JP2004057860A - 廃棄物熱分解固形物の冷却方法および廃棄物処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱分解固形物を冷却する間接水冷式冷却装置や、流動層分別塔への搬送装置等の大型機器類の数を低減し、システムのコンパクト化を可能にする。
【解決手段】廃棄物を熱分解する熱分解ドラム1の排出室2に排出された熱分解固形物は、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分が自然着火しない程度の温度に冷却する必要がある。そのため本発明では、後段の流動層分別塔5で使用する流動砂を、排出室2の熱分解固形物に予め混入するようにした。低温の流動砂と高温の熱分解固形物を直接混合することで熱分解固形物が冷却されるため、流動層分別塔5に送給するまでに必要だった従来の冷却装置や搬送装置等の大型機器類を削減でき、廃棄物処理設備のコンパクト化が実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】廃棄物を熱分解する熱分解ドラム1の排出室2に排出された熱分解固形物は、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分が自然着火しない程度の温度に冷却する必要がある。そのため本発明では、後段の流動層分別塔5で使用する流動砂を、排出室2の熱分解固形物に予め混入するようにした。低温の流動砂と高温の熱分解固形物を直接混合することで熱分解固形物が冷却されるため、流動層分別塔5に送給するまでに必要だった従来の冷却装置や搬送装置等の大型機器類を削減でき、廃棄物処理設備のコンパクト化が実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物熱分解固形物の冷却方法および廃棄物処理システムに係り、特に、廃棄物の熱分解固形物を冷却し、該熱分解固形物中の熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を、流動砂を用いて風力分別するために好適な熱分解固形物の冷却技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物処理システムでは、廃棄物をキルン式熱分解炉等の熱分解設備で高温の加熱空気によって間接加熱して熱分解ガスと熱分解固形物とに熱分解し、熱分解ガスは熱源として利用すると共に、熱分解固形物はさらに分別装置で熱分解カーボン粉等の燃焼性成分と、鉄・アルミ等の金属類およびガレキなどに分別し、熱分解カーボン粉は燃料として利用し、金属類は有価物として回収し、ガレキなどは微粉砕して溶融するなどの処理を実施している。
【0003】
上記廃棄物処理システムに用いられる分別装置では、熱分解設備から排出された熱分解固形物を、砂(以下、流動砂ともいう)および流動空気を用いて風力分別し、該熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を取り出す流動層分別設備が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱分解設備から排出される熱分解固形物は、例えば450℃程度の高温であり、そのままでは後段の機器類での取り扱いが困難であり、また、熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉等の燃焼性成分が、自然着火しない程度の温度(例えば80℃)まで冷却する必要がある。
【0005】
そのため、都市ごみ等の大量の廃棄物を効率的に処理するためには、間接水冷式の冷却スクリューを複数段に備えたり、あるいは横型回転ドラム式冷却装置などの大型冷却装置と、この冷却装置を収容するための大規模な工場棟が必要であった。また、後段の流動層分別設備の規模(例えば高さ約30m)に合わせて、所定の高所まで熱分解固形物を搬送するコンベア等の大掛かりな搬送設備が必要であった。
【0006】
本発明の課題は、廃棄物処理システムの熱分解設備と流動層分別設備との間に設置される大型間接水冷式冷却装置や搬送設備などの機器点数を減らし、廃棄物処理システムのコンパクト化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、廃棄物を熱分解する熱分解設備から排出された熱分解固形物中の熱分解カーボン粉を流動層分別設備で風力分別するために、前記熱分解固形物を冷却する廃棄物熱分解固形物の冷却方法において、前記熱分解固形物を前記流動層分別設備に送給する前に、前記流動層分別設備で用いる流動砂を前記熱分解固形物に予め混入し、該流動砂と該熱分解固形物との温度差によって該熱分解固形物を冷却することを特徴とする廃棄物熱分解固形物の冷却方法によって解決される。
