JP2004069437A - テストチャート、ステレオカメラの位置ずれ検査装置および位置ずれ検査方法 - Google Patents

テストチャート、ステレオカメラの位置ずれ検査装置および位置ずれ検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カメラの位置ずれ、特に、上下方向・回転方向の位置ずれを有効に検査する新規なテストチャートを提供する。
【解決手段】所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラによって取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて、一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する際に、一対のカメラの前方でカメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されるとともに、一対のカメラによって撮像されることにより、一対の撮像画像に写し出されるテストチャート16であって、このテストチャート16は、テストチャートに描かれるパターンが、基準方向から斜めに傾いている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオカメラを構成する一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する際に使用されるテストチャート、並びに、一対のカメラの位置ずれをこのテストチャートを利用して検査する位置ずれ検査装置および位置ずれ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車外監視、踏切監視、地形認識または高度計といった様々な用途において、ステレオ式監視装置が注目・実用化されている。この監視装置では、対象物の認識・監視を行う前提として、距離データである視差を算出する必要がある。視差は、ステレオカメラより得られる一対の撮像画像に基づき、ステレオマッチング処理を行うことによって算出される。
【0003】
このようなステレオカメラを車体に取り付ける際には、その取り付け位置に関して高レベルの精度が要求される。なぜなら、ステレオカメラの取り付け位置にずれ、すなわち、一対のカメラの相対的な位置にずれ(位置ずれ)が生じると、それに起因してカメラそれぞれの撮像方向がずれてしまうため、算出された距離データに直接影響を及ぼしてしまうからである。特に、カメラの上下方向・回転方向のずれは、ステレオマッチングを行う際に、各画像における同一水平ライン(エピポーラライン)のずれとなって現れるため、算出された距離データの信頼性が低下してしまう場合がある。
【0004】
この点に関して、特開2001−91247号公報では、ステレオ画像に基づき算出された距離データの信頼性を検査する技術が提案されている。この従来技術では、ランダムな輝度パターンが描かれたテストチャートをステレオカメラで撮像することによって、一対の撮像画像を取得するとともに、これらの撮像画像に基づき距離データを算出する。そして、撮像画像に写し出されたテストチャートに関する距離データを評価サンプルとして、ステレオカメラとテストチャートとの間の実距離に基づき、この距離データを評価する。これにより、算出された距離データの信頼性が判定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された従来技術では、距離データの信頼性を評価することはできるものの、それがどの程度のカメラの位置ずれに起因しているのか、すなわち、そのずれ量を特定することまでは開示されていない。また、距離データの信頼性を正確に判定するためには、サブピクセル単位、すなわち1画素(1ピクセル)以下の分解能でずれを検出することが好ましい。この従来技術では、距離データをサブピクセル単位で算出し、これによりサブピクセル単位で位置ずれの判定を行うことを開示している。しかしながら、この手法は、距離データをサブピクセル単位で算出するため、計算処理量が大きく、また、計算処理が煩雑となってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カメラの位置ずれ、特に、上下方向・回転方向の位置ずれを有効に検査する新規なテストチャートを提供することである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、このテストチャートを用いて、距離データの信頼性を低下させるカメラの位置ずれを有効に検査することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラによって取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて、一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する際に、一対のカメラの前方でカメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されるとともに、一対のカメラによって撮像されることにより、一対の撮像画像に写し出されるテストチャートを提供する。このテストチャートは、テストチャートに描かれるパターンが、基準方向から斜めに傾いている。
【0009】
ここで、第1の発明において、パターンは、斜め方向に延在する同一輝度階調の直線を形成することが好ましい。この場合、パターンは、傾き角の異なる複数の直線で構成される屈曲したパターンであることが好ましい。また、この場合、複数の直線のそれぞれは、輝度階調が異なることが好ましい。
【0010】
また、第1の発明において、パターンは、基準方向と直交する方向にパターンが隣接して配置されたパターン群を構成しており、パターン群は、直交方向においてランダムな輝度階調となることが好ましい。
【0011】
