JP2004078971A - 表示一体形タブレット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示品位を低下させることなく、低消費電力で、かつ小型な表示機能付の表示一体形タブレット装置を提供する。
【解決手段】 表示一体形タブレット装置31では、表示パネル32のコモン電極Cを駆動するコモン駆動回路34を構成する集積回路34Lには、直流電源回路42から各電圧間の絶対値が大きい電圧VL,VM,VHが供給され、セグメント電極Sを駆動するセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lには、各電圧間の絶対値が小さい電圧VA,VBが供給される。切換え回路44は、制御回路37の制御に従って表示期間には表示制御回路35を選択して、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lおよびコモン駆動回路34を構成する集積回路34Lを制御して表示パネル32に画像を表示する。また、座標検出期間では座標検出制御回路36の出力を選択して、表示期間で用いた各電圧をそれぞれ用いて座標の検出を行う。
【選択図】   図1

Description

 本発明は、携帯形情報機器およびワードプロセッサなどに好適に実施され、文字および図形などを入力する際に用いられる座標検出のための構成に関し、特に時分割で表示と座標検出とを行う表示機能を備えた表示一体形タブレット装置に関する。
 座標を指示する手段である電子ペンによる入力機能を有する表示装置を含んで、携帯用の情報端末装置を構成すると、文字などの入力に用いるキ−ボードが不要となり、装置の小形化および軽量化を図ることができる。これらの情報端末装置は、一般的に電池によって駆動されており、電池も含めて小形かつ軽量であることが求められている。前記情報端末装置においては、特に前記表示装置における電力消費を少なくし、かつ表示装置を駆動する回路などの周辺の回路を小型軽量に形成することが求められている。
 液晶表示パネルの表示電極、および駆動回路を時分割的に制御することによって、座標検出のための回路などを追加することなく座標検出を行わせ、前記表示機能を備えた座標検出装置の構成を小型化するとともに低価格化を実現する先行技術が、本件発明者によって、たとえば特開平5−53726号公報において提案されている。
 図17は、前記公報に示される表示機能を備えた表示一体形タブレット装置1のブロック図である。この装置1は、表示パネル2と、セグメント駆動回路3と、コモン駆動回路4と、表示制御回路5と、検出制御回路6と、制御回路7と、電子ペン8と、オペアンプ9と、X座標検出回路10と、Y座標検出回路11と、直流電源回路12と、表示信号供給回路13と、切換え回路14とを含んで構成される。
 この装置1では、1フレーム期間を表示期間と座標検出期間とに時分割して表示パネル2を駆動する。したがって表示パネル2は、表示期間では表示パネルとして動作し、座標検出期間では座標検出パネルとして動作する。表示パネル2には、セグメント電極S1,S2,…,Smと、コモン電極C1,C2,…,Cnとが互いに交差するように配置されている。セグメント電極S1,S2,…,Smを総称するときには参照符Sを用い、コモン電極C1,C2,…,Cnを総称するときには参照符Cを用いる。コモン駆動回路4とセグメント駆動回路3とは、切換え回路14の出力に基づいて、直流電源回路12から供給される複数の電圧を選択的に表示パネル2の各電極C,Sに印加する。
 図18は表示期間におけるセグメントおよびコモン駆動回路3,4の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図19は座標検出期間におけるセグメントおよびコモン駆動回路3,4の動作を説明するためのタイミングチャートである。図18および図19に示すように、シフトデータSによって規定されるN番目のフレーム期間W1は、表示期間W3と、座標検出期間W4とに分割される。さらに座標検出期間W4は、X座標検出期間W5と、Y座標検出期間W6とを含んで構成される。(N+1)番目のフレーム期間W2以降は、フレーム期間W1と同様に各期間が繰返される。
 図18に示すタイミングチャートは、本発明による後述の図7および図8に示す表示パネル32における表示例と同一内容を表示する場合のタイミングチャートである。電圧Vs,Vcをコモン電極Cおよびセグメント電極Sに印加される電圧をそれぞれ示す電圧であるとすると、コモン電極Cおよびセグメント電極Sの交差部である画素における電極間電圧は、|Vs−Vc|となる。この電極間電圧が、液晶のしきい値電圧を超える画素は表示状態となり、しきい値電圧に満たない画素は非表示状態となる。
 液晶パネル2に表示を行う場合、コモン電極Cとセグメント電極Sとの交差部である各画素に印加される電圧の極性は全フレームを通して同一方向ではなく、たとえばフレーム毎に交互に切換えられる必要がある。これは、液晶に直流電圧を長時間印加することによって液晶が方向性を持ち、印加する電圧を変化させても液晶の向きが変わらず、また液晶が電気分解し、そのため表示品位が低下することを防止するために行われるものであり、いわゆる交流化駆動と称される。
 交流化駆動を行うことによって、予め定める電圧を挟んで対向することになる正方向と負方向との電圧を、予め定める期間毎に交互に印加することとなり、液晶に交流的に電圧が印加されることになる。したがって前記予め定める電圧に対して正負いずれの方向にも前記しきい値電圧以上の電圧となるように各電圧を定めると、液晶を駆動する回路は液晶のしきい値電圧のほぼ2倍の耐圧を必要とする。このような駆動回路は、50V以上の耐圧が必要となり、駆動回路を構成する集積回路の面積の増大を招く。座標検出装置1では、以下に示す構成によって、駆動回路に必要とされる耐圧を低くしている。
 この装置1において、切換え回路14は制御回路7から供給される制御信号に基づいて、画像を表示する際の制御を行う表示制御回路5と、座標位置を検出する際の制御を行う検出制御回路6との出力を切換えてセグメント駆動回路3およびコモン駆動回路4に供給する。
 表示期間W3においては、制御回路7の制御に従って切換え回路14は、表示制御回路5の出力を受取り、コモン駆動回路4およびセグメント駆動回路3に、コモン電極駆動信号a〜hおよびセグメント電極駆動信号A,Bをそれぞれ出力する。クロック信号cplの立下がりに応答してコモン電極Cを順次選択してコモン電極駆動信号a〜hを印加する。また、クロック信号cplの立下がりに応答して、奇数番目セグメント電極駆動信号Aをセグメント電極S1,S3,…に印加し、偶数番目セグメント電極駆動信号Bをセグメント電極S2,S4,…に印加する。
 図18に示すタイミングチャートにおいて、コモン電極駆動信号a〜hとセグメント電極駆動信号A,Bとが共に「オン」となっている画素の電圧は、|V0−V5|になる。座標検出装置1では、最大の電圧幅である電圧|V0−V5|が画素に印加されたときのみ、前記しきい値電圧を超えるように各電圧V0〜V5が設定されている。したがって、電圧|V0−V5|が印加されている場合のみが表示状態となり、他の場合は非表示状態となる。
 図18では、コモン電極Cを3行走査する度に、交流化信号FRの信号レベルが切換わり、画素に印加される電圧の極性が反転され交流化が行われる。交流化信号FRがローレベルである時刻t0〜t3までの期間W11では、交流化駆動を行う際に基準となる基準電圧がV4に定められる。前記期間W11で順次的に選択されるコモン電極C1〜C3には順次的に電圧V0が印加され、選択されていないコモン電極Cには電圧V4が印加される。表示状態となる画素に対応するセグメント電極Sには電圧V5が印加され、非表示状態となる画素に対応するセグメント電極Sには電圧V3が印加される。電圧V5とV3とは基準電圧V4からの電圧差がそれぞれ等しい電圧である。
 また交流化信号FRがハイレベルである時刻t3〜t6までの期間W12では、基準電圧がV1に定められる。前記期間W12で選択されるコモン電極Cには、電圧V5が印加され、選択されていないコモン電極Cには基準電圧V1が印加される。表示状態となる画素に対応するセグメント電極Sには電圧V0が印加され、非表示状態となる画素に対応するセグメント電極Sには電圧V2が印加される。電圧V0とV2とは基準電圧V1からの電圧差がそれぞれ等しい電圧である。
 上述のように、基準電圧が交流化信号FRの信号レベルに基づいて切換えられるので、コモン電極Cに選択時に印加される電圧と非選択時に印加される電圧とは、期間W11とW12とで異なるようになる。セグメント電極Sに印加される電圧も期間W11,W12で切換えられる。したがってセグメント電極に印加される電圧のレベルが大きく変化しているので、コモン電極Cに印加する電圧の変化を抑えることができる。表示時における印加電圧の一例を示すと、V0=0、V1=1.7、V2=3.4、V3=23.5、V4=25.2、V5=26.9Vであり、コモン駆動回路4およびセグメント駆動回路3に印加される電圧は27V程度となり、各駆動回路3,4を構成するLSI(大規模集積回路)は、いわば中耐圧の耐圧保証が必要となる。
 従来の装置1では、コモン電極Cの駆動回路4に中耐圧のLSIを使うことができるように工夫されているが、前述の動作説明から明らかなように駆動に必要な電圧の種類が多く、直流電源回路12の構成が大きくなるという課題を抱えている。
 また交流化信号FRに応じて、コモン電極Cおよびセグメント電極Sに印加する電圧の基準電圧を切換えており、表示内容が変化しなくても各電極S,Cに保持されている電荷が、前記切換わりの度に各駆動回路3,4へと流れ込み、結果的に電力が消費される。このような消費電力は、基準電圧の切換わり毎に起り、1フレーム期間における切換え回数に比例して消費電力が増大する。本質的に消費電力が少ない(抵抗が高い)液晶を用いて表示を行うにもかかわらず、各駆動回路3,4の出力が、静電容量の大きい液晶を挟んで対向する電極S,Cに接続されているので、充放電に伴う電力消費が大きくなる。一般的な携帯用情報端末装置は電池駆動になっており、したがって使用可能時間を長くするためには容量の大きい大形の電池が必要になる。
 前述のように装置1における消費電力は、極性切換えを行う回数に比例して増加するので、特に電力容量が制限される小形の携帯用情報端末装置では、1フレーム毎に複数回の極性の切換えを行わずに、フレーム単位で極性を切換えている場合もある。フレーム単位で極性を切換える場合、1フレームに複数回の極性の切換えを行う場合に比較して、液晶の劣化が著しく、そのため表示品位が低下することとなる。
 従来の装置1では、コモン駆動回路4を構成するLSIの耐圧を中耐圧とすることができるが、セグメント駆動回路3は表示時における信号電圧の差が期間W11では|V5−V3|であり、期間W12では|V2−V0|で共に5V以下(以下、低耐圧と称する)であるにもかかわらず、交流化により基準電圧が大きく変化するので、|V5−V0|の電圧を供給することができる中耐圧の構成とする必要がある。前述のように、装置1を携帯情報端末装置として構成する場合には、小形軽量および省電力を実現することが、無視できない課題になる。
 座標検出期間W4においては、検出制御回路6が選択され、検出制御回路6から与えられる各信号に基づいて、各駆動回路3,4が電子ペン8によって指示される座標の検出を行う。図19に示すように、座標検出期間W4におけるX座標検出期間W5では、セグメント駆動回路3はセグメント電極走査信号ZS1,ZS2,…,ZSmを生成して、表示パネル2のセグメント電極Sを順次走査する。X座標検出期間W5に引続くY座標検出期間W6では、検出制御回路6から与えられる各信号に基づいて、コモン駆動回路4はコモン電極走査信号ZC1,ZC2,…,ZCnを生成してコモン電極Cを順次走査する。
 電子ペン8の先端には、コモンおよびセグメント電極C,Sと静電的に結合する指示電極が設けられており、前記走査によって指示電極に信号電圧が誘起する。各座標検出回路10,11は、その信号電圧の波形におけるピークのタイミングに基づいて電子ペン8が示す表示パネル2上の座標を検出する。座標検出期間W4において、各座標検出回路10,11で検出された電子ペン8の存在する座標位置を示すデータを、表示制御回路5に入力することによって、次の表示期間において座標位置に表示を行う。
 座標検出走査時に印加する電圧を高い値に設定することによって、電子ペン8から出力される信号電圧の電圧レベルが上昇し、高い検出信号を得ることができ、S/N比が向上するので、なるべく高い電圧で走査することが望ましい。しかしながら、走査する電圧が高すぎると、各電極間に印加される電圧が表示に必要なしきい値を超え、表示信号に基づく電圧以外の電圧が印加されて不所望な表示が行われて表示品位が低下する。したがって図19に示すタイミングチャートでは、電圧V1またはV2を検出期間の基準の電圧に定め、順次的に電圧V5を印加して座標検出走査を行う。たとえば検出期間の基準電圧を電圧V1とし、走査電圧を電圧V5とすると、コモン電極Cおよびセグメント電極S間に印加される電圧は25.2Vとなり、前述の表示状態の電極間に印加される電圧である26.9Vよりも小さくなり、前記しきい値電圧以上の電圧が印加されることがなく、表示品位の低下を防ぐことができる。
 表示一体形タブレット装置1は、上述のように表示パネル2に表示を行う際に表示電圧の極性を周期的に切換える、いわゆる交流化駆動を行っており、またコモン電極Cの走査を行うコモン駆動回路4を中耐圧の構成としている。したがって表示機能の点で次のような課題を抱えている。
