JP2004058746A - Steering control system for vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両の操舵制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵装置、特に自動車用の操舵装置において、近年、その更なる高機能化の一端として、操舵ハンドルの操作角(ハンドル操作角)と車輪操舵角とを1:1比率に固定せず、ハンドル操作角の車輪操舵角への変換比(舵角変換比)を車両の運転状態に応じて可変とした、いわゆる可変舵角変換比機構を搭載したものが開発されている。車両の運転状態としては、例えば、車両速度(車速)を例示でき、高速運転時においては舵角変換比を小さくすることにより、ハンドル操作角の増加に対して操舵角が急激に大きくならないようにすれば、高速走行の安定化を図ることができる。他方、低速走行時には、逆に舵角変換比を大きくすることで、一杯まで切るのに必要なハンドルの回転数を減少させることができ、車庫入れや縦列駐車あるいは幅寄せなど、操舵角の大きい運転操作を非常に簡便に行なうことができる。
【0003】
舵角変換比を可変化する機構としては、例えば特開平11−334604号公報に開示されているように、ハンドル軸と車輪操舵軸とを、ギア比が可変な歯車式伝達部にて直結したタイプのものがあるが、この構成は、歯車式伝達部のギア比変更機構が複雑になる欠点がある。そこで、ハンドル軸と車輪操舵軸とを分離し、モータ等のアクチュエータにより車輪操舵軸を回転駆動するタイプのものが、例えば特開平11−334628号公報等に提案されている。具体的には、角度検出部が検出するハンドル操作角と車両運転状態とに応じて定まる舵角変換比とに基づいて、コンピュータ処理により最終的に必要な車輪操舵角を演算し、その演算された車輪操舵角が得られるように、ハンドル軸から機械的に切り離された車輪操舵軸をアクチュエータ(モータ)により回転駆動する。このアクチュエータはコンピュータ(CPU)にて構成された操舵制御部により動作制御される。
【0004】
上記の操舵制御方式では、ハンドル軸と車輪操舵軸とが機械的に分離されており、車輪操舵軸の実質的な駆動制御は、アクチュエータを媒介として操舵制御部によりなされる。操舵制御部は、例えば自動車の場合はバッテリーより安定化電源回路を経て所定の電源電圧を受電するが、操舵制御部を常時確実に動作させるために、バッテリーから安定化電源回路への電力経路を、主電力経路とバックアップ用電力経路との2系統設けることが行なわれている。バックアップ用電力経路は、例えば主電力経路に断線等が生じた場合に操舵制御部への電力経路を補完する役割を果たす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の運転停止を行なう場合は、キー操作式スイッチ等よりなる運転駆動スイッチ(自動車の場合はイグニッションスイッチ)を操作して、車両駆動源(自動車の場合はエンジン)を停止させる。車両の運転停止中は、電装系の制御部をなすCPU等も電源OFFされ、動作を停止するのが通常である。しかし、アクチュエータによる操舵制御の場合、主電力経路が運転駆動スイッチOFFにより遮断されても、操舵制御部がバックアップ用電力経路により電力供給される形になっていると、運転停止中も操舵制御部が電力を消費し、バッテリー消耗が早まることにつながる。
【0006】
本発明の課題は、主電力経路による電力供給が不能となった場合においても、バックアップ用電力経路により操舵制御部の動作確保を問題なく行なうことができ、しかも、運転停止中は操舵制御部が確実に動作停止し、バッテリー消耗を抑制することができる操舵制御システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、操舵用のハンドル軸と車輪操舵軸とが機械的に分離されてなり、ハンドル軸の操作角と車両の運転状態とに応じて車輪操舵軸に与えるべき操舵角を決定し、当該操舵角が得られるように車輪操舵軸をアクチュエータにより回転駆動するようにした車両用操舵制御システムに関するものであり、
ハンドル軸の角度位置(ハンドル軸角度位置)を検出するハンドル軸角度検出部と、
車輪操舵軸の角度位置(操舵軸角度位置)を検出する操舵軸角度検出部と、
車両の運転状態を操舵制御のために検出する操舵用運転状態検出部と、
検出されたハンドル軸角度位置と車両の運転状態とに基づいて車輪操舵軸の目標角度位置を決定し、該操舵軸角度位置が目標角度位置に近づくように、アクチュエータの動作を制御するとともに、車両全体の電力源をなすバッテリーから制御部用安定化電源回路を経て動作電力を受電する操舵制御部と、を有する。
【0008】
そして、上記の課題を解決するために、その第一の構成は、
バッテリーから制御部用安定化電源回路へ電力供給するための主電力経路と、
該主電力経路をバックアップするためのバックアップ用電力経路と、
主電力経路上に設けられ、車両の運転駆動をON/OFFする運転駆動スイッチが車両運転停止のために操作されるに伴い、主電力経路を遮断する主電源スイッチと、
主電力経路の遮断状態を検出する主電力経路遮断検出手段と、
主電力経路の遮断状態に係る情報とは別に、車両が運転継続状態にあるか運転停止状態にあるかを識別可能な補助監視信号を検出する補助監視信号検出手段と、
バックアップ用電力経路上に設けられたバックアップ用電源スイッチと、
主電力経路の遮断検出を前提として、補助監視信号の検出内容が、運転停止状態に対応した所定の条件を満たした場合にのみ、バックアップ用電源スイッチによるバックアップ用電力経路の遮断動作制御を行なうバックアップ用電源スイッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によると、主電力経路による電力供給が不能となった場合においても、バックアップ用電力経路が操舵制御部への電力供給を補完するので、その動作確保を問題なく行なうことができる。また、主電源スイッチにより主電力経路が遮断されると、その遮断検出を前提としてバックアップ用電源スイッチによりバックアップ用電力経路が遮断されるから、運転停止中は操舵制御部が確実に動作停止し、バッテリー消耗を抑制することができる。
【0010】
他方、バックアップ用電力経路が遮断されなければならないのは運転停止時であり、逆に運転中は操舵制御部への電力供給補完機能を確実に果たさなければならない。しかし、断線等の異常により、運転駆動スイッチが操作されていないにも拘わらず主電力経路が遮断されることがある。このような状況でバックアップ用電力経路も無条件に遮断されると、電力供給補完機能が失われることにつながる。しかしながら、上記本発明の第一の構成によると、主電力経路の遮断状態に係る情報とは別に、車両が運転継続状態にあるか運転停止状態にあるかを識別可能な補助監視信号が別途検出される。そして、主電力経路の遮断検出を前提として、補助監視信号の検出内容が、運転停止状態に対応した所定の条件を満たした場合にのみ、バックアップ用電源スイッチによるバックアップ用電力経路の遮断動作制御がなされる。従って、断線等の異常により主電力経路が遮断された場合でも、補助監視信号の検出内容が運転停止状態に係る条件を満たしていないとき(つまり、運転継続状態にある場合)は、バックアップ用電力経路が遮断されないので、操舵制御部への電力供給補完機能を確保することができる。
【0011】
また、本発明の操舵制御システムの第二の構成は、
バッテリーから制御部用安定化電源回路へ電力供給するための主電力経路と、
該主電力経路をバックアップするためのバックアップ用電力経路と、
主電力経路上に設けられ、車両の運転駆動をON/OFFする運転駆動スイッチが車両運転停止のために操作されるに伴い、主電力経路を遮断する主電源スイッチと、
主電力経路の遮断状態を検出する主電力経路遮断検出手段と、
車両運転終了時における車輪操舵軸の角度位置(終了角度位置)を記憶するとともに、操舵制御部への電力供給が途絶えた後にも記憶内容を保持する終了角度位置記憶部と、
バックアップ用電力経路上に設けられたバックアップ用電源スイッチと、
バックアップ用電源スイッチ制御手段は、主電力経路の遮断が検出されるに伴い、バックアップ用電力経路のみにより制御部用安定化電源回路への電力供給が継続される延長受電期間を経た後、バックアップ用電源スイッチを作動させて該バックアップ用電力経路を遮断することにより、操舵制御部への電力供給を停止させるバックアップ用電源スイッチ制御手段と、を有し
操舵制御部は、延長受電期間において終了角度位置記憶部への終了角度位置の書き込みを行なうことを特徴とする。
【0012】
この構成においても、主電力経路による電力供給が不能となった場合においても、バックアップ用電力経路が操舵制御部への電力供給を補完するので、その動作確保を問題なく行なうことができる。また、主電源スイッチにより主電力経路が遮断されると、その遮断検出を前提としてバックアップ用電源スイッチによりバックアップ用電力経路が遮断されるから、運転停止中は操舵制御部が確実に動作停止し、バッテリー消耗を抑制することができる。
【0013】
ハンドル軸と車輪操舵軸とが機械的に分離されている操舵制御システムにおいては、ハンドルをある角度に切った状態で車両の運転を終了すると、アクチュエータは運転終了時の角度位置にて回転動作を停止する。運転終了時の角度位置をいわば不揮発性のメモリ内に記憶しておき、運転を再開するときには、その記憶された最終角度位置を初期角度位置とする形で、アクチュエータによる車輪操舵軸の駆動を再開する。しかし、運転停止時に、主電力経路とバックアップ用電力経路とが直ちに遮断されると、最終角度位置の書込み処理時間を十分に確保できなくなる場合がある。
【0014】
そこで、本発明の第二の構成においては、主電力経路が主電源スイッチの操作により直接遮断されることを利用し、その遮断検出により運転終了を識別する。そして、主電力経路の遮断が検出されるに伴い、バックアップ用電力経路のみにより制御部用安定化電源回路への電力供給が継続される延長受電期間を経た後、バックアップ用電源スイッチを作動させて該バックアップ用電力経路を遮断することにより、操舵制御部への電力供給を停止させる。これにより、操舵制御部は、延長受電期間において終了角度位置記憶部への終了角度位置の書込みを確実に行なうことができる。
【0015】
