JP2004070675A - 記帳機及び媒体種別判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単票が開きサイズ単票であっても、媒体の種別を確実に判定し、適切に幅寄せ動作を行うことができるようにする。
【解決手段】媒体搬送路23における通帳の下ページに対応する位置に配設された第1の光透過量測定センサ24と、前記媒体搬送路23における通帳の上ページに対応する位置に配設された第2の光透過量測定センサ25とを有し、前記第1の光透過量測定センサ24と第2の光透過量測定センサ25との測定レベルの差に応じて媒体22の種別を判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】媒体搬送路23における通帳の下ページに対応する位置に配設された第1の光透過量測定センサ24と、前記媒体搬送路23における通帳の上ページに対応する位置に配設された第2の光透過量測定センサ25とを有し、前記第1の光透過量測定センサ24と第2の光透過量測定センサ25との測定レベルの差に応じて媒体22の種別を判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記帳機及び媒体種別判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行、信用金庫等の金融機関においては、預金通帳等の通帳に記帳するために通帳記帳機等の記帳機が使用されている。該記帳機においては、媒体としての通帳の所定の位置に印字して記帳するために、挿入口から記帳機に挿入された通帳を搬送路の一側端やガイドに押し付けて幅寄せを行うようになっている。これにより、前記搬送路の一側端やガイドを基準位置として、搬送路の幅方向に関する通帳の位置決めを行うことができるので、通帳の所定の位置に印字して正確に記帳することができる。
【0003】
ところで、記帳機における媒体には通帳の他に単票も含まれる。ここで、該単票とは、一枚の紙等からなる媒体であり、金融取引の明細が記入された顧客用の取引明細票として使用されたり、金融機関内部における業務用に使用される媒体である。通常、前記単票は、閉じた状態の通帳と同一のサイズを有している。そして、前記記帳機においては、媒体が単票である場合にも、通帳の場合と同様に、所定の位置に印字して記帳するために、挿入口から記帳機に挿入された単票を搬送路の一側端やガイドに押し付けて幅寄せを行うようになっている。
【0004】
しかし、通帳は、多数枚の紙等を重ねた冊子なので、比較的強い力で搬送路の一側端やガイドに押し付けても通帳を傷付けることはないが、単票は一枚の紙等からなるので、搬送路の一側端やガイドに押し付ける力が強い場合、単票が変形したり傷付いてしまう。そのため、媒体が通帳であるか単票であるかを判定して、媒体を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を調整して媒体が傷付かないようにする必要がある。
【0005】
この場合、前記単票は、閉じた状態の通帳と同一のサイズである、すなわち、閉じサイズ単票であるので、媒体の長さを検出し、媒体が通帳であるか単票であるかを判定して、それぞれに最適な幅寄せ動作を行うようになっている。なお、媒体の長さは、該媒体を搬送させ、搬送路に配設された光学センサの受光素子を媒体が遮っている時間を計測することによって算出するようになっている。
【0006】
図2は従来の通帳と単票との判定基準を示す図である。
【0007】
図において11aは媒体11としての単票であり、11bは媒体11としての通帳である。ここで、前記単票11aは閉じサイズ単票であり、通帳11bは開いた状態となっている。また、L1は搬送方向に関する前記単票11aの長さであり、L2は搬送方向に関する前記通帳11bの長さである。なお、11b−1は、通帳11bの搬送方向に関する長さの中心を示す中心線である。そして、Lsは媒体11が通帳11bであるか単票11aであるかを判定するための閾(しきい)値(判定スライス)である。この場合、単票は、次の式(1)で表される。
L1<Ls・・・式(1)
通帳は、次の式(2)で表される。
L2>Ls・・・(2)
そして、発光素子と受光素子とを有する光学センサによって測定した媒体11の長さが前記閾値Lsよりも短いか長いかによって、前記媒体11が単票11aか通帳11bかが判定される。そして、前記媒体11が単票11aであると判定されると、媒体11を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして、媒体11の幅寄せ動作を行い、前記媒体11が通帳11bであると判定されると、媒体11を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を強くして、媒体11の幅寄せ動作を行う。なお、媒体11の幅寄せ動作は、挿入された媒体11を搬送路の一側端、ガイド等の基準面に押し付けて、媒体11の斜行を修正し、かつ、媒体11の搬送路における幅方向の位置を修正する動作である。
【0008】
次に、光学センサの回路について説明する。
【0009】
図3は従来の光学センサ回路の構成を示す図、図4は従来のセンサの遮光状態と受光センサレベルデータとの関係を示す図である。
【0010】
図3において、受光レベル調整データ12は、受光レベル調整回路13に入力された受光素子としての受光トランジスタTr1の受光レベルに対する増幅率である。そして、受光レベル調整回路13からの出力レベルが一定範囲内となるように、ファームウェア等によって前記受光レベル調整データ12の最適値が設定されている。また、発光電流調整データ15は、発光電流調整回路16が発光素子としての発光LED(Light Emitting Diode)14に流す発光電流を調整するための設定値である。そして、前記発光電流調整データ15をファームウェア等で調整することによって、発光LED14に流す発光電流を変化させることができるようになっている。
【0011】
また、受光レベル調整回路13からの出力は、A/Dコンバータ17によって、受光センサレベルデータ18にA/D変換され、ファームウェア等によりデータとして読み取り可能になっている。
【0012】
そして、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に遮光物がなく、受光素子としての受光トランジスタTr1が遮られていない状態の時、光学センサはオフとする。すなわち、受光トランジスタTr1が発光LED14からの光を受光し、受光センサレベルデータ18が閾値以上である場合、光学センサの位置に媒体11が存在しないとして、光学センサはオフであるとする。また、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に遮光物があり、受光素子としての受光トランジスタTr1が遮られている状態の時、光学センサはオンとする。すなわち、受光トランジスタTr1が発光LED14からの光を受光せず、受光センサレベルデータ18が閾値以下である場合、光学センサの位置に媒体11が存在するとして、光学センサはオンであるとする。
【0013】
なお、前記閾値が適切な数値となるように、受光センサレベルデータ18を読み取りながら、発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12を書き換えることによって、前記発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12をあらかじめ調整する。
【0014】
そして、媒体11の位置と光学センサのオン−オフとの関係が図4に示される。図4(a)〜(c)は、光学センサに対する媒体11の位置を示し、図4(d)は対応する受光センサレベルデータ18の変化を示すグラフである。
【0015】
ここで、媒体11が記帳機の挿入口から挿入され、媒体11の搬送路に配設された光学センサに到達していない時は、図4(a)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が存在せず、受光トランジスタTr1が遮光されないので、受光センサレベルデータ18が閾値よりも高い数値であり、光学センサはオフである。続いて、前記媒体11が搬送されると、図4(b)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が進入し始め、受光トランジスタTr1が徐々に遮光され、受光センサレベルデータ18が低下する。そして、前記媒体11がさらに搬送されると、図4(c)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が進入し、受光トランジスタTr1が遮光され、受光センサレベルデータ18が閾値よりも低い数値となり、光学センサはオンとなる。
【0016】
