JP2004064427A - プリドライブ回路および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】比較回路41aは、入力信号と比較の基準となる基準電圧信号とを比較する。入力レベルシフト回路41bは、比較結果を基に、第1の基準電位を有する入力信号を基板電位Vsubに応じた信号VLS1に変換して出力する。出力レベルシフト回路41cは、入力レベルシフト回路41bが出力する信号VLS1を出力電源電圧Vcc1に応じた信号VLS2に変換して出力する。信号増幅回路42は、出力レベルシフト回路41cが出力する信号VLS2を増幅して出力素子のスイッチSW5を駆動するための駆動信号Vgを出力する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーMOS(Metal−Oxide Semiconductor)FET(Field−Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の出力素子を駆動するためのプリドライブ回路およびプリドライブ回路を用いた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平面表示装置の1つであるプラズマディスプレイ装置の回路コストを低減する方法として、“SID 01 DIGEST”の1236頁から1239頁に、表題「A New Driving Technology for PDPs with Cost Effective Sustain Circuit」が開示されている。また、上記文献に対応する特許公報として、特開2002−0628844(特許第3201603号)にも同様の内容が開示されている。
【0003】
また、例えば、プラズマディスプレイ装置の1つである交流駆動型プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)には、2本の電極で選択放電(アドレス放電)および維持放電を行う2電極型と、第3の電極を利用してアドレス放電を行う3電極型とがあった。また、上記3電極型においては、維持放電を行う第1の電極と第2の電極とが配置されている基板に第3の電極を形成する場合と、対向するもう1つの基板に当該第3の電極を形成する場合とがあった。
【0004】
上記した各タイプのPDP装置は、何れも動作原理は同一であるので、以下では、維持放電を行う第1および第2の電極を第1の基板に設けるとともに、これとは別に、当該第1の基板と対向する第2の基板に第3の電極を設けたPDP装置についてその構成例を説明する。
【0005】
図14は、交流駆動型PDP装置の全体構成を示す図である。図14において、交流駆動型PDP装置1は、各セルが表示画像の1画素であるマトリックス状に配置された複数のセルを備える。それは、図14に示すような、m行n列のマトリックスに配置されたセルCmnである。また、交流駆動型PDP装置1には、第1の基板に互いに平行な走査電極Y1〜Ynおよび共通電極Xが設けられるとともに、上記第1の基板に対向する第2の基板にこれらの電極Y1〜Yn、Xと直交する方向にアドレス電極A1〜Amが設けられている。共通電極Xは、各走査電極Y1〜Ynに対応してこれに接近して設けられ、一端が互いに共通に接続されている。
【0006】
上記共通電極Xの共通端はX側回路2の出力端に接続され、各走査電極Y1〜YnはY側回路3の出力端に接続されている。また、アドレス電極A1〜Amはアドレス側回路4の出力端に接続されている。X側回路2は放電を繰り返す回路から成り、Y側回路3は線順次走査する回路と放電を繰り返す回路とから成る。また、アドレス側回路4は、表示すべき列を選択する回路から成る。
【0007】
これらのX側回路2、Y側回路3およびアドレス側回路4は、駆動制御回路5から供給される制御信号により制御される。すなわち、アドレス側回路4とY側回路3内の線順次走査する回路によりどこのセルを点灯させるかを決め、X側回路2およびY側回路3の放電を繰り返すことによって、PDP装置の表示動作を行う。
【0008】
制御回路5は、外部からの表示データD、表示データDの読み込みタイミングを示すクロックCLK、水平同期信号HSおよび垂直同期信号VSに基づいて上記制御信号を生成し、X側回路2、Y側回路3およびアドレス側回路4に供給する。
【0009】
図15(a)は、1画素である第i行第j列のセルCijの断面構成を示す図である。図15(a)において、共通電極Xおよび走査電極Yiは、前面ガラス基板11上に形成されている。その上には、放電空間17に対し絶縁するための誘電体層12が被着されるとともに、更にその上にMgO(酸化マグネシウム)保護膜13が被着されている。
【0010】
一方、アドレス電極Ajは、前面ガラス基板11と対向して配置された背面ガラス基板14上に形成され、その上には誘電体層15が被着され、更にその上に蛍光体18が被着されている。MgO保護膜13と誘電体層15との間の放電空間17には、Ne+Xeペニングガス等が封入されている。
【0011】
図15(b)は、交流駆動型PDP装置の容量Cpについて説明するための図である。図15(b)に示すように、交流駆動型PDP装置には、放電空間17、共通電極Xと走査電極Yとの間、および前面ガラス基板11にそれぞれ容量成分Ca、Cb、Ccが存在し、これらの合計によってセル1つ当りの容量Cpcellが決まる(Cpcell=Ca+Cb+Cc)。全てのセルの容量Cpcellの合計がパネル容量Cpである。
【0012】
また、図15(c)は、交流駆動型PDP装置の発光について説明するための図である。図15(c)に示すように、リブ16の内面には、赤、青、緑色の蛍光体18がストライプ状に各色毎に配列、塗付されており、共通電極Xおよび走査電極Yの間の放電によって蛍光体18を励起して発光するようになっている。
【0013】
また、交流駆動型PDP装置の駆動方法の1つとして、図16に示すような駆動装置を用い、一方の電極には正の電圧を印加し、他方の電極には負の電圧を印加することにより、電極間の電位差を利用して電極間の放電を行う駆動方法が提案されている。
【0014】
図16は、交流駆動型PDP装置の駆動装置の回路構成例を示す図である。
図16において、容量負荷20(以下、「負荷」と称す。)は、1つの共通電極Xと1つの走査電極Yとの間に形成されているセルの合計の容量である。負荷20には、共通電極Xおよび走査電極Yが形成されている。ここで、走査電極Yとは、上記走査電極Y1〜Ynの中の任意の走査電極である。
【0015】
まず、共通電極X側では、スイッチSW1、SW2は、図示しない電源から供給される電圧(Vs/2)の電源ラインとグランド(GND)との間に直列に接続される。上記2つのスイッチSW1、SW2の相互接続点にはコンデンサC1の一方の端子が接続され、このコンデンサC1の他方の端子とGNDとの間には、スイッチSW3が接続される。
【0016】
また、スイッチSW4、SW5は、上記コンデンサC1の両端に直列に接続される。そして、これら2つのスイッチSW4、SW5の相互接続点は出力ラインOUTCを介して中間から負荷20の共通電極Xに接続されるとともに、電力回収回路21に接続されている。さらに、第2の信号ラインOUTBと、書き込み電圧Vwを発生する電源ラインとの間には、抵抗R1を含むスイッチSW6が接続される。
【0017】
電力回収回路21は、負荷20に接続された2つのコイルL1、L2と、一方のコイルL1に直列に接続されるダイオードD2およびトランジスタTr1と、もう一方のコイルL2に直列に接続されるダイオードD3およびトランジスタTr2とを備える。さらに、電力回収回路21は上記2つのトランジスタTr1、Tr2の相互接続点と第2の信号ラインOUTBとの間に接続されるコンデンサC2を備える。
【0018】
そして、上記容量負荷20とそれに接続されるそれぞれのコイルL1、L2により、2系統の直列共振回路が構成される。すなわち、この電力回収回路21は、2系統のL−C共振回路を持つものであり、コイルL1と負荷20との共振によってパネルに供給した電荷を、コイルL2と負荷20との共振によって回収するものである。
【0019】
一方、走査電極Y側では、スイッチSW1’、SW2’は、図示しない電源から供給される電圧(Vs/2)の電源ラインとGNDとの間に直列に接続される。これら2つのスイッチSW1’、SW2’の相互接続点にはコンデンサC4の一方の端子が接続され、このコンデンサC4の他方の端子とGNDとの間には、スイッチSW3’が接続される。
【0020】
また、コンデンサC4の上記一方の端子に接続されたスイッチSW4’は、ダイオードD7のカソードに接続され、ダイオードD7のアノードとコンデンサC4の上記他方の端子が接続される。コンデンサC4の上記他方の端子に接続されたスイッチSW5’は、ダイオードD6のアノードに接続され、ダイオードD6のカソードとコンデンサC4の上記一方の端子が接続される。
【0021】
そして、ダイオードD7のカソードに接続されるスイッチSW4’、ダイオードD6のアノードに接続されるスイッチSW5’のそれぞれの一端からスキャンドライバ22を介して負荷20が接続されるとともに、電力回収回路21’が接続されている。さらに、第4の信号ラインOUTB’と、書き込み電圧Vwを発生する電源ラインとの間には、抵抗R1’を含むスイッチSW6’が接続される。
【0022】
電力回収回路21’は、負荷20から上記スキャンドライバ22を介して接続される2つのコイルL3、L4と、一方のコイルL3に直列に接続されるダイオードD4およびトランジスタTr3と、もう一方のコイルL4に直列に接続されるダイオードD5およびトランジスタTr4とを備える。さらに、電力回収回路21’は上記2つのトランジスタTr3、Tr4の共通端子と第4の信号ラインOUTB’との間に接続されるコンデンサC3を備える。
【0023】
この電力回収回路21’も、2系統のL−C共振回路を持ち、コイルL4と容量負荷20との共振によって負荷20に供給した電荷を、コイルL3と負荷20との共振によって回収するものである。
【0024】
さらに、走査電極Y側においては、以上の構成の他に、3つのトランジスタTr5、Tr6、Tr7と、2つのダイオードD6、D7とを更に備えている。トランジスタTr5は、これがオンとなることにより、これに接続された抵抗R2の作用によって、走査電極Yに印加するパルス電圧の波形を鈍らせるためのものである。このトランジスタTr5と抵抗R2は、スイッチSW5’と並列に接続されている。
【0025】
また、トランジスタTr6、Tr7は、後述するアドレス期間中にスキャンドライバ22の両端に(Vs/2)の電位差を与えるためのものである。すなわち、アドレス期間中に、スイッチSW2’およびトランジスタTr6がオンとなることによりスキャンドライバ22の上側の電圧がグランドレベルになる。さらに、トランジスタTr7がオンとなることにより、コンデンサC4に蓄積されていた電荷に応じて第4の信号ラインOUTB’に出力された負の電圧(−Vs/2)がスキャンドライバ22の下側に印加される。これにより、スキャンパルス出力時には、スキャンドライバ22により走査電極Yに負の電圧(−Vs/2)を印加することが可能となる。
【0026】
上述したスイッチSW1〜SW6、SW1’〜SW6’およびトランジスタTr1〜Tr7は、駆動制御回路31からそれぞれ供給される制御信号により制御される。上記駆動制御回路31は、論理回路等を用いて構成され、外部から供給される表示データD、クロックCLK、水平同期信号HSおよび垂直同期信号VS等に基づいて上記制御信号を生成し、スイッチSW1〜SW6、SW1’〜SW6’およびトランジスタTr1〜Tr7に供給する。
【0027】
なお、図16においては、駆動制御回路31からの制御線は、スイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’およびトランジスタTr1〜Tr4にそれぞれ接続された制御線のみ図示しているが、スイッチSW1〜SW6、SW1’〜SW6’およびトランジスタTr1〜Tr7のそれぞれに駆動制御回路31からの制御線が接続されている。
【0028】
図17は、上記図16のように構成した交流駆動型PDP装置の駆動装置による駆動波形を示すタイムチャートであり、1フレームを構成する複数のサブフィールドのうちの1サブフィールド分を示している。1つのサブフィールドは、全面書き込み期間および全面消去期間から成るリセット期間と、アドレス期間と、維持放電期間とに区分される。
【0029】
図17において、リセット期間においては、まず、共通電極X側のスイッチSW2、SW5がオンとなり、スイッチSW1、SW3、SW4、SW6がオフとなる。これにより、第2の信号ラインOUTBの電圧が、コンデンサC1に蓄積されている電荷に応じて(−Vs/2)に引き下げられる。そして、その電圧(−Vs/2)がスイッチSW5を介して出力ラインOUTCに出力され、負荷20の共通電極Xに印加される。
【0030】
一方、走査電極Y側では、スイッチSW1’、SW4’、SW6’がオンとなり、スイッチSW2’、SW3’、SW5’はオフとなる。これにより、出力ラインOUTC’に電圧VwとコンデンサC4に蓄積された電荷による電圧(Vs/2)とを加算した電圧が印加される。そして、その電圧(Vs/2+Vw)が負荷20の走査電極Yに印加される。このとき、スイッチSW6’内の抵抗R1’の作用により、電圧は時間経過とともに徐々に上昇していく。
【0031】
これにより、共通電極Xと走査電極Yとの電位差が(Vs+Vw)となり、以前の表示状態に関わらず、全表示ラインの全セルで放電が行われ、壁電荷が形成される(全面書き込み)。
【0032】
次に、各スイッチを適宜制御することにより、共通電極Xおよび走査電極Yの電圧をグランドレベルに戻した後、共通電極X側と走査電極Y側とで上述した状態とは逆の状態を作り出す。すなわち、共通電極X側のスイッチSW1、SW4、SW6をオン、スイッチSW2、SW3、SW5をオフとするとともに、走査電極Y側のスイッチSW2’、SW5’をオン、スイッチSW1’、SW3’、SW4’、SW6’をオフとする。
【0033】
これにより、共通電極Xに対する印加電圧がグランドレベルから(Vs/2+Vw)まで時間経過にともない連続的に上昇していくとともに、走査電極Yに対する印加電圧が(−Vs/2)に落とされる。これにより、全セルにおいて壁電荷自身の電圧が放電開始電圧を越えて放電が開始される。このとき、上述のように共通電極Xに対する印加電圧を、時間経過とともに連続的に上昇させることにより、微弱放電が行われ、蓄積されていた壁電荷が一部を除いて消去される(全面消去)。
【0034】
次に、アドレス期間においては、表示データに応じて各セルのオン/オフを行うために、線順次でアドレス放電が行われる。このとき、共通電極X側では、スイッチSW1、SW3、SW4がオンとなり、スイッチSW2、SW5、SW6がオフとなることにより、第1の信号ラインOUTAの電圧が、スイッチSW1を介して与えられる電圧(Vs/2)まで引き上げられる。そして、その電圧(Vs/2)がスイッチSW4を介して出力ラインOUTCに出力され、負荷20の共通電極Xに印加される。
【0035】
また、ある表示ラインに相当する走査電極Yに電圧を印加するときは、スイッチSW2’およびトランジスタTr6がオンとなることによってスキャンドライバ22の上側の電圧がグランドレベルとされる。また、このときトランジスタTr7がオンとなることによって、コンデンサC4に蓄積されていた電荷に応じて第4の信号ラインOUTB’に出力された負の電圧(−Vs/2)がスキャンドライバ22の下側に印加される。これにより、線順次により選択された走査電極Yには(−Vs/2)レベル、非選択の走査電極Yにはグランドレベルの電圧が負荷20の走査電極Yに印加される。
【0036】
