JP2004067368A - フィルム類巻取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム類巻取り装置の巻取りロール内にエアだまりの発生を防ぎ、巻取り後のフィルム類の品質を向上させるフィルム類巻取り装置を提供する。
【解決手段】装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類2を巻取る巻取りロール4と、巻取りロール4と離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類2を巻取りロール4の外周に押圧する押さえロール3と、押さえロール3と離間した位置に平行に配置され、フィルム類2の張力を調整するガイドロール5とを備えたフィルム類巻取り装置において、フィルム類2が押さえロール3に巻付く手前の下方に配置され、フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気をフィルム類2に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、圧縮空気送風手段6の送風量をフィルム類2の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類2を巻取る巻取りロール4と、巻取りロール4と離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類2を巻取りロール4の外周に押圧する押さえロール3と、押さえロール3と離間した位置に平行に配置され、フィルム類2の張力を調整するガイドロール5とを備えたフィルム類巻取り装置において、フィルム類2が押さえロール3に巻付く手前の下方に配置され、フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気をフィルム類2に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、圧縮空気送風手段6の送風量をフィルム類2の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム類巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルム類巻取り装置は、材料を縦軸方向又は横軸方向に伸ばして製作する一軸、二軸、または無延伸フィルムや、更には紙、布の生産にも使用することができる装置である。例えば、平面状に生産されたフィルム類の帯状物を、装置本体に固定した押さえロールを用いて、前記フィルム類に適度な押圧力を与えながら巻取りロールに巻き取らせ、最終的な出荷形態である円筒状の巻取りロールに仕上げる装置などがある。
【0003】
図3に、従来の前記フィルム類巻取り装置のフィルム類巻取り部分の説明図を示す。図示しない製造ライン等から送られてくるフィルム類2は、巻取りロール4の外周に巻き取られるときに、押さえロール3からの適度な押圧力を受ける。前記押さえロール3は、前記巻取りロール4の外周と接して従動回転しながら、フィルム類2に押圧力を与えている。フィルム類2の搬送上流側にはガイドロール5が設けられている。前記ガイドロール5は、前記フィルム類2の送り面と接して滑らかに従動回転している。また、該ガイドロール5は、装置本体に取り付けられている固定位置を左右または上下に移動調整することができる構造となっている。この移動調整により、押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、たるまないように適度な張力が与えられている。
【0004】
最終的な出荷形態である巻取りロール4の円筒状の外周部を適切な硬さに仕上げるためには、巻取り時に巻取りロール4の層間に巻き込まれる空気量をできるだけ少なくする必要がある。
具体的には、押さえロール3が適切な押圧力で巻取りロール4の外周を押圧して、巻取りロール4の層内に気泡が発生するのを抑制すると共に、前記フィルム類2が前記巻取りロール4に巻き取られる直前のフィルム類2のたるみを除去して適切な張力を保つことが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルム類2の巻取り工程が進み、その巻取り量が増えてくると、巻取りロール4の重量は徐々に増加してゆく。しかし、前記巻取りロール4は、円筒状の幅方向にフィルム類2を巻取る構造であり、巻取りロール4の両端部以外では重量を支持することができないため、巻取りロール4の中央部には、その自重により巻取りロール4自体にたわみが生じる。そのため、巻取りロール4の中央部では、巻取りロール4の巻層の上端部分でのフィルム類2の高さ位置が巻取りロール4の両端部のフィルム類2の高さ位置に比べて、そのたわみ分だけ低い位置となる。その結果、巻取りロール4に巻き取られる手前の部分であって、前記押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2の幅方向中央部でフィルム類2の張力が弱くなると共に、たるみが発生する。このフィルム類2のフィルム類2の幅方向中央部に発生するたるみは、前記ガイドロール5を移動させてフィルム類2の張力を調整しても、当然ながら除去することはできない。
