JP2004052593A - 脱硝装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硝装置の運転条件として脱硝反応器温度が320゜C以上の如く所定温度以上が必要であるため、排ガス温度か低い場合には脱硝装置の使用ができず、また、排気ガスをダクトバーナにて加温しても圧力変動により失火する惧れを有している。
【解決手段】ディーゼル発電設備と気化器との間の管路に火種部を有するダクトバーナを設置する。このダクトバーナには、ディーゼルエンジンの排気ガス圧力に応動したエアを供給すると共に、失火時には火種部によって再点火し、脱硝装置の運転継続を可能としたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】ディーゼル発電設備と気化器との間の管路に火種部を有するダクトバーナを設置する。このダクトバーナには、ディーゼルエンジンの排気ガス圧力に応動したエアを供給すると共に、失火時には火種部によって再点火し、脱硝装置の運転継続を可能としたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排煙等の窒素酸化物(NOX)含有ガスからNOXを除去する脱硝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関より発生されるNOXの処理技術として、乾式法の一つである選択接触還元法が注目されて、その処理方法が提案されている。
この選択接触還元法は、簡単なシステムでNOXを処理することができ、しかも、高脱硝率で、NOXを無害な窒素ガスと水分とに分解することができるので、廃液処理が不要となる利点がある。なお、この方法における還元剤としては、アンモニアガスやアンモニア水が使用されるが、コスト面から最近では尿素水が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
選択接触還元法は、理論反応に近い比率で脱硝反応が生じるように、尿素水等の還元剤の注入制御を行う必要があるが、その際に注入量が少なくなると脱硝率が低下し、また、多すぎると悪臭を発する惧れを有している。
通常行われている注入量の制御方法の一つとして、内燃機関から排出される排気ガス中のNOX濃度を測定器によって測定し、この測定値をフィードバックして設定値に対する誤差量が零になるよう制御される。
【0004】
しかし、ディーゼルエンジンは、排気ガス量やNOX濃度は外気条件によって大きく変化するため、フィードバック制御回路を複雑にしたり、脱硝反応器に挿入されるハニカム状に形成された脱硝触媒の量を多くして90%以上の脱硝率を保持するようにしている。このため、脱硝反応器が大きくなって設置のためのスペースが大となっている。また、フィードバック制御回路も複雑となり、イニシャルコストが高くなっている。
【0005】
ところで、還元剤として尿素水を加熱蒸発して使用した場合、分解条件によってはアンモニアに分解せずにメラミンやシアヌル酸等の他の高融点物質に変化し、分解効率が低下するばかりでなく有害な物質が生ずる惧れがある。
尿素は136℃から蒸発を開始し、162℃を超えた温度で高融点物質が生成され、300℃近辺より高融点物質の分解が始まる分解特性を有している。このため、脱硝装置の還元剤として尿素を使用した場合、その運転条件として反応器温度は320゜C以上を要している。したがって、ディーゼルエンジンの排ガス温度が最大で320゜C程度しかないものがあり、320゜Cよりも低い温度範囲では脱硝装置の運転が出来ない。このため、高効率化が進んでいるディーゼルエンジンにおいては、脱硝装置の運転ができない場合がでてくる。
【0006】
また、常用発電設備としてディーゼルエンジンを設置した場合、その運転範囲としては通常75%(又は50%)〜100%のところ、最近は25〜100%と広範囲のものが要求され、ますます脱硝装置の運転が困難となっている。
また、例えディーゼルエンジンの排ガス温度が十分に高い状態であっても、反応器温度が320゜Cにまで上昇するのに数時間がかかり、その間脱硝が出来ないという問題を有している。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ディーゼルエンジンの排ガス温度が低い場合でも、またディーゼルエンジンの排圧が変動しても運転を可能とする脱硝装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、ディーゼル発電設備からの排気ガスを、還元剤の添加される気化器に送出し、この気化器を介して脱硝反応器に導入して脱硝触媒と接触させると共に、前記気化器と脱硝反応器に温度検出器を設置し、各温度検出器によって検出された温度信号を参照しながな前記還元剤の注入及び冷却水の注入制御を実行して排気ガス中のNOXを除去するようにしたものにおいて、
