JP2004062034A - 偏光カプラ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、高信頼性で、かつ、全ての光ファイバをケースの一方の側に出すことができる取扱の容易な偏光カプラを提供する。
【解決手段】複数本の光ファイバ11〜13をレンズ15の一方の側に配置して構成した光ファイバコリメータと、特定方向の直線偏光を反射させるが、その直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過する性質を有する素子16と、その素子を透過して進行する偏光を反射する反射体19とを、これら複数本の光ファイバのうちのいずれか1本から出射した光が、これらの複数本の光ファイバのうち、他の光ファイバに光結合できるように配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】複数本の光ファイバ11〜13をレンズ15の一方の側に配置して構成した光ファイバコリメータと、特定方向の直線偏光を反射させるが、その直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過する性質を有する素子16と、その素子を透過して進行する偏光を反射する反射体19とを、これら複数本の光ファイバのうちのいずれか1本から出射した光が、これらの複数本の光ファイバのうち、他の光ファイバに光結合できるように配置した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光カプラに関し、さらに具体的には、レンズの一方の側に配置した複数本の光ファイバ端部と前記レンズとを有して構成されている光ファイバコリメータと、特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子および前記素子の裏側に、すなわち光路において前記素子に直列に配置され前記素子を透過して入射した光を反射するように配置された反射体とを対向させて配置して構成した、小型で高品質の偏光カプラに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明における以下の説明では、偏光のことを偏波ということもある。
偏光カプラは、偏光合成・分離器あるいは偏波合成・分離器ということもできるが、たとえば、これに限定されないが、2つの入力ポートから入力したそれぞれ直交する偏光光線を合成して1つの出力ポートから出力する光デバイスである。
【0003】
偏光カプラは、たとえば光ファイバ増幅器に用いられており、2つの励起光源としてのレーザダイオードからの励起光を偏波合成してEDF(エルビウム添加光ファイバ)に入力する励起光パワーを増幅するのに用いられている。
【0004】
従来、偏光カプラとしては種々の方式のものが開発されており、その代表的な例として、まず、図4に示すような2個の直角三角形プリズムを接合して構成した偏光プリズムを用いた偏光カプラと、それを改良した、図5に示すような光路変更素子と複屈折平行板を用いた偏光カプラをあげることができる。
【0005】
図4と図5に示す方式の偏光カプラの詳細については、偏光合成器として特開2001−75052号公報に述べられているが、以下にそれらの特徴を簡単に記す。
【0006】
図4は従来の偏光カプラの第1の例を説明する図である。図4で、符号101は偏光カプラ、102は偏波保持光ファイバ105(以下、光ファイバのことを、単に、ファイバともいい、偏波保持光ファイバのことを、単に、PMFともいう)の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第1の光ファイバコリメータ、103はPMF106の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第2の光ファイバコリメータ、104は光ファイバ107の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第3の光ファイバコリメータ、110は2個の直角三角形プリズム111と112の斜面を偏光分離膜114を介して接着剤で接合した偏光分離プリズム、115〜117は光路、118,118a,119,119aは偏光の方向を説明するための記号である。
【0007】
図4の偏光カプラ101で、PMF105を伝送され第1の光ファイバコリメータ102から出射された、記号118の矢印方向の偏光光線は、光路115を通り、偏光分離プリズム110に入射し、偏光分離膜114を透過して直進し、記号118aの矢印方向の偏光光線として光路117を進行して第3の光ファイバコリメータ104に入射する。PMF106を伝送され第2の光ファイバコリメータ103から出射された、記号119の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線は、光路116を通り、偏光分離プリズム110に入射し、偏光分離膜114で反射し、記号119aの○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線として光路117を進行して第3の光ファイバコリメータ104に入射する。すなわち、第1の光ファイバコリメータ102からの偏光光線と第2の光ファイバコリメータ103からの偏光光線は、合成されて光路117から第3の光ファイバコリメータ104の光ファイバ107に光結合する。
【0008】
しかし、図4の偏光カプラ101は、第1の光ファイバコリメータ102と第2の光ファイバコリメータ103と第3の光ファイバコリメータ104を、図のようにT字型に配置しなければならず、光通信システム内で大きなスペースを必要とし、さらに、光ファイバを大きく引き回さなければならないため、小型化、細径化ができなかった。また、偏光分離膜114の部分は2個のプリズムの接着剤による張り合わせで構成されているためにハイパワーの光が入射すると光パワーを吸収し熱を発生させ偏光分離膜114の焼けによる劣化の原因となってしまっていた。
【0009】
図5は従来の偏光カプラの第2の例を説明する図で、図4の偏光カプラについての前記の如き欠点を改善せんとして開発されたものである。図5で、符号150は偏光カプラ、151は平行な2本のPMF155,156の端部を、それらの出力光の偏光方向が互いに直交するようにフェルールで保持して、コリメートレンズ(図示せず)とともに構成した第1の光ファイバコリメータ、152は光ファイバ157の端部を保持して、コリメートレンズ(図示せず)とともに構成した第2の光ファイバコリメータ、153は光路変更素子、154は複屈折結晶を使用した複屈折平行板、161a,161b,162a〜162c,163は光路、171〜176は偏光方向を説明するための記号である。
【0010】
図5の偏光カプラ150で、2本のPMF155,156の一方のファイバから出射した記号171で示した矢印方向の偏光光線は、第1の光ファイバコリメータのコリメートレンズの中心を通り、光路161aを通り、複屈折平行板154で光路を曲げられて記号173で示した矢印方向の偏光光線として光路161bを進行し、複屈折平行板154から出て光路163を進行する。
【0011】
一方、2本のPMF155,156の他方のファイバから出射した記号172の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線は、第1の光ファイバコリメータのコリメートレンズの中心からはずれた位置を通り、光路162aを通り、光路変更素子153で光路を光路161aと平行な光路162bを通り、複屈折平行板154に入射して記号174の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線として光路162cを進行し、複屈折平行板154からの出射位置で光路161bを進行してきた前記一方の偏光光線と合成されて光路163を進行する。すなわち、第1の光ファイバコリメータ151の光ファイバ155,156からの互いに直交する偏光光線は、複屈折平行板154を出射して光路163から第2の光ファイバコリメータ152の光ファイバ157に光結合し、矢印175と○印176で示した偏光成分を合成された光となる。
【0012】
図5の偏光カプラは、図4の偏光カプラが入力ポートすなわち3つの光ファイバコリメータをT字型に配置しなければならなかったのに比較して、入力側と出力側の光ファイバコリメータを一直線上に配置することができ、小型化・細径化できる利点が強調されている。
【0013】
図6は従来の偏光カプラの第3の例を説明する図で、偏波合成素子として、方解石などの結晶を用いずに、光学ガラスからなる平行平面板360に、図示のように、反射防止膜361と362,偏光膜363と364を形成したものを用いており、その詳細は特開2000−214328号公報に述べられているが、以下にその特徴を簡単に記す。
【0014】
図6で、符号351は偏光カプラ、352〜354は光ファイバ、352a,353a,354aは光ファイバの巻回部、355〜357は光ファイバコリメータ、360aと360bは平行平面板360の面、365〜367および371〜375は光路である。
【0015】
図6の偏光カプラ351では、光ファイバ352を進行し光ファイバコリメータ355から出射した偏光p波は、光路365からほぼブリュースター角で偏光膜363を透過して平行平面板360に入射し、光路366を通り、反射防止膜362から出射し光路367から光ファイバコリメータ357に光結合し、光ファイバ354を進行する。また、光ファイバ353を進行し光ファイバコリメータ356から出射した偏光s波(p波に直交する偏光)は、光路371からほぼブリュースター角で反射防止膜361を透過して平行平面板360に入射し、光路372を通り、偏光膜364で反射され光路373を通り、偏光膜363で反射され光路374を通り、偏光膜364で反射され光路375を通り、偏光膜363で反射され光路366を通り、反射防止膜362から出射し光路367から光ファイバコリメータ357に光結合し、光ファイバ354を進行する。
【0016】
図7と図8は従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、図7は角形ケースに実装した偏光分離合成カプラ、図8は光ファイバ保持部材として2芯キャピラリを使用して円筒ケースに実装した2芯型偏光カプラある。
【0017】
図7と図8で、符号201と251は偏光カプラ、202〜204と252〜254は光ファイバ、202a,203a,204a,252a,253a,254aはそれぞれ光ファイバ202〜204,252〜254の円形に束ねた巻回部、205〜207,255,257は光ファイバ保持部材、208〜210,258,260は光ファイバコリメータ、211と261は筐体である。
【0018】
図6の偏光カプラは図7のように実装することができ、図5の偏光カプラは図8のように実装することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5の偏光カプラ150は、脆いためにその取扱および実装時には十分な経験と注意が必要な複屈折結晶を用いていること、複屈折結晶を使用する際に光路を操作するための光学部品が必要となり部品点数が増えること、長さが長くなること、信頼性上に不安があることなどの欠点を有していた。また、光ファイバを偏光カプラの両側に出すため、光ファイバを60mm以下の径に巻くと破損するということがいわれていることからもわかるように、光ファイバのとり回し容積を大きく必要とした。
