JP2004056249A - 符号化装置および方法、復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

符号化装置および方法、復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく、より高効率な情報圧縮を実現する。
【解決手段】画像情報符号化装置200の制御部212は、取得した品質情報に基づいて量子化精度を設定し、量子化ステップサイズ供給部213は、制御部212より供給された制御信号に基づいて量子化ステップ幅を決定し、量子化部203は、量子化ステップサイズ供給部213に決定された量子化ステップ幅で変換係数の量子化を行う。量子化された変換係数は、符号化部204に供給される。符号化テーブル供給部214は、制御部212より供給された制御信号に基づいて、最適な符号化テーブルを選択し、符号化部204は、符号化テーブル供給部214より供給された符号化テーブルを用いて、量子化された変換係数を符号化する。本発明は、画像情報符号化装置および画像情報復号装置に適用できる。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は符号化装置および方法、復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、量子化処理において、符号化処理に対して適正な量子化精度を選択することができるようにすることにより、効率よく、より高効率な情報圧縮を実現することができるようにする符号化装置および方法、復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像情報をデジタルとして取り扱い、その際、効率の高い情報の伝送、蓄積を目的とし、画像情報特有の冗長性を利用して、離散コサイン変換等の直交変換と動き補償により圧縮するMPEG(Moving Picture Expert Group)などの方式に準拠した装置が、放送局などの情報配信、および一般家庭における情報受信の双方において普及しつつある。
【0003】
画像情報を圧縮するために、画素値により、画像フレーム毎に構成される画像情報は、離散コサイン変換(以下、DCT(Discrete Cosine Transform)と称する)等の直交変換処理が施される。2次元のDCTは、所定の画素数毎にまとめられたブロック単位で行われ、画素値により構成されていた各ブロックは、直交変換係数で構成されるブロックに変換される。
【0004】
例えば、MPEG2(ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission) 13818−2)や、MPEG4(ISO/IEC 14496−2)等に代表される、標準化された多くの画像情報圧縮技術において、8画素×8ラインの変換ブロックを単位として画像情報を直交変換する8×8DCTが用いられている。しかしながら、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union − Telecommunication Standardization Sector) H.26L標準等に代表される、最近の若干の標準化された画像情報圧縮技術においては、4画素×4ラインの変換ブロックを単位として画像情報を直交変換する4×4DCTが用いられている。
【0005】
ITU−T H.26L標準のDCTは、全てのDCT係数が選択的に算出され、その計算は全て整数演算により行われ、さらに、算出された全てのDCT係数が整数であるという特徴を有している。これにより、浮動小数点演算能力の低いコンピュータにおいても演算を行うことができる。すなわち、符号化装置と復号装置の浮動小数点演算能力が互いに異なる場合においても、DCT演算および逆DCT演算の結果に誤差が生じることを防止することができる。
【0006】
図1は、4画素×4ラインの画素値により構成される1変換ブロックと対応する、DCT係数の2次元の1変換ブロックを示す。
【0007】
図1において、係数D(0,0)は、図示される2次元の変換ブロックにおける輝度レベル平均値に対応する直流成分のDCT係数である。
【0008】
D(1,0),D(2,0)、およびD(3,0)や、D(1,1),D(2,1)、およびD(3,1)のような行係数は、それぞれ、2次元の変換ブロック内の、その係数を含む垂直方向に位置する全ての係数に含まれる周波数成分を表しており、各行係数が表す周波数成分の周波数は、上述した順に高くなる。
【0009】
また、D(0,1),D(0,2)、およびD(0,3)や、D(1,1),D(1,2)、およびD(1,3)のような列係数は、それぞれ、2次元の変換ブロック内の、その係数を含む水平方向に位置する全ての係数に含まれる周波数成分を表しており、各列係数が表す周波数成分の周波数は、上述した順に高くなる。
【0010】
DCT直交変換処理においては、対応する画像における2次元の相関を利用して、変換されたDCT係数が特定の周波数要素付近に集中するように、信号レベルが変換される。こうすることにより、符号化装置は、その後の符号化処理を経て、画像情報を高い圧縮率で圧縮することができる。すなわち、対応する画像の再生に必要な情報の量が非常に少なくなる。
【0011】
例えば、平面画像に対応する画像情報、すなわち、その画像の一部を構成する変換ブロックが良好な自己相関を示す場合、その変換ブロックに含まれる大部分の画素の信号レベルは、互いに、ほぼ等しくなる。
【0012】
従って、そのような場合、レベルの大きいDCT係数は、例えば、D(0,0),D(1,0),D(0,1)、およびD(1,1)のような変換ブロックの低周波成分に対応する一部のDCT係数に集中し、その他の大部分の係数のレベルは、「0」に近似する非常に小さな値となる。これにより、例えば、ハフマン符号化や、算術符号化といったような、一連の隣接する等しい係数を圧縮するエントロピー符号化処理において、画像情報は高い圧縮率で圧縮される。すなわち、対応する画像の再生に必要な情報の量が非常に少なくなる。
【0013】
動画像情報を圧縮する技術として有名なH.26Lは、ITU−Tにより定義された、MPEG1,MPEG2、およびMPEG4等のような様々な規格に採用されている。このH.26Lにおいて、動画像情報の1枚のフレームは、1枚のピクチャのみで内部符号化される「イントラピクチャ」、および、それが他の少なくとも1つのピクチャと比較され、予測的にコード化される「インターピクチャ」により構成される。
【0014】
H.26Lフォーマットにおける画像情報の構成例を、図2を参照して説明する。
【0015】
図2において、変換ブロック層10は、4画素×4ラインの輝度画素の変換ブロック11、および、2画素×2ラインの色差画素の変換ブロック12により構成される。
【0016】
マクロブロック層20は、16個の変換ブロック11(すなわち、Y0乃至Y15)により構成される輝度画素マクロブロック21、および、輝度画素マクロブロック21と同じ画像に対応する、8個の変換ブロック11(すなわち、C18乃至C25)、および、2個の変換ブロック12(すなわち、C16およびC17)により構成される色差画素マクロブロック22により構成される。ここで、色差画素変換ブロックである変換ブロック23(C16)および変換ブロック24(C17)は、直流成分(C18,C19,C22,C23の直流成分(C16)、または、C20,C21,C24,C25の直流成分(C17))の色差画素により構成され、同様に色差画素変換ブロックであるC18乃至C25は、交流成分の色差画素により構成される。
【0017】
マクロブロック層20のマクロブロックに含まれる26個の変換ブロックは、Y0から番号順にY15まで転送され、その次にC16から番号順にC25まで転送される。どの予測データが使用されることになっているか、または、予測誤差が送信されることになっているか否かに関する判定は、これらの変換ブロックのそれぞれに対して行われる。
【0018】
スライス層30のスライスは、画像のスキャン方向に現れている1個または複数のマクロブロックにより構成される。スライスの最初の部分に現れる直流成分係数の値と動きベクトルの値の差はリセットされる。また、スライスを構成する最初のマクロブロックは、転送エラー等の場合において、回復処理を行うための位置を示す情報を含んでいる。さらに、スライスは任意の長さであるので、転送エラー等の際に、再生を再開する位置を自由に設定することが可能である。
【0019】
次に、ピクチャ層40のピクチャは、画像情報に対応する画像の1フレームまたは1フィールドからなり、少なくとも1個のスライスを含む。ピクチャ層40は、輝度信号からなるピクチャ41、色差信号のCr成分からなるピクチャ42、および、色差信号のCb成分からなるピクチャ43により構成される。また、ピクチャ層40のピクチャは、Iピクチャ(Intra field),Pピクチャ(Predictive),Bピクチャ(Bidirectional)、または、配信する画像情報を切り替えるためのSPピクチャ(Picture to Switch between video streams)のいずれかである。
【0020】
Iピクチャは、それ自体と比較して内部符号化される。また、Pピクチャは、それに対して時間的に先行して符号化されたIピクチャまたはPピクチャと比較され、時間的に前の予測により符号化される。さらに、Bピクチャは、自分自身より時間的に前または後ろの、コード化された2つのIピクチャまたはPピクチャと比較され、双方向性予測により符号化される。
【0021】
GOP(Group Of Pictures)層50のGOPは、上述したIピクチャを少なくとも1個含んでおり、さらに、Iピクチャ以外のピクチャ(Pピクチャ、Bピクチャ、またはSPピクチャ)も含んでいる。
【0022】
また、ビデオシーケンス層60のビデオシーケンスは、少なくとも1つのGOPを含んでいる。
【0023】
ITU−T H.26L標準技術においては、直流成分(DC)の符号化と2次元DCT変換係数により構成される変換ブロックの交流成分(AC)の符号化という互いに異なる2つの技術を定義している。
【0024】
次に、ITU−T H.26L標準技術における、2次元DCT変換係数の直流成分を符号化し、復号する処理について、図3乃至図8を参照して説明する。
【0025】
図3は、従来の画像情報符号化装置の構成例を示す図である。
【0026】
図3において、画像情報符号化装置100は、入力画像情報より圧縮するための情報である差分情報を生成する差分情報生成部101、4画素×4ラインの変換ブロックを単位として直交変換を行う4×4直交変換部102、直交変換係数を量子化する量子化部103、および、量子化された変換係数をエントロピー符号化する符号化部104により構成され、入力画像情報を圧縮し、出力画像圧縮情報として出力する。
【0027】
画像情報符号化装置100に入力された入力画像情報は、差分情報生成部101に供給される。差分情報生成部101は、入力画像情報より参照画像情報を生成し、その生成した参照画像情報を入力画像情報から減算し、差分情報を生成する。そして、差分情報生成部101は、生成した差分情報を、4画素×4ラインの変換ブロック毎に、4×4直交変換部102に供給する。4×4直交変換部102は、H.26Lの場合、供給された4画素×4ラインの変換ブロック毎に、離散コサイン変換(DCT)若しくはカルーネン・レーベ変換等の直交変換処理を施し、DCT係数を生成し、生成されたDCT係数を量子化部103に供給する。
【0028】
そして、量子化部103は、予め保持している、量子化ステップ幅を指定する量子化テーブルを用いて、各ブロックのDCT係数をすべて量子化する。量子化部103は、0.5未満の値を無視し、0.5以上の値を丸めて、量子化処理を行う。量子化部103は、量子化されたDCT係数を符号化部104に供給する。符号化部104は、可変長のUVLC(Universal Variable Length Codes)テーブルを用いて、量子化されたDCT係数を符号化し、出力画像圧縮情報として画像情報符号化装置100の外部に出力する。
【0029】
図4は、図3の差分情報生成部101の詳細な構成例を示す図である。
【0030】
図4において、差分情報生成部101は、入力画像情報を一時的に保持し、タイミングを遅らせる遅延回路111、タイミングを遅延された入力画像情報に基づいて、その画像情報より時間的に将来の画像情報を予測し、参照画像情報を生成する予測回路112、入力画像情報より参照画像情報を減算する加算器(減算器)113により構成されている。
【0031】
図3の画像情報符号化装置100に入力された入力画像情報は、図4の差分情報生成部101に供給される。差分情報生成部101の遅延回路111は、差分情報生成部101に供給された入力画像情報のタイミングを遅らせてから予測回路112に供給する。予測回路112は、タイミングが遅延された入力画像情報に基づいて、その画像情報に対応する画像より時間的に後の、現在の画像を予測し、参照画像情報を生成する。そして、予測回路112は、生成した参照画像情報を加算器(減算器)113に供給する。加算器(減算器)113は、現在の画像情報から参照画像情報を減算し、それらの差分値である差分画像情報を出力する。このようなイントラ符号化におけるイントラ予測は、フレーム内において、図5に、番号1乃至5で示されるような方向に行われる。
【0032】
図6は、4画素×4ラインの変換ブロック単位で行われる近隣ブロックを予測する様子を示す図である。
【0033】
イントラ予測モードにおいて、予測は、同じマクロブロックに含まれる変換ブロックに対して行われる。図6において、画素a乃至pは、符号化対象である4×4変換ブロック中に含まれる画素であり、画素A乃至Iは、そのブロックに隣接するブロックに含まれる画素である。画素A乃至Iを含む隣接ブロックは、復号されて予測に用いられる。
【0034】
H.26Lにおいて、ラベル0乃至5の6つのイントラ予測モードが定義されている。ラベル0は、DC予測モードで、ラベル1乃至5は、図5に示すような方向に行うイントラ予測である。
【0035】
例えば、モード0は、直流予測(DC Prediction)と呼ばれるもので、画素a乃至pの全ての画素値が以下の式(1)により予測される。
【0036】
【数1】
Figure 2004056249
【0037】
もし、画素A乃至Hの内、4つの画素が画枠内に存在しない場合、残り4つの画素値の平均値を用いる。
【0038】
また、例えば、モード1は、垂直/対角線予測(Vertical/Diagonal Prediction)と呼ばれるもので、画素A乃至D全てが画枠内に存在する時のみ用いられる。この時、画素a乃至pの各画素に対して、以下に示す式(2)乃至式(7)のような予測値が用いられる。
【0039】
【数2】
Figure 2004056249
【0040】
以上のようにして、差分情報生成部101は、輝度画素に対してだけでなく、色差画素に対しても同様の予測を行う。
【0041】
Iピクチャの最初のブロックや、スライスの最初のブロック等のような場合、初期値として予め定められた予測値が用いられる。H.26Lの場合、値「128」が初期値として用いられる。
【0042】
以上のような画像情報符号化装置に対応する画像情報復号装置を図7に示す。
【0043】
図7において、画像情報復号装置120は、画像情報符号化装置100により符号化された変換係数を復号し、量子化された変換係数を取得する復号部121、量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化部122、変換係数を4×4の変換ブロックを単位として逆直交変換を行う4×4逆直交変換部123、および、復号された画像情報である差分情報から出力画像情報を生成する出力画像情報生成部124により構成され、入力画像圧縮情報を伸長し、出力画像情報として出力する。
【0044】
上述した、図7に示される画像情報復号装置120の各部は、図3に示される画像情報符号化装置100を構成する各部に対応している。すなわち、復号部121は、図3の符号化部104に対応しており、符号化部104により符号化された画像圧縮情報を、符号化部104における符号化処理に対応するエントロピー復号方法で復号する。
【0045】
また、逆量子化部122は、図3の量子化部103に対応しており、量子化部103により量子化された画像情報を、量子化部103における量子化処理と同じステップ幅の逆量子化ステップ幅で逆量子化し、4×4逆直交変換部123は、図3の4×4直交変換部102に対応しており、4×4直交変換部102により直交変換された画像情報を、4×4直交変換部102による直交変換処理に対応する方法で逆直交変換し、差分情報を生成する。また、出力画像情報生成部124は、図3の差分情報生成部101により生成された差分情報から出力画像情報を生成する。
【0046】
図8は、図7の出力画像情報生成部124の詳細な構成例を示す図である。
【0047】
図8において、出力画像情報生成部124は、差分情報を一時的に保持し、タイミングを遅らせる遅延回路131、タイミングが遅延された差分情報に基づいて、その差分情報より時間的に将来の画像情報を予測し、参照画像情報を生成する予測回路132、差分情報に参照画像情報を加算する加算器133により構成されている。
【0048】
4×4逆直交変換部123より出力された差分情報は、出力画像情報生成部124に供給される。出力画像情報生成部124の遅延回路131は、出力画像情報生成部124の出力画像情報を取得し、その出力画像情報のタイミングを遅らせてから予測回路132に供給する。予測回路132は、タイミングが遅延された出力画像情報に基づいて、その出力画像情報の対応する画像より時間的に後の、現在の画像を予測し、参照画像情報を生成する。そして、予測回路132は、生成した参照画像情報を加算器133に供給する。加算器133は、4×4逆直交変換部123より供給された差分情報に参照画像情報を加算し、符号化する前と同じ画像に対応する出力画像情報を生成し、出力する。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のように、例えば、H26Lのような、これまでの標準化された技術において定義されている、エントロピー符号化処理に用いられる可変長テーブルは、変換係数の全ての値に対応していないという課題があった。
【0050】
例えば、1次元のDCT処理において、DCT処理結果は、例えば8×8DCTのための2×2の値によって処理前の値より大きくなる。H.26Lの技術におけるイントラ画像において、入力画像の画素値は、8ビットで構成され、「0」乃至「255」の値をとる。従って、2次元のDCT変換係数の直流成分は、11ビットで構成され、「0」乃至「2047」の値をとる。この「0」乃至「2047」の範囲は、「0」乃至「255」の範囲の、およそ8倍である。
【0051】
H.26Lにおいては、この直流成分は、符号化処理に用いられる符号化テーブルが8ビットまでしか対応しておらず、11ビットから8ビットに精度が落とされ、「0」乃至「255」の範囲で量子化が行われる。
【0052】
従って、8ビットでDCT係数の直流成分および交流成分を符号化する場合、H.26L技術において要求される高品質な画像の画質を劣化させてしまうことがある。
【0053】
これに対して、11ビットに対応した符号化テーブルを用意し、量子化処理および符号化処理を11ビットにより行うようにすることが考えられる。しかしながら、この方法では、さほどの高画質な画像を必要としない場合、無駄な処理が増加してしまう。
【0054】
例えば、8ビットの低画質な画像を扱う場合に、11ビットもの画像情報は不必要であるばかりでなく、圧縮率が低下してしまう。このように、これまでの高品質画像情報の符号化技術は、画像の画質を低下させるか、圧縮率の悪い符号化処理を行わなければならない。
【0055】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より高効率な情報圧縮を実現することができるようにするものである。
【0056】
【課題を解決するための手段】
本発明の符号化装置は、画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換手段と、画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定手段と、量子化精度決定手段により決定された量子化精度に基づいて、直交変換手段により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化手段と、量子化手段により量子化された変換係数を符号化する符号化手段とを備えることを特徴とする。
【0057】
前記品質情報を取得する品質情報取得手段をさらに備えるようにすることができる。
【0058】
前記品質情報は、入力された画像情報のヘッダ部に含まれており、品質情報取得手段は、ヘッダ部より品質情報を抽出するようにすることができる。
【0059】
前記品質情報取得手段は、ユーザにより入力された情報を品質情報として取得するようにすることができる。
【0060】
前記品質情報は、画像情報の、ビデオシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロックを単位とする情報に対応する情報であるようにすることができる。
【0061】
前記変換ブロックは、4画素×4ラインのブロックであるようにすることができる。
【0062】
前記直交変換手段は、入力された画像情報を、離散コサイン変換処理するようにすることができる。
【0063】
前記直交変換手段は、入力された画像情報を、カルーネン・レーベ変換処理するようにすることができる。
【0064】
入力された画像情報は、各画素値が8ビットにより構成されており、直交変換手段は、8ビットの画像情報を直交変換し、11ビットの変換係数を生成するようにすることができる。
【0065】
前記直交変換手段により画像情報を直交変換して得られた変換係数より、直流成分を抽出する直流成分抽出手段と、直流成分抽出手段により抽出された変換係数の直流成分のレベルを調整するレベル調整処理手段と、レベル調整処理手段によりレベルが調整された変換係数の直流成分に対して、直交変換処理を実行する直流成分直交変換手段とをさらに備えるようにすることができる。
【0066】
前記直交変換手段、直流成分抽出手段、および、レベル調整処理手段を制御し、マクロブロック内の全ての変換ブロックに対して、それぞれ、直交変換処理、直流成分の抽出処理、および直流成分のレベル調整処理を実行させるループ制御手段をさらに備えるようにすることができる。
【0067】
前記量子化精度決定手段は、品質情報に含まれる、要求されている画質、画像情報を圧縮した画像圧縮情報が伝送される通信媒体の伝送速度若しくは伝送容量、または、画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度若しくは記録容量の情報に基づいて、量子化精度を決定するようにすることができる。
【0068】
前記量子化精度決定手段は、量子化精度を8ビット乃至11ビットの間で決定するようにすることができる。
【0069】
前記量子化精度決定手段により決定された量子化精度に基づいて、量子化処理における量子化ステップ幅を決定する量子化ステップ幅決定手段をさらに備え、量子化手段は、量子化ステップ幅決定手段により決定された量子化ステップ幅を用いて、変換係数を量子化するようにすることができる。
【0070】
