JP2004061810A - Method and device for manufacturing multilayered film optical filter - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信システム等で使用される誘電体多層膜光学フィルターの形成装置、さらに詳しくは電子銃を用いた形成装置の蒸着速度分布に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の高速通信網の整備にともなって、高速で大量の情報が伝送されるようになってきた。これを可能にする方法の一つとして波長多重光通信システム(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の開発が盛んに行われている。この波長多重光通信システムでは1本のグラスファイバーに複数の波長の光信号を重ねて伝送するものであり、このためにはグラスファイバーの前後に光合分波器を接続することが必要になる。本発明の誘電体多層膜光学フィルターは光合分波器を構成する狭帯域フィルター(NBPF:Narrow Band Pass Filter)を始め、光通信システムで使用される種々の光学フィルターとして使用されるものである。これらの多層膜光学フィルターはガラス基板上に高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜を交互に積層することにより数十層から二百層に及ぶ多層膜を形成し、その膜厚は数十μmに達する。この多層膜光学フィルターの構造例としては特開平10−197721号公報に記載されている。基本的な多層膜光学フィルターは所望のセンター波長をもたせるために、光学膜厚がセンター波長の1/4波長の高屈折率誘電体層と、光学膜厚が1/4波長の低屈折率誘電体層を交互に積層したミラー層、および光学膜厚がセンター波長の1/2波長もしくはその整数倍のスペーサー層、および成膜基板、および反射防止膜から構成される。
【0003】
多層膜光学フィルターを構成する各層の膜は1/10,000から1/100,000の膜厚精度が要求され、これらの層の膜厚や組合わせを多層膜光学フィルターの仕様に合せて調整することにより所望のセンター波長や急峻な裾野を持つ多層膜光学フィルターを作製することができる。一般に多層膜光学フィルターを用いた光合分波器は特開平11−337765号公報に記載されているように、異なるセンター波長を持つ多層膜光学フィルターを複数個組合わせることにより作製する。このとき、現在主流になっている100GHzの光合分波器では波長間隔が0.8nmずつ異なる多層膜光学フィルターを複数個使用する。
【0004】
所望のセンター波長を持つ多層膜光学フィルターの一般的な作製方法は所望の波長の光を成膜中の基板に透過させ、透過光量をモニターしながら膜厚を判定して蒸着原料を交換しながら多層膜を形成する。このとき、透過光量は膜厚増加に伴って増減を繰り返すことが知られており、光量の増減は光学膜厚が1/4波長毎に生ずる。例えば、特開昭61−296305号公報には光学式の膜厚モニターに関する記載があり、2種類の波長の片側の透過率または反射率がピークを越えたとき蒸発を停止する方法が開示されている。これにより、1/4波長の光学膜厚を持つ膜を成膜することが可能になる。また、他の方法としては、光量のピークを予想するカーブフィッティングのソフトウエアを用いて正確にピークを検出し、成膜材料の切り替えを行うものも提案されている。
【0005】
一般的な誘電体多層膜の成膜方法にはイオンアシスト蒸着法が採用されている。イオンアシスト蒸着法では前述の誘電体多層膜を構成する高屈折率材料および低屈折率材料をEBガン(電子銃)を用いて交互に蒸発させ、上記基板に成膜させる。このとき、同時にイオンガンを用いて酸素もしくはアルゴンと酸素の混合イオンを基板に照射し、蒸着粒子が基板上をマイグレーションすることを助ける。これにより、柱状組織になりやすい多層膜を充填密度の高い多層膜に改善することができる。成膜設備は可能な限り膜厚分布を良くした設計になっているが、前述したように、多層膜光学フィルターを構成する各層の膜は1/10,000から1/100,000の膜厚精度が要求されるため、成膜基板の全面に亘って所望のセンター波長、パスバンド、挿入損失等をもつ多層膜光学フィルターを作製することはできない。通常は基板の中央もしくは外周に沿った基板上の一部の領域から所望の多層膜光学フィルターを得ることができる。さらに、一般的には成膜時は肉厚の厚いガラス基板を用いるが、成膜後に切断、研磨作業を行うことにより標準的な多層膜光学フィルターの寸法である1.4×1.4×1.0mmに仕上げることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法で多層膜光学フィルターを作製する場合、膜厚精度が厳しいため、基板の一部しか活用できない。さらに、成膜中の膜厚は光量モニターにより常時計測され、蒸着原料の切り替えにフィードバックされ、蒸着速度は上記光量モニターとは別に水晶式膜厚モニターを用いて計測され、電子銃のエミッション電流にフィードバックされて所望の蒸着速度で成膜を行うことができる。しかし、成膜中の膜厚分布を詳細に調査した結果、膜厚分布は時々刻々と変化していることが明らかになった。このことは取りも直さず、成膜中に蒸着速度の分布が変化していることを意味する。
【0007】
蒸着速度分布が成膜中に変化する原因を究明した結果、原料を蒸発させるにしたがって、成膜開始時の原料の形状が次第に変化することが明らかになった。原料の形状の変化は特に昇華性の原料の場合に顕著であり、例えばSiO2では最初平坦であつた原料表面が成膜時間とともに蒸発により消耗し、最終的には傾いた原料表面になることもしばしば生じた。傾いた原料表面からは傾いた方向に原料が蒸発するため、蒸着速度分布が刻々と変化することになる。一方、Ta2O5のような溶融性の原料の場合は溶融表面が重力もしくは表面張力で概ね水平に保たれるため、原料は消耗してもその表面形状を大きく変化させることはなかった。
【0008】
光学式膜厚モニターを用いることにより、基板上のモニター位置における膜厚は正確に計測することができ、所望の特性をもつ多層膜光学フィルターを作製することが可能になるが、基板上でも光学式膜厚モニターの測定位置以外の場所では所望の特性をもつ多層膜光学フィルターを作製することはできなかった。通常は基板上の光学式膜厚モニターが設置されている半径位置から数mm離れると、もはや所望の特性をもつフィルターを得ることは困難であった。このとき、光学特性の劣化はセンター波長のシフトだけに留まらず、挿入損失、パスバンド、リップルにまで及んだ。このことは数十層から二百層に及ぶ多層膜全層の膜厚が半径により均一に変化しているのではなく、厚さ方向に不均一に変化していることを示す。また、膜厚方向の不均一な変化は蒸着速度分布の経時変化に基づくことは明らかである。
【0009】
したがって、本発明は多層膜光学フィルター形成装置内の蒸発速度分布を制御する方法を提供し、これにより一度の成膜で形成できる多層膜光学フィルターの収量を増大させた多層膜光学フィルター形成装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは多層膜光学フィルター形成装置および多層膜光学フィルターの製造方法に関して、詳細な検討を行った結果、一度の成膜において製造できる多層膜光学フィルターの収量が、成膜中の原料の蒸着速度分布を計測し、これをフィードバックして蒸着源の電子銃を制御することにより大幅に増加することを明らかにした。また、このためには蒸着速度分布を複数の膜厚モニターを用いて計測することが望ましいことを明らかにした。
【0011】
したがって、本発明は多層膜光学フィルターの形成装置において、原料の蒸着速度分布をフィードバックし、蒸着源の電子銃を制御することにより蒸着速度分布を制御した多層膜光学フィルター形成装置を提供する。また、蒸着速度分布を複数の膜厚モニターを用いて計測することを特徴とした多層膜光学フィルター形成装置を提供する。さらに、膜厚モニターが水晶式膜厚モニターであることを特徴とする多層膜光学フィルター形成装置を提供する。電子銃においては、電子線の電流値、電子線の平均的位置、電子線のスキャン形状を制御することが望ましい。
