JP2004068847A - 変速機 - Google Patents

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中村 雅
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Abstract

【目的】この発明の目的は、バンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータの電力消費を低減し得て、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンドの締付力を変動を防止することにある。
【構成】このため、この発明は、遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構と電動アクチュエータとを備えた変速機において、電動アクチュエータをモータとウォームギヤ組と作動部とで構成し、ウォームギヤ組はモータにより回転されるウォームとウォームホイールとを設け、作動部はウォームホイールにより回転されるアームと弾性部材とピストンとを設け、このピストンによりブレーキバンドを締付け作動させるとともに、ウォームギヤ組の噛合によりアームのブレーキバンドの自由端から離間される方向への回転を阻止する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は変速機に係り、特に、バンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータの電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータのコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止し得て、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンドの締付力を変動を防止し得て、バンドブレーキ機構の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保し得る変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車においては、エンジンの動力を運転状態に応じて所要に変換して取り出すために、変速機を備えている。変速機には、手動操作によりギヤ列の係合状態を切換えて変速比を切換える手動式や、運転状態に応じて駆動手段によりギヤ列の係合状態を切換えて変速比を自動的に切換える自動式の変速機がある。
【0003】
近年は、燃費規制が厳しくなり、燃費向上の一環として手動式の変速機をベースとした自動式の変速機が提案されている。手動式の変速機をベースとした自動式の変速機の基本構造は、複数段のギヤ列とこれらギヤ列を切換える切換機構とを備え、切換機構をアクチュエータによりシフト動作及びセレクト動作させて変速を行っている。
【0004】
また、手動式の変速機をベースとした自動式の変速機には、リングギヤとキャリヤとサンギヤとの各回転部材のうちの2者を入力側部材及び出力側部材とするとともに残りの1者をフリー回転部材とした遊星歯車機構を設け、この遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構とこのバンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータとを備え、電動アクチュエータによりバンドブレーキ機構を作動させて変速を行うものがある。
【0005】
こような変速機としては、特開平3−130949号公報、特開平5−180282号公報、特開平6−307537号公報、特開平10−196770号公報に開示されるものがある。
【0006】
特開平3−130949号公報に開示されるものは、自動変速機の摩擦要素として用いられるバンドブレーキ機構のライニングの締め付け動作をモータと送りねじ機構とによって行わせるように構成する一方、変速時に前記バンドブレーキ機構の締結トルクが目標値になるように前記モータをフィードバック制御する締結トルクフィードバック手段を設けたものである。
【0007】
特開平5−180282号公報に開示されるものは、インターナルギヤとピニオンキャリヤとサンギヤとの各回転部材のうちの2者を入力側及び出力側とし他の1者をフリー回転状態としたプラネタリーギヤ機構と、フリー回転の回転部材を回転制動してプラネタリーギヤ機構を変速状態にするモータ駆動の制動機構と、各回転部材のいずれか2者間に配置され変速時の相対回転は許容するがその反対方向の相対回転は許容しないクラッチとを備えたものである。
【0008】
特開平6−307537号公報に開示されるものは、動力伝達機構を収納するケースの下部側にコントロールバルブが配設され、ケースの上部側にバンドブレーキ装置のサーボピストン及びこの反力を支持するアンカピンが配設された自動変速機において、サーボピストンが摺動するサーボピストン室を、サーボピストンに結合されたピストンシステムの先端側が上向きになるよう傾斜させて形成したものである。
【0009】
特開平10−196770号公報に開示されるものは、サンギヤを有する入力部材と、サンギヤの周りに配置され周辺にブレーキ表面を有するプラネットキャリヤと、プラネットキャリヤ内に回転自在に配置されたプラネットギヤと、プラネットギヤの周りに配置されプラネットギヤにより係合される固定リングギヤと、ブレーキ表面の周りに配置されたブレーキバンドと、ブレーキバンドを選択的に係合させるアクチュエータとを組み合わせて備えているものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構と、このバンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータとを備えた変速機においては、電動アクチュエータを構成するモータ等の電動機器に電力を供給して変速を行っている。
【0011】
ところが、この変速機は、電動機器によりバンドブレーキ機構を作動させて変速した後においても、変速状態を維持させるために電動機器による変速用の駆動力発生を継続させる必要があり、電動機器に駆動力発生のための電力を与え続ける必要がある。
【0012】
