JP2004051889A - Polyphenylene ether resin composition - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体を含有した成形加工性と難燃性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関するものである。さらに、本発明は、環境に悪影響を及ぼす臭素原子含有化合物やリン原子含有化合物を使用しないで、難燃性、成型加工性、機械的特性の実用特性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を初めて実現したものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、金属又はガラスに比較して、軽量で、耐衝撃性に優れていることから、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多岐の分野で使用されているが、樹脂の成形性が悪いためにポリフェニレンエーテル単独ではなく完全相溶するポリスチレン系樹脂との混合物として用いられている。しかしながら、ポリフェニレンエーテル系樹脂に比べ易燃性であるポリスチレン系樹脂を混合する事でポリフェニレンエーテル/ポリスチレンの混合樹脂は耐熱温度が下がるとともに、易燃性となる。従ってポリスチレンを入れなくても成形できる新たな方法が望まれていた。又さらに成形性と同時に難燃性も両立する方法の開発が望まれていた。
【0003】
ポリフェニレンエーテル系樹脂の難燃化の方法としては、ハロゲン系(特に臭素系)、リン系、無機系あるいはそれら混合系の難燃剤を重合体に添加することが知られており、それによりある程度難燃化が達成されている。しかしながら、近年火災に対する安全性の要求がとみにクローズアップされると同時に環境上の問題のない技術開発が強く望まれている。従って現在、非ハロゲン(特に非臭素系)、非リン系で難燃化効果が高く、しかも樹脂組成物の機械的物性等の実用性能を低下させない新しい難燃剤が望まれている。その要求を応え得る可能性がある難燃剤として有機ケイ素系難燃剤が提案されている。その例としてポリフェニレンエーテル系樹脂組成物及びジメチルシリコーンを含有する難燃性樹脂組成物が特公昭63−10184、特開昭64−4656号公報、米国特許第4497925、同第4387176号明細書、特開平2−133464号公報に開示されている。しかしながら上記公報のシリコーンは、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性が低く、成形性が低い。また揮発性のために実用的使用に耐えることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状を鑑み、環境適合性に優れ、かつ、卓越した溶融流動性と優れた難燃性を有し、さらに耐熱性にも優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂に特定の籠状シルセスキオキサン化合物及び/又はその部分開裂構造体を混合することにより、当該樹脂組成物の溶融流動性と難燃性が同時に飛躍的に向上する事を見出し、本発明を完成させた。その中でも特筆すべきことは、特定の構造の籠状シルセスキオキサン化合物及び/又はその部分開裂構造体は、少量の添加により、ポリフェニレンエーテル系樹脂の特性を大幅に改良するために、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系ポリマーアロイ等の場合に比べてはるかに少量の改質剤添加量で済む。したがって、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物においては、ポリフェニレンエーテル樹脂本来の高耐熱性や優れた機械的特性をほとんど損なわないで、溶融流動性と難燃性が改良されることが確認された。以上の本発明の組成物の特長は、工業的に極めて重要であり、本願発明者によってはじめて確認されたものである。
【0006】
なお、本発明者らは、これまでに、各種の籠状シルセスキオキサン化合物やその部分開裂構造体の各種のポリマーへの添加効果を幅広く検討してきた。その結果、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(芳香族系縮合ポリマー)やNylon−66(脂肪族系縮合ポリマー)等では、難燃性向上効果は認められなかった。したがって、上記の本発明の難燃性向上効果と溶融流動性向上効果が、少量の添加剤によっても同時に発現するという工業的に重要な発見は、本発明者らが、特定の構造の籠状シルセスキオキサン化合物やその部分開裂構造体をポリフェニレンエーテル系樹脂と組み合わせて初めて見出された画期的な発見である。
【0007】
即ち、本発明は、下記のとおりである。
(1) 下記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、(ガラス転移点+20)℃〜(ガラス転移点+100)℃の温度範囲から選ばれる任意の温度で測定されたメルトインデックスを用いて下記数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が、下限値0.3、上限値50.0の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
MIR=(MI−MI0)/MI0 (C)
(一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基から選ばれ、複数のRは同一でも異なっていても良い;一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、又は第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い、又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成していても良い;nは6〜14の整数、lは2〜12の整数、kは2又は3である。また式(C)中のMIはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のメルトインデックス(g/10min)であり、MI0は上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のメルトインデックス(g/10min)である。)
【0008】
(2) 一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、UL−94燃焼試験における平均燃焼時間を用いて下記数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
FTR=(FT0−FT)/FT0 (D)
(数式(D)中のFTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間であり、FT0は、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間である。)
【0009】
(3) 数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、かつ数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が下限値0.2、上限値0.98の範囲内であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0010】
(4) 数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、かつ下記数式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする(1)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
ΔHDT=(HDT−HDT0) (E)
(数式(E)中のHDTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の荷重たわみ温度(℃)であり、HDT0は、当該上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物の荷重たわみ温度(℃)である。)
【0011】
(5) 数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であり、かつ一般式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする(2)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0012】
(6)a)数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、b)数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であり、さらに、c)数式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0013】
(7) d)一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、e)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、かつ、f)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0014】
(8) g)一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、h)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、i)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、かつ、j)ASTM D648に従い、かつ、荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が160℃〜210℃の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0015】
(9) k)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、l)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、かつ、m)実質的な量の臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物を含まないことを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0016】
(10) n)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、o)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、p)ASTM D648に従い、かつ、荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が160℃〜210℃の範囲内であり、かつ、q)実質的な量の臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物を含まないことを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【0017】
(11) 前記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を溶融成型することを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成型体の製造方法。
【0018】
(12) 前記(11)に記載の方法で製造されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成型体。
【0019】
(13) 前記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成型体。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の「籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物」とは、「籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体」と「ポリフェニレンエーテル系樹脂」を必須成分とする組成物である。本発明で用いられる、「ポリフェニレンエーテル系樹脂」とは、「ポリフェニレンエーテル樹脂及びそれを含むポリマーアロイ」を示す。本発明で用いられる「ポリフェニレンエーテル樹脂」とは、下記一般式(2)を繰り返し単位とした単独重合体、下記一般式(2)の繰り返し単位を含む共重合体、あるいはそれらの変性ポリマーを示す。
【0021】
【化1】
式中R2、R3、R4、R5、は水素、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、炭化水素オキシを表す。
【0022】
当該ポリフェニレンエーテル樹脂としては幅広い分子量の重合体が使用可能であるが、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)として、好ましくは0.15〜1.0dl/gの範囲にあるホモ重合体及び/又は共重合体が使用され、さらに好ましい還元粘度は、0.20〜0.70dl/gの範囲、最も好ましくは0.40〜0.60の範囲である。当該ポリフェニレンエーテル樹脂としては、その目的に応じて幅広い溶融流動性の樹脂が使用可能であり、特に溶融流動性の制限はない。しかしながら、例えば、特に高い強度高い耐熱性及び機械諸物性が要求される構造材料として使用される場合には、JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値としては、好ましくは6(g/10min)以下、より好ましくは5(g/10min)以下、特に好ましくは4(g/10min)以下の値の樹脂が使用される。
【0023】
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。この内、特に好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。ポリフェニレンエーテル共重合体としては、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノールあるいは2−メチルフェノール(o−クレゾール))との共重合体などが挙げられる。以上のような各種ポリフェニレンエーテル樹脂の中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
【0024】
本発明で使用するポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法の例として、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法が挙げられる。
【0025】
米国特許第3306875号、同第3257357号及び同第3257358号の明細書、特公昭52−17880号及び特開昭50−51197号及び同63−152628号の各公報等に記載された方法もポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法として好ましい。
【0026】
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂は、重合工程後のパウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、窒素ガス雰囲気下あるいは非窒素ガス雰囲気下、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融混練することでペレット化して用いてもよい。
【0027】
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂には、ジエノフィル化合物により変性されたポリフェニレンエーテルも含まれる。この変性処理には、種々のジエノフィル化合物が使用されるが、ジエノフィル化合物の例としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアリレート、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンなどの化合物が挙げられる。さらにこれらジエノフィル化合物により変性する方法としては、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融状態で官能化してもよい。あるいはラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で、非溶融状態、すなわち室温以上、かつ融点以下の温度範囲にて官能化してもよい。この際、ポリフェニレンエーテルの融点は、示差熱走査型熱量計(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するときに得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピークトップ温度で定義され、ピークトップ温度が複数ある場合にはその内の最高の温度で定義される。
【0028】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂は、上記のポリフェニレンエーテル樹脂のみであってもよいし、あるいは、上記のポリフェニレンエーテル樹脂と他の樹脂とのポリマーアロイでも良い。この場合の他の樹脂の例としては、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのポリスチレン系樹脂、ナイロン6,6やナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂等が挙げられる。本発明で使用されるポリフェニレンエーテル樹脂を含むポリマーアロイは、ポリフェニレンエーテル樹脂と、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂等から選ばれるどれかひとつの樹脂と組み合わせたポリマーアロイとしても良いし、ポリフェニレンエーテル樹脂と2つ以上の複数の樹脂と組み合わせたポリマーアロイとしても良い。
【0029】
ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂から選ばれる樹脂とのポリマーアロイを用いる場合は、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂から選ばれる樹脂との合計量に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量としては、好ましくは40wt%以上、さらに好ましくは60wt%以上、特に好ましくは80wt%以上である。
【0030】
なお、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物全体に対するポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、好ましくは35wt%以上、より好ましくは70wt%以上、特に好ましくは90wt%以上である。
【0031】
次に、本発明に使用する籠状シルセスキオキサン及びその部分開裂構造体について説明する。
シリカがSiO2で表されるのに対し、シルセスキオキサンは[R’SiO3/2]で表される化合物である。シルセスキオキサンは通常はR’SiX3(R’=水素原子、有機基、シロキシ基、X=ハロゲン原子、アルコキシ基)型化合物の加水分解−重縮合で合成されるポリシロキサンであり、分子配列の形状として、代表的には無定形構造、ラダー状構造、籠状(完全縮合ケージ状)構造あるいはその部分開裂構造体(籠状構造からケイ素原子が一原子欠けた構造や籠状構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構造)等が知られている。
【0032】
本発明者は、各種有機ケイ素化合物のポリフェニレンエーテル系樹脂への添加効果を詳細に検討した。その結果、各種有機ケイ素化合物の中でも特定の構造の籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体をポリフェニレンエーテル系樹脂に添加した場合に、成形性(あるいは溶融流動性)に優れ、かつ難燃性、機械的特性等に優れた成形体を与えるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が得られる事を見いだし、本発明を完成させた。
【0033】
本発明に使用される籠状シルセスキオキサンの具体的構造の例としては、例えば、下記の一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンが挙げられる。又、本発明に使用される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の具体的構造の例としては、例えば、下記の一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体が挙げられる。しかしながら、本発明に使用される籠状シルセスキオキサンあるいはその部分開裂構造体の構造は、これらの構造に限定されるものではない。
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基から選ばれ、Rは全て同一でも複数の基で構成されていても良い。
【0034】
本発明で用いられる一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサンの例としては[RSiO3/2]6の化学式で表されるタイプ(下記一般式(3))、[RSiO3/2]8の化学式で表されるタイプ(下記一般式(4))、[RSiO3/2]10の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(5))、[RSiO3/2]12の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(6))、[RSiO3/2]14の化学式で表されるタイプ(例えば下記一般式(7))が挙げられる。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
本発明の一般式(A)[RSiO3/2]nで表される籠状シルセスキオキサンにおけるnの値としては、6〜14の整数であり、好ましくは8、10あるいは12であり、より好ましくは、8、10又は8、10の混合物あるいは8、10、12の混合物であり、特に好ましくは8又は10である。
【0040】
また、本発明では、籠状シルセスキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分開裂した構造か、又は、籠状シルセスキオキサンの一部が脱離した構造、あるいはそれらから誘導される、一般式(B)[RSiO3/2]l(RXSiO)k(lは2〜12の整数であり、kは2又は3である。)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を用いることもできる。
【0041】
一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良い。又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成していても良い。ここで、lは2〜12の整数、好ましくは4〜10の整数、特に好ましくは4、6又は8である。kは2又は3である。
【0042】
(RXSiO)k中の2個又は3個のXは、同一分子中の他のXと互いに連結して各種の連結構造を形成しても良い。その、連結構造の具体例を以下に説明する。
【0043】
一般式(B)の同一分子中の2個のXは一般式(1)で示される分子内連結構造を形成しても良い。さらに、それぞれ異なった分子中に存在する2個のXが互いに連結して、下記一般式(1)で表される連結構造により複核構造を形成しても良い。
【0044】
【化7】
Y及びZはXと同じ基の群の中から選ばれ、YとZは同じでも異なっていても良い。
【0045】
一般式(1)で示される連結構造の例としては、例えば、以下の2価基構造が挙げられる。
【0046】
【化8】
【0047】
又、一般式(B)において、同一分子内の2個のXが連結して連結構造をとる場合、連結構造は、一般式(15)で表される連結構造であっても構わない。一般式(15)のQは一般式(A)及び一般式(B)におけるRの中の炭素数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基又は水素原子である(例えばMat.Res.Soc.Symp.Prac,1999,576,111参照)。
【0048】
【化9】
【0049】
さらに、一般式(B)の中の2個又は3個のXが連結して、ケイ素原子以外の他の金属原子を含む連結構造を形成してもよい。この場合の、他の金属原子を含む連結構造の例としては、例えば、[Si―O―金属原子]型の結合を含む連結構造や、あるいは、有機金属型連結構造等が挙げられる。他の金属原子を含む連結構造を有する一般式(B)の化合物の具体例としては、例えば、一般式(A)を構成する[RSiO3/2]nのSi中で、1個がSiの代わりに他の金属原子又は有機金属基に置換された構造が挙げられる。又、一般式(B)の2個のXがケイ素原子以外の他の金属原子を含む基に置き換わっていても構わない。これらの場合の、他の金属原子、あるいは、有機金属型連結構造中の金属原子の例としてはAl、Ti、Zr、V、Ta、Cr、Mo、W、Re、Ru、Pt、Sn、Sb、Ga、Tl等が挙げられる。またこれらの金属原子が入ることによって籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体が複核構造をとっていても構わない(例えばFeherらのPolyhedron,1995,14,3239やOrganometallics,1995,14,3920参照)。
一般式(B)で表される化合物における上記の各種の連結構造のうちでは、一般式(1)で表される連結構造が、合成が容易であり好ましい。
【0050】
本発明で使用される一般式(B)で表される化合物の例としては、例えば上記一般式(4)の一部が脱離した構造であるトリシラノール体あるいは、それから合成される(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式で表されるタイプ(例えば、下記一般式(8))、一般式(8)あるいは(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式の化合物の中の3個のXのうち2個のXが一般式(1)で示される連結構造を形成するタイプ(例えば、下記一般式(9))、上記一般式(4)の一部が開裂したジシラノール体から誘導される(RSiO3/2)6(RXSiO)2の化学式で表されるタイプ(例えば、下記一般式(10)及び(11))、一般式(10)あるいは(RSiO3/2)6(RXSiO)2の化学式の化合物の中の2個のXが一般式(1)で示される連結構造を形成するタイプ(例えば、下記一般式(12))等が挙げられる。一般式(8)〜(12)中の同一ケイ素原子に結合しているRとXあるいはYとZはお互いの位置を交換したものでもよい。さらに、それぞれ異なった分子中に存在する2個のXが互いに連結して、上記一般式(1)で代表される各種の連結構造により複核構造を形成しても良い。
【0051】
また、一般式(B)の中の2個又は3個のXが連結して、ケイ素原子以外の他の金属原子を含む連結構造を形成した化合物の具体例としては、例えば、一般式(8)で示される化合物の3個のXがTi原子を含む連結構造を形成する(RSiO3/2)4(RXSiO)3の化学式で表される化合物(例えば、下記一般式(8−Ti))が挙げられる。
【0052】
これらの各種の籠状シルセスキオキサンあるいはその部分開裂構造体は、それぞれ単独で用いてもいいし、複数の混合物として用いても良い。
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】
【化15】
【0059】
本発明に使用される一般式(A)及び/又は一般式(B)で表される化合物におけるRの種類としては水素原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基が挙げられる。
【0060】
炭素原子数1〜6のアルコキシル基の例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。一般式(A)又は一般式(B)の化合物の1分子中のアルコキシル基及びアリールオキシ基の数は合計で好ましくは3以下、より好ましくは1以下である。
【0061】
炭素数1〜20までの炭化水素基の例としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t−オクチル等)、ノニル(n−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)等の非環式又は環式の脂肪族炭化水素基、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、スチレニル等の非環式及び環式アルケニル基、ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基、PhCH=CH−基のようなアラアルケニル基、フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基、4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基のような置換アリール基等が挙げられる。
【0062】
これらの炭化水素基の中でも、特に炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜20のアルケニル基の数が、全R、X、Y、Zにしめる割合が大きい場合には特に良好な成形時の溶融流動性が得られる。またRが脂肪族炭化水素基及び/又はアルケニル基の場合には、成形時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがいいものとして、R中の炭素数は通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下である。
【0063】
又、本発明に使用されるRとしては、これらの各種の炭化水素基の水素原子又は主査骨格の一部がエーテル結合、エステル基(結合)、水酸基、チオール基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物結合、チオール基、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基(結合)、イミド基(結合)、イミノ基、ウレア基(結合)、ウレタン基(結合)、イソシアネート基、シアノ基等の極性基(極性結合)あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選ばれる置換基で部分置換されたものでも良い。
【0064】
一般式(A)及び(B)におけるR中の置換又は非置換の炭化水素基中の置換基も含めた全炭素原子数としては、通常は20以下のものが使用されるが、成型時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがよいものとしては、好ましくは16以下、特に好ましくは12以下のものが使用される。
【0065】
Rとして採用されるケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基としては、広範な構造のものが採用されるが、例えば下記一般式(13)、あるいは下記一般式(14)の構造の基が挙げられる。当該ケイ素原子含有基中のケイ素原子数としては、通常1〜10の範囲であるが、好ましくは1〜6の範囲、より好ましくは1〜3の範囲である。ケイ素原子の数が大きくなりすぎると籠状シルセスキオキサン化合物は粘ちょうな液体となり、ハンドリングや精製が困難になるので好ましくない。
【0066】
【化16】
【0067】
一般式(13)中のnは、通常は1〜10の範囲の整数であるが、好ましくは1〜6の範囲の整数、より好ましくは1〜3の範囲の整数である。また、一般式(13)中の置換基R6及びR7は、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、塩素原子、又は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基以外の有機基である。
当該アルコキシ基の例としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0068】
当該炭素数1〜10のアルコキシ基以外の有機基の例としては、各種の置換又は非置換の炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、ビニル基、プロペニル基等の不飽和炭化水素結合含有基、フェニル基、ベンジル基やフェネチル基のような芳香族炭化水素基あるいはCF3CH2CH2−等の含フッ素アルキル基、アミノアルキル基等の極性基置換アルキル基等が挙げられる。
【0069】
一般式(13)中のR8は水素原子又は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8の有機基である。当該有機基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシル−エチル基、オクチル基、ドデシル基等の脂肪族炭化水素基;ビニル基、エチニル基、アリル基、2−シクロヘキセニル−エチル基等の不飽和炭化水素結合含有基;フェニル基、ベンジル基やフェネチル基のような芳香族炭化水素基;3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基等の含フッ素アルキル基やCF3CF2CF2OCH2CH2CH2−基等の含フッ素エーテル基のようなフッ素原子含有基;アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、アミノエチルアミノフェネチル基、アクリロキシプロピル基、シアノプロピル等の極性置換基による部分置換炭化水素基が挙げられる。なお、一般式(13)において、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結することはない。一般式(13)で表されるケイ素原子含有基の具体的例としては、例えばトリメチルシロキシ基(Me3Si−)、ジメチルフェニルシロキシ基(Me2PhSiO−)、ジフェニルメチルシロキシ基、フェネチルジメチルシロキシ基、ジメチル−n−ヘキシルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルオクチルシロキシ基、(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]k−(k=1〜9)、2−フェニル−2,4,4,4−テトラメチルジシロキシ基(OSiPhMeOSiMe3)、4,4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルジシロキシ(OSiMe2OSiMePh2)、2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルジシロキシ(OSiPhMeOSiPhMe2)、ビニルジメチルシロキシ基、3−グリシジルプロピルジメチルシロキシ基、3−アミノプロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2CH2Me2SiO−)、Me2NCH2CH2CH2Me2SiO−、H2NCH2CH2CH2Me(HO)SiO−、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−)、MeHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−、HOCH2CH2HNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−、CH3COHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me(HO)SiO−等が挙げられる。