この状態で巻取りを続けると、前記押さえロール3は前記フィルム類2の幅方向中央部を前記巻取りロール4の外周面に強く押圧できない。その結果、フィルム類2には、フィルム類2の両端部に比べ、フィルム類2の幅方向中央部に空気の流入が多くなり、ひどい場合には巻取りロール4のフィルム類2の幅方向中央部にエアだまりが生じてしまう。このエアだまりはいずれ内部の空気が抜けることにより、巻じわとなってしまうため、フィルムの品質に大きなダメージを与えるといった問題があった。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、巻取りロールの重量が徐々に増加して、前記巻取りロールの自重により前記巻取りロールの幅方向中央部にたわみが発生しすることにより生じる前記押さえロールと前記ガイドロールの間を送られてくるフィルム類に生じるフィルム類の幅方向中央部のたるみを除去し、前記押さえロールの押圧力により前記巻取りロールにフィルム類の全幅を均一な張力で前記フィルム類を巻きつけることにより、前記巻取りロールのフィルム類の幅方向中央部に発生するエアだまり等をなくし、巻取り後のフィルム類の品質を向上させるフィルム類巻取り装置および制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、装置本体に軸支され、回転しながら前記フィルム類を巻取る巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類を前記巻取りロールの外周に押圧する押さえロールと、該押さえロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類の張力を調整するガイドロールとを有するフィルム類巻取り装置において、前記フィルム類が前記押さえロールに巻付く手前の下方に配置され、前記フィルム類の幅方向に亘って圧縮空気を前記フィルム類に吹き付ける圧縮空気送風手段と、該圧縮空気送風手段の送風量を前記フィルム類の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段を設ける
さらに、前記圧縮空気送風手段は、装置本体に固定され、前記フィルム類の幅方向の全長に亘って設けたエアチャンバと、該エアチャンバの上部に設けられ、前記フィルム類に圧縮空気を吹き付けるための吹き付け口と、前記エアチャンバの内部に固定され、前記エアチャンバの内部を前記フィルム類の幅方向で任意の数の気密な小室に区切る仕切り板を備え、さらに前記圧縮空気量調整手段は、前記小室毎に設けた圧縮空気送入口に一端を固定して、前記小室11毎に圧縮空気を送風する導管と、該導管毎に設けられた開閉弁を備えた
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の巻取り部分の側面図を示している。
【0010】
本発明の形態のフィルム類巻取り装置1は、図示しない装置本体に軸支され、回転しながら前記フィルム類2を巻取る巻取りロール4と、前記巻取りロール4と離間した位置に平行に配置され、前記巻取りロール4に従動回転しながら前記フィルム類2を前記巻取りロール4の外周に押圧する押さえロール3と、該押さえロール3と離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類2の送り面に従動回転しながら前記押さえロール3との間の前記フィルム類の張力を調整するガイドロール5とを備えている。
【0011】
このようなフィルム類巻取り装置1では、図示しない製造ライン等から送られてくるフィルム類2は、巻取りロール4の外周に巻き取られるときに、押さえロール3からの適度な押圧力を受ける。前記押さえロール3は、前記巻取りロール4の外周と接して従動回転しながら、フィルム類2に押圧力を与えている。フィルム類2の搬送上流側にはガイドロール5が設けられている。前記ガイドロール5は、前記フィルム類2の送り面と接して滑らかに従動回転している。また、該ガイドロール5は、装置本体に取り付けられている固定位置を左右または上下に移動調整することができる構造となっている。この移動調整により、押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、たるまないように適度な張力が与えられている。
前記押さえロール3、巻取りロール4、およびガイドロール5は、円筒状の外形を有していると共に、円筒の円の中心を回転軸として回転する。また、前記押さえロール3、巻取りロール4、およびガイドロール5は、前記回転軸が平行になるように配設されると共に、フィルム類2をフィルム類2の幅方向の全長に亘って案内することが可能なように、フィルム類2の幅長さよりも長い幅長さを備えている。
【0012】
前記巻取りロール4は、装置本体に対し回転自由に軸支されている。前記巻取りロール4の両端には、図示しない軸受が設けられている。
また、前記押さえロール3は、両端に設けた図示しない軸受により回転自由に軸支されている。さらに、両端に設けた前記軸受は、装置本体に固定された図示しないリニアガイドの上に固定されている。前記軸受により支持されている前記押さえロール3は、リニアガイドの摺動方向であって前記押さえロール3の軸方向と直角な方向に移動することができる。
さらに、前記ガイドロール5は、前記押さえロール3と同様に、装置本体に取り付けられたリニアガイド上に固定された軸受により軸支されており、前記リニアガイドは、装置本体に対して上下または左右の方向に前記ガイドロール5を案内し、前記押さえロール3と前記ガイドロール5の間を送られるフィルム類2に生じるたるみを取ると共に、前記フィルム類2に適度な張力が与えられるような構成となっている。
さらにまた、前記押さえロール3に対して前記巻取りロール4の取り付け側と反対側には、図示しないエアシリンダが装置本体枠に固定されている。前記エアシリンダは、前記押さえロール3の両端に設けた前記軸受に押力を与え、前記エアシリンダの押力が前記軸受から前記押さえロール3へ伝達され、前記押さえロール3がフィルム類2を押圧する押圧力として作用する構成となっている。
【0013】
さらに、前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に配置され、前記フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気をフィルム類2に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、該圧縮空気送風手段6の送風量を前記フィルム類2の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7とを備えている。
