JP2004054597A - 個人識別装置、個人識別方法、プログラム、および記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】非登録者によるなりすましがし難く、また、不正な新規登録がし難い個人識別装置を提供すること。
【解決手段】筐体2内に収容された表示装置3の表示情報が、入射窓1を介して被識別者に目視され、この表示情報に対応する情報が被識別者によって入力装置18に入力される。表示装置3を視認する被識別者の眼を固体撮像素子4で撮像して被識別者の虹彩パターン情報を形成する。この被識別者の虹彩パターン情報と記憶装置19に予め記憶された登録者の虹彩パターン情報とが一致し、かつ、表示装置3に表示した情報と入力装置に入力された情報とが一致した場合、被識別者が登録者であると判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】筐体2内に収容された表示装置3の表示情報が、入射窓1を介して被識別者に目視され、この表示情報に対応する情報が被識別者によって入力装置18に入力される。表示装置3を視認する被識別者の眼を固体撮像素子4で撮像して被識別者の虹彩パターン情報を形成する。この被識別者の虹彩パターン情報と記憶装置19に予め記憶された登録者の虹彩パターン情報とが一致し、かつ、表示装置3に表示した情報と入力装置に入力された情報とが一致した場合、被識別者が登録者であると判断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人識別装置、個人識別方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及を背景に、情報の電子化や、電子情報のネットワークを通じた交換が急速に進展しており、これに伴って、情報の機密管理の重要性が高まりつつある。機密性が要求される情報については、ユーザ名とパスワードの入力を受け付ける個人識別装置を設け、上記入力されたユーザ名とパスワードが予め登録されているか否かを判断して、そのユーザが情報にアクセス可能か否かを判断している。
【0003】
しかしながら、上記パスワードは盗まれ易いので、上記ユーザ名とパスワードを用いた個人識別装置は、盗んだパスワードを使用して情報に不正アクセスする、いわゆるなりすましを防止し難いという不都合がある。また、予め登録されてアクセスが許されているユーザであっても、パスワードを忘れてしまうと情報にアクセスできないという不都合がある。そこで、万人固有であって長期に亘って殆ど変化しない指紋や虹彩などを利用して個人識別を行う、いわゆるバイオメトリクスが採用され始めている。特に、眼の虹彩によってアクセス者を識別する個人識別装置は、指紋による個人識別装置に比べて、識別精度が1乃至2桁以上良好であるので、電子商取引システムなどの高度な機密性が要求されるシステムに用いられ始めている。
【0004】
そのような虹彩による個人識別装置として、従来、図5に示すようなものがある。この個人識別装置は、入射窓101を有する筐体102を有し、この筐体102内に、表示装置103、固体撮像素子104、近赤外線光源105、および反射器106を備える。この個人識別装置は、入出力制御装置(以下I/Oという)108、ROM(読取り専用メモリ)109、RAM(随時読出し書込みメモリ)110、およびCPU(中央演算装置)111が互いにバス112を介して接続されてなる制御部107を備える。上記ROM109にはCPU111によって実行される制御プログラムが格納されており、上記RAM110には、登録者の虹彩パターン情報が予め記憶されている。上記I/O108は回路およびドライバを介して上記表示装置103、固体撮像素子104、および近赤外線光源105にそれぞれ接続されている。上記制御部107は、さらに、上記表示装置103を制御するための表示回路113と、上記固体撮像素子104を制御するための撮像回路114とに上記バス112を介して接続されており、上記表示回路113と撮像回路114はCPU111によって制御されるようになっている。この個人識別装置は、図示しない電源に接続されている。
【0005】
図6は、上記従来の個人識別装置の動作の様子を説明したフロー図である。まず、識別されるべき被識別者が、眼115を入射窓101に接眼して識別装置の始動操作をすると、CPU111の制御の下で近赤外線光源105が近赤外線光を出射し、この近赤外線光が光路Aを進んで被識別者の眼115に達する。この被識別者の眼115で反射した近赤外線光は、第2の光路Bを進んで反射器106に達し、この反射器106の表面で略全ての光が反射されて、上記光路Bに略直交する光路Cを進んで固体撮像素子104に入射し、この固体撮像素子104で眼115の虹彩が撮像される(S601)。
【0006】
上記固体撮像素子104からの情報を用いて、眼115の虹彩パターン情報が作成される(S602)。この虹彩パターン情報は、RAM110内に保持されると共に、上記表示装置103に送出されて表示装置103に虹彩像が表示される。この虹彩像を表示する表示装置103の光は、光路Dを経て上記反射器106に達し、この反射器106を透過して光路Eを進んで、入射窓101に接眼している被識別者の眼115に入射する。これによって、被識別者は上記表示装置103に表示された自らの虹彩像を見ることができ、この表示装置103に、虹彩像が例えば表示装置103の表示領域から逸脱したりすることなく適切に表示されるように、筐体102の入射窓101に対する眼115の位置を調節する。これによって、固体撮像素子104に適切に虹彩が撮像される。
【0007】
続いて、ステップS603では、RAM110に予め記憶されている登録者の虹彩パターン情報と、上記ステップS602でRAM110に格納された上記被識別者の虹彩パターン情報とを、所定のアルゴリズムに基いて比較し、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致するか否かを判断する。
【0008】
ステップS603で、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致すると判断された場合、上記被識別者は登録者であると識別され、上記被識別者に、この個人識別装置が接続されたシステムへのログオンを許可する(S608)。
【0009】
一方、ステップS603で、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致しないと判断された場合、上記被識別者の新規登録の要否の入力を受け付け(S604)、その入力に基いて新規登録を実行するか否かを判断する(S605)。そして、新規登録が必要であればステップS606に進み、上記被識別者が登録資格を有するか否かを判断する。すなわち、上記被識別者に、図示しないテンキーを介して暗証番号の入力を促す。このテンキーで入力された番号が、登録資格を有する者に予め通知されていた暗証番号に一致した場合、上記被識別者は登録資格を有すると判断されて、上記被識別者の虹彩パターン情報を登録虹彩パターン情報として登録し(S607)、ステップS603に戻る。
【0010】
上記ステップS606で、テンキーからの入力が登録資格を有する者に予め通知されていた暗証番号と一致しなくて、上記被識別者が登録資格を有していないと判断された場合、上記被識別者の虹彩パターン情報を破棄して(S609)、個人識別装置の処理を終了する。
【0011】
また、上記ステップS605において、上記被識別者の新規登録が不要であればS609に進んで被識別者の虹彩パターン情報を破棄して、個人識別装置の処理を終了する。
【0012】
このようにして、上記個人識別装置は、被識別者が予め登録された登録者であるか否かを判断し、また、新規の被識別者を登録者として登録するようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の個人識別装置は、なりすましや、不正な新規登録がされ易いという問題がある。すなわち、登録者の虹彩パターンと同一のパターンを有する偽造虹彩を入射窓101の前に配置すると、この偽造虹彩によって形成された虹彩パターン情報は、RAM110に予め記憶されている登録者の虹彩パターン情報と同一になるから、上記偽造虹彩を用いた被識別者が、登録者であると判断してしまう。また、偽造虹彩を用いない場合であっても、上記ステップS606において、不正入手された暗証番号が入力されることによって、無資格者を有資格者として新規登録してしまう。
【0014】
そこで、本発明の目的は、非登録者によるなりすましがし難く、また、不正な新規登録がし難い個人識別装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の個人識別装置は、情報を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示される情報を被識別者のみに視認させる視認制限手段と、
上記被識別者によって情報が入力される入力手段と、
上記被識別者の眼の特徴によって、この被識別者を識別する識別手段と
を備えることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、上記表示手段に情報が表示され、この表示手段を視認した被識別者によって上記入力手段に情報が入力される。上記入力手段に入力された情報と上記表示手段に表示された情報とを照合することによって、上記被識別者の眼が、実際に表示手段を視認しているか否か、すなわち、偽造されていない真正の眼であるか否かが判断できる。したがって、上記識別手段で、確実に被識別者の眼の特徴によって、上記被識別者が識別される。その結果、この個人識別装置は、従来におけるような偽造した眼を用いたなりすましが、確実に防止できる。
【0017】
なお、上記被識別者の眼の特徴として、例えば眼球の虹彩パターンによって被識別者を識別するのが好ましい。これによって、上記被識別者が高精度に識別される。また、上記被識別者の眼の特徴として、眼球の虹彩パターン以外の網膜パターン、強膜の血管パターンまたは角膜に関する情報などの他のものを利用してもよい。また、眼球に限られず、瞼の皺および形状など、眼に関する特徴を用いて被識別者を識別してもよい。