【0012】
本発明の方法を用いた結果、蒸発による原料の表面形状変化に基づく蒸着速度分布の変化だけでなく、イオンガンから照射されるイオン電流密度の経時変化に基づく蒸着速度分布の変化や真空チャンバー内のガス圧変動に基づく蒸着速度分布の変化も併せて制御可能になる。この結果、従来は光学式モニター位置近傍の狭い領域だけが有効領域であり、有効領域からはずれるとセンター波長、挿入損失、パスバンド、リップル等が仕様を満足しなかったが、本発明によりセンター波長は多少シフトしても挿入損失、パスバンド、リップル等の劣化は減少し、有効領域を拡大することができた。したがって、生産性の良い多層膜光学フィルター形成装置を開発することができた。
【0013】
[1] 本発明の多層膜光学フィルター形成装置は、複数の誘電体多層膜を蒸着する多層膜光学フィルターの形成装置であって、原料の蒸着速度分布をフィードバックし、蒸着源の電子銃を制御することを特徴とする。
ここで、“蒸着速度分布”とは、単位時間当たりに成膜される膜厚の分布に相当する。すなわち、誘電体多層膜の成膜速度が基板を含む平面上で一様でない分布であれば、その分布状態に基づいて、分布が均一となるように蒸着源の蒸発状態を変えていく。
[2] 上記[1]の多層膜光学フィルター形成装置は、前記蒸着速度分布を複数の膜厚モニターを用いて計測することを特徴とする。
【0014】
[3] 本発明の他の多層膜光学フィルター形成装置は、基板上に複数の誘電体多層膜を蒸着する多層膜光学フィルターの形成装置であって、基板周方向に複数個の膜厚モニターを設置し、前記複数個の膜厚モニターによって蒸着速度分布を把握し、フィードバックして蒸着源を制御することを特徴とする。
“基板周方向に設置”とは、基板の周囲に沿って配置することや、膜厚モニターの配置が基板の回転中心に対して対称に配置されていることを含む。
【0015】
[4] 上記[2]又は[3]に記載の多層膜光学フィルター形成装置であって、前記膜厚モニターが水晶式膜厚モニターであることを特徴とする。
【0016】
[5] 上記[2]、[3]、[4]のいずれかの多層膜光学フィルター形成装置であって、前記膜厚モニターが2式もしくは4式設置されていることを特徴とする。
膜厚モニターを偶数個設けて、誘電体多層膜を蒸着する基板の周囲に対称に配置すると、基板中心からみて対称に配置した膜厚モニター同士では、得られる蒸着速度データやそれらの分布について、共通するパラメータによる比較・分析がし易くなるというメリットがある。
【0017】
[6] 上記[1]又は[2]のいずれかの多層膜光学フィルター形成装置であって、電子銃において、電子線の電流制御、電子線の位置制御、電子線のスキャン形状制御を行うことを特徴とする。
これらの制御によって、蒸着源における原料を均一に蒸発させ、原料の表面状態を平らにした状態で蒸着を続けることが望ましい。すなわち、原料の断面を見たときに、原料表面が回転基板の表面と平行になるようにする。
【0018】
[7] 上記[1]乃至[6]のいずれかの多層膜光学フィルター形成装置であって、前記蒸着源は原料がリング状であり、リング状の原料が回転することにより照射される電子線の位置が時間とともに変化することを特徴とする。
電子銃の制御だけでなく、原料を載せたリング状のハース自体を回転させたり、その回転速度を変えることにより、更に精密に蒸着速度分布の制御を行なうことが可能となる。
【0019】
[8] 上記[1]乃至[7]のいずれかの多層膜光学フィルター形成装置であって、光学式膜厚モニターを備え、前記光学式膜厚モニターのモニター位置が回転基板の回転中心から離れた位置にあることを特徴とする。
本発明は、回転基板上で所定の円周近傍にて有効領域の幅を広げることにより、多層膜光学フィルターの取れ数を増大させることができる。したがって、モニター位置を基板の回転中心ではない位置とする。
【0020】
[9] 上記[1]乃至[8]のいずれかの多層膜光学フィルター形成装置であって、使用する原料の一つが酸化シリコン(SiO2)であることを特徴とする。
なお、本発明の多層膜光学フィルター形成装置にて、紫外線に係る用途に供する多層膜を形成する場合、使用する原料の一つをフッ化化合物で構成することができる。
【0021】
[10] 本発明の多層膜光学フィルターの製造方法は、基板上に複数の誘電体多層膜を有する多層膜光学フィルターの製造方法であって、基板周方向に設置した複数個の膜厚モニターによって蒸着速度分布を把握し、フィードバックして蒸着源を制御することを特徴とする。
ここで、“蒸着源を制御する”とは、蒸着原料を保持するリング状のハースの回転速度を変えたり、原料を蒸発させるための電子銃を制御することにより、蒸発粒子の蒸発状態を制御し、蒸着速度分布を均一化すること等を含む。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例に基づき詳しく説明する。なお、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1) 多層膜光学フィルターは次の工程で製造した。裏面に反射防止膜4を形成した板厚が10mmの洗浄ガラス基板を成膜基板3として成膜装置に装填し、真空度を6.7×10−4Pa(≒約5×10−6Torr)以下に排気した後、成膜を開始した。ガラス基板の板厚は、例えば7−10mmの範囲内のものを用いることができる。本実施例で作製した多層膜光学フィルターは図1に示すDWDM用狭帯域フィルター(NBPF)であり、その基本構造はミラーになる1/4波長積層体1と、スペーサーになる1/2波長もしくはその整数倍層2を積層数=100層で積層した。なお、積層数は数十層から百数十層の範囲で変えることができる。
【0023】
ここで、ミラーになる1/4波長積層体1はTa酸化物(Ta2O5)もしくはNb酸化物(Nb2O5)からなる光学膜厚が1/4波長の高屈折率誘電体層と、Si酸化物(SiO2)からなる光学膜厚が1/4波長の低屈折率誘電体層を交互に積層した構造である。また、スペーサーになる1/2波長もしくはその整数倍層2はSi酸化物からなる光学膜厚が1/2波長もしくはその整数倍の低屈折率誘電体層、あるいはTa酸化物もしくはNb酸化物からなる光学膜厚が1/2波長もしくはその整数倍の高屈折率誘電体層である。なお、図1の断面図は、連続した積層回数が多いため、途中の積層状態の図示を省略した。
【0024】
誘電体多層膜の成膜には、多層膜光学フィルター形成装置として、図2の断面図に示すイオンアシスト蒸着装置を用いた。イオンアシスト蒸着装置では、チャンバー23内で前述の誘電体多層膜を構成する高屈折率材料および低屈折率材料をリング状の蒸着源ハース6内に装填し、電子銃5から電子線を照射することにより両原料を交互に蒸発させ、蒸着源シャッター7と基板シャッター9を開き、ガラス基板8に成膜させた。このとき、同時にアシスト用のイオンガン12を用いて酸素イオンもしくはアルゴンと酸素の混合イオンをガラス基板8に照射し、蒸着粒子がガラス基板8上をマイグレーションすることを助けた。これにより、柱状組織になりやすい多層膜を充填密度の高い多層膜に改善することができた。本実施例ではイオンガン12の加速電圧を500〜900Vとし、均一で充填密度の高い多層膜光学フィルター膜を得ることができた。
【0025】
図2では、電子線の軌道を太い点線で表し、原料の蒸発する向きを細い点線で表した。ガラス基板8を保持する部材は、高速基板回転モーター11により回転させた。誘電体多層膜を構成する各々の誘電体膜の厚さは、水晶式膜厚モニターで測定した。ガラス基板8上に形成された多層膜の厚さは、光学式膜厚モニター投光部13から照射された光を、多層膜を成膜したガラス基板を透過させ、透過光を光学式膜厚モニター受光部14で受けることにより、測定した。
【0026】
図3は、多層膜光学フィルター形成装置で用いる光学式膜厚モニターを示す概略図である。光学式膜厚モニター投光部13としてハロゲンランプを用いた構成である。成膜中の膜厚は図3に示すように、ハロゲンランプの白色光をチャンバー23内に入射させ、成膜中の多層膜及び高速回転しているガラス基板8に直接透過させ、透過光を光学式膜厚モニター受光部14である受光レンズで受けて、光ファイバ19を介して分光器20(光を分光し、波長毎にの強度を電気信号に変換するもの)で検出することにより、モニタリングを行った。光量演算・制御用コンピューター21は、分光器20の電気信号を入力してモニターを行なうと共に、ハロゲンランプに接続したランプ用電源22を制御するものである。さらに、光量演算・制御用コンピューター21は、蒸着源16において、リング状の蒸着源ハースや電子銃を制御するが、それらとの接続状態の図示は省略した。
