【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スエ−ド調の風合に加え、優れた光沢感を有する布帛を得るのに好適な交絡糸に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、高収縮性糸条と低収縮性糸条との混繊糸は、多数提案され知られている。例えば、特公昭６１−１３００９号公報には、両成分の収縮率と交絡数を適性化することにより、シボや霜降り調の染斑が発生せず、嵩高性の改善された布帛が得られることが記載されている。また、特開平７−３３１５４５号公報には、沸騰水収縮率の小さい非捲縮マイクロファイバー糸条と沸騰水収縮率の大きい非捲縮糸条とのポリエステル混繊糸により、ふくらみ感があり、ソフトで腰張り感もあり、かつシルキー感を呈する布帛の得られることが記載されている。このポリエステル混繊糸は、布帛の各種の設計要件を適性化することにより、布帛形成後の染色仕上工程における熱処理により、沸騰水収縮率の大きい非捲縮糸条を収縮させて、緻密で締まった構造にすると同時に沸騰水収縮率の小さいマイクロファイバーを布帛の表面に浮き出させてスエード調のソフトタッチをもたらすことができるものである。
【０００３】
また、特開２００１−１４６６５８号公報には、高収縮性ポリエステルフィラメント糸とキュプラレーヨンフィラメント糸等のフィブリル化可能繊維との混繊糸を用いた布帛を加工中の収縮により緻密構造にすると共に表面をフィブリル化した、表面が極端に微細な繊維で覆われていて、張り腰のある有毛調布帛が開示されている。
上記の特開平７−３３１５４５号公報や特開２００１−１４６６５８号公報の記載の技術は、布帛の設計要件を適性化することにより、スエード調の風合を得ることができるものであるが、昨今の消費者ニーズの多様化からスエード調の風合に加え優れた光沢感を表現できる新規な加工糸が要望されている。布帛に光沢感をもたらすためには、上記のような技術において、低収縮性糸条のラスターを合成繊維において通常用いられているセミダルからブライトに変更する方法が試みられるが、低収縮糸条の単糸繊度が小さい場合には、表面に位置する糸条がブライトであるにもかかわらずナチュラルな表面光沢を表現することができない。光沢感を強調するために低収縮糸条の単糸繊度を大きくすると、表面タッチが粗硬なものとなりスエード調風合を得ることができなくなる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の現状を鑑みてなされたものであり、スエード調の風合に加え、優れた光沢感を有する布帛を得るのに好適な加工糸を提供することを技術的な課題とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、単糸繊度が１デシテックス以下である合成繊維極細フィラメント糸と該合成繊維極細フィラメント糸よりも沸騰水収縮率が大きく単糸繊度が５デシテックス以上である合成繊維ブライトフィラメント糸との混繊交絡糸であって、合成繊維ブライトフィラメント糸の質量比が３０〜７０％で、かつ交絡数が５０〜２００ケ／ｍであることを特徴とする特殊加工糸、合成繊維極細フィラメント糸と合成繊維ブライトフィラメント糸の沸騰水収縮率の差が５％以上である上記の特殊加工糸、及び合成繊維極細フィラメント糸が捲縮加工である上記の特殊加工糸を要旨とするものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の特殊加工糸は、合成繊維極細フィラメント糸と合成繊維ブライトフィラメント糸とが混繊交絡してなる混繊交絡糸である。両方の合成繊維は、繊維形成性重合体を製糸することにより得られる繊維であって、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維等のいずれであってもよく、両者が同系の繊維であっても、異系の繊維であってもよいが、両者共にポリエステル系繊維であるのが好ましい。
【０００７】
本発明の特殊加工糸を構成する一方の糸条である合成繊維極細フィラメント糸は、構成するフィラメントの単糸繊度が１デシテックス以下である。この糸条の単糸繊度を１デシテックス以下とすることにより、本発明の加工糸を用いた布帛にスエード調のソフトタッチをもたらすことができる。また、よりソフト風合を得ることができるように、合成繊維極細フィラメント糸は、仮撚捲縮加工等が施された捲縮加工糸であるのが好ましい。
合成繊維極細フィラメント糸のラスターは、ブライト、セミダル、フルダルのいずれであってもよい。合成繊維極細フィラメント糸は単糸繊度が小さいために、光の乱反射により、ブライトであっても、ブライト効果が出にくいので、セミダルであるのが好ましい。
本発明の特殊加工糸を構成する今一方の糸条である合成繊維ブライトフィラメント糸よりも低収縮性能の糸条であり、沸騰水収縮率は５％以下であるのが好ましい。