【0014】
前記圧縮空気送風手段6は、装置本体に取り付けられると共に、フィルム類2が前記押さえロール3に押圧される手前の下方に設けられている。前記圧縮空気送風手段6は、前記圧縮空気送風手段6の上側を通過するフィルム類2のフィルム類2の幅方向中央部に生じたたるみに対して圧縮空気を吹き付けて、強制的に前記たるみ部分を上方に押し上げる構成となっている。ゆえに、前記圧縮空気送風手段6は、できるだけ前記押さえロール3に巻付く近傍に設置して、前記押さえロール3に巻付くときの前記フィルム類2のたるみがフィルム類2の全幅で均一な状態を維持しながら、前記フィルム類2が前記押さえロール3に押圧されながら前記巻取りロール4に巻き取られるように、圧縮空気送風手段6の装置本体に対しての取り付け位置が決定されている。
また、前記圧縮空気量調整手段7は、前記圧縮空気送風手段6の下側に設けてあり、さらに前記圧縮空気送風手段6に送る圧縮空気の量は、フィルム類2の幅方向であって、フィルム類2のたわみの生じた部分的に圧縮空気の送風量を調整して前記圧縮空気送風手段6に送ることができるような構成となっている。これにより前記フィルム類2に生じたフィルム類2の幅方向に対して生じたたるみの大きさに合わせて、前記圧縮空気送風手段6によってフィルム類2に吹き付ける圧縮空気の量が調節でき、フィルム類2のたるみを均一にして前記巻取りロール4に巻き取らせることが可能な構成となっている。また、前記圧縮空気は、装置本体に固定された図示しないエアポンプ等が備えられている。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態に係る圧縮空気送風手段6のフィルム類2の幅方向から見た正面図、およびフィルム類2の幅方向の位置に対する圧縮空気の吹き付け力のグラフを示す。
【0016】
前記圧縮空気送風手段6は、フィルム類2の幅方向の全長に亘って設けたエアチャンバ8と、該エアチャンバ8の上面に設けた吹き付け口9と、前記エアチャンバ8の内部に固定されてフィルム類2の幅方向で任意の数の小室11に区切る仕切り板10とを備えている。前記小室11は、圧縮空気の吹き付け力を前記小室11毎に調整可能なように、下側に圧縮空気量調整手段7が設けられている。前記エアチャンバ8は、装置本体に図示しないささえ等を介して固定されており、さらに圧縮空気が前記吹き付け口9以外から漏れないような密閉構造となっている。圧力が作用する内壁は、極力角部の無い方が望ましいが、前記エアチャンバ8内に作用する圧縮空気の内圧は、前記フィルム類を吹き上げる程度の圧力しか作用しないので、製造性を考えて角型形状のものを使用している。
前記吹き付け口9は、圧縮空気を上方に吹き付けるための多くの孔を穿設した平板で構成されている。吹き付け口9の孔形状および大きさは、圧縮空気の量とフィルム類2を押上げる吹き付け力との関係で最適な値を決定して使用する。また、前記エアチャンバ8と前記吹き付け口9は、全周溶接で気密に取り付けられている。前記エアチャンバ8または前記吹き付け口9にプラスチック等の材質を用いる場合は、勘合部にシール材等を使用して気密になるように組立てる。
前記仕切り板10は、前記エアチャンバ8の内部を小室11毎に画成しており、前記小室11の隣り合う小室11に空気が漏れないように密閉構造となっている。
【0017】
前記圧縮空気量調節手段7は、前記小室11毎に底部の圧縮空気送入口から圧縮空気を供給する導管12と、該導管12には前記小室11毎に圧縮空気の供給量を調整するために設けられた開閉弁13により構成されている。
前記導管12は、前記エアチャンバ8内に画成された小室11毎の下部の圧縮空気送入口に一端を固定されている。さらに、前記小室11毎に下部に設けられた複数の導管12は、他端を分配器等に接続されて、さらに前記分配器等の他端には、前記複数の導管12と連通している1本の導管12が連結されている。1本に集められた導管12のもう一端は、図示しないエアポンプ等に配管されて圧縮空気が供給されている。前記導管12は銅製であり、腐食によって導管12に孔ができにくい材料を使用している。
前記開閉弁13は、前記小室11毎に設けられた複数の導管12に1個ずつ設けられている。前記開閉弁13は、手動または電気信号等による制御によって開閉することができる構成となっている。前記圧縮空気の吹き付け力は、前記開閉弁13の開閉動作により、前記小室11毎に強弱をつけることで調節できる構成となっている。
【0018】
図2の上側に記載のグラフは、縦軸に前記吹き付け口9から吹き付けられる圧縮空気の吹き付け力をとり、横軸に前記フィルム類2の幅方向の位置を表したものであり、本発明のフィルム類2への圧縮空気の吹き付け力の設定の一つの実施例を示したものである。また、図2において、前記グラフの下側に示すエアチャンバ8の図の幅方向の位置と、上側に示す前記グラフの横軸のフィルム類2の幅方向の位置は一致して記載している。また、エアチャンバ8の内側を画成する前記小室11の数を5個とし、さらに前記圧縮空気の吹き付け力の設定を吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16の3段階に分けて縦軸方向に記載するものとする。
上記の実施例を用いて、以下、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の圧縮空気吹き付け量の調整方法を動作面から説明する。
【0019】
前記巻取りロール4は、その巻径が増加すると、前記巻取りロール4の自重で巻取りロール4の幅方向中央部にたわみが生じる(図1に想像線で巻取りロール4の中央たわみ部の外形を記載する)。すると、前記押さえロール3と前記ガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、フィルム類2の幅方向中央部にたるみが生じる。このたるみは、前記巻取りロール4に生じた巻取りロール4の幅方向中央部のたわみに起因して発生しているため、前記押さえロール3または前記ガイドロール5の位置を調整してフィルム類2の張力を調整しても取り除くことはできない。