前記量子化手段は、変換係数を、第1の量子化精度に基づいて量子化される第1のグループと、第1の量子化精度より低い精度である第2の量子化精度に基づいて量子化される第2のグループに分離する変換係数分離手段と、第1のグループに含まれる変換係数を第1の量子化精度に基づいて量子化する第1の量子化処理手段と、第2のグループに含まれる変換係数を第2の量子化精度に基づいて量子化する第2の量子化処理手段と、第1の量子化処理手段により量子化された第1のグループの変換係数と、第2の量子化処理手段により量子化された第2のグループの変換係数を合成する変換係数合成手段とを備え、量子化精度決定手段は、品質情報に基づいて、第1の量子化精度および第2の量子化精度を決定するようにすることができる。
【0071】
前記変換係数分離手段は、変換係数の直流成分、および一部の低周波の交流成分を第1のグループに分離し、変換係数の残りの交流成分を第2のグループに分離するようにすることができる。
【0072】
前記量子化手段は、変換係数の直流成分を量子化する直流成分量子化手段と、変換係数の交流成分を量子化する交流成分量子化手段とを備えるようにすることができる。
【0073】
前記量子化精度決定手段は、直流成分量子化手段における量子化精度を決定する直流成分量子化精度決定手段と、交流成分量子化手段における量子化精度を決定する交流成分量子化精度決定手段とを備えるようにすることができる。
【0074】
前記量子化精度決定手段により決定される量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の符号化テーブルを保持する符号化テーブル保持手段と、量子化精度決定手段により決定される量子化精度に基づいて、符号化テーブルを選択する符号化テーブル選択手段とをさらに備え、符号化手段は、符号化テーブル選択手段により選択された符号化テーブルを用いて、量子化された変換係数を符号化するようにすることができる。
【0075】
前記品質情報に基づいて、スキャンモードを決定するスキャンモード決定手段と、スキャンモード決定手段により決定されたスキャンモードで、直交変換手段により直交変換された変換ブロック毎の変換係数をスキャンするスキャン手段とをさらに備え、量子化手段は、スキャン手段によりスキャンされた変換係数を量子化するようにすることができる。
【0076】
前記スキャンモード決定手段は、1回のスキャンで変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするシングルスキャンモード、および、2回のスキャンにより変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするダブルスキャンモードのいずれか一方を選択し、スキャン手段において用いられるスキャンモードとして決定するようにすることができる。
【0077】
前記量子化精度決定手段により決定される量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の量子化テーブルを保持する量子化テーブル保持手段と、量子化精度決定手段により決定される量子化精度に基づいて、量子化テーブルを選択する量子化テーブル選択手段とをさらに備え、量子化手段は、量子化テーブル選択手段により選択された量子化テーブルを用いて、変換係数を量子化するようにすることができる。
【0078】
本発明の符号化方法は、画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、量子化精度決定ステップの処理により決定された量子化精度に基づいて、直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された変換係数を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0079】
本発明の第1の記録媒体のプログラムは、画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、量子化精度決定ステップの処理により決定された量子化精度に基づいて、直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された変換係数を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0080】
本発明の第1のプログラムは、画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、量子化精度決定ステップの処理により決定された量子化精度に基づいて、直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された変換係数を符号化する符号化ステップとをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0081】
本発明の復号装置は、画像圧縮情報を復号する復号手段と、復号手段による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定手段と、逆量子化精度決定手段により決定された逆量子化精度に基づいて、画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化手段と、逆量子化手段による逆量子化処理により得られた変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換手段とを備えることを特徴とする。
【0082】
前記品質情報を取得する品質情報取得手段をさらに備えるようにすることができる。
【0083】
前記品質情報は、画像圧縮情報が復号された画像情報のヘッダ部に含まれており、品質情報取得手段は、ヘッダ部より品質情報を抽出するようにすることができる。
【0084】
前記品質情報は、画像情報の、ビデオシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロックを単位とする情報に対応する情報であるようにすることができる。
【0085】
前記変換ブロックは、4画素×4ラインのブロックであるようにすることができる。
【0086】
前記逆量子化精度決定手段により決定される逆量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の復号テーブルを保持する復号テーブル保持手段と、逆量子化精度決定手段により決定される逆量子化精度に基づいて、復号テーブルを選択する復号テーブル選択手段とをさらに備え、復号手段は、復号テーブル選択手段により選択された復号テーブルを用いて、入力された画像圧縮情報を復号するようにすることができる。
【0087】
前記逆量子化精度決定手段は、品質情報に含まれる、要求されている画質、画像圧縮情報が伝送される通信媒体の伝送速度若しくは伝送容量、または、画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度若しくは記録容量の情報に基づいて、逆量子化精度を決定するようにすることができる。
【0088】
前記逆量子化精度決定手段は、逆量子化精度を8ビット乃至11ビットの間で決定するようにすることができる。
【0089】
前記逆量子化精度決定手段により決定された逆量子化精度に基づいて、逆量子化ステップ幅を決定する逆量子化ステップ幅決定手段をさらに備え、逆量子化手段は、逆量子化ステップ幅決定手段により決定された逆量子化ステップ幅を用いて、量子化された変換係数を逆量子化するようにすることができる。
【0090】
前記逆量子化手段は、量子化された変換係数を、第1の逆量子化精度により逆量子化される第1のグループと、第1の逆量子化精度より低い精度である第2の逆量子化精度により逆量子化される第2のグループに分離する変換係数分離手段と、第1のグループに含まれる量子化された変換係数を第1の逆量子化精度に基づいて逆量子化する第1の逆量子化処理手段と、第2のグループに含まれる量子化された変換係数を第2の逆量子化精度に基づいて逆量子化する第2の逆量子化処理手段と、第1の逆量子化処理手段により逆量子化された第1のグループの変換係数と、第2の逆量子化処理手段により逆量子化された第2のグループの変換係数を合成する変換係数合成手段とを備え、逆量子化精度決定手段は、品質情報に基づいて、第1の逆量子化精度および第2の逆量子化精度を決定するようにすることができる。
【0091】
前記変換係数分離手段は、量子化された変換係数の直流成分、および一部の低周波の交流成分を第1のグループに分離し、量子化された変換係数の残りの交流成分を第2のグループに分離するようにすることができる。
【0092】
前記逆量子化手段は、量子化された変換係数の直流成分を逆量子化する直流成分逆量子化手段と、量子化された変換係数の交流成分を逆量子化する交流成分逆量子化手段とを備えるようにすることができる。
【0093】
前記逆量子化精度決定手段は、直流成分逆量子化手段における逆量子化精度を決定する直流成分逆量子化精度決定手段と、交流成分逆量子化手段における逆量子化精度を決定する交流成分逆量子化精度決定手段とを備えるようにすることができる。
【0094】
前記品質情報に基づいて、逆スキャンモードを決定する逆スキャンモード決定手段と、逆スキャンモード決定手段により決定された逆スキャンモードで、逆量子化手段により逆量子化された変換係数を逆スキャンする逆スキャン手段とをさらに備え、逆直交変換手段は、逆スキャン手段により逆スキャンされた変換ブロック毎の変換係数を逆直交変換するようにすることができる。
【0095】
前記逆スキャンモード決定手段は、1回の逆スキャンで変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするシングル逆スキャンモード、および、2回の逆スキャンにより変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするダブル逆スキャンモードのいずれか一方を選択し、逆スキャン手段において用いられる逆スキャンモードとして決定するようにすることができる。
【0096】
前記逆量子化精度決定手段により決定される逆量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の逆量子化テーブルを保持する逆量子化テーブル保持手段と、逆量子化精度決定手段により決定される逆量子化精度に基づいて、逆量子化テーブルを選択する逆量子化テーブル選択手段とをさらに備え、逆量子化手段は、逆量子化テーブル選択手段により選択された逆量子化テーブルを用いて、量子化された変換係数を逆量子化するようにすることができる。
【0097】
前記逆直交変換手段は、逆量子化された変換係数を、逆離散コサイン変換処理するようにすることができる。
【0098】
前記逆直交変換手段は、逆量子化された変換係数を、逆カルーネン・レーベ変換処理するようにすることができる。
【0099】
逆量子化された変換係数の直流成分に対して、逆直交変換処理を実行する直流成分逆直交変換手段と、直流成分逆直交変換手段により逆直交変換された変換係数の直流成分のレベルを調整するレベル調整処理手段と、レベル調整処理手段によりレベルが調整された変換係数の直流成分と、変換係数の交流成分を合成する変換係数合成手段とをさらに備え、逆直交変換手段は、変換係数合成手段により合成された変換係数を逆直交変換するようにすることができる。
【0100】
前記逆直交変換手段、レベル調整処理手段、および変換係数合成手段を制御し、マクロブロック内の全ての変換ブロックに対して、それぞれ、逆直交変換処理、直流成分のレベル調整処理、および、変換係数の合成処理を実行させるループ制御手段をさらに備えるようにすることができる。
【0101】
本発明の復号方法は、画像圧縮情報を復号する復号ステップと、復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、逆量子化精度決定ステップの処理により決定された逆量子化精度に基づいて、画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0102】
本発明の第2の記録媒体のプログラムは、画像圧縮情報を復号する復号ステップと、復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、逆量子化精度決定ステップの処理により決定された逆量子化精度に基づいて、画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップとを含むことを特徴とする。
【0103】
本発明の第2のプログラムは、画像圧縮情報を復号する復号ステップと、復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、逆量子化精度決定ステップの処理に基づいて決定された逆量子化精度により、画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップとをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0104】
本発明の符号化装置および方法、第1の記録媒体、並びに第1のプログラムにおいては、画像情報が変換ブロック毎に直交変換され、画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の量子化精度が決定され、その決定された量子化精度に基づいて、直交変換して得られた変換係数が量子化され、量子化された変換係数が符号化される。
【0105】
本発明の復号装置および方法、第2の記録媒体、並びに第2のプログラムにおいては、画像圧縮情報が復号されて得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、画像情報の逆量子化精度が決定され、その決定された逆量子化精度に基づいて、画像情報に含まれる量子化された変換係数が逆量子化され、逆量子化処理により得られた変換係数が、変換ブロック毎に逆直交変換される。
【0106】
符号化装置および復号装置は、互いに独立した装置であっても良いし、信号処理装置の符号化処理および復号処理を行うブロックであっても良い。
【0107】
【発明の実施の形態】
図9は、本発明を適用した画像情報符号化装置の構成例を示す図である。
【0108】
図9において、画像情報符号化装置200は、入力画像情報より差分情報を生成する差分情報生成部201、生成された差分情報に対して、離散コサイン変換若しくはカルーネン・レーベ変換等の直交変換処理を行う4×4直交変換部202、直交変換係数に対して量子化処理を実行する量子化部203、量子化された直交変換係数に対してエントロピー符号化処理を行う符号化部204、予測値の初期値を供給する初期値供給部211、品質情報に基づいて量子化精度および符号化精度を制御する制御部212、量子化ステップ幅を設定する量子化ステップサイズ供給部213、符号化テーブルを符号化部204に供給する符号化テーブル供給部214、および、変換ブロックの識別子を供給するブロック識別子供給部215により構成され、入力画像情報を圧縮し、出力画像圧縮情報として出力する。
【0109】
画像情報符号化装置200に入力された入力画像情報は、差分情報生成部201に供給される。差分情報生成部201は、入力画像情報のタイミングを遅延させ、その入力画像情報に対応する画像より時間的に後の、現在の画像を予測して参照画像情報を生成し、その参照画像情報を、対応する入力画像情報から減算し、差分情報を生成する。このとき、差分情報生成部201は、予測処理に用いられる予測値の初期値を初期値供給部211より取得する。差分情報生成部201は、生成した差分情報を、4画素×4ラインの変換ブロック毎に、4×4直交変換部202に供給する。
【0110】
4×4直交変換部202は、取得した4画素×4ラインの変換ブロック毎の、8ビットの差分情報に対して、離散コサイン変換(DCT)、またはカルーネン・レーベ変換等に代表される直交変換処理を施し、算出された16個の11ビットの直交変換係数からなる4×4の変換ブロックを量子化部203に供給する。
【0111】
量子化部203は、4×4直交変換部202から供給された11ビットの各変換係数に対して、量子化ステップサイズ供給部213より供給された量子化ステップ幅により量子化処理を施し、量子化された変換係数を符号化部204に供給する。
【0112】
符号化部204は、量子化された変換係数に対して、符号化テーブル供給部214より取得した可変長の符号化テーブルを用いて、可変長符号化、若しくは算術符号化等のエントロピー符号化を施し、画像符号化単位のヘッダ部に挿入される情報を生成し、符号化された変換係数を画像圧縮情報として画像情報符号化装置200の外部に出力する。このとき、符号化部204は、ブロック識別子供給部215よりブロック識別子を取得し、そのブロック識別子に基づいて変換ブロックの切れ目位置を検出し、検出結果に基づいて符号化を行う。
【0113】
初期値供給部211は、差分情報生成部201における予測処理において使用される予測値の初期値(例えば、「128」)を、各スライスの先頭のブロック、または、最初のIピクチャを処理する際に、差分情報生成部201に供給する。これにより、差分情報生成部201は、予測処理を行い、タイミングが遅延された入力画像情報から新しい参照画像情報を生成することができ、さらに、生成した参照画像情報より、次の参照画像情報を生成する為の予測値を算出することができる。
【0114】
制御部212は、画像情報符号化装置200の外部より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、要求された品質を保つように、量子化部203による変換係数の量子化の精度を決定し、量子化ステップサイズ供給部213に制御信号を供給する。制御部212は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に、量子化精度を決定し、制御情報を更新する制御信号を供給する。
【0115】
制御部212に供給される品質情報は、入力画像情報のヘッダ部より抽出されたり、ユーザにより入力されたり、他の装置より供給されたりするなどして、制御部212に入力される。制御部212は、取得した品質情報に含まれる、要求されている画質、画像圧縮情報が伝送される通信媒体であるネットワークの伝送速度、伝送容量、または、画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度や記録容量などの情報に基づいて、量子化精度を決定する。
【0116】
量子化ステップサイズ供給部213は、制御部212より供給される制御信号に含まれる量子化精度に関する情報に基づいて、量子化部203における量子化処理の量子化ステップ幅を決定し、その情報を量子化部203に供給する。
【0117】
例えば、量子化ステップサイズ供給部213は、量子化精度が8ビットの場合、量子化ステップ幅を「8」に設定し、量子化精度が9ビットの場合、量子化ステップ幅を「4」に設定し、量子化精度が10ビットの場合、量子化ステップ幅を「2」に設定し、量子化精度11ビットの場合、量子化ステップ幅を「1」に設定する。以上のように設定された量子化ステップ幅に関する情報を、量子化ステップサイズ供給部213は、量子化部203に供給する。
【0118】
量子化部203は、量子化ステップサイズ供給部213により供給された情報に含まれる量子化ステップサイズで、4×4直交変換部202より供給された11ビットの変換係数を量子化する。
【0119】
すなわち、量子化精度が8ビットである場合、量子化された変換係数は、「0」乃至「255」の範囲のレベルで表される。また、量子化精度が9ビットの場合、量子化された変換係数は「0」乃至「511」の範囲のレベルで表される。同様に、量子化精度が10ビットの場合、量子化された変換係数は、「0」乃至「1023」の範囲のレベルで表される。量子化精度が11ビットである場合、変換係数は量子化されず(量子化ステップ幅「1」で量子化され)、「0」乃至「2047」の範囲のレベルで表される。
【0120】
また、制御部212より供給された制御信号は、符号化テーブル供給部214にも供給される。
【0121】
符号化テーブル供給部214は、制御部212に制御され、要求された品質(ビット数)に対応する符号化テーブルを符号化部204に供給する。符号化部204は、その供給された符号化テーブルを用いて、量子化された変換係数を符号化する。これにより、符号化部204は、量子化部203の量子化処理に対応した符号化処理、すなわち、量子化された変換係数に最適な符号化処理を行うことができる。
【0122】
ブロック識別子215は、処理されているブロックを識別する識別子を符号化部204および符号化テーブル供給部214に供給する。これにより符号化部204および符号化テーブル供給部214は、符号化部204に供給される、量子化された変換係数群を変換ブロック単位に区切って処理することができる。
【0123】
入力画像情報を取得した画像情報符号化装置200は、画像情報符号化処理を実行し、入力画像情報を圧縮し、出力画像圧縮情報として出力する。図9の画像情報符号化装置200による画像情報符号化処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0124】
最初にステップS1において、画像情報符号化装置200の差分情報生成部201は、取得した入力画像情報より参照画像情報を生成し、それらの画像情報に基づいて差分情報を生成する。差分情報生成部201は、取得した入力画像情報のタイミングを遅らせ、保持している予測値に基づいて、その入力画像情報に対応する画像より時間的に後の、現在の画像を予測して参照画像情報を生成し、その参照画像情報を、対応する入力画像情報から減算し、差分情報を生成する。その際に用いられる予測値の初期値は、初期値供給部211により予め供給され、差分情報生成部201が内蔵する記憶部(図示せず)に保持されている。生成された差分情報は、差分情報生成部201により、4画素×4ラインの変換ブロック毎に、4×4直交変換部202に供給される。
【0125】
次に、ステップS2において、4×4直交変換部202は、取得した8ビットの画素値を構成要素とする変換ブロックに対して、離散コサイン変換(DCT)、またはカルーネン・レーベ変換等に代表される直交変換処理を施す。算出された16個の11ビット直交変換係数からなる4×4の変換ブロックは、4×4直交変換部202により、量子化部203に供給される。
【0126】
制御部212は、例えば、入力画像情報のヘッダ部より抽出された品質情報を予め取得し、保持している。図11は、画像情報のピクチャ層のヘッダ部の例を示す図である。
【0127】
図11において、ピクチャ層のヘッダ220には、2ビットの、要求される量子化精度に関する情報(dcac_precision)が含まれている。制御部212は、この要求される量子化精度に関する情報を含む品質情報を取得する。
【0128】
なお、上述した品質情報は、画像情報のピクチャ層以外の層、例えば、シーケンス層、またはGOP層等のヘッダ部に記載されているようにしてもよい。
【0129】
また、上述した品質情報は、画像情報の符号化時に、ユーザが入力してもよいし、外部の他の装置より供給されるようにしてもよい。
【0130】
図10に戻り、ステップS3において、制御部212は、取得した品質情報に基づいて、量子化部203による量子化処理の量子化精度を設定し、その情報を含む制御信号を量子化ステップサイズ供給部213に供給する。
【0131】
制御部212より制御信号を取得した量子化ステップサイズ供給部213は、取得した制御信号に含まれる量子化精度に関する情報に基づいて、8ビット乃至11ビットにおいて量子化ステップ幅を決定し、量子化部203にその情報を供給する。量子化部203は、ステップS4において、量子化ステップサイズ供給部213より取得した量子化ステップ幅に関する情報に基づいて、4×4直交変換部202により供給された変換係数の量子化を行う。量子化された変換係数は、符号化部204に供給される。