【0020】
図6の偏光カプラ351は、複屈折結晶を使用しなくてもよいという利点はあるが、偏波合成素子に入射する偏光の入射角をブリュースター角すなわち57度近傍にしなければ低損失の偏光カプラを作成できず、p波とs波の間隔を大きくする必要があり、長さが長いだけでなく幅の広いケースを必要としている。
【0021】
また、偏光カプラ351は、誘電体多層膜を最低4面は蒸着しなくてはならず、コスト及び歩留まりが悪くなる欠点があった。
【0022】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、従来の欠点を一掃し、取扱の容易な部品を偏光分離・合成素子に用いることができ、部品点数が少なく、高信頼性で、細型で、長さも短く、全ての光ファイバをケースの一方の側に出すことができる取扱の容易な偏光カプラを安価に提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明の偏光カプラは、レンズの一方の側に配置した複数本の光ファイバ端部と前記レンズとを有して構成されている光ファイバコリメータと、前記光ファイバコリメータに対向させて配置されている特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子と、前記素子を透過して入射した光を反射するように光路において前記素子と直列に配置された反射体とを有する偏光カプラであって、前記光ファイバのうちのいずれか1本の光ファイバから出射して前記素子を透過して前記反射体に入射し前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路と該偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線がなす角度と、前記入射光路と前記反射体の入射面の法線がなす角度が異なる角度であり、前記素子と前記反射体は、前記光ファイバコリメータを構成している異なる各1本の光ファイバから前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバに光結合を行うことができるように配置されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の偏光カプラの例は、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路の互いに反対側にあることを特徴としている。
【0025】
本発明の偏光カプラの例は、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路に関して対称な関係にあることを特徴としている。
【0026】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバコリメータを構成している複数本の光ファイバが、光ファイバを挿入して保持することができる貫通孔が形成されている一体の光ファイバ保持部材に保持されていることを特徴としている。
【0027】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材に形成されている少なくとも3つの貫通孔の互いに隣り合っている2つの貫通孔のうちの少なくとも1組が、少なくともそこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端部の近傍において、当該貫通孔の長手方向に沿って形成されている、当該貫通孔の最大径より小さい寸法の幅のスリットもしくは当該貫通孔の最大径より小さい寸法の短径を有する穴を介して連結されていることを特徴としている。
【0028】
本発明の偏光カプラの例は、前記保持部材の2つの貫通孔を連結しているスリットの幅もしくは穴の短径は、その両側に位置する貫通孔のうち、内径の小さい方の貫通孔の、そこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端面における内径の20%以上80%以下であることを特徴としている。
【0029】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材が円柱形の外形を有していることを特徴としている。
【0030】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材に形成されている貫通孔の1つは、そこに保持される光ファイバの端部が保持される側における内径が他の貫通孔の内径よりも小さい内径の貫通孔であることを特徴としている。
【0031】
本発明の偏光カプラの例は、前記小さい内径の貫通孔に保持されている光ファイバが前記光ファイバ保持部材の中心に位置していることを特徴としている。
【0032】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体に対向させて配置されている前記光ファイバコリメータを構成する前記複数の光ファイバの数が3本であることを特徴としている。
【0033】
本発明の偏光カプラの例は、前記複数本の光ファイバには、少なくとも1本の以下においてSMFとも称するシングルモード光ファイバと少なくとも2本の以下においてPMFとも称する偏波保持光ファイバとがあり、2本の前記PMFの間に1本の前記SMFが配置されていることを特徴としている。
【0034】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置している光ファイバがSMFであることを特徴としている。
【0035】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体とが一体に形成されているか一体の状態に接合されていることを特徴としている。
【0036】
前記素子は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射される光の特定の方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの一方の側の隣に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されているとともに、前記反射体は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射されて前記素子に入射し透過してきた前記特定の方向に直交する方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの他方の側に配置されている光ファイバ、すなわち、前記素子により反射される前記特定の方向の偏光が入射する光ファイバが配置されている前記一方の側とは異なる側に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されていることを特徴としている。
【0037】
本発明の偏光カプラの例は、前記反射体は前記素子の前記光ファイバコリメータに対向して配置されている面の裏側の面に薄膜形成技術を用いて形成された反射膜であることを特徴としている。
【0038】
本発明の偏光カプラの例は、前記反射体は前記素子とは独立に作製された反射体であることを特徴としている。
【0039】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバから前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方への入射光の入射角を変える手段を設けたことを特徴としている。
【0040】
本発明の偏光カプラの例は、前記入射角を変える手段が前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方の位置または光路に対する傾きを変えることができる手段であることを特徴としている。
【0041】
本発明の偏光カプラの例は、前記入射角を変える手段が前記素子と反射体のいずれか一方または双方を回転することができる回転機構であることを特徴としている。
【0042】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体の前記素子を含む一方または双方が、以下において層Lとも称する屈折率が比較的低い膜と以下において層Hとも称する屈折率が比較的高い膜とを交互に複数層積層して形成した多層膜で形成されている、以下において多層膜偏光子とも称する素子であることを特徴としている。
【0043】
本発明の偏光カプラの例は、前記層LがSiO2を主成分とする層であり、前記層HがSiまたはTiO2を主成分とする層であることを特徴としている。
【0044】
本発明の偏光カプラの例は、前記多層膜偏光子の多層膜が形成されている基板の前記素子を形成する面には凹凸構造があり、前記反射体が位置する側の面には凹凸構造が形成されていないことを特徴としている。
【0045】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子がフォトニック結晶であることを特徴としている。
【0046】
本発明の偏光カプラの例は、前記フォトニック結晶が、3次元の直交座標x,y,zにおいて、屈折率の異なる2種類以上の透明体よりなるz軸方向の多層構造体であって、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状がx軸方向に周期凹凸構造を有し、y軸方向には一様であるか、またはx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な凹凸構造を有し、その形状を周期ごとに繰り返しつつz軸方向に層状に積層されていて、入射方向がz軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する素子であることを特徴としている。
【0047】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバコリメータに用いられているレンズとして、凸レンズ、平凸レンズ、グリンレンズなどを用いて前記光ファイバから出射する光を平行光線にすることができる。
【0048】
本発明の偏光カプラの例は、前記複数本の光ファイバとして少なくとも1本のSMFと少なくとも2本のPMFが用いられており、前記光ファイバ保持部材の概ね中心に前記SMFが保持されており、前記2本のPMFは前記光ファイバ保持部材の中心に保持されているSMFに隣接させ、かつ、少なくとも光ファイバの端部近傍において1本の当該SMFと2本の当該PMFの中心線が大凡一平面をなすように保持されていることを特徴としている。