このため、バンドブレーキ機構を電動アクチュエータにより作動させて変速を行う変速機においては、電動機器による電力消費が増大し、エンジンの燃費を悪化させる不都合があるとともに、コイル発熱により電動機機の焼き付き発生や機能低下を招く不都合がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、リングギヤとキャリヤとサンギヤとの各回転部材のうちの2者を入力側部材及び出力側部材とするとともに残りの1者をフリー回転部材とした遊星歯車機構を設け、この遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構とこのバンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータとを備えた変速機において、前記バンドブレーキ機構は前記フリー回転部材に捲装されたブレーキバンドの一端側の固定端に対して他端側の自由端を接離する方向に動作可能に設け、前記電動アクチュエータをモータとウォームギヤ組と作動部とで構成し、前記モータはモータ軸に前記ウォームギヤ組の入力側のウォームを設け、前記ウォームギヤ組は前記モータにより回転されるウォームとこのウォームの回転軸心を略直交方向に変換して出力する出力側のウォームホイールとを設け、前記作動部は前記ウォームホイールに取付けられて回転されるアームとこのアームが前記ブレーキバンドの自由端に接近する方向へ回転することにより圧縮される弾性部材とこの弾性部材の圧縮反発力により前記ブレーキバンドの自由端を固定端に対して接近させる方向に移動されるピストンとを設け、このピストンにより前記ブレーキバンドを締付け作動させるとともに、前記ウォームギヤ組の噛合により前記アームの前記ブレーキバンドの自由端から離間される方向への回転を阻止することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の変速機は、フリー回転部材に捲装されたバンドブレーキ機構のブレーキバンドの一端側の固定端に対して他端側の自由端を接離する方向に動作可能に設け、電動アクチュエータをモータとウォームギヤ組と作動部とで構成し、モータのモータ軸によりウォームギヤ組の入力側のウォームを回転させ、このウォームの回転をウォームに噛合する出力側のウォームホイールにより回転軸心を略直交方向に変換して出力し、このウォームホイールに取付けられた作動部のアームがブレーキバンドの自由端に接近する方向へ回転することにより弾性部材を圧縮し、弾性部材の圧縮反発力によりブレーキバンドの自由端が固定端に対して接近される方向にピストンを移動させ、このピストンによりブレーキバンドを締付け作動させるとともに、ウォームギヤ組の噛合によりアームのブレーキバンドの自由端から離間される方向への回転を阻止することにより、モータに電力を供給してバンドブレーキ機構を作動させて変速した後に、モータへの電力の供給を停止しても、ウォームギヤ組の噛合によりアームの回転を阻止してブレーキバンドの緩み作動を防止することができ、モータに駆動力発生のための電力を与え続ける必要がなく、また、モータにより回転されるアームが弾性部材を介してピストンを移動させ、ブレーキバンドを締付け作動させることにより、モータの作動時にアームの回転位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材の弾性反発力によりピストンに作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0015】
【実施例】
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。図1〜図4は、この発明の第1実施例を示すものである。図4において、2は図示しない車両に搭載されたエンジン、4はクランク軸、6は変速機である。変速機6は、変速機ケース8内にクラッチ10と第1入力軸12と第2入力軸14と出力軸16とリバースアイドラ軸18と遊星歯車装置20と第1入力軸側ギヤ列22と第2入力軸側ギヤ列24とを備えている。
【0016】
前記クラッチ10は、エンジン2のクランク軸4の出力端に接続され、電磁アクチュエータ等の電気駆動手段26により作動されて接続・解放され、第1入力軸12への回転の伝達を断続する。前記第1入力軸12は、一端側の軸端をクラッチ10に接続され、クランク軸4の軸線延長上に同軸に軸支されている。前記第2入力軸14は、第1入力軸12の他端側の軸線延長上に同軸に軸支されている。前記出力軸16は、第1入力軸12及び第2入力軸14に平行に軸支されている。
【0017】
前記遊星歯車装置20は、図3に示す如く、第1入力軸12と第2入力軸14との間に配置され、第1入力軸12の回転を第2入力軸14に伝達する。この遊星歯車装置20は、共通のサンギヤ28を有する第1・第2遊星歯車機構30・32の2列で構成されるシンプソンタイプである。
【0018】
前記第1遊星歯車機構30は、第1リングギヤ34と第1ピニオンギヤ36を軸支する第1キャリヤ38と前記サンギヤ28の第1サンギヤ部40とで構成される。第1リングギヤ34は、第1入力軸12のクラッチ10と反対側の軸端に固設されている。第1ピニオンギヤ36は、第1入力軸12に対向する第2入力軸14の一端側の軸端に固設された第1キャリア38に回動可能に軸支され、前記第1リングギヤ34及び第1サンギヤ部40に噛合する。サンギヤ28は、第2入力軸14の一端側の端部近傍に回動可能に軸支され、一端側に設けられた第1サンギヤ部40を前記第1ピニオンギヤ36に噛合する。
【0019】
前記第2遊星歯車機構32は、第2リングギヤ42と第2ピニオンギヤ44を軸支する第2キャリヤ46と前記サンギヤ28の第2サンギヤ部48とで構成される。第2リングギヤ42は、サンギヤ28他端側に近接して第2入力軸14に固設されている。第2ピニオンギヤ44は、第2リングギヤ42外周において第2入力軸14周りに回転可能な第2キャリア46に回動可能に軸支され、前記第2リングギヤ42及び第2サンギヤ部48に噛合する。サンギヤ28は、第2入力軸14に回動可能に軸支され、他端側に設けられた第2サンギヤ部48を前記第2ピニオンギヤ44に噛合する。前記第2キャリヤ46は、変速機ケース8方向に延長され、変速機ケース8との間に逆転方向の回転を阻止するワンウェイクラッチ50を設けている。
【0020】
前記サンギヤ28には、サンギヤ支持ケース52を設けている。サンギヤ支持ケース52は、サンギヤ28の第1・第2サンギヤ部40・48間の略中央部から径外方向に延びる円環部材54と、この円環部材54外縁から第1リングギヤ34の外周を覆い第1入力軸12方向に一端側が延びる円筒部材56と、この円筒部材56の一端側から径中心方向に延びて前記第1入力軸12に回転可能に軸支される軸支部材58とから形成される。したがって、サンギヤ28は、第2入力軸14に回動自在に軸支されるとともに、サンギヤ支持ケース52を介して第1入力軸12に回動自在に軸支される。