なお、終了角度位置記憶部は、CPUがRAMに対するデータ読出し/書込みを行なう第一の動作電圧においては、データの読出しのみが可能であり、他方、第一の動作電圧とは異なる第二の動作電圧を設定することによりデータの書込み(書き換えを概念として含む)が可能となるPROM(Programmable Read OnlyMemory)にて構成することができ、車両運転終了後も記憶内容保持のための電力供給が継続されるように構成しておく。このようなPROMは電気的に記憶内容の変更が可能なPROMであり、例えば周知のEEPROMあるいはフラッシュメモリを使用できる。本発明のような車両用操舵制御システムにおいては、角度位置等、サイズのそれほど大きくないデータを頻繁に書き換える必要があるため、データの書き換え可能単位がフラッシュメモリよりも小さいEEPROM(バイト単位でデータ書き換えが可能)がより好適である。
【0016】
上記第二の構成は、前記第一の構成と結合することもできる。すなわち、該第二の構成においては、終了角度位置記憶部への終了角度位置の書込みは運転終了時にのみ行われるべきものであり、運転中にこの書込み処理が誤って行われると、操舵制御部は終了角度位置を見失ってしまうことになり、次回運転開始時にアクチュエータによる車輪操舵軸の駆動制御を正常に再開できなくなる。しかしながら、主電力経路の遮断検出のみでなく、補助監視信号の検出内容が、運転停止状態に対応した所定の条件を満たした場合に運転終了と判断することで、このような不具合を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用される車両用操舵制御システムの、全体構成の一例を模式的に示したものである(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。該車両用操舵制御システム1は、操舵用ハンドル2に直結されたハンドル軸3と、車輪操舵軸8とが機械的に分離された構成を有する。車輪操舵軸8はアクチュエータとしてのモータ6により回転駆動される。車輪操舵軸8の先端はステアリングギアボックス9内に延び、該車輪操舵軸8とともに回転するピニオン10がラックバー11を軸線方向に往復動させることにより、車輪13,13の転舵角が変化する。なお、本実施形態の車両用操舵制御システム1においては、ラックバー11の往復動が、周知の油圧式、電動式あるいは電動油圧式のパワーアシスト機構12により駆動補助されるパワーステアリングが採用されている。
【0018】
ハンドル軸3の角度位置φは、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなるハンドル軸角度検出部101により検出される。他方、車輪操舵軸8の角度位置θは、同じくロータリエンコーダ等の角度検出部からなる操舵軸角度検出部103により検出される。また、本実施形態においては、自動車の運転状態を検出する運転状態検出部として、車速Vを検出する車速検出部(車速センサ)102が設けられている。車速検出部102は、例えば車輪13の回転を検出する回転検出部(例えばロータリエンコーダやタコジェネレータ)で構成される。そして、操舵制御部100が、検出されたハンドル軸3の角度位置φと車速Vとに基づいて、車輪操舵軸8の目標角度位置θ’を決定し、該車輪操舵軸8の角度位置θが目標角度位置θ’に近づくように、モータ6の動作を制御する。
【0019】
なお、ハンドル軸3と車輪操舵軸8との間には、両者を一体回転可能にロック結合したロック状態と、該ロック結合を解除したアンロック状態との間で切り替え可能なロック機構19が設けられている。ロック状態では、ハンドル軸3の回転角が変換されることなく(つまり、舵角変換比が1:1)車輪操舵軸8に伝達され、マニュアルステアリングが可能となる。該ロック機構19のロック状態への切り替えは、異常発生時などにおいて操舵制御部100からの指令によりなされる。
【0020】
図2は、モータ6による車輪操舵軸8の駆動部ユニットの構成例を、自動車への取付状態にて示すものである。該駆動部ユニット14において、ハンドル2(図1)の操作によりハンドル軸3を回転させると、モータケース33がその内側に組み付けられたモータ6とともに一体的に回転するようになっている。本実施形態においては、ハンドル軸3は、ユニバーサルジョイント319を介して入力軸20に連結され、該入力軸20がボルト21,21を介して第一カップリング部材22に結合されている。この第一カップリング部材22にはピン31が一体化されている。他方、ピン31は、第二カップリング部材32の一方の板面中央から後方に延びるスリーブ32a内に係合してはめ込まれている。他方、筒状のモータケース33は、第二カップリング部材32の他方の板面側に一体化されている。なお、符号44はゴムあるいは樹脂にて構成されたカバーであり、ハンドル軸3と一体的に回転する。また、符号46は、コックピットパネル48に一体化された駆動部ユニット14を収容するためのケースであり、符号45は、カバー44とケース46との間をシールするシールリングである。
【0021】
モータケース33の内側には、コイル35,35を含むモータ6のステータ部分23が一体的に組み付けられている。該ステータ部分23の内側には、モータ出力軸36がベアリング41を介して回転可能に組み付けられている。また、モータ出力軸36の外周面には永久磁石からなる電機子34が一体化されており、この電機子34を挟む形でコイル35,35が配置されている。なお、コイル35,35からは、モータケース33の後端面に連なるように給電端子50が取り出され、該給電端子50において給電ケーブル42によりコイル35,35に給電がなされる。
【0022】
後述の通り、本実施形態においてモータ6はブラシレスモータであり、給電ケーブル42は、該ブラシレスモータの各相のコイル35,35に個別に給電する素線を集合させた帯状の集合ケーブルとして構成されている。そして、モータケース33の後端側に隣接する形でハブ43aを有するケーブルケース43が設けられ、その中に給電ケーブル42が、ハブ43aに対してゼンマイ状に巻かれた形で収容されている。給電ケーブル42の、給電端子50に接続されているのと反対の端部は、ケーブルケース43のハブ43aに固定されている。そして、ハンドル軸3がモータケース33ひいては給電端子50とともに正方向又は逆方向に回転すると、ケーブルケース43内の給電ケーブル42は、ハブ43aへの巻き付き又は繰り出しを生じさせることにより、上記モータケース33の回転を吸収する役割を果たす。
【0023】
モータ出力軸36の回転は、減速機構7を介して所定比率(例えば1/50)に減速された上で車輪操舵軸8に伝達される。本実施形態において減速機構7は、ハーモニックドライブ減速機にて構成してある。すなわち、モータ出力軸36には、楕円型のインナーレース付ベアリング37が一体化され、その外側に変形可能な薄肉の外歯車38がはめ込まれている。そして、この外歯車38の外側に、カップリング40を介して車輪操舵軸8が一体化された内歯車39,139が噛み合っている。内歯車39,139は、同軸的に配置された内歯車(以下、第一内歯車ともいう)39と内歯車(以下、第二内歯車ともいう)139とからなり、第一内歯車39がモータケース33に固定されて該モータケース33と一体回転する一方、第二内歯車139はモータケース33に非固定とされ、該モータケース33に対して相対回転可能とされている。第一内歯車39はこれと噛み合う外歯車38との歯数差がゼロであり、外歯車38との間での相対回転を生じない(つまり、回転するモータ出力軸36に対して、第一内歯車39ひいてはモータケース33及びハンドル軸3が、遊転可能に結合されているともいえる)。他方、第二内歯車139は外歯車38よりも歯数が大きく(例えば2)、内歯車139の歯数をN、外歯車38と内歯車139との歯数差をnとすると、モータ出力軸36の回転をn/Nに減速した形で車輪操舵軸8に伝達する。また、内歯車39,139は、本実施形態においては、コンパクト化を図るために、ハンドル軸3の入力軸20、モータ出力軸36及び車輪操舵軸8が同軸的に配置されている。
【0024】
次に、ロック機構19は、ハンドル軸3に対して相対回転不能なロックベース部(本実施形態においてはモータケース33)側に固定されたロック部材51と、ロック受けベース部(本実施形態においては、モータ出力軸36側)に設けられたロック受け部材52とを有する。図3に示すように、ロック部材51は、ロック受け部材52に形成されたロック受け部53に係合するロック位置と、該ロック受け部53から退避したアンロック位置との間で進退可能に設けられている。本実施形態においては、車輪操舵軸8と一体的に回転するロック受け部材52の周方向にロック受け部53が所定の間隔で複数形成され、ロック部材51の先端に設けられたロック部51aが、車輪操舵軸8の回転角位相に応じて、それら複数のロック受け部53の任意の1つのものに選択的に係合するようになっている。ハンドル軸3はモータケース33に対し(本実施形態では、カップリング22及びピンにより)相対回転不能に結合されている。ロック部材51とロック受け部材52とが非係合(非ロック状態)の場合は、モータ出力軸36はモータケース33に対して回転し、その回転が外歯車38を経て第一内歯車39及び第二内歯車139にそれぞれ伝達される。モータケース33に固定された第一内歯車39は、前述の通り外歯車38に対して相対回転しないので、結果的にハンドル軸3と同速で回転する(つまり、ハンドル操作に追従して回転する)。また、第二内歯車139は、モータ出力軸36の回転を車輪操舵軸8に減速して伝達し、車輪操舵軸8の回転駆動を担う。他方、ロック部材51とロック受け部材52とが係合してロック状態になると、モータ出力軸36はモータケース33に対して相対回転不能となる。そして、減速機構7の内歯車39,139のうち、第一内歯車39がモータケース33に固定されているから、第一内歯車39、外歯車38及び第二内歯車139の順でハンドル軸3の回転が車輪操舵軸8に直接伝達されることとなる。
【0025】
なお、本実施形態においては、ロック受け部材52は、モータ出力軸36の一端の外周面に取り付けられ、各ロック受け部53は、該ロック受け部材52の外周面から半径方向に切れ込む凹状に形成されている。また、図3に示すように、ロック部材51は、モータケース33に設けられた回転ベース300に対し、車輪操舵軸8とほぼ平行な軸線周りに回転可能に取り付けられ、その後端部55aが結合されている。また、ソレノイド55の付勢が解除されたときに、ロック部材51を元の位置に弾性復帰させる弾性部材54が設けられている。ソレノイド55の付勢及び付勢解除の動作により、ソレノイド55aの先端に設けられた凸部55aとロック部材51の一端部51bに形成された溝部を介してロック部材51の先端に形成されたロック部51aが、前記したロック/アンロックのためにロック受け部材52に対し接近/離間する。なお、ソレノイド55の付勢時がロック状態となるかアンロック状態となるかは選択可能であるが、本実施形態では、ソレノイド55の付勢時にアンロックとなるように定めてある。これによると、電源遮断時等においてソレノイド55が付勢解除されたとき、弾性部材54の作用によりロック状態となり、マニュアル操舵が可能となる。