【0049】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子に対向して、1本のSMFと2本のPMFを1つの光ファイバ保持部材に保持して光コリメータを構成するレンズとともに配置し、前記SMFを中央にその両隣に各前記PMFを配置し、一方のPMFからは前記素子に反射される偏光を出射させて前記素子に入射させ前記素子で反射させて前記SMFに入射させ、他方のPMFからは前記素子を透過する偏光を出射させて前記素子を透過させ前記反射体に入射させ前記反射体で反射させて再び前記素子を透過させ前記SMFに入射させるように構成したことを特徴としている。
【0050】
本発明の偏光カプラの例は、前記偏光カプラが1つの筐体に3本の光ファイバが前記筐体の同一側に出るように実装されていることを特徴としている。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は、本発明の実施の形態例を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複する説明を省略することもある。
【0052】
図1は本発明の実施の形態例としての偏光カプラの構成を説明する図で、符号1は、本発明の実施の形態例としての偏光カプラ、11〜13は光ファイバ、11a,12a,13aはそれぞれ光ファイバ11,12,13の端面、14は光ファイバ保持部材、15はレンズ、16は特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子の例としての、たとえば、光学基板17に多層膜18を形成して成るフォトニック結晶、19は反射体、21〜44は光路である。なお、符号16は、誤解を生じないようにしながら、前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子に用いる場合と、その例としてのフォトニック結晶に用いる場合がある。
【0053】
各部品の実装に関する部品は図示しないが、実装においては、従来上記各部品を保持するのに用いることができる各種保持部材を使用して、たとえば、これに狭く限定されないが、図2で後述するようなケースに実装することができる。
【0054】
図1において、光ファイバ11から出射してレンズ15を通りフォトニック結晶16で反射された偏光は再びレンズ15を通り光ファイバ12に光結合して入射し、光ファイバ13から出射してレンズ15を通りフォトニック結晶16を透過して反射体19で反射された偏光は再びレンズ15を通り光ファイバ12に光結合して入射するように、各構成要素が配置されている。
【0055】
図1の偏光カプラ1において、光ファイバ11と13としてPMFを用い、光ファイバ12としてSMFを用いる。そして、前記のように、光ファイバ11と光ファイバ13を伝送される偏光を偏光の振動方向が互いに直交する直線偏光で、一方はフォトニック結晶16で反射され、他方はフォトニック結晶16を透過する偏光であるようにする。
【0056】
図1における光結合の例をさらに具体的に説明すると、光ファイバ11から出射されたフォトニック結晶16で反射される偏光ビームは、光路21,23,25のように広がり、レンズ15を通り平行光線となって光路22,24,26を通り、フォトニック結晶16で反射されて平行光線として光路28,31,34を通り、レンズ15を通り光路27,30,33を通り、光ファイバ12に光結合して入射する。
【0057】
光ファイバ13から出射されたフォトニック結晶16を透過して反射体19に入射して反射体19で反射される偏光ビームは、光路36,39,40のように広がり、レンズ15を通り平行光線となって光路37,40,43を通り、フォトニック結晶16を透過して平行光線として光路38,41,44を通り反射体19で反射されて平行光線として光路29,32,35を通り、フォトニック結晶16を透過して平行光線として光路28,31,34を通りレンズ15を通り光路27,30,33を通り、光ファイバ12に光結合して入射する。
【0058】
このようにして、光ファイバ11と13から出射した互いに振動方向が直交する2つの直線偏光は光ファイバ12に光結合して入射され、円偏光あるいは楕円偏光としてSMF12内を伝送される。
【0059】
図1の例のように、光ファイバ11から出射する素子16で反射される性質を有する光ビームを、レンズ15を使用して平行光線にすることにより、レンズの前焦点位置に配置した素子16で反射させ、レンズ15を介して光ファイバ12に結合させる。そして、光ファイバ13から出射する素子16を透過する性質を有する光ビームを、レンズ15を使用して平行光線にすることにより、素子16を透過させ、反射体19で反射させて再び素子16を透過させ、レンズ15を介して光ファイバ12に結合させる。
【0060】
前記素子16を透過する偏光光線(図1の例の場合は光ファイバ13から出射する光線)はレンズによって平行光線になっているので、たとえば、前記反射体の位置はその光路に沿った位置を限定せずに光路に対する反射体の角度だけを調整することによって、目的とする光ファイバ(図1の場合は光ファイバ12)に光結合するようにすることができる。
【0061】
前記反射体を前記素子の基板の裏面に蒸着等によって反射膜を形成すれば、反射体の構造を簡単にすることができ、偏光カプラの構造も簡単になり、製造コストを安くすることができる。
【0062】
図2は図1で説明した構成の本発明による偏光カプラを実装した図である。図2で、符号51は本発明の光カプラ、52と54はPMF、53はSMF、52b、54bは光ファイバを巻回した部分、55は光ファイバコリメータ、56は円筒ケース、57は光ファイバ保持部材である。
【0063】
PMF52、PMF54、SMF53は一体の光ファイバ保持部材57に保持されている。保持部材57は外形形状が円柱形状をしており、図示しないが、その中心軸線にほぼ平行な3つの貫通孔が設けられており、前記3つの貫通孔はその各中心軸線が概ね一平面を形成するように、かつ、互いに隣り合った2つの貫通孔は、その断面の直径よりも小さな幅のスリットあるいはその貫通孔の断面の最大径よりも小さな短径の細長い穴で連結されている。保持部材57に設けられている前記3つの貫通孔は、前記のように、スリットあるいは穴を介してつながっており、その中の2つの貫通孔にはPMFがそれぞれ挿入され、残りの1つにはSMFが挿入され、いずれも接着剤で固定されている。各貫通孔には各光ファイバの被覆を除去したファイバ自体(光ファイバのコアとクラッド部から成る)が挿入され保持される。
【0064】
前記3つの各貫通孔は各光ファイバの被覆を除去したファイバ自体の外径よりほんのわずかに大きな直径を有している。SMF53が挿入・保持されている貫通孔は、その中心軸線は光ファイバ保持部材57の中心軸線と概ね一致するように形成されており、前記3つの貫通孔のうち最も小さい内径を有している。PMF52と54が挿入・保持されている残りの2つの貫通孔は、その各中心軸線は光ファイバ保持部材57の中心軸線とほぼ平行で、SMF53が挿入・保持されている貫通孔をはさんでその両側に設けられており、その各内径はおおよそ等しく、かつ、SMF53が挿入・保持されている貫通孔の内径よりも大きい。光ファイバ保持部材に保持された状態で、SMF53とPMF52とPMF54は、SMF53を挟んでその両側に、3本の光ファイバの各中心軸線がおおよそ一平面上になるように配置されており、3本の光ファイバは、隣り合っている各2本づつほぼ密着状態になっている。
【0065】
光ファイバ保持部材57に前記のように1本のSMFとその両側に2本のPMFがほぼ密着状態で平行に保持されているため、図1のフォトニック結晶16及び反射板19への入射角は90度に近い値にすることができる。
【0066】
図3は、前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子と光路において前記素子に直列に配置されている反射板の形状と配置について説明する断面図で、図1の素子16の一部を拡大して、説明に必要な部分を追記したものである。
【0067】
図3で、符号70は光路32に直交する線分、71は光路31を通る光の前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子16への入射位置における前記素子16の法線、72は光路31を通り前記素子16を透過した偏光が光路32を通り反射体19へ入射する入射位置における反射体19の法線、73は光路40を通り前記素子16を透過し光路41を進行して反射体19で反射され光路32へと進行する偏光の前記素子16への入射位置における前記素子16の法線、θ1は法線71と光路31のなす角、θ2は法線72と光路32のなす角、θ3は光路40と法線73のなす角、θ4は光路41と法線72のなす角である。
【0068】
図1を用いて説明したように、光ファイバ11と光ファイバ13から前記の各偏光を出射させて前記素子16と反射体19によってそれぞれ反射させて光ファイバ12に光結合させるためには、図3において、角θ1とθ2は光路31から前記素子16を透過して光路32を通り反射体19に入射する光路に関して互いに反対側にあり、角θ3とθ4は異なる値になっている。
【0069】
また、素子16の面18と反射体19は線分70に関しておおよそ同じ大きさで逆方向の傾きを有している。
【0070】
以上、図1と図2を用いて、SMFとその両隣に配置した2本のPMFの間において、前記2本のPMFから互いに直交する方向の振動面を有する直線偏光を出射させ、フォトニック結晶と反射体によって反射させて前記SMFに光結合させる偏光カプラの動作について説明したが、本発明の偏光カプラの用い方はこれに限定されるものでなく、前記SMFから、たとえば、円偏光を出射させてフォトニック結晶と反射体によって偏光分離ならびに反射させて前記2本のPMFに互いに直交する偏光として光結合させることもできる。
【0071】
なお、図1で説明したフォトニック結晶16はレンズ15の焦点位置に配置されている。
【0072】
ここでいうフォトニック結晶16は、透過・反射型の偏光分離素子として作用する素子であり、特定の方向の偏光を透過し、前記特定の偏光に直交する方向の偏光を反射するという性質を有する素子である。
【0073】
フォトニック結晶16は、屈折率が比較的高い層(以下、層Hともいう)と屈折率が比較的低い層(以下、層Lともいう)を複数層積層して形成した多層膜素子で構成することができ、前記層HとしてはSiまたはTiO2を主成分とする層があり、前記層LとしてはSiO2を主成分とする層がある。そして、前記多層膜素子の各層はアモルファス層を用いて形成することができる。
【0074】
本発明に用いるフォトニック結晶の構造としては、本発明の発明者らが特許出願している、3次元の直交座標x,y,zにおいて、屈折率の異なる2種類以上の透明体よりなるz軸方向の多層構造体であって、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状がx軸方向に周期凹凸構造を有し、y軸方向には一様であるか、またはx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な凹凸構造を有し、その形状を周期ごとに繰り返しつつz軸方向に層状に積層されていて、入射方向がz軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する素子をあげることができる。
【0075】
反射体19は、素子16の基板の一方の側に薄膜技術を用いて、たとえば、層Lと層Hと交互に多層形成して作製することができ、あるいは素子16の裏面に接合して素子16と一体化させることもできる。
