JP2004051745A - System of gasifying biomass - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機質固形物であるバイオマスから可燃ガスを製造するガス化方法およびガス化装置などのガス化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機質固形物であるバイオマスの発生量は年々増加しており、下水汚泥を例にすると、その発生量は1997年度で約35000万m3に達している。これらは脱水・焼却などの処理が行われた後、最終的に約240万トンが埋立てなどで処分されている。この焼却処理には、多段炉や流動床炉を用いた燃焼処理によって行われている。
【0003】
このような燃焼処理では、燃焼ガスから熱エネルギーの回収が行われているが、図2に示すように、流動床炉11の燃焼ガスは熱交換器12によって燃焼処理用空気aの予熱に利用したり、煙突の白煙防止に利用するほか、事例は多くないが、廃熱ボイラ13で得た蒸気によって蒸気タービン14を駆動し発電機15を運転するなどして、発電に利用する場合もあった。
【0004】
ところがこのような蒸気タービン方式の発電設備は、小規模な場合には廃熱ボイラや蒸気タービンの特性上、熱損失が大きくなり効率が著しく低下する傾向があることから、下水処理施設では普及しないという事情があった。また、下水処理施設では前記の通り焼却処理が広く利用されているものの、多くは将来の環境規制強化や老朽化による設備更新に対応するため、高効率かつ環境負荷の少ない設備が要望されており、特に下水汚泥は廃棄物の中でも発生量が多いことから、下水汚泥からエネルギーを回収する技術の開発が特に期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、有機質固形物であるバイオマスの焼却処理の過程からエネルギーを可燃ガスの形態で回収できるガス化方法およびガス化装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、本願第1発明である、バイオマスを循環流動加熱炉において空気比0.3〜0.7で熱分解し、得た熱分解ガスからチャーを回収した後、その熱分解ガスをガス改質炉において、前記循環流動加熱炉の熱分解温度より高い温度で酸素と反応、改質させ可燃ガスを製造することを特徴とするバイオマスのガス化方法によって、解決することができ、本発明は、前記循環流動加熱炉の熱分解温度を450℃超え、850℃未満の範囲に設定し、前記ガス改質炉の反応温度を1000℃以上、1200℃未満の範囲に設定した形態に好ましく具体化される。
【0007】
また、上記の問題は、本願第2発明であるところの、前記第1発明を実施するためのガス化装置であって、バイオマスを熱分解する循環流動加熱炉と、その循環流動加熱炉から得た熱分解ガスを改質し可燃ガスを得る縦型円筒形状のガス改質炉とを具備したことを特徴とするバイオマスのガス化装置によって、解決することができ、さらに本発明は、循環流動加熱炉から得た熱分解ガスからチャーを回収して循環流動加熱炉へ返送するチャー回収サイクロンを前記ガス改質炉の下側に連結するとともに、そのチャー回収サイクロンに温度低下防止手段を設けた形態に具体化される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のバイオマスのガス化システムに係る実施形態とその作用効果について、構成図である図1を参照しながら、ガス化装置(第2発明)、ガス化方法(第1発明)の順に説明する。
本発明のガス化装置は、バイオマスを熱分解する循環流動加熱炉2と、その循環流動加熱炉2から得た熱分解ガスdを改質し可燃ガスeを得る縦型円筒形状のガス改質炉3とを主要な装置としている点に特徴がある。
【0009】
この循環流動加熱炉2は、原料ホッパ24を経由して原料であるバイオマス、例えば下水汚泥b(脱水または乾燥汚泥)を受け入れ、加熱し、熱分解するライザー部21、熱分解ガスdと珪砂など流動媒体を分離する高温サイクロン部22、および分離された流動媒体をライザー部21に返送するダウンカマー23などのいずれも横幅より縦長形状の装置をその要部として構成されている。
【0010】
この循環流動加熱炉2では、ライザー部21において、空気または酸素を供給しつつ高速拡散による下水汚泥bを、空気比0.3〜0.7の条件下で後記改質炉の温度より低い熱分解温度、好ましくは450℃超え、850℃未満の温度範囲に設定し、大気圧下、好ましくは0.3〜2.5MPaの加圧下で、熱分解して熱分解ガスdを得る。この目的のため、供給される熱分解用空気a(または酸素)を、改質炉3の後段に設けられた予熱装置4によって300〜600℃の温度に予熱するのが効果的である。
【0011】
本発明の縦型の循環流動加熱炉2は、従来の横型のロータリ炉に比較して設置面積は1/2以下となり、また従来の完全燃焼タイプの循環流動加熱炉と比較しても発生ガス量が少なくなるので、設置面積は1/2〜1/3になりよりコンパクト化される。さらに、加圧下で運転すれば実ガス容積が少なくなるのでさらにコンパクト化が可能となる利点が得られる。
【0012】
また、本発明の循環流動加熱炉2で得られる熱分解ガスdは、可燃性ガス成分(炭化水素、一酸化炭素、水素の他、不燃性の窒素、炭酸ガスを含む)、タール成分(重質油分)、チャー(未燃カーボン粒子、無機粒子)からなるが、本発明での前記した熱分解温度は、従来行われている熱分解温度より低温に設定しているので、可燃分が比較的多く得られる利点がある。