【0021】
前記第1入力軸側ギヤ列22は、遊星歯車装置20よりもクラッチ10側の第1入力軸12と出力軸16との間に配置され、5速ギヤ列60を構成している。5速ギヤ列60は、第1入力軸12に回動自在に軸支される第1入力軸側5速ギヤ62と、出力軸16に固設されて第1入力軸側5速ギヤ62に噛合する出力軸側5速ギヤ64とからなる。
【0022】
前記遊星歯車装置20と第1入力軸側5速ギヤ62との間の第1入力軸12には、第1シンクロ装置66を設けている。第1シンクロ装置66は、第1シフトスリーブ68を、サンギヤ支持ケース52の軸支部材58に一体に設けたサンギヤ用係合部70と第1入力軸側5速ギヤ62に一体に設けた5速ギヤ用係合部72とに選択的に係合・離脱させることにより、サンギヤ28及び第1入力軸側5速ギヤ62を第1入力軸12に対して固定・解放する。
【0023】
前記第2入力軸側ギヤ列24は、遊星歯車機構20よりもクラッチ10から離間する側の第2入力軸14と出力軸16との間に配置され、1−3速ギヤ列74と4速ギヤ列76とリバースギヤ列78とを構成している。
【0024】
1−3速ギヤ列74は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側1−3速ギヤ80と、出力軸16に回動自在に軸支されて第2入力軸側1−3速ギヤ80に噛合する出力軸側1−3速ギヤ82とからなる。4速ギヤ列76は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側4速ギヤ84と、出力軸16に回動自在に軸支されて第2入力軸側4速ギヤ84に噛合する出力軸側4速ギヤ86とからなる。
【0025】
前記出力軸側1−3速ギヤ82と出力軸側4速ギヤ86との間の出力軸16には、第2シンクロ装置88を設けている。第2シンクロ装置88は、第2シフトスリーブ90を、出力軸側1−3速ギヤ82に一体に設けた1−3速ギヤ用係合部92と出力軸側4速ギヤ86に一体に設けた4速ギヤ用係合部94とに選択的に係合・離脱させることにより、出力軸側1−3速ギヤ82及び出力軸側4速ギヤ86を出力軸16に対して固定・解放し、低速段側ギヤ列である1−3速ギヤ列74及び高速段側ギヤ列である4速ギヤ列76を選択的に係合する。
【0026】
リバースギヤ列78は、第2入力軸14に固設された第2入力軸側リバースギヤ96と、第2シンクロ装置88の第2シフトスリーブ90に一体に設けた出力軸側リバースギヤ98と、第2入力軸側リバースギヤ96及び出力軸側リバースギヤ98に噛合・離脱されるようにリバースアイドラ軸18に軸方向移動自在且つ回動自在に軸支されたリバースアイドラギヤ100とからなる。
【0027】
前記リバースアイドラギヤ100には、リバースシフト装置102を設けている。リバースシフト装置102は、リバースアイドラギヤ100に一体に設けられたリバースシフトスリーブ104によりリバースアイドラギヤ100をリバースアイドラ軸18の軸方向に移動させ、第2入力軸側リバースギヤ96及び出力軸側リバースギヤ98に噛合・離脱させる。
【0028】
このように、この変速機6は、第1入力軸12と第2入力軸14との間に配置されて第1入力軸12の回転を第2入力軸14に伝達する遊星歯車装置20と、第2入力軸14と出力軸16との間に配置されて第2入力軸14の回転を出力軸16に伝達する複数の第2入力軸側ギヤ列24とを備えており、遊星歯車装置20による変速比の切換えと第2入力軸側ギヤ列24による変速比の切換えとを組み合わせて4段以上の変速段を構成している。
【0029】
この変速機6は、出力軸16のエンジン2側端に終減速ギヤ列106を構成する終減速駆動ギヤ108を設け、この終減速駆動ギヤ108に噛合する終減速従動ギヤ110を差動機112に取付けて設けている。差動機112には、左右の駆動軸114の一端側を連絡して設けている。駆動軸114の他端側は、図示しない駆動輪に連絡して設けている。
【0030】
前記第1シンクロ装置66の第1シフトスリーブ68には、第1連絡機構116の一端側を連絡して設けている。前記第2シンクロ装置88の第2シフトスリーブ90には、第2連絡機構118の一端側を連絡して設けている。前記リバースシフト装置102のリバースシフトスリーブ104には、リバース連絡機構120の一端側を連絡して設けている。
【0031】
前記第1連絡機構116と第2連絡機構118とリバース連絡機構120との各他端側は、変速機構122に連絡して設けている。変速機構122は、電気駆動手段124に連絡して設けている。電気駆動手段124は、モータ(図示せず)により変速機構122を動作させ、第1連絡機構116と第2連絡機構118とリバース連絡機構120とを介して第1シンクロ装置66と第2シンクロ装置88とリバースシフト装置102とを夫々切換動作させる。
【0032】
これにより、電気駆動手段124は、第1シフトスリーブ68をサンギヤ用係合部68と5速ギヤ用係合部70とに選択的に係合・離脱させ、第2シフトスリーブ90を1−3速ギヤ用係合部92と4速ギヤ用係合部94とに選択的に係合・離脱させ、リバースシフトスリーブ104が設けられたリバースアイドラギヤ100を第2入力軸側リバースギヤ96及び出力軸側リバースギヤ98に噛合・離脱させる。
【0033】
このように、この変速機6は、遊星歯車装置20のサンギヤ28と第1入力軸側ギヤ列22である5速ギヤ列60とを選択的に係合する第1シンクロ装置66と、複数の第2入力軸側ギヤ列24である1−3速ギヤ列74と4速ギヤ列76とを選択的に係合する第2シンクロ装置88と、リバースギヤ列78を係合するリバースシフト装置102とを、変速機構122を介して電気駆動手段124により切換動作させる。
【0034】
この変速機6は、サンギヤ28に一体に設けたサンギヤ支持ケース52の円筒部材56と対峙する変速機ケース8に、円筒部材56を固定・解放して回転を制動するバンドブレーキ機構126を設けている。バンドブレーキ機構126は、図1・図2に示す如く、円筒部材56の周方向にブレーキバンド128を捲装し、一端側を固定端130とするとともに他端側を自由端132として対向配設し、一端側の固定端130に対して他端側の自由端132を接離する方向A・Bに動作可能に設けている。このブレーキバンド128は、一端側を固定端130として固定部材134により変速機ケース8に固定して設け、他端側を自由端132として電動アクチュエータ136に連絡して設けている。
【0035】