 まず第1の課題は、表示パネル2を駆動するために各駆動回路3,4に供給される電圧の種類が多いことである。多くの種類の電圧を供給するために、直流電源回路12の構成が大きくなる。第2の課題は、交流化駆動を行っているために基準となる電圧の切換わりが多く、消費電力が大きくなることである。消費電力が大きいので、使用可能な時間を長くするために電池サイズを大きくする必要があり、装置の小形軽量化が困難となっている。第3の課題は、コモン駆動回路4を中耐圧集積回路の構成としていることによって、セグメント駆動回路3を中耐圧集積回路の構成とする必要があることである。したがって、セグメント駆動回路3の低価格化を図ったり、セグメント駆動回路3の面積を縮小することができない。すなわち高い電圧が印加されても回路が破壊されないように、回路内に構成されるトランジスタの構造を、たとえば二重拡散構造としなければならず、回路の面積が広くなる。また二重拡散構造とするためには、回路を形成する際の工程が増え、形成の手間がかかる。
 さらに他の課題は高精細表示およびデューティカラー表示パネルにペン入力機能を付加した場合、座標検出期間が長くなることである。パーソナルコンピュータなどに搭載される表示パネルは、今後ますます高精細化の方向に進むことが予想される。たとえば、これまではVGA(Video Graphycs Array:640×480画素)が中心であったが、近年はSVGA(Super Video Graphycs Array:800×600画素)およびXGA(extended Graphycs Array:1024×768画素)などの表示パネルが多く用いられるようになっている。
 さらに、これらのモノクロ表示パネルがそのままの精細度でカラー化される場合には、コモン電極本数は増加しないが、セグメント電極本数は赤、緑、青RGBの3色にそれぞれ対応するので3倍に増加することとなり、VGAでは1920(640×3)本、SVGAでは2400(800×3)本、XGAでは3072(1024×3)本と大幅に増加する。
 したがってモノクロのVGAの表示パネルを用いて座標検出を行う場合、座標検出走査の周波数が3MHzであるとすると、X座標の走査に必要な時間は、640×0.33=211.2μsであるけれども、前記表示パネルをカラー化した場合には、その3倍の633.6μsとなる。さらに、XGAの表示パネルをカラー化した表示パネルにおいて、座標検出を行う場合にはX方向の座標検出走査時間は、3072×0.33となり1msを超えることとなる。
 本件タブレット装置1では、1フレーム期間W1を表示期間W3と座標検出期間W4とに時分割しているので、座標検出期間W4の増加分だけ表示期間W3が短くなり、表示品位が低下する。またセグメント電極Sの電極本数が大幅に増大する結果、セグメント駆動回路3が複数個必要となる場合もあり、本件装置の価格の上昇を抑えるには駆動回路の低価格化を図る必要がある。
 コモン電極およびセグメント電極はガラス板の表面に透明導電膜(ITO)で形成されるが、カラー表示の場合、セグメント電極の幅が小さくなっているため、電極の長さ方向の電気抵抗がコモン電極の3倍以上になってしまう。したがってペン入力機能付表示パネルがカラー表示の場合、コモン電極を図17のようにペン側に配置している。
 このような配置の理由を以下に述べる。
 図20において、セグメント駆動回路3におけるスイッチE1,E2,…,Emは各セグメント電極Sに順次走査電圧V5を印加するためのスイッチであり、コモン駆動回路4におけるスイッチD1,D2,…,Dnは、各コモン電極Cに順次走査電圧V5を印加するためのスイッチである。スイッチD1,D2,…,Dnを総称するときは参照符Dを用い、スイッチE1,E2,…,Emを総称するときは参照符Eを用いる。抵抗rc1,rc5,rs1,rs5はオン抵抗であり、通常1.5KΩ程度の値になっている。
 抵抗rc1,rc5は各スイッチDに対応付けられており、抵抗rc1は電圧V1側に接続されているときの抵抗を示し、抵抗rc5は電圧V5側に接続されているときの抵抗を示す。抵抗rs1,rs5は各スイッチEに対応付けられており、抵抗rs1は電圧V1側に接続されているときの抵抗を示し、抵抗rs5は電圧V5側に接続されているときの抵抗を示す。
 図21(1)〜図21(4)は、X座標検出期間W5におけるセグメント電極S1,S2,Sm−1,Smに与えられる電圧V1,V5の波形を示す。
 前記電子ペン8を液晶パネル2上に置いた場合に、電子ペン8に誘起される電圧の波形は図21(7)に示すような波形が理想的である。このような理想的な波形の検出信号は、たとえば前述の図20におけるコモン電極Cのように電子ペン8に近い方の電極を走査する場合に得られる。しかし、液晶パネル1においては、上側、すなわち電子ペン8に近い側に位置するコモン電極Cと下側に位置するセグメント電極Sは液晶層を介して静電的な結合を行っており、1画素あたり1pFにも達するので、座標検出期間において電子ペン8の下側のセグメント電極Sの走査をした場合、静電容量が大きくかつコモン電極Cの長さ方向の抵抗が1〜2kΩ程度の抵抗を有し、かつコモン駆動回路4のオン抵抗rc1,rc5が1.5kΩ程度高い値なので、セグメント電極Sには図15(5)に示す電圧が誘起する。
 このような状態で電子ペン8を液晶パネル2上に置くと、電子ペン8には図21(6)のような電圧が誘起する。図21においてGはセグメント電極Sを走査することによって得られる電圧による真の検出電圧を示すが、実際には図21(6)に示す誘導ノイズピークFおよび誘導ノイズピークRが重畳されることによって図21(8)に示すように検出される。誘導ノイズピークFあるいは誘導ノイズピークRの値はコモン電極Cの抵抗rが大きいほど大きくなり、誘導ノイズピークF,Rが検出信号ピークGに重畳されることによって、特に電子ペン8が両端部に存在する場合にX座標の検出精度が低下する。
 前記セグメント駆動回路3において、スイッチE1からEmに向かって図21(1)〜図21(4)のように順次V5がセグメント電極に印加される。図20においてはセグメント電極S2,S3,S4に走査電圧V5が印加され、他のセグメント電極およびコモン電極にはV1が供給されている状態である。
 このように走査した場合における誘導ノイズF,Rは、上側に配列される電極の長さ方向の抵抗が高いほど大きいので、抵抗の高い電極を配置した電極面を電子ペンに対し下側に配置するのである。モノクロ表示の場合、コモン電極、セグメント電極ともに比較的広くかつ同一幅の場合が多いので、上下いずれに配列しても性能上の優劣はほとんどない。
 しかし、カラー表示のように、セグメント電極の幅が狭い場合にはセグメント電極の抵抗が高いので、従来は図17のようにセグメント電極を下側に配置し、コモン電極を電子ペン側に配置している。セグメント駆動回路3のオン抵抗もなるべく低いことが望ましいが、耐圧が30Vを超える場合は1.5kΩ程度となる。
 従来技術である特開平5−265650号公報に開示されている装置では、前述の図18に示される静電誘導電圧Fにおいて、交流化信号FRの信号レベルが変化する際に、セグメント電極Sおよびコモン電極Cに印加されている基準電圧が、同時に切換わることによって発生するピークFa,Fbを用いて、電子ペン8が表示パネル2の一方表面に接近しているかどうかを表示期間において検出している。
 電子ペン8が表示パネル2の一方表面に接近していることを検知するための手段である図17の判断回路15では、液晶表示パネルが交流化信号FRの信号レベルに基づく交流化駆動方式によって動作している点に着目し、各フレームの表示期間に検出している。図22(1)に示す交流化信号FRの信号レベルに基づき複数ラインの表示を行う毎に、コモン電極およびセグメント電極に印加する電圧の極性を一斉に反転しつつ表示を行っているので、電子ペン8が表示パネル2の一方表面に接近していると、電子ペン8の指示電極は表示パネル2の各電極S,Cとの静電結合が主となり、図22(2)に示すように交流化信号FRの立上がりおよび立下がりのタイミングと発生するタイミングが一致するスパイク状の電圧が誘起される。電子ペン8が表示パネル2の一方表面から離れている場合には、図22(3)に示すように、周辺からの外来ノイズによる誘導電圧が主となる。この誘導電圧にはスパイク状の部分がなく、交流化信号FRの信号レベルの変化タイミングとは関係なくランダムに発生している。
 したがって従来技術の図17の判断回路15では交流化信号FRの信号レベルが切換わるタイミングを含むように期間Wa,Wbを設け、各期間Wa,Wbにおける電圧をゲート回路で分離し、それぞれの電圧を整流して各期間Wa,Wbの平均電圧Vwa,Vwbを比較することによって、電子ペン38がどのような状態であるかを検出している。すなわち、電子ペン8が表示パネル2の一方表面に接近している場合はVwa》Vwbであり、離れている場合にはVwa≒Vwbとなるので、コンパレータなどで平均電圧Vwa,Vwbを比較することによって電子ペン38の状態を判定することができる。表示期間W1は、その表示期間W3と座標検出期間W4との和である1周期W1のたとえば約90%を占め、したがってこの表示期間W3において判断回路15を動作させることは、大きな電力消費となる。電池を用いる携帯形情報機器では、消費電力を少しでも低減することが望まれている。
 本発明の目的は、用いられる電圧の種類をできるだけ少なくし、しかも消費電力を節減することができるようにし、さらに低耐圧の集積回路を用いて実現することができるようにした表示装置を用い、ノイズによる誤動作を防いで座標検出精度が向上された表示一体形タブレット装置を提供することである。
 本発明は、複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、
 表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、
 表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、
 表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、
 表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定する制御手段と、
 表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、
 表示期間には、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、
 電子ペン有無検出期間には、コモン電極に予め定める一定の電圧を与えるコモン駆動回路と、
 表示期間には、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、時間経過に伴って波形が変化する電子ペン有無検出信号を生成するセグメント駆動回路と、
 電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、
 電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号あるいはY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置である。
 また本発明は、複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、
 表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、
 表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、
 表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、
 表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定する制御手段と、
 表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、
 表示期間には、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、時間経過に伴って波形が変化する電子ペン有無検出信号を生成するコモン駆動回路と、
 表示期間には、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、セグメント電極に予め定める一定の電圧を与えるセグメント駆動回路と、
 電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、
 電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号あるいはY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置である。
 また本発明は、電子ペン有無検出信号は、
 表示パネルの少なくとも手前側に設けられたセグメント電極またはコモン電極のいずれか一方に与えられる繰返しパルスであり、
 電子ペン有無検出手段は、
 電子ペンの出力を、電子ペン有無検出信号に対応した電子ペンの出力が得られる期間Wp,Wnだけ導出する第1ゲート手段と、
 電子ペンの出力を、電子ペン有無検出信号に対応した電子ペンの出力が得られる期間Wp,Wn以外の期間Waだけ導出する第2ゲート手段と、