【0026】
図4は、操舵制御部100の電気的構成の一例を示すブロック図である。操舵制御部100の要部をなすのは2つのマイコン110及び120である。主マイコン110は、主CPU111、制御プログラムを格納したROM112、CPU111のワークエリアとなる主CPU側RAM113及び入出力インターフェース114を有する。また、副マイコン120は、副CPU121、制御プログラムを格納したROM122、副CPU121のワークエリアとなる副CPU側RAM123及び入出力インターフェース124を有する。車輪操舵軸8を駆動するモータ6(アクチュエータ)の動作制御を直接行なうのは主マイコン110であり、副マイコン120は、必要なパラメータ演算等、モータ6の動作制御に必要なデータ処理を主マイコン110と並行して行なうとともに、そのデータ処理結果を主マイコン110との間で通信することにより、主マイコン110の動作が正常であるかどうかを監視・確認し、必要に応じて情報の補完を行なう補助制御部としての機能を果たす。本実施形態において主マイコン110と副マイコン120とのデータ通信は、入出力インターフェース114,124間の通信によりなされる。なお、両マイコン110及び120は、自動車の運転終了後(すなわち、イグニッションOFF後)においても、図示しない安定化電源からの電源電圧Vcc(例えば+5V)の供給を受け、RAM113,123あるいはEEPROM(後述)115の記憶内容が保持されるようになっている。
【0027】
ハンドル軸角度検出部101、車速検出部102及び操舵軸角度検出部103の各出力は、主マイコン110及び副マイコン120の入出力インターフェース114,124にそれぞれ分配入力される。本実施形態では、いずれの検出部もロータリエンコーダで構成され、そのエンコーダからの計数信号が、図示しないシュミットトリガ部を経て入出力インターフェース114,124のデジタルデータポートに直接入力されている。また、主マイコン110の入出力インターフェース114には、前述のロック機構19の駆動部をなすソレノイド55が、ソレノイドドライバ56を介して接続されている。
【0028】
モータ6はブラシレスモータ、本実施形態では3相ブラシレスモータにて構成され、PWM制御により回転速度が調整される。また、モータドライバ18には、モータ6の電源となる車載バッテリー57が接続されている。モータドライバ18が受電するバッテリー57の電圧(電源電圧)Vsは、自動車の各所に分散した負荷の状態や、オルタ−ネータの発電状態により随時変化する(例えば9〜14V)。本実施形態においては、このような変動するバッテリー電圧Vsを、安定化電源回路を介さず、モータ電源電圧として直接使用する。操舵制御部100は、このように相当幅にて変動する電源電圧Vsの使用を前提として、モータ6の制御を行なうので、電源電圧Vsの測定部が設けられている。本実施形態では、モータ6への通電経路(ドライバ18の直前)から電圧測定用の分岐経路が引き出され、そこに設けられた分圧抵抗60,60を経て電圧測定信号を取り出している。該電圧測定信号はコンデンサ61により平滑化された後、電圧フォロワ62を経て入出力インターフェース114,124のA/D変換機能付入力ポート(以下、A/Dポートという)に入力される。
【0029】
また、過電流発生の有無など、モータ6の通電状態を監視するために、モータ6への通電経路上に電流検出部が設けられている。具体的には、経路上に設けられたシャント抵抗(電流検出抵抗)58の両端電圧差を電流センサ70により測定し、該両端電圧差に基づく電流Isの測定信号を入出力インターフェース114,124のA/Dポートに入力するようにしている。なお、シャント抵抗以外にも、ホール素子や電流検出コイルなど、電磁的な原理に基づいて電流検出するプローブを用いてもよい。
【0030】
図4に戻り、両マイコン110,120のRAM113,123には、それぞれ以下のようなメモリエリアが形成されている。
▲1▼車速測定値メモリ:車速センサ102からの現在の車速の測定値を記憶する。
▲2▼ハンドル軸角度位置(φ)カウンタメモリ:ハンドル軸角度位置検出部101をなすロータリエンコーダからの計数信号をカウントし、ハンドル軸角度位置φを示すそのカウント値を記憶する。なお、ロータリエンコーダは回転方向の識別が可能なものを使用し、正方向回転の場合はカウンタをインクリメントし、逆方向回転の場合はデクリメントする。
▲3▼舵角変換比(α)算出値メモリ:車速測定値に基づいて算出された舵角変換比αを記憶する。
▲4▼目標操舵軸角度位置(θ’)算出値メモリ:現在のハンドル軸角度位置φと舵角変換比αとの値から、例えばφ×αにより算出された操舵軸角度位置の目標値、すなわち目標操舵軸角度位置θ’の値を記憶する。
▲5▼操舵軸角度位置(θ)カウンタメモリ:操舵軸角度検出部103をなすロータリエンコーダからの計数信号をカウントし、操舵軸角度位置θを示すそのカウント値を記憶する。操舵軸角度検出部103は、回転方向の識別が可能なインクリメント型ロータリエンコーダとして構成され、車輪操舵軸8の回転方向が正であれば上記のカウンタをインクリメントし、逆であればカウンタをデクリメントする。
▲6▼Δθ算出値メモリ:目標操舵軸角度位置θ’と現在の操舵軸角度位置θとの隔たりΔθ(≡θ’−θ)の算出値を記憶する。
▲7▼電源電圧(Vs)測定値メモリ:モータ6の電源電圧Vsの測定値を記憶する。
▲8▼デューティ比(η)決定値メモリ:モータ6をPWM通電するための、Δθと電源電圧Vsとに基づいて決定されたデューティ比ηを記憶する。
▲9▼電流(Is)測定値メモリ:電流センサ70による電流Isの測定値を記憶する。
【0031】
また、主マイコン110の入出力インターフェース114には、運転終了時(つまり、イグニッションOFF時)における車輪操舵軸8の角度位置、すなわち終了角度位置を記憶するためのEEPROM115が第二の記憶部として設けられている。該EEPROM115(PROM)は、主CPU111が主CPU側RAM112に対するデータ読出し/書込みを行なう第一の動作電圧(+5V)においては、主CPU111によるデータの読出しのみが可能であり、他方、第一の動作電圧(+5V)とは異なる第二の動作電圧(本実施形態では、第一の動作電圧より高い電圧が採用される:例えば+7V)を設定することにより主CPU111によるデータの書込みが可能となるものであり、主CPU111が暴走しても内容が誤って書き換えられることがない。第二の動作電圧は、EEPROM115と入出力インターフェース114との間に介在する図示しない昇圧回路によって生成される。
【0032】
図10は、操舵制御部100への電力供給系統をより詳細に示したブロック図である(従って、電力供給系統以外の部分は、図4よりも簡略化して描いている)。操舵制御部100は、車両全体の電力源をなすバッテリー57から、制御部用安定化電源回路(本実施形態では+5V出力)206を経て動作電力をVcc端子にて受電する。制御部用安定化電源回路206は、ツェナーダイオード、三端子レギュレータあるいはDC−DCコンバータを使用した周知の構成のものである。また、バッテリー57から制御部用安定化電源回路206へ電力供給するための経路として、主電力経路IGLと、該主電力経路IGLをバックアップするためのバックアップ用電力経路PLとの2つが設けられている(いずれも、逆流防止用のダイオード202及び203を有する)。前者は制御部用安定化電源回路206へ電力供給専用に設けられており、主電源スイッチ201により接続/遮断が切り替えられる。他方、後者は、ソレノイドドライバ56やモータドライバ18など、操舵制御部100よりも消費電力の高い高負荷デバイスへのパワー用電力経路を、主電力経路IGLのバックアップ用に流用したものであり、該経路上に設けられたバックアップ用電源スイッチ204により接続/遮断が切り替えられる。該バックアップ用電源スイッチ204は、主電源スイッチ201とは独立に設けられたものであり、動作も直接的には連動していない。
【0033】
主電力経路IGL上に設けられた主電源スイッチ201は、車両の運転駆動をON/OFFする運転駆動スイッチ、すなわちイグニッションスイッチが車両運転停止のために操作されるに伴い、主電力経路IGLを直接遮断状態とするものである。本実施形態では主電源スイッチ201はイグニッションスイッチと同一の実体をなすスイッチとしているが、イグニッションスイッチと連動動作する別スイッチとして構成してもよい。いずれにしても主電源スイッチ201は、イグニッションスイッチがOFFされたとき、無条件で主電力経路IGLを遮断するものである。
【0034】
主電源スイッチ201がOFFとなって主電力経路IGLが遮断されると、その遮断状態が主電力経路遮断検出手段によって検出される。本実施形態において主電力経路遮断検出手段は、主電力経路IGLを介して制御部用安定化電源回路206に印加されるバッテリー電圧情報(VB)に基づき、主電力経路IGLの遮断状態を検出するものとされている。主電源スイッチ201がOFFになると、主電力経路IGLはオープンとなり、バッテリー電圧VBがこれに対応して大きく低下するので、主電力経路IGLの遮断状態を簡単かつ確実に検出できる。具体的には、(バッテリー57から見て)主電源スイッチ201よりも後段側で主電力経路IGLより分岐するバッテリー電圧検出経路VDLが設けられ、抵抗208,209により分圧調整された後、イグニッション(IG)モニタ電圧VMとして操舵制御部100の入出力インターフェース114(A/D変換ポート)に入力される。なお、バックアップ用電力経路PL側から主電力経路IGL側への電力供給はダイオード202により阻止されている。そして、このIGモニタ電圧VMが予め定められた基準値(例えば3V)以下となったときに、操舵制御部100のCPU111により、主電力経路遮断と判定される。すなわち、CPU111が主電力経路遮断検出手段の主体をなしている。
【0035】
一方、主電力経路IGLの遮断状態に係る情報とは別に、車両が運転継続状態にあるか運転停止状態にあるかを識別可能な補助監視信号を検出する補助監視信号検出手段が設けられている。具体的には、操舵制御部100の入出力インターフェース114には、補助監視信号源200からの補助監視信号OSが入力されている。
【0036】