【0027】
具体的には、透過光は多層膜の一層の光学的膜厚が1/4波長毎に透過と反射を繰り返すため、透過光の光強度をモニターすることにより終点を検知し、蒸着源を交換することにより交互に高屈折率膜と低屈折率膜を製膜した。これらの膜厚を高精度に変化させることにより、所望のセンター波長(所望のチャンネル)を持つ多層膜光学フィルターを作製することができた。
本実施例の多層膜光学フィルター形成装置では、ガラス基板を固定する基板ホルダーを交換することにより、直径150−300mmの円盤状のガラス基板を用いることができ、光学式膜厚モニターのモニター位置は外周から15−40mm内側とした。したがって、光学特性を満足するフィルターを作製することのできる有効領域は外周に近い領域であった。
【0028】
このとき、高屈折率材料および低屈折率材料の蒸着速度は、図2に示すように、基板近傍に設置した水晶式膜厚モニター10を用いて計測し、蒸着源の電子線エミッション電流を調整することにより、所定の蒸着速度で成膜を行うことができた。
【0029】
図4は多層膜光学フィルター形成装置に設置した水晶式膜厚モニターの配置を示す平面図である。本実施例では図4に示すように、4個の水晶式膜厚モニター26−1,26−2,26−3,26−4をガラス基板24(ガラス基板8に同じ)を固定した基板ホルダー25の近傍に設置することにより、蒸着速度の分布をモニターした。モニター同士は、基板回転中心27を通る仮想的な十字線(図中、一点鎖線で表示)上に、対称に配置した。4個の水晶式膜厚モニターのうち、対向する2個のみを用いてモニターする場合(2式)と、4個全てを用いる場合(4式)について検討した。この2式もしくは4式の膜厚モニター値が2式もしくは4式間で常に相対的に一定の関係をもつようにモニター値を演算し、演算した結果を蒸着源の電子銃にフィードバックして、電子線の電流値、電子線の位置、電子線のスキャン形状を制御しながら成膜を行った。なお、図4の水晶式膜厚モニター26−3,26−4の配置は、図2の断面に表した一対の水晶式膜厚モニター10の配置に対応する。
【0030】
図5は本実施例で使用したモニター値の演算、フィードバック、制御の回路を示すブロック図である。まず、蒸着源ハース47に電子銃40から電子線41を照射し、蒸着粒子48を蒸発させて誘電体膜の成膜を行なった。蒸着粒子48を水晶式膜厚モニターセンサー28(図2の水晶式膜厚モニター10に対応)で検知し、膜厚を示す情報を水晶式膜厚モニターコントローラー29に伝達した。水晶式膜厚モニターコントローラー29から出力されたレートモニター信号30もしくはパワー制御信号31を制御演算システム32に入力して演算処理後、電子線電流制御信号33、電子線位置制御信号34、電子線スキャン形状制御信号35を電子銃コントローラー36に入力して、
電子銃40について、電子線電流制御37、電子線位置制御38、電子線スキャン形状制御39を行なった。なお、電子線のスキャン形状を高精度で制御する場合は図中オプション機能42として示したように、制御演算システム32から入力する電子線スキャン波形変換信号43を、電子銃電源45を接続した波形変換器44に通して、電子銃コントローラー36に入力する方法を用いた。なお、符号を変えているが、同じ名称の部品は図2の部品と対応する。
【0031】
本実施例では高屈折率膜原料と低屈折率原料を蒸発させるため、各々リング状の蒸着源を使用した。この蒸着源は原料の蒸発とともにリングが回転し、電子線が照射される位置が刻々と変化するため、長時間にわたる成膜においても原料表面の高さ変化を少なくすることができる。しかしながら、従来法ではしばしばリングの内径側と外形側の原料の消耗速度が異なり、原料表面の高さが時間と共に不均一に変化し、傾いた原料表面となった。本実施例では蒸着速度分布を一定に保つように電子銃を制御した結果、長時間にわたる成膜においても原料表面の高さは概ね水平に保たれた。なお、本実施例では120−200層の多層膜を形成するために要した時間は18−30時間であつた。
【0032】
水晶式膜厚モニター(以下、水晶センサと略記する)が2式の場合をより詳しく説明すると、水晶センサ26−1の蒸着速度が設定値より高ければSiO2原料の手前側、逆に水晶センサ26−2の蒸着速度が設定値より高ければSiO2原料の奥側の蒸発量が多いことを示すため、電子線の電流値、電子線の位置、電子線のスキャン形状にフィードバックをかけて電子銃から放出される電子線を制御した。とりわけ電子線の位置については蒸着速度分布への影響が大きいため、表1のように制御した。
【0033】
【表1】
【0034】
また、同様に4式の水晶式膜厚モニターを用いた場合は、水晶センサ26−3の蒸着速度が設定値より高ければSiO2原料の左側、逆に水晶センサ26−4の蒸着速度が設定値より高ければSiO2原料の右側の蒸発量が多いことを示すため、上記符号26−1、26−2、26−3、26−4の4個の水晶センサーの出力を用いて電子線の電流値、電子線の位置、電子線のスキャン形状にフィードバックをかけて電子銃から放出される電子線を制御した。とりわけ電子線の位置については蒸着速度分布への影響が大きいため、表2のように制御した。
【0035】
【表2】
【0036】
成膜した基板は光学的な検査を行って区域毎にフィルターの挿入損失、センター波長、パスバンド幅、ストップバンド幅等の光学特性を測定し、製品仕様と照らし合わせて各フィルターチップの区域毎の良否判定を行った。図6は、成膜したガラス基板において光学特性を満足する有効領域を示す平面図である。この結果、従来は光学式モニターで膜厚をモニターしている基板上の半径位置近傍(従来の有効領域49)だけで全ての光学特性を満足する領域が得られていたが、複数の水晶センサ(=水晶式膜厚モニター)を用いて蒸着速度分布を制御したことにより、図6で示すように光学式膜厚モニターでモニターしている半径位置の内径側および外形側に光学特性を満足する有効領域が広がった。広がった有効領域50では膜厚分布に基づきセンター波長は多少シフトしたが、挿入損失、パスバンド、リップルは改善され、良品の収量が大幅に増加した。
【0037】
ついで、基板の板厚がフィルターとして所望される厚さまで裏面を研磨等により削って板厚を減少し、改めて裏面に反射防止膜を形成した。次に、基板をダイシングすることにより、フィルターチップの寸法に切り出し、仕様を満足する良品の光学フィルターだけを抽出することができた。フィルターの大きさは1.0〜1.5mm角、0.8〜1.4mm厚である。また、必要に応じて熱処理を加えることにより、光学特性の調整を図る場合もあった。その後、最終光学検査を行って多層膜光学フィルターを完成させた。完成した多層膜光学フィルターの光学特性例を図7のグラフに示す。本例は100GHz用の多層膜光学フィルターであるが、挿入損失が0.3dB以下、パスバンドが0.4nm以上、リップルが0.3dB以下であった。
【0038】
なお、上記実施例では多層膜光学フィルターとして100GHzのDWDM用狭帯域フィルターの例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、広帯域フィルターや利得等価フィルター等、膜厚の精密制御を必要とする多層膜光学薄膜の製造に適用できる。また、本実施例ではイオンアシスト蒸着装置を用いた場合を示したが、電子線蒸着源を有する成膜装置であれば本発明を適用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、この発明に係る多層膜光学フィルター形成装置は、成膜中の蒸着速度分布の変化、すなわち膜厚分布の変化を低減させることができ、この結果、所望の光学特性を持つ基板上の有効領域が拡大し、一度の成膜で得られる収量が増加し、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多キャビティのバンドパスフィルターを構成する多層膜構造を示す断面図である。
【図2】本発明の多層膜光学フィルター形成装置を示す断面図である。
