JP2004075667A - プロピオン酸エステル誘導体、該誘導体を含有する液晶組成物及び該液晶組成物を含有する液晶表示素子 - Google Patents

プロピオン酸エステル誘導体、該誘導体を含有する液晶組成物及び該液晶組成物を含有する液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】小さい粘度、絶対値の大きな負の誘電率異方性、適切な光学異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する化合物、これを含有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子を提供する
【解決手段】下記の式(1)で表される化合物、この化合物を含有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子。
Figure 2004075667

式(1)において、RaおよびRbは、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシなどであり、環A、環A、環A、環A、環Aおよび環Aは独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、または2,6−ナフチレンなどであり、Z、Z2、ZおよびZ11は独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンなどであり、l、m、nおよびpは独立して、0または1であり、l+m+n+pは0、1または2である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶性化合物およびこの化合物を含有する液晶組成物に関する。さらに詳しくは−(CHCOO−基を結合基に有する新規なプロピオン酸エステル誘導体、これを含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物、およびこの組成物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
液晶性化合物の用語は、液晶相を有する化合物および液晶相を有さないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称として用いる。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と表記することがある。式(1)〜式(12)で表わされる化合物をそれぞれ化合物(1)〜化合物(12)と表記することがある。式(1)〜式(12)において、六角形で囲んだA〜A、B、D、Eなどの構造単位は、環A〜環A、環B、環D、環Eなどを示す。
【0003】
【従来の技術】
液晶表示素子は、表示方式に基づいてTN(Twisted nematic)、TN−TFT(Twisted nematic−Thin film transistor)、BTN(Bistable twisted nematic)、STN(Super twisted nematic)、IPS(In−plane switching)、GH(Guest host)、DS(Dynamic scattering)、VA(Vertical alignment)、OCB(Optically compensated bend)、ECB(Electrically controlled birefringence)、PC(Phase change)などのモードに分類される。
【0004】
素子に必要な液晶組成物における物性は、これらのモードによって異なる。何れのモ−ドにおいても共通の性質として以下の特性が組成物に必要である。
1)水分、空気、熱、光等の外的環境因子に対して安定であること。
2)室温を含む広い温度範囲で液晶相を有すること。
3)粘度が小さい。
4)最適な光学異方性(Δn)を有する。
5)最適な誘電率異方性(Δε)を有する。
6)表示素子を駆動させた場合に駆動電圧が低い。
【0005】
組成物の成分である化合物は良好な相溶性を有することが必要である。最近では素子を低温で使用するので、化合物は低温においても特に良好な相溶性を有することが望ましい。化合物が固体として析出すると素子が機能しなくなるからである。
【0006】
液晶表示素子の最大の問題点は狭い視野角である。この問題を改善するモ−ドはIPS(In−plane switching)モード、VA(Vertical alignment)モード、OCB(Optically compensated bend)モードなどである。これらのモードのうち、VAモードやIPSモードは視野角が広く、応答時間が短く、そしてコントラストが高い。これらのモ−ドで素子に使用される液晶組成物の特徴は比較的小さな光学異方性、そして負の誘電率異方性である。駆動電圧を低くするには誘電率異方性が負に大きい方がよい(M.F.Leslie, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1970,
12,57)。
【0007】
負の誘電率異方性を有する化合物として、例えば下記の化合物(14)(例えば、非特許文献1参照。)や化合物(15)(例えば、特許文献1参照。)が報告されている。
Figure 2004075667
(式中、RおよびR′はアルキルである。)
【0008】
従来の化合物は、次の文献に開示されている。
【特許文献1】
特開昭59−10557号公報
【特許文献2】
特開昭59−76027号公報
【特許文献3】
特表昭63−502988号公報
【特許文献4】
特開2003−2858号公報
【非特許文献1】
V. Reiffenrath et al., Liq. Cryst., 1989,5(1), 159
【非特許文献2】
J. Amer. Chem. Soc. 1973,95(2), 443−448
【0009】
しかしながら、化合物(14)は負の誘電率異方性を有するが、光学異方性が大きい。化合物(15)は大きな負の誘電率異方性を有するが、相溶性が劣り、化学的および物理的安定性に欠ける。従って、大きな負の誘電率異方性を有し、そして適切な光学異方性を有する液晶性化合物が待望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、熱、光などに対する安定性、高い透明点、液晶相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、負に大きな誘電率異方性、他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する化合物を提供することである。第二の目的は、これらの化合物の少なくとも一つを含有し、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧を有する液晶組成物を提供することである。第三の目的は、この組成物を含有し、そして使用できる広い温度範囲、短い応答時間、大きなコントラスト比、低い駆動電圧を有する液晶表示素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の構成は下記の第1項〜第49項で示される。
【0012】
1. 式(1)で表される化合物。
Figure 2004075667
式(1)において、RaおよびRbは、独立して、水素、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、そしてアルキルの任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そしてRaおよびRbは同時に水素であることはない。
【0013】
「アルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−などで置き換えられてもよい」との語句の意味を例で示す。アルキルがC−の場合、任意の−CH−を−O−または−CH=CH−で置き換えた基の一部は、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−O−である。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、CH−O−CH−O−の方が好ましい。
【0014】
好ましいRaおよびRbは、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキルシリル、またはアルキルシリルアルキルである。少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。特に好ましいハロゲンはフッ素である。これらの基は分岐よりも直鎖の方が好ましい。これらの基の好ましい炭素数は1〜8である。−CH=CH−の立体配置はシスよりもトランスが好ましい。特に好ましいRaおよびRbは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数2〜6のアルコキシ、炭素数2〜7のアルケニル、炭素数2〜6のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたこれらの基である。n−プロピルは直鎖のプロピルである。プロピルは直鎖および分岐のプロピルを意味する。
【0015】
環A、環A、環A、環A、環A、および環Aは、独立して、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、または2,6−ナフチレンであり、これらの環において任意の水素は、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CH=CH−、−CO−、または−SiH−で 置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよい。
【0016】
好ましい環A〜環Aは、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−2,5−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンと1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
【0017】
より好ましい環A〜環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、または3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレンである。さらに好ましい環A〜環Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。
【0018】
環A、環A、環A、環A、環A、および環Aの少なくとも一つは、式(13)で表される環であり;
Figure 2004075667
式(13)において、L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてL11およびL12の少なくとも1つは水素ではない。
【0019】
式(13)で表される環の好ましい例は、環(13−1)〜(13−20)である。
Figure 2004075667
式(13)で表される環において、より好ましい環は、環(13−1)、(13−2)、(13−3)、(13−4)、(13−5)、(13−6)、または(13−7)、(13−8)、(13−9)、(13−10)、または(13−11)である。さらに好ましい環は、環(13−2)、(13−4)、(13−6)、(13−8)、(13−9)、(13−10)、または(13−11)である。最も好ましい環は、環(13−2)である。
【0020】
、Z、ZおよびZ11は、独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい
【0021】
好ましいZ、Z、ZおよびZ11は、単結合、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHSiH−、−SiHCH−、−COO−、−OCO−、−CHCO−、−COCH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−(CHCFO−、または−OCF(CH−である。−CH=CH−および−CF=CF−の立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
