JP2004071450A - 燃料電池発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内部改質式固体電解質型燃料電池を有する燃料電池発電システムにおいて、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐ。また、燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐ。
【解決手段】燃料電池発電システム(1)は、プレリフォーマー(5)、内部改質式固体電解質型燃料電池(7)等によって構成されている。プレリフォーマー(5)は、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をCH4に改質するものである。プレリフォーマー(5)は中空部を有する管を備え、その中空部には触媒部が設けられている。触媒部は貴金属触媒によって形成されている。プレリフォーマー(5)は、Cuによって形成された接合具(6)により燃料電池(7)に接合されている。プレリフォーマー(5)は第3流路(17)を介して内部改質式固体電解質型燃料電池(7)の燃料室(39)につながっている。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池発電システム(1)は、プレリフォーマー(5)、内部改質式固体電解質型燃料電池(7)等によって構成されている。プレリフォーマー(5)は、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をCH4に改質するものである。プレリフォーマー(5)は中空部を有する管を備え、その中空部には触媒部が設けられている。触媒部は貴金属触媒によって形成されている。プレリフォーマー(5)は、Cuによって形成された接合具(6)により燃料電池(7)に接合されている。プレリフォーマー(5)は第3流路(17)を介して内部改質式固体電解質型燃料電池(7)の燃料室(39)につながっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固体電解質型燃料電池を有する発電システムが知られている。
【0003】
固体電解質型燃料電池は、電解質、燃料極、空気極、燃料室及び空気室等によって構成されている。電解質の一方の面には燃料極が設けられ、他方の面には空気極が設けられている。そして、電解質を隔壁として、燃料極側に燃料室が設けられ、空気極側に空気室が設けられている。
【0004】
発電を行うときには、燃料室にH2及びCOが供給され、空気室に空気が供給される。空気室内の酸素は空気極と電解質との界面で解離して酸素イオン(O2−)となり、燃料極側に移動する。そして、O2−は燃料極と電解質との界面で燃料室内のH2及びCOと反応し、それにより、H2O及びCO2が生成される。このとき、O2−から放出された電子によって発電が行われる。
【0005】
ところで、燃料室に供給されるH2及びCOは、燃料室の上流側に設けられたリフォーマーで生成されている。リフォーマーは、メタンを含む都市ガスを水蒸気の存在下でH2及びCOに改質するものである。ここで、上記改質反応は大きな吸熱反応のため、外部から熱を供給する必要がある。しかしながら、従来の発電システムでは、燃料極から排出された排ガスをリフォーマーに対して供給し、その排ガスの有する熱を用いて上記改質反応を行っていたため、発電の際に発生する熱を上記改質反応に利用できなかった。したがって、発電の効率が低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、燃料室に都市ガスを直接供給し、上記都市ガスをH2及びCOに改質する内部改質式固体電解質型燃料電池が開発された。これにより、発電時に発生する熱を上記改質反応に用いることができ、発電の効率の向上を図ることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、都市ガス中の炭素が発電システム内で析出すると、析出した炭素が燃料極を被覆して電極反応を妨げてしまうおそれがある。それゆえに、都市ガス中の炭素が発電システム内で析出することを防ぐ必要がある。
【0008】
ここで、燃料室に直接供給される都市ガス中の炭素が燃料室内で析出するのを防ぐためには、燃料室に水蒸気を供給するのが有効であることが知られている。
しかしながら、都市ガスにはメタンのみならず、エタン等の炭素数2以上の炭化水素も含まれている。そして、メタンは少量の水蒸気を供給すれば炭素析出を防ぐことができるのに対し、炭素数2以上の炭化水素は水蒸気を多量に供給しなければ炭素析出を防ぐことができない。そのため、燃料室への水蒸気の供給量が少ない場合、燃料室内において炭素が析出するおそれがあった。
【0009】
そこで、燃料室内での炭素の析出を防ぐためには、燃料室に水蒸気を多量に供給すれば良い。だが、この場合、大量の水蒸気を生成するための熱が余計に必要となり、発電効率の低下を招くことになる。
【0010】
また、都市ガスは燃料室に供給される前に脱硫器に通され、硫化物が除去されている。しかしながら、脱硫器により都市ガスに含まれる硫化物をすべて除去することは困難である。よって、燃料室に供給される都市ガスに硫化物が含まれている場合、その硫化物により燃料極が被毒されるおそれがあった。このとき、燃料電池の性能の劣化を招いていた。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内部改質式固体電解質型燃料電池を有する燃料電池発電システムにおいて、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐ技術を提供することにある。また、燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐ技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原料ガスを流通させるとともに該流通中に上記原料ガスに含まれる炭素数2以上の炭化水素を水素の存在下でメタンに変化させる触媒部を有する改質器と、該改質器の下流側に設けられるとともに上記原料ガスが上記改質器を流通することにより生成されたメタンを含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸素含有ガスが供給される酸素極と、上記燃料極と上記酸素極との間に介在する電解質とを含む電池本体を有し、上記燃料極において上記燃料ガスを水の存在下で水素を含む改質ガスに変化させるとともに、上記燃料極、上記酸素極及び上記電解質において上記改質ガスと上記酸素含有ガスとを電極反応させる内部改質式固体電解質型燃料電池と、を備えている燃料電池発電システムである。
【0013】
これにより、改質器が炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させるため、燃料極に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。よって、燃料極への水の供給量が少ない場合でも、燃料極に炭素が析出するおそれは少ない。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐことができる。
【0014】
請求項2の発明は、改質器の触媒部が、脱硫作用を有するものである。
【0015】
これにより、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、改質器の触媒部により上記硫化物は吸着される。よって、燃料極に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので、燃料極が硫化物により被毒されるおそれはない。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0016】
請求項3の発明は、上記改質器に流入する前の原料ガスと、上記燃料極から排出される排ガスとを混合させて上記原料ガスを加熱する混合手段を備えているものである。
【0017】
これにより、混合手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極から排出される排ガスとを混合させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、本発明によれば、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができる。
【0018】
請求項4の発明は、上記改質器に流入する前の原料ガスと、上記燃料極及び上記酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させて上記原料ガスを加熱する熱交換手段を備えているものである。
【0019】
これにより、熱交換手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極及び酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、本発明によれば、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0020】
請求項5の発明は、改質器の触媒部の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つ保温手段を備えているものである。