補助監視信号OSは、主電力経路IGLが遮断状態になったとき、それが本当に運転停止によるものであるかどうかを確認するための信号である。例えば主電力経路IGLに生じた何らかの異常等により、運転継続中であるにもかかわらず(すなわち、主電源スイッチ(イグニッションスイッチ)201がOFFされていないにもかかわらず)、主電力経路IGLが遮断されたような場合にも、その影響を受けずに運転継続中であることを認識できるような信号でなければならない。本実施形態では、補助監視信号OSとして、車両の運転状態を反映した特定のパラメータを経時的にモニタするための信号であって、運転継続状態においては信号出力が継続され、運転停止状態においては信号出力が停止する運転状態モニタ信号(以下、この信号を符号「OS」にて表す)が使用される。そして、補助監視信号としての該運転状態モニタ信号OSの検出が途切れた場合に、バックアップ用電源スイッチ204の遮断動作制御が行なわれる。つまり、運転継続中は信号がいわば垂れ流し的に出力が継続され、運転停止に伴い途切れる運転状態モニタ信号OSを補助監視信号として用いることにより、運転の継続/停止を簡単かつ確実に認識することができる。
【0037】
運転状態モニタ信号OSとしては、例えば車速センサ102の出力(ただし、アイドリング時においても信号レベルがゼロにならないようにバイアスされたもの(停止時にはゼロとなる))、操舵軸角度検出部103の出力、ハンドル軸角度検出部102の出力、エンジン回転数、エンジン制御用の種々のセンサ(例えば、酸素センサ、空燃比センサ、排気ガスセンサ(HCセンサあるいはNOxセンサなど)、ノックセンサ、クランク角センサ)の出力、あるいはそれ以外のセンサ(冷却水温度センサ、フューエルレベルセンサ、オイルレベルセンサなど)の出力などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
操舵制御部100のCPU111は、補助監視信号の検出内容が、運転停止状態に対応した所定の条件を満たしたかどうか、具体的には、運転状態モニタ信号OSが途切れたか否かを識別することにより、補助監視信号検出手段として機能する。そして、運転状態モニタ信号OSの途切れと、主電力経路IGLの遮断との2つの条件が揃ったとき、バックアップ用電源スイッチ204をOFFしてバックアップ用電力経路PLを遮断する。すなわち、CPU111はバックアップ用電源スイッチ制御手段の主体をなしている。
【0039】
なお、本実施形態では、バックアップ用電源スイッチ204は、パワー用電力経路をなすバックアップ用電力経路において、負荷(ソレノイドドライバ56及びモータドライバ18)の分岐点よりも上段側に配置され、スイッチOFFに伴い、これら負荷への電力供給も遮断されるようにしている。また、バックアップ用電源スイッチ204自体は、トランジスタ205により開閉駆動されるリレー204により構成されており、CPU111によるスイッチ駆動信号SCSがトランジスタ205のベースに入力される。しかし、バックアップ用電源スイッチ204の構成態様はこれに限られるものではなく、例えば、図12に示すように、バックアップ用電力経路PL上に設けられた半導体スイッチング素子(ここではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorを用いているが、パワートランジスタやパワーFETでも代用できる)216を、スイッチ駆動信号SCSにより直接駆動するようにしてもよい。
【0040】
また、操舵制御部100(バックアップ用電源スイッチ制御手段)は、主電力経路IGLの遮断が検出されるに伴い、バックアップ用電力経路PLのみにより制御部用安定化電源回路206への電力供給が継続される延長受電期間(継続時間は例えば50〜200ms程度)を経た後、バックアップ用電源スイッチ216を作動させて該バックアップ用電力経路PLを遮断する。操舵制御部100は、該延長受電期間において終了角度位置記憶部をなすEEPROM115(図4)への終了角度位置の書込みを行なった後、バックアップ用電力経路PLの遮断により電力供給が停止される。
【0041】
以下、車両用操舵制御システム1の動作について説明する。
図8は、主マイコン110による制御プログラムの主ルーチンの処理の流れを示すものである。S1は初期化処理であり、前回イグニッションスイッチをOFFにしたときの終了処理にてEEPROM115に書き込まれている車輪操舵軸8の終了角度位置(後述)を読み出し、該終了角度位置を、処理開始に際しての車輪操舵軸8の初期角度位置として設定することを要旨とする。具体的には、終了角度位置を示すカウンタ値を、前述の操舵軸角度位置カウンタメモリにセットする。なお、後述するEEPROM115へのデータ書込み完了フラグは、この時点でクリアしておく。
【0042】
初期化処理が終了すれば、S2に進んで操舵制御処理となる。該操舵制御処理は、パラメータサンプリングの間隔を均一化するために、一定の周期(例えば数百μs)にて繰り返し実行される。その詳細を、図9により説明する。S201においては、現在の車速Vの測定値をリードし、次いでS202ではハンドル軸角度位置φをリードする。そして、S203においては、車速Vの算出値から、ハンドル軸角度位置φを目標操舵軸角度位置θ’に変換するための舵角変換比αを決定する。舵角変換比αは、車速Vに応じて異なる値が設定される。具体的には、図6に示すように、車速Vが一定以上に大きい状態では、舵角変換比αは小さく設定され、車速Vが一定以下に小さい低速走行時には舵角変換比αは大きく設定される。本実施形態では、図5に示すような、種々の車速Vに対応した舵角変換比αの設定値を与えるテーブル130をROM112(122)に格納しておき、このテーブル130を参照して現在の車速Vに対応する舵角変換比αを補間法により算出する。なお、本実施形態においては、車両の運転状態を示す情報として車速Vを用いているが、これ以外にも、車両が受ける横圧や路面の傾斜角等を車両の運転状態を示す情報としてセンサにより検出し、その検出値に応じて舵角変換比αを特有の値に設定することが可能である。また、車速Vに応じて舵角変換比αの基本値を決定し、上記のような車速以外の情報に基づいて、その基本値を随時補正して使用することも可能である。
【0043】
S204では、検出されたハンドル軸角度位置φに、決定された舵角変換比αを乗じて目標操舵軸角度位置θ’を算出する。そして、S205において、現在の操舵軸角度位置θを読み取る。S206では、操舵軸角度位置カウンタから求められた現在の操舵軸角度位置θと目標操舵軸角度位置θ’との隔たりΔθ(=θ’−θ)を算出する。さらにS207においては、現在の電源電圧Vsの測定値を読み取る。
【0044】
モータ6は、目標操舵軸角度位置θ’と現在の操舵軸角度位置θとの差が縮小するように車輪操舵軸8を回転駆動する。そして、操舵軸角度位置θが目標操舵軸角度位置θ’に迅速かつスムーズに近づくことができるように、Δθが大きいときはモータ6の回転速度を大きくし、逆にΔθが小さいときはモータ6の回転速度を小さくする。基本的にはΔθをパラメータとした比例制御であるが、オーバーシュートやハンチング等を抑制し、制御の安定化を図るために、Δθの微分あるいは積分を考慮した周知のPID制御を行なうことが望ましい。
【0045】
モータ6は前述の通りPWM制御されており、回転速度は、そのデューティ比ηを変更することにより調整される。電源電圧Vsが一定であれば、デューティ比により回転速度をほぼ一義的に調整できるが、本実施形態では前述の通り電源電圧Vsは一定でない。従って、電源電圧Vsも考慮してデューティ比ηを定めるようにする。例えば、図7に示すように、種々の電源電圧VsとΔθとの各組み合わせに対応したデューティ比ηを与える二次元のデューティ比変換テーブル131をROM112(122)に格納しておき、電源電圧Vsの測定値とΔθの算出値に対応するデューティ比ηの値を読み取って用いることができる。なお、モータ6の回転速度は負荷によっても変動する。この場合、電流センサ70によるモータ電流Isの測定値を元に、モータ負荷の状態を推定し、デューティ比ηを補正して用いることも可能である。
【0046】
ここまでの処理は、図4の主マイコン110と副マイコン120との双方にて並列的に実行される。例えば、主マイコン110の動作が正常であるかどうかは、主マイコン110のRAM113に記憶された各パラメータの演算結果を副マイコン120に随時転送し、副マイコン120側にて、RAM123の記憶内容と照合することにより、異常発生の有無を監視させることができる。他方、主マイコン110側では、決定されたデューティ比ηを元にPWM信号を生成する。そして、操舵軸角度検出部103をなすロータリエンコーダからの信号を参照してモータドライバ18に該PWM信号を出力することにより、モータ6をPWM制御する。
【0047】
図8に戻り、S3では主電源スイッチ201がOFFされているかどうかを、IGモニタ電圧VMが所定の基準値(3V)よりも低くなったかどうかを確認する。基準値以下となっている場合は、S4の終了処理となる。図11は終了処理の詳細を示すものである。まずS301では、運転状態モニタ信号OSの受信が途切れているかどうかを確認する。受信が途切れている場合、イグニッションOFFを判定するためのタイマーを起動し、その途切れが運転停止による恒常的な途切れであるかどうかを判定する(採用する運転状態モニタ信号の種類によっては、運転継続中においても、ごく短時間の途切れが発生する場合があるためである)。そして、S303で、その途切れ時間が、予め定められた基準時間T1経過したとき、運転停止に伴う正常なイグニッションOFFであると判定し、S304に進む。このステップでは、主マイコン110において操舵軸角度位置カウンタに記憶されている、車輪操舵軸8の終了角度位置を読み出し、これをEEPROM115に格納し、さらに、RAM113に設けられたデータ書込み完了フラグをセットする。この書込み処理が終了すれば、バックアップ用電源スイッチ204をOFFにする。この時点で、主電力経路IGL及びバックアップ用電力経路PLはいずれも遮断されるから、操舵制御部100は動作を停止する。主電力経路IGLが遮断されてから、EEPROM115へ終了角度位置が書き込まれ、さらにバックアップ用電源スイッチ204がOFFされるまでの期間は、操舵制御部100がバックアップ用電力経路PLのみにより受電する延長受電期間をなす。
【0048】
一方、S301に運転状態モニタ信号OSの受信が途切れていない場合は、運転継続中であるにもかかわらず、主電源スイッチ201がOFFになったことを意味し、主電力経路IGLに断線等の異常が発生した可能性がある。そこで、S302に進んで異常処理を行なう。本実施形態では、異常処理の1つして警報処理を行なう。これは、例えば自動車のコックピットパネル等に配置された警報ランプを点灯したり、あるいは音声による警報出力を行なう処理である。該異常処理は、基本的には自動車を修理工場に持ち込んで、断線異常等を検出し、また、マイコン設定等をやり直す処理が中心となるが、修理が終わるまで自動車の運転が不能になると、修理工場への自動車の搬送等が甚だ面倒になる。そこで、本実施形態においては、以下のような処理を行なう。
