JP2004053042A - マイナスイオン含有空気供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温調機から空気を病室等の浄化室1に供給する流路3に、噴射ノズル13に高圧空気を供給して水を微細粒子状に破砕してマイナスイオンを発生させるイオン発生装置11が配設してある。イオン発生装置11の下流側にマイナスイオンの量をプラスイオンの量より多くなるように調整するためのイオン調整装置21が配設してある。イオン量調整装置21は導電性材料からなり、直流電源からマイナスに印加されるハニカム電極24と、プラスに印加されるアース電極とから構成してある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば養護施設や病院等のように施設利用者にとって快適な環境形成が特に重要とされる施設に設置して好適なマイナスイオン含有空気供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイナスイオンが人間の健康を保持し、また増進するのに有効であることが注目されており、マイナスイオンの発生機能を持たせた空気清浄機や冷暖房機が提供されている。このマイナスイオン発生方法としては、水を破砕してレナード効果によりマイナスイオンを発生する水破砕式、電極間に高電圧を印加して発生させるコロナ放電式、電子放射式等が知られているが、水破砕式が自然に近い形でマイナスイオンを発生するとされており、例えば特開平5−283144号公報には、圧縮空気と水とが供給されることで水を霧状にして噴出する霧噴出用ノズルと、前記霧噴出用ノズルに圧縮空気を供給する空気供給源と、前記霧噴出用ノズルに水を供給する水供給源とを備えることを特徴とする空気イオン発生装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人間に有益なのはマイナスイオンであることは知られているが、上述したいずれのマイナスイオン発生方法においてもプラスイオンも発生するし大気中に存在していることから、マイナスイオンの量をプラスイオンの量より多くするための調整が必要である。しかし、従来技術はこの点について配慮していないという欠点がある。また、従来技術には、マイナスイオン発生装置とイオン量調整装置を一体化して設置の利便性を考慮したマイナスイオン含有空気供給システムは提案されていない。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の諸欠点に鑑みなされたもので、浄化空気に混合するマイナスイオンの量をプラスイオンの量より多くなるようにイオン量を調整することにより人間にとってより好適な環境を提供することができるし、イオン発生装置とイオン量調整装置を一体化して小型化することにより設置上の利便性を図ることができるマイナスイオン含有空気供給システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は、空調機から空気を浄化室に循環供給する流路に、該空調機から供給される温調空気にイオンを混合してイオン含有空気に生成するイオン発生装置と、該イオン発生装置により生成したイオン含有空気中のマイナスイオン量がプラスイオン量より大となるように調整して前記浄化室に供給するイオン量調整装置を配設したことにある。
【0006】
そして、前記イオン量調整装置は、ケーシング内に導電性材料によりハニカム構造に構成してなるハニカム電極と、該ハニカム電極に近接して空気流の上流側に配設した格子状又は網状のアース電極とを格納し、直流電源により前記ハニカム電極にマイナスの電圧を印加し、アース電極にプラスの電圧を印加するように構成したものにするとよい。
【0007】
また、前記イオン発生装置は、前記空調機から供給される温調空気中に配置される噴射ノズルと、該噴射ノズルに高圧空気を供給する高圧空気源と、前記噴射ノズル内に負圧により吸引する水を供給する水供給源とから構成し、該イオン発生装置は前記イオン量調整装置を構成するケーシング内に配置する構成にするとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。図1乃至図4は第1の実施の形態を示す。図において、1、1は例えば病室等の浄化室、2は該各浄化室1に塵埃等を除去して浄化し、適切な温度に調節した空気を循環供給するための空調機を示し、該空調機2は空気浄化用フィルタ2A、加熱コイル2B、送風機2Cから構成してあり、空気供給管3を介して各浄化室1に温調空気を供給するようになっている。また、各浄化室1に設けた排気ダクト4と空調機2との間には空気戻り管5が接続してあり、空気供給管3及び空気戻り管5により形成する流路によって浄化空気は各浄化室1と空調機2との間を循環供給されるようになっている。
