JP2004072861A - 電線用被覆カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】電線内から短時間で排水できる電線用水抜き装置を提供する。
【解決手段】電線1の絶縁被覆23の一部を除去して水抜き部2を形成する。水抜き部2を箱体3で密封状態に覆う。箱体3にエアポンプ4を接続する。箱体3とエアポンプ4との間に密封タンク5を介装する。エアポンプ4で密封タンク5内及び箱体3内を減圧する。電線1内に滞留した水が強制的に吸い出されて密封タンク5内に貯まる。電線1からの排水速度が速くなり、短時間で排水できる。
【選択図】 図1
【解決手段】電線1の絶縁被覆23の一部を除去して水抜き部2を形成する。水抜き部2を箱体3で密封状態に覆う。箱体3にエアポンプ4を接続する。箱体3とエアポンプ4との間に密封タンク5を介装する。エアポンプ4で密封タンク5内及び箱体3内を減圧する。電線1内に滞留した水が強制的に吸い出されて密封タンク5内に貯まる。電線1からの排水速度が速くなり、短時間で排水できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線の絶縁被覆内に滞留した水を排出するための電線用水抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気を需用者に供給するための架空配電線は、電柱間に電線を架設してなり、その電線は、複数本の素線を束ねてなる導体を絶縁被覆で被覆した構造とされる。この電線は、その絶縁被覆の一部を剥ぎ取って、連続する方向に隣接する電線やトランスと接続され、その接続部を絶縁樹脂製のカバーやテープで覆うことにより防水処理が施される。しかし、防水処理が不完全な場合や絶縁被覆に傷がある場合、そこから雨水等が浸入して絶縁被覆内に滞留し、導体を腐食させて断線事故を引き起こすおそれがある。
【0003】
これに対して、例えば特開昭57−183211号公報には、浸入した水を抜き取って、電線内への水の滞留を防止する架設電線の断線事故防止法が開示されている。図6に示すように、この架設電線の断線事故防止法は、電線101の最も低く垂れ下がった部分の絶縁被覆102を剥離させて導体103を露出させ、この導体103の露出部を水抜き部104として電線101内の水を流出させるものである。図6及び図7に示すように、水抜き部104は、半割り状で開閉可能な円筒状の保護カバー105で保護し、その内周面に形成された凹溝106から電線101内の水を外部に排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の方法は、電線内の狭い空間を流れる水を自然落下させるものであり、流出する水の速度が遅いため、すでに水が滞留した電線では、水抜き工事の終了後にも電線内から水が滴下して通行人にかかるおそれがある。そのため、この方法は、まだ水が溜まっていない新設の電線に限られ、既設の電線に浸入した水が滞留したときには、その電線の張り替え工事を行う必要がある。
【0005】
また、電線の垂れ下がった部分に滞留した水を自然落下させる方法では、水抜き部を形成する位置が電柱間の中央付近に限られ、その作業を電柱に登って行うことができないため、水抜き工事にバケット車が必要になる。さらに、電線が複数径間にまたがる場合には、各径間ごとに水抜き工事を行う必要がある。そのため、水抜き工事は、そのコストが高くなり、時間が長くなって交通渋滞を引き起こすおそれがある。
【0006】
本発明は、電線の絶縁被覆内に滞留した水を短時間で排出することができ、その水抜き部を形成する位置に制限を受けない電線用水抜き装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明は、電線の絶縁被覆の一部を除去してなる水抜き部を密封状態に覆う箱体と、該箱体を介して電線内の水を吸い出すポンプとを備えた電線用水抜き装置を提供するものである。この構成によれば、水抜き部を密封する箱体に接続したポンプにより、電線内に滞留した水を吸い出すため、電線からの水の排出速度を速くすることができる。
【0008】
ポンプをエアポンプとして、箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための密封タンクを介装する。そうすれば、エアポンプで密封タンク内及び箱体内を減圧することにより、電線内に滞留した水を強制的に吸い出すと共に、その吸い出した水を密封タンク内に貯めてエアポンプに水が流れ込まないようにすることができる。
【0009】
この場合、電線内の水を空気と共に吸い上げることができるので、電柱間の中央付近の電線が最も垂れ下がった部分だけでなく、電柱の近く等、あらゆる位置に水抜き部を形成することができる。また、電線が複数径間にまたがる場合には、その全径間に滞留した水を一箇所の水抜き部から吸い出すことができる。