【0132】
制御部212により供給された制御信号は、符号化テーブル供給部214にも供給される。ブロック識別子供給部215は、符号化テーブル供給部214および符号化部204に、符号化対象の変換ブロックの識別子を供給する。ステップS5において、符号化テーブル供給部214は、取得した制御信号に含まれる量子化精度に関する情報、および、ブロック識別子供給部215により供給されたブロック識別子に基づいて、ブロック毎に最適な符号化テーブルを選択する。そして、符号化テーブル供給部214は、選択された符号化テーブルを符号化部204に供給する。
【0133】
符号化部204は、ステップS6において、ブロック識別子供給部215により供給されたブロック識別子に基づいて、ブロックを識別し、符号化テーブル供給部214に供給された符号化テーブルを用いて、量子化部203により供給された、量子化された変換係数を符号化する。
【0134】
変換係数の符号化が終了すると符号化部204は、符号化され、圧縮された差分情報である出力画像圧縮情報を画像情報符号化装置200の外部に出力し、画像情報符号化処理を終了する。
【0135】
画像情報符号化装置200は、上述したような画像情報符号化処理を画像情報が入力される毎に繰り返す。
【0136】
以上のようにして、画像情報符号化装置200は、量子化処理の精度、および符号化処理の精度を、複数用意された精度の中から選択して、要求された品質に応じた精度の画像圧縮情報を生成する、高圧縮率の画像圧縮を行うことができる。
【0137】
なお、以上においては、画像情報符号化装置200の各部の画像情報のデータ部についての動作について説明したが、画像情報符号化装置200は、画像情報のヘッダ部についても同様に処理し、圧縮したヘッダ情報を画像圧縮情報に含めて出力する。すなわち、画像情報符号化装置200より出力される画像圧縮情報には、上述した品質情報を含むヘッダ情報が含まれている。
【0138】
次に、図9に示される画像情報符号化装置200に対応する画像情報復号装置について説明する。図12は、本発明を適用した画像情報復号装置の構成例を示す図である。
【0139】
図12において、画像情報復号装置250は、符号化されている入力画像圧縮情報をエントロピー復号する復号部251、復号された画像情報を逆量子化する逆量子化部252、逆量子化された画像情報を逆直交変換する4×4逆直交変換部253、逆直交変換された画像情報より出力画像情報を生成する出力画像情報生成部254、ブロック識別子を供給するブロック識別子供給部261、復号処理の精度および逆量子化処理の精度を制御する制御部262、復号処理に用いられる復号テーブルを供給する復号テーブル供給部263、逆量子化処理における逆量子化ステップ幅を決定する逆量子化ステップサイズ供給部264、および、予測値の初期値を供給する初期値供給部265により構成され、入力画像圧縮情報を伸張し、出力画像情報として出力する。
【0140】
画像情報復号装置250の復号部251は、ブロック識別子供給部261により供給されたブロック識別子に基づいて入力画像圧縮情報の変換ブロックを認識し、その入力画像圧縮情報に対して、変換ブロック毎に、復号テーブル供給部263より供給された復号処理に最適な復号テーブルを用いて、可変長復号若しくは算術復号等の処理を施す。処理結果である復号された画像情報は、復号部251により、逆量子化部252に供給される。また、復号部251は、画像圧縮情報に含まれるヘッダ部より品質情報を取得し、制御部262に供給する。
【0141】
逆量子化部252は、復号部251により供給された量子化後の変換係数を、逆量子化ステップサイズ供給部264より供給された最適な逆量子化ステップ幅に関する情報に基づいて逆量子化し、逆量子化された11ビットの変換係数を4×4逆直交変換部253に供給する。
【0142】
4×4逆直交変換部253は、取得した変換係数に対して逆離散コサイン変換若しくは逆カルーネン・レーベ変換等の逆直交変換処理を施し、出力画像情報生成部254に供給する。
【0143】
出力画像情報生成部254は、逆直交変換された画像情報である差分情報のタイミングを遅延させ、その差分情報に対応する画像より時間的に後の、現在の画像を予測して参照画像情報を生成し、その参照画像情報を、対応する差分情報に加算し、出力画像情報を生成する。このとき、出力画像情報生成部254は、予測処理に用いられる予測値の初期値を初期値供給部265より取得する。出力画像情報生成部254は、生成した出力画像情報を画像情報復号装置250の外部に出力する。
【0144】
ブロック識別子供給部261は、処理されているブロックを識別する識別子を復号部251および復号テーブル供給部263に供給する。これにより復号部251および復号テーブル供給部263は、復号部251に供給される、入力画像圧縮情報を変換ブロック単位に区切って処理することができる。
【0145】
制御部262は、復号部251より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、要求された品質を保つように、復号部251による画像情報の復号処理の精度を決定し、復号テーブル供給部263に制御信号を供給する。制御部262は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に、量子化精度を更新し、復号テーブル供給部263に新たな制御信号を供給する。
【0146】
なお、制御部262に供給される品質情報は、上述した以外にも、ユーザにより入力されたり、他の装置より供給されたりするなどして、制御部262に入力されるようにしてもよい。
【0147】
復号テーブル供給部263は、制御部262に制御され、要求された品質(ビット数)に対応する復号テーブルを復号部251に供給する。復号部251は、その供給された復号テーブルを用いて、符号化された画像情報である入力画像圧縮情報を復号する。
【0148】
また、制御部262より出力された制御信号は、逆量子化ステップサイズ供給部264にも供給される。
【0149】
逆量子化ステップサイズ供給部264は、制御部262より供給された制御信号に基づいて、最適な逆量子化ステップ幅、すなわち、図9の画像情報符号化装置200による量子化処理における量子化ステップ幅と同じステップ幅の逆量子化ステップ幅を選択し、逆量子化部252に供給する。
【0150】
逆量子化部252は、逆量子化ステップサイズ供給部264により供給された情報に含まれる逆量子化ステップ幅で、復号部251より供給された画像情報を逆量子化する。
【0151】
初期値供給部265は、出力画像情報生成部254における予測処理において使用される予測値の初期値(例えば、「128」)を、各スライスの先頭のブロック、または、最初のIピクチャを処理する際に、出力画像情報生成部254に供給し、出力画像情報生成部254に保持されている予測値をリセットする。
【0152】
画像情報符号化装置200により圧縮された画像情報である入力画像圧縮情報を取得した画像情報復号装置250は、画像情報復号処理を実行し、入力画像圧縮情報を伸張し、出力画像情報として出力する。図12の画像情報復号装置250による画像情報復号処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0153】
最初に、ステップS21において、画像情報復号装置250の復号テーブル供給部263は、制御部262より供給された制御信号に含まれる復号処理の精度に関する情報に基づいて、復号部251の復号処理に用いられる最適な復号テーブルを選択する。この場合、最適な復号テーブルは、画像情報の符号化処理に用いられた符号化テーブルが対応する量子化精度と同じ精度の逆量子化精度に対応するテーブルである。
【0154】
なお、復号テーブル供給部263は、ブロック識別子供給部261によりブロック識別子が供給されており、そのブロック識別子に基づいて変換ブロックを認識し、その変換ブロック毎に、最適な復号テーブルを選択する。復号テーブルを選択した復号テーブル供給部263は、選択した復号テーブルを復号部251に供給し、処理をステップS22に進める。
【0155】
ステップS22において、復号部251は、復号テーブル供給部263により供給された復号テーブルを用いて、画像情報復号装置250の外部より供給された入力画像圧縮情報に対して、復号処理を実行する。これにより、入力画像圧縮情報は制御部262において設定された復号処理の精度により復号される。入力画像圧縮情報を復号した復号部251は、復号された画像情報を逆量子化部252に供給する。このとき、復号された画像情報は、図9に示される画像情報符号化装置200の量子化部203の出力に対応する。
【0156】
また、復号部251は、復号された画像情報のヘッダ部より次の変換ブロックに対する品質情報を取得し、制御部262に供給する。制御部262は、この品質情報に基づいて、入力画像圧縮情報の次の変換ブロックに対する復号処理の精度を決定し、その情報を復号テーブル供給部263に供給する。なお、この品質情報の更新は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に行われる。
【0157】
ステップS23において、制御部262は、以上のようにして復号部251より供給された品質情報に基づいて、逆量子化処理の精度を決定する。復号処理および逆量子化処理の精度を決定した制御部262は、それらの情報を含む制御信号を復号テーブル供給部263および逆量子化ステップサイズ供給部264に供給する。
【0158】
制御信号を取得した逆量子化ステップサイズ供給部264は、制御信号に含まれる逆量子化精度に基づいて、逆量子化ステップ幅を決定し、その情報を逆量子化部252に供給する。ステップS24において、逆量子化部252は、逆量子化ステップサイズ供給部264より供給された情報に基づいて設定した逆量子化ステップ幅で、復号された画像情報を逆量子化する。逆量子化を行った逆量子化部252は、逆量子化された画像情報を、変換ブロック毎に4×4逆直交変換部253に供給する。このとき、逆量子化された画像情報は、図9に示される画像情報符号化装置200の4×4直交変換部202の出力に対応する。
【0159】
次に、ステップS25において、4×4逆直交変換部253は、入力された周波数成分の変換係数を構成要素とする変換ブロックに対して逆直交変換処理を施す。逆直交変換された変換ブロックは、4×4の画素値により構成され、出力画像情報生成部254に供給される。このとき、逆直交変換された画像情報は、図9に示される画像情報符号化装置200の差分情報生成部201の出力に対応する差分情報である。
【0160】
ステップS26において、出力画像情報生成部254は、出力画像情報のタイミングを遅らせ、保持している予測値に基づいて、その出力画像情報に対応する画像より時間的に後の、現在の出力画像を予測して参照画像情報を生成し、その参照画像情報を、対応する差分情報に加算し、出力画像情報を生成する。その際に用いられる予測値の初期値は、初期値供給部265により予め供給され、出力画像情報生成部254が内蔵する記憶部(図示せず)に保持されている。生成された出力画像情報は、出力画像情報生成部254により、4画素×4ラインの変換ブロック毎に、画像情報復号装置250の外部に出力される。出力画像情報を出力した出力画像情報生成部254は、画像情報復号処理を終了する。
【0161】
画像情報復号装置250は、上述したような画像情報復号処理を画像情報が入力される毎に繰り返す。
【0162】
以上のようにして、画像情報復号装置250は、逆量子化処理の精度、および復号処理の精度を、図9の画像情報符号化装置200における量子化処理の精度、および、符号化処理の精度と同じになるように、複数用意された精度の中から選択して、要求された品質に応じた精度の、高圧縮率の画像圧縮情報に対応することができる。
【0163】
また、以上のような画像情報符号化処理および画像情報復号処理は、MPEG方式等の画像圧縮方式に用いられる、ループを用いて画像の動き予測および動き補償を行う画像情報符号化装置および画像情報復号装置においても適用できる。
【0164】
図14は、この場合における画像情報符号化装置の構成例を示す図である。
【0165】
図14において、画像情報符号化装置300は、入力画像情報を一時的に蓄積するフレームメモリ301、入力画像情報に参照画像情報を加算する加算器(減算器)302、入力画像情報に直交変換処理を施す直交変換部303、変換ブロック毎の変換係数を所定の順番でスキャンするスキャン部304、変換係数を量子化する量子化部305、量子化された変換係数をエントロピー符号化する符号化部306、符号化された画像情報を蓄積する蓄積バッファ307、量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化部311、逆量子化された変換係数を逆スキャンする逆スキャン部312、逆スキャンされた変換係数に逆直交変換処理を行う逆直交変換部313、逆直交変換された復号画像情報に参照画像情報を加算する加算器314、画像情報を蓄積するフレームメモリ315、動き予測を行う動き予測部316、動き補償を行う動き補償部317、および、符号化の精度を制御する制御部321により構成され、入力画像情報を圧縮し、出力画像圧縮情報として出力する。
【0166】
画像情報符号化装置300のフレームメモリ301は、画像情報符号化装置300の外部においてサンプリングされ、画像情報符号化装置300に入力された入力画像情報を一時的に格納した後、取得した画像情報に対応する画像がイントラ(画像内)符号化を行う画像である場合、8ビットの画素値により構成される4画素×4ラインの変換ブロック毎に加算器(減算器)302を介して直交変換部303に供給する。また、フレームメモリ301は、インター(画像間)符号化が行われる画像の場合、入力画像情報を動き予測部316に供給する。
【0167】
直交変換部303は、入力された8ビットの画素値により構成される4画素×4ラインの変換ブロックに対して離散コサイン変換(DCT)、またはカルーネン・レーベ変換等に代表される直交変換処理を施し、算出された11ビットの変換係数をスキャン部304に供給する。
【0168】
スキャン部304は、後述するように、制御部321に制御されて、変換ブロック内の変換係数を、例えば、ジグザグスキャン方式等の予め決められた所定の順番でスキャンし、順番に量子化部305に供給する。
【0169】
量子化部305は、制御部321の制御に基づいた精度で、取得した変換係数を量子化する。量子化部305は、後述するように、取得した変換係数を内部で2組に分離し、それぞれに対して、互いに異なる精度により量子化を行うことができる。量子化部305は、変換係数を量子化した後、その量子化された変換係数を符号化部306および逆量子化部311に供給する。
【0170】
符号化部306は、量子化された変換係数に対して、最適な符号化テーブルを選択し、その符号化テーブルを用いて、可変長符号化または算術符号化等のエントロピー符号化処理を行う。また、符号化部306は、後述するように、動き予測部316により供給された動きベクトル情報に対しても、同様に、エントロピー符号化処理を施す。さらに、符号化部306は、画像情報のヘッダ部についても同様に処理する。すなわち、画像情報符号化装置300より出力される画像圧縮情報には、上述した品質情報を含むヘッダ情報が含まれている。
【0171】
符号化部306は、それらの符号化された画像情報等を蓄積バッファ307に供給し、一時的に蓄積させる。
【0172】
蓄積バッファ307は、符号化部306より供給された符号化された画像情報等を一時的に蓄積した後、画像圧縮情報として画像情報符号化装置300の外部に出力する。
【0173】
また、蓄積バッファ307は、蓄積されたデータ量に関する情報を制御部321に供給する。制御部321は、その情報に基づいて量子化部305および逆量子化部311を制御し、蓄積バッファ307に蓄積されているデータ残量が許容上限値まで増量すると、量子化部305および逆量子化部311の量子化スケールを大きくすることにより、量子化データのデータ量を低下させる。また、これとは逆に、蓄積バッファ307に蓄積されているデータ残量が許容下限値まで減少すると、制御部321は、量子化部305および逆量子化部311の量子化スケールを小さくすることにより、量子化データのデータ量を増大させる。このようにして、制御部321は、蓄積バッファ307のオーバフローまたはアンダフローを防止する。
【0174】
また、量子化部305は量子化後の変換係数を逆量子化部311に供給する。逆量子化部311は、制御部321に制御され、その変換係数を逆量子化し、逆スキャン部312は、制御部321に制御され、逆量子化後の変換係数を逆スキャンし、変換ブロック毎に、逆直交変換部313に供給する。逆直交変換部313は、変換ブロック毎の逆量子化された変換係数に対して逆直交変換処理を施して復号画像情報を生成し、その情報を加算器314に供給する。
【0175】
加算器314は、逆直交変換部313より供給された復号画像情報に、動き補償部317より供給された参照画像情報を加算し、フレームメモリ315に供給して蓄積させる。
【0176】
フレームメモリ315は、加算器314より供給された画像情報を、一時的に保持した後、所定のタイミングで動き予測部316および動き補償部317に供給する。
【0177】
動き予測部316は、フレームメモリ301より供給された画像情報、および、フレームメモリ315より供給された画像情報に基づいて、動きベクトル情報を算出し、動き補償部317および符号化部306に供給する。
【0178】
動き補償部317は、動き予測部316により供給された動きベクトル情報およびフレームメモリ315より供給された画像情報に基づいて、参照画像情報を生成し、この参照画像情報を加算器(減算器)302に供給し、加算器(減算器)302は、参照画像情報を当該画像情報との差分信号に変換する。
【0179】
制御部321は、スキャン部304におけるスキャン方式を決定し、スキャン情報としてスキャン部304に供給する。同様に、制御部321は、逆スキャン部312における逆スキャン方式を決定し、逆スキャン情報として逆スキャン部312に供給する。スキャン部304および逆スキャン部312は、これらの情報に基づいて、制御部321に決定された方式で、スキャンおよび逆スキャンをそれぞれ行う。
【0180】
また、制御部321は、量子化部305における量子化処理の精度を決定し、量子化部305に供給する。このとき、量子化部305は、通常精度と高精度の2種類の精度で量子化を行うことができるので、制御部321は、通常精度と高精度のそれぞれに対して、精度のレベルを決定し、量子化部305に供給する。
【0181】
同様に、制御部321は、逆量子化部311における逆量子化処理の精度を決定し、逆量子化部311に供給する。このとき、逆量子化部311は、通常精度と高精度の2種類の精度で逆量子化を行うことができるので、制御部321は、通常精度と高精度のそれぞれに対して、精度のレベルを決定し、逆量子化部311に供給する。
【0182】
図15は、図14の量子化部305の詳細な構成例を示す図である。
【0183】
図15において、量子化部305は、変換ブロックを構成する変換係数を、直流成分および一部の(基準値より低い周波数の)交流成分の変換係数と、残りの(基準値より高い周波数の)交流成分の変換係数に分離する係数分離部331、直流成分および低周波成分で構成される一部の交流成分の変換係数に対して高精度な量子化処理を行う第1量子化処理部332、残りの交流成分の変換係数に対して通常の精度(第1量子化処理部332における場合より低精度)で量子化処理を行う第2量子化処理部333、量子化された各成分を合成する係数合成部334により構成されている。
【0184】
係数分離部331は、制御部321に制御され、入力された変換係数を、直流成分と低周波の交流成分により構成される変換係数と、それ以外の交流成分により構成される変換係数に分離する。図14の直交変換部303は、変換ブロック毎に画像情報を直交変換し、周波数成分からなる変換係数で構成される変換ブロックに変換し、スキャン部304は、その変換ブロックをスキャンして、スキャンした順番で、周波数成分からなる変換係数を抽出し、量子化部305に供給するので、係数分離部331は、変換ブロック毎に入力された変換係数の数をカウントし、所定の順番で入力された所定の数の変換係数を抽出して、その他の(残りの数の)変換係数と分離する。
【0185】
例えば、係数分離部331は、入力された変換係数を、変換ブロック毎にカウントし、1番目乃至3番目に入力された変換係数を、直流成分と低周波の交流成分の変換係数として抽出し、それ以外の順番で入力された変換係数と分離する。係数分離部331は、分離した直流成分と低周波の交流成分からなる変換係数を第1量子化処理部332に、それ以外の交流成分からなる変換係数を第2量子化処理部333に、それぞれ供給する。
【0186】
第1量子化処理部332は、制御部321により設定された高精度用の量子化精度に基づいて、後述するように、取得した直流成分と低周波の交流成分からなる変換係数を量子化する。第1量子化処理部332は、量子化された変換係数を係数合成部334に供給する。
【0187】
また、第2量子化処理部333は、第1量子化処理部332と同様に、制御部321により設定された通常精度用の量子化精度に基づいて、後述するように、取得した交流成分からなる変換係数を量子化する。第2量子化処理部333は、量子化された変換係数を係数合成部334に供給する。
【0188】
係数合成部334は、第1量子化処理部332および第2量子化処理部333より供給された、2組の量子化された変換係数を変換ブロック毎に合成し、1つの変換ブロックとして、図14の符号化部306および逆量子化部311に供給する。
【0189】
図16は、図14の逆量子化部311の詳細な構成例を示す図である。
【0190】
図16において、逆量子化部311は、変換ブロックを構成する変換係数を、直流成分と低周波の一部の交流成分からなる変換係数と、残りの交流成分からなる変換係数に分離する係数分離部351、直流成分と低周波の一部の交流成分からなる変換係数に対して高精度な逆量子化処理を行う第1逆量子化処理部352、残りの交流成分からなる変換係数に対して通常精度の逆量子化処理を行う第2逆量子化処理部353、逆量子化された各成分を合成する係数合成部354により構成されている。
【0191】
係数分離部351は、図15の係数分離部331と同様に、制御部321に制御され、入力された変換係数を、直流成分と低周波の一部の交流成分からなる変換係数と、それ以外の交流成分からなる変換係数に分離する。そして、係数分離部351は、分離した直流成分と低周波の交流成分の変換係数、およびそれ以外の交流成分の変換係数を、それぞれ、第1逆量子化処理部352および第2逆量子化処理部353に供給する。
【0192】
第1逆量子化処理部352は、図15の第1量子化処理部332と同様に、制御部321により設定された高精度用の逆量子化精度により、取得した直流成分と低周波の交流成分の変換係数を逆量子化し、逆量子化された変換係数を係数合成部354に供給する。
【0193】
また、第2逆量子化処理部353は、第1逆量子化処理部352と同様に、制御部321により設定された通常精度用の逆量子化精度により、取得した交流成分の変換係数を量子化し、量子化された変換係数を係数合成部354に供給する。
【0194】
係数合成部354は、第1逆量子化処理部352および第2逆量子化処理部353より供給された、2組の量子化された変換係数を変換ブロック毎に合成し、1つの変換ブロックとして、図14の逆スキャン部312に供給する。