【0021】
ところで、改質器の温度が高い場合、炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応ばかりでなく、炭素数2以上の炭化水素が水の存在下で水素及び一酸化炭素に変化する反応も活発に起こる。しかしながら、燃料極への供給前に原料ガスを水素及び一酸化炭素に変化させることは、上述のように、発電効率の観点から好ましくない。
【0022】
ここで、本発明によれば、保温手段により改質器の温度が500℃以下に保たれているため、改質器では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、本発明によれば、燃料電池発電システムにおける発電効率の向上を更に図ることができる。
【0023】
また、改質器の温度が高い場合、改質器の触媒部に原料ガス中の炭素が析出しやすい。
【0024】
ここで、本発明によれば、保温手段により改質器の温度は400℃以上且つ500℃以下に保たれているため、触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、本発明によれば、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0025】
請求項6の発明は、保温手段が、上記内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて上記改質器を加熱するように構成されているものである。
【0026】
ところで、内部改質式固体電解質型燃料電池は700℃〜1000℃程度の高温度で作動している。
【0027】
ここで、本発明によれば、保温手段が内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて改質器を加熱するため、改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができる。したがって、本発明によれば、保温手段を別途設けることなく改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0028】
請求項7の発明は、改質器の触媒部が、Ru又はRhを有しているものである。
【0029】
これにより、改質器の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu又はRhによって形成されている。したがって、本発明によれば、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0030】
また、Ru又はRhは硫化物を吸着する能力が高いため、改質器の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池発電システム(1)は、脱硫器(3)、プレリフォーマー(5)、内部改質式固体電解質型燃料電池(7)(以下、燃料電池という)、燃焼機(9)、熱交換器(11)、第1〜第6流路(13,15,17,19,21,23)、及び第1〜第3ブロワー(25,27,29)等によって構成されている。なお、本発明でいうところの改質器はプレリフォーマー(5)によって構成され、混合手段は第4流路(19)によって構成されている。
【0033】
第1流路(13)の一端(図1において右端)は脱硫器(3)の入口(3a)につながっている。
【0034】
第1ブロワー(25)は、第1流路(13)を介して都市ガスを脱硫器(3)に送り出すものである。都市ガスは、CH4、C2H6、C3H8、及びC4H10を含むガスである。ここで、例えば、都市ガス13Aの組成率は、CH4が約88%、C2H6が約6%、C3H8が約4%及びC4H10が約2%となっている。
【0035】
脱硫器(3)は、流入した都市ガスを流通させ、都市ガス中の硫化物を吸着するものである。脱硫器(3)の出口(3b)は、第2流路(15)の一端(左端)につながっている。
【0036】
プレリフォーマー(5)は、脱硫器(3)を流通した都市ガスと後述する燃料再循環ガスとが混合した原料ガスを流通させ、原料ガス中のCH4を改質しない一方、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素、すなわち、C2H6、C3H8、及びC4H10等をCH4に改質するものである。プレリフォーマー(5)の入口(5a)は第2流路(15)の他端(右端)につながり、出口(5b)は第3流路(17)の一端(下端)につながっている。
【0037】
プレリフォーマー(5)は中空部を有する管を備え、その中空部には触媒部が設けられている。触媒部はRu、Rh等の貴金属触媒によって形成されている。また、触媒部は、ガス中の硫化物を吸着する性質も有している。ここで、触媒部を形成している貴金属触媒の量は、燃料電池(7)を始動させてから燃料電池(7)の寿命が尽きるまでの間、脱硫器(3)で吸着されなかったガス中の硫化物をすべて吸着するのに最低限必要とされる量である。
【0038】
プレリフォーマー(5)は、熱伝導性の高い金属、例えば、Cuによって形成された接合具(6)により燃料電池(7)に接合されている。そして、燃料電池(7)の有する熱が接合具(6)を介してプレリフォーマー(5)に伝わり、プレリフォーマー(5)の触媒部の温度は400℃以上、好ましくは400℃〜500℃に保たれている。
【0039】
燃料電池(7)は、(La,Ca)MnO3からなる空気極(31)、YSZからなる電解質(33)、Ni−YSZからなる燃料極(35)、空気室(37)、燃料室(39)、及び外部回路(41)等によって構成されている。電解質(33)は、その内部をイオンだけが通過することができ、ガス及び電子は通過することができない。電解質(33)の一方の面(左側の面)には燃料極(35)が設けられ、他方の面(右側の面)には空気極(31)が設けられている。そして、電解質(33)を隔壁として、燃料極(35)側に燃料室(39)が設けられ、空気極(31)側に空気室(37)が設けられている。燃料極(35)と空気極(31)とは、外部回路(41)を介してつながっている。燃料電池(7)の作動温度は、700℃〜1000℃である。なお、本発明でいうところの酸素極は空気極(32)に対応する。
【0040】
空気室(37)の入口(37a)は、空気が流通する第5流路(21)の一端につながっている。そして、空気室(37)には、第3ブロワー(29)により空気が供給される。供給された空気中のO2は、空気極(31)と電解質(33)との界面で解離してO2−となり、燃料極(35)側に移動する。
【0041】
燃料室(39)の入口(39a)は第3流路(17)の他端につながっている。燃料室(39)にはプレリフォーマー(5)から流出したCH4を含む燃料ガスが供給される。そして、燃料極(35)に含まれるNiの触媒作用により、供給された燃料ガスはCO及びH2を含む改質ガスに変化する。さらに、この改質ガスは、燃料極(35)と電解質(33)との界面で空気極(31)側から移動してきたO2−と反応する。それにより、H2O及びCO2を含むガスが生成される。このとき、O2−から放出された電子が燃料極(35)から外部回路(41)へ流れ込む。
【0042】
また、燃料室(39)の再循環口(39b)は第4流路(19)を介して第2流路(15)の中途部につながっている。そして、燃料室(39)から排出されたH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスが、第2ブロワー(27)により第2流路(15)に送り出される。第2流路(15)に流入した燃料再循環ガスは、脱硫器(3)を流通した都市ガスと混合される。なお、本発明でいうところの排ガスは燃料再循環ガスに対応する。
【0043】
燃焼機(9)は、燃料電池(7)の空気室(37)及び燃料室(39)につながっている。そして、燃焼機(9)は、燃料室(39)から排出されたCO及びH2を含む排ガス及び空気室(37)から排出された排ガスを燃焼する。
【0044】
第6流路(23)は燃焼機(9)で燃焼した排ガスが流通する流路であり、その一端(左端)が燃焼機(9)とつながり、その他端(右端)が排ガスの排出口(図示せず)につながっている。
【0045】
熱交換器(11)内には、第5流路(21)と第6流路(23)とが並行に延びている。そして、熱交換器(11)は、第5流路(21)を流通する空気と、第6流路(23)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0046】
ここで、燃料電池発電システム(1)の動作を説明する。
【0047】
まず、都市ガスは、第1流路(13)を通って脱硫器(3)に流入する。そして、脱硫器(3)に流入した都市ガスは、脱硫器(3)を流通することにより、含有する硫化物が除去される。
【0048】
次に、硫化物が除去された都市ガスは脱硫器(3)を流出し、第2流路(15)を流通する。そして、第2流路(15)と第4流路(19)との合流点で、都市ガスはH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスと混合される。都市ガスと燃料再循環ガスとが混合した原料ガスは、第2流路(15)を通ってプレリフォーマー(5)に流入する。
【0049】
次に、プレリフォーマー(5)の動作を詳細に説明する。
【0050】