このとき、各アドレス電極A1〜Am中の維持放電を起こすセル、すなわち点灯させるセルに対応するアドレス電極Ajには、電圧Vaのアドレスパルスが選択的に印加される。この結果、点灯させるセルのアドレス電極Ajと線順次で選択された走査電極Yとの間で放電が起こり、これをプライミング(種火)として共通電極Xと走査電極Yとの放電に即移行する。これにより、選択セルの共通電極Xおよび走査電極Yの上のMgO保護膜面に、次の維持放電が可能な量の壁電荷が蓄積される。
【0037】
その後、維持放電期間になると、共通電極X側では、最初に2つのスイッチSW1、SW3をオンにし、残りのスイッチSW2、SW4〜SW6はオフにする。このとき、第1の信号ラインOUTAの電圧は(+Vs/2)となり、第2の信号ラインOUTBの電圧はグランドレベルとなる。このとき、電力回収回路21内のトランジスタTr1をオンにすることにより、コイルL1と負荷20の容量によりL−C共振が行われ、コンデンサC2に回収されていた電荷がトランジスタTr1、ダイオードD2、コイルL1を介して負荷20に供給される。
【0038】
このとき、走査電極Y側では、スイッチSW2’がオンとなっていることにより、共通電極X側のスイッチSW3を介してコンデンサC2から共通電極Xに供給された電流は、走査電極Y側のスキャンドライバ22内のダイオード、およびダイオードD6を通り、第3の信号ラインOUTA’、スイッチSW2’を介してGNDに供給される。このような電流の流れにより、共通電極Xの電圧は図17のように徐々に上昇していく。そして、この共振時に発生するピーク電圧の近傍においてスイッチSW4をオンとすることにより、共通電極Xの電圧を(Vs/2)にクランプする。
【0039】
次に、走査電極Y側において、電力回収回路21’内のトランジスタTr3が更にオンとされる。これにより、コイルL3と負荷20の容量にてL−C共振が行われ、共通電極X側のスイッチSW3、コンデンサC1から第1の信号ラインOUTAを介してスイッチSW4を通して共通電極Xに供給された電流が、走査電極Y側のスキャンドライバ22内のダイオードおよび電力回収回路21’内のダイオードD4を通り、更にトランジスタTr3、コンデンサC3、コンデンサC4、スイッチSW2’を介してGNDに供給される。このような電流の流れによって、走査電極Yの電圧は図17のように徐々に下降していく。このとき、その一部の電荷をコンデンサC3に回収することができる。そして、この共振時に発生するピーク電圧の近傍においてスイッチSW5’を更にオンとすることにより、走査電極Yの電圧を(−Vs/2)にクランプする。
【0040】
同様にして、共通電極Xおよび走査電極Yの印加電圧を電圧(−Vs/2)からグランドレベル(0V)にするときには、電力回収回路21、21’内のコンデンサC2、C3に回収されていた電荷を供給することにより、印加電圧を徐々に上昇させていく。
【0041】
また、共通電極Xおよび走査電極Yの印加電圧を電圧(Vs/2)からグランドレベル(0V)にするときには、負荷20に蓄積されていた電荷がGNDに供給されることで、印加電圧を徐々に下降させるとともに、負荷20に蓄積されていた電荷の一部を電力回収回路21、21’内のコンデンサC2、C3に回収する。
【0042】
このようにして維持放電期間には、共通電極Xと各表示ラインの走査電極Yとに互いに極性の異なる電圧(+Vs/2,−Vs/2)を交互に印加して維持放電を行い、1サブフィールドの映像を表示する。
【0043】
しかしながら、上述した交流駆動型PDPの駆動装置では、論理回路等で構成される駆動制御回路31はGNDレベルを基準電位としているが、上記駆動制御回路31から制御信号が供給され、共通電極Xおよび走査電極Yに電圧を印加する出力素子、すなわちスイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’および電源回収回路21、21’内のトランジスタTr1〜Tr4は駆動動作において基準電位が変化する。そのため、例えば、駆動制御回路31により生成した信号を上記出力素子に供給する際、出力素子の電圧変動が駆動制御回路31に逆流することにより、駆動制御回路31に高電圧がかかる可能性があるという問題があった。
【0044】
この問題を解決する方法の一つとして、制御回路から出力される制御信号をレベルシフト回路によってレベルシフトすることにより、基準電位の変換を行う方法が考えられる。例えば、駆動制御回路31と上述した出力素子の間に、電圧を印加する出力素子へ基準電位を変換した制御信号を出力するプリドライブ回路を用いる方法について述べる。この時、プリドライブ回路は、制御信号の基準電位を出力素子側の基準電位(−Vs/2〜Vs/2)に応じてレベルシフトして、出力素子へレベルシフト後の制御信号を出力する。
【0045】
図18は、出力素子側の基準電位の変動に対応したプリドライブ回路例を示す図である。尚、図18に示すプリドライブ回路P1は、上述した図16に示す駆動制御回路31と出力素子のスイッチSW4の間に挿入する集積回路(半導体回路)である。図18において、増幅/レベルシフト回路P10は、駆動制御回路31が出力する制御信号CTL1の基準電位(GND)を出力素子側の基準電位(−Vs/2〜Vs/2)までレベルシフトして、増幅する回路である。出力回路P11は、増幅/レベルシフト回路P10の出力する信号を基にスイッチSW4を駆動するための回路である。
【0046】
上述した増幅/レベルシフト回路P10の入力端子は、制御信号CTL1が入力されるプリドライブ回路P1の入力端子VINに接続されている。また、半導体基板にP型不純物が付加されたP型基板である基板P13は、プリドライブ回路P1の基準電位端子K1と接続され、制御信号CTL1の基準電位GNDが入力される。
【0047】
また、出力回路P11は、図18に示すようにnチャネルMOSFETであるTr11とTr12およびインバータ回路であるINV13から構成される。Tr11は、増幅/レベルシフト回路P10が出力する制御信号に応じてオン/オフすることで、電源端子V1から供給される電圧Vccを出力端子Voより出力するか否かを制御するトランジスタである。Tr12は、増幅/レベルシフト回路P10が出力する制御信号をINV13で反転した信号に応じてオン/オフすることで、基準電位端子K2より供給される基準電位(−Vs/2〜Vs/2)を出力するか否かを制御するトランジスタである。
【0048】
寄生ダイオード12は、基板P13とTr12の一部とで形成されるpn接合部分に生じる寄生ダイオードを視覚的に表したものである。これにより、基板P13は、プリドライブ回路P1より出力される制御信号の基準電位である−Vs/2が印加される基準電位端子K2と寄生ダイオード12を介して接続されている。尚、寄生ダイオード12のアノード端子は、基板P13と接続されている。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、駆動制御回路31により生成した制御信号を上記出力素子に供給する際、出力素子の基準電位の変動により、駆動制御回路31に高電圧がかかる可能性があり、安定して制御信号を出力素子へ伝達できないという問題があった。
また、駆動制御回路31への高電圧の印加を防ぐため、上記のプリドライブ回路P1によって、0Vが基準電位の制御信号を基に、基準電位が−Vs/2〜Vs/2に変化するスイッチSW4を駆動するための制御信号を生成することができる。しかしながら、基準電位端子K1にGNDを、基準電位端子K2に−Vs/2の負電圧を印加した場合に、上述した寄生ダイオード12のために異常電流Ipが発生して、プリドライブ回路P1の正常動作を阻害する可能性があるという問題があった。
【0050】
この発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、出力素子側に発生する基準電位が高電圧となった場合でも、制御信号が安定に伝達できるよう上記出力素子を駆動するプリドライブ回路および表示装置を提供することを目的とする。また、出力素子側に発生する基準電位が負電圧となった場合でも、正常に動作可能な集積回路に適したプリドライブ回路および表示装置を提供することを目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決すべくなされたもので、本発明によるプリドライブ回路においては、入力信号の第1の基準電位に対して、異なる第2の基準電位を有する出力素子を駆動するプリドライブ回路であって、入力信号と比較の基準となる基準電圧信号とを比較する比較回路と、比較結果を基に、第1の基準電位を有する入力信号を基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、入力レベルシフト回路が出力する第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、出力レベルシフト回路が出力する第3信号を増幅して出力素子を駆動するための駆動信号を出力する信号増幅回路とを具備することを特徴とする。
【0052】
上記のように構成した本発明のプリドライブ回路によれば、入力信号の基準電位と、駆動する対象である出力素子の基準電位とが異なり、負電圧である場合でも、入力信号を比較回路で処理することで、入力信号の第1の基準電位をプリドライブ回路の入力側の基板電位とする必要がなくなる。すなわち、プリドライブ回路の基板電位を第2の基準電位に応じた電位とすることができ、プリドライブ回路の寄生ダイオードに順方向の電位差が生じない電位とすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態であるプリドライブ回路を用いた表示装置の一例として、プラズマディスプレイパネルの実施形態について図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態によるプリドライブ回路を用いた交流駆動型PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)の駆動装置の構成例を示す図である。なお、この図1に示す本実施形態の駆動装置は、例えば図14、図15に全体構成および1画素を構成する1つのセルの構成を示した交流駆動型PDP装置(表示装置)に適用することが可能である。また、この図1において、図16に示した符号と同一の符号を付したものは、同一の機能を有するものである。
【0054】
図1において、負荷20は、1つの共通電極Xと1つの走査電極Yとの間に形成されているセルの合計の容量である。また、負荷20には、共通電極Xおよび走査電極Yが形成されている。
【0055】
共通電極X側では、スイッチSW1、SW2は、図示しない電源から供給される電圧(Vs/2)の電源ラインとグランド(GND)との間に直列に接続される。上記2つのスイッチSW1、SW2の相互接続点にはコンデンサC1の一方の端子が接続され、このコンデンサC1の他方の端子とGNDとの間には、スイッチSW3が接続される。
【0056】
また、スイッチSW4、SW5は、上記コンデンサC1の両端に直列に接続され、上記スイッチSW4は第1の信号ラインOUTAを介して、コンデンサC1の上記一方の端子に接続され、上記スイッチSW5は第2の信号ラインOUTBを介して、コンデンサC1の上記他方の端子に接続される。そして、これら2つのスイッチSW4およびスイッチSW5の相互接続点には、出力ラインOUTCを介して負荷20の共通電極Xが接続されている。
【0057】
一方、走査電極Y側では、スイッチSW1’、SW2’は、図示しない電源から供給される電圧(Vs/2)の電源ラインとGNDとの間に直列に接続される。これら2つのスイッチSW1’、SW2’の相互接続点にはコンデンサC4の一方の端子が接続され、このコンデンサC4の他方の端子とGNDとの間には、スイッチSW3’が接続される。
【0058】
また、コンデンサC4の上記一方の端子に第3の信号ラインOUTA’を介して接続されたスイッチSW4’は、ダイオードD14のカソードに接続され、ダイオードD14のアノードとコンデンサC4の上記他方の端子が接続される。また、コンデンサC4の上記他方の端子に第4の信号ラインOUTB’を介して接続されたスイッチSW5’は、ダイオードD15のアノードに接続され、ダイオードD15のカソードとコンデンサC4の上記一方の端子が接続される。そして、ダイオードD14のカソードに接続されるスイッチSW4’、ダイオードD15のアノードに接続されるスイッチSW5’のそれぞれの一端からスキャンドライバ22を介して負荷20の走査電極Yが接続されている。
【0059】
なお、図1ではスキャンドライバ22を1つのみ示しているが、実際には、PDPが備える複数の表示ラインに対してそれぞれ備えられている。その他の回路は、複数の表示ラインに共通に設けられる共通回路である。
【0060】
駆動制御回路31は、論理回路等を用いて構成され、本駆動装置を構成する上記スイッチSW1〜SW5、SW1’〜SW5’を制御するための回路である。すなわち、駆動制御回路31は、外部から供給される表示データ、クロック、水平同期信号および垂直同期信号等に基づいて、上記スイッチSW1〜SW5、SW1’〜SW5’を制御するための制御信号を生成する。そして、駆動制御回路31は、生成した制御信号を上記スイッチSW1〜SW5、SW1’〜SW5’にそれぞれ供給する。
【0061】
なお、図1においては、駆動制御回路31から制御信号を供給する制御線は、スイッチSW4、SW5、SW4’およびスイッチSW5’にそれぞれ接続されたプリドライブ回路32−1、32−2、32−3、33−3に制御信号を供給する制御線CTL1〜CTL4のみ図示しているが、スイッチSW1〜SW3、SW1’〜SW3’のそれぞれに駆動制御回路31から制御信号を供給する制御線が接続されている。
【0062】
プリドライブ回路32−1〜32−4は、上記駆動制御回路31から制御線CTL1〜CTL4を介してそれぞれ供給される駆動制御回路31の基準電位(例えば、GND)を基準とする制御信号を、上記スイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’の基準電位にあわせた制御信号にそれぞれ電圧レベルを変換し供給する。なお、このプリドライブ回路32−1〜32−4の詳細については後述する。
【0063】
次に、図2を用いて上述した駆動装置の動作について説明する。
図2は、上記図1に示した交流駆動型PDPの駆動装置の動作を説明するための概念図である。なお、この図2において、図1に示した符号と同じ符号を付したものは、同一の機能を有するものであり、重複する説明は省略する。
【0064】
図2において、共通電極X側の2つのスイッチSW1、SW3がオンとなり、残りのスイッチSW2、SW4、SW5はオフとなると、第1の信号ラインOUTAの電圧は、図示しない電源よりスイッチSW1を介して与えられる電圧レベル(+Vs/2)となる。その後、スイッチSW4がオンとなるとともに、走査電極Y側のスイッチSW4’、SW2’がオンとなることにより、第1の信号ラインOUTAの電圧(+Vs/2)が出力ラインOUTCを介して負荷20の共通電極Xに印加され、共通電極Xと走査電極Yとの間に(Vs/2)の電圧が印加される。
【0065】
また、この段階では、スイッチSW1、SW3がオンとなってコンデンサC1が電源に接続されることとなるので、当該コンデンサC1には、図示しない電源からスイッチSW1、SW3によって与えられる電圧(Vs/2)に応じた電荷が蓄積される。
【0066】
次に、スイッチSW4がオフとなって、電圧を印加する際の電流経路が遮断された後、スイッチSW5がパルス状にオンとなることにより、出力ラインOUTCの電圧がグランドレベルまで下げられる。次に、スイッチSW2がオン、残り4つのスイッチSW1、SW3、SW4、SW5がオフとされた後、スイッチSW4がパルス的にオンとなる。このスイッチSW4がオンとなることにより、共通電極X(グランド)に対し、走査電極Y側に電圧を印加するときの電流経路となる。