【0018】
ここにおいて、上記個人識別装置は、上記表示手段を視認する被識別者の眼を撮像する撮像手段と、上記撮像手段によって撮像された撮像情報を用いて、上記被識別者の眼に関する被識別者情報を形成する被識別者情報形成手段と、登録者の眼に関する登録者情報が予め記憶された記憶手段と、上記被識別者情報形成手段で形成された被識別者情報と、上記記憶手段に予め記憶された登録者情報とを比較する情報比較手段とを備えてもよい。これによって、上記被識別者の眼に関する上記識別者情報が適切に形成され、この識別者情報と上記登録者情報とが比較されて、この識別者情報と登録者情報とが一致するか否かを判断することによって、上記被識別者が登録者であるか否かが、確実に判断される。
【0019】
1実施形態の個人識別装置は、上記表示手段は、可視光を出射する光源を含む。
【0020】
上記実施形態によれば、上記表示手段の情報が上記光源によって明瞭に表示されるから、その情報が被識別者に確実に認識される。また、上記光源からの可視光が上記被識別者の眼に照射されることによって、従来におけるような近赤外線光源などの光出射手段を別個に用いることなく、上記被識別者の眼の特徴が明らかになる。その結果、上記被識別者が高精度に識別される。
【0021】
1実施形態の個人識別装置は、上記視認制限手段は、上記表示手段を収容する筐体と、この筐体に設けられて上記被識別者のみに接眼される接眼部とを含む。
【0022】
上記実施形態によれば、上記視認制限手段によって、上記表示手段が確実に被識別者のみに視認されるので、被識別者以外の者が表示手段の情報の盗み見ることが防止できる。
【0023】
1実施形態の個人識別装置は、上記被識別者の眼を撮像する撮像手段を備え、
上記表示手段からの出射光が上記被識別者の眼に至る第1光路と、上記被識別者の眼の反射光が上記撮像手段に至る第2光路とが形成される。
【0024】
上記実施形態によれば、上記第1光路を経て表示手段から被識別者に向う光によって、情報が被識別者に確実に伝達されると共に、上記被識別者の眼が照射される。この被識別者の眼に照射されて反射した光が、上記第2光路を進行して上記撮像手段に達することによって、この撮像手段で上記被識別者の眼が確実かつ明瞭に撮像される。
【0025】
1実施形態の個人識別装置は、上記第1光路を進行する光を略全て透過する一方、上記第2光路を進行する光を略全て反射する反射器を備える。
【0026】
上記実施形態によれば、上記第1光路上に上記反射器を配置することによって、上記表示手段からの光を略全て被識別者の眼に導くと共に、この被識別者の眼の反射光の略全てを、上記第2光路を介して上記撮像手段に導くことができる。
【0027】
本発明の個人識別方法は、入力手段に入力された入力情報が、表示手段に表示された表示情報に適合するか否かを判断する工程と、
被識別者の眼の特徴を表す情報と、登録者の眼の特徴を表す情報とが一致するか否かを判定する工程と、
上記入力情報が表示情報に適合すると判定され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別する工程と
を備えることを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、上記入力手段に入力された入力情報が、上記表示手段に表示された表示情報に適合するか否かが判断されるので、上記表示手段が被識別者によって実際に目視されているか否かが判断される。したがって、上記被識別者が、偽造した眼を用いているか否かが判断される。その結果、上記被識別者自身の真正の眼の特徴と、上記登録者の眼の特徴とが一致するか否かが判定されるので、上記被識別者が登録者であるか否かが正確に識別される。その結果、従来におけるような被識別者が偽造の眼を用いて登録者になりすますことが、確実に防止される。
【0029】
なお、上記個人識別方法は、上記入力情報が表示情報に適合すると判定され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致しないと判定された場合、上記被識別者の眼の特徴を表す情報を登録者の眼の特徴を表す情報として追加登録する工程を有してもよい。これによって、被識別者自身の真正の眼について、その特徴を表す情報が登録者の情報として登録される。したがって、偽造の眼の特徴を表す情報が登録者の情報として登録されることが、確実に防止できる。
【0030】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は文字または数字を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記文字または数字と同一の文字または数字を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0031】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された文字または数字と同一の文字または数字を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。
【0032】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は数式を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記数式の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0033】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された数式の正解を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。
【0034】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は質問を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記質問の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0035】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された質問に対する正解を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。また、所定の質問に対する答えを、登録資格を有する者に予め通知しておくことによって、上記被識別者が登録資格を有するか否かが正確に識別される。
【0036】
1実施形態の個人識別方法は、表示手段に、互いに異なる複数の上記表示情報をランダムに表示する。
【0037】
上記実施形態によれば、上記互いに異なる複数の表示情報に、例えば序数を付して、この序数を乱数表に基いて呼出すことなどによって、複数の上記表示情報がランダムに表示される。したがって、上記表示手段に表示された表示情報が、非登録者や、新たに登録される資格のない無資格者などに盗み見られた場合であっても、非登録者や無資格者によるなりすましが高い確率で防止される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の個人識別装置を示す図である。この個人識別装置は、接眼部としての入射窓1を備える筐体2内に、表示手段としての表示装置3と、撮像手段としての固体撮像素子4と、反射器6とを備える。また、上記表示装置3を目視する被識別者によって入力される入力手段としての入力装置18が設けられている。上記表示装置3は、上記筐体2内に配置され、上記入射窓1を通して被識別者によって目視されるようになっているので、上記表示装置3の表示内容は被識別者以外の者には見えないようになっている。すなわち、上記筐体2と入射窓1とで、視認制限手段をなしている。上記表示装置3は可視光を出射する図示しない光源を含んでいる。
【0040】
上記個人識別装置は制御部7を備え、この制御部7は、バス12を介して互いに接続されたI/O8、記憶手段としての記憶装置19、CPU11を備える。この個人識別装置は、上記記憶装置19に記憶されてCPU11で実行される制御プログラムによって制御される。この制御プログラムが実行されるCPU11が、被識別者情報形成手段および情報比較手段として機能する。上記記憶装置19は、1つ以上の虹彩パターン情報を記憶できる容量を有する。上記I/O8は、所定の回路やドライバを経て、上記表示装置3、固体撮像素子4、および入力装置18に接続されている。この個人識別装置は、図示しない電源に接続されている。
【0041】
また、上記制御部7は、バス12を介して、上記表示装置1を制御するための表示回路13と、上記固体撮像素子4を制御するための撮像回路14とに接続し、上記表示回路13および撮像回路14はCPU11によって制御されるようになっている。
【0042】
上記構成の個人識別装置を、予め登録された登録者のみに操作を許す必要があるシステムに接続する。上記制御部の記憶装置19には、上記登録者の眼の特徴の一例としての虹彩パターン情報を、予め記憶させておく。
【0043】
上記システムを操作しようとする被識別者は、上記個人識別装置の筐体2入射窓1に接眼し、図示しない起動スイッチを操作する。そうすると、上記個人識別装置のCPU11で、上記記憶装置19に記憶されている制御プラグラムが実行されて、図2のフロー図に示す処理が行われる。すなわち、上記表示装置3に、所定の情報が表示されて可視光が出射する。この表示装置3から出射された光は、第1の光路aに沿って反射器6に達し、この反射器6を透過して入射窓1から筐体2の外に出て被識別者の眼15に達する。この被識別者の眼15で上記表示装置3からの光が反射し、この反射光は第2の光路bに沿って反射器6に達する。上記反射器6の表裏面には表面処理が施されており、上記光路aに沿って入射する光は略全て透過する一方、上記光路bに沿って入射する光は略全て反射するようになっている。この反射器6で、上記被識別者の眼15からの光は略全てが反射されて、上記第2の光路bに略直交する第3の光路cに沿って固体撮像素子4に達する。この固体撮像素子4で上記被識別者の眼15からの入射光が電気信号に変換されて、上記被識別者の眼が撮像されて、この被識別者の虹彩が撮像される(S201)。
