JP2004063482A - 研磨装置並びに研磨パッドの処理方法 - Google Patents

研磨装置並びに研磨パッドの処理方法 Download PDF

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Takashi Fujita
藤田 隆
Osamu Kinoshita
木下 修
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Abstract

【課題】効率良く短時間且つ低コストにてパッドの立ち上げを行うことが可能な研磨装置並びに研摩パッドの処理方法を提供する。
【解決手段】研摩パッドの研摩面全面を押圧して研摩パッドの圧縮率又は圧縮弾性率を調節する専用の押圧手段(加圧プレート158、プレスローラ160等)を備え、物理的に研摩パッドの立ち上げ処理を実施するようにした。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は研磨装置並びに研磨パッドの処理方法に関し、 特に研磨パッドを用いてウェーハを化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing )する研磨装置並びにその研磨パッドの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体デバイスウェーハの一連の研磨工程において、研磨パッドを新品のものに交換した場合や、研磨パッドの研磨性能が低下してきた場合には、研磨パッドの研磨面に対してドレッシングを行って研磨パッドの目立て処理を行い、研磨性能の向上、又は研磨性能の再生を図っている。この目立て処理を含む一連の研磨パッドの性能向上処理や研磨パッドの再生処理を一般にパッドコンディショニングといい、特に新品の研磨パッドに対して行う処理を「パッド立ち上げ処理」と呼んでいる。なお、研磨パッドの目立て処理に用いるパッドドレッサーには、通常ダイヤモンドがNiメッキにより電着された研削ホイールなどが使用され、このようなドレッサーが特開平10−15819号の公報に示されている。
【0003】
上記のパッド立ち上げ処理は、従来図11に示すような作業手順で実施していた。
【0004】
図11に、従来のパッド立ち上げ処理の作業手順を示す。
【0005】
新品の研磨パッドを研磨定盤に張りつけて研磨加工を開始する際には、成形加工後の研磨パッドの研磨性能を向上させるために、研磨パッドを研磨定盤に張りつけた後に研磨パッドの立ち上げ処理を行う。この場合に作業者は、先ずステップS200「パッド貼りつけ」(以降S200のように省略して記載する)にて研磨パッドを研磨定盤に貼る作業を行う。
【0006】
次に作業者は目立て作業の準備を開始し、S202「純水を供給しながらドレッシング(5分間)」にて、純水、若しくはスラリーを供給して研磨パッド表面に対してドレッサー(研削ホイール)を押圧しながらスキャンして、研磨パッド表面を微小量削り取ることで研磨パッドの目立て作業を行う。
【0007】
ドレッシングが終了すると、次のS204「パッド立ち上げ研磨(ダミーウェハ10枚)」の作業を実施する。この工程では、たとえばダミーウェーハを10枚程使用して、必要に応じてドレッシングをしながら同時にスラリーを供給し、ダミーのウェーハを研磨して研磨パッドの研磨性能を向上する作業を行う。なおS204では、研磨パッドの材質によってはドレッシングを実施せずにダミーウェーハの研磨のみを実施している。
【0008】
図12に、研磨装置におけるウェーハ処理枚数(ウェーハ研磨枚数)と研磨レート及び、ウェーハ処理枚数とウェーハ表面の不均一性(ウェーハ面内における研磨レートの不均一性)の関係を示す。
【0009】
同図に示すように、研磨レートGR(Å/min)以上がウェーハの研磨に必要な研磨レートであって、許容されるウェーハ表面の不均一性が3%であるとする。S202のドレッシング処理直後には、研磨レートはGR以下であるとともに、ウェーハ表面の不均一性も許容限度以上であるが、S204によるダミーウェーハの立ち上げ研磨処理を実施すると、徐徐に研磨レートが向上し、ウェーハ表面の不均一性も良好になる方向に推移する。そして、約10枚のダミーウェーハに対してパッド立ち上げ研磨を実施すると、研磨パッドの研磨レートは許容研磨レートGR以上になる。また、ウェーハ表面の不均一性も向上して、許容値以下になり、製品のウェーハを研磨することが可能な状態になる。なお、以降製品のウェーハの研磨を開始してウェーハの処理枚数が許容処理枚数Wnを超えると、研磨レートが悪化して許容研磨レートGRを下回るとともに、ウェーハ表面の不均一性も許容値を超える可能性が出てくる。
【0010】
図11に示すS204の処理工程が終了すると、次のS206「パッド立ち上がり確認研磨(ダミーウェハ4枚+モニターウェハ1枚)」にて、研磨パッドの研磨性能が所定の性能を発揮している状態になったか否かの確認を行うための確認研磨を実施する。S206にて確認研磨を行った結果、研磨パッドの研磨性能が、所定の性能に達していない場合には、S202の作業又はS204の作業に戻り、再びパッドの立ち上げ処理を実施する。また、S206にて確認研磨を行った結果、研磨パッドの研磨性能が所定の性能を発揮していると判断した場合には、S208「ウェハ研磨」の処理に進み、製品ウェーハの研磨を実施する。そして、所定の時間又は所定枚数のウェーハを研磨した後に、S210「研磨パッド再生処理必要?」の判断にて、研磨パッドが所定の研磨性能を発揮しているか否かの判断に基づいて研磨パッドの再生処理を実施するか否かの判断を行う。
【0011】
もしS210の判断にて、研磨パッドの研磨性能が所定の性能を維持しており、研磨パッドの再生処理が必要でないと判断した場合には、処理はS208に戻り、製品のウェーハの研磨を続行する。また、S210の判断にて、研磨パッドの研磨性能が所定の性能を維持しておらず、研磨パッドの再生処理が必要であると判断した場合には、処理はS202に戻り、研磨パッドの再生処理を行う。
【0012】