前記電動アクチュエータ136は、モータ138とウォームギヤ組140と作動部142とで構成される。前記モータ138は、モータ軸144にウォームギヤ組140の入力側のウォーム146を設けている。前記ウォームギヤ組140は、モータ138により回転される入力側のウォーム146と、このウォーム146に噛合されてウォーム146の回転軸心を略直角方向に変換して出力する出力側のウォームホイール148とを設けている。
【0036】
前記作動部142は、ウォームホイール148に取付けられてブレーキバンド128の自由端132に対して接離する方向A1・B1に回転されるアーム150と、このアーム150がブレーキバンド128の自由端132に接近する方向A1へ回転することにより圧縮される弾性部材152と、この弾性部材152の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132を固定端130に対して接近させる方向A2に移動されるピストン154とを設けている。
【0037】
電動アクチュエータ136は、モータ138によりウォームギヤ組140を介して作動部142のアーム150をブレーキバンド128の自由端132に接離する方向A1・B1に回転させ、弾性部材152によりピストン154をブレーキバンド128の固定端130に対して自由端132が接離される方向A2・B2に進退動作させ、このピストン154の接離される方向A2・B2への進退動作によりブレーキバンド128を締付け・緩み作動させて円筒部材56を固定・解放し、サンギヤ28を変速機ケース8に対して固定・解放して変速を行う。
【0038】
この電動アクチュエータ136は、モータ138の回転をウォームギヤ組140を介して作動部142のピストン154に伝達し、このピストン154によりブレーキバンド128を締付け作動させるとともに、ウォームギヤ組140の噛合によりアーム150のブレーキバンド128の自由端132から離間される方向B1への回転を阻止する。
【0039】
この変速機6は、クラッチ10の電気駆動手段26と変速機構122の電気駆動手段124とバンドブレーキ機構126の電動アクチュエータ136とを図示しない自動変速制御手段に接続して設け、図示しない各種センサから入力する信号に応じて各電気駆動手段26・124及び電動アクチュエータ136を動作させ、クラッチ10と第1シンクロ装置66と第2シンクロ装置88とリバースシフト装置102とバンドブレーキ機構126とを動作制御して変速する。
【0040】
次に、第1実施例の作用を説明する。
【0041】
図示しない車両に搭載されたエンジン2には、クラッチ10を介して変速機6して設けている。クラッチ10は、1速から2速、2速から3速への変速時及び3速から2速、2速から1速への変速時には接続されており、3速から4速、4速から5速への変速時及び5速から4速、4速から3速への変速時には解放される。
【0042】
1速から2速への変速は、バンドブレーキ機構126を締付け作動させてサンギヤ支持ケース52の回転を制動し、遊星歯車装置20のサンギヤ28を変速機ケース8に固定することにより変速を行う。このとき、1−3速ギヤ列74は、係合されている。
【0043】
2速から3速への変速は、1−3速ギヤ列74が係合された状態において、第1シンクロ装置66の第1シフトスリーブ68をサンギヤ支持ケース52のサンギヤ用係合部70に係合させて、サンギヤ28と第1入力軸12の回転を同期させることにより行う。
【0044】
この同期は、第1シンクロ装置66により実現させる。第1シンクロ装置66は、通常の手動式の変速機のように同期させるときにトルクを抜く(トルクの伝達を遮断する)操作が不要であり、同期させている間もトルクを伝達させることができるため、変速時の違和感を生じることが無い。
【0045】
このように、この変速機6は、1〜3速においては遊星歯車装置20が通常の3速自動変速機に相当する変速が行われた後に、第2入力軸14と出力軸16との間に設けられた1−3速ギヤ列74を経て終減速ギヤ列106から差動機112に伝達される。この1〜3速の変速の間は、クラッチ10を接続した状態で変速できるため、通常の平行軸式歯車変速機をベースに自動変速を行う自動変速機に対してトルクの断続感が無く、回転のつながりが良い。
【0046】
この変速機6は、1速において、図1に示す如く、電動アクチュエータ136によりバンドブレーキ機構126を緩み作動させている。1速から2速への変速は、電動アクチュエータ136によりバンドブレーキ機構126を締付け作動させて変速を行う。
【0047】
電動アクチュエータ136は、図2に示す如く、締付け作動時に、モータ138に電力を供給してモータ軸144によりウォームギヤ組140の入力側のウォーム146を回転させ、このウォーム146の回転をウォーム146に噛合する出力側のウォームホイール148により回転軸心を略直交方向に変換して出力する。
【0048】
電動アクチュエータ136は、ウォームホイール148に取付けられた作動部142のアーム150をブレーキバンド128の自由端132に接近させる方向A1へ回転させることにより弾性部材152を圧縮し、この弾性部材152の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して接近される方向A1にピストン154を移動させる。
【0049】
これにより、電動アクチュエータ136は、作動部142のピストン154の自由端132に接近する方向A1への移動によりブレーキバンド128を締付け作動させて変速することができるとともに、モータ138への電力の供給を遮断しても、逆回転しにくい構造のウォームギヤ組140の噛合によりアーム150の回転を阻止して、ブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して離間される方向B2へ移動されることを阻止することができる。
【0050】
このように、電動アクチュエータ136は、モータ138への電力の供給によりバンドブレーキ機構126を作動させて変速した後に、モータ138への電力の供給を停止しても、ウォームギヤ組140の噛合によってアーム150の回転を阻止してブレーキバンド128の緩み作動を防止することができ、モータ138に駆動力発生のための電力を与え続ける必要がない。
【0051】