また、第2の発明は、一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する位置ずれ検査装置において、一対のカメラと、ステレオ画像処理部と、検査部とを有する位置ずれ検査装置を提供する。この位置ずれ検査装置において、一対のカメラは、所定のカメラ基線長だけ離間されて、撮像画像を出力する。また、ステレオ画像処理部は、一対のカメラの前方でカメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されているとともに、基準方向から斜めに傾いたパターンが描かれたテストチャートを、一対のカメラで撮像することによって得られた撮像画像に基づいて、距離データを算出する。検査部は、算出された距離データに基づき、一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する。
【0012】
ここで、第2の発明において、上述したパターンは、傾き角の異なる複数の直線で構成される屈曲したパターンであることが好ましい。この場合、検査部は、パターンの傾き角の変化する位置で距離データを複数の領域に分割する。そして、分割された領域のそれぞれにおいて視差に関する近似直線が算出され、パターンを構成する直線の傾きと算出された近似直線とに基づき、一対のカメラの相対的なずれ量が算出されることが望ましい。
【0013】
また、第2の発明において、検査部は、パターンを構成する直線の傾きと、算出された近似直線とをパラメータとして、一対のカメラの相対的な上下方向および回転方向のずれ量を算出することが好ましい。また、検査部は、パターンを構成する直線の傾きと、近似直線と、テストチャートまでの実距離に対応する視差とをパラメータとして、一対のカメラの相対的な左右方向のずれ量を算出することが好ましい。
【0014】
また、第2の発明は、一対のカメラの相対的な位置ずれに起因した一対の撮像画像の相対的なずれを補正パラメータを用いて補正する画像補正部をさらに有することが好ましい。このとき、検査部は、画像補正部に対し、算出されたずれ量に基づき補正パラメータを出力することが望ましい。
【0015】
また、第2の発明において、パターンを構成する複数の直線のそれぞれは、輝度階調が異なることが好ましい。
【0016】
さらに、第2の発明において、パターンは、基準方向と直交する方向にパターンが隣接して配置されたパターン群を構成しており、直交方向において、隣接するパターンの輝度階調がそれぞれ異なることが好ましい。
【0017】
さらに、第3の発明は、所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラによって取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて、一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する位置ずれ検査方法を提供する。この位置ずれ検査方法では、第1のステップとして、一対のカメラの前方でカメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されているとともに基準方向から斜めに傾いたパターンが描かれたテストチャートを、一対のカメラで撮像する。第2のステップとして、撮像された一対の撮像画像に基づいて、距離データを算出する。第3のステップは、算出された距離データに基づき、一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する。
【0018】
ここで、第3の発明において、上述したパターンは、傾き角の異なる複数の直線で構成される屈曲したパターンであることが好ましい。この場合、第3のステップは、パターンの傾き角の変化する位置で距離データを複数の領域に分割する。そして、分割された領域のそれぞれにおいて視差に関する近似直線が算出され、パターンを構成する直線の傾きと算出された近似直線とに基づき、一対のカメラの相対的なずれ量が算出されることが望ましい。
【0019】
また、第3の発明において、第3のステップは、パターンを構成する直線の傾きと、算出された近似直線とをパラメータとして、一対のカメラの相対的な上下方向および回転方向のずれ量を算出することが好ましい。また、第3のステップは、パターンを構成する直線の傾きと、算出された近似直線と、テストチャートまでの実距離に対応する視差とをパラメータとして、一対のカメラの相対的な左右方向のずれ量を算出することが好ましい。
【0020】
さらに、第3の発明は、一対のカメラの相対的な位置ずれに起因した一対の画像の相対的なずれを補正パラメータを用いて補正する第4のステップと、算出されたずれ量に基づき、補正パラメータをフィードバック補正する第5のステップとをさらに有することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態にかかるステレオ式監視装置1のブロック構成図である。本実施形態にかかるステレオ式監視装置1は、一例として、自車両前方の走行状況を監視する車外監視装置として機能する。なお、本実施形態の特徴の一つとして、このステレオ式監視装置1は、これら車外監視を行う前提として、例えば、製品出荷前の検査段階において、ステレオカメラの位置ずれを検査・調整する位置ずれ検査装置としても機能する。
【0022】
車外の景色を撮像するステレオカメラは、ルームミラーの近傍に取り付けられており、所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラ2,3で構成されている。これら一対のカメラ2,3のそれぞれには、イメージセンサ(例えば、CCDまたはCMOSセンサ等)が内蔵されている。メインカメラ2は、ステレオ画像処理を行う際に必要な基準画像(右画像)を撮像し、サブカメラ3は、比較画像(左画像)を撮像する。互いの同期が取れている状態において、カメラ2,3から出力された各アナログ画像は、A/Dコンバータ4,5により、所定の輝度階調(例えば、256階調のグレースケール)のデジタル画像に変換される。
【0023】
デジタル化された一対の画像データは、画像補正部6において、輝度の補正や画像の幾何学的な変換等が行われる。通常、一対のカメラ2,3の位置は、程度の差はあるものの誤差(すなわち、位置ずれ)が存在するため、それに起因したずれが左右の各画像に生じている。このずれを補正するために、アフィン変換等を用いて、画像の回転や平行移動等の幾何学的な変換が行われる。数式1は、アフィン変換の基本形を示す。なお、本明細書では、「アフィン変換」という用語を、画像データを回転、移動または拡大・縮小する幾何学的な座標変換を総称する意味で用いる。
【数1】