【0009】
11は前記空気供給管3に接続されたイオン発生装置を示す。該イオン発生装置11は空気供給管3が接続され、温調空気が供給されるケーシング12と、該ケーシング12内に配置された噴射ノズル13と、該噴射ノズル13に加圧空気を供給するエアコンプレッサー14と、フロート弁を備えた貯水タンク15Aから常時一定水量を噴射ノズル13に供給するようにした給水栓15とから構成してある。そして、噴射ノズル13はエアコンプレッサー14から供給されてノズル孔から噴出される加圧空気によるノズル内の負圧により水を微細粒子状に破砕させてレナード効果によりマイナスイオンを生成し、浄化空気に混合するものである。
【0010】
21は前記イオン発生装置11から空気供給管3を介して浄化室1に供給されるイオン含有空気中のマイナスイオン量を調整するためのイオン量調整装置を示す。22は該イオン量調整装置21を構成する角筒カバーで、該角筒カバー22は截頭角錐状の一側カバー部22A及び他側カバー部22Bと、該一側及び他側カバー部22A、22Bが両端に連結されたカバー本体22Cとから構成してあり、一側カバー部22Aは空気供給管3に接続し、他側カバー部22Bは浄化室1に開口している。なお、一側カバー部22Aを空気の下流方向が開拡した截頭角錐状に形成してあるのは、浄化空気の流速を抑えて後述するハニカム電極24との接触時間を確保するためである。
【0011】
23、23、・・は前記カバー本体22Cの内面に設けた絶縁材、24は該絶縁材23を介してカバー本体22Aに収容したハニカム電極で、該ハニカム電極24は浄化空気が一側から他側に流通する多数の銅管24A、24A、・・・を一体化したハニカム構造体からなり、後述するようにマイナスに印加されるものである。25は銅線を格子状に組成して多孔電極としたアース電極を示し、該アース電極25はハニカム電極24の手前側、即ち浄化空気の流動方向上流側に間隔Sを隔てて配設してあり、プラスに印加されるものである。
【0012】
26は前記ハニカム電極24とアース電極25に電圧を印加する100〜150Vの直流電源で、該直流電源26は配線27、28を介して各電極24、25に夫々接続している。
【0013】
イオン量調整装置21は上述の構成からなり、イオン発生装置11から供給されたイオン含有空気中のイオンは、ハニカム電極24のマイナスの電位を持った各銅管24A内を流動する間にプラスイオンは吸着されることにより、イオン量調整装置21から浄化室1にはプラスイオンの量よりマイナスイオンの量が多い状態になった浄化空気を供給する。なお、マイナスイオンに対してプラスイオンの比率を下げるイオン量の調整は、ハニカム電極24とアース電極の間隔Sを小さくし、また電圧を高くすることにより行うことができる。
【0014】
本実施の形態に係るイオン発生装置11及びイオン量調整装置21によれば、運転前と運転後ではマイナスイオン濃度は約24,5倍、プラスイオン濃度は約13,3倍になり、マイナスイオンの含有率を高くした浄化空気にすることができた。
【0015】
次に、図5及び図6は第2の実施の形態を示す。なお、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。図において、31はイオン発生装置を示す。32は該イオン発生装置31を構成する筒体で、該筒体32は金属板からなる外筒32Aと、パンチングメタルからなる内筒32Bと、外筒32A及び内筒32Bの間に充填したグラスウール等の吸音材32Cとから構成してあり、筒体32の外周に巻装した吊りバンド33を介して後述するケーシング42内に吊下してある。
【0016】
34は前記筒体32内に向けてイオン発生空気を噴出する噴射ノズルを示す。該噴射ノズル34は筒体32の軸方向後側に位置してケーシング42内に横架したL型材の支持バー35により支持してあり、配管36、37を介してエアコンプレッサー14、給水栓15と夫々接続されている。
【0017】
次に、41は前記イオン発生装置31を囲繞した構成のイオン量調整装置を示す。図において、42は該イオン量調整装置41を構成する角筒状のケーシングを示し、該ケーシング42は、上下、左右の側面を囲繞する4枚の金属製外側板43A、43B、43C、43Dからなる外枠体43と、パンチングメタル製の4枚の内側板44A、44B、44C、44D及び後側板44Eとから前方が開口した形状の内枠体44と、該内枠体44と外枠体43との間に充填したグラスウール等の吸音材45とから構成してある。そして、ケーシング42内には浄化室1の空気である外気を導入するための一対の吸引ファン46、46が後側板44Eに取着してある。