【0070】
【化17】
【0071】
一般式(14)において、Raは炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、炭素数としては、好ましくは2〜6の範囲であり、特に好ましくは2又は3である。Raの具体例としては、例えば、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)m−(m=4〜10)等のアルキレン基が挙げられる。
一般式(14)におけるR6、R7、R8の定義は、それぞれ一般式(13)中のR6、R7、R8と同じである。また、R9、R10の定義は、R6、R7と同じである。n’ は、0又は1〜9の範囲の整数であるが、好ましくは0又は1〜5の範囲の整数、特に好ましくは0、1又は2である。
【0072】
本発明には一般式(A)及び/又は一般式(B)で代表される広範な構造の籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体が使用される。一般式(A)及び一般式(B)において一分子中の複数のR、X、Y及びZはそれぞれ同じでも異なっていても良い。
【0073】
一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物の中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形性(又は溶融流動性)向上効果と難燃性向上効果の両方とも特に優れた効果を示す化合物の群としては、「すべてのR、X、Y、Zの数」に対する「芳香族炭化水素基であるR、X、Y、Zの数」の割合が、好ましくは93%以内、より好ましくは90%以内、特に好ましくは80%以内、さらに好ましくは70%以内である化合物の群が挙げられる。なお、上記の「すべてのR、X、Y、Zの数」及び「芳香族炭化水素基であるR、X、Y、Zの数」のいずれの場合も、すべてのR、X、Y、Zにおける同一の基もそれぞれ一つと数えるものとする。一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物では、特に一般式(A)で表される化合物では、「すべてのR、X、Y、Zの数」に対する「芳香族炭化水素基であるR、X、Y、Zの数」の割合が上記の割合以上になると、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の流動性向上効果及び/又は難燃性向上効果が弱まる傾向がある。したがって、一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物では、特に一般式(A)で表される化合物では、「芳香族炭化水素基であるR、X、Y、Zの数」の割合は、上記範囲内であることが好ましい。なお、ここで、芳香族炭化水素基とは、アリール(Aryl)基及びアラアルキル基から選ばれる芳香族炭化水素基を示す。ポリフェニレンエーテル樹脂は、芳香核を主たる構成要素とするポリマーなので、ポリマー構造と類似の構造である芳香族炭化水素基のこのような効果は、従来公知の知見からは全く予期できない効果であり、本発明者らの詳細な検討によってはじめて明らかになったものである。
【0074】
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成形性(又は溶融流動性)向上効果と難燃性向上効果の両方とも特に優れた効果を示す別の化合物の群としては、一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物の中でも、一般式(A)及び/又は一般式(B)のR、X、Y、Zの少なくとも一つは、1)不飽和炭化水素結合を含有する基、あるいは、2)窒素原子及び/又は酸素原子を含有する極性基を有する基である化合物の群が挙げられる。ここで、R、X、Y、Zが複数の種類の基で構成されている場合には、その中の少なくとも一つが上記の1)又は2)の基であればよい。
【0075】
上記1)の不飽和炭化水素結合を含有する基の例としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、スチレニル、スチリル等の非環式及び環式アルケニル基、アルキニル基、あるいはこれらの基を含有する基が挙げられる。上記の不飽和炭化水素結合を含有する基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、2−(3,4−シクロヘキセニル)エチル基、3,4−シクロヘキセニル基、ジメチルビニルシロキシ基、ジメチルアリルシロキシ基、(3−アクリロイルプロピル)ジメチルシロキシ基、(3−メタクリロイルプロピル)ジメチルシロキシ基等が挙げられる。
【0076】
また、上記2)の窒素原子及び/又は酸素原子を含有する極性基を有する基の例としてはエーテル結合、エステル結合、水酸基、カルボニル基、アルデヒド基、エポキシ基(結合)、アミノ基、置換アミノ基、アミド基(結合)、イミド基(結合)、イミノ基、シアノ基、ウレア基(結合)、ウレタン基(結合)、イソシアネート基等を含む基が挙げられる。その中でも、特に、アミノ基あるいはその置換体誘導体、あるいはエーテル基(エポキシ基も含む)を含有する基が好ましい。上記のアミノ基置換体誘導体の例としては、例えば、モノアルキルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジアルキルアミノ基等の各種置換アミノ基、アミド基、イミド基、イミノ基、ウレア基等が挙げられる。
【0077】
上記のアミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基の具体例としては、例えば、3−アミノプロピル基(H2NCH2CH2CH2−)、Me2NCH2CH2CH2−、Me2C=NCH2CH2CH2−、−CH2CH2C6H4NH2、3−アミノプロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2CH2Me(HO)SiO−、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル基(H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−)、MeHNCH2CH2NHCH2CH2CH2−、Me2C=NCH2CH2NHCH2CH2CH2−、HOCH2CH2HNCH2CH2NHCH2CH2CH2−、CH3COHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメチルシロキシ基(H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO−)、H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me(HO)SiO−が挙げられる。また、上記のエーテル基(エポキシ基も含む)を含有する基の具体例としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピル基、3−グリシジルオキシプロピルジメチルシロキシ基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシロキシ基、CH3OCH2CH2CH2−、HOCH2CH2OCH2CH2CH2−等が挙げられる。
【0078】
一般式(A)及び一般式(B)におけるR、X、Y、Zはそれぞれ独立に各種の構造を取りうるし、又、R、X、Y、Zはそれぞれ複数の基からなっていてもよい。
【0079】
本発明者らが、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に適した籠状シルセスキオキサン及び籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の構造を、さらに幅広く、様々な観点から検討した結果、一般式(B)の化合物の中でa)複数のXのうち少なくとも1つが水酸基及び−OSi(OH)Y”Z”から選ばれる基であり、かつ、b)複数のXのうちの少なくとも1つが、一般式(A)及び(B)の化合物において優れた効果を示す前述の1)不飽和炭化水素結合を含有する基、あるいは、2)窒素原子及び/又は酸素原子を含有する極性基を有する基である化合物(以降、これを化合物(B−0)と略記する)が、これまで説明してきた溶融流動性向上効果と難燃性向上効果のほかに、さらに低揮発性にも優れていて実用上、極めて優れた組成物を提供することを見出した。なお、ここで上記の−OSi(OH)Y”Z”におけるY”及びZ”は、一般式(B)におけるXと同じ基の群から選ばれ、Y”とZ”は同じでも異なっていてもよい。
【0080】
尚、上記の化合物(B−0)において、複数のXのうち少なくとも1つが、アミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基である場合には、高溶融流動性、高難燃性、低揮発性のいずれもが特に優れたバランスのとれた特性のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を与えるのでより好ましい。また、アミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する化合物(B−0)は、上記のような新規な優れた特性が確認されたものであるとともに、これまで未知の新規物質である。
【0081】
化合物(B−0)のより具体的な構造の例としては、例えば、以下の一般式(B−1)が挙げられる。
一般式(B−1)において、Rとlは一般式(B)の場合と同じである;Xa1及びXa2は一般式(B)のXと同じ基の群から選ばれ、Xa1と Xa2は連結して下記一般式(1−1)で表される連結構造を形成してもよい;
【0082】
【化18】
【0083】
Xbは、水酸基及び−OSi(OH)Y”Z”から選ばれる基である;Y’、Z’、Y”及びZ”は、一般式(B)におけるXと同じ基の群から選ばれる;ただし、同一化合物中のXa1、Xa2、Xb、Y’、Z’、Y”及びZ”のうちの少なくとも一つは、1)不飽和炭化水素結合を含有する基、あるいは、2)窒素原子及び/又は酸素原子を含有する極性基を有する基であり、Xa1、Xa2、Xb、Y’、Z’、Y”及びZ”は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。また、一般式(B−1)におけるY”及びZ”については、その具体例を後述するが、化合物(B−0)におけるY”及びZ”も、一般式(B−1)におけるY”及びZ”とそれぞれ全く同じ基の群から選ばれる。
【0084】
なお、一般式(B−1)の化合物の中でも、Xa1、Xa2、Xb、Y’、Z’、Y”及びZ”のうちの少なくとも一つが、アミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基である場合には、高溶融流動性、高難燃性、低揮発性のいずれもが特に優れたバランスのとれた特性のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を与えるのでより好ましい。
【0085】
また、一般式(B−1)の化合物において、Xa1、Xa2、Xb、Y’、Z’、Y”及びZ”のうちの少なくとも一つが、アミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基である籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体は、上記のような新規な優れた特性が確認されたものであるとともに、これまで未知の新規物質である。
【0086】
その具体的な構造の例としては、例えば以下のような骨格構造の化合物(一般式(B−1)においてl=4の例)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
【化19】
【0088】
上記の化合物(B−1−a)及び化合物(B−1−b)において、同一のケイ素原子に結合しているY’基とZ’基、OH基とR基、−OSi(OH)Y”Z”基とR基は、それぞれお互いの位置を交換したものでもよい。上記の化合物(B−1−a)及び化合物(B−1−b)におけるY’及びY”の具体例としては、例えばメチル基、プロピルのような低級アルキル基やフェニル基が挙げられ、Z’及びZ”の具体例としては、例えば−CH2CH2CH2NH2基や−CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2基などの脂肪族アミノ基や−CH2CH2C6H4NH2基等の芳香族系アミノ基が挙げられる。なお、Z’がアミノ基あるいはその置換体誘導体含有基である場合には、Z”は必ずしもアミノ基あるいはその置換体誘導体含有基でなくてもよい。また、逆に、Z”がアミノ基あるいはその置換体誘導体含有基である場合には、Z’は必ずしもアミノ基あるいはその置換体誘導体含有基でなくてもよい。
【0089】
一般式(B−1)で表される化合物、特にY’、Z’、Y”及びZ”のうちの少なくとも一つがアミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基である一般式(B−1)で表される化合物が、溶融流動性向上効果と難燃性向上効果のほかに、さらに低揮発性にも優れていて実用上極めて優れた組成物を提供することの理由は、これまでのところ明らかになってはいない。しかしながら、一般式(B−1)で表される化合物の低揮発性に関しては、例えば、一般式(B−1)で表される化合物はシラノール基を少なくとも1個含有するので、このシラノール基が何らかの理由でその化合物の揮発性を抑制している可能性が考えられる。
【0090】
一般式(B−1)で表される化合物の揮発性は、類似官能基を含有するがシラノール基を含まない構造の籠状シルセスキオキサンあるいは籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体と比較した場合、熱分解開始温度あるいは昇華開始温度が、熱重量分析(TGA)で10%重量減少温度が数十℃以上、高くなるので好ましい。
【0091】
本発明に使用される一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン、あるいは一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体は、いずれも、実施例で示されるように、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の溶融成型時の金型汚れ(モールドデポジット)が少ないという特長がある。それが、一般式(B−1)で表される化合物の場合には、高溶融流動性と高難燃性を有したまま、低揮発性がさらに改良される。したがって、一般式(B−1)で表される化合物を使用した本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の溶融成型においては、モールドデポジットが特に少ない高精密な成型が可能になる。一般式(B−1)で表される化合物、特にY’、Z’、Y”及びZ”のうちの少なくとも一つがアミノ基あるいはその置換体誘導体を含有する基である一般式(B−1)で表される化合物のこのような特性は、精密成型体の製造には極めて重要である。
【0092】
一般式(B−1)で表される化合物は、使用目的にあった様々な官能基を含む構造の化合物が、極めて容易に合成出来るのも大きな特長である。すなわち、一般式(B−1)で表される化合物は、例えば、一般式(B)において、k=3、X=OHであるトリシラノール化合物と、Y’Z’SiD2(D=Cl、−OMeや−OEt等の低級アルコキシル基等)型化合物及び/あるいはY”Z”SiD2(D=Cl、−OMeや−OEt等の低級アルコキシル基等)型化合物及との反応により容易に合成される。
その合成例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0093】
【化20】
【0094】
【化21】
上記の化合物(B−1−1)及び化合物(B−1−2)において、同一のケイ素原子に結合しているY’基とZ’基、OH基とR基、−OSi(OH)Y”Z”基とR基は、それぞれお互いの位置を交換したものでもよい。
【0095】
なお、一般式(B−1)のXbが水酸基である場合の水酸基、あるいは、Xbが−OSi(OH)Y”Z”である場合のその基の中に含まれるOH基が、塩素原子やアルコキシル基である構造の化合物は、大気中に存在する微量の水などによっても容易に加水分解して一般式(B−1)の化合物の構造に変換される。したがって、上記の塩素原子含有基あるいはアルコキシル基含有基は、本発明に使用される一般式(B−1)の化合物と等価なものと見なすことが出来る。
【0096】
本発明の籠状シルセスキオキサンは例えばBrownらのJ.Am.Chem.Soc.1965,87,4313や、FeherらのJ.Am.Chem.Soc.1989,111,1741あるいはOrganometallics1991,10,2526などに記載の方法で合成することができる。例えばシクロヘキシルトリエトキシシランを水/メチルイソブチルケトン中で触媒にテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドを加えて反応させることにより結晶として得られる。また上記一般式(8)(X=OH)、一般式(10)(X=OH)、一般式(11)(X=OH)で表されるトリシラノール体及びジシラノール体は完全縮合型の籠状シルセスキオキサンを製造する際に同時に生成するか、一度完全縮合型の籠状シルセスキオキサンからトリフルオロ酸やテトラエチルアンモニウムヒドロキサイドによって部分切断することでも合成できる(FeherらのChem.Commun.,1998,1279参照)。また、さらに、一般式(8)(X=OH)の化合物は、RSiT3(T=Cl又はアルコキシル基)型化合物から、直接合成することも出来る。
【0097】
上記一般式(4)で8個のRのうち、1個のRのみ異なった置換基R´を導入する方法としては一般式(8)(X=OH)で表されるトリシラノール化合物とR´SiCl3、R´Si(OMe)3、R´Si(OEt)3等を反応させて合成する方法が挙げられる。そのような合成法の具体例としては、例えば一般式(8)(R=シクロヘキシル基、X=OH)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を上記の方法で合成した後、テトラヒドロフラン溶液中で、HSiCl31当量と一般式(8)(R=シクロヘキシル、X=OH)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体1当量の混合物に、3当量のトリエチルアミンを加えることによって合成することができる(例えばBrownらのJ.Am.Chem.Soc.1965,87,4313参照)。
【0098】
一般式(B)で示される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体で、Xとしてケイ素原子含有基を導入する方法の具体例としては、例えば一般式(8)(R=シクロヘキシル基、X=OH)で示される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体1当量対して、テトラヒドロフラン中で、3当量のトリエチルアミンと3当量のトリメチルクロロシランを加えることによって、XとしてMe3SiO−基を導入した化合物を製造する方法が挙げられる(例えばJ.Am.Chem.Soc.1989,111,1741参照)。
【0099】
本発明の籠状シルセスキオキサンの構造解析は、X線構造解析(LarssonらのAlkiv Kemi 16,209(1960))で行うことができるが、簡易的には赤外吸収スペクトルやNMRを用いて同定を行うことができる(例えばVogtらのInorga.Chem.2,189(1963)参照)。
【0100】
本発明に用いられる籠状シルセスキオキサンあるいは籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上の混合物として用いても良い。また更に籠状シルセスキオキサン及び籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を混合して使用しても良い。
また、本発明に用いられる籠状シルセスキオキサン、籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はその混合物はそれ以外の他の構造の有機ケイ素系化合物と組み合わせで使用しても良い。この場合の他の構造の有機ケイ素系化合物の例としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、ポリジメチル/メチルフェニルシリコーン、アミノ基や水酸基等の極性置換基を含有した置換シリコーン化合物、無定形ポリメチルシルセスキオキサン、各種ラダー型シルセスキオキサン等が挙げられる。その場合の混合物の組成比の制限は特にないが、通常は上記混合物における籠状シルセスキオキサン及び/又はその部分開裂構造体の割合は、好ましくは10重量%以上で使用され、より好ましくは30重量%以上で使用され、特に好ましくは50重量%以上で使用される。
【0101】
本発明に使用される一般式(A)、(B)及び一般式(3)〜(12)で表される籠状シルセスキオキサンあるいは籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の替わりに、籠を形成していない無定形なポリシルセスキオキサンをポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の添加剤として用いた場合は、溶融流動性向上や難燃性向上の効果が小さい。
【0102】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物中の一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物の含有量は好ましくは0.1重量%以上90重量%以下である。より好ましくは0.1重量%以上50重量%以下の範囲、更に好ましくは0.5重量%以上30重量%以下の範囲、特に好ましくは0.5重量%以上15重量%以下が使用される。上記範囲より添加量が少ない場合は溶融流動性向上や難燃性向上に対する効果が小さい。上記範囲より多い場合には機械的強度などの物性が下がるため好ましくない。本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物においては、後述の実施例で具体的に示されるように、一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物は、極めて少量の添加量でも優れた溶融流動性向上効果及び/又は難燃性向上効果を示す。したがって、この組成物においては、従来公知の他の添加剤使用の場合と異なり、ポリフェニレンエーテル樹脂本来の特長である高耐熱性や良好な機械的特性をほとんど損なわずに溶融流動性や難燃性を改良できるという工業的に極めて大きなメリットがある。
【0103】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には更に難燃助剤としての特定の構造の環状窒素化合物を加えることが出来る。本発明に用いられる環状窒素化合物とは、基本的に分子中にトリアジン骨格を有する化合物及びメラミン誘導体である。その具体例としては、好ましくは、メラミン誘導体であるメラミン、メレム、メロンが挙げられる。その中でも、揮発性が低いという点でメレム及びメロンがより好ましい。当該環状窒素化合物は、難燃性向上効果発現の為には微粉化されたものが好ましい。微粉化された粒子径は、好ましくは平均粒子径30μm以下、より好ましくは0.05〜5μmに微粉化されたものである。
【0104】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物における上記環状窒素化合物の含有量は0.1重量%以上、20重量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上10重量%以下の範囲である。上記範囲より添加量が少ない場合は難燃性に対する効果が小さく、上記範囲より添加量が多い場合は機械的物性が下がるため好ましくない。
【0105】
以下に、本発明により見出された樹脂組成物、その成型技術等につき詳細に説明する。
1)本発明のひとつのポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、上記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、上記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、(ガラス転移点+20)℃〜(ガラス転移点+100)℃の温度範囲から選ばれる任意の温度で測定されたメルトインデックスを用いて下記数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が、下限値0.3、上限値50.0の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
MIR=(MI−MI0)/MI0 (C)
数式(C)中のMIはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のメルトインデックス(g/10min)であり、MI0は上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のメルトインデックス(g/10min)である。
【0106】
なお、本発明においては、“上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物”とは、1)上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造するにあたって、一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を添加する前の組成物、あるいは、2)上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から、一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を、抽出、分別等の各種の分離手段で除いた後の組成物を意味する。
【0107】
尚、本発明においては、上記のようなメルトインデックスは、JIS K6730に従いメルトインデクサーを用いて測定される値を使用することが好ましい。メルトインデックス上昇率(MIR)の下限値としては、溶融成型等の成型加工を工業的に有利に実施するためには、好ましくは0.3、より好ましくは0.5、さらに好ましくは1.0、特に好ましくは1.5である。また、メルトインデックス上昇率(MIR)の上限値としては、好ましくは50.0、より好ましくは30.0、さらに好ましくは20.0、特に好ましくは15.0である。MIRが50.0より大きくなる場合は、当核樹脂組成物の各種物性のバランスが悪くなるか、あるいは、溶融成型の際には、溶融流動性が高すぎるため、金型等からの樹脂漏れや樹脂垂れが起こりやすくなり実用上好ましくない。
【0108】
尚、溶融流動性の測定温度範囲に示される「ガラス転移点(Tg)」とは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を構成するポリフェニレンエーテル系樹脂のガラス転移点を意味する。2種以上の樹脂が使用されているブレンド物もしくはアロイの場合には含有量の最も多い樹脂のガラス転移点とする。例えば、ガラス転移点が220℃のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルが主になるポリフェニレンエーテル系樹脂の場合には、メルトインデックスの測定は240〜320℃の範囲内で行われる。
【0109】
2)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、上記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、上記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、UL−94燃焼試験における平均燃焼時間を用いて下記数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
FTR=(FT0−FT)/FT0 (D)
数式(D)中のFTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間であり、FT0は、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間である。なお、本発明においては、上記のような“UL−94燃焼試験における平均燃焼時間”とは、厚さが1.3mm以上2.0mm以下の範囲内の成型片のUL−94燃焼性試験(米国アンダーライターズラボラトリー規格)の垂直試験の平均燃焼時間を表す。
【0110】
平均燃焼時間減少率(FTR)の値の下限値としては、実用的に意味のある難燃効果を実現するためには、好ましくは0.2又は0.3、より好ましくは0.4、さらに好ましくは0.5、特に好ましくは0.6である。また、平均燃焼時間減少率(FTR)の上限値の限界値は特にない。ただし、当該樹脂組成物の各種特性のバランスを取るために、上限値は好ましくは0.98、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.90、特に好ましくは0.85である。
【0111】
3)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、かつ数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が下限値0.2、上限値0.98の範囲内であることを特徴とする1)又は2)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。MIR及びFTRのいずれもが上記範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成型加工性と難燃性の両方が優れているために工業的に極めて有用である。
【0112】
4)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、かつ下記数式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする1)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
ΔHDT=(HDT−HDT0) (E)
数式(E)中のHDTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の荷重たわみ温度(℃)であり、HDT0は、当該上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物の荷重たわみ温度(℃)である。尚、本発明においては、上記のような荷重たわみ温度は、ASTM D648に従い、かつ、荷重1.82MPaで測定される値を使用することが好ましい。
【0113】
当該樹脂組成物の荷重たわみ減少温度(ΔHDT)の値としては、好ましくは30℃以下又は27℃以下、より好ましくは22℃以下、さらに好ましくは17℃以下、特に好ましくは10℃以下である。荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃より大きいポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、耐熱性が不十分であり好ましくない。MIR及びΔHDTのいずれもが上記範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成形加工性と耐熱性の両方が優れているために工業的に極めて有用である。
【0114】
5)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であり、かつ数式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする2)に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
【0115】
当該樹脂組成物の荷重たわみ減少温度(ΔHDT)の値としては、好ましくは30℃以下又は27℃以下、より好ましくは22℃以下、さらに好ましくは17℃以下、特に好ましくは10℃以下である。荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃より大きいポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、耐熱性が不十分であり好ましくない。FTR及びΔHDTのいずれもが上記範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、難燃性と耐熱性の両方が優れているために工業的に極めて有用である。
【0116】
6)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、a)数式(C)で定義されるメルトインデックス上昇率(MIR)の値が下限値0.3、上限値50.0の範囲内であり、b)数式(D)で定義される平均燃焼時間減少率(FTR)の値が、下限値0.2、上限値0.98の範囲内であり、さらに、c)数式(E)で定義される荷重たわみ減少温度(ΔHDT)が30℃以下であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
MIR、FTR及びΔHDTのいずれもが上記範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成型加工性、難燃性と耐熱性のいずれにも優れているために工業的に極めて有用である。
【0117】
7)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、d)上記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、上記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、e)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、かつ、f)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
【0118】
メルトインデックスの下限値としては、溶融成型等の成型加工を工業的に有利に実施するためには、好ましくは8.5(g/10min)、より好ましくは9.0(g/10min)、さらに好ましくは10.0(g/10min)、特に好ましくは12.0(g/10min)である。メルトインデックスの上限値としては、好ましくは100.0(g/10min)、より好ましくは80.0(g/10min)、さらに好ましくは60.0(g/10min)、特に好ましくは50.0(g/10min)である。メルトインデックスの値が100.0(g/10min)より大きくなる場合は、当核樹脂組成物の各種物性バランスが悪くなるか、あるいは、溶融成型の際に、溶融流動性が高すぎるため、金型等からの樹脂漏れや樹脂垂れが起こりやすくなり実用上好ましくない。当該組成物の平均燃焼時間は、好ましくは5秒以内、より好ましくは4秒以内、特に好ましくは3秒以内である。平均燃焼時間があまり長すぎると、難燃性が不十分であり好ましくない。本発明の組成物は、一般に、その組成を選べば、平均燃焼時間がほとんどゼロのものも可能であるが、当該組成物の諸特性のバランスを優先する場合には、平均燃焼時間の下限は0.3秒、0.7秒あるいは1.0秒程度である。
【0119】
一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、かつ、メルトインデックスの値及びUL−94燃焼試験における平均燃焼時間のいずれもが上記の範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成型加工性、難燃性のいずれにも優れており、工業的にきわめて有用である。。
【0120】
8)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、g)上記一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、上記一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、h)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、i)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、かつ、j)ASTM D648に従い、かつ、荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が160℃〜210℃の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