Figure 2004069437
【0024】
この数式において、(i,j)は変換前の画像データの座標であり、(i’,j’)は変換後の画像データの座標である。また、補正パラメータとしてのアフィンパラメータSHFTI,SHFTJはそれぞれ、i方向(画像の水平方向)への移動、j方向(画像の垂直方向)への移動を表している。アフィンパラメータθ,Kはそれぞれθの回転、K倍の角度(|K|<1の場合は縮小)を示している。この画像補正部6は、後段の検査部14からの指示に基づき、これらアフィンパラメータの適切な値を使用することができる。
【0025】
このような画像処理を経て、メインカメラ2より基準画像データが得られ、サブカメラ3より比較画像データが得られる。これらの画像データ(ステレオ画像データ)は、各画素の輝度値(0〜255)の集合である。ここで、画像データによって規定される画像平面は、i−j座標系で表現され、画像の左下隅を原点として、水平方向をi座標軸、垂直方向をj座標軸とする。一フレーム(一画像の表示単位)相当のステレオ画像データは、後段のステレオ画像処理部7に出力されるとともに、画像データメモリ8に格納される。
【0026】
ステレオ画像処理部7は、基準画像データと比較画像データとに基づいて、一フレーム相当の撮像画像に関する距離データを算出する。ここで、「距離データ」とは、画像データによって規定される画像平面において小領域毎に算出された視差dの集合であり、個々の視差dは画像平面上の位置(i,j)と対応付けられている。それぞれの視差dは、基準画像の一部を構成する所定面積(例えば、4×4画素)の画素ブロック毎に1つ算出される。
【0027】
図2は、基準画像に設定される画素ブロックの説明図である。例えば、基準画像が200×512画素で構成されている場合、一フレーム相当の撮像画像から、画素ブロックPBijの個数相当(50×128個)の視差群が算出され得る。周知のように、視差dは、その算出単位である画素ブロックPBijに関する水平方向のずれ量であり、画素ブロックPBijに写し出された対象物までの距離と大きな相関がある。すなわち、画素ブロックPBij内に写し出されている対象物がカメラ2,3に近いほど、この画素ブロックPBijの視差dは大きくなり、対象物が遠いほど視差dは小さくなる(無限に遠い場合、視差dは0になる)。
【0028】
ある画素ブロックPBij(相関元)に関する視差dを算出する場合、この画素ブロックPBijの輝度特性と相関を有する領域(相関先)を比較画像において特定する。上述したように、カメラ2,3から対象物までの距離は、基準画像と比較画像との間における水平方向のずれ量として現れる。したがって、比較画像において相関先を探索する場合、相関元となる画素ブロックPijのj座標と同じ水平線(エピポーラライン)上を探索すればよい。ステレオ画像処理部7は、相関元のi座標を基準に設定された所定の探索範囲内において、エピポーラライン上を一画素ずつシフトしながら、相関元と相関先の候補との間の相関性を順次評価する(ステレオマッチング)。そして、原則として、最も相関が高いと判断される相関先(相関先の候補の内のいずれか)の水平方向のずれ量を、その画素ブロックPBijの視差dとする。
【0029】
2つの画素ブロックの相関は、例えば、シティブロック距離CBを算出することにより評価することができる。数式2は、シティブロック距離CBの基本形を示す。同数式において、p1ijは一方の画素ブロックのij番目の画素の輝度値であり、p2ijは他方の画素ブロックのij番目の輝度値である。シティブロック距離CBは、位置的に対応した輝度値p1ij,p2ijの差(絶対値)の画素ブロック全体における総和であって、その差が小さいほど両画素ブロックの相関が大きいことを意味している。
【数2】
Figure 2004069437
【0030】
基本的に、エピポーラライン上に存在する画素ブロック毎に算出されたシティブロック距離CBのうち、その値が最小となる画素ブロックが相関先と判断される。このようにして特定された相関先と相関元との間のずれ量が視差dとなる。なお、シティブロック距離CBを算出するステレオ画像処理部7のハードウェア構成については、特開平5−114099号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。このような処理を経て算出された距離データ、すなわち、画像上の位置(i,j)と対応付けられた視差dの集合は、距離データメモリ9に格納される。
【0031】
マイクロコンピュータ10は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成されているが、これを機能的に捉えた場合、認識部11と、検査部14とを有する。
【0032】
認識部11は、道路形状(白線)や車両前方の立体物(走行車)等を認識する。これらの認識は、距離データメモリ9に格納された距離データDに基づいて行われる。なお、認識部11は、これらの認識に際し、画像データメモリ8中に記憶された画像データをさらに利用してもよい。また、図示していない車速センサや舵角センサからのセンサ情報、或いはナビゲーション情報等も必要に応じて参照される。そして、これらの認識結果に基づいて、前方のカーブや立体物に対する警報が必要と判定された場合、モニタやスピーカー等の警報装置12を作動させてドライバーに注意を促す。また、必要に応じて制御装置13を制御することにより、AT(自動変速機)のシフトダウンやエンジン出力の抑制、或いはブレーキの作動といった車両制御が実行される。
【0033】
図1に示す検査装置15は、製品の検査工程(例えば、製品の出荷前、或いは、定期点検時)においてのみ接続される外付けの装置である。マイクロコンピュータ10に検査装置15が接続され、検査装置15によって検査の開始が指示されると、検査部14は予めプログラムされた検査ルーチンを実行する。具体的には、検査部14は、テストチャートを撮像した一対の撮像画像から算出された距離データに基づき、一対のカメラ2,3の相対的な位置ずれを検査する。換言すれば、検査部14は、カメラ2,3に相対的な位置ずれが生じているか否かを判断し、位置ずれが生じていると判断した場合には、このずれ量を算出するとともに、この位置ずれを調整すべく算出されたずれ量を画像補正部6に出力する。
【0034】