また、研磨液に少なくとも1つの親水基を有する分子量100以上の有機化合物を添加することにより、研磨中における被研磨膜の主面と研磨布の主面との間の平均的な間隔を研磨粒子の平均粒径より広く設定し、また研磨中における被研磨膜と研磨液との間の摩擦係数を研磨布と研磨液との間の摩擦係数よりも大きくなるようにして、凹凸を有するパターンウェーハ表面にディッシングを発生させることなく、所望の凸部形状のみを優先的に効率よく研磨し、表面が平坦になるとポリッシング速度が遅くなることによって、ディッシングの発生を防止しながら研磨終点でポリッシングを停止することが可能な半導体製造装置の製造方法が、特許第3278532号の公報に示されている。
【0013】
当該半導体製造装置の製造方法では、基板上に形成され、凹凸を有する被研磨膜に、研磨粒子と表面活性剤を含む研磨剤を施す工程と、前記表面活性剤は、COOH(カルボキシル基)及びCOOM1(M1はカルボキシル基の水素原子と置換して塩を形成し得る原子又は官能基)からなる群より選ばれた少なくとも1つの親水機を有する有機化合物であることを特徴としている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
特許第3278532号の公報に示されている半導体製造装置の製造方法では、凹凸のあるウェーハの研磨被膜の表面を平坦にすることが可能であるものの、高粘度のポリカルボン酸アンモニウムを研磨液に添加することによって、特許第3278532号の公報の図5に示されるようにポリッシング速度(研磨レート)が減少してしまうという不具合を生じている。また、特許第3278532号の公報に示されているように、被研磨膜の表面が平坦になるにしたがってポリッシング速度が遅くなるという不具合を生じている。
【0015】
図11に示した、ドレッサーで研磨パッドの表面を荒らして目立て処理を行うという従来の研磨パッドの立ち上げ方法では、図11に示すように多大なドレッシング時間を必要としている。例えばS202のドレッシング工程では、少なくとも5分程度のドレッシング時間を必要としている。
【0016】
また次のS204の研磨作業では、最低でも10枚程度のダミーウェーハを用いて、各ダミーウェーハ毎に各2分の研磨時間(ワークの移載時間を含めると合計30分以上)の作業時間を必要としていた。したがって、研磨パッドのドレッシングと、研磨パッドの立ち上げ研磨と、研磨レートと研磨の均一性の確認と、製品の段取り等の時間を含めると、S202におけるドレッシング作業の開始から実際にS208にて製品のウェーハの研磨加工が可能になる迄に、最低でも1時間という長大な時間を必要としていた。近年では半導体部品の価格の競争が激化しているが、このようにウェーハの研磨加工を実施することができない時間が長く存在するために、製品となる半導体部品の競争力が価格面において低下するという不具合を生じている。
【0017】
また、上述のようにパッド立ち上げに対して多大な時間が必要とされる他にも、従来の研磨パッドのドレッシング方法では以下の問題点が生じている。
【0018】
最初に研磨パッドの表面を荒らすためにS202にてパッドドレッシングを行うとともに、必要に応じてS204にてドレッシングを実施しながらダミーウェーハの研磨処理を実施しているのであるが、このパッドドレッシングの際には、ある程度の所定の力でドレッサーを研磨パッドを押圧しながらドレッシングを実施する必要がある。この際、ドレッサー表面にあるダイヤモンド砥粒の摩耗が問題となる。パッドドレッシングを行うにつれてダイヤモンドの砥粒の形状が鈍化するために、パッドの表面を削り取る能力が減少してドレッシング能力が低下してくる。
【0019】
このようにドレッサーのドレッシング能力が低下するとドレッサーの交換を行うのであるが、ドレッサーはたいへん高価な消耗品であるとともに、ドレッサーの交換に要する工数も多大に必要となるので、ドレッサーの交換は非常にコストがかかる作業となっている。したがって、研磨パッドに対してドレッシングを実施すると、ドレッサーのメンテナンスに多大な費用がかかるという不具合を生じていた。
【0020】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来多大な時間とコストを必要としていた研磨パッドドレッシングやダミーウェーハによる研磨を実施せずに、効率良く早期に且つ低コストにて所定の研磨レートや研磨均一性を得るためのパッドの立ち上げを行うことが可能な研磨装置並びに研磨パッドの処理方法を提供することを目的としている。
【0021】
また本発明は、短時間で研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能な研磨装置並びに研磨パッドの処理方法を提供することを目的としている。
【0022】
また本発明は、少ない抵抗力で短時間に研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能な研磨装置並びに研磨パッドの処理方法を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ウェーハを研磨パッドの研磨面に接触させてウェーハ表面を研磨する研磨装置において、研磨パッドの研磨面全面を一度に押圧して研磨パッドの圧縮率又は圧縮弾性率を調節する押圧手段を備えたことを特徴としている。
【0024】
本発明によれば、研磨パッドの研磨面全面を一度に押圧して研磨パッドの圧縮率又は圧縮弾性率を調節する押圧手段を備えたので、短時間で研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能となる。
【0025】
また、前記目的を達成するために請求項2に記載の発明は、ウェーハを研磨パッドの研磨面に接触させてウェーハ表面を研磨するとともに回動可能な研磨パッドを備えた研磨装置において、研磨パッドの研磨面を押圧するとともに、研磨パッドの回動とともに回転可能なプレスローラを備えたことを特徴としている。
【0026】
本発明によれば、研磨パッドの研磨面を押圧するとともに、研磨パッドの回動とともに回転可能なプレスローラを備えたので、少ない抵抗力で短時間に研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る研磨装置並びに研磨パッドの処理方法の好ましい実施の形態について詳説する。尚各図において、同一の部材については同一の番号又は記号を付している。