プレリフォーマー(5)の触媒部では、触媒部を原料ガスが流通することにより、炭素数2以上の炭化水素と水素とが反応してメタンが生成されるメタン化反応が活発に起こる一方、炭素数2以上の炭化水素と水蒸気とが反応して水素と一酸化炭素とが生成される水蒸気改質反応が若干起こる。なお、メタン化反応はプレリフォーマー(5)の触媒部の全体に亘って起こり、水蒸気改質反応は主としてプレリフォーマー(5)の入口(5a)側の触媒部で起こる。
【0051】
メタン化反応の反応式は、次の式に示すとおりである。この反応は発熱反応である。
CnH2n+2+(n−1)H2→ nCH4…▲1▼
【0052】
ここで、メタン化反応で用いられるH2は、水蒸気改質反応で生成されるH2及び燃料再循環ガスに含まれるH2である。
【0053】
水蒸気改質反応の反応式は、次の式に示す通りである。この反応は吸熱反応である。
CnH2n+2+nH2O → nCO+(2n+1)H2…▲2▼
【0054】
すなわち、プレリフォーマー(5)の触媒部では、上記式▲1▼及び式▲2▼の各反応が起こり、2以上の炭化水素からメタン、一酸化炭素及び、水素が生成される。
【0055】
なお、上記式▲1▼及び式▲2▼は、左辺から右辺へ向かう正方向の反応だけでなく、右辺から左辺へ向かう逆方向の反応も同時に起こっていると考えられる。しかし、逆方向の反応に比較して正方向の反応が多いため、正方向の反応が起こっているとみなすことができる。
【0056】
ところで、都市ガスを脱硫器(3)に流通させても、都市ガスに含まれる硫化物は、そのすべてが脱硫器(3)により除去されるとは限らない。ここで、プレリフォーマー(5)の触媒部はガス中の硫化物を吸着する性質を有するため、原料ガス中に残存している硫化物は、プレリフォーマー(5)を流通することにより除去される。
【0057】
プレリフォーマー(5)を流通することにより生成されたCH4及びH2O含む燃料ガスは、第3流路(17)を通って燃料電池(7)の燃料室(39)に流入する。
【0058】
一方、空気は第5流路(21)を通って熱交換器(11)に流入する。そして、熱交換器(11)において、空気と燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、空気は加熱される。加熱された空気は、第5流路(21)を通って燃料電池(7)の空気室(37)に流入する。
【0059】
次に、燃料電池(7)の動作を詳細に説明する。
【0060】
燃料室(39)では、燃料極(35)に含まれるNiの触媒作用により、メタンと水蒸気とが反応して一酸化炭素と水素とが生成される水蒸気改質反応が行われる。
【0061】
水蒸気改質反応の反応式は、次の式に示す通りである。この反応は吸熱反応である。
CH4+H2O → CO+3H2…▲3▼
【0062】
次に、空気室(37)内の酸素が空気極(31)と電解質(33)との界面で解離して酸素イオンとなる反応が行われる。
【0063】
上記反応の反応式は、次の式に示す通りである。
O2+2e−→O2−…▲4▼
【0064】
酸素イオンは電解質(33)を通って燃料極(35)側に移動する。そして、燃料極(35)と電解質(33)との界面で、酸素イオンと燃料室(39)内の一酸化炭素及び水素とが反応して二酸化炭素及び水蒸気が生成される反応が行われる。
【0065】
上記反応の反応式は、次の式に示す通りである。
CO+O2−→CO2+2e−…▲5▼
H2+O2−→H2O+2e− …▲6▼
【0066】
このとき、O2−から放出された電子が燃料極(35)から外部回路(41)へ流れ込む。そして、外部回路(41)において電気エネルギーが取り出され、発電が行われる。
【0067】
さらに、電子は外部回路(41)から空気極(31)に流れ込み、式▲4▼に示すように、空気極(31)と電解質(33)との界面で空気室(37)内の酸素と反応して酸素イオンとなる。
【0068】
一方、燃料室(39)から排出されたH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスは、第4流路(19)を通って第2流路(15)に流入する。そして、第2流路(15)と第4流路(19)との合流点で、燃料再循環ガスは都市ガスと混合される。
【0069】
また、燃料室(39)から排出されたCOとH2とを含む排ガス及び空気室(37)から排出された排ガスは燃焼機(9)に流入する。そして、燃焼機(9)において、排ガスは燃焼される。
【0070】
上記燃焼の反応式は、次の式に示す通りである。
CO+1/2O2→CO2…▲7▼
H2+1/2O2→H2O…▲8▼
【0071】
燃焼された排ガスは、第6流路(23)を通って熱交換器(11)に流入し、第5流路(21)を流通する空気と熱交換を行う。
【0072】
熱交換器(11)を流通した排ガスは、第6流路(23)を通って排出口から排出される。
【0073】
本実施形態によれば、プレリフォーマー(5)は原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素、すなわち、C2H6、C3H8、及びC4H10等をCH4に改質するため、燃料室(39)に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。よって、燃料ガスに含まれる炭化水素はCH4で占められるので、燃料室(39)への水の供給量が少ない場合でも、燃料室(39)内に炭素が析出するおそれは少ない。したがって、燃料電池(7)の燃料室(39)内における炭素の析出を防ぐことができる。
【0074】
また、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、プレリフォーマー(5)の触媒部により上記硫化物は吸着される。よって、燃料室(39)に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので、燃料極(35)が硫化物により被毒されるおそれはない。したがって、燃料電池(7)の燃料極(35)が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0075】
また、第4流路(19)により、燃料再循環ガスと第2流路(15)を流通する原料ガスとが混合される。これにより、原料ガスは加熱される。それゆえ、プレリフォーマー(5)において、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、燃料再循環ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、燃料再循環ガスの有する熱を用いるため燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を図ることができる。
【0076】
ところで、プレリフォーマー(5)の温度が高い場合、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応ばかりでなく、炭素数2以上の炭化水素が水の存在下で水素及び一酸化炭素に変化する反応も活発に起こる。しかしながら、燃料室(39)への供給前に原料ガスを水素及び一酸化炭素に変化させることは、発電効率の観点から好ましくない。
【0077】
ここで、プレリフォーマー(5)の温度が500℃以下に保たれているため、プレリフォーマー(5)では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、燃料電池発電システム(1)における発電効率の向上を更に図ることができる。
【0078】
また、プレリフォーマー(5)の温度が高い場合、プレリフォーマー(5)の触媒部に原料ガス中の炭素が析出しやすい。
【0079】
ここで、燃料電池(7)によりプレリフォーマー(5)の温度が400℃〜500℃に保たれているため、プレリフォーマー(5)の触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、プレリフォーマー(5)の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0080】
ところで、燃料電池(7)は700℃〜1000℃で作動している。
【0081】
ここで、プレリフォーマー(5)が接合具(6)により燃料電池(7)に接合されているため、燃料電池(7)の有する熱を用いてプレリフォーマー(5)の温度を400℃〜500℃に保つことができる。したがって、プレリフォーマー(5)を保温する保温手段を別途に設けることなくプレリフォーマー(5)の温度を400℃〜500℃に保つことができるため、燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を更に図ることができる。
【0082】
また、プレリフォーマー(5)の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu、Rh等の貴金属触媒によって形成されているため、プレリフォーマー(5)の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0083】
また、Ru、Rh等の貴金属触媒は硫化物を吸着する能力が高いため、プレリフォーマー(5)の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、燃料電池(7)の燃料極(35)が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【0084】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1に対して、プレリフォーマー流通前の都市ガスと燃焼機で燃焼された排ガスとが熱交換するように変更を加えたものである。
