JP2004048185A - 映像信号処理装置および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】限られたダイナミックレンジの中でコントラスト比の高いメリハリのある画像を表示可能な映像信号処理装置および画像表示装置を提供する。
【解決手段】入力される映像信号に所定の処理を施し、液晶表示素子25を駆動する駆動信号を生成する映像信号処理装置であって、全画面の輝度信号のうち、部分的な領域の輝度信号に含まれる所定の輝度値以下の低輝度成分を、他の領域の輝度信号とは独立に当該低輝度成分の最低値が黒基準レベルに一致するように伸長補正する黒伸長補正部32と、全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の最大輝度値が白基準レベルと一致するように当該領域の映像信号の輝度値を他の領域の映像信号とは独立に増幅補正するコントラスト増強補正部33とを有する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号処理装置および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、たとえば、家庭内で確保することができる設置スペース等を考慮して、より迫力のある映像を得るために、大型かつ薄型で構成されたテレビジョン受像機や背面投射型プロジェクタ装置等の画像表示装置が普及してきている。
これらのテレビジョン受像機や、背面投射型プロジェクタ装置は、技術進歩にともない、過去のものと比較してかなりの薄型化を実現してきているが、他方、従来のCRT(Cathode Ray Tube)の代わりに液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)のようなフラット・ディスプレイパネルを用いたものも増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のCRTのように、平均ビーム電流値で駆動電圧の制限を行う方式では、全領域が明るい輝度の場合には平均的な電流値(例えば約1.8mA)によりABL (Automatic Beam Limiter) と呼ばれるフィードバック制御が行われ、設定された一定の電流値になるように画面全体の駆動電圧が均一に絞り込まれている。
たとえば、画面の一部の領域のみが明るいような映像信号の場合には、ピーク電流制限値である約3.6mAまで達したとしても、画面全体での平均電流は1.8mA以下であり、上述の平均電流値によるリミッタ回路が動作しないので、この小領域での駆動電圧は殆ど絞り込まれずに、この部分の最大輝度は最大許容電流値(通常、平均ビーム電流値の約2倍)まで駆動可能になるので、CRTにおける画面の一部の領域の最大輝度は画面全体の最大輝度よりもかなり大きくすることができる。このため、CRTでは比較的コントラスト比の高い画像を表示することができる。
【0004】
液晶パネルの場合には、バックライトを高輝度化したり、PDPの場合にはPDPの放電電流を増加させたりすることにより、明るい画像を再現しようとはしている。しかしながら、液晶パネルにおいては、画面の一部の領域での白の最大輝度と大画面での白の最大輝度がほぼ同じであり、CRTと同等の駆動回路ではコントラスト比の高いメリハリの利いた画質を得ることが難しい。
また、PDPにおいても、各画素への電荷書き込み(プリチャージ)を行ってから実際の発光用の全画面でのリフレッシュ放電を行う。このとき、全画素での容量成分に対する損失も含めた放電電流和が均一になるように制御される。このため、前述の液晶ディスプレイのように画面上の少ない領域部分のみにおいて白ピーク輝度を大きくかつ高速に上げることは困難であり、液晶ディスプレイと同様に他の領域の輝度の低い部分がより暗く見えるという欠点がある。
また、CRTにおいても、平均的な電流値ではなく、輝度成分のピーク値によってABLが行われ、画面全体のコントラストが均一に抑え込まれてしまうと、それ以外の領域でのコントラスト成分が低下し、その部分においてはコントラスト比の低い、メリハリの少ない映像信号として表現されてしまう。
【0005】
また、映像信号の直流成分の伝送率が100%ではなく、たとえば、85%程度の伝送率を採用する映像信号処理回路では、画像全体の黒レベルに応じて、画像全体の輝度値を15%引き下げる処理を行うことが知られている。すなわち、画像内の0IREの信号を、より黒側に引き込み、カットオフ以下のレベルである−15IRE程度の黒潰れ信号にする処理を行う。