【0076】
上記の説明で明らかにわかることであるが、図1の基板17の多層膜18を形成する面と反射体19側の面の傾きと素子16と反射体19を光路に配置する傾きを適宜調整して、光ファイバコリメータの各光ファイバの配置条件に応じた各光ファイバ間の光結合を高品質で行わせることができる。この調整の手段として、素子16,反射体19に回転機構を設けると便利である。
【0077】
また、反射体を素子16の基板の裏側に薄膜技術で作成するのではなく、素子16とは独立に作製し、素子16の裏側すなわち図1の反射体19の位置の近傍に、反射体19の代わりに配置することもできる。このように配置した素子と反射体は、光ファイバコリメータから素子に入射し、素子を透過して反射体に入射する偏光の光路において直列に配置されることになり、光ファイバコリメータを構成する各光ファイバの配置条件に応じて素子と反射体を独立に調整することもでき、また、必要に応じて連動して調整することもできるなど、利用範囲を広げることができる。この場合も、素子と反射体に連動した回転機構、あるいは各独立した回転機構、あるいはいずれか一方に回転機構を設けて、調整機構つき偏光カプラを構成することができ、高精度の偏光カプラを作製することができる。
【0078】
また、本発明においては、前記素子と反射体のいずれか一方または双方への入射光の入射角を変える手段を、前記回転機構の他に設けることができる。
【0079】
図1の例では、光ファイバ端末部とともに光ファイバコリメータを構成するレンズとして、平凸レンズ15を用いたが、平凸レンズの代わりに凸レンズを用いることもできる。光ファイバコリメータの構成方法は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、グリンレンズを用いても良い。
【0080】
以上、本発明について図面を用いて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に狭く限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想である「複数本の光ファイバをレンズの一方の側に配置して構成した光ファイバコリメータと、たとえばフォトニック結晶のように、特定方向の直線偏光を透過させるが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は反射させるという性質を有する素子と、前記素子を透過して進行する偏光を反射する反射体とを、前記光ファイバコリメータを構成する複数本の光ファイバのうちのいずれか1本から出射した光を前記光ファイバコリメータを構成する複数本の光ファイバのうちの他の光ファイバに光結合ができるように配置して偏光カプラを構成すること」を基本として、種々のバリエーションを可能とするものであることは、以上の説明からもいえることである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、部品点数が少なくて済み、小型で、細径で、長さが短く、そして、通常の誘電体多層膜フィルタを取り扱うのとほとんど同様な取扱で製造ができ、高い信頼性の偏光カプラを安価に提供することができるという多大な効果を奏するものであり、光通信などの産業分野の発展に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例としての偏光カプラを説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態例としての偏光カプラの実装例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態例における素子と反射体の配置を説明する図である。
【図4】従来の偏光カプラの第1の例を説明する図である。
【図5】従来の偏光カプラの第2の例を説明する図である。
【図6】従来の偏光カプラの第3の例を説明する図である。
【図7】従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、角形ケースに実装した偏光分離合成カプラを説明する図である。
【図8】従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、2芯型偏光カプラを説明する図である。
【符号の説明】
1,101,150,201,251:偏光カプラ
14,57,205〜207,255,257:光ファイバ保持部材
11,13,52,54,105,106,155,156:PMF
11a,12a,13a:光ファイバの端面
12,53:SMF
15:レンズ
16:フォトニック結晶
17:基板
18:多層膜
19:反射体
21〜44,365〜367,371〜375:光路
52a,53a,54a,202a,203a,204a,252a,253a,254a,352a,353a,354a:光ファイバの巻回部
55,208〜210,258,260,355〜357:光ファイバコリメータ
56:円筒ケース
70:線分
71〜73:法線
118,118a,119,119a,171〜176:振動方向を説明する記号
111,112:直角三角形プリズム
110:偏光分離プリズム
114:偏光分離膜
153:光路変更素子
154:複屈折平行板
202〜204,252〜254,352〜354:光ファイバ
211,261:筐体
360:平行平面板
360a,360b:平行平面板の面
361,362:反射防止膜
363,364:偏光膜
θ1〜θ4:角
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光カプラに関し、さらに具体的には、レンズの一方の側に配置した複数本の光ファイバ端部と前記レンズとを有して構成されている光ファイバコリメータと、特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子および前記素子の裏側に、すなわち光路において前記素子に直列に配置され前記素子を透過して入射した光を反射するように配置された反射体とを対向させて配置して構成した、小型で高品質の偏光カプラに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明における以下の説明では、偏光のことを偏波ということもある。
偏光カプラは、偏光合成・分離器あるいは偏波合成・分離器ということもできるが、たとえば、これに限定されないが、2つの入力ポートから入力したそれぞれ直交する偏光光線を合成して1つの出力ポートから出力する光デバイスである。
【0003】
偏光カプラは、たとえば光ファイバ増幅器に用いられており、2つの励起光源としてのレーザダイオードからの励起光を偏波合成してEDF(エルビウム添加光ファイバ)に入力する励起光パワーを増幅するのに用いられている。
【0004】
従来、偏光カプラとしては種々の方式のものが開発されており、その代表的な例として、まず、図4に示すような2個の直角三角形プリズムを接合して構成した偏光プリズムを用いた偏光カプラと、それを改良した、図5に示すような光路変更素子と複屈折平行板を用いた偏光カプラをあげることができる。
【0005】
図4と図5に示す方式の偏光カプラの詳細については、偏光合成器として特開2001−75052号公報に述べられているが、以下にそれらの特徴を簡単に記す。
【0006】
図4は従来の偏光カプラの第1の例を説明する図である。図4で、符号101は偏光カプラ、102は偏波保持光ファイバ105(以下、光ファイバのことを、単に、ファイバともいい、偏波保持光ファイバのことを、単に、PMFともいう)の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第1の光ファイバコリメータ、103はPMF106の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第2の光ファイバコリメータ、104は光ファイバ107の端部を保持している光ファイバ保持部材としてのフェルールとコリメートレンズ(図示せず)とで構成されている第3の光ファイバコリメータ、110は2個の直角三角形プリズム111と112の斜面を偏光分離膜114を介して接着剤で接合した偏光分離プリズム、115〜117は光路、118,118a,119,119aは偏光の方向を説明するための記号である。
【0007】
図4の偏光カプラ101で、PMF105を伝送され第1の光ファイバコリメータ102から出射された、記号118の矢印方向の偏光光線は、光路115を通り、偏光分離プリズム110に入射し、偏光分離膜114を透過して直進し、記号118aの矢印方向の偏光光線として光路117を進行して第3の光ファイバコリメータ104に入射する。PMF106を伝送され第2の光ファイバコリメータ103から出射された、記号119の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線は、光路116を通り、偏光分離プリズム110に入射し、偏光分離膜114で反射し、記号119aの○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線として光路117を進行して第3の光ファイバコリメータ104に入射する。すなわち、第1の光ファイバコリメータ102からの偏光光線と第2の光ファイバコリメータ103からの偏光光線は、合成されて光路117から第3の光ファイバコリメータ104の光ファイバ107に光結合する。
【0008】
しかし、図4の偏光カプラ101は、第1の光ファイバコリメータ102と第2の光ファイバコリメータ103と第3の光ファイバコリメータ104を、図のようにT字型に配置しなければならず、光通信システム内で大きなスペースを必要とし、さらに、光ファイバを大きく引き回さなければならないため、小型化、細径化ができなかった。また、偏光分離膜114の部分は2個のプリズムの接着剤による張り合わせで構成されているためにハイパワーの光が入射すると光パワーを吸収し熱を発生させ偏光分離膜114の焼けによる劣化の原因となってしまっていた。
【0009】
図5は従来の偏光カプラの第2の例を説明する図で、図4の偏光カプラについての前記の如き欠点を改善せんとして開発されたものである。図5で、符号150は偏光カプラ、151は平行な2本のPMF155,156の端部を、それらの出力光の偏光方向が互いに直交するようにフェルールで保持して、コリメートレンズ(図示せず)とともに構成した第1の光ファイバコリメータ、152は光ファイバ157の端部を保持して、コリメートレンズ(図示せず)とともに構成した第2の光ファイバコリメータ、153は光路変更素子、154は複屈折結晶を使用した複屈折平行板、161a,161b,162a〜162c,163は光路、171〜176は偏光方向を説明するための記号である。
【0010】
図5の偏光カプラ150で、2本のPMF155,156の一方のファイバから出射した記号171で示した矢印方向の偏光光線は、第1の光ファイバコリメータのコリメートレンズの中心を通り、光路161aを通り、複屈折平行板154で光路を曲げられて記号173で示した矢印方向の偏光光線として光路161bを進行し、複屈折平行板154から出て光路163を進行する。