【0022】
より好ましいZ、Z、ZおよびZ11は、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−C≡C−、または−(CH−である。さらに好ましいZ、Z、ZおよびZ11は、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、または−OCO−である。最も好ましいZ、Z、ZおよびZ11は、単結合または−(CHである。
【0023】
l、m、nおよびpは独立して0または1である。l、m、n、およびpの和が0である化合物は2環を有する。l、m、n、およびpの和が1である化合物は3環を有する。l、m、n、およびpの和が2である化合物は4環を有する。化合物の特性に大きな差異がないので、化合物(1)がH(重水素)、13Cなどの同位体で構成されてもよい。
【0024】
この第1項においては、該l、m、n、およびpの和が1または2であり、かつ環A、環A、環A、環A、環Aおよび環Aが、独立して、1,4−フェニレンまたは前記の式(13)で表される環であるときは、RaおよびRbを構成する炭素数、酸素数、硫黄数、およびケイ素数の和は13未満であり;Raがn−プロピル、Rbがエトキシ、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、Aが2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン(式(13)においてL11およびL12がフッ素である環)、Zが単結合であり、lが1であり、m、nおよびpが0である化合物は除く。
【0025】
2.環Aが前記第1項に記載の式(13)で表される基である前記第1項に記載の化合物。
3.環Aが1,4−シクロヘキシレンであり、そして環Aが前記第1項に記載の式(13)で表される基である前記第1項に記載の化合物。
4.環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが前記第1項に記載の式(13)で表される基、l、m、nおよびpが0である前記第1項に記載の化合物。
5.環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが前記第1項に記載の式(13)で表される基、lが1で、かつm、nおよびpが0である前記第1項に記載の化合物。
【0026】
6.下記の式(a)、(c)〜(m)で表されるいずれか1つの化合物。
Figure 2004075667
式(a)、(c)〜(m)において、RaおよびRbは、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環A、環A、環A、環A、および環Aは、独立して、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−2,5−ジイルであり、そして環A、環A、環A、環A、および環Aの少なくとも一つは、1,4−シクロヘキシレンであり;L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてL11およびL12の少なくとも1つは水素ではなく;Z、Z、Z、およびZ11は、独立して、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−C≡C−、または−(CH−である。
【0027】
7.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、RaおよびRbが、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシである前記第6項に記載の化合物。
【0028】
8.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、環A、環A、環A、環A、および環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、または3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレンである前記第6項または第7項に記載の化合物。
9.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、環A、環A、環A、環A、および環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである前記第6項または第7項に記載の化合物。
【0029】
10.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12の一方が水素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである前記第6〜9項のいずれか1項に記載の化合物。
11.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12が、独立して、フッ素、−CF、−CHF、または−CHF、である前記第6〜9項のいずれか1項に記載の化合物。
12.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12の一方がフッ素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである前記第6〜9項のいずれか1項に記載の化合物。
13.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12がフッ素である前記第6〜9項のいずれか1項に記載の化合物。
【0030】
14.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、Z、Z、Z、およびZ11が、独立して、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、または−OCO−である前記第6〜13項のいずれか1項に記載の化合物。
15.前記第6項に記載の式(a)、(c)〜(m)において、Z、Z、Z、およびZ11が、独立して、単結合または−(CH−である前記第6〜13項のいずれか1項に記載の化合物。
【0031】
16.下記の式(b)で表される化合物。
Figure 2004075667
式(b)において、RaおよびRbは、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Aおよび環Aは、独立して、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−2,5−ジイルであり、そして環Aおよび環Aの少なくとも一つは、1,4−シクロヘキシレンであり;L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである。ただし、式(b)において、Raがn−プロピル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはエトキシではない。
【0032】
17.前記第16項に記載の式(b)において、Raがn−プロピル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない前記第16項に記載の化合物。
18.前記第16項に記載の式(b)において、Raがアルキル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはエトキシではない前記第16項に記載の化合物。
19.前記第16項に記載の式(b)において、Raがアルキル、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない前記第16項に記載の化合物。
20.前記第16項に記載の式(b)において、Raがアルキル、環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが1,4−フェニレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない前記第16項に記載の化合物。
【0033】
21.前記第16項に記載の式(b)において、Rbがエトキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはn−プロピルではない前記第16項に記載の化合物。
22.前記第16項に記載の式(b)において、Rbがエトキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない前記第16項に記載の化合物。
23.前記第16項に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはn−プロピルではない前記第16項に記載の化合物。
24.前記第16項に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない前記第16項に記載の化合物。
25.前記第16項に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが1,4−フェニレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない前記第16項に記載の化合物。
【0034】
26.前記第16項に記載の式(b)において、L11およびL12が同時にフッ素ではない前記第16〜25項のいずれか1項に記載の化合物。
【0035】
27.前記第16項に記載の式(b)において、RaおよびRbが、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシである前記第16〜26項のいずれか1項に記載の化合物。
【0036】
28.前記第16項に記載の式(b)において、環Aおよび環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、または3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレンである前記第16〜27項のいずれか1項に記載の化合物。
29.前記第16項に記載の式(b)において、環Aおよび環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである前記第16〜27項のいずれか1項に記載の化合物。
【0037】
30.前記第16項に記載の式(b)において、L11およびL12の一方が水素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである前記第16〜29項のいずれか1項に記載の化合物。
31.前記第16項に記載の式(b)において、L11およびL12が、独立して、フッ素、−CF、−CHF、または−CHF、である前記第16〜29項のいずれか1項に記載の化合物。
32.前記第16項に記載の式(b)において、L11およびL12の一方がフッ素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである前記第16〜29項のいずれか1項に記載の化合物。
33.前記第16項に記載の式(b)において、L11およびL12がフッ素である前記第16〜25項および第27〜29項のいずれか1項に記載の化合物。
【0038】
34.下記の式(a−1)〜(b−2)で表されるいずれか1つの化合物。
Figure 2004075667
式(a−1)〜(b−2)において、Raは炭素数1〜10のアルキルであり、Rbはメトキシ、プロポキシまたはブトキシである。
【0039】
35.前記第34項に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raがエチル、ブチルまたはペンチルであり、Rbが炭素数1〜9のアルコキシである前記第34項に記載の化合物。
36.前記第34項に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raがエチル、ブチルまたはペンチルであり、Rbがメトキシ、プロポキシまたはブトキシである前記第34項に記載の化合物。