このような映像信号処理回路では、全体的に薄暗いシーンでは黒が少し浮いて、細部が黒潰れせずに見易くなるという特徴がある。しかしながら、逆に、表示画像において、たとえば、雪山の日陰部分などのように部分的に薄暗い、輝度の5IRE程度の領域があって、周囲の白レベルの影響により、その領域がより黒方向の−10IREに引き込まれた場合、薄暗い領域の中に存在する人物の顔や、着ている服装の模様が完全に黒方向に潰れてしまい、この部分が認識できなくなる。
同様に、部分的に黒の浮いた画像領域があった場合、他の領域の黒信号により画像全体の輝度値が一様に決まっているので、その浮いた画像部分のコントラスト比が改善されないという問題があった。
また、部分的に最大輝度が足りない部分については、他の領域の白ピークによりゲインが均一に抑えられてしまい、コントラストの不足した画像領域のままになってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、CRT、液晶パネル、PDP等の表示装置において、限られたダイナミックレンジの中でコントラスト比の高いメリハリのある画像を表示可能な映像信号処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像信号処理装置は、入力される映像信号に所定の処理を施し、画像表示装置を駆動する駆動信号を生成する映像信号処理装置であって、全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の輝度値の分布する範囲を、当該領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、他の領域の映像信号とは独立に拡張するように補正する補正手段を有する。
【0008】
好適には、前記領域は、全画面を縦横に分割した複数の領域からなり、前記補正手段は、前記映像信号に対する補正量を隣接する領域間で滑らかに補間し、全画面の映像信号に対する補正量を算出する。
【0009】
本発明の画像表示装置は、画像を表示する画像表示手段と、入力される映像信号に所定の処理を施し、前記画像表示手段を駆動する駆動信号を生成する映像信号処理手段とを有し、前記映像信号処理手段は、全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の輝度値の分布する範囲を、当該領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、他の領域の映像信号とは独立に拡張するように補正する補正手段を有する。
【0010】
本発明では、補正手段は、全画面の映像信号の輝度値の分布ではなく、部分的な領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、当該領域の映像信号の輝度値の分布する範囲を拡張する補正を行う。このため、この部分的な領域の画像は他の領域とは独立して画質の補正が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、画像表示装置1は、A/D変換器11と、信号復調部12と、倍速変換部13と、補正部30と、映像信号処理部14と、ホワイトバランス調整部15と、液晶コラムドライバ16と、LCDコントローラ18と、コモン電極反転駆動回路19と、液晶ロードライバ20と、操作部21と、制御部22と、電源23と、バックライト24と、液晶表示素子25とを有する。なお、補正部30は本発明の補正手段の一実施態様であり、液晶表示素子25は本発明の画像表示手段の一実施態様である。
【0012】
A/D変換器11には、標準ビデオ信号SVが入力され、これをディジタル信号に変換する。なお、A/D変換器11の前段には、図示しないが、たとえば、NTSC(National Television System Committee)方式のU/Vチューナ、BSチューナ等の放送受信回路やVTR等の外部機器によって再生された標準ビデオ信号からなる映像信号データV8を入力するための一または複数の入力端子が設けられる。
【0013】
信号復調部12は、映像信号データV8が入力され、この映像信号データV8から輝度信号Yおよび色差信号R−Y,B−Yを含む映像信号IMを復調し、これらの映像信号IMを倍速変換部13に出力する。
また、信号復調部12は、映像信号データV8から同期信号SYNを抽出し、これをLCDコントローラ18に供給する。
LCDコントローラ18では、各種駆動信号と映像信号との同期をとるように処理が行われる。
【0014】
倍速変換部3は、1フレーム分の映像信号(輝度信号、色差信号)を格納することができるフレームメモリを備えており、このフレームメモリにより動き成分検出を行う。そして、静止画領域ではその時点のフィールド及び1フィールド前の1水平期間の映像信号が書き込み時の倍の速度で2回連続して読み出される。また、動画領域ではその時点のフィールド情報の1水平期間の映像信号と、その上下の1水平期間の映像信号による内挿補間処理で生成された補間映像信号が倍速周期で読み出され、525ライン/60Hzのノンインターレース信号に変換される。