【図3】本実施例で用いた光学式膜厚モニターの構成を示す概略図である。
【図4】本実施例で多層膜光学フィルター形成装置に設置した水晶式膜厚モニターの配置を示す平面図である。
【図5】本実施例で使用したモニター値の演算、フィードバック、制御の回路を示すブロック図である。
【図6】本実施例で得られた光学特性を満足する有効領域を示す平面図である。
【図7】本実施例の多層膜光学フィルター形成装置を用いて作製したDWDM用100GHz多層膜光学フィルターの光学特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ミラーになる1/4波長積層体、
2 スペーサーになる1/2波長もしくはその整数倍層、
3 成膜基板、 4 反射防止膜、
5 電子銃、 6 蒸着源ハース、 7 蒸着源シャッター、
8 ガラス基板、 9 基板シャッター、 10 水晶式膜厚モニター、 11 高速基板回転モーター、 12 イオンガン、 13 光学式膜厚モニター投光部、 14 光学式膜厚モニター受光部、
16 蒸着源、 19 光ファイバー、 20 分光器、
21 光量演算・制御用コンピューター、 22 ランプ用電源、
23 チャンバー、 24 ガラス基板、 25 基板ホルダー、
26−1 26−2 26−3 26−4 水晶式膜厚モニター、
27 基板回転中心 、28 水晶式膜厚モニターセンサー、
29 水晶式膜厚モニターコントローラー、
30 レートモニター信号、 31 パワー制御信号、
32 制御演算システム、 33 電子線電流制御信号、
34 電子線位置制御信号、 35 電子線スキャン形状制御信号、
36 電子銃コントローラー、 37 電子線電流制御、
38 電子線位置制御、 39 電子線スキャン形状制御、 40 電子銃、
41 電子線、 42 オプション機能、
43 電子線スキャン波形変換信号、 44 波形変換器、
45 電子銃電源、 46 電子線スキャン波形信号、
47 蒸着源ハース、 48 蒸着粒子、 49 従来の有効領域、
50 本実施例で拡大した有効領域[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for forming a dielectric multilayer optical filter used in an optical communication system or the like, and more particularly, to a deposition rate distribution of an apparatus using an electron gun.
[0002]
[Prior art]
With the recent development of high-speed communication networks, large amounts of information have been transmitted at high speed. As one of the methods for making this possible, development of a wavelength multiplexing optical communication system (DWDM) has been actively performed. In this wavelength division multiplexing optical communication system, optical signals of a plurality of wavelengths are transmitted while being superimposed on one glass fiber. For this purpose, it is necessary to connect an optical multiplexer / demultiplexer before and after the glass fiber. The dielectric multilayer optical filter of the present invention is used as various optical filters used in an optical communication system, such as a narrow band pass filter (NBPF) constituting an optical multiplexer / demultiplexer. These multilayer optical filters form multilayer films ranging from tens to 200 layers by alternately laminating high-refractive-index dielectric films and low-refractive-index dielectric films on a glass substrate. The thickness reaches several tens of μm. An example of the structure of the multilayer optical filter is described in JP-A-10-197721. A basic multilayer optical filter has a high refractive index dielectric layer having an optical film thickness of 1/4 wavelength and a low refractive index dielectric layer having an optical film thickness of 1/4 wavelength in order to have a desired center wavelength. It is composed of a mirror layer in which body layers are alternately stacked, a spacer layer having an optical thickness of 1 / wavelength of the center wavelength or an integral multiple thereof, a film-forming substrate, and an antireflection film.
[0003]
Each layer constituting the multilayer optical filter is required to have a film thickness accuracy of 1 / 10,000 to 1 / 100,000, and the thickness and combination of these layers are adjusted according to the specifications of the multilayer optical filter. By doing so, it is possible to produce a multilayer optical filter having a desired center wavelength and a steep skirt. Generally, an optical multiplexer / demultiplexer using a multilayer optical filter is manufactured by combining a plurality of multilayer optical filters having different center wavelengths, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-337765. At this time, the currently mainstream optical multiplexer / demultiplexer of 100 GHz uses a plurality of multilayer optical filters having wavelength intervals different by 0.8 nm.