【0121】
当該組成物におけるメルトインデックスとUL−94燃焼試験における平均燃焼時間の範囲は7)の場合と同じである。当該組成物における荷重たわみ温度の下限値としては、当該組成物が構造材料として工業的に意義のある耐熱性を示すためには、好ましくは160℃、より好ましくは165℃、さらに好ましくは170℃、特に好ましくは175℃である。なお、当該組成物における荷重たわみ温度の上限値は、好ましくは190℃、より好ましくは200℃、特に好ましくは210℃である。荷重たわみ温度は高い方が好ましいが、これらの温度より高い場合は諸物性のバランス、特に溶融流動性が下がるを悪くするため、好ましくない。
【0122】
一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含み、かつ、メルトインデックスの値、UL−94燃焼試験における平均燃焼時間、及び、荷重たわみ温度のいずれもが上記範囲に入る当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、成型加工性、難燃性、及び耐熱性のいずれにも優れており、工業的に極めて有用である。
【0123】
9)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、k)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、l)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、かつ、m)実質的な量の臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物を含まないことを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
【0124】
当該組成物におけるメルトインデックスとUL−94燃焼試験における平均燃焼時間の範囲は7)の場合と同じである。
【0125】
環境適合性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を指向する場合には、当該組成物のように、環境に悪影響を及ぼす臭素原子含有化合物やリン原子含有化合物は、いずれをも実質的な量を含まない事が好ましい。当該組成物における、“実質的な量”の意味は、本発明の組成物の難燃性と溶融流動性の特性を主に支配する主要添加剤として機能するだけの量を意味する。したがって、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の特性を微調整するために、少量の臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物を添加した樹脂組成物も当該組成物の範囲に含まれる。例えば、本発明の樹脂組成物全体に対して、臭素原子含有化合物やリン原子含有化合物を合計含有量として、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、あるいは0.01重量%以下の範囲で含むものも、本発明の組成物の難燃性と溶融流動性の特性を主に支配する主要添加剤として機能するものでない場合には当該ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の範囲に含まれる。
【0126】
10)本発明の別のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、n)JIS K6730に従い、かつ、280℃、荷重10Kgで測定されたメルトインデックスの値が、下限値8.5(g/10min)、上限値100.0(g/10min)の範囲内であり、o)厚さが1.3mm〜2.0mmの範囲内の成型片のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間が5秒以内であり、p)ASTM D648に従い、かつ、荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が160℃〜210℃の範囲内であり、かつ、q)実質的な量の臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物を含まないことを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。
【0127】
当該組成物におけるメルトインデックス、UL−94燃焼試験における平均燃焼時間、臭素原子含有化合物及び/又はリン原子含有化合物の含有量の範囲は9)の場合と同じである。また、当該組成物における荷重たわみ温度の範囲は8)の場合と同じである。
【0128】
11) 前記1)〜10)のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を溶融成型することを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成型体の製造方法も本発明に含まれる。1)〜10)の組成物からは、環境適合性、難燃性、耐熱性等に優れた成型体を、溶融成型により高生産性で製造できるので、本技術は工業的にきわめて有用である。
【0129】
12) 前記11)に記載の方法で製造されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の成型体も工業的に有用であり、本発明に含まれる。
【0130】
13) 前記1)〜10)のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成型体は、環境適合性、難燃性、耐熱性等に優れた工業製品であり、その製造法によらず工業的にきわめて有用であり、本発明に含まれる。
【0131】
従来は、難燃性向上剤あるい/又は流動性向上剤等の樹脂改質剤としてとして臭素原子含有化合物やリン原子化合物が、主に使用されてきた。しかしながら、臭素原子含有化合物等のハロゲン原子含有化合物を樹脂改質剤として使用した場合には、成型時に金型の腐食のおそれがあることや、燃焼時に大気中に放出されてしまうため、生態系に害を及ぼすおそれがある。またリン系化合物を樹脂改質剤として使用した場合には成型時に金型の汚染があることや、焼却処理時にリン系化合物が環境を汚染するおそれがある。また、リン系化合物を樹脂改質剤として含む樹脂材料は、リサイクルしようとした場合にリン系化合物が変性してしまうので、当該樹脂材料のリサイクルが困難であるという問題もある。
このような背景のもとに、近年、環境にやさしい樹脂材料技術開発の要請から、樹脂改質剤としては、安全性に優れ、かつ環境汚染がない非ハロゲン系(特に非臭素系、非塩素系)及び非リン系の樹脂改質剤の開発が求められている。
【0132】
上記の1)〜13)で説明した、本発明の材料及び技術は、新概念の非ハロゲン系及び非リン系の樹脂改質剤を見出し、その活用により非ハロゲン系及び非リン系の樹脂改質剤と同等以上の性能を発現することを発見したものであり、工業的にきわめて重要な意義がある。すなわち、本発明により、環境に悪影響を及ぼす臭素原子含有化合物やリン原子含有化合物を含まないために環境にやさしく、かつ、難燃性、成型加工性、機械的特性の実用特性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が初めて実現された。
【0133】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物では、一般式(A)で示される籠状シルセスキオキサン及び/又は一般式(B)で示される籠状シルセスキオキサンの部分解裂構造体をポリフェニレンエーテル系樹脂に少量添加することにより、ポリフェニレンエーテル系樹脂の耐熱温度や機械物性を大幅に下げずに、成型時の溶融流動性かつ成型体の難燃性を高めることができる。このように、本発明に用いる籠状シルセスキオキサンあるいはその部分開裂構造体は、難燃性向上効果や流動性向上効果に優れているので、従来難燃性向上剤や流動性向上剤として使用されてきた臭素系やリン系の樹脂改質剤を添加しなくとも十分な難燃性向上効果や流動性向上効果を発現できる。また、前述のように、環境への配慮から、本発明の組成物には、基本的には臭素系化合物やリン系化合物は含まないことが好ましい。しかしながら、樹脂組成物の諸特性を調整するために、少量の臭素系やリン系化合物加えることができる。本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物における上記リン系化合物や臭素系化合物の添加量としては、当該組成物の全重量に対して5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下の範囲であり、さらに好ましくは1重量%以下であり、特に好ましくは0.1重量%以下である。上記範囲より添加量が多い場合は成型時の金型汚染が多くなり、燃焼時やリサイクル時の環境汚染のおそれがあり好ましくない。また、機械的物性についても、耐熱温度が下がるなど好ましくない影響が出てくる。
【0134】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物には難燃性を高めるために、フッ素系樹脂を加えることができる。フッ素系樹脂の例としてはポリモノフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙げられ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。また、上記ポリマーを構成する含フッ素モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体でもよい。フッ素系樹脂の添加量は、本発明の溶融流動性を損なわない限り制限はないが、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物中の含有量は0.01〜〜10重量%が好ましく、更に好ましくは0.03〜8重量%、特に好ましいのは0.05〜6重量%である。0.01重量%未満では難燃性を向上させる効果は小さく、10重量%を超えると成形性などが低下するので好ましくない。
【0135】
さらに本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は当該組成物の溶融成型が可能な範囲の量の各種の無機充填剤を組み合わせても良い。無機充填剤を添加することによって耐熱性、機械的強度、難燃性などを向上させることができる。無機充填剤の例としてはガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質や極微粒子シリカ(ヒュームドシリカ)、微粒子シリカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、珪藻土、マイカなどが挙げられる。さらには、表面を各種有機成分で修飾したヒュウームドシリカを使用することもできる。
【0136】
本発明では、上記の成分の他に、本発明の特徴及び効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附加的成分、例えば、酸化防止剤、エラストマー(エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ ル/メタクリル酸グリシジル共重合体及びエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物)、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、各種着色剤、離型剤等を添加してもかまわない。
【0137】
本発明の樹脂組成物は種々の方法で製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常150〜380℃の中から目的に応じて任意に選ぶことができる。
【0138】
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂本来の高耐熱性や優れた機械的特性をほとんど損なわずに高い溶融流動性を示す。したがって、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、高生産性で工業的に極めて有利に溶融成型でき、かつ、その結果得られた成型体は極めて優れた特性を示す工業的に有用な新材料である。すなわち、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、従来に無い優れた特性のポリフェニレンエーテル系樹脂成型体を溶融成型法で工業的に有利に製造する方法を可能にしたものである。
【0139】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から溶融成型法で製造された成形体は、特に難燃性と耐熱性が要求される用途、例えば、自動車用耐熱部品あるいは事務機器用耐熱部品に好適である。自動車用耐熱部品は例えば、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの部品、ホイールキャップ、ランプソケット、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプリフレクターなどが好適である。中でも軽量性、耐熱性、難燃性、機械特性のバランスからランプエクステンション、ランプリフレクターが好適である。また、事務機器用耐熱部品は、例えば、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品などに好適である。
【0140】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
使用した籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体は実施例及び比較例に合成例を記載した以外はHybrid Plastics社(米国)の製品を使用した。
【0141】
得られた籠状シルセスキオキサン及び籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を含有したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の物性評価は、以下の方法に従って実施した。
(1)モールドデポジット(MD)評価
10×25×0.2mmの試験片を1000ショット成型して、金型表面のMD付着程度を目視で行い、評価した。評価基準は、以下のようにした。
〇:金型には汚れがなく、成形品外観にも荒れが全く見られない
【0142】
(2)難燃性評価
実施例4〜14、25〜34及び比較例2〜3、8〜10の難燃性評価は、縦126mm、横12.6mm、厚さ1/16インチ(1.6mm)の5本の板状試験片を用いて、UL−94(米国アンダーライターズラボラトリー規格)に基づき、平均燃焼時間、最大燃焼時間、滴下本数について評価を行った。
実施例15〜24及び比較例4〜7の難燃性評価は、縦126mm、横12.6mm、厚さ1.5mmの5本の板状試験片を用いて、UL−94(米国アンダーライターズラボラトリー規格)に基づき、平均燃焼時間、最大燃焼時間、滴下本数について評価を行った。
【0143】
(3)溶融流動性
JIS K6730に従い、主に樹脂組成物について280℃、荷重10Kgでメルトインデックス(MI)の評価を行った。
(4)耐熱性
縦27mm、横3mm、厚さ200μmのフィルムをオリエンテック製のバイブロンを用いてガラス転移点(Tg)を評価した。
(5)引っ張り強度
縦40mm、横10mm、厚さ200μmのフィルムをAIKOH製引っ張り試験機(model1356)を用いて引張り強度を評価した。また実施例29〜34及び比較例10〜12についてはオートグラフ(AG−5000、島津製作所(株)社製)、厚さ3.2mmのASTMダンベル試験片を用い、チャック間距離115mm、試験速度20mm/minで引張り試験を実施し、引張り弾性率(TM)及び破断伸び(%)を測定した。
(6)荷重たわみ温度
ASTM D648に従い、以下の方法で荷重たわみ温度を測定した。
サンプルを厚さ3.2mm×長さ127mm×幅12.7mmのASTMタンザク試験片に成型した。得られた成型片を用いて、1.82MPa荷重下での加熱変形温度を測定した。
(7)耐衝撃性
サンプルをASTM D256に準拠した厚さ3.2mmの成型片に成型した。得られた成型片を用いて、ノッチ付きアイゾット衝撃強さ(kg・cm/cm)を測定した。
【0144】
実施例1
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル95重量%と、オクタイソブチルオクタシルセスキオキサン(上記一般式(4)において、R=イソブチル基であるもの)5重量%をプレミックスして300℃に設定したラボプラストミル(東洋精機製)で10分間、溶融混練を行った。得られた樹脂組成物を設定300℃、最高100Kgの加熱プレスで10分間、設定90℃、最高100Kgの冷却プレスで2分間行い、200μmの板状成形品を得た。
【0145】
得られた成型品を1H及び29SiNMRにより分析したところ、オクタイソブチルオクタシルセスキオキサン特有のピーク(1H:1.87ppm、0.96ppm、0.62ppm、29Si:−64ppm)が検出され、加熱によってオクタイソブチルオクタシルセスキオキサンが分解していないことが確認された。また蛍光X線(XRF)により、オクタイソブチルオクタシルセスキオキサンが仕込み量と同量、含有されていることが確認された。
樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
【0146】
実施例2、3及び比較例1
実施例2及び3は籠状シルセスキオキサン化合物の種類又は添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。化合物の構造を表2に示す。比較例1については籠状ケイ素化合物を用いずに単独のポリフェニレンエーテル樹脂組成物の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
表1からは、籠状シルセスキオキサン化合物を添加したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物では、耐熱性、引張り強度をほとんど落とさずに溶融流動性を大幅に向上させることが分かる。
【0149】
実施例4
さらに組成物の製造方法、試験片作製法及び、籠状シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体の種類、添加量等を変えて行った。
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル95重量%、ヘプタイソブチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール(上記一般式(8)において、R=イソブチル基、X=ヒドロキシ基であるもの)5重量%を、プレミックスした後、280℃に設定された2軸押し出し機(テクノベル社、ZSW−15)に投入、溶融混練し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のペレットを、金型温度90℃に設定した射出成形機(FANUCFAS−15A)を用い、シリンダー温度を290/290/290/290℃に設定し、いずれも射出速度50mm/秒で成形を行った。得られた組成物の評価結果を表3に示す。
【0150】
実施例5〜11
籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の種類及び添加量を変更した以外は、実施例4と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表3に、構造を表4示す。
【0151】
実施例12
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタイソブチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール21重量部(上記一般式(8)において、R=iBu、X=OH)をTHF20重量部とエタノール100重量部に溶解し、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン6重量部をエタノール20重量部に溶解した溶液を、滴下して加水分解反応を行った。滴下終了後、60℃まで加熱して6時間攪拌を行った後、溶媒のTHFとエタノールを留去して目的物(化合物J)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.09ppm、0.55ppm、0.95ppm、1.48ppm、1.84ppm、2.65ppm、29Si:−18.23ppm、−58.59ppm、−66.08ppm、−67.53ppm、−67.99ppm)が得られた。また得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体をNBAとglycerolと混ぜて、FAB−MS(Positive)を測定し、m/z=891[M+H]+が得られた。籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例4と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0152】
実施例13
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタイソブチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール21重量部(上記一般式(8)において、R=iBu、X=OH)をTHF20重量部とエタノール100重量部に溶解し、2−エチル(3−アミノプロピル)ジメトキシメチルシラン6重量部をエタノール20重量部に溶解した溶液を、滴下して加水分解反応を行った。滴下終了後、60℃まで加熱して6時間攪拌を行った後、溶媒のTHFとエタノールを留去して目的物(化合物K)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.07ppm、0.58ppm、0.94ppm、1.56ppm、1.84ppm、2.63ppm、2.82ppm、29Si:−19.93ppm、−59.30ppm、−66.31ppm、−67.10ppm、−67.89ppm)が得られた。また得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体をNBAとglycerolと混ぜて、FAB−MS(Positive)を測定し、m/z=934[M+H]+が得られた。
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例4と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0153】
実施例14
添加剤に化合物A及び、メレムを用いて評価を行った。
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル95重量%、オクタイソブチル−オクタシルセスキオキサン(化合物A)2.5重量%、及びメレム2.5重量%を、プレミックスした後、280℃に設定された2軸押し出し機(テクノベル社、ZSW−15)に投入、溶融混練し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のペレットを、金型温度90℃に設定した射出成形機(FANUC FAS−15A)を用い、シリンダー温度を290/290/290/290℃に設定し、いずれも射出速度50mm/秒で成形を行った。得られた組成物の評価結果を表3に示す。
【0154】
比較例2
籠状ケイ素化合物を用いなかった以外は、実施例4と同様に単独のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を、表3に示す。
【0155】
比較例3
ガラス容器にメチルトリエトキシシラン100部、トルエン80部を添加し、攪拌しながら1重量%の塩酸水溶液50部を徐々に添加してシランの加水分解反応を行った。添加終了後、分液し有機相を取り出し、水洗した後、溶媒のトルエンを留去してシラノール基含有のポリメチルシルセスキオキサンを得た。得られたポリメチルシルセスキオキサンの分子量は約5000(GPC測定、ポリスチレン換算)、シラノール基は約5モル%(NMRスペクトル)であった。ケイ素化合物以外は実施例4と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0156】
【表3】
表3中、二段で記載されている値の上段の値は評価項目において上段に記載された評価の値を示し、下段の値は、評価項目において下段に記載された評価の値を示す。以下の表においても同様である。
【0157】
【表4】
【0158】
表3より、籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体において、不飽和結合炭化水素結合を含有する基、あるいは窒素原子及び酸素原子の少なくとも一つを含有する極性基を有する基及び、環状窒素化合物を加えた系が、モールドデポジットが少なく、成型性及び難燃性に対して、より好ましいことが分かる。
【0159】
実施例15
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル95g、ヘプタイソブチル−3−アミノプロピル−オクタシルセスキオキサン[化合物E]5gを、プレミックスした後、260℃に設定されたラボプラストミル(東洋精機製)に投入、10分間、80回転で溶融混練し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固まりを、260℃で厚さ1.5mmの金型を用いてプレス成形を行った。得られた組成物の評価結果を表5に示す。
【0160】
実施例16、17
籠状シルセスキオキサンの種類を変えた他は実施例15と同様に評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0161】
実施例18
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタイソブチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール21重量部(化合物C)をTHF20重量部とエタノール100重量部に溶解し、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン12重量部をエタノール20重量部に溶解した溶液を、滴下して加水分解反応を行った。滴下終了後、60℃まで加熱して6時間攪拌を行った後、溶媒のTHFとエタノールを留去して目的物(化合物L)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.10ppm、0.58ppm、0.94ppm、1.46ppm、1.64ppm、1.80ppm、2.64ppm、3.48ppm、29Si:−10.98ppm、−18.06ppm、−66.00ppm、−67.03ppm、−67.91ppm)が得られた。また得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体をNBAとglycerolと混ぜて、FAB−MS(Positive)を測定し、m/z=1009[M+H]+が得られた。
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0162】
実施例19
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタイソオクチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール21重量部(上記一般式(8)において、R=iOct、X=OH)をTHF20重量部とエタノール100重量部に溶解し、2−エチル(3−アミノプロピル)ジメトキシメチルシラン6重量部をエタノール20重量部に溶解した溶液を、滴下して加水分解反応を行った。滴下終了後、60℃まで加熱して6時間攪拌を行った後、溶媒のTHFとエタノールを留去して目的物(化合物M)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンを1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.58ppm、0.77ppm、0.89ppm、1.00ppm、1.14ppm、1.30ppm、1.80ppm、2.02ppm、2.66ppm、2.80ppm、29Si:−67.25ppm、−67.43ppm、−67.56ppm)が得られた。また得られた籠状シルセスキオキサンをNBAとglycerolと混ぜて、FAB−MS(Positive)を測定し、m/z=1311[M+H]+が得られた。
籠状シルセスキオキサン以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0163】
実施例20
籠状シルセスキオキサンの種類を変えた(化合物N)他は実施例15と同様に評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0164】
実施例21
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタイソブチル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール20重量部(化合物C)をTHF70重量部に溶解し、トリエチルアミン8重量部を加えた。ジフェニルメチルクロロシラン17重量部を滴下して反応を行った。滴下終了後、6時間攪拌を行い、析出した塩をフィルターろ過した後、溶媒のTHFを留去して目的物(化合物O)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.41ppm、0.48ppm、0.87ppm、0.94ppm、1.84ppm、7.28ppm、7.49ppm、29Si:−10.98ppm、−10.43ppm、−66.36ppm)が得られた。
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0165】
実施例22
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタフェニル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール10重量部(上記一般式(8)において、R=Ph、X=OH)をTHF40重量部とエタノール40重量部に溶解し、トリエチルアミン1重量部を加えた後、イソブチルトリメトキシラン2重量部をエタノール20重量部に溶解した溶液を、滴下して加水分解反応を行った。滴下終了後、6時間攪拌を行った後、溶媒のTHFとエタノールを留去して目的物(化合物P)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンを1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.58ppm、0.89ppm、1.80ppm、7.32ppm、29Si:、−70.14ppm、−75.82ppm、−78.01ppm)が得られた。
【0166】
籠状シルセスキオキサン以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0167】
実施例23
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタフェニル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール10重量部(上記一般式(8)において、R=Ph、X=OH)をTHF70重量部に溶解し、トリエチルアミン4重量部を加えた。トリメチルクロロシラン3.5重量部を滴下して反応を行った。滴下終了後、6時間攪拌を行い、析出した塩をフィルターろ過した後、溶媒のTHFを留去して目的物(化合物Q)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:−0.26ppm、6.86ppm、7.24ppm、29Si:11.71ppm、−77.19ppm)が得られた。
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0168】
実施例24
還流器と滴下ロート付の3つ口ガラスフラスコにヘプタフェニル−ヘプタシルセスキオキサン−トリシラノール10重量部(上記一般式(8)において、R=Ph、X=OH)をTHF70重量部に溶解し、トリエチルアミン4重量部を加えた。ジメチルフェニルクロロシラン5.5重量部を滴下して反応を行った。滴下終了後、6時間攪拌を行い、析出した塩をフィルターろ過した後、溶媒のTHFを留去して目的物(化合物RU)を得た。得られた籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を1H及び29SiNMRで分析したところ、特有のピーク(1H:0.04ppm、6.80ppm、7.05ppm、29Si:0.93ppm、−78.22ppm)が得られた。
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に、構造を表6に示す。
【0169】
比較例4
籠状シルセスキオキサンを用いなかった以外は実施例15と同様に単独のポリフェニレンエーテル系樹脂を得て評価を行った。その評価結果を表5に示す。
【0170】
比較例5
籠状シルセスキオキサンの代わりにジメチルシロキサン(信越化学KF−96、20cst)を用いた以外は実施例15と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0171】
比較例6
籠状シルセスキオキサンの代わりにアミノメチルシリコーン(信越化学KF−858)を用いた以外は実施例15と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0172】
比較例7
ガラス容器にフェニルトリクロロシラン100部、トルエン80部を添加し、攪拌しながら1重量%の塩酸水溶液50部を徐々に添加してシランの加水分解反応を行った。添加終了後、分液し有機相を取り出し、水洗した後、溶媒のトルエンを留去してシラノール基含有のポリフェニルシルセスキオキサンを得た。得られたポリメチルシルセスキオキサンの分子量は約2000(GPC測定、ポリスチレン換算)、シラノール基は約10モル%(NMRスペクトル)であった。ケイ素化合物以外は実施例15と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0173】
【表5】
【0174】
【表6】
表5より、籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体がシリコーンオイルに比べ、成形性が向上していることが分かる。また籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体のR、X、Y、Zに窒素原子及び/又は酸素原子を含有する極性基を有する基、あるいは芳香族炭化水素基の割合が93%以内である場合、成形性及び難燃性に優れていることが分かる。
【0175】
実施例25
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル90重量部、ポリスチレン(旭化成製、GPPS685)10重量部、オクタイソブチルオクタシルセスキオキサン[化合物A]10重量部を、プレミックスした後、270℃に設定された2軸押し出し機(テクノベル社、ZSW−15)に投入、溶融混練し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のペレットを、金型温度90℃に設定した射出成形機(FANUC FAS−15A)を用い、シリンダー温度を290/290/290/290℃に設定し、いずれも射出速度50mm/秒で成形を行った。得られた組成物の評価結果を表7に示す。
【0176】
実施例26〜28
籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の種類及び添加量を変更した以外は、実施例25と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表7に、構造を表8示す。