【0015】
補正部30は、倍速変換部13のフレームメモリに格納された輝度信号および色差信号からなる映像信号を読み出し、これらの映像信号に後述する黒伸長補正およびコントラスト増強補正を施して映像信号処理部14に出力する。なお、補正部30における具体的な処理内容については後述する。
【0016】
映像信号処理部14は、ユーザー調整である輝度、コントラスト、カラー、ヒュー調整等を補正部30からの映像信号に施したのち、逆マトリックス処理によりR色、G色、B色の各原色の映像データV’8としてホワイトバランス調整部15に出力する。
ホワイトバランス調整部15は、映像信号処理部14からの映像データV’8にホワイトバランス調整処理を施し、液晶コラムドライバ16に出力する。
【0017】
液晶コラムドライバ16は、一水平期間(たとえば、720画素)の映像データ、すなわち、720画素×3チャンネル(R色、G色、B色)分の画素の映像データV’8を順次ラッチした後、その画素毎の映像データV’8をD/A変換し、液晶表示素子25における液晶駆動用の透明電極(各R、G、B)に電圧を印加して表示画像を生成する。
【0018】
LCDコントローラは、信号復調部12から同期信号SYNを受けて、水平同期パルスHSYNをコモン電極反転駆動回路19に出力し、垂直同期パルスVSYNをロードライバ20に出力する。
コモン電極反転駆動回路19は、液晶表示装置25のコモン電極を水平同期パルスHSYNに基づいて反転駆動する。
液晶ロードライバ20は、垂直同期パルスVSYNに基づいて、液晶表示素子25が有する、たとえば、480ラインのロー電極を駆動する。
【0019】
操作部21は、輝度、コントラスト、カラー、ヒュー等の調整のための制御信号をユーザが操作するためのものである。入力された制御信号は制御部22に入力される。
制御部22は、操作部21から入力される各種の制御信号に基づいて、映像信号処理部14、ホワイトバランス調整部15等の調整制御を行う。
電源23は、画像表示装置1に必要な電力を供給する。
バックライト24は、液晶表示素子25の背面から照明光を当てる。
【0020】
図2は、上記した補正部30の機能ブロック図である。
図2に示すように、補正部30は、フレームメモリ31と、黒伸長補正部32と、コントラスト増強補正部33と、輝度分布検出回路34とを有する。
【0021】
フレームメモリ31は、倍速変換部13のフレームメモリから読み出された1フレーム分の輝度信号Yおよび色差信号R−Y,B−Yが格納される。
【0022】
輝度分布検出回路34は、フレームメモリ31に記憶された映像信号を、たとえば、SDTV規格である水平720×垂直480画素の映像信号とすると、フレームメモリ31に記憶された映像信号を参照し、図3に示すように、たとえば、16×16画素を1つの映像領域ブロックとして、水平方向に45領域、垂直方向に30領域に分割する。そして、各分割された領域の輝度値の分布を検出し、この輝度値の分布情報を黒伸長補正部32およびコントラスト増強補正部33に出力する。
【0023】
黒伸長補正部32は、輝度分布検出回路34によって検出された各分割された領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、フレームメモリ31に記憶された輝度信号Yに対して各領域毎に独立して後述する黒伸長補正を施し、輝度信号Y’としてコントラスト増強補正部33に出力する。
【0024】
コントラスト増強補正部33は、輝度分布検出回路34によって検出された各分割された領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、黒伸長補正が施された輝度信号Y’およびフレームメモリ31に記憶された色差信号R−Y,B−Yに各領域毎に独立して後述するコントラスト増強補正を施し、輝度信号Y’’、色差信号R−Y’,B−Y’として映像信号処理部14に出力する。
【0025】
ここで、補正部30における具体的な処理内容ついて説明する。
図4は、たとえば、水平方向でm番目、垂直方向でn番目の小領域ブロックにおいて、輝度分布検出回路34によって得られる輝度値の分布の一例を示すグラフである。すなわち、分割された小領域ブロックは16×16の画素を有しており、図4は、輝度値が最低値Bminである画素を0番とし、輝度値が最高値Bmaxである画素を255番として小領域ブロック内の輝度値Bをその大きさの順に並べたものである。
なお、小領域ブロックにおける輝度値Bの分布は、映像信号の内容に応じて決まり、常に図4に示すような分布になるとは限らない。
【0026】