【0085】
図2に示すように、本実施形態に係る燃料電池発電システム(1)は、脱硫器(3)、プレリフォーマー(5)、燃料電池(7)、燃焼機(9)、第1熱交換器(43)、第2熱交換器(45)、水ポンプ(47)、水タンク(49)、第7〜第12流路(51,53,55,57,59,61)、第4ブロワー(63)及び第5ブロワー(65)等によって構成されている。なお、本発明でいうところの熱交換手段は第1熱交換器(43)によって構成されている。
【0086】
第7流路(51)の一端(図2における左端)は脱硫器(3)の入口(3a)につながっている。
【0087】
第4ブロワー(63)は、第7流路(51)を介して都市ガスを脱硫器(3)に送り出すものである。
【0088】
第8流路(53)の一端は脱硫器(3)の出口(3b)につながり、他端(上端)は第9流路(55)の中途部につながっている。
【0089】
第9流路(55)の一端(右端)は水ポンプ(47)につながり、他端(左端)はプレリフォーマー(5)の入口(5a)につながっている。
【0090】
水ポンプ(47)は水タンク(49)につながっている。水タンク(49)は水を貯留するものである。水ポンプ(47)は水タンク(49)に貯留された水を吸い込んで、第9流路(55)を流通する都市ガスに対して吸い込んだ水を吐き出すものである。
【0091】
第10流路(57)の一端はプレリフォーマー(5)の出口(5b)につながり、他端は燃料室(39)の入口(39a)につながっている。
【0092】
第11流路(59)の一端は空気室(37)の入口(37a)につながっている。
【0093】
第5ブロワー(65)は、第11流路(59)を介して空気を燃料電池(7)の空気室(37)に送り出すものである。
【0094】
第12流路(61)の一端(左端)は燃焼機(9)につながり、他端(右端)は排ガスの排出口につながっている。
【0095】
第1熱交換器(43)内には、第9流路(55)と第12流路(61)とが並行に延びている。そして、第1熱交換器(43)は、第9流路(55)を流通する都市ガスと、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0096】
第2熱交換器(45)内には、第11流路(59)と第12流路(61)とが並行に延びている。そして、第2熱交換器(45)は、第11流路(59)を流通する空気と、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0097】
ここで、燃料電池発電システム(1)の動作を説明する。
【0098】
まず、都市ガスは、第7流路(51)を通って脱硫器(3)に流入する。そして、脱硫器(3)に流入した都市ガスは、脱硫器(3)を流通することにより、含有する硫化物が除去される。
【0099】
次に、硫化物が除去された都市ガスは脱硫器(3)を流出し、第8流路(53)を流通する。そして、第8流路(53)と第9流路(55)との合流点で、都市ガスに対して水ポンプ(47)により水が供給される。
【0100】
水が供給された都市ガスは第9流路(55)を通って第1熱交換器(43)に流入する。そして、第1熱交換器(43)において、水が供給された都市ガスと燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、都市ガスは加熱される。加熱された都市ガスは第9流路(55)を通ってプレリフォーマー(5)に流入する。
【0101】
一方、空気は第11流路(59)を通って第2熱交換器(45)に流入する。
そして、第2熱交換器(45)において、空気と燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、空気は加熱される。加熱された空気は第11流路(59)を通って燃料電池(7)の空気室(37)に流入する。
【0102】
また、燃焼機(9)で燃焼された排ガスは、第12流路(61)を通って第2熱交換器(45)に流入する。次に、第2熱交換器(45)を流出した排ガスは第1熱交換器(43)に流入する。最後に、第1熱交換器(43)を流出した排ガスは排出口から排出される。
【0103】
本実施形態によれば、第1熱交換器(43)において、第9流路(55)を流通する都市ガスと、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。これにより、都市ガスは加熱される。それゆえ、プレリフォーマー(5)において、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を図ることができる。
【0104】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、プレリフォーマー(5)の触媒部にはRu、Rh等の貴金属触媒が用いられているが、Ni系触媒を用いても良い。
【0105】
また、上記各実施形態では、プレリフォーマー(5)が接合具(6)により燃料電池(7)に接合されているが、燃料電池(7)の燃料室(39)の入口(39a)に、Cuで形成された管状のプレリフォーマーを直接つなげても良い。
【0106】
上記各実施形態では、原料ガスとして都市ガスが用いられているが、原料ガスは天然ガス、メタノール、ナフサ及び一酸化炭素を含む石炭ガス等であっても良い。
【0107】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、改質器が炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させるため、燃料極に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。したがって、燃料極への水の供給量が少ない場合でも、燃料極に炭素が析出するおそれは少ないため、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐことができる。
【0108】
請求項2の発明によれば、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、改質器の触媒部により上記硫化物は吸着される。したがって、燃料極に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので燃料極が硫化物により被毒されるおそれはないため、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0109】
請求項3の発明によれば、混合手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極から排出される排ガスとを混合させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができる。
【0110】
請求項4の発明によれば、熱交換手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極及び酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0111】
請求項5の発明によれば、保温手段により改質器の温度が500℃以下に保たれているため、改質器では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、燃料電池発電システムにおける発電効率の向上を更に図ることができる。
【0112】
また、保温手段により改質器の温度は400℃以上且つ500℃以下に保たれているため、触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0113】
請求項6の発明によれば、保温手段が内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて改質器を加熱するため、改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができる。したがって、保温手段を別途設けることなく改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0114】
請求項7の発明によれば、改質器の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu又はRhによって形成されている。したがって、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0115】
また、Ru又はRhは硫化物を吸着する能力が高いため、改質器の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る燃料電池発電システムの概略構成図である。
【図2】実施形態に係る燃料電池発電システムの概略構成図である。
【符号の説明】
(1) 燃料電池発電システム
(3) 脱硫器
(5) プレリフォーマー(改質器)
(7) 内部改質式固体電解質型燃料電池
(9) 燃焼機
(19) 第4流路(混合手段)
(43) 第1熱交換器(熱交換手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固体電解質型燃料電池を有する発電システムが知られている。
【0003】
