JP2004057269A - 花立て用造形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】花瓶に挿した花が果物若しくは野菜等の自然物から直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく自然のものとして鑑賞できるようにすること。花瓶を含めて全体として装飾効果を高めること。花瓶から簡単に取り外すこと。使用性、経済性を高めること。
【解決手段】花瓶5の花挿し孔5aに載置される花立て用の造形物1である。造形物1は果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】花瓶5の花挿し孔5aに載置される花立て用の造形物1である。造形物1は果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、花瓶の花挿し孔に載置されて花の姿勢を保持するための花立て用造形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、生花や造花を花瓶に挿して飾るときに、花瓶の花挿し孔が大きい場合は、花がバラバラになってまとまりがなくなり、特に一輪差しの場合は一定の姿勢に保っておくことが困難であった。
【0003】
かかる不具合を解消するために剣山等も使用されているが、生花はともかくとして、造花の場合は茎が針金や合成樹脂で作られている場合が多く、剣山の使用ができなかった。
【0004】
そこで、従来より、特開平9−28533号公報には、花茎を挿入保持しうる金網を花瓶の花挿し孔に嵌め込んで使用する方法が開示されており、特開平11−192143号公報には、花瓶の狭窄部内に花茎を挿入保持しうる花立てを没入させた構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平9−28533号公報のように花立てを金網製とした場合にあっては、特に一輪差しの場合は金網が外部に露出して、見る者に違和感や不自然さを与えるばかりか、金網特有の冷たい感じを与えてしまうなど、見栄えが悪く、花茎を傷めやすく、そのうえ花立ては構造が単純で定形的な形をしているため、面白味に欠けるといった欠点がある。
【0006】
また、特開平11−192143号公報のように花立てを花瓶の狭い狭窄部中に没入して使用する場合にあっては、花立ての大きさや形状が花瓶の狭窄部によって制限され、このため少量の花しか挿すことができない上に、花瓶から花立てを取り出すことが困難であるといった欠点もある。
【0007】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、花瓶に挿した花が果物若しくは野菜等の自然物から直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく、自然のものとして鑑賞できるようにすると共に、全体としての装飾効果を高めることができ、しかも花瓶から簡単に取り外すことができ、使用性、経済性に優れた花立て用造形物を提供することにあり、他の目的とするところは、一輪差しや装飾的に盛りつける盛花のいずれの場合でも安定姿勢で保持できる花立て用造形物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、花瓶5の花挿し孔5aに載置される造形物であって、果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されていることを特徴としており、このように構成することで、花瓶5の花挿し孔5aに造形物1を載置して挿し孔2に花3を挿すことによって、果物若しくは野菜等の自然物から花3が直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく自然のものとして鑑賞できるようになる。
【0009】
また上記挿し孔2は、造形物1の略中央を上下方向に貫通する主挿し孔2aと、主挿し孔2aの周辺に設けられる複数の副挿し孔2bとで構成されているのが好ましく、この場合、一輪差しの場合は主挿し孔2aを使用することによって安定姿勢で保持でき、装飾的に盛りつける盛花の場合は主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとを使用することによって花3を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
本発明の花立て用造形物(以下、「造形物1」と略称する)は、図1に示すように、花3の安定した姿勢を保持するために、花瓶5の花挿し孔5aに載置されて使用されるものである。
【0012】
造形物1は、図2に示すように、略球状に形成されている。その材質は、例えば発泡体、陶器、ガラス、木質材、ろう等が一例として挙げられる。なお高級感を得るためには重量感のあるものが望ましい。
【0013】