【0010】
本発明の電線用水抜き装置は、電線内の水を複数の水抜き部から同時に吸い出すことができる。すなわち、複数の水抜き部をそれぞれ密封状態に覆う複数の箱体と、これらの箱体を介して電線内の水を吸い出すエアポンプとを備えて、箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための共通の密封タンクを介装する。
【0011】
密封タンクと複数の箱体との接続を個別に開閉するバルブを設ければ、水の排出が終わった水抜き部を覆う箱体と密封タンクとの接続を閉じることにより、空気の流入による密封タンク内の気圧の上昇を防いで、排水速度の低下を防止することができる。水抜き部は、一本の電線に複数箇所形成してもよいが、複数本の電線にそれぞれ一箇所ずつ形成すれば、複数本の電線の水抜きを同時に行うことができる。
【0012】
また、本発明は、電線の絶縁被覆の除去部位に巻き付けて被覆する構造を前提として、除去部位を複数層に巻き付け被覆するように、あらかじめ渦巻き状に形付けされた一枚の絶縁シートから構成された電線用被覆カバーを提供する。この構成によれば、電線の太さに関わらず、電線の所定部位に巻き付けて水抜き部等の絶縁被覆の除去部位を保護することができる。
【0013】
絶縁シートの巻き中心側の端部に、除去部位に嵌る大きさのずれ防止用突起を形成すれば、被覆カバーの電線に沿ったずれを規制することができる。このずれ防止用突起は、巻き中心側の端部の中央付近をシート面に沿って除去部位に嵌る大きさだけ突出させればよく、一枚の絶縁シートから被覆カバーを形成することができる。
【0014】
絶縁シートの表面に、各渦巻き層間の密着を規制する複数の突条を間隔をおいて形成し、巻き中心側の端部付近に、突条による各渦巻き層間の隙間から電線内の水を外部に排出する排水穴を形成することもできる。そうすれば、電線内に浸入して除去部位から流出する水が排水穴から各渦巻き層間の隙間を通って外部に排出され、電線内への水の滞留を防止することができる。
【0015】
また、本発明は、電線用水抜き装置を用いて複数本の電線内から水抜きする水抜き方法を提供する。すなわち、まず、電線の絶縁被覆の一部を除去することにより、複数本の電線にそれぞれ水抜き部を形成し、各水抜き部をそれぞれ別の箱体で密封状態に覆って、各箱体を共通の密封タンクに接続する。次いで、エアポンプで密封タンク内を減圧することにより、箱体を介して電線内の水を密封タンク内に吸い出す。全ての電線からの排水が完了した後、各水抜き部から箱体を取り外す。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電線用水抜き装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1に示すように、この電線用水抜き装置は、四本の電線1内に滞留した水を同時に排出させるものであり、各電線1の水抜き部2を密封状態に覆う四つの箱体3と、各箱体3を介して各電線1内の水を吸い出すエアポンプ4とを備えている。箱体3とエアポンプ4との間には、電線1内から吸いだした水を貯めるための共通の密封タンク5と、密封タンク5内の水がエアポンプ4に流れ込むことを防止するための補助タンク6とがこの順に介装されている。
【0017】
密封タンク5は、その上面のホース取付部5aに装着された四本のホース7により各箱体3と接続され、各ホース取付部5aに設けられたバルブ8aにより、その接続を個別に開閉可能とされている。この密封タンク5は、各電線1ごとの水抜きの終了を確認できるように透明材料から形成され、その上面に、水抜き完了後に内外を連通して空気を送り込むための連通口5b及びバルブ8bが設けられている。
【0018】
補助タンク6は、排気ホース9により密封タンク5と接続され、排気ホース10によりエアポンプ4と接続されている。なお、密封タンク5、補助タンク6、ホース7及び排気ホース9、10は、真空状態で大気圧により押し潰されない強度に設定される。
【0019】
図2に示すように、箱体3は、絶縁性に優れかつその強度が大きい塩化ビニール等からなる二つの箱本体3a、3bを図示しない蝶番で開閉自在に連結してなる。両箱本体3a、3bには、電線1を挟むための半円状の溝部11が形成され、この溝部11の長さが電線1の水抜き部2の幅(B)よりも長くなるように箱体3の大きさが設定される。両箱本体3a、3bは、溝部11に対して蝶番の反対側にねじ孔12aが形成され、両溝部11に電線1を挟み込んだ状態でねじ12bを締め付けて固定するようになっている。
【0020】