また、電動アクチュエータ136は、モータ138により回転される作動部142のアーム150が弾性部材152を介してピストン154を移動させ、ブレーキバンド128を締付け作動させることにより、モータ作動時にアーム150の回転位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材152の弾性反発力によりピストン154に作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0052】
このため、この変速機6は、バンドブレーキ機構126を作動させる電動アクチュエータ136のモータ138の電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータ138のコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止することができ、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンド128の締付力の変動を防止し得て、バンドブレーキ機構126の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保することができる。
【0053】
なお、電動アクチュエータ136は、ウォームホイール148に取付けられた作動部142のアーム150をブレーキバンド128の自由端132から離間させる方向B1へ回転させることにより弾性部材152を伸長させ、弾性部材152の圧縮反発力を弱めることによりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して離間される方向B2にピストン154を移動させ、このピストン154の移動によりブレーキバンド128を緩み作動させて変速することができるとともに、モータ138への電力の供給を停止してもウォームギヤ組140の噛合によりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して近接される方向A2へのアーム150の回転を阻止することができる。
【0054】
図5・図6は、第2実施例を示すものである。第2実施例の変速機6は、サンギヤ支持ケース52の円筒部材56の周方向にバンドブレーキ機構126のブレーキバンド128を捲装して設け、このブレーキバンド128の一端側を固定端130として固定部材134により変速機ケース8に固定して設け、他端側を自由端132として電動アクチュエータ156に連絡して設けている。
【0055】
前記電動アクチュエータ156は、モータ158と平ギヤ組160と作動部162とで構成される。前記モータ158は、モータ軸164に平ギヤ組160の入力側の駆動ギヤ166を設けている。前記平ギヤ組160は、モータ158により回転される入力側の駆動ギヤ166と、この駆動ギヤ166により駆動される出力側の従動ギヤ168とを設けている。
【0056】
前記作動部162は、従動ギヤ168に取付けられてブレーキバンド128の自由端132に対して接離される方向A1・B1に回転されるアーム170と、このアーム170に一端側の第1支持点172aが回動自在に連絡されるとともにこのアーム170の回転により他端側の第2支持点172bがブレーキバンド128の自由端132に対して接離される方向A2・B2に往復動されるロッド172と、前記アーム170の方向A1への回転に伴いロッド172の第2支持点172bがブレーキバンド128の自由端132に対して接近される方向A2へ往動することにより圧縮される弾性部材174と、この弾性部材174の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132を固定端130に対して接近させる方向A2に移動されるピストン176と、前記ロッド172の第2支持点172bをブレーキバンド128の自由端132に対して接近する方向A2へ往動させる際のアーム170の方向A1への回転を規制するストッパ178とを設けている。
【0057】
電動アクチュエータ156は、モータ158の回転を平ギヤ組160によりアーム170とロッド172と弾性部材174とを介してピストン176に伝達し、このピストン176によりブレーキバンド128を締付け作動させるとともに、ロッド172の第2支点部172bがブレーキバンド128の自由端132に対して接近する方向A2への往動から、最大ストローク位置(Smax)を通過して離間する方向B2への復動に転じた直後に、アーム170の回転方向前縁170eをストッパ178に当接させて、ブレーキバンド128の自由端132に接近される方向A1へのアーム170の過回転を阻止する。
【0058】
第2実施例の変速機6は、図5に示す如く、電動アクチュエータ156のモータ158により平ギヤ組160を介して作動部162のアーム170をブレーキバンド128の自由端132に接離する方向A1・B1に回転させ、ロッド172を介して弾性部材174によりピストン176をブレーキバンド128の固定端130に対して自由端132が接離される方向A2・B2に進退動作させ、このピストン176の接離される方向A2・B2への進退動作によりブレーキバンド128を締付け・緩み作動させて円筒部材56を固定・解放し、サンギヤ28を変速機ケース8に対して固定・解放して変速を行う。
【0059】
電動アクチュエータ156は、図6に示す如く、締付け作動時に、モータ158に電力を供給してモータ軸164により平ギヤ組160の入力側の駆動ギヤ166を回転させ、この駆動ギヤ166の回転を出力側の従動ギヤ168に出力する。電動アクチュエータ156は、従動ギヤ168に取付けられた作動部162のアーム170をブレーキバンド128の自由端132に接近させる方向A1へ回転させることによりロッド172を介して弾性部材174を圧縮し、この弾性部材174の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して接近される方向A1にピストン176を移動させる。
【0060】
電動アクチュエータ156は、ブレーキバンド128の自由端132に接近される方向A1へ回転されるアーム170によって、アーム170の回転中心170aと第2支持点172bとを結ぶ往復動線C上を往動するロッド172の第2支点部172bが、ブレーキバンド128の自由端132に対して接近する方向A2への往動から、最大ストローク位置(Smax)を通過して、離間する方向B2への復動に転じると、アーム170の回転方向前縁170eがストッパ178に当接されて、ブレーキバンド128の自由端132に接近される方向A1へのアーム170の過回転を阻止する。
【0061】