【0013】
なお、本発明では下水汚泥を例に説明しているが、これに限定されずいわゆるバイオマス全体に適用可能である。ここでバイオマスとは、下水汚泥、パルプスラッジなど産業廃棄物や家庭ごみ、し尿などの生活廃棄物、農産物の廃材、家畜類の糞尿、あるいは間伐材、材木端材など有機質固体物質を総称する意味で用いている。
【0014】
次に、本発明の改質炉3は、前記循環流動加熱炉2から送給される熱分解ガスdからチャーを分離、回収して循環流動加熱炉2へ返送するチャー回収サイクロン部32と、チャーを分離した熱分解ガス(タール分を含む)を酸素cで改質し可燃ガスeを生成する縦型円筒形状のガス改質炉31を要部として構成されている。
【0015】
本発明では、高温度の熱分解ガスdを実質的に冷却することなくチャー回収サイクロン部32でチャーを分離し、ガス改質炉31に送給して、酸素の存在下で前記循環流動加熱炉2の熱分解温度より高い温度、好ましくは、反応温度を1000℃以上、1200℃未満の範囲に設定して改質する点に特徴がある。
【0016】
かくして、熱分解ガスdと一緒に排出されるタール分がチャー回収サイクロン部32内で捕捉され固着するのを防止でき、かつガス改質炉31における比較的高温、高速(例えば、滞留時間:2〜4秒)の改質反応によって、熱分解ガスd中のタール分が炭化水素、一酸化炭素あるいは水素に熱分解するとともに、同時に送給される熱分解ガスd中の可燃性ガス成分と併せて酸素との反応が進行して、水素と一酸化炭素を主可燃ガス分とする可燃ガスe(ガス成分=CO:25〜45%、H2:15〜35%、CH4:0〜2%、CO2:10〜15%、N2:5〜45%)を得ることができるのである。
【0017】
このような改質炉3として、前記ガス改質炉31の下部のガス入口に前記チャー回収サイクロン32のガス出口を近接させて連結するとともに、そのチャー回収サイクロン32を保温耐火物で構成する、あるいは加熱用ジャケットを付設して熱風加熱可能として、熱分解ガスdを実質的に冷却することなく導入し、分離操作できるようにした温度低下防止手段を設けるのが特に好ましい。
【0018】
以上詳細に説明した、前記循環流動加熱炉2および改質炉3で得られた可燃ガスeは、後段に設置された予熱装置4、ガスクーラー5、集塵機6、ガス精製装置7などを経て、精製可燃ガスfとして取り出されるのである。
【0019】
前記予熱装置4は、前述のように循環流動加熱炉2に供給される熱分解用空気a(酸素を使用する場合もある)を粗可燃ガスeの顕熱で300〜600℃に加熱する熱交換機であり、さらに次段に設けられたガスクーラー5は、予熱装置4を経た粗可燃ガスを200℃以下に急冷するものであり、このように急冷操作を行うことにより排気ガス中のダイオキシンの再合成を最小限に押さえることができるのである。
【0020】
冷却された可燃ガスは、次のバグフィルタなどを備えた集塵機6によって無機微粒子が飛灰gとして分離され、次いでガス精製装置7によってガス中の微量有害成分(硫化水素、シアン化水素、アンモニアなど)が廃水hとして除去され、精製可燃ガスfとして取り出される。かくして、精製可燃ガスfは、ガスエンジン、ガスタービン蒸気タービン複合発電、燃料電池、ボイラなどのガス発電装置や熱利用機器の燃料として提供される。また、メタノールやアンモニアなど化学原料の合成用原料として利用することもできるのである。
【0021】
【発明の効果】
本発明のバイオマスのガス化システムは、以上説明したように構成されているので、縦型の循環流動加熱炉および改質炉を要部とするガス化装置をよりコンパクト化された形態で設置面積が少なく設置できるうえ、有機質固形物であるバイオマス、特に下水汚泥の未利用エネルギーを可燃ガスの形態で効果的に回収でき、ガスエンジンなど高効率発電に利用できるので環境負荷低減に寄与できるという優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消したバイオマスのガス化方法およびそのガス化装置として、実用的価値はきわめて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可燃ガス製造設備を示す要部構成図。
【図2】従来の蒸気タービン発電装置の要部構成図。
【符号の説明】
2 循環流動加熱炉、21 ライザー部、22 高温サイクロン部、23 ダウンカマー、24 原料ホッパ、3 ガス改質炉、31 ガス改質炉、32 チャー回収サイクロン部、4 予熱装置、5 ガスクーラー、6 集塵機、7 ガス精製装置、a 空気、b 下水汚泥、c 酸素、d 熱分解ガス、e 可燃ガス、f 精製可燃ガス、g 飛灰、h 廃水。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a gasification method for producing combustible gas from biomass, which is an organic solid matter, and a gasification system such as a gasification apparatus.
[0002]
[Prior art]