溝部11の周りは、その両端に配されたゴム等からなるシール材13と、溝部11に沿ってその両側に配されたゴム等からなるシール材14とで取り囲まれ、電線1の水抜き部2を密封状態に覆うようになっている。一方の箱本体3aには、その外側に向けてホース装着部15が突設され、このホース装着部15に装着されたホース7に連通する連通穴16が溝部11の底部中央に形成されている。
【0021】
次に、この電線用水抜き装置を用いた電線の水抜き方法について説明する。図3に示すように、電柱17a、17b、17cのうちの電柱17a、17b間には、多径間にまたがって架設された三本の絶縁被覆高圧電線18の端径間が架設されている。また、電柱17a、17b、17c間には、絶縁被覆された四本の電線1(低圧電線)が二径間にまたがって連続して架設されている。
【0022】
電柱17bの柱上で引き留めとされた高圧電線18は、スイッチ19を経由してトランス20に引き込まれている。トランス20は、高圧電線18によって送られる高電圧の電気を一般需用家向けの低電圧に変換するものであり、低電圧に変換された電気は、電線1により一般需用家に供給される。
【0023】
図4(a)に示すように、電線1は、複数本の素線21を束ねてなる導体22を樹脂製の絶縁被覆23で被覆した構造とされる。図3に示すように、電線1は、一定の張力を付与した状態で、電柱17a、17b、17cの腕木24に設置されたラック金物25の碍子に保持される。この電線1の一部は、その絶縁被覆23を剥ぎ取られて、トランス20に接続するための接続部26とされ、絶縁樹脂製のカバーやテープにより防水処理が施される。
【0024】
接続部26の防水処理が不完全な場合や絶縁被覆23に傷がある場合、そこから電線1内に浸入した雨水は、導体21間の隙間や導体22と絶縁被覆23との間を通って、電柱17間の最も低く垂れ下がった部分を中心として絶縁被覆23内に滞留する。
【0025】
電線1内から水抜きする手順としては、まず、図4(a)に示す構造の四本の各電線1に、それぞれ図4(b)に示す形状の水抜き部2を形成する。水抜き部2は、ナイフや被覆除去工具等を用いて、電線1の絶縁被覆23をその周方向全体にわたって除去したものであり、電柱17c上から手の届く部位に形成する。この水抜き部2は、電線1の軸線に沿った幅(B)を広くすることにより、その排水速度が速くなるが、絶縁性能についてはその幅(B)が狭い方が好ましいため、水抜き部2の幅(B)を2cm〜4cmとする。
【0026】
次いで、図4(c)に示すように、水抜き部2を箱本体3a、3bの溝部11の略中央に位置させて、両箱本体3a、3bで電線1を挟み込み、ねじ孔12aにねじ12bを螺合して締め付けることにより、各電線1にそれぞれ箱体3を装着する。
【0027】
箱体3は、そのシール材13が水抜き部2の両側の絶縁被覆23との隙間をシールし、シール材14が両箱本体3a、3b間の隙間をシールして、各水抜き部2を密封状態に覆う。水抜き部2の周りの絶縁被覆23を除去した部分に形成される空洞27は、箱体3の連通穴16を介して、ホース装着部15に装着されたホース7と連通されている。
【0028】
密封タンク5の各ホース取付部5aに設けられたバルブ8aを開いて、空洞27と密封タンク5とを接続し、密封タンク5の連通口5bのバルブ8bを閉じて、密封タンク5内と外気とを遮断する。
【0029】
エアポンプ4を作動させて密封タンク5及び補助タンク6の内部を減圧することにより、各箱体3内の空洞27を減圧する。これにより、電線1の端部や接続部26、絶縁被覆23の傷などの電線1への水の浸入口と、空洞27との間に圧力差が生じて、電線1内に滞留した水が空洞27内に吸い出され、この水がホース7を通って密封タンク5に貯められる。なお、密封タンク5は、その上面に排気ホース9を装着しているため、その内部からは空気だけが抜き出されて水が貯められる。密封タンク5からあふれた水は、補助タンク6に貯められてエアポンプ4への流入が防止される。
【0030】
ここで、箱体3が装着される電柱17c付近と、水が滞留する電柱17b、17c間の垂れ下がった部分との高低差は、通常40cm程度であり、水の自重による圧力差は、0.04気圧程度である。エアポンプ4によって減圧した密封タンク5内の圧力と、大気圧との差は例えば0.99気圧以上であり、滞留した水が容易に吸い上げられる。さらに、電柱17a、17b間の電線1に滞留した水は、電柱17bへの取付部を乗り越えて吸い上げられる。
【0031】
エアポンプ4の作動開始後は、密封タンク5の外部から各電線1ごとの排水状況を監視する。電線1からの排水がなくなったとき、ホース7によりその電線1と接続されたホース取付部5aのバルブ8aを閉じて密封タンク5内への空気の流入を阻止し、他の電線1の排水速度の低下を阻止する。
【0032】