【0020】
前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に設けた圧縮空気送風手段6は、圧縮空気量調節手段7から得た圧縮空気を、エアチャンバ8の上側を送られるフィルム類2に吹き付ける。圧縮空気の吹き付け量は、前記圧縮空気量調節手段7の開閉弁13により手動、または自動制御により調整される。
前記圧縮空気は、エアチャンバ8内の小室11毎にそれぞれ供給され、小室11毎に上方の吹き付け口9からそれぞれの吹き付け力で圧縮空気が吹き付けられる。前記吹き付け力は、前記圧縮空気の送風量が多ければ強くなり、逆に前記送風量が少なければ弱くなる。
この調整方法によれば、前記エアチャンバ8内の5個の小室11のうち、フィルム類2の幅方向の真中の小室11に圧縮空気を多く送風することにより、吹き付け力(強)14をフィルム類2の幅方向の中央部に吹き付けることができる。また、前記中央の小室11から両端に各1個ずれた小室11には、前記中央部の小室11の次に多い圧縮空気を送風し、吹き付け力(中)15をフィルム類2へ与えることができる。同様に、フィルム類2の幅方向の両端部の小室11からの吹き付け力には、吹き付け力(弱)16を与えることができる。
【0021】
前記吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16は、フィルム類2のたるみの量により決定される。また、前記吹き付け力14,15,および16は、フィルム類2に発生しているたるみが前記吹き付け力14,15,および16により押しどけられて、フィルム類2の幅方向中央部の高さ方向の位置がフィルム類2の幅方向両端部の高さ方向の位置と同等かそれより上になるように決定する(図1に想像線でフィルム類2の幅方向中央部を圧縮空気で押上げた図を記載する)。望ましくは、フィルム類2に生じるフィルム類2の幅方向中央部の張力が、フィルム類2に生じるフィルム類2の幅方向両端部の張力と同等な張力で前記押さえロール3に巻付くようにする。また、前記吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16は、前記巻取りロール4の外周表面の硬さのばらつき等の巻取り状況を確認したり、エアだまりや巻じわが生じない圧縮空気の吹き付け量を確認したりして設定値を決定する。
【0022】
本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1では、前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に取り付けられ、前記フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気を上方に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、該圧縮空気送風手段6の送風量の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7を設けているので、フィルム類2に押さえロール3とガイドロール5との間でフィルム類2の幅方向中央部でたるみが発生しても、たるみの大きさに合わせて圧縮空気の吹き付け量を調整してフィルム類2のたるみを取り除くことにより、前記フィルム類2に前記フィルム類2の幅方向に対して適度に均一な張力を与えると共に、前記押さえロール3による押圧力をかけながら巻取りロール4に巻付けることができる。
【0023】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るフィルム類巻取り装置は、フィルム類を巻取る円筒状の巻取りロールと、前記巻取りロールの軸心と平行になるよう取り付けられて前記巻取りロールの外周に押圧力を与える円筒状の押さえロールと、前記軸心と平行に取り付けられて前記フィルム類に張力を与える円筒状のガイドロールとを有するフィルム類巻取り装置において、前記フィルム類が前記押さえロールに巻付く手前の下方に取り付けられ、前記フィルム類の幅方向に亘って圧縮空気を上方に吹き付ける圧縮空気送風手段と、該圧縮空気送風手段の送風量を幅方向で任意に区切った幅毎に調節する圧縮空気量調節手段を設けたことにより、巻取りロール4の巻層にエアだまりを発生することがなくなり、巻取り後のフィルム類の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の巻取り部分の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る圧縮空気送風手段の幅方向の正面図およびフィルム類の幅方向の位置に対する圧縮空気の吹き付け力のグラフである。
【図3】従来の前記フィルム類巻取り装置のフィルム類巻取り部分の説明図である。
【符号の説明】
1 フィルム類巻取り装置
2 フィルム類
3 押さえロール
4 巻取りロール
5 ガイドロール
6 圧縮空気送風手段
7 圧縮空気量調節手段
8 エアチャンバ
9 吹き付け口
10 仕切り板
11 小室
12 導管
13 開閉弁
14 吹き付け力(強)
15 吹き付け力(中)
16 吹き付け力(弱)
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム類巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルム類巻取り装置は、材料を縦軸方向又は横軸方向に伸ばして製作する一軸、二軸、または無延伸フィルムや、更には紙、布の生産にも使用することができる装置である。例えば、平面状に生産されたフィルム類の帯状物を、装置本体に固定した押さえロールを用いて、前記フィルム類に適度な押圧力を与えながら巻取りロールに巻き取らせ、最終的な出荷形態である円筒状の巻取りロールに仕上げる装置などがある。
