JP2004078360A - エッジ抽出装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法において、ノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができるエッジ抽出装置および方法を実現する。
【解決手段】対象物Pに対して任意の位置に仮設定された矩形エリアQにおいて、矩形エリアQ内の第1の辺方向に亘って積算された輝度投影値を第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得て、矩形エリアQの位置をずらして得られた複数の微分値のうち、最大の微分値を示すときの矩形エリアqの第1の辺方向を、対象物Pのエッジの方向として抽出する。
【選択図】 図4
【解決手段】対象物Pに対して任意の位置に仮設定された矩形エリアQにおいて、矩形エリアQ内の第1の辺方向に亘って積算された輝度投影値を第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得て、矩形エリアQの位置をずらして得られた複数の微分値のうち、最大の微分値を示すときの矩形エリアqの第1の辺方向を、対象物Pのエッジの方向として抽出する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品もしくは製造中の製品の部品の位置を特定する場合に、検査領域の輝度分布に基づいて部品のエッジを抽出する方法がある。この方法では、製品の検査領域内の輝度投影値の輝度変化がおよそ最大となるような点の集合をもってエッジとしている。
【0003】
図5は、従来例によるエッジ抽出方法を説明する図である。
【0004】
ここでは、図5(a)に示すような検査画像中のエッジ抽出の対象物の直線エッジを抽出する例について説明する。なお、説明を簡明にするために、図5(a)においては、直線エッジのおおよその方向がx軸となるようにxy座標軸をとる。
【0005】
まず、検査画像中の対象物Pについて、その直線エッジLが存在すると思われるおおよその位置に、この直線エッジLが含まれるようなある程度の大きさを有するエッジ検出領域Rを設定する。
【0006】
次に、エッジ検出領域R内において、直線エッジLのおよその方向(すなわちx軸方向)に対して直角の方向(すなわちy軸方向)の輝度分布を測定する。図5(a)に示す例では、図5(b) に示すような明暗の輝度分布が得られる。
【0007】
そして、図5(b)に示した輝度分布を、y軸方向に亘って微分する。図5(b)に示す例では、図5(c) に示すよう微分値が得られる。このとき、微分値が最大をとる位置、つまり輝度変化が最大である位置が、対象物Pの直線エッジL上の1点を意味する。
【0008】
上記の処理をエッジ検出領域R内のx軸方向に亘って複数実行し、微分値が最大となる点の集合を得る。そして得られた複数の点の集合から最小ニ乗法を用いて直線エッジLを抽出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法は、検査画像の輝度分布が比較的安定し、ノイズ成分が存在しない場合には有効である。
【0010】
しかし、例えば検査対象の製品に傷があったり、明暗のコントラストが弱かったりもしくは反射輝度のムラが大きい場合は、本来のエッジ以外の位置で輝度変化が異常に大きくなることがある。このとき、輝度分布を微分したときに現れる微分値の最大値が、本来あるべき傾向とは極端にずれた位置に異常点として現れてしまう場合がある。この場合、上述のように最小ニ乗法を適用すると、誤差を多く含んだエッジが抽出されてしまうことになる。またこのとき、例えばロバスト推定を用いたとしても、ノイズの影響が大きい場合は誤差を除去するのが困難である。
【0011】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法において、ノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができるエッジ抽出装置および方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために、本発明においては、検査画像中の対象物に対して任意の位置に仮設定された矩形エリアにおいて、この矩形エリア内の第1の辺方向に亘って積算された輝度投影値を第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る。そして、矩形エリアの相対的な位置をずらして複数の微分値を得て、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定し、このときの第1の辺方向を、エッジの方向として抽出する。
【0013】
そして、エッジの方向を含む矩形エリアについて、この矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合をエッジとして抽出する。
【0014】
図1は、本発明によるエッジ抽出装置の基本ブロック図である。
【0015】
本発明によるエッジ抽出装置1は、対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する第1の手段11と、第1の手段11で仮設定された矩形エリア内において、この矩形エリアの第1の辺方向に亘って輝度投影値を積算する第2の手段12と、輝度投影値を、第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る第3の手段13と、第1の手段11で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えて第2の手段12および第3の手段13によって得られる複数の微分値の中から、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定する第4の手段14と、第4の手段14で特定された最大値のときの矩形エリアにおいて、この矩形エリアの第1の辺方向をエッジの方向として抽出する第5の手段15と、を備える。