図3および図4は、本実施形態にかかる位置ずれの検査手順を示したフローチャートである。まず、検査者は、検査ルーチンの開始指示に先立ち、所定のパターンが描かれたテストチャートを車両前方の所定位置に配置しておく。図5は、テストチャートの配置位置と検査対象である車両との関係を示した図である。同図において、テストチャート16は、車長方向(Z軸)に関してステレオカメラの取り付け位置からZ1の距離で、車高方向(Y軸)に関して地面から十字交点(例えば、テストチャート16の中央点)CまでがY1の高さで配置されている。このとき、テストチャート16は、基準方向を車幅方向(X軸)、すなわち、カメラ2,3のカメラ基線と一致させて平行に配置されている。ここで、基準方向とは、ステレオカメラ前方にテストチャート16を配置した際に、カメラ基線に対して、このテストチャート16に描かれるパターンが斜めに傾くように、テストチャート16の平面上に設定される方向をいう。このような状態でテストチャート16をカメラ2,3で撮像することにより、撮像画像にテストチャート16が写し出される。
【0035】
図6は、テストチャートの一例を示した図である。本実施形態における特徴の一つであるテストチャート16には、基準方向から斜めに傾いたパターンが描かれている。このようなパターンの一例としては、斜め方向に延在する同一輝度階調の直線(この直線は所定の幅を有する)を形成したパターンが挙げられる。テストチャート16では、このような直線が組合わされて、傾き角の異なる2本の直線で構成される屈曲したパターン、すなわち、略V字状のパターンが描かれている。また、同図に示す例では、このようなパターンが、基準方向と直交する方向(上下方向)に隣接して配置されたパターン群を構成している。同図において、直線のそれぞれに示した階調A〜Fはそれぞれ異なる輝度の階調を表現しており、このパターン群は、上下方向にランダムな輝度階調となるように構成されている。
【0036】
再び図3を参照して、検査ルーチンの手順を説明する。検査者が検査装置15を操作して検査の開始を指示すると、マイクロコンピュータ10(すなわち検査部14)は、1フレーム分の距離データDを、距離データメモリ9から読み出す(ステップ1)。
【0037】
ステップ2において、読み出された距離データDを処理対象として、この距離データDが信頼し得るものであるか、すなわち、距離Z1相当の視差dが算出されているか否かが評価される。換言すれば、このステップ2では、距離データDの信頼性を評価することにより、一対のカメラ2,3の相対的な位置ずれが検査される(より具体的には、位置ずれがあるか否かが判断される)。このステップ2では、撮像画像に写し出されたテストチャート16に関する距離データDを評価サンプルとして、この評価サンプルの距離値(視差d)と出現度数との関係を示したヒストグラムが生成される。そして、生成されたヒストグラムの特性が適正率rとして定量的に算出されるとともに、設定されたしきい値rthとこの適正率rとを比較することにより、算出された距離データDの信頼性が評価される。このとき、適正率rがしきい値rth以上であれば、信頼できる距離データDが算出されている(すなわち、カメラ2,3に位置ずれが生じていない)として肯定判定され、図4に示すステップ19に進む。これに対して、適正率rが判定しきい値rth未満であれば、信頼できない距離データDが算出されている(すなわち、カメラ2,3に位置ずれが生じている)として否定判定され、後段のステップ3に進む。なお、テストチャートを使用した距離データの検査方法およびその検査装置については、特開2001−91247号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0038】
ステップ2に続くステップ3において、読み出された距離データDが、画像平面上の座標位置に対応する二次元的な平面において、縦方向に延在する短冊状の区分に切断(分割)される。そして、分割された区分のそれぞれを処理対象として、視差dに関するヒストグラム(頻度分布)が算出される(ステップ4)。このヒストグラムは、ある一つの区分における視差dの値と、その値相当の視差dの出現度数との関係を示すものであり、このステップ4により、分割された区分相当数のヒストグラムが算出される。
【0039】
ステップ5において、各区分を代表する代表視差d’が特定される。このステップ5では、算出されたヒストグラムを用いて、出現頻度が最も多く、かつ、所定のしきい値dth以上となる視差dの値が、代表視差d’として特定される。例えば、このしきい値dthは、テストチャート16までの距離Z1に相当する視差dを基準として、この基準となる視差dの値より若干小さめな値として決定されている。このとき、代表視差d’の候補となる視差dがヒストグラム内(すなわち、区分内)に存在しないときは、その区分については、代表視差d’の特定は行われない。このような代表視差d’の特定処理が分割された全ての区分に対応するヒストグラムについて行われ、最大で分割された区分相当数の代表視差d’が特定される。
【0040】
ステップ6において、テストチャート16に描かれたパターンの傾き角の変化する位置で、距離データDが複数の領域に分割される。具体的には、テストチャート16のパターンを構成する直線の傾き角が変化する位置(図6に示す「変化位置」)を基準として、この変化位置と座標位置的に対応する距離データD上の位置を境に、距離データDが複数の領域に分割される。図7は、距離データの領域分割の一例を示した説明図である。同図に示すように、V字状のテストチャート16を用いた場合、距離データDは、V字の中心を境に、2つの領域AreaL(図中左側),AreaR(図中右側)に分割されることとなる。このとき、この領域AreaL,AreaRと位置的に対応する区分に関して特定された代表視差d’が、領域AreaL,AreaRのそれぞれに対応付けられる。
【0041】
なお、ステップ6において、各領域に対応づけられる代表視差d’の個数が、所定の個数より小さい場合には、検査部14は、この距離データDを不適と判断し、後段のステップ20に進むことが好ましい。例えば、このような不適と判断される距離データDには、本実施形態で示す範囲内で調整可能な位置ずれ以上のずれが起こっている、或いは、アフィン変換では修正できないようなずれが生じていることが考えられる。
【0042】