【0003】
図3に、従来の前記フィルム類巻取り装置のフィルム類巻取り部分の説明図を示す。図示しない製造ライン等から送られてくるフィルム類2は、巻取りロール4の外周に巻き取られるときに、押さえロール3からの適度な押圧力を受ける。前記押さえロール3は、前記巻取りロール4の外周と接して従動回転しながら、フィルム類2に押圧力を与えている。フィルム類2の搬送上流側にはガイドロール5が設けられている。前記ガイドロール5は、前記フィルム類2の送り面と接して滑らかに従動回転している。また、該ガイドロール5は、装置本体に取り付けられている固定位置を左右または上下に移動調整することができる構造となっている。この移動調整により、押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、たるまないように適度な張力が与えられている。
【0004】
最終的な出荷形態である巻取りロール4の円筒状の外周部を適切な硬さに仕上げるためには、巻取り時に巻取りロール4の層間に巻き込まれる空気量をできるだけ少なくする必要がある。
具体的には、押さえロール3が適切な押圧力で巻取りロール4の外周を押圧して、巻取りロール4の層内に気泡が発生するのを抑制すると共に、前記フィルム類2が前記巻取りロール4に巻き取られる直前のフィルム類2のたるみを除去して適切な張力を保つことが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルム類2の巻取り工程が進み、その巻取り量が増えてくると、巻取りロール4の重量は徐々に増加してゆく。しかし、前記巻取りロール4は、円筒状の幅方向にフィルム類2を巻取る構造であり、巻取りロール4の両端部以外では重量を支持することができないため、巻取りロール4の中央部には、その自重により巻取りロール4自体にたわみが生じる。そのため、巻取りロール4の中央部では、巻取りロール4の巻層の上端部分でのフィルム類2の高さ位置が巻取りロール4の両端部のフィルム類2の高さ位置に比べて、そのたわみ分だけ低い位置となる。その結果、巻取りロール4に巻き取られる手前の部分であって、前記押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2の幅方向中央部でフィルム類2の張力が弱くなると共に、たるみが発生する。このフィルム類2のフィルム類2の幅方向中央部に発生するたるみは、前記ガイドロール5を移動させてフィルム類2の張力を調整しても、当然ながら除去することはできない。
この状態で巻取りを続けると、前記押さえロール3は前記フィルム類2の幅方向中央部を前記巻取りロール4の外周面に強く押圧できない。その結果、フィルム類2には、フィルム類2の両端部に比べ、フィルム類2の幅方向中央部に空気の流入が多くなり、ひどい場合には巻取りロール4のフィルム類2の幅方向中央部にエアだまりが生じてしまう。このエアだまりはいずれ内部の空気が抜けることにより、巻じわとなってしまうため、フィルムの品質に大きなダメージを与えるといった問題があった。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、巻取りロールの重量が徐々に増加して、前記巻取りロールの自重により前記巻取りロールの幅方向中央部にたわみが発生しすることにより生じる前記押さえロールと前記ガイドロールの間を送られてくるフィルム類に生じるフィルム類の幅方向中央部のたるみを除去し、前記押さえロールの押圧力により前記巻取りロールにフィルム類の全幅を均一な張力で前記フィルム類を巻きつけることにより、前記巻取りロールのフィルム類の幅方向中央部に発生するエアだまり等をなくし、巻取り後のフィルム類の品質を向上させるフィルム類巻取り装置および制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、装置本体に軸支され、回転しながら前記フィルム類を巻取る巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類を前記巻取りロールの外周に押圧する押さえロールと、該押さえロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類の張力を調整するガイドロールとを有するフィルム類巻取り装置において、前記フィルム類が前記押さえロールに巻付く手前の下方に配置され、前記フィルム類の幅方向に亘って圧縮空気を前記フィルム類に吹き付ける圧縮空気送風手段と、該圧縮空気送風手段の送風量を前記フィルム類の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段を設ける
さらに、前記圧縮空気送風手段は、装置本体に固定され、前記フィルム類の幅方向の全長に亘って設けたエアチャンバと、該エアチャンバの上部に設けられ、前記フィルム類に圧縮空気を吹き付けるための吹き付け口と、前記エアチャンバの内部に固定され、前記エアチャンバの内部を前記フィルム類の幅方向で任意の数の気密な小室に区切る仕切り板を備え、さらに前記圧縮空気量調整手段は、前記小室毎に設けた圧縮空気送入口に一端を固定して、前記小室11毎に圧縮空気を送風する導管と、該導管毎に設けられた開閉弁を備えた
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の巻取り部分の側面図を示している。
【0010】
本発明の形態のフィルム類巻取り装置1は、図示しない装置本体に軸支され、回転しながら前記フィルム類2を巻取る巻取りロール4と、前記巻取りロール4と離間した位置に平行に配置され、前記巻取りロール4に従動回転しながら前記フィルム類2を前記巻取りロール4の外周に押圧する押さえロール3と、該押さえロール3と離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類2の送り面に従動回転しながら前記押さえロール3との間の前記フィルム類の張力を調整するガイドロール5とを備えている。