【0016】
そして、本発明によるエッジ抽出装置は、エッジの方向を含む矩形エリアについて、この矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合をエッジとして抽出する第6の手段16をさらに備えるのが好ましい。
【0017】
本発明によれば、ノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
ここでは、検査画像中のエッジ抽出の対象物の直線エッジを抽出する例について説明する。なお、以下に説明する各処理は、コンピュータ上のソフトウェア上で実現可能である。
【0019】
図2は、本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その1)である。
【0020】
まず、ステップS101において、検査画像中のエッジ抽出対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する。本実施例では矩形エリアを長方形とする。
【0021】
次に、ステップS102において、ステップS101で仮設定された矩形エリア内において、この矩形エリアの第1の辺方向に沿う各微小領域の輝度投影値を積算する。
【0022】
次いで、ステップS103において、ステップS102で得られた輝度投影値を、上述の第1の辺方向に直角である第2の辺方向に亘って微分する。
【0023】
上記の各ステップを、ステップS101で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えながら繰り返し、複数の微分値を得る。得られた微分値はメモリに順次記憶する。
【0024】
図3は、本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その2)である。
【0025】
ステップS104では、図2のステップS101で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えてステップS102およびS103によって得られた複数の微分値の中から、最大の微分値を示す矩形エリアを特定する。
【0026】
ステップS105では、ステップS104で特定された最大の微分値のときの矩形エリアについて、この矩形エリアの第1の辺方向をエッジの方向として抽出する。
【0027】
図4は、本発明の実施例によるエッジ抽出を例示する説明図である。
【0028】
ここでは、検出画像中の対象物Pに対し、図4(a−1)、(b−1)および(c−1)にそれぞれ例示するような位置に、矩形エリアQを仮設定する場合について説明する。図4(a−2)、(b−2)および(c−2)は輝度の積算値、図4(a−3)、(b−3)および(c−3)は輝度積算値の微分値をそれぞれ表す。
【0029】
また、図4においては、矩形エリアQ上からみた座標系をxy座標系とし、矩形エリアQの第1の辺方向にx軸、第2の辺方向にy軸を取るものとする。すなわち、静止座標系から見れば、矩形エリアQの移動に伴い、xy座標系も移動する。なお、矩形エリアQのy軸方向の長さをmとし、対象物Pの内側の輝度は外側の輝度に比べて暗いとする。
【0030】
まず、矩形エリアQを、対象物Pに対して図4(a−1)に示すような位置関係になるように仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(a−2)に示すようになる。すなわち、位置a1を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(a−3)のようになる。
【0031】
次に、矩形エリアQを、図4(a−1)に示す状態から図4(b−1)に示す状態へ相対的に位置をずらして仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(b−2)に示すようになる。すなわち、位置b1およびb2を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(b−3)のようになる。
【0032】
さらに、矩形エリアQを、図4(b−1)に示す状態から図4(c−1)に示す状態へ相対的に位置をずらして仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(c−2)に示すようになる。すなわち、位置c1を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(c−3)のようになる。
【0033】
このように、仮設定する矩形エリアを相対的に位置をずらしていき、できるだけ多くの輝度微分値を得る。そして、得られた数多くの微分値の中から最大の微分値を探し出し、このときの矩形エリアの位置を見つけ出す。
【0034】
図4の実施例では、図4(c−3)が最大の微分値であるので、矩形エリアが図4(c−1)に示された位置にあるときに、この矩形エリアの第1の辺方向が対象物の直線エッジに並行であるといえる。従ってこのこのときの矩形エリアの第1の辺方向を、対象物の直線エッジの方向とすればよい。
【0035】
このように本実施例によれば、従来例のように最小ニ乗法を用いずにエッジの方向を特定するので、検査画像内に大きなノイズがあったとしてもその影響を受けることはない。
【0036】