また、この合成繊維極細フィラメント糸は、アルカリ易溶性ポリマー等の易溶性ポリマーを接合剤として複合紡糸され、布帛形成後のアルカリ処理等の易溶性ポリマー除去処理により１デシテックス以下の繊度のフィラメントに分割される分割型フィラメント糸や、非相溶性重合体同志を接合して複合紡糸し、後工程における物理的作用等により１デシテックス以下の繊度のフィラメントに分割される分割型フィラメント糸であってもよい。
【０００８】
本発明の特殊加工糸を構成する今一方の糸条である合成繊維ブライトフィラメント糸は、繊維製造時に艶消し剤が使用されていない繊維である。合成繊維用の艶消し剤としては、通常酸化チタンが使用されているが、ブライトフィラメント糸の場合にも製糸性を維持するために酸化チタンが極少量、例えば０．０５％以下、使用される場合がある。本発明における合成繊維ブライトフィラメント糸は、酸化チタンを含有していないのが好ましいが、製糸性の観点から酸化チタンが極少量使用されている合成繊維ブライトフィラメント糸であってもよい。
【０００９】
合成繊維ブライトフィラメント糸を構成するフィラメントの単糸繊度は、５デシテックス以上である。この糸条の単糸繊度を５デシテックス以上にするのは、その優れた光沢感を生かし、張り・腰のある布帛を得ることができるようにするためである。この糸条の単糸繊度が大きすぎると、布帛が硬いものとなってしまう可能性が大きくなるので、２０デシテックス以下であるのが好ましい。この糸条の構成フィラメントの断面は、丸断面であってもよいが、より優れた光沢感が得られるように異形断面、特に３葉断面であるのが好ましい。
【００１０】
合成繊維ブライトフィラメント糸は、前記の合成繊維極細フィラメント糸より沸騰水収縮率が大きい糸条である。合成繊維ブライトフィラメント糸と合成繊維極細フィラメント糸の沸騰水収縮率の差は、５％以上であるのが好ましい。また合成繊維ブライトフィラメント糸の沸騰水収縮率は、１０％以上であるのが好ましい。このように合成繊維極細フィラメント糸より合成繊維ブライトフィラメント糸の収縮特性を大きくしておくと、布帛形成後の熱処理により、極細フィラメントが布帛の表面に多く出てソフトタッチが得られ、布帛の組織を緻密なものとして張り・腰のあるスエード調の風合が得られるようになる。
【００１１】
本発明の特殊加工糸は、上記の合成繊維極細フィラメント糸と合成繊維ブライトフィラメント糸とが混繊交絡されてなる混繊交絡糸であって、合成繊維ブライトフィラメント糸の加工糸全体に占める比率が質量比で３０〜７０％であり、交絡数が５０〜２００ケ／ｍである。
【００１２】
合成繊維ブライトフィラメント糸の比率を３０〜７０％にすることにより、布帛に張り・腰をもたらすと共にナチュラルな光沢感を表現させることができるようになる。合成繊維ブライトフィラメント糸の比率が７０％を超えると硬くゴワゴワとした風合となり、スエード調風合を得ることができない。逆に３０％未満では、光沢感がすくなくなり、張り・腰も不足したものとなる。
【００１３】
本発明の加工糸の交絡数が５０〜２００ケ／ｍ、好ましくは８０〜１５０ケ／ｍであると、布帛製造時における工程通過性が良好となると共に仕上加工工程における熱処理時に異収縮効果が充分に発揮され目的とするスエード調風合を得ることができる。交絡数が５０ケ／ｍ未満であると、両糸条の交絡が弱く、フィラメントがばらけやすいため巻取りボビンからの解舒性や工程通過性が悪くなる。交絡数が２００ケ／ｍを超えると強固な交絡糸となり、異収縮効果の発現が弱くなり硬い風合のものとなってしまう。
【００１４】
本発明の特殊加工糸の製造方法の一例を図１に示す。図１において、合成繊維極細フィラメント糸Ａは、第１給糸ローラ１により仮撚域に供給され、第１引取りローラ５との間でヒータ３と施撚体４とによって仮撚捲縮加工が施されて捲縮加工糸となり流体撹乱処理域に導かれる。一方、合成繊維ブライトフィラメント糸Ｂは、第２給糸ローラ２により流体撹乱処理域に供給され、捲縮加工糸と共に流体噴射ノズル６に導かれる。捲縮加工された合成繊維極細フィラメント糸と合成繊維ブライトフィラメント糸は流体噴射ノズル内で流体撹乱処理が施され混繊交絡糸となり、第２引取りローラ７を経て捲取りローラ８によりパッケージ９に捲取られる。
【００１５】
この製造方法において、仮撚加工方式は特に限定されるものではなく、摩擦式、スピンドル式、エアー仮撚式等を採用することができる。また流体撹乱処理で使用する流体噴射ノズルも特に限定されるものではなく、ループ毛羽と交絡を同時に付与できるタスランノズルや交絡のみを付与できるインターレースノズルを挙げることができる。さらに流体撹乱処理時の各糸条のオーバーフィード率も特に限定されるものではないが、合成繊維極細フィラメント糸のオーバーフィード率を合成繊維ブライトフィラメント糸と同一もしくはより大きくするとスエード調風合を強調する上で好ましい。