【0177】
比較例8
籠状ケイ素化合物を用いなかった以外は実施例25と同様に単独のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得て評価を行った。その結果を、表7に示す。
【0178】
比較例9
比較例3で得られた、無定形のポリメチルシルセスキオキサンを用いた以外は実施例25と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を、表7に示す。
【0179】
【表7】
【0180】
【表8】
表7より、ポリフェニレンエーテル−スチレンのポリマーアロイの場合も籠状シルセスキオキサン及び/又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体が成形性及び難燃性に優れていることが分かる。
【0181】
実施例29
さらに組成物の製造方法、試験片作製法及び、籠状シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体の種類、添加量等を変えて行った。
150℃で4時間乾燥した分子量(Mw)が37100、Mw/Mnが2.06のポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル95重量%、オクタイソブチルーオクタシルセスキオキサン5重量%を、プレミックスした後、シリンダー設定温度を310℃に設定された2軸押し出し機(W&P社製、ZSK−25)に投入、溶融混練し、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のペレットを、金型温度90℃に設定した射出成形機(東芝機械製IS80−EPN)を用い、シリンダー温度を320/330/310/280℃に設定し、いずれも射出速度85%で成形を行った。得られた組成物の評価結果を表9に示す。
【0182】
実施例30〜34
籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体の種類及び添加量を変更した以外は、実施例29と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表9に、構造を表10に示す。
【0183】
比較例10
籠状シルセスキオキサン化合物を用いなかった以外は実施例29と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その評価結果を表9に示す。
【0184】
比較例11
比較例3で得られた、無定形のポリメチルシルセスキオキサンを用いた以外は実施例29と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表9に示す。
【0185】
比較例12
籠状シルセスキオキサンの代わりにジメチルシロキサン(KF−96)を用いた以外は実施例29と同様にして樹脂組成物を得て、評価を行った。その結果を表9に示す。
【0186】
【表9】
【0187】
【表10】
表1〜表10より明らかであるように本発明の特定の籠状シルセスキオキサンあるいは籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を添加したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は難燃性に優れていることが分かる。
【0188】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0189】
【発明の効果】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、環境適合性、成形加工性、難燃性、耐熱性及び機械特性に優れる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyphenylene ether-based resin composition. More specifically, the present invention relates to a polyphenylene ether-based resin composition containing cage silsesquioxane and / or a partially cleaved structure thereof and having excellent moldability and flame retardancy. Furthermore, the present invention provides, for the first time, a polyphenylene ether-based resin composition excellent in practical properties such as flame retardancy, moldability, and mechanical properties without using a bromine atom-containing compound or a phosphorus atom-containing compound that adversely affects the environment. It has been realized.
[0002]
[Prior art]
Polyphenylene ether resin is lighter than metal or glass, and is superior in impact resistance, so it is used in various fields including automobile parts, home electric parts, OA equipment parts, Because of the poor moldability of the resin, it is used not as a polyphenylene ether alone but as a mixture with a completely compatible polystyrene resin. However, by mixing a polystyrene-based resin which is more flammable than a polyphenylene ether-based resin, the polyphenylene ether / polystyrene mixed resin lowers the heat resistance temperature and becomes flammable. Therefore, a new method capable of molding without adding polystyrene has been desired. Further, it has been desired to develop a method which has both moldability and flame retardancy.
[0003]
As a method for making a polyphenylene ether resin flame-retardant, it is known to add a flame retardant of a halogen type (particularly a bromine type), a phosphorus type, an inorganic type or a mixture thereof to a polymer. Burning has been achieved. However, in recent years, demands for fire safety have been particularly noticed, and at the same time, there is a strong demand for technology development that does not have environmental problems. Therefore, at present, a new flame retardant that is non-halogen (particularly non-bromine) and non-phosphorus-based and has a high flame-retarding effect and does not deteriorate the practical performance such as mechanical properties of the resin composition is desired. Organosilicon-based flame retardants have been proposed as flame retardants that may meet the demand. Examples thereof include a flame-retardant resin composition containing a polyphenylene ether-based resin composition and dimethyl silicone, as disclosed in JP-B-63-10184, JP-A-64-4656, U.S. Pat. Nos. 4,497,925 and 4,387,176. This is disclosed in Japanese Unexamined Patent Publication No. Hei. However, the silicone disclosed in the above publication has low compatibility with the polyphenylene ether-based resin and low moldability. In addition, it cannot withstand practical use due to its volatility.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above situation, the present invention provides a polyphenylene ether-based resin composition having excellent environmental compatibility, and having excellent melt fluidity and excellent flame retardancy, and also having excellent heat resistance. It is intended for that purpose.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, by mixing a specific cage silsesquioxane compound and / or a partially cleaved structure thereof with a polyphenylene ether-based resin, the resin composition It has been found that the melt fluidity and the flame retardancy of the steel are greatly improved at the same time, and the present invention has been completed. It should be noted that a cage-like silsesquioxane compound having a specific structure and / or a partially-cleaved structure thereof can be added to a polyphenylene ether-based resin by a small amount to greatly improve the properties of the polyphenylene ether-based resin. / A much smaller amount of modifier addition is required than in the case of a polystyrene-based polymer alloy or the like. Therefore, in the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, it was confirmed that the melt flowability and flame retardancy were improved without substantially impairing the high heat resistance and excellent mechanical properties inherent in the polyphenylene ether resin. . The features of the composition of the present invention described above are extremely important industrially and have been confirmed for the first time by the present inventors.
[0006]
Heretofore, the present inventors have extensively studied the effects of adding various cage silsesquioxane compounds and their partially-cleaved structures to various polymers. As a result, in the case of polybutylene terephthalate (PBT) (aromatic condensation polymer) or Nylon-66 (aliphatic condensation polymer), the effect of improving flame retardancy was not recognized. Therefore, the industrially important finding that the above-mentioned effect of improving the flame retardancy and the effect of improving the melt fluidity of the present invention are simultaneously exhibited even with a small amount of additives, the present inventors have found that a cage-like structure having a specific structure. This is an epoch-making discovery first discovered by combining a silsesquioxane compound or a partially-cleaved structure thereof with a polyphenylene ether-based resin.
[0007]
That is, the present invention is as follows.
(1) Includes a cage silsesquioxane represented by the following general formula (A) and / or a cage silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the following general formula (B); +20) ° C to (glass transition point +100) The value of the melt index increase (MIR) defined by the following formula (C) using the melt index measured at an arbitrary temperature selected from the temperature range of lower limit is defined as the lower limit. A polyphenylene ether-based resin composition having a value within a range of 0.3 and an upper limit of 50.0.
[RSiO3/2]n(A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k(B)
MIR = (MI-MI0) / MI0(C)
(In the general formulas (A) and (B), R represents a hydrogen atom, an alkoxyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aryloxy group, a substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a silicon atom. Selected from the silicon atom-containing groups of Formulas 1 to 10, a plurality of Rs may be the same or different; in the general formula (B), X is OR1(R1Is a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a quaternary ammonium radical), a halogen atom and a group selected from the groups defined for R above, and a plurality of Xs may be the same or different; (RXSiO)kA plurality of Xs may be linked to each other to form a linked structure; n is an integer of 6 to 14, l is an integer of 2 to 12, and k is 2 or 3. MI in the formula (C) is a melt index (g / 10 min) of the polyphenylene ether-based resin composition.0From the above polyphenylene ether-based resin composition, except for the cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B) It is a melt index (g / 10min) of the composition of the composition. )
[0008]
(2) A UL-94 combustion test containing a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) Wherein the value of the average burning time reduction rate (FTR) defined by the following equation (D) using the average burning time is within a range of a lower limit value of 0.2 and an upper limit value of 0.98. Ether-based resin composition.
FTR = (FT0−FT) / FT0(D)
(FT in the formula (D) is an average burning time in a UL-94 burning test of the polyphenylene ether-based resin composition, and FT0Is a method for preparing a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B) from the polyphenylene ether-based resin composition. It is the average burning time in the UL-94 burning test of the composition of the composition excluding. )
[0009]
(3) The value of the melt index rise rate (MIR) defined by the formula (C) is within the range of the lower limit 0.3 and the upper limit 50.0, and the average burning time defined by the formula (D) The polyphenylene ether-based resin composition according to (1) or (2), wherein the value of the reduction rate (FTR) is in a range of a lower limit value of 0.2 and an upper limit value of 0.98.
[0010]
(4) The value of the melt index rise rate (MIR) defined by the formula (C) is within the range of the lower limit value 0.3 and the upper limit value 50.0, and the load deflection defined by the following formula (E). The polyphenylene ether-based resin composition according to (1), wherein the decrease temperature (ΔHDT) is 30 ° C. or less.
ΔHDT = (HDT−HDT0) (E)
(HDT in Formula (E) is the deflection temperature under load (° C.) of the polyphenylene ether-based resin composition,0Is a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) from the polyphenylene ether-based resin composition. Is the deflection temperature under load (° C.) of the composition excluding the composition. )
[0011]
(5) The value of the average burning time reduction rate (FTR) defined by the formula (D) is within the range of the lower limit value 0.2 and the upper limit value 0.98, and is defined by the general formula (E). The polyphenylene ether resin composition according to (2), wherein the deflection temperature under load (ΔHDT) is 30 ° C. or less.
[0012]
(6) a) The value of the melt index increase (MIR) defined by the formula (C) is within the range of the lower limit 0.3 and the upper limit 50.0, and b) defined by the formula (D). The value of the average burning time reduction rate (FTR) is within the range of the lower limit value 0.2 and the upper limit value 0.98, and c) the load deflection reduction temperature (ΔHDT) defined by the equation (E) is 30. The polyphenylene ether-based resin composition according to any one of (1) to (5), wherein the temperature is not higher than ℃.
[0013]
(7) Δd) Includes a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage silsesquioxane represented by the general formula (B), and e) JIS The value of the melt index measured in accordance with K6730 and at 280 ° C. under a load of 10 Kg is within a range of a lower limit of 8.5 (g / 10 min), an upper limit of 100.0 (g / 10 min), and f 3.) A polyphenylene ether-based resin composition, characterized in that a molded piece having a thickness in the range of 1.3 mm to 2.0 mm has an average burning time in a UL-94 burning test of 5 seconds or less.
[0014]
(8) Δg) a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B), and h) JIS The value of the melt index measured according to K6730 and at 280 ° C. under a load of 10 kg is within a range of a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of 100.0 (g / 10 min), and i) thickness The average burning time in a UL-94 burning test of a molded piece having a range of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds, and j) a load measured at a load of 1.82 MPa in accordance with ASTM D648. A polyphenylene ether-based resin composition having a deflection temperature in the range of 160C to 210C.
[0015]
(9) Δk) The value of the melt index measured at 280 ° C. and a load of 10 kg according to JIS K6730 is within a range of a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of 100.0 (g / 10 min). L) The average burning time in a UL-94 burning test of a molded piece having a thickness in the range of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds, and m) containing a substantial amount of bromine atoms. A polyphenylene ether-based resin composition containing no compound and / or phosphorus atom-containing compound.
[0016]
(10) Δn: The value of the melt index measured according to JIS K6730 at 280 ° C. under a load of 10 kg is within a range of a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of 100.0 (g / 10 min). O) The average burning time in a UL-94 burning test of a molded piece having a thickness in a range of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds, and p) According to ASTM D648 and a load of 1.82 MPa. A polyphenylene ether-based resin, wherein the deflection temperature under load measured in the step is in the range of 160 ° C. to 210 ° C. and q) does not contain a substantial amount of a bromine atom-containing compound and / or a phosphorus atom-containing compound. Composition.
[0017]
(11) A method for producing a molded article of a polyphenylene ether-based resin composition, comprising melt-molding the polyphenylene ether-based resin composition according to any one of the above (1) to (10).
[0018]
(12) A molded article of the polyphenylene ether-based resin composition produced by the method according to (11).
[0019]
(13) A molded article comprising the polyphenylene ether-based resin composition according to any one of (1) to (10).
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The “polyphenylene ether-based resin composition containing a cage-like silsesquioxane and / or a partially cleaved cage-like silsesquioxane structure” of the present invention refers to “a cage-like silsesquioxane and / or a cage-like silsesquioxane”. It is a composition comprising "an oxane partially-cleaved structure" and a "polyphenylene ether-based resin" as essential components. The “polyphenylene ether-based resin” used in the present invention refers to “polyphenylene ether resin and a polymer alloy containing the same”. The “polyphenylene ether resin” used in the present invention refers to a homopolymer having the following general formula (2) as a repeating unit, a copolymer containing a repeating unit of the following general formula (2), or a modified polymer thereof. .
[0021]
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Where R2, R3, R4, R5Represents hydrogen, primary or secondary lower alkyl, phenyl, aminoalkyl, hydrocarbonoxy.
[0022]
As the polyphenylene ether resin, polymers having a wide range of molecular weights can be used, but the reduced viscosity (0.5 g / dl, chloroform solution, measured at 30 ° C.) is preferably in the range of 0.15 to 1.0 dl / g. Certain homopolymers and / or copolymers are used, with more preferred reduced viscosities in the range of 0.20 to 0.70 dl / g, most preferably in the range of 0.40 to 0.60. As the polyphenylene ether resin, a wide range of melt fluidity resins can be used depending on the purpose, and there is no particular limitation on the melt fluidity. However, for example, when used as a structural material that requires particularly high strength, high heat resistance and various mechanical properties, in accordance with JIS K6730, and as a value of a melt index measured at 280 ° C. and a load of 10 kg, A resin having a value of preferably 6 (g / 10 min) or less, more preferably 5 (g / 10 min) or less, and particularly preferably 4 (g / 10 min) or less is used.