[0004]
A general method of manufacturing a multilayer optical filter having a desired center wavelength is to transmit light of a desired wavelength to a substrate being formed, determine a film thickness while monitoring the amount of transmitted light, and replace a deposition material. Form a multilayer film. At this time, it is known that the amount of transmitted light repeatedly increases and decreases as the film thickness increases, and the increase and decrease of the light amount occurs every quarter wavelength of the optical film thickness. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-296305 describes an optical film thickness monitor, and discloses a method of stopping evaporation when transmittance or reflectance at one side of two wavelengths exceeds a peak. I have. This makes it possible to form a film having an optical thickness of 1 / wavelength. Further, as another method, a method has been proposed in which a peak is accurately detected by using curve fitting software for estimating a peak of a light amount, and a film forming material is switched.
[0005]
As a general method for forming a dielectric multilayer film, an ion-assisted vapor deposition method is employed. In the ion-assisted vapor deposition method, the high-refractive-index material and the low-refractive-index material constituting the above-described dielectric multilayer film are alternately evaporated using an EB gun (electron gun) to form a film on the substrate. At this time, the substrate is simultaneously irradiated with oxygen or mixed ions of argon and oxygen by using an ion gun to help the vapor-deposited particles migrate on the substrate. This makes it possible to improve a multilayer film having a columnar structure easily into a multilayer film having a high packing density. The film forming equipment is designed to have as good a film thickness distribution as possible, but as described above, the film of each layer constituting the multilayer optical filter has a film thickness of 1 / 10,000 to 1 / 100,000. Since precision is required, it is not possible to manufacture a multilayer optical filter having a desired center wavelength, pass band, insertion loss, and the like over the entire surface of the film formation substrate. Usually, a desired multilayer optical filter can be obtained from a partial region on the substrate along the center or the outer periphery of the substrate. Further, generally, a thick glass substrate is used at the time of film formation. However, cutting and polishing operations are performed after the film formation to obtain a standard size of a multilayer optical filter of 1.4 × 1.4 ×. It will be finished to 1.0 mm.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
When a multilayer optical filter is manufactured by a conventional method, only a part of the substrate can be used because the film thickness accuracy is severe. Further, the film thickness during film formation is constantly measured by a light amount monitor, and is fed back to the switching of the vapor deposition raw material. The vapor deposition rate is measured by using a quartz-type film thickness monitor separately from the above light amount monitor, and is applied to the emission current of the electron gun. The film can be formed at a desired deposition rate by feedback. However, a detailed investigation of the film thickness distribution during the film formation revealed that the film thickness distribution was constantly changing. This means that the distribution of the deposition rate changes during the film formation.