【0044】
続いて、上記CPU11は、上記固体撮像素子4で撮像された撮像情報から虹彩パターンを抽出して、被識別者の虹彩パターン情報を形成する(S202)。この虹彩パターン情報を、上記記憶装置19に格納すると共に上記表示回路13に送出して、表示装置3に被識別者の虹彩パターンを表示させる。この表示装置3に表示した虹彩パターンを被識別者に目視させることによって、被識別者の眼15の上記入射窓1に対する位置を調節させて、表示装置3に被識別者の虹彩パターンがずれたりすることなく適切に表示されるようにする。これによって、適切に被識別者の眼15が撮像されて、ずれや欠けなどの無い適切な虹彩パターン情報が形成される。
【0045】
続いて、上記記憶装置19に予め記憶された登録者の虹彩パターン情報と、ステップS202で記憶装置19に格納した被識別者の虹彩パターン情報とを、所定のアルゴリズムに基いて比較し、上記登録者の虹彩パターン情報と被識別者の虹彩パターン情報とが一致するか否かを判定する(S203)。
【0046】
上記ステップS203において、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者のものと一致すると判定されると上記被識別者が登録者であると判断して、この個人識別装置が接続されたシステムへの被識別者のログオンを許可する。
【0047】
上記ステップS203において、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者のものと一致しないと判定されると、ステップS204に進んで、被識別者から新規登録の要否の入力を受付ける。この入力によって新規登録の要否を判断し(S205)、新規登録が必要な場合は、表示装置3に乱数を表示する(S206)。そして、上記表示装置3を視認する被識別者からの入力を、入力装置18を介して受付ける(S207)。ここで、上記固体撮像素子4が撮像している情報と、ステップS201において固体撮像素子4が撮像した情報とを比較することによって、上記被識別者が表示装置3を視認したままであるか否かを判定する(S208)。上記被識別者が表示装置3を視認したままであると判定された場合、ステップS209に進み、上記入力装置18に入力された情報と、上記表示装置3に表示された情報とが一致するか否かを判定する。すなわち、被識別者が、入力装置18に、表示装置3に表示された乱数と同一の数を入力したか否かを判定する。これによって、上記被識別者が表示装置3を実際に視認しているか否かが判定される。ここで、上記ステップS208において、上記被識別者は表示装置3を視認したままであると判定されているから、上記固体撮像素子4が撮像してなる虹彩パターン情報は、確実に被識別者の眼の虹彩パターンを示している。
【0048】
上記ステップS209において、上記入力装置18に入力された情報と表示装置3に表示された情報とが一致すると判定された場合、ステップS210に進んで、被識別者から、新規登録者を特定するための情報(本実施形態では、一例としてのパスワード)の入力を受付ける。この新規登録者を特定するための情報(パスワード)と、予め登録資格を有する者に通知されている情報(パスワード)とを比較して、上記被識別者は新規に登録される資格を有するか否かを判定する(S211)。上記被識別者が登録資格を有する場合、その被識別者の虹彩パターン情報を、登録者の虹彩パターン情報として記憶装置19に記憶する(S212)。その後、ステップS203に戻って、被識別者の虹彩パターン情報と登録者の虹彩パターン情報とが一致するか否かを判定する。
【0049】
上記ステップS205において新規登録が不要であると判断された場合、上記ステップS208において被識別者が表示装置3を視認したままでないと判定された場合、ステップS209において被識別者による入力情報が表示情報に一致しないと判定された場合、およびステップS211において被識別者が登録資格を有しないと判定された場合のいずれについても、ステップS214に進んで、上記被識別者の虹彩パターン情報を破棄して個人識別装置の動作を終了する。
【0050】
上記実施形態の個人識別装置は、上記S206において表示装置3に表示される情報は乱数であるので、この表示装置3に表示されて入力装置18から入力されるべき情報は、個人識別装置が動作する毎に変化する。これによって、被識別者が実際に表示装置3を視認しているか否かが確実に確認できて、非登録者による登録者のなりすましが確実に防止できる。
【0051】
上記実施形態において、上記ステップS206で表示装置3に表示される情報は乱数に限られず、文字や所定の数式や所定の質問であってもよい。この場合、上記ステップS207で入力装置18に入力された情報が、上記文字と同一の文字や、上記所定の数式の正解の値や、上記所定の質問の正解を表す情報である場合、ステップS209で上記入力情報は表示情報に適合する、すなわち入力情報が表示情報に一致すると判定して、ステップS210に進むようにすればよい。
【0052】
また、この場合、各々異なる上記複数の文字、数式、および質問を予め記憶装置19に記憶しておき、これらの文字、数式、および質問に序数を付して、個人識別装置が動作する毎に、上記序数に対応する文字、数式、および質問を乱数表に基いて表示装置3に表示すればよい。これによって、上記文字、数式、および質問が、個人識別装置が動作する毎にランダムに表示装置3に表示されるので、非登録者や、登録資格のない無資格者などが上記表示装置3に表示された情報を盗み見ても、その盗み見られた情報が再び表示装置2に表示される確率は非常に小さいから、上記非登録者や無資格者によるなりすましが高い確率で防止できる。
【0053】
また、上記撮像手段としての固体撮像素子4は、表示装置3を視認している被識別者の眼を撮影するのであれば、上記表示装置3が表示情報を表示してから、上記被識別者によって入力手段18に入力情報が入力されるまでの期間において、どの時点で被識別者の眼を撮像してもよい。
【0054】
また、上記ステップS210において、パスワードが入力されて被識別者が新規登録の資格を有するか否かが判定されたが、他の方法を用いてもよい。例えば、ステップS206において表示装置3に所定の質問を表示し、この質問の正解を予め有資格者のみに通知しておき、その正解がステップS207において入力装置18で入力されたか否かを判定して、被識別者が新規登録の有資格者であるか否かを判定してもよい。
【0055】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。本実施形態の個人識別装置は、CPUで実行される制御プログラムが異なる点のみが、第1実施形態の個人識別装置と異なる。本実施形態の個人識別装置おいて、第1実施形態の個人識別装置と同一の部分については同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。
【0056】
本実施形態の個人識別装置は、第1実施形態の個人識別装置において被識別者の新規登録が必要と判断された(S205)後には、被識別者が表示装置3を見たままでいるか否かを判定する処理と、表示装置3の表示情報と入力装置18の入力情報とが一致するか否かを判定する処理(S206,S207,S208,S209)とを実行しない。
【0057】
一方、図3のフロー図に示すように、ステップS203において、被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された後に、表示装置3に乱数を表示する(S306)。そして、上記表示装置3を視認する被識別者からの入力を、入力装置18を介して受付ける(S307)。ここで、上記固体撮像素子4が撮像している情報と、ステップS201において固体撮像素子4が撮像した情報とを比較することによって、上記被識別者が表示装置3を視認したままであるか否かを判定する(S308)。上記被識別者が表示装置3を視認したままであると判定された場合、ステップS309に進み、上記入力装置18に入力された情報と、上記表示装置3に表示された情報とが一致するか否かを判定する。これによって、上記被識別者が表示装置3を実際に視認しているか否かが判定される。そして、上記入力装置18に入力された情報と表示装置3に表示された情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別し、S213に進んで、この個人識別装置が接続されたシステムへの上記被識別者のログオンを許可する。
【0058】
本実施形態によれば、ステップS203において虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された被識別者について、上記虹彩パターン情報が確実に被識別者の眼を撮像して作成されたことが確認できるから、被登録者が偽造の虹彩パターンを用いて登録者になりすますことが確実に防止できる。
【0059】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。本実施形態の個人識別装置は、CPUで実行される制御プログラムが異なる点のみが、第1実施形態の個人識別装置と異なる。本実施形態の個人識別装置おいて、第1実施形態の個人識別装置と同一の部分については同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