[0023]
Representative examples of the homopolymer of polyphenylene ether include poly (1,4-phenylene) ether, poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) ether, and poly (2,5-dimethyl-1,4- Phenylene) ether, poly (2-methyl-6-ethyl-1,4-phenylene) ether, poly (2,6-diethyl-1,4-phenylene) ether, poly (2,6-diphenyl-1,4- (Phenylene) ether, poly (2,3,6-trimethyl-1,4-phenylene) ether and the like. Among them, particularly preferred is poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) ether. Examples of the polyphenylene ether copolymer include 2,6-dimethylphenol and other phenols (for example, 2,3,6-trimethylphenol, 2,6-diphenylphenol or 2-methylphenol (o-cresol)) And the like. Among the various polyphenylene ether resins as described above, poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) ether and a copolymer of 2,6-dimethylphenol and 2,3,6-trimethylphenol are preferable, and further, Is particularly preferably poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) ether.
[0024]
As an example of the method for producing the polyphenylene ether resin used in the present invention, a method of oxidatively polymerizing 2,6-xylenol using a complex of a cuprous salt and an amine described in U.S. Pat. .
[0025]
The methods described in U.S. Pat. Nos. 3,306,875, 3,257,357 and 3,257,358, JP-B-52-17880, JP-A-50-51197, and JP-A-63-152628 are also used. It is preferable as a method for producing an ether resin.
[0026]
The polyphenylene ether resin of the present invention may be used as it is after the polymerization step, or may be melted under an atmosphere of nitrogen or non-nitrogen gas, under devolatilization or under devolatilization using an extruder or the like. It may be pelletized and used by kneading.
[0027]
The polyphenylene ether resin of the present invention also includes a polyphenylene ether modified with a dienophile compound. Various dienophile compounds are used in this modification treatment. Examples of the dienophile compound include, for example, maleic anhydride, maleic acid, fumaric acid, phenylmaleimide, itaconic acid, acrylic acid, methacrylic acid, methyl arylate, methyl Examples include compounds such as methacrylate, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, stearyl acrylate, and styrene. Further, as a method of modification with these dienophile compounds, an extruder or the like may be used in the presence or absence of a radical generator to functionalize in a molten state under devolatilization or non-devolatilization. Alternatively, the functionalization may be performed in a non-molten state in the presence or absence of a radical generator, that is, in a temperature range from room temperature to melting point. At this time, the melting point of the polyphenylene ether is defined as a peak top temperature of a peak observed in a temperature-heat flow graph obtained when the temperature is increased at 20 ° C./min in a measurement by a differential scanning calorimeter (DSC). If there are a plurality of peak top temperatures, the highest temperature is defined.
[0028]
The polyphenylene ether-based resin of the present invention may be the above-mentioned polyphenylene ether resin alone, or may be a polymer alloy of the above-mentioned polyphenylene ether resin and another resin. Examples of other resins in this case include polystyrene resins such as atactic polystyrene, syndiotactic polystyrene, high impact polystyrene, acrylonitrile-styrene copolymer, polyamide resins such as nylon 6,6 and nylon 6, polyethylene Examples include polyester resins such as terephthalate, polytriethylene terephthalate, and polybutylene terephthalate; polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene; and polyether sulfone resins. The polymer alloy containing the polyphenylene ether resin used in the present invention is a polyphenylene ether resin, and any one resin selected from a polystyrene resin, a polyamide resin, a polyester resin, a polyolefin resin, a polyether sulfone resin, and the like. Or a polymer alloy in which a polyphenylene ether resin and two or more resins are combined.
[0029]
When using a polymer alloy of a resin selected from a polyphenylene ether resin and a polystyrene resin, a polyamide resin, a polyester resin, a polyolefin resin, and a polyether sulfone resin, a polyphenylene ether resin and a polystyrene resin, a polyamide resin, The content of the polyphenylene ether resin is preferably at least 40 wt%, more preferably at least 60 wt%, particularly preferably at least 60 wt%, based on the total amount of the polyester resin, the polyolefin resin, and the resin selected from the polyethersulfone resins. 80 wt% or more.
[0030]
In addition, the content of the polyphenylene ether resin with respect to the entire polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is preferably 35% by weight or more, more preferably 70% by weight or more, and particularly preferably 90% by weight or more.
[0031]
Next, the cage silsesquioxane used in the present invention and the partially cleaved structure thereof will be described.
Silica is SiO2In contrast, silsesquioxane is represented by [R′SiO3/2] It is a compound represented by these. Silsesquioxane is usually R'SiX3(R '= hydrogen atom, organic group, siloxy group, X = halogen atom, alkoxy group) A polysiloxane synthesized by hydrolysis-polycondensation of a compound, typically having an amorphous shape as a molecular arrangement. Structure, ladder-like structure, cage-like (completely condensed cage-like) structure or its partially-cleaved structure (a structure in which one silicon atom is missing from the cage-like structure, or a structure in which a silicon-oxygen bond is partially broken in a cage-like structure) ) Are known.
[0032]
The present inventors have studied in detail the effects of adding various organosilicon compounds to polyphenylene ether-based resins. As a result, when a cage silsesquioxane having a specific structure and / or a partially cleaved cage silsesquioxane structure is added to a polyphenylene ether-based resin among various organosilicon compounds, the moldability (or the melt flow It has been found that a polyphenylene ether-based resin composition which gives a molded article having excellent properties and excellent flame retardancy and mechanical properties can be obtained, thereby completing the present invention.
[0033]
Examples of the specific structure of the cage silsesquioxane used in the present invention include, for example, a cage silsesquioxane represented by the following general formula (A). Examples of the specific structure of the partially-cleaved cage silsesquioxane used in the present invention include, for example, the partially-cleaved cage silsesquioxane represented by the following general formula (B). Structure. However, the structure of the cage silsesquioxane or its partially cleaved structure used in the present invention is not limited to these structures.
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k(B)
In the general formulas (A) and (B), R represents a hydrogen atom, an alkoxyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aryloxy group, a substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a silicon atom number. It is selected from 1 to 10 silicon atom-containing groups, and all R may be the same or may be composed of a plurality of groups.
[0034]
Examples of the cage silsesquioxane represented by the general formula (A) used in the present invention include [RSiO3/2]6(The following general formula (3)) represented by the following chemical formula: [RSiO3/2]8(The following general formula (4)) represented by the following chemical formula: [RSiO3/2]10(For example, the following general formula (5)), [RSiO3/2]12(For example, the following general formula (6)), [RSiO3/2]14(For example, the following general formula (7)).
[0035]
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[0036]
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[0037]
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[0038]
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[0039]
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The general formula (A) of the present invention [RSiO3/2]nThe value of n in the cage silsesquioxane represented by is an integer of 6 to 14, preferably 8, 10 or 12, and more preferably 8, 10, or a mixture of 8, 10 or , 10 and 12, particularly preferably 8 or 10.
[0040]
Further, in the present invention, a structure in which a silicon-oxygen bond of a part of the cage-like silsesquioxane is partially cleaved, or a structure in which a part of the cage-like silsesquioxane is eliminated, or a structure derived therefrom. The general formula (B) [RSiO3/2]l(RXSiO)k(L is an integer of 2 to 12, and k is 2 or 3.) A partially-cleaved cage-like silsesquioxane structure represented by the formula:
[0041]
In the general formula (B), X is OR1(R1Is a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a quaternary ammonium radical), a halogen atom or a group selected from the groups defined for R above, and a plurality of Xs may be the same or different. Also (RXSiO)kA plurality of Xs may be connected to each other to form a connection structure. Here, 1 is an integer of 2 to 12, preferably an integer of 4 to 10, and particularly preferably 4, 6 or 8. k is 2 or 3.
[0042]
(RXSiO)kTwo or three Xs may be linked to each other X in the same molecule to form various linked structures. A specific example of the connection structure will be described below.
[0043]
Two Xs in the same molecule of the general formula (B) may form an intramolecular linking structure represented by the general formula (1). Furthermore, two Xs present in different molecules may be connected to each other to form a dinuclear structure by a connection structure represented by the following general formula (1).
[0044]
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Y and Z are selected from the same group of groups as X, and Y and Z may be the same or different.
[0045]
Examples of the linking structure represented by the general formula (1) include, for example, the following divalent group structures.
[0046]
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[0047]
In the general formula (B), when two Xs in the same molecule are linked to form a linked structure, the linked structure may be a linked structure represented by the general formula (15). Q in the general formula (15) is a substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms or a hydrogen atom in R in the general formulas (A) and (B) (for example, Mat. Res. Soc) Symp.Prac, 1999, 576, 111).
[0048]
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[0049]
Further, two or three Xs in the general formula (B) may be linked to form a linked structure containing a metal atom other than a silicon atom. In this case, examples of the connection structure including another metal atom include, for example, a connection structure including a [Si—O—metal atom] type bond, or an organometallic connection structure. Specific examples of the compound of the general formula (B) having a linking structure containing another metal atom include, for example, [RSiO3/2]nIn which one is replaced by another metal atom or an organic metal group instead of Si. Further, two Xs in the general formula (B) may be replaced by a group containing a metal atom other than a silicon atom. In these cases, examples of other metal atoms or metal atoms in the organometallic connection structure include Al, Ti, Zr, V, Ta, Cr, Mo, W, Re, Ru, Pt, Sn, and Sb. , Ga, Tl and the like. The cage silsesquioxane and / or its partially-cleaved structure may have a dinuclear structure by including these metal atoms (for example, Feher et al., Polyhedron, 1995, 14, 3239, and Organometallics, 1995, 14, 3920).
Among the above-mentioned various connection structures in the compound represented by the general formula (B), the connection structure represented by the general formula (1) is preferable because synthesis is easy.
[0050]
Examples of the compound represented by the general formula (B) used in the present invention include, for example, a trisilanol compound having a structure in which a part of the general formula (4) is eliminated, or a compound synthesized therefrom (RSiO3/2)4(RXSiO)3(For example, the following general formula (8)), the general formula (8) or (RSiO3/2)4(RXSiO)3Of the three X's in the compound of formula (1), two of which form a linked structure represented by the general formula (1) (for example, the following general formula (9)); Derived from a partially cleaved disilanol body (RSiO3/2)6(RXSiO)2(For example, the following general formulas (10) and (11)), the general formula (10) or (RSiO3/2)6(RXSiO)2Wherein two Xs in the compound of the chemical formula (1) form a linked structure represented by the general formula (1) (for example, the following general formula (12)). R and X or Y and Z bonded to the same silicon atom in the general formulas (8) to (12) may be exchanged. Furthermore, two Xs present in different molecules may be connected to each other to form a dinuclear structure by various connection structures represented by the general formula (1).
[0051]
Specific examples of the compound in which two or three Xs in the general formula (B) are linked to form a linked structure containing a metal atom other than a silicon atom include, for example, a compound represented by the general formula (8) ) Form a linked structure containing a Ti atom (RSiO3/2)4(RXSiO)3(For example, the following general formula (8-Ti)).
[0052]
These various cage silsesquioxanes or partially-cleaved structures thereof may be used alone or as a mixture of a plurality of them.
[0053]
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[0054]
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[0055]
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[0056]
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[0057]
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[0058]
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[0059]
Examples of R in the compound represented by formula (A) and / or formula (B) used in the present invention include a hydrogen atom, an alkoxyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aryloxy group, and a carbon atom number. Examples thereof include a substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 20 or a silicon atom-containing group having 1 to 10 silicon atoms.
[0060]
Examples of the alkoxyl group having 1 to 6 carbon atoms include, for example, methoxy group, ethoxy group, n-propyloxy group, i-propyloxy group, n-butyloxy group, t-butyloxy group, n-hexyloxy group, And a cyclohexyloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenoxy group and a 2,6-dimethylphenoxy group. The number of alkoxyl groups and aryloxy groups in one molecule of the compound of the general formula (A) or (B) is preferably 3 or less, more preferably 1 or less in total.
[0061]
Examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, butyl (n-butyl, i-butyl, t-butyl, sec-butyl), pentyl (n-pentyl) , I-pentyl, neopentyl, cyclopentyl, etc.), hexyl (n-hexyl, i-hexyl, cyclohexyl, etc.), heptyl (n-heptyl, i-heptyl, etc.), octyl (n-octyl, i-octyl, t-octyl) Etc.), nonyl (n-nonyl, i-nonyl, etc.), decyl (n-decyl, i-decyl, etc.), undecyl (n-undecyl, i-undecyl, etc.), dodecyl (n-dodecyl, i-dodecyl, etc.) Acyclic or cyclic aliphatic hydrocarbon groups such as vinyl, propenyl, butenyl, pentenyl, hexenyl, cyclohexenyl, cyclohexenylethyl Acyclic and cyclic alkenyl groups such as norbornenylethyl, heptenyl, octenyl, nonenyl, decenyl, undecenyl, dodecenyl, and styrenyl; benzyl, phenethyl, 2-methylbenzyl, 3-methylbenzyl, and 4-methylbenzyl; Aralkyl groups, araalkenyl groups such as PhCH = CH-, aryl groups such as phenyl, tolyl or xylyl, 4-aminophenyl, 4-hydroxyphenyl, 4-methoxyphenyl, 4-vinyl Examples include a substituted aryl group such as a phenyl group.
[0062]
Among these hydrocarbon groups, particularly preferred is a case where the number of aliphatic hydrocarbon groups having 2 to 20 carbon atoms and the number of alkenyl groups having 2 to 20 carbon atoms is large enough to be used for all R, X, Y and Z. The melt fluidity at the time of proper molding can be obtained. Further, when R is an aliphatic hydrocarbon group and / or an alkenyl group, the number of carbon atoms in R is usually 20 or less, preferably as a good balance of melt fluidity, flame retardancy and operability during molding. It is 16 or less, more preferably 12 or less.
[0063]
As the R used in the present invention, a hydrogen atom of these various hydrocarbon groups or a part of the main skeleton is an ether bond, an ester group (bond), a hydroxyl group, a thiol group, a thioether group, a carbonyl group, a carboxyl group, Group, carboxylic acid anhydride bond, thiol group, thioether bond, sulfone group, aldehyde group, epoxy group, amino group, substituted amino group, amide group (bond), imide group (bond), imino group, urea group (bond) Or a polar group (polar bond) such as a urethane group (bond), an isocyanate group, or a cyano group, or a partially substituted group selected from a halogen atom such as a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom.
[0064]
In general formulas (A) and (B), the total number of carbon atoms including the substituent in the substituted or unsubstituted hydrocarbon group in R is usually 20 or less. As a material having a good balance of melt fluidity, flame retardancy and operability, a material having a balance of preferably 16 or less, particularly preferably 12 or less is used.
[0065]
As the silicon atom-containing group having 1 to 10 silicon atoms employed as R, those having a wide range of structures are employed. For example, a group having a structure represented by the following general formula (13) or (14) No. The number of silicon atoms in the silicon atom-containing group is generally in the range of 1 to 10, preferably 1 to 6, and more preferably 1 to 3. When the number of silicon atoms is too large, the cage silsesquioxane compound becomes a viscous liquid, which makes handling and purification difficult, which is not preferable.
[0066]
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[0067]
N in the general formula (13) is usually an integer in a range of 1 to 10, preferably an integer in a range of 1 to 6, and more preferably an integer in a range of 1 to 3. Further, the substituent R in the general formula (13)6And R7Is an organic group other than a hydrogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group, a chlorine atom, or an alkoxy group having 1 to 10, preferably 1 to 6 carbon atoms.
Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, a butoxy group and the like.
[0068]
Examples of the organic group other than the alkoxy group having 1 to 10 carbon atoms include various substituted or unsubstituted hydrocarbon groups, and specific examples thereof include, for example, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and a butyl group. , An aliphatic hydrocarbon group such as a cyclohexyl group, an unsaturated hydrocarbon bond-containing group such as a vinyl group and a propenyl group, an aromatic hydrocarbon group such as a phenyl group, a benzyl group and a phenethyl group, or CF.3CH2CH2And a polar group-substituted alkyl group such as an aminoalkyl group.
[0069]
R in the general formula (13)8Is a hydrogen atom or an organic group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, and more preferably 1 to 8 carbon atoms. Examples of the organic group include aliphatic hydrocarbons such as methyl, ethyl, propyl, butyl, pentyl, cyclopentyl, hexyl, cyclohexyl, 2-cyclohexyl-ethyl, octyl, and dodecyl. A group containing an unsaturated hydrocarbon bond such as a vinyl group, an ethynyl group, an allyl group, or a 2-cyclohexenyl-ethyl group; an aromatic hydrocarbon group such as a phenyl group, a benzyl group or a phenethyl group; A fluorine-containing alkyl group such as trifluoro-n-propyl group or CF3CF2CF2OCH2CH2CH2A fluorine atom-containing group such as a fluorine-containing ether group such as a group; a partially substituted hydrocarbon group with a polar substituent such as an aminopropyl group, an aminoethylaminopropyl group, an aminoethylaminophenethyl group, an acryloxypropyl group, or a cyanopropyl group; Is mentioned. In general formula (13), two or more hydrogen atoms are not simultaneously connected to the same silicon atom. Specific examples of the silicon atom-containing group represented by the general formula (13) include, for example, a trimethylsiloxy group (Me3Si-), dimethylphenylsiloxy group (Me2PhSiO-), diphenylmethylsiloxy group, phenethyldimethylsiloxy group, dimethyl-n-hexylsiloxy group, dimethylcyclohexylsiloxy group, dimethyloctylsiloxy group, (CH3)3SiO [Si (CH3)2O]k-(K = 1 to 9), 2-phenyl-2,4,4,4-tetramethyldisiloxy group (OSiPhMeOSiMe)3), 4,4-diphenyl-2,2,4-trimethyldisiloxy (OSiMe2OSiMePh2), 2,4-diphenyl-2,4,4-trimethyldisiloxy (OSiPhMeOSiPhMe)2), Vinyldimethylsiloxy, 3-glycidylpropyldimethylsiloxy, 3-aminopropyldimethylsiloxy (H2NCH2CH2CH2Me2SiO-), Me2NCH2CH2CH2Me2SiO-, H2NCH2CH2CH2Me (HO) SiO-, 3- (2-aminoethylamino) propyldimethylsiloxy group (H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-), MeHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-, HOCH2CH2HNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-, CH3COHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-, H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me (HO) SiO— and the like.
[0070]
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[0071]
In the general formula (14), Ra is a divalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and preferably has 2 to 6 carbon atoms, and particularly preferably 2 or 3 carbon atoms. Specific examples of Ra include, for example, -CH2CH2-, -CH2CH2CH2-,-(CH2)mAnd-(m = 4 to 10).
R in the general formula (14)6, R7, R8Is defined as R in general formula (13).6, R7, R8Is the same as Also, R9, R10Is defined as R6, R7Is the same as n ′ is 0 or an integer in the range of 1 to 9, preferably 0 or an integer in the range of 1 to 5, particularly preferably 0, 1 or 2.
[0072]
In the present invention, a cage-like silsesquioxane having a wide structure represented by the general formula (A) and / or the general formula (B) and / or a partially cleaved structure thereof is used. In the general formulas (A) and (B), a plurality of R, X, Y and Z in one molecule may be the same or different.
[0073]
Among the compounds represented by the general formula (A) and the general formula (B), both the moldability (or melt fluidity) improvement effect and the flame retardancy improvement effect of the polyphenylene ether-based resin composition are particularly excellent. As a group of the compounds shown, the ratio of “the number of R, X, Y, and Z that are aromatic hydrocarbon groups” to “the number of all R, X, Y, and Z” is preferably 93% or less. A group of compounds is preferably within 90%, particularly preferably within 80%, more preferably within 70%. In addition, in any of the above “the number of all R, X, Y, and Z” and “the number of R, X, Y, and Z that are aromatic hydrocarbon groups”, all the R, X, Y, and Z The same group in Z shall be counted as one each. In the compounds represented by the general formulas (A) and (B), particularly in the compound represented by the general formula (A), the “aromatic hydrocarbon” with respect to “the number of all R, X, Y, and Z” When the ratio of “the number of R, X, Y, and Z groups” is equal to or more than the above ratio, the effect of improving the fluidity and / or the effect of improving the flame retardancy of the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention tends to be weakened. . Therefore, in the compounds represented by the general formulas (A) and (B), especially in the compound represented by the general formula (A), the “number of R, X, Y, and Z that are aromatic hydrocarbon groups” Is preferably within the above range. Here, the aromatic hydrocarbon group refers to an aromatic hydrocarbon group selected from an aryl (Aryl) group and an araalkyl group. Since the polyphenylene ether resin is a polymer having an aromatic nucleus as a main component, such an effect of an aromatic hydrocarbon group having a structure similar to the polymer structure is completely unexpected from conventionally known findings, This has been clarified for the first time by the inventors' detailed examination.
[0074]
In addition, as another group of compounds showing particularly excellent effects in both the moldability (or melt fluidity) improvement effect and the flame retardancy improvement effect of the polyphenylene ether-based resin composition, the general formula (A) and the general formula (A) Among the compounds represented by (B), at least one of R, X, Y, and Z in general formula (A) and / or general formula (B) is 1) a group containing an unsaturated hydrocarbon bond, Alternatively, 2) a compound group which is a group having a polar group containing a nitrogen atom and / or an oxygen atom. Here, when R, X, Y, and Z are composed of a plurality of types of groups, at least one of them may be the above group 1) or 2).