造形物1は、果物若しくは野菜等の自然物の外観をしている。その一例として、発泡体の表面に例えば塩ビ、PP、PET等の合成樹脂からなるフィルムを貼着したもの、若しくは陶器の表面を釉薬で色付けしたもの等が挙げられる。この造形物1の表面層が、図2(d)(e)に示す果皮7などを描写している。ここで、造形物1で表現される果物をより具体的に示すと、果樹等で多年層にわたって結実するもの、例えば、リンゴ、ミカン、柿、栗(いが付き)、ナシ、桃、レモン、サクランボ、オレンジ、ミカン、グレープフルーツ等が挙げられる。また造形物1で表現される野菜をより具体的に示すと、単年毎に種を撒いて結実するもの、例えば、トマト、ピーマン、イチゴ、スイカ、メロン、パイナップル、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、カボチャ、ナスビ、レタス、キャベツ等のが挙げられる。ここで、トマトのようにヘタのあるものでは、図2に示すように造形ヘタ8を取り付け、この造形ヘタ8を下にして花瓶5の花挿し孔5aに乗せるようにする。一方、リンゴのようにヘタ無しのものでは、柄がついている側と反対側の部分を下にして花瓶5の花挿し孔5aに乗せることで、花瓶5の花挿し孔5aへの造形物1の座りを安定化させることができる。なお、上記造形物1は花瓶5の花挿し孔5aの大きさに応じて、大、中、小の各種サイズが製作され、異なる大きさの花瓶5の花挿し孔5aに対応できるようにするのが望ましい。
【0014】
ここで、上記造形物1中に芳香剤を添着させるのが望ましい。その一例を説明すると、造形物1を発泡体で形成する場合にあっては、例えば発泡材料中に芳香剤を混入して成形する方法、或いは成形後の発泡体に後から芳香剤を注入する方法がある。この場合、発泡体の表面は上記合成樹脂からなるフィルムで覆われているため、芳香は造形物1に設けた主挿し孔2a及び副挿し孔2bから外部に放出されるようになる。さらに他の例として、造形物1の表面に凹みを設け、凹みの中に芳香剤を溜めておく方法もある。これにより、造形物1自体から芳香が放出されるようになる。ここで、気分をリラックスさせる香りとしてラベンダー、マージョラム、ゼラニウム、気分をリフレッシュさせる香りとしてミント、ローズマリー、レモングラス、カルダモン等のエッセンシャルオイル(精油)を選択して採用することができる。このようなエッセンシャルオイル(精油)を使用することにより造形物1を利用したアロマテラピー(芳香治療)効果が期待でき、造形物1の商品価値がより一層高められる。なお芳香剤に代えて、森林浴のフィトンチットや消臭剤を使用することもできる。つまり本発明の造形物1を載置した花瓶を置く場所によって香りの種類を自由に選択することができるものである。
【0015】
さらに、造形物1には、花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されている。挿し孔2は造形物1の外観、形状を崩さない程度の大きさとする。ここでは、挿し孔2は、造形物1の略中央を上下方向に貫通する1個の主挿し孔2aと、主挿し孔2aの周辺に設けられる複数個(6〜8個程度)の副挿し孔2bとを有している。図2に示す例では、主挿し孔2aは、1本の太い茎4若しくは複数本の細い茎4をまとめて挿すことができる大きさ(例えば直径1〜3cm程度)の孔からなる。この主挿し孔2aは、図2(d)のように直筒状に形成してもよいが、同(d)の破線2a’のように、上端で広く下端になる程狭くなるように傾斜させてもよい。要は上から茎4を挿し易く、且つ挿した後は茎4がばらつかないように安定姿勢でまとめて保持できる孔の形状であればよい。一方、複数の副挿し孔2bは、それぞれ、1本の細い茎4を挿すことができる大きさ(例えば直径1cm程度)の孔からなる。この副挿し孔2bは斜めに傾斜しており、図2(e)に示すように、その下端2cが主挿し孔2aの下端に連通している。これにより副挿し孔2bに挿した茎4は主挿し孔2aを通って造形物1の下方に突出するようになり、副挿し孔2bにおいても茎4を安定した姿勢で保持できるようにしている。ここで、副挿し孔2bの下端2cは必ずしも主挿し孔2aに連通させる必要はなく、造形物1の下面に開口させてもよいものである。また本例では、図2(a)に示すように、主挿し孔2a及び副挿し孔2bの断面形状は、茎4の部分を痛めたり折損させたりすることがないように、それぞれ丸く形成されているが、もちろん、四角、三角などの角形であってもよい。また、副挿し孔2bを主挿し孔2aを中心として円弧を描くように細長く形成してもよい。さらに挿し孔2を目立ち難くするために、挿し孔2の内面に造形物1の果肉と同じ色を施すのが望ましい。なお、主挿し孔2a、副挿し孔2bの大きさ、数、形状は造形物1の大きさに応じて適宜設計変更自在である。また、副挿し孔2bを省略して主挿し孔2aのみを設けてもよいものであり、逆に、主挿し孔2aを省略して副挿し孔2bのみを設けてもよいものである。
【0016】
上記造形物1によって保持される花3は生花、造花を問わない。また造形物1の種類も特に限定されず、例えばハスの実、ほおずき等が挙げられる。