【0049】
すなわち、主電力経路IGLが断線等により遮断検出されている場合でも、バックアップ用電力経路PLは正常であるから、操舵制御部100自体は動作が可能である。そこで、S302から図8のS2に戻って操舵制御処理を継続する。S3では、その後、継続的にVMが基準以下の状態に続くから、その都度、図11ではS302へ進むことになるが、運転継続中であれば同様にS302に戻って操舵制御処理が続けられる。他方、主電源スイッチ(イグニッションスイッチ)201がOFFされたときは、主電力経路IGLの遮断状態に変化はないが、運転状態モニタ信号OSの受信が途切れるので、S301でこれを検出して、以下、S304までの処理を同様に行なえばよい。
【0050】
なお、異常処理としては、車速等に応じて舵角変換比を変更しないマニュアルステアリングへの移行処理とすることもできる。具体的には、図1のロック機構14(具体的には図4のロック用ソレノイド55)を作動させ、ハンドル軸3と車輪操舵軸8とを一体回転可能にロック結合した状態とする。
【0051】
以上、主マイコン110側の動作について説明したが、副イコン120(図4)側にも、主マイコン110側と同様のバックアップ用電力経路とバックアップ用電源スイッチが設けられ、運転終了時には延長受電期間が形成される。ただし、図2に示すように、副イコン120側には、EEPROMは設けられていないので、延長受電期間においては特に終了角度位置書込み等に関する処理は行なわれない。従って、副イコン120は主マイコン110よりも先に電源をOFFすることもできるが、相互動作監視のための主マイコン110と副イコン120との通信ステータスに異常を生じる可能性もあるので、副イコン120は主マイコン110と同タイミングにて動作停止させるようにすることが望ましい。この場合、副マイコン120側のバックアップ用電源スイッチの動作を主マイコン110により制御することもでき、例えば、主マイコン110と副マイコン120のバックアップ用電源スイッチを、共通の制御信号により駆動することもできる。
【0052】
以上説明した実施形態においては、操舵制御部100がバックアップ用電源スイッチ制御手段を兼用し、主電力経路遮断検出手段(操舵制御部100に兼用されている)による主電力経路IGLの遮断検出信号(IGモニタ電圧)VMを受けて、バックアップ用電源スイッチ204の遮断駆動信号SCSを出力するようにしていた。これにより、操舵制御部100以外に、別実体のバックアップ用電源スイッチ制御部を設ける必要がなくなり、かつ、バックアップ用電源スイッチ204の遮断処理を全てソフト的に行なうことができるので、回路構成を簡略化できる。ただし、本発明においては、別実体のバックアップ用電源スイッチ制御部を設ける構成を、敢えてその技術的範囲から排除するものではない。また、バックアップ用電源スイッチ制御手段を、ハードウェアロジックにより構成することもできる。図13はその一例を示す。すなわち、IGモニタ電圧VMをコンパレータ220において基準値Vref(例えば3V)と比較する。該コンパレータ220は、VMがVrefを下回ったとき出力がLとなる。他方、補助監視信号OSはオフディレータイマー221に入力される。オフディレータイマー221は、補助監視信号OSが一定時間途切れたとき出力がLとなる。コンパレータ220及びオフディレータイマー221の各出力はゲート222に入力される。そして、ゲート222は、両入力がLとなった場合にスイッチ駆動信号SCSをHレベルにて出力する(なお、等価な機能が得られる限り、論理の一部又は全てを反転させてもよい)。
【0053】
また、図14に示すように、主電源スイッチ201よりも後段側において主電力経路IGLより分岐するバッテリー電圧検出経路VDLを、バックアップ用電源スイッチ制御手段として流用することもできる。この場合、バックアップ用電源スイッチ213は、該検出経路VDLに供給されるバッテリー電圧信号VBにより直接駆動されるようになっており、該バッテリー電圧信号VBが基準レベル以下となった場合に、バックアップ用電力経路を遮断する。これにより、バックアップ用電源スイッチ制御部を非常に簡略化できる。本実施形態では、バッテリー電圧信号VBにより抵抗208,209により分圧調整された後、バックアップ用電源スイッチ213をなすトランジスタ(半導体スイッチング素子)のベース(制御端子)に入力されている。
【0054】
この場合、主電源スイッチ201により主電力経路IGLが遮断されるに伴い、検出経路VDLに供給されるバッテリー電圧信号VBを一定時間だけ基準レベル以上に保持する電圧保持手段を設けることができる。この構成では、該電圧保持手段によりバッテリー電圧信号VBが基準レベル以上に保持されている期間が、前述の延長受電期間として利用できる。延長受電期間を簡単な回路構成により容易に設定することができる。本実施形態では、バックアップ用電源スイッチの制御端子、すなわちトランジスタ213のベースにコンデンサ212が並列接続され、該コンデンサ212の静電容量と放電用抵抗214の電気抵抗値とが定める時定数より、延長受電期間が決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用操舵制御システムの全体構成を模式的に示す図。
【図2】駆動部ユニットの一実施例を示す縦断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】本発明の車両用操舵制御システムの電気的構成の一例を示すブロック図。
【図5】舵角変換比と車速との関係を与えるテーブルの模式図。
【図6】車速に応じて舵角変換比を変化させるパターンの一例を示す模式図。
【図7】モータ電源電圧と角度偏差Δθとによりデューティ比を決定するための二次元テーブルの模式図。
【図8】本発明の車両用操舵制御システムにおけるコンピュータ処理の主ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図9】図8の操舵制御処理の詳細の一例を示すフローチャート。
【図10】操舵制御部の電力供給系統の一例を示すブロック図。。
【図11】図8の終了処理の一例を示すフローチャート。
【図12】図10の第一変形例を示すブロック図。
【図13】図10のバックアップ用電源スイッチ制御手段をハードウェアロジックにより構成した一例を示す回路図。
【図14】図10の第二変形例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 車両用操舵制御システム
3 ハンドル軸
6 モータ(アクチュエータ)
8 車輪操舵軸
100 操舵制御部(主電力経路遮断検出手段、補助監視信号検出手段、バックアップ用電源スイッチ制御手段)
101 ハンドル軸角度検出部
103 操舵軸角度検出部
115 EEPROM(終了角度位置記憶部)
IGL 主電力経路
PL バックアップ用電力経路
201 主電源スイッチ
VDL バッテリー電圧検出経路(主電力経路遮断検出手段、バックアップ用電源スイッチ制御手段)
204,213,216 バックアップ用電源スイッチ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering control system for a vehicle such as an automobile.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, in a steering device for a vehicle, particularly a steering device for an automobile, as one of further enhancements in functionality, an operation angle (steering wheel operation angle) of a steering wheel and a wheel steering angle are not fixed at a 1: 1 ratio. A vehicle equipped with a so-called variable steering angle conversion ratio mechanism has been developed in which a conversion ratio (steering angle conversion ratio) of a steering wheel operating angle to a wheel steering angle is variable according to a driving state of a vehicle. As the driving state of the vehicle, for example, a vehicle speed (vehicle speed) can be exemplified. In high-speed driving, the steering angle conversion ratio is reduced so that the steering angle does not increase rapidly with an increase in the steering wheel operation angle. Then, high-speed running can be stabilized. On the other hand, when driving at low speeds, conversely, by increasing the steering angle conversion ratio, it is possible to reduce the number of rotations of the steering wheel required to turn the steering wheel to the full, and to increase the steering angle such as garage parking, parallel parking, or width shifting. The driving operation can be performed very easily.