【0067】
次に、スイッチSW2をオンに維持したまま、スイッチSW5がオンとなる。このとき、第1の信号ラインOUTAには図示しない電源からスイッチSW1を介して電源電圧が供給されないので、その電圧はグランドレベルとなる。一方、第2の信号ラインOUTBに関しては、スイッチSW2がオンとなって第1の信号ラインOUTAが接地されることにより、第2の信号ラインOUTBの電圧は、コンデンサC1に蓄積されている電荷に応じた電圧(Vs/2)分だけグランドレベルから下がった電位(−Vs/2)となる。
【0068】
このとき、スイッチSW5がオンとなっているので、第2の信号ラインOUTBの電圧(−Vs/2)が出力ラインOUTCを介して負荷20に印加される。その際、走査電極Y側のスイッチSW3’、SW4’をオンとし、走査電極Y(電圧Vs/2)に対し、共通電極X側に電圧(−Vs/2)を印加することとなる。
【0069】
次に、スイッチSW2、SW4がオンとなり、残りのスイッチSW1、SW3、SW5はオフとなる。これにより、出力ラインOUTCの電圧がグランドレベルに持ち上げられる。その後、最初の段階と同様に3つのスイッチSW1、SW3、SW4がオン、残り2つのスイッチSW2、SW5がオフとなり、以降同様に繰り返されていく。
【0070】
このようにして、負荷20の共通電極Xに対して正の電圧(+Vs/2)と負の電圧(−Vs/2)とを交互に印加していく。一方、負荷20の走査電極Yに対しても、共通電極X側と同様のスイッチング制御を行うことにより、正の電圧(+Vs/2)と負の電圧(−Vs/2)とを交互に印加していく。
【0071】
このとき、共通電極Xおよび走査電極Yのそれぞれに印加する電圧(±Vs/2)は、互いに位相が反転するように印加する。つまり、共通電極Xに正の電圧(+Vs/2)が印加されているときには、走査電極Yには負の電圧(−Vs/2)を印加するようにする。このようにすることにより、共通電極Xと走査電極Y間の電位差を、共通電極Xと走査電極Y間での維持放電が可能な電位差にすることができる。
【0072】
次に、図1に示したプリドライブ回路32−2の概略構成について図を用いて説明する。
図3は、図1に示したプリドライブ回路32−2の概略構成を示すブロック図である。図3に示すプリドライブ回路32−2は、図1に示した駆動制御回路31が出力する基準電位がGND(第1の基準電位)の制御信号であるCTL2を入力して、CTL2の基準電位のGNDと異なる基準電位Vss(第2の基準電位)を有するスイッチSW5(出力素子)を駆動するための駆動信号Vgを出力する。
【0073】
まず、プリドライブ回路32−2が駆動するスイッチSW5について説明する。出力素子であるスイッチSW5は、負荷20へ電圧を印加するnチャネルパワーMOSFETである。このnチャネルパワーMOSFETのゲート端子には、後述する信号増幅回路42の出力線(プリドライブ回路32−2の出力端子「Vo」を介する)が接続され、信号増幅回路42が出力する駆動信号Vgを入力する。また、スイッチSW5のドレイン端子は、負荷20へ印加する電圧を出力する図1に示した出力ラインOUTCに接続される。また、スイッチSW5のソース端子は、基準電位Vssを供給するVss供給線に接続される。また、コンデンサCoの一方の端子は、Vcc供給線に接続され、他方の端子は、Vss供給線に接続されている。これにより、コンデンサCoの上記一方の端子側にVcc+Vssである電源電圧Vcc1(出力電源電圧)が生じる。
【0074】
次に、プリドライブ回路32−2の具備する端子について説明する。図3において、プリドライブ回路32−2は、入力端子「VIN+」「VIN−」および出力端子「Vo」と、電源端子「Vd」、「Vc」と、基準電位端子「Vsub」、「Vs」とを備える。入力端子「VIN+」には、駆動制御回路31より制御信号CTL2を入力する。入力端子「VIN−」には、制御信号CTL2と比較する基準となる基準電圧Vcnt(例えば2.5V)を入力する。尚、本実施形態においては、制御信号CTL2の振幅はGNDから5Vである。
【0075】
電源端子「Vd」には制御信号CTL2の電源電圧Vdd(例えば5V)が供給される。基準電位端子「Vs」には、図1に示した第2の信号ラインOUTBからスイッチSW5の基準電位Vssが供給される。基準電位端子「Vsub」には、基準電位Vssを後述する整流回路(基板電位形成回路)43で整流した基板電位Vsubが供給される。出力端子「Vo」は、スイッチSW5のゲート端子に接続され、スイッチSW5を駆動する信号Vgを出力する。電源端子「Vc」には、スイッチSW5の基準電位Vssを基準に+15〜20Vの電源電圧Vccを加算した電源電圧Vcc1が供給される。
【0076】
次に、プリドライブ回路32−2の内部構成について説明する。図3に示すように、プリドライブ回路32−2は、制御信号CTL2と基準電圧Vcntを比較し、その比較結果を基に電源電圧Vcc1および基板電位Vsubに応じてレベルシフトした信号VLS2を出力する信号伝達回路41と、伝達信号VLS2を増幅する信号増幅回路42とから構成される。
【0077】
まず、信号伝達回路41について説明する。信号伝達回路41は、入力端子「VIN+」に接続される第1の入力線を備え、その第1の入力線には制御信号CTL2が入力される。また、信号伝達回路41は、入力端子「VIN−」に接続される第2の入力線を備え、その第2の入力線には基準電圧Vcntが入力される。また、信号伝達回路41は、電源端子「Vd」に接続される第1の電源線を備え、その第1の電源線には電源電圧Vddが供給される。また、信号伝達回路41は、基準電位端子「Vsub」に接続される第1の基準電位線を備え、その第1の基準電位線には基板電位Vsubが供給される。また、信号伝達回路41は、電源端子「Vc」に接続される第2の電源線を備え、その第2の電源線には電源電圧Vcc1が供給される。また、信号伝達回路41は、電源電圧Vcc1で基準電位が基板電位Vsubにレベルシフトした制御信号CTL2に応じた伝達信号VLS2を出力する出力線を備える。
【0078】
以上の構成により、信号伝達回路41は、入力端子「VIN+」に入力されるCTL2と、入力端子「VIN−」に入力される基準電圧Vcntとを比較し、CTL2が基準電圧Vcntを超えた場合に、基準電位端子「Vsub」に入力される基板電位Vsubに応じてレベルシフトした図4に示す伝達信号VLS1を生成し、更に伝達信号VLS1を電源電圧Vcc1と基板電位Vsubに応じてレベルシフトした伝達信号VLS2を出力線より出力する。
【0079】
次に、信号増幅回路42について説明する。信号増幅回路42は、信号伝達回路41の出力線に接続される入力線を備え、その入力線には伝達信号VLS2が入力される。また、信号増幅回路42は、電源端子「Vc」に接続される電源線を備え、その電源線には電源電圧Vcc1が供給される。また、信号増幅回路42は、基準電位端子「Vs」に接続される基準電位線を備え、その基準電位線には基準電位Vssが供給される。また、信号増幅回路42は、スイッチSW5のゲート端子に接続される出力線を備え、その出力線から、信号伝達回路41より入力された信号VLS2を増幅した駆動信号Vgを出力する。以上の構成により、信号増幅回路42は、信号伝達回路41が出力する伝達信号VLS2を増幅して駆動信号VgをスイッチSW5のゲート端子へ出力する。
【0080】
次に、整流回路43について説明する。整流回路43は、Vss供給線と接続される入力線を備え、その入力線には基準電位Vssが供給される。また、整流回路43は、基準電位端子「Vsub」と接続される出力線を備え、その出力線から基板電位Vsubを供給する。以上に示したように、整流回路43は、−Vs/2からVs/2まで周期的に変化する基準電位Vssを整流して、−Vs/2で一定の電位である基板電位Vsubを生成する。
尚、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2の振幅が、スイッチSW5を駆動するのに十分な振幅であれば、信号増幅回路42を省いてもよい。
【0081】
次に、プリドライブ回路32−2の入出力信号例について説明する。入力端子「VIN+」に入力されるCTL2は、GND(0V)を基準電位とする矩形パルス信号(振幅は5V)である。また、入力端子「VIN−」に入力される基準電圧Vcntは、GNDを基準電位として一定の電圧値2.5Vである。また、基準電位端子「Vsub」に入力される基板電位Vsubは、基準電位Vssの最低値である−Vs/2の電位で一定である。
【0082】
尚、上述したように基準電位Vssは、GND(0V)と−Vs/2(負電圧)とVs/2(正電圧)の3値のいずれかの値をとる。また、基準電位Vssは、3値のいずれかの値に周期的に変化する。以上により、プリドライブ回路32−2は、入力される制御信号CTL2に応じて、基準電位Vssとなる駆動信号Vgを出力する。これにより、図1に示した出力素子(スイッチSW4、SW5)の出力が、図17に示した波形になる。
【0083】
また、プリドライブ回路32−2は、CTL2=0Vが入力端子「VIN+」に入力されている間は、駆動信号Vgは基準電位Vssと同じ電位を出力する。また、CTL2が入力端子「VIN−」に入力される基準電圧Vcntを超える電圧値で、所定のパルス幅のパルスとして入力端子「VIN+」に入力された場合は、プリドライブ回路32−2が出力する駆動信号Vgは、基準電位Vssの電位より電源電圧Vccだけ高い電位であって、CTL2と同じパルス幅のパルスとなる。
【0084】
次に、上述したプリドライブ回路32−2の具備する信号伝達回路41の概略構成と、整流回路43の回路構成例について説明する。
図4は、図3の信号伝達回路41の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、信号伝達回路41は、比較回路41a、入力レベルシフト回路41b、出力レベルシフト回路41cを具備する。比較回路41aの電源端子及び入力レベルシフト回路41bの電源端子は、プリドライブ回路32−2の電源端子「Vd」に接続され(第1の電源線)、電源電圧Vddが供給される。また、比較回路41aの入力端子+は、プリドライブ回路32−2の入力端子「VIN+」に接続され(第1の入力線)、制御信号CTL2が入力される。比較回路41aの入力端子−は、プリドライブ回路32−2の入力端子「VIN−」に接続され(第2の入力線)、制御信号CTL2と比較するための基準電圧Vcnt(基準電圧信号)が入力される。
【0085】
また、比較回路41aの基準電位端子及び入力レベルシフト回路41b及び出力レベルシフト回路41cの基準電位端子は、プリドライブ回路32−2の基準電位端子「Vsub」に接続され(第1の基準電位線)、基板電位Vsubが供給される。また、比較回路41aの出力端子は、入力レベルシフト回路41bの入力端子と接続され(出力線)、比較結果を示す信号を出力する。また、入力レベルシフト回路41bの出力端子は、出力レベルシフト回路41cの入力端子と接続され(出力線)、伝達信号VLS1を出力する。また、出力レベルシフト回路41cの電源端子は、プリドライブ回路32−2の電源端子「Vc」に接続され(第2の電源線)、電源電圧Vcc1が供給される。また、出力レベルシフト回路41cの出力端子は、信号増幅回路42の入力端子に接続され、伝達信号VLS2を出力する。
【0086】
以上の構成により、比較回路41aは、入力端子「VIN+」に入力されるCTL2と、入力端子「VIN−」に入力される基準電圧Vcntとを比較し、CTL2が基準電圧Vcntを超えた場合にHレベルの信号を、CTL2が基準電圧Vcntを超えていない場合にLレベルの信号を出力する。次に、入力レベルシフト回路41bは、比較回路41aの出力する信号を基に、基準電位端子「Vsub」に入力される基板電位Vsubに応じてレベルシフトした伝達信号VLS1を生成し出力する。次に、出力レベルシフト回路41cは、入力レベルシフト回路41bが出力する伝達信号VLS1を、電源電圧Vcc1と基板電位Vsubに応じてレベルシフトした伝達信号VLS2を出力線より出力する。
【0087】
次に、図4に示した整流回路43の回路構成例について説明する。図4に示すように整流回路43は、ダイオードDsubとコンデンサCsubを具備する。ダイオードDsubのカソード端子にVss供給線が接続され、基準電位Vssが供給される。また、ダイオードDsubのアノード端子にはコンデンサCsubの一方の端子が接続される。また、コンデンサCsubの他方の端子はGNDに接続される。また、ダイオードDsubとコンデンサCsubの相互接続点は、プリドライブ回路32−2の基準電位端子「Vsub」に接続され、基板電位Vsubを出力する。
【0088】
以上に示した構成により、整流回路43は、−Vs/2からVs/2まで周期的に変化する基準電位Vssを整流して、ほぼ−Vs/2で一定の電位である基板電位Vsubを生成する。例えば初期状態で、コンデンサCsubの電位がGND(0V)であった場合に、ダイオードDsubは、基準電位Vssの0〜Vs/2までの電位の変化をコンデンサCsubへ通さず、0〜−Vs/2までの電位の変化をコンデンサCsubへ供給し、コンデンサCsubの電位が−Vs/2になると、ダイオードDsubに電流が流れなくなる。これにより、コンデンサCsubには、−Vs/2の電位に応じた電荷が蓄積され、整流回路43は、電圧−Vs/2で一定の基盤電圧Vsubを出力する。
【0089】
以上に示すように、信号伝達回路41は、比較回路41aと、入力レベルシフト回路41bと、出力レベルシフト回路41cとを具備することで、基準電位がGNDである制御信号CTL2の変化に応じて、電源電圧Vcc1と基板電位Vsubにレベルシフトした伝達信号VLS2を生成し出力することができる。また、信号増幅回路42および出力素子であるスイッチSW5の構成は図3に示した構成と同様である。これにより、信号増幅回路42は、信号伝達回路41が出力する伝達信号VLS2を基に、スイッチSW5を駆動可能な振幅まで増幅した駆動信号Vgを出力する。次に、スイッチSW5は、駆動信号Vgに応じてオン/オフすることでドレイン端子に接続された出力ラインOUTCへ負荷20に印加する電圧を出力する。
【0090】
次に、上述したプリドライブ回路32−2の回路構成例について図を用いて説明する。
図5は、図4に示したプリドライブ回路32−2の回路構成を示す図である。まず、信号伝達回路41の具備する比較回路41a、入力レベルシフト回路41b、出力レベルシフト回路41cの回路構成について説明する。図5に示すように比較回路41aは、pnpトランジスタQ1とpnpトランジスタQ2とから構成される。pnpトランジスタQ1のベース端子は、制御信号CTL2を入力する入力端子「VIN+」に接続される。また、pnpトランジスタQ1のエミッタ端子は、電源端子「Vd」に抵抗R1を介して接続され、電源電圧Vddが供給される。また、pnpトランジスタQ1のコレクタ端子は、基準電位端子「Vsub」と接続され、基板電位Vsubが供給される。
【0091】
また、pnpトランジスタQ2のベース端子は、基準電圧Vcntを入力する入力端子「VIN−」に接続される。また、pnpトランジスタQ2のエミッタ端子は、pnpトランジスタQ1のエミッタ端子と抵抗R1との相互接続点に接続され、電源電圧Vddが供給される。また、pnpトランジスタQ2のコレクタ端子は、npnトランジスタQ3のコレクタ端子に接続される。
【0092】
また、図5に示すように入力レベルシフト回路41bは、pnpトランジスタQ2とnpnトランジスタQ3と抵抗R1、R2から構成される。尚、入力レベルシフト回路41bと比較回路41aは、pnpトランジスタQ2を共有している。ここで、pnpトランジスタQ2と抵抗R1は上述した接続関係であり、npnトランジスタQ3のベース端子は、npnトランジスタQ4のベース端子と接続される。また、pnpトランジスタQ2のコレクタ端子とnpnトランジスタQ3のコレクタ端子の相互接続点は、npnトランジスタQ3のベース端子とnpnトランジスタQ4のベース端子の相互接続点に接続される。これにより、入力レベルシフト回路41bは、伝達信号VLS1を出力する。npnトランジスタQ3のエミッタ端子は、抵抗R2を介して基準電位端子「Vsub」と接続され、基板電位Vsubが供給される。
