JP2004045665A - データドライバ、表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリチャージ用ドライバを追加せずに、隣接するデータバスラインの影響によるデータ変動を防いで高品位な表示画像を得る。
【解決手段】本来の映像信号をN系統に展開したビデオ信号VIDEO1〜4の各映像データを、1回目のサンプリングパルスSAM1−1,2−1さらに2回目のサンプリングパルスSAM1−2,2−2によりそれぞれ同時サンプリングしてデータバスラインBUS1〜4およびBUS5〜8にそれぞれ供給するデータドライバ30において、1水平走査期間の間に、ビデオ信号VIDEO1〜4の各映像データの同時サンプリングを繰り返し2回行う。1回目の同時サンプリング時に隣接データバスラインの影響により電位変動ΔVが生じても、2回目の同時サンプリングにより本来のデータ電位にサンプリングし直す。1回目のサンプリングが従来のプリチャージと同様に作用する。
【選択図】 図1
【解決手段】本来の映像信号をN系統に展開したビデオ信号VIDEO1〜4の各映像データを、1回目のサンプリングパルスSAM1−1,2−1さらに2回目のサンプリングパルスSAM1−2,2−2によりそれぞれ同時サンプリングしてデータバスラインBUS1〜4およびBUS5〜8にそれぞれ供給するデータドライバ30において、1水平走査期間の間に、ビデオ信号VIDEO1〜4の各映像データの同時サンプリングを繰り返し2回行う。1回目の同時サンプリング時に隣接データバスラインの影響により電位変動ΔVが生じても、2回目の同時サンプリングにより本来のデータ電位にサンプリングし直す。1回目のサンプリングが従来のプリチャージと同様に作用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ信号線に表示用の映像データを順次供給するデータドライバ、そのデータドライバを備えた液晶表示装置などの表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置などの表示装置として、互いに交叉して配置された複数の走査信号線(ゲートバスライン)と複数のデータ信号線(データバスライン)との交叉部近傍に絵素容量をそれぞれマトリックス状に配置して、各絵素容量をTFTなどの駆動素子を介してデータ信号線に接続し、駆動素子の制御端子を走査信号線に接続することによって、各絵素容量が選択的に駆動されるようにしたアクティブマトリックス型表示装置が知られている。
【0003】
また、各データ信号線にそれぞれ映像データを供給するデータドライバ、および各走査信号線に走査信号を順次供給するゲートドライバを表示部と同じ基板上に設けたドライバモノリシック型表示装置が知られている。
【0004】
このようなドライバモノリシック型の表示装置では、連続粒界結晶シリコン(例えばTFTのチャンネル方向を結晶粒界で遮らないために、結晶粒界がほぼ平行になるように基板表面形状、不純物添加領域などを制御して作製したシリコン(SI)膜)を用いてデータドライバやゲートドライバを構成する駆動素子、および表示部の駆動素子が構成されている。
【0005】
図10は、従来の一般的なアクティブマトリックス方式のドライバモノリシック型液晶表示装置100の要部構成を示す回路図である。
【0006】
図10において、この液晶表示装置100は、ガラス基板または石英基板などの透明基板の上に、データドライバ200、ゲートドライバ300および表示部400が形成されている。
【0007】
データドライバ200には、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CKおよびCKBおよび、1水平期間において、表示領域毎に対応して時系列に分割された映像信号を、さらに時系列に2系統の表示電圧レベルに展開したビデオ信号VIDEO1およびVIDEO2が入力される。データドライバ200の信号出力端にはデータバスライン(データ信号線)S1,S2,・・,Si,・・,SNがそれぞれに接続されている。
【0008】
ゲートドライバ300には、スタートパルスSPGおよびクロック信号CKG,CKGBが入力される。ゲートドライバ300の各信号出力端には、ゲートバスライン(走査信号線)G1,G2,・・,Gi,・・,GMがそれぞれに接続されている。
【0009】
表示部400には、複数のゲートバスライン(走査信号線)G1,G2,・・,Gi,・・,GMと複数のデータバスライン(データ信号線)S1,S2,・・,Si,・・,SNとの各交叉部近傍に薄膜トランジスタ(TFT)401および絵素容量402がマトリックス状に配置されている。
【0010】
各TFT401のゲート端子(制御端子)はそれぞれ各ゲートバスラインG1,G2,・・,Gi,・・,GMにそれぞれ接続され、その各ソース端子(一方の駆動端子)はそれぞれ各データバスラインS1,S2,・・,Si,・・,SNにそれぞれ接続され、その各ドレイン端子(他方の駆動端子)はそれぞれ各絵素容量402の一端にそれぞれ接続されている。