【0028】
図1は、 本発明に係る研磨装置の一実施形態を示す平面図である。また図2は本発明に係る研磨装置の構成を表わすブロック図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態のウェーハ研磨装置10は、ウェーハ収納部20、搬送手段14、研磨手段16、16、16、洗浄・乾燥手段18、膜厚測定手段29、記憶手段11、研磨性能指標計算部13、研磨状況判断部15、研磨条件設定部17、及び装置制御部19で構成されている。
【0029】
ウェーハ収納部20は、製品用ウェーハ収納部20A、ダミーウェーハ収納部20B、第1モニターウェーハ収納部20C、第2モニターウェーハ収納部20Dとからなり、各収納部にはカセット24に格納されたウェーハWが収納される。製品用ウェーハ収納部20Aは2個並んで設けられている。また第1モニターウェーハ収納部20Cはカセット24の下段を使用し、同じカセット24の上段は第2モニターウェーハ収納部20Dになっている。
【0030】
搬送手段14は、インデックス用ロボット22とトランスファーロボット30及び搬送ユニット36A、36Bとから構成されている。インデックス用ロボット22は、旋回自在かつ屈曲自在なアームを2本備えており、図1の矢印Y方向に沿って移動自在に設けられている。このインデックス用ロボット22は、各ウェーハ収納部に載置されたカセット24から研磨対象のウェーハWを取り出して膜厚測定手段29及び受渡しポート26、28に搬送するとともに、洗浄が終了したウェーハWを洗浄・乾燥手段18から受け取ってカセット24に格納する。トランスファーロボット30は、屈曲自在かつ旋回自在なロード用アーム30Aとアンロード用アーム30Bとを備えており、図1の矢印X方向に沿って移動自在に設けられている。ここで、ロード用アーム30Aは、研磨前のウェーハWの搬送に使用され、その先端部に備えられた図示しないパッドで研磨前のウェーハWを受渡しポート26、28から受け取り、搬送ユニット36A、36Bに搬送する。一方、アンロード用アーム30Bは、研磨後のウェーハWの搬送に用いられ、その先端に備えられた図示しないパッドで研磨後のウェーハWを搬送ユニット36A、36Bから受け取り、洗浄・乾燥手段18へと搬送する。搬送ユニット36A、36Bは、どちらも図1の矢印Y方向に沿って移動自在に設けられ、夫々受取り位置SA 、SB と受渡し位置TA 、TB の間を移動する。受取り位置SA 、SB でトランスファーロボット30のロード用アーム30Aから研磨対象のウェーハWを受取り、受渡し位置TA 、TB に移動して研磨ヘッド38A、38Bに受け渡す。また研磨後のウェーハWを受渡し位置TA 、TB で受取り、受取り位置SA 、SB に移動してトランスファーロボット30のアンロード用アーム30Bに受け渡す。この搬送ユニット36A、36Bは夫々が別々の2個の受け台を持っており、この2個の受け台は研磨前のウェーハW用と研磨後のウェーハW用とに使い分けられる。洗浄・乾燥手段18の隣にはアンロードカセット32が設けられ、研磨後のウェーハを一時格納する場合に使用される。たとえば洗浄・乾燥手段18の運転中止中に研磨後のウェーハWがトランスファーロボット30に搬送されて一時格納される。
【0031】
研磨手段16、16、16は、ウェーハの研磨を行い、図1に示すように、研磨定盤34A、34B、34C、研磨ヘッド38A、38B、スラリー供給ノズル37A、37B、37C等及びキャリア洗浄ユニット40A、40Bを備えている。研磨定盤34A、34B、34Cは、円盤状に形成されており、3台が並列して配置されている。各研磨定盤34A、34B、34Cの上面には、それぞれ研磨パッド34a、34b、34cが貼付されており、この研磨パッド34a、34b、34c上にスラリー供給ノズル37A、37B、37Cからスラリーが供給される。また、各研磨定盤34A、34B、34Cは、図示しないモータで駆動されて回動し、この回動する研磨定盤34A、34B、34CにウェーハWが押し付けられることで、ウェーハWが研磨される。
【0032】
ここで、この3つの研磨定盤34A、34B、34Cのうち左右の研磨定盤34A、34Bは第1の研磨対象膜の研磨に用いられ、中央の研磨定盤34Cは第2の研磨対象膜の研磨に用いられる。両者の研磨においては、供給するスラリーの種類、研磨ヘッドの回動数や研磨定盤の回動数、また、研磨ヘッドの押付力や研磨パッドの材質等が変更されている。なお、この研磨定盤34A、34B、34Cの近傍には、それぞれドレッシング装置35A、35B、35Cが設けられている。ドレッシング装置35A、35B、35Cは、旋回自在なアームを備えており、このアームの先端に設けられたドレッサによって研磨定盤34A、34B、34C上の研磨パッド34a、34b、34cをドレッシングする。
【0033】
研磨ヘッドは38A、38Bと2台設置されており、それぞれ図1の矢印X方向に沿って移動自在に設けられている。
【0034】
図3は研磨ヘッド38Aの全体構成を示し、図4は研磨ヘッド38Aの研磨形状制御手段39の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、研磨ヘッド38Aは、ヘッド本体45、キャリア46、リテーナーリング48、薄膜部材44、ヘッド本体45とゴムシート62Aとからなるキャリア用エアバッグ62、及びヘッド本体45とゴムシート63Aとからなるリテーナーリング用エアバッグ63で構成されている。研磨形状制御手段39はキャリア46に設けられた2つのエアー経路から構成されている。キャリア46の下面には外周部にエアー噴出口46A、46A、…が、中央部にはエアー噴出口46B、46B、…が形成されており、エアー噴出口46A、46A、…はレギュレータ56を経由してメインエアー経路51に、エアー噴出口46B、46B、…はレギュレータ57を経由してサブエアー経路55に接続されている。サブエアー経路55は切替バルブ59によって正圧ライン52とレギュレータ58を経由した負圧ライン53又は大気開放ライン54とに接続換えされる。リテーナーリング48はウェーハWの径方向の動きを規制すると共に、研磨パッド34a、34b、34cを押圧してその表面を安定させる役目を果たしている。薄膜材料44は、周縁部でリテーナーリング48に保持されており、ウェーハWに接触してキャリア46からのエアー圧を伝達する。キャリア46から噴射されたエアはキャリア46とリテーナーリング48との隙間49から外部に排気される。メインエアー経路51によるエアの圧力とサブエアー経路55によるエアの圧力とを夫々調整することによって、ウェーハWの研磨形状が制御される。