【0195】
次に、図14の画像情報符号化装置300の動作について説明する。
【0196】
画像情報符号化装置300にフレーム単位で入力された画像情報がイントラ符号化されるフレームの画像情報である場合、その画像情報は、フレームメモリ301により一時的に保持された後、加算器(減算器)302を介して、4画素×4ラインの変換ブロック毎に、直交変換部303に供給される。このとき画像情報は、加算器(減算器)302において、連続するフレームの参照画像情報を減算されない。
【0197】
直交変換部303に供給された画像情報の画素値で構成される4画素×4ラインの変換ブロックは、直交変換部303において、変換ブロック単位で直交変換処理が施され、16個の周波数領域の変換係数により構成される、4×4の変換ブロックに変換され、スキャン部304に供給される。そして、制御部321に制御されたスキャン部304において、4×4の変換ブロック内の、16個の変換係数は、所定の順番でスキャンされ、スキャンされた順番で量子化部305に供給される。
【0198】
量子化部305に供給された変換係数は、制御部321により、外部より取得された品質情報に基づいて決定された量子化処理の精度で、量子化処理が施され、符号化部306に供給される。そして、符号化部306において、量子化された変換係数は、最適な可変長符号化テーブルを用いたエントロピー符号化処理により符号化されて蓄積バッファ307に供給される。
【0199】
符号化部306により符号化された画像情報は、蓄積バッファ307により一時的に保持された後、画像圧縮情報として画像情報符号化装置300の外部に出力される。
【0200】
ところで、画像情報符号化装置300にフレーム単位で入力された画像情報がインター符号化される画像に対応した画像情報である場合、その画像情報は、フレームメモリ301により一時的に保持された後、加算器(減算器)302に供給されるとともに、動き予測部316に供給される。
【0201】
動き予測部316に供給された画像情報は、動き予測部316により、フレームメモリ315より供給された画像情報とともに、動きベクトル情報作成処理に用いられる。動きベクトル情報作成処理により作成された動きベクトル情報は、動き補償部317と符号化部306に供給される。
【0202】
また、フレームメモリ301から加算器(減算器)302に供給された画像情報は、動き補償部317より供給された参照画像情報を減算された後、直交変換部303に供給される。
【0203】
そして、参照画像情報を減算された画像情報である差分情報は、イントラ符号化の場合と同様に、直交変換部303において直交変換され、スキャン部304において制御部321により決定された方式でスキャンされ、量子化部305において、制御部321により決定された精度で量子化され、符号化部306において符号化され、蓄積バッファ307に一時的に保持された後、画像圧縮情報として、画像情報符号化装置300の外部に出力される。
【0204】
ところで、量子化部305より出力された画像情報は、参照画像情報を作成するために、逆量子化部311にも供給され、逆量子化部311において、制御部321により決定された精度で逆量子化され、逆スキャン部312において、制御部321により決定された方式で逆スキャンされ、逆直交変換部313において逆直交変換され、加算器314を介してフレームメモリ315に供給され、記憶される。
【0205】
図17のフローチャートを参照して、画像情報符号化装置300において、局部的に行われる復号画像情報生成処理について説明する。
【0206】
最初に、ステップS41において、直交変換部303は、画像情報符号化装置300のフレームメモリ301に一時的に保持された後、加算器(減算器)302を介して供給された、4画素×4ラインの8ビットの画素値により構成される変換ブロックに対して、離散コサイン変換(DCT)、またはカルーネン・レーベ変換等に代表される直交変換処理を施し、16個の周波数領域の変換係数により構成される変換ブロックに変換し、スキャン部304に供給する。
【0207】
ステップS42において、制御部321は、スキャン部304において実行されるスキャン処理の方法であるスキャンモードを設定する。スキャン部304は、1回のスキャンで変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするシングルスキャンモード、および、2回のスキャンにより変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするダブルスキャンモードの2通りのスキャンモードを有しており、制御部321は、これらのいずれかを選択し、スキャン部304にその情報を供給する。
【0208】
図18は、スキャン部304によるスキャン方法の例を示す図である。
【0209】
図18Aには、シングルスキャンモードのスキャンの順序が示されている。スキャン部304は、シングルスキャンモードの場合、4×4の変換ブロック371を構成する16個の変換係数を、左上の変換係数(番号0の変換係数)から、右下の変換係数(番号15の変換係数)まで、矢印のようにジグザグにスキャンを行う。従って、シングルスキャンモードの場合、スキャン部304は、変換ブロック内の全ての変換係数を、1回でスキャンする。
【0210】
図18Bには、ダブルスキャンモードのスキャンの順序が示されている。スキャン部304は、ダブルスキャンモードの場合、スキャン番号0(scan_0)とスキャン番号1(scan_1)の2回のスキャンを行う。スキャン番号0(scan_0)のスキャンルートは、4×4の変換ブロック372を構成する変換係数の内、左上隅の変換係数(上側の番号0の変換係数)から右端の下から2番目の変換係数(上側の番号7の変換係数)までを、図示する矢印のような順番で進み、スキャン番号1(scan_1)のスキャンルートは、4×4の変換ブロック372を構成する変換係数の内、左端の上から2番目の変換係数(下側の番号0の変換係数)から右下隅の変換係数(下側の番号7の変換係数)までを、図示する矢印のような順番で進む。
【0211】
図17に戻り、制御部321によりスキャンモードが設定されるとスキャン部304は、ステップS43において、設定されたモードで、取得した変換係数を変換ブロック毎にスキャンする。スキャンされた変換係数は、量子化部305に供給される。
【0212】
ステップS44において、制御部321は、予めユーザにより入力された品質情報に基づいて、量子化部305により実行される量子化処理における高精度用の量子化精度および通常精度用の量子化精度を決定する。なお、品質情報は、画像情報のヘッダ部に含まれて画像情報符号化装置300に供給され、フレームメモリ301において抽出され、制御部321に供給されるようにしてもよいし、その他の方法で、画像情報符号化装置300の外部より制御部321に供給されるようにしてもよい。
【0213】
制御部321は、予め保持している、図19に示すようなテーブルを用いて、決定した量子化精度に対応する量子化精度に関する情報を量子化部305に供給する。
【0214】
図19に示される量子化精度に関するテーブルにおいて、用意された量子化精度(Bits of precision)は、8ビット、9ビット、10ビット、および11ビットの4種類であり、それぞれに対して、品質番号(dcac_precision)0乃至3と、乗数(dcac_multiplier)1,2,4、および8が割り当てられている。例えば、品質番号が「0」に対応する量子化精度(Bits of precision)は、8ビットであり、その時の乗数(dcac_multiplier)は、「1」である。
【0215】
制御部321は、図19に示されるテーブルを用いて、取得した品質情報において要求される精度から、量子化部305に供給する量子化精度に関する情報を生成する。例えば、取得した品質情報により要求される高精度用量子化精度が10ビットであり、通常精度用量子化精度が8ビットである場合、制御部321は、品質番号(dcac_precision)「2」を含む情報を、高精度用量子化精度に関する情報として、量子化部305の第1量子化処理部332(図15)に供給し、品質番号(dcac_precision)「0」を含む情報を、通常精度用量子化精度に関する情報として、量子化部305の第2量子化処理部333(図15)に供給する。
【0216】
なお、上述したステップS44の処理は、制御部321によって、スキャンされた変換係数が量子化部305に供給される度に実行されるようにしてもよいし、スキャンされた16個の変換係数が量子化部305に供給される度、すなわち、変換ブロック1個分の変換係数が量子化部305に供給される度に実行されるようにしてもよいし、マクロブロック単位、スライス単位、フレーム単位、GOP単位、およびシーケンス単位等、その他のタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0217】
図17に戻り、ステップS45において、変換係数を供給された量子化部305は、内蔵する係数分離部331(図15)において、係数分離処理を実行し、取得した変換係数を、通常精度で量子化する変換係数と、高精度で量子化する変換係数とに分離する。係数分離処理の詳細については、図21のフローチャートを参照して後述する。
【0218】
量子化部305は、ステップS46において、係数分離処理を施された変換係数について、係数分離処理により割り当てられた量子化精度が通常精度か否かを判定する。そして、割り当てられた量子化精度が通常精度であると判定した場合、量子化部305は、ステップS47に処理を進め、第2量子化処理部333において、制御部321により供給された品質番号(dcac_precision)を含む量子化精度に関する情報に基づいた精度で、後述するように、図20に示す量子化テーブルを用いて、その変換係数を通常精度に基づいて量子化する。量子化部305における量子化処理は、式(8)のように表される。
【0219】
【数3】
Figure 2004056249
【0220】
式(8)において、変数ScanConff [ ] [ ]は、ステップS43においてスキャンされた変換係数の値である。2つの[ ]には、それぞれ、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定され、16個の変換係数が4行×4列に並べられた変換ブロック内における位置を示す。例えば、図18Aの変換ブロック371において、ScanConff [0] [0]は、番号「0」の位置の変換係数の値であり、ScanConff [3] [0]は、番号「9」の位置の変換係数の値であり、ScanConff [3]
[3]は、番号「15」の位置の変換係数の値である。
【0221】
また、変数JQ [quant_par][0]は、図20に示す量子化テーブルの値である。図20の、量子化部305における量子化処理に用いられる量子化テーブルおよび逆量子化テーブルにおいて、変数JQ[M][N]は、量子化処理または逆量子化処理に用いられる変数であり、{ }に囲まれた左右2つの要素は、それぞれ、量子化処理および逆量子化処理に用いられる値の組み合わせである。変数Mは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、何段目の要素の値を変数JQ[M][N]として設定するかを表し、変数Nは、「0」または「1」の値に設定され、量子化処理に用いられる左側の要素の値を変数JQ[M][N]に設定するか、逆量子化処理に用いられる右側の要素の値を変数JQ[M][N]に設定するかを指定する。例えば、変数Mの値が「2」で、変数Nの値が「0」の場合、変数JQ[2][0]の値は、「492」に設定される。
【0222】
従って、変数quant_parは、ユーザの指示や図14の蓄積バッファ307に蓄積されたデータ量等に基づいて、制御部321により「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数JQ [quant_par][0]は、図20に示されるテーブルの、(quant_par)番目の左側の要素の値が設定される。
【0223】
なお、例えば、図14の直交変換部303において実行される直交変換処理が整数精度のDCTである場合、図20に示されるテーブルの変数JQ[M][N]の値は、以下の式(9)を満たすような値に設定するのが望ましい。
【0224】
【数4】
Figure 2004056249
【0225】
図20に示されるテーブルにおいては、変数JQ[M][N]の値は、整数値に制限されているので誤差が生じてしまい、式(9)を満たしていないが、なるべく近い値をとるように設定されている。
【0226】
変数dcac_multiplierは、制御部321より供給された量子化精度に関する情報に基づいて、図19に示す乗数(dcac_multiplier)の値、すなわち、「1」,「2」,「4」または「8」が設定される。また、定数qp_constの値は、「349525」であり、定数JQQ1の値は、「1048576」である。
【0227】
すなわち、量子化部305は、式(8)において、変数ScanConff [ ] [ ]の絶対値に変数JQ [quant_par][0]および変数dcac_multiplierを乗算し、四捨五入の為に定数qp_constを加算した後、定数JQQ1で除算した値を、量子化した変換係数(level)として出力する。
【0228】
上述した式(8)のように、変換係数を量子化すると量子化部305は、量子化した変換係数(level)を逆量子化部311に供給し、処理をステップS49に進める。
【0229】
また、ステップS46において、割り当てられた量子化精度が高精度であると判定した場合、量子化部305は、処理をステップS48に進め、第1量子化処理部332において、その変換係数を高精度により量子化する。なお、この場合の量子化部305における量子化処理は、通常精度の場合と同様に、上述した式(8)のように表されるので、その説明は省略する。
【0230】
以上のようにして、変換係数を低精度と高精度により量子化すると係数合成部334が両者を合成する。量子化部305は、合成した変換係数(level)を逆量子化部311に供給し、処理をステップS49に進める。
【0231】
ステップS49において、量子化部305は、全ての変換係数について処理したか否かを判定し、全ての変換係数を処理していないと判定した場合、ステップS45に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0232】
また、ステップS49において、全ての変換係数について処理したと判定した場合、量子化部305は、ステップS50に処理を進める。
【0233】
ステップS50において、制御部321は、ステップS44の場合と同様に、逆量子化部311により実行される逆量子化処理における高精度用の逆量子化精度および通常精度用の逆量子化精度を決定し、それらの逆量子化精度に関する情報を逆量子化部311に供給する。なお、このとき、高精度の逆量子化精度は、高精度の量子化精度と同じ精度に決定され、通常精度の逆量子化精度は、通常精度の量子化精度と同じ精度に決定される。
【0234】
また、上述したステップS50の処理は、ステップS44の場合と同様に、制御部321によって、量子化された変換係数が逆量子化部311に供給される度に実行されるようにしてもよいし、量子化された16個の変換係数が逆量子化部311に供給される度、すなわち、変換ブロック1個分の変換係数が逆量子化部311に供給される度に実行されるようにしてもよいし、マクロブロック単位、スライス単位、フレーム単位、GOP単位、およびシーケンス単位等、その他のタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0235】
そして、ステップS51において、変換係数を供給された逆量子化部311は、内蔵する図16の係数分離部351において、ステップS45と同様の係数分離処理を実行し、取得した変換係数を、通常精度で逆量子化する変換係数と、高精度で逆量子化する変換係数とに分離する。係数分離処理の詳細については、図21のフローチャートを参照して後述する。
【0236】
逆量子化部311は、通常精度および高精度の2種類の精度で変換係数を逆量子化することができ、ステップS52において、係数分離処理を施された変換係数について、係数分離処理により割り当てられた逆量子化精度が通常精度か否かを判定する。そして、割り当てられた逆量子化精度が通常精度であると判定した場合、逆量子化部311は、ステップS53に処理を進め、第2逆量子化処理部353において、制御部321により供給された品質番号(dcac_precision)を含む逆量子化精度に関する情報に基づいた精度で、図20に示す逆量子化テーブルを用いて、その変換係数を通常精度により逆量子化する。逆量子化部311における逆量子化処理は、式(10)のように表される。
【0237】
【数5】
Figure 2004056249
【0238】
式(10)において、変数levelは、量子化部305において量子化された変換係数の値である。また、変数JQ [quant_par][1]は、図20に示す逆量子化テーブルの値である。
【0239】
図20において、変数JQ[M][N]は、上述したように、量子化処理または逆量子化処理に用いられる変数であり、例えば、変数Mの値が「5」で、変数Nの値が「1」の場合、変数JQ[5][1]の値は、「6912」に設定される。
【0240】
従って、変数quant_parは、ユーザの指示や図14の蓄積バッファ307に蓄積されたデータ量等に基づいて、制御部321により「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数JQ [quant_par][1]は、図20に示す量子化テーブルの、(quant_par)番目の右側の要素の値が設定される。
【0241】
変数dcac_multiplierは、制御部321より供給された量子化精度に関する情報に基づいて、図19に示す乗数(dcac_multiplier)の値、すなわち、「1」,「2」,「4」または「8」が設定される。
【0242】
すなわち、逆量子化部311は、式(10)において、量子化された変換係数levelに変数JQ [quant_par][1]を乗算し、変数dcac_multiplierで除算した値を、逆量子化した変換係数(ilev)として出力する。
【0243】
上述した式(10)のように、変換係数を逆量子化すると逆量子化部311は、逆量子化した変換係数(ilev)を逆スキャン部312に供給し、処理をステップS55に進める。
【0244】
また、ステップS52において、割り当てられた逆量子化精度が高精度であると判定した場合、逆量子化部311は、処理をステップS54に進め、第1逆量子化処理部352において、その変換係数を高精度により逆量子化する。なお、この場合の逆量子化部311における逆量子化処理は、通常精度の場合と同様に、上述した式(10)のように表されるので、その説明は省略する。
【0245】
以上のようにして、変換係数を低精度と高精度により逆量子化すると、係数合成部354が両者を合成する。逆量子化部311は、合成した変換係数(ilev)を逆スキャン部312に供給し、処理をステップS55に進める。
【0246】
ステップS55において、逆量子化部311は、全ての変換係数について処理したか否かを判定し、全ての変換係数を処理していないと判定した場合、ステップS51に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0247】
また、ステップS55において、全ての変換係数について処理したと判定した場合、逆量子化部311は、ステップS56に処理を進める。
【0248】
ステップS56において、制御部321は、逆スキャン部312において実行される逆スキャン処理の方法である逆スキャンモードを設定する。逆スキャン部312は、1回の逆スキャンで変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするシングル逆スキャンモード、および、2回の逆スキャンにより変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするダブル逆スキャンモードの2通りの逆スキャンモードを有しており、制御部321は、これらのいずれかを選択し、逆スキャン部312にその情報を供給する。
【0249】
なお、上述したシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードは、それぞれ、スキャン部304におけるシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードに対応しており、制御部321は、逆スキャン部312が、スキャン部304においてシングルスキャンモードによりスキャンした変換係数に対して、シングル逆スキャンモードで逆スキャンし、スキャン部304においてダブルスキャンモードによりスキャンした変換係数に対しては、ダブル逆スキャンモードで逆スキャンし、4×4の変換ブロックを生成するように、逆スキャンモードを選択する。
【0250】
制御部321が逆スキャンモードを設定すると逆スキャン部312は、ステップS57において、設定されたモードで、取得した変換係数を逆スキャンし、4×4の変換ブロックを生成する。逆スキャンされた変換係数は、生成された変換ブロック毎に、逆直交変換部313に供給される。
【0251】
ステップS58において、逆直交変換部313は、逆スキャン部312により供給された画像情報に対して、変換ブロック毎に、直交変換部303の直交変換処理に対応する逆直交変換処理を施す。逆直交変換部313は、逆直交変換した画像情報を復号画像情報として加算器314に供給し、復号画像情報生成処理を終了する。
【0252】
次に、図17のステップS45において実行される係数分離処理の詳細について、図21のフローチャートを参照して説明する。
【0253】
最初に、ステップS71において、量子化部305の係数分離部331は、制御部321により設定された、入力された変換係数に対するスキャンモードがダブルスキャンモードであるか否かを判定する。入力された変換係数に対するスキャンモードが、図18Bに示すようなダブルスキャンモードであると判定された場合、係数分離部331は、ステップS72に処理を進め、変数dcac_limitに値「2」を代入する。
【0254】
そして、ステップS73において、係数分離部331は、変数coeff_nrの値が変数dcac_limitの値より小さく、かつ、スキャンルートがscan_0であるか否かを判定する。変数coeff_nrは、変換係数の番号を示しており、スキャン部304にスキャンされた順番を表している。すなわち、図18Bに示されるようなダブルスキャンモードにおいて、変数coeff_nrの値が「4」であるとすると、変数coeff_nrの値は、0乃至7のうちのいずれかの値であり、変数coeff_nrに対応する変換係数は、図18Bの番号「4」の位置の変換係数である。
【0255】
従って、図18Bに示される例の場合、ステップS73において、係数分離部331は、入力された変換係数が、変換ブロック372の左上隅の変換係数(scan_0における番号「0」の位置の変換係数)、若しくは、変換ブロック372の上端の左から2番目の変換係数(scan_0における番号「1」の位置の変換係数)であるか否かを判定する。
【0256】