前記ディーゼル発電設備と気化器との間の管路にダクトバーナを配設し、このダクトバーナの火口近傍にセラミックスよりなる火種部を設けたことを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第2は、前記ダクトバーナへの空気送風用ブロワーにブロワー制御用の可変速制御部を設け、且つ、前記ディーゼル発電設備の排ガス圧力を検出する圧力検出部を設け、この圧力検出部によって検出された圧力信号をもとに可変速制御部を介してブロワーを制御するよう構成したことを特徴としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す概略構成図を示したもので、内燃機関としてディーゼル発電設備におけるディーゼルエンジンに脱硝装置を適用した場合を示したものである。
1はディーゼル発電設備で、そのディーゼルエンジンから発生した排気ガスは、管路を通ってダクトバーナ2,気化器3及び脱硝反応器4に供給され、図示省略されている排気消音器によって消音された後に外部に排気される。
【0011】
ダクトバーナ2には火口部20が設けられ、その火口部20の近傍にはセラミックスよりなる火種部21が配設されている。なお、火口部20は1個でもよいが、ここでは高低2連のバーナよりなり、バーナへの燃料供給側管路と戻り側管路に電磁弁22a,22bが設けられている。23a,23bは圧力計、24はオイルポンプ、25はクッションタンクで、このクッションタンクは燃料供給管路と燃料戻り管路を介してオイルポンプ24と連結されている。26は燃料タンクで重油等の燃料が貯留され、バルブ27,ストレーナ28,及び流量計29を介して燃料をクッションタンク25に供給する。
【0012】
気化器3は、排気ガスに還元剤を添加するためのもので、この添加剤としてはアンモニア等でもよいが、ここでは尿素水が添加され、尿素水を加熱蒸発させることによって発生したアンモニアを排気ガスに添加する方法が採られている。このため、気化器3には温度検出器が取り付けられており、検出された温度信号は電気信号に変換され制御盤5の制御部に入力される。
【0013】
脱硝反応器4は、その内部にはハニカム状に形成された脱硝触媒が積層配設されているが、この触媒の主原料としてはゼオライトが用いられ、ハニカム状に形成された後に焼成して触媒担体を製作する。更に、この触媒担体にイオン交換によってコバルトを担持させたものが使用されている。また、脱硝反応器4の内部には、脱硝触媒の温度(反応器出口側温度)を検出するために熱電対等の温度検出器が設けられており、検出された温度信号は電気信号に変換されて制御盤5の制御部に入力される。
【0014】
6は還元剤である尿素水を貯留する貯留タンクで、このタンクは、制御盤5に設置された注入ポンプを介して気化器3とは管路61,51によって連結されている。すなわち、図示省略された尿素水の注入ポンプが駆動されることによって尿素水が管路61,51を通って気化器3に注入される。なお、管路51には尿素水の他に、管路内に尿素が付着するのを防止するために洗浄水も供給される。管路62は戻り用管路であり、管路52は冷却水供給用の管路である。冷却水供給用の管路52は、水源より電磁弁を介して気化器3に冷却水を供給する。
【0015】
7は圧力計で、ディーゼルエンジン1の排ガス圧力を検出し、電気信号に返還して演算部8に出力する。演算部8は、入力された圧力信号をもとに制御信号を演算し可変速制御部9に出力する。可変速制御部9はインバータ装置により構成され、入力された圧力信号に応じてブロワー10の回転速度を制御し、ブロワーより発生する風量を可変する。11はダンパで、ブロワーよりの空気は、このダンパを介して火口部20近辺に設けられた供給口に送られる。
なお、演算部8は、制御盤5内に制御部として収納されるものであるが、図1では機能的に分離表示したものである。
【0016】
次に本発明の動作を説明する。
ディーゼル発電機を運転する場合には、原動機であるディーゼルエンジンが起動され、それに伴って発電機も回転して発電するが、その際、発電機に付設されている遮断器の投入信号、発電機の出力電力信号、エンジン始動信号等が制御盤5内の制御部に入力される。
【0017】
制御部では、可変速制御部9を介してブロワー10に対して運転命令を発生してダクトバーナ2にエア供給を開始する。
また、制御部には発電機の負荷信号も導入されており、その負荷率が例えば25%や45%のような所定値以上となったときにダクトバーナ2を点火する。したがって、ディーゼル発電設備1と気化器3間を流れる排気ガスは、このダクトバーナ2によって加熱される。