なお、図4(c−1)に示す例では、直線エッジがy座標上のc1付近に存在することが分かる。したがって、静止座標系に対するxy座標の位置およびy座標上の直線エッジのおおよその位置が特定できていることになるので、この段階をもって対象物の直線エッジそのものを抽出したということにしてもよい。
【0037】
しかし、さらに本実施例では、図3のステップS106において、ステップS105で得られたエッジの方向と直角な方向に、矩形エリア内の輝度分布を測定する。なお、この矩形エリアを、エッジの方向を含む、より微小な領域に限定してもよい。そして、この輝度分布について公知のサブピクセル処理を施すことで、対象物の直線エッジを抽出する。これにより、対象物の境界近傍の輝度勾配を利用することにより1画素以下の分解能でエッジ座標を得ることができる。
【0038】
ここで重要なのは、本発明では、サブピクセル処理を施す前にエッジの方向を既に明確に特定してあり、したがって直線エッジの位置をかなりの精度で推定できるので、サブピクセル処理を実行する検査領域を従来に比べて狭くすることができるということである。したがって、従来例に比べて格段にノイズの影響を受けにくくなるので、エッジ抽出の際の誤差を低減することができる。また、コントラストの少ない画像に対しても安定してエッジ抽出が可能である。
【0039】
なお、矩形エリアを仮設定する際の矩形エリアの対象物に対する位置決めはどのように決めてもよく、例えば、ある基準点に対して矩形エリアを少しずつ回転させるようにして位置決めしてもよい。このとき、例えば処理装置の分解能に応じて回転の割合を決めてもよい。
【0040】
また、本発明における矩形エリアは好ましくは長方形であるが、検査対象物のエッジの形状もしくは目的に応じて正方形、正六角形、多角形、平行四辺形、台形など適宜変更してもよい。例えば、本実施例では直線エッジ抽出を例にとって説明したが、曲線エッジ抽出の場合は、輝度を積算する方向のエリアの長さを短くするのがより好ましい。
【0041】
また、本実施例では輝度積算値を計算した後すぐに微分値を計算したが、複数の輝度積算値をメモリに蓄積しておき、後でまとめてそれぞれの微分値を計算してエッジ抽出に用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法において、大きなノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができる。
【0043】
また、本発明においては、サブピクセル処理を施す前にエッジの方向を既に明確に特定してあるので、サブピクセル処理を実行する領域を、従来に比べて狭くすることができるので、従来例に比べて格段にノイズの影響を受けにくくなり、エッジ抽出の際の誤差を低減することができる。また、コントラストの少ない画像に対しても安定してエッジ抽出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエッジ抽出装置の基本ブロック図である。
【図2】本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その1)である。
【図3】本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その2)である。
【図4】本発明の実施例によるエッジ抽出を例示する説明図である。
【図5】従来例によるエッジ抽出方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…エッジ抽出装置
11…第1の手段
12…第2の手段
13…第3の手段
14…第4の手段
15…第5の手段
16…第6の手段
P…検査画像中の対象物
Q…矩形エリア
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品もしくは製造中の製品の部品の位置を特定する場合に、検査領域の輝度分布に基づいて部品のエッジを抽出する方法がある。この方法では、製品の検査領域内の輝度投影値の輝度変化がおよそ最大となるような点の集合をもってエッジとしている。
【0003】
図5は、従来例によるエッジ抽出方法を説明する図である。
【0004】
ここでは、図5(a)に示すような検査画像中のエッジ抽出の対象物の直線エッジを抽出する例について説明する。なお、説明を簡明にするために、図5(a)においては、直線エッジのおおよその方向がx軸となるようにxy座標軸をとる。
【0005】
まず、検査画像中の対象物Pについて、その直線エッジLが存在すると思われるおおよその位置に、この直線エッジLが含まれるようなある程度の大きさを有するエッジ検出領域Rを設定する。
【0006】
次に、エッジ検出領域R内において、直線エッジLのおよその方向(すなわちx軸方向)に対して直角の方向(すなわちy軸方向)の輝度分布を測定する。図5(a)に示す例では、図5(b) に示すような明暗の輝度分布が得られる。
【0007】
そして、図5(b)に示した輝度分布を、y軸方向に亘って微分する。図5(b)に示す例では、図5(c) に示すよう微分値が得られる。このとき、微分値が最大をとる位置、つまり輝度変化が最大である位置が、対象物Pの直線エッジL上の1点を意味する。
【0008】
上記の処理をエッジ検出領域R内のx軸方向に亘って複数実行し、微分値が最大となる点の集合を得る。そして得られた複数の点の集合から最小ニ乗法を用いて直線エッジLを抽出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法は、検査画像の輝度分布が比較的安定し、ノイズ成分が存在しない場合には有効である。
【0010】
