JP2004073024A - 家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具 - Google Patents
家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】子宮体内注入用カテーテル4と、移植液を注入した注射器2を取り付けるための活栓を両端に備え、保温チューブを巻回、装着した可動自在なプラスチックチューブの中に受精卵9を装填し、使用することによる直腸膣法による非手術的受精卵移植の実施が困難な、家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具である。
【選択図】図3
Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、受精卵の輸送、保存、保温および移植操作を容易かつ確実に行える、手術を要しない受精卵移植に用いる器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家畜を飼育する農場では家畜を生産するために、種畜を導入しており、それに伴い伝染病の侵入のリスクを負っている。受精卵移植はそれを解決しうるが、従来は直腸膣法による受精卵移植が困難な家畜の受精卵移植には外科的手術が必要であり施設、コストが高かった。
【0003】
また、豚の手術を要しない受精卵移植では、鎮静または麻酔等をすると受胎成績が低下するとされており、暴れたり動きの多い豚への移植には大きな問題があった。
【0004】
従来の器具は市販の注射器または牛用の受精卵ストロー等を流用する技術しかなく、受精卵の輸送、保存、保温および移植操作が不確実であったり、畜舎内で実施することが困難な器具であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、種畜を生体で移動して導入する代わりに、種畜の受精卵を採取し洗浄することにより病原体を感染の成立しないレベルに低減させ、その受精卵を衛生的に輸送し、コストの低い、手術を要しない受精卵移植により移植することにより、農場の雌畜から種畜となる純粋種や合成品種を伝染病のおそれなく生産することができる。
【0006】
本発明は、保温剤を用いた保温チューブを巻回、装着した弾性及び柔軟性のある可撓性のプラスチックのチューブの中に受精卵を装填し使用することにより、温度管理に優れ、受精卵が残留せず、ミスが少ないため、移植時間も従来の三分の一に短縮できることにより一層温度低下が少なくてすみ、熟練していない農家の人が作業する際にミスが生じない道具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、外側面に保温チューブが取り付けられた可撓性のプラスチックチューブの先端と後端に活栓を一体的に取り付け、該プラスチックチューブの先端部に家畜の子宮体内注入用カテーテルを、該プラスチックチューブの後端部に注射器を着脱自在に挿入し、該プラスチックチューブの後端部に注射器を挿入し、活栓を開放状態にし培養液により保存された受精卵を該プラスチックチューブの先端部より該プラスチックチューブ内に該注射器で吸引し、先端の活栓を閉塞状態にし、該プラスチックチューブの後端の活栓を閉塞状態とし、後端部に挿入されていた注射器を外し、培養液により保存された受精卵を装填した該プラスチックチューブと、該カテーテルと、移植液を注入した注射器とを分離し、移植時に使用する器具の全長を短くすることにより、受精卵の衛生的な輸送が容易に行えることを特徴とする家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具である。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、受精卵を装填した前記プラスチックチューブの後端部に前記注射器を嵌合した後該プラスチックチューブの先端部を家畜の体内に挿入された前記カテーテルと嵌合し、先端、後端の前記活栓を開き、該注射器を押圧することにより該プラスチックチューブ内を経由して該プラスチックチューブの先端部に既に嵌合されている該カテーテルに移植液が受精卵を押し出して、受精卵が移植液の最初に子宮角深部へと吐出され、受精卵の残留の少ない移植が行えることを特徴とする請求項1記載の家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態につき具体的に説明すると、図1は本発明に係る代表的実施例、図2は受精卵の装填器具の平面図、図3は受精卵の装填器具による受精卵移植のシステムを表している。
【0010】
本発明に係る家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具は、図1に示すように、移植液を注入した注射器2を嵌合した培養液により保存されている受精卵の入った可動自在な受精卵装填器具1を、子宮体内に挿入された子宮体内注入用カテーテル4に嵌合し、、注射器2を押圧することにより移植液が受精卵を保存する培養液を押し出し、家畜の膣内深く挿入されたカテーテルの先端より子宮角深部へと吐出されることにより、豚等の受精卵移植に使用することができる。
【0011】
本発明に係る家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具は、図2に示すように培養液と受精卵が装填されたプラスチックチューブ7に、温度管理に優れた保温剤を用いた保温用チューブ8を巻回、装着させ、先端に子宮体内注入用カテーテル4を、後端に注射器2を嵌合するための活栓6、6を有し、衛生面を考慮したキャップ5、5がそれぞれに取り付けられている。
【0012】
本発明に係る家畜の非手術的受精卵移植に用いる受精卵装填器具1は、図3に示すように、豚の外陰部11より子宮内に子宮体内注入用カテーテル4を挿入後、受精卵が装填された受精卵装填器具1の後端部のキャップ5を外し、移植液3を注入した注射器2を嵌合、装着した該受精卵装填器具1のキャップ5を外した先端部に、該子宮体内注入用カテーテル4を嵌合、装着させ活栓6、6を開き、受精卵の移植に使用される。
【0013】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明は、プラスチックチューブの両端に活栓を取り付け、保温剤を装着する方法により、受精卵を注入液の最初に注入することにより受精卵の残留のない移植が可能で、器具へ受精卵を装填する際の操作も難しくなく、保温チューブにより温度管理が可能である上に、注射器、カテーテルと分離できるので近距離の搬送、遠距離への宅配便等による輸送にも適し、移植操作も簡単で、熟練していない農家の人が作業するのに、ミスが少ないという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る代表的実施例である。
【図2】受精卵の装填器具の平面図である。
【図3】受精卵の装填器具による受精卵移植のシステムである。
【符号の説明】
1受精卵装填器具
2注射器
3移植液
4子宮体内注入用カテーテル
5キャップ
6活栓
7プラスチックチューブ
8保温用チューブ
9受精卵
10培養液
11外陰部
12膣
13頸管
14卵巣
15子宮角
Claims (2)
- 外側面に保温チューブが取り付けられた可撓性のプラスチックチューブの先端と後端に活栓を一体的に取り付け、該プラスチックチューブの先端部に家畜の子宮体内注入用カテーテルを、該プラスチックチューブの後端部に注射器を着脱自在に挿入し、該プラスチックチューブの後端部に注射器を挿入し、活栓を開放状態にし培養液により保存された受精卵を該プラスチックチューブの先端部より該プラスチックチューブ内に該注射器で吸引し、先端の活栓を閉塞状態にし、該プラスチックチューブの後端の活栓を閉塞状態とし、後端部に挿入されていた注射器を外し、培養液により保存された受精卵を装填した該プラスチックチューブと、該カテーテルと、移植液を注入した注射器とを分離し、輸送時に使用する器具の全長を短くすることにより、受精卵の衛生的な輸送が容易に行えることを特徴とする家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具。
- 受精卵を装填した前記プラスチックチューブの後端部に前記注射器を嵌合した後該プラスチックチューブの先端部を家畜の体内に挿入された前記カテーテルと嵌合し、先端、後端の前記活栓を開き、該注射器を押圧することにより該プラスチックチューブ内を経由して該プラスチックチューブの先端部に既に嵌合されている該カテーテルに移植液が受精卵を押し出して、受精卵が移植液の最初に子宮角深部へと吐出され、受精卵の残留の少ない移植が行えることを特徴とする請求項1記載の家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具。
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JP2002234616A JP2004073024A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | 家畜の非手術的受精卵移植に用いる器具 |
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2002
- 2002-08-12 JP JP2002234616A patent/JP2004073024A/ja active Pending
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