このように、光学センサのオンとオフとの2値化された情報によって媒体11が光学センサの位置に存在することを検出し、媒体11が光学センサの位置に存在する時間と、媒体11の搬送速度とに基づいて、媒体11の搬送方向に関する長さを算出し、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定して幅寄せ動作を行っている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の記帳機においては、媒体11の搬送方向に関する長さによって、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定するようになっている。そのため、単票11aが開いた状態の通帳と同一のサイズである場合、すなわち、開きサイズ単票である場合に、適切に判定することができなくなってしまう。
【0018】
近年、記帳機の保守等のために開きサイズの単票11aが使用されるようになってきた。この場合、開きサイズの単票11aの搬送方向に関する長さが通帳の11bの搬送方向に関する長さと等しいので、前記従来の記帳機は開きサイズの単票11aを通帳11bと判定して、幅寄せ動作を行ってしまう。そのため、比較的強い力で搬送路の一側端やガイドに押し付けられるので、開きサイズの単票11aが変形したり傷付いたりしてしまう。
【0019】
もっとも、単票11aと通帳11bとでは厚さが異なるので、単票11aと通帳11bとを透過して受光トランジスタTr1に到達する光透過量を測定することによって、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定することも考えられる。しかしながら、通帳11bの表紙の厚さと単票11aの厚さとの間には大きな差がない。そのため、表紙だけを開いた状態で通帳11bが記帳機に挿入された場合、通帳11bの表紙の光透過量と単票11aの光透過量との差を測定して、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定することは困難である。
【0020】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、単票が開きサイズ単票であっても、媒体の種別を確実に判定し、適切に幅寄せ動作を行うことができる記帳機及び媒体種別判定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の記帳機においては、媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置に配設された第1の光透過量測定センサと、前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置に配設された第2の光透過量測定センサとを有し、前記第1の光透過量測定センサと第2の光透過量測定センサとの測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定する。
【0022】
本発明の他の記帳機においては、さらに、前記第1の光透過量測定センサ及び第2の光透過量測定センサは、媒体位置検出用センサの設定を変更したものである。
【0023】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサを有し、該対向センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0024】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサを有し、媒体が前記媒体挿入口に挿入された時に前記媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0025】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体の幅寄せ動作を行う装置を有し、前記媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定する。
【0026】
本発明の更に他の記帳機においては、さらに、磁気読取装置を有し、前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する。
【0027】
本発明の媒体種別判定方法においては、媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置と前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置との光透過量を測定し、該光透過量の測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定する。
【0028】
本発明の他の媒体種別判定方法においては、さらに、媒体位置検出用センサの設定を変更して光透過量を測定する。
【0029】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサのセンサ状態に応じて、前記媒体の種別を判定する。
【0030】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0031】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定する。
【0032】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、さらに、前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の第1の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0035】
図において、21は記帳機の媒体挿入口、23は前記記帳機における媒体搬送路、22は前記媒体挿入口21から挿入された媒体である。ここで、前記記帳機は、銀行、信用金庫等の金融機関において、預金通帳等の通帳に記帳するための通帳記帳機である。なお、前記記帳機は、通帳記帳機として独立して構成されたものであってもよいし、ATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)等の自動取引装置のような他の装置の一部として構成されたものであってもよい。
【0036】
本実施の形態において、媒体22とは記帳機によって印字される対象である。また、媒体22の種別には、預金通帳等の通帳、及び、金融取引の明細が記入された顧客用の取引明細票として使用されたり、金融機関内部での業務用に使用されたり、記帳機の保守等のために使用される単票がある。ここでは、多数枚の紙等を重ねた冊子状になっている媒体を通帳と呼び、一枚の紙等からなる媒体であり通帳を閉じたサイズのものを閉じサイズ単票と呼び、一枚の紙等からなる媒体であって通帳を開いたサイズのものを開きサイズ単票と呼ぶ。
【0037】
なお、図に示される媒体22は、通帳を開いたサイズの媒体であり、22aは媒体22の搬送方向に関する長さの中心を示す中心線である。また、前記媒体搬送路23には、媒体22の光透過量を測定するセンサとしての第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が配設される。図は、媒体挿入口21から媒体搬送路23への媒体22の挿入が完了した直後の状態を示しており、この状態において、第1の光透過量測定センサ24は、搬送方向に関して、媒体22の媒体挿入口21側半分(通帳の下ページ)の中心付近となるように配設され、第2の光透過量測定センサ25は、搬送方向に関して、前記媒体22の残り半分(通帳の上ページ)の中心付近となるように配設される。
【0038】
ここで、前記媒体搬送路23には、媒体22の位置を検出するために「従来の技術」において説明した従来の光学センサが配設されている。すなわち、本実施の形態における記帳機には、従来の光学センサに加えて、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が追加されている。また、前記第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の回路は「従来の技術」において説明した図3に示される回路と同様であるので、前記第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の構成及び動作については、「従来の技術」における光学センサについての説明を援用する。
【0039】