つまり、各電線1ごとにその内部に滞留した水の量が異なり、電線1の種類や長さによって排水速度が異なるため、エアポンプ4の作動開始から排水完了までの時間は、各電線1ごとに異なる。各電線1からの排水完了後は、接続部26等からその電線1内に吸い込まれた空気が密封タンク5に流入して密封タンク5の圧力を高め、他の電線1からの排水速度を低下させるため、排水が完了した電線1との接続を閉じる。
【0033】
全ての電線1からの排水が完了したとき、エアポンプ4を停止して、密封タンク5のバルブ8bを開いて連通口5bから空気を流入させ、密封タンク5、補助タンク6及び箱体3の内部の圧力を大気圧に回復させる。その後、各電線1から箱体3を取り外し、図5に示す電線用被覆カバーを巻き付けて各電線1の水抜き部2を被覆する。
【0034】
図5(a)は水抜き部に電線用被覆カバーを巻き付けたときの側面図、図5(b)はそのA−A断面図、図5(c)は電線用被覆カバーの展開図である。この電線用被覆カバーは、水抜き部2に複数層に巻き付けて被覆するものであり、渦巻き状に形付けされた一枚の絶縁シート28から構成される。
【0035】
絶縁シート28は、所定の形状に切断され、その巻き中心側の端部に、電線1に装着したときに電線1に沿うずれを防止するためのずれ防止用突起29が突出形成されている。ずれ防止用突起29は、その巻き中心と平行な向きの幅(B1)が水抜き部2の幅(B)よりもわずかに小さくされ、水抜き部2の絶縁被覆23を除去した部分に嵌るようになっている。
【0036】
巻き付け時に内側になる面には、各渦巻き層間の密着を規制する複数の突条30が間隔をおいて形成されている。この突条30は、渦巻き層の各層に配置されるようにその間隔が設定され、巻き中心側の端部付近に形成された排水穴31から排出された電線1内の水を渦巻き層間の隙間から外部に流出させる。これにより、水抜き後に電線1内に浸入した水を水抜き部2より排出して、電線1内に水が滞留しないようになっている。
【0037】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更を加えることができる。例えば、水抜き部2は、電柱17c付近に形成する代わりに、電柱17b、17c間の電線1が垂れ下がった部分に形成してもよく、その位置に制限を受けない。電線1は低電圧線に限らず、導体22を絶縁被覆23で被覆したものであれば、高電圧線18であってもよい。
【0038】
箱体3及びホース7の数は四つに限らずいくつであってもよく、一つであってもよい。複数の電線1から同時に水抜きするだけでなく、各電線1ごとに複数回に分けて水抜きしてもよい。補助タンク6の数は一つに限らずいくつであってもよく、補助タンク6を設けなくてもよい。また、エアポンプ4の代わりに吸水ポンプを用いてもよく、この場合、水抜き部2を電柱17b、17c間の電線1が垂れ下がった部分に形成すればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、電線内に滞留した水を強制的に吸い出して、その排水速度を速くするため、水抜き工事終了後に電線内から滴下した水が通行人にかかることを防止できる。これにより、内部に水が滞留した既設の電線に水抜き工事を施すことができ、その断線を防止して電力の安定供給に寄与することができる。
【0040】
水抜き部を形成する位置に制限を受けないため、電柱の近くに水抜き部を形成することにより、バケット車を不要にすることができる。また、複数径間の電線内の水を一箇所の水抜き部から排出することができ、水抜き工事の時間を短くすることができる。その結果、水抜き工事のコストを削減すると共に、交通渋滞を引き起こすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線用水抜き装置の構成図
【図2】箱体の斜視図
【図3】電線に電線用水抜き装置を装着した状態を示す図
【図4】電線に箱体を装着する手順を説明する図
【図5】(a)は水抜き部に電線用被覆カバーを巻き付けたときの側面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は電線用被覆カバーの展開図
【図6】従来の水抜き方法を説明する図
【図7】従来の電線用保護カバーの断面図
【符号の説明】
1 電線
2 水抜き部
3 箱体
4 エアポンプ
5 密封タンク
8a バルブ
23 絶縁被覆
28 絶縁シート
29 ずれ防止用突起
30 突条
31 排水穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線の絶縁被覆内に滞留した水を排出するための電線用水抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気を需用者に供給するための架空配電線は、電柱間に電線を架設してなり、その電線は、複数本の素線を束ねてなる導体を絶縁被覆で被覆した構造とされる。この電線は、その絶縁被覆の一部を剥ぎ取って、連続する方向に隣接する電線やトランスと接続され、その接続部を絶縁樹脂製のカバーやテープで覆うことにより防水処理が施される。しかし、防水処理が不完全な場合や絶縁被覆に傷がある場合、そこから雨水等が浸入して絶縁被覆内に滞留し、導体を腐食させて断線事故を引き起こすおそれがある。
