ64の開口数NAが選択されるように構成されている。
 すなわち、開口数NAを有する対物レンズ64を用いて、波長λを有するレーザビームLを集束するときは、焦点深度Dは、D=λ/NAによって表わされるから、本実施態様においては、d12≧λ/NA、好ましくは、d12≧2λ/NA、より好ましくは、d12≧4λ/NAとなるように、レーザビームLの波長λおよび対物レンズ64の開口数NAが選択されている。
 光記録媒体10’のL0記録膜22およびL1記録膜33を初期化するにあたっては、まず、アモルファス状態のL0記録膜22およびL1記録膜33を備えた光記録媒体10’が記録膜初期化装置50にセットされる。
 光記録媒体10’が記録膜初期化装置50にセットされる、コントローラ53は、光学ヘッド60に駆動信号を出力して、半導体レーザ61を起動させる。
 その結果、から、半導体レーザ61から、光記録媒体10’に向けて、レーザビームLが発せられ、コリメータレンズ62によって、平行なビームに変換される。
 平行なビームに変換されたレーザビームLは、シリンドリカルレンズ系63に入射し、レーザビームLのビーム形状が略矩形状に整形され、対物レンズ64によって、光記録媒体10’に集光される。
 次いで、コントローラ53は、ヘッド駆動機構52に駆動信号を出力して、レーザビームLの焦点が、L0層20およびL1層30の間に位置する透明中間層12の略中心に合致するように、光学ヘッド60を、光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向に移動させる。
 図7は、図6において、Aで示された部分の略拡大断面図である。
 図7に示されるように、レーザビームLが透明中間層12の略中心にフォーカスされているときは、L0層20およびL1層30には、それぞれ、レーザビームLのスポットS0およびスポットS1が形成されるが、本実施態様においては、レーザビームLの焦点深度Dが透明中間層12の層厚d12よりも小さくなるように、レーザビームLの波長λおよび対物レンズ64の開口数NAが選択されているから、レーザビームLのスポットS0およびスポットS1はデフォーカスされた状態にある。
 図8は、L0層20に形成されたレーザビームLのスポットS0またはL1層30に形成されたレーザビームLのスポットS1の形状を示す概略図である。
 レーザビームLは、シリンドリカルレンズ系63によって、ビーム形状が略矩形状に整形されているから、図8に示されるように、レーザビームLのスポットS0およびスポットS1は略矩形状をなし、その短辺Sの方向がトラックの延在方向、すなわち、光記録媒体10’ の円周方向にほぼ一致し、その長辺Sの方向がトラックと直交する方向、すなわち、光記録媒体10’ の半径方向にほぼ一致している。
 上述のように、レーザビームLは、シリンドリカルレンズ系63によって、ビーム形状が略矩形状に整形されているから、レーザビームLのスポットS0あるいはスポットS1の短辺Sの長さは、スポットS0あるいはスポットS1がレーザビームLの焦点に位置しているときに、最小となるが、レーザビームLのスポットS0あるいはスポットS1の長辺Sの長さは、レーザビームLの焦点の位置にかかわらず、一定である。
 したがって、図8に示されるように、レーザビームLの焦点の位置にかかわらず、レーザビームLは、L0層20およびL1層30の所定の数のトラックに照射される。
 また、レーザビームLは、L0層20および透明中間層12を介して、L1層30に照射されるから、透明中間層12の光透過率が100%であると仮定すると、L0層20のスポットS0に、単位時間あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL0と、L1層30のスポットS1に、単位時間あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL1と、L0層20の光透過率Tの関係は、次式(1)で表わされる。
       PL1=T×PL0            (1)
 ここに、エネルギーPL0およびエネルギーPL1は、レーザビームLのパワーの関数である。
 一方、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーをP0とすると、レーザビームLを照射して、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するためには、次式(2)が満たされることが必要である。
       PL0/A0≧P0            (2)
 ここに、A0はスポットS0の面積で、レーザビームLの焦点の位置の関数である。
 同様に、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーをP1とすると、レーザビームLを照射して、L1層30のL0記録膜33を結晶化させて、初期化するためには、次式(3)が満たされることが必要である。
    PL1/A1=T×PL0/A1≧P1       (3)
 ここに、A1はスポットS1の面積で、レーザビームLの焦点の位置の関数である。