[0003]
As a mechanism for varying the steering angle conversion ratio, for example, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-334604, a steering wheel shaft and a wheel steering shaft are directly connected by a gear type transmission unit having a variable gear ratio. There is a type, but this configuration has a disadvantage that the gear ratio changing mechanism of the gear type transmission unit is complicated. Therefore, a type in which the handle shaft and the wheel steering shaft are separated and the wheel steering shaft is rotationally driven by an actuator such as a motor has been proposed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-334628. Specifically, based on a steering wheel operation angle detected by the angle detection unit and a steering angle conversion ratio determined according to the vehicle driving state, a finally required wheel steering angle is calculated by computer processing, and the calculated angle is calculated. The wheel steering shaft mechanically separated from the handle shaft is rotationally driven by an actuator (motor) so that the obtained wheel steering angle is obtained. The operation of this actuator is controlled by a steering control unit constituted by a computer (CPU).
[0004]
In the steering control method described above, the handle shaft and the wheel steering shaft are mechanically separated, and substantial drive control of the wheel steering shaft is performed by the steering control unit via the actuator. For example, in the case of an automobile, the steering control unit receives a predetermined power supply voltage from a battery through a stabilized power supply circuit, but in order to always operate the steering control unit reliably, a power path from the battery to the stabilized power supply circuit is provided. And two systems, a main power path and a backup power path. The backup power path plays a role of complementing the power path to the steering control unit when, for example, the main power path is disconnected.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
To stop the operation of the vehicle, a driving drive switch (an ignition switch in the case of an automobile) including a key-operated switch or the like is operated to stop the vehicle drive source (an engine in the case of an automobile). While the operation of the vehicle is stopped, the power of the CPU and the like serving as a control unit of the electrical system is usually turned off and the operation is stopped. However, in the case of steering control by an actuator, even if the main power path is cut off by the operation drive switch OFF, if the steering control section is configured to be supplied with power by the backup power path, the steering control section is operated even during operation stop. Consumes power and leads to faster battery drain.
[0006]
An object of the present invention is to ensure the operation of the steering control unit by the backup power path without any problem even when the power supply by the main power path becomes impossible. An object of the present invention is to provide a steering control system capable of reliably stopping operation and suppressing battery consumption.
[0007]
[Means for Solving the Problems and Functions / Effects]
According to the present invention, a steering handle shaft and a wheel steering shaft are mechanically separated from each other, and a steering angle to be given to the wheel steering shaft is determined according to an operation angle of the handle shaft and a driving state of the vehicle. The present invention relates to a vehicle steering control system in which a wheel steering shaft is rotationally driven by an actuator so as to obtain a steering angle,
A handle shaft angle detector for detecting a handle shaft angle position (a handle shaft angle position);
A steering shaft angle detector for detecting an angular position of the wheel steering shaft (steering shaft angle position);
A steering driving state detection unit that detects a driving state of the vehicle for steering control;
A target angle position of the wheel steering shaft is determined based on the detected handle shaft angle position and the driving state of the vehicle, and the operation of the actuator is controlled so that the steering shaft angle position approaches the target angle position. A steering control unit that receives operating power from a battery serving as an entire power source via a control unit stabilized power supply circuit.
[0008]
And, in order to solve the above-mentioned problem, the first configuration is:
A main power path for supplying power from the battery to the control unit stabilized power supply circuit;
A backup power path for backing up the main power path;
A main power switch, which is provided on the main power path and cuts off the main power path when a driving switch for turning on / off the driving of the vehicle is operated for stopping the vehicle operation;
Main power path cutoff detection means for detecting a cutoff state of the main power path;
Auxiliary monitoring signal detection means for detecting an auxiliary monitoring signal capable of identifying whether the vehicle is in a driving continuation state or a driving stop state, separately from the information on the cutoff state of the main power path,
A backup power switch provided on the backup power path;
Assuming that the interruption of the main power path is detected, only when the detection content of the auxiliary monitoring signal satisfies a predetermined condition corresponding to the operation stop state, the backup power supply switch for performing the interruption operation control of the backup power path. Power switch control means for;
It is characterized by having.
[0009]
According to the above configuration, even when the power supply by the main power path becomes impossible, the backup power path complements the power supply to the steering control unit, so that the operation can be ensured without any problem. Further, when the main power path is interrupted by the main power switch, the backup power path is interrupted by the backup power switch based on the detection of the interruption, so that the steering control unit reliably stops operating during the operation stop, Battery consumption can be suppressed.
[0010]
On the other hand, the backup power path must be interrupted when the operation is stopped. Conversely, during operation, the power supply supplementary function to the steering control unit must be reliably performed. However, due to an abnormality such as a disconnection, the main power path may be interrupted even though the operation drive switch is not operated. In such a situation, if the backup power path is also unconditionally cut off, the power supply complement function is lost. However, according to the first configuration of the present invention, an auxiliary monitoring signal that can identify whether the vehicle is in the continuous driving state or the stopped state is separately detected separately from the information regarding the cutoff state of the main power path. Is done. Assuming that the main power path cutoff is detected, the backup power path cutoff operation control by the backup power switch is performed only when the detection content of the auxiliary monitoring signal satisfies a predetermined condition corresponding to the operation stop state. Done. Therefore, even when the main power path is interrupted due to an abnormality such as disconnection, if the detected content of the auxiliary monitoring signal does not satisfy the condition related to the operation stop state (that is, if the operation is in the operation continuation state), the backup power Since the route is not interrupted, a function of supplementing power supply to the steering control unit can be secured.
[0011]
Further, a second configuration of the steering control system according to the present invention includes:
A main power path for supplying power from the battery to the control unit stabilized power supply circuit;
A backup power path for backing up the main power path;
A main power switch, which is provided on the main power path and cuts off the main power path when a driving switch for turning on / off the driving of the vehicle is operated for stopping the vehicle operation;
Main power path cutoff detection means for detecting a cutoff state of the main power path;
An end angle position storage unit that stores the angular position (end angle position) of the wheel steering shaft at the end of the vehicle operation and retains the stored contents even after power supply to the steering control unit is cut off;
A backup power switch provided on the backup power path;
The backup power switch control means, after the interruption of the main power path is detected, after the extended power receiving period in which the power supply to the control unit stabilized power supply circuit is continued only by the backup power path, Backup power switch control means for stopping power supply to the steering control unit by operating the power switch to cut off the backup power path.
The steering control unit writes the end angle position in the end angle position storage unit during the extended power receiving period.
[0012]
Also in this configuration, even when the power supply by the main power path becomes impossible, the backup power path complements the power supply to the steering control unit, so that the operation can be ensured without any problem. Further, when the main power path is interrupted by the main power switch, the backup power path is interrupted by the backup power switch based on the detection of the interruption, so that the steering control unit reliably stops operating during the operation stop, Battery consumption can be suppressed.
[0013]
In a steering control system in which a steering wheel shaft and a wheel steering shaft are mechanically separated, when the vehicle stops driving with the steering wheel turned at a certain angle, the actuator rotates at the angular position at the time of driving termination. Stop. The angular position at the end of the operation is stored in a so-called non-volatile memory, and when the operation is restarted, the driving of the wheel steering shaft by the actuator is restarted in such a manner that the stored final angular position is used as the initial angular position. I do. However, if the main power path and the backup power path are immediately shut down during operation stoppage, it may not be possible to ensure a sufficient time for writing the final angular position.
[0014]
Therefore, in the second configuration of the present invention, the fact that the main power path is directly cut off by operating the main power switch is used, and the end of operation is identified by detecting the cutoff. Then, as the interruption of the main power path is detected, after an extended power receiving period in which power supply to the control unit stabilized power supply circuit is continued only by the backup power path, the backup power switch is operated. By interrupting the backup power path, power supply to the steering control unit is stopped. Thus, the steering control unit can reliably write the end angle position into the end angle position storage unit during the extended power receiving period.