しかし、例えば検査対象の製品に傷があったり、明暗のコントラストが弱かったりもしくは反射輝度のムラが大きい場合は、本来のエッジ以外の位置で輝度変化が異常に大きくなることがある。このとき、輝度分布を微分したときに現れる微分値の最大値が、本来あるべき傾向とは極端にずれた位置に異常点として現れてしまう場合がある。この場合、上述のように最小ニ乗法を適用すると、誤差を多く含んだエッジが抽出されてしまうことになる。またこのとき、例えばロバスト推定を用いたとしても、ノイズの影響が大きい場合は誤差を除去するのが困難である。
【0011】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法において、ノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができるエッジ抽出装置および方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために、本発明においては、検査画像中の対象物に対して任意の位置に仮設定された矩形エリアにおいて、この矩形エリア内の第1の辺方向に亘って積算された輝度投影値を第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る。そして、矩形エリアの相対的な位置をずらして複数の微分値を得て、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定し、このときの第1の辺方向を、エッジの方向として抽出する。
【0013】
そして、エッジの方向を含む矩形エリアについて、この矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合をエッジとして抽出する。
【0014】
図1は、本発明によるエッジ抽出装置の基本ブロック図である。
【0015】
本発明によるエッジ抽出装置1は、対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する第1の手段11と、第1の手段11で仮設定された矩形エリア内において、この矩形エリアの第1の辺方向に亘って輝度投影値を積算する第2の手段12と、輝度投影値を、第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る第3の手段13と、第1の手段11で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えて第2の手段12および第3の手段13によって得られる複数の微分値の中から、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定する第4の手段14と、第4の手段14で特定された最大値のときの矩形エリアにおいて、この矩形エリアの第1の辺方向をエッジの方向として抽出する第5の手段15と、を備える。
【0016】
そして、本発明によるエッジ抽出装置は、エッジの方向を含む矩形エリアについて、この矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合をエッジとして抽出する第6の手段16をさらに備えるのが好ましい。
【0017】
本発明によれば、ノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
ここでは、検査画像中のエッジ抽出の対象物の直線エッジを抽出する例について説明する。なお、以下に説明する各処理は、コンピュータ上のソフトウェア上で実現可能である。
【0019】
図2は、本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その1)である。
【0020】
まず、ステップS101において、検査画像中のエッジ抽出対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する。本実施例では矩形エリアを長方形とする。
【0021】
次に、ステップS102において、ステップS101で仮設定された矩形エリア内において、この矩形エリアの第1の辺方向に沿う各微小領域の輝度投影値を積算する。
【0022】
次いで、ステップS103において、ステップS102で得られた輝度投影値を、上述の第1の辺方向に直角である第2の辺方向に亘って微分する。
【0023】
上記の各ステップを、ステップS101で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えながら繰り返し、複数の微分値を得る。得られた微分値はメモリに順次記憶する。
【0024】
図3は、本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その2)である。
【0025】
ステップS104では、図2のステップS101で仮設定する矩形エリアの位置を切り替えてステップS102およびS103によって得られた複数の微分値の中から、最大の微分値を示す矩形エリアを特定する。
【0026】
ステップS105では、ステップS104で特定された最大の微分値のときの矩形エリアについて、この矩形エリアの第1の辺方向をエッジの方向として抽出する。
【0027】
図4は、本発明の実施例によるエッジ抽出を例示する説明図である。
【0028】
ここでは、検出画像中の対象物Pに対し、図4(a−1)、(b−1)および(c−1)にそれぞれ例示するような位置に、矩形エリアQを仮設定する場合について説明する。図4(a−2)、(b−2)および(c−2)は輝度の積算値、図4(a−3)、(b−3)および(c−3)は輝度積算値の微分値をそれぞれ表す。
【0029】
また、図4においては、矩形エリアQ上からみた座標系をxy座標系とし、矩形エリアQの第1の辺方向にx軸、第2の辺方向にy軸を取るものとする。すなわち、静止座標系から見れば、矩形エリアQの移動に伴い、xy座標系も移動する。なお、矩形エリアQのy軸方向の長さをmとし、対象物Pの内側の輝度は外側の輝度に比べて暗いとする。