 したがって、式(2)および式(3)が同時に成立するように、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33に、レーザビームLを照射することができれば、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 しかるに、L0層20のスポットS0に、単位時間あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL0およびL0層30のスポットS1に、単位時間あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL1は、半導体レーザ61から発せられるレーザビームLのパワーの関数であり、レーザビームLのパワーを高いレベルに設定することによって、エネルギーPL0およびエネルギーPL1を大きくすることができ、その一方で、レーザビームLのスポットS0の面積A0およびレーザビームLのスポットS1の面積A1は、レーザビームLの焦点の位置の関数であるから、レーザビームLのパワーおよびレーザビームLの焦点の位置を制御することによって、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 すなわち、あるパワーを有するレーザビームLを、図8に示される位置に、その焦点が位置するように、光記録媒体10’に照射した場合に、式(2)および式(3)がともに充足されないときは、レーザビームLのパワーが低すぎ、レーザビームLの焦点の位置を調整しても、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化することは不可能であるから、レーザビームLのパワーがより高いレベルに設定される。
 レーザビームLのパワーをより高いレベルに設定された結果、式(3)は充足されたが、依然として、式(2)が充足されていないときは、L1層30のL1記録層33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1は、L1記録膜33の最小初期化エネルギーP1以上になって、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化することが可能になったが、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0は、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0未満のままであり、依然として、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化することができないから、図9に示されるように、レーザビームLの焦点がよりL0層20に近い位置に位置するように、光学ヘッド60が、光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向に移動される。
 その結果、図9に示されるように、L0層20に形成されたレーザビームLのスポットS0の面積A0が小さくなり、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0が増大する一方で、L1層30に形成されたレーザビームLのスポットS1の面積A1が増大し、L1層30のL0記録膜33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1が減少する。
 これに対して、レーザビームLのパワーをより高いレベルに設定した結果、式(2)は充足されるに至ったが、依然として、式(3)が充足されていないときは、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0が、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0以上になって、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化することが可能になったが、L1層30のL1記録層33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1は、L1記録膜33の最小初期化エネルギーP1未満のままであり、依然として、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化することができないから、図10に示されるように、レーザビームLの焦点がよりL1層30に近い位置に位置するように、光学ヘッド60が、光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向に移動される。
 その結果、図10に示されるように、L1層30に形成されたレーザビームLのスポットS1の面積A1が増大し、L1層30のL0記録膜33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1が増大する一方で、L0層20に形成されたレーザビームLのスポットS0の面積A0が大きくなり、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0が減少する。