ディーゼル発電機が運転され、ダクトバーナ2が点火されることによって気化器3の温度も上昇するが、その温度が予め定められた温度に達っしたことを温度検出器によって検出し、その信号を制御盤5に送出する。制御盤5の制御部は、盤内の冷却水用のバルブに対して開路命令を発生し、これによって管路52を通して気化器3内への冷却水注入が開始される。
【0018】
運転が進行して脱硝反応器4の温度も上昇し、検出された温度信号が例えば320゜C以上となり、尿素蒸発時における高融点物質の分解温度にまで上昇したとき制御盤5内に設置された尿素注入用バルブに対して制御部は開指令を与えると共に、同様に制御盤内に設置された尿素ポンプに対しても運転指令を出力する。したがって、尿素水は管路61,51を通って気化器3に供給される。なお、ディーゼルエンジンの排気ガス温度が所定値以上となり定常運転に入ったときにはダクトバーナ2の運転は停止される。
【0019】
エンジンより発生する排気ガス量は、ばらつきはあるものの大略的には発電機の負荷率に略比例する。制御盤5の制御部では、前もって排気ガス量ー発電機負荷率の関係より供給される尿素量を実験により求めてテーブルとして保存されている。
したがって、制御部ではディーゼル発電設備にて検出された発電機の出力電力を導入して現在の負荷率を判断し、そのときにおける排気ガス量を推定して気化器3に供給する尿素量が判断され、その量に対応した尿素ポンプの運転が実行される。
【0020】
一方、ディーゼルエンジンは、低出力となったときには排圧が大きく変動するが、その圧力変動を圧力計7により検出して演算部8に出力する。演算部8はこの変動分に対応して可変速制御部9の出力周波数を制御し、誘導電動機よりなるブロワー10の回転数を制御してダクトバーナ2へのエア供給を調節する。
セラミックスよりなる火種部21は、バーナが点火してより所定時間が経過すると加熱され赤化状態となっている。したがって、発電機の負荷率が低い状態で排圧が変動し、一時的にバーナが失火したとしても、赤化状態となっている火種部21によって再点火されるため、脱硝装置を停止させることなく継続運転が可能となる。
【0021】
なお、発電機が停止等の場合には尿素ポンプに対し停止指令を出力すると共に、尿素注入用バルブに対して閉指令を出力する。これと共に洗浄水用バルブに対して開指令を与える。したがって、これまで尿素水を送液していた管路51には、これまでの尿素水の送液は中止され、代わって洗浄水が流れて管路内が洗浄されて尿素付着が防止される。
この洗浄はタイマーに設定された所定時間継続された後、冷却水用バルブは閉じられる。
【0022】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、ディーゼル発電設備と気化器との間に火種部を有するダクトバーナを設置し、ディーゼルエンジンよりの排気ガス圧力に応動してダクトバーナへ供給するエアを調節すると共に、バーナの一時的失火時においても火種部によって再点火するようにしたものであるから、
ディーゼルエンジンの排ガス温度が低い場合でも脱硝装置の運転が可能となり、発電機の負荷率が比較的低い状態での排気ガス圧力変動が生じてもダクトバーナが失火することなく脱硝装置の継続運転が可能となる。
また、排ガスが加熱されることによって脱硝反応器の温度も短時間で上昇するため、脱硝開始時間を大幅に短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…ディーゼル発電設備
2…ダクトバーナ
3…気化器
4…脱硝反応器
5…制御盤
6…貯留タンク
7…圧力計
8…演算部
9…可変速制御部
10…ブロワー
21…火種部
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排煙等の窒素酸化物(NOX)含有ガスからNOXを除去する脱硝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関より発生されるNOXの処理技術として、乾式法の一つである選択接触還元法が注目されて、その処理方法が提案されている。
この選択接触還元法は、簡単なシステムでNOXを処理することができ、しかも、高脱硝率で、NOXを無害な窒素ガスと水分とに分解することができるので、廃液処理が不要となる利点がある。なお、この方法における還元剤としては、アンモニアガスやアンモニア水が使用されるが、コスト面から最近では尿素水が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