37.前記第34項に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raが炭素数2〜11のアルケニルであり、Rbが炭素数1〜9のアルコキシである前記第34項に記載の化合物。
38.前記第34項に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raが炭素数2〜11のアルケニルであり、Rbがメトキシ、プロポキシまたはブトキシである前記第34項に記載の化合物。
【0040】
39.前記第1〜38項のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物および下記式(52)で表される液晶性化合物からなる化合物群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
Figure 2004075667
40.前記第1〜38項のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
41.下記式(52)で表される液晶性化合物を含有する液晶組成物。
Figure 2004075667
【0041】
42.下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第39〜41項のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2004075667
式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
【0042】
43.下記の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第39〜41項のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2004075667
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
【0043】
44.下記の式(7)、(8)、(9)、(53)および(54)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第39〜41項のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2004075667
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、またはRはフッ素であってもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも1つはフッ素である。
【0044】
45.下記の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第42項に記載の液晶組成物。
Figure 2004075667
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
【0045】
46.前記第45項に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第43項に記載の液晶組成物。
47.前記第45項に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する前記第44項に記載の液晶組成物。
48.少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する前記第39〜47項のいずれか1項に記載の液晶組成物。
49.前記第39〜48項のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
【0046】
化合物(2)〜化合物(12)、化合物(53)および化合物(54)において好ましい基は次のとおりである。アルキルは分岐のアルキルよりも直鎖のアルキル方が好ましい。1,4−シクロヘキシレンと1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。化合物の特性に大きな差異がないので、これらの化合物がH(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。なお、「アルキルにおいて任意の−CH−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよい」の文言の意味は、本発明の構成の第1項において述べたのと同一の意味を表す。R、環Bなどの記号を複数の化合物において用いたが、これらのR(または環B)は同一であってもよいし、異なってもよい。
【0047】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の化合物(1)をさらに説明する。化合物(1)は負の誘電率異方性を有する2環、3環および4環のプロピオン酸エステル誘導体である。この化合物は、素子が使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定である。この化合物は、粘度が小さい、負の誘電率異方性が大きい、光学異方性の値が適切である、他の液晶性化合物との相溶性がよい、などといった特徴を有する。例えば、下記の化合物(A)(特開2003−2858号公報)の誘電率異方性の絶対値は、対応する下記2,3−ジフルオロフェニル誘導体(14a)(V. Reiffenrath et al., Liq. Cryst., 1989,5(1), 159)のそれに比較して大きい。化合物(A)はVAモードやIPSモード等に要求される比較的小さな光学異方性を有する。
Figure 2004075667
【0048】
化合物(1)の末端基、環および結合基を適当に選ぶことによって、物性値を任意に調整することが可能である。末端基Ra、Rb、環A〜A、結合基Z〜ZおよびZ11の種類が、化合物(1)の特性に与える効果を説明する。化合物(1)を組成物に添加すると、この特性が組成物のそれに反映される。
【0049】
化合物(1)のRaまたはRbが直鎖アルキルのときは液晶相の温度範囲が広く、粘度が小さい。RaまたはRbが光学活性なアルキルのときはキラルドーパントとして使える。これらの基において任意の−CH−が、−O−、−S−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられたとき、または任意の水素がハロゲンで置き換えられたときも、得られる化合物は同様の特性を有する。
【0050】
環A、環A、環A、環A、環A、または環Aが1,4−シクロヘキシレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルのときは光学異方性が小さく、粘度が小さい。環がデカヒドロ−2,6−ナフチレンのときは光学異方性が小さく、相溶性が良好である。環が1,4−フェニレンまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレンのときは光学異方性が大きく、粘度が小さい。環が2,6−ナフチレンのときは光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広い。
【0051】
結合基Z、Z、Z、またはZ11が単結合、−CH=CH−または−CF=CF−のときは液晶相の温度範囲が広く、粘度が小さい。結合基が−(CH−または−(CH−のときは相溶性が良好である。結合基が−C≡C−のときは透明点が高く、粘度が小さく、そして光学異方性が大きい。結合基が−COO−または−CFO−のときは、誘電率異方性が特に負に大きい。
【0052】
化合物(1)が2環の化合物のときは誘電率異方性が負に大きく、粘度が小さい。3環の化合物のときは透明点が高く、4環の化合物のときは透明点が特に高い。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。
【0053】
化合物(1)の好ましい例は以下の化合物(1a)〜(1f)である。
Figure 2004075667
【0054】
具体的な例は、以下の化合物(1a−1)〜(1f−7)である。
Figure 2004075667
【0055】
Figure 2004075667
【0056】
Figure 2004075667
【0057】
Figure 2004075667
【0058】
Figure 2004075667
【0059】
Figure 2004075667
式中、Ra、Rb、L11およびL12は、前記本発明の構成の第1項と同一の意味を表す。式(1b−1)においてRaがn−プロピル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはエトキシではない。好ましいRaおよびRbは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数2〜6のアルコキシ、炭素数2〜7のアルケニル、炭素数2〜6のアルケニルオキシ、および少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基である。好ましいL11およびL12は、フッ素、−CF、−CHF、および−CHFである。
【0060】
化合物(1)は通常の有機合成化学の手法を組み合わせることにより合成できる。化合物(1)に目的とする末端基、環および結合基を導入する方法は、オーガニック・シンセシス(Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
【0061】
化合物(1)は、例えばカルボン酸誘導体とフェノール誘導体から以下のような方法で合成することができる。
Figure 2004075667
【0062】
カルボン酸誘導体(16)において、Qは本発明の式(1)における部分構造であり、Ra、環A、環A、環A、Z、Z、l、およびmは前記本発明の構成の第1項と同一の意味を表す。この誘導体(16)をトルエン、ベンゼン等の溶媒中もしくは無溶媒中、塩化チオニル等のハロゲン化試薬により酸ハロゲン化物(17)に変換する。フェノール誘導体(18)において、Qは本発明の式(1)の部分構造であり、Rb、環A、環A、Z、Z11、L11、L12、nおよびpは前記本発明の構成の第1項と同一の意味を表す。この誘導体(18)をトルエン、ベンゼン等の溶媒中、酸ハロゲン化物(17)と反応させることにより化合物(1a)を得る。この一連の反応は、室温〜溶媒の沸点までの間で行い、さらにはピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、テトラメチル尿素等の塩基の存在下で行うのが好ましい。(E. J. Corey et al., Journal of Organic Chemistry, 1973, 38, 3223、C.Raha. Organic Synthesis, IV, 1963, 263、B. Iselinら, Helvetica Chemica Acta, 1957, 40, 373、M. S. Newmanら, Tetrahedron Letters, 1967, 3267)。
【0063】
化合物(1a)は脱水剤を用いたエステル化によっても合成できる。例えばジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒中、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略する。)、および4−ジメチルアミノピリジン(以下DMAPと略する。)の存在下、カルボン酸誘導体(16)とフェノール誘導体(18)を反応させることにより、化合物(1a)を得ることができる(B. Neisesら, Organic Synthesis, 1985, 63, 183)。フェノール誘導体の代わりにシクロヘキサノ−ル誘導体を用いた場合には、化合物(1b)が得られる。
Figure 2004075667
【0064】