 したがって、あらかじめ、L0層20の光透過率T,L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP0、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP1および光透過層13の光透過率を求め、光記録媒体10’の種類ごとに、記録膜初期化装置50のメモリ(図示せず)に記憶させておき、初期化に際して、記録膜初期化装置50に、光記録媒体10’の種類を入力するように構成すれば、コントローラ53が、メモリに記録されたデータのうち、入力された光記録媒体10’の種類に対応するデータを読み出し、読み出したデータ基づき、最適なレーザビームLのパワーおよび透明中間層12内におけるレーザビームLの焦点の最適位置、すなわち、光学ヘッド60の光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向の最適位置を決定することができ、したがって、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33にレーザビームLを照射することによって、L0記録膜22およびL1記録膜33を、同時に結晶化させ、初期化することが可能になる。
 以上のように、透明中間層12内におけるレーザビームLの焦点の位置を調整することによって、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0およびL1層30のL0記録膜33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1を制御して、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を、同時に結晶化させ、初期化するように構成されているから、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0とL1記録膜33の最小初期化エネルギーP1との差がきわめて大きい場合には、透明中間層12内におけるレーザビームLの焦点の位置を調整することによって、L0層20のL0記録膜22に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL0/A0を、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0以上に制御し、かつ、L1層30のL0記録膜33に照射されている単位時間、単位面積あたりのレーザビームLのエネルギーPL1/A1を、L1記録膜33の最小初期化エネルギーP1以上に制御することが困難になる。したがって、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化するためには、L0層20およびL1層30は、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0と、L1記録膜33の最小初期化エネルギーP1と、L0層20の光透過率Tが、次式を満たすように、形成されることが好ましい。
       0.8≦P0/P1≦1.2
 本実施態様においては、L0層20のL0記録膜22と、L1層30のL1記録膜33は、同じ相変化材料を含み、同じ組成を有しているから、L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小エネルギーP0と、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小エネルギーP1とは、実質的に等しく、したがって、L0記録膜20のスポットS0に照射されるレーザビームLのエネルギーPL0と、レーザビームLの焦点の位置が、式(2)および式(4)を満足するように、レーザビームLのパワーおよび光学ヘッド60の光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向の位置を決定することによって、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を、同時に結晶化させ、初期化することが可能になる。
       PL0/A0≧P0            (2)
       T×PL0/A1≧P0          (4)
 以上のようにして、光学ヘッド60の半導体レーザ61から発せられるレーザビームLのパワーおよび光学ヘッド60の光記録媒体10’ の光入射面13aに垂直な方向の位置が決定されると、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33の初期化が開始され、コントローラ53は、スピンドルモータ51に駆動信号を出力して、光記録媒体10’を回転させるとともに、光学ヘッド60に駆動信号を出力して、半導体レーザ61を起動させ、レーザビームLを、光記録媒体10’に向けて、放出させる。
 その後、コントローラ53は、光記録媒体10’が1回転されるごとに、ヘッド駆動機構52に駆動信号を出力して、光学ヘッド60を、光記録媒体10’のトラックの長さ方向に垂直な方向に移動させる。
 その結果、光記録媒体10’のL0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33の全面が、照射されたレーザビームLによって、同時に結晶化され、初期化される。
 上述のように、レーザビームLは、その長辺Sの方向が、トラックの長さ方向に直交する方向と合致するように、ビーム形状が略矩形状に整形されて、光記録媒体10’に照射され、レーザビームLは、レーザビームLの焦点の位置にかかわらず、L0層20およびL1層30の所定の数のトラックに照射されるように構成されているから、光記録媒体10’が1回転されるごとに、光学ヘッド60を、光記録媒体10’のトラックの長さ方向に垂直な方向に移動させることによって、光記録媒体10’のL0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33の全面を、レーザビームLによって、同時に結晶化し、初期化することができる。