【0030】
まず、矩形エリアQを、対象物Pに対して図4(a−1)に示すような位置関係になるように仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(a−2)に示すようになる。すなわち、位置a1を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(a−3)のようになる。
【0031】
次に、矩形エリアQを、図4(a−1)に示す状態から図4(b−1)に示す状態へ相対的に位置をずらして仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(b−2)に示すようになる。すなわち、位置b1およびb2を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(b−3)のようになる。
【0032】
さらに、矩形エリアQを、図4(b−1)に示す状態から図4(c−1)に示す状態へ相対的に位置をずらして仮設定した場合について考える。矩形エリアQ内の第1の辺方向(x軸方向)に積算した輝度は、y軸方向の関数として図4(c−2)に示すようになる。すなわち、位置c1を境界として、輝度積算値に変化が現れる。このときの輝度積算値を微分すると図4(c−3)のようになる。
【0033】
このように、仮設定する矩形エリアを相対的に位置をずらしていき、できるだけ多くの輝度微分値を得る。そして、得られた数多くの微分値の中から最大の微分値を探し出し、このときの矩形エリアの位置を見つけ出す。
【0034】
図4の実施例では、図4(c−3)が最大の微分値であるので、矩形エリアが図4(c−1)に示された位置にあるときに、この矩形エリアの第1の辺方向が対象物の直線エッジに並行であるといえる。従ってこのこのときの矩形エリアの第1の辺方向を、対象物の直線エッジの方向とすればよい。
【0035】
このように本実施例によれば、従来例のように最小ニ乗法を用いずにエッジの方向を特定するので、検査画像内に大きなノイズがあったとしてもその影響を受けることはない。
【0036】
なお、図4(c−1)に示す例では、直線エッジがy座標上のc1付近に存在することが分かる。したがって、静止座標系に対するxy座標の位置およびy座標上の直線エッジのおおよその位置が特定できていることになるので、この段階をもって対象物の直線エッジそのものを抽出したということにしてもよい。
【0037】
しかし、さらに本実施例では、図3のステップS106において、ステップS105で得られたエッジの方向と直角な方向に、矩形エリア内の輝度分布を測定する。なお、この矩形エリアを、エッジの方向を含む、より微小な領域に限定してもよい。そして、この輝度分布について公知のサブピクセル処理を施すことで、対象物の直線エッジを抽出する。これにより、対象物の境界近傍の輝度勾配を利用することにより1画素以下の分解能でエッジ座標を得ることができる。
【0038】
ここで重要なのは、本発明では、サブピクセル処理を施す前にエッジの方向を既に明確に特定してあり、したがって直線エッジの位置をかなりの精度で推定できるので、サブピクセル処理を実行する検査領域を従来に比べて狭くすることができるということである。したがって、従来例に比べて格段にノイズの影響を受けにくくなるので、エッジ抽出の際の誤差を低減することができる。また、コントラストの少ない画像に対しても安定してエッジ抽出が可能である。
【0039】
なお、矩形エリアを仮設定する際の矩形エリアの対象物に対する位置決めはどのように決めてもよく、例えば、ある基準点に対して矩形エリアを少しずつ回転させるようにして位置決めしてもよい。このとき、例えば処理装置の分解能に応じて回転の割合を決めてもよい。
【0040】
また、本発明における矩形エリアは好ましくは長方形であるが、検査対象物のエッジの形状もしくは目的に応じて正方形、正六角形、多角形、平行四辺形、台形など適宜変更してもよい。例えば、本実施例では直線エッジ抽出を例にとって説明したが、曲線エッジ抽出の場合は、輝度を積算する方向のエリアの長さを短くするのがより好ましい。
【0041】
また、本実施例では輝度積算値を計算した後すぐに微分値を計算したが、複数の輝度積算値をメモリに蓄積しておき、後でまとめてそれぞれの微分値を計算してエッジ抽出に用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置および方法において、大きなノイズ成分を含んだ検査画像であっても、安定して対象物のエッジを抽出することができる。
【0043】
また、本発明においては、サブピクセル処理を施す前にエッジの方向を既に明確に特定してあるので、サブピクセル処理を実行する領域を、従来に比べて狭くすることができるので、従来例に比べて格段にノイズの影響を受けにくくなり、エッジ抽出の際の誤差を低減することができる。また、コントラストの少ない画像に対しても安定してエッジ抽出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエッジ抽出装置の基本ブロック図である。
【図2】本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その1)である。
【図3】本発明によるエッジ抽出方法のフローチャート(その2)である。
【図4】本発明の実施例によるエッジ抽出を例示する説明図である。
【図5】従来例によるエッジ抽出方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…エッジ抽出装置
11…第1の手段
12…第2の手段
13…第3の手段
14…第4の手段
15…第5の手段
16…第6の手段
P…検査画像中の対象物