【0017】
また、造形物1を載置する花瓶5は、図1に示す例には限定されない。例えば、図6(a)〜(c)に示すような容器部5bの上端部に本発明品の造形物1を安定良く載置できる花挿し孔5aを備えたものであればよい。
【0018】
上記構成の造形物1を使用するにあたっては、先ず、花瓶5の花挿し孔5aに造形物1を載置し、造形物1の挿し孔2に花3を挿す。これにより、果物若しくは野菜等の自然物から花3が直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく、自然のものとして鑑賞できるようになると共に、存在感や面白味があり、見る人を十分に惹き付けることができる結果、全体としての装飾効果を高めることができ、人が集まる場所のインテリア等としても最適に使用できるものである。
【0019】
また、従来の剣山などを用いて生花を生ける場合、単純に切花を挿して飾れば良いのではなく、技術的な専門性あるいは熟練が必要であった。しかし、本発明の造形物1を用いれば、技術的に専門性のない人であっても単純に花3を所望の傾きに且つ見栄え良く生けることができる。つまり図1に示す一輪差しの場合は主挿し孔2aを使用することによって安定姿勢で保持できるようになる。一輪差しの場合に花3が傾くのを防止する方法として、花3の葉の部分を主挿し孔2aの内面に押し付けたり、あるいは茎4の部分に目立たないようにスペーサを取付けたりすることで、外観を損なうことなく花3を主挿し孔2aの中央に傾かないように位置決めでき、見栄え良く保持できるようになる。また図3、図4に示すように装飾的に盛りつける盛花の場合は、主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとを使用することによって花3を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できる。図5は乾燥草花6を主挿し孔2aに挿した場合の一例である。このように大きさの異なる主挿し孔2aと副挿し孔2bとを任意に選択して使い分けることで、ユーザーの所望のイメージにあわせてオリジナルに花3を生けることができる。さらに、図7(a)の矢印イで示すように、茎4の部分を所定の高さで折った状態で主挿し孔2aに挿すことによって、細い茎4であっても倒れないように保持できる。また図7(b)に示すように、花瓶5の底に紙などの詰め物10を置くことによって、使用者が望むところに従って茎4を安定良く保持できる。ここで、詰め物10として、紙に限られず、例えば脱臭作用のある活性炭や炭、或いは発泡スチロール等を配置してもよい。もちろん、これらに限らず、生花を生けるための水であってもよい。
【0020】
また本例では、造形物1の中央を貫通して1個の主挿し孔2aが形成され、主挿し孔2aの周辺に複数個(6〜8個程度)の副挿し孔2bがほぼ等間隔で設けられているため、主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとが造形物1全体にバランス良く配置されるようになり、造形物1の外観デザイン性が一層良くなる。
【0021】
また、造形物1の材質に発泡体を使用すれば、軽量で量産化にも適し、コストの低減を図ることができ、経済性にも優れている。さらに発泡体の中に重りを入れて重量化を図るようにしてもよい。
【0022】
さらに造形物1は花瓶5の花挿し孔5aから取り外すことができるため、洗いが簡単であり、また手軽に交換できるなど、使用性にも優れている。
【0023】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、花瓶の花挿し孔に載置される造形物であって、果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花を挿してその姿勢を保持するための挿し孔が貫通形成されているので、果物若しくは野菜等の自然物から花(生花、造花を問わず)が直接成長したかの如き錯覚を与えることができる。これにより、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく自然のものとして鑑賞できるようになる。また、花瓶を含めて全体として装飾効果を高めることができるので、見る人を十分に惹き付けることができ、人が集まる場所のインテリア等としても最適に使用できる。さらに造形物を花瓶の花挿し孔から簡単に取り外すことができるため、洗いが簡単であり、使い勝手も良くなる。
【0024】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、挿し孔は、造形物の略中央を上下方向に貫通する主挿し孔と、主挿し孔の周辺に設けられる複数の副挿し孔とで構成されているので、一輪差しの場合は主挿し孔を使用することによって安定姿勢で保持でき、また装飾的に盛りつける盛花の場合には、主挿し孔と複数の副挿し孔とを使用することによって花を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できる。さらに主挿し孔と副挿し孔とを任意に選択使用することで、ユーザーの所望のイメージにあわせてオリジナルに花を立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造形物を用いた一輪差しの一例を示す斜視図である。