これにより、電動アクチュエータ156は、作動部162のピストン176の自由端132に接近する方向A1への移動によりブレーキバンド128を締付け作動させて変速することができるとともに、モータ158への電力の供給を遮断しても、ストッパ178によりアーム170の過回転を阻止して、ブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して離間される方向B2へ移動されることを阻止することができ、ブレーキバンド128の緩み作動を防止することができ、モータ158に駆動力発生のための電力を与え続ける必要がない。
【0062】
また、電動アクチュエータ156は、モータ158により回転される作動部162のアーム170が弾性部材174を介してピストン176を移動させ、ブレーキバンド128を締付け作動させることにより、モータ作動時にアーム170の回転位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材174の弾性反発力によりピストン176に作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0063】
このため、第2実施例の変速機6は、バンドブレーキ機構126を作動させる電動アクチュエータ156のモータ158の電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータ158のコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止することができ、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンド128の締付力の変動を防止し得て、バンドブレーキ機構126の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保することができる。
【0064】
図7・図8は、第3実施例を示すものである。第3実施例の変速機6は、サンギヤ支持ケース52の円筒部材56の周方向にバンドブレーキ機構126のブレーキバンド128を捲装して設け、このブレーキバンド128の一端側を固定端130として固定部材134により変速機ケース8に固定して設け、他端側を自由端132として電動アクチュエータ180に連絡して設けている。
【0065】
前記電動アクチュエータ180は、モータ182と平ギヤ組184と作動部186とで構成される。前記モータ182は、モータ軸188に平ギヤ組184の入力側の駆動ギヤ190を設けている。前記平ギヤ組184は、モータ182により回転される入力側の駆動ギヤ190と、この駆動ギヤ190により駆動される出力側の従動ギヤ192とを設けている。
【0066】
前記作動部186は、従動ギヤ192に付設されてブレーキバンド128の自由端132に対して接離される方向A1・B1に突出引退されるように形成されるカム194と、このカム194のカム面196はブレーキバンド128の自由端132に対して離間される方向B1に最大引退位置される最低面196aと接近される方向A1に最大突出位置される最高面196bとこの最高面196bからわずかに離間される方向B1に窪む窪面196cとを有し、このカム194のカム面196に一端側の摺接面198aを摺接されて他端側がブレーキバンド128の自由端132に対して接離される方向A1・B1に往復動されるロッド198と、このロッド198がブレーキバンド128の自由端132に対して接近される方向A1へ往動することにより圧縮される弾性部材200と、この弾性部材200の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132を固定端130に対して接近させる方向A2に移動されるピストン202とを設けている。
【0067】
電動アクチュエータ180は、モータ182の回転を平ギヤ組184によりカム194とロッド198と弾性部材200とを介してピストン202に伝達し、このピストン202によりブレーキバンド128を締付け作動させるとともに、カム194のカム面196の最高面196bからわずかに窪む窪面196cによりロッド198のブレーキバンド128の自由端132から離間される方向B1への復動を阻止する。
【0068】
第3実施例の変速機6は、図7に示す如く、電動アクチュエータ180のモータ182により平ギヤ組184を介して作動部186のカム194のカム面196によりロッド198をブレーキバンド128の自由端132に接離する方向A1・B1に往復動させ、弾性部材200によりピストン202をブレーキバンド128の固定端130に対して自由端132が接離される方向A2・B2に進退動作させ、このピストン202の進退動作によりブレーキバンド128を締付け・緩み作動させて円筒部材56を固定・解放し、サンギヤ28を変速機ケース8に対して固定・解放して変速を行う。
【0069】
電動アクチュエータ180は、図8に示す如く、締付け作動時に、モータ182に電力を供給してモータ軸188により平ギヤ組184の駆動ギヤ190を回転させ、この駆動ギヤ190の回転を従動ギヤ192に出力する。電動アクチュエータ180は、回転される従動ギヤ192に付設された作動部186のカム194のカム面196によりロッド198をブレーキバンド128の自由端132に接近させる方向A1へ往動させることにより弾性部材200を圧縮し、この弾性部材200の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して接近される方向A2にピストン202を移動させる。
【0070】
電動アクチュエータ180は、従動ギヤ192の回転によって、ロッド198の摺接面198aが摺接されるカム194のカム面196が最低面196aから最高面196bに向かって移動し、摺接面198aが最高面196bを乗り越えると、最高面196bからわずかに窪む窪面196cに摺接面198aが係合されて、ブレーキバンド128の自由端132から離間される方向B1へのロッド198の復動を阻止する。
【0071】
これにより、電動アクチュエータ180は、作動部186のピストン198の自由端132に接近する方向A2への移動によりブレーキバンド128を締付け作動させて変速することができるとともに、モータ182への電力の供給を遮断しても、カム194のカム面196に設けた窪面196cによりロッド198の復動を阻止して、ブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して離間される方向B2へ移動されることを阻止することができ、ブレーキバンド128の緩み作動を防止することができ、モータ182に駆動力発生のための電力を与え続ける必要がない。
