JP2004053616A - 撮影システム、複数の撮像装置の支持装置、並びに複数の撮像装置の配置調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、かつ所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる撮影システムを提供する。
【解決手段】複数の雲台2は、複数のカメラ50を支持する。複数の支柱1は、複数の雲台2を支持する。位置決め線材3は、複数の雲台2の空間的相対位置を指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の雲台2は、複数のカメラ50を支持する。複数の支柱1は、複数の雲台2を支持する。位置決め線材3は、複数の雲台2の空間的相対位置を指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物(被写体)を取り囲むように、複数の撮像装置を配置し、各撮像装置からの映像を選択して、あたかも視点を自由に変更したような映像を得ることのできる撮影システム、複数の撮像装置の支持装置、並びに複数の撮像装置の配置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の撮像装置(カメラ)を使用し、対象物を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更しながら楽しむような撮影システムが開発されつつあり、実用に供されるところである。
【0003】
このような撮影システムにおいては、対象物をカメラがどう捕らえるかは、対象物により、また撮影者の意思により決定されるもので、カメラの設定にはフレキシビリティが要求される。
【0004】
一方、カメラの画像は最終的には張り合わせられるので、カメラ間の各視点の位置はある曲線状に滑らかに配置される必要がある。また、カメラ間の距離も(これは主としてカメラの画角や、どこまでをオーバラップさせるかにより決まる)フレキシブル、かつ安定に決める必要がある。
【0005】
また、前記撮影システムにおいては、複数のカメラが被写体に対して、視点が一致するように配置される必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような撮影システムにおいて複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する方法は、今までになく、例えば床面に配置する固定の治具のようなものに頼っていた。この固定の治具は、床面に対する平行面上でのカメラの配置形状を2次元的に固定的に決めるものであった。また、特定のスタジオに設置されるのが常であり、屋外や、スタジオから離れた場所での撮影には向いていなかった。
【0007】
また、複数のカメラによる被写体への視点の一致のため、従来は、撮影現場に固定された複数のカメラの支持装置を使用しており、機動性が悪いばかりでなく、撮影者の撮影の自由度を阻害し、監督の撮影意図を表現するのが困難であった。
【0008】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、かつ所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる撮影システムの提供を目的とする。
【0009】
また、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、対象物の複数の映像を撮影可能とさせる複数の撮像装置の支持装置の提供を目的とする。
【0010】
また、本発明は、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とする撮影システム及び複数の撮像装置の支持装置の提供を目的とする。
【0011】
また、本発明は、複数の撮像装置を3次元空間内に滑らかな曲線状に配置することができる複数の撮像装置の配置調整方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する支持装置とを備える。
【0013】
この撮影システムにあって、支持装置は複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する。また、支持装置は、撮像装置の視点を連続的に変更する。
【0014】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備える。
【0015】
この撮影システムは、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができる。
【0016】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の支持アーム部材と、前記各支持アーム部材を回動可能とし、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ複数の連結機構とを備える。
【0017】
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、前記課題を解決するために、複数の撮像装置を支持する複数の撮像装置の支持装置であって、前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する。
【0018】
この複数の撮像装置の支持装置は、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備えてなる。
【0019】
また、この複数の撮像装置の支持装置は、前記各撮像装置の視点を連続的に変更できるものであり、前記複数の撮像装置を搭載して支持する相互に回動可能な複数の支持アーム部材と、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ連結機構を備える。
【0020】
本発明に係る複数の撮像装置の配置調整方法は、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備える撮影システムにおける前記複数の撮像装置の配置調整方法であって、前記弾性体線状材料を支点で固定しながら、所望の曲線を作成する工程と、前記複数の雲台の基準点を前記曲線に沿って配置、調整して各雲台を仮固定する工程と、前記複数の撮像装置を各雲台に取り付けし、微調整してから固定する工程とを備える。
【0021】
この複数の撮像装置の配置調整方法は、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、複数の撮像装置(カメラ)を使用し、対象物(被写体)を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることのできる図1に示すような撮影システムである。
【0023】
この撮影システムは、複数のカメラ50と、複数のカメラ50の視点を常に一致させて支持する支持装置と備えてなる。
【0024】
前記支持装置は、複数のカメラ50を支持するための複数の雲台2と、複数の雲台2を支持するための複数の支柱1と、複数の支柱1を設置面に安定に支持するための複数の支持材4と、複数の雲台2の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置するための位置決め線材3とを備える。なお、支柱1は、自立ベース29上に固定されている。
【0025】
複数のカメラ50(図1には3台のカメラを示すが、3台に限定される分けではなく、2,4,5,6,7,8,9,10台でも、さらに11,12,13,14,15台でも、それ以上でもよい。)は、被写体の静止画を撮影するものでも、動画を撮影するものでもよい。動画を撮影するカメラであれば、視点を変更した複数の動画が得られることになる。カメラ50は、図示しない光学レンズと、光学レンズに連動するように設けられるフォーカスリングと、光学レンズを透過した被写体画像を取り込んで撮像信号を生成するCCDイメージセンサ(イメージャー)と、イメージャから出力される撮像信号にカメラ信号処理を施すカメラ信号処理回路とを少なくとも備えている。また、カメラ50がカメラ一体型VTRである場合には、カメラ信号処理回路からの画像信号をテープ状記録媒体や、ディスク状記録媒体に記録する記録回路と、記録回路により記録された画像信号を前記記録媒体から再生する再生回路とを備える。つまり、カメラ50がカメラ一体型VTRではなく、カメラ信号処理回路で処理した信号のみを出力するときには、少なくとも記録部、再生部を別体に備える。
【0026】
複数の支柱1と、複数の雲台2は、カメラと同数であれば、2,4,5,6,7,8,9,10台でも、さらに11,12,13,14,15台でも、それ以上でもよい。
【0027】
各雲台2は、カメラ50の空間的配置を決定する曲線に沿うように配置、固定される。曲線は、各終端を例えば支点となる三脚6等で固定された位置決め線材3により空間中に描かれる。この曲線は、例えば作画監督の意思を反映する、滑らかな曲線である。この曲線が所定半径をもった円等に限られないのは明かである。この位置決め線材3によって形成された曲線に沿って各雲台2が配置され、固定されることによって、各雲台2に取りつけられた各カメラ50は作画監督の意思を反映して滑らかな曲線状に配置されることになる。
【0028】
位置決め線材3は、弾性体線状材料の、例えば鋼製の金属線である。具体的には、住宅内の電話線引き込み用や、屋内、屋外の配管内の清掃用に使われる、商品名プラリーダーや、鋼平板を用いてもよい。これらの弾性体線状材料は、いわゆる自在定規のように曲線を形成するのに適しており、さらに固定を解けば弾性を有するため形状を初期の状態に戻すことができる。このため、様々な曲線を形成することができる。もちろん、前記性質を備える弾性体線状材料であれば、鋼製の金属線に限定されるものではなく、プラスチック材料からなるものでも、あるいはゴム材料からなるものでもよい。また、位置決め線材3が弾性を備えるため、各雲台2の後述する基準点となる基準円環20は引っ張られることになる。
【0029】
なお、曲線の設定にあたっては、前記両端以外の任意の点に保持物を用意し、これらにより例えば凹凸のある3次曲線も可能となる。
【0030】
空間に配置した曲線に対し雲台2の位置決めをするには、まず概略のカメラ位置を設定するために、後述の図2に詳細を示す基準円環20に位置決め線材3を通す。この基準円環20は、指定された3次元空間内の曲線状に形成された位置決め線材3に合わせられる基準点である。特に、この基準円環20は、前記基準点となり、かつこの基準点を位置決め線材3が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段ともなる。この基準円環20と位置決め線材3の間には隙間があり、これが遊びとなりカメラ50のさらなる微調整を可能とする。
【0031】
基準円環20の取りつけられる位置は雲台2上に搭載されるカメラ50の視線と平行な直線上にあり、位置決め線材3を基準円環20に通すことにより、雲台は位置決め線材3の弾性力により引っ張られ、自動的にカメラ50の視線方向が位置決め線材3の法線方向となる。
【0032】
図2には雲台2と支柱1の構成を示す。