Q…矩形エリア
Claims (6)
- 検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出方法であって、
前記対象物に対して任意の位置に仮設定された矩形エリアにおいて、該矩形エリア内の第1の辺方向に亘って積算された輝度投影値を前記第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得て、
前記矩形エリアの位置をずらして得られた複数の前記微分値のうち、最大の微分値を示すときの矩形エリアの第1の辺方向を、前記エッジの方向として抽出することを特徴とするエッジ抽出方法。 - 前記エッジの方向を含む前記矩形エリアについて、該矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合を前記エッジとして抽出するステップをさらに備える請求項1に記載のエッジ抽出方法。
- 検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出装置であって、
前記対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する第1の手段と、
該第1の手段で仮設定された前記矩形エリア内において、該矩形エリアの第1の辺方向に亘って輝度投影値を積算する第2の手段と、
前記輝度投影値を、前記第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る第3の手段と、
前記第1の手段で仮設定する前記矩形エリアの位置を切り替えて前記第2および第3の手段によって得られる複数の前記微分値の中から、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定する第4の手段と、
該第4の手段で特定された前記最大値のときの前記矩形エリアにおいて、該矩形エリアの第1の辺方向を前記エッジの方向として抽出する第5の手段と、
を備えることを特徴とするエッジ抽出装置。 - 前記エッジの方向を含む前記矩形エリアについて、該矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合を前記エッジとして抽出する第6の手段をさらに備える請求項3に記載のエッジ抽出装置。
- 検査画像中の対象物のエッジを抽出するエッジ抽出方法であって、
前記対象物に対して任意の位置に、所定の大きさを有する矩形エリアを仮設定する第1のステップと、
該第1のステップで仮設定された前記矩形エリア内において、該矩形エリアの第1の辺方向に亘って輝度投影値を積算する第2のステップと、
前記輝度投影値を、前記第1の辺方向に直角な第2の辺方向に亘って微分して微分値を得る第3のステップと、
前記第1のステップで仮設定する前記矩形エリアの位置を切り替えて前記第2および第3のステップによって得られる複数の前記微分値の中から、最大の微分値を示すときの矩形エリアを特定する第4のステップと、
該第4のステップで特定された前記最大値のときの前記矩形エリアにおいて、該矩形エリアの第1の辺方向を前記エッジの方向として抽出する第5のステップと、
を備えることを特徴とするエッジ抽出方法。 - 前記エッジの方向を含む前記矩形エリアについて、該矩形エリア内の輝度勾配が最大となる点の集合を前記エッジとして抽出する第6のステップをさらに備える請求項5に記載のエッジ抽出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002234962A JP2004078360A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | エッジ抽出装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002234962A JP2004078360A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | エッジ抽出装置および方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004078360A true JP2004078360A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32019623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002234962A Pending JP2004078360A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | エッジ抽出装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004078360A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008139125A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | ホログラムデータ領域特定装置及びホログラムデータ領域特定プログラム |
JP2011085410A (ja) * | 2009-10-13 | 2011-04-28 | Nippon Steel Corp | エッジ検出装置、エッジ検出方法、およびプログラム |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002234962A patent/JP2004078360A/ja active Pending
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