本実施形態の個人識別装置は、第1実施形態の個人識別装置において、被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された(S203)後に、さらに、被識別者が表示装置3を見たままでいるか否かを判定する処理と、表示装置3の表示情報と入力装置18の入力情報とが一致するか否かを判定する処理(S306,S307,S308,S309)を実行する。すなわち、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報と一致すると判定された場合と、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報と一致しなくて被識別者を登録者として新規登録する場合とのいずれにおいて、被識別者が実際に表示装置3を視認しているか否かを判定する。これによって、ステップS202において形成された虹彩パターンが、確実に被識別者自身の眼の虹彩から形成されたか否かが判定されるので、非登録者による登録者のなりすましや、新規登録資格を有しない者が登録者として記憶されることが確実に防止できる。
【0061】
上記第1乃至第3実施形態において、上記入力手段18は、キーボード、スイッチ、およびマイクなど、表示手段に表示された情報に応じて被識別者が情報を入力できるものであれば何でも良い。
【0062】
上記表示装置3は、光によって情報を表示する機能を有するものであれば、液晶表示装置、EL(エレクトロ・ルミネセンス)ディスプレイ、あるいはLED(発光ダイオード)ディスプレイなど、どのような表示装置であってもよい。
【0063】
また、上記固体撮像素子4による撮像情報から抽出され、記憶装置19に予め記憶された登録情報との一致が判定される情報は、眼球の虹彩パターンに限られず、眼球の網膜パターン、強膜の血管パターンおよび角膜に関する情報など、眼の特徴を表す他の情報であってもよい。また、眼球以外の瞼の特徴など、眼に関する特徴を表すのであれば他の情報でもよい。
【0064】
また、上記筐体2および入射窓1によって視認制限手段を形成したが、指向性を所定方向に限定する光学手段を設け、この光学手段によって表示手段3の出射光を被識別者のみに導くようにして視認制限手段を形成してもよい。
【0065】
本発明の個人識別装置は、汎用性を有するコンピュータを用いて構成してもよい。すなわち、図2乃至4のいずれか1つのフロー図に示した処理を実行するプログラムを、汎用コンピュータのCPUに実行させて、上記汎用コンピュータを個人識別装置として機能させてもよい。この場合、上記表示装置3、固体撮像素子4、および反射器6を筐体2によって収容してなるユニットを、上記汎用コンピュータに接続するのみで、簡易に小型の個人識別装置が構成できる。
【0066】
本発明の個人識別装置に接続され、そのアクセスの可否が判断されるシステムは、コンピュータ、ATM(自動現金預払機)、あるいは自動扉など、予め登録された登録者のみに動作を許す必要があるものであれば何でもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の個人識別装置によれば、情報を表示する表示手段と、上記表示手段に表示される情報を被識別者のみに視認させる視認制限手段と、被識別者によって情報が入力される入力手段と、上記被識別者の眼の特徴によって、この被識別者を識別する識別手段とを備えるので、上記入力手段に入力された情報と上記表示手段に表示された情報とを照合することによって、上記被識別者の眼は、偽造されていない真正の眼であるか否かが判断できる。したがって、被識別者の真正の眼に基いて個人識別ができるので、従来におけるような非登録者が偽造した眼を用いて登録者になりすますことが確実に防止できる。
【0068】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記表示手段は、可視光を出射する光源を含むので、上記表示手段の情報が被識別者に確実に認識され、また、上記被識別者の眼の特徴が明らかにできる。
【0069】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記視認制限手段は、上記表示手段を収容する筐体と、この筐体に設けられて上記被識別者のみに接眼される接眼部とを含むので、非登録者による表示手段の情報の盗み見が防止できて、非登録者による登録者のなりすましが効果的に防止できる。
【0070】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記被識別者の眼を撮像する撮像手段を備え、上記表示手段からの出射光が上記被識別者の眼に至る第1光路と、上記被識別者の眼の反射光が上記撮像手段に至る第2光路とが形成されるので、上記第1光路を進む光によって、情報が被識別者に確実に伝達できると共に上記被識別者の眼を照射でき、上記第2光路を進む光によって、上記被識別者の眼が確実かつ明瞭に撮像できる。
【0071】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記第1光路を進行する光を略全て透過する一方、上記第2光路を進行する光を略全て反射する反射器を備えるので、上記第1光路上に上記反射器を配置することによって、上記表示手段からの光を略全て被識別者の眼に導くと共に、上記第2光路を介して被識別者の眼の反射光の略全てを上記撮像手段に導くことができる。
【0072】
本発明の個人識別方法によれば、入力手段に入力された入力情報が、表示手段に表示された表示情報に適合するか否かを判断する工程と、被識別者の眼の特徴を表す情報と、登録者の眼の特徴を表す情報とが一致するか否かを判定する工程と、上記入力情報が表示情報に適合すると判断され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別する工程とを備えるので、上記表示手段が被識別者の真正の眼で目視されているか否かが判断でき、これによって、上記被識別者が偽造した眼を用いているか否かが判断できる。その結果、被識別者による登録者のなりすましが確実に防止できる。
【0073】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は文字または数字を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記文字または数字と同一の文字または数字を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定できる。
【0074】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は数式を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記数式の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定できる。
【0075】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は質問を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記質問の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定でき、また、所定の質問に対する答えを、登録資格を有する者に予め通知しておくことによって、上記被識別者が登録資格を有するか否かが正確に識別できる。
【0076】
1実施形態の個人識別方法によれば、表示手段に、互いに異なる複数の上記表示情報をランダムに表示するので、上記表示情報が非登録者などに盗み見られても、非登録者などによるなりすましが高い確率で防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の個人識別装置を示す図である。
【図2】第1実施形態の個人識別装置が実行する処理を示したフロー図である。
【図3】第2実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図4】第3実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図5】従来の個人識別装置を示す図である。
【図6】従来の個人識別装置の動作の様子を説明したフロー図である。
【符号の説明】
1 入射窓
2 筐体
3 表示装置
4 固体撮像素子
6 反射器
7 制御部
8 I/O
11 CPU
12 バス
13 表示回路
14 撮像回路
18 入力装置
19 記憶装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人識別装置、個人識別方法、プログラム、および記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及を背景に、情報の電子化や、電子情報のネットワークを通じた交換が急速に進展しており、これに伴って、情報の機密管理の重要性が高まりつつある。機密性が要求される情報については、ユーザ名とパスワードの入力を受け付ける個人識別装置を設け、上記入力されたユーザ名とパスワードが予め登録されているか否かを判断して、そのユーザが情報にアクセス可能か否かを判断している。
【0003】
しかしながら、上記パスワードは盗まれ易いので、上記ユーザ名とパスワードを用いた個人識別装置は、盗んだパスワードを使用して情報に不正アクセスする、いわゆるなりすましを防止し難いという不都合がある。また、予め登録されてアクセスが許されているユーザであっても、パスワードを忘れてしまうと情報にアクセスできないという不都合がある。そこで、万人固有であって長期に亘って殆ど変化しない指紋や虹彩などを利用して個人識別を行う、いわゆるバイオメトリクスが採用され始めている。特に、眼の虹彩によってアクセス者を識別する個人識別装置は、指紋による個人識別装置に比べて、識別精度が1乃至2桁以上良好であるので、電子商取引システムなどの高度な機密性が要求されるシステムに用いられ始めている。
【0004】