【0093】
また、図5に示すように出力レベルシフト回路41cは、npnトランジスタQ4とpnpトランジスタQ5と抵抗R3、R4から構成される。ここで、npnトランジスタQ4のエミッタ端子は、抵抗R3を介して基準電位端子「Vsub」と接続され、基板電位Vsubが供給される。また、npnトランジスタQ4のコレクタ端子は、pnpトランジスタQ5のコレクタ端子に接続される。また、pnpトランジスタQ5のベース端子は、pnpトランジスタQ6のベース端子と接続される。また、npnトランジスタQ4のコレクタ端子とpnpトランジスタQ5のコレクタ端子の相互接続点は、pnpトランジスタQ5のベース端子とpnpトランジスタQ6のベース端子の相互接続点に接続される。これにより、出力レベルシフト回路41cは、伝達信号VLS2を出力する。また、pnpトランジスタQ5のエミッタ端子は、抵抗R4を介して電源端子「Vc」と接続され、電源電圧Vcc1が供給される。
【0094】
次に、信号増幅回路42の回路構成について説明する。図5に示すように信号増幅回路42は、抵抗R5、R6と、pnpトランジスタQ6と、インバータINVと、nチャネルMOSFET・Q7と、nチャネルMOSFET・Q8とを具備する。pnpトランジスタQ6のエミッタ端子は、抵抗R5を介して電源端子「Vc」と接続され、電源電圧Vcc1が供給される。pnpトランジスタQ6のコレクタ端子は、抵抗R6を介して基準電位端子「Vs」に接続され、基準電位Vssが供給される。また、pnpトランジスタQ6のコレクタ端子と抵抗R6の相互接続点は、インバータINVの入力端子およびnチャネルMOSFET・Q7のゲート端子と接続される。
【0095】
また、nチャネルMOSFET・Q7のドレイン端子は、電源端子「Vc」と接続され、電源電圧Vcc1が供給される。また、nチャネルMOSFET・Q7のソース端子は、nチャネルMOSFET・Q8のドレイン端子と接続される。また、nチャネルMOSFET・Q8のゲート端子は、インバータINVの出力端子と接続される。また、nチャネルMOSFET・Q8のソース端子は、準電位端子「Vs」に接続され、基準電位Vssが供給される。また、nチャネルMOSFET・Q7のソース端子とnチャネルMOSFET・Q8のドレイン端子の相互接続点は、出力端子「Vo」と接続され、スイッチSW5を駆動する信号Vgを出力する。以上に示した構成により、信号伝達回路41が出力する伝達信号VLS2を増幅して駆動信号VgをスイッチSW5のゲート端子へ出力する。
【0096】
次に、上述したプリドライブ回路32−2の動作を説明する。
図6は、図5に示したプリドライブ回路32−2への入力信号例と出力信号例を示す図である。図6に示すように、基準電位がGNDである制御信号CTL2として、パルスVAとパルスVB(振幅は3〜5V)が、プリドライブ回路32−2の入力端子「VIN+」へ供給され、基準電位VssがGND(0V)から−Vs/2(−80V)またはVs/2(80V)まで変化してプリドライブ回路32−2の基準電位端子「Vs」へ供給される場合について、プリドライブ回路32−2の動作を以下に説明する。
【0097】
ここで、基準電位Vssが図5に示す変化を行う目的を説明する。上述した図1に示した表示装置において、維持放電期間に、共通電極Xと各表示ラインの走査電極Yとに互いに極性の異なる電圧(+Vs/2,−Vs/2)を交互に印加して維持放電を行う必要がある。このため、負荷20の共通電極Xに対して正の電圧+Vs/2と負の電圧−Vs/2とを交互に印加する。すなわち、出力素子であるスイッチSW5の基準電位Vssを−Vs/2からVs/2まで変化させる。一方、負荷20の走査電極Yに対しても、正の電圧+Vs/2と負の電圧−Vs/2とを交互に印加するよう、出力素子のスイッチSW5’やスキャンドライバ22の基準電位を−Vs/2〜Vs/2まで変化させる。
【0098】
このとき、スイッチSW5およびスイッチSW5’それぞれに印加する基準電位Vssは、互いに位相が反転するように印加する。つまり、スイッチSW5に正の基準電位(Vs/2)が印加されているときには、スイッチSW5’には負の基準電位(−Vs/2)を印加するようにする。これにより、スイッチSW5およびスイッチSW5’の出力は、共通電極Xと走査電極Y間の電位差を、共通電極Xと走査電極Y間での維持放電が可能な電位差にすることができる。以上の目的により基準電位Vssが図6のタイミングで変化させられる。
【0099】
次に、CTL2及びVssの変化に応じたプリドライブ回路32−2の動作について、図4または図5の回路図中に示した信号Vsub、VLS1、VLS2、Q6V、Vgの変化を時刻t1〜t7の順に図6を用いて説明する。尚、以下の説明において特に図4と記述しない限り図5に示した回路であるとする。
【0100】
まず、時刻t1でVss=0Vの時は、図4に示した整流回路43の出力のVsub=0Vであり、図4に示したコンデンサCoによりVcc1=Vccである。また、時刻t1で制御信号CTL2=0Vなので、pnpトランジスタQ1はオンしており、pnpトランジスタQ2はオフしている。これにより、npnトランジスタQ3はオフであり、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1=0Vである。これにより、npnトランジスタQ4はオフであり、pnpトランジスタQ5もオフである。これにより、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2≒Vcc1=Vccとなる。
【0101】
また、伝達信号VLS2≒VccなのでpnpトランジスタQ6はオフである。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vssと同じ電位0Vである。以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオフし、nチャネルMOSFET・Q8はオンするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=0Vとなる。
【0102】
次に、時刻t2でVss=−Vs/2に変化した時は、整流回路43のコンデンサCsubには電圧が−Vs/2となる電荷が充電され、Vsub≒−Vs/2となる。また、Vcc1=Vcc−Vs/2となる。また、時刻t2で制御信号CTL2=0Vのままなので、pnpトランジスタQ1はオンのままで、pnpトランジスタQ2もオフのままである。また、npnトランジスタQ3は、Vsub≒−Vs/2となったことにより、ベース端子とエミッタ端子に電位差が生じて一時的にオンする。そして、npnトランジスタQ3のベース端子の電圧がVsubと同じ電圧になると、npnトランジスタQ3はオフする。これにより、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1はVsubと同じ電圧となる。同様に、npnトランジスタQ4は一時的にオンして、npnトランジスタQ4のコレクタ端子をVsubとほぼ同じ電圧にして、npnトランジスタQ3と同時にオフする。
【0103】
次に、pnpトランジスタQ5のベース端子の電位がVsub≒−Vs/2となり、pnpトランジスタQ5のエミッタ端子の電位Vcc1=Vcc−Vs/2との電位差により、一時的にオンする。そして、pnpトランジスタQ5のベース端子の電位がほぼVcc1=Vcc−Vs/2になった時点でオフする。これにより、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2≒Vcc−Vs/2となる。次に、伝達信号VLS2≒Vcc−Vs/2なのでpnpトランジスタQ6はオフである。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vssと同じ電位−Vs/2である。以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオフし、nチャネルMOSFET・Q8はオンするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=−Vs/2となる。
【0104】
次に、時刻t3で、CTL2がパルスVAにより立ち上がると、比較回路41aにおいて、入力端子「VIN−」に入力される定電圧Vcntを超える電圧値のパルスVAにより、pnpトランジスタQ1はオフし、pnpトランジスタQ2はオンする。これにより、npnトランジスタQ3はオンし、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1の電圧値は、Vsub〜Vdd間の電圧値であってR2にかかる電圧値に変化し、図6に示すパルスVA1(立ち上がり信号)を形成する。
【0105】
次に、npnトランジスタQ3のオンにより、npnトランジスタQ4がオンし、これによりpnpトランジスタQ5もオンする。以上により、信号伝達回路41が出力する伝達信号VLS2は、Vsub〜Vcc1(−Vs/2〜Vcc−Vs/2)間の電圧値であってR3にかかる電圧値に変化し、図6に示すパルスVA2(立下り信号)を出力する。次に、pnpトランジスタQ5がオンすることでpnpトランジスタQ6もオンする。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vsub〜Vcc1(−Vs/2〜Vcc−Vs/2)間の電圧値であって、抵抗R5と抵抗R6により分圧された電圧値へ変化し、図6に示すパルスVA3を形成する。
【0106】
以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオンし、nチャネルMOSFET・Q8はオフするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=Vcc−Vs/2に変化し、図6に示すパルスV4を形成する。尚、図6に示すパルスVAが終了する(CTL2が0Vになる)と各パルスVA1〜4も終了し、プリドライブ回路32−2は、上述したt2〜t3の間の状態に戻る。
【0107】
次に、時刻t4で、Vss=0Vに戻った時は、図4の整流回路43において、ダイオードDsubの働きによりコンデンサCsubの電圧は、−Vs/2に維持されたままであり、Vsub≒−Vs/2を維持する。また、時刻t4でVcc1=Vccとなる。また、時刻t4で制御信号CTL2=0Vのままなので、pnpトランジスタQ1はオンのままで、pnpトランジスタQ2もオフのままである。また、npnトランジスタQ3もオフのままである。これにより、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1の電圧値は、Vsub≒−Vs/2のままである。同様に、npnトランジスタQ4もオフしたままである。
【0108】
次に、pnpトランジスタQ5は、エミッタ端子にかかる電位Vcc1=Vccとベース端子にかかる電位Vcc−Vs/2との電位差により、一時的にオンする。そして、pnpトランジスタQ5のベース端子の電位がほぼVcc1=Vccになった時点でオフする。これにより、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2≒Vccとなる。次に、伝達信号VLS2≒VccなのでpnpトランジスタQ6はオフである。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vssと同じ電位0Vである。以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオフし、nチャネルMOSFET・Q8はオンするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=0Vとなる。
【0109】
次に、時刻t5で、基準電位VssがVs/2に上昇した時は、図4の整流回路43において、ダイオードDsubの働きによりコンデンサCsubの電圧は、−Vs/2に維持されたままであり、Vsub≒−Vs/2を維持する。また、時刻t5でVcc1=Vcc+Vs/2となる。また、時刻t5で制御信号CTL2=0Vのままなので、pnpトランジスタQ1はオンのままで、pnpトランジスタQ2もオフのままである。また、npnトランジスタQ3もオフのままである。これにより、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1の電圧値は、Vsub≒−Vs/2のままである。同様に、npnトランジスタQ4もオフしたままである。
【0110】
次に、pnpトランジスタQ5は、エミッタ端子にかかる電位Vcc1=Vcc+Vs/2とベース端子にかかる電位Vccの電位差により、一時的にオンする。そして、pnpトランジスタQ5のベース端子の電位がほぼVcc1=Vcc+Vs/2になった時点でオフする。これにより、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2≒Vcc+Vs/2となる。次に、伝達信号VLS2≒Vcc+Vs/2なのでpnpトランジスタQ6はオフである。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vssと同じ電位+Vs/2である。以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオフし、nチャネルMOSFET・Q8はオンするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=+Vs/2となる。
【0111】
次に、時刻t6で、CTL2がパルスVBにより立ち上がると、比較回路41aにおいて、入力端子「VIN−」に入力される定電圧Vcntを超える電圧値のパルスVBにより、pnpトランジスタQ1はオフし、pnpトランジスタQ2はオンする。これにより、npnトランジスタQ3はオンし、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1の電圧値は、Vsub〜Vdd間の電圧値であってR2にかかる電圧値に変化し、図6に示すパルスVB1(立ち上がり信号)を形成する。
【0112】
次に、npnトランジスタQ3のオンにより、npnトランジスタQ4がオンし、これによりpnpトランジスタQ5もオンする。以上により、信号伝達回路41が出力する伝達信号VLS2は、Vsub〜Vcc1(−Vs/2〜Vcc+Vs/2)間の電圧値であってR3にかかる電圧値に変化し、図6に示すパルスVB2(立下り信号)を形成する。次に、pnpトランジスタQ5がオンすることでpnpトランジスタQ6もオンする。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vsub〜Vcc1(+Vs/2〜Vcc+Vs/2)間の電圧値であって、抵抗R5と抵抗R6により分圧された電圧値へ変化し、図6に示すパルスVB3を形成する。
【0113】
以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオンし、nチャネルMOSFET・Q8はオフするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=Vcc+Vs/2に変化し、図6に示すパルスVB4を形成する。尚、図6に示すパルスVBが終了する(CTL2が0Vになる)と各パルスVB1〜4も終了し、プリドライブ回路32−2は、上述したt5〜t6の間の状態に戻る。