 第1ゲート手段の出力が第2ゲート手段の出力よりも大きいとき、接近していることを検出する比較手段とを含むことを特徴とする。
 また本発明は、比較手段は、
 第1ゲート手段と第2ゲート手段との各出力の差が、予め定める第1の値以上であるとき接近していると検出し、第1の値未満の第2の値未満であるとき離れていると検出するヒステリシス特性を有することを特徴とする。
 また本発明は、電子ペン有無検出信号は、
 表示パネルのセグメント電極またはコモン電極のいずれか一方に与えられる予め定める周波数を有する繰返しパルスであり、
 電子ペン有無検出手段は、
 前記繰返しパルスの周波数の帯域を通過する周波数特性を有し、電子ペンの出力を濾波するバンドパスフィルタと、
 バンドパスフィルタの出力をレベル弁別し、バンドパスフィルタの出力が予め定める弁別レベルよりも大きいとき、接近していることを検出するレベル弁別手段とを含むことを特徴とする。
 また本発明は、レベル弁別手段は、
 バンドパスフィルタの出力が予め定める第1の弁別レベル以上であるとき接近していると検出し、第1の弁別レベル未満の第2の弁別レベル未満であるとき離れていると検出するヒステリシス特性を有することを特徴とする。
 また本発明は、電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面から離れていると検出されたとき、座標検出期間に座標検出回路への電力供給を遮断する電力制御手段が設けられることを特徴とする。
 また本発明は、表示期間には、電子ペン有無検出手段と、座標検出回路への電力供給を遮断する電力制御手段が設けられることを特徴とする。
 本発明に従えば、電子ペン有無検出期間を設けてこの期間に表示パネルの電極群に予め設定された時間変化が既知の電圧を印加し、この電圧を電子ペンで受け、上記既知電圧と比較することにより、電子ペンが表示パネルに接近しているか離れているかを検出できる。その結果、電子ペンが表示パネルより離れてノイズを発生している電気機器に接近し、電子ペンがこれを信号として誤って検出してもその信号は除去することができる。
 制御手段によって表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とが順次的に繰返して設定される。制御回路の制御に従って、切換え回路によって表示制御回路側が切換え選択されて表示期間に入る。切換え回路から表示制御回路からの表示制御信号および表示データが出力される。そうすると、コモン駆動回路によって、切換え回路からの表示制御信号に基づいて、表示パネルのコモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号が生成される。セグメント駆動回路によって、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいて、コモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号が生成される。こうして表示期間においては、生成されたコモン電極駆動信号およびセグメント電極駆動信号に基づいて、表示パネルの画素マトリックスにおいて順次選択された行の画素が表示データに応じてデューティタイプの表示方法で表示される。
 また、制御回路の制御に従って、切換え回路によって検出制御回路側が切換え選択されて座標検出期間に入る。切換え回路から検出制御回路からの検出制御信号が出力される。そうすると、この切換え回路からの検出制御信号に基づいて、セグメント駆動回路によって、表示パネルの画素マトリックスに画像を表示することなくセグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号が生成されてセグメント電極に入力される。その結果、セグメント電極に入力されたセグメント電極走査信号に基づいて、電子ペンの電極に誘導電圧が誘起される。こうして、電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が座標検出回路に入力されると、座標検出期間においては、座標検出回路によって、入力された電子ペンからの誘導電圧に基づいて、所定の手順で電子ペン先端のX座標が検出されてX座標信号が出力される。
 切換え回路からの検出制御信号に基づいて、コモン駆動回路によって、表示パネルの画素マトリックスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号が生成されてコモン電極に入力される。その結果、コモン電極に入力されたコモン電極走査信号に基づいて、電子ペンの電極に誘導電圧が誘起されて座標検出回路に入力される。座標検出回路によって、入力された電子ペンからの誘導電圧に基づいて、所定の手順で電子ペン先端のy座標が検出されてy座標信号が出力される。こうして、座標検出期間においては、表示パネルは静電誘導タブレットとして動作して、表示パネルを用いて電子ペンの先端位置が検出される。
 座標検出期間において、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路によって、表示パネルの各画素の誘電体に印加される電圧が誘電体表示電圧の閾値よりも低い電圧になるようなコモン電極走査信号あるいはセグメント電極走査信号を生成し、こうして、座標検出期間においては、画素マトリックスに画像が表示されないようにして各電極が走査される。
 特に本発明に従えば、電子ペン有無検出期間を設けてこの期間に表示パネルの電極群に予め設定された時間変化が既知の電圧を印加し、その電圧を電子ペンで受け、既知電圧と比較することにより、電子ペンが表示パネルに接近しているか離れているかを検出できる。その結果電子ペンが表示パネルより離れてノイズを発生している電気機器に接近し、電子ペンがこれを信号として誤って検出してもその信号は除去することができる。
 さらに本発明に従えば、電子ペン有無検出手段を構成する比較手段およびレベル弁別手段は、ヒステリシス特性を有し、これによって電子ペンが表示パネルに接近しているか離れているかを、安定に確実に検出することができ、これによって座標入力の誤りを防ぐことができ、確実な入力操作を行うことができる。
 さらに本発明に従えば、電力消費を低減するために、電子ペンが表示パネルから離れているときには、座標検出回路への電力供給を遮断する。さらに本発明に従えば、表示期間には、電子ペン有無検出手段および座標検出回路への電力供給を遮断する。この電力消費の低減は、電池を用いる携帯形の電子手帳などの情報機器において特に重要である。
 本発明によれば、表示期間と座標検出期間とのほかに、電子ペン有無検出期間を設け、この電子ペン有無検出期間に、電子ペンが表示パネルの座標面に接近しているか離れているかを検出することができる。その結果、電子ペンが表示パネルから離れて、ノイズを発生している電気機器に接近することで、電子ペンがこれを信号として誤って検出してもその信号は座標を検出するためには用いないので、不所望な座標の表示を行うことを防止することができる。
 さらに本発明によれば、電子ペン有無検出期間において、電子ペンが座標面に接近していると判断されたときには、電子ペンが検出した座標を示す信号を出力するので、確実に電子ペンが座標を指示しているときの座標だけに表示を行うことができる。
 本発明によれば、比較手段およびレベル弁別手段は、ヒステリシス特性を有するので、電子ペンが表示パネルに接近しているか離れているかの判断が不安定になることを防ぎ、電子ペンによる座標入力を確実に行わせることができる。
 さらに本発明によれば、電子ペンが表示パネルから離れていると判断されたときには、座標検出回路に電力を供給せず、前記座標検出期間における座標検出用電圧の印加を行わないので、電力消費を低減することができる。
 さらに本発明によれば、表示期間には、電子ペン有無検出手段および座標検出回路への電力供給を遮断し、電力消費をさらに低減することができる。
 図1は、本発明の実施の第1の形態の表示一体形タブレット装置である表示機能付き座標検出装置31のブロック図である。表示機能付き座標検出装置31は、表示パネル32と、セグメント駆動回路33と、コモン駆動回路34と、表示制御回路35と、座標検出制御回路36と、制御回路37と、電子ペン38と、オペアンプ39と、X座標検出回路40と、Y座標検出回路41と、直流電源回路42と、表示信号供給回路43と、切換え回路44とを含んで構成される。
 表示パネル32は、n行×m列(n,mは2以上の自然数)の単純マトリクス型の表示パネルであり、セグメント駆動回路33によって列方向の電極であるセグメント電極Sが駆動され、コモン駆動回路34によって行方向の電極であるコモン電極Cが駆動される。なお、表示パネル32に設けられるセグメント電極S1〜Smを総称するときには参照符Sを用い、コモン電極C1〜Cnを総称するときには参照符Cを用いる。直流電源回路42は、予め定める正の電源電圧VEEと負の電圧VSSとの間を抵抗などによって分圧して後述する電圧VH,VM,VL;VA,VBを生成する。電圧VH,VM,VLはコモン駆動回路34に供給され、電圧VA,VBはセグメント駆動回路33に供給される。これらの5値の電圧の関係は次の第1式のようになる。
   VEE>VH>VB>VM>VA>VL>VSS      …(1)
 たとえばVH=22.5V、VB=1.7V、VM=0V、VA=−1.7V、VL=−22.5Vである。
 本件装置31では、1フレーム期間を表示期間と座標検出期間とに時分割して表示パネル32を駆動する。したがって表示パネル32は、表示期間では表示パネルとして動作し、座標検出期間では座標検出パネルとして動作する。前記時分割の方法としては、図2に示すようにN番目のフレーム期間W21は、表示期間W23と、座標検出期間W24とに分割される。座標検出期間W24は、X座標検出期間W25と、Y座標検出期間W26とを含んで構成される。(N+1)番目のフレーム期間W22以降は、フレーム期間W21と同様に前記各期間W23,W25,W26が繰返し行われる。
 本件装置31において、切換え回路44は、制御回路37から供給される制御信号に応答して、画像を表示する際の制御を行う表示制御回路35からの表示制御信号と表示データとを、または座標位置を検出する際の制御を行う座標検出制御回路36からの走査制御信号を切換えて出力する。
 座標検出期間W24においては、座標検出制御回路36が選択され、座標検出制御回路36から与えられる走査制御信号に応答して、各駆動回路33,34が電子ペン38によって指示された座標の検出を行う。座標検出期間W24におけるX座標検出期間W25では、セグメント駆動回路33はセグメント電極走査信号を生成して、表示パネル32のセグメント電極Sを順次走査する。X座標検出期間W25に引続くY座標検出期間W26では、座標検出制御回路36から与えられる走査制御信号に応答して、コモン駆動回路34はコモン電極走査信号を生成して、コモン電極Cを順次走査する。
 また、表示期間W23においては、制御回路37の制御に従って切換え回路44は、表示制御回路35から出力される表示制御信号と表示データとを受取り、コモン駆動回路34およびセグメント駆動回路33に与える。
 座標検出期間W24において、各座標検出回路40,41で検出された電子ペン38の存在する座標位置を示すデータを、表示制御回路35に入力することによって、表示期間W23において座標位置に表示を行うことができる。
 コモン駆動回路34とセグメント駆動回路33とは、切換え回路44の出力に基づいて、直流電源回路42から供給される複数の電圧VH,VM,VL;VA,VBを選択的に表示パネル32の各電極C,Sに印加する。
 図3は表示パネル32および電子ペン38の断面図であり、図4は表示パネル32の一部を拡大して示す断面図である。図4に示すように、表示パネル部分232は、セグメント電極Sが配置される基板51と、コモン電極Cが配置される基板52とを各電極S,Cが対向するように貼合わせ、周辺部を封止部材54で封止し、基板51,52と封止部材54とによって形成される空間に液晶層53となる液晶を注入して形成されている。
 表示パネル32においては、表示パネル部分232を覆うようにアクリル樹脂などによって形成される防護板56を設ける。防護板56と基板51との間には、表示パネル部232の周辺部に設けられるスペーサ58によって形成されるエアギャップ57が存在する。エアギャップ57が存在することによって、防護板56が撓んだ場合であっても防護板56が基板51に接触することを防止することができる。電子ペン38の先端部においては、指示電極61の先端部61aを包込むように樹脂62が形成される。指示電極61は、オペアンプ39に接続されており、指示電極61で発生した電圧は、オペアンプ39で増幅されて各座標検出回路40,41に与えられる。
 本件装置31では、電子ペン38が表示パネル32の一方表面32aに接近しているときに、セグメントおよびコモン電極S,Cに順次的に電圧を印加することによって、指示電極61とセグメントおよびコモン電極S,Cとがエアギャップ57などを介して静電的に結合することとなり、指示電極61に発生する電圧に基づいて、電子ペン38が指し示す表示パネル32の座標位置を検出している。