【0035】
研磨形状制御手段39を有する研磨ヘッド38Aは以上のように構成され、この研磨ヘッド38Aで保持したウェーハWを研磨定盤34A上の研磨パッド34aに押し付けて、研磨定盤34Aと研磨ヘッド38Aとをそれぞれ回動させながら、研磨パッド34a上にスラリーを供給することにより、ウェーハWが研磨される。他方側の研磨ヘッド38Bも同様に構成される。
【0036】
また図1で示すように、研磨定盤34A、34B、34Cの間にはキャリア洗浄ユニット40A、40Bが2台設置されており、それぞれ搬送ユニット36A、36Bの所定の受渡位置TA 、TB に配置されている。このキャリア洗浄ユニット40A、40Bは、研磨終了後の研磨ヘッド38A、38Bのキャリアを洗浄する。
【0037】
洗浄・乾燥手段18は、研磨が終了したウェーハWを洗浄する。この洗浄・乾燥手段18は、洗浄装置68Aと乾燥装置68Bとを備えている。洗浄装置68Aは3個の洗浄槽を有し、粗洗浄、精洗浄及びリンスの順に用いられる。研磨手段16、16、16で研磨されたウェーハWは、トランスファーロボット30によって洗浄・乾燥手段18へと搬送され、この洗浄・乾燥手段18の洗浄装置68Aで粗洗浄、精洗浄及びリンスされた後、乾燥装置68Bで乾燥される。乾燥されたウェーハWは、搬送手段14のインデックス用ロボット22によって乾燥装置68Bから取り出され、ウェーハ収納部20にセットされたカセット24の所定の位置に格納される。
【0038】
膜厚測定手段29はウェーハWのセンタリング機構と膜厚測定機とを有し、膜厚測定機は研磨対象膜が酸化膜の場合は、光干渉式の膜厚測定機等が用いられ、研磨対象膜がメタル膜の場合には4探針比抵抗測定器等が用いられる。
【0039】
図2に示すように、記憶手段11は膜厚測定手段29で測定したウェーハWの膜厚データを記憶し、研磨性能指標計算部13では前記膜厚データや研磨に要した加工時間等から研磨均一性、研磨レート、研磨形状等の研磨性能指標を演算する手段を有している。研磨状況判断部15では、研磨性能指標計算部13によって求められた研磨均一性、研磨レート、研磨形状等の研磨性能指標から製品用ウェーハの研磨を行うかモニターウェーハによるモニター研磨を行うかを判断する手段を有している。また研磨条件設定部17では研磨性能指標計算部13によって求められた研磨均一性、研磨レート、研磨形状等の研磨性能指標から、研磨条件や研磨形状制御パラメータの設定を行う。装置制御部19は前述の各部における判断信号や、設定信号を受けて装置の動きを制御するコントローラであり、表示手段19Aは研磨性能指標や研磨条件等を表示するディスプレイである。
【0040】
以上のように構成されたウェーハ研磨装置10では、次のようにウェーハを処理する。
【0041】
先ず、カセット24に格納されたウェーハWがインデックス用ロボット22によって取り出され、膜厚測定手段29に搬送される。そして、この膜厚測定手段29でセンタリングと必要に応じて膜厚測定が行われる。センタリングされたウェーハWはインデックス用ロボット22によって取り出され受渡しポート26又は28に載置される。次にトランスファーロボット30のロード用アーム30Aによって受渡しポート26又は28から取り出され、搬送ユニット36Aへと搬送される。搬送ユニット36Aでは、あらかじめロード用受け台が所定の受取位置SA に待機しており、この受取位置SA に位置したロード用受け台にロード用アーム30AからウェーハWが受け渡される。ウェーハWが受け渡されたロード用受け台は、前進して所定の受渡位置TA へと移動する。この受渡位置TA の上方には、あらかじめ研磨ヘッド38Aが待機しており、この研磨ヘッド38Aにロード用受け台からウェーハWが受け渡される。
【0042】
ウェーハWを受取った研磨ヘッド38Aは、そのウェーハWをキャリア46で吸着保持して、所定の研磨位置PA へと移動する。そして、その位置で吸着を解除して、ウェーハWを研磨パッド34a上に載置してウェーハWを研磨する。研磨は、ウェーハWをキャリア46で研磨パッド34aに押し付けながら、研磨定盤34Aと研磨ヘッド38Aの双方を回動させ、その回動する研磨パッド34a上にスラリー供給ノズル37Aからスラリーを供給して第1の研磨対象膜を研磨する。
【0043】
研磨終了後のウェーハWは、再びキャリア46に吸着保持されて研磨定盤34A上から回収される。この後、第2の研磨対象膜を研磨する場合には、研磨ヘッド38Aは、そのまま中央の研磨定盤34C上の研磨位置PC へと移動する。そして、その中央の研磨定盤34Cで研磨特性を変えて第2の研磨対象膜の研磨を行う。一方、第1の研磨対象膜だけで研磨を終える場合は、研磨ヘッド38Aは所定の受渡位置TA に移動する。そして、その受渡位置TA にあらかじめ位置した搬送ユニット36Aのアンロード受け台にウェーハWを受け渡す。
【0044】
なお、中央の研磨定盤34Cで第2の研磨対象膜の研磨を行った場合も、研磨終了後は、研磨ヘッド38Aが研磨位置PC から受渡位置TA へと移動してアンロード受け台にウェーハWを受け渡す。
【0045】
受渡位置TA で研磨後のウェーハWが受け渡された搬送ユニット36Aのアンロード受け台は、後退して所定の受取位置SA へと移動する。そして、この受取位置SA に位置したアンロード受け台からトランスファーロボット30のアンロード用アーム30BによってウェーハWが取り出され、洗浄・乾燥手段18へと搬送される。
【0046】