図4において、0IREは黒基準レベルであり、100IREは白基準レベルである。
図4に示す映像信号の輝度値の分布では、黒レベルである最低値Bminが黒基準レベルである0IREに対していわゆる黒浮きしている。
黒伸長補正部32は、黒浮きした輝度値Bの分布を、たとえば、図5に示すように、輝度値Bの最低値Bminが黒基準レベルに一致するように黒伸長補正を行う。
【0027】
輝度値Bの分布のうち、黒伸長補正部32が黒伸長補正を行うのは、たとえば、40IRE以下の低輝度成分である。すなわち、最低値Bmin〜40IREの範囲にある輝度値Bを図5に示す点線のように黒基準レベル側に引き下げる。
また、最低値Bminは、0〜30IREの範囲にあるものとする。
【0028】
具体的には、黒伸長補正部32は、輝度信号Yの輝度値Bに対して次式(2−1)による黒伸長補正を行う。
なお、式(2−1)は、最低値Bminが、たとえば、15IRE以下の極低輝度レベルにある場合の黒伸長補正のための式である。B’は、黒伸長補正後の輝度値である。
【0029】
【数1】
Figure 2004048185
【0030】
一方、最低値Bminが、たとえば、15IRE以上の低輝度成分の中でも比較的高輝度の場合に、この最低値Bminを黒基準レベルに引き下げると、明るい部分を過度に引き下げることになる。画像の明るい部分の輝度を過度に引き下げると、不自然な画像になる。
これを防ぐために、最低値Bminが、たとえば、15〜 30IREの範囲にある場合には、次式(2−2)の黒伸長補正を行う。
【0031】
【数2】
Figure 2004048185
【0032】
なお、上記の(2−2)式では、最低値Bminは黒基準レベルまでは引き下げられず、黒基準レベルに対して浮いた状態となり、最低値Bminが過度に引き下げられることがない。
【0033】
コントラスト増強補正部33は、補正されていない輝度値Bおよび黒伸長補正部32によって黒伸長補正された輝度値B’について、さらに、図6に示すように、最大輝度値Bmaxが100IREである白基準レベルと一致するように、コントラスト増強補正を行う。
【0034】
すなわち、図4に示したように、輝度値Bの分布の最高輝度値Bmaxは、100IREの白基準レベルよりも低くい。このため、図6に示すように、最高輝度値Bmaxが白基準レベルに一致するように、輝度値Bおよび補正後の輝度値B’を増幅して、輝度値B’’とする。なお、輝度値を増幅しただけでは、画像の色相が不自然になるため、色差信号R−Y,B−Yについても同様に増幅する。
【0035】
具体的には、最高輝度値Bmaxが80IRE以上の場合には、40IRE以上の輝度値Bに対して次式(3−1)の演算を行う。
【0036】
【数3】
B’’=B×100/Bmax  (40≦B≦Bmax) …(3−1)
【0037】
黒伸長補正された40IRE未満の輝度値B’に対しては次式(3−2)の演算を行う。
【0038】
【数4】
B’’=B’×100/Bmax (B’<40) …(3−2)
【0039】
また、最高輝度値Bmaxが、たとえば、80IRE以下の場合に、最高輝度値Bmaxを100IREの白基準レベルに一致させる補正を行うと、画像が不自然となる可能性がある。このため、80IRE以下の場合には、輝度値Bおよび補正後の輝度値B’’に対して次式(3−3)あるいは(3−4)の演算を行う。
【0040】
【数5】
B’’=B×{1+(Bmax−60)/80} (40≦B)…(3−3)
【0041】
【数6】
B’’=B×{1+(Bmax−60)/80} (B’<40)…(3−4)
【0042】
なお、式(3−1)〜(3−4)は輝度信号に対する演算式であるが、色差信号R−Y,B−Yについては、100/Bmaxあるいは{1+(Bmax−60)/80}をゲインとして、これを色差信号R−Y,B−Yに掛け合わて増幅する。
【0043】
上記の黒伸長補正部32による黒伸長補正およびコントラスト増強補正部33によるコントラスト増強補正は、各分割領域毎に独立して行われる。
ところで、上述した黒伸長補正は、40/(40−Bmin))あるいは40/{40−(30−Bmin)})の値を補正量とすると、この補正量の値に応じて黒伸長の度合いが決まる。また、コントラスト増強補正は、100/Bmaxあるいは{1+(Bmax−60)/80}を補正量とすると、この補正量の値に応じてコントラスト増強の度合いが決まる。
【0044】
上記の補正量Zによって、各分割領域内の映像信号を黒伸長補正あるいはコントラスト増強補正した場合、隣接領域間で補正量Zが異なると、段差が生じ、不自然な画像となってしまう可能性がある。