 図5は、セグメント駆動回路33を構成する集積回路のブロック図である。セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは、コントロール回路71と、ラッチセレクタ72と、第1データラッチ73と、第2データラッチ74と、バイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75と、出力回路77と、データMPX(マルチプレクサ)78とを含んで構成される。また、第2データラッチ74と、バイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75は、ブロック図では別構成になっているが一体構成でも良い。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lには、前述の各構成要素に対する信号の入出力を行うために複数の端子が設けられている。本明細書において、各端子と端子に与えられる電圧および信号とには同一の参照符を付して説明を行うことがある。本実施の形態においては、たとえばセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lに含まれる出力回路77に接続されるセグメント電極Sを160本の倍数とする。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lには、接続端子として端子SEL、および端子DISが設けてある。端子SELには、表示走査を行うか座標検出走査を行うかを選択するための信号SELが与えられる。信号SELは切換え回路44から与えられ、端子SELを介してコントロール回路71に与えられる。端子DISには、信号DISが与えられる。信号DISは切換え回路44から与えられ、端子DISを介して出力回路77に与えられる。出力回路77は、後述の図15の電子ペン有無検出期間W27で、信号DISが入力された際には、表示信号D0〜D7の信号レベルに関係なく、信号DISのHまたはLの各信号レベルに基づいて全てのセグメント電極Sに出力する電圧を、VAまたはVBのいずれかの電圧とする。バイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75に保持されているデータがクリア端子CLEへの入力によってクリアされて全ての出力が電圧VAとなっている場合に、たとえばHレベルである信号DISが与えられると、セグメント電極Sにそれぞれ接続されている出力端子OUT1〜OUT160からの出力電圧を電圧VBにすることができる。切換え回路44から供給される信号が端子CLEを介して与えられることによって、シフトレジスタ75およびデータラッチ73,74に保持されている内容をクリアすることができる。
 本件装置31には、複数個の大規模集積回路によって実現されるセグメント駆動回路33が端子EIO1,EIO2を介してカスケードに接続されており、表示期間では端子EIO1,EIO2がチップセレクト端子として動作し、座標検出期間ではバイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75へのデータ入出力を行う端子として機能する。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは、表示のための160チャンネルのデータラッチ74と、座標検出のための160チャンネルのバイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75とを備えている。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは、表示期間W23では表示信号入力端子D0〜D7から入力される8ビットの表示信号D0〜D7を、端子SCKを介して与えられるクロックパルスSCKに基づいて、データMPX(マルチプレクサ)78を介して第1データラッチ回路73に保持する。第1データラッチ回路73は、8ビットのラッチ回路が20個組合わされて構成されている。いずれのラッチ回路にデータを保持させるかは、ラッチセレクタ72によって制御されている。20個のラッチ回路すべてに表示データ信号が一旦蓄えられ、1ライン分の表示データがまとめて160ビットの第2データラッチ74に与えられる。第2データラッチ74には、端子DSTを介して入力されるシフトデータSが与えられており、シフトデータSが入力されることによって、第2データラッチ74から160ビット分の表示信号が出力回路77に与えられる。出力回路77には、電圧VA,VBが与えられており、第2データラッチ74から供給される信号のレベルに基づいて出力端子OUT1〜OUT160から同時に電圧VA,VBのいずれかの電圧がセグメント電極Sに出力される。またデータMPX78では、端子REVを介して与えられる交流化信号FRの信号レベルに基づいて表示信号D0〜D7の各信号レベルを反転させる。
 座標検出期間W24ではシフトデータ入力端子EIO1から入力されたシフトデータを、端子DSTを介して供給される転送クロックに基づいて、バイ・ディレクショナル・シフトレジスタ75を介して出力端子OUT1〜OUT160から順次出力する。前記シフトデータを順次的に出力した後、端子EIO2を介してシフトデータを次段に接続されたセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lの端子EIO1に転送して、引続くセグメント電極Sの検出走査を行う。シフトデータ入力端子EIO1,EIO2の切換えは、端子SDに入力されるシフト方向制御信号SDの信号レベルによって行われる。シフト方向制御信号SDによって座標検出の走査方向が切換えられると、シフトデータは出力端子OUT160〜OUT1へと順次的に出力されるようになる。このとき、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lにはシフトデータは端子EIO2から入力され、端子EIO1から出力される。
 従来技術における図17のセグメント駆動回路3では、出力電圧が4値になっており電圧レベルの異なる4つの出力電圧を切換えて制御しなければならないので、160チャンネルのレベルシフタを備える必要があるが、本実施の形態におけるセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lでは一般的なロジック駆動回路と同程度の2値電圧の制御を行えばよく、レベルシフタを設ける必要がなく、したがってセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lのチップの面積を縮小することができる。
 図6は、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lを示すブロック図である。コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lは、制御回路101と、双方向シフトレジスタ102と、レベルシフタ103と、レベルセレクタ104とを含んで構成される。コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lでは、レベルセレクタ104に接続されるコモン電極Cの本数を160本とする。したがって、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lは、出力OC1〜OC160を順次的に出力する。
 制御回路101には、クロック信号CKが端子CKを介して与えられ、垂直同期信号SPが端子DIOを介して与えられている。また、交流化信号FRは端子FRを介して入力されており、後述するシフト方向制御信号SDは端子SDを介して入力される。双方向シフトレジスタ102は、垂直同期信号SPが立下がってから再び立下がるまでの期間でクロック信号CKが立上がる毎に信号C1,C2,…,C160を順次レベルシフタ103へと与える。レベルシフタ103は、信号C1,C2,…,C160を所定の電圧レベルへとシフトさせてレベルセレクタ104に与える。
 レベルセレクタ104には、電圧VH,VM,VLが与えられており、信号C1〜C160および交流化信号FRに基づいて出力OC1,OC2,…,OC160を出力する。出力OC1,OC2,…,OC160は、それぞれ表示パネル32の各コモン電極Cに与えられる。交流化信号FRがハイレベルである場合、信号C1がハイレベルである期間では出力OC1は電圧VHとなり、ローレベルである期間では出力OC1は電圧VMとなる。交流化信号FRがローレベルである場合、信号C1がハイレベルである期間では出力OC1は電圧VLとなり、ローレベルである期間では出力OC1は電圧VMとなる。
 座標検出期間W24では、交流化信号FRによる出力電圧の切換えが行われず、また各出力OC1〜OC160の出力されるタイミングが前記表示期間W23におけるタイミングよりも短い周期に定められている他は表示期間W23の動作と同一である。シフト方向制御信号SDの信号レベルに基づいて、レベルセレクタ104からの出力がOC1〜OC160の順番で出力されるか、OC160〜OC1の順番で出力される。
 図7は表示パネル32に行われる表示の一例を示す。図7において、「○」は画素が表示状態であることを示し、「×」は画素が非表示状態であることを示す。図7に示す表示パネル32では、セグメント電極Sの本数を13本とし、コモン電極Cの本数を8本とする。
 図8は図7に示す表示例を表示するための座標検出装置31におけるタイミングチャートであり、図9は座標検出期間におけるタイミングチャートである。図8に示すように、交流化信号FRの信号レベルが変化しても、コモン電極Cおよびセグメント電極Sに供給する電圧を交流化する際に基準となる電圧は、電圧VMのまま変化しない。したがって交流化信号FRがローレベルである時刻t10から時刻t13までの期間W31では、選択されたコモン電極Cには時刻t10から時刻t11までの期間W30ずつ電圧VLがそれぞれ印加され、選択されていないコモン電極Cには電圧VMが印加される。また交流化信号FRがハイレベルである時刻t13から時刻t16までの期間W32では、選択されたコモン電極Cには電圧VHがそれぞれ印加され、選択されていないコモン電極Cには電圧VMが印加される。電圧VMを、たとえば0Vに定めると、電圧VL,VHは、電圧VMを基準として下と上とに対称となるように、−25.2Vと25.2Vにそれぞれ定められる。
 交流化信号FRがローレベルである期間W31では、表示状態となる画素を含むセグメント電極Sにはオン電圧として電圧VBが印加され、表示状態となる画素を含まないセグメント電極Sにはオフ電圧として電圧VAが印加される。交流化信号FRがハイレベルである期間W32では、オフ電圧を電圧VBとし、オン電圧を電圧VAとしてセグメント電極Sに印加する。電圧VMを、たとえば0Vに定めると、電圧VA,VBは、電圧VMを基準として対向するように、−1.7Vと1.7Vとにそれぞれ定められる。
 基準電圧VMは、本実施の形態では0Vとしたが、|VH−VM|と|VL−VM|とが等しく、|VA−VM|と|VB−VM|とが等しく定められ、かつ|VL−VB|と|VH−VA|とが表示のためのしきい値電圧よりも高くなるように定められれば、他の電圧値に定められてもよい。
 コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lからは、3値の電圧VH,VM,VLで変化する出力波形が出力され、セグメント駆動回路からは2値の電圧VA,VBで変化する出力波形が出力される。2つの出力波形の電圧差によって、セグメント電極Sおよびコモン電極Cの直交点である画素が、点灯状態となるか非点灯状態となるかが決定される。
 表示パネル32を駆動する際に必要となる駆動電圧は、以下に示す第2式のように表される。
   液晶駆動電圧Vmax={2(√N+1)−2}×Vth  …(2)
ここで、表示パネル32の行数をN=160とし、液晶のしきい値電圧をVth=2Vとすると、駆動電圧Vmaxは約50Vとなる。したがって前述の各電圧値に基づくと、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lには、電圧VH〜VLまでの最大で50.4Vの電圧が印加されることとなり、セグメント駆動回路には電圧VA〜VBまでの3.4Vの電圧が印加される。コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lは、高耐圧化して形成する必要があるが、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは低耐圧の構成でよい。
 図9を参照して座標検出期間W24における動作について説明する。座標検出装置31では、座標検出期間W24に走査のために印加する電圧を、表示期間W23において用いられた電圧VA,VB,VH,VL,VMと共通にしている。図9では、各電極S,Cに印加する電圧の極性を正方向にしているが、負方向であっても差し支えない。
 座標検出の走査のためにコモン電極Cに印加される電圧は、基準値および波高値を表示期間W23の電圧値と同じ電圧VMとVHとに設定した場合であっても波高値として25.2Vの電圧を確保することができ、従来技術と同様に電子ペン38に誘起する検出電圧は充分に高く座標検出を容易に行うことができる。
 セグメント電極Sの座標検出走査では、たとえば従来技術の図17の駆動回路の場合、駆動回路に電圧V0,V5が印加されているので、表示のためのしきい値電圧に近い値である電圧|V0−V5|で走査をしている。