【0003】
これに対して、例えば特開昭57−183211号公報には、浸入した水を抜き取って、電線内への水の滞留を防止する架設電線の断線事故防止法が開示されている。図6に示すように、この架設電線の断線事故防止法は、電線101の最も低く垂れ下がった部分の絶縁被覆102を剥離させて導体103を露出させ、この導体103の露出部を水抜き部104として電線101内の水を流出させるものである。図6及び図7に示すように、水抜き部104は、半割り状で開閉可能な円筒状の保護カバー105で保護し、その内周面に形成された凹溝106から電線101内の水を外部に排出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の方法は、電線内の狭い空間を流れる水を自然落下させるものであり、流出する水の速度が遅いため、すでに水が滞留した電線では、水抜き工事の終了後にも電線内から水が滴下して通行人にかかるおそれがある。そのため、この方法は、まだ水が溜まっていない新設の電線に限られ、既設の電線に浸入した水が滞留したときには、その電線の張り替え工事を行う必要がある。
【0005】
また、電線の垂れ下がった部分に滞留した水を自然落下させる方法では、水抜き部を形成する位置が電柱間の中央付近に限られ、その作業を電柱に登って行うことができないため、水抜き工事にバケット車が必要になる。さらに、電線が複数径間にまたがる場合には、各径間ごとに水抜き工事を行う必要がある。そのため、水抜き工事は、そのコストが高くなり、時間が長くなって交通渋滞を引き起こすおそれがある。
【0006】
本発明は、電線の絶縁被覆内に滞留した水を短時間で排出することができ、その水抜き部を形成する位置に制限を受けない電線用水抜き装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明は、電線の絶縁被覆の一部を除去してなる水抜き部を密封状態に覆う箱体と、該箱体を介して電線内の水を吸い出すポンプとを備えた電線用水抜き装置を提供するものである。この構成によれば、水抜き部を密封する箱体に接続したポンプにより、電線内に滞留した水を吸い出すため、電線からの水の排出速度を速くすることができる。
【0008】
ポンプをエアポンプとして、箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための密封タンクを介装する。そうすれば、エアポンプで密封タンク内及び箱体内を減圧することにより、電線内に滞留した水を強制的に吸い出すと共に、その吸い出した水を密封タンク内に貯めてエアポンプに水が流れ込まないようにすることができる。
【0009】
この場合、電線内の水を空気と共に吸い上げることができるので、電柱間の中央付近の電線が最も垂れ下がった部分だけでなく、電柱の近く等、あらゆる位置に水抜き部を形成することができる。また、電線が複数径間にまたがる場合には、その全径間に滞留した水を一箇所の水抜き部から吸い出すことができる。
【0010】
本発明の電線用水抜き装置は、電線内の水を複数の水抜き部から同時に吸い出すことができる。すなわち、複数の水抜き部をそれぞれ密封状態に覆う複数の箱体と、これらの箱体を介して電線内の水を吸い出すエアポンプとを備えて、箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための共通の密封タンクを介装する。
【0011】
密封タンクと複数の箱体との接続を個別に開閉するバルブを設ければ、水の排出が終わった水抜き部を覆う箱体と密封タンクとの接続を閉じることにより、空気の流入による密封タンク内の気圧の上昇を防いで、排水速度の低下を防止することができる。水抜き部は、一本の電線に複数箇所形成してもよいが、複数本の電線にそれぞれ一箇所ずつ形成すれば、複数本の電線の水抜きを同時に行うことができる。
【0012】
また、本発明は、電線の絶縁被覆の除去部位に巻き付けて被覆する構造を前提として、除去部位を複数層に巻き付け被覆するように、あらかじめ渦巻き状に形付けされた一枚の絶縁シートから構成された電線用被覆カバーを提供する。この構成によれば、電線の太さに関わらず、電線の所定部位に巻き付けて水抜き部等の絶縁被覆の除去部位を保護することができる。
【0013】
絶縁シートの巻き中心側の端部に、除去部位に嵌る大きさのずれ防止用突起を形成すれば、被覆カバーの電線に沿ったずれを規制することができる。このずれ防止用突起は、巻き中心側の端部の中央付近をシート面に沿って除去部位に嵌る大きさだけ突出させればよく、一枚の絶縁シートから被覆カバーを形成することができる。
