JP2004075831A - Crosslinkable rubber composition and crosslinked product - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋性ニトリル基含有共重合ゴム組成物及び該組成物を架橋してなる架橋物に関し、詳しくはシール材として好適な架橋物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)は、耐油性、機械的特性、耐薬品性等を活かして、ホースやチューブなどの自動車用ゴム部品の材料として使用されている。また、O−リング、パッキン、ガスケットなどのようなシール材としても広く使用されている。
【0003】
NBRは、主鎖の炭素−炭素二重結合を水素化し、さらにシリカなどの充填剤を配合して耐熱性を高めることができる。例えば、本出願人は、水素化NBRにシリカ系の充填剤や珪酸金属塩を配合して成る耐熱性が改善されたゴム組成物を提案している(特開昭62−240338号公報、特開2001−310957号公報)。しかしながら、シール材などの用途においては、その耐熱性を高めると共に、引張強度などの機械的特性をより一層改良することが要望されている。また、優れたシール性能を確保するために、シール部材の表面平滑性も重要視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、耐熱性及び機械的特性に優れ、しかも、表面が平滑な架橋物を与える架橋性ゴム組成物及びその架橋物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ニトリル基含有共重合ゴムに、架橋剤と珪酸化合物とを含有してなる組成物に、さらに4級アンモニウム塩を特定量配合することにより、耐熱性及び機械的強度に優れた架橋物を取得できることを見出した。また、該架橋物は配合した珪酸化合物の分散性が著しく向上するために表面平滑性にも優れ、例えばシール材として使用すると、極めて良好なシール性能を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして、本発明によれば、以下の発明がそれぞれ提供される。
1.α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が10〜60重量%であるニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部、珪酸化合物(B)2〜250重量部、4級アンモニウム塩(C)0.05〜20重量部及び架橋剤(D)0.05〜20重量部を含有してなる架橋性ゴム組成物。
2.架橋剤(D)が有機過酸化物である上記1記載の架橋性ゴム組成物。
3.ニトリル基含有共重合ゴム(A)のヨウ素価が120以下である上記1又は2記載の架橋性ゴム組成物。
4.珪酸化合物(B)が、合成シリカと珪酸金属塩との混合物である上記1〜3記載の架橋性ゴム組成物。
5.上記1〜4いずれかに記載の架橋性ゴム組成物を架橋して成る架橋物。
6.シール材である上記5記載の架橋物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の架橋性ゴム組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が10〜60重量%であるニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部、珪酸化合物(B)2〜250重量部、4級アンモニウム塩(C)0.05〜20重量部及び架橋剤(D)0.05〜20重量部を含有してなることを特徴とする。
【0008】
本発明に用いるニトリル基含有共重合ゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と他の単量体とを公知の方法で共重合して得られるゴムである。
【0009】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。ニトリル基含有共重合ゴム(A)中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、10〜60重量%、好ましくは12〜55重量%、より好ましくは15〜50重量%である。ニトリル基含有共重合ゴム中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量が少なすぎると架橋物の耐油性が劣る場合があり、逆に多すぎると耐寒性に劣る場合がある。
【0010】
前記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合させることができる単量体としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体、α−オレフィンなどが例示される。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好ましい。非共役ジエン単量体は、好ましくは炭素数が5〜12のものであり、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが例示される。α−オレフィンとしては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。
【0011】
さらに、ニトリル基含有共重合ゴム(A)は、上記の単量体以外に、芳香族ビニル単量体、フルオロオレフィン単量体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸系単量体などを本発明の目的を損なわない範囲で共重合して得られるものであってもよい。また、共重合性の老化防止剤を用いることもできる。ニトリル基含有共重合ゴム(A)中のこれらの単量体単位の含有量は、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜25重量%である。
【0012】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。フルオロオレフィン単量体としては、例えば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレートなどのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸エステル;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;モノブチルイタコン酸、ジブチルイタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸エステル;などが挙げられる。共重合性の老化防止剤としては、例えば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0013】
ニトリル基含有共重合ゴム(A)は、ヨウ素価が、好ましくは120以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下である。ヨウ素価が大きすぎると耐熱性に劣る。
【0014】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共役ジエン単量体とを共重合した場合には、ニトリル基含有共重合ゴム(A)のヨウ素価が120を超える場合がある。その場合には共重合ゴム(A)の炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加することによりヨウ素価が120以下になるようにするのが好ましい。水素添加の方法は、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。
【0015】
ニトリル基含有共重合ゴム(A)のムーニー粘度ML1+4,(100℃)は、好ましくは10〜300、より好ましくは20〜250、特に好ましくは30〜200である。ムーニー粘度が小さすぎると架橋物の機械的特性が劣る場合があり、逆に大きすぎると加工性に劣る場合がある。
【0016】