【0018】
更に、47は前記ケーシング42の先端開口側に内設したハニカム電極、48は該ハニカム電極47に近接して空気流の上流側に配置したアース電極で、これら電極47、48の基本的構成及び作用は第1の実施の形態のハニカム電極24、アース電極25と同じである。
【0019】
本実施の形態は上述の構成からなり、イオン量調整装置41を構成するケーシング42内にイオン発生装置31を格納して一体化した構成にしたから、装置全体を小型化することができる。従って、例えば浄化室1内の天井から吊下して設置することができるので、空気噴出用及び排出用ダクトを備えていない浄化室にも簡単に設置して使用することができる。
【0020】
また、イオン発生装置31の筒体32内及びイオン量調整装置41のケーシング42内には吸音材32C、45を充填してあるから、浄化室1に設置しても静粛性に優れた装置として使用できる。
【0021】
そして、本実施の形態に係るイオン発生装置31及びイオン量調整装置41によれば、運転前と運転後ではマイナスイオン濃度は約104,0倍、プラスイオン濃度は約51,8倍になり、マイナスイオンの含有率を高くした浄化空気に生成することができた。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)浄化室に供給する浄化空気に混合するマイナスイオンの量をプラスイオンの量より大となるようにイオン量を調整するようにしたから、人間により好適な環境を提供することができる。
(2)イオン量調整装置は、ケーシング内にマイナスの電圧を印加するハニカム電極と、プラスの電圧を印加するアース電極とを格納し、浄化空気中のプラスイオンをハニカム電極に吸着させるようにしたから、マイナスイオンの含有率の高い人間に好適な浄化空気を供給することができる。
(3)イオン発生装置はイオン量調整装置のケーシング内に格納して両装置全体を一体化することにより小型化したから、設置上及び使用上の利便性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1はマイナスイオン含有空気供給システムの構成図である。
【図2】イオン量調整装置の縦断面図である。
【図3】図2中のIII−III矢示方向断面図である。
【図4】ハニカム電極とアース電極の構成図である。
【図5】図5及び図6は第2の実施の形態を示し、図5はイオン混合装置とイオン量調整装置を一体化した構成を示す断面図である。
【図6】図5中のVI−VI矢示方向断面図である。
【符号の説明】
1 浄化室
2 空調機
11、31 イオン発生装置
13、34 噴射ノズル
14 エアコンプレッサ
15 給水栓
21、41 イオン量調整装置
24、47 ハニカム電極
25、48 アース電極
26 直流電源
Claims (3)
- 空調機から空気を浄化室に循環供給する流路に、該空調機から供給される温調空気にイオンを混合してイオン含有空気に生成するイオン発生装置と、該イオン発生装置により生成したイオン含有空気中のマイナスイオン量がプラスイオン量より大となるように調整して前記浄化室に供給するイオン量調整装置を配設したことを特徴とするマイナスイオン含有空気供給システム。
- 前記イオン量調整装置は、ケーシング内に導電性材料によりハニカム構造に構成してなるハニカム電極と、該ハニカム電極に近接して空気流の上流側に配設した格子状又は網状の多孔電極を格納し、直流電源により前記ハニカム電極にマイナスの電圧を印加し、多孔電極にプラスの電圧を印加するように構成してあることを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン含有空気供給システム。
- 前記イオン発生装置は、前記空調機から供給される温調空気中に配置される噴射ノズルと、該噴射ノズルに高圧空気を供給する高圧空気源と、前記噴射ノズル内に負圧により吸引する水を供給する水供給源とから構成し、該イオン発生装置は前記イオン量調整装置を構成するケーシング内に配置したことを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン含有空気供給システム。
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