【0011】
一方、2本のPMF155,156の他方のファイバから出射した記号172の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線は、第1の光ファイバコリメータのコリメートレンズの中心からはずれた位置を通り、光路162aを通り、光路変更素子153で光路を光路161aと平行な光路162bを通り、複屈折平行板154に入射して記号174の○印で示した紙面に垂直方向の偏光光線として光路162cを進行し、複屈折平行板154からの出射位置で光路161bを進行してきた前記一方の偏光光線と合成されて光路163を進行する。すなわち、第1の光ファイバコリメータ151の光ファイバ155,156からの互いに直交する偏光光線は、複屈折平行板154を出射して光路163から第2の光ファイバコリメータ152の光ファイバ157に光結合し、矢印175と○印176で示した偏光成分を合成された光となる。
【0012】
図5の偏光カプラは、図4の偏光カプラが入力ポートすなわち3つの光ファイバコリメータをT字型に配置しなければならなかったのに比較して、入力側と出力側の光ファイバコリメータを一直線上に配置することができ、小型化・細径化できる利点が強調されている。
【0013】
図6は従来の偏光カプラの第3の例を説明する図で、偏波合成素子として、方解石などの結晶を用いずに、光学ガラスからなる平行平面板360に、図示のように、反射防止膜361と362,偏光膜363と364を形成したものを用いており、その詳細は特開2000−214328号公報に述べられているが、以下にその特徴を簡単に記す。
【0014】
図6で、符号351は偏光カプラ、352〜354は光ファイバ、352a,353a,354aは光ファイバの巻回部、355〜357は光ファイバコリメータ、360aと360bは平行平面板360の面、365〜367および371〜375は光路である。
【0015】
図6の偏光カプラ351では、光ファイバ352を進行し光ファイバコリメータ355から出射した偏光p波は、光路365からほぼブリュースター角で偏光膜363を透過して平行平面板360に入射し、光路366を通り、反射防止膜362から出射し光路367から光ファイバコリメータ357に光結合し、光ファイバ354を進行する。また、光ファイバ353を進行し光ファイバコリメータ356から出射した偏光s波(p波に直交する偏光)は、光路371からほぼブリュースター角で反射防止膜361を透過して平行平面板360に入射し、光路372を通り、偏光膜364で反射され光路373を通り、偏光膜363で反射され光路374を通り、偏光膜364で反射され光路375を通り、偏光膜363で反射され光路366を通り、反射防止膜362から出射し光路367から光ファイバコリメータ357に光結合し、光ファイバ354を進行する。
【0016】
図7と図8は従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、図7は角形ケースに実装した偏光分離合成カプラ、図8は光ファイバ保持部材として2芯キャピラリを使用して円筒ケースに実装した2芯型偏光カプラある。
【0017】
図7と図8で、符号201と251は偏光カプラ、202〜204と252〜254は光ファイバ、202a,203a,204a,252a,253a,254aはそれぞれ光ファイバ202〜204,252〜254の円形に束ねた巻回部、205〜207,255,257は光ファイバ保持部材、208〜210,258,260は光ファイバコリメータ、211と261は筐体である。
【0018】
図6の偏光カプラは図7のように実装することができ、図5の偏光カプラは図8のように実装することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5の偏光カプラ150は、脆いためにその取扱および実装時には十分な経験と注意が必要な複屈折結晶を用いていること、複屈折結晶を使用する際に光路を操作するための光学部品が必要となり部品点数が増えること、長さが長くなること、信頼性上に不安があることなどの欠点を有していた。また、光ファイバを偏光カプラの両側に出すため、光ファイバを60mm以下の径に巻くと破損するということがいわれていることからもわかるように、光ファイバのとり回し容積を大きく必要とした。
【0020】
図6の偏光カプラ351は、複屈折結晶を使用しなくてもよいという利点はあるが、偏波合成素子に入射する偏光の入射角をブリュースター角すなわち57度近傍にしなければ低損失の偏光カプラを作成できず、p波とs波の間隔を大きくする必要があり、長さが長いだけでなく幅の広いケースを必要としている。
【0021】
また、偏光カプラ351は、誘電体多層膜を最低4面は蒸着しなくてはならず、コスト及び歩留まりが悪くなる欠点があった。
【0022】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、従来の欠点を一掃し、取扱の容易な部品を偏光分離・合成素子に用いることができ、部品点数が少なく、高信頼性で、細型で、長さも短く、全ての光ファイバをケースの一方の側に出すことができる取扱の容易な偏光カプラを安価に提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明の偏光カプラは、レンズの一方の側に配置した複数本の光ファイバ端部と前記レンズとを有して構成されている光ファイバコリメータと、前記光ファイバコリメータに対向させて配置されている特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子と、前記素子を透過して入射した光を反射するように光路において前記素子と直列に配置された反射体とを有する偏光カプラであって、前記光ファイバのうちのいずれか1本の光ファイバから出射して前記素子を透過して前記反射体に入射し前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路と該偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線がなす角度と、前記入射光路と前記反射体の入射面の法線がなす角度が異なる角度であり、前記素子と前記反射体は、前記光ファイバコリメータを構成している異なる各1本の光ファイバから前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバに光結合を行うことができるように配置されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の偏光カプラの例は、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路の互いに反対側にあることを特徴としている。
【0025】
本発明の偏光カプラの例は、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路に関して対称な関係にあることを特徴としている。
【0026】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバコリメータを構成している複数本の光ファイバが、光ファイバを挿入して保持することができる貫通孔が形成されている一体の光ファイバ保持部材に保持されていることを特徴としている。
【0027】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材に形成されている少なくとも3つの貫通孔の互いに隣り合っている2つの貫通孔のうちの少なくとも1組が、少なくともそこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端部の近傍において、当該貫通孔の長手方向に沿って形成されている、当該貫通孔の最大径より小さい寸法の幅のスリットもしくは当該貫通孔の最大径より小さい寸法の短径を有する穴を介して連結されていることを特徴としている。
【0028】
本発明の偏光カプラの例は、前記保持部材の2つの貫通孔を連結しているスリットの幅もしくは穴の短径は、その両側に位置する貫通孔のうち、内径の小さい方の貫通孔の、そこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端面における内径の20%以上80%以下であることを特徴としている。
【0029】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材が円柱形の外形を有していることを特徴としている。
【0030】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材に形成されている貫通孔の1つは、そこに保持される光ファイバの端部が保持される側における内径が他の貫通孔の内径よりも小さい内径の貫通孔であることを特徴としている。
【0031】
本発明の偏光カプラの例は、前記小さい内径の貫通孔に保持されている光ファイバが前記光ファイバ保持部材の中心に位置していることを特徴としている。
【0032】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体に対向させて配置されている前記光ファイバコリメータを構成する前記複数の光ファイバの数が3本であることを特徴としている。
【0033】
本発明の偏光カプラの例は、前記複数本の光ファイバには、少なくとも1本の以下においてSMFとも称するシングルモード光ファイバと少なくとも2本の以下においてPMFとも称する偏波保持光ファイバとがあり、2本の前記PMFの間に1本の前記SMFが配置されていることを特徴としている。
【0034】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置している光ファイバがSMFであることを特徴としている。
【0035】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体とが一体に形成されているか一体の状態に接合されていることを特徴としている。
【0036】
前記素子は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射される光の特定の方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの一方の側の隣に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されているとともに、前記反射体は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射されて前記素子に入射し透過してきた前記特定の方向に直交する方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの他方の側に配置されている光ファイバ、すなわち、前記素子により反射される前記特定の方向の偏光が入射する光ファイバが配置されている前記一方の側とは異なる側に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されていることを特徴としている。
【0037】