【0114】
次に、時刻t7で、Vss=0Vに戻った時は、図4の整流回路43において、ダイオードDsubの働きによりコンデンサCsubの電圧は、−Vs/2に維持されたままであり、Vsub≒−Vs/2を維持する。また、時刻t7でVcc1=Vccとなる。また、時刻t7で制御信号CTL2=0Vのままなので、pnpトランジスタQ1はオンのままで、pnpトランジスタQ2もオフのままである。また、npnトランジスタQ3もオフのままである。これにより、入力レベルシフト回路41bの出力する伝達信号VLS1の電圧値は、Vsub≒−Vs/2のままである。同様に、npnトランジスタQ4もオフしたままである。
【0115】
次に、pnpトランジスタQ5は、ベース端子の電位がほぼVcc+Vs/2であるのでオフのままである。これにより、信号伝達回路41の出力する伝達信号VLS2≒Vcc+Vs/2のままなのでpnpトランジスタQ6はオフである。これにより、pnpトランジスタQ6の出力信号であるQ6Vは、Vssと同じ電位0Vである。以上より、nチャネルMOSFET・Q7はオフし、nチャネルMOSFET・Q8はオンするので、信号増幅回路42の出力信号Vg=0Vとなる。
【0116】
以上に説明したように、図1に示した表示装置において、本発明の実施形態であるプリドライブ回路を用いることにより、駆動制御回路31から入力される入力信号CTL1、CTL2、CTL3、CTL4の基準電位GNDと、出力素子のスイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’を駆動する際の基準電位OUTB,OUTB’とが異なる電位であって、更に基準電位OUTB、OUTB’が負の電圧値となる場合でも、基準電位を基板電位として供給する基板とトランジスタとの間に生じる寄生ダイオードに過電流が流れるのを防ぎ、安定に動作することができる。
【0117】
図7は、プリドライブ回路32−2の他の構成例を示すブロック図である。
図7に示すプリドライブ回路32−2は、上記図3に示したプリドライブ回路32−2に時定数回路51と定電圧回路52をさらに設けたものである。
【0118】
図7において、時定数回路51および定電圧回路52は、駆動制御回路31から供給される制御信号がプリドライブ回路32−2を介して出力素子に供給される際の位相の遅延を各プリドライブ回路32−1〜32−4間で調整するための回路である。尚、プリドライブ回路32−1、3、4は、プリドライブ回路32−2と同様の回路構成である。
【0119】
すなわち、駆動制御回路31から供給される制御信号が、信号伝達回路41により基準電位が変換されたり、信号増幅回路42により増幅されたりする際に、上記信号伝達回路41および信号増幅回路42を構成する素子のばらつきにより、プリドライブ回路32−1〜32−4から出力される信号には位相のばらつきが発生する。
上記時定数回路51および定電圧回路52は、この信号伝達回路41および信号増幅回路42により発生した位相のばらつきを各プリドライブ回路32−1〜32−4の間で調整し、位相をあわせて各出力素子に制御信号を供給する。
【0120】
図7に示すように、時定数回路51は、コンデンサCdと抵抗Rdより構成することができる。時定数回路51において、抵抗Rdは、駆動制御回路31からの出力信号CTL2を入力端子「VIN+」に入力するための信号線に直列に挿入する。コンデンサCdの一方の端子は、抵抗Rdと入力端子「VIN+」の相互接続点に接続される。また、コンデンサCdの他方の端子は、グランドに接続される。以上の構成により、プリドライブ回路32−2に入力される制御信号CTL2は、コンデンサCdの容量値や抵抗Rdの抵抗値を調整することで位相の遅延を調整することができる。
【0121】
また、定電圧回路52は、一定の電圧を出力する回路であって、その電圧値を調整可能な回路である。定電圧回路52の出力電圧Vcntは、入力端子「VIN−」へ供給される。これにより、時定数回路51により緩やかに立ち上がるCTL2信号の任意の電圧値を、比較するVcntの電圧値とすることができる。すなわち、比較回路41aの出力が切り換わるタイミングを調整することができ、プリドライブ回路32−2の出力タイミングを調整することができる。尚、時定数回路51および定電圧回路52の基準電位は制御信号と同じGND(0V)である。
【0122】
図8(a)は、図7に示した時定数回路51の替わりにランプ波形成回路53を設けた場合の構成例を示す図である。図8(b)に示すようにランプ波形成回路53は、矩形波が入力されると、ランプ波を形成して出力する回路である。これにより、時間に比例して増加するランプ波の任意の電圧値を、比較基準となる電圧値Vcntと設定することで、プリドライブ回路32−2における遅延時間の調整を電圧値Vcntにより調整することができる。
【0123】
ここで、図8(a)に示したランプ波形成回路53の回路構成について説明する。ランプ波形成回路53は、インバータINV5と、pnpトランジスタTrd1と、npnトランジスタTrd2と、抵抗Rd5、Rd6、Rd7と、コンデンサCd1より構成される。また、ランプ波形成回路53は、駆動制御回路31が出力する制御信号CTL2が入力される入力端子INと、ランプ波を出力する出力端子OUTを具備する。
【0124】
npnトランジスタTrd2のベース端子は、インバータINV5を介して入力端子INと接続され、制御信号CTL2が反転して入力される。npnトランジスタTrd2のエミッタ端子はGNDに接続される。npnトランジスタTrd2のコレクタ端子は、pnpトランジスタTrd1のエミッタ端子と接続され、pnpトランジスタTrd1がエミッタ端子から出力する出力信号が入力される。pnpトランジスタTrd1のコレクタ端子は、抵抗Rd6を介して電源電圧Vddを供給する電源端子に接続される。抵抗Rd5と抵抗Rd7は電源端子とGNDの間に直列に接続され、電源電圧Vddを分圧する。
【0125】
pnpトランジスタTrd1のベース端子は、抵抗Rd5と抵抗Rd7の相互接続点と接続され、電源電圧Vddを分圧した電圧が供給される。また、npnトランジスタTrd2のコレクタ端子とpnpトランジスタTrd1のエミッタ端子との相互接続点は出力端子OUTおよびコンデンサCd1の一方の端子が接続される。また、コンデンサCd1の他方の端子は、GNDに接続される。
【0126】
以上の構成により、ランプ波形成回路53は、CTL2の立ち上がりに伴って、徐々に電圧が上昇するランプ波形を出力する。以下に、ランプ波形成回路53の動作について説明する。まず、CTL2が立ち上がった場合に、インバータINV5の出力は立ち下がる。これにより、npnトランジスタTrd2がオフし、pnpトランジスタTrd1の出力をコンデンサCd1が電荷として蓄積し始める。これにより、コンデンサCd1に生じる電圧が徐々に上昇し、その電圧値は出力端子OUTよりランプ波電圧として出力される。
【0127】
このようにプリドライブ回路32−2の入力側に時定数回路51またはランプ波形成回路53と定電圧回路52を設けることで、信号伝達回路41および信号増幅回路42を構成する素子等のばらつきによる位相の遅延を調整することができ、出力素子の動作の安定化を図ることができる。尚、時定数回路51およびランプ波形成回路53の回路構成は、上述した限りではなく、同様の機能を有する他の構成の回路を用いてもよい。
【0128】
次に、第1の実施形態による交流駆動型PDPの駆動装置の他の構成例について説明する。
図9は、第1の実施形態によるプリドライブ回路を具備する交流駆動型PDPの駆動装置の他の構成例を示す図である。図9に示す駆動装置は、上記図16に示した駆動装置に対して、本実施形態によるプリドライブ回路を設けたものである。なお、この図9において、図16に示した部分と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0129】
図9において、32−1〜32−8はプリドライブ回路であり、駆動制御回路31’からそれぞれ供給される制御信号を、スイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’およびトランジスタTr1〜Tr4の基準電位にあわせた制御信号にそれぞれ電圧レベルを変換し供給する。すなわち、図1に示したプリドライブ回路と同様の機能を有し、駆動制御回路31’からそれぞれ供給される制御信号の基準電位を、駆動制御回路31’の基準電位がGNDから出力素子の基準電位Vssに変換して出力素子に供給する。
この図9に示す駆動装置においては、スイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’およびトランジスタTr1〜Tr4の基準電位が駆動動作において変化するので、プリドライブ回路32−1〜32−8をそれぞれ設けている。
【0130】
このように、駆動動作において基準電位が変化するスイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’およびトランジスタTr1〜Tr4のそれぞれに対してプリドライブ回路32−1〜32−8を設けることで、基準電位にあった制御信号がスイッチSW4、SW5、SW4’、SW5’およびトランジスタTr1〜Tr4のそれぞれに供給されるので、各出力素子を安定して動作させることができる。
なお、図9に示すプリドライブ回路32−1〜32−8には、上述した何れのプリドライブ回路を用いることができる。
【0131】
以上、詳しく説明したように本実施形態によれば、プリドライブ回路内の信号伝達回路41により、駆動制御回路31’から供給される制御信号の基準電位がGNDを出力素子(スイッチSW4、SW5、SW4、SW5、トランジスタTr1〜Tr4等)の基準電位Vssに変換し、信号増幅回路42にて増幅した後、出力素子に供給する。
【0132】
これにより、駆動制御回路31’および制御信号の基準電位と出力素子の基準電位が異なっていたとしても、基準電位を絶縁して制御信号を出力素子に伝達することができるので、出力素子の基準電位が負電圧に変化したとしても、その影響が駆動制御回路31’に及ぶことを防止することができる。したがって、プラズマディスプレイ装置を安定して駆動させることができ、プラズマディスプレイ装置の信頼性を向上させることができる。
【0133】
また、例えば、プリドライブ回路内に位相調整回路49を設けるようにした場合には、制御信号を出力素子の基準電位に変換する際に、信号伝達回路41、信号増幅回路42等により発生する位相の遅延を調整することができるので、各出力素子の動作タイミングを同期させることができ、プラズマディスプレイ装置を安定して駆動することができる。
【0134】
(第2の実施形態)
次に、図1に示したプリドライブ回路32−1およびプリドライブ回路32−2を合わせた機能を有する第2の実施形態であるプリドライブ回路32aの概略構成について図を用いて説明する。また、プリドライブ回路32aは、スイッチSW4およびスイッチSW5が同時にオンすることを防止する同時オン防止機能も更に有する。
図10は、図1に示したプリドライブ回路32−1およびプリドライブ回路32−2を合わせた機能を有する第2の実施形態であるプリドライブ回路32aの概略構成を示す図である。
【0135】
まず、プリドライブ回路32aの具備する端子について説明する。図10において、プリドライブ回路32aは、入力端子「VIN1+」、「VIN1−」、「VIN2+」、「VIN2−」および出力端子「Vo1」、「Vo2」と、電源端子「Vd」、「Vc1」、「Vc2」と、基準電位端子「Vsub」、「Vs1」、「Vs2」と、コントロール信号端子「CONT」を備える。入力端子「VIN1+」には、図1に示した駆動制御回路31より制御信号CTL1を入力する。入力端子「VIN2+」には、駆動制御回路31より制御信号CTL2を入力する。入力端子「VIN1−」、「VIN2−」には、制御信号CTL1、2と比較する基準となる基準電圧Vcnt1、Vcnt2を入力する。尚、本実施形態においては、制御信号CTL1、2の振幅はGND(0V)から5Vである。
【0136】
電源端子「Vd」、には制御信号CTL1、2の振幅に応じた電源電圧Vdd(例えば5V)が供給される。基準電位端子「Vs1」には、図1に示した第2の信号ラインOUTAからスイッチSW4の基準電位Vss1が供給される。基準電位端子「Vs2」には、図1に示した第2の信号ラインOUTBからスイッチSW5の基準電位Vss2が供給される。基準電位端子「Vsub」には、基準電位Vss1およびVss2における最低電位で整流した基板電位Vsubが供給される。
【0137】
出力端子「Vo1」は、スイッチSW4を駆動する信号Vg1を出力する。出力端子「Vo2」は、スイッチSW5を駆動する信号Vg2を出力する。電源端子「Vc1」には、スイッチSW4の基準電位Vss1を基準に+15〜20Vの電源電圧Vccを加算した電源電圧Vcc1が供給される。また、電源端子「Vc2」には、スイッチSW5の基準電位Vss2を基準に+15〜20Vの電源電圧Vccを加算した電源電圧Vcc2が供給される。また、コントロール信号端子「CONT」には、駆動制御回路31から同時オン防止のためのコントロール信号(H(ハイ):同時オン防止回路44を活性化、L(ロー):同時オン防止回路44を停止)が入力される。
【0138】
ここで、同時オン防止回路44について説明する。図10に示すように、同時オン防止回路44は、2つの入力端子I1、I2と、2つの出力端子O1、O2を具備する。そして、同時オン防止回路44は、入力端子I1およびI2に入力される2つの入力信号が同時にオン(Hレベル)していない場合には、その入力信号をそのまま出力端子O1,O2より出力する。しかし、同時オン防止回路44は、入力端子I1およびI2に入力される2つの入力信号が同時にオンしている場合には、出力端子O1,O2よりLレベルの信号を出力する。
【0139】
図11は、同時オン防止回路44の動作を示す入出力信号例である。図11に示すように、入力端子I1に入力される信号がHレベルの期間であって、入力端子I2に入力される信号が通常はLレベルであるはずの期間にノイズパルスAが生じた場合には、同時オン防止回路44の出力端子O1、O2共に、Lレベルの出力となる。以上に示したように、同時オン防止回路44は、入力端子I1およびI2に入力される信号が同時にHレベルになっても、出力端子O1およびO2から、同時にHレベルの信号が出力されることを防ぐ。この同時オン防止回路44を設ける目的は、プリドライブ回路32aが駆動するスイッチSW4およびスイッチSW5が同時にオンしないようにするためである。
【0140】
次に、プリドライブ回路32aの内部構成について説明する。図10に示すように、プリドライブ回路32aは、比較回路(第1の比較回路)41a1、比較回路41a2(第2の比較回路)、第1の入力レベルシフト回路41b1、第2の入力レベルシフト回路41b2、第1の出力レベルシフト回路41c1、第2の出力レベルシフト回路41c2、信号増幅回路(第1の信号増幅回路)42a、信号増幅回路(第2の信号増幅回路)42b、同時オン防止回路(同時活性化防止回路)44を具備する。また、比較回路41a1及び比較回路41a2の電源端子と第1の入力レベルシフト回路41b1及び第2の入力レベルシフト回路41b2の電源端子は、プリドライブ回路32aの電源端子「Vd」に接続され、電源電圧Vddが供給される。
【0141】
また、比較回路41a1の入力端子+は、プリドライブ回路32aの入力端子「VIN1+」に接続され、制御信号CTL1が入力される。また、比較回路41a1の入力端子−は、プリドライブ回路32aの入力端子「VIN1−」に接続され、基準電圧Vcnt1が入力される。また、比較回路41a2の入力端子+は、プリドライブ回路32aの入力端子「VIN2+」に接続され、制御信号CTL2が入力される。また、比較回路41a2の入力端子−は、プリドライブ回路32aの入力端子「VIN2−」に接続され、基準電圧Vcnt2が入力される。