【図2】同上の造形物を示し、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)は(b)のA−A線断面図、(e)は(b)のB−B線断面図である。
【図3】同上の造形物を用いて装飾的に盛りつける盛花の一例を示す斜視図である。
【図4】同上の盛花の他の例を示す斜視図である。
【図5】同上の造形物に草花を挿した場合の一例を示す斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は同上の造形物が載置される花瓶の例を示す断面図である。
【図7】(a)は同上の茎を折って挿し孔に挿した状態を示し、(b)は花瓶の底に紙などの詰め物をした場合の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 造形物
2 挿し孔
2a 主挿し孔
2b 副挿し孔
3 花
5 花瓶
5a 花挿し孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、花瓶の花挿し孔に載置されて花の姿勢を保持するための花立て用造形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、生花や造花を花瓶に挿して飾るときに、花瓶の花挿し孔が大きい場合は、花がバラバラになってまとまりがなくなり、特に一輪差しの場合は一定の姿勢に保っておくことが困難であった。
【0003】
かかる不具合を解消するために剣山等も使用されているが、生花はともかくとして、造花の場合は茎が針金や合成樹脂で作られている場合が多く、剣山の使用ができなかった。
【0004】
そこで、従来より、特開平9−28533号公報には、花茎を挿入保持しうる金網を花瓶の花挿し孔に嵌め込んで使用する方法が開示されており、特開平11−192143号公報には、花瓶の狭窄部内に花茎を挿入保持しうる花立てを没入させた構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平9−28533号公報のように花立てを金網製とした場合にあっては、特に一輪差しの場合は金網が外部に露出して、見る者に違和感や不自然さを与えるばかりか、金網特有の冷たい感じを与えてしまうなど、見栄えが悪く、花茎を傷めやすく、そのうえ花立ては構造が単純で定形的な形をしているため、面白味に欠けるといった欠点がある。
【0006】
また、特開平11−192143号公報のように花立てを花瓶の狭い狭窄部中に没入して使用する場合にあっては、花立ての大きさや形状が花瓶の狭窄部によって制限され、このため少量の花しか挿すことができない上に、花瓶から花立てを取り出すことが困難であるといった欠点もある。
【0007】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、花瓶に挿した花が果物若しくは野菜等の自然物から直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく、自然のものとして鑑賞できるようにすると共に、全体としての装飾効果を高めることができ、しかも花瓶から簡単に取り外すことができ、使用性、経済性に優れた花立て用造形物を提供することにあり、他の目的とするところは、一輪差しや装飾的に盛りつける盛花のいずれの場合でも安定姿勢で保持できる花立て用造形物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、花瓶5の花挿し孔5aに載置される造形物であって、果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されていることを特徴としており、このように構成することで、花瓶5の花挿し孔5aに造形物1を載置して挿し孔2に花3を挿すことによって、果物若しくは野菜等の自然物から花3が直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく自然のものとして鑑賞できるようになる。
【0009】
また上記挿し孔2は、造形物1の略中央を上下方向に貫通する主挿し孔2aと、主挿し孔2aの周辺に設けられる複数の副挿し孔2bとで構成されているのが好ましく、この場合、一輪差しの場合は主挿し孔2aを使用することによって安定姿勢で保持でき、装飾的に盛りつける盛花の場合は主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとを使用することによって花3を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