そのような虹彩による個人識別装置として、従来、図5に示すようなものがある。この個人識別装置は、入射窓101を有する筐体102を有し、この筐体102内に、表示装置103、固体撮像素子104、近赤外線光源105、および反射器106を備える。この個人識別装置は、入出力制御装置(以下I/Oという)108、ROM(読取り専用メモリ)109、RAM(随時読出し書込みメモリ)110、およびCPU(中央演算装置)111が互いにバス112を介して接続されてなる制御部107を備える。上記ROM109にはCPU111によって実行される制御プログラムが格納されており、上記RAM110には、登録者の虹彩パターン情報が予め記憶されている。上記I/O108は回路およびドライバを介して上記表示装置103、固体撮像素子104、および近赤外線光源105にそれぞれ接続されている。上記制御部107は、さらに、上記表示装置103を制御するための表示回路113と、上記固体撮像素子104を制御するための撮像回路114とに上記バス112を介して接続されており、上記表示回路113と撮像回路114はCPU111によって制御されるようになっている。この個人識別装置は、図示しない電源に接続されている。
【0005】
図6は、上記従来の個人識別装置の動作の様子を説明したフロー図である。まず、識別されるべき被識別者が、眼115を入射窓101に接眼して識別装置の始動操作をすると、CPU111の制御の下で近赤外線光源105が近赤外線光を出射し、この近赤外線光が光路Aを進んで被識別者の眼115に達する。この被識別者の眼115で反射した近赤外線光は、第2の光路Bを進んで反射器106に達し、この反射器106の表面で略全ての光が反射されて、上記光路Bに略直交する光路Cを進んで固体撮像素子104に入射し、この固体撮像素子104で眼115の虹彩が撮像される(S601)。
【0006】
上記固体撮像素子104からの情報を用いて、眼115の虹彩パターン情報が作成される(S602)。この虹彩パターン情報は、RAM110内に保持されると共に、上記表示装置103に送出されて表示装置103に虹彩像が表示される。この虹彩像を表示する表示装置103の光は、光路Dを経て上記反射器106に達し、この反射器106を透過して光路Eを進んで、入射窓101に接眼している被識別者の眼115に入射する。これによって、被識別者は上記表示装置103に表示された自らの虹彩像を見ることができ、この表示装置103に、虹彩像が例えば表示装置103の表示領域から逸脱したりすることなく適切に表示されるように、筐体102の入射窓101に対する眼115の位置を調節する。これによって、固体撮像素子104に適切に虹彩が撮像される。
【0007】
続いて、ステップS603では、RAM110に予め記憶されている登録者の虹彩パターン情報と、上記ステップS602でRAM110に格納された上記被識別者の虹彩パターン情報とを、所定のアルゴリズムに基いて比較し、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致するか否かを判断する。
【0008】
ステップS603で、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致すると判断された場合、上記被識別者は登録者であると識別され、上記被識別者に、この個人識別装置が接続されたシステムへのログオンを許可する(S608)。
【0009】
一方、ステップS603で、上記被識別者の虹彩パターン情報が上記登録者の虹彩パターン情報に一致しないと判断された場合、上記被識別者の新規登録の要否の入力を受け付け(S604)、その入力に基いて新規登録を実行するか否かを判断する(S605)。そして、新規登録が必要であればステップS606に進み、上記被識別者が登録資格を有するか否かを判断する。すなわち、上記被識別者に、図示しないテンキーを介して暗証番号の入力を促す。このテンキーで入力された番号が、登録資格を有する者に予め通知されていた暗証番号に一致した場合、上記被識別者は登録資格を有すると判断されて、上記被識別者の虹彩パターン情報を登録虹彩パターン情報として登録し(S607)、ステップS603に戻る。
【0010】
上記ステップS606で、テンキーからの入力が登録資格を有する者に予め通知されていた暗証番号と一致しなくて、上記被識別者が登録資格を有していないと判断された場合、上記被識別者の虹彩パターン情報を破棄して(S609)、個人識別装置の処理を終了する。
【0011】
また、上記ステップS605において、上記被識別者の新規登録が不要であればS609に進んで被識別者の虹彩パターン情報を破棄して、個人識別装置の処理を終了する。
【0012】
このようにして、上記個人識別装置は、被識別者が予め登録された登録者であるか否かを判断し、また、新規の被識別者を登録者として登録するようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の個人識別装置は、なりすましや、不正な新規登録がされ易いという問題がある。すなわち、登録者の虹彩パターンと同一のパターンを有する偽造虹彩を入射窓101の前に配置すると、この偽造虹彩によって形成された虹彩パターン情報は、RAM110に予め記憶されている登録者の虹彩パターン情報と同一になるから、上記偽造虹彩を用いた被識別者が、登録者であると判断してしまう。また、偽造虹彩を用いない場合であっても、上記ステップS606において、不正入手された暗証番号が入力されることによって、無資格者を有資格者として新規登録してしまう。
【0014】
そこで、本発明の目的は、非登録者によるなりすましがし難く、また、不正な新規登録がし難い個人識別装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の個人識別装置は、情報を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示される情報を被識別者のみに視認させる視認制限手段と、
上記被識別者によって情報が入力される入力手段と、
上記被識別者の眼の特徴によって、この被識別者を識別する識別手段と
を備えることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、上記表示手段に情報が表示され、この表示手段を視認した被識別者によって上記入力手段に情報が入力される。上記入力手段に入力された情報と上記表示手段に表示された情報とを照合することによって、上記被識別者の眼が、実際に表示手段を視認しているか否か、すなわち、偽造されていない真正の眼であるか否かが判断できる。したがって、上記識別手段で、確実に被識別者の眼の特徴によって、上記被識別者が識別される。その結果、この個人識別装置は、従来におけるような偽造した眼を用いたなりすましが、確実に防止できる。
【0017】
なお、上記被識別者の眼の特徴として、例えば眼球の虹彩パターンによって被識別者を識別するのが好ましい。これによって、上記被識別者が高精度に識別される。また、上記被識別者の眼の特徴として、眼球の虹彩パターン以外の網膜パターン、強膜の血管パターンまたは角膜に関する情報などの他のものを利用してもよい。また、眼球に限られず、瞼の皺および形状など、眼に関する特徴を用いて被識別者を識別してもよい。
【0018】
ここにおいて、上記個人識別装置は、上記表示手段を視認する被識別者の眼を撮像する撮像手段と、上記撮像手段によって撮像された撮像情報を用いて、上記被識別者の眼に関する被識別者情報を形成する被識別者情報形成手段と、登録者の眼に関する登録者情報が予め記憶された記憶手段と、上記被識別者情報形成手段で形成された被識別者情報と、上記記憶手段に予め記憶された登録者情報とを比較する情報比較手段とを備えてもよい。これによって、上記被識別者の眼に関する上記識別者情報が適切に形成され、この識別者情報と上記登録者情報とが比較されて、この識別者情報と登録者情報とが一致するか否かを判断することによって、上記被識別者が登録者であるか否かが、確実に判断される。
【0019】
1実施形態の個人識別装置は、上記表示手段は、可視光を出射する光源を含む。
【0020】
上記実施形態によれば、上記表示手段の情報が上記光源によって明瞭に表示されるから、その情報が被識別者に確実に認識される。また、上記光源からの可視光が上記被識別者の眼に照射されることによって、従来におけるような近赤外線光源などの光出射手段を別個に用いることなく、上記被識別者の眼の特徴が明らかになる。その結果、上記被識別者が高精度に識別される。
【0021】
1実施形態の個人識別装置は、上記視認制限手段は、上記表示手段を収容する筐体と、この筐体に設けられて上記被識別者のみに接眼される接眼部とを含む。
【0022】
上記実施形態によれば、上記視認制限手段によって、上記表示手段が確実に被識別者のみに視認されるので、被識別者以外の者が表示手段の情報の盗み見ることが防止できる。
【0023】
1実施形態の個人識別装置は、上記被識別者の眼を撮像する撮像手段を備え、
上記表示手段からの出射光が上記被識別者の眼に至る第1光路と、上記被識別者の眼の反射光が上記撮像手段に至る第2光路とが形成される。
【0024】
上記実施形態によれば、上記第1光路を経て表示手段から被識別者に向う光によって、情報が被識別者に確実に伝達されると共に、上記被識別者の眼が照射される。この被識別者の眼に照射されて反射した光が、上記第2光路を進行して上記撮像手段に達することによって、この撮像手段で上記被識別者の眼が確実かつ明瞭に撮像される。
【0025】
1実施形態の個人識別装置は、上記第1光路を進行する光を略全て透過する一方、上記第2光路を進行する光を略全て反射する反射器を備える。
【0026】
上記実施形態によれば、上記第1光路上に上記反射器を配置することによって、上記表示手段からの光を略全て被識別者の眼に導くと共に、この被識別者の眼の反射光の略全てを、上記第2光路を介して上記撮像手段に導くことができる。
【0027】
本発明の個人識別方法は、入力手段に入力された入力情報が、表示手段に表示された表示情報に適合するか否かを判断する工程と、
被識別者の眼の特徴を表す情報と、登録者の眼の特徴を表す情報とが一致するか否かを判定する工程と、