本発明の偏光カプラの例は、前記反射体は前記素子の前記光ファイバコリメータに対向して配置されている面の裏側の面に薄膜形成技術を用いて形成された反射膜であることを特徴としている。
【0038】
本発明の偏光カプラの例は、前記反射体は前記素子とは独立に作製された反射体であることを特徴としている。
【0039】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバから前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方への入射光の入射角を変える手段を設けたことを特徴としている。
【0040】
本発明の偏光カプラの例は、前記入射角を変える手段が前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方の位置または光路に対する傾きを変えることができる手段であることを特徴としている。
【0041】
本発明の偏光カプラの例は、前記入射角を変える手段が前記素子と反射体のいずれか一方または双方を回転することができる回転機構であることを特徴としている。
【0042】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子と前記反射体の前記素子を含む一方または双方が、以下において層Lとも称する屈折率が比較的低い膜と以下において層Hとも称する屈折率が比較的高い膜とを交互に複数層積層して形成した多層膜で形成されている、以下において多層膜偏光子とも称する素子であることを特徴としている。
【0043】
本発明の偏光カプラの例は、前記層LがSiO2を主成分とする層であり、前記層HがSiまたはTiO2を主成分とする層であることを特徴としている。
【0044】
本発明の偏光カプラの例は、前記多層膜偏光子の多層膜が形成されている基板の前記素子を形成する面には凹凸構造があり、前記反射体が位置する側の面には凹凸構造が形成されていないことを特徴としている。
【0045】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子がフォトニック結晶であることを特徴としている。
【0046】
本発明の偏光カプラの例は、前記フォトニック結晶が、3次元の直交座標x,y,zにおいて、屈折率の異なる2種類以上の透明体よりなるz軸方向の多層構造体であって、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状がx軸方向に周期凹凸構造を有し、y軸方向には一様であるか、またはx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な凹凸構造を有し、その形状を周期ごとに繰り返しつつz軸方向に層状に積層されていて、入射方向がz軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する素子であることを特徴としている。
【0047】
本発明の偏光カプラの例は、前記光ファイバコリメータに用いられているレンズとして、凸レンズ、平凸レンズ、グリンレンズなどを用いて前記光ファイバから出射する光を平行光線にすることができる。
【0048】
本発明の偏光カプラの例は、前記複数本の光ファイバとして少なくとも1本のSMFと少なくとも2本のPMFが用いられており、前記光ファイバ保持部材の概ね中心に前記SMFが保持されており、前記2本のPMFは前記光ファイバ保持部材の中心に保持されているSMFに隣接させ、かつ、少なくとも光ファイバの端部近傍において1本の当該SMFと2本の当該PMFの中心線が大凡一平面をなすように保持されていることを特徴としている。
【0049】
本発明の偏光カプラの例は、前記素子に対向して、1本のSMFと2本のPMFを1つの光ファイバ保持部材に保持して光コリメータを構成するレンズとともに配置し、前記SMFを中央にその両隣に各前記PMFを配置し、一方のPMFからは前記素子に反射される偏光を出射させて前記素子に入射させ前記素子で反射させて前記SMFに入射させ、他方のPMFからは前記素子を透過する偏光を出射させて前記素子を透過させ前記反射体に入射させ前記反射体で反射させて再び前記素子を透過させ前記SMFに入射させるように構成したことを特徴としている。
【0050】
本発明の偏光カプラの例は、前記偏光カプラが1つの筐体に3本の光ファイバが前記筐体の同一側に出るように実装されていることを特徴としている。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は、本発明の実施の形態例を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複する説明を省略することもある。
【0052】
図1は本発明の実施の形態例としての偏光カプラの構成を説明する図で、符号1は、本発明の実施の形態例としての偏光カプラ、11〜13は光ファイバ、11a,12a,13aはそれぞれ光ファイバ11,12,13の端面、14は光ファイバ保持部材、15はレンズ、16は特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子の例としての、たとえば、光学基板17に多層膜18を形成して成るフォトニック結晶、19は反射体、21〜44は光路である。なお、符号16は、誤解を生じないようにしながら、前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子に用いる場合と、その例としてのフォトニック結晶に用いる場合がある。
【0053】
各部品の実装に関する部品は図示しないが、実装においては、従来上記各部品を保持するのに用いることができる各種保持部材を使用して、たとえば、これに狭く限定されないが、図2で後述するようなケースに実装することができる。
【0054】
図1において、光ファイバ11から出射してレンズ15を通りフォトニック結晶16で反射された偏光は再びレンズ15を通り光ファイバ12に光結合して入射し、光ファイバ13から出射してレンズ15を通りフォトニック結晶16を透過して反射体19で反射された偏光は再びレンズ15を通り光ファイバ12に光結合して入射するように、各構成要素が配置されている。
【0055】
図1の偏光カプラ1において、光ファイバ11と13としてPMFを用い、光ファイバ12としてSMFを用いる。そして、前記のように、光ファイバ11と光ファイバ13を伝送される偏光を偏光の振動方向が互いに直交する直線偏光で、一方はフォトニック結晶16で反射され、他方はフォトニック結晶16を透過する偏光であるようにする。
【0056】
図1における光結合の例をさらに具体的に説明すると、光ファイバ11から出射されたフォトニック結晶16で反射される偏光ビームは、光路21,23,25のように広がり、レンズ15を通り平行光線となって光路22,24,26を通り、フォトニック結晶16で反射されて平行光線として光路28,31,34を通り、レンズ15を通り光路27,30,33を通り、光ファイバ12に光結合して入射する。
【0057】
光ファイバ13から出射されたフォトニック結晶16を透過して反射体19に入射して反射体19で反射される偏光ビームは、光路36,39,40のように広がり、レンズ15を通り平行光線となって光路37,40,43を通り、フォトニック結晶16を透過して平行光線として光路38,41,44を通り反射体19で反射されて平行光線として光路29,32,35を通り、フォトニック結晶16を透過して平行光線として光路28,31,34を通りレンズ15を通り光路27,30,33を通り、光ファイバ12に光結合して入射する。
【0058】
このようにして、光ファイバ11と13から出射した互いに振動方向が直交する2つの直線偏光は光ファイバ12に光結合して入射され、円偏光あるいは楕円偏光としてSMF12内を伝送される。
【0059】
図1の例のように、光ファイバ11から出射する素子16で反射される性質を有する光ビームを、レンズ15を使用して平行光線にすることにより、レンズの前焦点位置に配置した素子16で反射させ、レンズ15を介して光ファイバ12に結合させる。そして、光ファイバ13から出射する素子16を透過する性質を有する光ビームを、レンズ15を使用して平行光線にすることにより、素子16を透過させ、反射体19で反射させて再び素子16を透過させ、レンズ15を介して光ファイバ12に結合させる。
【0060】
前記素子16を透過する偏光光線(図1の例の場合は光ファイバ13から出射する光線)はレンズによって平行光線になっているので、たとえば、前記反射体の位置はその光路に沿った位置を限定せずに光路に対する反射体の角度だけを調整することによって、目的とする光ファイバ(図1の場合は光ファイバ12)に光結合するようにすることができる。
【0061】
前記反射体を前記素子の基板の裏面に蒸着等によって反射膜を形成すれば、反射体の構造を簡単にすることができ、偏光カプラの構造も簡単になり、製造コストを安くすることができる。
【0062】
図2は図1で説明した構成の本発明による偏光カプラを実装した図である。図2で、符号51は本発明の光カプラ、52と54はPMF、53はSMF、52b、54bは光ファイバを巻回した部分、55は光ファイバコリメータ、56は円筒ケース、57は光ファイバ保持部材である。
【0063】
PMF52、PMF54、SMF53は一体の光ファイバ保持部材57に保持されている。保持部材57は外形形状が円柱形状をしており、図示しないが、その中心軸線にほぼ平行な3つの貫通孔が設けられており、前記3つの貫通孔はその各中心軸線が概ね一平面を形成するように、かつ、互いに隣り合った2つの貫通孔は、その断面の直径よりも小さな幅のスリットあるいはその貫通孔の断面の最大径よりも小さな短径の細長い穴で連結されている。保持部材57に設けられている前記3つの貫通孔は、前記のように、スリットあるいは穴を介してつながっており、その中の2つの貫通孔にはPMFがそれぞれ挿入され、残りの1つにはSMFが挿入され、いずれも接着剤で固定されている。各貫通孔には各光ファイバの被覆を除去したファイバ自体(光ファイバのコアとクラッド部から成る)が挿入され保持される。
【0064】
前記3つの各貫通孔は各光ファイバの被覆を除去したファイバ自体の外径よりほんのわずかに大きな直径を有している。SMF53が挿入・保持されている貫通孔は、その中心軸線は光ファイバ保持部材57の中心軸線と概ね一致するように形成されており、前記3つの貫通孔のうち最も小さい内径を有している。PMF52と54が挿入・保持されている残りの2つの貫通孔は、その各中心軸線は光ファイバ保持部材57の中心軸線とほぼ平行で、SMF53が挿入・保持されている貫通孔をはさんでその両側に設けられており、その各内径はおおよそ等しく、かつ、SMF53が挿入・保持されている貫通孔の内径よりも大きい。光ファイバ保持部材に保持された状態で、SMF53とPMF52とPMF54は、SMF53を挟んでその両側に、3本の光ファイバの各中心軸線がおおよそ一平面上になるように配置されており、3本の光ファイバは、隣り合っている各2本づつほぼ密着状態になっている。
【0065】
光ファイバ保持部材57に前記のように1本のSMFとその両側に2本のPMFがほぼ密着状態で平行に保持されているため、図1のフォトニック結晶16及び反射板19への入射角は90度に近い値にすることができる。