そして、ステップ7において、領域AreaL,AreaRのそれぞれを処理対象として、この領域に対応付けられた代表視差d’に関する近似直線が算出される。換言すれば、このステップ7では、分割された領域AreaL,AreaRのそれぞれにおいて、視差d(正確には、代表視差d’)に関する近似直線が算出される。図8は、領域毎に算出される近似直線の一例を示す図である。この近似直線は、同図に示すように距離データD平面上のi座標と視差dとの直交二次元座標系において、例えば、最小二乗法を用いて算出される。算出された近似直線は、数式3に示すような一般形で示され、この近似直線を規定する直線パラメータα,βが領域AreaL,AreaRのそれぞれについて算出されることとなる。ここで、数式3において、領域AreaLに関して算出される近似直線d’Lについては、その直線パラメータα,βに添字としてLが付されいる。また、領域AreaRに関して算出される近似直線d’Rについては、その直線パラメータα,βに添字としてRが付されている。
【数3】
Figure 2004069437
【0043】
図9は、カメラ2,3の上下方向への相対的なずれに起因した視差のずれを示した説明図である。一般に、カメラ2,3に相対的な位置ずれがないと仮定した場合、平行に配置されたテストチャート16を撮像したならば、この撮像画像に基づき算出される視差dの値は、距離Z1に相当する値として一様にその値が定まる。ところで、カメラ2,3に上下方向の相対的な位置ずれが存在する場合(例えば、メインカメラ2を基準としてサブカメラ3がずれている場合)、比較画像に写し出されるテストチャート16のV字パターンは、本来あるべきの位置(破線で示すV字のパターン)よりも、例えば、上側にシフトした位置(実線で示すV字のパターン)に存在する(同図(a)参照)。この状態でステレオマッチングを行ったならば、マッチングされる位置(対応点)は、同一輝度階調のパターンが傾斜しているため本来マッチングされる位置よりも左右方向(すなわち、図中の矢印方向)に大きくずれる。換言すれば、このパターンによれば、カメラ2,3の上下方向の位置ずれは、左右方向のずれ、すなわち、視差のずれとして反映されることとなる。当然、このとき算出されるテストチャート16に関する視差の値は、真値から大きくずれた値となる。
【0044】
また、屈曲したパターンが描かれたテストチャートを使用した場合、パターンの傾き角が変化する位置を境に直線の傾きが逆転するため、それにともない算出される視差の値は、視差の真値よりも大きくなるものと、小さくなるものとが存在する。V字パターンが描かれたテストチャート16を使用した場合、同図に示す例では、V字の中心を境に、距離データDの左側では視差dの値が真値よりも大きくなり、また、距離データDの右側では視差dの値が真値よりも小さくなる。このような場合には、それぞれの領域AreaL,AreaRに対応付けられた視差dに関する近似直線は、図中(b)に示したような実線の軌跡となる。
【0045】
また、図10は、カメラ2,3の回転方向への相対的なずれに起因した視差のずれを示した説明図である。同図(a)に示すように、回転方向のずれが存在する場合(例えば、メインカメラ2を基準としてサブカメラ3がずれる場合)、比較画像に写し出されるテストチャート16のV字パターンは、本来あるべき位置よりも、例えば、時計回り方向にシフトした位置に存在している。この状態で、ステレオマッチングを行ったならば、マッチングされる位置(対応点)は、パターンが傾斜しているため、図中の矢印方向にずれる。また、V字パターンが描かれたテストチャート16を使用した場合、同図に示す例では、算出される視差dの値は、距離データDの左側から右側にかけて真値よりも大きくなっていく傾向となる。このような場合には、それぞれの領域AreaL,AreaRに対応付けられた視差dに関する近似直線は、同図(b)に示したような実線の軌跡となる。
【0046】
さらに、図11は、カメラ2,3の左右方向への相対的なずれに起因した視差のずれを示した説明図である。同図(a)に示すように、左右方向のずれが存在する場合(例えば、メインカメラ2を基準としてサブカメラ3がずれる場合)、比較画像に写し出されるテストチャート16のV字のパターンは、本来あるべき位置より、例えば、右方向にシフトした位置に存在している。この状態でステレオマッチングを行ったならば、マッチングされる位置(対応点)は、本来マッチングされる位置よりも左右方向(すなわち、図中の矢印方向)にずれた位置となる。このような場合には、それぞれの領域AreaL,AreaRに対応付けられた視差dに関する近似直線は、同図(b)に示したような実線の軌跡となる。
【0047】
図9〜11に示して説明したように、カメラ2,3に相対的な位置ずれが生じていると仮定した場合、テストチャート16を撮像することによって検出されるあるi座標位置における視差dの値は、一般に、数式4に示す関係を満たす。
【数4】
Figure 2004069437
【0048】
ここで、dLは、パターンの傾きの変化位置、すなわち、V字の中心を境とした領域AreaLにおける視差、dRは、領域AreaRにおける視差である。また、Δiは基準画像と比較画像との左右方向への相対的なずれ量(すなわち、カメラ2,3の左右方向への相対的なずれ量)、Δjはカメラ2,3の上下方向への相対的なずれ量、Δθはカメラ2,3の回転方向への相対的なずれ量である。また、Cはテストチャート16までの距離Z1に相当する視差dである。さらに、A(すなわち、ALおよびAR)は、数式5で示されるように、テストチャート16のパターンの傾きによって与えられる定数である。
【数5】
Figure 2004069437
【0049】
この数式5において、αLは、V字の右下がりの直線(V字の中心を境に左側)の傾きを示し、αRは、V字の右上がりの直線(V字の中心を境に右側)の傾きを示している。また、pvは、カメラ2,3の1画素相当の高さ、phは、カメラ2,3の1画素相当の幅を示している。
【0050】
数式4から理解されるように、テストチャート16が写し出された撮像画像に基づき算出された距離データDによって特定される視差dは、視差dの真値Cに以下に示す3つのずれ量が加味される。
(1)左右方向の位置ずれ量Δi
(2)上下方向の位置ずれが反映された左右方向のずれ
(3)回転方向の位置ずれが反映された左右方向のずれ