固体電解質型燃料電池は、電解質、燃料極、空気極、燃料室及び空気室等によって構成されている。電解質の一方の面には燃料極が設けられ、他方の面には空気極が設けられている。そして、電解質を隔壁として、燃料極側に燃料室が設けられ、空気極側に空気室が設けられている。
【0004】
発電を行うときには、燃料室にH2及びCOが供給され、空気室に空気が供給される。空気室内の酸素は空気極と電解質との界面で解離して酸素イオン(O2−)となり、燃料極側に移動する。そして、O2−は燃料極と電解質との界面で燃料室内のH2及びCOと反応し、それにより、H2O及びCO2が生成される。このとき、O2−から放出された電子によって発電が行われる。
【0005】
ところで、燃料室に供給されるH2及びCOは、燃料室の上流側に設けられたリフォーマーで生成されている。リフォーマーは、メタンを含む都市ガスを水蒸気の存在下でH2及びCOに改質するものである。ここで、上記改質反応は大きな吸熱反応のため、外部から熱を供給する必要がある。しかしながら、従来の発電システムでは、燃料極から排出された排ガスをリフォーマーに対して供給し、その排ガスの有する熱を用いて上記改質反応を行っていたため、発電の際に発生する熱を上記改質反応に利用できなかった。したがって、発電の効率が低下するという問題が生じていた。
【0006】
そこで、燃料室に都市ガスを直接供給し、上記都市ガスをH2及びCOに改質する内部改質式固体電解質型燃料電池が開発された。これにより、発電時に発生する熱を上記改質反応に用いることができ、発電の効率の向上を図ることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、都市ガス中の炭素が発電システム内で析出すると、析出した炭素が燃料極を被覆して電極反応を妨げてしまうおそれがある。それゆえに、都市ガス中の炭素が発電システム内で析出することを防ぐ必要がある。
【0008】
ここで、燃料室に直接供給される都市ガス中の炭素が燃料室内で析出するのを防ぐためには、燃料室に水蒸気を供給するのが有効であることが知られている。
しかしながら、都市ガスにはメタンのみならず、エタン等の炭素数2以上の炭化水素も含まれている。そして、メタンは少量の水蒸気を供給すれば炭素析出を防ぐことができるのに対し、炭素数2以上の炭化水素は水蒸気を多量に供給しなければ炭素析出を防ぐことができない。そのため、燃料室への水蒸気の供給量が少ない場合、燃料室内において炭素が析出するおそれがあった。
【0009】
そこで、燃料室内での炭素の析出を防ぐためには、燃料室に水蒸気を多量に供給すれば良い。だが、この場合、大量の水蒸気を生成するための熱が余計に必要となり、発電効率の低下を招くことになる。
【0010】
また、都市ガスは燃料室に供給される前に脱硫器に通され、硫化物が除去されている。しかしながら、脱硫器により都市ガスに含まれる硫化物をすべて除去することは困難である。よって、燃料室に供給される都市ガスに硫化物が含まれている場合、その硫化物により燃料極が被毒されるおそれがあった。このとき、燃料電池の性能の劣化を招いていた。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内部改質式固体電解質型燃料電池を有する燃料電池発電システムにおいて、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐ技術を提供することにある。また、燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐ技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原料ガスを流通させるとともに該流通中に上記原料ガスに含まれる炭素数2以上の炭化水素を水素の存在下でメタンに変化させる触媒部を有する改質器と、該改質器の下流側に設けられるとともに上記原料ガスが上記改質器を流通することにより生成されたメタンを含む燃料ガスが供給される燃料極と、酸素を含む酸素含有ガスが供給される酸素極と、上記燃料極と上記酸素極との間に介在する電解質とを含む電池本体を有し、上記燃料極において上記燃料ガスを水の存在下で水素を含む改質ガスに変化させるとともに、上記燃料極、上記酸素極及び上記電解質において上記改質ガスと上記酸素含有ガスとを電極反応させる内部改質式固体電解質型燃料電池と、を備えている燃料電池発電システムである。
【0013】
これにより、改質器が炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させるため、燃料極に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。よって、燃料極への水の供給量が少ない場合でも、燃料極に炭素が析出するおそれは少ない。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐことができる。
【0014】
請求項2の発明は、改質器の触媒部が、脱硫作用を有するものである。
【0015】
これにより、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、改質器の触媒部により上記硫化物は吸着される。よって、燃料極に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので、燃料極が硫化物により被毒されるおそれはない。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0016】
請求項3の発明は、上記改質器に流入する前の原料ガスと、上記燃料極から排出される排ガスとを混合させて上記原料ガスを加熱する混合手段を備えているものである。
【0017】
これにより、混合手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極から排出される排ガスとを混合させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、本発明によれば、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができる。
【0018】
請求項4の発明は、上記改質器に流入する前の原料ガスと、上記燃料極及び上記酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させて上記原料ガスを加熱する熱交換手段を備えているものである。
【0019】
これにより、熱交換手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極及び酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、本発明によれば、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0020】
請求項5の発明は、改質器の触媒部の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つ保温手段を備えているものである。
【0021】
ところで、改質器の温度が高い場合、炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応ばかりでなく、炭素数2以上の炭化水素が水の存在下で水素及び一酸化炭素に変化する反応も活発に起こる。しかしながら、燃料極への供給前に原料ガスを水素及び一酸化炭素に変化させることは、上述のように、発電効率の観点から好ましくない。
【0022】
ここで、本発明によれば、保温手段により改質器の温度が500℃以下に保たれているため、改質器では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、本発明によれば、燃料電池発電システムにおける発電効率の向上を更に図ることができる。
【0023】
また、改質器の温度が高い場合、改質器の触媒部に原料ガス中の炭素が析出しやすい。
【0024】
ここで、本発明によれば、保温手段により改質器の温度は400℃以上且つ500℃以下に保たれているため、触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、本発明によれば、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0025】
請求項6の発明は、保温手段が、上記内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて上記改質器を加熱するように構成されているものである。
【0026】
ところで、内部改質式固体電解質型燃料電池は700℃〜1000℃程度の高温度で作動している。
【0027】
ここで、本発明によれば、保温手段が内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて改質器を加熱するため、改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができる。したがって、本発明によれば、保温手段を別途設けることなく改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0028】
請求項7の発明は、改質器の触媒部が、Ru又はRhを有しているものである。
【0029】