 本実施形態のセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lでは、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lの出力電圧が低く定められている。これによって、座標検出の際に印加する電圧も表示を行う際に印加される電圧と同様に低い電圧であり、低消費電力などの効果が充分である。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lには電圧VA,VBが与えられていることから最大の波高値は|VB−VA|となり、前述の電圧値によると僅か3.4Vに過ぎない。したがって、たとえば従来技術で示した前述の図17に示される表示パネル2に対して座標検出のための走査を行ったとしても、電子ペン8に誘起する検出電圧は極めて低いものとなり、検出信号の信号レベルは低く、座標検出の精度は低くなる。
 本実施の形態では、図3に断面図を示す表示パネル32を用いているので、セグメント電極Sが表示パネル32の一方表面32a側に位置しており、電子ペン38を前記一方表面32a側から表示パネル32に近づけた場合、指示電極61とセグメント電極Sとが接近するようになり、ロジック回路用LSIに供給する電源電圧程度の低い電圧であっても、充分な検出電圧を得ることができ、電子ペン38によって指示される表示パネル32に定められる座標のうちのX座標を確実に検出することができる。
 指示電極61とコモン電極Cとの結合はセグメント電極Sの隙間を介しての静電結合となるけれども、コモン電極Cに座標検出のために印加される電圧は、表示期間W23における表示のための走査電圧と同一の電圧を用いており、絶対値の大きい電圧である電圧VH,VLで座標検出走査を行うこととなり、表示パネル32に定められる座標のうちのY座標を検出することができる。
 セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは耐圧が低いので、通常のロジック回路用LSIの生産ラインでの生産が可能になり低価格化を図ることができる。さらに、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33L内部の電極構造も通常のロジック回路用LSIと同レベルでの設計が可能になるので、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lを高速に動作させることができる。したがって、表示パネル32のカラー化および高精細化によってセグメント電極数が増加しても、クロック周波数を高く定めることができるので、座標検出期間を延長することなく、短時間で座標検出の走査を行うことができる。たとえば、前述のXGAのカラー表示パネルを12MHzの周波数でX方向の座標検出走査を行うと、走査時間は250μsで終了し、表示に対する影響は無視することができる。
 図10は、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lにおけるレベルセレクタ104の一部の具体的な構成を示す電気回路図である。各電圧VH,VM,VLは、電界効果トランジスタなどの半導体スイッチング素子を介してコモン電極Cへ出力端子を介して与えられ、これらのスイッチング素子は、交流化信号SRとクロックパルスCPLとに応答するスイッチング制御回路117によってスイッチング制御される。
 図11はセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lの出力回路77の一部の構成を示す電気回路図である。電圧VA,VBは、電界効果トランジスタなどのスイッチング素子を介してセグメント電極Sへ出力端子を介して与えられる。これらのスイッチング素子は、前述の図10に示される構成と同様にスイッチング制御回路118によって制御される。
 耐圧の高いLSIは、内部配線間距離、ゲート回路などを大きく構成し、かつ絶縁層も厚くしなければならない。しかしながら、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは、耐圧の低いLSIであり、これは通常のロジック回路用LSIと同じレベルの電極寸法で設計することができるので、従来の高耐圧LSIに比べ電極の寸法を大幅に縮小することができる。たとえば、回路の面積をa(>1)倍縮小すると接点の容量などによって充放電に要する時間が減少し、ゲート遅延時間が1/aに減少し、高速動作が実現可能となる。
 本実施の形態に示す座標検出装置31では、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lの出力部の構成を、およそ60V程度の耐圧である高耐圧の構成にする必要があるが、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lを一般的なロジック回路と同程度の電圧を出力する低耐圧の回路とすることができ、耐圧を高めるための構造を設ける必要がなく、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lの面積を縮小することができる。特に、表示パネルの高精細化およびカラー化によってセグメント電極Sの本数が増加することによってセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lを複数個設けたりする必要があるけれども、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lの面積を縮小することができるので、表示パネル32の周囲の部分で、各駆動回路33,34が配置される、いわゆる額縁領域を縮小することができる。また、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lが安価に形成されることによって、複数個のセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lが設けられる場合であっても座標検出装置31の製造コストの上昇を抑えることができる。
 本件装置31では、コモン駆動回路34を構成する集積回路34Lを高耐圧の回路構成にする必要があるが、高耐圧の回路であっても近年のLSIの製造技術の向上によって中耐圧と同等の技術で生産することができるようになっており、前述の額縁領域の形成される面積が大きくなることを防ぐことができる。
 上述のように、セグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lは電圧VA,VBを出力するので、その耐圧は5V程度であれば充分であり、一般的なロジック回路用LSIと同様に製造することができる。したがって、応答速度が速く、かつ出力部のオン抵抗が低い駆動回路とすることができ、クロストークが少なく、コントラストのよい表示を行うことができる駆動回路とすることができる。
 従来の技術では交流化駆動を行う際には、基準電圧の極性が切換わるので、コモン電極Cおよびセグメント電極Sにおける充放電エネルギが無駄に消費されていたが、本実施の形態では、交流化駆動されることで極性が変化しても基準電圧が一定であるので、前述のような無駄な電力消費を防ぐことができる。また電力消費が抑えられることによって、1フレーム期間に複数回にわたって極性を切換えることが可能となり、表示品位を向上させることができる。
 座標検出装置31では、座標検出期間W24において、表示パネル32の各電極S,Cに印加される電圧によって、電子ペン38の指示電極61に発生する極微弱な電圧に基づいて座標を検出しているので、操作者が電子ペン38を表示パネル32から離して、ノイズを発生しているような機器に近づけた場合、座標検出回路40,41が前記ノイズを座標を示す信号と誤って、正確でない座標信号を出力することとなる。このような誤動作を避けるために、電子ぺン38が表示パネル32に接近しているか否かを検出する機能は実用上不可欠である。すなわち、電子ペン38が表示パネル32に接近している時の検出座標を有効とし、電子ペン38が表示パネルから離れている場合に検出された信号に基づいては検出された座標に基づく処理を行わないようにすることが必要である。このような機能は、特にノイズの多い場所で使われることも多い携帯用端末装置にとって重要である。
 前述の実施の第1の形態における座標検出装置31では、基準電圧を固定しているので、交流化信号FRの信号レベルが変化しても電子ペン38からは図18に示すような誘導電圧Fの比較的大きなピークFa,Fbが発生せず、図22に関連して述べた従来技術と同様な手段では電子ペン38が表示パネル32に接近しているかどうかを検出することができない。この問題は、本発明に従って次の構成によって解決される。
 図12は、本発明の実施の第2の形態である表示一体形タブレット装置81の構成を示すブロック図である。本件装置81において、前述の装置31と同一の構成要素には同一の参照符を付して説明を省略する。装置81の特徴は、電子ペン38が表示パネル32に接近しているかどうかを判断して信号を出力するモード検出回路82が設けられ、モード検出回路82から出力されるモード信号MODEの信号レベルに基づいて座標検出回路40,41で検出された座標についての出力を導出して表示パネル32で表示を行うかどうかが定められることである。
 本実施の形態では、STN方式の液晶表示パネルである表示パネル32を用いて説明を行うが、特にこの形式の表示パネルに限定されるものではなく、TFT(薄膜トランジスタ)駆動の液晶表示パネルは勿論のこと、EL(Electro Luminescence)パネルに座標検出機能を付加した場合にも有効である。
 モード検出回路82は、図13のように第1ゲート回路91と、第2ゲート回路92と、増幅・整形回路93,94と、比較器95とを含んで構成される。電子ペン38が検出した微弱な誘導電圧は、オペアンプ39で増幅された後、モード検出回路82の第1および第2ゲート回路91,92および各座標検出回路40,41に与えられる。
 第1ゲート回路91は、制御端子gp,gnを備えており、制御端子gp,gnにゲート制御信号が入力される期間Wp,Wnのみ、導通して、オペアンプ39から供給される信号を増幅・整形回路93に出力する。前記制御端子gp,gnには、期間Wp,Wnにゲート制御信号が与えられる。第2ゲート回路92は、制御端子gaを備えており、制御端子gaに制御信号が入力される期間Waのみ、導通して、オペアンプ39から供給される信号を増幅・整形回路94に出力する。前記制御端子gaには、後述する期間Waにゲート制御信号が与えられる。
 増幅・整形回路93,94は、第1および第2ゲート回路91,92から供給される信号電圧を全波整流し、後段の処理を行いやすいように予め定める増幅率で増幅した後、直流成分を出力する。増幅・整形回路93,94における増幅手段などの処理に関して接続の前後関係は特に限定されるものではない。
 増幅・整形回路93,94の各出力は、比較器95に与えられて比較される。比較器95は、増幅・整形回路93の出力値が大きい場合は、電子ペン38が表示パネル32に接近していることを示すモード信号MODEを出力する。期間Wp,Wnなどの時間設定、および表示パネル32の構造にもよるが、電子ペン38が表示画面に接近している場合は、増幅・整形回路93の出力値が増幅・整形回路94の出力値のたとえば5倍を超えるように設定されるので、安定したモード信号MODEが出力されることとなる。電子ペン38が表示画面から離れている場合は、2つの増幅・整形回路93,94からの出力値がもしも略同じとなると比較器95の判定が不安定になるおそれがあるので、これを防ぐために増幅・整形回路94の出力が増幅・整形回路93の出力より大きくなるようにそれぞれの増幅度を設定する。
 本発明の他の形態では、比較器95の判定の基準となる境界領域に電子ペン38が存在する場合には、モード信号が不安定になるので、比較器95は次に述べるようにヒステリシス特性を備えた回路構成にする。
 図14は、ヒステリシス特性を備える比較器95の動作を説明するための図である。比較器95は、第1および第2ゲート回路91,92からの増幅・整形回路93,94を介する各出力P93,P94の差(=V93−V94)が、予め定める第1の値V95a以上であるとき、そのモード検出は論理「1」として電子ペン38が比較パネル32に接近していると検出し、第1の値V95a未満の第2の値V95b未満であるとき、離れていると検出する。
 比較器95の出力であるモード信号MODEは制御回路37に与えられる。制御回路37は、モード信号MODEによって電子ペン38が画面から離れていると判断した場合は、座標検出期間で検出された電子ペン38の座標を無効として座標位置に予め定める表示を行わず、画面に接近していると判断した場合は、検出された座標値を有効として表示パネル32では前記予め定める表示を行う。
 また、電子ペン38が表示パネル32から離れていると判断した場合には、各座標検出回路40,41の動作を休止するようにしてもよい。座標検出回路40,41の動作を休止させることによって、不要な期間での座標検出のための走査が行われず、座標検出装置81における消費電力を低減することができる。
 図15は、モード検出回路82の動作を説明するためのタイミングチャートである。図15の参照符S1〜Smは、セグメント電極S1〜Smに与えられる電圧波形を示し、C1〜Cnは、コモン電極C1〜Cnに与えられる電圧波形を示す。座標検出装置81では、表示期間W23と座標検出期間W24との間に、電子ペン38が表示パネル32の一方表面32a側に接近しているかどうかを判断する判断期間W27を設けている。この期間W27は、図15では表示期間W23とX座標検出期間W25との間に設けているが、X座標検出期間W25とY座標検出期間W26との間、またはY座標検出期間W26と引続く次の表示期間W23との間に設定してもよい。