ステップS73において、変数coeff_nrの値が変数dcac_limitの値より小さくない(変数coeff_nrの値が変数dcac_limitの値以上である)と判定した場合、若しくは、スキャンルートがscan_0ではない(スキャンルートがscan_1である)と判定した場合、係数分離部331は、ステップS74に処理を進め、変数coeff_nrの値が(dcac_limit−1)の値より小さく、かつ、スキャンルートがscan_1であるか否かを判定する。
【0257】
すなわち、図18Bに示される例の場合、ステップS73において、入力された変換係数が、変換ブロック372の左上隅の変換係数(scan_0における番号「0」の位置の変換係数)、若しくは、変換ブロック372の上端の左から2番目の変換係数(scan_0における番号「1」の位置の変換係数)ではないと判定した場合、係数分離部331は、ステップS74において、入力された変換係数が、変換ブロック372の左端の上から2番目の変換係数(scan_1における番号「0」の位置の変換係数)であるか否かを判定する。
【0258】
変数coeff_nrの値が(dcac_limit−1)の値より小さくない(変数coeff_nrの値が(dcac_limit−1)の値以上である)と判定したか、若しくは、スキャンルートがscan_1ではない(スキャンルートがscan_0である)と判定した場合、係数分離部331は、処理をステップS75に進め、この変換係数に対する量子化精度を通常精度に設定し、係数分離処理を終了して、図17のフローチャートのステップS45に処理を進める。
【0259】
また、ステップS73において、変数coeff_nrの値が変数dcac_limitの値より小さく、かつ、スキャンルートがscan_0であると判定した場合、係数分離部331は、ステップS76に処理を進める。さらに、ステップS74において、変数coeff_nrの値が(dcac_limit−1)の値より小さく、かつ、スキャンルートがscan_1であると判定した場合、係数分離部331は、処理をステップS76に進める。
【0260】
ステップS76において、係数分離部331は、変換係数に対する量子化精度を高精度に設定し、係数分離処理を終了して、図17のフローチャートのステップS45に処理を進める。
【0261】
すなわち、図18Bに示される例において、係数分離部331は、入力された変換係数が、変換ブロック372の左上隅の変換係数(scan_0における番号「0」の位置の変換係数)、変換ブロック372の上端の左から2番目の変換係数(scan_0における番号「1」の位置の変換係数)、または、変換ブロック372の左端の上から2番目の変換係数(scan_1における番号「0」の位置の変換係数)である場合、変換係数に対する量子化精度を高精度に設定し、それ以外の変換係数である場合、変換係数に対する量子化精度を通常精度に設定する。
【0262】
一方、ステップS71において、入力された変換係数に対するスキャンモードがダブルスキャンモードではない(シングルスキャンモードである)と判定された場合、係数分離部331は、ステップS77に処理を進め、変数dcac_limitに値「3」を代入する。
【0263】
そして、ステップS78において、係数分離部331は、変数coeff_nrの値が、変数dcac_limitの値より小さいか否かを判定し、変数coeff_nrの値が変数dcac_limitの値より小さくない(3,4,5,・・・、または15である)と判定した場合、ステップS79に処理を進め、この変換係数に対する量子化精度を通常精度に設定し、係数分離処理を終了して、図17のフローチャートのステップS45に処理を進める。
【0264】
また、ステップS78において、変数coeff_nrの値が、変数dcac_limitの値より小さい(0,1または2である)と判定した場合、係数分離部331は、ステップS80に処理を進め、この変換係数に対する量子化精度を高精度に設定し、係数分離処理を終了して、図17のフローチャートのステップS45に処理を進める。
【0265】
すなわち、図18Aに示される例において、係数分離部331は、入力された変換係数が、変換ブロック371の左上隅の変換係数(番号「0」の位置の変換係数)、変換ブロック371の上端の左から2番目の変換係数(番号「1」の位置の変換係数)、または、変換ブロック371の左端の上から2番目の変換係数(番号「2」の位置の変換係数)である場合、変換係数に対する量子化精度を高精度に設定し、それ以外の変換係数である場合、変換係数に対する量子化精度を通常精度に設定する。
【0266】
以上のようにして、量子化部305は、係数分離部331において、入力された変換係数を、割り当てる量子化精度によって2組に分離する。
【0267】
なお、図17のステップS51において、逆量子化部311により実行される係数分離処理は、上述した量子化部305における係数分離処理の場合と同様であり、逆量子化部311の係数分離部351において、図21に示される係数分離処理が実行され、入力された変換係数が、割り当てる量子化精度によって2組に分離される。なお、その場合、係数分離処理を終了した係数分離部351は、図17のステップS52に処理を進める。
【0268】
以上のようにして、生成された復号画像情報は、図14の逆直交変換部313により加算器314に供給される。復号画像情報は、その加算器314において、動き補償部317より供給された参照画像情報を加算された後、フレームメモリ315に一時的に蓄積される。この画像情報は、所定のタイミングで、動き予測部316に供給され、動きベクトル情報の作成処理に用いられる。また、同様に、フレームメモリ315に蓄積される画像情報は、所定のタイミングで、動き補償部317に供給され、参照画像情報の作成処理に用いられる。
【0269】
図14の画像情報符号化装置300は、以上のようにして、入力画像情報を圧縮し、出力画像情報として出力する。これにより、画像情報符号化装置300は、入力画像情報を、効率よく、最適な圧縮率で圧縮することができる。
【0270】
以上においては、図14の画像情報符号化装置300の量子化部305および逆量子化部311は、それぞれ、予め用意された量子化テーブルまたは逆量子化テーブルを用いて、変換係数に対して量子化処理または逆量子化処理を行うように説明したが、これに限らず、量子化部305および逆量子化部311が、量子化精度または逆量子化精度に応じた複数の量子化テーブルまたは逆量子化テーブルの中から選択されたテーブルを用いて、変換係数に対して量子化処理または逆量子化処理を行うようにしてもよい。
【0271】
図22は、このような場合における図14の制御部321の内部の構成例を示す図である。なお、図14の画像情報符号化装置300の各部に対応する部分については、同一の符号を付してある。
【0272】
図22において、制御部321は、外部より入力された品質情報に基づいて、各処理の精度に関する情報を含む制御信号を供給する制御信号供給部401、取得した制御信号に基づいて、使用する量子化テーブルおよび逆量子化テーブルを選択するテーブル選択部402、選択された量子化テーブルを、量子化部305に供給する量子化テーブル供給部403、選択された逆量子化テーブルを、逆量子化部311に供給する逆量子化テーブル供給部404により構成され、スキャン部304、量子化部305、逆量子化部311、および逆スキャン部312の各部を制御する。
【0273】
制御部321の制御信号供給部401は、画像情報符号化装置300の外部より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、要求された品質を保つように、量子化部305による量子化処理の精度、および、逆量子化部311による逆量子化処理の精度を決定し、それらの量子化精度および逆量子化精度に関する情報を含む制御信号を、テーブル選択部402に供給する。制御信号供給部401は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に、量子化精度および逆量子化精度を決定し、それらに関する情報を含む制御信号を、テーブル選択部402に供給する。
【0274】
制御部321に供給される品質情報は、入力画像情報のヘッダ部より抽出されたり、ユーザにより入力されたり、他の装置より供給されたりするなどして、制御部321に入力される。
【0275】
また、制御部321の制御信号供給部401は、取得した品質情報に含まれる、要求されている画質、画像圧縮情報が伝送される通信媒体であるネットワークの伝送速度、伝送容量、または、画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度や記録容量などの情報に基づいて、量子化精度および逆量子化精度を決定する。
【0276】
さらに、制御信号供給部401は、同様に、品質情報に基づいて、要求された品質を保つように、スキャン部304によるスキャンモード、および、逆スキャン部312による逆スキャンモードを決定し、それらの情報を、それぞれ、スキャン部304および逆スキャン部312に供給する。
【0277】
テーブル選択部402は、制御信号供給部401より供給された制御信号に基づいて、複数の量子化テーブルの中から、量子化処理に使用する量子化テーブルを選択し、その量子化テーブルを指定する情報を量子化テーブル供給部403に供給する。また、テーブル選択部402は、同様に、制御信号供給部401より供給された制御信号に基づいて、複数の逆量子化テーブルの中から、逆量子化処理に使用する逆量子化テーブルを選択し、その逆量子化テーブルを指定する情報を逆量子化テーブル供給部404に供給する。
【0278】
量子化テーブル供給部403は、テーブル選択部402により供給された量子化テーブルを指定する情報に基づいて、指定された量子化テーブルを量子化部305に供給する。同様に、逆量子化テーブル供給部404は、テーブル選択部402により供給された逆量子化テーブルを指定する情報に基づいて、指定された逆量子化テーブルを逆量子化部311に供給する。
【0279】
次に、図22に示される制御部321を用いた画像情報符号化装置300による復号画像情報生成処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて、図24を参照して説明する。
【0280】
最初に、ステップS101において、画像情報符号化装置300のフレームメモリ301に一時的に保持された後、加算器(減算器)302を介して供給された、4画素×4ラインの8ビットの画素値により構成される変換ブロックに対して、直交変換部303は、離散コサイン変換(DCT)、またはカルーネン・レーベ変換等に代表される直交変換処理を施し、16個の周波数領域の変換係数により構成される変換ブロックに変換し、スキャン部304に供給する。
【0281】
ステップS102において、制御部321の制御信号供給部401は、スキャン部304において実行されるスキャン処理の方法であるスキャンモードを設定する。スキャン部304は、図18に示されるように、シングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードの2通りのスキャンモードを有している。制御信号供給部401は、画像情報符号化装置300の外部より取得した品質情報に基づいて、これらのモードの、いずれかを選択し、スキャン部304にその情報を含む制御信号を供給する。
【0282】
制御信号供給部401によりスキャンモードの設定情報を含む制御信号が供給されるとスキャン部304は、ステップS103において、設定されたモードで、取得した変換係数を変換ブロック毎にスキャンする。スキャンされた変換係数は、量子化部305に供給される。
【0283】
ステップS104において、制御部321の制御信号供給部401は、画像情報符号化装置300の外部より入力された品質情報に基づいて、量子化部305により実行される量子化処理の量子化精度、および、逆量子化部311により実行される逆量子化処理の逆量子化精度を決定し、それらの情報を含む制御信号をテーブル選択部402に供給する。テーブル選択部402は、取得した制御信号に含まれる量子化精度および逆量子化精度に関する情報に基づいて、量子化部305における量子化処理に用いられる量子化テーブルを選択し、その情報を量子化テーブル供給部403に供給するとともに、逆量子化部311における逆量子化処理に用いられる逆量子化テーブルを選択し、その情報を逆量子化テーブル供給部404に供給する。
【0284】
量子化テーブル供給部403は、図24に示すような複数のテーブルを予め保持しており、指定された量子化テーブルを、量子化部305に供給する。同様に、逆量子化テーブル供給部404は、図24に示すような複数のテーブルを予め保持しており、指定された逆量子化テーブルを、逆量子化部311に供給する。
【0285】
図24の量子化テーブルおよび逆量子化テーブルにおいて、左から1番目のテーブルは、量子化精度および逆量子化精度が8ビットの場合(precision 8bit)のテーブルであり、左から2番目のテーブルは、量子化精度および逆量子化精度が9ビットの場合(precision 9bit)のテーブルであり、左から3番目のテーブルは、量子化精度および逆量子化精度が10ビットの場合(precision 10bit)のテーブルであり、左から4番目のテーブルは、量子化精度および逆量子化精度が11ビットの場合(precision 11bit)のテーブルである。
【0286】
変数JQ[P][Q][R]は、量子化処理または逆量子化処理に用いられる変数であり、図20に示されるテーブルの場合と同様に、{ }に囲まれた左右2つの要素は、それぞれ、量子化処理および逆量子化処理に用いられる値の組み合わせである。変数Pは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値が設定され、何段目の要素の値を変数JQ[P][Q][R]として設定するかを表し、変数Qは、「0」または「1」の値が設定され、量子化処理に用いられる左側の要素の値を変数JQ[P][Q][R]に設定するか、逆量子化処理に用いられる右側の要素の値を変数JQ[P][Q][R]に設定するかを指定し、変数Rは、図19のテーブルの品質番号(dcac_precision)を表し、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定され、図24に示される4つのテーブルの内、どのテーブルを用いるかを示す。
【0287】
例えば、変数Pの値が「2」で、変数Qの値が「0」で、変数Rの値が「1」の場合、変数JQ[2][0][1]の値は、「984」に設定される。また、例えば、変数Pの値が「5」で、変数Qの値が「1」で、変数Rの値が「3」の場合、変数JQ[5][1][3]の値は、「864」に設定される。
【0288】
量子化テーブル供給部403は、予め保持している、以上に示すような4つのテーブルの内、指定された量子化テーブルを量子化部305に供給する。同様に、逆量子化テーブル供給部404は、予め保持している、以上に示すような4つのテーブルの内、指定された逆量子化テーブルを逆量子化部311に供給する。
【0289】
なお、このとき、変数JQ[P][Q][R]の変数QおよびRの値は決定されている。すなわち、量子化テーブル供給部403が供給する量子化テーブルの変数Qの値は「0」であり、変数Rの値は、制御信号供給部401により決定された量子化精度に対応する値である。同様に、逆量子化テーブル供給部404が供給する逆量子化テーブルの変数Qの値は「1」であり、変数Rの値は、制御信号供給部401により決定された逆量子化精度に対応する値である。従って、量子化部305および逆量子化部311が図24に示されるような4つのテーブルを予め保持しており、テーブル選択部402が、制御信号供給部401により供給される制御信号に基づいて、変数Rの値を決定し、量子化部305および逆量子化部311に直接供給するようにしてもよい。
【0290】
図23に戻り、ステップS105において、量子化部305は、ステップS104の処理において選択された量子化テーブルを用いて、スキャン部304より供給された変換係数に対して、量子化処理を行う。量子化部305における量子化処理は、式(11)のように表される。
【0291】
【数6】
Figure 2004056249
【0292】
式(11)において、変数ScanConff [ ] [ ]は、ステップS103においてスキャンされた変換係数の値である。また、変数JQ [quant_par][0][dcac_precision]は、図24に示す量子化テーブルにより設定される量子化係数の値である。従って、変数quant_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれか値が設定される。さらに、定数qp_constの値は、「349525」であり、定数JQQ1の値は、「1048576」である。
【0293】
上述した式(11)のように、変換係数を量子化すると量子化部305は、量子化した変換係数(level)を逆量子化部311に供給し、処理をステップS106に進める。
【0294】
そして、ステップS106において、逆量子化部311は、ステップS104の処理において選択された逆量子化テーブルを用いて、量子化部305より供給された、量子化された変換係数に対して、逆量子化を行う。逆量子化部311における逆量子化処理は、式(12)のように表される。
【0295】
【数7】
Figure 2004056249
【0296】
式(12)において、変数JQ [quant_par][1][dcac_precision]は、図24に示す逆量子化テーブルにより設定される逆量子化係数の値である。従って、変数quant_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定される。
【0297】
上述した式(12)のように、変換係数を逆量子化すると逆量子化部311は、逆量子化した変換係数(ilev)を逆スキャン部312に供給し、処理をステップS107に進める。
【0298】
ステップS107において、制御部321の制御信号供給部401は、逆スキャン部312において実行される逆スキャン処理の方法である逆スキャンモードを設定する。逆スキャン部312は、スキャン部304と同様に、シングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードの2通りの逆スキャンモードを有している。制御信号供給部401は、画像情報符号化装置300の外部より取得した品質情報に基づいて、これらのモードの、いずれかを選択し、逆スキャン部312にその情報を含む制御信号を供給する。
【0299】
なお、上述したシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードは、それぞれ、スキャン部304におけるシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードに対応しており、制御部321の制御信号供給部401は、逆スキャン部312が、スキャン部304においてシングルスキャンモードによりスキャンした変換係数に対して、シングル逆スキャンモードで逆スキャンし、スキャン部304においてダブルスキャンモードによりスキャンした変換係数に対しては、ダブル逆スキャンモードで逆スキャンし、4×4の変換ブロックを生成するように、逆スキャンモードを選択し、その情報を含む制御信号を逆スキャン部312に供給する。
【0300】
制御信号供給部401により逆スキャンモードの設定情報を含む制御信号が供給されると逆スキャン部312は、ステップS108において、設定されたモードで、取得した変換係数に対して逆スキャン処理を行い、4×4の変換ブロックを生成する。逆量子化された変換係数が逆スキャンされて生成された変換ブロックは、逆直交変換部313に供給される。
【0301】
ステップS109において、逆直交変換部313は、逆スキャン部312により供給された画像情報に対して、変換ブロック毎に、直交変換部303の直交変換処理に対応する逆直交変換処理を施す。逆直交変換部313は、逆直交変換した画像情報を復号画像情報として加算器314に供給し、復号画像情報生成処理を終了する。
【0302】
図22に示される制御部321を用いた図14の画像情報符号化装置300は、以上のようにして、入力画像情報を圧縮し、出力画像情報として出力する。これにより、画像情報符号化装置300は、入力画像情報を、効率よく、最適な圧縮率で圧縮することができる。
【0303】
また、以上においては、図14の画像情報符号化装置300の直交変換部303、スキャン部304、量子化部305、逆量子化部311、逆スキャン部312、および逆直交変換部313は、供給される入力画像情報を4画素×4ラインの変換ブロック毎に処理し、復号画像情報を生成するように説明したが、これに限らず、例えば、輝度成分の場合のように、16画素×16ラインのマクロブロック単位で供給される入力画像情報を、マクロブロック単位で処理するようにしてもよい。
【0304】
図25は、この場合における図14の直交変換部303の内部の構成例を示す図である。
【0305】
図25において、直交変換部303は、画像情報を4画素×4ラインの変換ブロック毎に直交変換処理を行う4×4直交変換部421、直交変換された変換係数より直流成分(DC)を抽出するDC変換係数抽出部422、抽出した変換係数の直流成分(DC)に対して、スケール処理を施すDC変換係数スケール処理部423、スケール処理が施された変換係数の直流成分(DC)に対して、直交変換処理を施すDC変換係数直交変換部424、並びに、4×4直交変換部421、DC変換係数抽出部422、および、DC変換係数スケール処理部423の動作を制御するループコントローラ425により構成され、入力された16画素×16ラインのマクロブロック単位の画像情報に対して直交変換処理を施し、直交変換された変換係数の直流成分(DC)と交流成分(AC)を分離する。また、直交変換部303は、分離した変換係数の直流成分に対して、さらに処理を施す。
【0306】
4×4直交変換部421は、図14の加算器(減算器)302より、16画素×16ラインのマクロブロック単位で供給される画像情報に対して、4画素×4ラインの変換ブロック毎に直交変換処理を施す。なお、4×4直交変換部421は、ループコントローラ425により制御され、供給されたマクロブロックに含まれる全ての変換ブロックに対して、変換ブロック毎の直交変換処理を行う。すなわち、4×4直交変換部421は、供給されたマクロブロックに対して、直交変換処理を16回繰り返す。供給されたマクロブロックに対する直交変換処理が完了すると、4×4直交変換部421は、生成された周波数領域の変換係数を、DC変換係数抽出部422に供給する。
【0307】
DC変換係数抽出部422は、供給された変換係数の中から直流成分を抽出する。なお、DC変換係数抽出部422は、ループコントローラ425に制御され、供給されたマクロブロックに含まれる全ての変換係数を処理するまで、直流成分の抽出処理を繰り返す。すなわち、DC変換係数抽出部422は、ループコントローラ425に制御されて直流成分の抽出処理を繰り返し、供給されたマクロブロックに含まれる256個の変換係数の中から、16個の直流成分を抽出する。供給されたマクロブロックに対する直流成分の抽出処理が完了すると、DC変換係数抽出部422は、抽出された16個の直流成分を、DC変換係数スケール処理部423に供給し、直流成分を抽出された変換係数である、240個の交流成分をスキャン部304に供給する。
【0308】