この不具合を防ぐために、上記した黒伸長補正部32およびコントラスト増強補正部33では、隣接する領域間に輝度値の段差が生じないように、各分割領域の補正量Zを後述するベジェ補間とラグランジュ補間により滑らかに補間し、全て画素、すなわち、720×480の各画素に対する補正量を算出して上記した黒伸長補正およびコントラスト増強補正を行う。
【0045】
図7は、ベジェ補間によって補間された補正量の一例を示す図である。
図7に示すように、2番目の領域1の補正量Z1だけが飛び出している場合、これを改善するために、初段の処理としてベジェ補間を行い、このように急激に変化する補正量Z1をZ1’に引き戻す。これにより、補正された表示画像が部分的に不自然にならず、急激な過剰補正を防ぐことができる。
【0046】
ベジェ補間は、一般的に知られているように、次式(4)で計算可能である。
【0047】
【数7】
Figure 2004048185
【0048】
上記式(4)において、Z0、Z1、Z2、Z3は、図7に示した4つの領域の中央部における黒伸長またはコントラスト増強の補正量であり、tは0〜1値をとる中間パラメータである。2番目の領域1の補正量Z1から3番目の領域2の補正量Z2までの区間、すなわち、t=1/3からt=2/3まで(t=0.33〜0.66)のパラメータ区間に相当する補正量を求めると、本ベジェ補間により補正量の大きい特異点が除去され、変化量の少ない、スプライン補間に近い滑らかな補正曲線が得られる。
【0049】
この水平方向のベジェ補間により、2番目の領域1の補正量Z1がZ1’の補正量に引き下げられるので、次段の処理である、後述する2次元領域におけるラグランジュ補間を滑らかに行うことが可能になる。
この場合、分割領域の中央部の左右の部分において、厳密な意味での変化量の滑らかさ(傾きの連続性)を確保出来ないが、単純な直線補間の場合よりは補正量の変化が滑らかになり、分割領域の中央部における補正量の連続性を目立たない程度に確保することができる。
【0050】
次に、ベジェ補間によって補正量の特異点を除去したのち、ラグランジェ補間を行う。
図8は、一次元(水平方向)において、ラグランジェ補間された補正量の一例を示す図である。
図8に示すように、各分割領域1〜4の中心部の座標値をX、この座標における補正量をZ”とする。
この座標と補正量との組合せ(X,Z”)を、たとえば、左端の領域0では(0,1.06)、2番目の領域1では(1,1.14)、3番目の領域2では(2,1.12)、4番目の領域3では(3,1.07)のような値として、これらの4点を滑らかに通過する曲線をラグランジュ補間により求める場合を想定する。この場合、ラグランジェ補間は、一般的には、次式(5)に示す3次の多項式として表現される。
【0051】
【数8】
Figure 2004048185
【0052】
上記の式(5)が図8における領域0から領域3、すなわち、x=0〜3までの白丸の4点を通過することは、以下の計算で確認できる。
たとえば、x=0のときには、xを含む右辺の2項目から4項目までが0になり、左端の1項目の演算のみが1.06になるので左端の領域0の中心部の白丸の(0,1.06)を通過する。
【0053】
同様にx=1のときには2項目の演算のみが1.14となって残るので、2番目の領域1の中心部の白丸(1,1.14)を、x=2のときには3項目の演算のみが1.12となって残るので、3番目の領域2の中心部(2,1.12)を、x=3のときには最後の4項目の演算のみが1.07となって残るので、4番目の領域3の中心部(3,1.07)を通過する。
【0054】
この領域1と領域2の中央部、すなわち、x=1〜2までの区間の補間曲線を求めるには、上記式(5)をx=1〜2の範囲で演算すればよい。その右側にある次の領域2と領域3の中央部、すなわち、x=2〜3までの補間については、同様に座標軸と領域を1つ右側に平行移動し、たとえば、x=4のときの値1.05を上記の式(5)におけるx=3のときの値として用いることにより順次計算することができる。
【0055】
すなわち、図8に示したような補正量の場合、4つの領域ブロック毎のそれぞれの中央部の補正量からなる4点のラグランジュ補間曲線を計算で決め、隣接部分で必ず連続するように補間している。領域1と領域2の補正量を補間する曲線(黒伸長またはコントラスト増強の各画素毎の補正量を意味する)は、領域0〜領域3の補正量を用いて、上記式(5)のようなラグランジュ補間演算を行い、領域1の中央部から領域2の中央部を結ぶ補間曲線の値を用いる。
【0056】
同様に、次の領域2の中央点から領域3の中央点を結ぶ補間曲線は、4つの領域ブロックを右側へ1つ平行移動し、領域1、2、3、4の中央部の補正量をラグランジュ補間した曲線における領域2から領域3の部分を用いる。
また、画面の左端部、右端部の領域に対しては、それぞれ領域0〜領域1および領域2〜領域3の部分を用いる。
【0057】