【0011】
各絵素容量402は、透明基板上に設けられた透明電極と、他方の対向基板(図示せず)上に設けられた対向電極との間に表示媒体の液晶層が挟持されて構成されている。
【0012】
図11は、図10のデータドライバ200の要部構成を示すブロック図である。
【0013】
図11において、このデータドライバ200は、サンプリングパルス生成回路201と、ビデオ信号VIDEO1,VIDEO2がそれぞれ供給される映像信号用配線202a,202b(ビデオ信号線)と、複数のアナログスイッチ203a,203b,204a,204b,205a,205b,・・・とを有している。
【0014】
サンプリングパルス生成回路201は、スタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力され、映像信号を時系列に順次サンプリングするために順次遅延させたサンプリングパルスSAM1,SAM2,SAM3,・・・を生成する。このサンプリングパルスSAM1,SAM2,SAM3,・・・はそれぞれ、一対のアナログスイッチ203aおよび203b,204aおよび204b,205aおよび205b,・・・に順次供給される。
【0015】
アナログスイッチ203a,203b・・・は、入力されたサンプリングパルスSAM1・・に基づいて、一対のビデオ信号線202a,202b上の各映像信号からサンプリングした各映像データをそれぞれデータバスラインS1,S2,・・・にそれぞれ出力する。
【0016】
図12は、図11のサンプリングパルス生成回路201の構成を示す回路図である。
【0017】
図12において、このサンプリングパルス生成回路201は、Dフリップフロップ210a,210b,210c、・・・からなるシフトレジスタ210と、AND回路220a,220b,220c,・・・とを有している。
【0018】
シフトレジスタ210において、Dフリップフロップ210aのデータ入力端子DにはスタートパルスSPが入力されている。また、各Dフリップフロップ210aの出力端子Qは後段のDフリップフロップ210bのデータ入力端子Dに接続されている。また同様に、Dフリップフロップ210bの出力端子Qは、Dフリップフロップ210cの入力端子Dと接続されている。各Dフリップフロップ210a・・のクロック入力端子CK,CKBにはそれぞれクロック信号CK,CKBがそれぞれ入力されている。
【0019】
隣接するDフリップフロップの出力端子QはそれぞれAND回路220の二つの入力端に接続され、AND回路220からサンプリングパルスが出力される。AND回路220として例えばAND回路220aの場合、Dフリップフロップ210a,210bの各出力端子Qはそれぞれ、AND回路220aの二つの入力端に接続され、AND回路220aからサンプリングパルスSAMP1が出力される。
【0020】
以下に、上記従来の液晶表示装置の動作について説明する。
【0021】
図13は、図12のサンプリングパルス生成回路201の動作を説明するための信号波形図、図14は、図11のデータドライバ200の動作を説明するための信号波形図である。
【0022】
図13に示すように、サンプリングパルス生成回路201に、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKの立ち上がり時から次のクロック信号CKBの立ち下がり時まで、Dフリップフロップ210aからの出力信号Q1が図13に点線で示すようにハイレベルになり、また、クロック信号CKBの立ち上がり時から次のクロック信号CKの立ち下がり時まで、Dフリップフロップ210bからの出力信号Q2が図13に点線で示すようにハイレベルになる。これによって、AND回路220aからは出力信号Q1,Q2が共にハイレベルであるときに、映像データをサンプリングするためのサンプリングパルスSAM1が出力される。これと同様に、AND回路220b,220c、・・・から順次サンプリングパルスSAM2、SAM3、・・・が出力される。
【0023】
データドライバ200のビデオ信号線202a,202bにはそれぞれ、図14に示すようなタイミングで、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した2系統のビデオ信号VIDEO1,VIDEO2が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号S1〜S8にそれぞれ対応する映像データであり、ビデオ信号線202aにはビデオ信号VIDEO1として映像データ▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼、・・・を2倍に時間軸伸長した映像データが順次供給され、ビデオ信号線202bにはビデオ信号VIDEO2として映像データ▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼、・・・を2倍に時間軸伸長した映像データが順次供給されている。