雲台2は、カメラ50をベース部分22にカメラ固定ネジ23を用いて固定する。また、ベース部分22は、第1連結部24に対して矢印A方向に回動する。所望の回動位置を保つためにはねじ25とねじ止め26によって固定される。また、第1連結部24は第2連結部27に対して矢印B方向に回動する。第2連結部27は、第1連結部24の他、支柱1の下部28と、支柱1の上部も連結する。つまり、支柱28に差込、かつ第1連結部24を固定する部材であり、支柱1の下部28,第1連結部24に対してねじで締め付けられる構造となっている(この締め付けねじは図示していない)。したがって雲台2には、カメラ50からみれば第1連結部24、ネジ25、ネジ23による3軸の自由度があり、さらに、第2連結部27の上下による自由度がある。
【0033】
また、支柱1の下部28は、この支柱1を基準面上に固定する自立ベース29のホールに挿入され、固定されている。
【0034】
図3は、雲台2部分の平面図である。基準円環20である基準点はカメラ固定ネジ穴32を通る直線上に配置されるようベース部分22に棒状部材(スティック)を介して固定される。
【0035】
以下、前記撮像システムを構成する複数のカメラを配置調整する方法について図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
先ず、ステップS1にて、雲台2が仮固定されている支柱を仮配置する。使用するカメラの数に応じた必要数だけ、設置場所に仮配置することになる。次に、ステップS2にて、位置決め線材3を支点となる三脚6で固定しながら、所望の曲線を作成する。
【0036】
次に、ステップS3にて各雲台2の基準円環(基準点)20を曲線に沿って配置、調整し雲台を仮固定する。このとき曲線を形成している位置決め線材3を基準円環20に通すことで自動的にカメラ50の視線方向の概略調整が可能となる。
【0037】
次に、ステップS4にて各支柱1の安定化のため支持材4を固定し、必要に応じてバラスト5で安定化する。そして、ステップS5にて各カメラ50を各雲台2に取りつけ、各カメラの画像を見ながら微調する。前記微調後、最後にステップS6にて、カメラ50を最終的に固定する。
【0038】
このように図4に示すフローチャートにしたがって前記複数のカメラの配置を調整することにより、複数のカメラを予め設定された3次元空間内の曲線に沿って配置することが可能となる。また、この方法によってカメラを配置した撮像システムによれば、撮影場所を固定することなく、所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる。
【0039】
図5には、前記方法により複数のカメラ(ここでは、501〜505までの5台のカメラ)を被写体Hに向け、曲線に沿って配置した撮像システムの平面図を示す。支柱11〜支柱15に固定された雲台21〜25にカメラ501〜505が取りつけられ、被写体Hに向けられている。カメラ501〜505は、前記方法にしたがい3次元空間内の曲線(位置決め線材3によって形成されている曲線)に基準円環201〜205を合わせた各雲台21〜25上に取りつけられ、さらに微調されることによって配置が調整される。
【0040】
図6には、前記撮像システムのブロック構成を示す。各カメラ501〜505が記録装置100に視点を変更したような被写体Hの各動画像信号を送り、記録装置100内にてテープ状記録媒体、またはディスク状記録媒体に、同期をとりながら記録し、その記録された5つの動画像信号を編集装置200にて編集し、モニタ210上に編集動画像を映し出すような構成である。
【0041】
図7には、各カメラ501〜505から記録装置100に送られる、視点を変更したような被写体Hの各動画像信号(1),(2),(3),(4),(5)を示す。動画像信号(1)は図5におけるカメラ501からの映像信号であり、動画像信号(2)はカメラ502からの映像信号である。以下動画像信号(3)、(4)及び(5)は、カメラ503,504,505からの映像信号である。
【0042】
なお、撮像システムは、図8に平面図を示すように円周上にカメラを複数台配置してもよい。この場合も、円状にされた位置決め線材3が雲台2の棒状部材(スティック)の先の基準円環20を通るように、雲台2を調整し、固定する。詳細な調整は、前記図4に示す方法による。また、図9に平面図を示すような曲線状に位置決め線材3を変形してもよい。いずれの場合も、被写体Hに向いている矢印がカメラの視線方向である。
【0043】
さらに、この撮影システムは、図10に示すように、設置面から各カメラまでの高さを各支柱毎に異ならせて形成される曲線、つまり雲台までの高さを異ならせるように形成された曲線に沿って、雲台を支柱に取付、カメラを固定してもよい。滑らかな曲線上にカメラが配置されるのであれば設置面からの高さが異なっていてもかまわない。図4に示した方法によれば、このような図10に示す変形例も容易に調整できる。
【0044】
また、基準円環20は、図11に示すように、スティックの終端を半円形となし、ラッチ31と組み合わされて形成されてもよい。このラッチ31付の基準円環20を用いることにより、位置決め線材3はこの穴のなかに簡単に通すことも外すこともできる。
【0045】
また、位置決め線材3をはずさないのであれば、図12に示すように、ネジ33を用意し、これにより線材の遊びをなくし、不要な振動を防ぐことができる。
【0046】
また、これまでの実施の形態等では、位置決め線材3と雲台2を固定したが、位置決め線材3はカメラ配置を決めるため尺度を与えているものであるので、必ずしも固定される必要はない。よって、図13に示すように、雲台2側に基準点を示す手段があればよい。図13における棒状部材(スティック)40はそのための基準点表示手段であり、単に位置決定基準となるような球状部分があるだけである。実際の使用状態では、この球状部分を位置決め線材と接するように設定していけばよい。この場合の前記基準円環20に比較したメリットはカメラの微調が若干しやすいということがある。
【0047】
次に、本発明のさらに他の実施の形態について説明する。この他の実施の形態も、複数のカメラを使用し、被写体を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮影システムである。ただし、この撮影システムは、基本的には真円状の円周の一部、又は全部に相似して接続された複数の支持アーム部材により、複数のカメラを支持している。したがって、複数のカメラは、真円状の円周の一部、又は全部に沿うように配置されることになる。
【0048】
図14において、撮影システム60は、7台のカメラ611〜617と、これら7台のカメラ611〜617の視点を常に一致させ、かつ各視点を連続的に変更できる支持装置とを備える。支持装置は、7台のカメラ611〜617をそれぞれ中央部に搭載して支持する相互に回動可能な7本の支持アーム部材621〜627と、これらの支持アーム部材621〜627同士の間の角度を一定に保つ連結機構とを備える。支持アーム部材621〜627は、アルミニウムのような軽金属を材料としている。
【0049】
各連結機構は、支持アーム部材621〜627間を回動可能とするヒンジ部或いはピンと、各支持アーム部材621〜627をヒンジ部或いはピンに対して回動させるための補助アーム部631〜6310と、これら補助アーム631〜6310間を接続する接続ロッド641〜645を有してなる
この撮影システム60において、カメラ611〜617の視点と、支持アーム部材621〜627のなす角度は90度が標準である。各支持アーム部材621〜627は、前述したようにヒンジ部或いはピンにより回動可能なように固定されていて、単一平面内で複数カメラ間のなす視点の方向が連続的に変化できる。
【0050】
各支持アーム部材621〜627は、補助アーム631〜6310の少なくとも一つを一体化している。支持アーム部材621は、補助アーム631を一体化している。支持アーム部材622は、補助アーム635を一体化している。支持アーム部材623は、補助アーム632,635を一体化している。支持アーム部材624は、補助アーム634,637を一体化している。支持アーム部材625は、補助アーム636,639を一体化している。支持アーム部材626は、補助アーム638を一体化している。支持アーム部材627は、補助アーム6310を一体化している。
【0051】
補助アーム631と補助アーム632は、接続ロッド641で結合されている。補助アーム633と補助アーム634は、接続ロッド642で結合されている。補助アーム635と補助アーム636は、接続ロッド643で結合されている。補助アーム637と補助アーム638は、接続ロッド644で結合されている。補助アーム639と補助アーム6310は、接続ロッド645で結合されている。
【0052】
この撮影システム60にあっては、支持アーム部材の数が7であり奇数であるので、中心部となる支持アーム部材624の位置に、固定部材68への接続を行うための接続用ベース部材65を取りつけている。固定部材68は、設置面にベース69を接地させて本撮影システム60を固定するためのものである。もちろん、固定部材68を移動可能とし、本撮影システム60を固定したまま持ち運ぶことができる。この固定部材68は、三脚でもよい。
【0053】
接続用ベース部材65には、固定部材68や、後述するスタビライザー等を取りつけるための取付ネジが用意されている。取付ネジは、固定点74となる穴をとおして、固定部材68や、スタビライザー等に形成されたネジ穴に取りつけられ、接続ベース部材65と固定部材68や、スタビライザー等を固定接続する。また、接続用ベース部材65には、支持アーム部材624を基準とし、隣接支持アーム部材625とのなす角度を変化させるための回転手段であるプーリ取りつけられている。
【0054】
図15は、接続用ベース部材65が取りつけられている支持アーム部材624の正面図(A)と、平面図(B)である。接続用ベース部材65の下部には、オペレータ(撮影者)により支持アーム部材625が支持アーム部材624に対して回動操作されることにより回転力が伝えられるアーム駆動プーリ72が支持アーム部材625に連動するように設けられている。また、接続用ベース部材65の下部には、アーム駆動プーリ72へ回転力を例えばタイミングベルト71により伝える調整プーリ73が、後述するノブ66に結合されるように設けられている。アーム駆動プーリ72と調整プーリ73は、タイミングベルト71により連結されているのでスリップしない。また、アーム駆動プーリ72は、調整プーリ73に対して減速されている方が調整の力も少なく、微調もしやすい。
【0055】
ノブ66は、オペレータ(撮影者)が支持アーム部材625を支持アーム部材624に対して回動したいときに、直接操作されるものであり、目盛り67が用意されている。目盛り67は、回転角を示しても、あるいは被写体までの距離を示してもよい。この目盛り67を確認しながら、オペレータがノブ66を回すと、調整プーリ73が回転する。この調整プーリ73の回転力は、タイミングベルト71を通じてアーム駆動プーリ72に伝えられる。アーム駆動プーリ72はタイミングベルト71を介して伝えられた回転力により支持アーム部材625を回動する。
【0056】
支持アーム部材625が回動すると、支持アーム部材625に一体化されている補助アーム636,639も連動して動く。補助アーム636は、接続ロッド643により補助アーム635に結合されている。補助アーム635は、支持アーム部材623に一体化されている。したがって、支持アーム部材623も前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。また、補助アーム639は、接続ロッド645により補助アーム6310に結合されている。補助アーム6310は、支持アーム部材627に一体化されている。したがって、支持アーム部材627も前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。