上記入力情報が表示情報に適合すると判定され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別する工程と
を備えることを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、上記入力手段に入力された入力情報が、上記表示手段に表示された表示情報に適合するか否かが判断されるので、上記表示手段が被識別者によって実際に目視されているか否かが判断される。したがって、上記被識別者が、偽造した眼を用いているか否かが判断される。その結果、上記被識別者自身の真正の眼の特徴と、上記登録者の眼の特徴とが一致するか否かが判定されるので、上記被識別者が登録者であるか否かが正確に識別される。その結果、従来におけるような被識別者が偽造の眼を用いて登録者になりすますことが、確実に防止される。
【0029】
なお、上記個人識別方法は、上記入力情報が表示情報に適合すると判定され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致しないと判定された場合、上記被識別者の眼の特徴を表す情報を登録者の眼の特徴を表す情報として追加登録する工程を有してもよい。これによって、被識別者自身の真正の眼について、その特徴を表す情報が登録者の情報として登録される。したがって、偽造の眼の特徴を表す情報が登録者の情報として登録されることが、確実に防止できる。
【0030】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は文字または数字を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記文字または数字と同一の文字または数字を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0031】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された文字または数字と同一の文字または数字を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。
【0032】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は数式を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記数式の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0033】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された数式の正解を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。
【0034】
1実施形態の個人識別方法は、上記表示情報は質問を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記質問の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定される。
【0035】
上記実施形態によれば、上記表示手段に表示された質問に対する正解を示す情報が入力されることによって、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定される。また、所定の質問に対する答えを、登録資格を有する者に予め通知しておくことによって、上記被識別者が登録資格を有するか否かが正確に識別される。
【0036】
1実施形態の個人識別方法は、表示手段に、互いに異なる複数の上記表示情報をランダムに表示する。
【0037】
上記実施形態によれば、上記互いに異なる複数の表示情報に、例えば序数を付して、この序数を乱数表に基いて呼出すことなどによって、複数の上記表示情報がランダムに表示される。したがって、上記表示手段に表示された表示情報が、非登録者や、新たに登録される資格のない無資格者などに盗み見られた場合であっても、非登録者や無資格者によるなりすましが高い確率で防止される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の個人識別装置を示す図である。この個人識別装置は、接眼部としての入射窓1を備える筐体2内に、表示手段としての表示装置3と、撮像手段としての固体撮像素子4と、反射器6とを備える。また、上記表示装置3を目視する被識別者によって入力される入力手段としての入力装置18が設けられている。上記表示装置3は、上記筐体2内に配置され、上記入射窓1を通して被識別者によって目視されるようになっているので、上記表示装置3の表示内容は被識別者以外の者には見えないようになっている。すなわち、上記筐体2と入射窓1とで、視認制限手段をなしている。上記表示装置3は可視光を出射する図示しない光源を含んでいる。
【0040】
上記個人識別装置は制御部7を備え、この制御部7は、バス12を介して互いに接続されたI/O8、記憶手段としての記憶装置19、CPU11を備える。この個人識別装置は、上記記憶装置19に記憶されてCPU11で実行される制御プログラムによって制御される。この制御プログラムが実行されるCPU11が、被識別者情報形成手段および情報比較手段として機能する。上記記憶装置19は、1つ以上の虹彩パターン情報を記憶できる容量を有する。上記I/O8は、所定の回路やドライバを経て、上記表示装置3、固体撮像素子4、および入力装置18に接続されている。この個人識別装置は、図示しない電源に接続されている。
【0041】
また、上記制御部7は、バス12を介して、上記表示装置1を制御するための表示回路13と、上記固体撮像素子4を制御するための撮像回路14とに接続し、上記表示回路13および撮像回路14はCPU11によって制御されるようになっている。
【0042】
上記構成の個人識別装置を、予め登録された登録者のみに操作を許す必要があるシステムに接続する。上記制御部の記憶装置19には、上記登録者の眼の特徴の一例としての虹彩パターン情報を、予め記憶させておく。
【0043】
上記システムを操作しようとする被識別者は、上記個人識別装置の筐体2入射窓1に接眼し、図示しない起動スイッチを操作する。そうすると、上記個人識別装置のCPU11で、上記記憶装置19に記憶されている制御プラグラムが実行されて、図2のフロー図に示す処理が行われる。すなわち、上記表示装置3に、所定の情報が表示されて可視光が出射する。この表示装置3から出射された光は、第1の光路aに沿って反射器6に達し、この反射器6を透過して入射窓1から筐体2の外に出て被識別者の眼15に達する。この被識別者の眼15で上記表示装置3からの光が反射し、この反射光は第2の光路bに沿って反射器6に達する。上記反射器6の表裏面には表面処理が施されており、上記光路aに沿って入射する光は略全て透過する一方、上記光路bに沿って入射する光は略全て反射するようになっている。この反射器6で、上記被識別者の眼15からの光は略全てが反射されて、上記第2の光路bに略直交する第3の光路cに沿って固体撮像素子4に達する。この固体撮像素子4で上記被識別者の眼15からの入射光が電気信号に変換されて、上記被識別者の眼が撮像されて、この被識別者の虹彩が撮像される(S201)。
【0044】
続いて、上記CPU11は、上記固体撮像素子4で撮像された撮像情報から虹彩パターンを抽出して、被識別者の虹彩パターン情報を形成する(S202)。この虹彩パターン情報を、上記記憶装置19に格納すると共に上記表示回路13に送出して、表示装置3に被識別者の虹彩パターンを表示させる。この表示装置3に表示した虹彩パターンを被識別者に目視させることによって、被識別者の眼15の上記入射窓1に対する位置を調節させて、表示装置3に被識別者の虹彩パターンがずれたりすることなく適切に表示されるようにする。これによって、適切に被識別者の眼15が撮像されて、ずれや欠けなどの無い適切な虹彩パターン情報が形成される。
【0045】
続いて、上記記憶装置19に予め記憶された登録者の虹彩パターン情報と、ステップS202で記憶装置19に格納した被識別者の虹彩パターン情報とを、所定のアルゴリズムに基いて比較し、上記登録者の虹彩パターン情報と被識別者の虹彩パターン情報とが一致するか否かを判定する(S203)。
【0046】
上記ステップS203において、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者のものと一致すると判定されると上記被識別者が登録者であると判断して、この個人識別装置が接続されたシステムへの被識別者のログオンを許可する。
【0047】
上記ステップS203において、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者のものと一致しないと判定されると、ステップS204に進んで、被識別者から新規登録の要否の入力を受付ける。この入力によって新規登録の要否を判断し(S205)、新規登録が必要な場合は、表示装置3に乱数を表示する(S206)。そして、上記表示装置3を視認する被識別者からの入力を、入力装置18を介して受付ける(S207)。ここで、上記固体撮像素子4が撮像している情報と、ステップS201において固体撮像素子4が撮像した情報とを比較することによって、上記被識別者が表示装置3を視認したままであるか否かを判定する(S208)。上記被識別者が表示装置3を視認したままであると判定された場合、ステップS209に進み、上記入力装置18に入力された情報と、上記表示装置3に表示された情報とが一致するか否かを判定する。すなわち、被識別者が、入力装置18に、表示装置3に表示された乱数と同一の数を入力したか否かを判定する。これによって、上記被識別者が表示装置3を実際に視認しているか否かが判定される。ここで、上記ステップS208において、上記被識別者は表示装置3を視認したままであると判定されているから、上記固体撮像素子4が撮像してなる虹彩パターン情報は、確実に被識別者の眼の虹彩パターンを示している。
【0048】