 また、L0層20およびL1層30において、レーザビームLは、デフォーカスされているから、スポットS0およびスポットS1の周縁部において、レーザビームLのパワーが急激に変化することがなく、したがって、レーザビームLによって、あるトラック群を初期化した後に、光学ヘッド60を光記録媒体10’のトラックの長さ方向に垂直な方向に移動させて、次のトラック群を初期化するときに、初期化された領域の間に、ムラが生ずることを効果的に防止することが可能になる。
 所望のように、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33が、初期化されたか否かは、光記録媒体10’の初期化工程の前後において、再生パワーと同程度のレベルのパワーを有するレーザビームLを、L0層20およびL1層30に照射し、その反射率の変化を測定することによって、判定することができる。
 以上のようにして、光記録媒体10’のL0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33の初期化が完了し、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33が結晶化された光記録媒体10が作製される。
 以上のように作製された光記録媒体10に、データを記録するにあたっては、光透過層13の光入射面13aに、強度変調されたレーザビームLが照射され、L0層20のL0記録膜23またはL1層30のL1記録膜33に、レーザビームLのフォーカスが合わせられる。
 レーザビームLを照射することにより、L0層20のL0記録膜22またはL1層30のL1記録膜33の所定の領域を、相変化材料の融点以上の温度に加熱し、急冷するときは、その領域の状態がアモルファス状態になり、一方、レーザビームLを照射することにより、L0層20のL0記録膜22またはL1層30のL1記録膜33の所定の領域を、相変化材料の結晶化温度以上の温度に加熱し、除冷すると、その領域の状態は結晶化状態になる。L0層20のL0記録膜22またはL1層30のL1記録膜33のアモルファス状態になった領域によって、記録マークが形成される。また、記録マークの長さと、隣り合った記録マークとの間のブランク領域の長さによって、L0層20のL0記録膜22またはL1層30のL1記録膜33に記録されたデータが構成される。
 一方、光記録媒体10に記録されたデータを再生する場合には、光透過層13の光入射面13aに、強度変調されたレーザビームLが照射され、L0層20のL0記録膜23またはL1層30のL1記録膜33に、レーザビームLのフォーカスが合わせられる。
 L0層20のL0記録膜23またはL1層30のL1記録膜33の領域が、アモルファス状態である場合と、結晶化状態である場合とで、反射率が異なるから、L0記録膜23またはL1記録膜33から反射された光の光量を検出することによって、L0層20のL0記録膜23またはL1層30のL1記録膜33に記録されたデータを再生することができる。
 本実施態様によれば、単に、L0層20のスポットS0に、単位時間、単位面積あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL0/A0が、L0記録膜22の最小初期化エネルギーP0以上になり、かつ、L1層30のスポットS1に、単位時間、単位面積あたりに照射されるレーザビームLのエネルギーPL1/A1が、L1記録膜33の最小初期化エネルギーP1以上になるように、レーザビームLのパワーおよび透明中間層12内におけるレーザビームLの焦点の位置を設定して、光記録媒体10’のL0層20およびL1層30に、レーザビームLを照射することによって、L0層20のL0記録膜23およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化するように構成されているから、簡易な構造の記録膜初期化装置50を用いて、効率よく、光記録媒体10’のL0層20およびL1層30を初期化することが可能になる。
 さらに、本実施態様によれば、記録膜初期化装置50のメモリが、光記録媒体10’の種類ごとに、L0層20の光透過率T,L0層20のL0記録膜22を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP0、L1層30のL1記録膜33を結晶化させて、初期化するのに必要な単位時間、単位面積あたりのレーザビームLの最小初期化エネルギーP1および光透過層13の光透過率を記憶しており、記録膜の初期化に際して、コントローラ53が、メモリに記憶されたデータのうち、記録膜初期化装置50に入力された光記録媒体10’の種類に対応するデータを読み出し、読み出したデータに基づき、最適なレーザビームLのパワーおよび透明中間層12内におけるレーザビームLの焦点の最適位置を決定して、光学ヘッド60を、光記録媒体10’の光入射面13aに垂直な方向に移動させて、最適位置に位置させ、半導体レーザ61から、光記録媒体10’に向けて、レーザビームLを放出させているから、単に、記録膜初期化装置50に、光記録媒体10’の種類を入力するだけで、自動的に、L0層20のL0記録膜22およびL1層30のL1記録膜33を同時に結晶化させて、初期化することが可能になる。
 本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