[0007]
As a result of investigating the cause of the change in the deposition rate distribution during the film formation, it was found that the shape of the material at the start of film formation gradually changed as the material was evaporated. The change in the shape of the raw material is particularly remarkable in the case of a sublimable raw material. 2 Then, the surface of the raw material which was initially flat was consumed by evaporation along with the film formation time, and eventually the surface of the raw material was often inclined. Since the raw material evaporates in the tilted direction from the tilted raw material surface, the deposition rate distribution changes every moment. On the other hand, Ta 2 O 5 In the case of such a fusible raw material, the molten surface is kept substantially horizontal by gravity or surface tension, so that even if the raw material is consumed, its surface shape did not change significantly.
[0008]
By using an optical film thickness monitor, the film thickness at the monitor position on the substrate can be accurately measured, and a multilayer optical filter having desired characteristics can be manufactured. It was not possible to produce a multilayer optical filter having desired characteristics at a place other than the measurement position of the formula film thickness monitor. Normally, it is difficult to obtain a filter having desired characteristics any more than a few mm from the radial position where the optical film thickness monitor on the substrate is installed. At this time, the deterioration of the optical characteristics was not limited to the shift of the center wavelength, but also extended to the insertion loss, the pass band, and the ripple. This indicates that the film thickness of all the multilayer films ranging from several tens to two hundred layers does not change uniformly with the radius, but changes unevenly in the thickness direction. Also, it is clear that the non-uniform change in the film thickness direction is based on the temporal change of the deposition rate distribution.
[0009]
Accordingly, the present invention provides a method for controlling the evaporation rate distribution in a multilayer optical filter forming apparatus, thereby increasing the yield of a multilayer optical filter that can be formed in a single film formation. provide.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted detailed studies on a multilayer optical filter forming apparatus and a method for manufacturing a multilayer optical filter, and as a result, the yield of a multilayer optical filter that can be manufactured in one film formation is reduced by the amount of raw material during film formation. The deposition rate distribution was measured, and it was clarified that it was greatly increased by controlling the electron gun of the deposition source by feeding back this. Further, it has been clarified that it is desirable to measure the deposition rate distribution using a plurality of film thickness monitors for this purpose.
[0011]
Therefore, the present invention provides an apparatus for forming a multilayer optical filter, in which a deposition rate distribution of a raw material is fed back and an electron gun of an evaporation source is controlled to control a deposition rate distribution in an apparatus for forming a multilayer optical filter. Further, the present invention provides a multilayer optical filter forming apparatus characterized by measuring a deposition rate distribution using a plurality of film thickness monitors. Further, the present invention provides an apparatus for forming a multilayer optical filter, wherein the film thickness monitor is a quartz crystal film thickness monitor. In an electron gun, it is desirable to control the current value of the electron beam, the average position of the electron beam, and the scan shape of the electron beam.
[0012]
As a result of using the method of the present invention, not only the change in the deposition rate distribution based on the change in the surface shape of the raw material due to evaporation, but also the change in the deposition rate distribution based on the temporal change in the ion current density irradiated from the ion gun and the change in the vacuum chamber Changes in the deposition rate distribution based on gas pressure fluctuations can also be controlled. As a result, conventionally, only the narrow area near the position of the optical monitor is the effective area, and if it deviates from the effective area, the center wavelength, insertion loss, pass band, ripple, etc. do not satisfy the specifications. Even if a little shift was made, the deterioration of insertion loss, pass band, ripple, etc. was reduced, and the effective area could be expanded. Therefore, it was possible to develop a multilayer optical filter forming apparatus having good productivity.
[0013]
[1] The multilayer optical filter forming apparatus of the present invention is a multilayer optical filter forming apparatus for depositing a plurality of dielectric multilayers, and controls the electron gun of the deposition source by feeding back the deposition rate distribution of the raw material. It is characterized by doing.
Here, the “evaporation rate distribution” corresponds to the distribution of the film thickness formed per unit time. That is, if the deposition rate of the dielectric multilayer film is not uniform on a plane including the substrate, the evaporation state of the evaporation source is changed based on the distribution state so that the distribution becomes uniform.
[2] The multilayer optical filter forming apparatus of [1] is characterized in that the vapor deposition rate distribution is measured using a plurality of film thickness monitors.
[0014]
[3] Another multi-layer optical filter forming apparatus of the present invention is a multi-layer optical filter forming apparatus for depositing a plurality of dielectric multi-layer films on a substrate. The method is characterized in that the vapor deposition rate distribution is grasped by the plurality of film thickness monitors and feedback is provided to control the vapor deposition source.
The phrase “installed in the circumferential direction of the substrate” includes that the thickness monitor is arranged along the periphery of the substrate and that the thickness monitor is arranged symmetrically with respect to the center of rotation of the substrate.
[0015]
[4] The apparatus for forming a multilayer optical filter according to [2] or [3], wherein the film thickness monitor is a quartz crystal film thickness monitor.
[0016]
[5] The apparatus for forming a multilayer optical filter according to any one of [2], [3] and [4], wherein two or four sets of the film thickness monitor are provided.
When an even number of film thickness monitors are provided and arranged symmetrically around the substrate on which the dielectric multilayer film is to be deposited, the film thickness monitors arranged symmetrically with respect to the center of the substrate will obtain the obtained deposition rate data and their distribution. There is an advantage that comparison and analysis using common parameters can be easily performed.