【００１６】
本発明の特殊加工糸は、織物や編物等の布帛を構成する糸条として用いることができる。布帛を製造するに際して他の糸条を混用しても差し支えない。布帛の仕上加工における注意点としては、各糸条の熱収縮率差を充分に生かす熱処理を行なうことが重要である。仕上工程において最初に熱処理を受ける工程で熱収縮率差を充分に生かす条件に設定する。すなわち最初に熱処理を受ける工程ではできるだけ布帛に張力がかからない状態でできるだけ高い温度で熱処理を行なうのが好ましい。
【００１７】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例における評価は次の方法により行った。
（１）沸騰水収縮率
ＪＩＳ Ｌ１０９０に準じて測定した。
（２）質量比
試料全体の質量Ｍを測定後、分繊針を用いて糸条の絡み部を解き、合成繊維ブライトフィラメント糸のみの質量Ｎを測定し、下式で質量比を算出する。これを５回繰り返して、それらの平均値を算出して質量比とする。
質量比（％）＝（Ｎ／Ｍ）×１００
（３）交絡数
試料に０．１ｇ／デシテックスの荷重をかけて１ｍ間隔のマーキングを付ける。この試料を水に浮かべてマーキング間の交絡部をカウントする。これを５回繰り返して、それらの平均値を算出して交絡数とする。
（４）織物の評価
織物の光沢感を目視で、スエード感を触感で判定し、〇：優れている、×：劣っているの２段階で評価した。
【００１８】
実施例１
合成繊維ブライトフィラメント糸として、酸化チタンを含有していないポリエチレンテレフタレートからなる断面が３葉断面であるポリエステルブライトフィラメント糸６６デシテックス／８フィラメント（単糸繊度８．３デシテックス）を用い、合成繊維極細フィラメント糸用の供給糸としてポリエチレンテレフタレート高配向未延伸糸９０デシテックス／１６８フィラメント（仮撚加工後の単糸繊度０．４４デシテックス）を用いて、図１に示した製造工程で、表１に記載した条件にてポリエチレンテレフタレート高配向未延伸糸の仮撚捲縮加工と２種のマルチフィラメント糸の混繊交絡とを行い、トータル繊度が１３７デシテックス、フィラメント数が１７２フィラメント、合成繊維ブライトフィラメント糸の質量比４５．８％、交絡数１０５ケ／ｍである本発明の特殊加工糸を得た。
得られた加工糸を経糸として用い、緯糸としてセミダルポリエステルフィラメント糸８４デシテックス／３６フィラメントにＳ１５００ｔ／ｍ、Ｚ１５００ｔ／ｍで追撚熱セットした撚糸を２本交互に用いて、経糸密度２１０本／吋、緯糸密度８５本／吋で８枚朱子組織の織物を製織し、精練、プレセットを行った後、３２０メッシュのサンドペーパーでカバーされた１本ロール型エメリー起毛機（和歌山鉄工株式会社製）を用いて起毛し、８枚朱子組織の起毛織物を得た。
【００１９】
実施例２
実施例１において、仮撚加工域の施撚体を使用せずに熱延伸処理のみ行うこと以外は実施例１と同様にして、実施例２の加工糸を得た。
【００２０】
比較例１
実施例１において用いたポリエチレンテレフタレート高配向未延伸糸９０デシテックス／１６８フィラメント（仮撚加工後の単糸繊度０．４４デシテックス）に替えて、ポリエチレンテレフタレート高配向未延伸糸９０デシテックス／６０フィラメント（仮撚加工後の単糸繊度１．２２デシテックス）を用いること以外は実施例１と同様にして比較例１の加工糸を得た。
【００２１】
比較例２
実施例１において用いたポリエステルブライトフィラメント糸６６デシテックス／６フィラメント（単糸繊度１１デシテックス）に替えて、ポリエステルブライトフィラメント糸６６デシテックス／１６フィラメント（単糸繊度４．１デシテックス）を用いること以外は実施例１と同様にして比較例２の加工糸を得た。
【００２２】
比較例３
実施例１にて用いたポリエステルブライトフィラメント糸６６デシテックス／６フィラメント（単糸繊度１１デシテックス）に替えて、ポリエステルブライトフィラメント糸１９０デシテックス／１２フィラメント（単糸繊度１５．８デシテックス）を用いること以外は実施例１と同様にして比較例３の加工糸を得た。
得られた実施例１〜２及び比較例１〜３の加工糸の特性及び織物の評価結果を併せて表１に示す。
【００２３】
【表１】
【００２４】
表１から明らかなように、本発明による実施例１及び実施例２の加工糸は、熱処理により合成繊維ブライトフィラメント糸が芯側にいき、極細フィラメント糸が表面に浮き出た形態になるため、この加工糸を用いた織物は、起毛斑の発生もなく品質の安定したものであり、スエード調の風合を有すると共にナチュラルな光沢感を有するものであった。これに対して、比較例１は、表面に来る繊維の単糸繊度が大きいため、表面タッチの租硬なものであった。比較例２は、ブライトフィラメント糸の単糸繊度が小さいため、光沢感の不足した織物となった。比較例３は、単糸繊度の大きいブライトフィラメント糸の比率が大きいため、風合の硬い織物となり、またこのブライトフィラメント糸の一部も起毛によりフィラメントが切断され、起毛斑も発生していた。