 たとえば、前記実施態様においては、光記録媒体10は、SbTe系材料を含むL0記録膜22およびL1記録膜33を備えているが、光記録媒体10が、SbTe系材料を含むL0記録膜22およびL1記録膜33を備えていることは必ずしも必要でなく、他の相変化材料を含むL0記録膜およびL1記録膜を備えていてもよい。
 また、前記実施態様においては、L0記録膜22およびL1記録膜33は、同じSbTe系材料を含み、同じ組成を有しているが、L0記録膜22およびL1記録膜33が、同じSbTe系材料を含み、同じ組成を有していることは必ずしも必要でなく、L0記録膜22およびL1記録膜33が異なる組成を有していてもよい。
 さらに、前記実施態様においては、光記録媒体10は、L0層20およびL1層30、すなわち、二層の記録層を有しているが、光記録媒体が二層の記録層を備えていることは必ずしも必要でなく、光記録媒体が三層以上の記録層を備えていてもよい。その場合には、記録膜の初期化にあたって、レーザビームLは、いずれの記録層に対しても、デフォーカスされる。
 また、前記実施態様においては、第二の誘電体膜21が、透明中間層12の表面上に形成されているが、L0層20に記録されたデータの再生出力を向上させ、L0層20にデータが記録される際に、透明中間層12が熱によってダメージを受けることを防止するために、透明中間層12と第二の誘電体膜21との間に、半透明反射膜を設けてもよい。さらに、半透明反射膜と透明中間層12との間に、下地保護膜を設け、半透明反射膜と透明中間層12とを物理的に離間させるようにしてもよい。
 さらに、前記実施態様においては、光透過層13は、L0層20の第一の誘電体膜23の表面に形成されているが、L0層20の放熱性を向上させるために、L0層20の第一の誘電体膜23と光透過層13との間に、第一の誘電体膜23の材料よりも熱伝導性が高い材料によって、10nmないし200nmの厚さを有する透明放熱膜を設けることもでき、さらに、より大きな光干渉効果を得るために、透明放熱膜と光透過層13との間に、透明放熱膜と屈折率の異なる誘電体膜を設けてもよい。
 また、前記実施態様においては、反射膜31は、支持基板11上に形成されているが、反射膜31と支持基体11との間に、防湿膜を設けてもよい。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の構造を示す略断面図である。
図2は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の製造方法を示す工程図である。
図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の製造方法を示す工程図である。
図4は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の製造方法を示す工程図である。
図5は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の製造方法を示す工程図である。
図6は、本発明の好ましい実施態様にかかる記録膜初期化装置の概略図である。
図7は、図6において、Aで示された部分の略拡大断面図である。
図8は、L0層に形成されたレーザビームのスポットまたはL1層に形成されたレーザビームのスポットの形状を示す概略図である。
図9は、レーザビームが照射された光記録媒体の略拡大断面図である。
図10は、レーザビームが照射された光記録媒体の略拡大断面図である。
符号の説明
10 光記録媒体
11 支持基板
11a グルーブ
11b ランド
12 透明中間層
12a グルーブ
12b ランド
13 光透過層
13a 光入射面
20 L0層
21 第二の誘電体膜
22 L0記録膜
23 第一の誘電体膜
30 L1層
31 反射膜
32 第四の誘電体膜
33 L1記録膜
34 第三の誘電体膜
40,41 スタンパ
50 記録膜初期化装置
51 スピンドルモータ
52 ヘッド駆動機構
53 コントローラ
60 光学ヘッド
61 半導体レーザ
62 コリメータレンズ
63 シリンドリカルレンズ系
64 対物レンズ

Claims (10)

  1. 透明中間層を介して、記録膜を含む複数の記録層が形成された光記録媒体に、所定の範囲内で、パワーが制御されるレーザビームを照射し、前記記録膜を同時に結晶化させて、初期化する光記録媒体の記録膜初期化方法であって、前記記録膜のそれぞれに照射される前記レーザビームのエネルギーが、前記記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、前記レーザビームのパワーおよび前記レーザビームの焦点の位置を設定して、前記光記録媒体の前記記録膜に、レーザビームを照射することを特徴とする光記録媒体の記録膜初期化方法。
  2. 前記レーザビームを、その焦点が、前記透明中間層内に位置するように、フォーカスすることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の記録膜初期化方法。
  3. 焦点深度Dが、d≧λ/NA(ここに、dは前記透明中間層の厚さで、λは、前記レーザビームの波長、NAは、レーザビームを集束させる対物レンズの開口数である。)を満たすように、前記レーザビームを、前記対物レンズによって、前記透明中間層に集束させることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体の記録膜初期化方法。