 この判断期間W27には、図15に示すようにセグメント駆動回路33を構成する集積回路33Lによって、m本の全てのセグメント電極Sに同時にパルス電圧を印加する。なお、m本未満の複数本のセグメント電極S毎に同時にかつ順次的にパルス電圧を印加してもよい。またこのパルス電圧を印加する際に、セグメント電極Sだけでなくコモン電極Cにも同時に同一電圧を印加してもよい。
 次に検出動作について説明する。判断期間W27において、時刻t30から時刻t31までの期間W41と、時刻t32から時刻t33までの期間W42とで電圧VBをすべてのセグメント電極Sに印加する。電子ペン38が、表示パネル32の一方表面32aに接しているか、またはごく接近している場合には、判断期間W27に行われる走査によって、電子ペン38には図15に誘導電圧GDとして示す電圧が誘起する。
 電子ペン38が、表示パネル32の一方表面32aに接近している場合は、電子ペン38の指示電極61と表示パネル32のセグメント電極Sとの静電結合が最も密になるので、誘導電圧GDとして示すように期間Wp,Wnにのみスパイク状の電圧が電子ペン38の指示電極61に誘起される。前記電圧波形が立上がるときには期間Wpに示す電圧が発生し、立下がるときには期間Wnに示す電圧が発生する。また、判断期間W27において前記期間Wp,Wnを除く期間Waでは、指示電極61がシールド電極として作用し、電子ペン38の周辺に存在する他の装置からのノイズによる誘導電圧の発生を防ぐことができる。
 電子ペン38が表示パネル32から離れている場合には、電子ペン38の指示電極61とセグメント電極Sとの静電結合がほとんど無く、むしろ電子ペン38近辺に存在する他の電気器具などから発生されるノイズによる影響を受けて、判断期間W27には図15の誘導電圧GLとして示すように、セグメント電極Sに印加されるパルス電圧には全く関連のない電圧を誘起する。電子ペン38が帯電した衣類に接近して放電した場合も同様に、前記パルス電圧の印加タイミングに関係なく鋭いパルス状の電圧が発生する。
 上述のように、電子ペン38から出力される誘導電圧の波形が、電子ペン38の指示電極61と表示パネル32のセグメント電極Sとの位置関係によって異なるので、この誘導電圧の波形を分析照合することによって電子ペン38が表示パネル32に接近しているか否かを判定することができる。
 モード検出回路82の構成をさらに簡易化する手段として、図16のように、判断期間W27における印加電圧の周波数と同一周波数の信号を取り出すバンドパスフィルタである狭帯域増幅器101をモード検出回路82に設け、レベル弁別回路102に与える。判断期間W27にこの周波数成分の信号が検出されると、電子ペン38が表示パネル32の一方表面32aに接近していることを示すモード信号をレベル弁別回路102から出力する。レベル弁別回路102による出力の不安定化をなくすために、狭帯域増幅器101の出力が予め定める第1の弁別レベル以上であるとき電子ペン38が表示パネル32に接近していると検出し、その狭帯域増幅器101の出力が第1の弁別レベル未満の第2の弁別レベル未満であるとき電子ペン38が表示パネル32から離れていると検出するように、レベル弁別回路102にヒステリシス特性を持たせるようにしてもよい。
 このようにしてモード検出回路82によって電子ペン38が表示パネル32に接近していることが、期間W27で検出されたときには、次の期間W24において電子ペン38から得られる図15の参照符GDにおいて示されているパルス103,104のタイミングに基づき、電子ペン38の先端のXY座標位置をX座標検出回路40およびY座標検出回路41によって演算して求める。
 この期間W27においてセグメント電極S1〜Smに与えられるパルス電圧を得るために、前述の図5において、このセグメント駆動回路33を構成する大規模集積回路33Lには、制御端子DISが設けられる。この制御端子DISは、表示情報に関係なく、全てのセグメント電極Sに出力する電圧を、VAまたはVBに切換えるために用いられる。制御回路37からのLレベルの制御信号が制御端子DISに与えられることによって、シフトレジスタ75の内容がクリアされた状態で、セグメント電極S1〜Smの全てに電圧VAを与え、この制御端子DISがHレベルになることによって、全出力を電圧VBに切換えて、出力回路77が導出する。この期間W27において、コモン電極Cは、基準電圧VMに保たれる。図12〜図16の本発明の実施の各形態における他の構成は、前述の図1〜図11に示される実施の形態と同様である。
 前述の従来技術の座標検出装置では表示パネルに電子ペンが近づいているかどうかの判断は表示期間に行われており、表示期間および座標検出期間などフレーム期間を通じて、電子ペン38およびオペアンプ39を動作させなければならない。しかしながら、本実施の形態では、表示期間W23ではオペアンプ39などに電力を供給せず、これによって座標検出装置81における消費電力を低減することができる。すなわち表示期間W23では、オペアンプ38、モード検出回路82および座標検出回路40,41への電力供給を、制御回路37の働きによって遮断し、これによって消費電力を低減することができる。表示期間W23は、1周期(=W23+W24+W27)の約95%を占めるので、この表示期間W23における省電力効果は大きい。
 前述の実施の形態において、図15の期間W27においてセグメント電極S1〜Smに与えられる電圧VB,VAのパルスは、予め定める一定の周波数を有する繰返しパルスであるけれども、本発明の実施の他の形態では、その他の波形を有していてもよく、時間経過に伴って波形が変化する信号であればよく、これによって電子ペン38から、その期間W27におけるセグメント電極S1〜Smに与えられる信号に対応した波形の出力を得ることができる。
 本発明の実施の他の形態では、電子ペン有無検出期間W27において、コモン電極Cには、基準電圧VMと電圧VHとの間の波高値を有するパルスを与え、この期間W27においてセグメント電極には、基準電圧VMに関して電圧VHと同一側すなわち高い方の側の電圧VBを与える。
 本発明の実施のさらに他の形態では、コモン電極Cに基準電圧VMと第2電圧VLの波高値を有するパルスを与え、セグメント電極Sは、基準電圧VMに関して電圧VLと同一側、すなわち低い方の電圧VAを与える。こうして期間W27において表示パネル32が表示されることはなく、表示品質が低下することはない。
 本発明は表示パネル32として液晶だけでなく、EL、プラズマディスプレイおよびその他の誘電体を用いる構成に関連して広範囲に実施することができる。本発明は、電子ペン38による座標検出のための構成を省略して、表示パネル32によって表示だけを行う構成に関連してもまた、実施することができる。
 本発明は、次の実施の形態が可能である。
 (1)(a)複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、(b)極性が周期的に反転する交流化信号を発生する制御手段と、(c)表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示データを出力する表示制御回路と、(d)交流化信号に応答し、コモン電極を順次選択するコモン電極駆動信号を生成するコモン駆動回路であって、このコモン電極駆動信号は、交流化信号が一方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも高い第1電圧VHを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、交流化信号が他方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも低い第2電圧VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、誘電体の活性化のためのしきい値未満であって、かつそのしきい値に近い値に選ばれるコモン駆動回路と、(e)交流化信号に応答し、コモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成するセグメント駆動回路であって、このセグメント電極駆動信号は、交流化信号が前記一方極性であるとき、選択セグメント電極にコモン電極駆動信号の前記基準電圧VMよりも低い第3電圧VAを与え、非選択セグメント電極に前記基準電圧VMよりも高い第4電圧VBを与え、交流化信号が前記他方極性であるとき、選択セグメント電極に第4電圧VBを与え、非選択セグメント電極に第3電圧VAを与え、第3および第4電圧VA,VBは、前記しきい値未満であって、かつ|VH−VA|および|VL−VB|は、前記しきい値以上になるように選ばれるセグメント駆動回路とを含むことを特徴とする表示装置。 
 (2)交流化信号は、1フレーム期間中に複数回反転されることを特徴とする表示装置。
 制御手段から与えられる交流化信号が一方極性、たとえばHレベルであるとき、コモン電極を順次選択して走査するコモン電極駆動信号は、基準電圧VMよりも高い第1電圧VHを与え、セグメント駆動回路は、画素を表示するために選択されたセグメント電極に、その基準電圧VMよりも低い第3電圧VAを与える。これによってその表示される画素の誘電体には、|VH−VA|が与えられ、誘電体が活性化される。このとき選択されない、すなわち非選択コモン電極には、コモン駆動回路によって基準電圧VMが与えられ、また非選択セグメント電極にはセグメント駆動回路から基準電圧VMよりも高い第4電圧VBが与えられ、これによって表示されない画素の誘電体には|VB−VM|が与えられるけれども、この値はしきい値よりも充分に低い。 
 交流化信号が他方極性、たとえばLレベルであるとき、コモン駆動回路からは選択されたコモン電極に基準電圧VMよりも低い第2電圧VLを与え、セグメント駆動回路は表示すべき画素の選択されたセグメント電極に第4電圧VBを与え、これによって表示すべき画素の誘電体には、|VL−VB|が与えられ、その誘電体が活性化される。このとき非選択セグメント電極には、第3電圧VAが与えられ、したがってその非選択セグメント電極に対応する誘電体には、|VL−VA|が与えられるけれども、その誘電体が活性化されることはない。また非選択コモン電極には基準電圧VMが与えられており、その非選択コモン電極に対応する誘電体に印加される電圧|VA−VM|および|VB−VM|が与えられ、活性化されることはない。 
 コモン駆動回路は、基準電圧VMの上下に第1および第2電圧VH,VLに切換わるだけであって、基準電圧が一定のままであるので、コモン電極とセグメント電極との間の充放電エネルギが消費されることが、先行技術に比べてできるだけ抑制することができる。先行技術では、交流化信号の反転のたびに、基準電圧の極性が切換わり、したがって充放電エネルギが多く消費されることになる。本発明はこの問題を解決する。 
 このように無駄な充放電エネルギを抑制することができるので、交流化信号を、1フレーム期間中に複数回反転し、液晶の寿命を長くし、表示品位を向上することができるようになる。 
 コモン駆動回路における第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、誘電体の活性化のためのしきい値未満であって、かつそのしきい値に近い値、たとえば25.2Vに選ばれるので、コモン駆動回路を集積回路によって実現する場合には、いわば高耐圧の構成にする必要がある反面、セグメント駆動回路を集積回路によって実現するときには、その第3および第4電圧VA,VBは基準信号VMに近似した小さい絶対値、たとえば1.7Vであり、したがってセグメント駆動回路は、いわば低耐圧集積回路によって容易に実現することができる。このような低耐圧の集積回路によってセグメント駆動回路を実現すると、安価に製造することができ、このことは特に表示パネルを、たとえば誘電体として液晶を用い、赤、緑および青の合計3色のセグメント電極を、各画素毎にそれぞれ設けられ、したがってコモン電極の3倍の数のセグメント電極が設けられることになるけれども、このような安価な低耐圧の集積回路によってセグメント駆動回路を実現することができるようになるので、実現が容易である。
 コモン駆動回路によってコモン電極に与えられる電圧は基準電圧VMの上下の第1および第2電圧VH,VLの合計3種類の電圧であり、セグメント駆動回路によってセグメント電極に与えられる電圧は、同一の基準電圧VMの上下の第3および第4電圧VA,VBの合計2種類の電圧が用いられ、したがって使用される電圧の種類が少なく、実現が容易である。しかももっと重要なことは、コモン駆動回路におけるコモン電極駆動信号の電圧は、交流化信号の極性が反転しても、上述のように基準電圧VMは一定のままであるので、この交流化時におけるコモン電極とセグメント電極との間の充放電エネルギの消費が抑制され、電力消費が低減される。このことは特に携帯形情報機器において、電池を用いるので、重要なことである。
 上述のように交流化時の消費電力がわずかであるので、交流化信号は、1フレーム期間中に複数回反転しても、その消費電力が上述のように抑制され、したがって液晶などの誘電体の劣化を防ぎ、表示品位を向上することができる。