[0017]
[6] The apparatus for forming a multilayer optical filter according to any one of [1] and [2], wherein the electron gun controls the current of the electron beam, the position of the electron beam, and the scan shape of the electron beam. It is characterized by.
By these controls, it is desirable to uniformly evaporate the raw material in the vapor deposition source and to continue vapor deposition in a state where the raw material has a flat surface state. That is, when the cross section of the raw material is viewed, the raw material surface is made parallel to the surface of the rotating substrate.
[0018]
[7] The multilayer optical filter forming apparatus according to any one of [1] to [6], wherein the deposition source is a ring-shaped material, and the electron beam is irradiated by rotating the ring-shaped material. Is characterized in that the position changes with time.
In addition to controlling the electron gun, it is possible to more precisely control the deposition rate distribution by rotating the ring-shaped hearth on which the raw material is placed, or by changing the rotation speed.
[0019]
[8] The multilayer optical filter forming apparatus according to any one of [1] to [7], further comprising an optical film thickness monitor, wherein a monitor position of the optical film thickness monitor is away from a rotation center of the rotating substrate. In a different position.
According to the present invention, the number of multilayer optical filters can be increased by increasing the width of the effective area near a predetermined circumference on the rotating substrate. Therefore, the monitor position is set to a position that is not the center of rotation of the substrate.
[0020]
[9] The multilayer optical filter forming apparatus according to any one of [1] to [8], wherein one of the raw materials used is silicon oxide (SiO 2). 2 ).
When the multilayer optical filter forming apparatus of the present invention forms a multilayer film to be used for ultraviolet light, one of the raw materials used can be composed of a fluorinated compound.
[0021]
[10] A method for manufacturing a multilayer optical filter according to the present invention is a method for manufacturing a multilayer optical filter having a plurality of dielectric multilayer films on a substrate, wherein a plurality of film thickness monitors installed in the circumferential direction of the substrate are used. It is characterized in that the deposition rate distribution is grasped and fed back to control the deposition source.
Here, “controlling the evaporation source” means controlling the evaporation state of the evaporated particles by changing the rotation speed of the ring-shaped hearth holding the evaporation material or controlling the electron gun for evaporating the material. And making the deposition rate distribution uniform.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention will be described in detail based on examples. The present invention is not limited by these examples.
(Example 1) A multilayer optical filter was manufactured by the following steps. A cleaning glass substrate having an
[0023]
Here, the quarter-
[0024]
In forming the dielectric multilayer film, an ion-assisted vapor deposition apparatus shown in the sectional view of FIG. 2 was used as a multilayer optical filter forming apparatus. In the ion-assisted vapor deposition apparatus, the high-refractive-index material and the low-refractive-index material constituting the above-mentioned dielectric multilayer film are loaded into the ring-shaped vapor deposition source hearth 6 in the
[0025]
In FIG. 2, the trajectory of the electron beam is represented by a thick dotted line, and the direction in which the raw material evaporates is represented by a thin dotted line. The member holding the
[0026]
FIG. 3 is a schematic diagram showing an optical film thickness monitor used in the multilayer optical filter forming apparatus. This is a configuration using a halogen lamp as the optical film thickness monitor
[0027]
Specifically, since the transmitted light repeats transmission and reflection at every quarter wavelength of the optical thickness of the multilayer film, the end point is detected by monitoring the light intensity of the transmitted light, and the evaporation source is replaced. Thus, a high refractive index film and a low refractive index film were alternately formed. By changing these film thicknesses with high precision, a multilayer optical filter having a desired center wavelength (desired channel) could be manufactured.
In the multilayer optical filter forming apparatus of the present embodiment, a disk-shaped glass substrate having a diameter of 150 to 300 mm can be used by replacing the substrate holder for fixing the glass substrate. It was 15-40 mm inside from the outer circumference. Therefore, the effective region where a filter satisfying the optical characteristics can be manufactured is a region near the outer periphery.
[0028]
At this time, the deposition rates of the high-refractive index material and the low-refractive index material are measured using a quartz-type film thickness monitor 10 installed near the substrate as shown in FIG. 2 to adjust the electron beam emission current of the deposition source. As a result, a film could be formed at a predetermined vapor deposition rate.
[0029]
FIG. 4 is a plan view showing the arrangement of a quartz-type film thickness monitor installed in the multilayer optical filter forming apparatus. In the present embodiment, as shown in FIG. 4, a substrate holder in which four quartz-type film thickness monitors 26-1, 26-2, 26-3, and 26-4 are fixed to a glass substrate 24 (same as the glass substrate 8). By disposing it near 25, the distribution of the deposition rate was monitored. The monitors are symmetrically arranged on a virtual cross line passing through the substrate rotation center 27 (indicated by a dashed line in the figure). Of the four crystal-type film thickness monitors, the case of monitoring using only two opposing ones (expression 2) and the case of using all four (type 4) were examined. The monitor values are calculated so that the film thickness monitor values of the two or four formulas always have a relatively constant relationship between the two or four formulas, and the calculated results are fed back to the electron gun of the evaporation source. Film formation was performed while controlling the current value of the electron beam, the position of the electron beam, and the scan shape of the electron beam. The arrangement of the quartz crystal film thickness monitors 26-3 and 26-4 in FIG. 4 corresponds to the arrangement of the pair of quartz crystal film thickness monitors 10 shown in the cross section in FIG.
[0030]
FIG. 5 is a block diagram showing a circuit for calculating, feedback, and controlling a monitor value used in the present embodiment. First, the evaporation source hearth 47 was irradiated with the
For the
[0031]
In this embodiment, a ring-shaped deposition source was used to evaporate the high-refractive-index film material and the low-refractive-index material. In this evaporation source, the ring rotates as the raw material evaporates, and the position where the electron beam is irradiated changes every moment. Therefore, even when the film is formed for a long time, the change in the height of the raw material surface can be reduced. However, in the conventional method, the consumption rate of the raw material on the inner diameter side and the outer diameter side of the ring often differs, and the height of the raw material surface varies non-uniformly with time, resulting in a tilted raw material surface. In this example, as a result of controlling the electron gun so as to keep the deposition rate distribution constant, the height of the material surface was kept substantially horizontal even during long-time film formation. In this example, the time required for forming a 120-200 multilayer film was 18-30 hours.