[0015]
Note that the end angle position storage unit can only read data at the first operating voltage at which the CPU reads / writes data from / to the RAM, and on the other hand, performs a second operation different from the first operating voltage. A PROM (Programmable Read Only Memory) that enables writing (including the concept of rewriting) of data by setting a voltage can be configured, and power supply for retaining stored contents is continued even after vehicle operation is completed. It is configured so that: Such a PROM is a PROM whose storage contents can be electrically changed, and for example, a well-known EEPROM or flash memory can be used. In a vehicle steering control system such as the present invention, since data of a small size such as an angular position needs to be frequently rewritten, an EEPROM (data rewriting in units of bytes) in which a data rewritable unit is smaller than a flash memory is required. Is possible).
[0016]
The second configuration can be combined with the first configuration. That is, in the second configuration, the writing of the end angle position to the end angle position storage unit should be performed only at the end of the operation, and if the writing process is performed erroneously during the operation, the steering control unit Will lose track of the end angle position, and the drive control of the wheel steering shaft by the actuator cannot be normally resumed at the next operation start. However, it is possible to prevent such a problem by determining that the operation is terminated when not only the detection of the interruption of the main power path but also the detection content of the auxiliary monitoring signal satisfies a predetermined condition corresponding to the operation stop state. Can be.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 schematically shows an example of the overall configuration of a vehicle steering control system to which the present invention is applied. (In the present embodiment, “vehicle” is an automobile, but the present invention is not applied. The target is not limited to this.) The vehicle
[0018]
The angle position φ of the
[0019]
A
[0020]
FIG. 2 shows a configuration example of a drive unit unit of the
[0021]
The
[0022]
As described later, in the present embodiment, the
[0023]
The rotation of the
[0024]
Next, the
[0025]
In the present embodiment, the
[0026]
FIG. 4 is a block diagram illustrating an example of an electrical configuration of the
[0027]
Outputs of the handle shaft
[0028]
The
[0029]
In addition, a current detection unit is provided on a power supply path to the
[0030]
Returning to FIG. 4, the following memory areas are formed in the
(1) Vehicle speed measurement value memory: The current vehicle speed measurement value from the
{Circle over (2)} Handle axis angle position (φ) counter memory: counts a count signal from the rotary encoder constituting the handle axis angle
(3) Steering angle conversion ratio (α) calculated value memory: The steering angle conversion ratio α calculated based on the measured vehicle speed is stored.
(4) Target steering shaft angle position (θ ′) calculation value memory: a target value of the steering shaft angle position calculated by, for example, φ × α from the current value of the handle shaft angle position φ and the steering angle conversion ratio α; That is, the value of the target steering shaft angle position θ ′ is stored.
(5) Steering shaft angle position (θ) counter memory: counts a count signal from a rotary encoder forming the steering shaft
(6) Δθ calculated value memory: Stores a calculated value of Δθ (≡θ'-θ) between the target steering axis angle position θ 'and the current steering axis angle position θ.
(7) Power supply voltage (Vs) measured value memory: Stores the measured value of the power supply voltage Vs of the
(8) Duty ratio (η) determined value memory: The duty ratio η determined based on Δθ and the power supply voltage Vs for energizing the
(9) Current (Is) measured value memory: Stores the measured value of the current Is by the current sensor 70.
[0031]
The input /
[0032]
FIG. 10 is a block diagram showing a power supply system to the
[0033]
The
[0034]
When the
[0035]
On the other hand, there is provided an auxiliary monitoring signal detection means for detecting an auxiliary monitoring signal capable of identifying whether the vehicle is in the continuous driving state or the non-operating state, separately from the information on the cutoff state of the main power path IGL. . Specifically, the auxiliary monitoring signal OS from the auxiliary
[0036]
The auxiliary monitoring signal OS is a signal for confirming whether or not the main power path IGL is actually caused by an operation stop when the main power path IGL is cut off. For example, the main power path IGL is shut off due to some abnormality or the like occurring in the main power path IGL even though the operation is being continued (that is, the main power switch (ignition switch) 201 is not turned off). In such a case, the signal must be such that it is possible to recognize that the operation is being continued without being affected. In the present embodiment, the auxiliary monitoring signal OS is a signal for monitoring a specific parameter reflecting the driving state of the vehicle over time. The signal output is continued in the driving continuation state, and is output in the driving stop state. An operating state monitor signal for stopping the signal output (hereinafter, this signal is represented by a symbol “OS”) is used. Then, when the detection of the operation state monitor signal OS as the auxiliary monitoring signal is interrupted, the cutoff operation control of the
[0037]
The operating state monitor signal OS includes, for example, the output of the vehicle speed sensor 102 (however, the signal level is biased so that the signal level does not become zero even during idling (it becomes zero when stopped)), and the output of the steering shaft
[0038]
The
[0039]
In the present embodiment, the
[0040]
In addition, the steering control unit 100 (backup power switch control unit) continues to supply power to the control unit stabilized
[0041]
Hereinafter, the operation of the vehicle
FIG. 8 shows the flow of the processing of the main routine of the control program by the
[0042]
When the initialization process is completed, the process proceeds to S2, where the steering control process is performed. The steering control process is repeatedly executed at a constant period (for example, several hundred μs) in order to equalize the parameter sampling intervals. The details will be described with reference to FIG. In S201, the current measured value of the vehicle speed V is read, and then, in S202, the handle shaft angular position φ is read. In S203, a steering angle conversion ratio α for converting the handle shaft angle position φ into the target steering shaft angle position θ ′ is determined from the calculated value of the vehicle speed V. Different values are set for the steering angle conversion ratio α according to the vehicle speed V. Specifically, as shown in FIG. 6, when the vehicle speed V is higher than a certain value, the steering angle conversion ratio α is set to a small value, and when the vehicle speed V is lower than a certain value, the steering angle conversion ratio α is set to a large value. Is done. In the present embodiment, a table 130 for setting the steering angle conversion ratio α corresponding to various vehicle speeds V is stored in the ROM 112 (122) as shown in FIG. The steering angle conversion ratio α corresponding to the vehicle speed V is calculated by an interpolation method. In the present embodiment, the vehicle speed V is used as the information indicating the driving state of the vehicle. However, in addition to this, the lateral pressure received by the vehicle, the inclination angle of the road surface, and the like are used as information indicating the driving state of the vehicle. And it is possible to set the steering angle conversion ratio α to a specific value according to the detected value. It is also possible to determine the basic value of the steering angle conversion ratio α in accordance with the vehicle speed V, and to use the basic value as needed based on information other than the vehicle speed as described above.
[0043]
In S204, the target steering shaft angle position θ ′ is calculated by multiplying the detected steering shaft angle position φ by the determined steering angle conversion ratio α. Then, in S205, the current steering shaft angle position θ is read. In S206, a difference Δθ (= θ′−θ) between the current steering axis angle position θ obtained from the steering axis angle position counter and the target steering axis angle position θ ′ is calculated. Further, in S207, the current measured value of the power supply voltage Vs is read.
[0044]
The
[0045]
The
[0046]
The processing up to this point is executed in parallel by both the
[0047]
Returning to FIG. 8, in S3, it is determined whether or not the
[0048]
On the other hand, if the reception of the operation state monitor signal OS is not interrupted in S301, it means that the
[0049]
In other words, even when the main power path IGL is detected to be cut off due to disconnection or the like, the backup power path PL is normal, so that the
[0050]
Note that the abnormality processing may be a processing for shifting to manual steering in which the steering angle conversion ratio is not changed according to the vehicle speed or the like. Specifically, the
[0051]
The operation of the
[0052]
In the embodiment described above, the
[0053]
Further, as shown in FIG. 14, a battery voltage detection path VDL branched from the main power path IGL at a stage subsequent to the
[0054]
In this case, when the main power path IGL is cut off by the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing the overall configuration of a vehicle steering control system according to the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing one embodiment of a drive unit.
FIG. 3 is a sectional view taken along line AA of FIG. 2;
FIG. 4 is a block diagram showing an example of an electrical configuration of a vehicle steering control system according to the present invention.
FIG. 5 is a schematic diagram of a table for giving a relationship between a steering angle conversion ratio and a vehicle speed.
FIG. 6 is a schematic diagram showing an example of a pattern for changing a steering angle conversion ratio according to a vehicle speed.
FIG. 7 is a schematic diagram of a two-dimensional table for determining a duty ratio based on a motor power supply voltage and an angle deviation Δθ.
FIG. 8 is a flowchart showing an example of a main routine of computer processing in the vehicle steering control system of the present invention.
FIG. 9 is a flowchart illustrating an example of details of a steering control process of FIG. 8;
FIG. 10 is a block diagram illustrating an example of a power supply system of a steering control unit. .
FIG. 11 is a flowchart illustrating an example of an end process of FIG. 8;
FIG. 12 is a block diagram showing a first modification of FIG. 10;
FIG. 13 is a circuit diagram showing an example in which the backup power switch control means of FIG. 10 is configured by hardware logic.