本発明に用いる珪酸化合物(B)は、組成式で表した場合に、式中に(SiO2)を含む化合物であればよい。具体的には、石英粉末、珪石粉末などの天然シリカ;無水珪酸(シリカゲル、アエロジルなど)、含水珪酸などの合成シリカ;珪酸金属塩などが挙げられ、これらの中でも、合成シリカ又は珪酸金属塩が好ましい。
【0017】
上記の天然シリカ及び合成シリカは、組成式が、(SiO2)又は(SiO2・nH2O)で表される。合成シリカとしては、特に無水合成シリカを用いるのが好ましい。無水合成シリカは、所謂、白色充填材(ホワイトカーボン)として合成ゴムの充填材に一般的に用いられているものが好ましい。
【0018】
珪酸金属塩としては、組成式が、下記一般式1〜3のいずれかで表される珪酸金属塩などが挙げられる。
【0019】
一般式1:(M1)2O・xSiO2・nH2O(式中、xは正数、M1は酸化数が1の金属元素を表す。nは0以上の整数である。)
【0020】
一般式2:(M2)O・ySiO2・mH2O(式中、yは正数、M2は酸化数が2の金属元素を表す。mは0以上の整数である。)
【0021】
一般式3:(M3)2O3・zSiO2・pH2O(式中、zは正数、M3は酸化数が3の金属元素を表す。pは0以上の整数である。)
【0022】
M1としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、好ましくはナトリウムが挙げられる。M2としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、鉄などが挙げられる。M3としては、例えば、ホウ素やアルミニウムなどが挙げられる。
【0023】
一般式1で表される珪酸金属塩としては、オルト珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム水和物、オルト珪酸カリウムなどのオルト珪酸金属塩;メタ珪酸ナトリウム5水和物、メタ珪酸ナトリウム9水和物などのメタ珪酸金属塩;などが挙げられる。一般式2で表される珪酸金属塩としては、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム水和物、珪酸カルシウム、珪酸カルシウム水和物などの珪酸金属塩などが挙げられる。一般式3で表される珪酸金属塩としては、珪酸ホウ素、珪酸ホウ素水和物、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウム水和物などの珪酸金属塩などが挙げられる。
【0024】
また、本発明においては、珪酸化合物(B)は、上記の合成シリカと珪酸金属塩との混合物であるのが好ましい。珪酸化合物(B)が合成シリカと珪酸金属塩との混合物であると、架橋物の耐熱性がより向上する。
【0025】
珪酸化合物(B)の配合量は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対し、2〜250重量部、好ましくは3〜200重量部、より好ましくは5〜150重量部である。珪酸化合物(B)の配合量が少なすぎると、架橋物の耐熱性が十分に向上しない場合があり、逆に多すぎると組成物の加工性が悪くなる場合がある。
【0026】
珪酸化合物(B)が合成シリカと珪酸金属塩との混合物である場合には、珪酸金属塩の含有量は、混合物に対して、前記珪酸金属塩中の(M1)2O又は(M2)O又は(M3)2O3換算で、好ましくは0.1〜80重量%、より好ましくは0.2〜50重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%である。
【0027】
本発明に用いる4級アンモニウム塩(C)は、一般式:R1R2R3R4N+X−で表される化合物である。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同一でも異なっていても良く、炭素数1〜30の飽和又は不飽和炭化水素基である。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等の飽和脂肪族炭化水素基;オレイル等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル、ベンジル等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。X−としては、例えばCl−、Br−、NO3 −、OH−、CH3COO−等の陰イオンが挙げられる。
【0028】
4級アンモニウム塩(C)の配合量は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対し、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。4級アンモニウム塩(C)の配合量が少なすぎると架橋物の平滑性が十分でなくなる場合があり、逆に多すぎると架橋物の機械的強度が低下する場合がある。
【0029】
本発明に用いる架橋剤(D)は、合成ゴムの架橋剤として一般的に用いられている架橋剤であればよく、硫黄系架橋剤、有機過酸化物架橋剤などが挙げられる。
硫黄系架橋剤としては、硫黄、硫黄供与性化合物、チウラム系化合物、モルホリン系化合物などが挙げられる。硫黄系架橋剤を用いる場合には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、チウラム系架橋促進剤、グアニジン系架橋促進剤、スルフェンアミド系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸系架橋促進剤などの架橋促進剤を併用してもよい。
有機過酸化物架橋剤としては、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステルなどが挙げられ、ジアルキルパーオキサイドが好ましい。ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとして、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどが挙げられる。パーオキシエステルとしては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなど)などが挙げられる。有機過酸化物架橋剤を用いる場合には、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ジアリルフタレート、トリレンビスマレイミド、メタフェニレンビスマレイミド、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーや液状ビニルポリブタジエンなどの架橋促進剤を併用してもよい。
本発明においては、これらの架橋剤の中でも、架橋物の耐熱性などの観点より、有機過酸化物架橋剤を用いるのが好ましい。
【0030】
架橋剤(D)の配合量は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)100重量部に対し、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは1〜8重量部である。架橋剤(D)の配合量が少なすぎると、架橋密度が低下し、架橋物の圧縮永久ひずみが大きくなる。逆に多すぎると、架橋物のゴム弾性が不十分となる場合がある。
【0031】
本発明の架橋性ゴム組成物は、ゴムに一般的に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、短繊維などの補強剤;可塑剤;顔料;老化防止剤;粘着付与剤;加工助剤;スコーチ防止剤;などを含有していてもよい。また、本発明の架橋性ゴム組成物は、ニトリル基含有共重合ゴム(A)以外のゴムや樹脂を本発明の効果を実質的に阻害しない範囲で含有していてもよい。
【0032】
本発明の架橋性ゴム組成物の調製方法は特に限定されず、一般的な架橋性ゴム組成物の調製方法に従えばよい。例えば、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合順序は特に限定されないが、熱で反応や分解しにくい成分を十分に混合した後、熱により反応あるいは分解し易い架橋剤などを、反応や分解が起こらない温度で短時間に混合すればよい。
【0033】