洗浄・乾燥手段18に搬送されたウェーハWは、洗浄装置68Aで粗洗浄、精洗浄及びリンスされたのち、乾燥装置68Bで乾燥される。そして、乾燥装置68Bで乾燥されたウェーハWは、搬送手段14のインデックス用ロボット22によって乾燥装置68Bから取り出され、必要に応じて膜厚測定手段29に搬送され、膜厚が測定された後再びインデックス用ロボット22によってウェーハ収納部20にセットされたカセット24の所定の位置に格納される。
【0047】
以上一連の工程を経て一枚のウェーハWの研磨が終了する。このようなウェーハWの加工を実施してウェーハWの研磨処理枚数が許容処理枚数Wnを超えると、研磨レートが悪化して許容研磨レートGRを下回るとともに、ウェーハ表面の不均一性も許容値を超える。この状態のままでは研磨効率が悪化するとともに、ウェーハ表面の不均一性が許容限度を超えた不良品を生産することになるので、研磨性能が悪化した研磨パッド34aの立ち上げ処理(ここでは研磨パッド34aの再生処理又は研磨パッド34aの交換作業をいう。)を実施して、研磨性能の回復を図る。
【0048】
従来は、研磨パッド34aの再生作業や交換作業において、図11に示す研磨パッドの立ち上げ処理を実施していた。図11に示す研磨パッドの立ち上げ処理を実施すると、ドレッシング装置のドレッサーに電着されているダイヤモンドが研磨パッド表面を引っ掻くように削って、研磨パッド表面に凹凸が形成される。するとこの凹凸の間に研磨砥粒や研磨剤を含むスラリーが滞在し易くなるという効果を生じている。したがって研磨加工時には、このように研磨パッド表面を荒らした状態でスラリーを供給しながら研磨を行うことで、パッド表層付近に多量に保持されているスラリーの働きによって所定の研磨レートが維持されるようになる。従来の研磨パッドの立ち上げ処理では、このように研磨パッド表層付近がある一定量のスラリーを含むようになった時点で研磨レートが安定し、パッド立ち上げ処理を終了する判断を下していた。
【0049】
ところがこのようなパッド立ち上げ処理において、従来は以下のような問題を生じていた。上記のように、研磨パッドの表層付近がドレッシング処理によって細かな凹凸が多数発生し、結果的に研磨パッドの表面が親水化したようになって研磨レートが安定していたのであるが、ドレッサーで研磨パッド34aの表面を荒らす工程(図11に示すS202)に加えてパッド立ち上げ研磨(図11に示すS204」を行うという従来の方法では、多大なドレッシング時間を必要としていた。
【0050】
このようにして時間をかけてドレッシングしてパッドの立ち上げ処理を終了した研磨パッドの表面は、確かに表面が荒らされているという点が認められるのであるが、ダイヤモンド砥粒を電着したパッドドレッサーを研磨パッドに擦りつけて研磨パッド表面を削り取りながらドレッシングすることによって、研磨パッドの表層付近が化学的に親水化処理されてスラリーが保持されやすくなっているという事実も認められる。そしてこの場合、どちらかと言えばパッド表面が親水化されたことによる加工性能の向上の効果の方が高いと考えられる。したがって、高価なパッドドレッサーを用いて長時間かけて研磨パッドのドレッシングを実施することによって研磨パッドの立ち上げ処理を実施するよりも、直接研磨パッド34aの表面を化学的に親水化処理した方が、効率良くパッドの立ち上げ処理が完了することになる。なお、十分に親水化処理された研磨パッド34aの表面は、十分にスラリーがしみ込んだ状態が観測される。
【0051】
また、十分に親水化処理された研磨パッド34aの化学的な表面改質状態をFT−IRにて評価すると、研磨パッド34aの表面には親水性を高める官能基が現れていることが認められる。この親水性を高める官能基の働きによって、研磨パッド34aの表面にはスラリーが十分しみ込んだ状態となり、スラリーとともに研磨剤も保持されるので、効率良く早期に所定の研磨レートや研磨均一性を得ることが可能となる。
【0052】
以下に研磨パッド34aに対して直接親水化処理を実施するパッドの立ち上げ処理について説明する。
【0053】
図5に、研磨手段16における研磨パッドの親水処理装置を示す。
【0054】
同図に示すように研磨手段16には、ドレッシング装置35Aと、ウェーハWを保持する研磨ヘッド38Aと、親水化溶液を研磨パッド34a上に供給する親水化溶液供給ノズル152と、純水を研磨パッド34a上に供給する純水供給ノズル154と、前述したスラリー供給ノズル37Aとが設けられている。
【0055】
親水化溶液を親水化溶液供給ノズル152から吐出させる親水化溶液供給手段には、親水化溶液を貯蔵する親水化溶液タンクと、親水化溶液を親水化溶液タンクからくみ上げて吐出する定量ポンプと、定量ポンプが吐出した親水化溶液を研磨パッドの研磨面に供給する親水化溶液供給ノズル152とを含む親水化溶液ライン(図示せず)が設けられている。
【0056】
親水化溶液は専用の親水化溶液タンクに貯蔵されており、装置制御部19の指示に基づいて親水化溶液用定量ポンプを起動することによって、親水化溶液が親水化溶液供給ノズル152から所定の流量で吐出される。また親水化溶液と同様に、研磨スラリーはスラリー供給ノズル37Aから、純水は純水供給ノズル154から供給される。なお、前記親水化溶液やスラリー、又は純水を研磨パッドに供給する供給ラインやノズルは、前述のように個々の溶液毎に独立して設けられていてもよいし、共用していてもよい。
【0057】
なお、前記親水化溶液供給ノズル152から研磨パッド34a上に供給される親水化溶液は、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの混合溶液、酢酸ビニルゲル状溶液、ABS等、又はビニルアルコール、エタノール、若しくはイソプロピルアルコール等のアルコール類である。また、これらの溶液の混合溶液であってもよい。
【0058】
図6に、ドレッシングを実施しない場合のパッド立ち上げ処理のフローチャートを示す。
【0059】
新品の研磨パッド34aを研磨定盤に張りつけて研磨加工を開始する際には、成形加工後の研磨パッド34aの研磨性能を向上させるために、研磨パッド34aの親水化処理を行うことによって、研磨パッド34aの立ち上げ処理を行う。この場合に作業者は、先ずS100「パッド貼りつけ」にて研磨パッド34aを研磨定盤に貼る作業を行う。