【0057】
さらに、支持アーム部材625が回動すると、補助アーム638を介して支持アーム部材626も回動する。以下、隣接の支持アーム部材とそれらの一体化された補助アームが動くことにより、全ての支持アーム部材62が前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。
【0058】
なお、この撮影システム60においては、ノブ66又はアーム駆動プーリ72にロック機構を用意し、一旦回動した後にロック可能とするようにしている。
【0059】
以上に説明した構成により、図16に示すように、例えば支持アーム部材624を基準にして考えると、支持アーム部材623が支持アーム部材624となす角度αと支持アーム部材625が支持アーム部材624となす角度βとの間には常にα=βの関係が成り立つ。
【0060】
すなわち、支持アーム部材624を基準として支持アーム部材623又は支持アーム部材625の、いずれか一方を回動させると、他方も同じ角度だけ回動する。この結果、各支持アーム部材621〜627に搭載されたカメラ611〜617の視点は、図17に示すように常に一点で交わり、カメラからの距離Lは等しい。
【0061】
ただし、回動の角度を変えると、前記交点と、カメラの距離は変化することになる。例えば、図18に示すように、支持アーム部材6241を基準にして支持アーム部材6231又は支持アーム部材6251の、いずれか一方を回動させたときの回動の角度をα1とする。これに対して、α1よりも大きい、α2(α1<α2)だけ、支持アーム部材6242を基準にして支持アーム部材6232又は支持アーム部材6252の、いずれか一方を回動させたとする。すると、回動角度α2のときの各カメラの視点の交点PV2までのカメラからの距離L2は、回動角度α1のときの各カメラの視点の交点PV1までのカメラからの距離L1よりも、長くなる(L2>L1)。L2−L1だけの差が生じることになる。
【0062】
以上のことから、この撮影システム60にて、前記回動角度をα1からα2に変更しながら被写体からL2−L1だけ移動、またはその逆移動すると、被写体に対する視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とすることができる。
【0063】
次に、図19には、支持アーム部材62が4本の場合の撮影システムの連動動作メカニズムを示す。(A)は、補助アーム63を接続ロッド64で結合した状態を示す。この状態で、回動の角度α、β、γは、常に同一に保たれる。(B)は、各支持アーム部材62を単独で示している。支持アーム部材62には、補助アーム63が各一つづつ一体化されている。また、支持アーム部材62には、隣接の支持アーム部材62との回動可能な連結のために使われる穴76、75が形成されている。例えば、紙面に向かって一番左側の支持アーム部材62は、右側に隣接する支持アーム部材62と補助アーム63側に形成された穴75と、後述する断面U字型の端部78側に形成された穴76とを合わせて回動可能なように連結される。
【0064】
図20には、支持アーム部材62の平面図と、側面図を示す。補助アーム63の先端側には、接続ロッド64が動きを自由にして結合される穴77が形成されている。そして、補助アーム63が設けられていない断面U字型の端部78側に前記穴76を形成している。
【0065】
図21には、支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図を示す。ここでは、全て同じ形状の7本の支持アーム部材(エレメント)81を直線状に接続した状態を示す。この図21からも明かなように同じ形状の支持アーム部材となるエレメントであれば、その数は任意に増やすことができる。エレメントの数nに対する接続ロッド83の数は、n−2となる。
【0066】
このように接続するため、エレメント81の構造は、図22に示すように、補助アーム82a、82bが互いに異なる向き(反対向き)になるようにそれぞれ端部に一体に形成される。そして、いずれか一方の端部85を断面U字型にし、隣接するエレメント81の他方の端部を挿入を可能なようにしている。したがって、隣接するエレメント81は、回動可能なように連結される。
【0067】
次に、ロック機構の他の具体例について説明する。前記図14に示した撮影システム60の支持装置におけるノブ66、アーム駆動プーリ72はロック機構を備えていた。図23には、ロック機能の他の具体例を示す。アーム駆動プーリ72をウォームホイル94に置き換えたものである。ノブ66は傘歯ギア91を回転させ、それにかみ合うもう一方の傘歯ギア92、ウォーム93によりウォームホイール94を回転させる。ウォームホイール94の回転は、例えば図14の支持アーム部材625の回動角度を変化させる。この利点は、ウォーム93によりギアの減速比が非常に大きくとれることである。したがって、ノブ66の回転力が少なくても良く、微調がしやすい。さらに、支持アーム部材が自動的にロックされる。このとき、ノブ66側で回転角度を表示するのは困難となるので、図24に示すように隣接する支持アーム部材625との回動部分に表示装置を取りつけるとよい。基準の支持アーム部材624に対して、右側の隣接支持アーム部材625が回動されて角度が変化するとき、この隣接支持アーム部材625と連動する針96によって角度を読み取る。目盛り板95は、もちろん基準の支持アーム部材624に対して固定される。支持アーム部材62の回動角度は実用上あまり大きくないので、隣接支持アーム部材625と針96との間には、ギアによる増角機構を用意することもできる。
【0068】
また、図23において、ウォーム93をモータによって駆動するようにしてもよい。この場合には、遠隔制御が容易になる。モータとしては、ステッピングモータ、DCモータを用いたオープン制御も可能であるし、図24に示す針96の変わりに電気的角度検出手段を用意して、モータの回転角を自動制御するフィードバック制御も可能である。
【0069】
次に、図25、図26、図27を参照して、カメラ61を、軽量化を図った支持アーム部材111に取りつける機構について説明する。図25〜図27に示した支持アーム部材111は、軽量化をはかるため、アルミニウムもしくはそれに類似する軽量合金で製作し、かつその断面構造をコの字構造としている。もちろん、図示はしないがH字構造としてもよい。カメラ61は、一般のカメラ取付ネジ112により、支持アーム部材111に形成された取付穴113を介して固定される。ここでは、取付穴113は、支持アーム部材111の長手方向に対して直交する方向に長い穴にすることにより取付時の微調整がしやすい。取付穴113は、支持アーム部材111の長手方向に対して平行に長い穴としてもよい。カメラのどの向きの微調を重視するかで異なる。また、サブシャーシを用意して前後、左右の微調を行うことも可能である。カメラの回転方向に関しては、ネジによる一点固定であるのであらゆる場合に可能である。
【0070】
なお、撮影システム60等では、回動可能に連結される支持アーム部材62間の遊びをなくすために、図28に示すように、結合部分に、スプリング121を挿入して回動方向にテンションを加えてもよい。こうすることでアーム間の取付精度による遊び、ロッドと前記アームを取りつける部分による遊びを一度に無くすことが可能となる。さらに、このスプリング121は、複数の結合部分に入れることも可能であるが、一つの隣接する前記アームに対する角度の変化は全てのアームに同じ作用を及ぼすので、一箇所だけに入れるだけでもよい。
【0071】
また、図29には、前記図21に概略的に示したエレメント(アーム)81による他の結合例を示す。接続ロッド83、83は、接続ロッド125,125は、全てのアームを連結するためのものである。これら接続ロッドとアームには前記図28に示したスプリングによりプリロードがかけられているものとする。このようなシステムでは、たとえ、アームとアーム間、アームとロッド間に若干の遊びがあった場合でも、これが実質的に吸収され、ガタがない。このような点から、このシステムでは接続ロッド125、125を取り外せるようにした。接続ロッド125、125を取り外すことで全体のシステムは、アーム群126と、アーム群127がフリーになり、折りたたむことが可能となる。したがって、適当な接続ロッドを取り外せる構造にすることで、使用しないときにはコンパクトに収納、運搬が可能となる。また、アームとアームとの結合を取り外す構造(例えば128の点)とすることも可能である。
【0072】
次に、図30には、図14に示した撮影システム60を、撮影者131の胴体に移動可能なように取りつけた様子を示す。撮影者131の胴体部には、ベルト、スプリング、取付アーム等からなるスタビライザーが取りつけられている。撮影システム60の接続用ベース部材65は、スタビライザーに形成されたネジ穴に、固定点74となる穴を合わせた状態で、取付ネジが締め付けられることにより撮影者131のスタビライザーに取りつけられる。このとき、スタビライザーへの固定点74には、撮影システム60の全体の重心が概略一致するようにされている。また、スタビライザーへの固定点74は、全体の機構やカメラの上方で、自動的にバランスがとれるようにされている。また、スタビライザーには、バッテリー132や、モニタ133が取りつけられている。このように撮影者131のスタビライザーに取りつけられた撮影システム60は、前記図18に示したように、複数のカメラの視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とし、移動撮影可能とされるという、有効な使用を著しく可能とする。もちろん、機動性を高め、撮影者の自由度を阻害することなく、かつ撮影監督の撮影意図を的確に表現することができる。
【0073】
ところで、これまでは、複数のカメラを水平面に平行に配置する撮影システムを挙げて説明してきた。しかし、対象物(被写体)を取り囲みながらの撮影においては、対象物をできるだけ広範囲から取り囲みたいという要求が撮影現場にある。その要求に一番良く応えるシステムは、対象物(被写体)を例えば籠の中にいれて3次元上の多くの箇所(例えば、球状のあらゆる箇所)から撮影するシステムである。しかし、このシステムでは、対象物(被写体)の背景に撮影装置が入ってしまう。これを避け、また自由に持ち運びができるという条件を満たすシステムがあればよい。
【0074】
図31に示す撮影システムによっての撮影がこれを満たすものである。この撮影システムは、前述したような撮影システム60等と同じシステム141、142を、中心144にて直交するように組み立てたものであり、カメラ143を合計16台と、これらのカメラを支持する支持装置からなる。中心144付近には、接続用ベース部材145が設けられている。この接続用ベース部材145には、前述した固定部材68や、三脚などを取りつけることができる。もちろん、撮影者やオペレータ等が手で保持することによって対象物を取り囲みながら、かつ撮影システムが映り込まない撮影が可能となる。撮影された画像は、コンピュータ処理により張り合わされる。
【0075】