上記架橋性ゴム組成物の成形方法は、特に限定されない。圧縮成形、射出成形、トランスファー成形あるいは押出成形など、いずれの方法を用いることも可能である。また、架橋方法は、架橋物の形状などに応じて選択すればよく、成形と架橋を同時に行う方法、成形後に架橋を行う方法のいずれでもよい。
【0034】
本発明の架橋物は、上記の架橋性ゴム組成物を架橋して得られるものである。架橋性ゴム組成物を架橋する方法は、該ゴム組成物を所定温度以上に加熱すればよい。一般的には、上記方法で成形しておいてから加熱するか、成形と同時に加熱する。
【0035】
架橋温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜195℃、特に好ましくは140〜190℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりする場合がある。温度が高すぎる場合は、成形不良になる場合がある。また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1分間〜4時間が架橋密度と生産効率の面から好ましい。
【0036】
架橋するための加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法から適宜選択すればよい。
【0037】
架橋物の形状、大きさなどによっては、表面は架橋していても、内部が架橋しないことがある。そのような場合、上記のように架橋した後、高温状態に維持する二次架橋を行なってもよい。
【0038】
本発明の架橋物は、耐熱性、機械的特性及び表面平滑性に優れるため、種々の用途に使用できる。その用途は特に限定されず、例えば、シール、ゴムベルト、ゴムロール、ゴムホースなどの工業用製品またはその部品をはじめ、油井、ガス井などで用いられるパッカー、アウトプリベンダー、パイププロテクターなどにも用いることができる。シールとしては、回転用、揺動用、往復動用などの運動用シールと固定用シールが挙げられる。運動用シールとしては、オイルシール、ピストンシール、メカニカルシールなどが挙げられ、固定用シールとしては、Oリング、各種ガスケットなどが挙げられる。ゴムベルトとしては、平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルトなどが挙げられる。ゴムロールとしては、印刷機器、コピー機器などのOA機器の部品であるロール;紡糸用延伸ロール、紡績用ドラフトロールなどの繊維加工用ロール;ブライドルロール、スナバロール、ステアリングロールなどの製鉄用ロール;などが挙げられる。ゴムホースは、単管ゴムホース、多層ゴムホース、編上式補強ホース、布巻式補強ホースなどが挙げられる。本発明の架橋物は、機械的特性に優れ、圧縮永久ひずみが小さいことから、これらのなかでも、シールおよびゴムベルト用途に特に適しており、シール材として最も好適である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。部および%は、特に記載のない限り、重量基準である。なお、評価方法は、下記の通りである。
【0040】
(1)ムーニー粘度
架橋性ゴム組成物のムーニー粘度はJIS K6300に従って、100℃で測定した。
【0041】
(2)機械的特性
調製した架橋性ゴム組成物を、170℃、プレス圧10MPaで15分間架橋を行い、厚さ2mmのシートを得た。3号形ダンベルを用いてこのシートを打ち抜いて、試験片を作製した。これらの試験片を用いて、JIS K 6251に従い、架橋物の引張強さと伸びを、また、JIS K 6253に従い、タイプAデュロメータを用いて架橋物の硬度を、それぞれ機械的特性として測定した。
【0042】
(3)耐熱性
上記機械的特性を測定したものと同じ試験片を、JIS K6257に従い、75℃にて336時間ギアオーブン中に放置して熱老化させた後に、引張強さ、伸び及び硬度を機械的特性として測定し、上記(2)で測定したそれぞれの機械的特性の値に対する変化率を算出した。
【0043】
(4)表面平滑性
(3)で熱老化させた後の試験片の表面状態を目視観察し、目視確認できる程度の凹みが表面積1cm2当たりに何個有るかを測定した。評価基準は以下の通りである。
○:凹みの数0個、△:凹みの数が1個以上10個未満、×:凹みの数が10個以上
【0044】
実施例1
ニトリル基含有共重合ゴムA(Zetpol 2000、日本ゼオン社製、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル単位含有量36%、ヨウ素価4、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)83)100部、合成シリカ(シオノギ製薬製湿式法ホワイトカーボン、カープレックス#1120)40部、珪酸金属塩(日本化学工業製、メタ珪酸ソーダ5水塩(Na2O,SiO2、5H2O))5部(合成シリカと珪酸金属塩の合計量に対してNa2O換算にて3.2%)、オクタデシルトリメチルブロマイド(4級アンモニウム塩、日本ゼオン社製〔Zeonet−BF〕)3部、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン(日本ユニカー製、シランA−172)1部、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(旭電化製、アデカサイザーC−8)5部、酸化亜鉛(堺化学工業製、亜鉛華1号)2部、酸化マグネシウム(協和化学工業製、キョーワマグ150)2部、ジフェニルアミン系老化防止剤(ユニロイヤル製、ナウガード445)1部、ベンズイミダゾール系酸化防止剤(大内新興化学工業製、ノクラックMBZ)0.5部を50℃にてバンバリーで混練した後、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(有機過酸化物)4部、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)3部を加えて、40℃にてオープンロールで混練して、架橋性ゴム組成物を調製した。
【0045】
この架橋性ゴム組成物を上記の条件により架橋して架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び、耐熱性及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0046】
実施例2
合成シリカを、カーボンブラック(ASTM D1765による分類;N550)40部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を製造し、架橋させて架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0047】
実施例3
珪酸金属塩を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を製造し、架橋させて架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0048】
比較例1
4級アンモニウム塩の配合量を25部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を製造し、架橋させて架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
比較例2
4級アンモニウム塩を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を製造し、架橋させて架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0050】
比較例3
合成シリカ及び珪酸金属塩を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして架橋性ゴム組成物を製造し、架橋させて架橋物とした。架橋物の引張強度、伸び及び表面平滑性を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1から明らかなように、4級アンモニウム塩の配合量が多い架橋性ゴム組成物の架橋物(比較例1)は、機械的強度に劣り、4級アンモニウム塩を配合しない架橋性ゴム組成物の架橋物(比較例2)は熱老化後の機械特性の低下が大きく、表面の平滑性に劣り、珪酸化合物を配合しない架橋性ゴム組成物の架橋物(比較例3)は熱老化後の機械特性の低下が大きかった。