【0011】
このようなフィルム類巻取り装置1では、図示しない製造ライン等から送られてくるフィルム類2は、巻取りロール4の外周に巻き取られるときに、押さえロール3からの適度な押圧力を受ける。前記押さえロール3は、前記巻取りロール4の外周と接して従動回転しながら、フィルム類2に押圧力を与えている。フィルム類2の搬送上流側にはガイドロール5が設けられている。前記ガイドロール5は、前記フィルム類2の送り面と接して滑らかに従動回転している。また、該ガイドロール5は、装置本体に取り付けられている固定位置を左右または上下に移動調整することができる構造となっている。この移動調整により、押さえロール3とガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、たるまないように適度な張力が与えられている。
前記押さえロール3、巻取りロール4、およびガイドロール5は、円筒状の外形を有していると共に、円筒の円の中心を回転軸として回転する。また、前記押さえロール3、巻取りロール4、およびガイドロール5は、前記回転軸が平行になるように配設されると共に、フィルム類2をフィルム類2の幅方向の全長に亘って案内することが可能なように、フィルム類2の幅長さよりも長い幅長さを備えている。
【0012】
前記巻取りロール4は、装置本体に対し回転自由に軸支されている。前記巻取りロール4の両端には、図示しない軸受が設けられている。
また、前記押さえロール3は、両端に設けた図示しない軸受により回転自由に軸支されている。さらに、両端に設けた前記軸受は、装置本体に固定された図示しないリニアガイドの上に固定されている。前記軸受により支持されている前記押さえロール3は、リニアガイドの摺動方向であって前記押さえロール3の軸方向と直角な方向に移動することができる。
さらに、前記ガイドロール5は、前記押さえロール3と同様に、装置本体に取り付けられたリニアガイド上に固定された軸受により軸支されており、前記リニアガイドは、装置本体に対して上下または左右の方向に前記ガイドロール5を案内し、前記押さえロール3と前記ガイドロール5の間を送られるフィルム類2に生じるたるみを取ると共に、前記フィルム類2に適度な張力が与えられるような構成となっている。
さらにまた、前記押さえロール3に対して前記巻取りロール4の取り付け側と反対側には、図示しないエアシリンダが装置本体枠に固定されている。前記エアシリンダは、前記押さえロール3の両端に設けた前記軸受に押力を与え、前記エアシリンダの押力が前記軸受から前記押さえロール3へ伝達され、前記押さえロール3がフィルム類2を押圧する押圧力として作用する構成となっている。
【0013】
さらに、前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に配置され、前記フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気をフィルム類2に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、該圧縮空気送風手段6の送風量を前記フィルム類2の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7とを備えている。
【0014】
前記圧縮空気送風手段6は、装置本体に取り付けられると共に、フィルム類2が前記押さえロール3に押圧される手前の下方に設けられている。前記圧縮空気送風手段6は、前記圧縮空気送風手段6の上側を通過するフィルム類2のフィルム類2の幅方向中央部に生じたたるみに対して圧縮空気を吹き付けて、強制的に前記たるみ部分を上方に押し上げる構成となっている。ゆえに、前記圧縮空気送風手段6は、できるだけ前記押さえロール3に巻付く近傍に設置して、前記押さえロール3に巻付くときの前記フィルム類2のたるみがフィルム類2の全幅で均一な状態を維持しながら、前記フィルム類2が前記押さえロール3に押圧されながら前記巻取りロール4に巻き取られるように、圧縮空気送風手段6の装置本体に対しての取り付け位置が決定されている。
また、前記圧縮空気量調整手段7は、前記圧縮空気送風手段6の下側に設けてあり、さらに前記圧縮空気送風手段6に送る圧縮空気の量は、フィルム類2の幅方向であって、フィルム類2のたわみの生じた部分的に圧縮空気の送風量を調整して前記圧縮空気送風手段6に送ることができるような構成となっている。これにより前記フィルム類2に生じたフィルム類2の幅方向に対して生じたたるみの大きさに合わせて、前記圧縮空気送風手段6によってフィルム類2に吹き付ける圧縮空気の量が調節でき、フィルム類2のたるみを均一にして前記巻取りロール4に巻き取らせることが可能な構成となっている。また、前記圧縮空気は、装置本体に固定された図示しないエアポンプ等が備えられている。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態に係る圧縮空気送風手段6のフィルム類2の幅方向から見た正面図、およびフィルム類2の幅方向の位置に対する圧縮空気の吹き付け力のグラフを示す。
【0016】
前記圧縮空気送風手段6は、フィルム類2の幅方向の全長に亘って設けたエアチャンバ8と、該エアチャンバ8の上面に設けた吹き付け口9と、前記エアチャンバ8の内部に固定されてフィルム類2の幅方向で任意の数の小室11に区切る仕切り板10とを備えている。前記小室11は、圧縮空気の吹き付け力を前記小室11毎に調整可能なように、下側に圧縮空気量調整手段7が設けられている。前記エアチャンバ8は、装置本体に図示しないささえ等を介して固定されており、さらに圧縮空気が前記吹き付け口9以外から漏れないような密閉構造となっている。圧力が作用する内壁は、極力角部の無い方が望ましいが、前記エアチャンバ8内に作用する圧縮空気の内圧は、前記フィルム類を吹き上げる程度の圧力しか作用しないので、製造性を考えて角型形状のものを使用している。