なお、本実施の形態においては、媒体22が通帳であるか単票であるかの判定、すなわち、媒体種別の判定を、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が光透過量の差を検出することによって行う。この場合、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に進入した媒体22を透過して受光トランジスタTr1に到達する光透過量を測定し、前記媒体22の厚さによって受光センサレベルデータ18に差が出るように、発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12をあらかじめ調整する。そのため、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25は、媒体22の有無を検出するためには使用することができない。
【0040】
次に、前記構成の記帳機の媒体種別を判定する動作について説明する。
【0041】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入された後、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の受光センサレベルデータ18をそれぞれ測定する。
【0042】
そして、第1の光透過量測定センサ24の受光センサレベルデータ18をA1とし、第2の光透過量測定センサ25の受光センサレベルデータ18をB1とした場合、A1とB1とがほぼ同等、かつ、一定以上のレベルの時に媒体22の種別は単票である判定する。また、その他の時は媒体22の種別は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体22の幅寄せ動作を行う。すなわち、媒体種別が通帳であるか単票であるかを判定して、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を調整して媒体22が傷付かないようにする。なお、該媒体22の幅寄せ動作は、「従来の技術」において説明した動作と同様であるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0043】
このように、本実施の形態においては、媒体22における通帳の上ページと下ページとの光透過量を測定することによって、確実に通帳と単票との違いを検出することができる、すなわち、媒体種別が通帳であるか単票であるかを判定することができる。
【0044】
例えば、媒体22が通帳であり、上ページ又は下ページが厚さの薄い表紙だけであると、第1の光透過量測定センサ24又は第2の光透過量測定センサ25のいずれかの受光センサレベルデータ18が高くなってしまう。しかし、このような場合でも、媒体22が通帳であれば中紙(両側の表紙の間に存在する媒体)があることから、もう一方の光透過量測定センサの受光センサレベルデータ18は低くなっている。そのため、通帳であることを確実に判定することができる。したがって、挿入された媒体22が通帳開きサイズ媒体22であっても、媒体種別が単票であることを確実に判定することができる。
【0045】
また、挿入される媒体22毎にセンサのプログラムを切り替える場合と比較して、処理速度を高くすることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0047】
図5は本発明の第2の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0048】
本実施の形態においては、用途に合わせてセンサのプログラムを変更することによって、媒体搬送路23における媒体22の位置を検出するための光学センサを使用して媒体種別を判定するようになっている。
【0049】
この場合、媒体搬送路23には、図5に示されるように、前記第1の実施の形態のおける第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25に代えて、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35がそれぞれ配設される。ここで、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35の構成は、「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0050】
そして、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35を媒体搬送路23における媒体22の位置を検出するために使用する場合、「従来の技術」において説明した光学センサと同様に、発光LED14からの光が媒体22を透過しないように、発光電流調整データ15を低めに設定して発光LED14の発光量を抑えた設定値、すなわち、媒体位置検出用の設定値とする。
【0051】
また、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35を光透過量を測定することによって媒体22の種別を判定するために使用する場合、発光電流調整データ15を高めに設定し、発光LED14の発光量を増やす等して、光が媒体22をある程度透過するような設定値、すなわち、光透過量測定用の設定値とする。そして、光透過量を測定して媒体22の種別を判定した後は、発光電流調整データ15の設定値を媒体位置検出用の設定値に戻し、「従来の技術」において説明したような動作を行わせる。すなわち、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35は、媒体22の位置を検出するためのセンサ及び媒体22の種別を判定ためのセンサとして兼用される。
【0052】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0053】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入され、搬送されている時、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35は媒体位置検出用の設定値によって制御される。そして、媒体22が停止した後に、光透過量測定用の設定値に変更され、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35の受光センサレベルデータ18を測定する。なお、前記媒体22の停止は、該媒体22を搬送するための図示されない搬送用モータの停止によって検出される。
【0054】
そして、第1の媒体位置検出用センサ34の受光センサレベルデータ18をA1とし、第2の媒体位置検出用センサ35の受光センサレベルデータ18をB1とした場合、A1とB1とがほぼ同等、かつ、一定以上のレベルの時に媒体22の種別は単票である判定する。また、その他の時は媒体22の種別は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体の幅寄せ動作を行う。
【0055】
このように、本実施の形態においては、同一のセンサの設定値を用途に応じて切り替えて使用することによって、媒体種別が通帳であるか単票であるかを確実に判定することができる。そのため、媒体種別を判定するためのセンサを別途追加する必要がないので、記帳機のコストを低くすることができる。
【0056】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0057】
図6は本発明の第3の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0058】
本実施の形態においては、媒体22の種別を判定する方法として、媒体搬送路23における媒体22を横方向から検出する光学センサを配設するようになっている。
【0059】
この場合、図6に示されるように、媒体挿入口21付近の媒体搬送路23における側壁には、通帳開きサイズ媒体22を横方向から検出する複数(例えば、5個)の対向センサ44a〜44eから成る媒体厚検出センサ群44が配設されている。ここで、対向センサ44a〜44eは、それぞれ、媒体22の厚さ方向に関して異なる位置に配設されている。なお、それぞれの対向センサ44a〜44eの構成は「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0060】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0061】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入され、媒体搬送路23上を搬送されると、媒体厚検出センサ群44のセンサ状態が一定周期(例えば、1〔ms〕程度)でサンプリングする。この場合、媒体22の長さと搬送速度との関係から、媒体22のサイズが通帳開きサイズであると、一つの媒体22が対向センサ44a〜44eのそれぞれを通過する際に、該対向センサ44a〜44eのセンサ状態が10回サンプリングされるものと想定する。
【0062】
そして、媒体22が単票である場合、厚さが薄いので、オンになるのは媒体22の厚さ方向に関して一番低い位置に配設された対向センサ44aだけである。そのため、10回のサンプリングによるオンになるセンサ数は10個となる。
【0063】