出発物質であるカルボン酸誘導体(16)は、例えば次のような方法により合成することができる。カリウムt−ブトキシド等の塩基を化合物(20)(Xはハロゲンである。)に作用させて得られるリンイリドをケトン(19)と反応させ、生成するオレフィン(21)をパラジウムカーボン(Pd−C)等の触媒存在下、接触水素化する。トランス体とともにシス体が生成する場合にはシス体を分離する。公知の方法によりシス体をトランス体に異性化してもよい。得られたトランス体をさらに酸性条件下で脱保護することにより3炭素増炭したアルデヒド(22)が得られる。これをジョーンズ試薬等の酸化剤で酸化することによりカルボン酸誘導体(16a)を得る。一方、化合物(24)(Xはハロゲンである。)から得られるリンイリドをアルデヒド(23)と反応させ、生成するオレフィン(25)を化合物(21)と同様に接触水素化、脱保護を行って2炭素増炭したアルデヒド(26)を得る。さらにこれを酸化剤で酸化することによりカルボン酸誘導体(16b)に導く。ケトン(19)およびアルデヒド(23)は、有機合成化学の標準的方法に従って合成する。
【0065】
Figure 2004075667
【0066】
出発原料であるフェノール誘導体(18)は、例えば、以下のような方法により合成する。化合物(27)にn−ブチルリチウム(n−BuLi)を作用させて得られるリチオ化物を臭素等により臭素化物(28)に変換する。次いで、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(以下Pd(dppf)と略する。)、または[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(以下Pd(dppe)と略する。)等の触媒存在下、Q−X(Xはハロゲンである。)と金属マグネシウムから調製したグリニャール試薬を作用させて化合物(29)を得る。次に化合物(29)に再びn−BuLiを作用させてリチオ化物とした後、ホウ酸トリメチル等を反応させてボロン酸エステル誘導体を得、さらに過酸化水素等の過酸化物で酸化することによりフェノール誘導体(18a)へと導く。
【0067】
また、化合物(27)からボロン酸エステル誘導体を経由してフェノール(30)に変換した後、公知の方法によりQ−X(Xはハロゲンである。)と反応させてエーテル(31)を得る。これを再びボロン酸エステル誘導体に変換した後に酸化してアルコキシ基を有するフェノール誘導体(18b)を得ることもできる。これらの方法により、例えばL11=F、L12=F、L11=CF、L12=Fのフェノール誘導体を合成することができる。また、化合物(33)(Pは保護基である。プロテクティブグループスインオーガニックシンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc)などを参照のこと。)にPd(dppf)、Pd(dppe)等の触媒存在下、グリニャール試薬を作用させて化合物(34)を得た後に、脱保護し、次いで塩酸および亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾニウム塩に変換後、加水分解してフェノール誘導体(18c)を得ることができる。この方法により、例えばL11=OCF、L12=H、L11=H、L12=CFのフェノール誘導体を合成することができる。
【0068】
さらに、化合物(36)(Pは保護基である。)にsec−BuLiを作用させることにより、リチオ化物を得、次いでN,N−ジメチルホルムアミド等を反応させてアルデヒド(37)とする。このものをジエチルアミノサルファートリフルオリド(以下DASTと略する)等のフッ素化剤でフッ素化し、最後に脱保護してフェノール誘導体(18d)を得ることができる。この方法により、例えばL11=CHF、L12=Fのフェノール誘導体を合成することができる。
【0069】
また、アルデヒド(37)を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で還元してアルコール(38)に変換した後に、DAST等のフッ素化剤でフッ素化し、最後に脱保護することによりフェノール誘導体(18e)を得ることができる。この方法により、例えばL11=CHF、L12=Fのフェノール誘導体を合成することができる。その他のフェノール誘導体についても、公知の方法および有機合成化学の標準的な方法に従って合成することができる。
【0070】
次に結合基Z、Z、Z、またはZ11の生成方法の例を項(I)〜項(IX)で述べる。その前に生成方法のスキームを示す。このスキームにおいて、MSGおよびMSGは有機化学基である。これらのうちの一つは式(13)で表される基を含む有機化学基である。化合物(1−1)〜(1−9)が化合物(1)に相当する。
【0071】
Figure 2004075667
Figure 2004075667
【0072】
Figure 2004075667
【0073】
(I)単結合の生成
アリールホウ酸誘導体(39)と公知の方法で合成される(40)とを、炭酸塩水溶液と触媒、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)の存在下で反応させることにより、化合物(1−1)を合成する。この化合物(1−1)は、公知の方法で合成される化合物(41)にn−ブチルリチウム(n−BuLi)を作用させ、塩化亜鉛、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(PdCl(PPh)のような触媒、および化合物(40)を順次作用させることにより合成することもできる。
【0074】
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(41)にn−ブチルリチウムを作用させてリチオ化物に誘導した後、二酸化炭素を作用させてカルボン酸(42)を得る。これと、公知の方法で合成されるアルコール(43)またはフェノール(43)とを脱水縮合させて−COO−を有する化合物(1−2)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成することができる。
【0075】
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1−2)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(44)に誘導する。この化合物をフッ化水素ピリジン錯体(M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827)またはジエチルアミノサルファトリフルオリド(WilliamH. Bunnelle et al., J. Org. Chem., 1990, 55, 768)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1−3)を合成する。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成することができる。
【0076】
(IV)−CH=CH−の生成
公知の方法で合成される化合物(45)にカリウムt−ブトキシド(t−BuOK)のような塩基を作用させてリンイリドを発生させる。一方、化合物(41)にn−ブチルリチウムを作用させてリチオ化物へ誘導した後、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドを作用させてアルデヒド(46)を得る。これをリンイリドに反応させて化合物(1−4)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、公知の方法によりトランス体に異性化する。
【0077】
(V)−(CH−の生成
化合物(1−4)を触媒、例えばパラジウムカーボン(Pd−C)の存在下、接触水素化することにより、化合物(1−5)を合成する。
【0078】
(VI)−(CH−の生成
化合物(45)の代わりに化合物(47)を用い、方法(IV)に従って−CH=CH−を生成させ、さらに接触水素化して化合物(1−6)を合成する。
【0079】
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(41)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを作用させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(48)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(48)を化合物(40)と反応させることにより化合物(1−7)を合成する。
【0080】
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(41)にn−ブチルリチウムを作用させてリチオ化物へ誘導した後、テトラフルオロエチレンを作用させて化合物(49)を得る。化合物(40)にn−ブチルリチウムを作用させて誘導されるリチオ化物と化合物(49)とを反応させることにより、化合物(1−8)を合成する。
【0081】
(IX)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(46)に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)などの還元剤を作用させて化合物(50)を得る。これを臭化水素酸などのハロゲン化剤で化合物(51)に誘導する。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(51)を化合物(43)と反応させて化合物(1−9)を合成する。
【0082】
次に、本発明の組成物についてさらに説明する。本発明の組成物は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧を有する、などといった特徴を有する。以下で述べる化合物の使用量(百分率)は組成物の全重量に基づいた重量%である。本発明の組成物は、化合物(1)および化合物(52)からなる化合物群から選択される複数の化合物のみを成分として含有してもよい。好ましい組成物は化合物(1)および化合物(52)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物を1〜99%の割合で含有する。この組成物は、成分として化合物(7)、(8)、(9)、(53)、および(54)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物を含有してもよい。化合物(1)および化合物(52)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する本発明の組成物は、しきい値電圧やその周波数または温度依存性、液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性、または粘度などを調整する目的で、成分として化合物(2)、(3)および(4)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、化合物(5)および(6)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、または化合物(10)、(11)および(12)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有させてもよい。得られる組成物の物性を調整する目的で、その他の化合物を含有させてもよい。
【0083】
また反対に、成分として化合物(2)、(3)および(4)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、化合物(5)および(6)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、または化合物(10)、(11)および(12)からなる化合物群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する組成物の、しきい値電圧やその周波数または温度依存性、液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性、または粘度などを調整する目的で、化合物(1)および化合物(52)からなる化合物群から選択される化合物を成分として1〜99%の割合で添加してもよい。
【0084】
化合物(2)、(3)および(4)は、誘電率異方性が正の値を有し、熱的安定および化学的安定性に優れているので、主としてTN−TFTモード用の組成物に用いられる。この組成物において、これらの化合物の使用量は1〜99%である。好ましくは5〜97%、より好ましくは10〜95%である。液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性、粘度、またはしきい値電圧を調整する目的で、化合物(10)、(11)または(12)を該組成物にさらに添加してもよい。