【００２５】
【発明の効果】
本発明の特殊加工糸は、上述した構成を有するので、布帛を形成する工程でトラブルが発生せず、得られた布帛に、優れたスエ−ド調の風合と優れた光沢感を表現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の特殊加工糸の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
Ａ 合成繊維極細フィラメント糸
Ｂ 合成繊維ブライトフィラメント糸
１ 第１給糸ローラ
２ 第２給糸ローラ
３ ヒータ
４ 施撚体
５ 第１引取りローラ
６ 流体噴射ノズル
７ 第２引取りローラ
８ 捲取りローラ
９ パッケージ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an interlacing yarn suitable for obtaining a fabric having excellent glossiness in addition to a suede-like feeling.
[0002]
[Prior art]
Hitherto, a large number of mixed yarns of a high shrinkage yarn and a low shrinkage yarn have been proposed and known. For example, in Japanese Patent Publication No. 61-13909, by optimizing the shrinkage ratio and the number of confounds of both components, it is possible to obtain a fabric with improved bulkiness without generating grain or marbling-like spots. Is described. Further, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 7-331545 discloses that a polyester mixed fiber of a non-crimped microfiber yarn having a small boiling water shrinkage ratio and a non-crimped yarn having a large boiling water shrinkage ratio has a swelling feeling. It is described that a fabric that is soft, has a firm feeling, and exhibits a silky feeling can be obtained. By optimizing various design requirements of the fabric, the polyester mixed fiber shrinks the non-crimped yarn having a large boiling water shrinkage ratio by heat treatment in the dyeing and finishing process after fabric formation, and is dense and tight. At the same time, the microfibers having a small boiling water shrinkage ratio are raised on the surface of the fabric, and a suede-like soft touch can be provided.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-146658 discloses that a fabric using a mixed yarn of a highly shrinkable polyester filament yarn and a fibrillable fiber such as cupra rayon filament yarn has a dense structure due to shrinkage during processing, A fibril-formed, tightly covered hair-finished fabric whose surface is covered with extremely fine fibers is disclosed.