【0008】
また、本発明の廃棄物処理システムは、廃棄物を熱分解して熱分解ガスおよび熱分解固形物を排出する熱分解設備と、該熱分解設備から送給された熱分解固形物を流動砂および流動空気を用いて風力分別し、該熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉を分別する流動層分別設備と、該流動層分別設備から排出される流動砂を再び前記流動層分別設備へ循環させる流動砂循環設備とを備え、前記流動層分別設備の前段で、前記熱分解設備から排出された熱分解固形物に、前記流動層分別設備から循環する流動砂を予め供給する流動砂供給手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の冷却方法や廃棄物処理システムによれば、熱分解設備から排出された高温の熱分解固形物に低温の流動砂を予め混入するので、熱分解固形物が流動砂によって冷却される。本発明者らの試算によれば、熱分解固形物(約450℃)に低温の流動砂(約50℃)を混合したところ、混合物の温度が約90℃に降温することが判明した。
【0010】
そのため、熱分解設備と流動層分別設備との間に従来必要であった間接水冷式冷却ドラムや冷却スクリュー等の冷却設備、および熱分解固形物の搬送設備などの大規模な設備の省略や機器点数の低減が可能となる。
【0011】
また、前記流動層分別設備から排出された流動砂を循環させ、前記流動層分別設備に送給する前の熱分解固形物に再び混入することにより、新たな冷却材料を用いずに、少なくとも流動層分別設備内の温度(例えば80℃)以下の低温流動砂をそのまま利用できる。
【0012】
また、熱分解固形物に予め混入する流動砂の温度や量を任意に調節することにより、流動層分別設備に送給する熱分解固形物を任意の温度に冷却可能である。また、前記流動層分別設備に供給する流動空気を、予め冷却することにより、流動層分別設備内および流動砂の温度を任意に調節することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の概要は、廃棄物を熱分解する熱分解ドラム1の排出室2に排出された高温の熱分解固形物を冷却するために、後段の流動層分別塔5から排出された低温の流動砂を、流動層分別塔5へ送給する前の熱分解固形物に予め混入するようにしたものである。
【0014】
このように、高温の熱分解固形物(例えば約450℃)と低温の流動砂(例えば約60℃)とを直接混合することで、熱分解固形物が冷却され、熱分解固形物中の燃焼性成分が自然着火しない程度(例えば約80℃)に温度降下させることができる。そのため、熱分解固形物を流動層分別塔5に送給するまでに必要だった従来の冷却装置や搬送装置等の大型機器類を削減できる。
【0015】
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態を説明する。廃棄物は図示しない破砕機で適当な大きさに破砕された後、熱分解ドラム1に投入され、450〜600℃の高温空気で間接的に加熱され、熱分解ガスと熱分解固形物とに熱分解し、熱分解固形物排出室2に排出される。熱分解ガスは熱分解固形物排出室2から取り出されて熱源等に利用される。
【0016】
一方、熱分解固形物排出室2に排出された熱分解固形物は約450℃の高温であり、このままでは後段での取り扱いが容易でなく、また、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分を多量に含むため、大気中では自然着火の恐れもある。
【0017】
そこで、自然着火しない程度の温度(例えば80℃)に冷却した後、流動層分別塔5に送給される。流動層分別塔5では、熱分解固形物と流動砂とが、噴出する流動空気によって混合し流動して、軽量の熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を風力分別し、金属やガレキ等の不燃焼性成分と分別する。
【0018】
本実施形態は、流動層分別塔5に用いた低温の流動砂を循環させ、熱分解固形物排出室2に排出された熱分解固形物に予め混入し、低温の砂を混ぜ合わせることによって熱分解固形物を冷却し温度降下を促進させたものである。