なお、図31に示す撮影システムにおいては、システム141とシステム142を直交するように配置したが、例えばさらに一つのシステムを加え3つのシステムを相互に60度の角度となるように配置して撮影システムを構成することも可能である。このようにするとカメラの数は非常に増加する。しかし、現在CMOS技術などにより小型、軽量、低消費電力のカメラが、例えば携帯電話に搭載されるようになってきている。そこで、そのようなカメラを本撮影システムに用いれば、カメラの数が増加しても、システム自体の大きさ、重量、消費電力に影響を与えることがない。
【0076】
また、前述した各撮影システムによる取り囲み撮影においては、ライティングが通常に比べ困難になる。したがって、例えば支持アーム部材上に、各カメラとほぼ同じ位置に照明用ライトを取りつけると、この困難さが大きく軽減される。各ライトはカメラの向きに連動して角度が変わるようにされることにより、撮影時のカメラの向きに最適な方向にライティングを行うことができる。
【0077】
なお、前記さらに他の実施の形態以降では、複数のカメラを、7台、4台として説明したが、もちろん、これらの数に限定されるものではない。また、指示アーム部材の数も同様である。
【0078】
【発明の効果】
本発明に係る撮影システムは、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができ、かつ所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる。
【0079】
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、対象物の複数の映像を撮影可能とさせる。
【0080】
本発明に係る撮影システムは、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とし、さらに視点を常に一致させながらその視点を連続的に変更可能とすることができる。
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とし、さらに視点を常に一致させながらその視点を連続的に変更可能とすることができる。
【0081】
本発明に係る複数の撮像装置の配置調整方法は、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に滑らかな曲線を描くように配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮影システムの構成図である。
【図2】雲台と支柱の構成を示す図である。
【図3】雲台の平面図である。
【図4】複数のカメラを配置調整する方法を示すフローチャートである。
【図5】撮影システムの平面図である。
【図6】撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図7】複数の各カメラから記録装置に送られる、視点を変更したような被写体の各動画像信号を示す図である。
【図8】撮影システムにおける他のカメラ配置を示す図である。
【図9】撮影システムにおける他のカメラ配置を示す図である。
【図10】撮影システムにおける他のカメラ配置を説明するための図である。
【図11】雲台の基準円環の他の例を示す図である。
【図12】雲台の基準円環の他の例を示す図である。
【図13】雲台の位置決定基準を示す図である。
【図14】7本の支持アーム部材を用いて成る撮影システムの外観図である。
【図15】接続用ベース部材が取りつけられている支持アーム部材の正面図と、平面図である。
【図16】回動角度の一致を説明するための図である。
【図17】視点の一致を説明するための図である。
【図18】回動の角度を変えたときの、視点の交点と、カメラからの距離の関係を説明するための図である。
【図19】支持アーム部材が4本の場合の撮影システムの連動動作メカニズムを示す図である。
【図20】支持アーム部材の平面図と側面図である。
【図21】同じ形状の支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図である。
【図22】前記図21に示した支持アーム部材(エレメント)の平面図、断面図である。
【図23】ロック機構の他の具体例を示す図である。
【図24】回転角度の他の表示例を示す図である。
【図25】カメラを、軽量化を図った支持アーム部材に取りつける機構の断面図である。
【図26】カメラを、軽量化を図った支持アーム部材に取りつける機構の斜視図である。
【図27】軽量化を図った支持アーム部材に形成されたカメラ取付穴を示す図である。
【図28】支持アーム部材の結合部分にスプリングを挿入して回動方向にテンションを加えた構成を示す図である。
【図29】全て同じ形状にしたエレメント(支持アーム部材)による他の結合例を示す図である。
【図30】前記図14に示した撮影システムを撮影者の胴体に移動可能なように取りつけた様子を示す図である。
【図31】二つのシステムを直交させた撮影システムを示す図である。
【符号の説明】
1 支柱、2 雲台、3 位置決め線材、4 支持材、6 支点、50 カメラ、60 撮影システム、61 カメラ、62 支持アーム部材、63 補助アーム、64 接続ロッド、65 接続用ベース部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物(被写体)を取り囲むように、複数の撮像装置を配置し、各撮像装置からの映像を選択して、あたかも視点を自由に変更したような映像を得ることのできる撮影システム、複数の撮像装置の支持装置、並びに複数の撮像装置の配置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の撮像装置(カメラ)を使用し、対象物を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更しながら楽しむような撮影システムが開発されつつあり、実用に供されるところである。
【0003】
このような撮影システムにおいては、対象物をカメラがどう捕らえるかは、対象物により、また撮影者の意思により決定されるもので、カメラの設定にはフレキシビリティが要求される。
【0004】
一方、カメラの画像は最終的には張り合わせられるので、カメラ間の各視点の位置はある曲線状に滑らかに配置される必要がある。また、カメラ間の距離も(これは主としてカメラの画角や、どこまでをオーバラップさせるかにより決まる)フレキシブル、かつ安定に決める必要がある。
【0005】
また、前記撮影システムにおいては、複数のカメラが被写体に対して、視点が一致するように配置される必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような撮影システムにおいて複数のカメラの配置を調整し、対象物に向けて正確に固定する方法は、今までになく、例えば床面に配置する固定の治具のようなものに頼っていた。この固定の治具は、床面に対する平行面上でのカメラの配置形状を2次元的に固定的に決めるものであった。また、特定のスタジオに設置されるのが常であり、屋外や、スタジオから離れた場所での撮影には向いていなかった。
【0007】
また、複数のカメラによる被写体への視点の一致のため、従来は、撮影現場に固定された複数のカメラの支持装置を使用しており、機動性が悪いばかりでなく、撮影者の撮影の自由度を阻害し、監督の撮影意図を表現するのが困難であった。
【0008】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、かつ所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる撮影システムの提供を目的とする。
【0009】
また、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、対象物の複数の映像を撮影可能とさせる複数の撮像装置の支持装置の提供を目的とする。
【0010】
また、本発明は、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とする撮影システム及び複数の撮像装置の支持装置の提供を目的とする。
【0011】
また、本発明は、複数の撮像装置を3次元空間内に滑らかな曲線状に配置することができる複数の撮像装置の配置調整方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する支持装置とを備える。
【0013】
この撮影システムにあって、支持装置は複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する。また、支持装置は、撮像装置の視点を連続的に変更する。
【0014】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備える。
【0015】
この撮影システムは、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができる。
【0016】
本発明に係る撮影システムは、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の支持アーム部材と、前記各支持アーム部材を回動可能とし、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ複数の連結機構とを備える。
【0017】
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、前記課題を解決するために、複数の撮像装置を支持する複数の撮像装置の支持装置であって、前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する。
【0018】
この複数の撮像装置の支持装置は、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備えてなる。
【0019】
また、この複数の撮像装置の支持装置は、前記各撮像装置の視点を連続的に変更できるものであり、前記複数の撮像装置を搭載して支持する相互に回動可能な複数の支持アーム部材と、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ連結機構を備える。
【0020】
本発明に係る複数の撮像装置の配置調整方法は、前記課題を解決するために、複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備える撮影システムにおける前記複数の撮像装置の配置調整方法であって、前記弾性体線状材料を支点で固定しながら、所望の曲線を作成する工程と、前記複数の雲台の基準点を前記曲線に沿って配置、調整して各雲台を仮固定する工程と、前記複数の撮像装置を各雲台に取り付けし、微調整してから固定する工程とを備える。
【0021】
この複数の撮像装置の配置調整方法は、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、複数の撮像装置(カメラ)を使用し、対象物(被写体)を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることのできる図1に示すような撮影システムである。
【0023】
この撮影システムは、複数のカメラ50と、複数のカメラ50の視点を常に一致させて支持する支持装置と備えてなる。
【0024】