【0014】
絶縁シートの表面に、各渦巻き層間の密着を規制する複数の突条を間隔をおいて形成し、巻き中心側の端部付近に、突条による各渦巻き層間の隙間から電線内の水を外部に排出する排水穴を形成することもできる。そうすれば、電線内に浸入して除去部位から流出する水が排水穴から各渦巻き層間の隙間を通って外部に排出され、電線内への水の滞留を防止することができる。
【0015】
また、本発明は、電線用水抜き装置を用いて複数本の電線内から水抜きする水抜き方法を提供する。すなわち、まず、電線の絶縁被覆の一部を除去することにより、複数本の電線にそれぞれ水抜き部を形成し、各水抜き部をそれぞれ別の箱体で密封状態に覆って、各箱体を共通の密封タンクに接続する。次いで、エアポンプで密封タンク内を減圧することにより、箱体を介して電線内の水を密封タンク内に吸い出す。全ての電線からの排水が完了した後、各水抜き部から箱体を取り外す。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電線用水抜き装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1に示すように、この電線用水抜き装置は、四本の電線1内に滞留した水を同時に排出させるものであり、各電線1の水抜き部2を密封状態に覆う四つの箱体3と、各箱体3を介して各電線1内の水を吸い出すエアポンプ4とを備えている。箱体3とエアポンプ4との間には、電線1内から吸いだした水を貯めるための共通の密封タンク5と、密封タンク5内の水がエアポンプ4に流れ込むことを防止するための補助タンク6とがこの順に介装されている。
【0017】
密封タンク5は、その上面のホース取付部5aに装着された四本のホース7により各箱体3と接続され、各ホース取付部5aに設けられたバルブ8aにより、その接続を個別に開閉可能とされている。この密封タンク5は、各電線1ごとの水抜きの終了を確認できるように透明材料から形成され、その上面に、水抜き完了後に内外を連通して空気を送り込むための連通口5b及びバルブ8bが設けられている。
【0018】
補助タンク6は、排気ホース9により密封タンク5と接続され、排気ホース10によりエアポンプ4と接続されている。なお、密封タンク5、補助タンク6、ホース7及び排気ホース9、10は、真空状態で大気圧により押し潰されない強度に設定される。
【0019】
図2に示すように、箱体3は、絶縁性に優れかつその強度が大きい塩化ビニール等からなる二つの箱本体3a、3bを図示しない蝶番で開閉自在に連結してなる。両箱本体3a、3bには、電線1を挟むための半円状の溝部11が形成され、この溝部11の長さが電線1の水抜き部2の幅(B)よりも長くなるように箱体3の大きさが設定される。両箱本体3a、3bは、溝部11に対して蝶番の反対側にねじ孔12aが形成され、両溝部11に電線1を挟み込んだ状態でねじ12bを締め付けて固定するようになっている。
【0020】
溝部11の周りは、その両端に配されたゴム等からなるシール材13と、溝部11に沿ってその両側に配されたゴム等からなるシール材14とで取り囲まれ、電線1の水抜き部2を密封状態に覆うようになっている。一方の箱本体3aには、その外側に向けてホース装着部15が突設され、このホース装着部15に装着されたホース7に連通する連通穴16が溝部11の底部中央に形成されている。
【0021】
次に、この電線用水抜き装置を用いた電線の水抜き方法について説明する。図3に示すように、電柱17a、17b、17cのうちの電柱17a、17b間には、多径間にまたがって架設された三本の絶縁被覆高圧電線18の端径間が架設されている。また、電柱17a、17b、17c間には、絶縁被覆された四本の電線1(低圧電線)が二径間にまたがって連続して架設されている。
【0022】
電柱17bの柱上で引き留めとされた高圧電線18は、スイッチ19を経由してトランス20に引き込まれている。トランス20は、高圧電線18によって送られる高電圧の電気を一般需用家向けの低電圧に変換するものであり、低電圧に変換された電気は、電線1により一般需用家に供給される。
【0023】
図4(a)に示すように、電線1は、複数本の素線21を束ねてなる導体22を樹脂製の絶縁被覆23で被覆した構造とされる。図3に示すように、電線1は、一定の張力を付与した状態で、電柱17a、17b、17cの腕木24に設置されたラック金物25の碍子に保持される。この電線1の一部は、その絶縁被覆23を剥ぎ取られて、トランス20に接続するための接続部26とされ、絶縁樹脂製のカバーやテープにより防水処理が施される。
【0024】