【0019】
さらに、流動層分別塔5へ供給する流動空気を、必要に応じて熱交換器3で予め所定温度に冷却することにより、流動層分別塔5内の温度を任意に制御できる。また、図示はしていないが、予め熱分解固形物に混入する流動砂を冷却する冷却装置を設け、流動砂の温度や混入量を調節することにより、熱分解固形物を任意の温度に冷却可能である。
【0020】
本発明者らの試算によれば、熱分解固形物排出室2の冷却用流動砂供給口2aに、約50℃の流動砂を供給して約450℃の熱分解固形物と混合したところ、熱分解固形物排出室の出口部2bでは、熱分解固形物および冷却用流動砂との混合物の温度が約90℃に降温されることが判明した。さらに、流動層分別塔5へ供給する流動空気を約37℃に調節することにより、流動層分別塔5内では約80℃、流動層分別塔出口6では約60℃となることが判明した。
【0021】
したがって、冷却用流動砂の温度と量を任意に調節することにより、流動層分別塔5に送給する熱分解固形物および冷却用流動砂の混合物の温度を任意に調節することができる。また、熱分解固形物排出室2と流動層分別塔5の間に設置される冷却スクリュー4等の冷却装置も、冷却性能や規模を任意に設定可能となり、小型化あるいは省略が可能となる。
【0022】
しかも、この冷却用流動砂は、流動層分別塔5内の流動砂を循環させればよいので、新たな冷却材料を使用せず、一方、従来の大規模な冷却装置や搬送設備を省略できるため、システム構成が簡素となりコストも低減する。
【0023】
以下、本実施形態を採用した廃棄物処理システムについてさらに説明する。流動層分別塔5で分別された金属やガレキ等の不燃焼性の熱分解固形物は、回転ふるい7で、流動砂と金属類を含む固形物(ミックスメタルともいう)と粉塵とに選別される。流動砂は砂循環コンベアで運搬され、切替ダンパ9によって、熱分解固形物排出室2へ再度循環させる冷却用の流動砂と、循環量を調整するために砂調整槽10へ送られる砂とに適宜切り替えられる。
【0024】
ミックスメタルは搬送コンベア11によってミックスメタルヤード12へ搬送され、車等で運搬排出される。また、回転ふるい7およびミックスメタルヤード12で生じた粉塵は、バグフィルタ13などで除去する。
【0025】
一方、流動層分別塔5で分別された熱分解カーボン粉は、サイクロン14でダストを除去し、熱分解カーボン粉搬送コンベア15によってカーボンホッパ16へ搬送され、燃料として利用される。サイクロン14で除去されたダストはバグフィルタ17で除去される。
【0026】
次に、図2を参照して、流動層分別によって熱分解カーボン粉と金属等の不燃性固形物とを分別する参考例と、本発明の実施形態における流動砂の循環構成とを比較説明する。図2は廃棄物処理システムにおける従来の熱分解固形物の冷却および分別の一例を示す構成図である。
【0027】
熱分解ドラム1から排出室2へ排出された高温(例えば約450℃)の熱分解固形物は、燃焼性成分が自然着火しない温度(例えば約80℃)に冷却するために、間接水冷式の冷却スクリュー51a、51bや、あるいは横型回転ドラム式の冷却装置などで冷却され、熱分解固形物搬送コンベア52により搬送されて流動層分別塔54へ送給される。
【0028】
この際、大規模な冷却装置が必要となる。一例として、1段階の冷却では長大になりすぎ広大な設置平面積を必要とするため、一般的に、装置を複数段に分けて上下に立体的に設置する。これにより、設置平面積を節約するとともに重力を利用した効率的な被冷却物の搬送を行なうが、それでも複数の大規模な冷却装置を設置することになる。
【0029】
さらに、都市ごみ等の大量の廃棄物を効率的に処理する必要から、流動層分別塔には一定規模(例えば高さ約30m)が必要であり、そのため、冷却した熱分解固形物を再び高所に持ち上げるための搬送設備(図2の熱分解固形物搬送コンベア52等)などが必要となる。
【0030】
図1の実施形態によれば、熱分解固形物に低温の流動砂を予め混入することにより熱分解固形物が冷却されるため、図2の参考例における大規模な冷却装置(冷却スクリュー51a、51b)が不用であり、大型の搬送設備(熱分解固形物搬送コンベア52)を省略できるという極めて大きな効果がある。
【0031】
なお、図2の参考例の廃棄物処理をさらに説明すると、熱分解固形物搬送コンベア52で高所に搬送された熱分解固形物は、ダンパ53で金属類を粗選りして除いた後、流動層分別塔54へ送給され、送風機55からの流動空気によって、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分と、不燃性固形物および流動砂とに分別される。