前記支持装置は、複数のカメラ50を支持するための複数の雲台2と、複数の雲台2を支持するための複数の支柱1と、複数の支柱1を設置面に安定に支持するための複数の支持材4と、複数の雲台2の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置するための位置決め線材3とを備える。なお、支柱1は、自立ベース29上に固定されている。
【0025】
複数のカメラ50(図1には3台のカメラを示すが、3台に限定される分けではなく、2,4,5,6,7,8,9,10台でも、さらに11,12,13,14,15台でも、それ以上でもよい。)は、被写体の静止画を撮影するものでも、動画を撮影するものでもよい。動画を撮影するカメラであれば、視点を変更した複数の動画が得られることになる。カメラ50は、図示しない光学レンズと、光学レンズに連動するように設けられるフォーカスリングと、光学レンズを透過した被写体画像を取り込んで撮像信号を生成するCCDイメージセンサ(イメージャー)と、イメージャから出力される撮像信号にカメラ信号処理を施すカメラ信号処理回路とを少なくとも備えている。また、カメラ50がカメラ一体型VTRである場合には、カメラ信号処理回路からの画像信号をテープ状記録媒体や、ディスク状記録媒体に記録する記録回路と、記録回路により記録された画像信号を前記記録媒体から再生する再生回路とを備える。つまり、カメラ50がカメラ一体型VTRではなく、カメラ信号処理回路で処理した信号のみを出力するときには、少なくとも記録部、再生部を別体に備える。
【0026】
複数の支柱1と、複数の雲台2は、カメラと同数であれば、2,4,5,6,7,8,9,10台でも、さらに11,12,13,14,15台でも、それ以上でもよい。
【0027】
各雲台2は、カメラ50の空間的配置を決定する曲線に沿うように配置、固定される。曲線は、各終端を例えば支点となる三脚6等で固定された位置決め線材3により空間中に描かれる。この曲線は、例えば作画監督の意思を反映する、滑らかな曲線である。この曲線が所定半径をもった円等に限られないのは明かである。この位置決め線材3によって形成された曲線に沿って各雲台2が配置され、固定されることによって、各雲台2に取りつけられた各カメラ50は作画監督の意思を反映して滑らかな曲線状に配置されることになる。
【0028】
位置決め線材3は、弾性体線状材料の、例えば鋼製の金属線である。具体的には、住宅内の電話線引き込み用や、屋内、屋外の配管内の清掃用に使われる、商品名プラリーダーや、鋼平板を用いてもよい。これらの弾性体線状材料は、いわゆる自在定規のように曲線を形成するのに適しており、さらに固定を解けば弾性を有するため形状を初期の状態に戻すことができる。このため、様々な曲線を形成することができる。もちろん、前記性質を備える弾性体線状材料であれば、鋼製の金属線に限定されるものではなく、プラスチック材料からなるものでも、あるいはゴム材料からなるものでもよい。また、位置決め線材3が弾性を備えるため、各雲台2の後述する基準点となる基準円環20は引っ張られることになる。
【0029】
なお、曲線の設定にあたっては、前記両端以外の任意の点に保持物を用意し、これらにより例えば凹凸のある3次曲線も可能となる。
【0030】
空間に配置した曲線に対し雲台2の位置決めをするには、まず概略のカメラ位置を設定するために、後述の図2に詳細を示す基準円環20に位置決め線材3を通す。この基準円環20は、指定された3次元空間内の曲線状に形成された位置決め線材3に合わせられる基準点である。特に、この基準円環20は、前記基準点となり、かつこの基準点を位置決め線材3が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段ともなる。この基準円環20と位置決め線材3の間には隙間があり、これが遊びとなりカメラ50のさらなる微調整を可能とする。
【0031】
基準円環20の取りつけられる位置は雲台2上に搭載されるカメラ50の視線と平行な直線上にあり、位置決め線材3を基準円環20に通すことにより、雲台は位置決め線材3の弾性力により引っ張られ、自動的にカメラ50の視線方向が位置決め線材3の法線方向となる。
【0032】
図2には雲台2と支柱1の構成を示す。
雲台2は、カメラ50をベース部分22にカメラ固定ネジ23を用いて固定する。また、ベース部分22は、第1連結部24に対して矢印A方向に回動する。所望の回動位置を保つためにはねじ25とねじ止め26によって固定される。また、第1連結部24は第2連結部27に対して矢印B方向に回動する。第2連結部27は、第1連結部24の他、支柱1の下部28と、支柱1の上部も連結する。つまり、支柱28に差込、かつ第1連結部24を固定する部材であり、支柱1の下部28,第1連結部24に対してねじで締め付けられる構造となっている(この締め付けねじは図示していない)。したがって雲台2には、カメラ50からみれば第1連結部24、ネジ25、ネジ23による3軸の自由度があり、さらに、第2連結部27の上下による自由度がある。
【0033】
また、支柱1の下部28は、この支柱1を基準面上に固定する自立ベース29のホールに挿入され、固定されている。
【0034】
図3は、雲台2部分の平面図である。基準円環20である基準点はカメラ固定ネジ穴32を通る直線上に配置されるようベース部分22に棒状部材(スティック)を介して固定される。
【0035】
以下、前記撮像システムを構成する複数のカメラを配置調整する方法について図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
先ず、ステップS1にて、雲台2が仮固定されている支柱を仮配置する。使用するカメラの数に応じた必要数だけ、設置場所に仮配置することになる。次に、ステップS2にて、位置決め線材3を支点となる三脚6で固定しながら、所望の曲線を作成する。
【0036】
次に、ステップS3にて各雲台2の基準円環(基準点)20を曲線に沿って配置、調整し雲台を仮固定する。このとき曲線を形成している位置決め線材3を基準円環20に通すことで自動的にカメラ50の視線方向の概略調整が可能となる。
【0037】
次に、ステップS4にて各支柱1の安定化のため支持材4を固定し、必要に応じてバラスト5で安定化する。そして、ステップS5にて各カメラ50を各雲台2に取りつけ、各カメラの画像を見ながら微調する。前記微調後、最後にステップS6にて、カメラ50を最終的に固定する。
【0038】
このように図4に示すフローチャートにしたがって前記複数のカメラの配置を調整することにより、複数のカメラを予め設定された3次元空間内の曲線に沿って配置することが可能となる。また、この方法によってカメラを配置した撮像システムによれば、撮影場所を固定することなく、所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる。
【0039】
図5には、前記方法により複数のカメラ(ここでは、501〜505までの5台のカメラ)を被写体Hに向け、曲線に沿って配置した撮像システムの平面図を示す。支柱11〜支柱15に固定された雲台21〜25にカメラ501〜505が取りつけられ、被写体Hに向けられている。カメラ501〜505は、前記方法にしたがい3次元空間内の曲線(位置決め線材3によって形成されている曲線)に基準円環201〜205を合わせた各雲台21〜25上に取りつけられ、さらに微調されることによって配置が調整される。
【0040】
図6には、前記撮像システムのブロック構成を示す。各カメラ501〜505が記録装置100に視点を変更したような被写体Hの各動画像信号を送り、記録装置100内にてテープ状記録媒体、またはディスク状記録媒体に、同期をとりながら記録し、その記録された5つの動画像信号を編集装置200にて編集し、モニタ210上に編集動画像を映し出すような構成である。
【0041】
図7には、各カメラ501〜505から記録装置100に送られる、視点を変更したような被写体Hの各動画像信号(1),(2),(3),(4),(5)を示す。動画像信号(1)は図5におけるカメラ501からの映像信号であり、動画像信号(2)はカメラ502からの映像信号である。以下動画像信号(3)、(4)及び(5)は、カメラ503,504,505からの映像信号である。
【0042】
なお、撮像システムは、図8に平面図を示すように円周上にカメラを複数台配置してもよい。この場合も、円状にされた位置決め線材3が雲台2の棒状部材(スティック)の先の基準円環20を通るように、雲台2を調整し、固定する。詳細な調整は、前記図4に示す方法による。また、図9に平面図を示すような曲線状に位置決め線材3を変形してもよい。いずれの場合も、被写体Hに向いている矢印がカメラの視線方向である。
【0043】
さらに、この撮影システムは、図10に示すように、設置面から各カメラまでの高さを各支柱毎に異ならせて形成される曲線、つまり雲台までの高さを異ならせるように形成された曲線に沿って、雲台を支柱に取付、カメラを固定してもよい。滑らかな曲線上にカメラが配置されるのであれば設置面からの高さが異なっていてもかまわない。図4に示した方法によれば、このような図10に示す変形例も容易に調整できる。
【0044】
また、基準円環20は、図11に示すように、スティックの終端を半円形となし、ラッチ31と組み合わされて形成されてもよい。このラッチ31付の基準円環20を用いることにより、位置決め線材3はこの穴のなかに簡単に通すことも外すこともできる。
【0045】
また、位置決め線材3をはずさないのであれば、図12に示すように、ネジ33を用意し、これにより線材の遊びをなくし、不要な振動を防ぐことができる。
【0046】
また、これまでの実施の形態等では、位置決め線材3と雲台2を固定したが、位置決め線材3はカメラ配置を決めるため尺度を与えているものであるので、必ずしも固定される必要はない。よって、図13に示すように、雲台2側に基準点を示す手段があればよい。図13における棒状部材(スティック)40はそのための基準点表示手段であり、単に位置決定基準となるような球状部分があるだけである。実際の使用状態では、この球状部分を位置決め線材と接するように設定していけばよい。この場合の前記基準円環20に比較したメリットはカメラの微調が若干しやすいということがある。
【0047】
次に、本発明のさらに他の実施の形態について説明する。この他の実施の形態も、複数のカメラを使用し、被写体を取り囲むように静止画、動画を撮影し、視点を自由に変更したような映像を得ることができる撮影システムである。ただし、この撮影システムは、基本的には真円状の円周の一部、又は全部に相似して接続された複数の支持アーム部材により、複数のカメラを支持している。したがって、複数のカメラは、真円状の円周の一部、又は全部に沿うように配置されることになる。
【0048】
図14において、撮影システム60は、7台のカメラ611〜617と、これら7台のカメラ611〜617の視点を常に一致させ、かつ各視点を連続的に変更できる支持装置とを備える。支持装置は、7台のカメラ611〜617をそれぞれ中央部に搭載して支持する相互に回動可能な7本の支持アーム部材621〜627と、これらの支持アーム部材621〜627同士の間の角度を一定に保つ連結機構とを備える。支持アーム部材621〜627は、アルミニウムのような軽金属を材料としている。
【0049】
各連結機構は、支持アーム部材621〜627間を回動可能とするヒンジ部或いはピンと、各支持アーム部材621〜627をヒンジ部或いはピンに対して回動させるための補助アーム部631〜6310と、これら補助アーム631〜6310間を接続する接続ロッド641〜645を有してなる