これに対し、本発明の架橋性ゴム組成物を架橋させて成る架橋物は、引張り強度、伸び、耐熱性及び表面平滑性がバランスよく優れている。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的特性、耐熱性及び表面平滑性に優れ、シール材などのゴム部品に好適な架橋物を与える架橋性ゴム組成物が提供される。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a crosslinkable nitrile group-containing copolymer rubber composition and a crosslinked product obtained by crosslinking the composition, and more particularly to a crosslinked product suitable as a sealing material.
[0002]
[Prior art]
Acrylonitrile-butadiene copolymer rubber (NBR) is used as a material for rubber parts for automobiles such as hoses and tubes by utilizing oil resistance, mechanical properties, chemical resistance, and the like. It is also widely used as a sealing material such as an O-ring, packing, gasket, and the like.
[0003]
NBR can increase the heat resistance by hydrogenating the carbon-carbon double bond of the main chain and further blending a filler such as silica. For example, the present applicant has proposed a rubber composition having improved heat resistance obtained by blending a hydrogenated NBR with a silica-based filler or a metal silicate (Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-240338; JP 2001-310957 A). However, in applications such as sealing materials, there is a demand for improving heat resistance and further improving mechanical properties such as tensile strength. Further, in order to ensure excellent sealing performance, importance is also placed on the surface smoothness of the sealing member.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a crosslinkable rubber composition which is excellent in heat resistance and mechanical properties and provides a crosslinked product having a smooth surface, and a crosslinked product thereof.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, a specific amount of a quaternary ammonium salt is further added to a composition containing a crosslinking agent and a silicate compound in a nitrile group-containing copolymer rubber. As a result, it has been found that a crosslinked product excellent in heat resistance and mechanical strength can be obtained. In addition, the crosslinked product was found to have excellent surface smoothness because the dispersibility of the compounded silicate compound was remarkably improved. For example, it was found that when used as a sealing material, it was possible to impart extremely good sealing performance, and to complete the present invention. Reached.
[0006]
Thus, according to the present invention, the following inventions are provided respectively.
1. 100 parts by weight of a nitrile group-containing copolymer rubber (A) having an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit content of 10 to 60% by weight, 2-250 parts by weight of a silicate compound (B), quaternary A crosslinkable rubber composition comprising 0.05 to 20 parts by weight of an ammonium salt (C) and 0.05 to 20 parts by weight of a crosslinking agent (D).
2. 2. The crosslinkable rubber composition according to the above 1, wherein the crosslinking agent (D) is an organic peroxide.
3. 3. The crosslinkable rubber composition according to the above 1 or 2, wherein the nitrile group-containing copolymer rubber (A) has an iodine value of 120 or less.
4. 4. The crosslinkable rubber composition according to any one of the above 1 to 3, wherein the silicate compound (B) is a mixture of a synthetic silica and a metal silicate.
5. A crosslinked product obtained by crosslinking the crosslinkable rubber composition according to any one of the above 1 to 4.