選択接触還元法は、理論反応に近い比率で脱硝反応が生じるように、尿素水等の還元剤の注入制御を行う必要があるが、その際に注入量が少なくなると脱硝率が低下し、また、多すぎると悪臭を発する惧れを有している。
通常行われている注入量の制御方法の一つとして、内燃機関から排出される排気ガス中のNOX濃度を測定器によって測定し、この測定値をフィードバックして設定値に対する誤差量が零になるよう制御される。
【0004】
しかし、ディーゼルエンジンは、排気ガス量やNOX濃度は外気条件によって大きく変化するため、フィードバック制御回路を複雑にしたり、脱硝反応器に挿入されるハニカム状に形成された脱硝触媒の量を多くして90%以上の脱硝率を保持するようにしている。このため、脱硝反応器が大きくなって設置のためのスペースが大となっている。また、フィードバック制御回路も複雑となり、イニシャルコストが高くなっている。
【0005】
ところで、還元剤として尿素水を加熱蒸発して使用した場合、分解条件によってはアンモニアに分解せずにメラミンやシアヌル酸等の他の高融点物質に変化し、分解効率が低下するばかりでなく有害な物質が生ずる惧れがある。
尿素は136℃から蒸発を開始し、162℃を超えた温度で高融点物質が生成され、300℃近辺より高融点物質の分解が始まる分解特性を有している。このため、脱硝装置の還元剤として尿素を使用した場合、その運転条件として反応器温度は320゜C以上を要している。したがって、ディーゼルエンジンの排ガス温度が最大で320゜C程度しかないものがあり、320゜Cよりも低い温度範囲では脱硝装置の運転が出来ない。このため、高効率化が進んでいるディーゼルエンジンにおいては、脱硝装置の運転ができない場合がでてくる。
【0006】
また、常用発電設備としてディーゼルエンジンを設置した場合、その運転範囲としては通常75%(又は50%)〜100%のところ、最近は25〜100%と広範囲のものが要求され、ますます脱硝装置の運転が困難となっている。
また、例えディーゼルエンジンの排ガス温度が十分に高い状態であっても、反応器温度が320゜Cにまで上昇するのに数時間がかかり、その間脱硝が出来ないという問題を有している。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ディーゼルエンジンの排ガス温度が低い場合でも、またディーゼルエンジンの排圧が変動しても運転を可能とする脱硝装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、ディーゼル発電設備からの排気ガスを、還元剤の添加される気化器に送出し、この気化器を介して脱硝反応器に導入して脱硝触媒と接触させると共に、前記気化器と脱硝反応器に温度検出器を設置し、各温度検出器によって検出された温度信号を参照しながな前記還元剤の注入及び冷却水の注入制御を実行して排気ガス中のNOXを除去するようにしたものにおいて、
前記ディーゼル発電設備と気化器との間の管路にダクトバーナを配設し、このダクトバーナの火口近傍にセラミックスよりなる火種部を設けたことを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第2は、前記ダクトバーナへの空気送風用ブロワーにブロワー制御用の可変速制御部を設け、且つ、前記ディーゼル発電設備の排ガス圧力を検出する圧力検出部を設け、この圧力検出部によって検出された圧力信号をもとに可変速制御部を介してブロワーを制御するよう構成したことを特徴としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す概略構成図を示したもので、内燃機関としてディーゼル発電設備におけるディーゼルエンジンに脱硝装置を適用した場合を示したものである。
1はディーゼル発電設備で、そのディーゼルエンジンから発生した排気ガスは、管路を通ってダクトバーナ2,気化器3及び脱硝反応器4に供給され、図示省略されている排気消音器によって消音された後に外部に排気される。
【0011】
ダクトバーナ2には火口部20が設けられ、その火口部20の近傍にはセラミックスよりなる火種部21が配設されている。なお、火口部20は1個でもよいが、ここでは高低2連のバーナよりなり、バーナへの燃料供給側管路と戻り側管路に電磁弁22a,22bが設けられている。23a,23bは圧力計、24はオイルポンプ、25はクッションタンクで、このクッションタンクは燃料供給管路と燃料戻り管路を介してオイルポンプ24と連結されている。26は燃料タンクで重油等の燃料が貯留され、バルブ27,ストレーナ28,及び流量計29を介して燃料をクッションタンク25に供給する。
【0012】