[0032]
The case where there are two crystal-type film thickness monitors (hereinafter abbreviated as a crystal sensor) will be described in more detail. If the deposition rate of the crystal sensor 26-1 is higher than a set value, SiO 2 If the deposition rate of the quartz sensor 26-2 is higher than the set value, 2 In order to indicate that the amount of evaporation on the back side of the raw material is large, the electron beam emitted from the electron gun was controlled by feeding back the current value of the electron beam, the position of the electron beam, and the scan shape of the electron beam. In particular, the position of the electron beam was controlled as shown in Table 1 because the influence on the deposition rate distribution was large.
[0033]
[Table 1]
[0034]
Similarly, when four types of quartz-type film thickness monitors are used, if the deposition rate of the quartz sensor 26-3 is higher than the set value, SiO 2 If the deposition rate of the quartz sensor 26-4 is higher than the set value, 2 In order to indicate that the evaporation amount on the right side of the raw material is large, the current value of the electron beam and the electron beam value are calculated using the outputs of the four quartz sensors denoted by reference numerals 26-1, 26-2, 26-3, and 26-4. Feedback was applied to the position and the scan shape of the electron beam to control the electron beam emitted from the electron gun. In particular, the position of the electron beam was controlled as shown in Table 2 because the influence on the deposition rate distribution was large.
[0035]
[Table 2]
[0036]
The substrate on which the film has been formed is subjected to an optical inspection to measure optical characteristics such as filter insertion loss, center wavelength, pass band width, stop band width, etc. for each area, and for each area of each filter chip according to product specifications. Was determined. FIG. 6 is a plan view showing an effective area satisfying optical characteristics in a glass substrate on which a film is formed. As a result, an area that satisfies all the optical characteristics was obtained only in the vicinity of the radial position (conventional effective area 49) on the substrate where the film thickness was monitored by the optical monitor in the past. By controlling the vapor deposition rate distribution using (= quartz film thickness monitor), the optical characteristics are satisfied on the inner diameter side and outer diameter side of the radial position monitored by the optical film thickness monitor as shown in FIG. The effective area has expanded. In the widened
[0037]
Subsequently, the back surface was ground by polishing or the like to reduce the thickness of the substrate to a thickness desired for the filter as a filter, and an anti-reflection film was formed again on the back surface. Next, by dicing the substrate, it was cut out to the size of the filter chip, and only a good optical filter satisfying the specifications could be extracted. The size of the filter is 1.0 to 1.5 mm square and 0.8 to 1.4 mm thick. In some cases, the optical characteristics may be adjusted by applying heat treatment as needed. Thereafter, a final optical inspection was performed to complete a multilayer optical filter. FIG. 7 is a graph showing an example of optical characteristics of the completed multilayer optical filter. This example is a multilayer optical filter for 100 GHz, and the insertion loss was 0.3 dB or less, the pass band was 0.4 nm or more, and the ripple was 0.3 dB or less.
[0038]
In the above embodiment, an example of a narrow band filter for DWDM of 100 GHz is shown as a multilayer optical filter, but the present invention is not limited to this, and precise control of film thickness such as a wide band filter and a gain equivalent filter is performed. It can be applied to the production of the required multilayer optical thin film. Further, in this embodiment, the case where the ion assisted vapor deposition apparatus is used is shown, but the present invention can be applied to any film forming apparatus having an electron beam vapor deposition source.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, the apparatus for forming a multilayer optical filter according to the present invention can reduce the change in the deposition rate distribution during film formation, that is, the change in the film thickness distribution. The upper effective area is enlarged, the yield obtained by one film formation is increased, and the productivity can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a multilayer film structure constituting a multi-cavity bandpass filter.
FIG. 2 is a sectional view showing a multilayer optical filter forming apparatus of the present invention.
FIG. 3 is a schematic diagram showing a configuration of an optical film thickness monitor used in the present embodiment.
FIG. 4 is a plan view showing an arrangement of a quartz-type film thickness monitor installed in a multilayer optical filter forming apparatus in the present embodiment.
FIG. 5 is a block diagram showing a circuit for calculating, feedback, and controlling a monitor value used in the embodiment.
FIG. 6 is a plan view showing an effective area satisfying the optical characteristics obtained in this example.
FIG. 7 is a diagram illustrating optical characteristics of a 100 GHz multilayer optical filter for DWDM manufactured using the multilayer optical filter forming apparatus of the present embodiment.
[Explanation of symbols]
1 quarter-wave laminate to be a mirror,
2 1/2 wavelength or an integer multiple layer that becomes a spacer,
3 film forming substrate, 4 anti-reflection film,
5 electron gun, 6 evaporation source hearth, 7 evaporation source shutter,
16 evaporation sources, 19 optical fibers, 20 spectrometers,
21 Computer for calculating and controlling light intensity, 22 Power supply for lamp,
23 chamber, 24 glass substrate, 25 substrate holder,
26-1 26-2 26-3 26-4 Quartz-type film thickness monitor,
27 substrate rotation center, 28 crystal type film thickness monitor sensor,
29 crystal thickness monitor controller,
30 rate monitor signal, 31 power control signal,
32 control arithmetic system, 33 electron beam current control signal,
34 electron beam position control signal, 35 electron beam scan shape control signal,
36 electron gun controller, 37 electron beam current control,
38 electron beam position control, 39 electron beam scan shape control, 40 electron gun,
41 electron beam, 42 optional functions,
43 electron beam scan waveform conversion signal, 44 waveform converter,
45 electron gun power supply, 46 electron beam scan waveform signal,
47 evaporation source hearth, 48 evaporation particles, 49 conventional effective area,
50 Effective area expanded in this embodiment
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081007 |