【0066】
図3は、前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子と光路において前記素子に直列に配置されている反射板の形状と配置について説明する断面図で、図1の素子16の一部を拡大して、説明に必要な部分を追記したものである。
【0067】
図3で、符号70は光路32に直交する線分、71は光路31を通る光の前記特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子16への入射位置における前記素子16の法線、72は光路31を通り前記素子16を透過した偏光が光路32を通り反射体19へ入射する入射位置における反射体19の法線、73は光路40を通り前記素子16を透過し光路41を進行して反射体19で反射され光路32へと進行する偏光の前記素子16への入射位置における前記素子16の法線、θ1は法線71と光路31のなす角、θ2は法線72と光路32のなす角、θ3は光路40と法線73のなす角、θ4は光路41と法線72のなす角である。
【0068】
図1を用いて説明したように、光ファイバ11と光ファイバ13から前記の各偏光を出射させて前記素子16と反射体19によってそれぞれ反射させて光ファイバ12に光結合させるためには、図3において、角θ1とθ2は光路31から前記素子16を透過して光路32を通り反射体19に入射する光路に関して互いに反対側にあり、角θ3とθ4は異なる値になっている。
【0069】
また、素子16の面18と反射体19は線分70に関しておおよそ同じ大きさで逆方向の傾きを有している。
【0070】
以上、図1と図2を用いて、SMFとその両隣に配置した2本のPMFの間において、前記2本のPMFから互いに直交する方向の振動面を有する直線偏光を出射させ、フォトニック結晶と反射体によって反射させて前記SMFに光結合させる偏光カプラの動作について説明したが、本発明の偏光カプラの用い方はこれに限定されるものでなく、前記SMFから、たとえば、円偏光を出射させてフォトニック結晶と反射体によって偏光分離ならびに反射させて前記2本のPMFに互いに直交する偏光として光結合させることもできる。
【0071】
なお、図1で説明したフォトニック結晶16はレンズ15の焦点位置に配置されている。
【0072】
ここでいうフォトニック結晶16は、透過・反射型の偏光分離素子として作用する素子であり、特定の方向の偏光を透過し、前記特定の偏光に直交する方向の偏光を反射するという性質を有する素子である。
【0073】
フォトニック結晶16は、屈折率が比較的高い層(以下、層Hともいう)と屈折率が比較的低い層(以下、層Lともいう)を複数層積層して形成した多層膜素子で構成することができ、前記層HとしてはSiまたはTiO2を主成分とする層があり、前記層LとしてはSiO2を主成分とする層がある。そして、前記多層膜素子の各層はアモルファス層を用いて形成することができる。
【0074】
本発明に用いるフォトニック結晶の構造としては、本発明の発明者らが特許出願している、3次元の直交座標x,y,zにおいて、屈折率の異なる2種類以上の透明体よりなるz軸方向の多層構造体であって、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状がx軸方向に周期凹凸構造を有し、y軸方向には一様であるか、またはx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な凹凸構造を有し、その形状を周期ごとに繰り返しつつz軸方向に層状に積層されていて、入射方向がz軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する素子をあげることができる。
【0075】
反射体19は、素子16の基板の一方の側に薄膜技術を用いて、たとえば、層Lと層Hと交互に多層形成して作製することができ、あるいは素子16の裏面に接合して素子16と一体化させることもできる。
【0076】
上記の説明で明らかにわかることであるが、図1の基板17の多層膜18を形成する面と反射体19側の面の傾きと素子16と反射体19を光路に配置する傾きを適宜調整して、光ファイバコリメータの各光ファイバの配置条件に応じた各光ファイバ間の光結合を高品質で行わせることができる。この調整の手段として、素子16,反射体19に回転機構を設けると便利である。
【0077】
また、反射体を素子16の基板の裏側に薄膜技術で作成するのではなく、素子16とは独立に作製し、素子16の裏側すなわち図1の反射体19の位置の近傍に、反射体19の代わりに配置することもできる。このように配置した素子と反射体は、光ファイバコリメータから素子に入射し、素子を透過して反射体に入射する偏光の光路において直列に配置されることになり、光ファイバコリメータを構成する各光ファイバの配置条件に応じて素子と反射体を独立に調整することもでき、また、必要に応じて連動して調整することもできるなど、利用範囲を広げることができる。この場合も、素子と反射体に連動した回転機構、あるいは各独立した回転機構、あるいはいずれか一方に回転機構を設けて、調整機構つき偏光カプラを構成することができ、高精度の偏光カプラを作製することができる。
【0078】
また、本発明においては、前記素子と反射体のいずれか一方または双方への入射光の入射角を変える手段を、前記回転機構の他に設けることができる。
【0079】
図1の例では、光ファイバ端末部とともに光ファイバコリメータを構成するレンズとして、平凸レンズ15を用いたが、平凸レンズの代わりに凸レンズを用いることもできる。光ファイバコリメータの構成方法は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、グリンレンズを用いても良い。
【0080】
以上、本発明について図面を用いて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に狭く限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想である「複数本の光ファイバをレンズの一方の側に配置して構成した光ファイバコリメータと、たとえばフォトニック結晶のように、特定方向の直線偏光を透過させるが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は反射させるという性質を有する素子と、前記素子を透過して進行する偏光を反射する反射体とを、前記光ファイバコリメータを構成する複数本の光ファイバのうちのいずれか1本から出射した光を前記光ファイバコリメータを構成する複数本の光ファイバのうちの他の光ファイバに光結合ができるように配置して偏光カプラを構成すること」を基本として、種々のバリエーションを可能とするものであることは、以上の説明からもいえることである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、部品点数が少なくて済み、小型で、細径で、長さが短く、そして、通常の誘電体多層膜フィルタを取り扱うのとほとんど同様な取扱で製造ができ、高い信頼性の偏光カプラを安価に提供することができるという多大な効果を奏するものであり、光通信などの産業分野の発展に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例としての偏光カプラを説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態例としての偏光カプラの実装例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態例における素子と反射体の配置を説明する図である。
【図4】従来の偏光カプラの第1の例を説明する図である。
【図5】従来の偏光カプラの第2の例を説明する図である。
【図6】従来の偏光カプラの第3の例を説明する図である。
【図7】従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、角形ケースに実装した偏光分離合成カプラを説明する図である。
【図8】従来の小型化を図った偏光カプラの実装について説明する図で、2芯型偏光カプラを説明する図である。
【符号の説明】
1,101,150,201,251:偏光カプラ
14,57,205〜207,255,257:光ファイバ保持部材
11,13,52,54,105,106,155,156:PMF
11a,12a,13a:光ファイバの端面
12,53:SMF
15:レンズ
16:フォトニック結晶
17:基板
18:多層膜
19:反射体
21〜44,365〜367,371〜375:光路
52a,53a,54a,202a,203a,204a,252a,253a,254a,352a,353a,354a:光ファイバの巻回部
55,208〜210,258,260,355〜357:光ファイバコリメータ
56:円筒ケース
70:線分
71〜73:法線
118,118a,119,119a,171〜176:振動方向を説明する記号
111,112:直角三角形プリズム
110:偏光分離プリズム
114:偏光分離膜
153:光路変更素子
154:複屈折平行板
202〜204,252〜254,352〜354:光ファイバ
211,261:筐体
360:平行平面板
360a,360b:平行平面板の面
361,362:反射防止膜
363,364:偏光膜
θ1〜θ4:角
Claims (29)
- レンズの一方の側に配置した複数本の光ファイバ端部と前記レンズとを有して構成されている光ファイバコリメータと、前記光ファイバコリメータに対向させて配置されている特定方向の直線偏光を反射するが前記直線偏光に直交する方向の直線偏光は透過するという性質を有する素子と、前記素子を透過して入射した光を反射するように光路において前記素子と直列に配置された反射体とを有する偏光カプラであって、前記光ファイバのうちのいずれか1本の光ファイバから出射して前記素子を透過して前記反射体に入射し前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路と該偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線がなす角度と、前記入射光路と前記反射体の入射面の法線がなす角度が異なる角度であり、前記素子と前記反射体は、前記光ファイバコリメータを構成している異なる各1本の光ファイバから前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバに光結合を行うことができるように配置されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1に記載の偏光カプラにおいて、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路の互いに反対側にあることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1に記載の偏光カプラにおいて、前記各1本の光ファイバとは別の1本の光ファイバから円偏光を出射させて前記素子に入射させた場合に、前記偏光光線の入射点における前記素子の入射面の法線と前記反射体