【0085】
化合物(5)および(6)は、誘電率異方性が正で非常に大きいので、主としてSTNおよびTNモード用の組成物に用いられる。これらの化合物は組成物の液晶相の温度範囲を広げる、光学異方性と粘度を調整する、しきい値電圧を下げる、しきい値電圧の急峻性を改良する、などの目的に使用される。STNまたはTNモード用の組成物において、化合物(5)または(6)の使用量は1〜99%の範囲である。好ましくは5〜97%、より好ましくは10〜95%である。液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性、粘度、またはしきい値電圧を調整する目的で化合物(10)、(11)または(12)をさらに添加してもよい。
【0086】
化合物(7)、(8)、(9)、(53)、および(54)は誘電率異方性が負であるので、主としてVAモード用の組成物に使用される。化合物(7)は粘度、光学異方性、およびしきい値電圧を調整する目的で使用される。化合物(8)は透明点を高くする、光学異方性を大きくする、しきい値電圧を下げるなどの目的に使用される。これらの化合物の使用量を増加させると得られる組成物のしきい電圧が小さくなるが、粘度が大きくなる。従って、しきい値電圧の要求値を満足するかぎり、少ない使用量が好ましい。これらの化合物の誘電率異方性は負であり、かつその絶対値は小さいので、好ましい量は30%以上である。より好ましい量は40〜90%である。液晶相の温度範囲、光学異方性、誘電率異方性、粘度、またはしきい値電圧を調整する目的で化合物(10)、(11)または(12)をさらに含有させてもよい。弾性定数と電圧透過率曲線を調整する目的で、化合物(7)、(8)、(9)、(53)および(54)から選択された化合物を誘電率異方性の値が正である組成物に添加してもよい。このときの使用量は30%以下が好ましい。
【0087】
化合物(10)、(11)および(12)の誘電率異方性の絶対値は小さい。化合物(10)は主として粘度または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(11)および(12)は透明点を上げて液晶相の温度範囲を広げる、または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(10)、(11)および(12)の量を増加させると組成物のしきい値電圧が高くなり、粘度が小さくなる。従って、組成物のしきい値電圧の要求値を満足するかぎり多量に使用してもよい。TN−TFTモード用の組成物において、これらの化合物の好ましい量は40%以下、より好ましい量は35%以下である。STNまたはTNモード用の組成物において、これらの好ましい量は70%以下、より好ましい量は60%以下である。
【0088】
好ましい化合物(2)〜(12)、化合物(53)および化合物(54)としては、以下に示す、化合物(2−1)〜(2−9)、化合物(3−1)〜(3−97)、化合物(4−1)〜(4−33)、化合物(5−1)〜(5−56)、化合物(6−1)〜(6−3)、化合物(7−1)〜(7−4)、化合物(8−1)〜(8−6)、化合物(9−1)〜(9−4)、化合物(10−1)〜(10−11)、化合物(11−1)〜(11−21)、化合物(12−1)〜(12−6)、化合物(53−1)、および化合物(54−1)である。これらの化合物において、R、R、R、R、R、R、R、X、およびXは、本発明の構成に記載したそれらと同一の意味を表す。
【0089】
Figure 2004075667
【0090】
Figure 2004075667
【0091】
Figure 2004075667
【0092】
Figure 2004075667
【0093】
Figure 2004075667
【0094】
Figure 2004075667
【0095】
Figure 2004075667
【0096】
Figure 2004075667
【0097】
Figure 2004075667
【0098】
Figure 2004075667
【0099】
Figure 2004075667
【0100】
Figure 2004075667
【0101】
Figure 2004075667
【0102】
Figure 2004075667
【0103】
Figure 2004075667
【0104】
Figure 2004075667
【0105】
本発明の組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。組成物に適当な添加物を加えて得られる組成物の特性を調整してもよい。このような添加物は当業者によく知られている。液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える目的でキラルドーパントなどが添加される。キラルドーパントの例は上に示した光学活性化合物(Op−1)〜(Op−12)である。
【0106】
キラルドーパントを組成物に添加してねじれのピッチを調整する。ねじれのピッチはTFTおよびTNモード用には40〜200μmの範囲である。STNモード用の好ましいピッチは6〜20μmの範囲である。BTN(Bistable TN)モード用の好ましいピッチは1.5〜4μmの範囲である。PCモ−ド用の組成物にはキラルド−パントを比較的多量に添加する。ピッチの温度依存性を調整する目的で少なくとも2つのキラルドーパントを添加してもよい。
【0107】
メロシアニン、スチリル、アゾ、アゾメチン、アゾキシ、キノフタロン、アントラキノン、およびテトラジンなどの化合物の二色性色素を添加することによってGHモード用の組成物を調製してもよい。
【0108】
本発明の組成物は、ネマチック液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAPや、液晶中に三次元網目状高分子を形成させたポリマー分散型液晶表示素子(PDLCD)、例えばポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)に使用できる。さらには、複屈折制御(ECB)モード用やDSモード用にも使用できる。
【0109】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。化合物の相転移温度において、C、S、NおよびIは、それぞれ、結晶、スメクチックA相、ネマチック相および等方性液体相を表す。温度の単位は℃である。例えば、「C 100.0 N」の表示は、結晶からネマチック相への相転移温度が100.0℃であることを表す。相転移温度はDSCおよび偏光顕微鏡を用いて観察した。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルなどのデ−タに基づいて同定した。核磁気共鳴スペクトルにおいて、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレットである。No.6などの番号は、実施例5で一覧にした化合物と対応する。化合物の相転移温度の測定法は、組成物においてネマチック相−等方相の転移温度(NI)を測定する方法と同一である。化合物の粘度、光学異方性または誘電率異方性は、この化合物を適当な母液晶に溶解させたあと測定した。
【0110】
化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した組成物を得た。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを調整した。この方法によって測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。
【0111】
実施例1
2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)プロピオネート(化合物(No.1))の合成
Figure 2004075667
3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)プロピオン酸(20.0g)、4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェノール(18.5g)、4−ジメチルアミノピリジン(370mg)を塩化メチレン(100ml)に溶解し、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(25.0g)を加えた後、室温にて18時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を1M塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得た無色固体(47.0g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:トルエン=1:1)にて精製し、無色固体(42.0g)を得た。このものをヘプタン−ソルミックス混合溶媒から再結晶し、表題の化合物(無色結晶)を得た。このものは液晶相を有し、その相転移点を以下に示す。
C 72.3 I
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.84−1.82(m,22H),2.60(t,J=7.8Hz,2H),4.10(q,J=7.2Hz,2H),6.66−6.73(m,1H),6.76−6.83(m,1H)
MS:354(M
【0112】
実施例2
2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル=3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)プロピオネート(化合物(No.18))の合成
Figure 2004075667
3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)プロピオン酸(1.03g)、4−メチル−2,3−ジフルオロフェノール(0.88g)、4−ジメチルアミノピリジン(74mg)を塩化メチレン(20ml)に溶解し、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.08g)を加えた後、室温にて19.5時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を1M塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得た無色固体(2.10g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘプタン:酢酸エチル=20:1)にて精製し、無色固体(1.61g)を得た。このものをヘプタン−ソルミックス混合溶媒から再結晶し、表題の化合物(無色結晶)を得た。このものは液晶相を有し、その相転移点を以下に示す。
C 39.3 I
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.65−2.05(m,19H),2.28(d,J=2.1Hz,3H),2.60(t,J=7.7Hz,2H),6.65−7.05(m,2H)
MS:324(M
【0113】
実施例3
2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオネート(化合物(No.35))の合成
Figure 2004075667
3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオン酸(12.9g)、4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェノール(8.9g)、4−ジメチルアミノピリジン(619mg)を塩化メチレン(240ml)に溶解し、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(21.4g)を加えた後、室温にて17.5時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を1M塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得た無色固体(30.6g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色固体(19.6g)を得た。このものをヘプタン−ソルミックス混合溶媒から再結晶し、表題の化合物(無色結晶)を得た。このものは液晶相を有し、その相転移点を以下に示す。