この撮影システム60において、カメラ611〜617の視点と、支持アーム部材621〜627のなす角度は90度が標準である。各支持アーム部材621〜627は、前述したようにヒンジ部或いはピンにより回動可能なように固定されていて、単一平面内で複数カメラ間のなす視点の方向が連続的に変化できる。
【0050】
各支持アーム部材621〜627は、補助アーム631〜6310の少なくとも一つを一体化している。支持アーム部材621は、補助アーム631を一体化している。支持アーム部材622は、補助アーム635を一体化している。支持アーム部材623は、補助アーム632,635を一体化している。支持アーム部材624は、補助アーム634,637を一体化している。支持アーム部材625は、補助アーム636,639を一体化している。支持アーム部材626は、補助アーム638を一体化している。支持アーム部材627は、補助アーム6310を一体化している。
【0051】
補助アーム631と補助アーム632は、接続ロッド641で結合されている。補助アーム633と補助アーム634は、接続ロッド642で結合されている。補助アーム635と補助アーム636は、接続ロッド643で結合されている。補助アーム637と補助アーム638は、接続ロッド644で結合されている。補助アーム639と補助アーム6310は、接続ロッド645で結合されている。
【0052】
この撮影システム60にあっては、支持アーム部材の数が7であり奇数であるので、中心部となる支持アーム部材624の位置に、固定部材68への接続を行うための接続用ベース部材65を取りつけている。固定部材68は、設置面にベース69を接地させて本撮影システム60を固定するためのものである。もちろん、固定部材68を移動可能とし、本撮影システム60を固定したまま持ち運ぶことができる。この固定部材68は、三脚でもよい。
【0053】
接続用ベース部材65には、固定部材68や、後述するスタビライザー等を取りつけるための取付ネジが用意されている。取付ネジは、固定点74となる穴をとおして、固定部材68や、スタビライザー等に形成されたネジ穴に取りつけられ、接続ベース部材65と固定部材68や、スタビライザー等を固定接続する。また、接続用ベース部材65には、支持アーム部材624を基準とし、隣接支持アーム部材625とのなす角度を変化させるための回転手段であるプーリ取りつけられている。
【0054】
図15は、接続用ベース部材65が取りつけられている支持アーム部材624の正面図(A)と、平面図(B)である。接続用ベース部材65の下部には、オペレータ(撮影者)により支持アーム部材625が支持アーム部材624に対して回動操作されることにより回転力が伝えられるアーム駆動プーリ72が支持アーム部材625に連動するように設けられている。また、接続用ベース部材65の下部には、アーム駆動プーリ72へ回転力を例えばタイミングベルト71により伝える調整プーリ73が、後述するノブ66に結合されるように設けられている。アーム駆動プーリ72と調整プーリ73は、タイミングベルト71により連結されているのでスリップしない。また、アーム駆動プーリ72は、調整プーリ73に対して減速されている方が調整の力も少なく、微調もしやすい。
【0055】
ノブ66は、オペレータ(撮影者)が支持アーム部材625を支持アーム部材624に対して回動したいときに、直接操作されるものであり、目盛り67が用意されている。目盛り67は、回転角を示しても、あるいは被写体までの距離を示してもよい。この目盛り67を確認しながら、オペレータがノブ66を回すと、調整プーリ73が回転する。この調整プーリ73の回転力は、タイミングベルト71を通じてアーム駆動プーリ72に伝えられる。アーム駆動プーリ72はタイミングベルト71を介して伝えられた回転力により支持アーム部材625を回動する。
【0056】
支持アーム部材625が回動すると、支持アーム部材625に一体化されている補助アーム636,639も連動して動く。補助アーム636は、接続ロッド643により補助アーム635に結合されている。補助アーム635は、支持アーム部材623に一体化されている。したがって、支持アーム部材623も前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。また、補助アーム639は、接続ロッド645により補助アーム6310に結合されている。補助アーム6310は、支持アーム部材627に一体化されている。したがって、支持アーム部材627も前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。
【0057】
さらに、支持アーム部材625が回動すると、補助アーム638を介して支持アーム部材626も回動する。以下、隣接の支持アーム部材とそれらの一体化された補助アームが動くことにより、全ての支持アーム部材62が前記目盛り67にて指定された目盛りだけ回動する。
【0058】
なお、この撮影システム60においては、ノブ66又はアーム駆動プーリ72にロック機構を用意し、一旦回動した後にロック可能とするようにしている。
【0059】
以上に説明した構成により、図16に示すように、例えば支持アーム部材624を基準にして考えると、支持アーム部材623が支持アーム部材624となす角度αと支持アーム部材625が支持アーム部材624となす角度βとの間には常にα=βの関係が成り立つ。
【0060】
すなわち、支持アーム部材624を基準として支持アーム部材623又は支持アーム部材625の、いずれか一方を回動させると、他方も同じ角度だけ回動する。この結果、各支持アーム部材621〜627に搭載されたカメラ611〜617の視点は、図17に示すように常に一点で交わり、カメラからの距離Lは等しい。
【0061】
ただし、回動の角度を変えると、前記交点と、カメラの距離は変化することになる。例えば、図18に示すように、支持アーム部材6241を基準にして支持アーム部材6231又は支持アーム部材6251の、いずれか一方を回動させたときの回動の角度をα1とする。これに対して、α1よりも大きい、α2(α1<α2)だけ、支持アーム部材6242を基準にして支持アーム部材6232又は支持アーム部材6252の、いずれか一方を回動させたとする。すると、回動角度α2のときの各カメラの視点の交点PV2までのカメラからの距離L2は、回動角度α1のときの各カメラの視点の交点PV1までのカメラからの距離L1よりも、長くなる(L2>L1)。L2−L1だけの差が生じることになる。
【0062】
以上のことから、この撮影システム60にて、前記回動角度をα1からα2に変更しながら被写体からL2−L1だけ移動、またはその逆移動すると、被写体に対する視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とすることができる。
【0063】
次に、図19には、支持アーム部材62が4本の場合の撮影システムの連動動作メカニズムを示す。(A)は、補助アーム63を接続ロッド64で結合した状態を示す。この状態で、回動の角度α、β、γは、常に同一に保たれる。(B)は、各支持アーム部材62を単独で示している。支持アーム部材62には、補助アーム63が各一つづつ一体化されている。また、支持アーム部材62には、隣接の支持アーム部材62との回動可能な連結のために使われる穴76、75が形成されている。例えば、紙面に向かって一番左側の支持アーム部材62は、右側に隣接する支持アーム部材62と補助アーム63側に形成された穴75と、後述する断面U字型の端部78側に形成された穴76とを合わせて回動可能なように連結される。
【0064】
図20には、支持アーム部材62の平面図と、側面図を示す。補助アーム63の先端側には、接続ロッド64が動きを自由にして結合される穴77が形成されている。そして、補助アーム63が設けられていない断面U字型の端部78側に前記穴76を形成している。
【0065】
図21には、支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図を示す。ここでは、全て同じ形状の7本の支持アーム部材(エレメント)81を直線状に接続した状態を示す。この図21からも明かなように同じ形状の支持アーム部材となるエレメントであれば、その数は任意に増やすことができる。エレメントの数nに対する接続ロッド83の数は、n−2となる。
【0066】
このように接続するため、エレメント81の構造は、図22に示すように、補助アーム82a、82bが互いに異なる向き(反対向き)になるようにそれぞれ端部に一体に形成される。そして、いずれか一方の端部85を断面U字型にし、隣接するエレメント81の他方の端部を挿入を可能なようにしている。したがって、隣接するエレメント81は、回動可能なように連結される。
【0067】
次に、ロック機構の他の具体例について説明する。前記図14に示した撮影システム60の支持装置におけるノブ66、アーム駆動プーリ72はロック機構を備えていた。図23には、ロック機能の他の具体例を示す。アーム駆動プーリ72をウォームホイル94に置き換えたものである。ノブ66は傘歯ギア91を回転させ、それにかみ合うもう一方の傘歯ギア92、ウォーム93によりウォームホイール94を回転させる。ウォームホイール94の回転は、例えば図14の支持アーム部材625の回動角度を変化させる。この利点は、ウォーム93によりギアの減速比が非常に大きくとれることである。したがって、ノブ66の回転力が少なくても良く、微調がしやすい。さらに、支持アーム部材が自動的にロックされる。このとき、ノブ66側で回転角度を表示するのは困難となるので、図24に示すように隣接する支持アーム部材625との回動部分に表示装置を取りつけるとよい。基準の支持アーム部材624に対して、右側の隣接支持アーム部材625が回動されて角度が変化するとき、この隣接支持アーム部材625と連動する針96によって角度を読み取る。目盛り板95は、もちろん基準の支持アーム部材624に対して固定される。支持アーム部材62の回動角度は実用上あまり大きくないので、隣接支持アーム部材625と針96との間には、ギアによる増角機構を用意することもできる。
【0068】
また、図23において、ウォーム93をモータによって駆動するようにしてもよい。この場合には、遠隔制御が容易になる。モータとしては、ステッピングモータ、DCモータを用いたオープン制御も可能であるし、図24に示す針96の変わりに電気的角度検出手段を用意して、モータの回転角を自動制御するフィードバック制御も可能である。
【0069】
次に、図25、図26、図27を参照して、カメラ61を、軽量化を図った支持アーム部材111に取りつける機構について説明する。図25〜図27に示した支持アーム部材111は、軽量化をはかるため、アルミニウムもしくはそれに類似する軽量合金で製作し、かつその断面構造をコの字構造としている。もちろん、図示はしないがH字構造としてもよい。カメラ61は、一般のカメラ取付ネジ112により、支持アーム部材111に形成された取付穴113を介して固定される。ここでは、取付穴113は、支持アーム部材111の長手方向に対して直交する方向に長い穴にすることにより取付時の微調整がしやすい。取付穴113は、支持アーム部材111の長手方向に対して平行に長い穴としてもよい。カメラのどの向きの微調を重視するかで異なる。また、サブシャーシを用意して前後、左右の微調を行うことも可能である。カメラの回転方向に関しては、ネジによる一点固定であるのであらゆる場合に可能である。