  4. 前記光記録媒体が、前記レーザビームが入射する光入射面に近い位置に形成された第一の記録層と、前記光入射面から遠い位置に形成された第二の記録層と、前記第一の記録層と前記第二の記録層の間に形成された透明中間層を備え、PL0/A0≧P0で、かつ、T×PL0/A1≧P1(ここに、PL0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのエネルギー、A0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積、A1は、前記第二の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積、Tは、前記第一の記録層の光透過率、P0は、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギー、P1は、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーである。)を満足するように、前記レーザビームのパワーおよび前記レーザビームの焦点の位置を設定して、前記光記録媒体の前記記録膜に、レーザビームを照射することを特徴とする請求項2または3に記載の光記録媒体の記録膜初期化方法。
  5. 透明中間層を介して、記録膜を含む複数の記録層が形成された光記録媒体に、レーザビームを照射し、前記記録膜を同時に結晶化させて、初期化する光記録媒体の記録膜初期化装置であって、前記レーザビームを発し、前記光記録媒体の表面に垂直な方向に移動可能な半導体レーザと、前記レーザビームを集束するための対物レンズと、記録膜初期化装置全体の動作を制御するコントローラを備え、前記コントローラが、前記記録膜のそれぞれに照射される前記レーザビームのエネルギーが、前記記録膜のそれぞれを結晶化させて、初期化することができる最小初期化エネルギー以上になるように、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワーおよび前記半導体レーザの前記光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されたことを特徴とする光記録媒体の記録膜初期化装置。
  6. 前記コントローラが、前記レーザビームの焦点が、前記透明中間層内に位置するように、前記半導体レーザの前記光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体の記録膜初期化装置。
  7. 焦点深度Dが、d≧λ/NA(ここに、dは前記透明中間層の厚さで、λは、前記レーザビームの波長、NAは、レーザビームを集束させる前記対物レンズの開口数である。)を満たすように、前記半導体レーザおよび前記対物レンズが選択されたことを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体の記録膜初期化装置。
  8. 前記光記録媒体が、前記レーザビームが入射する光入射面に近い位置に形成された第一の記録層と、前記光入射面から遠い位置に形成された第二の記録層と、前記第一の記録層と前記第二の記録層の間に形成された透明中間層を備え、さらに、前記光記録媒体の種類ごとに、前記第一の記録層の光透過率T1、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP0、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーP1および前記光入射面と前記第一の記録層の間の前記光記録媒体の光透過率T2を記憶したメモリを備え、前記コントローラが、T2×P/A0≧P0で、かつ、T1×T2×P/A1≧P1(ここに、Pは、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワー、A0は、前記第一の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積およびA1は、前記第二の記録層に照射されている前記レーザビームのスポットの面積である。)を満足するように、前記半導体レーザから発せられる前記レーザビームのパワーPおよび前記半導体レーザの前記光記録媒体の表面に垂直な方向における位置を設定可能に構成されたことを特徴とする請求項6または7に記載の光記録媒体の記録膜初期化装置。
  9. 基板と、前記基板上に、記録膜を含む第二の記録層と、透明中間層と、記録膜を含む第一の記録層と、レーザビームが入射する光透過層とを、この順に備え、前記第一の記録層および前記第二の記録層が、0.8≦T×P0/P1≦1.2(ここに、Tは、前記第一の記録層の光透過率、P0は、前記第一の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギー、P1は、前記第二の記録層に含まれた記録膜を結晶化させて、初期化するのに必要な単位面積あたりのレーザビームの最小初期化エネルギーである。)を満足するように、形成されたことを特徴とする光記録媒体。
  10. 前記第一の記録層に含まれた前記記録膜および前記第二の記録層に含まれた前記記録膜が、相変化材料を主成分として含んでいることを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体。
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