前記吹き付け口9は、圧縮空気を上方に吹き付けるための多くの孔を穿設した平板で構成されている。吹き付け口9の孔形状および大きさは、圧縮空気の量とフィルム類2を押上げる吹き付け力との関係で最適な値を決定して使用する。また、前記エアチャンバ8と前記吹き付け口9は、全周溶接で気密に取り付けられている。前記エアチャンバ8または前記吹き付け口9にプラスチック等の材質を用いる場合は、勘合部にシール材等を使用して気密になるように組立てる。
前記仕切り板10は、前記エアチャンバ8の内部を小室11毎に画成しており、前記小室11の隣り合う小室11に空気が漏れないように密閉構造となっている。
【0017】
前記圧縮空気量調節手段7は、前記小室11毎に底部の圧縮空気送入口から圧縮空気を供給する導管12と、該導管12には前記小室11毎に圧縮空気の供給量を調整するために設けられた開閉弁13により構成されている。
前記導管12は、前記エアチャンバ8内に画成された小室11毎の下部の圧縮空気送入口に一端を固定されている。さらに、前記小室11毎に下部に設けられた複数の導管12は、他端を分配器等に接続されて、さらに前記分配器等の他端には、前記複数の導管12と連通している1本の導管12が連結されている。1本に集められた導管12のもう一端は、図示しないエアポンプ等に配管されて圧縮空気が供給されている。前記導管12は銅製であり、腐食によって導管12に孔ができにくい材料を使用している。
前記開閉弁13は、前記小室11毎に設けられた複数の導管12に1個ずつ設けられている。前記開閉弁13は、手動または電気信号等による制御によって開閉することができる構成となっている。前記圧縮空気の吹き付け力は、前記開閉弁13の開閉動作により、前記小室11毎に強弱をつけることで調節できる構成となっている。
【0018】
図2の上側に記載のグラフは、縦軸に前記吹き付け口9から吹き付けられる圧縮空気の吹き付け力をとり、横軸に前記フィルム類2の幅方向の位置を表したものであり、本発明のフィルム類2への圧縮空気の吹き付け力の設定の一つの実施例を示したものである。また、図2において、前記グラフの下側に示すエアチャンバ8の図の幅方向の位置と、上側に示す前記グラフの横軸のフィルム類2の幅方向の位置は一致して記載している。また、エアチャンバ8の内側を画成する前記小室11の数を5個とし、さらに前記圧縮空気の吹き付け力の設定を吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16の3段階に分けて縦軸方向に記載するものとする。
上記の実施例を用いて、以下、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の圧縮空気吹き付け量の調整方法を動作面から説明する。
【0019】
前記巻取りロール4は、その巻径が増加すると、前記巻取りロール4の自重で巻取りロール4の幅方向中央部にたわみが生じる(図1に想像線で巻取りロール4の中央たわみ部の外形を記載する)。すると、前記押さえロール3と前記ガイドロール5の間を送られるフィルム類2には、フィルム類2の幅方向中央部にたるみが生じる。このたるみは、前記巻取りロール4に生じた巻取りロール4の幅方向中央部のたわみに起因して発生しているため、前記押さえロール3または前記ガイドロール5の位置を調整してフィルム類2の張力を調整しても取り除くことはできない。
【0020】
前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に設けた圧縮空気送風手段6は、圧縮空気量調節手段7から得た圧縮空気を、エアチャンバ8の上側を送られるフィルム類2に吹き付ける。圧縮空気の吹き付け量は、前記圧縮空気量調節手段7の開閉弁13により手動、または自動制御により調整される。
前記圧縮空気は、エアチャンバ8内の小室11毎にそれぞれ供給され、小室11毎に上方の吹き付け口9からそれぞれの吹き付け力で圧縮空気が吹き付けられる。前記吹き付け力は、前記圧縮空気の送風量が多ければ強くなり、逆に前記送風量が少なければ弱くなる。
この調整方法によれば、前記エアチャンバ8内の5個の小室11のうち、フィルム類2の幅方向の真中の小室11に圧縮空気を多く送風することにより、吹き付け力(強)14をフィルム類2の幅方向の中央部に吹き付けることができる。また、前記中央の小室11から両端に各1個ずれた小室11には、前記中央部の小室11の次に多い圧縮空気を送風し、吹き付け力(中)15をフィルム類2へ与えることができる。同様に、フィルム類2の幅方向の両端部の小室11からの吹き付け力には、吹き付け力(弱)16を与えることができる。
【0021】
前記吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16は、フィルム類2のたるみの量により決定される。また、前記吹き付け力14,15,および16は、フィルム類2に発生しているたるみが前記吹き付け力14,15,および16により押しどけられて、フィルム類2の幅方向中央部の高さ方向の位置がフィルム類2の幅方向両端部の高さ方向の位置と同等かそれより上になるように決定する(図1に想像線でフィルム類2の幅方向中央部を圧縮空気で押上げた図を記載する)。望ましくは、フィルム類2に生じるフィルム類2の幅方向中央部の張力が、フィルム類2に生じるフィルム類2の幅方向両端部の張力と同等な張力で前記押さえロール3に巻付くようにする。また、前記吹き付け力(強)14,(中)15,(弱)16は、前記巻取りロール4の外周表面の硬さのばらつき等の巻取り状況を確認したり、エアだまりや巻じわが生じない圧縮空気の吹き付け量を確認したりして設定値を決定する。
【0022】