上記ステップS209において、上記入力装置18に入力された情報と表示装置3に表示された情報とが一致すると判定された場合、ステップS210に進んで、被識別者から、新規登録者を特定するための情報(本実施形態では、一例としてのパスワード)の入力を受付ける。この新規登録者を特定するための情報(パスワード)と、予め登録資格を有する者に通知されている情報(パスワード)とを比較して、上記被識別者は新規に登録される資格を有するか否かを判定する(S211)。上記被識別者が登録資格を有する場合、その被識別者の虹彩パターン情報を、登録者の虹彩パターン情報として記憶装置19に記憶する(S212)。その後、ステップS203に戻って、被識別者の虹彩パターン情報と登録者の虹彩パターン情報とが一致するか否かを判定する。
【0049】
上記ステップS205において新規登録が不要であると判断された場合、上記ステップS208において被識別者が表示装置3を視認したままでないと判定された場合、ステップS209において被識別者による入力情報が表示情報に一致しないと判定された場合、およびステップS211において被識別者が登録資格を有しないと判定された場合のいずれについても、ステップS214に進んで、上記被識別者の虹彩パターン情報を破棄して個人識別装置の動作を終了する。
【0050】
上記実施形態の個人識別装置は、上記S206において表示装置3に表示される情報は乱数であるので、この表示装置3に表示されて入力装置18から入力されるべき情報は、個人識別装置が動作する毎に変化する。これによって、被識別者が実際に表示装置3を視認しているか否かが確実に確認できて、非登録者による登録者のなりすましが確実に防止できる。
【0051】
上記実施形態において、上記ステップS206で表示装置3に表示される情報は乱数に限られず、文字や所定の数式や所定の質問であってもよい。この場合、上記ステップS207で入力装置18に入力された情報が、上記文字と同一の文字や、上記所定の数式の正解の値や、上記所定の質問の正解を表す情報である場合、ステップS209で上記入力情報は表示情報に適合する、すなわち入力情報が表示情報に一致すると判定して、ステップS210に進むようにすればよい。
【0052】
また、この場合、各々異なる上記複数の文字、数式、および質問を予め記憶装置19に記憶しておき、これらの文字、数式、および質問に序数を付して、個人識別装置が動作する毎に、上記序数に対応する文字、数式、および質問を乱数表に基いて表示装置3に表示すればよい。これによって、上記文字、数式、および質問が、個人識別装置が動作する毎にランダムに表示装置3に表示されるので、非登録者や、登録資格のない無資格者などが上記表示装置3に表示された情報を盗み見ても、その盗み見られた情報が再び表示装置2に表示される確率は非常に小さいから、上記非登録者や無資格者によるなりすましが高い確率で防止できる。
【0053】
また、上記撮像手段としての固体撮像素子4は、表示装置3を視認している被識別者の眼を撮影するのであれば、上記表示装置3が表示情報を表示してから、上記被識別者によって入力手段18に入力情報が入力されるまでの期間において、どの時点で被識別者の眼を撮像してもよい。
【0054】
また、上記ステップS210において、パスワードが入力されて被識別者が新規登録の資格を有するか否かが判定されたが、他の方法を用いてもよい。例えば、ステップS206において表示装置3に所定の質問を表示し、この質問の正解を予め有資格者のみに通知しておき、その正解がステップS207において入力装置18で入力されたか否かを判定して、被識別者が新規登録の有資格者であるか否かを判定してもよい。
【0055】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。本実施形態の個人識別装置は、CPUで実行される制御プログラムが異なる点のみが、第1実施形態の個人識別装置と異なる。本実施形態の個人識別装置おいて、第1実施形態の個人識別装置と同一の部分については同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。
【0056】
本実施形態の個人識別装置は、第1実施形態の個人識別装置において被識別者の新規登録が必要と判断された(S205)後には、被識別者が表示装置3を見たままでいるか否かを判定する処理と、表示装置3の表示情報と入力装置18の入力情報とが一致するか否かを判定する処理(S206,S207,S208,S209)とを実行しない。
【0057】
一方、図3のフロー図に示すように、ステップS203において、被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された後に、表示装置3に乱数を表示する(S306)。そして、上記表示装置3を視認する被識別者からの入力を、入力装置18を介して受付ける(S307)。ここで、上記固体撮像素子4が撮像している情報と、ステップS201において固体撮像素子4が撮像した情報とを比較することによって、上記被識別者が表示装置3を視認したままであるか否かを判定する(S308)。上記被識別者が表示装置3を視認したままであると判定された場合、ステップS309に進み、上記入力装置18に入力された情報と、上記表示装置3に表示された情報とが一致するか否かを判定する。これによって、上記被識別者が表示装置3を実際に視認しているか否かが判定される。そして、上記入力装置18に入力された情報と表示装置3に表示された情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別し、S213に進んで、この個人識別装置が接続されたシステムへの上記被識別者のログオンを許可する。
【0058】
本実施形態によれば、ステップS203において虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された被識別者について、上記虹彩パターン情報が確実に被識別者の眼を撮像して作成されたことが確認できるから、被登録者が偽造の虹彩パターンを用いて登録者になりすますことが確実に防止できる。
【0059】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。本実施形態の個人識別装置は、CPUで実行される制御プログラムが異なる点のみが、第1実施形態の個人識別装置と異なる。本実施形態の個人識別装置おいて、第1実施形態の個人識別装置と同一の部分については同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。
【0060】
本実施形態の個人識別装置は、第1実施形態の個人識別装置において、被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報に一致すると判定された(S203)後に、さらに、被識別者が表示装置3を見たままでいるか否かを判定する処理と、表示装置3の表示情報と入力装置18の入力情報とが一致するか否かを判定する処理(S306,S307,S308,S309)を実行する。すなわち、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報と一致すると判定された場合と、上記被識別者の虹彩パターン情報が登録者の虹彩パターン情報と一致しなくて被識別者を登録者として新規登録する場合とのいずれにおいて、被識別者が実際に表示装置3を視認しているか否かを判定する。これによって、ステップS202において形成された虹彩パターンが、確実に被識別者自身の眼の虹彩から形成されたか否かが判定されるので、非登録者による登録者のなりすましや、新規登録資格を有しない者が登録者として記憶されることが確実に防止できる。
【0061】
上記第1乃至第3実施形態において、上記入力手段18は、キーボード、スイッチ、およびマイクなど、表示手段に表示された情報に応じて被識別者が情報を入力できるものであれば何でも良い。
【0062】
上記表示装置3は、光によって情報を表示する機能を有するものであれば、液晶表示装置、EL(エレクトロ・ルミネセンス)ディスプレイ、あるいはLED(発光ダイオード)ディスプレイなど、どのような表示装置であってもよい。
【0063】
また、上記固体撮像素子4による撮像情報から抽出され、記憶装置19に予め記憶された登録情報との一致が判定される情報は、眼球の虹彩パターンに限られず、眼球の網膜パターン、強膜の血管パターンおよび角膜に関する情報など、眼の特徴を表す他の情報であってもよい。また、眼球以外の瞼の特徴など、眼に関する特徴を表すのであれば他の情報でもよい。
【0064】
また、上記筐体2および入射窓1によって視認制限手段を形成したが、指向性を所定方向に限定する光学手段を設け、この光学手段によって表示手段3の出射光を被識別者のみに導くようにして視認制限手段を形成してもよい。
【0065】
本発明の個人識別装置は、汎用性を有するコンピュータを用いて構成してもよい。すなわち、図2乃至4のいずれか1つのフロー図に示した処理を実行するプログラムを、汎用コンピュータのCPUに実行させて、上記汎用コンピュータを個人識別装置として機能させてもよい。この場合、上記表示装置3、固体撮像素子4、および反射器6を筐体2によって収容してなるユニットを、上記汎用コンピュータに接続するのみで、簡易に小型の個人識別装置が構成できる。
【0066】
本発明の個人識別装置に接続され、そのアクセスの可否が判断されるシステムは、コンピュータ、ATM(自動現金預払機)、あるいは自動扉など、予め登録された登録者のみに動作を許す必要があるものであれば何でもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の個人識別装置によれば、情報を表示する表示手段と、上記表示手段に表示される情報を被識別者のみに視認させる視認制限手段と、被識別者によって情報が入力される入力手段と、上記被識別者の眼の特徴によって、この被識別者を識別する識別手段とを備えるので、上記入力手段に入力された情報と上記表示手段に表示された情報とを照合することによって、上記被識別者の眼は、偽造されていない真正の眼であるか否かが判断できる。したがって、被識別者の真正の眼に基いて個人識別ができるので、従来におけるような非登録者が偽造した眼を用いて登録者になりすますことが確実に防止できる。