【0060】
次にウェーハ研磨装置10は、自動若しくは手動でS102「親水化処理剤をパッド表面に塗布(3分間放置)」にて、親水化溶液供給手段が親水化溶液供給ノズル152から親水化溶液を(例えば純水で希釈されたビニルアルコールを100cc/minで1分間)吐出して研磨パッド34aの研磨面(表面)に散布して供給する。この散布に際して、ナイロンブラシやスポンジ等の延伸手段を用いて、装置制御部19の指示に基づいて自動又は手動で親水化溶液を研磨パッド34a全面に作用させるようにしてもよい。このように研磨パッドの表面を親水化処理することによって、早期に研磨レートを向上させることが可能となる。
【0061】
次に装置制御部19は、S104「研磨パッド押圧処理(3分間)」にて、研磨パッド34aの押圧処理を指示する。この押圧処理の一例として、先ず研磨パッド34aが貼り付けられている研磨定盤34Aを30rpmで回動させ、研磨ヘッド38AにマウントされたSi製ダミーウェーハを0.7(Mpa)程度の面圧で研磨パッド34aに擦りつけながら親水化溶液とスラリーを供給する。親水化溶液は、研磨パッド34aの研磨面全面に1分乃至3分間作用させる。その後、純水供給ノズル154から純水を2(リットル/min)で30秒間供給し、親水化溶液を洗い流す処理を行うようにしてもよい。
【0062】
次のS106「パッド立ち上がり確認研磨(ダミーウェハ4枚+モニターウェハ1枚)」にて装置制御部19は、研磨パッド34aの研磨性能が所定の性能を発揮している状態になったか否かの確認を行うための確認研磨を実施する指示を出力する。S106にて確認研磨を行った結果、研磨パッド34aの研磨性能が所定の性能に達していない場合には、S102の処理又はS104の処理に戻り、再び研磨パッド34aの親水化処理又は押圧処理等のパッドの立ち上げ処理を実施する。また、S106にて確認研磨を行った結果、研磨パッド34aの研磨性能が所定の性能を発揮していると判断した場合には、S108「ウェハ研磨」の処理に進み、装置制御部19は製品ウェーハの研磨を指示する。そして、所定の時間又は所定枚数のウェーハを研磨した後に装置制御部19は、S110「研磨パッド再生処理必要?」の判断にて、研磨パッド34aが所定の研磨レートやウェーハ表面の不均一性等の所定の研磨性能を発揮しているか否かの判断に基づいて、研磨パッド34aの再生処理を実施するか否かの判断を行う。
【0063】
もしS110の判断にて、研磨パッド34aの研磨性能が所定の性能を維持しており、研磨パッド34aの再生処理が必要でないと判断した場合には、処理はS108に戻り、製品のウェーハの研磨を続行する。また、S110の判断にて、研磨パッド34aの研磨性能が所定の性能を維持しておらず、研磨パッド34aの再生処理が必要であると判断した場合には、処理はS102に戻り、研磨パッド34aの再生処理を行う。
【0064】
なお、上記の研磨パッドの親水処理装置は、研磨パッド34aの親水処理装置として説明したが、研磨パッド34b、研磨パッド34cの親水処理装置も同様な構成として、研磨パッド34aと同様にして研磨パッド34b又は研磨パッド34cの立ち上げ処理を実施するようにしてもよい。
【0065】
図7に、ドレッシングも実施する場合のパッド立ち上げ処理のフローチャートを示す。
【0066】
同図に示すパッド立ち上げ処理では、図6に示した処理に加えてS101「ドレッシング」の処理を設けている。なお、図6に示した処理と同一の処理を実施するステップの説明は重複するので省略する。
【0067】
ウェーハ研磨装置10にて多くのウェーハの研磨処理を実施すると、ウェーハWの表面が研磨されるのと同様に研磨パッド34aの表面も僅かながら研磨され、研磨パッド34a自体の平面度が悪化してしまう。例えば研磨パッド34aの摩耗はウェーハWの研磨量に略比例するために、ウェーハWの中心付近が接触する部分は多く研磨され、ウェーハWの端を研磨する部分はあまり減らない。この状態ではいくら親水化処理を実施して研磨レートが回復しても、ウェーハWの不均一性の悪化を阻止することは困難である。したがって、研磨パッド34aの平面度も回復させたい場合には、パッド立ち上げ処理にてS101のドレッシング処理を加えて、研磨パッド34aの平面度を回復する。ドレッシング処理は、図5に示すドレッシング装置35Aを適宜移動しながらドレッサー156を研磨パッド34aに当ててドレッシング処理を行う。
【0068】
S101のドレッシング処理では、純水供給ノズル154から純水を供給しながらドレッシングを実施してもよいし、スラリー供給ノズル37Aからスラリーを供給しながらドレッシングを実施してもよいし、親水化溶液供給ノズル152から親水化溶液を供給しながらドレッシングを実施してもよいし、その他の専用のドレッシング液を供給しながらドレッシング処理を実施してもよい。
【0069】
また、後のS104において、研磨パッドの押圧処理と同時にドレッシング処理を並行して行って、研磨パッド34aの表面の親水化処理を確実に実施するようにしてもよい。S104等にてドレッシング処理を実施した場合には、ドレッシングによる削りかすを純水で洗い流しておくとよい。
【0070】
上記の実施例では、S102の処理でウェーハ研磨装置10を用いて研磨パッド34aの親水化処理を実施しているが、ウェーハ研磨装置10の外で以下に示す処理を実施しても本発明の目的を達成することが可能となる。
【0071】
その場合には、先ずテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの混合溶液等の親水化溶液を入れた容器の中に、ポリウレタン製等の研磨パッド34aを浸漬して親水化溶液に浸す。このとき、研磨パッド34aの直径が762mmの場合には、例えば780mm四方で深さ100mmの容器にテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの混合溶液等の親水化溶液を70mmの深さまで注ぎ込み、その中にポリウレタン製の研磨パッド34aを浸漬する。浸漬時間は、例えば室温が20℃である場合には1時間浸漬する。