ここで、回転方向の位置ずれが反映された左右方向のずれは、i座標値に回転方向のずれ量Δθとパターンの傾きAとを乗じた値、上下方向の位置ずれが反映された左右方向のずれは、上下方向のずれΔjに傾きAを乗じた値として算出される。
【0051】
したがって、算出された視差d(正確には、代表視差d’)に関する近似直線が数式3として求められているならば、数式3と数式6とに基づき、これらのずれ量Δi,ΔjおよびΔθが特定可能となる。
【0052】
そこで、再び図3に示すステップ8において、以下に示す数式6に基づき、ステレオカメラのずれ量が算出される。数式6から理解されるように、このステップ8では、カメラ2,3の相対的な位置ずれとして、上下方向のずれ量Δj、左右方向のずれ量Δiおよび回転方向のずれ量Δθのそれぞれが一義的に特定される。
【数6】
Figure 2004069437
【0053】
この数式6の意味するところは、テストチャート16のパターンを構成する直線の傾きと、ステップ7において算出された近似直線とに基づき、カメラ2,3の相対的な位置ずれを算出できることである。すなわち、同式から理解されるように、パターンを構成する直線の傾きと、算出された近似直線とをパラメータとして、カメラ2,3の相対的な上下方向および回転方向のずれΔj,Δθが算出される。また、パターンを構成する直線の傾きと、近似直線と、テストチャート16までの実距離Z1に対応する視差Cとをパラメータとして、カメラ2,3の相対的な左右方向のずれΔiが算出される。
【0054】
そして、図4に示すステップ9において、算出された上下方向のずれ量Δjと、所定のしきい値Δjthとが比較され、算出されたずれ量Δjが補正すべきずれ量であるか否かが判断される。具体的には、算出されたずれ量Δjが所定のしきい値Δjth以下となるか否かにより、このずれ量Δjが、補正すべきずれ量であるか否かの判断が行われる。ここで、所定のしきい値Δjthは、算出されたずれ量Δiが許容可能となるずれ量の最大値として決定されている。したがって、このステップ9で肯定判定された場合、検査部14は、現在のカメラ2,3の状態が補正する程度のずれが生じていないと判断し、ステップ10に進む。このとき、検査部14は、画像補正部6にて用いられるアフィンパラメータの現在値を把握しており、左右方向のパラメータSHFTJを現在値のまま維持する(ステップ10)。ここで、アフィンパラメータの現在値とは、製品出荷前の検査段階では、例えば0(すなわち、未定値)をいい、定期点検における検査段階では、製品出荷時の検査段階(或いは、以前の定期点検時における検査段階)で決定された値をいう。一方、このステップ9で否定判定された場合、検査部14は、現在のカメラ2,3の状態に補正すべきずれが生じていると判断し、ステップ11に進む。そして、検査部14は、パラメータSHFTJの現在値に、算出されたずれ量Δj相当の値を加算した値を、パラメータSHFTJの現在値として更新する(ステップ11)。
【0055】
ステップ12において、算出された左右方向のずれ量Δiと、所定のしきい値Δithとが比較され、算出されたずれ量Δiが補正すべきずれ量であるか否かが判断される。そして、ステップ9に示した処理と同様、算出されたずれ量Δiが所定のしきい値Δith以下と判断された場合には、左右方向のアフィンパラメータSHFTIが現在値のまま維持される(ステップ13)。一方、算出されたずれ量Δiが所定のしきい値Δithより大きいと判断された場合には、パラメータSHFTIの現在値に、算出されたずれ量Δi相当の値を加算した値が、パラメータSHFTIの現在値として更新される(ステップ14)。
【0056】
さらに、算出された回転方向のずれ量Δθと、所定のしきい値Δθthとが比較される(ステップ15)。そして、ステップ9およびステップ12と同様、回転方向のアフィンパラメータθが現在値のまま維持される(ステップ16)、或いは、パラメータθの現在値に、算出されたずれ量Δθ相当の値を加算した値が、パラメータθの現在値として更新される(ステップ17)。そして、算出されたずれ量(具体的には、更新されたアフィンパラメータ)が画像補正部6に対して出力さる。これにより、算出されたずれ量に基づき、一対の画像の相対的なずれを補正する補正パラメータ(すなわち、アフィンパラメータ)がフィードバック補正される。なお、このとき算出されたずれ量のそれぞれが、所定のしきい値以下となる場合には、後述するステップ18をスキップして、ステップ19に進む。
【0057】
そして、ステップ16(またはステップ17)に続くステップ18において、更新されたアフィンパラメータで画像変換が行われた一対の撮像画像に基づき算出された距離データDを読み出し、上述したステップ2と同様に、距離データの信頼性が評価される。このとき、距離データDが信頼性に足りるものであると判断された場合には、ステップ19に進み、調整結果を「OK」として、本ルーチンを抜ける。この場合、検査部14における検査結果を受けて、検査装置15は検査者に対して検査結果が「良好」である旨を通知する。一方、この距離データDが信頼性に足りるものではないと判断された場合、ステップ20に進み、検査結果を「NG」として、本ルーチンを抜ける。この場合、検査部14における検査結果を受けて、検査装置15は、検査者に対して調整結果が「不良」である旨を通知する。
【0058】
以上の説明からわかるように、本実施形態に示す位置ずれ検査手法では、まず、予め規定された位置に配置されたテストチャート16を一対のカメラ2,3で撮像する。そして、撮像画像に写し出されたテストチャート16に関する距離データDに基づき、距離データDの算出異常の有無、すなわち、カメラ2,3の位置ずれが検査される。上述したテストチャート16は、パターンが斜めに傾いているため、カメラ2,3の位置ずれに起因して、マッチングする対応点を左右方向にずらす作用がある。したがって、このとき算出される視差dの値は真値からずれた値となる。特に、カメラ2,3の上下方向・回転方向のずれに対しては、このテストチャート16を用いることにより、位置ずれが大きな視差のずれとして現れるので、これらの位置ずれを有効に特定することができる。それ故に、微少な位置ずれ(すなわち、これらの位置ずれに起因する一対の撮像画像の相対的なずれがサブピクセル単位となるようなずれ)であっても、この位置ずれの特定を効率的かつ正確に行うことができる。
【0059】