また、媒体22が通帳である場合は、媒体22の厚さはページによって異なる。例えば、通帳の1ページ目を開いて挿入した場合、上ページは表紙部分であり厚さが薄いので、オンになるのは前記対向センサ44aだけである。一方、下ページは中紙があるので厚さがあり、対向センサ44a〜44dがオンになるものと想定する。そのため、10回のサンプリング中、上ページ分の5回のサンプリングにおけるセンサのオン数は5個となり、下ページ分の5回のサンプリングにおけるセンサのオン数は20個となる。したがって、通帳1ページ目挿入時のセンサのオン数は合計で25個となる。
【0064】
このように、媒体厚検出センサ群44の対向センサ44a〜44eのセンサ状態を複数回サンプリングし、センサのオン数の差に基づいて、媒体22の種別が通帳であるか単票あるかを判定することができる。
【0065】
このように、本実施の形態においては、媒体22の搬送中に種別の判定を行うことができるので、媒体22の処理時間に影響を与えることがない。
【0066】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0067】
図7は本発明の第4の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0068】
本実施の形態においては、媒体22の種別を判定する方法として、媒体搬送路23における媒体22の厚さを検出するセンサを媒体挿入口21に配設するようになっている。この場合、図7に示されるように、媒体挿入口21に光透過量媒体厚測定センサ50を配設する。該光透過量媒体厚測定センサ50は、媒体厚検出センサ51、第1のプレート52、第2のプレート53、レバー54、及び遮光板55によって構成される。なお、媒体厚検出センサ51の構成は「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。前記第1のプレート52は固定され、第2のプレート53は、ばね58等による一定の押圧力を受けて第1のプレート52に押し付けられ、媒体挿入口21を閉じた状態になっている。
【0069】
そして、媒体22が挿入されると、第2のプレート53は媒体22によって押し上げられる。第2のプレート53の動きは、レバー54によって増幅され、該レバー54に取り付けられた遮光板55が媒体厚検出センサ51の光軸を遮ることによって、媒体厚検出センサ51はオンとなる。なお、該媒体厚検出センサ51がオンになる媒体22の厚さは、レバー54の支点56の位置をずらすことによって調整することができる。
【0070】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0071】
まず、媒体挿入口21から第1のプレート52と第2のプレート53との間に媒体22が挿入されると、第2のプレート53が媒体22の厚さ分だけ押し上げられる。この場合、単票の厚さでは媒体厚検出センサ51はオンにならないが、通帳の表紙の厚さでは媒体厚検出センサ51がオンになるように、あらかじめ支点56の位置を変えて調整しておく。
【0072】
そして、媒体厚検出センサ51がオンにならなかった場合には媒体22は単票であると判定し、媒体厚検出センサ51がオンになった場合には媒体22は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体の幅寄せ動作を行う。
【0073】
このように、本実施の形態においては、光透過量媒体厚測定センサ50のセンサ状態に応じて、媒体22の搬送を開始する前に媒体種別が通帳であるか単票であるかを確実に判定することができるので、媒体種別によって搬送速度を変える場合、より細やかな制御を行うことができる。また、媒体22の厚さを機械的に増幅するようになっているので、該媒体22の厚さの検出精度を向上させることができる。
【0074】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0075】
本実施の形態において、記帳機は、図示されない媒体22の幅寄せ動作を行う装置のパラメータを、まず、媒体22の種別が単票である場合に応じたものに設定し、媒体22の幅寄せ動作を行う。前記パラメータは、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を調整するためのパラメータであり、例えば、図示されない押付用部材のストロークである。この場合、該押付用部材には、媒体22に接触する部材がばねを介して取り付けられているので、押付用部材のストロークを調整することによって、ばねの変形量を調整して、媒体22を押し付ける力を調整することができる。このように、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして幅寄せ動作を行うので、媒体22が単票であっても傷付くことがない。
【0076】
続いて、媒体22のスキューチェックを行い、媒体22が斜めか否かを判定して該媒体22が正常に幅寄せされたか否かをチェックする。ここで、媒体22の幅寄せ動作は、挿入された媒体22を媒体搬送路23の一側端、ガイド等の基準面に押し付けて、媒体22の斜行を修正し、かつ、媒体搬送路23における幅方向の位置を修正する動作である。そのため、幅寄せ動作が適切に行われた場合には、媒体22は斜めになっていない、すなわち、斜行が修正されている。
【0077】
そして、本実施の形態においては、まず、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして幅寄せ動作を行うので、媒体22が単票であれば、斜行が修正されている。また、媒体22が通帳であれば、押し付ける力が弱いので、斜行が修正されていない可能性がある。
【0078】
そこで、スキューチェックの結果、斜行が修正されていて、問題がない場合は、幅寄せ動作は正常に行われたとして終了される。また、スキューチェックにおいて問題があった場合は、媒体22は通帳であると判定される。そして、媒体22の種別が通帳である場合に応じた幅寄せ動作のパラメータを設定し、媒体22の幅寄せ動作を再度行う。
【0079】
このように、本実施の形態においては、最初に媒体22の種別が単票である場合に応じた幅寄せ動作のパラメータを設定して幅寄せ動作を行うことによって、媒体22を傷付けてしまうことがない。
【0080】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0081】
本実施の形態において、記帳機は、前記第1〜第5の実施の形態において説明したような幅寄せ動作が終了した後、図示されない磁気読取装置としての磁気ヘッドによって磁気ストライプの読み取り動作を行う。ここで、磁気ストライプの読み取りを行うことができた場合、媒体22は、磁気ストライプを備えているので、通帳であると判定する。また、磁気ストライプの読み取りを行うことができない場合、媒体22は、磁気ストライプを備えていないので、単票であると判定する。そして、このよな種別判定の結果を、前記第1〜第5の実施の形態において説明したような媒体22の種別判定の結果と照合して確認する。
【0082】
このように、本実施の形態においては、格別の構成を必要とすることなく、前記第1〜第5の実施の形態における媒体22の種別判定の精度を高くすることができる。
【0083】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0084】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、媒体の種別を確実に判定し、適切に幅寄せ動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図2】従来の通帳と単票との判定基準を示す図である。
【図3】従来の光学センサ回路の構成を示す図である。
【図4】従来のセンサの遮光状態と受光センサレベルデータとの関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【符号の説明】
21 媒体挿入口
22 媒体
23 媒体搬送路
24 第1の光透過量測定センサ
25 第2の光透過量測定センサ
34 第1の媒体位置検出用センサ
35 第2の媒体位置検出用センサ
44a、44b、44c、44d、44e 対向センサ
50 媒体厚測定センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記帳機及び媒体種別判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行、信用金庫等の金融機関においては、預金通帳等の通帳に記帳するために通帳記帳機等の記帳機が使用されている。該記帳機においては、媒体としての通帳の所定の位置に印字して記帳するために、挿入口から記帳機に挿入された通帳を搬送路の一側端やガイドに押し付けて幅寄せを行うようになっている。これにより、前記搬送路の一側端やガイドを基準位置として、搬送路の幅方向に関する通帳の位置決めを行うことができるので、通帳の所定の位置に印字して正確に記帳することができる。