6. 6. The crosslinked product according to the above 5, which is a sealing material.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The crosslinkable rubber composition of the present invention comprises 100 parts by weight of a nitrile group-containing copolymer rubber (A) having an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit content of 10 to 60% by weight, a silicate compound ( B) 2 to 250 parts by weight, a quaternary ammonium salt (C) 0.05 to 20 parts by weight and a crosslinking agent (D) 0.05 to 20 parts by weight.
[0008]
The nitrile group-containing copolymer rubber (A) used in the present invention is a rubber obtained by copolymerizing an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer and another monomer by a known method.
[0009]
Examples of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer include acrylonitrile, methacrylonitrile, α-chloroacrylonitrile and the like, with acrylonitrile being preferred. The content of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit in the nitrile group-containing copolymer rubber (A) is 10 to 60% by weight, preferably 12 to 55% by weight, more preferably 15 to 50% by weight. %. If the content of the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer unit in the nitrile group-containing copolymer rubber is too small, the oil resistance of the crosslinked product may be poor, and if it is too large, the cold resistance may be poor. is there.
[0010]
Examples of the monomer that can be copolymerized with the α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer include a conjugated diene monomer, a non-conjugated diene monomer, and an α-olefin.
Examples of the conjugated diene monomer include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, and 1,3-pentadiene, and 1,3-butadiene is preferable. The non-conjugated diene monomer preferably has 5 to 12 carbon atoms, and examples thereof include 1,4-pentadiene, 1,4-hexadiene, vinylnorbornene, and dicyclopentadiene. As the α-olefin, those having 2 to 12 carbon atoms are preferable, and examples thereof include ethylene, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, and 1-octene.
[0011]
Further, the nitrile group-containing copolymer rubber (A) includes, in addition to the above-mentioned monomers, an aromatic vinyl monomer, a fluoroolefin monomer, an α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid-based monomer, and the like. It may be obtained by copolymerization within a range that does not impair the object of the present invention. Further, a copolymerizable antioxidant can be used. The content of these monomer units in the nitrile group-containing copolymer rubber (A) is preferably 0 to 30% by weight, more preferably 0 to 25% by weight.
[0012]
Examples of the aromatic vinyl monomer include styrene, α-methylstyrene, vinylpyridine and the like. Examples of the fluoroolefin monomer include fluoroethyl vinyl ether, fluoropropyl vinyl ether, o-trifluoromethylstyrene, vinyl pentafluorobenzoate, difluoroethylene, tetrafluoroethylene, and the like. α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid monomers include α, β-ethylenically unsaturated monocarboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid; α, β such as ethyl acrylate, butyl acrylate and methoxyethyl acrylate -Ethylenically unsaturated monocarboxylic acid esters; α, β-ethylenically unsaturated polycarboxylic acids such as itaconic acid, fumaric acid and maleic acid; α, β-ethylenically unsaturated acids such as itaconic anhydride and maleic anhydride Polycarboxylic acid anhydrides; α, β-ethylenically unsaturated polycarboxylic acid esters such as monobutylitaconic acid and dibutylitaconic acid; and the like. Examples of the copolymerizable antioxidant include N- (4-anilinophenyl) acrylamide, N- (4-anilinophenyl) methacrylamide, N- (4-anilinophenyl) cinnamamide, and N- (4 -Anilinophenyl) crotonamide, N-phenyl-4- (3-vinylbenzyloxy) aniline, N-phenyl-4- (4-vinylbenzyloxy) aniline and the like.
[0013]
The nitrile group-containing copolymer rubber (A) has an iodine value of preferably 120 or less, more preferably 100 or less, and further preferably 50 or less. If the iodine value is too large, heat resistance is poor.
[0014]
When an α, β-ethylenically unsaturated nitrile monomer and a conjugated diene monomer are copolymerized, the iodine value of the nitrile group-containing copolymer rubber (A) may exceed 120. In this case, it is preferable that the carbon-carbon unsaturated bond of the copolymer rubber (A) is hydrogenated by a known method so that the iodine value becomes 120 or less. The method of hydrogenation is not particularly limited, and may be a known method.
[0015]
The Mooney viscosity ML 1 + 4 (100 ° C.) of the nitrile group-containing copolymer rubber (A) is preferably 10 to 300, more preferably 20 to 250, and particularly preferably 30 to 200. If the Mooney viscosity is too low, the mechanical properties of the crosslinked product may be poor, and if it is too high, processability may be poor.
[0016]
The silicate compound (B) used in the present invention may be a compound containing (SiO 2 ) in the formula when represented by a composition formula. Specific examples include natural silica such as quartz powder and silica powder; synthetic silica such as anhydrous silicic acid (silica gel, Aerosil); hydrous silicic acid; metal silicate; and the like. Among these, synthetic silica or metal silicate is used. preferable.
[0017]
The composition formula of the above-mentioned natural silica and synthetic silica is represented by (SiO 2 ) or (SiO 2 .nH 2 O). It is particularly preferable to use anhydrous synthetic silica as the synthetic silica. Anhydrous synthetic silica is preferably one generally used as a filler for synthetic rubber as a so-called white filler (white carbon).
[0018]
Examples of the metal silicate include a metal silicate represented by any one of the following general formulas 1 to 3.