本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1では、前記フィルム類2が前記押さえロール3に巻付く手前の下方に取り付けられ、前記フィルム類2の幅方向に亘って圧縮空気を上方に吹き付ける圧縮空気送風手段6と、該圧縮空気送風手段6の送風量の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段7を設けているので、フィルム類2に押さえロール3とガイドロール5との間でフィルム類2の幅方向中央部でたるみが発生しても、たるみの大きさに合わせて圧縮空気の吹き付け量を調整してフィルム類2のたるみを取り除くことにより、前記フィルム類2に前記フィルム類2の幅方向に対して適度に均一な張力を与えると共に、前記押さえロール3による押圧力をかけながら巻取りロール4に巻付けることができる。
【0023】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るフィルム類巻取り装置は、フィルム類を巻取る円筒状の巻取りロールと、前記巻取りロールの軸心と平行になるよう取り付けられて前記巻取りロールの外周に押圧力を与える円筒状の押さえロールと、前記軸心と平行に取り付けられて前記フィルム類に張力を与える円筒状のガイドロールとを有するフィルム類巻取り装置において、前記フィルム類が前記押さえロールに巻付く手前の下方に取り付けられ、前記フィルム類の幅方向に亘って圧縮空気を上方に吹き付ける圧縮空気送風手段と、該圧縮空気送風手段の送風量を幅方向で任意に区切った幅毎に調節する圧縮空気量調節手段を設けたことにより、巻取りロール4の巻層にエアだまりを発生することがなくなり、巻取り後のフィルム類の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の巻取り部分の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る圧縮空気送風手段の幅方向の正面図およびフィルム類の幅方向の位置に対する圧縮空気の吹き付け力のグラフである。
【図3】従来の前記フィルム類巻取り装置のフィルム類巻取り部分の説明図である。
【符号の説明】
1 フィルム類巻取り装置
2 フィルム類
3 押さえロール
4 巻取りロール
5 ガイドロール
6 圧縮空気送風手段
7 圧縮空気量調節手段
8 エアチャンバ
9 吹き付け口
10 仕切り板
11 小室
12 導管
13 開閉弁
14 吹き付け力(強)
15 吹き付け力(中)
16 吹き付け力(弱)
Claims (2)
- フィルム類の帯状物を巻き取る装置であって、装置本体に軸支され、回転しながら前記フィルム類を巻取る巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類を前記巻取りロールの外周に押圧する押さえロールと、該押さえロールと離間した位置に平行に配置され、前記フィルム類の張力を調整するガイドロールとを有するフィルム類巻取り装置において、前記フィルム類が前記押さえロールに巻付く手前の下方に配置され、前記フィルム類の幅方向に亘って圧縮空気を前記フィルム類に吹き付ける圧縮空気送風手段と、該圧縮空気送風手段の送風量を前記フィルム類の幅方向で部分的に調節する圧縮空気量調節手段を具備したことを特徴とするフィルム類巻取り装置。
- 請求項1に記載のフィルム類巻取り装置において、前記圧縮空気送風手段は、装置本体に固定され、前記フィルム類の幅方向の全長に亘って設けたエアチャンバと、該エアチャンバの上部に設けられ、前記フィルム類に圧縮空気を吹き付けるための吹き付け口と、前記エアチャンバの内部に固定され、前記エアチャンバの内部を前記フィルム類の幅方向で任意の数の気密な小室に区切る仕切り板を備え、さらに前記圧縮空気量調整手段は、前記小室毎に設けた圧縮空気送入口に一端を固定して、前記小室11毎に圧縮空気を送風する導管と、該導管毎に設けられた開閉弁を備えたことを特徴とするフィルム類巻取り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002232909A JP2004067368A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | フィルム類巻取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002232909A JP2004067368A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | フィルム類巻取り装置 |
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JP2002232909A Withdrawn JP2004067368A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | フィルム類巻取り装置 |
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JP (1) | JP2004067368A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013158691A (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-19 | Mitsubishi Rayon Cleansui Co Ltd | 中空糸膜編地ロール製造方法、中空糸膜編地ロール製造装置および中空糸膜編地ロール梱包方法 |
KR101477188B1 (ko) * | 2014-05-26 | 2014-12-29 | 주식회사 스카이테크 | 롤압축유닛 및 롤커팅유닛을 포함하는 포장용 랩 제조장치 |
CN109368328A (zh) * | 2018-11-07 | 2019-02-22 | 湖州傲娇小公举服饰有限公司 | 一种应用于针织物的收卷机 |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002232909A patent/JP2004067368A/ja not_active Withdrawn
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