 コモン駆動回路によって得られる第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、たとえば25.2Vであり、誘電体の活性化のためのしきい値に近い値に選ばれるけれども、セグメント駆動回路では、第3および第4電圧VA,VBは、基準電圧VMに対して小さい絶対値、たとえば1.7Vである。したがってセグメント駆動回路を、たとえば集積回路によって実現するとき、その耐圧を低くすることができ、いわばごく普通のロジック回路用大規模集積回路のプロセスによって生産することができる。その結果、セグメント駆動回路の応答速度を向上し、出力素子のオン抵抗を低くし、クロストークを少なくし、コントラストなどの表示品位を向上することができるようになり、安価に実現することができる。特に表示パネルがカラー化され、たとえばセグメント電極が赤、緑、青の3色分、設けられる構成では、そのセグメント電極は、コモン電極の数の3倍に達し、表示パネルの高精細化に伴い、セグメント駆動回路を、製造容易で安価に、集積回路によって実現することができ、本発明の実施が容易になるという重要な効果が達成される。
 (3)(a)複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在され、セグメント電極がコモン電極よりも上方に配置される表示パネルと、(b)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、(c)表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、(d)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、(e)表示期間と座標検出期間とを順次的に繰返して設定し、座標検出期間は、X座標検出期間とY座標検出期間とを含み、さらに極性が周期的に反転する交流化信号を発生する制御手段と、(f)表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、(g)コモン駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、このコモン電極駆動信号は、交流化信号が一方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも高い第1電圧VHを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、交流化信号が他方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも低い第2電圧VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、誘電体の活性化のためのしきい値未満であって、かつそのしきい値に近い値に選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて、X座標検出期間に、コモン電極を基準電圧VMに保ち、Y座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、このコモン電極走査信号は、選択コモン電極に第1または第2電圧VH,VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与えるコモン駆動回路と、(h)セグメント駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、このセグメント電極駆動信号は、交流化信号が前記一方極性であるとき、選択セグメント電極にコモン電極駆動信号の前記基準電圧VMよりも低い第3電圧VAを与え、非選択セグメント電極に基準電圧VMよりも高い第4電圧VBを与え、交流化信号が前記他方極性であるとき、選択セグメント電極に第4電圧VBを与え、非選択セグメント電極に第3電圧VAを与え、第3および第4電圧VA,VBは、前記しきい値未満であって、かつ|VH−VA|および|VL−VB|は、前記しきい値以上になるように選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいてX座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、このセグメント電極走査信号は、選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか一方の電圧を与え、非選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか他方の電圧を与え、Y座標検出期間に、セグメント電極を第3または第4電極VA,VBの前記いずれか他方の電圧に保つセグメント駆動回路と、(i)コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号およびY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置。
 (4)(a)複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在され、セグメント電極がコモン電極よりも上方に配置される表示パネルと、(b)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、(c)表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、(d)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、(e)表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定し、座標検出期間は、X座標検出期間とY座標検出期間とを含み、さらに極性が周期的に反転する交流化信号を発生する制御手段と、(f)表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、(g)コモン駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、このコモン電極駆動信号は、交流化信号が一方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも高い第1電圧VHを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、交流化信号が他方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも低い第2電圧VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、誘電体の活性化のためのしきい値未満であって、かつそのしきい値に近い値に選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて、X座標検出期間に、コモン電極を基準電圧VMに保ち、Y座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、このコモン電極走査信号は、選択コモン電極に第1または第2電圧VH,VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、電子ペン有無検出期間に、コモン電極に基準電圧VMを与えるコモン駆動回路と、(h)セグメント駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、このセグメント電極駆動信号は、交流化信号が前記一方極性であるとき、選択セグメント電極にコモン電極駆動信号の前記基準電圧VMよりも低い第3電圧VAを与え、非選択セグメント電極に基準電圧VMよりも高い第4電圧VBを与え、交流化信号が前記他方極性であるとき、選択セグメント電極に第4電圧VBを与え、非選択セグメント電極に第3電圧VAを与え、第3および第4電圧VA,VBは、前記しきい値未満であって、かつ|VH−VA|および|VL−VB|は、前記しきい値以上になるように選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいてX座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、このセグメント電極走査信号は、選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか一方の電圧を与え、非選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか他方の電圧を与え、Y座標検出期間に、セグメント電極を第3または第4電極VA,VBの前記いずれか他方の電圧に保ち、電子ペン有無検出期間に、電子ペン有無検出信号を生成し、この電子ペン有無検出信号は、セグメント電極に第3電圧VAと第4電圧VBとの間の波高値を有するパルスであるセグメント駆動回路と、(i)電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、(j)電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号およびY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置。
 (5)(a)複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、(b)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、(c)表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、(d)表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、(e)表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定し、座標検出期間は、X座標検出期間とY座標検出期間とを含み、さらに極性が周期的に反転する交流化信号を発生する制御手段と、(f)表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、(g)コモン駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、このコモン電極駆動信号は、交流化信号が一方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも高い第1電圧VHを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、交流化信号が他方極性であるとき、選択コモン電極に基準電圧VMよりも低い第2電圧VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、第1および第2電圧VH,VLの絶対値は、誘電体の活性化のためのしきい値未満であって、かつそのしきい値に近い値に選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて、X座標検出期間に、コモン電極を基準電圧VMに保ち、Y座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、このコモン電極走査信号は、選択コモン電極に第1または第2電圧VH,VLを与え、非選択コモン電極に基準電圧VMを与え、電子ペン有無検出期間には、電子ペン有無検出信号を生成し、この電子ペン有無検出信号は、コモン電極に基準電圧VMと第1または第2電圧VH,VLのいずれか一方との間の波高値を有するパルスであるコモン駆動回路と、(h)セグメント駆動回路であって、表示期間には、交流化信号に応答し、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、このセグメント電極駆動信号は、交流化信号が前記一方極性であるとき、選択セグメント電極にコモン電極駆動信号の前記基準電圧VMよりも低い第3電圧VAを与え、非選択セグメント電極に基準電圧VMよりも高い第4電圧VBを与え、交流化信号が前記他方極性であるとき、選択セグメント電極に第4電圧VBを与え、非選択セグメント電極に第3電圧VAを与え、第3および第4電圧VA,VBは、前記しきい値未満であって、かつ|VH−VA|および|VL−VB|は、前記しきい値以上になるように選ばれ、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいてX座標検出期間に、画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、このセグメント電極走査信号は、選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか一方の電圧を与え、非選択セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのいずれか他方の電圧を与え、電子ペン有無検出期間に、セグメント電極に第3または第4電圧VA,VBのうち、基準電圧VMに関して、コモン電極に与えられる第1または第2電圧VH,VLの前記いずれか一方と同一側の電圧VAまたはVBを与えるセグメント駆動回路と、(i)電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、(j)電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号およびY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置。 