[0019]
General formula 1: (M 1 ) 2 O.xSiO 2 .nH 2 O (where x is a positive number, M 1 represents a metal element having an oxidation number of 1; n is an integer of 0 or more.)
[0020]
Formula 2: (M 2) O · ySiO 2 · mH 2 O ( wherein, y is a positive number, M 2 is .m oxidation number represents 2 metal elements is an integer of 0 or more.)
[0021]
Formula 3: (M 3) 2 O 3 · zSiO 2 · pH 2 O ( wherein, z are positive numbers, M 3 is .p oxidation number represents a metal element 3 is an integer of 0 or more.)
[0022]
M 1 includes, for example, sodium and potassium, and preferably sodium. The M 2, for example, magnesium, calcium and iron. The M 3, for example, such as boron or aluminum.
[0023]
Examples of the metal silicate represented by the general formula 1 include sodium orthosilicate, sodium orthosilicate hydrate, potassium orthosilicate and the like; sodium metasilicate pentahydrate, sodium metasilicate nonahydrate and the like. Metal silicate salt; and the like. Examples of the metal silicate represented by the general formula 2 include metal silicates such as magnesium silicate, magnesium silicate hydrate, calcium silicate and calcium silicate hydrate. Examples of the metal silicate represented by the general formula 3 include metal silicates such as boron silicate, boron silicate hydrate, aluminum silicate, and aluminum silicate hydrate.
[0024]
In the present invention, the silicate compound (B) is preferably a mixture of the above-mentioned synthetic silica and a metal silicate. When the silicate compound (B) is a mixture of synthetic silica and a metal silicate, the heat resistance of the crosslinked product is further improved.
[0025]
The compounding amount of the silicate compound (B) is 2 to 250 parts by weight, preferably 3 to 200 parts by weight, more preferably 5 to 150 parts by weight, based on 100 parts by weight of the nitrile group-containing copolymer rubber (A). If the amount of the silicate compound (B) is too small, the heat resistance of the crosslinked product may not be sufficiently improved, and if it is too large, the processability of the composition may be poor.
[0026]
When the silicate compound (B) is a mixture of synthetic silica and a metal silicate, the content of the metal silicate is determined based on the amount of (M 1 ) 2 O or (M 2 ) in the metal silicate relative to the mixture. ) O or (M 3) 2 O 3 in terms of, preferably 0.1 to 80 wt%, more preferably 0.2 to 50% by weight, particularly preferably from 0.5 to 20 wt%.
[0027]
The quaternary ammonium salt (C) used in the present invention is a compound represented by the general formula: R 1 R 2 R 3 R 4 N + X − . R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may be the same or different and are each a saturated or unsaturated hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. Specifically, saturated aliphatic hydrocarbon groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, pentyl, hexyl, 2-ethylhexyl, heptyl, octyl, nonyl, decyl, undecyl, dodecyl, hexadecyl, and octadecyl; An aliphatic hydrocarbon group; an aromatic hydrocarbon group such as phenyl and benzyl; and the like. Examples of X − include anions such as Cl − , Br − , NO 3 − , OH − , and CH 3 COO − .
[0028]
The compounding amount of the quaternary ammonium salt (C) is 0.05 to 20 parts by weight, preferably 0.1 to 15 parts by weight, more preferably 0.1 to 100 parts by weight, based on 100 parts by weight of the nitrile group-containing copolymer rubber (A). It is 5 to 10 parts by weight. If the amount of the quaternary ammonium salt (C) is too small, the smoothness of the crosslinked product may not be sufficient, and if it is too large, the mechanical strength of the crosslinked product may decrease.
[0029]
The crosslinking agent (D) used in the present invention may be a crosslinking agent generally used as a crosslinking agent for synthetic rubber, and examples thereof include a sulfur-based crosslinking agent and an organic peroxide crosslinking agent.
Examples of the sulfur-based crosslinking agent include sulfur, a sulfur-donating compound, a thiuram-based compound, and a morpholine-based compound. When a sulfur-based crosslinking agent is used, zinc stearate, stearic acid, a thiuram-based crosslinking accelerator, a guanidine-based crosslinking accelerator, a sulfenamide-based crosslinking accelerator, a thiazole-based crosslinking accelerator, a dithiocarbamic acid-based crosslinking accelerator, etc. May be used in combination.
Examples of the organic peroxide crosslinking agent include dialkyl peroxide, diacyl peroxide, peroxyester, and the like, and dialkyl peroxide is preferred. Examples of the dialkyl peroxide include dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) -3-hexyne, and 2,5-dimethyl- Examples thereof include 2,5-di (t-butylperoxy) hexane and 1,3-bis (t-butylperoxyisopropyl) benzene. Examples of the diacyl peroxide include benzoyl peroxide and isobutyryl peroxide. Examples of the peroxyester include 2,5-dimethyl-2,5-bis (benzoylperoxy) hexane, t-butylperoxyisopropyl carbonate, and the like. When an organic peroxide cross-linking agent is used, it may be used in many cases such as triallyl cyanurate, triallyl isocyanurate, trimethylolpropane trimethacrylate, ethylene dimethacrylate, diallyl phthalate, tolylene bismaleimide, metaphenylene bismaleimide, divinylbenzene, A crosslinking accelerator such as a functional monomer or liquid vinyl polybutadiene may be used in combination.