Generation amount of biomass is organic solids is increasing year by year, when sewage sludge as an example, the generation amount has reached about 350 million m 3 in 1997. After these are dewatered and incinerated, about 2.4 million tons are finally disposed of by landfill. This incineration process is performed by a combustion process using a multistage furnace or a fluidized-bed furnace.
[0003]
In such a combustion process, heat energy is recovered from the combustion gas. However, as shown in FIG. 2, the combustion gas in the fluidized
[0004]
However, such power generation equipment of the steam turbine type is not widely used in sewage treatment facilities because the heat loss tends to increase and the efficiency tends to decrease significantly due to the characteristics of waste heat boilers and steam turbines when the scale is small. There was a situation. In addition, although incineration is widely used in sewage treatment facilities as described above, many facilities are required to have high efficiency and low environmental impact in order to respond to future environmental regulations and equipment replacement due to aging. In particular, since sewage sludge generates a large amount of waste, development of technology for recovering energy from sewage sludge is particularly expected.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above problems, and provides a gasification method and a gasification apparatus capable of recovering energy in the form of combustible gas from the process of incinerating biomass, which is an organic solid substance. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above problem is the first invention of the present application, in which biomass is thermally decomposed in a circulating fluidized heating furnace at an air ratio of 0.3 to 0.7, and char is recovered from the obtained pyrolysis gas. In the gas reforming furnace, the problem can be solved by a biomass gasification method characterized by reacting with oxygen and reforming at a temperature higher than the thermal decomposition temperature of the circulating fluidized heating furnace to produce a combustible gas. The present invention is preferable in a mode in which the thermal decomposition temperature of the circulating fluidized heating furnace is set to a range of more than 450 ° C and less than 850 ° C, and the reaction temperature of the gas reforming furnace is set to a range of 1000 ° C or more and less than 1200 ° C. Be embodied.