【0024】
ビデオ信号VIDEO1,VIDEO2は、上記サンプリングパルスSAM1のタイミングで映像データ▲1▼および▲2▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2のタイミングで映像データ▲3▼および▲4▼が同時にサンプリングされ、続いてサンプリングパルスSAM3のタイミングで映像データ▲5▼および▲6▼が同時にサンプリングされる。同様に、各映像データが順次サンプリングされ、アナログスイッチ203a,203b,・・・と、表示部400のデータバスラインS1、S2、S3、・・・とをホールド容量とするサンプルホールド回路201により、データバスライン容量のそれぞれに表示データが書き込まれる。
【0025】
サンプリングパルスSAMによって、各データバスラインSiに表示データが書き込まれている間、ゲートドライバ300の出力端に接続されているゲートバスラインGiはアクティブとなっており、ゲートバスラインGiに接続されているTFT401を介してデータバスラインSiに書き込まれた表示データは、表示部400の各絵素容量402に順次格納される。
【0026】
1水平走査期間分の映像データのサンプリングが終了し、一列の各絵素容量402にデータが書き込まれた後、ゲートバスラインGiは非アクティブとなり、次の水平走査期間に表示データが書き込まれるまで、絵素容量400に書き込まれたデータを保持する。絵素容量400に書き込まれたデータによって、液晶による光の透過・散乱などの特性が変化し、表示画面上に画像が表示される。
【0027】
上記従来の液晶表示装置100において、データドライバ200には、本来の映像データ信号を2倍に時間軸伸長した2系統の映像データが入力されているため、図14に示すように、本来の映像信号をサンプリングする場合に比べて、映像データのサンプリング速度を1/2に遅くすることができる。
【0028】
一般に、ドライバモノリシック型の液晶表示装置を構成するデータドライバにおいて、アナログスイッチとデータバスライン容量とによってサンプルホールド回路を構成すると、アナログスイッチとホールドコンデンサ(データバスライン容量)とによる時定数が大きくなるため、データドライバのサンプルホールド回路は、動作速度(充放電)に時定数による限界を有する。
【0029】
これを改善するために、従来、データドライバを構成するTFTの移動度など、トランジスタ特性に合わせて、本来の映像信号をN倍に時間軸伸長したN系統のビデオ信号をデータドライバに入力して、データドライバによるサンプリング速度を、元の映像信号をサンプリングする場合に比べて、1/Nに遅くすることが行われる。これによって、単結晶シリコントランジスタよりも移動度の低いポリシリコンやその他のTFTによって、液晶表示装置を構成するドライバ回路(データドライバやゲートドライバ)を表示部と同一基板上に形成することが可能になる。
【0030】
以下に、本来の映像信号をN倍に時間軸伸長してN系統のビデオ信号(映像データ)に変換して液晶表示装置を駆動する方法について説明する。
【0031】
図15は、従来の液晶表示装置を駆動する駆動回路システム500の要部構成を示すブロック図である。ここでは、映像信号をN=12倍に時間軸伸長して元の映像信号を12系統のビデオ信号として液晶表示装置に入力する場合を示している。
【0032】
図15において、この駆動回路システム500は、タイミングジェネレータ501と、信号調整用回路ブロック502と、サンプルホールド回路503(サンプルホールドLSI)とを有している。
【0033】
タイミングジェネレータ501には、映像信号に同期した同期信号SYNCが入力されている。タイミングジェネレータ501は、入力された同期信号SYNCを元に、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に設けられたドライバを駆動するための各種制御信号(SP、CK、CKB、SPG、CKG、CKGBなど)と、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に入力される12系統のビデオ信号VIDEO1〜12を生成するためのサンプルホールドLSI用制御信号を生成する。この各種制御信号はドライバモノリシック型液晶表示装置504に供給され、サンプルホールドLSI用制御信号はサンプルホールドLSI503に供給される。
【0034】
信号調整用回路ブロック502には図16に示すようなビデオ信号VIDEO・INが入力されている。信号調整用回路ブロック502は、ビデオ信号VIDEO・INの極性反転と、コントラスト・振幅の調整とを行う機能を有しており、図16に示すように、入力されるビデオ信号VIDEO・INを、1水平走査期間毎に正極性と負極性とに極性が反転する信号に変換し、さらに、入力されるビデオ信号VIDEO・INの振幅Vを振幅V1に増幅する。このように、1水平走査期間毎に映像信号の極性を反転させる理由は、表示部400を構成する液晶に直流電圧が印加されて液晶が劣化することを防止すると共に、フリッカを目立たなくするためである。極性反転および振幅調整などが行われたビデオ信号VIDEOは、サンプルホールドLSI503に入力される。