【0072】
また、電動アクチュエータ180は、モータ182により回転される作動部186のロッド198が弾性部材200を介してピストン202を移動させ、ブレーキバンド128を締付け作動させることにより、モータ作動時にロッド198の往動位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材200の弾性反発力によりピストン202に作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0073】
このため、第3実施例の変速機6は、バンドブレーキ機構126を作動させる電動アクチュエータ180のモータ182の電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータ182のコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止することができ、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンド128の締付力の変動を防止し得て、バンドブレーキ機構126の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保することができる。
【0074】
図9・図10は、第4実施例を示すものである。第4実施例の変速機6は、サンギヤ支持ケース52の円筒部材56の周方向にバンドブレーキ機構126のブレーキバンド128を捲装して設け、このブレーキバンド128の一端側を固定端130として固定部材134により変速機ケース8に固定して設け、他端側を自由端132として電動アクチュエータ204に連絡して設けている。
【0075】
前記電動アクチュエータ204は、モータ206とねじ組208と作動部210とで構成される。前記モータ206は、モータ軸212にねじ組208の入力側の雄ねじ軸214を設けている。前記ねじ組208は、モータ206により回転される入力側の雄ねじ軸214と、この雄ねじ軸214に噛合されて駆動される出力側の雌ねじ筒216と、この雌ねじ筒216から突設された支持体218と、この支持体218を移動可能に支持するガイド体220とを設けている。ガイド体220には、支持体218が係合される支持溝222を、ブレーキバンド128の自由端132に対して接離される方向A1・B1に指向させて設けている。ねじ組208は、雄ねじ軸214を回転させると、ガイド体220の支持溝222に移動可能に係合された支持体218によって、雌ねじ筒216が方向A1・B1に往復動される。
【0076】
前記作動部210は、ねじ組208の雄ねじ軸214の回転により雌ねじ筒216がブレーキバンド128の自由端132に対して接近される方向A1に往動されることにより圧縮される弾性部材224と、この弾性部材224の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132を固定端130に対して接近させる方向A2に移動されるピストン226とを設けている。
【0077】
電動アクチュエータ204は、モータ206の回転をねじ組208の雄ねじ軸214と雌ねじ筒216と支持体218とガイド体220とにより作動部210の弾性部材224を介してピストン226に伝達し、このピストン226によりブレーキバンド128を締付け作動させるとともに、ねじ組208の噛合により雌ねじ筒216のブレーキバンド128の自由端132から離間される方向B1への復動を阻止する。
【0078】
第4実施例の変速機6は、図9に示す如く、電動アクチュエータ204のモータ206によりねじ組208の雌ねじ筒216をブレーキバンド128の自由端132に接離する方向A1・B1に往復動させ、作動部210の弾性部材224によりピストン226をブレーキバンド128の固定端130に対して自由端132が接離される方向A2・B2に進退動作させ、このピストン226の進退動作によりブレーキバンド128を締付け・緩み作動させて円筒部材56を固定・解放し、サンギヤ28を変速機ケース8に対して固定・解放して変速を行う。
【0079】
電動アクチュエータ204は、図10に示す如く、締付け作動時に、モータ206に電力を供給してモータ軸212によりねじ組208の雄ねじ軸214を回転させ、この雄ねじ軸214の回転により雌ねじ筒216をブレーキバンド128の自由端132に接近させる方向A1へ往動させる。電動アクチュエータ204は、雌ねじ筒216の往動により作動部210の弾性部材224を圧縮し、この弾性部材224の圧縮反発力によりブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して接近される方向A2にピストン226を移動させる。
【0080】
電動アクチュエータ204は、ねじ組208の雄ねじ軸214と雌ねじ筒216と噛合により、ブレーキバンド128の自由端132から離間される方向B2への雌ねじ筒216の復動を阻止する。
【0081】
これにより、電動アクチュエータ204は、作動部210のピストン226の自由端132に接近する方向A2への移動によりブレーキバンド128を締付け作動させて変速することができるとともに、モータ206への電力の供給を遮断しても、ねじ軸208の噛合により雌ねじ筒216の復動を阻止して、ブレーキバンド128の自由端132が固定端130に対して離間される方向B2へ移動されることを阻止することができ、ブレーキバンド128の緩み作動を防止することができ、モータ206に駆動力発生のための電力を与え続ける必要がない。
【0082】
また、電動アクチュエータ204は、モータ206により往動されるねじ軸208の雌ねじ筒216が弾性部材224を介してピストン226を移動させ、ブレーキバンド128を締付け作動させることにより、モータ作動時に雌ねじ筒216の往動位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材224の弾性反発力によりピストン226に作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0083】
このため、第4実施例の変速機6は、バンドブレーキ機構126を作動させる電動アクチュエータ204のモータ206の電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータ206のコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止することができ、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンド128の締付力の変動を防止し得て、バンドブレーキ機構126の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保することができる。