【0032】
不燃性固形物および流動砂は、排出装置56を経て砂分離機57で不燃性固形物と流動砂とに分離する。分離した流動砂は砂搬送コンベア59でダンパ60へ搬送され、一部は流動層分別塔54へ循環供給され、その他は砂調整槽61へ送給される。調整用の流動砂は必要量に応じて循環路へ供給される。
【0033】
なお、流動層分別塔55で分別された熱分解カーボン粉等の燃焼性成分は、燃料として有効利用される。また、砂分離機57では磁選機58で不燃性固形物中の鉄系金属を、ガレキ等の不燃性固形物から選別除去する。ガレキ等の不燃性固形物は、さらに微粉砕した後、熱分解カーボン粉とともに燃焼溶融して溶融スラグにするなどの処理が行なわれる。これらの処理については図1とほぼ同様であるので、本参考例では図示および説明を省略した。
【0034】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、廃棄物を熱分解した高温の熱分解固形物に、流動層分別設備で使用する低温の流動砂を予め混入して、熱分解固形物中の燃焼性成分が自然着火しない程度の温度に直接冷却するため、従来必要であった、間接水冷式冷却設備や搬送設備などの大型設備の機器点数を削減でき、その結果、廃棄物処理設備のコンパクト化とコスト低減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成図。
【図2】熱分解固形物冷却・分別設備の一参考例を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱分解ドラム
2 熱分解固形物排出室
2a 冷却用流動砂供給口
2b 出口部
3 流動空気冷却用熱交換器
4 冷却スクリュー
5 流動層分別塔
6 流動層分別塔出口
7 回転ふるい
8 砂循環コンベア
9 切替ダンパ
10 砂調整槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物熱分解固形物の冷却方法および廃棄物処理システムに係り、特に、廃棄物の熱分解固形物を冷却し、該熱分解固形物中の熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を、流動砂を用いて風力分別するために好適な熱分解固形物の冷却技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみや産業廃棄物などの廃棄物処理システムでは、廃棄物をキルン式熱分解炉等の熱分解設備で高温の加熱空気によって間接加熱して熱分解ガスと熱分解固形物とに熱分解し、熱分解ガスは熱源として利用すると共に、熱分解固形物はさらに分別装置で熱分解カーボン粉等の燃焼性成分と、鉄・アルミ等の金属類およびガレキなどに分別し、熱分解カーボン粉は燃料として利用し、金属類は有価物として回収し、ガレキなどは微粉砕して溶融するなどの処理を実施している。
【0003】
上記廃棄物処理システムに用いられる分別装置では、熱分解設備から排出された熱分解固形物を、砂(以下、流動砂ともいう)および流動空気を用いて風力分別し、該熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を取り出す流動層分別設備が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱分解設備から排出される熱分解固形物は、例えば450℃程度の高温であり、そのままでは後段の機器類での取り扱いが困難であり、また、熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉等の燃焼性成分が、自然着火しない程度の温度(例えば80℃)まで冷却する必要がある。
【0005】
そのため、都市ごみ等の大量の廃棄物を効率的に処理するためには、間接水冷式の冷却スクリューを複数段に備えたり、あるいは横型回転ドラム式冷却装置などの大型冷却装置と、この冷却装置を収容するための大規模な工場棟が必要であった。また、後段の流動層分別設備の規模(例えば高さ約30m)に合わせて、所定の高所まで熱分解固形物を搬送するコンベア等の大掛かりな搬送設備が必要であった。
【0006】