DC変換係数スケール処理部423は、DC変換係数抽出部422において、抽出された変換係数の直流成分に対して、所定の係数を乗算し、スケールの調整を行う。なお、DC変換係数スケール処理部423は、ループコントローラ425に制御され、マクロブロック単位で供給された全ての変換係数の直流成分を処理するまで、直流成分のスケール処理を繰り返す。すなわち、DC変換係数スケール処理部423は、ループコントローラ425に制御され、直流成分のスケール処理を16回繰り返す。マクロブロック単位で供給された変換係数の直流成分のスケール処理が完了すると、DC変換係数スケール処理部423は、スケール処理された直流成分を、DC変換係数直交変換部424に供給する。
【0309】
DC変換係数直交変換部424は、供給された16個の直流成分を、1つの変換ブロックとして、直交変換処理を施す。そして、DC変換係数直交変換部424は、直交変換された直流成分をスキャン部304に供給する。
【0310】
図26は、直交変換部303を図25に示されるように構成する場合における、図14のスキャン部304、量子化部305、逆量子化部311、逆スキャン部312、および、制御部321の内部の構成例を示す図である。なお、図14の画像情報符号化装置300の各部に対応する部分については、同一の符号を付してある。
【0311】
図26において、スキャン部304は、変換係数の直流成分に対してスキャン処理を行うDCスキャン処理部461、および、変換係数の交流成分に対してスキャン処理を行うACスキャン処理部462により構成される。
【0312】
また、量子化部305は、スキャンされた変換係数の直流成分に対して量子化処理を行うDC量子化処理部471、および、スキャンされた変換係数の交流成分に対して量子化処理を行うAC量子化処理部472により構成される。
【0313】
さらに、逆量子化部311は、量子化された変換係数の直流成分に対して逆量子化処理を行うDC逆量子化処理部481、および、量子化された変換係数の交流成分に対して逆量子化処理を行うAC逆量子化処理部482により構成される。
【0314】
また、逆スキャン部312は、逆量子化された変換係数の直流成分に対して逆スキャン処理を行うDC逆スキャン処理部491、および、逆量子化された変換係数の交流成分に対して逆スキャン処理を行うAC逆スキャン処理部492により構成される。
【0315】
さらに、制御部321は、スキャンモードおよび逆スキャンモードを決定し、スキャン部304および逆スキャン部312を制御する制御信号を供給する制御信号供給部501、変換係数の交流成分に対する量子化処理の量子化精度、および、変換係数の交流成分に対する逆量子化処理の逆量子化精度を制御するAC精度制御部502、変換係数の直流成分に対する量子化処理の量子化精度、および、変換係数の直流成分に対する逆量子化処理の逆量子化精度を制御するDC精度制御部503により構成される。
【0316】
スキャン部304のDCスキャン処理部461は、図25の直交変換部303のDC変換係数直交変換部424により供給された、直交変換された16個の直流成分からなる4×4の変換ブロックに対して、スキャン処理を行う。このとき、DCスキャン処理部461は、制御部321の制御信号供給部501により供給された制御信号に含まれるスキャンモードに関する情報に基づいてスキャンモードを設定し、直流成分のスキャン処理を行う。なお、スキャンモードとしては、図18を参照して上述したシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードのいずれかが選択的に決定される。
【0317】
DCスキャン処理部461は、スキャンした直流成分を量子化部305のDC量子化処理部471に供給する。
【0318】
同様に、スキャン部304のACスキャン処理部462は、図25の直交変換部303のDC変換係数抽出部422により供給された変換係数の交流成分からなるマクロブロックに対して、4×4の変換ブロック毎のスキャン処理を16回繰り返す。このとき、ACスキャン処理部462は、制御部321の制御信号供給部501により供給された制御信号に含まれるスキャンモードに関する情報に基づいてスキャンモードを設定し、交流成分のスキャン処理を行う。なお、スキャンモードとしても、図18を参照して上述したシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードのいずれかが選択的に決定される。
【0319】
ACスキャン処理部462は、スキャンした交流成分を量子化部305のAC量子化処理部472に供給する。
【0320】
量子化部305のDC量子化処理部471は、DCスキャン処理部461によりスキャンされた16個の直流成分に対して、制御部321のDC精度制御部503に量子化精度を制御されて、量子化処理を行う。そして、16個全ての直流成分を量子化すると、DC量子化処理部471は、量子化された直流成分を逆量子化部311のDC逆量子化処理部481に供給する。
【0321】
量子化部305のAC量子化処理部472は、ACスキャン処理部462によりスキャンされた交流成分に対して、制御部321のAC精度制御部502に量子化精度を制御されて、量子化処理を行う。そして、マクロブロックに含まれる全ての交流成分に対して量子化処理を行うと、AC量子化処理部472は、量子化された交流成分を逆量子化部311のAC逆量子化処理部482に供給する。
【0322】
逆量子化部311のDC逆量子化処理部481は、DC量子化処理部471により量子化された16個の直流成分に対して、制御部321のDC精度制御部503に逆量子化精度を制御されて、逆量子化処理を行う。そして、16個全ての直流成分を逆量子化すると、DC逆量子化処理部481は、逆量子化された直流成分を逆スキャン部312のDC逆スキャン処理部491に供給する。
【0323】
逆量子化部311のAC逆量子化処理部482は、AC量子化処理部472により量子化された交流成分に対して、制御部321のAC精度制御部502に逆量子化精度を制御されて、逆量子化処理を行う。そして、マクロブロックに含まれる全ての交流成分に対して逆量子化処理を行うと、AC逆量子化処理部482は、逆量子化された交流成分を逆スキャン部312のAC逆スキャン処理部492に供給する。
【0324】
逆スキャン部312のDC逆スキャン処理部491は、DC逆量子化処理部481により供給された、逆量子化された16個の直流成分に対して、逆スキャン処理を行い、4×4の変換ブロックを生成する。このとき、DC逆スキャン処理部491は、制御部321の制御信号供給部501により供給された制御信号に含まれる逆スキャンモードに関する情報に基づいて逆スキャンモードを設定し、直流成分の逆スキャン処理を行う。なお、この逆スキャンモードとしても、図18を参照して上述したシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードのいずれかが選択的に決定される。
【0325】
DC逆スキャン処理部491は、直流成分を逆スキャンして生成された変換ブロックを、逆直交変換部313に供給する。
【0326】
逆スキャン部312のAC逆スキャン処理部492は、AC逆量子化処理部482により供給された、逆量子化された交流成分に対して、逆スキャン処理を行い、16個の変換ブロックを生成する。なお、各変換ブロックは、直流成分が抽出されているため、15個の変換係数により構成されている。また、このとき、AC逆スキャン処理部492は、制御部321の制御信号供給部501により供給された制御信号に含まれる逆スキャンモードに関する情報に基づいて逆スキャンモードを設定し、交流成分の逆スキャン処理を行う。なお、逆スキャンモードも、図18を参照して上述したシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードのいずれかが選択的に決定される。
【0327】
AC逆スキャン処理部492は、交流成分を逆スキャンして生成された16個の変換ブロックを、逆直交変換部313に供給する。
【0328】
制御部321の制御信号供給部501は、画像情報符号化装置300の外部より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、スキャン部304によるスキャンモード、および、逆スキャン部312による逆スキャンモードを決定し、それらに関する情報を含む制御信号を、それぞれ、スキャン部304および逆スキャン部312に供給する。
【0329】
制御部321のAC精度制御部502は、画像情報符号化装置300の外部より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、要求された品質を保つように、AC量子化処理部472による量子化処理の精度、および、AC逆量子化処理部482による逆量子化処理の精度を決定し、それらの量子化精度および逆量子化精度に関する情報を含む制御信号を、AC量子化処理部472およびAC逆量子化処理部482に供給する。AC精度制御部502は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に、量子化精度および逆量子化精度を決定し、それらに関する情報を含む制御信号を、AC量子化処理部472およびAC逆量子化処理部482に供給する。
【0330】
同様に、制御部321のDC精度制御部503は、画像情報符号化装置300の外部より供給された品質情報(quality signal)に基づいて、要求された品質を保つように、DC量子化処理部471による量子化処理の精度、および、DC逆量子化処理部481による逆量子化処理の精度を決定し、それらの量子化精度および逆量子化精度に関する情報を含む制御信号を、DC量子化処理部471およびDC逆量子化処理部481に供給する。DC精度制御部503は、画像情報のシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、変換ブロック毎に、量子化精度および逆量子化精度を決定し、それらに関する情報を含む制御信号を、DC量子化処理部471およびDC逆量子化処理部481に供給する。
【0331】
制御部321に供給される品質情報は、入力画像情報のヘッダ部より抽出されたり、ユーザにより入力されたり、他の装置より供給されたりするなどして、制御部321に入力される。
【0332】
また、制御部321のAC精度制御部502およびDC精度制御部503は、取得した品質情報に含まれる、要求されている画質、画像圧縮情報が伝送される通信媒体であるネットワークの伝送速度、伝送容量、または、画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度や記録容量などの情報に基づいて、量子化精度および逆量子化精度を決定する。
【0333】
図27は、直交変換部303が、図25に示されるように構成される場合における、図14の逆直交変換部313の内部の構成例を示す図である。
【0334】
図27において、逆直交変換部313は、変換係数の直流成分(DC)に対して逆直交変換処理を行うDC変換係数逆直交変換部521、逆直交変換された変換係数の直流成分(DC)に対して、再度、スケール処理を施すDC変換係数再スケール処理部522、供給された変換係数の直流成分および交流成分の順番を並べ替えて、両成分を合成する変換係数並べ替え部523、変換係数に対して、4×4の逆直交変換処理を施す4×4逆直交変換部524、DC変換係数再スケール処理部522、変換係数並べ替え部523、および4×4逆直交変換部524の動作を制御するループコントローラ525により構成される。
【0335】
DC変換係数逆直交変換部521は、図26のDC逆スキャン処理部491により供給された、変換係数の直流成分からなる4×4の変換ブロックに対して、逆直交変換処理を施す。供給された変換ブロックに対する逆直交変換処理が完了すると、DC変換係数逆直交変換部521は、逆直交変換された変換係数の直流成分からなる4×4の変換ブロックを、DC変換係数再スケール処理部522に供給する。
【0336】
DC変換係数再スケール処理部522は、DC変換係数逆直交変換部521により供給された、逆直交変換された変換係数の直流成分に対して、所定の係数を乗算し、再度、スケールの調整を行う。なお、DC変換係数再スケール処理部522は、ループコントローラ525に制御され、マクロブロック単位で供給された全ての変換係数の直流成分を処理するまで、直流成分のスケール処理を繰り返す。すなわち、DC変換係数再スケール処理部522は、ループコントローラ525に制御され、直流成分の再スケール処理を16回繰り返す。マクロブロック単位で供給された変換係数の直流成分の再スケール処理が完了すると、DC変換係数再スケール処理部522は、再スケール処理された直流成分を、変換係数並べ替え部523に供給する。
【0337】
変換係数並べ替え部523は、変換係数の直流成分、および、変換係数の交流成分からなる変換ブロックを用いて、各変換係数の順番を並べ替えて、両成分を合成し、1つの変換ブロックを生成する。なお、変換係数並べ替え部523は、ループコントローラ525に制御され、変換係数の各成分が合成され、生成された変換ブロックの数が、マクロブロック1個分になるまで、すなわち、16個の変換ブロックを生成するまで処理を繰り返す。そして、16個の変換ブロックを生成すると、変換係数並べ替え部523は、生成された16個の変換ブロックを1個のマクロブロックとして、4×4逆直交変換部524に供給する。
【0338】
そして4×4逆直交変換部524は、変換係数並べ替え部523より供給されたマクロブロック単位の画像情報に対して、4×4の変換ブロック毎に、逆直交変換処理を施す。なお、4×4逆直交変換部524は、ループコントローラ525に制御され、供給されたマクロブロックに含まれる全ての変換ブロックに対して、変換ブロック毎の逆直交変換処理を行う。すなわち、4×4逆直交変換部524は、供給されたマクロブロックに対して、逆直交変換処理を16回繰り返す。供給されたマクロブロックに対する逆直交変換処理が完了すると、4×4逆直交変換部524は、逆直交変換されたマクロブロックを、復号画像情報として、図14の加算器314に供給する。
【0339】
次に、図25乃至図27に示される各部を用いた図14の画像情報符号化装置300において局部的に行われる復号画像生成処理について、図28乃至図30のフローチャートを参照して説明する。
【0340】
最初に、ステップS121において、直交変換部303の4×4直交変換部421は、入力された画像情報のマクロブロックに含まれる変換ブロックに対して、4×4直交変換処理を実行する。
【0341】
そして、ステップS122において、ループコントローラ425は、供給されたマクロブロック内の全ての(16個の)変換ブロックについて直交変換処理を行ったか否かを判定する。まだ、未処理の変換ブロックが存在し、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて直交変換処理を行っていないと判定した場合、ループコントローラ425は、ステップS121に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0342】
マクロブロック内の全ての変換ブロックについて直交変換処理を行ったと判定した場合、ループコントローラ425は、4×4直交変換部421に、処理したマクロブロックをDC変換係数抽出部422に供給させ、ステップS123に処理を進める。
【0343】
ステップS123において、DC変換係数抽出部422は、供給されたマクロブロックに含まれる変換ブロックから、変換係数の直流成分を抽出し、抽出した直流成分をDC変換係数スケール処理部423に供給する。また、DC変換係数抽出部422は、残りの変換係数の交流成分を、図26のスキャン部304のACスキャン処理部462に供給する。
【0344】
変換係数の直流成分を取得したDC変換係数スケール処理部423は、ステップS124において、変換係数の直流成分に対しスケール処理を実行する。このスケール処理は、以下の式(13)のように表すことができる。
【0345】
【数8】
Figure 2004056249
【0346】
式(13)において、変数dc_coeffは、スケール処理後の直流成分の値であり、変数dc_coeff_oldは、スケール処理前の直流成分の値である。すなわち、この処理により、直流成分のレベルが調整される。
【0347】
そして、ステップS125において、ループコントローラ425は、DC変換係数抽出部422およびDC変換係数スケール処理部423が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて、処理を行ったか否かを判定する。まだ、未処理の変換ブロックが存在し、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて処理を行っていないと判定した場合、ループコントローラ425は、処理をステップS123に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0348】
また、DC変換係数抽出部422およびDC変換係数スケール処理部423が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて、処理を行ったと判定した場合、ループコントローラ425は、DC変換係数スケール処理部423に、スケール処理後の変換係数の直流成分をDC変換係数直交変換部424に供給させる。
【0349】
そして、DC変換係数直交変換部424は、ステップS126において、供給された変換係数の直流成分に対して直交変換処理を実行し、直交変換された直流成分を図26のスキャン部304のDCスキャン処理部461に供給して、処理を図29のステップS131に進める。
【0350】
図29のステップS131において、図26の制御部321の制御信号供給部501は、DCスキャン処理部461におけるDCスキャン処理のスキャンモードであるDCスキャンモードをシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードより選択して決定し、その情報を含む制御信号を、DCスキャン処理部461に供給する。DCスキャン処理部461は、その制御信号に基づいて、DCスキャンモードを設定する。
【0351】
そして、ステップS132において、DCスキャン処理部461は、変換係数の直流成分に対して、ステップS131において設定されたDCスキャンモードにより、DCスキャン処理を実行する。スキャンされた変換係数の直流成分は、量子化部305のDC量子化処理部471に供給される。
【0352】
制御部321のDC精度制御部503は、ステップS133において、外部より取得した品質情報に基づいて、量子化部305のDC量子化処理部471により実行される量子化処理の量子化精度、および、逆量子化部311のDC逆量子化処理部481により実行される逆量子化処理の逆量子化精度を決定し、それらの情報を含む制御信号を、DC量子化処理部471およびDC逆量子化処理部481に供給する。
【0353】
ステップS134において、DC量子化処理部471は、DC精度制御部503により供給された制御信号に含まれる量子化精度に関する情報に基づいて、要求された精度で、変換係数の直流成分を量子化するDC量子化処理を実行する。DC量子化処理部471におけるDC量子化処理は、式(14)のように表される。
【0354】
【数9】
Figure 2004056249
【0355】
式(14)において、変数ScanConff [ ] [ ]は、DCスキャン処理部461によるステップS132の処理においてスキャンされた、変換係数の直流成分の値である。また、変数JQ [quant_dc_par][0][dcac_precision]は、図24に示す量子化テーブルにより設定される量子化係数の値である。従って、変数quant_dc_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定される。さらに、定数qp_constの値は、「349525」であり、定数JQQ1の値は、「1048576」である。
【0356】
上述した式(14)のように、変換係数を量子化すると量子化部305は、量子化した変換係数の直流成分(level)を逆量子化部311のDC逆量子化処理部481に供給する。
【0357】
DC逆量子化処理部481は、ステップS135において、DC精度制御部503により供給された制御信号に含まれる逆量子化精度に関する情報に基づいて、要求された精度で、変換係数の直流成分を逆量子化するDC逆量子化処理を実行する。DC逆量子化処理部481におけるDC逆量子化処理は、式(15)のように表される。
【0358】
【数10】
Figure 2004056249
【0359】
式(15)において、変数JQ [quant_dc_par][1][dcac_precision]は、図24に示す逆量子化テーブルにより設定される逆量子化係数の値である。従って、変数quant_dc_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定される。
【0360】
上述した式(15)のように、変換係数の直流成分を逆量子化するとDC逆量子化処理部481は、逆量子化した変換係数の直流成分(ilev)を逆スキャン部312のDC逆スキャン処理部491に供給する。
【0361】
制御部321の制御信号供給部501は、ステップS136において、DC逆スキャン処理部491におけるDC逆スキャン処理の逆スキャンモードであるDC逆スキャンモードをシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードより選択して決定し、その情報を含む制御信号を、DC逆スキャン処理部491に供給する。DC逆スキャン処理部491は、その制御信号に基づいて、DC逆スキャンモードを設定する。
【0362】
そして、ステップS137において、DC逆スキャン処理部491は、変換係数の直流成分に対して、ステップS136において設定されたDC逆スキャンモードにより、DC逆スキャン処理を実行する。逆スキャンされた変換係数の直流成分は、図27の逆直交変換部313のDC変換係数逆直交変換部521に供給される。ステップS137の処理を終了したDC逆スキャン処理部491は、図30のステップS141に処理を進める。
【0363】
ところで、図28のステップS123において、図25のDC変換係数抽出部422は、変換係数の交流成分を図26のACスキャン処理部462に供給する。図26の制御部321の制御信号供給部501は、図30のステップS141において、ACスキャン処理部462におけるACスキャン処理のスキャンモードであるACスキャンモードをシングルスキャンモードおよびダブルスキャンモードより選択して決定し、その情報を含む制御信号を、ACスキャン処理部462に供給する。ACスキャン処理部462は、その制御信号に基づいて、ACスキャンモードを設定する。
【0364】
そして、ステップS142において、ACスキャン処理部462は、変換係数の交流成分に対して、ステップS141において設定されたACスキャンモードにより、ACスキャン処理を実行する。スキャンされた変換係数の交流成分は、量子化部305のAC量子化処理部472に供給される。
【0365】
制御部321のAC精度制御部502は、ステップS143において、外部より取得した品質情報に基づいて、量子化部305のAC量子化処理部472により実行される量子化処理の量子化精度、および、逆量子化部311のAC逆量子化処理部482により実行される逆量子化処理の逆量子化精度を決定し、それらの情報を含む制御信号を、AC量子化処理部472およびAC逆量子化処理部482に供給する。
【0366】
ステップS144において、AC量子化処理部472は、AC精度制御部502により供給された制御信号に含まれる量子化精度に関する情報に基づいて、要求された精度で、変換係数の交流成分を量子化するAC量子化処理を実行する。AC量子化処理部472におけるAC量子化処理は、式(16)のように表される。