【0142】
また、比較回路41a1の出力端子は、第1の入力レベルシフト回路41b1の入力端子と接続され、比較結果を示す信号を出力する。また、第1の入力レベルシフト回路41b1の出力端子は、同時オン防止回路44の入力端子I1と接続され、伝達信号VLS1aを出力する。また、同時オン防止回路44の出力端子O1は、第1の出力レベルシフト回路41c1の入力端子と接続され、同時オンでなければそのまま伝達信号VLS1aを出力する。また、第1の出力レベルシフト回路41c1の電源端子は、プリドライブ回路32aの電源端子「Vc1」に接続され、電源電圧Vcc1が供給される。また、第1の出力レベルシフト回路41c1の出力端子は、比較回路42aの入力端子に接続され、伝達信号VLS2aを出力する。
【0143】
また、比較回路41a2の出力端子は、第2の入力レベルシフト回路41b2の入力端子と接続され、比較結果を示す信号を出力する。また、第2の入力レベルシフト回路41b2の出力端子は、同時オン防止回路44の入力端子I2と接続され、伝達信号VLS1bを出力する。また、同時オン防止回路44の出力端子O2は、第2の出力レベルシフト回路41c2の入力端子と接続され、同時オンでなければそのまま伝達信号VLS1bを出力する。また、第2の出力レベルシフト回路41c2の電源端子は、プリドライブ回路32aの電源端子「Vc2」に接続され、電源電圧Vcc2が供給される。また、第2の出力レベルシフト回路41c2の出力端子は、比較回路42bの入力端子に接続され、伝達信号VLS2bを出力する。
【0144】
また、比較回路41a1及び比較回路41a2の基準電位端子と、第1の入力レベルシフト回路41b1及び第2の入力レベルシフト回路41b2の基準電位端子と、第1の出力レベルシフト回路41c1及び第2の出力レベルシフト回路41c2の基準電位端子は、プリドライブ回路32aの基準電位端子「Vsub」に接続され、基板電位Vsubが供給される。
【0145】
また、基準電位端子「Vsub」と基準電位端子「Vs1」とは、プリドライブ回路32a内においてダイオードDsub1を介して接続されている。ダイオードDsub1のカソード端子に基準電位端子「Vs1」が接続され、ダイオードDsub1のアノード端子に基準電位端子「Vsub」が接続される。同様に、基準電位端子「Vsub」と基準電位端子「Vs2」とは、プリドライブ回路32a内においてダイオードDsub2を介して接続されている。ダイオードDsub2のカソード端子に基準電位端子「Vs2」が接続され、ダイオードDsub2のアノード端子に基準電位端子「Vsub」が接続される。また、基準電位端子「Vsub」は外側にコンデンサCsubの一方の端子が接続され、コンデンサCsubno他方の端子はGNDに接続されている。
【0146】
以上により、ダイオードDsub1およびダイオードDsub2のアノード端子側の基準電位はVsubとなり、ダイオードDsub1のカソード端子側の基準電位はVss1、ダイオードDsub2のカソード端子側の基準電位はVss2となる。すなわち、Vsubの基準電位で動作する比較回路41a1及び比較回路41a2及び第1の入力レベルシフト回路41b1及び第2の入力レベルシフト回路41b2及び第1の出力レベルシフト回路41c1及び第2の出力レベルシフト回路41c2の基準電位端子は、ダイオードDsub1、2のアノード端子と基準電位端子「Vsub」の相互接続点に接続される。また、信号増幅回路42aの基準電位端子は、ダイオードDsub1のカソード端子と基準電位端子「Vs1」の相互接続点に接続され、基準電位Vss1が供給される。また、信号増幅回路42bの基準電位端子は、ダイオードDsub2のカソード端子と基準電位端子「Vs2」の相互接続点に接続され、基準電位Vss2が供給される。
【0147】
また、信号増幅回路42aの電源端子は、電源端子「Vc1」に接続され、電源電圧Vcc1が供給される。また、信号増幅回路42bの電源端子は、電源端子「Vc2」に接続され、電源電圧Vcc2が供給される。また、信号増幅回路42aの出力端子は、出力端子「Vo1」に接続され、伝達信号VLS2aを増幅した駆動信号Vg1を出力する。また、信号増幅回路42aの出力端子は、出力端子「Vo2」接続され、伝達信号VLS2bを増幅した駆動信号Vg2を出力する。
【0148】
以上の構成により、比較回路41a1は、入力端子「VIN1+」に入力されるCTL1と、入力端子「VIN1−」に入力される基準電圧Vcnt1とを比較し、CTL1が基準電圧Vcnt1を超えた場合にHレベルの信号を、CTL1が基準電圧Vcntを超えていない場合にLレベルの信号を出力する。次に、第1の入力レベルシフト回路41b1は、比較回路41a1の出力する信号を基に、基準電位端子「Vsub」に入力される基板電位Vsubに応じてレベルシフトした伝達信号VLS1aを生成し出力する。次に、第1の出力レベルシフト回路41c1は、第1の入力レベルシフト回路41bが出力し、同時オン防止回路44を経た伝達信号VLS1aを、電源電圧Vcc1と基板電位Vsubに応じてレベルシフトした伝達信号VLS2aを出力する。次に、信号増幅回路42aは、第1の出力レベルシフト回路41c1が出力する伝達信号VLS2aを増幅して、電源電圧Vcc1と基準電位Vss1に応じた駆動信号Vg1を出力端子「Vo1」から出力する。この駆動信号Vg1は、スイッチSW4のゲート端子へ入力される。
【0149】
また、同様に、入力端子「VIN2+」より入力される制御信号CTL2についても、プリドライブ回路32aは、比較回路41a2、第2の入力レベルシフト回路41b2、同時オン防止回路44、第2の出力レベルシフト回路41c2、信号増幅回路42bを経ることで電源電圧Vcc2と基準電位Vss2に応じた駆動信号Vg2を出力する。
以上に示したように、図1または図9中のスイッチSW1〜5やTr1〜7などにおいて同時にオンしてはいけない組み合わせがある場合に、上述したプリドライブ回路32aを用いることで、同時オンを防止することができる。
【0150】
次に、図10に示した第2の実施形態のプリドライブ回路32aをIC(集積回路)化して、図9に示した表示装置の回路の一部(X側の駆動装置部分)と同等の回路を、IC化したプリドライブ回路32aを用いて構成した場合について以下に説明する。尚、本実施形態の集積回路は、P型不純物が付加された半導体基板(P型基板)上に形成されたものである。
【0151】
図12は、IC化したプリドライブ回路32aを用いて構成した駆動装置の概略構成を示す図である。図12に示した駆動装置は、図9に示した表示装置の回路の一部であるX側の駆動装置と同等である。図12において、プリドライブ回路32a−1〜4は、図10に示したプリドライブ回路32aをIC化したものである。また、図12において、図9および図10に示した部分と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図12に示した信号名において、図9および図10に示した信号名と同一のものは、同様な信号であり説明は省略する。尚、図12に示す駆動装置は、図9に示した駆動装置の一部と多少構成の異なる部分があるが、機能は同等である。
【0152】
まず、図12に示した入力信号と入力先について説明する。Vdcは、10〜12Vくらいの直流電源電圧であり、この信号線はプリドライブ回路32a−1、4の電源端子「Vc2」へ接続される。また、Vdcの信号線は、ダイオードDaを介してプリドライブ回路32a−1の電源端子「Vc1」へ接続される。この時、ダイオードDaのアノード端子が電源供給側である。HVINはスイッチSW1を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−1の入力端子「VIN1+」に接続される。FVINは、スイッチSW2を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−1の入力端子「VIN2+」に接続される。CONT1〜4は、プリドライブ回路32a−1〜4の同時オン防止回路を活性化するか否かを制御する制御信号であり、これらの信号線は各々プリドライブ回路32a−1〜4のコントロール信号端子「CONT」に接続される。
【0153】
Vfeは、信号線OUTBの電位に上述した電源電圧Vccの分だけ上の電位となる信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−2の電源端子「Vc2」へ接続される。また、Vfeの信号線は、ダイオードDcを介してプリドライブ回路32a−2の電源端子「Vc1」へ接続され、ダイオードDfを介してプリドライブ回路32a−3の電源端子「Vc1」、「Vc2」へ接続され、ダイオードDgを介してプリドライブ回路32a−3の電源端子「Vc1」へ接続される。また、ダイオードDc、Df、Dgのアノード端子が電源供給側である。
【0154】
CTL1は、上述したようにスイッチSW4を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−2の入力端子「VIN1+」に接続される。CTL2は、上述したようにスイッチSW5を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−2の入力端子「VIN2+」に接続される。LUINは、Tr1を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−3の入力端子「VIN1+」に接続される。LDINは、Tr2を制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−3の入力端子「VIN2+」に接続される。BDPINは、スイッチSW3pを制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−4の入力端子「VIN1+」に接続される。BDNINは、スイッチSW3nを制御する制御信号であり、この信号線はプリドライブ回路32a−4の入力端子「VIN2+」に接続される。
【0155】
尚、上述したHVIN、FVIN、LUIN、LDIN、BDPIN、BDNIN、CONT1〜4、CTL1、CTL2の各制御信号は、図9に示した駆動制御回路31’が出力する信号である。また、基準電位Vssは、図6に示したように変化する信号であり、スイッチSW1のドレイン端子と接続される。また、各プリドライブ回路32a−1〜4において、電源端子「Vc1」と基準電位端子「Vs1」、電源端子「Vc2」と基準電位端子「Vs2」が、コンデンサCoを介して接続される。また、電源電圧Vddは、各プリドライブ回路32a1〜4の電源端子「Vd」に接続される。
【0156】
次に、図12に示した駆動装置を構成する各素子と接続先について説明する。抵抗R11および抵抗R12は、電源電圧VddとGND間に直列に接続される。これにより、抵抗R11と抵抗R12の相互接続点には、Vddの電圧を分圧した比較回路41a1、41a2において比較の基準となる電圧(基準電圧信号)が生成される。また、抵抗R11と抵抗R12の相互接続点は、各プリドライブ回路32a1〜4の入力端子「VIN1−」、「VIN2−」に接続される。
【0157】
スイッチSW1のゲート端子は、プリドライブ回路32a−1の出力端子「Vo1」と接続され、この信号線をHVGとする。スイッチSW1のソース端子は、プリドライブ回路32a−1の基準電位端子「Vs1」と接続される。また、スイッチSW1のソース端子は、ダイオードD1を介してスイッチSW2のドレイン端子に接続される。尚、ダイオードD1のアノード端子はスイッチSW1側である。スイッチSW2のゲート端子は、プリドライブ回路32a−1の出力端子「Vo2」と接続され、この信号線をFVGとする。また、スイッチSW2のソース端子および、プリドライブ回路32a−1の基準電位端子「Vs2」は、GNDに接続される。
【0158】
また、スイッチSW1のソース端子とスイッチSW2のドレイン端子の相互接続点は、電解コンデンサC1のプラス極性の端子に接続され、この信号線をOUTAとする。信号線OUTAは、スイッチSW4のドレイン端子に接続される。また、スイッチSW4のゲート端子は、プリドライブ回路32a−2の出力端子「Vo1」と接続され、この信号線をCUGとする。スイッチSW4のソース端子は、プリドライブ回路32a−2の基準電位端子「Vs1」と接続される。また、スイッチSW4のソース端子は、ダイオードDd、Deを介してスイッチSW5のドレイン端子に接続される。尚、ダイオードDd、Deのアノード端子はスイッチSW4側である。また、ダイオードDdのカソード端子とダイオードDeのアノード端子の相互接続点は負荷20に接続され、この信号線はOUTCとする。
【0159】
スイッチSW5のゲート端子は、プリドライブ回路32a−2の出力端子「Vo2」と接続され、この信号線をCDGとする。スイッチSW5のソース端子は、プリドライブ回路32a−2の基準電位端子「Vs2」、プリドライブ回路32a−4の基準電位端子「Vs1」、電解コンデンサC1のマイナス極性の端子に接続され、この信号線をOUTBとする。また、信号線OUTAと信号線OUTBは、直列にコンデンサC2とコンデンサC3を介して接続される。尚、信号線OUTAと信号線OUTBは電解コンデンサC1を介しても接続されており、電解コンデンサC1と、直列接続されたコンデンサC2、C3は並列接続の関係にある。
【0160】
また、信号線OUTBとプリドライブ回路32a−2〜4の基準電位端子「Vsub」は、ダイオードDsubを介して接続される。また、ダイオードDsubのカソード端子と信号線OUTBが接続され、ダイオードDsubのカソード端子とプリドライブ回路32a−2〜4の基準電位端子「Vsub」の相互接続点とGNDが、コンデンサCsubを介して接続される。尚、このコンデンサCsubおよびダイオードDsubにより、基板電位Vsubが形成される。
【0161】
また、スイッチSW4のソース端子とダイオードDdのアノード端子の相互接続点とTr1のソース端子とがコイルL1とダイオードD2を介して接続される。また、Tr1のソース端子とダイオードD2のアノード端子の相互接続点は、プリドライブ回路32a−3の基準電位端子「Vs1」と接続される。また、Tr1のゲート端子は、プリドライブ回路32a−3の出力端子「Vo1」と接続され、この信号線をLUGとする。また、Tr1のドレイン端子は、Tr2のソース端子およびプリドライブ回路32a−3の基準電位端子「Vs2」と接続される。
【0162】
また、Tr1のドレイン端子とTr2のソース端子の相互接続点は、直列接続されたコンデンサC2とコンデンサC3の相互接続点と接続される。また、スイッチSW5のドレイン端子とダイオードDeのカソード端子の相互接続点とTr2のドレイン端子とがコイルL2とダイオードD3を介して接続される。また、Tr2のゲート端子は、プリドライブ回路32a−3の出力端子「Vo2」と接続され、この信号線をLDGとする。
【0163】
また、スイッチSW3pのゲート端子は、プリドライブ回路32a−4の出力端子「Vo1」と接続され、この信号線をBDPGとする。また、スイッチSW3pのソース端子は、ダイオードDpとダイオードDnを介してスイッチSW3nのドレイン端子に接続される。また、スイッチSW3nのゲート端子は、プリドライブ回路32a−4の出力端子「Vo2」と接続され、この信号線をBDNGとする。また、スイッチSW3pのドレイン端子と、スイッチSW3nのソース端子と、プリドライブ回路32a−4の基準電位端子「Vs2」は、GNDに接続される。また、ダイオードDpのカソード端子とダイオードDnのアノード端子の相互接続点と信号線OUTBは接続される。
【0164】