本発明の課題は、廃棄物処理システムの熱分解設備と流動層分別設備との間に設置される大型間接水冷式冷却装置や搬送設備などの機器点数を減らし、廃棄物処理システムのコンパクト化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、廃棄物を熱分解する熱分解設備から排出された熱分解固形物中の熱分解カーボン粉を流動層分別設備で風力分別するために、前記熱分解固形物を冷却する廃棄物熱分解固形物の冷却方法において、前記熱分解固形物を前記流動層分別設備に送給する前に、前記流動層分別設備で用いる流動砂を前記熱分解固形物に予め混入し、該流動砂と該熱分解固形物との温度差によって該熱分解固形物を冷却することを特徴とする廃棄物熱分解固形物の冷却方法によって解決される。
【0008】
また、本発明の廃棄物処理システムは、廃棄物を熱分解して熱分解ガスおよび熱分解固形物を排出する熱分解設備と、該熱分解設備から送給された熱分解固形物を流動砂および流動空気を用いて風力分別し、該熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉を分別する流動層分別設備と、該流動層分別設備から排出される流動砂を再び前記流動層分別設備へ循環させる流動砂循環設備とを備え、前記流動層分別設備の前段で、前記熱分解設備から排出された熱分解固形物に、前記流動層分別設備から循環する流動砂を予め供給する流動砂供給手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の冷却方法や廃棄物処理システムによれば、熱分解設備から排出された高温の熱分解固形物に低温の流動砂を予め混入するので、熱分解固形物が流動砂によって冷却される。本発明者らの試算によれば、熱分解固形物(約450℃)に低温の流動砂(約50℃)を混合したところ、混合物の温度が約90℃に降温することが判明した。
【0010】
そのため、熱分解設備と流動層分別設備との間に従来必要であった間接水冷式冷却ドラムや冷却スクリュー等の冷却設備、および熱分解固形物の搬送設備などの大規模な設備の省略や機器点数の低減が可能となる。
【0011】
また、前記流動層分別設備から排出された流動砂を循環させ、前記流動層分別設備に送給する前の熱分解固形物に再び混入することにより、新たな冷却材料を用いずに、少なくとも流動層分別設備内の温度(例えば80℃)以下の低温流動砂をそのまま利用できる。
【0012】
また、熱分解固形物に予め混入する流動砂の温度や量を任意に調節することにより、流動層分別設備に送給する熱分解固形物を任意の温度に冷却可能である。また、前記流動層分別設備に供給する流動空気を、予め冷却することにより、流動層分別設備内および流動砂の温度を任意に調節することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の概要は、廃棄物を熱分解する熱分解ドラム1の排出室2に排出された高温の熱分解固形物を冷却するために、後段の流動層分別塔5から排出された低温の流動砂を、流動層分別塔5へ送給する前の熱分解固形物に予め混入するようにしたものである。
【0014】
このように、高温の熱分解固形物(例えば約450℃)と低温の流動砂(例えば約60℃)とを直接混合することで、熱分解固形物が冷却され、熱分解固形物中の燃焼性成分が自然着火しない程度(例えば約80℃)に温度降下させることができる。そのため、熱分解固形物を流動層分別塔5に送給するまでに必要だった従来の冷却装置や搬送装置等の大型機器類を削減できる。
【0015】
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態を説明する。廃棄物は図示しない破砕機で適当な大きさに破砕された後、熱分解ドラム1に投入され、450〜600℃の高温空気で間接的に加熱され、熱分解ガスと熱分解固形物とに熱分解し、熱分解固形物排出室2に排出される。熱分解ガスは熱分解固形物排出室2から取り出されて熱源等に利用される。
【0016】
一方、熱分解固形物排出室2に排出された熱分解固形物は約450℃の高温であり、このままでは後段での取り扱いが容易でなく、また、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分を多量に含むため、大気中では自然着火の恐れもある。
【0017】
そこで、自然着火しない程度の温度(例えば80℃)に冷却した後、流動層分別塔5に送給される。流動層分別塔5では、熱分解固形物と流動砂とが、噴出する流動空気によって混合し流動して、軽量の熱分解カーボン粉等の燃焼性微粒子を風力分別し、金属やガレキ等の不燃焼性成分と分別する。