本発明の花立て用造形物(以下、「造形物1」と略称する)は、図1に示すように、花3の安定した姿勢を保持するために、花瓶5の花挿し孔5aに載置されて使用されるものである。
【0012】
造形物1は、図2に示すように、略球状に形成されている。その材質は、例えば発泡体、陶器、ガラス、木質材、ろう等が一例として挙げられる。なお高級感を得るためには重量感のあるものが望ましい。
【0013】
造形物1は、果物若しくは野菜等の自然物の外観をしている。その一例として、発泡体の表面に例えば塩ビ、PP、PET等の合成樹脂からなるフィルムを貼着したもの、若しくは陶器の表面を釉薬で色付けしたもの等が挙げられる。この造形物1の表面層が、図2(d)(e)に示す果皮7などを描写している。ここで、造形物1で表現される果物をより具体的に示すと、果樹等で多年層にわたって結実するもの、例えば、リンゴ、ミカン、柿、栗(いが付き)、ナシ、桃、レモン、サクランボ、オレンジ、ミカン、グレープフルーツ等が挙げられる。また造形物1で表現される野菜をより具体的に示すと、単年毎に種を撒いて結実するもの、例えば、トマト、ピーマン、イチゴ、スイカ、メロン、パイナップル、ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、カボチャ、ナスビ、レタス、キャベツ等のが挙げられる。ここで、トマトのようにヘタのあるものでは、図2に示すように造形ヘタ8を取り付け、この造形ヘタ8を下にして花瓶5の花挿し孔5aに乗せるようにする。一方、リンゴのようにヘタ無しのものでは、柄がついている側と反対側の部分を下にして花瓶5の花挿し孔5aに乗せることで、花瓶5の花挿し孔5aへの造形物1の座りを安定化させることができる。なお、上記造形物1は花瓶5の花挿し孔5aの大きさに応じて、大、中、小の各種サイズが製作され、異なる大きさの花瓶5の花挿し孔5aに対応できるようにするのが望ましい。
【0014】
ここで、上記造形物1中に芳香剤を添着させるのが望ましい。その一例を説明すると、造形物1を発泡体で形成する場合にあっては、例えば発泡材料中に芳香剤を混入して成形する方法、或いは成形後の発泡体に後から芳香剤を注入する方法がある。この場合、発泡体の表面は上記合成樹脂からなるフィルムで覆われているため、芳香は造形物1に設けた主挿し孔2a及び副挿し孔2bから外部に放出されるようになる。さらに他の例として、造形物1の表面に凹みを設け、凹みの中に芳香剤を溜めておく方法もある。これにより、造形物1自体から芳香が放出されるようになる。ここで、気分をリラックスさせる香りとしてラベンダー、マージョラム、ゼラニウム、気分をリフレッシュさせる香りとしてミント、ローズマリー、レモングラス、カルダモン等のエッセンシャルオイル(精油)を選択して採用することができる。このようなエッセンシャルオイル(精油)を使用することにより造形物1を利用したアロマテラピー(芳香治療)効果が期待でき、造形物1の商品価値がより一層高められる。なお芳香剤に代えて、森林浴のフィトンチットや消臭剤を使用することもできる。つまり本発明の造形物1を載置した花瓶を置く場所によって香りの種類を自由に選択することができるものである。
【0015】
さらに、造形物1には、花3を挿してその姿勢を保持するための挿し孔2が貫通形成されている。挿し孔2は造形物1の外観、形状を崩さない程度の大きさとする。ここでは、挿し孔2は、造形物1の略中央を上下方向に貫通する1個の主挿し孔2aと、主挿し孔2aの周辺に設けられる複数個(6〜8個程度)の副挿し孔2bとを有している。図2に示す例では、主挿し孔2aは、1本の太い茎4若しくは複数本の細い茎4をまとめて挿すことができる大きさ(例えば直径1〜3cm程度)の孔からなる。この主挿し孔2aは、図2(d)のように直筒状に形成してもよいが、同(d)の破線2a’のように、上端で広く下端になる程狭くなるように傾斜させてもよい。要は上から茎4を挿し易く、且つ挿した後は茎4がばらつかないように安定姿勢でまとめて保持できる孔の形状であればよい。一方、複数の副挿し孔2bは、それぞれ、1本の細い茎4を挿すことができる大きさ(例えば直径1cm程度)の孔からなる。この副挿し孔2bは斜めに傾斜しており、図2(e)に示すように、その下端2cが主挿し孔2aの下端に連通している。これにより副挿し孔2bに挿した茎4は主挿し孔2aを通って造形物1の下方に突出するようになり、副挿し孔2bにおいても茎4を安定した姿勢で保持できるようにしている。ここで、副挿し孔2bの下端2cは必ずしも主挿し孔2aに連通させる必要はなく、造形物1の下面に開口させてもよいものである。また本例では、図2(a)に示すように、主挿し孔2a及び副挿し孔2bの断面形状は、茎4の部分を痛めたり折損させたりすることがないように、それぞれ丸く形成されているが、もちろん、四角、三角などの角形であってもよい。また、副挿し孔2bを主挿し孔2aを中心として円弧を描くように細長く形成してもよい。さらに挿し孔2を目立ち難くするために、挿し孔2の内面に造形物1の果肉と同じ色を施すのが望ましい。なお、主挿し孔2a、副挿し孔2bの大きさ、数、形状は造形物1の大きさに応じて適宜設計変更自在である。また、副挿し孔2bを省略して主挿し孔2aのみを設けてもよいものであり、逆に、主挿し孔2aを省略して副挿し孔2bのみを設けてもよいものである。