これにより、補間曲線の微分係数は連続にはならず、若干不連続に変化する場合もあるが、隣接領域の境界においては補正カーブの連続性が必ず保証されるため、補正による領域間の段差が目立ちにくくなる。
【0058】
次に、2次元領域におけるラグランジュ補間の方法を図9を参照して説明する。
図9は、2次元方向(水平/垂直方向)においてラグランジェ補間された補正量を示す図である。
図9において、上記した水平方向のX座標が矢印で示す右上がりの方向とすると、垂直方向のY座標として矢印で示す右下がりの方向、すなわちY=0、1、2、3が追加され、紙面の上部方向に輝度またはコントラストの補正値となるZ”座標が配置されている。
図9に示す3次元空間における曲面Fは、次式(6)を用いてZ”軸方向の補間値を計算し、プロットしたものである。
計算式は若干複雑になるが、2次元の映像信号においても、滑らかに補間された黒伸長またはコントラスト増強のための画素毎の補正量を得ることが可能になる。
【0059】
【数9】
Figure 2004048185
【0060】
ここで、 d00、d10 などのd mnは、水平のX軸方向におけるm番目の領域、および垂直のY軸方向におけるn番目の領域における黒伸長またはコントラスト増強の補正量である。
【0061】
上記したように、最初の処理としてベジェ補間を行って1点だけ飛び出たような特異点の抑圧を行ってから、次段の処理としてラグランジュ補間を行い、その4点全ての補正点を必ず通過するようにすれば、比較的簡単な計算式でベース・スプライン曲線と同様な滑らかな補間が可能になる。
また、左右の端点が特異点の場合、ベース・スプライン補間では、ここでの補正エラーが増大してしまうが、ベジェ補間後のラグランジュ補間では、初段のベジェ補間で求められた平均的な傾き値による特異点の除去が行われた後に、この補正量の点を必ず通過させるようなラグランジュ補間による補正を行うことにより、補正値の連続性が滑らかに保持される。このため、補正後の表示画像のコントラスト変化が目立ちにくいという特徴がある。
【0062】
以上のように、本実施形態では、黒が浮いている領域の輝度値の分布が、図4に示したように、15IRE以下の最低輝度値Bminから80IRE 以上の最高輝度値Bmaxまでの範囲に分布している場合、この最低輝度値Bmin〜40IREまでの輝度値の分布が0〜40IREまで黒側に伸長され、この最大輝度値Bmaxが100IREに満たない分だけ、コントラスト量が増強補正される。
【0063】
このように、本実施形態に係る画像表示装置1では、分割された各領域において、映像信号の最低輝度値を黒基準レベルまで拡張する黒伸長補正による黒レベルの最適化と、映像信号の最大輝度値を白基準レベルまで拡張する白レベルの最適化とにより、液晶表示素子25の駆動電圧を各領域毎に最適化することができる。このため、液晶表示素子25のようにダイナミックレンジの狭い表示素子においてもコントラスト比の大きい、メリハリの効いた画像を表示することができる。
【0064】
また、隣接する領域での境目においては、ラグランジュ補間された黒側伸長補正量およびコントラスト増強補正量の連続性が完全に保たれている。このため、隣接する領域の境目での段差は発生しない。
また、中央部の左右の領域間の輝度/コントラストの変化量の不連続性は若干発生することになるが、変化量(補正カーブの傾き)の不連続成分だけなので実際の表示画像においてはほとんど目立たなくなる。
【0065】
また、ラグランジュ補間のみを用いた場合には、各領域の中心点における補正値を必ず通過するので連続性は保たれているが、どこかひとつの領域のみが大きな補正量の持つ場合には、不自然な画像になってしまうことがある。特に人物の顔などで、目の周りのみが強調されてしまうという問題になりやすい。
しかしながら、本実施形態では、初段のベジェ補間により単独の領域での孤立点的な過大な補正量が抑え込まれているので、次段のラグランジュ補間では 分割された領域毎に滑らかな連続性のある黒伸長動作とコントラスト増強補正が行われる。したがって、隣接した領域での黒伸長とコントラスト増強補正が適度に行われることになり、隣接した領域における映像信号のリニアリティ特性において、不自然な逆転現象が生じることを十分に抑圧出来る。
【0066】
また、本実施形態によれば、白側輝度値の最高値が80IRE程度しかない領域でのコントラスト増強を行うことにより、画面の中で部分的にドライブ量の不足していた領域におけるコントラスト不足も補正が可能になり画質改善が出来る。
【0067】
また、本実施形態によれば、上記した映像信号処理部14の直流伝送率が100%ではなく、たとえば、85%であり、映像信号処理部14が映像信号の黒レベルが0IREから浮いている場合に、画像全体の輝度レベルを強制的に15%引き下げる処理を行なうものであったとしても、黒増強補正により、映像信号の黒レベルは0IREに補正されるので、表示された画像にいわゆる黒つぶれが発生することがない。