また、上述したスイッチSW1、SW2、SW3p、SW3n、SW4、SW5、Tr1、Tr2は、nチャネルパワーMOSFETであるが、この限りではなく、IGBT等であってもよい。また、図9においてスイッチSW3は、nチャネルパワーMOSFETとpチャネルパワーMOSFETで構成されていたが、図12においては、スイッチSW3p、SW3nともにnチャネルパワーMOSFETである。これにより、pチャネルパワーMOSFETに比べてオン抵抗が少ないnチャネルパワーMOSFETをスイッチSW3pとして用いることで、消費電力を削減することができる。
【0165】
次に、図12を用いて構成を説明した駆動装置の動作について説明する。
図13は、図12に示した駆動装置の維持放電期間の動作を説明するための動作波形図である。図12の駆動装置は図13に示すt1〜t11までの動作を1周期として維持放電期間の間繰り返すことで、共通電極Xに電圧(+Vs/2〜−Vs/2)を印加して維持放電を行う。図13は、図12に示す信号線OUTA、OUTB、OUTC、HVG、FVG、BDPG、BDNG、CUG、CDG、LUG、LDGの信号波形を示す。
【0166】
まず、プリドライブ回路32a−1の入力端子「VIN1+」に制御信号HVINとして、図13の信号線HVGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−1の出力端子「Vo1」に接続された信号線HVGに電源電圧Vdc、基準電位Vssに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW1は、t1でオンしてt6でオフする。また、プリドライブ回路32a−1の入力端子「VIN2+」に制御信号FVINとして、図13の信号線FVGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−1の出力端子「Vo2」に接続された信号線FVGに電源電圧Vdc、基準電位GNDに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW2は、t1でオフしてt6でオンする。以上のスイッチSW1とスイッチSW2のオン/オフにより、信号線OUTAは、t1でGNDからVs/2まで立ち上がり、t6でVs/2からGNDまで立ち下がる。
【0167】
また、プリドライブ回路32a−2の入力端子「VIN1+」に制御信号CTL1として、図13の信号線CUGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−2の出力端子「Vo1」に接続された信号線CUGに電源電圧Vfeに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW4は、t3でオンしてt4の直前でオフし、t10でオンしてt11の直前でオフする。また、プリドライブ回路32a−2の入力端子「VIN2+」に制御信号CTL2として、図13の信号線CDGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−2の出力端子「Vo2」に接続された信号線CDGに電源電圧Vfeに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW5は、t3でオンしてt4の直前でオフし、t10でオンしてt11の直前でオフする。
【0168】
また、プリドライブ回路32a−3の入力端子「VIN1+」に制御信号LUINとして、図13の信号線LUGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−3の出力端子「Vo1」に接続された信号線LUGに電源電圧Vfeに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、Tr1は、t2でオンしてt3の直後でオフし、t9でオンしてt10の直後でオフする。また、プリドライブ回路32a−3の入力端子「VIN2+」に制御信号LDINとして、図13の信号線LDGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−3の出力端子「Vo2」に接続された信号線LDGに電源電圧Vfeに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、Tr2は、t4でオンしてt5の直後でオフし、t7でオンしてt8の直後でオフする。尚、上述した直前または直後とは0.1μs〜1μsの時間を目安とする。
【0169】
また、プリドライブ回路32a−4の入力端子「VIN1+」に制御信号BDPINとして、図13の信号線BDPGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−4の出力端子「Vo1」に接続された信号線BDPGに電源電圧Vfeに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW3pは、t1でオンしてt6でオフする。また、プリドライブ回路32a−4の入力端子「VIN2+」に制御信号BDNINとして、図13の信号線BDNGの信号波形と同じ信号が入力される。これにより、プリドライブ回路32a−4の出力端子「Vo2」に接続された信号線BDNGに電源電圧Vdc、基準電位GNDに応じた図13に示す信号が出力される。これにより、スイッチSW3nは、常時オンしている。
【0170】
以上のスイッチSW4、SW5、Tr1、Tr2、スイッチSW3p、SW3nのオン/オフにより、信号線OUTBは、t1で−Vs/2からGNDまで立ち上がり、t6でGNDから−Vs/2まで立ち下がる。また、信号線OUTCは、t2からt3の間にGNDからVs/2まで立ち上がり、T4からT5の間にVs/2からGNDまで立ち下がり、t7からt8の間にGNDから−Vs/2まで立ち下がり、t9からt10の間に−Vs/2からGNDまで立ち上がる。この信号を、共通電極Xに印加することで維持放電を行う。
【0171】
また、上述した実施形態において、各プリドライブ回路32a−1〜4の基準電位端子「Vsub」へ供給される電位Vsubは、電位Vss(第2の基準電位)の最低電位(−Vs/2)であったがこの限りではない。つまり、整流回路43により、各プリドライブ回路32a−1〜4の基準電位端子「Vsub」へ供給される電位Vsubは、基準電位端子「Vs1」、「Vs2」に供給される電位よりも低くなるよう制御される。これにより、P型基板とスイッチSW4、SW5、…などの素子間に存在する寄生ダイオードに異常電流が流れることを防ぐことができる。また、上述した実施形態においては、時定数回路51およびランプ波形成回路53はプリドライブ回路32aの外部に設けたがこの限りではなく、プリドライブ回路の内部に具備しても良い。
【0172】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の実施形態は、例えば以下に示すような種々の適用が可能である。
【0173】
(付記1) 入力信号の第1の基準電位に対して、異なる第2の基準電位を有する出力素子を駆動するプリドライブ回路であって、
前記第1の基準電位を有する前記入力信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記入力信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、
前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、
前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記出力素子を駆動するための駆動信号を出力する信号増幅回路と
を具備することを特徴とするプリドライブ回路。
【0174】
(付記2) 前記基板電位は、前記第2の基準電位以下の電位であることを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0175】
(付記3) 前記出力電源電圧は、前記第2の基準電位より一定の電位差の電圧値であることを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0176】
(付記4) 前記信号増幅回路は、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を前記第2の基準電位を基準として増幅することを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0177】
(付記5) 前記第2の基準電位が変動している場合に、その変動の最小電位を整流して前記基板電位を形成する基板電位形成回路を更に具備することを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0178】
(付記6) 前記第1の基準電位は0Vであり、前記基準電圧信号の前記電圧値は前記入力信号の最大値と0Vとの間の値であることを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0179】
(付記7) 前記比較回路の入力側に時定数回路を更に具備し、
前記入力信号が前記時定数回路を経て供給される場合に、前記時定数回路の時定数または、前記基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0180】
(付記8) 前記比較回路の入力側に矩形波よりランプ波を形成するランプ波形成回路を更に具備し、
前記入力信号がランプ波形成回路を経て供給される場合に、前記ランプ波形成回路の形成するランプ波の傾きまたは、前記基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0181】
(付記9) 前記比較回路、前記入力レベルシフト回路、前記出力レベルシフト回路、前記信号増幅回路を1チップの集積回路上に形成することを特徴とする付記1に記載のプリドライブ回路。
【0182】
(付記10) 前記集積回路はP型不純物が付加された半導体基板上に形成することを特徴とする付記9に記載のプリドライブ回路。
【0183】
(付記11) 第1の入力信号が有する第1の基準電位に対して第2の基準電位を有する第1の出力素子と、第1の入力信号が有する第1の基準電位に対して第3の基準電位を有する第2の出力素子とを駆動するプリドライブ回路であって、
前記第1の基準電位を有する前記第1の入力信号と比較の基準となる電圧値を有する第1の基準電圧信号とを比較する第1の比較回路と、
前記第1の比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記第1の入力信号を前記第2の基準電位および前記第3の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する第1の入力レベルシフト回路と、
前記第1の入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する第1の出力レベルシフト回路と、
前記第1の出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第1の出力素子を駆動する信号を出力する第1の信号増幅回路と、
前記第1の基準電位を有する前記第2の入力信号と比較の基準となる電圧値を有する第2の基準電圧信号とを比較する第2の比較回路と、
前記第2の比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記第2の入力信号を前記基板電位に応じた第4信号に変換して出力する第2の入力レベルシフト回路と、
前記第2の入力レベルシフト回路が出力する前記第4信号を出力電源電圧に応じた第5信号に変換して出力する第2の出力レベルシフト回路と、
前記第2の出力レベルシフト回路が出力する前記第5信号を増幅して前記第2の出力素子を駆動する信号を出力する第2の信号増幅回路と
を具備することを特徴とするプリドライブ回路。
【0184】
(付記12) 前記基板電位は、前記第2の基準電位および前記第3の基準電位以下の電位であることを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0185】
(付記13) 前記第1の出力電源電圧は前記第2の基準電位より一定の電圧値であり、前記第2の出力電源電圧は前記第3の基準電位より一定の電圧値であることを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0186】
(付記14) 前記第1の信号増幅回路は、前記第1の出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を前記第2の基準電位を基準として増幅し、前記第2の信号増幅回路は、前記第2の出力レベルシフト回路が出力する前記第5信号を前記第3の基準電位を基準として増幅することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0187】
(付記15) 前記第2の基準電位および前記第3の基準電位が変動している場合に、前記第2の基準電位および前記第3の基準電位の変動における最小電位を整流して前記基板電位を形成する基板電位形成回路を更に具備することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0188】
(付記16) 前記第1の基準電位は0Vであり、前記第1の基準電圧信号の前記電圧値は前記第1の入力信号の最大値と0Vとの間の値であり、前記第2の基準電圧信号の前記電圧値は前記第2の入力信号の最大値と0Vとの間の値であることを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0189】
(付記17) 前記第1の入力信号および前記第2の入力信号が時定数回路を経て供給される場合に、前記時定数回路の時定数または、前記第1の基準電圧信号および前記第2の基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0190】
(付記18) 前記第1の入力信号および前記第2の入力信号がランプ波形成回路を経て供給される場合に、前記ランプ波形成回路の形成するランプ波の傾きまたは、前記第1の基準電圧信号および前記第2の基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0191】
(付記19) 前記第1の信号増幅回路が前記第1の出力素子を活性化する信号を出力するタイミングと、前記第2の信号増幅回路が前記第2の出力素子を活性化する信号を出力するタイミングとが重なることを防止する同時活性化防止回路を更に具備することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
【0192】
(付記20) 前記同時活性化防止回路は、2つの入力端子が前記第1の入力レベルシフト回路および前記第2の入力レベルシフト回路の出力端子と接続され、2つの出力端子が前記第1の出力レベルシフト回路および前記第2の出力レベルシフト回路の入力端子に接続されていることを特徴とする付記19に記載のプリドライブ回路。
【0193】
(付記21) 前記第1の比較回路、前記第2の比較回路、前記第1の入力レベルシフト回路、前記第2の入力レベルシフト回路、前記第1の出力レベルシフト回路、前記第2の出力レベルシフト回路、前記第1の信号増幅回路、前記第2の信号増幅回路を1チップの集積回路上に形成することを特徴とする付記11に記載のプリドライブ回路。
(付記22) 前記集積回路はP型不純物が付加された半導体基板上に形成することを特徴とする付記21に記載のプリドライブ回路。
【0194】
(付記23) 表示セル中において電圧を印加するために設けられた複数の電極と、