【0016】
上記造形物1によって保持される花3は生花、造花を問わない。また造形物1の種類も特に限定されず、例えばハスの実、ほおずき等が挙げられる。
【0017】
また、造形物1を載置する花瓶5は、図1に示す例には限定されない。例えば、図6(a)〜(c)に示すような容器部5bの上端部に本発明品の造形物1を安定良く載置できる花挿し孔5aを備えたものであればよい。
【0018】
上記構成の造形物1を使用するにあたっては、先ず、花瓶5の花挿し孔5aに造形物1を載置し、造形物1の挿し孔2に花3を挿す。これにより、果物若しくは野菜等の自然物から花3が直接成長したかの如き錯覚を与えることができ、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく、自然のものとして鑑賞できるようになると共に、存在感や面白味があり、見る人を十分に惹き付けることができる結果、全体としての装飾効果を高めることができ、人が集まる場所のインテリア等としても最適に使用できるものである。
【0019】
また、従来の剣山などを用いて生花を生ける場合、単純に切花を挿して飾れば良いのではなく、技術的な専門性あるいは熟練が必要であった。しかし、本発明の造形物1を用いれば、技術的に専門性のない人であっても単純に花3を所望の傾きに且つ見栄え良く生けることができる。つまり図1に示す一輪差しの場合は主挿し孔2aを使用することによって安定姿勢で保持できるようになる。一輪差しの場合に花3が傾くのを防止する方法として、花3の葉の部分を主挿し孔2aの内面に押し付けたり、あるいは茎4の部分に目立たないようにスペーサを取付けたりすることで、外観を損なうことなく花3を主挿し孔2aの中央に傾かないように位置決めでき、見栄え良く保持できるようになる。また図3、図4に示すように装飾的に盛りつける盛花の場合は、主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとを使用することによって花3を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できる。図5は乾燥草花6を主挿し孔2aに挿した場合の一例である。このように大きさの異なる主挿し孔2aと副挿し孔2bとを任意に選択して使い分けることで、ユーザーの所望のイメージにあわせてオリジナルに花3を生けることができる。さらに、図7(a)の矢印イで示すように、茎4の部分を所定の高さで折った状態で主挿し孔2aに挿すことによって、細い茎4であっても倒れないように保持できる。また図7(b)に示すように、花瓶5の底に紙などの詰め物10を置くことによって、使用者が望むところに従って茎4を安定良く保持できる。ここで、詰め物10として、紙に限られず、例えば脱臭作用のある活性炭や炭、或いは発泡スチロール等を配置してもよい。もちろん、これらに限らず、生花を生けるための水であってもよい。
【0020】
また本例では、造形物1の中央を貫通して1個の主挿し孔2aが形成され、主挿し孔2aの周辺に複数個(6〜8個程度)の副挿し孔2bがほぼ等間隔で設けられているため、主挿し孔2aと複数の副挿し孔2bとが造形物1全体にバランス良く配置されるようになり、造形物1の外観デザイン性が一層良くなる。
【0021】
また、造形物1の材質に発泡体を使用すれば、軽量で量産化にも適し、コストの低減を図ることができ、経済性にも優れている。さらに発泡体の中に重りを入れて重量化を図るようにしてもよい。
【0022】
さらに造形物1は花瓶5の花挿し孔5aから取り外すことができるため、洗いが簡単であり、また手軽に交換できるなど、使用性にも優れている。
【0023】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、花瓶の花挿し孔に載置される造形物であって、果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花を挿してその姿勢を保持するための挿し孔が貫通形成されているので、果物若しくは野菜等の自然物から花(生花、造花を問わず)が直接成長したかの如き錯覚を与えることができる。これにより、日常的に見ることのないメルヘンチックな雰囲気を違和感なく自然のものとして鑑賞できるようになる。また、花瓶を含めて全体として装飾効果を高めることができるので、見る人を十分に惹き付けることができ、人が集まる場所のインテリア等としても最適に使用できる。さらに造形物を花瓶の花挿し孔から簡単に取り外すことができるため、洗いが簡単であり、使い勝手も良くなる。