In the present invention, among these crosslinking agents, it is preferable to use an organic peroxide crosslinking agent from the viewpoint of the heat resistance of the crosslinked product.
[0030]
The compounding amount of the crosslinking agent (D) is 0.05 to 20 parts by weight, preferably 0.1 to 15 parts by weight, more preferably 1 to 8 parts by weight, based on 100 parts by weight of the nitrile group-containing copolymer rubber (A). Department. If the amount of the crosslinking agent (D) is too small, the crosslinking density decreases and the compression set of the crosslinked product increases. Conversely, if the amount is too large, the rubber elasticity of the crosslinked product may be insufficient.
[0031]
The crosslinkable rubber composition of the present invention comprises a compounding agent generally used for rubber, for example, a reinforcing agent such as carbon black or short fiber; a plasticizer; a pigment; an antioxidant; a tackifier; A scorch inhibitor; and the like. Further, the crosslinkable rubber composition of the present invention may contain a rubber or resin other than the nitrile group-containing copolymer rubber (A) within a range that does not substantially impair the effects of the present invention.
[0032]
The method for preparing the crosslinkable rubber composition of the present invention is not particularly limited, and may be a general method for preparing a crosslinkable rubber composition. For example, an appropriate mixing method such as roll mixing, Banbury mixing, screw mixing, and solution mixing can be adopted. The order of blending is not particularly limited, but after sufficiently mixing components that are not easily reacted or decomposed by heat, a crosslinking agent or the like that is easily reacted or decomposed by heat may be mixed in a short time at a temperature at which no reaction or decomposition occurs. .
[0033]
The method for molding the crosslinkable rubber composition is not particularly limited. Any method such as compression molding, injection molding, transfer molding, or extrusion molding can be used. The crosslinking method may be selected according to the shape of the crosslinked product, and may be any of a method of performing molding and crosslinking at the same time or a method of performing crosslinking after molding.
[0034]
The crosslinked product of the present invention is obtained by crosslinking the above crosslinkable rubber composition. The method of crosslinking the crosslinkable rubber composition may be such that the rubber composition is heated to a predetermined temperature or higher. Generally, heating is performed after molding by the above method, or heating is performed simultaneously with molding.
[0035]
The crosslinking temperature is preferably from 100 to 200C, more preferably from 130 to 195C, particularly preferably from 140 to 190C. If the temperature is too low, the crosslinking time may be required for a long time or the crosslinking density may be low. If the temperature is too high, molding failure may occur. The crosslinking time varies depending on the crosslinking method, crosslinking temperature, shape, etc., but is preferably 1 minute to 4 hours from the viewpoint of crosslinking density and production efficiency.
[0036]
A heating method for crosslinking may be appropriately selected from methods used for rubber crosslinking such as press heating, steam heating, oven heating, and hot air heating.
[0037]
Depending on the shape and size of the crosslinked product, the inside may not be crosslinked even if the surface is crosslinked. In such a case, after crosslinking as described above, secondary crosslinking for maintaining a high temperature state may be performed.
[0038]
Since the crosslinked product of the present invention is excellent in heat resistance, mechanical properties and surface smoothness, it can be used for various applications. Its application is not particularly limited, for example, including industrial products such as seals, rubber belts, rubber rolls, rubber hoses and parts thereof, oil wells, packers used in oil wells, gas wells, etc. it can. Examples of the seal include movement seals for rotation, swinging, reciprocating movement, and the like, and fixing seals. Examples of the motion seal include an oil seal, a piston seal, and a mechanical seal, and examples of the fixing seal include an O-ring and various gaskets. Examples of the rubber belt include a flat belt, a V belt, a V-ribbed belt, a round belt, a square belt, and a toothed belt. Examples of rubber rolls include rolls that are parts of OA equipment such as printing equipment and copying equipment; rolls for fiber processing such as drawing rolls for spinning and draft rolls for spinning; and rolls for iron making such as bridle rolls, snubber rolls, and steering rolls. No. Examples of the rubber hose include a single tube rubber hose, a multilayer rubber hose, a braided reinforcing hose, and a cloth-wound reinforcing hose. The crosslinked product of the present invention is excellent in mechanical properties and has a small compression set, and therefore is particularly suitable for use in seals and rubber belts, and is most suitable as a sealant.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples and Comparative Examples. Parts and percentages are by weight unless otherwise indicated. In addition, the evaluation method is as follows.
[0040]
(1) Mooney viscosity The Mooney viscosity of the crosslinkable rubber composition was measured at 100 ° C according to JIS K6300.