前記複数の電極別に変化する電圧を供給する複数の出力素子と、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第1の基準電位と前記出力素子の第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記出力素子を駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。
【0195】
(付記24) 正電圧のサステインパルスを出力する第1の出力素子と負電圧のサステインパルスを出力する第2の出力素子とを備えるサステイン回路を具備する表示装置において、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第1の基準電位と前記第1の出力素子および前記第2の出力素子の第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第1の出力素子および前記第2の出力素子を駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。
【0196】
(付記25) 表示セル中において電圧を印加するために設けられた複数の電極を容量性負荷として駆動する表示装置であって、
正電圧から負電圧まで変化する電源電圧に一方の端子を接続された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの他方の端子と、グランドを接続する第2のスイッチと、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの相互接続点と前記容量性負荷を接続する第3のスイッチと、
グラウンドに一方の端子を接続された第4のスイッチと、
前記第4のスイッチの他方の端子と前記容量性負荷とを接続する第5のスイッチと、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチが電界効果型トランジスタで構成されていて、前記第1の基準電位と前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチの第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチを駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。
【0197】
(付記26) 前記容量性負荷と前記第3のスイッチとの相互接続点と、第1のコイルを介して接続される第6のスイッチと、
前記容量性負荷と前記第5のスイッチとの相互接続点と、第2のコイルを介して接続される第7のスイッチと、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチが電界効果型トランジスタで構成されていて、前記第1の基準電位と前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチの第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチを駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を更に具備することを特徴とする付記25に記載の表示装置。
【0198】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によるプリドライブ回路においては、入力信号の第1の基準電位に対して、異なる第2の基準電位を有する出力素子を駆動するプリドライブ回路であって、入力信号と比較の基準となる基準電圧信号とを比較する比較回路と、比較結果を基に、第1の基準電位を有する入力信号を基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、入力レベルシフト回路が出力する第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、出力レベルシフト回路が出力する第3信号を増幅して出力素子を駆動するための駆動信号を出力する信号増幅回路とを具備するので、入力信号の基準電位と、駆動する対象である出力素子の基準電位とが異なり、負電圧である場合でも、入力信号を比較回路で処理することで、入力信号の第1の基準電位をプリドライブ回路の入力側の基板電位とする必要がなくなる。
【0199】
これにより、プリドライブ回路の入力側の基板電位を出力側である第2の基準電位に応じた電位とすることができ、プリドライブ回路の寄生ダイオードに順方向の電位差が生じない電位とすることができる。すなわち、寄生ダイオードに異常電流が生じることを防ぎ、プリドライブ回路が誤動作する確率を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態によるプリドライブ回路を用いた交流駆動型PDPの駆動装置の構成例を示す図である。
【図2】図1に示した交流駆動型PDPの駆動装置の動作を説明するための概念図である。
【図3】図1に示したプリドライブ回路32−2の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3の信号伝達回路41の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したプリドライブ回路32−2の回路構成を示す図である。
【図6】図5に示したプリドライブ回路32−2への入力信号例と出力信号例を示す図である。
【図7】プリドライブ回路32−2の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7に示した時定数回路51の替わりにランプ波形成回路53を設けた場合の構成例を示す図である。
【図9】第1の実施形態によるプリドライブ回路を具備する交流駆動型PDPの駆動装置の他の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態であるプリドライブ回路32aの概略構成を示す図である。
【図11】同時オン防止回路44の動作を示す入出力信号例を示す図である。
【図12】IC化したプリドライブ回路32aを用いて構成した駆動装置の概略構成を示す図である。
【図13】図12に示した駆動装置の維持放電期間の動作を説明するための動作波形図である。
【図14】従来の交流駆動型PDP装置の全体構成を示す図である。
【図15】従来の交流駆動型PDP装置における1画素である第i行第j列のセルCijの断面構成を示す図である。
【図16】従来の交流駆動型PDP装置の駆動装置の回路構成例を示す図である。
【図17】図16のように構成した交流駆動型PDP装置の駆動装置による駆動波形を示すタイムチャートである。
【図18】出力素子側の基準電位の変動に対応したプリドライブ回路例を示す図である。
【符号の説明】
1 交流駆動型PDP
20 負荷
31、31’ 駆動制御回路
32−1〜32−8 プリドライブ回路
41 信号伝達回路
41a、41a1、41a2 比較回路
41b 入力レベルシフト回路
41b1 第1の入力レベルシフト回路
41b2 第2の入力レベルシフト回路
41c 出力レベルシフト回路
41c1 第1の出力レベルシフト回路
41c2 第2の出力レベルシフト回路
42、42a、42b 信号増幅回路
43 整流回路
44 同時オン防止回路
51 時定数回路
52 定電圧回路
53 ランプ波形成回路
Claims (10)
- 入力信号の第1の基準電位に対して、異なる第2の基準電位を有する出力素子を駆動するプリドライブ回路であって、
前記第1の基準電位を有する前記入力信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記入力信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、
前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、
前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記出力素子を駆動するための駆動信号を出力する信号増幅回路と
を具備することを特徴とするプリドライブ回路。 - 前記第2の基準電位が変動している場合に、その変動の最小電位を整流して前記基板電位を形成する基板電位形成回路を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のプリドライブ回路。
- 前記比較回路の入力側に時定数回路を更に具備し、
前記入力信号が前記時定数回路を経て供給される場合に、前記時定数回路の時定数または、前記基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリドライブ回路。 - 前記比較回路の入力側に矩形波よりランプ波を形成するランプ波形成回路を更に具備し、
前記入力信号がランプ波形成回路を経て供給される場合に、前記ランプ波形成回路の形成するランプ波の傾きまたは、前記基準電圧信号の前記電圧値を調整することにより前記入力信号の伝播遅延時間を調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプリドライブ回路。 - 第1の入力信号が有する第1の基準電位に対して第2の基準電位を有する第1の出力素子と、第1の入力信号が有する第1の基準電位に対して第3の基準電位を有する第2の出力素子とを駆動するプリドライブ回路であって、
前記第1の基準電位を有する前記第1の入力信号と比較の基準となる電圧値を有する第1の基準電圧信号とを比較する第1の比較回路と、
前記第1の比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記第1の入力信号を前記第2の基準電位および前記第3の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する第1の入力レベルシフト回路と、
前記第1の入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を第1の出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する第1の出力レベルシフト回路と、
前記第1の出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第1の出力素子を駆動する信号を出力する第1の信号増幅回路と、
前記第1の基準電位を有する前記第2の入力信号と比較の基準となる電圧値を有する第2の基準電圧信号とを比較する第2の比較回路と、
前記第2の比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記第2の入力信号を前記基板電位に応じた第4信号に変換して出力する第2の入力レベルシフト回路と、
前記第2の入力レベルシフト回路が出力する前記第4信号を第2の出力電源電圧に応じた第5信号に変換して出力する第2の出力レベルシフト回路と、
前記第2の出力レベルシフト回路が出力する前記第5信号を増幅して前記第2の出力素子を駆動する信号を出力する第2の信号増幅回路と
を具備することを特徴とするプリドライブ回路。 - 前記第1の信号増幅回路が前記第1の出力素子を活性化する信号を出力するタイミングと、前記第2の信号増幅回路が前記第2の出力素子を活性化する信号を出力するタイミングとが重なることを防止する同時活性化防止回路を更に具備することを特徴とする請求項5に記載のプリドライブ回路。
- 表示セル中において電圧を印加するために設けられた複数の電極と、
前記複数の電極別に変化する電圧を供給する複数の出力素子と、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第1の基準電位と前記出力素子の第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記出力素子を駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。 - 正電圧のサステインパルスを出力する第1の出力素子と負電圧のサステインパルスを出力する第2の出力素子とを備えるサステイン回路を具備する表示装置において、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第1の基準電位と前記第1の出力素子および前記第2の出力素子の第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第1の出力素子および前記第2の出力素子を駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。 - 表示セル中において電圧を印加するために設けられた複数の電極を容量性負荷として駆動する表示装置であって、
正電圧から負電圧まで変化する電源電圧に一方の端子を接続された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの他方の端子と、グランドを接続する第2のスイッチと、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチの相互接続点と前記容量性負荷を接続する第3のスイッチと、
グラウンドに一方の端子を接続された第4のスイッチと、
前記第4のスイッチの他方の端子と前記容量性負荷とを接続する第5のスイッチと、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチが電界効果型トランジスタで構成されていて、前記第1の基準電位と前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチの第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第3のスイッチおよび前記第5のスイッチを駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を具備することを特徴とする表示装置。 - 前記容量性負荷と前記第3のスイッチとの相互接続点と、第1のコイルを介して接続される第6のスイッチと、
前記容量性負荷と前記第5のスイッチとの相互接続点と、第2のコイルを介して接続される第7のスイッチと、
第1の基準電位を有する制御信号を出力する駆動制御回路と、
前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチが電界効果型トランジスタで構成されていて、前記第1の基準電位と前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチの第2の基準電位とが異なる場合に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号と比較の基準となる電圧値を有する基準電圧信号とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果を基に、前記第1の基準電位を有する前記制御信号を前記第2の基準電位より作成する電位である基板電位に応じた第2信号に変換して出力する入力レベルシフト回路と、前記入力レベルシフト回路が出力する前記第2信号を出力電源電圧に応じた第3信号に変換して出力する出力レベルシフト回路と、前記出力レベルシフト回路が出力する前記第3信号を増幅して前記第6のスイッチおよび前記第7のスイッチを駆動する信号を出力する信号増幅回路とを具備する複数のプリドライブ回路と
を更に具備することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
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