【0072】
その後、オーバーフロー純粋槽に20分間浸漬して濯ぎ処理を行う。次に乾燥器で脱水乾燥処理を40分実施する。以上の処理を行うことによって、ウェーハ研磨装置10を用いずに予め親水化処理を行った研磨パッドを得ることが可能となる。
【0073】
また、研磨パッド34aに要求される物性として、厚み、硬度、密度、圧縮率、圧縮回復率、圧縮弾性率などがあげられる。特に研磨パッド34aの圧縮率や圧縮弾性率が所定の値を確保していないと、研磨加工中における研磨パッド34aの変形によってウェーハWの表面の不均一性が悪化する。圧縮率及び圧縮弾性率の算出例を下記の式1及び式2に示す。なお圧縮率及び圧縮弾性率は、下記の算出例に限定されるものではなく、他の演算方法によって算出するものであってもよい。
【0074】
【数1】
圧縮率(%)=(T1−T2)/T1×100…(1)
圧縮弾性率(%)=(T3−T2)×(T1−T2)×100…(2)
但し、
T1:研磨パッドに所定の圧力を60秒間加えた直後の研磨パッドの厚み
T2:T1測定後更に所定の圧力を60秒間加えた直後の研磨パッドの厚み
T3:T2測定後に60秒間圧力を開放し、その後圧力を60秒加えた直後の研磨パッドの厚み
圧縮率や圧縮弾性率の要求を満たすために研磨パッドの材質は、独立気泡を有するポリウレタン発泡体や不織布、又は高架橋ウレタンポリマーを採用したり、反りやうねりのあるウェーハWに対応するために研磨パッドを2重構造として下地に緩衝層を配したものなどが採用されている。しかし、このような研磨パッドであっても、使用による圧縮率や圧縮弾性率が変化する初期特性があるために、最初のウェーハWを研磨する際の研磨パッドの特性と、1乃至複数のウェーハWを研磨した後の特性とが大きく異なってしまい、所定の研磨レートやウェーハの不均一性を確保できないという不具合を生じている。
【0075】
従来のダミーウェーハやドレッサーを用いたS204「パッド立ち上げ研磨(ダミーウェハ10枚)」等の研磨パッド立ち上げ処理(図11参照)では、結果的に研磨パッド34aに所定の圧力が複数回印加され、物理的に所定の圧縮弾性率に達していたと考えられる。
【0076】
本発明では、以下に示すように直接研磨パッド34aを、所定の圧力で所定の時間押圧処理を行うことによって、ドレッサーやダミーウェーハを用いることなく圧縮率や圧縮弾性率の特性を物理的に飽和させて、所定の圧縮率や圧縮弾性率を効率良く得ることが可能となる。
【0077】
図8に、加圧プレートを用いた研磨パッド押圧処理時の側面図を示す。
【0078】
同図に示す例は、図5に示した研磨手段16に独立した専用の加圧プレート158(押圧手段)を追加した実施の形態を示している。加圧プレート158は、ドレッシング装置35Aや研磨ヘッド38Aのような図示しない押圧機構(コンディショニングユニット)が設けられており、所定の押圧力で研磨パッド34aを押圧して、研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所定の値に調節することが可能となっている。
【0079】
同図に示すように研磨パッド34aに対してスラリー若しくは親水化溶液等を供給しながら加圧プレート158を所定の押圧力で研磨パッド34aに対して押圧して、図6若しくは図7に示すS104「研磨パッド押圧処理」を実施する。研磨パッド34aは、連続的又は断続的に回動させて全面に対して押圧処理を実施する。このとき、前述のS104の処理と同様に、研磨ヘッド38AにマウントされたSi製ダミーウェーハを併用して押圧処理を実施してもよいし、ダミーウェーハを用いなくてもよい。また、ドレッサーを併用してもよいし、ドレッサーを併用しなくてもよい。加圧プレート158の加圧部の素材には、セラミックスを用いてもよい。また、加圧プレート158を押圧する押圧力は、通常研磨を実施する際にウェーハWを押圧する押圧力よりも高い押圧力で押圧処理を実施するようにしてもよい。
【0080】
押圧処理に要する時間を短縮する場合には、加圧プレート158を研磨パッドの研磨面全面を一度に押圧可能な大きさに構成する。そして一度に研磨面全面を押圧して、研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を調節するようにしてもよい。
【0081】
以下に、S104における研磨パッド押圧処理の実施例を示す。
1.スラリー供給ノズル37Aから1(リットル)のスラリー、又は2(リットル)のテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの混合溶液等の親水化溶液を研磨パッドの表面に供給する。
2.加圧プレート158(押圧手段)を用いて研磨パッド34aの研磨面に8.4(Mpa)の押圧力を10秒間静圧にて印加する。
【0082】
この10秒間の押圧中3回、除荷と加圧とを繰り返して実施するようにしてもよい。
3.加圧プレート158を除荷して、研磨パッド34aの研磨面から持ち上げる。
4.次に、研磨パッド34aを30度回動させて、研磨パッドにおける押圧位置を変更する。
5.上記2〜4の処理を繰り返して行い、研磨パッド34aがスラリー又は親水化溶液に浸された状態で、研磨パッド34aに対して1周分押圧処理を実施する。
【0083】
図9に、プレスローラを用いた研磨パッド押圧処理時の側面図を示す。
【0084】
図9(A)は、プレスローラを用いた研磨パッド押圧処理時における研磨手段16の側面図を示し、図9(B)は平面図を示している。
【0085】
同図に示す例は、図5に示した研磨手段16に押圧手段としてプレスローラ160を用いた場合の実施の形態を示している。プレスローラ160は、ドレッシング装置35Aや研磨ヘッド38Aのような図示しない押圧機構が設けられており、所定の押圧力で回動可能な研磨パッド34aの研磨面を押圧することが可能となっている。
【0086】