The technology described in JP-A-7-331545 and JP-A-2001-146658 can obtain a suede-like hand by optimizing the design requirements of a fabric. Due to the diversification of consumer needs, new processed yarns capable of expressing excellent glossiness in addition to a suede-like texture are demanded. In order to give the fabric a glossy feeling, in the above-mentioned technology, a method of changing the raster of the low shrinkage yarn from semi-dull usually used in synthetic fibers to bright is attempted. When the single yarn fineness is small, natural surface gloss cannot be expressed even though the yarn located on the surface is bright. If the single yarn fineness of the low shrinkage yarn is increased to emphasize the glossiness, the surface touch becomes coarse and hard, and it becomes impossible to obtain a suede-like texture.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above situation, and has a technical object to provide a processed yarn suitable for obtaining a fabric having excellent glossiness in addition to a suede-like feel. Things.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves the above-mentioned problems, and has a single fiber fineness of 1 decitex or less, a synthetic fiber ultrafine filament yarn, a boiling water shrinkage rate greater than that of the synthetic fiber ultrafine filament yarn, and a single yarn fineness of 5 decitex or more. A special fiber, wherein the mass ratio of the synthetic filament bright filament yarn is 30 to 70% and the number of entanglements is 50 to 200 strands / m. The above-mentioned specially processed yarn wherein the difference in boiling water shrinkage between the processed yarn, the synthetic fiber ultrafine filament yarn and the synthetic fiber bright filament yarn is 5% or more, and the above specially processed yarn wherein the synthetic fiber ultrafine filament yarn is crimped. It is the gist.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The specially processed yarn of the present invention is a mixed fiber entangled yarn formed by mixing and mixing a synthetic fiber ultrafine filament yarn and a synthetic fiber bright filament yarn. Both synthetic fibers are fibers obtained by spinning a fiber-forming polymer, and may be any of polyester fibers, polyamide fibers, polyvinyl alcohol fibers, polyolefin fibers, acrylic fibers, and the like. Both may be the same type of fibers or different types of fibers, but both are preferably polyester fibers.
[0007]
In the synthetic fiber ultrafine filament yarn, which is one of the yarns constituting the specially processed yarn of the present invention, the single filament fineness of the constituting filament is 1 decitex or less. By setting the single yarn fineness of this yarn to 1 dtex or less, a suede-like soft touch can be provided to the fabric using the processed yarn of the present invention. Further, the synthetic fiber ultrafine filament yarn is preferably a crimped yarn that has been subjected to false twist crimping or the like so that a softer feeling can be obtained.
The raster of the synthetic fiber ultrafine filament yarn may be any of bright, semi-dull, and full dull. Since the synthetic fiber ultrafine filament yarn has a small single-fiber fineness, even if it is bright due to irregular reflection of light, it is difficult to obtain a bright effect.
It is a yarn having a lower shrinkage performance than the synthetic filament bright filament yarn, which is the other yarn constituting the special textured yarn of the present invention, and the boiling water shrinkage ratio is preferably 5% or less.
Further, this synthetic fiber ultrafine filament yarn is composite-spun using a readily soluble polymer such as an alkali easily soluble polymer as a bonding agent, and is divided into filaments having a fineness of 1 dtex or less by a treatment for removing the easily soluble polymer such as an alkali treatment after fabric formation. The split filament yarn may be a split type filament yarn or a split type filament yarn which is combined with non-compatible polymers to form a composite spin, and is divided into filaments having a fineness of 1 dtex or less by a physical action or the like in a later step. .
[0008]
Synthetic fiber bright filament yarn, which is another yarn constituting the specially processed yarn of the present invention, is a fiber in which a matting agent is not used during fiber production. As a matting agent for synthetic fibers, titanium oxide is usually used, but even in the case of bright filament yarn, a very small amount of titanium oxide, for example, 0.05% or less is used in order to maintain the spinning properties. There are cases. The synthetic fiber bright filament yarn of the present invention preferably does not contain titanium oxide, but may be a synthetic fiber bright filament yarn containing a very small amount of titanium oxide from the viewpoint of spinnability.
[0009]
The fineness of a single filament of the synthetic filament bright filament yarn is 5 dtex or more. The reason why the single yarn fineness of the yarn is 5 decitex or more is to make use of the excellent glossiness and to obtain a fabric having a tight and firm waist. If the single-filament fineness of the yarn is too large, there is a high possibility that the fabric becomes hard, and therefore, it is preferably 20 dtex or less. The cross section of the constituent filaments of this yarn may be a round cross section, but is preferably a modified cross section, particularly a three-leaf cross section, so as to obtain a better glossiness.