[0075]
Examples of the group containing an unsaturated hydrocarbon bond of the above 1) include vinyl, propenyl, butenyl, pentenyl, hexenyl, cyclohexenyl, cyclohexenylethyl, norbornenyl, norbornenylethyl, heptenyl, octenyl, nonenyl, decenyl, Examples include acyclic and cyclic alkenyl groups such as undecenyl, dodecenyl, styrenyl, and styryl, alkynyl groups, and groups containing these groups. Specific examples of the group containing an unsaturated hydrocarbon bond include, for example, a vinyl group, an allyl group, a 2- (3,4-cyclohexenyl) ethyl group, a 3,4-cyclohexenyl group, a dimethylvinylsiloxy group, Examples include a dimethylallylsiloxy group, a (3-acryloylpropyl) dimethylsiloxy group, and a (3-methacryloylpropyl) dimethylsiloxy group.
[0076]
Examples of the group having a polar group containing a nitrogen atom and / or an oxygen atom in the above 2) include an ether bond, an ester bond, a hydroxyl group, a carbonyl group, an aldehyde group, an epoxy group (bond), an amino group, and a substituted amino. And a group containing an amide group (bond), an imido group (bond), an imino group, a cyano group, a urea group (bond), a urethane group (bond), an isocyanate group, and the like. Among them, a group containing an amino group or a substituted derivative thereof, or an ether group (including an epoxy group) is particularly preferable. Examples of the above-mentioned amino group-substituted derivatives include, for example, various substituted amino groups such as a monoalkylamino group, a 2-hydroxyethylamino group and a dialkylamino group, an amide group, an imide group, an imino group, and a urea group. Can be
[0077]
Specific examples of the group containing the amino group or a substituted derivative thereof include, for example, a 3-aminopropyl group (H2NCH2CH2CH2−), Me2NCH2CH2CH2-, Me2C = NCH2CH2CH2-, -CH2CH2C6H4NH2, 3-aminopropyldimethylsiloxy group (H2NCH2CH2CH2Me2SiO-), H2NCH2CH2CH2Me (HO) SiO-, 3- (2-aminoethylamino) propyl group (H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2−), MeHNCH2CH2NHCH2CH2CH2-, Me2C = NCH2CH2NHCH2CH2CH2-, HOCH2CH2HNCH2CH2NHCH2CH2CH2-, CH3COHNCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-, 3- (2-aminoethylamino) propyldimethylsiloxy group (H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me2SiO-), H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Me (HO) SiO— is exemplified. Specific examples of the group containing an ether group (including an epoxy group) include, for example, a 3-glycidyloxypropyl group, a 3-glycidyloxypropyldimethylsiloxy group, and 2- (3,4-epoxycyclohexyl) Ethyl group, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyldimethylsiloxy group, CH3OCH2CH2CH2-, HOCH2CH2OCH2CH2CH2-And the like.
[0078]
In general formulas (A) and (B), R, X, Y, and Z each independently can have various structures, and R, X, Y, and Z may each be composed of a plurality of groups. .
[0079]
The present inventors have studied the structure of the cage-like silsesquioxane and the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure suitable for the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention more widely and from various viewpoints. And a) in the compound of the general formula (B), at least one of a) a plurality of Xs is a group selected from a hydroxyl group and —OSi (OH) Y "Z", and b) at least one of a plurality of Xs One is the above-mentioned 1) group containing an unsaturated hydrocarbon bond or 2) a polar group containing a nitrogen atom and / or an oxygen atom, which exhibits excellent effects in the compounds of the general formulas (A) and (B). A compound having a group having the following formula (hereinafter abbreviated as compound (B-0)) is excellent in low volatility in addition to the melt fluidity improving effect and the flame retardancy improving effect described above. Very practical It was found to provide a composition. Here, Y ″ and Z ″ in —OSi (OH) Y ″ Z ″ are selected from the same group as X in general formula (B), and Y ″ and Z ″ are different even if they are the same. Is also good.
[0080]
In the compound (B-0), when at least one of the Xs is a group containing an amino group or a substituted derivative thereof, the compound has high melt fluidity, high flame retardancy, and low volatility. All of these properties are more preferable because they give a polyphenylene ether-based resin composition having particularly excellent balanced properties. The compound (B-0) containing an amino group or a substituted derivative thereof has been confirmed to have excellent properties as described above and is a novel substance which has not been known so far.
[0081]
Examples of a more specific structure of the compound (B-0) include, for example, the following general formula (B-1).
In the general formula (B-1), R and l are the same as those in the general formula (B);a1And Xa2Is selected from the same group of groups as X in the general formula (B);a1And @Xa2May be linked to form a linked structure represented by the following general formula (1-1);
[0082]
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[0083]
XbIs a group selected from a hydroxyl group and -OSi (OH) Y "Z"; Y ', Z', Y "and Z" are selected from the same group as X in the general formula (B); , X in the same compounda1, Xa2, Xb, Y ′, Z ′, Y ″ and Z ″ have 1) a group containing an unsaturated hydrocarbon bond, or 2) a polar group containing a nitrogen atom and / or an oxygen atom. Xa1, Xa2, Xb, Y ', Z', Y "and Z" may be the same or different. Specific examples of Y ″ and Z ″ in the general formula (B-1) will be described later, and Y ″ and Z ″ in the compound (B-0) are also the same as Y ″ and Z ″ in the general formula (B-1). And Z "are each selected from the same group.
[0084]
Note that among the compounds of the general formula (B-1), Xa1, Xa2, Xb, Y ′, Z ′, Y ″ and Z ″, when at least one of them is a group containing an amino group or a substituted derivative thereof, has a high melt fluidity, a high flame retardancy and a low volatility. Both are more preferred because they give a polyphenylene ether-based resin composition having particularly excellent balanced properties.
[0085]
Further, in the compound of the general formula (B-1), Xa1, Xa2, Xb, Y ′, Z ′, Y ″ and Z ″, wherein the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure wherein at least one of them is a group containing an amino group or a substituted derivative thereof, Excellent properties have been confirmed, and it is a new substance unknown so far.
[0086]
Specific examples of the structure include, for example, compounds having the following skeleton structure (examples of l = 4 in the general formula (B-1)), but are not limited thereto.
[0087]
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[0088]
In the above compound (B-1-a) and compound (B-1-b), Y ′ group and Z ′ group, OH group and R group, —OSi (OH) Y The “Z” group and the R group may be exchanged for each other. Specific examples of Y ′ and Y ″ in the compound (B-1-a) and the compound (B-1-b) include a lower alkyl group such as a methyl group and a propyl group and a phenyl group. Examples of 'and Z "include, for example, -CH2CH2CH2NH2Group or -CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2Group such as an aliphatic amino group or -CH2CH2C6H4NH2And an aromatic amino group such as a group. When Z ′ is an amino group or a group containing a substituted derivative thereof, Z ″ does not necessarily need to be an amino group or a group containing a substituted derivative thereof. Conversely, Z ″ may be an amino group or a group containing a substituted derivative thereof. In the case where the group is a substituent derivative-containing group, Z ′ is not necessarily an amino group or a substituent derivative-containing group.
[0089]
A compound represented by the general formula (B-1), in which at least one of the compounds represented by the general formula (B-1), particularly Y ′, Z ′, Y ″ and Z ″ is an amino group or a group containing a substituted derivative thereof. The reason that the compound represented by the formula (1) provides a composition excellent in practical use and excellent in low volatility in addition to the effect of improving the melt fluidity and the flame retardancy, However, it is not clear. However, with respect to the low volatility of the compound represented by the general formula (B-1), for example, the compound represented by the general formula (B-1) contains at least one silanol group. It is possible that the volatility of the compound is suppressed for some reason.
[0090]
The volatility of the compound represented by the general formula (B-1) is determined by a cage-like silsesquioxane having a similar functional group but not containing a silanol group, or a cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure. In comparison, the thermal decomposition onset temperature or the sublimation onset temperature is preferable because the 10% weight loss temperature by thermogravimetric analysis (TGA) increases by several tens of degrees Celsius or more.
[0091]
The cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) or the cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) used in the present invention has a partially cleaved structure. As shown in the above, there is a feature that the mold dirt (mold deposit) during the melt molding of the polyphenylene ether-based resin composition is small. In the case of the compound represented by the general formula (B-1), low volatility is further improved while maintaining high melt fluidity and high flame retardancy. Therefore, in the melt-molding of the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention using the compound represented by the general formula (B-1), high-precision molding with particularly small mold deposit becomes possible. The compound represented by the general formula (B-1), in which at least one of the compounds represented by the general formula (B-1), particularly Y ′, Z ′, Y ″ and Z ″, is a group containing an amino group or a substituted derivative thereof. Such properties of the compound represented by the formula (1) are extremely important for the production of precision molded articles.
[0092]
The compound represented by the general formula (B-1) also has a great feature that a compound having a structure containing various functional groups suitable for the purpose of use can be synthesized very easily. That is, the compound represented by the general formula (B-1) includes, for example, a trisilanol compound in which k = 3 and X = OH in the general formula (B), and Y′Z′SiD2(D = Cl, lower alkoxyl group such as -OMe and -OEt, etc.) type compound and / or Y "Z" SiD2(D = Cl, lower alkoxyl group such as -OMe and -OEt, etc.) and can be easily synthesized by reaction with a compound.
The synthesis examples are shown below, but are not limited thereto.
[0093]
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[0094]
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In the above compound (B-1-1) and compound (B-1-2), Y ′ group and Z ′ group, OH group and R group, —OSi (OH) Y The “Z” group and the R group may be exchanged for each other.
[0095]
Note that X in the general formula (B-1)bIs a hydroxyl group when is a hydroxyl group, or XbIs -OSi (OH) Y "Z", the compound having a structure in which the OH group contained in the group is a chlorine atom or an alkoxyl group can be easily prepared by a trace amount of water existing in the atmosphere. It is converted into the structure of the compound of the general formula (B-1) by hydrolysis. Therefore, the above-mentioned chlorine atom-containing group or alkoxyl group-containing group can be regarded as equivalent to the compound of the general formula (B-1) used in the present invention.
[0096]
The cage silsesquioxane of the present invention is described, for example, in Brown et al. Am. Chem. Soc. 1965, 87, 4313, and Feher et al. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 1741 or Organometallics 1991, 10, 2526. For example, it can be obtained as crystals by reacting cyclohexyltriethoxysilane in water / methyl isobutyl ketone with the addition of tetramethylammonium hydroxide to the catalyst. The trisilanol compound and the disilanol compound represented by the general formulas (8) (X = OH), (10) (X = OH), and (11) (X = OH) are completely condensed-type cages. Can be synthesized at the same time as the production of the silsesquioxane, or can be synthesized by partially cleaving once from a completely condensed cage silsesquioxane with trifluoroacid or tetraethylammonium hydroxide (Feher et al., Chem. Commun. , 1998, 1279). Further, the compound of the general formula (8) (X = OH) is3It can also be directly synthesized from a (T = Cl or alkoxyl group) type compound.
[0097]
As a method for introducing a substituent R ′ which is different from one of the eight Rs in the general formula (4), only a trisilanol compound represented by the general formula (8) (X = OH) ´SiCl3, R'Si (OMe)3, R'Si (OEt)3And the like to react and synthesize. As a specific example of such a synthesis method, for example, after a cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (8) (R = cyclohexyl group, X = OH) is synthesized by the above method, , HSiCl in tetrahydrofuran solution3It can be synthesized by adding 3 equivalents of triethylamine to a mixture of 1 equivalent and 1 equivalent of the partially-cleaved cage-like silsesquioxane represented by the general formula (8) (R = cyclohexyl, X = OH). (See, eg, Brown et al., J. Am. Chem. Soc. 1965, 87, 4313).
[0098]
As a specific example of a method for introducing a silicon atom-containing group as X in the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B), for example, general formula (8) (R = cyclohexyl group, X = OH), 1 equivalent of the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure is added with 3 equivalents of triethylamine and 3 equivalents of trimethylchlorosilane in tetrahydrofuran to give Me as X3A method for producing a compound into which an SiO- group has been introduced may be mentioned (for example, see J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 1741).
[0099]
The structural analysis of the cage silsesquioxane of the present invention can be performed by X-ray structural analysis (Larsson et al., Alkiv @ Kemi @ 16, 209 (1960)), but simply using an infrared absorption spectrum or NMR. (Eg, see Vogt et al., Inorga. Chem. 2, 189 (1963)).
[0100]
The cage silsesquioxane or the partially-cleaved cage silsesquioxane used in the present invention may be used alone or as a mixture of two or more. Further, a cage silsesquioxane and a partially cleaved structure of the cage silsesquioxane may be used in combination.
Further, the cage silsesquioxane, the cage silsesquioxane partially-cleaved structure, or a mixture thereof used in the present invention may be used in combination with an organosilicon compound having another structure. Examples of the organosilicon compound having another structure in this case include, for example, polydimethyl silicone, polydimethyl / methylphenyl silicone, a substituted silicone compound containing a polar substituent such as an amino group or a hydroxyl group, and amorphous polymethylsilyl. Sesquioxane, various ladder-type silsesquioxanes, and the like. In that case, there is no particular limitation on the composition ratio of the mixture, but usually the ratio of the cage silsesquioxane and / or the partially cleaved structure thereof in the mixture is preferably 10% by weight or more, more preferably It is used at 30% by weight or more, particularly preferably at 50% by weight or more.
[0101]
Instead of the cage-like silsesquioxane represented by the general formulas (A) and (B) and the general formulas (3) to (12) used in the present invention or the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure, When an amorphous polysilsesquioxane having no cage is used as an additive of the polyphenylene ether-based resin composition, the effect of improving the melt fluidity and the flame retardancy is small.
[0102]
The cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A), the cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) in the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, or a partially cleaved structure thereof Is preferably from 0.1% by weight to 90% by weight. More preferably, the content is in the range of 0.1% by weight to 50% by weight, still more preferably in the range of 0.5% by weight to 30% by weight, and particularly preferably in the range of 0.5% by weight to 15% by weight. When the addition amount is less than the above range, the effect on the improvement of the melt fluidity and the flame retardancy is small. If the amount is larger than the above range, physical properties such as mechanical strength are undesirably reduced. In the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, as specifically shown in Examples described later, a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and a cage-shaped silsesquioxane represented by the general formula (B) The cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure or a mixture thereof exhibits an excellent melt fluidity improving effect and / or a flame retardancy improving effect even with a very small amount of addition. Therefore, unlike the case of using other conventionally known additives, this composition hardly impairs the high heat resistance and good mechanical properties that are inherent characteristics of the polyphenylene ether resin, and the melt fluidity and flame retardancy are hardly impaired. There is an extremely great industrial advantage that it can be improved.
[0103]
To the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, a cyclic nitrogen compound having a specific structure as a flame retardant auxiliary can be further added. The cyclic nitrogen compound used in the present invention is basically a compound having a triazine skeleton in a molecule and a melamine derivative. Specific examples thereof preferably include melamine derivatives melamine, melem, and melon. Among them, melem and melon are more preferable because of their low volatility. The cyclic nitrogen compound is preferably pulverized in order to exhibit the effect of improving flame retardancy. The finely divided particle diameter is preferably an average particle diameter of 30 μm or less, more preferably 0.05 to 5 μm.
[0104]
The content of the cyclic nitrogen compound in the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is preferably in the range of 0.1% by weight or more and 20% by weight or less, more preferably in the range of 0.2% by weight or more and 10% by weight or less. is there. When the addition amount is less than the above range, the effect on the flame retardancy is small, and when the addition amount is larger than the above range, the mechanical properties deteriorate, which is not preferable.
[0105]
Hereinafter, the resin composition found by the present invention, its molding technique, and the like will be described in detail.
1) One polyphenylene ether-based resin composition of the present invention comprises a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silsesquioxane represented by the general formula (B). It includes a partially split structure of Sun, and is defined by the following formula (C) using a melt index measured at an arbitrary temperature selected from a temperature range of (glass transition point +20) ° C to (glass transition point +100) ° C. The polyphenylene ether-based resin composition has a melt index rise (MIR) value within a range of a lower limit of 0.3 and an upper limit of 50.0.
MIR = (MI-MI0) / MI0(C)
MI in the formula (C) is a melt index (g / 10 min) of the polyphenylene ether-based resin composition.0From the above polyphenylene ether-based resin composition, except for the cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B) It is a melt index (g / 10min) of the composition of the composition.
[0106]
In the present invention, “the cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or the cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) is used for the polyphenylene ether-based resin composition. Is a composition excluding the partially-cleaved structure of 1), in the production of the above-mentioned polyphenylene ether-based resin composition, a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or A composition before adding the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure represented by the formula (B), or 2) a cage represented by the general formula (A) from the polyphenylene ether-based resin composition Means the composition after removing the partially cleaved structure of the silsesquioxane and / or the cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) by various separation means such as extraction and fractionation. .
[0107]
In the present invention, it is preferable to use a value measured using a melt indexer according to JIS K6730 as the melt index as described above. The lower limit of the melt index rise (MIR) is preferably 0.3, more preferably 0.5, and still more preferably 1.0 in order to industrially carry out molding such as melt molding. And particularly preferably 1.5. The upper limit of the melt index increase (MIR) is preferably 50.0, more preferably 30.0, further preferably 20.0, and particularly preferably 15.0. When the MIR is larger than 50.0, the balance of various physical properties of the core resin composition is deteriorated, or the melt fluidity is too high at the time of melt molding, so that resin leakage from a mold or the like. And resin dripping easily occur, which is not preferable in practical use.
[0108]
The "glass transition point (Tg)" shown in the measurement temperature range of the melt fluidity means the glass transition point of the polyphenylene ether-based resin constituting the polyphenylene ether-based resin composition. In the case of a blend or alloy in which two or more resins are used, the glass transition point of the resin having the highest content is set. For example, in the case of a polyphenylene ether-based resin mainly composed of poly 2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a glass transition point of 220 ° C, the melt index is measured within a range of 240 to 320 ° C. .
[0109]
2) Another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention comprises a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silsesquioxane represented by the general formula (B). The average burn time reduction rate (FTR) defined by the following formula (D) using the average burn time in the UL-94 combustion test, including the partially-cleaved structure of Sun, has a lower limit of 0.2 and an upper limit of A polyphenylene ether-based resin composition characterized by being in the range of 0.98.
FTR = (FT0−FT) / FT0(D)
FT in Formula (D) is an average burning time in a UL-94 burning test of the polyphenylene ether-based resin composition,0Is a method for preparing a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B) from the polyphenylene ether-based resin composition. It is the average burning time in the UL-94 burning test of the composition of the composition excluding. In the present invention, the above-mentioned "average burning time in UL-94 burning test" refers to the UL-94 burning test of molded pieces having a thickness of 1.3 mm or more and 2.0 mm or less. It represents the average burn time of the vertical test of US Underwriters Laboratory Standard).
[0110]
The lower limit of the average burning time reduction rate (FTR) is preferably 0.2 or 0.3, more preferably 0.4, and more preferably 0.4 to realize a practically meaningful flame retardant effect. It is preferably 0.5, particularly preferably 0.6. Further, there is no particular upper limit value of the average burning time reduction rate (FTR). However, in order to balance the various properties of the resin composition, the upper limit is preferably 0.98, more preferably 0.95, further preferably 0.90, and particularly preferably 0.85.
[0111]
3) In another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, the value of the melt index increase (MIR) defined by the formula (C) is in a range of a lower limit of 0.3 and an upper limit of 50.0, The polyphenylene according to 1) or 2), wherein the value of the average burning time reduction rate (FTR) defined by the formula (D) is in a range of a lower limit value 0.2 and an upper limit value 0.98. It is an ether-based resin composition. The polyphenylene ether-based resin composition in which both the MIR and the FTR fall within the above ranges is industrially extremely useful because it has both excellent moldability and flame retardancy.
[0112]
4) In another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, the value of the melt index increase (MIR) defined by the mathematical formula (C) is in a range of a lower limit of 0.3 and an upper limit of 50.0, The polyphenylene ether-based resin composition according to 1), wherein the deflection temperature under load (ΔHDT) defined by the following formula (E) is 30 ° C. or less.
ΔHDT = (HDT−HDT0) (E)
HDT in Formula (E) is the deflection temperature under load (° C.) of the polyphenylene ether-based resin composition,0Is a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B) from the polyphenylene ether-based resin composition. Is the deflection temperature under load (° C.) of the composition excluding the composition. In the present invention, it is preferable to use a value measured under a load of 1.82 MPa according to ASTM D648 as the above-mentioned deflection temperature under load.