これにより、改質器の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu又はRhによって形成されている。したがって、本発明によれば、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0030】
また、Ru又はRhは硫化物を吸着する能力が高いため、改質器の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、本発明によれば、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池発電システム(1)は、脱硫器(3)、プレリフォーマー(5)、内部改質式固体電解質型燃料電池(7)(以下、燃料電池という)、燃焼機(9)、熱交換器(11)、第1〜第6流路(13,15,17,19,21,23)、及び第1〜第3ブロワー(25,27,29)等によって構成されている。なお、本発明でいうところの改質器はプレリフォーマー(5)によって構成され、混合手段は第4流路(19)によって構成されている。
【0033】
第1流路(13)の一端(図1において右端)は脱硫器(3)の入口(3a)につながっている。
【0034】
第1ブロワー(25)は、第1流路(13)を介して都市ガスを脱硫器(3)に送り出すものである。都市ガスは、CH4、C2H6、C3H8、及びC4H10を含むガスである。ここで、例えば、都市ガス13Aの組成率は、CH4が約88%、C2H6が約6%、C3H8が約4%及びC4H10が約2%となっている。
【0035】
脱硫器(3)は、流入した都市ガスを流通させ、都市ガス中の硫化物を吸着するものである。脱硫器(3)の出口(3b)は、第2流路(15)の一端(左端)につながっている。
【0036】
プレリフォーマー(5)は、脱硫器(3)を流通した都市ガスと後述する燃料再循環ガスとが混合した原料ガスを流通させ、原料ガス中のCH4を改質しない一方、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素、すなわち、C2H6、C3H8、及びC4H10等をCH4に改質するものである。プレリフォーマー(5)の入口(5a)は第2流路(15)の他端(右端)につながり、出口(5b)は第3流路(17)の一端(下端)につながっている。
【0037】
プレリフォーマー(5)は中空部を有する管を備え、その中空部には触媒部が設けられている。触媒部はRu、Rh等の貴金属触媒によって形成されている。また、触媒部は、ガス中の硫化物を吸着する性質も有している。ここで、触媒部を形成している貴金属触媒の量は、燃料電池(7)を始動させてから燃料電池(7)の寿命が尽きるまでの間、脱硫器(3)で吸着されなかったガス中の硫化物をすべて吸着するのに最低限必要とされる量である。
【0038】
プレリフォーマー(5)は、熱伝導性の高い金属、例えば、Cuによって形成された接合具(6)により燃料電池(7)に接合されている。そして、燃料電池(7)の有する熱が接合具(6)を介してプレリフォーマー(5)に伝わり、プレリフォーマー(5)の触媒部の温度は400℃以上、好ましくは400℃〜500℃に保たれている。
【0039】
燃料電池(7)は、(La,Ca)MnO3からなる空気極(31)、YSZからなる電解質(33)、Ni−YSZからなる燃料極(35)、空気室(37)、燃料室(39)、及び外部回路(41)等によって構成されている。電解質(33)は、その内部をイオンだけが通過することができ、ガス及び電子は通過することができない。電解質(33)の一方の面(左側の面)には燃料極(35)が設けられ、他方の面(右側の面)には空気極(31)が設けられている。そして、電解質(33)を隔壁として、燃料極(35)側に燃料室(39)が設けられ、空気極(31)側に空気室(37)が設けられている。燃料極(35)と空気極(31)とは、外部回路(41)を介してつながっている。燃料電池(7)の作動温度は、700℃〜1000℃である。なお、本発明でいうところの酸素極は空気極(32)に対応する。
【0040】
空気室(37)の入口(37a)は、空気が流通する第5流路(21)の一端につながっている。そして、空気室(37)には、第3ブロワー(29)により空気が供給される。供給された空気中のO2は、空気極(31)と電解質(33)との界面で解離してO2−となり、燃料極(35)側に移動する。
【0041】
燃料室(39)の入口(39a)は第3流路(17)の他端につながっている。燃料室(39)にはプレリフォーマー(5)から流出したCH4を含む燃料ガスが供給される。そして、燃料極(35)に含まれるNiの触媒作用により、供給された燃料ガスはCO及びH2を含む改質ガスに変化する。さらに、この改質ガスは、燃料極(35)と電解質(33)との界面で空気極(31)側から移動してきたO2−と反応する。それにより、H2O及びCO2を含むガスが生成される。このとき、O2−から放出された電子が燃料極(35)から外部回路(41)へ流れ込む。
【0042】
また、燃料室(39)の再循環口(39b)は第4流路(19)を介して第2流路(15)の中途部につながっている。そして、燃料室(39)から排出されたH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスが、第2ブロワー(27)により第2流路(15)に送り出される。第2流路(15)に流入した燃料再循環ガスは、脱硫器(3)を流通した都市ガスと混合される。なお、本発明でいうところの排ガスは燃料再循環ガスに対応する。
【0043】
燃焼機(9)は、燃料電池(7)の空気室(37)及び燃料室(39)につながっている。そして、燃焼機(9)は、燃料室(39)から排出されたCO及びH2を含む排ガス及び空気室(37)から排出された排ガスを燃焼する。
【0044】
第6流路(23)は燃焼機(9)で燃焼した排ガスが流通する流路であり、その一端(左端)が燃焼機(9)とつながり、その他端(右端)が排ガスの排出口(図示せず)につながっている。
【0045】
熱交換器(11)内には、第5流路(21)と第6流路(23)とが並行に延びている。そして、熱交換器(11)は、第5流路(21)を流通する空気と、第6流路(23)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0046】
ここで、燃料電池発電システム(1)の動作を説明する。
【0047】
まず、都市ガスは、第1流路(13)を通って脱硫器(3)に流入する。そして、脱硫器(3)に流入した都市ガスは、脱硫器(3)を流通することにより、含有する硫化物が除去される。
【0048】
次に、硫化物が除去された都市ガスは脱硫器(3)を流出し、第2流路(15)を流通する。そして、第2流路(15)と第4流路(19)との合流点で、都市ガスはH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスと混合される。都市ガスと燃料再循環ガスとが混合した原料ガスは、第2流路(15)を通ってプレリフォーマー(5)に流入する。
【0049】
次に、プレリフォーマー(5)の動作を詳細に説明する。
【0050】
プレリフォーマー(5)の触媒部では、触媒部を原料ガスが流通することにより、炭素数2以上の炭化水素と水素とが反応してメタンが生成されるメタン化反応が活発に起こる一方、炭素数2以上の炭化水素と水蒸気とが反応して水素と一酸化炭素とが生成される水蒸気改質反応が若干起こる。なお、メタン化反応はプレリフォーマー(5)の触媒部の全体に亘って起こり、水蒸気改質反応は主としてプレリフォーマー(5)の入口(5a)側の触媒部で起こる。
【0051】
メタン化反応の反応式は、次の式に示すとおりである。この反応は発熱反応である。
CnH2n+2+(n−1)H2→ nCH4…▲1▼
【0052】
ここで、メタン化反応で用いられるH2は、水蒸気改質反応で生成されるH2及び燃料再循環ガスに含まれるH2である。
【0053】
水蒸気改質反応の反応式は、次の式に示す通りである。この反応は吸熱反応である。
CnH2n+2+nH2O → nCO+(2n+1)H2…▲2▼
【0054】
すなわち、プレリフォーマー(5)の触媒部では、上記式▲1▼及び式▲2▼の各反応が起こり、2以上の炭化水素からメタン、一酸化炭素及び、水素が生成される。
【0055】
なお、上記式▲1▼及び式▲2▼は、左辺から右辺へ向かう正方向の反応だけでなく、右辺から左辺へ向かう逆方向の反応も同時に起こっていると考えられる。しかし、逆方向の反応に比較して正方向の反応が多いため、正方向の反応が起こっているとみなすことができる。
【0056】
ところで、都市ガスを脱硫器(3)に流通させても、都市ガスに含まれる硫化物は、そのすべてが脱硫器(3)により除去されるとは限らない。ここで、プレリフォーマー(5)の触媒部はガス中の硫化物を吸着する性質を有するため、原料ガス中に残存している硫化物は、プレリフォーマー(5)を流通することにより除去される。
【0057】
プレリフォーマー(5)を流通することにより生成されたCH4及びH2O含む燃料ガスは、第3流路(17)を通って燃料電池(7)の燃料室(39)に流入する。
【0058】
一方、空気は第5流路(21)を通って熱交換器(11)に流入する。そして、熱交換器(11)において、空気と燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、空気は加熱される。加熱された空気は、第5流路(21)を通って燃料電池(7)の空気室(37)に流入する。
【0059】
次に、燃料電池(7)の動作を詳細に説明する。
【0060】