[0041]
(2) Mechanical Properties The prepared crosslinkable rubber composition was crosslinked at 170 ° C. under a pressure of 10 MPa for 15 minutes to obtain a sheet having a thickness of 2 mm. This sheet was punched out using a No. 3 dumbbell to prepare a test piece. Using these test pieces, the tensile strength and elongation of the crosslinked product were measured according to JIS K6251 and the hardness of the crosslinked product was measured as mechanical properties using a type A durometer according to JIS K6253.
[0042]
(3) Heat resistance The same test piece as the one whose mechanical properties were measured was left to stand in a gear oven at 75 ° C. for 336 hours in accordance with JIS K6257 for heat aging, and then the tensile strength, elongation and hardness were measured. It measured as a mechanical characteristic and calculated the rate of change with respect to the value of each mechanical characteristic measured by said (2).
[0043]
(4) Surface smoothness The surface condition of the test piece after heat aging with (3) was visually observed, and the number of dents per 1 cm 2 of surface area that could be visually confirmed was measured. The evaluation criteria are as follows.
:: number of dents 0, Δ: number of dents 1 to less than 10, ×: number of dents 10 or more
Example 1
100 parts of nitrile group-containing copolymer rubber A (Zetpol 2000, manufactured by Zeon Corporation, hydrogenated acrylonitrile-butadiene copolymer rubber, acrylonitrile unit content 36%, iodine value 4, Mooney viscosity ML 1 + 4 , (100 ° C) 83), 40 parts of synthetic silica (wet process white carbon manufactured by Shionogi Pharmaceutical Co., Carplex # 1120), 5 parts of metal silicate (sodium metasilicate pentahydrate (Na 2 O, SiO 2 , 5H 2 O) manufactured by Nippon Chemical Industry) ( 3.2% in terms of Na 2 O based on the total amount of the synthetic silica and the metal silicate, 3 parts of octadecyltrimethyl bromide (quaternary ammonium salt, [Zeonet-BF] manufactured by Zeon Corporation), and vinyl tris (β- 1 part of methoxyethoxysilane (manufactured by Nippon Unicar, silane A-172), tri- (2-ethylhexyl) tri 5 parts of Melitate (made by Asahi Denka, Adekasizer C-8), 2 parts of zinc oxide (manufactured by Sakai Chemical Industry, zinc flower No. 1), 2 parts of magnesium oxide (manufactured by Kyowa Chemical Industry, Kyowa Mag 150), diphenylamine antioxidant After kneading 1 part (Nowgard 445, manufactured by Uniroyal) and 0.5 part of a benzimidazole antioxidant (Nocrack MBZ, manufactured by Ouchi Shinko Chemical Co., Ltd.) at 50 ° C. in a Banbury, 1,3-bis (t) -Butyl peroxyisopropyl) benzene (organic peroxide) (4 parts) and triallyl isocyanurate (TAIC) (3 parts) were added and kneaded at 40 ° C. with an open roll to prepare a crosslinkable rubber composition.
[0045]
This crosslinkable rubber composition was crosslinked under the above conditions to obtain a crosslinked product. The tensile strength, elongation, heat resistance and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0046]
Example 2
A crosslinkable rubber composition was produced in the same manner as in Example 1 except that the synthetic silica was changed to 40 parts of carbon black (classification according to ASTM D1765; N550), and crosslinked to obtain a crosslinked product. The tensile strength, elongation and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0047]
Example 3
A crosslinkable rubber composition was produced in the same manner as in Example 1 except that the metal silicate was not blended, and crosslinked to obtain a crosslinked product. The tensile strength, elongation and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0048]
Comparative Example 1
A crosslinkable rubber composition was produced and crosslinked in the same manner as in Example 1, except that the amount of the quaternary ammonium salt was changed to 25 parts. The tensile strength, elongation and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0049]
Comparative Example 2
A crosslinkable rubber composition was produced in the same manner as in Example 1 except that the quaternary ammonium salt was not blended, and crosslinked to give a crosslinked product. The tensile strength, elongation and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0050]
Comparative Example 3
A crosslinkable rubber composition was produced in the same manner as in Example 1 except that the synthetic silica and the metal silicate were not blended, and were crosslinked to obtain a crosslinked product. The tensile strength, elongation and surface smoothness of the crosslinked product were evaluated. Table 1 shows the results.
[0051]
[Table 1]
[0052]
As is evident from Table 1, the crosslinked rubber composition containing a large amount of the quaternary ammonium salt (Comparative Example 1) is inferior in mechanical strength and is not crosslinked with the quaternary ammonium salt. The crosslinked product of Comparative Example 2 (Comparative Example 2) has a large decrease in mechanical properties after thermal aging, has poor surface smoothness, and the crosslinked product of a crosslinkable rubber composition containing no silicate compound (Comparative Example 3) has The decrease in mechanical properties was significant.
On the other hand, a crosslinked product obtained by crosslinking the crosslinkable rubber composition of the present invention has excellent tensile strength, elongation, heat resistance and surface smoothness in a well-balanced manner.
[0053]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is provided a crosslinkable rubber composition which is excellent in mechanical properties, heat resistance and surface smoothness and gives a crosslinked product suitable for rubber parts such as sealing materials.
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