【0367】
【数11】
Figure 2004056249
【0368】
式(16)において、変数ScanConff [ ] [ ]は、ACスキャン処理部462により、ステップS142においてスキャンされた変換係数の交流成分の値である。また、変数JQ [quant_ac_par][0][dcac_precision]は、図24に示す量子化テーブルにより設定される量子化係数の値である。従って、変数quant_ac_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定される。さらに、定数qp_constの値は、「349525」であり、定数JQQ1の値は、「1048576」である。
【0369】
上述した式(16)のように、変換係数の交流成分を量子化すると量子化部305は、量子化した変換係数の交流成分(level)を逆量子化部311のAC逆量子化処理部482に供給する。
【0370】
AC逆量子化処理部482は、ステップS145において、AC精度制御部502により供給された制御信号に含まれる逆量子化精度に関する情報に基づいて、要求された精度で、変換係数の交流成分を逆量子化するAC逆量子化処理を実行する。AC逆量子化処理部482におけるAC逆量子化処理は、式(17)のように表される。
【0371】
【数12】
Figure 2004056249
【0372】
式(17)において、変数JQ [quant_par][1][dcac_precision]は、図24に示す逆量子化テーブルにより設定される逆量子化係数の値である。従って、変数quant_parは、「0」乃至「32」のうちのいずれかの値に設定され、変数dcac_precisionは、「0」乃至「3」のうちのいずれかの値が設定される。
【0373】
上述した式(17)のように、変換係数の交流成分を逆量子化するとAC逆量子化処理部482は、逆量子化した変換係数の交流成分(ilev)を逆スキャン部312のAC逆スキャン処理部492に供給する。
【0374】
制御部321の制御信号供給部501は、ステップS146において、AC逆スキャン処理部492におけるAC逆スキャン処理の逆スキャンモードであるAC逆スキャンモードをシングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードより選択して決定し、その情報を含む制御信号を、AC逆スキャン処理部492に供給する。AC逆スキャン処理部492は、その制御信号に基づいて、AC逆スキャンモードを設定する。
【0375】
そして、ステップS147において、AC逆スキャン処理部492は、変換係数の交流成分に対して、ステップS146において設定されたAC逆スキャンモードにより、AC逆スキャン処理を実行する。逆スキャンされた変換係数の交流成分は、図27の逆直交変換部313の変換係数並べ替え部523に供給される。ステップS147の処理を終了したAC逆スキャン処理部492は、ステップS151に処理を進める。
【0376】
ステップS151において、図27のDC変換係数逆直交変換部521は、図26のDC逆スキャン処理部491により供給された変換係数の直流成分に対して、逆直交変換処理を実行し、逆直交変換された直流成分をDC変換係数再スケール処理部522に供給して、処理をステップS152に進める。
【0377】
逆直交変換された変換係数の直流成分を取得したDC変換係数再スケール処理部522は、ステップS152において、変換係数の直流成分に対し、再スケール処理を実行する。この再スケール処理は、以下の式(18)のように表すことができる。
【0378】
【数13】
Figure 2004056249
【0379】
式(18)において、変数dc_coeffは、再スケール処理後の直流成分の値であり、変数dc_coeff_oldは、再スケール処理前の直流成分の値である。この処理は、ステップS124におけるDC変換係数スケール処理部423の処理に対応する処理である。再スケール処理を施された変換係数の直流成分は、図27の変換係数並べ替え部523に供給される。
【0380】
なお、以上の直流成分と交流成分の処理は、実際には並行して実行される。
【0381】
変換係数の直流成分および交流成分が供給された変換係数並べ替え部523は、ステップS153において、取得した変換係数の直流成分および交流成分の順番を並べ替えて、両成分を合成し、1つの変換ブロックを生成する。
【0382】
そして、ステップS154において、ループコントローラ525は、DC変換係数再スケール処理部522および変換係数並べ替え部523が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて、処理を行ったか否かを判定する。まだ、未処理の変換ブロックが存在し、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて処理を行っていないと判定した場合、ループコントローラ525は、処理をステップS152に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0383】
DC変換係数再スケール処理部522および変換係数並べ替え部523が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて、処理を行ったと判定した場合、ループコントローラ525は、変換係数並べ替え部523に、生成したマクロブロックを4×4逆直交変換部524に供給させる。
【0384】
そして、ステップS155において、4×4逆直交変換部524は、供給されたマクロブロックに含まれる変換ブロックに対して、4×4逆直交変換処理を実行し、逆直交変換された変換ブロックを図14の加算器314に供給する。
【0385】
ループコントローラ525は、ステップS156において、4×4逆直交変換部524が供給されたマクロブロック内の全ての変換ブロックについて逆直交変換処理を行ったか否かを判定する。まだ、未処理の変換ブロックが存在し、4×4逆直交変換部524が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて逆直交変換処理を行っていないと判定した場合、ループコントローラ525は、ステップS155に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。
【0386】
4×4逆直交変換部524が、マクロブロック内の全ての変換ブロックについて逆直交変換処理を行ったと判定した場合、ループコントローラ525は、復号画像情報生成処理を終了する。
【0387】
図25乃至27に示される各部を用いた図14の画像情報符号化装置300は、以上のようにして、入力画像情報を圧縮し、出力画像情報として出力する。これにより、画像情報符号化装置300は、入力画像情報を、効率よく、最適な圧縮率で圧縮することができる。
【0388】
次に、図14に示される画像情報符号化装置300に対応する画像情報復号装置について、図31を参照して説明する。
【0389】
図31において、画像情報復号装置600は、入力画像圧縮情報を一時的に保持する蓄積バッファ601、符号化されている入力画像圧縮情報をエントロピー復号する復号部602、復号された画像情報を逆量子化する逆量子化部603、逆量子化された画像情報に対して、逆スキャン処理を施す逆スキャン部604、逆スキャンされた画像情報を逆直交変換する逆直交変換部605、逆直交変換された画像情報と参照画像情報を加算する加算器606、生成された出力画像情報をフレーム毎に一時的に保持するフレームメモリ607、出力画像情報より参照画像情報を生成する動き予測・補償部611、および、復号部602により供給される品質に関する情報に基づいて、蓄積バッファ601、逆量子化部603、および逆スキャン部604の動作を制御する制御部621により構成され、入力画像圧縮情報を伸張し、出力画像情報として出力する。
【0390】
画像情報復号装置600の蓄積バッファ601は、制御部621に制御されて、画像情報符号化装置300により圧縮された入力画像圧縮情報を一時的に保持し、所定のタイミングで復号部602に供給する。
【0391】
復号部602は、供給された入力画像圧縮情報に対して、変換ブロック毎に、復号処理に最適な復号テーブルを用いて、可変長復号若しくは算術復号等のエントロピー復号処理を施す。処理結果である復号された画像情報は、復号部602により、逆量子化部603に供給される。また、復号部602は、画像圧縮情報に含まれるヘッダ部より品質情報を取得し、制御部621に供給する。さらに、復号部602は、復号するフレームがインター符号化されたものである場合には、画像圧縮情報のヘッダ部に格納された動きベクトル情報についても復号し、その情報を動き予測・補償部611に供給する。
【0392】
逆量子化部603は、復号部602により供給された量子化後の変換係数を、制御部621により供給された精度に関する情報に基づいて逆量子化し、逆量子化された変換係数を逆スキャン部604に供給する。
【0393】
逆スキャン部604は、逆量子化部603により供給された逆量子化された変換係数に対して、逆スキャン処理を施し、変換係数で構成される変換ブロックを生成する。そして、生成された変換ブロックを逆直交変換部605に供給する。なお、逆スキャン部604は、その動作を制御部621に制御されており、制御部621により指定された方法により、逆スキャン処理を実行する。
【0394】
逆直交変換部605は、取得した変換係数に対して逆離散コサイン変換若しくは逆カルーネン・レーベ変換等の逆直交変換処理を施し、加算器606に供給する。加算器606は、取得した画像情報がインター符号化された画像情報である場合、動き予測・補償部611により供給された参照画像情報を加算し、フレームメモリ607に供給する。なお、加算器は、取得した画像情報がイントラ符号化により符号化された画像情報である場合、取得した画像をそのままフレームメモリ607に供給する。
【0395】
フレームメモリ607は、加算器606より供給された画像情報を出力画像情報として、フレーム毎に、所定のタイミングで画像情報復号装置600の外部に出力する。また、フレームメモリ607は、取得した出力画像情報を動き予測・補償部611にも供給する。
【0396】
動き予測・補償部611は、復号された動きベクトル情報とフレームメモリ607に格納された画像情報とに基づいて参照画像を生成し、加算器606に供給する。加算器606は、この参照画像と逆直交変換部605の出力とを合成する。
【0397】
制御部621は、復号部602により供給された品質情報に基づいて、蓄積バッファ601を制御して、蓄積バッファ601が復号部602に供給する画像圧縮情報の量を調整する。また、制御部621は、復号部602により供給された品質情報に基づいて、逆量子化部603における逆量子化精度を決定し、その逆量子化精度に関する情報を逆量子化部603に供給する。さらに、制御部621は、復号部602により供給された品質情報に基づいて、逆スキャン部604における逆スキャンモードを決定し、その情報を逆スキャン部604に供給する。
【0398】
画像情報符号化装置300により圧縮された画像情報である入力画像圧縮情報を取得した画像情報復号装置600は、画像情報復号処理を実行し、入力画像圧縮情報を伸張し、出力画像情報として出力する。図31の画像情報復号装置600による、画像情報を復号する画像情報復号処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
【0399】
最初に、ステップS201において、画像情報復号装置600の復号部602は、復号処理に最適な所定の復号テーブルを用いて、蓄積バッファ601に保持された後、供給された入力画像圧縮情報に対して、復号処理を実行する。入力画像圧縮情報を復号した復号部602は、復号された画像情報を逆量子化部603に供給する。また、復号部602は、復号された画像情報のヘッダ部より、要求された画像の品質に関する情報である品質情報(画像情報符号化装置300に符号化され、送信された品質情報)を抽出し、制御部621に供給する。
【0400】
ステップS202において、制御部621は、復号部602より供給された品質情報に基づいて、逆量子化部603における逆量子化処理の逆量子化精度を決定し、それに関する情報を逆量子化部603に供給する。
【0401】
制御部621により逆量子化精度に関する情報を供給された逆量子化部603は、ステップS203において、取得した情報に基づいて、逆量子化テーブルを決定し、要求された精度で、復号された画像情報に対して、逆量子化処理を行う。そして、逆量子化部603は、逆量子化された画像情報を、逆スキャン部604に供給する。
【0402】
ステップS204において、制御部621は、復号部602より供給された品質情報に基づいて、逆スキャン部604における逆スキャン処理の逆スキャンモードを決定する。制御部621は、予め用意されている図18に示されるような、シングル逆スキャンモードおよびダブル逆スキャンモードより使用する逆スキャンモードを選択し、その情報を逆スキャン部604に供給する。
【0403】
そして、逆スキャン部604は、ステップS205において、制御部621より指定された逆スキャンモードを用いて、逆量子化された画像情報に対して逆スキャン処理を施し、逆スキャンされた画像情報を逆直交変換部605に供給する。
【0404】
逆直交変換部605は、ステップS206において、取得した画像情報に対して、変換ブロック毎に逆直交変換処理を行う。動き予測・補償部611は、復号部602より供給された動きベクトルに基づいて、フレームメモリ607より供給された画像情報を動き補償して参照画像情報を生成し、加算器606に供給する。加算器606は、この参照画像情報を逆直交変換部605より供給された、逆直交変換された画像情報と加算して、フレームメモリ607に供給する。但し、イントラ符号化された画像情報は、参照画像情報と加算されない。
【0405】
フレームメモリ607は、ステップS207において、供給された画像情報を一時的に保持する。そしてフレームメモリ607は、フレーム毎の出力画像情報を生成し、その出力画像情報を、所定のタイミングでフレーム毎に画像情報復号装置600の外部に出力し、画像情報復号処理を終了する。
【0406】
画像情報復号装置600は、上述したような画像情報復号処理を画像情報が入力される毎に繰り返す。
【0407】
以上のようにして、画像情報復号装置600は、逆量子化処理の精度、および逆スキャンモードを、図14の画像情報符号化装置300における量子化処理の精度、および、スキャンモードと同じになるように設定し、要求された品質に応じた精度の、高圧縮率の画像圧縮情報に対応することができる。
【0408】
なお、図14の画像情報符号化装置300は、上述したように、逆量子化部311、逆スキャン部312、逆直交変換部313、加算器314、フレームメモリ315、動き予測部316、動き補償部317、および、制御部321により、局部的な復号処理を行っており、その構成は、図31における逆量子化部603、逆スキャン部604、逆直交変換部605、加算器606、フレームメモリ607、動き予測・補償部611、および制御部621にそれぞれ対応している。従って、図16の逆量子化部311、図22の制御部321、図26の逆量子化部311、逆スキャン部312、制御部321、並びに、図27の逆直交変換部313の構成と動作は、図31の逆量子化部603、逆スキャン部604、逆直交変換部605、または、制御部621の構成と動作としても引用する。
【0409】
すなわち、図31の画像情報復号装置600の逆量子化部603の内部の構成を、図16に示される逆量子化部311と同様の構成とし、量子化された変換係数を2つの精度で逆量子化するようにしてもよい。
【0410】
また、図31の制御部621の内部の構成を、図22に示される制御部321と同様の構成とし、複数の逆量子化テーブルの中から、要求された精度に対応するテーブルを選択するようにしてもよい。
【0411】
さらに、逆量子化部603および逆スキャン部604を、図27に示される逆量子化部311および逆スキャン部312と同様の構成とし、変換係数の直流成分と交流成分を、それぞれ分けて処理するようにしてもよい。その場合、制御部621の内部の構成は、図26に示される制御部321と同様の構成となり、さらに、逆直交変換部605の内部の構成も、図27に示される逆直交変換部313と同様の構成となる。
【0412】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0413】
図33は、上記処理を実行するパーソナルコンピュータの構成例を表している。パーソナルコンピュータ700のCPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部723からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0414】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス710を介して相互に接続されている。このバス710にはまた、入出力インタフェース720も接続されている。
【0415】
入出力インタフェース720には、キーボード、マウスなどよりなる入力部721、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部722、ハードディスクなどより構成される記憶部723、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部424が接続されている。通信部724は、ネットワークを介しての通信処理を行う。
【0416】
入出力インタフェース720にはまた、必要に応じてドライブ730が接続され、磁気ディスク731、光ディスク732、光磁気ディスク733、或いは半導体メモリ734などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部723にインストールされる。
【0417】
プログラムが記録されている記録媒体は、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク731(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク732(CD−ROM(CompactDisk − Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク733(MD(Mini−Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ734などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部723に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0418】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0419】
【発明の効果】
以上のように、本発明の符号化装置および方法、記録媒体、並びにプログラムによれば、情報を圧縮することができる。特に、効率よく、より高効率な情報圧縮を実現することができる。
【0420】
本発明の復号装置および方法、記録媒体、並びにプログラムによれば、情報を伸張することができる。特に、効率よく、より高効率に圧縮された情報を、簡単かつ確実に、効率よく復号することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DCT係数の2次元の1変換ブロックを示す図である。
【図2】H.26Lフォーマットにおける画像情報の構成例を示す図である。
【図3】従来の画像情報符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の差分情報生成部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】イントラ符号化におけるフレーム内のイントラ予測の方向の例を示す図である。
【図6】4画素×4ラインの変換ブロック単位で行われる近隣ブロックからの予測を説明する図である。
【図7】従来の画像情報復号装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の出力画像情報生成部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明を適用した画像情報符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の画像情報符号化装置による画像情報符号化処理を説明するフローチャートである。
【図11】画像情報のピクチャ層のヘッダ部の例を示す図である。
【図12】本発明を適用した画像情報復号装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の画像情報復号装置による画像情報復号処理を説明するフローチャートである。
【図14】本発明を用いた画像情報符号化装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の量子化部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図16】図14の逆量子化部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図17】図14の画像情報符号化装置による復号画像情報生成処理を説明するフローチャートである。
【図18】スキャン部によるスキャン方法の例を示す図である。
【図19】量子化精度に関するテーブルの例を示す図である。
【図20】量子化テーブルおよび逆量子化テーブルの構成例を示す図である。
【図21】図17のステップS45において実行される係数分離処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図22】図14の制御部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図23】図14の画像情報符号化装置による復号画像情報生成処理の他の例を説明するフローチャートである。
【図24】量子化テーブルおよび逆量子化テーブルの他の構成例を示す図である。
【図25】図14の直交変換部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図26】図14のスキャン部、量子化部、逆量子化部、逆スキャン部、および、制御部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図27】図14の逆直交変換部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図28】図14の画像情報符号化装置による復号画像情報生成処理の、さらに他の例を説明するフローチャートである。
【図29】図14の画像情報符号化装置による復号画像情報生成処理の、さらに他の例を説明する、図28に続くフローチャートである。
【図30】図14の画像情報符号化装置による復号画像情報生成処理の、さらに他の例を説明する、図29に続くフローチャートである。
【図31】本発明を適用した画像情報復号装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図32】図31の画像情報復号装置による、イントラ符号化された画像情報を復号する画像情報復号処理を説明するフローチャートである。