燃料室(39)では、燃料極(35)に含まれるNiの触媒作用により、メタンと水蒸気とが反応して一酸化炭素と水素とが生成される水蒸気改質反応が行われる。
【0061】
水蒸気改質反応の反応式は、次の式に示す通りである。この反応は吸熱反応である。
CH4+H2O → CO+3H2…▲3▼
【0062】
次に、空気室(37)内の酸素が空気極(31)と電解質(33)との界面で解離して酸素イオンとなる反応が行われる。
【0063】
上記反応の反応式は、次の式に示す通りである。
O2+2e−→O2−…▲4▼
【0064】
酸素イオンは電解質(33)を通って燃料極(35)側に移動する。そして、燃料極(35)と電解質(33)との界面で、酸素イオンと燃料室(39)内の一酸化炭素及び水素とが反応して二酸化炭素及び水蒸気が生成される反応が行われる。
【0065】
上記反応の反応式は、次の式に示す通りである。
CO+O2−→CO2+2e−…▲5▼
H2+O2−→H2O+2e− …▲6▼
【0066】
このとき、O2−から放出された電子が燃料極(35)から外部回路(41)へ流れ込む。そして、外部回路(41)において電気エネルギーが取り出され、発電が行われる。
【0067】
さらに、電子は外部回路(41)から空気極(31)に流れ込み、式▲4▼に示すように、空気極(31)と電解質(33)との界面で空気室(37)内の酸素と反応して酸素イオンとなる。
【0068】
一方、燃料室(39)から排出されたH2O、CO2、H2及びCOを含む燃料再循環ガスは、第4流路(19)を通って第2流路(15)に流入する。そして、第2流路(15)と第4流路(19)との合流点で、燃料再循環ガスは都市ガスと混合される。
【0069】
また、燃料室(39)から排出されたCOとH2とを含む排ガス及び空気室(37)から排出された排ガスは燃焼機(9)に流入する。そして、燃焼機(9)において、排ガスは燃焼される。
【0070】
上記燃焼の反応式は、次の式に示す通りである。
CO+1/2O2→CO2…▲7▼
H2+1/2O2→H2O…▲8▼
【0071】
燃焼された排ガスは、第6流路(23)を通って熱交換器(11)に流入し、第5流路(21)を流通する空気と熱交換を行う。
【0072】
熱交換器(11)を流通した排ガスは、第6流路(23)を通って排出口から排出される。
【0073】
本実施形態によれば、プレリフォーマー(5)は原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素、すなわち、C2H6、C3H8、及びC4H10等をCH4に改質するため、燃料室(39)に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。よって、燃料ガスに含まれる炭化水素はCH4で占められるので、燃料室(39)への水の供給量が少ない場合でも、燃料室(39)内に炭素が析出するおそれは少ない。したがって、燃料電池(7)の燃料室(39)内における炭素の析出を防ぐことができる。
【0074】
また、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、プレリフォーマー(5)の触媒部により上記硫化物は吸着される。よって、燃料室(39)に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので、燃料極(35)が硫化物により被毒されるおそれはない。したがって、燃料電池(7)の燃料極(35)が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0075】
また、第4流路(19)により、燃料再循環ガスと第2流路(15)を流通する原料ガスとが混合される。これにより、原料ガスは加熱される。それゆえ、プレリフォーマー(5)において、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、燃料再循環ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、燃料再循環ガスの有する熱を用いるため燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を図ることができる。
【0076】
ところで、プレリフォーマー(5)の温度が高い場合、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応ばかりでなく、炭素数2以上の炭化水素が水の存在下で水素及び一酸化炭素に変化する反応も活発に起こる。しかしながら、燃料室(39)への供給前に原料ガスを水素及び一酸化炭素に変化させることは、発電効率の観点から好ましくない。
【0077】
ここで、プレリフォーマー(5)の温度が500℃以下に保たれているため、プレリフォーマー(5)では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、燃料電池発電システム(1)における発電効率の向上を更に図ることができる。
【0078】
また、プレリフォーマー(5)の温度が高い場合、プレリフォーマー(5)の触媒部に原料ガス中の炭素が析出しやすい。
【0079】
ここで、燃料電池(7)によりプレリフォーマー(5)の温度が400℃〜500℃に保たれているため、プレリフォーマー(5)の触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、プレリフォーマー(5)の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0080】
ところで、燃料電池(7)は700℃〜1000℃で作動している。
【0081】
ここで、プレリフォーマー(5)が接合具(6)により燃料電池(7)に接合されているため、燃料電池(7)の有する熱を用いてプレリフォーマー(5)の温度を400℃〜500℃に保つことができる。したがって、プレリフォーマー(5)を保温する保温手段を別途に設けることなくプレリフォーマー(5)の温度を400℃〜500℃に保つことができるため、燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を更に図ることができる。
【0082】
また、プレリフォーマー(5)の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu、Rh等の貴金属触媒によって形成されているため、プレリフォーマー(5)の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0083】
また、Ru、Rh等の貴金属触媒は硫化物を吸着する能力が高いため、プレリフォーマー(5)の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、燃料電池(7)の燃料極(35)が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【0084】
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1に対して、プレリフォーマー流通前の都市ガスと燃焼機で燃焼された排ガスとが熱交換するように変更を加えたものである。
【0085】
図2に示すように、本実施形態に係る燃料電池発電システム(1)は、脱硫器(3)、プレリフォーマー(5)、燃料電池(7)、燃焼機(9)、第1熱交換器(43)、第2熱交換器(45)、水ポンプ(47)、水タンク(49)、第7〜第12流路(51,53,55,57,59,61)、第4ブロワー(63)及び第5ブロワー(65)等によって構成されている。なお、本発明でいうところの熱交換手段は第1熱交換器(43)によって構成されている。
【0086】
第7流路(51)の一端(図2における左端)は脱硫器(3)の入口(3a)につながっている。
【0087】
第4ブロワー(63)は、第7流路(51)を介して都市ガスを脱硫器(3)に送り出すものである。
【0088】
第8流路(53)の一端は脱硫器(3)の出口(3b)につながり、他端(上端)は第9流路(55)の中途部につながっている。
【0089】
第9流路(55)の一端(右端)は水ポンプ(47)につながり、他端(左端)はプレリフォーマー(5)の入口(5a)につながっている。
【0090】
水ポンプ(47)は水タンク(49)につながっている。水タンク(49)は水を貯留するものである。水ポンプ(47)は水タンク(49)に貯留された水を吸い込んで、第9流路(55)を流通する都市ガスに対して吸い込んだ水を吐き出すものである。
【0091】
第10流路(57)の一端はプレリフォーマー(5)の出口(5b)につながり、他端は燃料室(39)の入口(39a)につながっている。
【0092】
第11流路(59)の一端は空気室(37)の入口(37a)につながっている。
【0093】
第5ブロワー(65)は、第11流路(59)を介して空気を燃料電池(7)の空気室(37)に送り出すものである。
【0094】
第12流路(61)の一端(左端)は燃焼機(9)につながり、他端(右端)は排ガスの排出口につながっている。
【0095】
第1熱交換器(43)内には、第9流路(55)と第12流路(61)とが並行に延びている。そして、第1熱交換器(43)は、第9流路(55)を流通する都市ガスと、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0096】