【0070】
なお、撮影システム60等では、回動可能に連結される支持アーム部材62間の遊びをなくすために、図28に示すように、結合部分に、スプリング121を挿入して回動方向にテンションを加えてもよい。こうすることでアーム間の取付精度による遊び、ロッドと前記アームを取りつける部分による遊びを一度に無くすことが可能となる。さらに、このスプリング121は、複数の結合部分に入れることも可能であるが、一つの隣接する前記アームに対する角度の変化は全てのアームに同じ作用を及ぼすので、一箇所だけに入れるだけでもよい。
【0071】
また、図29には、前記図21に概略的に示したエレメント(アーム)81による他の結合例を示す。接続ロッド83、83は、接続ロッド125,125は、全てのアームを連結するためのものである。これら接続ロッドとアームには前記図28に示したスプリングによりプリロードがかけられているものとする。このようなシステムでは、たとえ、アームとアーム間、アームとロッド間に若干の遊びがあった場合でも、これが実質的に吸収され、ガタがない。このような点から、このシステムでは接続ロッド125、125を取り外せるようにした。接続ロッド125、125を取り外すことで全体のシステムは、アーム群126と、アーム群127がフリーになり、折りたたむことが可能となる。したがって、適当な接続ロッドを取り外せる構造にすることで、使用しないときにはコンパクトに収納、運搬が可能となる。また、アームとアームとの結合を取り外す構造(例えば128の点)とすることも可能である。
【0072】
次に、図30には、図14に示した撮影システム60を、撮影者131の胴体に移動可能なように取りつけた様子を示す。撮影者131の胴体部には、ベルト、スプリング、取付アーム等からなるスタビライザーが取りつけられている。撮影システム60の接続用ベース部材65は、スタビライザーに形成されたネジ穴に、固定点74となる穴を合わせた状態で、取付ネジが締め付けられることにより撮影者131のスタビライザーに取りつけられる。このとき、スタビライザーへの固定点74には、撮影システム60の全体の重心が概略一致するようにされている。また、スタビライザーへの固定点74は、全体の機構やカメラの上方で、自動的にバランスがとれるようにされている。また、スタビライザーには、バッテリー132や、モニタ133が取りつけられている。このように撮影者131のスタビライザーに取りつけられた撮影システム60は、前記図18に示したように、複数のカメラの視点を常に一致させながらカメラの視点を連続的に変更可能とし、移動撮影可能とされるという、有効な使用を著しく可能とする。もちろん、機動性を高め、撮影者の自由度を阻害することなく、かつ撮影監督の撮影意図を的確に表現することができる。
【0073】
ところで、これまでは、複数のカメラを水平面に平行に配置する撮影システムを挙げて説明してきた。しかし、対象物(被写体)を取り囲みながらの撮影においては、対象物をできるだけ広範囲から取り囲みたいという要求が撮影現場にある。その要求に一番良く応えるシステムは、対象物(被写体)を例えば籠の中にいれて3次元上の多くの箇所(例えば、球状のあらゆる箇所)から撮影するシステムである。しかし、このシステムでは、対象物(被写体)の背景に撮影装置が入ってしまう。これを避け、また自由に持ち運びができるという条件を満たすシステムがあればよい。
【0074】
図31に示す撮影システムによっての撮影がこれを満たすものである。この撮影システムは、前述したような撮影システム60等と同じシステム141、142を、中心144にて直交するように組み立てたものであり、カメラ143を合計16台と、これらのカメラを支持する支持装置からなる。中心144付近には、接続用ベース部材145が設けられている。この接続用ベース部材145には、前述した固定部材68や、三脚などを取りつけることができる。もちろん、撮影者やオペレータ等が手で保持することによって対象物を取り囲みながら、かつ撮影システムが映り込まない撮影が可能となる。撮影された画像は、コンピュータ処理により張り合わされる。
【0075】
なお、図31に示す撮影システムにおいては、システム141とシステム142を直交するように配置したが、例えばさらに一つのシステムを加え3つのシステムを相互に60度の角度となるように配置して撮影システムを構成することも可能である。このようにするとカメラの数は非常に増加する。しかし、現在CMOS技術などにより小型、軽量、低消費電力のカメラが、例えば携帯電話に搭載されるようになってきている。そこで、そのようなカメラを本撮影システムに用いれば、カメラの数が増加しても、システム自体の大きさ、重量、消費電力に影響を与えることがない。
【0076】
また、前述した各撮影システムによる取り囲み撮影においては、ライティングが通常に比べ困難になる。したがって、例えば支持アーム部材上に、各カメラとほぼ同じ位置に照明用ライトを取りつけると、この困難さが大きく軽減される。各ライトはカメラの向きに連動して角度が変わるようにされることにより、撮影時のカメラの向きに最適な方向にライティングを行うことができる。
【0077】
なお、前記さらに他の実施の形態以降では、複数のカメラを、7台、4台として説明したが、もちろん、これらの数に限定されるものではない。また、指示アーム部材の数も同様である。
【0078】
【発明の効果】
本発明に係る撮影システムは、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に配置することができ、かつ所定の場所を選ばずに、対象物の複数の映像を撮影することができる。
【0079】
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、複数の撮像装置を3次元空間内に配置し、対象物の複数の映像を撮影可能とさせる。
【0080】
本発明に係る撮影システムは、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とし、さらに視点を常に一致させながらその視点を連続的に変更可能とすることができる。
本発明に係る複数の撮像装置の支持装置は、複数の撮像装置による被写体への視点の一致を、機動性を高めながらも可能とし、さらに視点を常に一致させながらその視点を連続的に変更可能とすることができる。
【0081】
本発明に係る複数の撮像装置の配置調整方法は、指定された3次元空間内の曲線に沿うように変形された弾性体線状材料に合わせて、複数の雲台の空間的相対位置を配置するので、複数の撮像装置を各雲台に取り付けることにより所望の3次元空間内に滑らかな曲線を描くように配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮影システムの構成図である。
【図2】雲台と支柱の構成を示す図である。
【図3】雲台の平面図である。
【図4】複数のカメラを配置調整する方法を示すフローチャートである。
【図5】撮影システムの平面図である。
【図6】撮像システムの構成を示すブロック図である。
【図7】複数の各カメラから記録装置に送られる、視点を変更したような被写体の各動画像信号を示す図である。
【図8】撮影システムにおける他のカメラ配置を示す図である。
【図9】撮影システムにおける他のカメラ配置を示す図である。
【図10】撮影システムにおける他のカメラ配置を説明するための図である。
【図11】雲台の基準円環の他の例を示す図である。
【図12】雲台の基準円環の他の例を示す図である。
【図13】雲台の位置決定基準を示す図である。
【図14】7本の支持アーム部材を用いて成る撮影システムの外観図である。
【図15】接続用ベース部材が取りつけられている支持アーム部材の正面図と、平面図である。
【図16】回動角度の一致を説明するための図である。
【図17】視点の一致を説明するための図である。
【図18】回動の角度を変えたときの、視点の交点と、カメラからの距離の関係を説明するための図である。
【図19】支持アーム部材が4本の場合の撮影システムの連動動作メカニズムを示す図である。
【図20】支持アーム部材の平面図と側面図である。
【図21】同じ形状の支持アーム部材(エレメント)の数を任意にした場合の構成図である。
【図22】前記図21に示した支持アーム部材(エレメント)の平面図、断面図である。
【図23】ロック機構の他の具体例を示す図である。
【図24】回転角度の他の表示例を示す図である。
【図25】カメラを、軽量化を図った支持アーム部材に取りつける機構の断面図である。
【図26】カメラを、軽量化を図った支持アーム部材に取りつける機構の斜視図である。
【図27】軽量化を図った支持アーム部材に形成されたカメラ取付穴を示す図である。
【図28】支持アーム部材の結合部分にスプリングを挿入して回動方向にテンションを加えた構成を示す図である。
【図29】全て同じ形状にしたエレメント(支持アーム部材)による他の結合例を示す図である。
【図30】前記図14に示した撮影システムを撮影者の胴体に移動可能なように取りつけた様子を示す図である。
【図31】二つのシステムを直交させた撮影システムを示す図である。
【符号の説明】
1 支柱、2 雲台、3 位置決め線材、4 支持材、6 支点、50 カメラ、60 撮影システム、61 カメラ、62 支持アーム部材、63 補助アーム、64 接続ロッド、65 接続用ベース部材
Claims (51)
- 複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持する支持装置と
を備えることを特徴とする撮影システム。 - 前記支持装置は、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の撮影システム。
- 前記支持装置は、前記撮像装置の視点を連続的に変更できることを特徴とする請求項1記載の撮影システム。
- 前記支持装置は、前記複数の撮像装置を搭載して支持する相互に回動可能な複数の支持アーム部材と、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ連結機構を備えることを特徴とする請求項3記載の撮影システム。
- 複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、
前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、
前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料と
を備えることを特徴とする撮影システム。 - 前記各雲台は指定された3次元空間内の曲線状に変形された弾性体線状材料に合わせられる基準点を有しており、この基準点が前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に合わせられることにより、前記雲台上の撮像装置の視線方向が、前記弾性体線状材料が描く曲線と概略直交することを特徴とする請求項5記載の撮影システム。
- 前記各雲台は、前記基準点を前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段を有していることを特徴とする請求項6記載の撮影システム。
- 前記基準点保持手段は、前記弾性体線状材料を固定して保持することを特徴とする請求項7記載の撮影システム。
- 前記各雲台は、上下及び3軸の4自由度を有するものであることを特徴とする請求項5記載の撮影システム。