気化器3は、排気ガスに還元剤を添加するためのもので、この添加剤としてはアンモニア等でもよいが、ここでは尿素水が添加され、尿素水を加熱蒸発させることによって発生したアンモニアを排気ガスに添加する方法が採られている。このため、気化器3には温度検出器が取り付けられており、検出された温度信号は電気信号に変換され制御盤5の制御部に入力される。
【0013】
脱硝反応器4は、その内部にはハニカム状に形成された脱硝触媒が積層配設されているが、この触媒の主原料としてはゼオライトが用いられ、ハニカム状に形成された後に焼成して触媒担体を製作する。更に、この触媒担体にイオン交換によってコバルトを担持させたものが使用されている。また、脱硝反応器4の内部には、脱硝触媒の温度(反応器出口側温度)を検出するために熱電対等の温度検出器が設けられており、検出された温度信号は電気信号に変換されて制御盤5の制御部に入力される。
【0014】
6は還元剤である尿素水を貯留する貯留タンクで、このタンクは、制御盤5に設置された注入ポンプを介して気化器3とは管路61,51によって連結されている。すなわち、図示省略された尿素水の注入ポンプが駆動されることによって尿素水が管路61,51を通って気化器3に注入される。なお、管路51には尿素水の他に、管路内に尿素が付着するのを防止するために洗浄水も供給される。管路62は戻り用管路であり、管路52は冷却水供給用の管路である。冷却水供給用の管路52は、水源より電磁弁を介して気化器3に冷却水を供給する。
【0015】
7は圧力計で、ディーゼルエンジン1の排ガス圧力を検出し、電気信号に返還して演算部8に出力する。演算部8は、入力された圧力信号をもとに制御信号を演算し可変速制御部9に出力する。可変速制御部9はインバータ装置により構成され、入力された圧力信号に応じてブロワー10の回転速度を制御し、ブロワーより発生する風量を可変する。11はダンパで、ブロワーよりの空気は、このダンパを介して火口部20近辺に設けられた供給口に送られる。
なお、演算部8は、制御盤5内に制御部として収納されるものであるが、図1では機能的に分離表示したものである。
【0016】
次に本発明の動作を説明する。
ディーゼル発電機を運転する場合には、原動機であるディーゼルエンジンが起動され、それに伴って発電機も回転して発電するが、その際、発電機に付設されている遮断器の投入信号、発電機の出力電力信号、エンジン始動信号等が制御盤5内の制御部に入力される。
【0017】
制御部では、可変速制御部9を介してブロワー10に対して運転命令を発生してダクトバーナ2にエア供給を開始する。
また、制御部には発電機の負荷信号も導入されており、その負荷率が例えば25%や45%のような所定値以上となったときにダクトバーナ2を点火する。したがって、ディーゼル発電設備1と気化器3間を流れる排気ガスは、このダクトバーナ2によって加熱される。
ディーゼル発電機が運転され、ダクトバーナ2が点火されることによって気化器3の温度も上昇するが、その温度が予め定められた温度に達っしたことを温度検出器によって検出し、その信号を制御盤5に送出する。制御盤5の制御部は、盤内の冷却水用のバルブに対して開路命令を発生し、これによって管路52を通して気化器3内への冷却水注入が開始される。
【0018】
運転が進行して脱硝反応器4の温度も上昇し、検出された温度信号が例えば320゜C以上となり、尿素蒸発時における高融点物質の分解温度にまで上昇したとき制御盤5内に設置された尿素注入用バルブに対して制御部は開指令を与えると共に、同様に制御盤内に設置された尿素ポンプに対しても運転指令を出力する。したがって、尿素水は管路61,51を通って気化器3に供給される。なお、ディーゼルエンジンの排気ガス温度が所定値以上となり定常運転に入ったときにはダクトバーナ2の運転は停止される。
【0019】
エンジンより発生する排気ガス量は、ばらつきはあるものの大略的には発電機の負荷率に略比例する。制御盤5の制御部では、前もって排気ガス量ー発電機負荷率の関係より供給される尿素量を実験により求めてテーブルとして保存されている。
したがって、制御部ではディーゼル発電設備にて検出された発電機の出力電力を導入して現在の負荷率を判断し、そのときにおける排気ガス量を推定して気化器3に供給する尿素量が判断され、その量に対応した尿素ポンプの運転が実行される。
【0020】
一方、ディーゼルエンジンは、低出力となったときには排圧が大きく変動するが、その圧力変動を圧力計7により検出して演算部8に出力する。演算部8はこの変動分に対応して可変速制御部9の出力周波数を制御し、誘導電動機よりなるブロワー10の回転数を制御してダクトバーナ2へのエア供給を調節する。
セラミックスよりなる火種部21は、バーナが点火してより所定時間が経過すると加熱され赤化状態となっている。したがって、発電機の負荷率が低い状態で排圧が変動し、一時的にバーナが失火したとしても、赤化状態となっている火種部21によって再点火されるため、脱硝装置を停止させることなく継続運転が可能となる。