C 98.2 N 125.8 I
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.77−1.85(m,30H),2.59(t,J=7.6Hz,2H),4.10(q,J=7.1Hz,2H),6.66−6.73(m,1H),6.76−6.83(m,1H)
MS:422(M
【0114】
実施例4
2−フルオロ−3−ジフルオロメチル−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオネート(化合物(No.54))の合成
Figure 2004075667
3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオン酸(1.18g)、4−エトキシ−2−フルオロ−3−ジフルオロメチルフェノール(0.76g)、4−ジメチルアミノピリジン(40mg)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.35g)を加えた後、室温にて16時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液を1M塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得た無色固体(2.33g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘプタン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、無色固体(1.56g)を得た。このものをヘプタン−ソルミックス混合溶媒から再結晶し、表題の化合物(無色結晶)を得た。このものは液晶相を有し、その相転移点を以下に示す。
C 87.8 (S 81.3) N 111.1 I
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.78−1.84(m,32H),2.59(t,J=7.8Hz,2H),4.08(q,J=7.0Hz,2H),6.67(d,J=9.1Hz,1H),7.02(t,J=53.6Hz,1H),7.14(t,J=8.7Hz,1H)
MS:468(M
【0115】
実施例5
実施例1および発明の詳細な説明の記述をもとに、下記の化合物No.1〜No.190を合成する。なお、実施例1〜4で得られた化合物(No.1、No.18、No.35およびNo.54)も書き加えた。
【0116】
Figure 2004075667
【0117】
Figure 2004075667
【0118】
Figure 2004075667
【0119】
Figure 2004075667
【0120】
Figure 2004075667
【0121】
Figure 2004075667
【0122】
Figure 2004075667
【0123】
Figure 2004075667
【0124】
実施例6
4−エトキシフェニル=4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート
17.2重量%
4−ブトキシフェニル=4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート
27.6重量%
4−エトキシフェニル=4−ブチルシクロヘキサンカルボキシレート
20.7重量%
4−メトキシフェニル=4−ペンチルシクロヘキサンカルボキシレート
20.7重量%
4−エトキシフェニル=4−ペンチルシクロヘキサンカルボキシレート
13.8重量%
上記のネマチック液晶組成物(以下、組成物Aと称する)を調製した。組成物Aは以下の特性を有する。
透明点(NI):74.0℃、Δε:−1.3、Δn:0.087、20℃における粘度(η20):18.9mPa・s。
この組成物A85重量%と実施例1で得られた2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)プロピオネート(化合物No.1)15重量%とからなる組成物Bを調製した。その特性は以下の通りであった。
透明点(NI):64.7℃、Δε:−1.96、Δn:0.085、20℃における粘度(η20):23.8mPa・s。
なお、組成物A、Bの物性値と化合物(No.1)の混合比から、外挿法により算出した化合物(No.1)の物性値は以下の通りであった。
透明点(NI):8.6℃、Δε:−5.25、Δn:0.074、20℃における粘度(η20):45.9mPa・s。
【0125】
実施例7
実施例6に示した組成物Aの85重量%と実施例2で得られた2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル=3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオネート(化合物No.18)の15重量%とからなる組成物Cを調製した。その特性は以下の通りであった。
透明点(NI):59.7℃、Δε:−1.44、Δn:0.082、20℃における粘度(η20):21.5mPa・s。なお、組成物AおよびCの物性値と化合物(No.18)の混合比から、外挿法により算出した化合物(No.18)の物性値は以下の通りであった。
透明点(NI):−24.7℃、Δε:−2.18、Δn:0.054、20℃における粘度(η20):31.7mPa・s。
【0126】
実施例8
実施例6に示した組成物Aの90重量%と実施例3で得られた2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオネート(化合物No.35)の10重量%とからなる組成物Dを調製した。その特性は以下の通りであった。
透明点(NI):78.5℃、Δε:−1.69、Δn:0.089、20℃における粘度(η20):24.5mPa・s。なお、組成物AおよびDの物性値と化合物(No.35)の混合比から、外挿法により算出した化合物(No.35)の物性値は以下の通りであった。
透明点(NI):113.6℃、Δε:−4.84、Δn:0.107、20℃における粘度(η20):67.7mPa・s。
【0127】
実施例9
実施例6に示した組成物Aの85重量%と実施例4で得られた2−フルオロ−3−ジフルオロメチル−4−エトキシフェニル=3−(トランス−4−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロピオネート(化合物No.54)の15重量%とからなる組成物Eを調製した。その特性は以下の通りであった。
透明点(NI):78.5℃、Δε:−1.69、Δn:0.089、20℃における粘度(η20):24.5mPa・s。なお、組成物AおよびEの物性値と化合物(No.54)の混合比から、外挿法により算出した化合物(No.54)の物性値は以下の通りであった。
透明点(NI):93.3℃、Δε:−5.56、Δn:0.080。
【0128】
本発明の代表的な組成物を実施例10〜17にまとめた。最初に組成物の成分である化合物とその量(重量%)を示した。化合物は下記表1の取り決めに従い、左末端基、結合基、環構造および右末端基の記号によって表示した。かっこ中の番号は実施例5の表で示した化合物に対応する。次に組成物の物性値を示した。物性値を測定する方法は次のとおりである。
【0129】
ネマチック−等方性液体の相転移温度(透明点;NI;単位は℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料がネマチック相から等方性液体相に変化し始めたときの温度を測定した。
【0130】
粘度(η;測定温度は20.0℃;単位はmPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
【0131】
光学異方性(屈折率異方性;Δn;測定温度25.0℃):光学異方性は、波長が589nmの光によってアッベ屈折計を用いて測定した。
【0132】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
1)Δεの値が正の組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0133】
2)Δεの値が負の組成物:ホメオトロピック配向処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε‖)を測定した。ホモジニアス配向処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0134】
しきい値電圧(Vth;測定温度は25.0℃;単位はボルト):2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度である、ノーマリーホワイト型(normally white type)の液晶表示素子に試料を入れた。Δnは上記の方法で測定した光学異方性の値である。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
【0135】
ピッチの値(測定温度は25.0℃;単位はμm):ピッチの測定には、カノーのくさび型セル法を用いた。カノーのくさび型セルに試料を注入し、セルから観察されるディスクリネーションラインの間隔(a;単位はμm)を測定した。ピッチ(P)は、式P=2・a・tanθから算出した。θは、くさび型セルにおける2枚のガラス板の間の角度である。
【0136】
Figure 2004075667
【0137】
実施例10
2−H2EB(2F,3F)−O2(No.4)  8.0%
3−H2EB(2F,3F)−2(No.2)   8.0%
3−HH2EB(2F,3F)−O2       8.0%
3−HH2EB(2F,3F)−2(No.36) 8.0%
3−HEB−O4               20.0%
4−HEB−O2               12.0%
5−HEB−O1               12.0%
3−HEB−O2               10.0%
5−HEB−O2               14.0%
NI=73.3(℃)、η=29.0(mPa・s)、Δn=0.092。
【0138】
実施例11
3−H2EB(2F,3F)−O2(No.1)   5.0%
2−HH2EB(2F,3F)−O2(No.35) 3.0%
3−HH−5                   5.0%
3−HH−4                   5.0%
3−HH−O1                  6.0%
3−HH−O3                  6.0%
3−HB−O1                  5.0%
3−HB−O2                  5.0%
3−HB(2F,3F)−O2           5.0%
5−HB(2F,3F)−O2          10.0%
3−HHB(2F,3F)−O2               12.0%
5−HHB(2F,3F)−O2         10.0%
3−HHB(2F,3F)−2           4.0%
2−HHB(2F,3F)−1           4.0%
3−HHEH−3                 5.0%
3−HHEH−5                 5.0%
4−HHEH−3                 5.0%
NI=84.7(℃)、Δn=0.077、Δε=−3.3。
【0139】
実施例12
3−H2EB(2F,3F)−O2(No.1)  4.0%
3−H2EB(2F,3F)−2(No.2)   3.0%
3−HH2EB(2F,3F)−2(No.36) 5.0%
3−BB(2F,3F)−O2          5.0%
3−BB(2F,3F)−O4         10.0%
5−BB(2F,3F)−O4         10.0%
2−BB(2F,3F)B−3         25.0%