【0003】
ところで、記帳機における媒体には通帳の他に単票も含まれる。ここで、該単票とは、一枚の紙等からなる媒体であり、金融取引の明細が記入された顧客用の取引明細票として使用されたり、金融機関内部における業務用に使用される媒体である。通常、前記単票は、閉じた状態の通帳と同一のサイズを有している。そして、前記記帳機においては、媒体が単票である場合にも、通帳の場合と同様に、所定の位置に印字して記帳するために、挿入口から記帳機に挿入された単票を搬送路の一側端やガイドに押し付けて幅寄せを行うようになっている。
【0004】
しかし、通帳は、多数枚の紙等を重ねた冊子なので、比較的強い力で搬送路の一側端やガイドに押し付けても通帳を傷付けることはないが、単票は一枚の紙等からなるので、搬送路の一側端やガイドに押し付ける力が強い場合、単票が変形したり傷付いてしまう。そのため、媒体が通帳であるか単票であるかを判定して、媒体を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を調整して媒体が傷付かないようにする必要がある。
【0005】
この場合、前記単票は、閉じた状態の通帳と同一のサイズである、すなわち、閉じサイズ単票であるので、媒体の長さを検出し、媒体が通帳であるか単票であるかを判定して、それぞれに最適な幅寄せ動作を行うようになっている。なお、媒体の長さは、該媒体を搬送させ、搬送路に配設された光学センサの受光素子を媒体が遮っている時間を計測することによって算出するようになっている。
【0006】
図2は従来の通帳と単票との判定基準を示す図である。
【0007】
図において11aは媒体11としての単票であり、11bは媒体11としての通帳である。ここで、前記単票11aは閉じサイズ単票であり、通帳11bは開いた状態となっている。また、L1は搬送方向に関する前記単票11aの長さであり、L2は搬送方向に関する前記通帳11bの長さである。なお、11b−1は、通帳11bの搬送方向に関する長さの中心を示す中心線である。そして、Lsは媒体11が通帳11bであるか単票11aであるかを判定するための閾(しきい)値(判定スライス)である。この場合、単票は、次の式(1)で表される。
L1<Ls・・・式(1)
通帳は、次の式(2)で表される。
L2>Ls・・・(2)
そして、発光素子と受光素子とを有する光学センサによって測定した媒体11の長さが前記閾値Lsよりも短いか長いかによって、前記媒体11が単票11aか通帳11bかが判定される。そして、前記媒体11が単票11aであると判定されると、媒体11を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして、媒体11の幅寄せ動作を行い、前記媒体11が通帳11bであると判定されると、媒体11を搬送路の一側端やガイドに押し付ける力を強くして、媒体11の幅寄せ動作を行う。なお、媒体11の幅寄せ動作は、挿入された媒体11を搬送路の一側端、ガイド等の基準面に押し付けて、媒体11の斜行を修正し、かつ、媒体11の搬送路における幅方向の位置を修正する動作である。
【0008】
次に、光学センサの回路について説明する。
【0009】
図3は従来の光学センサ回路の構成を示す図、図4は従来のセンサの遮光状態と受光センサレベルデータとの関係を示す図である。
【0010】
図3において、受光レベル調整データ12は、受光レベル調整回路13に入力された受光素子としての受光トランジスタTr1の受光レベルに対する増幅率である。そして、受光レベル調整回路13からの出力レベルが一定範囲内となるように、ファームウェア等によって前記受光レベル調整データ12の最適値が設定されている。また、発光電流調整データ15は、発光電流調整回路16が発光素子としての発光LED(Light Emitting Diode)14に流す発光電流を調整するための設定値である。そして、前記発光電流調整データ15をファームウェア等で調整することによって、発光LED14に流す発光電流を変化させることができるようになっている。
【0011】
また、受光レベル調整回路13からの出力は、A/Dコンバータ17によって、受光センサレベルデータ18にA/D変換され、ファームウェア等によりデータとして読み取り可能になっている。
【0012】
そして、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に遮光物がなく、受光素子としての受光トランジスタTr1が遮られていない状態の時、光学センサはオフとする。すなわち、受光トランジスタTr1が発光LED14からの光を受光し、受光センサレベルデータ18が閾値以上である場合、光学センサの位置に媒体11が存在しないとして、光学センサはオフであるとする。また、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に遮光物があり、受光素子としての受光トランジスタTr1が遮られている状態の時、光学センサはオンとする。すなわち、受光トランジスタTr1が発光LED14からの光を受光せず、受光センサレベルデータ18が閾値以下である場合、光学センサの位置に媒体11が存在するとして、光学センサはオンであるとする。
【0013】
なお、前記閾値が適切な数値となるように、受光センサレベルデータ18を読み取りながら、発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12を書き換えることによって、前記発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12をあらかじめ調整する。
【0014】
そして、媒体11の位置と光学センサのオン−オフとの関係が図4に示される。図4(a)〜(c)は、光学センサに対する媒体11の位置を示し、図4(d)は対応する受光センサレベルデータ18の変化を示すグラフである。
【0015】
ここで、媒体11が記帳機の挿入口から挿入され、媒体11の搬送路に配設された光学センサに到達していない時は、図4(a)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が存在せず、受光トランジスタTr1が遮光されないので、受光センサレベルデータ18が閾値よりも高い数値であり、光学センサはオフである。続いて、前記媒体11が搬送されると、図4(b)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が進入し始め、受光トランジスタTr1が徐々に遮光され、受光センサレベルデータ18が低下する。そして、前記媒体11がさらに搬送されると、図4(c)に示されるように、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に媒体11が進入し、受光トランジスタTr1が遮光され、受光センサレベルデータ18が閾値よりも低い数値となり、光学センサはオンとなる。
【0016】
このように、光学センサのオンとオフとの2値化された情報によって媒体11が光学センサの位置に存在することを検出し、媒体11が光学センサの位置に存在する時間と、媒体11の搬送速度とに基づいて、媒体11の搬送方向に関する長さを算出し、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定して幅寄せ動作を行っている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の記帳機においては、媒体11の搬送方向に関する長さによって、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定するようになっている。そのため、単票11aが開いた状態の通帳と同一のサイズである場合、すなわち、開きサイズ単票である場合に、適切に判定することができなくなってしまう。
【0018】
近年、記帳機の保守等のために開きサイズの単票11aが使用されるようになってきた。この場合、開きサイズの単票11aの搬送方向に関する長さが通帳の11bの搬送方向に関する長さと等しいので、前記従来の記帳機は開きサイズの単票11aを通帳11bと判定して、幅寄せ動作を行ってしまう。そのため、比較的強い力で搬送路の一側端やガイドに押し付けられるので、開きサイズの単票11aが変形したり傷付いたりしてしまう。
【0019】
もっとも、単票11aと通帳11bとでは厚さが異なるので、単票11aと通帳11bとを透過して受光トランジスタTr1に到達する光透過量を測定することによって、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定することも考えられる。しかしながら、通帳11bの表紙の厚さと単票11aの厚さとの間には大きな差がない。そのため、表紙だけを開いた状態で通帳11bが記帳機に挿入された場合、通帳11bの表紙の光透過量と単票11aの光透過量との差を測定して、媒体11が単票11aであるか通帳11bであるかを判定することは困難である。