また、テストチャート16には、傾き角の異なる複数の直線で構成される屈曲したパターン(本実施形態では、V字状のパターン)が描かれている。この傾き角の変化する位置を境に、距離データDを領域分割し、それぞれの領域で視差dに関する近似直線を求めることで、この近似直線とパターンの傾きとに基づき、カメラ2,3の位置ずれを特定することができる。また、本実施形態では、これらの位置ずれが定量的に特定されるため、この位置ずれに起因した一対の撮像画像の相対的な位置ずれの補正を、自動的に行うことができる。
【0060】
なお、上述した実施形態では、距離データのカメラ2,3の位置ずれを検査・調整することを主として説明をおこなったが、このテストチャート16の使用方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、カメラ2,3の位置ずれの他にも、ステレオカメラの感度バランスのずれ、カメラのレンズ特性の影響、または適切でない画像補正等に起因して、算出された距離データの信頼性が低下してしまう場合がある。本実施形態に示すテストチャート16は、上述したように視差dの値を真値から拡大してずらす作用を奏する。したがって、テストチャート16を用いて、ステップ2の処理を行えば、これらの要素の起因して距離データDの信頼性が低下する場合であっても、この距離データDの信頼性を有効に評価することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、ステップ2において、距離データDを評価するステップを設けているが、上述した検査ルーチンにステップ2を設けるか否かは選択的である。例えば、製品出荷前の検査段間で、単に、最適なアフィンパラメータを求めるために行われるのであれば、このステップ2は省略可能である。このようなステップ2は、例えば、経時的な変化が予想される、定期点検時の検査段階のみに実行されてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、テストチャートとして、V字状のパターンが描かれたテストチャート16を用いて説明をおこなったが、本発明のテストチャートはこれに限定されるものではない。例えば、テストチャートは、傾き角の異なる複数の直線で構成されるパターン、例えば、W字状のパターンが描かれていてもよい。このようなパターンでは、エピポーラライン上の探索領域内に同一輝度階調のパターンが複数存在しないように、複数の直線のそれぞれが、輝度階調が異なることが好ましい。なお、W字状のパターンが描かれているテストチャートでは、距離データDは、左右方向にかけて直線の傾き角の変化する位置を境に、4つの領域に分割されることとなる。
【0063】
また、テストチャートの別の一例としては、上述したテストチャート16を上下方向で線対称に配置した、X字状のパターン、或いは、◇状のパターンであってもよい。このようなパターンが描かれるテストチャートでは、距離データDは、上下左右の4つの領域に分割されるとなる。
【0064】
また、本明細書において、「パターンが基準方向から斜めに傾いている」とは、その傾きが斜めとなるような曲線をも含むことに理解されたい。したがって、V字状と近似する略U字状(二次関数)のパターンであってもよいし、W字状のパターンと近似する波形状のパターンであってもよい。また、上述した◇状のパターンと近似する、楕円或いは円状のパターンであっても、上述したテストパターン16と同様の作用、効果を奏することができる。
【0065】
また、テストチャートの別の一例としては、パターンとして水平な縞模様が描かれるようなテストチャートも挙げられる。なお、このとき、テストチャートの平面に設定される基準方向は、カメラ基線に対して、パターンが斜めに傾くようにさせる関係上、水平な縞模様に対して斜めに傾いて設定されることとなる。この場合、検査時には、このテストチャート、或いは、ステレオカメラ全体を回転させ、カメラ基線とテストチャートの基準方向とを一致させることで、上述した実施形態と同様な作用、効果を奏することができる。
【0066】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、テストチャートに描かれるパターンが斜めに傾いている。このテストチャートを所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラで撮像した場合、取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データでは、カメラの位置ずれが左右方向のずれ、すなわち、視差の値として反映される。これにより、カメラの位置ずれを効果的に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかるステレオ式監視装置のブロック構成図
【図2】基準画像に設定される画素ブロックの説明図
【図3】本実施形態にかかる位置ずれの検査手順を示したフローチャート
【図4】本実施形態にかかる位置ずれの検査手順を示したフローチャート
【図5】テストチャートの配置位置と検査対象である車両との関係を示した図
【図6】テストチャートの一例を示した図
【図7】距離データの領域分割の一例を示した説明図
【図8】領域毎に算出される近似直線の一例を示す図
【図9】カメラの上下方向への相対的なずれに起因した視差のずれを示した説明図
【図10】カメラの回転方向への相対的なずれに起因した視差のずれを示した説明図
【図11】カメラの左右方向への相対的ずれに起因した視差のずれを示した説明図
【符号の説明】
1     ステレオ式監視装置
2     メインカメラ
3     サブカメラ
4     A/Dコンバータ
5     A/Dコンバータ
6     画像補正部
7     ステレオ画像処理部
8     画像データメモリ
9     距離データメモリ
10     マイクロコンピュータ
11     認識部
12     警報装置
13     制御装置
14     検査部
15     検査装置
16     テストチャート

Claims (15)

  1. 所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラによって取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて、前記一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する際に、前記一対のカメラの前方で前記カメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されるとともに、前記一対のカメラによって撮像されることにより、前記一対の撮像画像に写し出されるテストチャートにおいて、