【0021】
なお、発電機が停止等の場合には尿素ポンプに対し停止指令を出力すると共に、尿素注入用バルブに対して閉指令を出力する。これと共に洗浄水用バルブに対して開指令を与える。したがって、これまで尿素水を送液していた管路51には、これまでの尿素水の送液は中止され、代わって洗浄水が流れて管路内が洗浄されて尿素付着が防止される。
この洗浄はタイマーに設定された所定時間継続された後、冷却水用バルブは閉じられる。
【0022】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、ディーゼル発電設備と気化器との間に火種部を有するダクトバーナを設置し、ディーゼルエンジンよりの排気ガス圧力に応動してダクトバーナへ供給するエアを調節すると共に、バーナの一時的失火時においても火種部によって再点火するようにしたものであるから、
ディーゼルエンジンの排ガス温度が低い場合でも脱硝装置の運転が可能となり、発電機の負荷率が比較的低い状態での排気ガス圧力変動が生じてもダクトバーナが失火することなく脱硝装置の継続運転が可能となる。
また、排ガスが加熱されることによって脱硝反応器の温度も短時間で上昇するため、脱硝開始時間を大幅に短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…ディーゼル発電設備
2…ダクトバーナ
3…気化器
4…脱硝反応器
5…制御盤
6…貯留タンク
7…圧力計
8…演算部
9…可変速制御部
10…ブロワー
21…火種部
Claims (2)
- ディーゼル発電設備からの排気ガスを、還元剤の添加される気化器に送出し、この気化器を介して脱硝反応器に導入して脱硝触媒と接触させると共に、前記気化器と脱硝反応器に温度検出器を設置し、各温度検出器によって検出された温度信号を参照しながな前記還元剤の注入及び冷却水の注入制御を実行して排気ガス中のNOXを除去するようにしたものにおいて、
前記ディーゼル発電設備と気化器との間の管路にダクトバーナを配設し、このダクトバーナの火口近傍にセラミックスよりなる火種部を設けたことを特徴とした脱硝装置。 - 前記ダクトバーナへの空気送風用ブロワーにブロワー制御用の可変速制御部を設け、且つ、前記ディーゼル発電設備の排ガス圧力を検出する圧力検出部を設け、この圧力検出部によって検出された圧力信号をもとに可変速制御部を介してブロワーを制御するよう構成したことを特徴とした請求項1記載の脱硝装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208039A JP2004052593A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 脱硝装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208039A JP2004052593A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 脱硝装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004052593A true JP2004052593A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31932295
Family Applications (1)
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JP2002208039A Pending JP2004052593A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 脱硝装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004052593A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2011125287A1 (ja) * | 2010-04-07 | 2011-10-13 | 日野自動車株式会社 | 後処理バーナシステムの燃料凍結防止方法及び装置 |
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- 2002-07-17 JP JP2002208039A patent/JP2004052593A/ja active Pending
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