3−BB(2F,3F)B−5          8.0%
5−BB(2F,3F)B−5         14.0%
5−BB(2F,3F)B−7         16.0%
NI=74.4(℃)、Δn=0.188、Δε=−3.5。
【0140】
実施例13
2−H2EB(2F,3F)−O2(No.4)      3.0%
3−HH2EB(2F,3CHF2)−O2(No.54) 2.0%
3−HB−O1                    15.0%
3−HB−O2                     6.0%
3−HEB(2F,3F)−O2             9.0%
4−HEB(2F,3F)−O2             9.0%
5−HEB(2F,3F)−O2                    6.0%
2−BB2B−O2                   6.0%
3−BB2B−O2                   6.0%
5−BB2B−O1                   6.0%
5−BB2B−O2                   6.0%
1−B2BB(2F)−5                7.0%
3−B2BB(2F)−5                7.0%
5−B(F)BB−O2                            7.0%
3−BB(2F,3F)B−3              5.0%
NI=77.1(℃)、η=23.4(mPa・s)、Δn=0.157。
【0141】
実施例14
3−HH2EB(2F,3F)−O2       3.0%
3−HH2EB(2F,3F)−2(No.36) 3.0%
1V2−BEB(F,F)−C          5.0%
3−HB−C                 20.0%
V2−HB−C                 6.0%
1−BTB−3                 5.0%
2−BTB−1                10.0%
1O1−HH−3                3.0%
3−HH−4                 11.0%
3−HHB−1                 8.0%
3−H2BTB−2               4.0%
3−H2BTB−3               4.0%
3−H2BTB−4               4.0%
3−HB(F)TB−2                        6.0%
3−HB(F)TB−3                        5.0%
3−HHB−C                                3.0%
NI=89.1(℃)、η=16.9(mPa・s)、Δn=0.162、
Δε=6.7、Vth=2.01(V)。
上記の組成物に基づいて0.8重量%の光学活性化合物(Op−4)を添加したところ、ピッチの値は11.5μmであった。
【0142】
実施例15
2−H2EB(2F,3F)−O2(No.4)      2.0%
2−HH2EB(2F,3F)−O2(No.35)    3.0%
3−HH2EB(2F,3CHF2)−O2(No.54) 5.0%
5−HBCF2OB(F,F)−C                     3.0%
3−HB(F,F)CF2OB(F,F)−C           3.0%
3−HB−C                        18.0%
2−BTB−1                       10.0%
5−HH−VFF                      23.0%
1−BHH−VFF                     8.0%
1−BHH−2VFF                     8.0%
3−H2BTB−2                      5.0%
3−H2BTB−3                      4.0%
3−H2BTB−4                      4.0%
3−HHB−1                        4.0%
NI=83.1(℃)、η=20.1(mPa・s)、Δn=0.130、
Δε=3.6、Vth=2.65(V)。
【0143】
実施例16
3−H2EB(2F,3F)−O2(No.1) 2.0%
3−HH2EB(2F,3F)−O2      3.0%
5−HB−F                12.0%
6−HB−F                 9.0%
7−HB−F                 7.0%
2−HHB−OCF3             7.0%
3−HHB−OCF3             7.0%
4−HHB−OCF3             7.0%
5−HHB−OCF3             5.0%
3−HH2B−OCF3            4.0%
5−HH2B−OCF3            4.0%
3−HHB(F,F)−OCF3        5.0%
3−HBB(F)−F            10.0%
5−HBB(F)−F             5.0%
3−HH2B(F)−F            3.0%
3−HB(F)BH−3            3.0%
5−HBBH−3               3.0%
3−HHB(F,F)−OCHF2       4.0%
NI=85.1(℃)、η=16.2(mPa・s)、Δn=0.090、
Δε=3.8、Vth=2.47(V)。
【0144】
実施例17
3−H2EB(2F,3F)−2(No.2)    3.0%
2−HH2EB(2F,3F)−O2(No.35) 2.0%
7−HB(F)−F                5.0%
5−H2B(F)−F               5.0%
3−HB−O2                  5.0%
3−HH−4                   5.0%
2−HHB(F)−F              10.0%
3−HHB(F)−F              10.0%
5−HHB(F)−F                         10.0%
3−H2HB(F)−F              5.0%
2−HBB(F)−F               3.0%
3−HBB(F)−F               3.0%
5−HBB(F)−F               6.0%
2−H2BB(F)−F              5.0%
3−H2BB(F)−F              6.0%
3−HHB−1                  8.0%
3−HHB−O1                 5.0%
3−HHB−3                  4.0%
NI=89.2(℃)、η=21.0(mPa・s)、Δn=0.093、
Δε=3.0、Vth=2.67(V)。
上記の組成物に基づいて0.3重量%の光学活性化合物(Op−8)を添加したところ、ピッチの値は76.3μmであった。
【0145】
【発明の効果】
本発明の化合物は、熱、光などに対する安定性、高い透明点、液晶相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、負に大きな誘電率異方性、他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する。本発明の液晶組成物は、これらの化合物の少なくとも一つを含有し、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧を有する。本発明の液晶表示素子は、この組成物を含有し、そして使用できる広い温度範囲、短い応答時間、大きなコントラスト比、低い駆動電圧を有する。

Claims (49)

  1. 下記の式(1)で表される化合物。
    Figure 2004075667
    式(1)において、RaおよびRbは、独立して、水素、または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そしてRaおよびRbは同時に水素であることはなく;環A、環A、環A、環A、環A、および環Aは、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、または2,6−ナフチレンであり、これらの環において任意の水素は、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CH=CH−、−CO−、または−SiH−で 置き換えられてもよく、そして任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく;Z、Z、ZおよびZ11は、独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;l、m、nおよびpは、独立して、0または1であり、そしてl、m、n、およびpの和は0、1または2である。ただし、環A、環A、環A、環A、環A、および環Aの少なくとも一つは、式(13)で表される基である。
    Figure 2004075667
    (式(13)において、L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてL11およびL12の少なくとも1つは水素ではない。)。l、m、n、およびpの和が1または2であり、そして環A、環A、環A、環A、環A、および環Aが独立して、1,4−フェニレンまたは式(13)で表される基であるとき、RaおよびRbを構成する炭素数、酸素数、硫黄数およびケイ素数の和は13未満であり;Raがn−プロピル、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン(式(13)においてL11およびL12がフッ素である)、Zが単結合であり、lが1であり、m、nおよびpが0であるとき、Rbはエトキシではない。
  2. 環Aが請求項1に記載の式(13)で表される基である請求項1に記載の化合物。
  3. 環Aが1,4−シクロヘキシレンであり、そして環Aが請求項1に記載の式(13)で表される基である請求項1に記載の化合物。
  4. 環Aが1,4−シクロヘキシレンであり、環Aが請求項1に記載の式(13)で表される基であり、そしてl、m、nおよびpが0である請求項1に記載の化合物。
  5. 環Aが1,4−シクロヘキシレンであり、環Aが請求項1に記載の式(13)で表される基であり、lが1であり、そしてm、nおよびpが0である請求項1に記載の化合物。
  6. 下記の式(a)、(c)〜(m)で表されるいずれか1つの化合物。
    Figure 2004075667
    式(a)、(c)〜(m)において、RaおよびRbは、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環A、環A、環A、環A、および環Aは、独立して、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−2,5−ジイルであり、そして環A、環A、環A、環A、および環Aの少なくとも一つは、1,4−シクロヘキシレンであり;L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてL11およびL12の少なくとも1つは水素ではなく;Z、Z、Z、およびZ11は、独立して、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−C≡C−、または−(CH−−である。
  7. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、RaおよびRbが、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシである請求項6に記載の化合物。
  8. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、環A、環A、環A、環A、および環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、または3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレンである請求項6または7に記載の化合物。