接続部26の防水処理が不完全な場合や絶縁被覆23に傷がある場合、そこから電線1内に浸入した雨水は、導体21間の隙間や導体22と絶縁被覆23との間を通って、電柱17間の最も低く垂れ下がった部分を中心として絶縁被覆23内に滞留する。
【0025】
電線1内から水抜きする手順としては、まず、図4(a)に示す構造の四本の各電線1に、それぞれ図4(b)に示す形状の水抜き部2を形成する。水抜き部2は、ナイフや被覆除去工具等を用いて、電線1の絶縁被覆23をその周方向全体にわたって除去したものであり、電柱17c上から手の届く部位に形成する。この水抜き部2は、電線1の軸線に沿った幅(B)を広くすることにより、その排水速度が速くなるが、絶縁性能についてはその幅(B)が狭い方が好ましいため、水抜き部2の幅(B)を2cm〜4cmとする。
【0026】
次いで、図4(c)に示すように、水抜き部2を箱本体3a、3bの溝部11の略中央に位置させて、両箱本体3a、3bで電線1を挟み込み、ねじ孔12aにねじ12bを螺合して締め付けることにより、各電線1にそれぞれ箱体3を装着する。
【0027】
箱体3は、そのシール材13が水抜き部2の両側の絶縁被覆23との隙間をシールし、シール材14が両箱本体3a、3b間の隙間をシールして、各水抜き部2を密封状態に覆う。水抜き部2の周りの絶縁被覆23を除去した部分に形成される空洞27は、箱体3の連通穴16を介して、ホース装着部15に装着されたホース7と連通されている。
【0028】
密封タンク5の各ホース取付部5aに設けられたバルブ8aを開いて、空洞27と密封タンク5とを接続し、密封タンク5の連通口5bのバルブ8bを閉じて、密封タンク5内と外気とを遮断する。
【0029】
エアポンプ4を作動させて密封タンク5及び補助タンク6の内部を減圧することにより、各箱体3内の空洞27を減圧する。これにより、電線1の端部や接続部26、絶縁被覆23の傷などの電線1への水の浸入口と、空洞27との間に圧力差が生じて、電線1内に滞留した水が空洞27内に吸い出され、この水がホース7を通って密封タンク5に貯められる。なお、密封タンク5は、その上面に排気ホース9を装着しているため、その内部からは空気だけが抜き出されて水が貯められる。密封タンク5からあふれた水は、補助タンク6に貯められてエアポンプ4への流入が防止される。
【0030】
ここで、箱体3が装着される電柱17c付近と、水が滞留する電柱17b、17c間の垂れ下がった部分との高低差は、通常40cm程度であり、水の自重による圧力差は、0.04気圧程度である。エアポンプ4によって減圧した密封タンク5内の圧力と、大気圧との差は例えば0.99気圧以上であり、滞留した水が容易に吸い上げられる。さらに、電柱17a、17b間の電線1に滞留した水は、電柱17bへの取付部を乗り越えて吸い上げられる。
【0031】
エアポンプ4の作動開始後は、密封タンク5の外部から各電線1ごとの排水状況を監視する。電線1からの排水がなくなったとき、ホース7によりその電線1と接続されたホース取付部5aのバルブ8aを閉じて密封タンク5内への空気の流入を阻止し、他の電線1の排水速度の低下を阻止する。
【0032】
つまり、各電線1ごとにその内部に滞留した水の量が異なり、電線1の種類や長さによって排水速度が異なるため、エアポンプ4の作動開始から排水完了までの時間は、各電線1ごとに異なる。各電線1からの排水完了後は、接続部26等からその電線1内に吸い込まれた空気が密封タンク5に流入して密封タンク5の圧力を高め、他の電線1からの排水速度を低下させるため、排水が完了した電線1との接続を閉じる。
【0033】
全ての電線1からの排水が完了したとき、エアポンプ4を停止して、密封タンク5のバルブ8bを開いて連通口5bから空気を流入させ、密封タンク5、補助タンク6及び箱体3の内部の圧力を大気圧に回復させる。その後、各電線1から箱体3を取り外し、図5に示す電線用被覆カバーを巻き付けて各電線1の水抜き部2を被覆する。
【0034】
図5(a)は水抜き部に電線用被覆カバーを巻き付けたときの側面図、図5(b)はそのA−A断面図、図5(c)は電線用被覆カバーの展開図である。この電線用被覆カバーは、水抜き部2に複数層に巻き付けて被覆するものであり、渦巻き状に形付けされた一枚の絶縁シート28から構成される。
【0035】
絶縁シート28は、所定の形状に切断され、その巻き中心側の端部に、電線1に装着したときに電線1に沿うずれを防止するためのずれ防止用突起29が突出形成されている。ずれ防止用突起29は、その巻き中心と平行な向きの幅(B1)が水抜き部2の幅(B)よりもわずかに小さくされ、水抜き部2の絶縁被覆23を除去した部分に嵌るようになっている。
【0036】