【0068】
なお、本発明の実施の形態は、上記の限定されるものではなく、たとえば、次のように変更してもよい。
上述した実施形態では、黒伸長補正とコントラスト増強補正を同時に行う構成としたが、いずれか一方のみを行う構成とすることも可能である。
【0069】
また、上述した実施形態において、映像信号の変化に対して黒伸長補正とコントラスト増強補正が急激に働くと、表示される画像の輝度変化が目立つので、輝度分布検出回路34に、たとえば、約200ms程度の時定数を持たせて、ゆっくりと黒伸長およびコントラスト増強補正を行う構成とすることも可能である。
【0070】
また、上述した実施形態において、映像信号を複数の領域に分割した場合について説明したが、たとえば、全画面のうちの一部の領域にのみ本発明の黒伸長補正あるいはコントラスト増強補正を適用することも可能である。
また、上述した実施形態において、本発明の画像表示手段として、液晶表示素子の場合ついて説明したが、PDPやCRTへも本発明を適用可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、限られたダイナミックレンジの中でコントラスト比の高いメリハリのある画像を表示可能な映像信号処理装置および画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図2】補正部30の機能ブロック図である。
【図3】画像の16×16画素ブロックによる分割方法を示す図である。
【図4】輝度分布検出回路34によって得られる輝度値の分布の一例を示すグラフである。
【図5】黒伸長補正の方法を説明するための図である。
【図6】コントラスト増強補正の方法を説明するための図である。
【図7】ベジェ補間によって補間された補正量の一例を示す図である。
【図8】一次元(水平方向)において、ラグランジェ補間された補正量の一例を示す図である。
【図9】2次元方向(水平/垂直方向)においてラグランジェ補間された補正量を示す図である。
【符号の説明】
1…画像表示装置、11…A/D変換器、12…信号復調部、13…倍速変換部、14…映像信号処理部、15…ホワイトバランス調整部、16…液晶コラムドライバ、18…LCDコントローラ、19…コモン電極反転駆動回路、20…液晶ロードライバ、21…操作部、22…制御部、23…電源、24…バックライト、25…液晶表示素子、30…補正部、31…フレームメモリ、32…黒伸長補正部、33…コントラスト増強補正部、34…輝度分布検出回路。

Claims (5)

  1. 入力される映像信号に所定の処理を施し、画像表示装置を駆動する駆動信号を生成する映像信号処理装置であって、
    全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の輝度値の分布する範囲を、当該領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、他の領域の映像信号とは独立に拡張するように補正する補正手段を
    有する映像信号処理装置。
  2. 前記領域は、全画面を縦横に分割した複数の領域からなり、
    前記補正手段は、前記映像信号に対する補正量を隣接する領域間で滑らかに補間し、全画面の映像信号に対する補正量を算出する
    請求項1に記載の映像信号処理装置。
  3. 前記補正手段は、全画面の映像信号のうち、部分的な領域の映像信号に含まれる所定の輝度値以下の低輝度成分を、他の領域の映像信号とは独立に当該低輝度成分の最低値が黒基準レベルに一致するように伸長補正する
    請求項1に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記補正手段は、全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の最大輝度値が白基準レベルと一致するように当該領域の映像信号の輝度値を他の領域の映像信号とは独立に増幅補正する
    請求項1に記載の映像信号処理装置。
  5. 画像を表示する画像表示手段と、
    入力される映像信号に所定の処理を施し、前記画像表示手段を駆動する駆動信号を生成する映像信号処理手段とを有し、
    前記映像信号処理手段は、全画面の映像信号のうち部分的な領域の映像信号の輝度値の分布する範囲を、当該領域の映像信号の輝度値の分布に基づいて、他の領域の映像信号とは独立に拡張するように補正する補正手段を有する
    画像表示装置。
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