[0010]
The synthetic fiber bright filament yarn is a yarn having a higher boiling water shrinkage ratio than the synthetic fiber ultrafine filament yarn. The difference in the boiling water shrinkage between the synthetic bright filament yarn and the synthetic ultrafine filament yarn is preferably 5% or more. The boiling water shrinkage of the synthetic fiber bright filament yarn is preferably 10% or more. When the shrinkage characteristics of the synthetic bright filament yarn are made larger than that of the synthetic fine filament yarn, the heat treatment after fabric formation allows a large amount of the fine filaments to come out on the surface of the fabric, and a soft touch is obtained. The elegance of the fabric makes it possible to obtain a suede-like texture with tightness and waist.
[0011]
The special textured yarn of the present invention is a mixed fiber entangled yarn in which the above synthetic fiber microfilament yarn and the synthetic fiber bright filament yarn are mixed and entangled, and the ratio of the synthetic fiber bright filament yarn to the entire processed yarn is The mass ratio is 30 to 70%, and the number of entanglements is 50 to 200 / m.
[0012]
By setting the ratio of the synthetic fiber bright filament yarn to 30 to 70%, it becomes possible to impart tension and stiffness to the fabric and express natural glossiness. If the ratio of the synthetic fiber bright filament yarn exceeds 70%, the hand becomes hard and rough, and a suede-like hand cannot be obtained. On the other hand, if it is less than 30%, the glossiness will be reduced, and the tension and waist will also be insufficient.
[0013]
When the number of entanglements of the textured yarn of the present invention is 50 to 200 pieces / m, preferably 80 to 150 pieces / m, the process passability in fabric production becomes good, and the hetero-shrinkage effect during heat treatment in the finishing process is improved. Sufficiently exhibited, and the desired suede-like texture can be obtained. When the number of entanglements is less than 50 / m, the entanglement of both yarns is weak, and the filaments are apt to be loosened. When the number of entanglements exceeds 200 / m, a strong entangled yarn is formed, the manifestation of the differential shrinkage effect is weakened, and a hard texture is obtained.
[0014]
FIG. 1 shows an example of a method for producing a special textured yarn of the present invention. In FIG. 1, a synthetic fiber ultrafine filament yarn A is supplied to a false twisting area by a first yarn feed roller 1, and is false twisted and crimped by a heater 3 and a twisted body 4 between the first yarn take-up roller 5. Is applied to form a crimped yarn and guided to a fluid disturbance treatment zone. On the other hand, the synthetic fiber bright filament yarn B is supplied to the fluid disturbance processing region by the second yarn supplying roller 2 and is guided to the fluid ejection nozzle 6 together with the crimped yarn. The crimped synthetic fiber ultrafine filament yarn and synthetic fiber bright filament yarn are subjected to a fluid agitation treatment in a fluid ejection nozzle to become a mixed entangled yarn, and are passed through a second take-up roller 7 to a package 9 by a take-up roller 8. It is wound up.
[0015]
In this manufacturing method, the false twist processing method is not particularly limited, and a friction method, a spindle method, an air false twist method, or the like can be adopted. In addition, the fluid ejection nozzle used in the fluid agitation process is not particularly limited, and examples thereof include a Taslan nozzle capable of imparting confounding with loop fuzz and an interlace nozzle capable of imparting confounding only. Furthermore, the overfeed rate of each yarn during the fluid disturbance treatment is not particularly limited, but when the overfeed rate of the synthetic fiber ultrafine filament yarn is equal to or larger than that of the synthetic fiber bright filament yarn, the suede-like feeling is emphasized. It is preferable in doing.
[0016]
The specially processed yarn of the present invention can be used as a yarn constituting a fabric such as a woven fabric or a knitted fabric. Other yarns may be mixed in the production of the fabric. As a precaution in finishing the fabric, it is important to perform a heat treatment that makes full use of the difference in the heat shrinkage of each yarn. In the finishing step, conditions are set so as to make full use of the difference in the heat shrinkage in the step of first receiving the heat treatment. That is, in the step of first receiving the heat treatment, it is preferable to perform the heat treatment at a temperature as high as possible without applying tension to the cloth as much as possible.
[0017]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples. The evaluation in the examples was performed by the following method.
(1) Boiling water shrinkage ratio Measured according to JIS L1090.
(2) Mass ratio After measuring the mass M of the entire sample, the entangled portion of the yarn is unraveled using a separating needle, the mass N of only the synthetic fiber bright filament yarn is measured, and the mass ratio is calculated by the following equation. This is repeated five times, and their average value is calculated to be the mass ratio.