同図に示すようにプレスローラ160を所定の押圧力で研磨パッド34aに対して押圧して、図6若しくは図7に示すS104「研磨パッド押圧処理(3分間)」を実施する。するとプレスローラ160が研磨パッド34aの回動とともに回転して、研磨パッド34a全面がまんべんなく押圧されて、研磨パッド34aが圧縮変形する。また、前述のS104の処理と同様に、研磨ヘッド38AにマウントされたSi製ダミーウェーハを併用して押圧処理を実施してもよいし、ダミーウェーハを用いなくてもよい。また、ドレッサーを併用してもよいし、ドレッサーを併用しなくてもよい。このとき、研磨パッド34aに対して必要に応じてスラリー等を供給しながら押圧処理を実施してもよい。また、プレスローラ160の回転ローラは、円筒形状であってもよいし円錐形状であってもよい。
【0087】
図10に、スラリーと親水化処理溶液とを混合する混合装置のブロック図を示す。
【0088】
同図に示すように、混合装置には、スラリーを貯蔵するスラリータンク162と、親水化溶液を貯蔵する親水化溶液タンク164と、スラリーを研磨パッドに供給する定量ポンプ166と、親水化溶液を研磨パッドに供給する定量ポンプ168とが設けられている。また、必要に応じて親水化溶液とスラリーとを混合するバッファタンク172や、定量ポンプ168が吐出した親水化溶液を親水化溶液供給ノズルに供給する場合とバッファタンク172に供給する場合とを切り換える切替弁とを設けてもよい。なお、親水化溶液供給ノズル152と切替弁170を省略して、スラリー供給ノズル37Aからスラリーと親水化溶液を混合したものを研磨パッド上に供給するようにしてもよい。
【0089】
同図に示す混合装置を設けることによって、スラリーと親水化溶液とが十分に混合されるので、むらなく研磨パッドの親水化処理を行うことが可能となる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、研磨パッドの研磨面全面を一度に押圧して研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を調節する押圧手段を備えたので、短時間で研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能となる。
【0091】
また、他の発明によれば、研磨パッドの研磨面を押圧するとともに、研磨パッドの回動とともに回転可能なプレスローラを備えたので、少ない抵抗力で短時間に研磨パッドの圧縮率や圧縮弾性率を所望の値に調節することが可能となる。
【0092】
また本発明によれば、従来多大な時間を必要としていた研磨パッドの立ち上げ処理に要する時間を短縮することが可能となり、また従来多大な費用を必要としていた研磨パッドの立ち上げ処理の処理費用を軽減することが可能となる。
【0093】
なお、上記の研磨パッドの立ち上げ処理の結果、研磨パッドの表面が化学的に親水化処理され、研磨加工中に研磨パッドにスラリーが早急に十分含浸するようになるので、研磨レートが向上するとともに研磨均一性が向上する。
【0094】
また、研磨パッドのドレッシング時間を短縮することが可能、又はドレッシングを不要とすることが可能となるので、研磨パッドの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るウェーハ研磨装置の全体平面図
【図2】本発明の実施の形態に係るウェーハ研磨装置の構成を表わすブロック図
【図3】研磨ヘッドの全体構成を示す図
【図4】研磨ヘッドにおける研磨形状制御手段の構成を示す縦断面図
【図5】研磨パッドの親水処理装置を示す図
【図6】ドレッシングを実施しない場合のパッド立ち上げ処理のフローチャート
【図7】ドレッシングを実施する場合のパッド立ち上げ処理のフローチャート
【図8】加圧プレートを用いた研磨パッド押圧処理時の側面図
【図9】プレスローラを用いた研磨パッド押圧処理時の側面図及び平面図
【図10】スラリーと親水化処理溶液とを混合する混合装置のブロック図
【図11】従来のパッド立ち上げ処理の作業手順を示す図
【図12】研磨装置におけるウェーハ処理枚数(ウェーハ研磨枚数)と研磨レート及び、ウェーハ処理枚数とウェーハ表面の不均一性の関係を示す図
【符号の説明】
W…ウェーハ、10…ウェーハ研磨装置、11…記憶手段、13…研磨性能指標計算部、14…搬送手段、15…研磨状況判断部、16…研磨手段、17…研磨条件設定部、18…洗浄・乾燥手段、19…装置制御部、19A…表示手段、20A…製品用ウェーハ収納部、20B…ダミーウェーハ収納部、20C…第1モニターウェーハ収納部、20D…第2モニターウェーハ収納部、22…インデックス用ロボット、26,28…受渡しポート、29…膜厚測定手段、30…トランスファーロボット、34A、34B、34C…研磨定盤、34a、34b、34c…研磨パッド、35A、35B、35C…ドレッシング装置、36A、36B…搬送ユニット、38A、38B…研磨ヘッド、39…研磨形状制御手段、152…親水化溶液供給ノズル、154…純水供給ノズル、156…ドレッサー、158…加圧プレート、160…プレスローラ、162…スラリータンク、164…親水化処理溶液タンク、166…定量ポンプ、168…定量ポンプ、170…切替弁、172…バッファタンク

Claims (3)

  1. ウェーハを研磨パッドの研磨面に接触させてウェーハ表面を研磨する研磨装置において、
    研磨パッドの研磨面全面を一度に押圧して研磨パッドの圧縮率又は圧縮弾性率を調節する押圧手段を備えたことを特徴とする研磨装置。
  2. ウェーハを研磨パッドの研磨面に接触させてウェーハ表面を研磨するとともに、回動可能な研磨パッドを備えた研磨装置において、
    研磨パッドの研磨面を押圧するとともに、研磨パッドの回動とともに回転可能なプレスローラを備えたことを特徴とする研磨装置。
  3. 回動可能な研磨パッドの研磨面を押圧する専用の押圧手段を備えるとともに、ウェーハを研磨パッドの研磨面に接触させてウェーハ表面を研磨する研磨装置における研磨パッドの処理方法であって、
    前記押圧手段が研磨パッドの研磨面を押圧する工程と、
    研磨パッドを回動させて研磨パッドにおける押圧位置を変更する工程と、
    を含み、研磨パッドの圧縮率又は圧縮弾性率を調節することを特徴とする研磨パッドの処理方法。
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