[0113]
The value of the deflection temperature under load (ΔHDT) of the resin composition is preferably 30 ° C. or lower, 27 ° C. or lower, more preferably 22 ° C. or lower, still more preferably 17 ° C. or lower, particularly preferably 10 ° C. or lower. Polyphenylene ether-based resin compositions having a load deflection reduction temperature (ΔHDT) of more than 30 ° C. are not preferable because of insufficient heat resistance. The polyphenylene ether-based resin composition in which both MIR and ΔHDT fall within the above ranges is extremely useful industrially because it has both excellent moldability and heat resistance.
[0114]
5) In another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, the value of the average burning time reduction rate (FTR) defined by the formula (D) is within a range of a lower limit of 0.2 and an upper limit of 0.98. The polyphenylene ether-based resin composition according to 2), wherein the temperature for reducing deflection under load (ΔHDT) defined by the formula (E) is 30 ° C. or less.
[0115]
The value of the deflection temperature under load (ΔHDT) of the resin composition is preferably 30 ° C. or lower, 27 ° C. or lower, more preferably 22 ° C. or lower, still more preferably 17 ° C. or lower, particularly preferably 10 ° C. or lower. Polyphenylene ether-based resin compositions having a load deflection reduction temperature (ΔHDT) of more than 30 ° C. are not preferable because of insufficient heat resistance. The polyphenylene ether-based resin composition in which both FTR and ΔHDT fall within the above range is extremely useful industrially because it has both excellent flame retardancy and heat resistance.
[0116]
6) In another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, a) the value of the melt index increase rate (MIR) defined by the numerical formula (C) is within a range of a lower limit of 0.3 and an upper limit of 50.0. B) the average burning time reduction rate (FTR) defined by the formula (D) is within the range of the lower limit value 0.2 and the upper limit value 0.98, and c) the formula (E) The polyphenylene ether-based resin composition according to any one of 1) to 5), wherein a defined load deflection reduction temperature (ΔHDT) is 30 ° C or less.
The polyphenylene ether-based resin composition in which all of MIR, FTR and ΔHDT fall within the above ranges is extremely useful industrially because it has excellent moldability, flame retardancy and heat resistance.
[0117]
7) Another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention includes: d) a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silse represented by the general formula (B). E) the lower limit value of the melt index measured at 280 ° C. under a load of 10 Kg according to JIS K6730, and the lower limit value is 8.5 (g / 10 min) and the upper limit value is 100.0. (G / 10 min), and f) the average burning time in a UL-94 burning test of a molded piece having a thickness of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds. Is a polyphenylene ether-based resin composition.
[0118]
The lower limit of the melt index is preferably 8.5 (g / 10 min), more preferably 9.0 (g / 10 min), and more preferably 9.0 (g / 10 min) in order to industrially perform molding such as melt molding. It is preferably 10.0 (g / 10 min), particularly preferably 12.0 (g / 10 min). The upper limit of the melt index is preferably 100.0 (g / 10 min), more preferably 80.0 (g / 10 min), still more preferably 60.0 (g / 10 min), and particularly preferably 50.0 (g / 10 min). g / 10 min). When the value of the melt index is larger than 100.0 (g / 10 min), the balance of various physical properties of the core resin composition is deteriorated, or the melt fluidity during melt molding is too high. Resin leakage from a mold or the like tends to occur, which is not preferable in practical use. The average burning time of the composition is preferably within 5 seconds, more preferably within 4 seconds, particularly preferably within 3 seconds. If the average burning time is too long, the flame retardancy is insufficient, which is not preferable. In general, the composition of the present invention can have an average burning time of almost zero if its composition is selected, but when giving priority to the balance of various properties of the composition, the lower limit of the average burning time is preferably It is about 0.3 second, 0.7 second or 1.0 second.
[0119]
It contains a cage-like silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage-like silsesquioxane represented by the general formula (B), and has a melt index value and UL. The polyphenylene ether-based resin composition having an average burning time in the -94 combustion test falling within the above range is excellent in both moldability and flame retardancy, and is extremely useful industrially. .
[0120]
8) Another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention comprises: g) a cage silsesquioxane represented by the above general formula (A) and / or a cage silsesquioxane represented by the above general formula (B). H) a melt index value measured at 280 ° C. under a load of 10 kg according to JIS K6730, with a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of 100.0. (G / 10 min), i) the average burning time in a UL-94 burning test of a molded piece having a thickness in the range of 1.3 mm to 2.0 mm is 5 seconds or less, and j). A polyphenylene ether-based resin composition characterized by having a deflection temperature under load of 160 ° C. to 210 ° C. measured according to ASTM D648 under a load of 1.82 MPa.
[0121]
The range of the melt index of the composition and the average burning time in the UL-94 burning test are the same as in the case of 7). The lower limit of the deflection temperature under load in the composition is preferably 160 ° C., more preferably 165 ° C., and still more preferably 170 ° C. in order for the composition to exhibit industrially significant heat resistance as a structural material. And particularly preferably 175 ° C. The upper limit of the deflection temperature under load of the composition is preferably 190 ° C., more preferably 200 ° C., and particularly preferably 210 ° C. It is preferable that the deflection temperature under load is higher. However, if the temperature is higher than these temperatures, it is not preferable because the balance of various physical properties, particularly the decrease in melt fluidity, is deteriorated.
[0122]
It contains a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silsesquioxane partially-cleaved structure represented by the general formula (B), and has a melt index value, UL The average burning time in the −94 combustion test, and the polyphenylene ether-based resin composition, all of which fall under the deflection temperature under load, are excellent in moldability, flame retardancy, and heat resistance, It is extremely useful industrially.
[0123]
9) In another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, k) the melt index measured at 280 ° C. under a load of 10 kg according to JIS K6730 has a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of The value is within the range of 100.0 (g / 10 min), 1) The average burning time in the UL-94 burning test of the molded piece having a thickness in the range of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds, And m) a polyphenylene ether-based resin composition which does not contain a substantial amount of a bromine atom-containing compound and / or a phosphorus atom-containing compound.
[0124]
The range of the melt index of the composition and the average burning time in the UL-94 burning test are the same as in the case of 7).
[0125]
When aiming at a polyphenylene ether-based resin composition having excellent environmental compatibility, a substantial amount of a bromine atom-containing compound or a phosphorus atom-containing compound that has an adverse effect on the environment, such as the composition, should be used in a substantial amount. It is preferable not to include it. By "substantial amount" in the composition is meant an amount sufficient to function as a primary additive that primarily governs the flame retardant and melt flow properties of the composition of the present invention. Therefore, a resin composition to which a small amount of a bromine atom-containing compound and / or a phosphorus atom-containing compound is added in order to finely adjust the characteristics of the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is also included in the scope of the composition. For example, based on the total resin composition of the present invention, the total content of the bromine atom-containing compound and the phosphorus atom-containing compound is 1.0% by weight or less, 0.5% by weight or less, 0.1% by weight or less, or If the composition does not function as a main additive that mainly controls the flame retardancy and melt fluidity characteristics of the composition of the present invention, the polyphenylene ether-based resin composition Included in the range of things.
[0126]
10) Another polyphenylene ether-based resin composition of the present invention has a lower limit of 8.5 (g / 10 min) and an upper limit of n) a melt index value measured according to JIS K6730 at 280 ° C. under a load of 10 kg. The value is in the range of 100.0 (g / 10 min), and o) the average burning time in the UL-94 burning test of the molded piece having a thickness in the range of 1.3 mm to 2.0 mm is within 5 seconds, p) the deflection temperature under load, measured according to ASTM D648 and under a load of 1.82 MPa, in the range of 160 ° C. to 210 ° C., and q) a substantial amount of a compound containing a bromine atom and / or a compound containing a phosphorus atom And a polyphenylene ether-based resin composition characterized by containing no.
[0127]
The range of the melt index, the average burning time in the UL-94 burning test, and the content of the bromine atom-containing compound and / or the phosphorus atom-containing compound in the composition is the same as in the case of 9). The range of the deflection temperature under load in the composition is the same as that in the case of 8).
[0128]
11) A method for producing a molded article of a polyphenylene ether-based resin composition, which is characterized in that the polyphenylene ether-based resin composition according to any one of the above 1) to 10) is melt-molded. From the compositions 1) to 10), a molded article excellent in environmental compatibility, flame retardancy, heat resistance, and the like can be produced with high productivity by melt molding, so that the present technology is industrially extremely useful. .
[0129]
12) A molded article of the polyphenylene ether-based resin composition produced by the method described in the above 11) is also industrially useful and is included in the present invention.
[0130]
13) A molded article comprising the polyphenylene ether-based resin composition according to any one of 1) to 10) above is an industrial product having excellent environmental compatibility, flame retardancy, heat resistance, and the like, and a method for producing the same. Regardless, it is extremely useful industrially and is included in the present invention.
[0131]
Conventionally, a bromine atom-containing compound or a phosphorus atom compound has been mainly used as a resin modifier such as a flame retardant improver and / or a fluidity improver. However, when a halogen atom-containing compound such as a bromine atom-containing compound is used as a resin modifier, the mold may be corroded during molding and may be released into the atmosphere during combustion. May be harmed. Further, when a phosphorus-based compound is used as a resin modifier, there is a possibility that a mold may be contaminated during molding or that the phosphorus-based compound may pollute the environment during incineration. Further, a resin material containing a phosphorus-based compound as a resin modifier has a problem that it is difficult to recycle the resin material because the phosphorus-based compound is denatured when the recycling is attempted.
Against this background, in recent years, there has been a demand for the development of environmentally friendly resin material technologies, and as a resin modifier, non-halogen-based resins (e.g., non-bromine-based, ) And non-phosphorus-based resin modifiers are required to be developed.
[0132]
The materials and techniques of the present invention described in the above 1) to 13) find a new concept of non-halogen and non-phosphorus resin modifiers, and utilize them to improve non-halogen and non-phosphorus resin modifiers. It has been discovered that it exhibits performance equal to or higher than that of a bulking agent, and is of great industrial significance. That is, according to the present invention, a polyphenylene ether that is environmentally friendly because it does not contain a bromine atom-containing compound or a phosphorus atom-containing compound that adversely affects the environment, and that has excellent practical properties such as flame retardancy, moldability, and mechanical properties. Based resin compositions have been realized for the first time.
[0133]
In the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention, the partially decomposed structure of the cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or the cage silsesquioxane represented by the general formula (B) is converted to polyphenylene. By adding a small amount to the ether-based resin, the melt fluidity during molding and the flame retardancy of the molded body can be increased without significantly lowering the heat resistance temperature and mechanical properties of the polyphenylene ether-based resin. As described above, the cage silsesquioxane or its partially-cleaved structure used in the present invention is excellent in the flame retardancy improving effect and the fluidity improving effect. Even without adding the bromine-based or phosphorus-based resin modifier that has been used, a sufficient effect of improving the flame retardancy and flowability can be exhibited. Further, as described above, it is preferable that the composition of the present invention basically does not contain a bromine-based compound or a phosphorus-based compound in consideration of the environment. However, in order to adjust various properties of the resin composition, a small amount of a bromine or phosphorus compound can be added. The amount of the phosphorus compound or the bromine compound in the polyphenylene ether resin composition of the present invention is preferably 5% by weight or less, more preferably 3% by weight or less based on the total weight of the composition. Yes, more preferably 1% by weight or less, particularly preferably 0.1% by weight or less. If the addition amount is larger than the above range, mold contamination during molding increases, and there is a risk of environmental pollution during combustion or recycling, which is not preferable. In addition, unfavorable effects such as a decrease in heat-resistant temperature appear on mechanical properties.
[0134]
A fluorine resin can be added to the polyphenylene ether resin composition of the present invention in order to enhance flame retardancy. Examples of the fluorine-based resin include polymonofluoroethylene, polyvinylidene fluoride, polytrifluoroethylene, polytetrafluoroethylene, tetrafluoroethylene / hexafluoropropylene copolymer and the like, and particularly preferred is polytetrafluoroethylene. . Further, a copolymer of a fluorine-containing monomer constituting the polymer and a copolymerizable monomer may be used. The amount of the fluororesin to be added is not limited as long as the melt fluidity of the present invention is not impaired, but the content in the polyphenylene ether-based resin composition is preferably 0.01 to 10% by weight, more preferably 0.1 to 10% by weight. 03 to 8% by weight, particularly preferably 0.05 to 6% by weight. If it is less than 0.01% by weight, the effect of improving the flame retardancy is small, and if it exceeds 10% by weight, the moldability and the like are undesirably reduced.
[0135]
Further, the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention may be combined with various inorganic fillers in an amount within a range in which the composition can be melt-molded. Heat resistance, mechanical strength, flame retardancy, etc. can be improved by adding an inorganic filler. Examples of the inorganic filler include fibrous substances such as glass fiber and carbon fiber, ultrafine silica (fumed silica), fine silica, glass beads, glass flake, talc, diatomaceous earth, and mica. Further, fumed silica whose surface is modified with various organic components can also be used.
[0136]
In the present invention, in addition to the above components, other additional components such as antioxidants and elastomers (ethylene / propylene copolymer, ethylene / 1 -Butene copolymer, ethylene / propylene / non-conjugated diene copolymer, ethylene / ethyl acrylate copolymer, ethylene / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / vinyl acetate / glycidyl methacrylate copolymer and ethylene / Propylene-g-maleic anhydride copolymer, olefin copolymer such as ABS, polyester polyether elastomer, polyester polyester elastomer, vinyl aromatic compound-conjugated diene compound block copolymer, vinyl aromatic compound-conjugated diene compound Block copolymer hydrogenated product), plasticizer (oil) Low molecular weight polyethylene, epoxidized soybean oil, polyethylene glycol, fatty acid esters, etc.), flame retardant aid, weather resistance (light) improver, nucleating agent for polyolefin, slip agent, various coloring agents, release agent, etc. It does not matter.
[0137]
The resin composition of the present invention can be produced by various methods. For example, a heat-melt kneading method using a single-screw extruder, a twin-screw extruder, a roll, a kneader, a Brabender plastograph, a Banbury mixer, or the like can be mentioned. Among them, a melt-kneading method using a twin-screw extruder is most preferable. The melting and kneading temperature at this time is not particularly limited, but can be arbitrarily selected from 150 to 380 ° C. depending on the purpose.
[0138]
The resin composition of the present invention thus obtained can be formed into a molded body of various parts by various conventionally known methods, for example, injection molding, extrusion molding, and hollow molding. The polyphenylene ether-based resin composition of the present invention exhibits high melt fluidity without substantially impairing the inherent high heat resistance and excellent mechanical properties of the polyphenylene ether resin. Therefore, the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention has high productivity and can be industrially very advantageously melt-molded, and the resulting molded product has industrially useful new materials exhibiting extremely excellent properties. It is. That is, the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention enables a method for industrially advantageously producing a polyphenylene ether-based resin molded product having excellent properties which has not been achieved conventionally.
[0139]
The molded article produced by the melt molding method from the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is particularly suitable for applications requiring flame retardancy and heat resistance, for example, heat-resistant parts for automobiles or heat-resistant parts for office equipment. . Heat-resistant parts for automobiles include, for example, alternator terminals, alternator connectors, IC regulators, potentiometer bases for light days, various valves such as exhaust gas valves, various fuel related / exhaust / intake systems pipes, air intake nozzle snorkels, intake manifolds, fuel Pump, engine cooling water joint, carburetor main body, carburetor spacer, exhaust gas sensor, cooling water sensor, oil temperature sensor, brake patware sensor, throttle position sensor, crankshaft position sensor, air flow meter, brake butt wear sensor, air conditioner Thermostat base, heating hot air flow control valve, brush holder for radiator motor, warpー Pump impeller, turbine vane, wiper motor related parts, distributor, starter switch, starter relay, transmission wire harness, window washer nozzle, air conditioner panel switch board, fuel related electromagnetic valve coil, fuse connector, horn terminal Preferred are components such as an electrical component insulating plate, a step motor rotor, a brake piston, a solenoid bobbin, an engine oil filter, and an ignition device case, a wheel cap, a lamp socket, a lamp housing, a lamp extension, a lamp reflector, and the like. Among them, a lamp extension and a lamp reflector are preferred from the viewpoint of a balance among lightness, heat resistance, flame retardancy, and mechanical properties. In addition, heat-resistant parts for office equipment include, for example, home and office electrical product parts, office computer-related parts, telephone-related parts, facsimile-related parts, copier-related parts and the like represented by air conditioner parts, typewriter parts, word processor parts, and the like. It is suitable for.
[0140]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to Examples and Comparative Examples. The present invention is not limited to these.
The cage silsesquioxane and / or the partially-cleaved cage silsesquioxane used were products of Hybrid Plastics (USA) except for the synthesis examples described in Examples and Comparative Examples.
[0141]
The physical properties of the obtained cage-like silsesquioxane and the polyphenylene ether-based resin composition containing the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure were evaluated according to the following methods.
(1) Mold deposit (MD) evaluation
1000 × 10 × 25 × 0.2 mm test pieces were molded, and the degree of MD adhesion on the surface of the mold was visually evaluated. The evaluation criteria were as follows.
〇: The mold has no stain, and the appearance of the molded product has no roughness at all.
[0142]
(2) Flame retardancy evaluation
The flame retardancy evaluation of Examples 4 to 14, 25 to 34 and Comparative Examples 2 to 3 and 8 to 10 was five plates of 126 mm in length, 12.6 mm in width, and 1/16 inch (1.6 mm) in thickness. The average burning time, the maximum burning time, and the number of drops were evaluated based on UL-94 (U.S. Underwriters Laboratories Standards) using the test specimens.
The flame retardancy of Examples 15 to 24 and Comparative Examples 4 to 7 was evaluated using UL-94 (U.S. underwriter) using five plate-like test pieces having a length of 126 mm, a width of 12.6 mm, and a thickness of 1.5 mm. The average burning time, the maximum burning time, and the number of drippings were evaluated based on the laboratory standard).
[0143]
(3) Melt fluidity
According to JIS K6730, the resin composition was mainly evaluated for melt index (MI) at 280 ° C. under a load of 10 kg.
(4) Heat resistance
The glass transition point (Tg) of a film having a length of 27 mm, a width of 3 mm, and a thickness of 200 μm was evaluated using a vibron manufactured by Orientec.
(5) Tensile strength
The tensile strength of a film having a length of 40 mm, a width of 10 mm and a thickness of 200 μm was evaluated using an AIKOH tensile tester (model 1356). For Examples 29 to 34 and Comparative Examples 10 to 12, an autograph (AG-5000, manufactured by Shimadzu Corporation), an ASTM dumbbell test piece having a thickness of 3.2 mm, a distance between chucks of 115 mm, and a test speed were used. A tensile test was performed at 20 mm / min, and the tensile modulus (TM) and elongation at break (%) were measured.
(6) Deflection temperature under load
According to ASTM D648, the deflection temperature under load was measured by the following method.
The sample was molded into a 3.2 mm thick x 127 mm long x 12.7 mm wide ASTM tank test piece. Using the obtained molded piece, the heat deformation temperature under a load of 1.82 MPa was measured.
(7) Impact resistance
The sample was molded into a 3.2 mm thick molded piece according to ASTM D256. The notched Izod impact strength (kg · cm / cm) was measured using the obtained molded piece.
[0144]
Example 1
After drying at 150 ° C. for 4 hours, 95% by weight of poly 2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37,100 and Mw / Mn of 2.06, and octaisobutyloctasilsesquioxane (the above general formula) In the formula (4), 5% by weight of R = isobutyl group) was premixed and melt-kneaded in a Labo Plastomill (manufactured by Toyo Seiki) set at 300 ° C. for 10 minutes. The obtained resin composition was subjected to a hot press at 300 ° C. and a maximum of 100 kg for 10 minutes and a cooling press at 90 ° C. and a maximum of 100 kg for 2 minutes to obtain a 200 μm plate-like molded product.
[0145]
The obtained molded product1H and29When analyzed by SiNMR, a peak specific to octaisobutyloctasilsesquioxane (1H: 1.87 ppm, 0.96 ppm, 0.62 ppm,29Si: -64 ppm), and it was confirmed that octaisobutyloctasilsesquioxane was not decomposed by heating. X-ray fluorescence (XRF) confirmed that octaisobutyloctasilsesquioxane was contained in the same amount as the charged amount.
Table 1 shows the evaluation results of the resin compositions.
[0146]
Examples 2, 3 and Comparative Example 1
In Examples 2 and 3, a resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the kind or amount of the cage-like silsesquioxane compound was changed. Table 2 shows the structure of the compound. For Comparative Example 1, a single polyphenylene ether resin composition was evaluated without using a cage silicon compound. Table 1 shows the evaluation results.