【0018】
本実施形態は、流動層分別塔5に用いた低温の流動砂を循環させ、熱分解固形物排出室2に排出された熱分解固形物に予め混入し、低温の砂を混ぜ合わせることによって熱分解固形物を冷却し温度降下を促進させたものである。
【0019】
さらに、流動層分別塔5へ供給する流動空気を、必要に応じて熱交換器3で予め所定温度に冷却することにより、流動層分別塔5内の温度を任意に制御できる。また、図示はしていないが、予め熱分解固形物に混入する流動砂を冷却する冷却装置を設け、流動砂の温度や混入量を調節することにより、熱分解固形物を任意の温度に冷却可能である。
【0020】
本発明者らの試算によれば、熱分解固形物排出室2の冷却用流動砂供給口2aに、約50℃の流動砂を供給して約450℃の熱分解固形物と混合したところ、熱分解固形物排出室の出口部2bでは、熱分解固形物および冷却用流動砂との混合物の温度が約90℃に降温されることが判明した。さらに、流動層分別塔5へ供給する流動空気を約37℃に調節することにより、流動層分別塔5内では約80℃、流動層分別塔出口6では約60℃となることが判明した。
【0021】
したがって、冷却用流動砂の温度と量を任意に調節することにより、流動層分別塔5に送給する熱分解固形物および冷却用流動砂の混合物の温度を任意に調節することができる。また、熱分解固形物排出室2と流動層分別塔5の間に設置される冷却スクリュー4等の冷却装置も、冷却性能や規模を任意に設定可能となり、小型化あるいは省略が可能となる。
【0022】
しかも、この冷却用流動砂は、流動層分別塔5内の流動砂を循環させればよいので、新たな冷却材料を使用せず、一方、従来の大規模な冷却装置や搬送設備を省略できるため、システム構成が簡素となりコストも低減する。
【0023】
以下、本実施形態を採用した廃棄物処理システムについてさらに説明する。流動層分別塔5で分別された金属やガレキ等の不燃焼性の熱分解固形物は、回転ふるい7で、流動砂と金属類を含む固形物(ミックスメタルともいう)と粉塵とに選別される。流動砂は砂循環コンベアで運搬され、切替ダンパ9によって、熱分解固形物排出室2へ再度循環させる冷却用の流動砂と、循環量を調整するために砂調整槽10へ送られる砂とに適宜切り替えられる。
【0024】
ミックスメタルは搬送コンベア11によってミックスメタルヤード12へ搬送され、車等で運搬排出される。また、回転ふるい7およびミックスメタルヤード12で生じた粉塵は、バグフィルタ13などで除去する。
【0025】
一方、流動層分別塔5で分別された熱分解カーボン粉は、サイクロン14でダストを除去し、熱分解カーボン粉搬送コンベア15によってカーボンホッパ16へ搬送され、燃料として利用される。サイクロン14で除去されたダストはバグフィルタ17で除去される。
【0026】
次に、図2を参照して、流動層分別によって熱分解カーボン粉と金属等の不燃性固形物とを分別する参考例と、本発明の実施形態における流動砂の循環構成とを比較説明する。図2は廃棄物処理システムにおける従来の熱分解固形物の冷却および分別の一例を示す構成図である。
【0027】
熱分解ドラム1から排出室2へ排出された高温(例えば約450℃)の熱分解固形物は、燃焼性成分が自然着火しない温度(例えば約80℃)に冷却するために、間接水冷式の冷却スクリュー51a、51bや、あるいは横型回転ドラム式の冷却装置などで冷却され、熱分解固形物搬送コンベア52により搬送されて流動層分別塔54へ送給される。
【0028】
この際、大規模な冷却装置が必要となる。一例として、1段階の冷却では長大になりすぎ広大な設置平面積を必要とするため、一般的に、装置を複数段に分けて上下に立体的に設置する。これにより、設置平面積を節約するとともに重力を利用した効率的な被冷却物の搬送を行なうが、それでも複数の大規模な冷却装置を設置することになる。
【0029】
さらに、都市ごみ等の大量の廃棄物を効率的に処理する必要から、流動層分別塔には一定規模(例えば高さ約30m)が必要であり、そのため、冷却した熱分解固形物を再び高所に持ち上げるための搬送設備(図2の熱分解固形物搬送コンベア52等)などが必要となる。
【0030】
図1の実施形態によれば、熱分解固形物に低温の流動砂を予め混入することにより熱分解固形物が冷却されるため、図2の参考例における大規模な冷却装置(冷却スクリュー51a、51b)が不用であり、大型の搬送設備(熱分解固形物搬送コンベア52)を省略できるという極めて大きな効果がある。
【0031】