【0068】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記表示手段は、可視光を出射する光源を含むので、上記表示手段の情報が被識別者に確実に認識され、また、上記被識別者の眼の特徴が明らかにできる。
【0069】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記視認制限手段は、上記表示手段を収容する筐体と、この筐体に設けられて上記被識別者のみに接眼される接眼部とを含むので、非登録者による表示手段の情報の盗み見が防止できて、非登録者による登録者のなりすましが効果的に防止できる。
【0070】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記被識別者の眼を撮像する撮像手段を備え、上記表示手段からの出射光が上記被識別者の眼に至る第1光路と、上記被識別者の眼の反射光が上記撮像手段に至る第2光路とが形成されるので、上記第1光路を進む光によって、情報が被識別者に確実に伝達できると共に上記被識別者の眼を照射でき、上記第2光路を進む光によって、上記被識別者の眼が確実かつ明瞭に撮像できる。
【0071】
1実施形態の個人識別装置によれば、上記第1光路を進行する光を略全て透過する一方、上記第2光路を進行する光を略全て反射する反射器を備えるので、上記第1光路上に上記反射器を配置することによって、上記表示手段からの光を略全て被識別者の眼に導くと共に、上記第2光路を介して被識別者の眼の反射光の略全てを上記撮像手段に導くことができる。
【0072】
本発明の個人識別方法によれば、入力手段に入力された入力情報が、表示手段に表示された表示情報に適合するか否かを判断する工程と、被識別者の眼の特徴を表す情報と、登録者の眼の特徴を表す情報とが一致するか否かを判定する工程と、上記入力情報が表示情報に適合すると判断され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別する工程とを備えるので、上記表示手段が被識別者の真正の眼で目視されているか否かが判断でき、これによって、上記被識別者が偽造した眼を用いているか否かが判断できる。その結果、被識別者による登録者のなりすましが確実に防止できる。
【0073】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は文字または数字を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記文字または数字と同一の文字または数字を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定できる。
【0074】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は数式を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記数式の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定できる。
【0075】
1実施形態の個人識別方法によれば、上記表示情報は質問を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記質問の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されるので、上記表示情報が被識別者によって目視されていることが確実に判定でき、また、所定の質問に対する答えを、登録資格を有する者に予め通知しておくことによって、上記被識別者が登録資格を有するか否かが正確に識別できる。
【0076】
1実施形態の個人識別方法によれば、表示手段に、互いに異なる複数の上記表示情報をランダムに表示するので、上記表示情報が非登録者などに盗み見られても、非登録者などによるなりすましが高い確率で防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の個人識別装置を示す図である。
【図2】第1実施形態の個人識別装置が実行する処理を示したフロー図である。
【図3】第2実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図4】第3実施形態の個人識別装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図5】従来の個人識別装置を示す図である。
【図6】従来の個人識別装置の動作の様子を説明したフロー図である。
【符号の説明】
1 入射窓
2 筐体
3 表示装置
4 固体撮像素子
6 反射器
7 制御部
8 I/O
11 CPU
12 バス
13 表示回路
14 撮像回路
18 入力装置
19 記憶装置
Claims (12)
- 情報を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示される情報を被識別者のみに視認させる視認制限手段と、
上記被識別者によって情報が入力される入力手段と、
上記被識別者の眼の特徴によって、この被識別者を識別する識別手段と
を備えることを特徴とする個人識別装置。 - 請求項1に記載の個人識別装置において、
上記表示手段は、可視光を出射する光源を含むことを特徴とする個人識別装置。 - 請求項1または2に記載の個人識別装置において、
上記視認制限手段は、上記表示手段を収容する筐体と、この筐体に設けられて上記被識別者のみに接眼される接眼部とを含むことを特徴とする個人識別装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の個人識別装置において、
上記被識別者の眼を撮像する撮像手段を備え、
上記表示手段からの出射光が上記被識別者の眼に至る第1光路と、上記被識別者の眼の反射光が上記撮像手段に至る第2光路とが形成されることを特徴とする個人識別装置。 - 請求項4に記載の個人識別装置において、
上記第1光路を進行する光を略全て透過する一方、上記第2光路を進行する光を略全て反射する反射器を備えることを特徴とする個人識別装置。 - 入力手段に入力された入力情報が、表示手段に表示された表示情報に適合するか否かを判定する工程と、
被識別者の眼の特徴を表す情報と、登録者の眼の特徴を表す情報とが一致するか否かを判定する工程と、
上記入力情報が表示情報に適合すると判定され、かつ上記被識別者の眼の特徴を表す情報と登録者の眼の特徴を表す情報とが一致すると判定された場合、上記被識別者は登録者であると識別する工程と
を備えることを特徴とする個人識別方法。 - 請求項6に記載の個人識別方法において、
上記表示情報は文字または数字を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記文字または数字と同一の文字または数字を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されることを特徴とする個人識別方法。 - 請求項6に記載の個人識別方法において、
上記表示情報は数式を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記数式の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されることを特徴とする個人識別方法。 - 請求項6に記載の個人識別方法において、
上記表示情報は質問を示す情報であり、かつ上記入力情報は上記質問の正解を示す情報である場合に、上記入力情報が表示情報に適合すると判定されることを特徴とする個人識別方法。 - 請求項6乃至9のいずれか1つに記載の個人識別方法において、
表示手段に、互いに異なる複数の上記表示情報をランダムに表示することを特徴とする個人識別方法。 - 請求項6乃至10のいずれか1つの個人識別方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 請求項11に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
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JP2002211277A JP2004054597A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 個人識別装置、個人識別方法、プログラム、および記憶媒体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006201920A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Oki Electric Ind Co Ltd | 本人認証システム |
JP2018000487A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | 株式会社ニデック | 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002211277A patent/JP2004054597A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006201920A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Oki Electric Ind Co Ltd | 本人認証システム |
JP4496966B2 (ja) * | 2005-01-19 | 2010-07-07 | 沖電気工業株式会社 | 本人認証システム |
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