の入射面の法線が、前記素子を透過して前記反射体に入射して前記反射体によって反射される偏光光線の入射光路に関して対称な関係にあることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバコリメータを構成している複数本の光ファイバが、光ファイバを挿入して保持することができる貫通孔が形成されている一体の光ファイバ保持部材に保持されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバ保持部材に形成されている少なくとも3つの貫通孔のうちの少なくとも1組の互いに隣り合っている2つの貫通孔が、少なくともそこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端部の近傍において、当該貫通孔の長手方向に沿って形成されている、当該貫通孔の最大径より小さい寸法の幅のスリットもしくは当該貫通孔の最大径より小さい寸法の短径を有する穴を介して連結されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項5に記載の偏光カプラにおいて、前記保持部材の2つの貫通孔を連結しているスリットの幅もしくは穴の短径は、その両側に位置する貫通孔のうちの内径の小さい方の貫通孔の、そこに保持される光ファイバの端部が位置する側の端面における内径の20%以上80%以下であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバ保持部材が円柱形の外形を有していることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4乃至7のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバ保持部材に形成されている貫通孔の1つは、そこに保持される光ファイバの端部が保持される側における内径が他の貫通孔の内径よりも小さい内径の貫通孔であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項8に記載の偏光カプラにおいて、前記小さい内径の貫通孔に保持されている光ファイバが前記光ファイバ保持部材の中心に位置していることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子と前記反射体に対向させて配置されている前記光ファイバコリメータを構成する前記複数の光ファイバの数が3本であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記複数本の光ファイバには、少なくとも1本の以下においてSMFとも称するシングルモード光ファイバと少なくとも2本の以下においてPMFとも称する偏波保持光ファイバとがあり、2本の前記PMFの間に1本の前記SMFが配置されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4乃至11のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバ保持部材の中心に位置している光ファイバがSMFであることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子と前記反射体とが一体に形成されているか一体の状態に接合されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4乃至13のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射される光の特定の方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの一方の側に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されているとともに、前記反射体は、前記光ファイバ保持部材の中心に位置する光ファイバから出射されて前記素子に入射し透過してきた前記特定の方向に直交する方向の偏光を反射して前記中心に位置する光ファイバの、前記素子により反射される前記特定の方向の偏光が入射する光ファイバが配置されている前記一方の側とは異なる側に配置されている、他方の側に配置されている光ファイバに光結合することができるように配置されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記反射体は前記素子の前記光ファイバコリメータに対向して配置されている面の裏側の面に薄膜形成技術を用いて形成された反射膜であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記反射体は前記素子とは独立に作製された反射体であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバから前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方への入射光の入射角を変える手段を設けたことを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項17に記載の偏光カプラにおいて、前記入射角を変える手段が前記素子と前記反射体のいずれか一方または双方の位置または光路に対する傾きを変えることができる手段であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項17または18に記載の偏光カプラにおいて、前記入射角を変える手段が前記素子と反射体のいずれか一方または双方を回転することができる回転機構であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子と前記反射体の前記素子を含む一方または双方が、以下において層Lとも称する屈折率が比較的低い膜と以下において層Hとも称する屈折率が比較的高い膜とを交互に複数層積層して形成した多層膜で形成されている、以下において多層膜偏光子とも称する素子であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項20に記載の偏光カプラにおいて、前記層LがSiO2を主成分とする層であり、前記層HがSiまたはTiO2を主成分とする層であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項20または21に記載の偏光カプラにおいて、前記多層膜偏光子の多層膜が形成されている基板の前記素子を形成する面には凹凸構造があり前記反射体が位置する側の面には凹凸構造が形成されていないことを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至22のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子がフォトニック結晶であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項23に記載の偏光カプラにおいて、前記フォトニック結晶が、3次元の直交座標x,y,zにおいて、屈折率の異なる2種類以上の透明体よりなるz軸方向の多層構造体であって、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状がx軸方向に周期凹凸構造を有し、y軸方向には一様であるか、またはx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な凹凸構造を有し、その形状を周期ごとに繰り返しつつz軸方向に層状に積層されていて、入射方向がz軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する素子であることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至24のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバコリメータのレンズに凸レンズもしくは平凸レンズを用いて前記光ファイバから出射する光を平行光線にしていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至24のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記光ファイバコリメータのレンズにグリンレンズを用いて前記光ファイバから出射する光を平行光線にしていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項4乃至26のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記複数本の光ファイバとして少なくとも1本のSMFと少なくとも2本のPMFが用いられており、前記光ファイバ保持部材の概ね中心に前記SMFが保持されており、前記2本のPMFは前記光ファイバ保持部材の中心に保持されているSMFに隣接させ、かつ、少なくとも光ファイバの端部近傍において1本の当該SMFと2本の当該PMFの中心線が大凡一平面をなすように保持されていることを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至27のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記素子に対向して、1本のSMFと2本のPMFを1つの光ファイバ保持部材に保持して光コリメータを構成するレンズとともに配置し、前記SMFを中央にその両隣に各前記PMFを配置し、一方のPMFからは前記素子に反射される偏光を出射させて前記素子に入射させ前記素子で反射させて前記SMFに入射させ、他方のPMFからは前記素子を透過する偏光を出射させて前記素子を透過させ前記反射体に入射させ前記反射体で反射させて再び前記素子を透過させ前記SMFに入射させるように構成したことを特徴とする偏光カプラ。
- 請求項1乃至28のいずれか1項に記載の偏光カプラにおいて、前記偏光カプラが1つの筐体に3本の光ファイバが前記筐体の同一側に出るように実装されていることを特徴とする偏光カプラ。
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-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223029A patent/JP2004062034A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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CN115113336A (zh) * | 2022-06-30 | 2022-09-27 | 昂纳信息技术(深圳)有限公司 | 一种偏振耦合器及其制造方法 |
CN115113336B (zh) * | 2022-06-30 | 2024-05-10 | 昂纳科技(深圳)集团股份有限公司 | 一种偏振耦合器及其制造方法 |
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