第2熱交換器(45)内には、第11流路(59)と第12流路(61)とが並行に延びている。そして、第2熱交換器(45)は、第11流路(59)を流通する空気と、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。
【0097】
ここで、燃料電池発電システム(1)の動作を説明する。
【0098】
まず、都市ガスは、第7流路(51)を通って脱硫器(3)に流入する。そして、脱硫器(3)に流入した都市ガスは、脱硫器(3)を流通することにより、含有する硫化物が除去される。
【0099】
次に、硫化物が除去された都市ガスは脱硫器(3)を流出し、第8流路(53)を流通する。そして、第8流路(53)と第9流路(55)との合流点で、都市ガスに対して水ポンプ(47)により水が供給される。
【0100】
水が供給された都市ガスは第9流路(55)を通って第1熱交換器(43)に流入する。そして、第1熱交換器(43)において、水が供給された都市ガスと燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、都市ガスは加熱される。加熱された都市ガスは第9流路(55)を通ってプレリフォーマー(5)に流入する。
【0101】
一方、空気は第11流路(59)を通って第2熱交換器(45)に流入する。
そして、第2熱交換器(45)において、空気と燃焼機(9)で燃焼された排ガスとは熱交換を行い、それにより、空気は加熱される。加熱された空気は第11流路(59)を通って燃料電池(7)の空気室(37)に流入する。
【0102】
また、燃焼機(9)で燃焼された排ガスは、第12流路(61)を通って第2熱交換器(45)に流入する。次に、第2熱交換器(45)を流出した排ガスは第1熱交換器(43)に流入する。最後に、第1熱交換器(43)を流出した排ガスは排出口から排出される。
【0103】
本実施形態によれば、第1熱交換器(43)において、第9流路(55)を流通する都市ガスと、第12流路(61)を流通する排ガスとを熱交換させる。これにより、都市ガスは加熱される。それゆえ、プレリフォーマー(5)において、原料ガス中の炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため燃料電池発電システム(1)の発電効率の向上を図ることができる。
【0104】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、プレリフォーマー(5)の触媒部にはRu、Rh等の貴金属触媒が用いられているが、Ni系触媒を用いても良い。
【0105】
また、上記各実施形態では、プレリフォーマー(5)が接合具(6)により燃料電池(7)に接合されているが、燃料電池(7)の燃料室(39)の入口(39a)に、Cuで形成された管状のプレリフォーマーを直接つなげても良い。
【0106】
上記各実施形態では、原料ガスとして都市ガスが用いられているが、原料ガスは天然ガス、メタノール、ナフサ及び一酸化炭素を含む石炭ガス等であっても良い。
【0107】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、改質器が炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させるため、燃料極に供給される燃料ガスには炭素数2以上の炭化水素は含まれない。したがって、燃料極への水の供給量が少ない場合でも、燃料極に炭素が析出するおそれは少ないため、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極における炭素の析出を防ぐことができる。
【0108】
請求項2の発明によれば、原料ガス中に硫化物が含まれていたとしても、改質器の触媒部により上記硫化物は吸着される。したがって、燃料極に供給される燃料ガスに硫化物は含まれないので燃料極が硫化物により被毒されるおそれはないため、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを防ぐことができる。
【0109】
請求項3の発明によれば、混合手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極から排出される排ガスとを混合させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を図ることができる。
【0110】
請求項4の発明によれば、熱交換手段が、改質器に流入する前の原料ガスと、燃料極及び酸素極の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させるため、原料ガスは加熱される。それゆえ、炭素数2以上の炭化水素をメタンに変化させる反応が活性化され、炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができる。したがって、排ガスの有する熱を用いて炭素数2以上の炭化水素をメタンに確実に変化させることができるとともに、排ガスの有する熱を用いるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0111】
請求項5の発明によれば、保温手段により改質器の温度が500℃以下に保たれているため、改質器では炭素数2以上の炭化水素がメタンに変化する反応が主に起こり、炭素数2以上の炭化水素が水素及び一酸化炭素に変化する反応はほとんど起こらない。したがって、燃料電池発電システムにおける発電効率の向上を更に図ることができる。
【0112】
また、保温手段により改質器の温度は400℃以上且つ500℃以下に保たれているため、触媒部に原料ガス中の炭素は析出しにくい。したがって、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0113】
請求項6の発明によれば、保温手段が内部改質式固体電解質型燃料電池の有する熱を用いて改質器を加熱するため、改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができる。したがって、保温手段を別途設けることなく改質器の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つことができるため、燃料電池発電システムの発電効率の向上を更に図ることができる。
【0114】
請求項7の発明によれば、改質器の触媒部が耐炭素析出性に優れたRu又はRhによって形成されている。したがって、改質器の触媒部に炭素が析出することを防ぐことができる。
【0115】
また、Ru又はRhは硫化物を吸着する能力が高いため、改質器の触媒部により硫化物の吸着を確実に行うことができる。したがって、内部改質式固体電解質型燃料電池の燃料極が硫化物により被毒されるのを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る燃料電池発電システムの概略構成図である。
【図2】実施形態に係る燃料電池発電システムの概略構成図である。
【符号の説明】
(1) 燃料電池発電システム
(3) 脱硫器
(5) プレリフォーマー(改質器)
(7) 内部改質式固体電解質型燃料電池
(9) 燃焼機
(19) 第4流路(混合手段)
(43) 第1熱交換器(熱交換手段)
Claims (7)
- 原料ガスを流通させるとともに該流通中に上記原料ガスに含まれる炭素数2以上の炭化水素を水素の存在下でメタンに変化させる触媒部を有する改質器(5)と、
該改質器(5)の下流側に設けられるとともに上記原料ガスが上記改質器(5)を流通することにより生成されたメタンを含む燃料ガスが供給される燃料極(35)と、酸素を含む酸素含有ガスが供給される酸素極(31)と、上記燃料極(35)と上記酸素極(31)との間に介在する電解質(33)とを含む電池本体を有し、上記燃料極(35)において上記燃料ガスを水の存在下で水素を含む改質ガスに変化させるとともに、上記燃料極(35)、上記酸素極(31)及び上記電解質(33)において上記改質ガスと上記酸素含有ガスとを電極反応させる内部改質式固体電解質型燃料電池(7)と、
を備えている燃料電池発電システム。 - 改質器(5)の触媒部は、脱硫作用を有する請求項1記載の燃料電池発電システム。
- 上記改質器(5)に流入する前の原料ガスと、上記燃料極(35)から排出される排ガスとを混合させて上記原料ガスを加熱する混合手段(19)を備えている請求項1又は2記載の燃料電池発電システム。
- 上記改質器(5)に流入する前の原料ガスと、上記燃料極(35)及び上記酸素極(31)の一方又は双方から排出される排ガスとを熱交換させて上記原料ガスを加熱する熱交換手段(43)を備えている請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料電池発電システム。
- 改質器(5)の触媒部の温度を400℃以上且つ500℃以下に保つ保温手段を備えている請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料電池発電システム。
- 保温手段は、上記内部改質式固体電解質型燃料電池(7)の有する熱を用いて上記改質器(5)を加熱するように構成されている請求項5記載の燃料電池発電システム。
- 改質器(5)の触媒部は、Ru又はRhを有している請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料電池発電システム。
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