【0024】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、挿し孔は、造形物の略中央を上下方向に貫通する主挿し孔と、主挿し孔の周辺に設けられる複数の副挿し孔とで構成されているので、一輪差しの場合は主挿し孔を使用することによって安定姿勢で保持でき、また装飾的に盛りつける盛花の場合には、主挿し孔と複数の副挿し孔とを使用することによって花を横に広げた状態で且つ倒れないように安定姿勢で保持できる。さらに主挿し孔と副挿し孔とを任意に選択使用することで、ユーザーの所望のイメージにあわせてオリジナルに花を立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造形物を用いた一輪差しの一例を示す斜視図である。
【図2】同上の造形物を示し、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)は(b)のA−A線断面図、(e)は(b)のB−B線断面図である。
【図3】同上の造形物を用いて装飾的に盛りつける盛花の一例を示す斜視図である。
【図4】同上の盛花の他の例を示す斜視図である。
【図5】同上の造形物に草花を挿した場合の一例を示す斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は同上の造形物が載置される花瓶の例を示す断面図である。
【図7】(a)は同上の茎を折って挿し孔に挿した状態を示し、(b)は花瓶の底に紙などの詰め物をした場合の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 造形物
2 挿し孔
2a 主挿し孔
2b 副挿し孔
3 花
5 花瓶
5a 花挿し孔
Claims (2)
- 花瓶の花挿し孔に載置される造形物であって、果物若しくは野菜等の自然物の外観を有すると共に花を挿してその姿勢を保持するための挿し孔が貫通形成されていることを特徴とする花立て用造形物。
- 挿し孔は、造形物の略中央を上下方向に貫通する主挿し孔と、主挿し孔の周辺に設けられる複数の副挿し孔とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の花立て用造形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216351A JP2004057269A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 花立て用造形物 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002216351A JP2004057269A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 花立て用造形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004057269A true JP2004057269A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31938138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002216351A Pending JP2004057269A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 花立て用造形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004057269A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200448599Y1 (ko) * | 2008-04-02 | 2010-04-30 | 정해담 | 꽃병의 꽃꽂이 고정캡 |
JP2010284450A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Takumi Corporation:Kk | 棺桶の生花装飾具 |
JP2014204792A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 有限会社ニューメカニズム | 花立て用保持具 |
-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216351A patent/JP2004057269A/ja active Pending
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KR200448599Y1 (ko) * | 2008-04-02 | 2010-04-30 | 정해담 | 꽃병의 꽃꽂이 고정캡 |
JP2010284450A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Takumi Corporation:Kk | 棺桶の生花装飾具 |
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