【0084】
【発明の効果】
このように、この変速機は、モータへの電力の供給によりバンドブレーキ機構を作動させて変速した後に電力の供給を停止しても、ウォームギヤ組の噛合によってピストンの移動を阻止してブレーキバンドの緩み作動を防止することができ、モータに駆動力発生のための電力を与え続ける必要がなく、また、モータにより回転される作動部のアームが弾性部材を介してピストンを移動させ、ブレーキバンドを締付け作動させることにより、モータ作動時にアームの回転位置に微小なバラツキを生じても、弾性部材の弾性反発力によりピストンに作用する作動荷重の変動を吸収して安定させることができる。
【0085】
このため、この変速機は、バンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータの電力消費を低減し得て、燃費を改善し得て、モータのコイル発熱による焼き付き発生や機能低下を防止し得て、また、モータ作動時のバラツキによるブレーキバンドの締付力の変動を防止し得て、バンドブレーキ機構の締付動作を安定させ得て、変速動作の確実性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速機の第1実施例を示すバンドブレーキ機構の緩み作動状態の側面図である。
【図2】第1実施例を示すバンドブレーキ機構の締付け作動状態の側面図である。
【図3】遊星歯車装置の拡大スケルトン図である。
【図4】変速機のスケルトン図である。
【図5】第2実施例を示すバンドブレーキ機構の緩み作動状態の側面図である。
【図6】第2実施例を示すバンドブレーキ機構の締付け作動状態の側面図である。
【図7】第3実施例を示すバンドブレーキ機構の緩み作動状態の側面図である。
【図8】第3実施例を示すバンドブレーキ機構の締付け作動状態の側面図である。
【図9】第4実施例を示すバンドブレーキ機構の緩み作動状態の側面図である。
【図10】第4実施例を示すバンドブレーキ機構の締付け作動状態の側面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
4 クランク軸
6 変速機
8 変速機ケース
10 クラッチ
12 第1入力軸
14 第2入力軸
16 出力軸
20 遊星歯車装置
28 サンギヤ
30 第1遊星歯車機構
32 第2遊星歯車機構
34 第1リングギヤ
36 第1ピニオンギヤ
38 第1キャリヤ
40 第1サンギヤ部
52 サンギヤ支持ケース
56 円筒部材
126 バンドブレーキ機構
128 ブレーキバンド
130 固定端
132 自由端
136 電動アクチュエータ
138 モータ
140 ウォームギヤ組
142 作動部
144 モータ軸
146 ウォーム
148 ウォームホイール
150 アーム
152 弾性部材
154 ピストン

Claims (2)

  1. リングギヤとキャリヤとサンギヤとの各回転部材のうちの2者を入力側部材及び出力側部材とするとともに残りの1者をフリー回転部材とした遊星歯車機構を設け、この遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構とこのバンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータとを備えた変速機において、前記バンドブレーキ機構は前記フリー回転部材に捲装されたブレーキバンドの一端側の固定端に対して他端側の自由端を接離する方向に動作可能に設け、前記電動アクチュエータをモータとウォームギヤ組と作動部とで構成し、前記モータはモータ軸に前記ウォームギヤ組の入力側のウォームを設け、前記ウォームギヤ組は前記モータにより回転されるウォームとこのウォームの回転軸心を略直交方向に変換して出力する出力側のウォームホイールとを設け、前記作動部は前記ウォームホイールに取付けられて回転されるアームとこのアームが前記ブレーキバンドの自由端に接近する方向へ回転することにより圧縮される弾性部材とこの弾性部材の圧縮反発力により前記ブレーキバンドの自由端を固定端に対して接近させる方向に移動されるピストンとを設け、このピストンにより前記ブレーキバンドを締付け作動させるとともに、前記ウォームギヤ組の噛合により前記アームの前記ブレーキバンドの自由端から離間される方向への回転を阻止することを特徴とする変速機。
  2. リングギヤとキャリヤとサンギヤとの各回転部材のうちの2者を入力側部材及び出力側部材とするとともに残りの1者をフリー回転部材とした遊星歯車機構を設け、この遊星歯車機構のフリー回転部材の回転を制動するバンドブレーキ機構とこのバンドブレーキ機構を作動させる電動アクチュエータとを備えた変速機において、前記バンドブレーキ機構は前記フリー回転部材に捲装されたブレーキバンドの一端側の固定端に対して他端側の自由端を接離する方向に動作可能に設け、前記電動アクチュエータをモータと平ギヤ組と作動部とで構成し、前記モータのモータ軸には前記平ギヤ組の入力側の駆動ギヤを設け、前記平ギヤ組は前記モータにより回転される駆動ギヤとこの駆動ギヤにより駆動される出力側の従動ギヤとを設け、前記作動部は前記従動ギヤに取付けられて回転されるアームとこのアームに一端側の第1支持点が回動自在に連絡されるとともにこのアームの回転により他端側の第2支持点が前記ブレーキバンドの自由端に対して接離される方向に往復動されるロッドとこのロッドの第2支持点が前記ブレーキバンドの自由端に対して接近される方向へ往動することにより圧縮される弾性部材とこの弾性部材の圧縮反発力により前記ブレーキバンドの自由端を固定端に対して接近させる方向に移動されるピストンと前記ロッドの第2支持点を前記ブレーキバンドの自由端に対して接近する方向へ往動させる際の前記アームの回転を規制するストッパとを設け、前記ピストンにより前記ブレーキバンドを締付け作動させるとともに、前記ロッドの第2支点部が前記ブレーキバンドの自由端に対して接近する方向への往動から最大ストローク位置を通過して離間する方向への復動に転じた直後に前記アームの回転方向前縁を前記ストッパに当接させて前記ブレーキバンドの自由端に接近される方向への過回転を阻止することを特徴とする変速機。
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