【0020】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、単票が開きサイズ単票であっても、媒体の種別を確実に判定し、適切に幅寄せ動作を行うことができる記帳機及び媒体種別判定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の記帳機においては、媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置に配設された第1の光透過量測定センサと、前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置に配設された第2の光透過量測定センサとを有し、前記第1の光透過量測定センサと第2の光透過量測定センサとの測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定する。
【0022】
本発明の他の記帳機においては、さらに、前記第1の光透過量測定センサ及び第2の光透過量測定センサは、媒体位置検出用センサの設定を変更したものである。
【0023】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサを有し、該対向センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0024】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサを有し、媒体が前記媒体挿入口に挿入された時に前記媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0025】
本発明の更に他の記帳機においては、媒体の幅寄せ動作を行う装置を有し、前記媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定する。
【0026】
本発明の更に他の記帳機においては、さらに、磁気読取装置を有し、前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する。
【0027】
本発明の媒体種別判定方法においては、媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置と前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置との光透過量を測定し、該光透過量の測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定する。
【0028】
本発明の他の媒体種別判定方法においては、さらに、媒体位置検出用センサの設定を変更して光透過量を測定する。
【0029】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサのセンサ状態に応じて、前記媒体の種別を判定する。
【0030】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定する。
【0031】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定する。
【0032】
本発明の更に他の媒体種別判定方法においては、さらに、前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の第1の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0035】
図において、21は記帳機の媒体挿入口、23は前記記帳機における媒体搬送路、22は前記媒体挿入口21から挿入された媒体である。ここで、前記記帳機は、銀行、信用金庫等の金融機関において、預金通帳等の通帳に記帳するための通帳記帳機である。なお、前記記帳機は、通帳記帳機として独立して構成されたものであってもよいし、ATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)等の自動取引装置のような他の装置の一部として構成されたものであってもよい。
【0036】
本実施の形態において、媒体22とは記帳機によって印字される対象である。また、媒体22の種別には、預金通帳等の通帳、及び、金融取引の明細が記入された顧客用の取引明細票として使用されたり、金融機関内部での業務用に使用されたり、記帳機の保守等のために使用される単票がある。ここでは、多数枚の紙等を重ねた冊子状になっている媒体を通帳と呼び、一枚の紙等からなる媒体であり通帳を閉じたサイズのものを閉じサイズ単票と呼び、一枚の紙等からなる媒体であって通帳を開いたサイズのものを開きサイズ単票と呼ぶ。
【0037】
なお、図に示される媒体22は、通帳を開いたサイズの媒体であり、22aは媒体22の搬送方向に関する長さの中心を示す中心線である。また、前記媒体搬送路23には、媒体22の光透過量を測定するセンサとしての第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が配設される。図は、媒体挿入口21から媒体搬送路23への媒体22の挿入が完了した直後の状態を示しており、この状態において、第1の光透過量測定センサ24は、搬送方向に関して、媒体22の媒体挿入口21側半分(通帳の下ページ)の中心付近となるように配設され、第2の光透過量測定センサ25は、搬送方向に関して、前記媒体22の残り半分(通帳の上ページ)の中心付近となるように配設される。
【0038】
ここで、前記媒体搬送路23には、媒体22の位置を検出するために「従来の技術」において説明した従来の光学センサが配設されている。すなわち、本実施の形態における記帳機には、従来の光学センサに加えて、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が追加されている。また、前記第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の回路は「従来の技術」において説明した図3に示される回路と同様であるので、前記第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の構成及び動作については、「従来の技術」における光学センサについての説明を援用する。
【0039】
なお、本実施の形態においては、媒体22が通帳であるか単票であるかの判定、すなわち、媒体種別の判定を、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25が光透過量の差を検出することによって行う。この場合、発光LED14と受光トランジスタTr1の間に進入した媒体22を透過して受光トランジスタTr1に到達する光透過量を測定し、前記媒体22の厚さによって受光センサレベルデータ18に差が出るように、発光電流調整データ15及び受光レベル調整データ12をあらかじめ調整する。そのため、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25は、媒体22の有無を検出するためには使用することができない。
【0040】
次に、前記構成の記帳機の媒体種別を判定する動作について説明する。
【0041】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入された後、第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25の受光センサレベルデータ18をそれぞれ測定する。
【0042】
そして、第1の光透過量測定センサ24の受光センサレベルデータ18をA1とし、第2の光透過量測定センサ25の受光センサレベルデータ18をB1とした場合、A1とB1とがほぼ同等、かつ、一定以上のレベルの時に媒体22の種別は単票である判定する。また、その他の時は媒体22の種別は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体22の幅寄せ動作を行う。すなわち、媒体種別が通帳であるか単票であるかを判定して、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を調整して媒体22が傷付かないようにする。なお、該媒体22の幅寄せ動作は、「従来の技術」において説明した動作と同様であるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0043】
このように、本実施の形態においては、媒体22における通帳の上ページと下ページとの光透過量を測定することによって、確実に通帳と単票との違いを検出することができる、すなわち、媒体種別が通帳であるか単票であるかを判定することができる。
【0044】