Mass ratio (%) = (N / M) × 100
(3) Apply a load of 0.1 g / decitex to each of the confounding samples to make markings at 1 m intervals. This sample is floated on water and the number of entangled portions between the markings is counted. This is repeated five times, and their average value is calculated to be the number of confounds.
(4) Evaluation of Woven Fabric The glossiness of the woven fabric was visually determined, and the suede feeling was determined by tactile sensation.
[0018]
Example 1
As a synthetic fiber bright filament yarn, a polyester bright filament yarn 66 dtex / 8 filament (single yarn fineness: 8.3 dtex) having a three-leaf cross section made of polyethylene terephthalate containing no titanium oxide is used. Using polyethylene terephthalate highly oriented undrawn yarn 90 dtex / 168 filaments (single yarn fineness 0.44 dtex after false twisting) as the supply yarn for the yarn, the production process shown in FIG. Under the conditions, false twist crimping of polyethylene terephthalate highly oriented undrawn yarn and blending and entanglement of two types of multifilament yarns were performed, and the total fineness was 137 dtex, the number of filaments was 172 filaments, and the mass of synthetic filament bright filament yarns 45.8% ratio, confounding To obtain a special yarn of the present invention which is a 105 Ke / m.
The obtained processed yarn is used as a warp, and as the weft, two twisted yarns heat-set with S1500 t / m and Z1500 t / m on a semi-dal polyester filament yarn 84 dtex / 36 filament are alternately used to obtain a warp density of 210 yarns / After weaving, scouring and presetting 8 inch satin fabric at a weft density of 85 / inch, a single roll emery napping machine (Wakayama Iron Works Co., Ltd.) covered with 320 mesh sandpaper ) To obtain 8 brushed woven fabrics having a satin structure.
[0019]
Example 2
A processed yarn of Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that only the hot drawing treatment was performed without using the twisted body in the false twist processing area.
[0020]
Comparative Example 1
In place of the polyethylene terephthalate highly oriented undrawn yarn 90 dtex / 168 filament (single yarn fineness 0.44 dtex after false twisting) used in Example 1, the polyethylene terephthalate highly oriented undrawn yarn 90 dtex / 60 filament (temporary A processed yarn of Comparative Example 1 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the single yarn fineness after twisting was 1.22 dtex.
[0021]
Comparative Example 2
Except that polyester bright filament yarn 66 dtex / 16 filament (single yarn fineness 4.1 dtex) was used instead of polyester bright filament yarn 66 dtex / 6 filament (single yarn fineness 11 dtex) used in Example 1. A processed yarn of Comparative Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1.
[0022]
Comparative Example 3
Except that polyester bright filament yarn 190 dtex / 12 filament (single yarn fineness 15.8 dtex) is used instead of polyester bright filament yarn 66 dtex / 6 filament (single yarn fineness 11 dtex) used in Example 1. A processed yarn of Comparative Example 3 was obtained in the same manner as in Example 1.
Table 1 also shows the properties of the obtained processed yarns of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 3 and the evaluation results of the woven fabric.
[0023]
[Table 1]
As is clear from Table 1, the processed yarns of Examples 1 and 2 according to the present invention have a form in which the synthetic filament bright filament yarn goes to the core side by heat treatment and the ultrafine filament yarn rises to the surface. The woven fabric using the processed yarn had a stable quality without occurrence of napping, and had a suede-like feel and a natural glossiness. On the other hand, in Comparative Example 1, since the single yarn fineness of the fiber coming to the surface was large, the surface touch was hard. Comparative Example 2 was a woven fabric with insufficient glossiness because the single filament fineness of the bright filament yarn was small. In Comparative Example 3, since the ratio of the bright filament yarn having a large single-filament fineness was large, the fabric had a hard feel, and a part of the bright filament yarn was also cut by the nap to cut the filament, and the nap spots were also generated.
[0025]
【The invention's effect】
Since the specially processed yarn of the present invention has the above-described configuration, no trouble occurs in the process of forming the fabric, and the obtained fabric expresses an excellent suede-like feel and an excellent glossiness. It is possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating an example of a manufacturing process of a specially processed yarn of the present invention.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List A Synthetic fiber ultrafine filament yarn B Synthetic fiber bright filament yarn 1 First yarn feed roller 2 Second yarn feed roller 3 Heater 4 Twisted body 5 First take-up roller 6 Fluid jet nozzle 7 Second take-up roller 8 Take-up roller 9 Package
