JP2004074119A - 放射線による水中医薬品及び医薬部外品の分解法 - Google Patents

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広田 耕一
Akihiko Shimada
島田 明彦
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Abstract

【課題】飲料水や河川中に混入する医薬品及び医薬部外品の人体及び環境への影響が問題になっており、特に、抗生物質の河川への放出は耐性菌の出現機会を与えることになり、非常に大きな問題になっている。
【解決手段】照射容器に供給された汚染水に大気下で放射線を照射し、この放射線照射による酸化処理により汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品に含まれるベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離を行って無害な低分子化合物(二酸化炭素、酢酸など)に分解し、且つ前記放射線照射により空気中の酸素を酸化してオゾンを発生させ、そのオゾンを収集して照射容器内の汚染水中に放出して汚染水をオゾンでバブリング処理することにより、汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品を酸化してベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離を行って無害な低分子化合物(二酸化炭素、酢酸など)に分解する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品及び医薬部外品の研究、開発、製造、使用、廃棄に係わる施設等から発生する医薬品及び医薬部外品で汚染された水に放射線を直接照射することにより、それらを分解処理する技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルガノクロリン汚染物質を含有する排水をγ線照射処理して浄化する方法がProceedings of a Symposium, Munich 17−24, March 1975で発表され、又工業排水を電子線照射処理して浄化する方法がPROCEEDINGS OF THE TAKASAKI SYMPOSIUM ON RADIATION, PROCESSING OF NATURAL POLYMERS, NOVEMER 23 AND 24,2000, JAERI, TAKASAKI, JAPANで発表されている。しかし、さまざまな施設から生じる、医薬品及び医薬部外品を含む汚染水は現在処理されないまま環境中に放出されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
飲料水や河川中に混入する医薬品及び医薬部外品の人体及び環境への影響について、既に欧米諸国ではその対策の必要性が議論されている。特に、抗生物質の河川への放出は耐性菌の出現機会を与えることになり、非常に大きな問題である。放射線を用いた本発明の処理法は、医薬品及び医薬部外品の人体への非意図的摂取を防ぐとともに、耐性菌出現を抑制することが出来る。
【0004】
【課題を解決するための手段】
汚染水に放射線を直接照射することにより、水中の医薬品・医薬部外品は酸化され、ベンゼン環の開環や炭素‐炭素結合の解離が起こり、その効能を失う。オゾンについても同様な酸化反応が起こる。分解生成物は無害な低分子化合物(二酸化炭素、酢酸など)であり、二次的な汚染を生じない本発明の処理法はコンパクトな処理装置で実現できるため、既存のプロセスへの付設が容易である。特に、病院においては所有する放射線源の有効利用も期待できる。
【0005】
即ち、本発明は、照射容器に供給された汚染水に大気下で放射線を照射し、この放射線照射による酸化処理により汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品に含まれるベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離を行って無害な低分子化合物(二酸化炭素、酢酸など)に分解し、更に前記放射線照射により空気中の酸素を酸化してオゾンを発生させ、そのオゾンを収集して照射容器内の汚染水中に放出して汚染水をオゾンでバブリング処理することにより、汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品を酸化して、ベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離を行って無害な低分子化合物(二酸化炭素、酢酸など)に分解することからなる、医薬品及び医薬部外品で汚染された水の放射線照射による無害化分解処理方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
医薬品及び医薬部外品で汚染された水に放射線を照射すると、そのエネルギ−は水に吸収され、水分子は電離や励起によりイオンやラジカルを生成する。不安定なこれらの物質、及び大気への放射線の照射により生成したオゾンは、水中の医薬品・医薬部外品分子と反応することにより安定化する。一方、医薬品及び医薬部外品はこの化学反応により酸化分解される。
【0007】
本発明において、医薬品としては、具体的には、代表的なイブプロフェンの他に、カルバマゼピン、アスピリン、クラリスロマイシン、エテンザアミド、ブラバスタチンナトリウム等があり、又、医薬部外品には、具体的には、健康食品などに含まれるビタミン類、化粧品やシャンプーなどに含まれるパラベン、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸塩、ドリンク剤に含まれるタウリン等である。
【0008】
本発明の照射装置の一例(医薬品及び医薬部外品の研究、開発、製造、使用、廃棄などから生じた汚染水に放射線を直接照射することにより医薬品及び医薬部外品を分解無害化する)を図面に基づいて説明する。処理すべき医薬品、医薬部外品を含む汚染水を配管を通して照射容器に供給する。この容器に供給された汚染水に、その容器の上方に設けられた放射線発生源から放射線を照射する。この放射線照射により、汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品が酸化され、そのベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離が起こり、無害な低分子化合物に分解される。
【0009】
又、上記放射線照射は大気中で行われるので、放射線発生源下の空気中の酸素が酸化されてオゾンが発生する。この発生したオゾンが、放射線発生源と照射容器の汚染水との空間に設けられたオゾン回収フードで集められ、吸引ポンプにより吸引され、照射容器内の汚染水中に放出して汚染水をオゾンでバブリング処理する。かかるオゾンのバブリングにより、上記放射線照射と同様に、汚染水中に含有される医薬品及び医薬部外品がオゾンで酸化され、そのベンゼン環の開環又は炭素―炭素結合の解離が起こり、無害な低分子化合物に分解される。
【0010】
【実施例】
最も一般的に使用されている総合感冒薬中の主成分の1つであるイブプロフェンの他、カルバマゼピン、アスピリン、エテンザアミド各々1 mgを含む水1Lに60Co γ線照射するとともに、その際に発生するオゾンを捕集して上記医薬品を含む水中にバブリングさせることにより、上記医薬品を100%分解することができた。その結果を図1に示す。
【0011】
【発明の効果】
本発明により、医薬品及び医薬部外品の分解無害化により、飲料水などへの有害薬品混入の危険性を回避でき、安全な水資源の確保及び耐性菌の出現抑制に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】γ線による水中医薬品の分解を示す図である。
【図2】本発明の照射装置を示す図である。

Claims (6)

  1. 医薬品及び医薬部外品(健康管理商品、化粧品など)に汚染された水に放射線(電子線、γ線、X線)を直接照射することにより、これらを分解処理する方法。
  2. 汚染された水への照射に伴い大気中に生成するオゾンを照射前後あるいは照射中に汚染された水にバブリングすることにより、医薬品及び医薬部外品を分解処理することを特徴とする請求項1に記載の放射線照射による分解方法。
  3. 医療施設(病院、血液検査・臨床検査機関など)、医薬品及び医薬部外品の研究、開発、製造、使用、廃棄に係わる施設、及び上中下水処理施設等から生じる医薬品・医薬部外品で汚染された水を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線照射による分解方法。
  4. 汚染された水中における医薬品及び医薬部外品の濃度範囲が10−15〜10 g/Lであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放射線による分解方法。
  5. 汚染された水への吸収線量範囲が10〜10 Gyであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の放射線による分解方法。
  6. 汚染された水の温度範囲が1〜100 ℃であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放射線による分解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009255077A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd βラクタム系抗生物質含有水の処理装置および処理方法
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JP2021508288A (ja) * 2017-12-13 2021-03-04 チンホワ ユニバーシティTsinghua University 電離放射線照射で抗生物質耐性遺伝子を除去する方法

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