例えば、媒体22が通帳であり、上ページ又は下ページが厚さの薄い表紙だけであると、第1の光透過量測定センサ24又は第2の光透過量測定センサ25のいずれかの受光センサレベルデータ18が高くなってしまう。しかし、このような場合でも、媒体22が通帳であれば中紙(両側の表紙の間に存在する媒体)があることから、もう一方の光透過量測定センサの受光センサレベルデータ18は低くなっている。そのため、通帳であることを確実に判定することができる。したがって、挿入された媒体22が通帳開きサイズ媒体22であっても、媒体種別が単票であることを確実に判定することができる。
【0045】
また、挿入される媒体22毎にセンサのプログラムを切り替える場合と比較して、処理速度を高くすることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0047】
図5は本発明の第2の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0048】
本実施の形態においては、用途に合わせてセンサのプログラムを変更することによって、媒体搬送路23における媒体22の位置を検出するための光学センサを使用して媒体種別を判定するようになっている。
【0049】
この場合、媒体搬送路23には、図5に示されるように、前記第1の実施の形態のおける第1の光透過量測定センサ24及び第2の光透過量測定センサ25に代えて、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35がそれぞれ配設される。ここで、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35の構成は、「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0050】
そして、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35を媒体搬送路23における媒体22の位置を検出するために使用する場合、「従来の技術」において説明した光学センサと同様に、発光LED14からの光が媒体22を透過しないように、発光電流調整データ15を低めに設定して発光LED14の発光量を抑えた設定値、すなわち、媒体位置検出用の設定値とする。
【0051】
また、前記第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35を光透過量を測定することによって媒体22の種別を判定するために使用する場合、発光電流調整データ15を高めに設定し、発光LED14の発光量を増やす等して、光が媒体22をある程度透過するような設定値、すなわち、光透過量測定用の設定値とする。そして、光透過量を測定して媒体22の種別を判定した後は、発光電流調整データ15の設定値を媒体位置検出用の設定値に戻し、「従来の技術」において説明したような動作を行わせる。すなわち、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35は、媒体22の位置を検出するためのセンサ及び媒体22の種別を判定ためのセンサとして兼用される。
【0052】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0053】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入され、搬送されている時、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35は媒体位置検出用の設定値によって制御される。そして、媒体22が停止した後に、光透過量測定用の設定値に変更され、第1の媒体位置検出用センサ34及び第2の媒体位置検出用センサ35の受光センサレベルデータ18を測定する。なお、前記媒体22の停止は、該媒体22を搬送するための図示されない搬送用モータの停止によって検出される。
【0054】
そして、第1の媒体位置検出用センサ34の受光センサレベルデータ18をA1とし、第2の媒体位置検出用センサ35の受光センサレベルデータ18をB1とした場合、A1とB1とがほぼ同等、かつ、一定以上のレベルの時に媒体22の種別は単票である判定する。また、その他の時は媒体22の種別は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体の幅寄せ動作を行う。
【0055】
このように、本実施の形態においては、同一のセンサの設定値を用途に応じて切り替えて使用することによって、媒体種別が通帳であるか単票であるかを確実に判定することができる。そのため、媒体種別を判定するためのセンサを別途追加する必要がないので、記帳機のコストを低くすることができる。
【0056】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0057】
図6は本発明の第3の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0058】
本実施の形態においては、媒体22の種別を判定する方法として、媒体搬送路23における媒体22を横方向から検出する光学センサを配設するようになっている。
【0059】
この場合、図6に示されるように、媒体挿入口21付近の媒体搬送路23における側壁には、通帳開きサイズ媒体22を横方向から検出する複数(例えば、5個)の対向センサ44a〜44eから成る媒体厚検出センサ群44が配設されている。ここで、対向センサ44a〜44eは、それぞれ、媒体22の厚さ方向に関して異なる位置に配設されている。なお、それぞれの対向センサ44a〜44eの構成は「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。
【0060】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0061】
まず、媒体挿入口21から通帳開きサイズの媒体22が挿入され、媒体搬送路23上を搬送されると、媒体厚検出センサ群44のセンサ状態が一定周期(例えば、1〔ms〕程度)でサンプリングする。この場合、媒体22の長さと搬送速度との関係から、媒体22のサイズが通帳開きサイズであると、一つの媒体22が対向センサ44a〜44eのそれぞれを通過する際に、該対向センサ44a〜44eのセンサ状態が10回サンプリングされるものと想定する。
【0062】
そして、媒体22が単票である場合、厚さが薄いので、オンになるのは媒体22の厚さ方向に関して一番低い位置に配設された対向センサ44aだけである。そのため、10回のサンプリングによるオンになるセンサ数は10個となる。
【0063】
また、媒体22が通帳である場合は、媒体22の厚さはページによって異なる。例えば、通帳の1ページ目を開いて挿入した場合、上ページは表紙部分であり厚さが薄いので、オンになるのは前記対向センサ44aだけである。一方、下ページは中紙があるので厚さがあり、対向センサ44a〜44dがオンになるものと想定する。そのため、10回のサンプリング中、上ページ分の5回のサンプリングにおけるセンサのオン数は5個となり、下ページ分の5回のサンプリングにおけるセンサのオン数は20個となる。したがって、通帳1ページ目挿入時のセンサのオン数は合計で25個となる。
【0064】
このように、媒体厚検出センサ群44の対向センサ44a〜44eのセンサ状態を複数回サンプリングし、センサのオン数の差に基づいて、媒体22の種別が通帳であるか単票あるかを判定することができる。
【0065】
このように、本実施の形態においては、媒体22の搬送中に種別の判定を行うことができるので、媒体22の処理時間に影響を与えることがない。
【0066】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0067】
図7は本発明の第4の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【0068】
本実施の形態においては、媒体22の種別を判定する方法として、媒体搬送路23における媒体22の厚さを検出するセンサを媒体挿入口21に配設するようになっている。この場合、図7に示されるように、媒体挿入口21に光透過量媒体厚測定センサ50を配設する。該光透過量媒体厚測定センサ50は、媒体厚検出センサ51、第1のプレート52、第2のプレート53、レバー54、及び遮光板55によって構成される。なお、媒体厚検出センサ51の構成は「従来の技術」において説明した光学センサと同様のものであるので、「従来の技術」における説明を援用する。前記第1のプレート52は固定され、第2のプレート53は、ばね58等による一定の押圧力を受けて第1のプレート52に押し付けられ、媒体挿入口21を閉じた状態になっている。
【0069】