[0007]
Further, the above problem is a gasification apparatus for carrying out the first invention, which is the second invention of the present application, wherein the gasification apparatus is obtained from a circulating fluidized heating furnace for pyrolyzing biomass and the circulating fluidized heating furnace. And a vertical cylindrical gas reforming furnace for reforming the pyrolysis gas to obtain a combustible gas, which can be solved by a biomass gasifier. The char recovery cyclone for recovering the char from the pyrolysis gas obtained from the heating furnace and returning it to the circulating fluidized heating furnace was connected to the lower side of the gas reforming furnace, and the char recovery cyclone was provided with a means for preventing temperature decrease. It is embodied in a form.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, an embodiment of the biomass gasification system of the present invention and its operation and effects will be described with reference to FIG. 1 which is a configuration diagram of a gasification apparatus (second invention) and a gasification method (first invention). It will be described in order.
The gasifier according to the present invention comprises a circulating fluidized heating furnace 2 for thermally decomposing biomass, and a vertical cylindrical gas reformer for reforming a pyrolysis gas d obtained from the circulating fluidized heating furnace 2 to obtain a combustible gas e. It is characterized in that the furnace 3 is used as a main device.
[0009]
The circulating fluidized heating furnace 2 receives a biomass as a raw material, for example, sewage sludge b (dewatered or dried sludge) via a
[0010]
In the circulating fluidized-bed heating furnace 2, the sewage sludge b produced by the high-speed diffusion is supplied to the
[0011]
The vertical circulating fluidized-bed heating furnace 2 of the present invention has an installation area of 1 / or less as compared with the conventional horizontal rotary furnace. Since the volume is reduced, the installation area is reduced to 1/2 to 1/3, and the size is further reduced. Further, when the operation is performed under pressure, there is an advantage that the actual gas volume is reduced, so that the size can be further reduced.
[0012]
The pyrolysis gas d obtained in the circulating fluidized-bed heating furnace 2 of the present invention includes a combustible gas component (including nonflammable nitrogen and carbon dioxide gas in addition to hydrocarbons, carbon monoxide and hydrogen), and a tar component (heavy weight). Oil) and char (unburned carbon particles, inorganic particles). Since the above-mentioned pyrolysis temperature in the present invention is set lower than the conventionally performed pyrolysis temperature, the flammable components are compared. There are advantages that can be obtained.
[0013]
In the present invention, sewage sludge is described as an example, but the present invention is not limited to this, and is applicable to so-called whole biomass. Here, biomass is a general term for sewage sludge, industrial waste such as pulp sludge, household waste, household waste such as human waste, agricultural waste, livestock manure, or organic solid substances such as thinned wood and wood chips. Used in
[0014]
Next, the reforming furnace 3 of the present invention comprises a char
[0015]
In the present invention, the char is separated in the char
[0016]
Thus, the tar component discharged together with the pyrolysis gas d can be prevented from being captured and fixed in the char
[0017]
As such a reforming furnace 3, a gas outlet of the
[0018]
The combustible gas e obtained in the circulating fluidized heating furnace 2 and the reforming furnace 3 described in detail above passes through a
[0019]
The preheating
[0020]
In the cooled combustible gas, inorganic fine particles are separated as fly ash g by a
[0021]
【The invention's effect】
Since the biomass gasification system of the present invention is configured as described above, the installation area of the gasification apparatus having a vertical circulating fluidized heating furnace and a reforming furnace as a main part is reduced in a more compact form. In addition to being able to install less energy, biomass, which is an organic solid matter, in particular, the unused energy of sewage sludge can be effectively recovered in the form of combustible gas, and it can be used for high-efficiency power generation such as gas engines, contributing to reducing environmental impact. Has an effect. Therefore, the present invention has extremely high practical value as a biomass gasification method and a gasification apparatus which solve the conventional problems.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a main part configuration diagram showing a combustible gas production facility of the present invention.
FIG. 2 is a configuration diagram of a main part of a conventional steam turbine power generator.
[Explanation of symbols]
2 circulating fluidized heating furnace, 21 riser section, 22 high temperature cyclone section, 23 downcomer, 24 raw material hopper, 3 gas reforming furnace, 31 gas reforming furnace, 32 char recovery cyclone section, 4 preheating device, 5 gas cooler, 6 Dust collector, 7 gas purification equipment, a air, b sewage sludge, c oxygen, d pyrolysis gas, e flammable gas, f purified flammable gas, g fly ash, h wastewater.
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