 (6)交流化信号は、1フレーム期間中に複数回反転されることを特徴とする表示一体形タブレット装置。
 電子ペンを用いて座標入力を行う際に、X座標信号を得るために、セグメント駆動回路で用いた第3および第4電圧VA,VBをセグメント電極走査信号として用い、Y座標信号を得るために、コモン駆動回路で表示のために用いる第1または第2電圧VH,VLと基準電圧VMとを用いるので、用いられる電圧の種類を減少し、構成を簡略化することができる。 
 座標検出期間においてセグメント駆動回路から与えられるセグメント電極走査信号である第3および第4電圧VA,VBの値は比較的小さい値であるけれども、このセグメント電極は、表示パネルにおいてコモン電極よりも上方に配置され、したがって座標入力時には、電子ペンとセグメント電極との距離がごくわずかとなるので、静電誘導結合が確実になり、電子ペンに静電誘導信号を正確に得ることができる。 
 コモン電極は、座標入力時に、電子ペンからセグメント電極よりも遠去った位置にあるけれども、このコモン電極には、比較的高い電圧を有する第1または第2電圧VH,VLが与えられるので、このコモン電極と電子ペンとの静電誘導結合は確実である。 
 電子ペン有無検出期間に生成される電子ペン有無検出信号は、セグメント駆動回路において得られる第3電圧VAと第4電圧VBとの間の波高値を有するパルスであって、セグメント電極に与えるようにしてもよいけれども、本発明の他の考え方に従えば、この電子ペン有無検出信号は、コモン駆動回路から得られる基準電圧VMと第1電圧VHとの間の波高値を有するパルス、または基準電圧VMと第2電圧VLとの間の波高値を有するパルスを用い、コモン電極に与えるようにしてもよい。電子ペン有無検出信号は、全てのセグメント電極またはコモン電極に同時に一斉に与えるようにしてもよいけれども、全てのセグメント電極を複数のセグメント電極毎にグループ化し、各グループ毎に電子ペン有無検出信号を順次的に与えて走査するようにしてもよく、このことはコモン電極に関しても同様である。
 表示期間と座標検出期間とにおいて、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からは、同一種類の第1〜第4電圧VH,VL,VA,VBおよび基準電圧VMが用いられるので、その用いられる電圧の種類の数を減少し、構成の簡略化を図ることができる。
 セグメント駆動回路から得られるセグメント電極走査信号として用いられる第3および第4電圧VA,VBは、比較的小さい値であるけれども、表示パネルには、その低い第3および第4電圧VA,VBが与えられるセグメント電極が、コモン電極よりも上方に配置されているので、セグメント電極と電子ペンとの距離をできるだけ短くし、両者の静電誘導結合を確実にすることができ、座標入力を確実に行うことができるようになる。コモン電極には、座標検出期間において比較的高い第1および第2電圧VH,VLが与えられるので、電子ペンからセグメント電極よりも遠去った位置にコモン電極が配置されていても、コモン電極と電子ペンとの静電誘導結合は確実である。
本発明の実施の第1の形態の表示一体形タブレット装置31のブロック図である。 図1に示される表示一体形タブレット装置31の時間順次的な動作を説明するための図である。 表示パネル32および電子ペン38の断面図である。 表示パネル32の一部を拡大して示す断面図である。 セグメント駆動回路33を構成する集積回路のブロック図である。 コモン駆動回路34を構成する集積回路のブロック図である。 表示パネル32に行われる表示の一例を示す。 図7に示す表示例を表示するための本件装置31におけるタイミングチャートである。 座標検出期間W24におけるタイミングチャートである。 コモン駆動回路34におけるレベルセレクタ104の一部の具体的な構成を示す電気回路図である。 セグメント駆動回路33の出力回路77の一部の具体的な構成を示す電気回路図である。 本発明の実施の第2の形態である表示一体形タブレット装置81の構成を示すブロック図である。 本件装置81におけるモード検出回路82の構成を示すブロック図である。 ヒステリシス特性を備える比較器95の動作を説明するための図である。 モード検出回路82の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の他の形態におけるモード検出回路82の構成を示すブロック図である。 従来からの表示機能を備えた表示一体形タブレット装置1のブロック図である。 図17に示される従来技術の表示期間におけるセグメントおよびコモン駆動回路3,4の動作を説明するためのタイミングチャートである。 座標検出期間におけるセグメントおよびコモン駆動回路3,4の動作を説明するためのタイミングチャートである。 前述の従来技術におけるセグメント駆動回路3とコモン駆動回路4との具体的な一部の構成を示す電気回路図である。
図20に示される構成の動作を簡略化して示すタイミングチャートである。 前述の従来技術における表示期間W3において電子ペン8が表示パネル2に接近しているか離れているかを検出するための動作を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
 31 表示一体形タブレット装置
 32 表示パネル
 33 セグメント駆動回路
 34 コモン駆動回路
 35 表示制御回路
 36 座標検出制御回路
 37 制御回路
 38 電子ペン
 39 オペアンプ
 40 X座標検出回路
 41 Y座標検出回路
 42 直流電源回路
 43 表示信号供給回路
 44 切換え回路
 S1,S2,…,Sm セグメント電極
 C1,C2,…,Cn コモン電極

Claims (8)

  1.  複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、
     表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、
     表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、
     表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、
     表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定する制御手段と、
     表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、
     表示期間には、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、
     電子ペン有無検出期間には、コモン電極に予め定める一定の電圧を与えるコモン駆動回路と、
     表示期間には、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、時間経過に伴って波形が変化する電子ペン有無検出信号を生成するセグメント駆動回路と、
     電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、
     電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号あるいはY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置。
  2.  複数のセグメント電極および複数のコモン電極を有し、これらのセグメント電極とコモン電極との間に誘電体が介在される表示パネルと、
     表示パネルのセグメント電極およびコモン電極と浮遊容量で結合される電子ペンと、
     表示パネルの複数のセグメント電極と複数のコモン電極との交差領域によって構成された画素マトリクスに画像を表示するための表示制御信号および表示データを出力する表示制御回路と、
     表示パネルのセグメント電極およびコモン電極を走査するための走査制御信号を出力する座標検出制御回路と、
     表示期間と座標検出期間と電子ペン有無検出期間とを順次的に繰返して設定する制御手段と、
     表示期間には表示制御回路側を切換え選択して表示制御回路からの表示制御信号および表示データを出力し、座標検出期間には座標検出制御回路側を切換え選択して座標検出制御回路からの走査制御信号を出力する切換え回路と、
     表示期間には、切換え回路からの表示制御信号に基づいて上記コモン電極を順次選択するためのコモン電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなくコモン電極を順次走査するためのコモン電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、時間経過に伴って波形が変化する電子ペン有無検出信号を生成するコモン駆動回路と、
     表示期間には、切換え回路からの表示制御信号および表示データに基づいてコモン電極駆動信号によって選択されたコモン電極に係る画素を表示するためのセグメント電極駆動信号を生成し、座標検出期間には、切換え回路からの走査制御信号に基づいて画素マトリクスに画像を表示することなく上記セグメント電極を順次走査するためのセグメント電極走査信号を生成し、電子ペン有無検出期間には、セグメント電極に予め定める一定の電圧を与えるセグメント駆動回路と、
     電子ペン有無検出期間の電子ペン有無検出信号に対応して電子ペンから与えられる誘導電圧に応答して、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近しているか離れているかを検出する電子ペン有無検出手段と、
     電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面に接近していることが検出されたとき、コモン駆動回路およびセグメント駆動回路からコモン電極あるいはセグメント電極に入力された座標検出期間の各走査信号に基づいて電子ペンの電極に誘起された誘導電圧が与えられて、座標検出期間において、電子ペンからの誘導電圧に基づいて電子ペン先端の座標を検出して、X座標信号あるいはY座標信号を出力する座標検出回路とを含むことを特徴とする表示一体形タブレット装置。
  3.  電子ペン有無検出信号は、
     表示パネルの少なくとも手前側に設けられたセグメント電極またはコモン電極のいずれか一方に与えられる繰返しパルスであり、
     電子ペン有無検出手段は、
     電子ペンの出力を、電子ペン有無検出信号に対応した電子ペンの出力が得られる期間Wp,Wnだけ導出する第1ゲート手段と、
     電子ペンの出力を、電子ペン有無検出信号に対応した電子ペンの出力が得られる期間Wp,Wn以外の期間Waだけ導出する第2ゲート手段と、
     第1ゲート手段の出力が第2ゲート手段の出力よりも大きいとき、接近していることを検出する比較手段とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の表示一体形タブレット装置。
  4.  比較手段は、
     第1ゲート手段と第2ゲート手段との各出力の差が、予め定める第1の値以上であるとき接近していると検出し、第1の値未満の第2の値未満であるとき離れていると検出するヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項3記載の表示一体形タブレット装置。
  5.  電子ペン有無検出信号は、
     表示パネルのセグメント電極またはコモン電極のいずれか一方に与えられる予め定める周波数を有する繰返しパルスであり、
     電子ペン有無検出手段は、
     前記繰返しパルスの周波数の帯域を通過する周波数特性を有し、電子ペンの出力を濾波するバンドパスフィルタと、
     バンドパスフィルタの出力をレベル弁別し、バンドパスフィルタの出力が予め定める弁別レベルよりも大きいとき、接近していることを検出するレベル弁別手段とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の表示一体形タブレット装置。
  6.  レベル弁別手段は、
     バンドパスフィルタの出力が予め定める第1の弁別レベル以上であるとき接近していると検出し、第1の弁別レベル未満の第2の弁別レベル未満であるとき離れていると検出するヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項5記載の表示一体形タブレット装置。
  7.  電子ペン有無検出手段の出力に応答し、電子ペンの先端が表示パネルの表面から離れていると検出されたとき、座標検出期間に座標検出回路への電力供給を遮断する電力制御手段が設けられることを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の表示一体形タブレット装置。
  8.  表示期間には、電子ペン有無検出手段と、座標検出回路への電力供給を遮断する電力制御手段が設けられることを特徴とする請求項7記載の表示一体形タブレット装置。
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