そして、媒体22が挿入されると、第2のプレート53は媒体22によって押し上げられる。第2のプレート53の動きは、レバー54によって増幅され、該レバー54に取り付けられた遮光板55が媒体厚検出センサ51の光軸を遮ることによって、媒体厚検出センサ51はオンとなる。なお、該媒体厚検出センサ51がオンになる媒体22の厚さは、レバー54の支点56の位置をずらすことによって調整することができる。
【0070】
次に、本実施の形態における記帳機の動作について説明する。
【0071】
まず、媒体挿入口21から第1のプレート52と第2のプレート53との間に媒体22が挿入されると、第2のプレート53が媒体22の厚さ分だけ押し上げられる。この場合、単票の厚さでは媒体厚検出センサ51はオンにならないが、通帳の表紙の厚さでは媒体厚検出センサ51がオンになるように、あらかじめ支点56の位置を変えて調整しておく。
【0072】
そして、媒体厚検出センサ51がオンにならなかった場合には媒体22は単票であると判定し、媒体厚検出センサ51がオンになった場合には媒体22は通帳であると判定する。そして、前記媒体22の種別に応じた媒体の幅寄せ動作を行う。
【0073】
このように、本実施の形態においては、光透過量媒体厚測定センサ50のセンサ状態に応じて、媒体22の搬送を開始する前に媒体種別が通帳であるか単票であるかを確実に判定することができるので、媒体種別によって搬送速度を変える場合、より細やかな制御を行うことができる。また、媒体22の厚さを機械的に増幅するようになっているので、該媒体22の厚さの検出精度を向上させることができる。
【0074】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0075】
本実施の形態において、記帳機は、図示されない媒体22の幅寄せ動作を行う装置のパラメータを、まず、媒体22の種別が単票である場合に応じたものに設定し、媒体22の幅寄せ動作を行う。前記パラメータは、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を調整するためのパラメータであり、例えば、図示されない押付用部材のストロークである。この場合、該押付用部材には、媒体22に接触する部材がばねを介して取り付けられているので、押付用部材のストロークを調整することによって、ばねの変形量を調整して、媒体22を押し付ける力を調整することができる。このように、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして幅寄せ動作を行うので、媒体22が単票であっても傷付くことがない。
【0076】
続いて、媒体22のスキューチェックを行い、媒体22が斜めか否かを判定して該媒体22が正常に幅寄せされたか否かをチェックする。ここで、媒体22の幅寄せ動作は、挿入された媒体22を媒体搬送路23の一側端、ガイド等の基準面に押し付けて、媒体22の斜行を修正し、かつ、媒体搬送路23における幅方向の位置を修正する動作である。そのため、幅寄せ動作が適切に行われた場合には、媒体22は斜めになっていない、すなわち、斜行が修正されている。
【0077】
そして、本実施の形態においては、まず、媒体22を媒体搬送路23の一側端やガイドに押し付ける力を弱くして幅寄せ動作を行うので、媒体22が単票であれば、斜行が修正されている。また、媒体22が通帳であれば、押し付ける力が弱いので、斜行が修正されていない可能性がある。
【0078】
そこで、スキューチェックの結果、斜行が修正されていて、問題がない場合は、幅寄せ動作は正常に行われたとして終了される。また、スキューチェックにおいて問題があった場合は、媒体22は通帳であると判定される。そして、媒体22の種別が通帳である場合に応じた幅寄せ動作のパラメータを設定し、媒体22の幅寄せ動作を再度行う。
【0079】
このように、本実施の形態においては、最初に媒体22の種別が単票である場合に応じた幅寄せ動作のパラメータを設定して幅寄せ動作を行うことによって、媒体22を傷付けてしまうことがない。
【0080】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0081】
本実施の形態において、記帳機は、前記第1〜第5の実施の形態において説明したような幅寄せ動作が終了した後、図示されない磁気読取装置としての磁気ヘッドによって磁気ストライプの読み取り動作を行う。ここで、磁気ストライプの読み取りを行うことができた場合、媒体22は、磁気ストライプを備えているので、通帳であると判定する。また、磁気ストライプの読み取りを行うことができない場合、媒体22は、磁気ストライプを備えていないので、単票であると判定する。そして、このよな種別判定の結果を、前記第1〜第5の実施の形態において説明したような媒体22の種別判定の結果と照合して確認する。
【0082】
このように、本実施の形態においては、格別の構成を必要とすることなく、前記第1〜第5の実施の形態における媒体22の種別判定の精度を高くすることができる。
【0083】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0084】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、媒体の種別を確実に判定し、適切に幅寄せ動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図2】従来の通帳と単票との判定基準を示す図である。
【図3】従来の光学センサ回路の構成を示す図である。
【図4】従来のセンサの遮光状態と受光センサレベルデータとの関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における記帳機の挿入媒体判定部の概略図である。
【符号の説明】
21 媒体挿入口
22 媒体
23 媒体搬送路
24 第1の光透過量測定センサ
25 第2の光透過量測定センサ
34 第1の媒体位置検出用センサ
35 第2の媒体位置検出用センサ
44a、44b、44c、44d、44e 対向センサ
50 媒体厚測定センサ
Claims (12)
- (a)媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置に配設された第1の光透過量測定センサと、
(b)前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置に配設された第2の光透過量測定センサとを有し、
(c)前記第1の光透過量測定センサと第2の光透過量測定センサとの測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定することを特徴とする記帳機。 - 前記第1の光透過量測定センサ及び第2の光透過量測定センサは、媒体位置検出用センサの設定を変更したものである請求項1に記載の記帳機。
- (a)媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサを有し、
(b)該対向センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定することを特徴とする記帳機。 - (a)媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサを有し、
(b)媒体が前記媒体挿入口に挿入された時に前記媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定することを特徴とする記帳機。 - (a)媒体の幅寄せ動作を行う装置を有し、
(b)前記媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定することを特徴とする記帳機。 - 磁気読取装置を有し、前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する請求項1〜5のいずれか1項に記載の記帳機。
- (a)媒体搬送路における通帳の下ページに対応する位置と前記媒体搬送路における通帳の上ページに対応する位置との光透過量を測定し、(b)該光透過量の測定レベルの差に応じて媒体の種別を判定することを特徴とする媒体種別判定方法。
- 媒体位置検出用センサの設定を変更して光透過量を測定する請求項7に記載の媒体種別判定方法。
- 媒体搬送路における側壁に、媒体の厚さ方向に関して異なる位置に配設された複数の対向センサのセンサ状態に応じて、前記媒体の種別を判定することを特徴とする媒体種別判定方法。
- 媒体挿入口に配設された媒体厚測定センサのセンサ状態に応じて前記媒体の種別を判定することを特徴とする媒体種別判定方法。
- 媒体を傷付けることがないような幅寄せ動作を行い、該幅寄せ動作の結果によって前記媒体の種別を判定することを特徴とする媒体種別判定方法。
- 前記媒体の磁気ストライプの有無を検出して、前記媒体の種別を判定した結果と照合する請求項7〜11のいずれか1項に記載の媒体種別判定方法。
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