なお、図2の参考例の廃棄物処理をさらに説明すると、熱分解固形物搬送コンベア52で高所に搬送された熱分解固形物は、ダンパ53で金属類を粗選りして除いた後、流動層分別塔54へ送給され、送風機55からの流動空気によって、熱分解カーボン粉等の燃焼性成分と、不燃性固形物および流動砂とに分別される。
【0032】
不燃性固形物および流動砂は、排出装置56を経て砂分離機57で不燃性固形物と流動砂とに分離する。分離した流動砂は砂搬送コンベア59でダンパ60へ搬送され、一部は流動層分別塔54へ循環供給され、その他は砂調整槽61へ送給される。調整用の流動砂は必要量に応じて循環路へ供給される。
【0033】
なお、流動層分別塔55で分別された熱分解カーボン粉等の燃焼性成分は、燃料として有効利用される。また、砂分離機57では磁選機58で不燃性固形物中の鉄系金属を、ガレキ等の不燃性固形物から選別除去する。ガレキ等の不燃性固形物は、さらに微粉砕した後、熱分解カーボン粉とともに燃焼溶融して溶融スラグにするなどの処理が行なわれる。これらの処理については図1とほぼ同様であるので、本参考例では図示および説明を省略した。
【0034】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、廃棄物を熱分解した高温の熱分解固形物に、流動層分別設備で使用する低温の流動砂を予め混入して、熱分解固形物中の燃焼性成分が自然着火しない程度の温度に直接冷却するため、従来必要であった、間接水冷式冷却設備や搬送設備などの大型設備の機器点数を削減でき、その結果、廃棄物処理設備のコンパクト化とコスト低減が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成図。
【図2】熱分解固形物冷却・分別設備の一参考例を示す構成図。
【符号の説明】
1 熱分解ドラム
2 熱分解固形物排出室
2a 冷却用流動砂供給口
2b 出口部
3 流動空気冷却用熱交換器
4 冷却スクリュー
5 流動層分別塔
6 流動層分別塔出口
7 回転ふるい
8 砂循環コンベア
9 切替ダンパ
10 砂調整槽
Claims (4)
- 廃棄物を熱分解する熱分解設備から排出された熱分解固形物中の熱分解カーボン粉を流動層分別設備で風力分別するために、前記熱分解固形物を冷却する廃棄物熱分解固形物の冷却方法において、前記熱分解固形物を前記流動層分別設備に送給する前に、前記流動層分別設備で用いる流動砂を前記熱分解固形物に予め混入し、該流動砂と該熱分解固形物との温度差によって該熱分解固形物を冷却することを特徴とする廃棄物熱分解固形物の冷却方法。
- 請求項1に記載の冷却方法において、前記流動層分別設備から排出された流動砂を循環させ、前記流動層分別設備に送給する前の熱分解固形物に再び混入することを特徴とする廃棄物熱分解固形物の冷却方法。
- 廃棄物を熱分解して熱分解ガスおよび熱分解固形物を排出する熱分解設備と、該熱分解設備から送給された熱分解固形物を流動砂および流動空気を用いて風力分別し、該熱分解固形物に含まれる熱分解カーボン粉を分別する流動層分別設備と、該流動層分別設備から排出される流動砂を再び前記流動層分別設備へ循環させる流動砂循環設備とを備え、前記流動層分別設備の前段で、前記熱分解設備から排出された熱分解固形物に、前記流動層分別設備から循環する流動砂を予め供給する流動砂供給手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理システム。
- 請求項3に記載の廃棄物処理システムにおいて、前記流動層分別設備に供給する流動空気を予め冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする廃棄物処理システム。
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-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216224A patent/JP2004057860A/ja active Pending
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CN113909121B (zh) * | 2020-07-08 | 2022-10-04 | 中冶长天国际工程有限责任公司 | 一种安全性高的粉尘去除方法及系统 |
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