- 前記各雲台は指定された3次元空間内の曲線状に変形された弾性体線状材料に合わせられる基準点を有しており、この基準点が前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に合わせられることにより、前記雲台上の撮像装置の視線方向が、前記弾性体線状材料が描く曲線と概略直交することを特徴とする請求項9記載の撮影システム。
- 前記各雲台は、前記基準点を前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段を有していることを特徴とする請求項10記載の撮影システム。
- 前記基準点保持手段は、前記弾性体線状材料を固定して保持することを特徴とする請求項11記載の撮影システム。
- 前記複数の支柱を設置面に安定に支持するための支持手段を有することを特徴とする請求項5記載の撮影システム。
- 前記支持手段は、着脱可能、かつ間隔が調整可能であることを特徴とする請求項13記載の撮影システム。
- 複数の撮像装置と、
前記複数の撮像装置を支持するための複数の支持アーム部材と、
前記各支持アーム部材を回動可能とし、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ複数の連結機構と
を備えることを特徴とする撮影システム。 - 前記各連結機構は、前記支持アーム部材間を回転可能とするヒンジ部と、各支持アーム部材をヒンジ部に対して回転させるための補助アーム部と、これら補助アーム間を接続する接続ロッドを有してなることを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 前記各連結機構の前記補助アームと接続ロッドにより、全ての隣り合う支持アーム部材の角度を同一とすることを特徴とする請求項16記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、固定部材又は移動用部材への接続を行うための接続用ベース部材を有することを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、当該少なくとも一つの支持アーム部材を基準とし、隣接支持アーム部材とのなす角度を変化させるための回転手段、この回転手段を駆動する駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、前記回転手段による回転角度を表示する回転角度表示手段をさらに有することを特徴とする請求項19記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、前記回転手段に対するストッパー手段をさらに有し、前記回転手段による回転角調整後に支持アーム部材間の角度を固定することを特徴とする請求項20記載の撮影システム。
- 前記駆動手段は回転手段を電気的に駆動するものであり、前記複数の撮影装置による被写体撮影中にも回転角度の変更を可能とすることを特徴とする請求項19記載の撮影システム。
- 前記各支持アーム部材は、各撮像装置を取りつける位置を微調整する微調手段を有することを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 前記複数の連結機構により回動可能とされた前記複数の支持アーム部材を、水平及び垂直に組み合わせ、複数の撮像装置を3次元空間上の規定位置に配置してなり、さらにその視点の向きを全撮像装置にあって同時に変更可能とすることを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材を前記連結機構によって連結するとき、一部の支持アーム部材あるいは接続ロッドを取り外し可能とすることを特徴とする請求項16記載の撮影システム。
- 前記複数の支持アーム部材には、前記複数の撮像装置とともに照明用ライトを備えることを特徴とする請求項15記載の撮影システム。
- 複数の撮像装置を支持する複数の撮像装置の支持装置であって、
前記複数の撮像装置の視点を常に一致させて支持することを特徴とする複数の撮像装置の支持装置。 - 前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備えてなることを特徴とする請求項27記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各雲台は指定された3次元空間内の曲線状に変形された弾性体線状材料に合わせられる基準点を有しており、この基準点が前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に合わせられることにより、前記雲台上の撮像装置の視線方向が、前記弾性体線状材料が描く曲線と概略直交することを特徴とする請求項28記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各雲台は、前記基準点を前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段を有していることを特徴とする請求項29記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記基準点保持手段は、前記弾性体線状材料を固定して保持することを特徴とする請求項30記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各雲台は、上下及び3軸の4自由度を有するものであることを特徴とする請求項28記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各雲台は指定された3次元空間内の曲線状に変形された弾性体線状材料に合わせられる基準点を有しており、この基準点が前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に合わせられることにより、前記雲台上の撮像装置の視線方向が、前記弾性体線状材料が描く曲線と概略直交することを特徴とする請求項32記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各雲台は、前記基準点を前記弾性体線状材料が描く曲線の位置に保持する基準点保持手段を有していることを特徴とする請求項33記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記基準点保持手段は、前記弾性体線状材料を固定して保持することを特徴とする請求項34記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支柱を設置面に安定に支持するための支持手段を有することを特徴とする請求項28記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記支持手段は、着脱可能、かつ間隔が調整可能であることを特徴とする請求項36記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各撮像装置の視点を連続的に変更できることを特徴とする請求項27記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の撮像装置を搭載して支持する相互に回動可能な複数の支持アーム部材と、各支持アーム部材同士の間の角度を一定に保つ連結機構を備えることを特徴とする請求項38記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各連結機構は、前記支持アーム部材間を回転可能とするヒンジ部と、各支持アーム部材をヒンジ部に対して回転させるための補助アーム部と、これら補助アーム間を接続する接続ロッドを有してなることを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各連結機構の前記補助アームと接続ロッドにより、全ての隣り合う支持アーム部材の角度を同一とすることを特徴とする請求項40記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、固定部材又は移動用部材への接続を行うための接続用ベース部材を有することを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、当該少なくとも一つの支持アーム部材を基準とし、隣接支持アーム部材とのなす角度を変化させるための回転手段、この回転手段を駆動する駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、前記回転手段による回転角度を表示する回転角度表示手段をさらに有することを特徴とする請求項43記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材のうち少なくとも一つは、前記回転手段に対するストッパー手段をさらに有し、前記回転手段による回転角調整後に支持アーム部材間の角度を固定することを特徴とする請求項44記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記駆動手段は回転手段を電気的に駆動するものであり、前記複数の撮影装置による被写体撮影中にも回転角度の変更を可能とすることを特徴とする請求項43記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記各支持アーム部材は、各撮像装置を取りつける位置を微調整する微調手段を有することを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の連結機構により回動可能とされた前記複数の支持アーム部材を、水平及び垂直に組み合わせ、複数の撮像装置を3次元空間上の規定位置に配置してなり、さらにその視点の向きを全撮像装置にあって同時に変更可能とすることを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材を前記連結機構によって連結するとき、一部の支持アーム部材あるいは接続ロッドを取り外し可能とすることを特徴とする請求項40記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 前記複数の支持アーム部材には、前記複数の撮像装置とともに照明用ライトを備えることを特徴とする請求項39記載の複数の撮像装置の支持装置。
- 複数の撮像装置と、前記複数の撮像装置を支持するための複数の雲台と、前記複数の雲台を支持するための複数の支柱と、前記複数の雲台の空間的相対位置を、指定された3次元空間内の曲線に沿うように配置する弾性体線状材料とを備える撮影システムにおける前記複数の撮像装置の配置調整方法であって、
前記弾性体線状材料を支点で固定しながら、所望の曲線を作成する工程と、
前記複数の雲台の基準点を前記曲線に沿って配置、調整して各雲台を仮固定する工程と、
前記複数の撮像装置を各雲台に取り付けし、微調整してから固定する工程と
を備えることを特徴とする複数の撮像装置の配置調整方法。
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- 2002-06-28 JP JP2002190903A patent/JP2004053616A/ja not_active Withdrawn
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