FIG. 14 is a block diagram showing a second modification of FIG. 10;
[Explanation of symbols]
1 Vehicle steering control system
3 Handle axis
6. Motor (actuator)
8 Wheel steering shaft
100 Steering controller (main power path cutoff detecting means, auxiliary monitoring signal detecting means, backup power switch control means)
101 Handle shaft angle detector
103 Steering axis angle detector
115 EEPROM (end angle position storage unit)
IGL main power path
Power path for PL backup
201 Main power switch
VDL battery voltage detection path (main power path cutoff detection means, backup power switch control means)
204,213,216 Backup power switch
Claims (8)
前記ハンドル軸の角度位置(以下、ハンドル軸角度位置という)を検出するハンドル軸角度検出部と、
前記車輪操舵軸の角度位置(以下、操舵軸角度位置という)を検出する操舵軸角度検出部と、
前記車両の運転状態を操舵制御のために検出する操舵用運転状態検出部と、
検出されたハンドル軸角度位置と車両の運転状態とに基づいて前記車輪操舵軸の目標角度位置を決定し、該操舵軸角度位置が前記目標角度位置に近づくように、前記アクチュエータの動作を制御するとともに、前記車両全体の電力源をなすバッテリーから制御部用安定化電源回路を経て動作電力を受電する操舵制御部と前記バッテリーから前記制御部用安定化電源回路へ電力供給するための主電力経路と、
該主電力経路をバックアップするためのバックアップ用電力経路と、
前記主電力経路上に設けられ、前記車両の運転駆動をON/OFFする運転駆動スイッチが車両運転停止のために操作されるに伴い、前記主電力経路を遮断する主電源スイッチと、
前記主電力経路の遮断状態を検出する主電力経路遮断検出手段と、
前記主電力経路の遮断状態に係る情報とは別に、前記車両が運転継続状態にあるか運転停止状態にあるかを識別可能な補助監視信号を検出する補助監視信号検出手段と、
前記バックアップ用電力経路上に設けられたバックアップ用電源スイッチと、
前記主電力経路の遮断検出を前提として、前記補助監視信号の検出内容が、運転停止状態に対応した所定の条件を満たした場合にのみ、前記バックアップ用電源スイッチによる前記バックアップ用電力経路の遮断動作制御を行なうバックアップ用電源スイッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操舵制御システム。A steering handle shaft and a wheel steering shaft are mechanically separated from each other, and a steering angle to be given to the wheel steering shaft is determined according to an operation angle of the handle shaft and a driving state of the vehicle, and the steering angle is determined. In a vehicle steering control system in which the wheel steering shaft is rotationally driven by an actuator as obtained,
A handle shaft angle detection unit that detects an angle position of the handle shaft (hereinafter, referred to as a handle shaft angle position);
A steering shaft angle detection unit that detects an angular position of the wheel steering shaft (hereinafter, referred to as a steering shaft angle position);
A steering driving state detection unit that detects the driving state of the vehicle for steering control,
A target angle position of the wheel steering shaft is determined based on the detected handle shaft angle position and the driving state of the vehicle, and the operation of the actuator is controlled so that the steering shaft angle position approaches the target angle position. A steering control unit that receives operating power from a battery serving as a power source of the entire vehicle via a control unit stabilized power supply circuit, and a main power path for supplying power from the battery to the control unit stabilized power supply circuit When,
A backup power path for backing up the main power path;
A main power switch that is provided on the main power path and that cuts off the main power path when a driving switch for turning on / off the driving of the vehicle is operated for stopping the vehicle operation;
Main power path cutoff detecting means for detecting a cutoff state of the main power path,
Auxiliary monitoring signal detection means for detecting an auxiliary monitoring signal capable of identifying whether the vehicle is in a driving continuation state or a driving stop state, separately from the information related to the cutoff state of the main power path,
A backup power switch provided on the backup power path;
Assuming that the main power path cutoff is detected, the backup power path cutoff operation by the backup power switch is performed only when the detection content of the auxiliary monitoring signal satisfies a predetermined condition corresponding to an operation stop state. Backup power switch control means for controlling;
A vehicle steering control system comprising:
前記バックアップ用電源スイッチ制御手段は、前記補助監視信号としての前記運転状態モニタ信号の検出が途切れた場合に前記バックアップ用電源スイッチの遮断動作制御を行なう請求項1記載の車両用操舵制御システム。The auxiliary monitoring signal is a signal for monitoring a specific parameter reflecting the driving state of the vehicle with time, and the signal output is continued in the driving continuation state, and the signal output is output in the driving stop state. Is stopped, the operation status monitor signal is used,
2. The vehicle steering control system according to claim 1, wherein the backup power switch control means controls a cutoff operation of the backup power switch when the detection of the operation state monitor signal as the auxiliary monitoring signal is interrupted.
前記バックアップ用電源スイッチ制御手段は、前記主電力経路の遮断が検出されるに伴い、前記バックアップ用電力経路のみにより前記制御部用安定化電源回路への電力供給が継続される延長受電期間を経た後、前記バックアップ用電源スイッチを作動させて該バックアップ用電力経路を遮断することにより、前記操舵制御部への電力供給を停止させるものであり、
前記操舵制御部は、前記延長受電期間において前記終了角度位置記憶部への前記終了角度位置の書込みを行なう請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御システム。An end angle position storage unit that stores an angle position of the wheel steering shaft at the time of ending the vehicle operation (hereinafter, referred to as an end angle position) and retains the stored contents even after power supply to the steering control unit is cut off. ,
The backup power switch control unit has passed an extended power reception period in which power supply to the control unit stabilized power supply circuit is continued only by the backup power path, as the interruption of the main power path is detected. Then, the power supply to the steering control unit is stopped by activating the backup power switch to cut off the backup power path,
4. The vehicle steering control system according to claim 1, wherein the steering control unit writes the end angle position in the end angle position storage unit during the extended power receiving period. 5.
前記ハンドル軸の角度位置(以下、ハンドル軸角度位置という)を検出するハンドル軸角度検出部と、
前記車輪操舵軸の角度位置(以下、操舵軸角度位置という)を検出する操舵軸角度検出部と、
前記車両の運転状態を操舵制御のために検出する操舵用運転状態検出部と、
検出されたハンドル軸角度位置と車両の運転状態とに基づいて前記車輪操舵軸の目標角度位置を決定し、該操舵軸角度位置が前記目標角度位置に近づくように、前記アクチュエータの動作を制御するとともに、前記車両全体の電力源をなすバッテリーから制御部用安定化電源回路を経て動作電力を受電する操舵制御部と前記バッテリーから前記制御部用安定化電源回路へ電力供給するための主電力経路と、
該主電力経路をバックアップするためのバックアップ用電力経路と、
前記主電力経路上に設けられ、前記車両の運転駆動をON/OFFする運転駆動スイッチが車両運転停止のために操作されるに伴い、前記主電力経路を遮断する主電源スイッチと、
前記主電力経路の遮断状態を検出する主電力経路遮断検出手段と、
車両運転終了時における前記車輪操舵軸の角度位置(以下、終了角度位置という)を記憶するとともに、操舵制御部への電力供給が途絶えた後にも記憶内容を保持する終了角度位置記憶部と、
前記バックアップ用電力経路上に設けられたバックアップ用電源スイッチと、
前記バックアップ用電源スイッチ制御手段は、前記主電力経路の遮断が検出されるに伴い、前記バックアップ用電力経路のみにより前記制御部用安定化電源回路への電力供給が継続される延長受電期間を経た後、前記バックアップ用電源スイッチを作動させて該バックアップ用電力経路を遮断することにより、前記操舵制御部への電力供給を停止させるバックアップ用電源スイッチ制御手段と、を有し
前記操舵制御部は、前記延長受電期間において前記終了角度位置記憶部への前記終了角度位置の書込みを行なうことを特徴とする車両用操舵制御システム。A steering handle shaft and a wheel steering shaft are mechanically separated from each other, and a steering angle to be given to the wheel steering shaft is determined according to an operation angle of the handle shaft and a driving state of the vehicle, and the steering angle is determined. In a vehicle steering control system in which the wheel steering shaft is rotationally driven by an actuator as obtained,
A handle shaft angle detection unit that detects an angle position of the handle shaft (hereinafter, referred to as a handle shaft angle position);
A steering shaft angle detection unit that detects an angular position of the wheel steering shaft (hereinafter, referred to as a steering shaft angle position);
A steering driving state detection unit that detects the driving state of the vehicle for steering control,
A target angle position of the wheel steering shaft is determined based on the detected handle shaft angle position and the driving state of the vehicle, and the operation of the actuator is controlled so that the steering shaft angle position approaches the target angle position. A steering control unit that receives operating power from a battery serving as a power source of the entire vehicle via a control unit stabilized power supply circuit, and a main power path for supplying power from the battery to the control unit stabilized power supply circuit When,
A backup power path for backing up the main power path;
A main power switch that is provided on the main power path and that cuts off the main power path when a driving switch for turning on / off the driving of the vehicle is operated for stopping the vehicle operation;
Main power path cutoff detecting means for detecting a cutoff state of the main power path,
An end angle position storage unit that stores an angular position of the wheel steering shaft at the end of the vehicle operation (hereinafter, referred to as an end angle position) and retains the stored contents even after power supply to the steering control unit is cut off;
A backup power switch provided on the backup power path;
The backup power switch control unit has passed an extended power reception period in which power supply to the control unit stabilized power supply circuit is continued only by the backup power path, as the interruption of the main power path is detected. Then, the backup power switch control means for stopping the power supply to the steering control unit by operating the backup power switch to cut off the backup power path, and the steering control unit includes: A vehicle steering control system, wherein the end angle position is written in the end angle position storage unit during the extended power receiving period.
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WO2009125714A1 (en) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 株式会社ジェイテクト | Electric power steering device and method for controlling the same |
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