【図33】本発明を適用したパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
200 画像情報符号化装置, 203 量子化部, 204 符号化部, 212 制御部, 213 量子化ステップサイズ供給部, 214 符号化テーブル供給部, 250 画像情報復号装置, 251 復号部, 252 逆量子化部, 262 制御部, 263 復号テーブル供給部, 264 逆量子化ステップサイズ供給部, 300 画像情報符号化装置, 303 直交変換部, 304 スキャン部, 305 量子化部, 311 逆量子化部, 312 逆スキャン部, 313 逆直交変換部, 321 制御部, 600画像情報復号装置, 603 逆量子化部, 604 逆スキャン部, 621 制御部

Claims (48)

  1. 入力された画像情報を符号化する符号化装置であって、
    前記画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換手段と、
    前記画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定手段と、
    前記量子化精度決定手段により決定された前記量子化精度に基づいて、前記直交変換手段により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段により量子化された前記変換係数を符号化する符号化手段と
    を備えることを特徴とする符号化装置。
  2. 前記品質情報を取得する品質情報取得手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  3. 前記品質情報は、入力された前記画像情報のヘッダ部に含まれており、前記品質情報取得手段は、前記ヘッダ部より前記品質情報を抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の符号化装置。
  4. 前記品質情報取得手段は、ユーザにより入力された情報を前記品質情報として取得する
    ことを特徴とする請求項2に記載の符号化装置。
  5. 前記品質情報は、前記画像情報の、ビデオシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、前記変換ブロックを単位とする情報に対応する情報である
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  6. 前記変換ブロックは、4画素×4ラインのブロックである
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  7. 前記直交変換手段は、入力された前記画像情報を、離散コサイン変換処理する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  8. 前記直交変換手段は、入力された前記画像情報を、カルーネン・レーベ変換処理する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  9. 入力された前記画像情報は、各画素値が8ビットにより構成されており、
    前記直交変換手段は、8ビットの前記画像情報を直交変換し、11ビットの変換係数を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  10. 前記直交変換手段により前記画像情報を直交変換して得られた前記変換係数より、直流成分を抽出する直流成分抽出手段と、
    前記直流成分抽出手段により抽出された前記変換係数の直流成分のレベルを調整するレベル調整処理手段と、
    前記レベル調整処理手段によりレベルが調整された前記変換係数の直流成分に対して、前記直交変換処理を実行する直流成分直交変換手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  11. 前記直交変換手段、前記直流成分抽出手段、および、前記レベル調整処理手段を制御し、マクロブロック内の全ての前記変換ブロックに対して、それぞれ、前記直交変換処理、前記直流成分の抽出処理、および前記直流成分のレベル調整処理を実行させるループ制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項10に記載の符号化装置。
  12. 前記量子化精度決定手段は、前記品質情報に含まれる、要求されている画質、前記画像情報を圧縮した画像圧縮情報が伝送される通信媒体の伝送速度若しくは伝送容量、または、前記画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度若しくは記録容量の情報に基づいて、前記量子化精度を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  13. 前記量子化精度決定手段は、前記量子化精度を8ビット乃至11ビットの間で決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  14. 前記量子化精度決定手段により決定された前記量子化精度に基づいて、量子化処理における量子化ステップ幅を決定する量子化ステップ幅決定手段をさらに備え、
    前記量子化手段は、前記量子化ステップ幅決定手段により決定された前記量子化ステップ幅を用いて、前記変換係数を量子化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  15. 前記量子化手段は、
    前記変換係数を、第1の量子化精度に基づいて量子化される第1のグループと、前記第1の量子化精度より低い精度である第2の量子化精度に基づいて量子化される第2のグループに分離する変換係数分離手段と、
    前記第1のグループに含まれる前記変換係数を前記第1の量子化精度に基づいて量子化する第1の量子化処理手段と、
    前記第2のグループに含まれる前記変換係数を前記第2の量子化精度に基づいて量子化する第2の量子化処理手段と、
    前記第1の量子化処理手段により量子化された前記第1のグループの前記変換係数と、前記第2の量子化処理手段により量子化された前記第2のグループの前記変換係数を合成する変換係数合成手段と
    を備え、
    前記量子化精度決定手段は、前記品質情報に基づいて、前記第1の量子化精度および前記第2の量子化精度を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  16. 前記変換係数分離手段は、
    前記変換係数の直流成分、および一部の低周波の交流成分を前記第1のグループに分離し、
    前記変換係数の残りの交流成分を前記第2のグループに分離する
    ことを特徴とする請求項15に記載の符号化装置。
  17. 前記量子化手段は、
    前記変換係数の直流成分を量子化する直流成分量子化手段と、
    前記変換係数の交流成分を量子化する交流成分量子化手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  18. 前記量子化精度決定手段は、
    前記直流成分量子化手段における量子化精度を決定する直流成分量子化精度決定手段と、
    前記交流成分量子化手段における量子化精度を決定する交流成分量子化精度決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項17に記載の符号化装置。
  19. 前記量子化精度決定手段により決定される前記量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の符号化テーブルを保持する符号化テーブル保持手段と、
    前記量子化精度決定手段により決定される前記量子化精度に基づいて、前記符号化テーブルを選択する符号化テーブル選択手段と
    をさらに備え、
    前記符号化手段は、前記符号化テーブル選択手段により選択された前記符号化テーブルを用いて、前記量子化された変換係数を符号化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  20. 前記品質情報に基づいて、スキャンモードを決定するスキャンモード決定手段と、
    前記スキャンモード決定手段により決定された前記スキャンモードで、前記直交変換手段により直交変換された前記変換ブロック毎の変換係数をスキャンするスキャン手段と
    をさらに備え、
    前記量子化手段は、前記スキャン手段によりスキャンされた前記変換係数を量子化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  21. 前記スキャンモード決定手段は、1回のスキャンで前記変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするシングルスキャンモード、および、2回のスキャンにより前記変換ブロック内の全ての変換係数をスキャンするダブルスキャンモードのいずれか一方を選択し、前記スキャン手段において用いられるスキャンモードとして決定する
    ことを特徴とする請求項20に記載の符号化装置。
  22. 前記量子化精度決定手段により決定される前記量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の量子化テーブルを保持する量子化テーブル保持手段と、
    前記量子化精度決定手段により決定される前記量子化精度に基づいて、前記量子化テーブルを選択する量子化テーブル選択手段と
    をさらに備え、
    前記量子化手段は、前記量子化テーブル選択手段により選択された前記量子化テーブルを用いて、前記変換係数を量子化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  23. 入力された画像情報を符号化する符号化装置の符号化方法であって、
    前記画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、
    前記画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、
    前記量子化精度決定ステップの処理により決定された前記量子化精度により、前記直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、
    前記量子化ステップの処理により量子化された前記変換係数を符号化する符号化ステップと
    を含むことを特徴とする符号化方法。
  24. 入力された画像情報を符号化する符号化装置用のプログラムであって、
    前記画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、
    前記画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、
    前記量子化精度決定ステップの処理により決定された前記量子化精度に基づいて、前記直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、
    前記量子化ステップの処理により量子化された前記変換係数を符号化する符号化ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  25. 入力された画像情報を符号化する符号化装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記画像情報を、変換ブロック毎に直交変換する直交変換ステップと、
    前記画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の量子化精度を決定する量子化精度決定ステップと、
    前記量子化精度決定ステップの処理により決定された前記量子化精度に基づいて、前記直交変換ステップの処理により直交変換して得られた変換係数を量子化する量子化ステップと、
    前記量子化ステップの処理により量子化された前記変換係数を符号化する符号化ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  26. 入力された画像圧縮情報を復号する復号装置であって、
    前記画像圧縮情報を復号する復号手段と、
    前記復号手段による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定手段と、
    前記逆量子化精度決定手段により決定された前記逆量子化精度に基づいて、前記画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化手段と、
    前記逆量子化手段による逆量子化処理により得られた前記変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換手段と
    を備えることを特徴とする復号装置。
  27. 前記品質情報を取得する品質情報取得手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  28. 前記品質情報は、前記画像圧縮情報が復号された前記画像情報のヘッダ部に含まれており、前記品質情報取得手段は、前記ヘッダ部より前記品質情報を抽出する
    ことを特徴とする請求項27に記載の復号装置。
  29. 前記品質情報は、前記画像情報の、ビデオシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、または、前記変換ブロックを単位とする情報に対応する情報である
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  30. 前記変換ブロックは、4画素×4ラインのブロックである
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  31. 前記逆量子化精度決定手段により決定される前記逆量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の復号テーブルを保持する復号テーブル保持手段と、
    前記逆量子化精度決定手段により決定される前記逆量子化精度に基づいて、前記復号テーブルを選択する復号テーブル選択手段と
    をさらに備え、
    前記復号手段は、前記復号テーブル選択手段により選択された前記復号テーブルを用いて、入力された前記画像圧縮情報を復号する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  32. 前記逆量子化精度決定手段は、前記品質情報に含まれる、要求されている画質、前記画像圧縮情報が伝送される通信媒体の伝送速度若しくは伝送容量、または、前記画像圧縮情報が記録される記録媒体の記録密度若しくは記録容量の情報に基づいて、前記逆量子化精度を決定する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  33. 前記逆量子化精度決定手段は、前記逆量子化精度を8ビット乃至11ビットの間で決定する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  34. 前記逆量子化精度決定手段により決定された前記逆量子化精度に基づいて、逆量子化ステップ幅を決定する逆量子化ステップ幅決定手段をさらに備え、
    前記逆量子化手段は、前記逆量子化ステップ幅決定手段により決定された前記逆量子化ステップ幅を用いて、前記量子化された変換係数を逆量子化する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  35. 前記逆量子化手段は、
    前記量子化された変換係数を、第1の逆量子化精度に基づいて逆量子化される第1のグループと、前記第1の逆量子化精度より低い精度である第2の逆量子化精度に基づいて逆量子化される第2のグループに分離する変換係数分離手段と、
    前記第1のグループに含まれる前記量子化された変換係数を前記第1の逆量子化精度に基づいて逆量子化する第1の逆量子化処理手段と、
    前記第2のグループに含まれる前記量子化された変換係数を前記第2の逆量子化精度に基づいて逆量子化する第2の逆量子化処理手段と、
    前記第1の逆量子化処理手段により逆量子化された前記第1のグループの前記変換係数と、前記第2の逆量子化処理手段により逆量子化された前記第2のグループの前記変換係数を合成する変換係数合成手段と
    を備え、
    前記逆量子化精度決定手段は、前記品質情報に基づいて、前記第1の逆量子化精度および前記第2の逆量子化精度を決定する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  36. 前記変換係数分離手段は、
    前記量子化された変換係数の直流成分、および一部の低周波の交流成分を前記第1のグループに分離し、
    前記量子化された変換係数の残りの交流成分を前記第2のグループに分離する
    ことを特徴とする請求項35に記載の復号装置。
  37. 前記逆量子化手段は、
    前記量子化された変換係数の直流成分を逆量子化する直流成分逆量子化手段と、
    前記量子化された変換係数の交流成分を逆量子化する交流成分逆量子化手段と
    を備えることを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  38. 前記逆量子化精度決定手段は、
    前記直流成分逆量子化手段における逆量子化精度を決定する直流成分逆量子化精度決定手段と、
    前記交流成分逆量子化手段における逆量子化精度を決定する交流成分逆量子化精度決定手段と
    を備えることを特徴とする請求項37に記載の復号装置。
  39. 前記品質情報に基づいて、逆スキャンモードを決定する逆スキャンモード決定手段と、
    前記逆スキャンモード決定手段により決定された前記逆スキャンモードで、前記逆量子化手段により逆量子化された前記変換係数を逆スキャンする逆スキャン手段と
    をさらに備え、
    前記逆直交変換手段は、前記逆スキャン手段により逆スキャンされた前記変換ブロック毎の変換係数を逆直交変換する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  40. 前記逆スキャンモード決定手段は、1回の逆スキャンで前記変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするシングル逆スキャンモード、および、2回の逆スキャンにより前記変換ブロック内の全ての変換係数を逆スキャンするダブル逆スキャンモードのいずれか一方を選択し、前記逆スキャン手段において用いられる逆スキャンモードとして決定する
    ことを特徴とする請求項39に記載の復号装置。
  41. 前記逆量子化精度決定手段により決定される前記逆量子化精度の各精度にそれぞれ対応する、複数の逆量子化テーブルを保持する逆量子化テーブル保持手段と、
    前記逆量子化精度決定手段により決定される前記逆量子化精度に基づいて、前記逆量子化テーブルを選択する逆量子化テーブル選択手段と
    をさらに備え、
    前記逆量子化手段は、前記逆量子化テーブル選択手段により選択された前記逆量子化テーブルを用いて、前記量子化された変換係数を逆量子化する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  42. 前記逆直交変換手段は、前記逆量子化された変換係数を、逆離散コサイン変換処理する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  43. 前記逆直交変換手段は、前記逆量子化された変換係数を、逆カルーネン・レーベ変換処理する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  44. 逆量子化された前記変換係数の直流成分に対して、前記逆直交変換処理を実行する直流成分逆直交変換手段と、
    前記直流成分逆直交変換手段により逆直交変換された前記変換係数の直流成分のレベルを調整するレベル調整処理手段と、
    前記レベル調整処理手段によりレベルが調整された前記変換係数の直流成分と、前記変換係数の交流成分を合成する変換係数合成手段と
    をさらに備え、
    前記逆直交変換手段は、前記変換係数合成手段により合成された前記変換係数を逆直交変換する
    ことを特徴とする請求項26に記載の復号装置。
  45. 前記逆直交変換手段、前記レベル調整手段、および前記変換係数合成手段を制御し、マクロブロック内の全ての前記変換ブロックに対して、それぞれ、前記逆直交変換処理、前記直流成分のレベル調整処理、および、前記変換係数の合成処理を実行させるループ制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項44に記載の復号装置。
  46. 入力された画像圧縮情報を復号する復号装置の符号化方法であって、
    前記画像圧縮情報を復号する復号ステップと、
    前記復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、
    前記逆量子化精度決定ステップの処理により決定された前記逆量子化精度に基づいて、前記画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、
    前記逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた前記変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップと
    を含むことを特徴とする復号方法。
  47. 入力された画像圧縮情報を復号する復号装置用のプログラムであって、
    前記画像圧縮情報を復号する復号ステップと、
    前記復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、
    前記逆量子化精度決定ステップの処理により決定された前記逆量子化精度に基づいて、前記画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、
    前記逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた前記変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  48. 入力された画像圧縮情報を復号する復号装置を制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記画像圧縮情報を復号する復号ステップと、
    前記復号ステップの処理による復号処理により得られた画像情報が対応する画像の画質情報を含む品質情報に基づいて、前記画像情報の逆量子化精度を決定する逆量子化精度決定ステップと、
    前記逆量子化精度決定ステップの処理により決定された前記逆量子化精度に基づいて、前記画像情報に含まれる量子化された変換係数を逆量子化する逆量子化ステップと、
    前記逆量子化ステップの処理による逆量子化処理により得られた前記変換係数を、変換ブロック毎に逆直交変換する逆直交変換ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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