巻き付け時に内側になる面には、各渦巻き層間の密着を規制する複数の突条30が間隔をおいて形成されている。この突条30は、渦巻き層の各層に配置されるようにその間隔が設定され、巻き中心側の端部付近に形成された排水穴31から排出された電線1内の水を渦巻き層間の隙間から外部に流出させる。これにより、水抜き後に電線1内に浸入した水を水抜き部2より排出して、電線1内に水が滞留しないようになっている。
【0037】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更を加えることができる。例えば、水抜き部2は、電柱17c付近に形成する代わりに、電柱17b、17c間の電線1が垂れ下がった部分に形成してもよく、その位置に制限を受けない。電線1は低電圧線に限らず、導体22を絶縁被覆23で被覆したものであれば、高電圧線18であってもよい。
【0038】
箱体3及びホース7の数は四つに限らずいくつであってもよく、一つであってもよい。複数の電線1から同時に水抜きするだけでなく、各電線1ごとに複数回に分けて水抜きしてもよい。補助タンク6の数は一つに限らずいくつであってもよく、補助タンク6を設けなくてもよい。また、エアポンプ4の代わりに吸水ポンプを用いてもよく、この場合、水抜き部2を電柱17b、17c間の電線1が垂れ下がった部分に形成すればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、電線内に滞留した水を強制的に吸い出して、その排水速度を速くするため、水抜き工事終了後に電線内から滴下した水が通行人にかかることを防止できる。これにより、内部に水が滞留した既設の電線に水抜き工事を施すことができ、その断線を防止して電力の安定供給に寄与することができる。
【0040】
水抜き部を形成する位置に制限を受けないため、電柱の近くに水抜き部を形成することにより、バケット車を不要にすることができる。また、複数径間の電線内の水を一箇所の水抜き部から排出することができ、水抜き工事の時間を短くすることができる。その結果、水抜き工事のコストを削減すると共に、交通渋滞を引き起こすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線用水抜き装置の構成図
【図2】箱体の斜視図
【図3】電線に電線用水抜き装置を装着した状態を示す図
【図4】電線に箱体を装着する手順を説明する図
【図5】(a)は水抜き部に電線用被覆カバーを巻き付けたときの側面図、(b)はそのA−A断面図、(c)は電線用被覆カバーの展開図
【図6】従来の水抜き方法を説明する図
【図7】従来の電線用保護カバーの断面図
【符号の説明】
1 電線
2 水抜き部
3 箱体
4 エアポンプ
5 密封タンク
8a バルブ
23 絶縁被覆
28 絶縁シート
29 ずれ防止用突起
30 突条
31 排水穴
Claims (7)
- 電線の絶縁被覆の一部を除去してなる水抜き部を密封状態に覆う箱体と、該箱体を介して電線内の水を吸い出すポンプとを備えたことを特徴とする電線用水抜き装置。
- 電線の絶縁被覆の一部を除去してなる水抜き部を密封状態に覆う箱体と、該箱体を介して電線内の水を吸い出すエアポンプとを備え、前記箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための密封タンクが介装されたことを特徴とする電線用水抜き装置。
- 電線の絶縁被覆の一部を除去してなる複数の水抜き部をそれぞれ密封状態に覆う複数の箱体と、該箱体を介して電線内の水を吸い出すエアポンプとを備え、前記箱体とエアポンプとの間に、吸い出した水を貯めるための共通の密封タンクが介装され、該密封タンクと複数の前記箱体との接続を個別に開閉するバルブが設けられたことを特徴とする電線用水抜き装置。
- 電線の絶縁被覆の除去部位に巻き付けて被覆する電線用被覆カバーであって、前記除去部位を複数層に巻き付け被覆するように、あらかじめ渦巻き状に形付けされた一枚の絶縁シートから構成されたことを特徴とする電線用被覆カバー。
- 前記絶縁シートの巻き中心側の端部に、前記除去部位に嵌る大きさのずれ防止用突起が形成されたことを特徴とする請求項4記載の電線用被覆カバー。
- 前記絶縁シートの表面に、各渦巻き層間の密着を規制する複数の突条が間隔をおいて形成され、巻き中心側の端部付近に、渦巻き層間の隙間から外部に電線内の水を排出する排水穴が形成されたことを特徴とする請求項4記載の電線用被覆カバー。
- 電線の絶縁被覆の一部を除去することにより、複数本の電線にそれぞれ水抜き部を形成し、各水抜き部をそれぞれ別の箱体で密封状態に覆って各箱体を共通の密封タンクに接続し、次いで、エアポンプで密封タンク内を減圧することにより、前記箱体を介して電線内の水を密封タンク内に吸い出し、全ての電線からの排水が完了した後、各水抜き部から箱体を取り外すことを特徴とする電線の水抜き方法。
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