    当該テストチャートに描かれるパターンが、前記基準方向から斜めに傾いていることを特徴とするテストチャート。
  2. 前記パターンは、斜め方向に延在する同一輝度階調の直線を形成することを特徴とする請求項1に記載されたテストチャート。
  3. 前記パターンは、傾き角の異なる複数の前記直線で構成される屈曲したパターンであることを特徴とする請求項2に記載されたテストチャート。
  4. 前記複数の直線のそれぞれは、輝度階調が異なることを特徴とする請求項3に記載されたテストチャート。
  5. 前記パターンは、前記基準方向と直交する方向に前記パターンが隣接して配置されたパターン群を構成しており、当該パターン群は、前記直交方向においてランダムな輝度階調となることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載されたテストチャート。
  6. 一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する位置ずれ検査装置において、
    所定のカメラ基線長だけ離間されて、撮像画像を出力する一対のカメラと、
    前記一対のカメラの前方で前記カメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されているとともに、前記基準方向から斜めに傾いたパターンが描かれたテストチャートを、前記一対のカメラで撮像することによって得られた撮像画像に基づいて、距離データを算出するステレオ画像処理部と、
    前記算出された距離データに基づき、前記一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する検査部と
    を有することを特徴とする位置ずれ検査装置。
  7. 前記パターンは、傾き角の異なる複数の前記直線で構成される屈曲したパターンであり、
    前記検査部は、前記パターンの傾き角の変化する位置で前記距離データを複数の領域に分割するとともに、当該分割された領域のそれぞれにおいて視差に関する近似直線を算出し、前記パターンを構成する直線の傾きと前記算出された近似直線とに基づき、前記一対のカメラの相対的なずれ量を算出することを特徴とする請求項6に記載された位置ずれ検査装置。
  8. 前記検査部は、前記パターンを構成する直線の傾きと、前記算出された近似直線とをパラメータとして、前記一対のカメラの相対的な上下方向および回転方向のずれ量を算出するとともに、前記パターンを構成する直線の傾きと、前記近似直線と、前記テストチャートまでの実距離に対応する視差とをパラメータとして、前記一対のカメラの相対的な左右方向のずれ量を算出することを特徴とする請求項7に記載された位置ずれ検査装置。
  9. 前記一対のカメラの相対的な位置ずれに起因した前記一対の撮像画像の相対的なずれを補正パラメータを用いて補正する画像補正部をさらに有し、
    前記検査部は、前記画像補正部に対し、前記算出されたずれ量に基づき補正パラメータを出力することを特徴とする請求項7または8に記載された位置ずれ検査装置。
  10. 前記パターンを構成する複数の直線のそれぞれは、輝度階調が異なることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載された位置ずれ検査装置。
  11. 前記パターンは、前記基準方向と直交する方向に前記パターンが隣接して配置されたパターン群を構成しており、前記直交方向において、隣接する前記パターンの輝度階調がそれぞれ異なることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載された位置ずれ検査装置。
  12. 所定のカメラ基線長だけ離間された一対のカメラによって取得された一対の撮像画像に基づき算出される距離データを用いて、前記一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する位置ずれ検査方法において、
    前記一対のカメラの前方で前記カメラ基線と基準方向とを一致させて平行に配置されているとともに前記基準方向から斜めに傾いたパターンが描かれたテストチャートを、前記一対のカメラで撮像する第1のステップと、
    前記撮像された一対の撮像画像に基づいて、距離データを算出する第2のステップと、
    前記算出された距離データに基づき、前記一対のカメラの相対的な位置ずれを検査する第3のステップと
    を有することを特徴とする位置ずれ検査方法。
  13. 前記パターンは、傾き角の異なる複数の前記直線で構成される屈曲したパターンであり、
    前記第3のステップは、前記パターンの傾き角の変化する位置で前記距離データを複数の領域に分割するとともに、当該分割された領域のそれぞれにおいて視差に関する近似直線を算出し、前記パターンを構成する直線の傾きと前記算出された近似直線とに基づき、前記一対のカメラの相対的なずれ量を算出することを特徴とする請求項12に記載された位置ずれ検査方法。
  14. 前記第3のステップは、前記パターンを構成する直線の傾きと、前記算出された近似直線とをパラメータとして、前記一対のカメラの相対的な上下方向および回転方向のずれ量を算出するとともに、前記パターンを構成する直線の傾きと、前記算出された近似直線と、前記テストチャートまでの実距離に対応する視差とをパラメータとして、前記一対のカメラの相対的な左右方向のずれ量を算出することを特徴とする請求項13に記載された位置ずれ検査方法。
  15. 前記一対のカメラの相対的な位置ずれに起因した前記一対の画像の相対的なずれを補正パラメータを用いて補正する第4のステップと、
    前記算出されたずれ量に基づき、前記補正パラメータをフィードバック補正する第5のステップと
    をさらに有することを特徴とする請求項13または14に記載された位置ずれ検査方法。
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