[0147]
[Table 1]
[0148]
[Table 2]
Table 1 shows that the polyphenylene ether-based resin composition to which the cage-like silsesquioxane compound is added significantly improves the melt fluidity without substantially reducing heat resistance and tensile strength.
[0149]
Example 4
Furthermore, the method of producing the composition, the method of preparing the test piece, and the type and amount of the cage-like silsesquioxane or its partially cleaved structure were changed.
95% by weight of poly2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37100 and Mw / Mn of 2.06 after drying at 150 ° C. for 4 hours, heptaisobutyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (In the above general formula (8), R = isobutyl group, X = hydroxyl group) After premixing 5% by weight, a twin screw extruder set at 280 ° C. (Technobel Corp., ZSW-15) And melt-kneaded to obtain a polyphenylene ether-based resin composition. Using an injection molding machine (FANUCFAS-15A) set at a mold temperature of 90 ° C., the obtained resin composition pellets were set at a cylinder temperature of 290/290/290/290 ° C., and in all cases, an injection speed of 50 mm / Molding was performed in seconds. Table 3 shows the evaluation results of the obtained compositions.
[0150]
Examples 5 to 11
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 4, except that the type and the amount of the cage-like silsesquioxane or the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure were changed. Table 3 shows the results, and Table 4 shows the structure.
[0151]
Example 12
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 21 parts by weight of heptaisobutyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (in the above general formula (8), R = iBu, X = OH) were mixed with 20 parts by weight of THF and ethanol. A solution in which 100 parts by weight of 3-aminopropyldiethoxymethylsilane was dissolved in 20 parts by weight of ethanol was added dropwise to carry out a hydrolysis reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was heated to 60 ° C. and stirred for 6 hours, and then THF and ethanol as solvents were distilled off to obtain a desired product (compound J). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.09 ppm, 0.55 ppm, 0.95 ppm, 1.48 ppm, 1.84 ppm, 2.65 ppm,29Si: -18.23 ppm, -58.59 ppm, -66.08 ppm, -67.53 ppm, -67.99 ppm). Further, the obtained partially-cleaved cage-like silsesquioxane structure was mixed with NBA and glycerol, and FAB-MS (Positive) was measured. M / z = 891 [M + H]+was gotten. A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 4 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 3 shows the evaluation results.
[0152]
Example 13
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 21 parts by weight of heptaisobutyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (in the above general formula (8), R = iBu, X = OH) were mixed with 20 parts by weight of THF and ethanol. A solution obtained by dissolving 6 parts by weight of 2-ethyl (3-aminopropyl) dimethoxymethylsilane dissolved in 100 parts by weight of ethanol and 20 parts by weight of ethanol was added dropwise to carry out a hydrolysis reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was heated to 60 ° C. and stirred for 6 hours, and then THF and ethanol as solvents were distilled off to obtain a desired product (compound K). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.07 ppm, 0.58 ppm, 0.94 ppm, 1.56 ppm, 1.84 ppm, 2.63 ppm, 2.82 ppm,29Si: -19.93 ppm, -59.30 ppm, -66.31 ppm, -67.10 ppm, -67.89 ppm). Further, the obtained partially cleaved cage-like silsesquioxane structure was mixed with NBA and glycerol, and FAB-MS (Positive) was measured. M / z = 934 [M + H]+was gotten.
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 4 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 3 shows the evaluation results.
[0153]
Example 14
Evaluation was performed using Compound A and Melem as additives.
95% by weight of poly2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37,100 and Mw / Mn of 2.06 after drying at 150 ° C. for 4 hours, octaisobutyl-octasilsesquioxane (compound A) ) 2.5% by weight and 2.5% by weight of melem were premixed, and then charged into a twin screw extruder (Technobel, ZSW-15) set at 280 ° C, melt-kneaded, and mixed with polyphenylene ether-based resin. A composition was obtained. The obtained resin composition pellets were set at a cylinder temperature of 290/290/290/290 ° C. using an injection molding machine (FANUC @ FAS-15A) set at a mold temperature of 90 ° C., and the injection speed was 50 mm in each case. / Sec. Table 3 shows the evaluation results of the obtained compositions.
[0154]
Comparative Example 2
A single polyphenylene ether-based resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 4, except that the cage silicon compound was not used. Table 3 shows the results.
[0155]
Comparative Example 3
100 parts of methyltriethoxysilane and 80 parts of toluene were added to a glass container, and 50 parts of a 1% by weight aqueous hydrochloric acid solution was gradually added with stirring to carry out a silane hydrolysis reaction. After the addition was completed, the organic phase was separated, and the organic phase was taken out and washed with water. Then, toluene as a solvent was distilled off to obtain polymethylsilsesquioxane containing a silanol group. The molecular weight of the obtained polymethylsilsesquioxane was about 5000 (GPC measurement, polystyrene conversion), and the silanol group was about 5 mol% (NMR spectrum). A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 4 except for the silicon compound. Table 3 shows the results.
[0156]
[Table 3]
In Table 3, the upper values in the two columns indicate the evaluation values described in the upper column in the evaluation items, and the lower values indicate the evaluation values described in the lower column in the evaluation items. The same applies to the following tables.
[0157]
[Table 4]
[0158]
As shown in Table 3, the cage-like silsesquioxane and / or the partially-cleaved cage-like silsesquioxane has a group containing an unsaturated bond, a hydrocarbon bond, or at least one of a nitrogen atom and an oxygen atom. It can be seen that a system to which a group having a polar group and a cyclic nitrogen compound are added has less mold deposit and is more preferable in terms of moldability and flame retardancy.
[0159]
Example 15
95 g of poly 2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37,100 and Mw / Mn of 2.06 after drying at 150 ° C. for 4 hours, heptaisobutyl-3-aminopropyl-octasilsesquioxane After 5 g of [Compound E] was premixed, it was charged into a Labo Plastomill (manufactured by Toyo Seiki) set at 260 ° C. and melt-kneaded at 80 rpm for 10 minutes to obtain a polyphenylene ether-based resin composition. The mass of the obtained resin composition was subjected to press molding at 260 ° C. using a 1.5 mm-thick mold. Table 5 shows the evaluation results of the obtained compositions.
[0160]
Examples 16 and 17
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the type of the cage-like silsesquioxane was changed. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0161]
Example 18
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 21 parts by weight of heptaisobutyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (compound C) was dissolved in 20 parts by weight of THF and 100 parts by weight of ethanol, and 3-aminopropyldiethoxy was added. A solution obtained by dissolving 12 parts by weight of methylsilane in 20 parts by weight of ethanol was added dropwise to carry out a hydrolysis reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was heated to 60 ° C. and stirred for 6 hours, and then THF and ethanol as solvents were distilled off to obtain a desired product (compound L). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.10 ppm, 0.58 ppm, 0.94 ppm, 1.46 ppm, 1.64 ppm, 1.80 ppm, 2.64 ppm, 3.48 ppm,29Si: 10.98 ppm, -18.06 ppm, -66.00 ppm, -67.03 ppm, -67.91 ppm). Further, the obtained partially-cleaved cage-like silsesquioxane structure was mixed with NBA and glycerol, and FAB-MS (Positive) was measured. M / z = 1099 [M + H]+was gotten.
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0162]
Example 19
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 21 parts by weight of heptaisooctyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (in the above general formula (8), R = iOct, X = OH) were mixed with 20 parts by weight of THF. A solution obtained by dissolving in 100 parts by weight of ethanol and dissolving 6 parts by weight of 2-ethyl (3-aminopropyl) dimethoxymethylsilane in 20 parts by weight of ethanol was added dropwise to carry out a hydrolysis reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was heated to 60 ° C. and stirred for 6 hours, and then THF and ethanol as solvents were distilled off to obtain a desired product (compound M). The obtained cage-like silsesquioxane is1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.58 ppm, 0.77 ppm, 0.89 ppm, 1.00 ppm, 1.14 ppm, 1.30 ppm, 1.80 ppm, 2.02 ppm, 2.66 ppm, 2.80 ppm,29Si: -67.25 ppm, -67.43 ppm, -67.56 ppm). Further, the obtained cage silsesquioxane was mixed with NBA and glycerol, FAB-MS (Positive) was measured, and m / z = 1131 [M + H].+was gotten.
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage silsesquioxane. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0163]
Example 20
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the type of the cage-like silsesquioxane was changed (Compound N). Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0164]
Example 21
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 20 parts by weight of heptaisobutyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (Compound C) was dissolved in 70 parts by weight of THF, and 8 parts by weight of triethylamine was added. The reaction was carried out by dropping 17 parts by weight of diphenylmethylchlorosilane. After completion of the dropwise addition, the mixture was stirred for 6 hours, and the precipitated salt was filtered with a filter. Then, THF as a solvent was distilled off to obtain a desired product (compound O). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.41 ppm, 0.48 ppm, 0.87 ppm, 0.94 ppm, 1.84 ppm, 7.28 ppm, 7.49 ppm,29Si: 10.98 ppm, 10.43 ppm, -66.36 ppm).
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0165]
Example 22
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 10 parts by weight of heptaphenyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (in the general formula (8), R = Ph, X = OH) were mixed with 40 parts by weight of THF and ethanol. After dissolving in 40 parts by weight and adding 1 part by weight of triethylamine, a solution obtained by dissolving 2 parts by weight of isobutyltrimethoxylane in 20 parts by weight of ethanol was added dropwise to carry out a hydrolysis reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was stirred for 6 hours, and then THF and ethanol as solvents were distilled off to obtain a desired product (compound P). The obtained cage-like silsesquioxane is1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.58 ppm, 0.89 ppm, 1.80 ppm, 7.32 ppm,29Si: -70.14 ppm, -75.82 ppm, -78.01 ppm).
[0166]
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage silsesquioxane. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0167]
Example 23
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 10 parts by weight of heptaphenyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (R = Ph, X = OH in the general formula (8)) is dissolved in 70 parts by weight of THF. Then, 4 parts by weight of triethylamine was added. The reaction was carried out by dropping 3.5 parts by weight of trimethylchlorosilane. After completion of the dropwise addition, the mixture was stirred for 6 hours, and the precipitated salt was filtered with a filter. Then, THF as a solvent was distilled off to obtain a desired product (compound Q). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: -0.26 ppm, 6.86 ppm, 7.24 ppm,29Si: 11.71 ppm, -77.19 ppm).
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0168]
Example 24
In a three-necked glass flask equipped with a reflux condenser and a dropping funnel, 10 parts by weight of heptaphenyl-heptasilsesquioxane-trisilanol (R = Ph, X = OH in the general formula (8)) is dissolved in 70 parts by weight of THF. Then, 4 parts by weight of triethylamine was added. 5.5 parts by weight of dimethylphenylchlorosilane was added dropwise to carry out the reaction. After completion of the dropwise addition, the mixture was stirred for 6 hours, and the precipitated salt was filtered with a filter. Then, THF as a solvent was distilled off to obtain a desired product (compound RU). The obtained cage-like silsesquioxane partially cleaved structure1H and29When analyzed by SiNMR, a unique peak (1H: 0.04 ppm, 6.80 ppm, 7.05 ppm,29Si: 0.93 ppm, -78.22 ppm).
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure. Table 5 shows the evaluation results and Table 6 shows the structure.
[0169]
Comparative Example 4
A single polyphenylene ether-based resin was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except that cage-like silsesquioxane was not used. Table 5 shows the evaluation results.
[0170]
Comparative Example 5
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that dimethylsiloxane (Shin-Etsu Chemical KF-96, 20cst) was used instead of the cage-like silsesquioxane. Table 5 shows the evaluation results.
[0171]
Comparative Example 6
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that aminomethyl silicone (Shin-Etsu Chemical KF-858) was used instead of the cage-like silsesquioxane. Table 5 shows the evaluation results.
[0172]
Comparative Example 7
100 parts of phenyltrichlorosilane and 80 parts of toluene were added to a glass container, and 50 parts of a 1% by weight hydrochloric acid aqueous solution was gradually added with stirring to carry out a silane hydrolysis reaction. After the completion of the addition, the organic phase was separated, taken out and washed with water. Then, toluene as a solvent was distilled off to obtain polyphenylsilsesquioxane containing a silanol group. The obtained polymethylsilsesquioxane had a molecular weight of about 2,000 (GPC measurement, in terms of polystyrene) and a silanol group of about 10 mol% (NMR spectrum). A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 15 except for the silicon compound. Table 5 shows the evaluation results.
[0173]
[Table 5]
[0174]
[Table 6]
Table 5 shows that the moldability of the cage silsesquioxane and / or the partially-cleaved cage silsesquioxane is improved as compared with silicone oil. A group having a polar group containing a nitrogen atom and / or an oxygen atom at R, X, Y and Z of the cage-like silsesquioxane and / or the partially-cleaved cage-like silsesquioxane structure; It can be seen that when the proportion of hydrogen groups is within 93%, moldability and flame retardancy are excellent.
[0175]
Example 25
90 parts by weight of poly2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37100 and Mw / Mn of 2.06 dried at 150 ° C. for 4 hours, 10 parts by weight of polystyrene (GPPS685, manufactured by Asahi Kasei Corporation), After premixing 10 parts by weight of octaisobutyloctasilsesquioxane [compound A], the mixture was charged into a twin screw extruder (Technobel Corp., ZSW-15) set at 270 ° C., melt-kneaded, and mixed with a polyphenylene ether-based resin. A composition was obtained. The obtained resin composition pellets were set at a cylinder temperature of 290/290/290/290 ° C. using an injection molding machine (FANUC @ FAS-15A) set at a mold temperature of 90 ° C., and the injection speed was 50 mm in each case. / Sec. Table 7 shows the evaluation results of the obtained compositions.
[0176]
Examples 26 to 28
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 25, except that the type and amount of the cage silsesquioxane or the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure were changed. Table 7 shows the results, and Table 8 shows the structure.
[0177]
Comparative Example 8
A single polyphenylene ether-based resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 25 except that the cage silicon compound was not used. Table 7 shows the results.
[0178]
Comparative Example 9
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 25 except that the amorphous polymethylsilsesquioxane obtained in Comparative Example 3 was used. Table 7 shows the results.
[0179]
[Table 7]
[0180]
[Table 8]
Table 7 shows that also in the case of the polyphenylene ether-styrene polymer alloy, the cage-like silsesquioxane and / or the cage-like silsesquioxane partially-cleaved structure is excellent in moldability and flame retardancy.
[0181]
Example 29
Furthermore, the method of producing the composition, the method of preparing the test piece, and the type and amount of the cage-like silsesquioxane or its partially cleaved structure were changed.
95% by weight of poly 2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether having a molecular weight (Mw) of 37100 and Mw / Mn of 2.06 after drying at 150 ° C. for 4 hours, and 5% by weight of octaisobutyl-octasilsesquioxane Was premixed, then charged into a twin-screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P) having a cylinder set temperature of 310 ° C. and melt-kneaded to obtain a polyphenylene ether-based resin composition. The pellets of the obtained resin composition were injected using an injection molding machine (IS80-EPN manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd.) set at a mold temperature of 90 ° C., and the cylinder temperature was set at 320/330/310/280 ° C. Molding was performed at a speed of 85%. Table 9 shows the evaluation results of the obtained compositions.
[0182]
Examples 30 to 34
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 29, except that the kind and amount of the cage-like silsesquioxane or the cage-like silsesquioxane partial cleavage structure were changed. Table 9 shows the results, and Table 10 shows the structure.
[0183]
Comparative Example 10
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 29 except that the cage silsesquioxane compound was not used. Table 9 shows the evaluation results.
[0184]
Comparative Example 11
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 29 except that the amorphous polymethylsilsesquioxane obtained in Comparative Example 3 was used. Table 9 shows the results.
[0185]
Comparative Example 12
A resin composition was obtained and evaluated in the same manner as in Example 29 except that dimethylsiloxane (KF-96) was used instead of the cage-like silsesquioxane. Table 9 shows the results.
[0186]
[Table 9]
[0187]
[Table 10]
As is clear from Tables 1 to 10, the polyphenylene ether-based resin composition of the present invention to which the specific cage silsesquioxane or the cage silsesquioxane partially-cleaved structure is added has excellent flame retardancy. I understand that there is.
[0188]
Although the present invention has been described in detail and with reference to specific embodiments, it will be apparent to those skilled in the art that various changes and modifications can be made without departing from the spirit and scope of the invention.
[0189]
【The invention's effect】
The polyphenylene ether-based resin composition of the present invention is excellent in environmental compatibility, moldability, flame retardancy, heat resistance and mechanical properties.
Claims (13)
[RSiO3/2]n (A)
(RSiO3/2)l(RXSiO)k (B)
MIR=(MI−MI0)/MI0 (C)
(一般式(A)、(B)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、アリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換又は非置換の炭化水素基、又はケイ素原子数1〜10のケイ素原子含有基から選ばれ、複数のRは同一でも異なっていても良い;一般式(B)においてXはOR1(R1は水素原子、アルキル基、アリール基、又は第4級アンモニウムラジカル)、ハロゲン原子及び上記Rで定義された基の中から選ばれる基であり、複数のXは同じでも異なっていても良く、又(RXSiO)k中の複数のXが互いに連結して連結構造を形成していても良い;nは6〜14の整数、lは2〜12の整数、kは2又は3である。また式(C)中のMIはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のメルトインデックス(g/10min)であり、MI0は上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のメルトインデックス(g/10min)である。)Including a cage silsesquioxane represented by the following general formula (A) and / or a partially-cleaved cage silsesquioxane represented by the general formula (B), (glass transition point +20) ° C. Using a melt index measured at an arbitrary temperature selected from a temperature range of from (glass transition point +100) ° C., the value of the melt index increase rate (MIR) defined by the following equation (C) is set to a lower limit of 0.1. 3. A polyphenylene ether-based resin composition having an upper limit of 50.0.
[RSiO 3/2 ] n (A)
(RSiO 3/2 ) 1 (RXSiO) k (B)
MIR = (MI−MI 0 ) / MI 0 (C)
(In the general formulas (A) and (B), R represents a hydrogen atom, an alkoxyl group having 1 to 6 carbon atoms, an aryloxy group, a substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a silicon atom. In the general formula (B), X is OR 1 (R 1 is a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a group represented by the general formula (B). A quaternary ammonium radical), a halogen atom and a group selected from the groups defined by R above, a plurality of Xs may be the same or different, and a plurality of Xs in (RXSiO) k are linked to each other N is an integer of 6 to 14, l is an integer of 2 to 12, and k is 2 or 3. MI in the formula (C) is a polyphenylene ether-based resin composition Melt index (g / 1 0 min), and MI 0 is a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a cage silsesquioxane represented by the general formula (B) from the polyphenylene ether-based resin composition. Is the melt index (g / 10 min) of the composition having the composition excluding the partially cleaved structure of (1).)
FTR=(FT0−FT)/FT0 (D)
(数式(D)中のFTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間であり、FT0は、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物のUL−94燃焼試験における平均燃焼時間である。)It contains a cage silsesquioxane represented by the general formula (A) and / or a partially-cleaved cage silsesquioxane represented by the general formula (B), and has an average combustion in a UL-94 combustion test. A polyphenylene ether-based resin, wherein a value of an average burning time reduction rate (FTR) defined by the following formula (D) using time is within a range of a lower limit value of 0.2 and an upper limit value of 0.98. Composition.
FTR = (FT 0 −FT) / FT 0 (D)
(FT in formula (D) is an average burning time of UL-94 burning test of the polyphenylene ether-based resin composition, FT 0 is represented by the general formula (A) from the polyphenylene ether-based resin composition It is an average burning time in a UL-94 burning test of a composition having a composition excluding a partially-cleaved cage silsesquioxane and / or a cage silsesquioxane represented by the general formula (B). )
ΔHDT=(HDT−HDT0) (E)
(数式(E)中のHDTは、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の荷重たわみ温度(℃)であり、HDT0は、当該上記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物から一般式(A)で表される籠状シルセスキオキサン及び/又は、一般式(B)で表される籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体を除いた組成の組成物の荷重たわみ温度(℃)である。)The value of the melt index rise rate (MIR) defined by the mathematical formula (C) is in the range of the lower limit value 0.3 and the upper limit value 50.0, and the load deflection reduction temperature ( (DELTA) HDT) is 30 degrees C or less, The polyphenylene ether type resin composition of Claim 1 characterized by the above-mentioned.
ΔHDT = (HDT−HDT 0 ) (E)
(HDT in the mathematical formula (E) is a deflection temperature under load (° C.) of the polyphenylene ether-based resin composition, and HDT 0 is a cage-like shape represented by the general formula (A) from the polyphenylene ether-based resin composition. It is the deflection temperature under load (° C.) of the composition excluding the partially cleaved structure of silsesquioxane and / or cage silsesquioxane represented by the general formula (B).)
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