  9. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、環A、環A、環A、環A、および環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである請求項6または7に記載の化合物。
  10. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12の一方が水素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12が、独立して、フッ素、−CF、−CHF、または−CHF、である請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12の一方がフッ素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、L11およびL12がフッ素である請求項6〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、Z、Z、Z、およびZ11が、独立して、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、または−OCO−である請求項6〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 請求項6に記載の式(a)、(c)〜(m)において、Z、Z、Z、およびZ11が、独立して、単結合または−(CH−である請求項6〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 下記の式(b)で表される化合物。
    Figure 2004075667
    式(b)において、RaおよびRbは、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシであり、このアルキルにおいて任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Aおよび環Aは、独立して、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−2,5−ジイルであり、そして環Aおよび環Aの少なくとも一つは、1,4−シクロヘキシレンであり;L11およびL12は、独立して、水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである。ただし、式(b)において、Raがn−プロピル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはエトキシではない。
  17. 請求項16に記載の式(b)において、Raがn−プロピル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない請求項16に記載の化合物。
  18. 請求項16に記載の式(b)において、Raがアルキル、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはエトキシではない請求項16に記載の化合物。
  19. 請求項16に記載の式(b)において、Raがアルキル、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない請求項16に記載の化合物。
  20. 請求項16に記載の式(b)において、Raがアルキル、環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが1,4−フェニレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Rbはアルコキシではない請求項16に記載の化合物。
  21. 請求項16に記載の式(b)において、Rbがエトキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはn−プロピルではない請求項16に記載の化合物。
  22. 請求項16に記載の式(b)において、Rbがエトキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない請求項16に記載の化合物。
  23. 請求項16に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはn−プロピルではない請求項16に記載の化合物。
  24. 請求項16に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、環Aおよび環Aが1,4−シクロヘキシレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない請求項16に記載の化合物。
  25. 請求項16に記載の式(b)において、Rbがアルコキシ、環Aが1,4−シクロヘキシレン、環Aが1,4−フェニレン、L11およびL12がフッ素であるとき、Raはアルキルではない請求項16に記載の化合物。
  26. 請求項16に記載の式(b)において、L11およびL12が同時にフッ素ではない請求項16〜25のいずれか1項に記載の化合物。
  27. 請求項16に記載の式(b)において、RaおよびRbが、独立して、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜9のアルコキシ、炭素数2〜11のアルケニル、または炭素数2〜10のアルケニルオキシである請求項16〜26のいずれか1項に記載の化合物。
  28. 請求項16に記載の式(b)において、環Aおよび環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、デカヒドロ−2,6−ナフチレン、テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、5−フルオロ−2,6−ナフチレン、3,4−ジフルオロ−2,6−ナフチレン、または3,4,5−トリフルオロ−2,6−ナフチレンである請求項16〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  29. 請求項16に記載の式(b)において、環Aおよび環Aが、独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである請求項16〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  30. 請求項16に記載の式(b)において、L11およびL12の一方が水素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである請求項16〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  31. 請求項16に記載の式(b)において、L11およびL12が、独立して、フッ素、−CF、−CHF、または−CHF、である請求項16〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  32. 請求項16に記載の式(b)において、L11およびL12の一方がフッ素であり、他方がフッ素、−CF、−CHF、または−CHFである請求項16〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  33. 請求項16に記載の式(b)において、L11およびL12がフッ素である請求項16〜25および27〜29のいずれか1項に記載の化合物。
  34. 下記の式(a−1)〜(b−2)で表されるいずれか1つの化合物。
    Figure 2004075667
    式(a−1)〜(b−2)において、Raは炭素数1〜10のアルキルであり、Rbはメトキシ、プロポキシまたはブトキシである。
  35. 請求項34に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raがエチル、ブチルまたはペンチルであり、Rbが炭素数1〜9のアルコキシである請求項34に記載の化合物。
  36. 請求項34に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raがエチル、ブチルまたはペンチルであり、Rbがメトキシ、プロポキシまたはブトキシである請求項34に記載の化合物。
  37. 請求項34に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raが炭素数2〜11のアルケニルであり、Rbが炭素数1〜9のアルコキシである請求項34に記載の化合物。
  38. 請求項34に記載の式(a−1)〜(b−2)において、Raが炭素数2〜11のアルケニルであり、Rbがメトキシ、プロポキシまたはブトキシである請求項34に記載の化合物。
  39. 請求項1〜38のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物および下記式(52)で表される液晶性化合物からなる化合物群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する液晶組成物。
    Figure 2004075667
  40. 請求項1〜38のいずれか1項に記載した少なくとも1つの化合物を含有する液晶組成物。
  41. 下記式(52)で表される液晶性化合物を含有する液晶組成物。
    Figure 2004075667
  42. 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項39〜41のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2004075667
    式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
  43. 下記の式(5)および(6)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項39〜41のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2004075667
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
  44. 下記の式(7)、(8)、(9)、(53)および(54)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項39〜41のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2004075667
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、またはRはフッ素であってもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも1つはフッ素である。
  45. 下記の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項42に記載の液晶組成物。
    Figure 2004075667
    式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
  46. 請求項45に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項43に記載の液晶組成物。
  47. 請求項45に記載の式(10)、(11)および(12)で表される化合物群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項44に記載の液晶組成物。
  48. 少なくとも1つの光学活性化合物をさらに含有する請求項39〜47のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  49. 請求項39〜48のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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