【0035】
サンプルホールドLSI503は、タイミングジェネレータ501から供給される制御信号にしたがって、信号調整用回路ブロック502から供給されたビデオ信号VIDEOを元に、図17(a)〜図17(l)に示すような12系統に展開されたビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12をドライバモノリシック型液晶表示装置504に出力する。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12は、本来のビデオ信号VIDEO・INと比べて12倍の長さに伸長されており、動作速度が1/12であるので、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に備わったデータドライバの動作速度も、それに応じて遅くすることができる。
【0036】
図18は、映像信号の伸長数をN=12として、本来の映像信号を12系統の映像データ(表示電圧レベル)に展開したビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12が入力される従来の液晶表示装置600の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、三つの表示領域1〜3に分割したが実際にはもっと多数である。
【0037】
図18において、この液晶表示装置600は、データドライバ700と、図10のゲートドライバ300と同様のゲートドライバ800と、表示部900とを有している。
【0038】
データドライバ700は、サンプリングパルスSUM1〜SUM3を生成するサンプリングパルス生成回路710と、各サンプリングパルスSUM1〜SUM3によってビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12をサンプリングするアナログスイッチSW1〜SW36とを有している。
【0039】
表示部900は、三つの表示領域1〜3を有しており、それぞれ、12本のデータバスラインBUS1〜BUS12bUS13〜BUS24およびBUS25〜BUS36によって絵素容量に表示データが供給されるようになっている。
【0040】
上記構成により、データドライバ700のサンプリングパルス生成回路710では、図11および図12を用いて説明したサンプリングパルス生成回路201の場合と同様に、データドライバ駆動用クロック信号CK,CKBに同期してサンプリングパルスSUM1が出力され、アナログスイッチSW1〜SW12とデータバスライン容量CBUS1〜CBUS12とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域1の表示データとして、各データバスラインBUS1〜BUS12の容量CBUS1〜CBUS12に格納される。
【0041】
サンプリングパルスSUM1によるビデオ信号VIDEOのサンプルホールドが完了した後、次に、サンプリングパルス生成回路700からデータドライバ駆動用クロック信号CKおよびCKBに同期してサンプリングパルスSUM2が出力され、アナログスイッチSW13〜SW24とデータバスライン容量CBUS13〜CBUS24とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域2の表示データとして、各データバスラインBUS13〜BUS24のデータバスライン容量CBUS13〜CBUS24に書き込まれる。
【0042】
これと同様に、サンプリングパルスSUM2によるビデオ信号のサンプルホールドが完了した後、次に、サンプリングパルス生成回路710からデータドライバ駆動用クロック信号CK,CKBに同期してサンプリングパルスSUM3が出力され、アナログスイッチSW25〜SW36とデータバスライン容量CBUS25〜CBUS36とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域3の表示データとして、各データバスラインBUS25〜BUS36のデータバスライン容量CBUS25〜CBUS36に格納される。これによって、1水平走査期間分の映像信号のサンプルホールドが終了する。
【0043】
以上のようにして、中間調のベタ表示を行う場合、サンプリングパルスSUM1により映像データがサンプリングされて表示領域1に表示され、サンプリングパルスSUM2により映像データがサンプリングされて表示領域2に表示され、サンプリングパルスSUM3により映像データがサンプリングされて表示領域3に表示される。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶表示装置600にて中間調のベタ表示を行う場合、各表示領域1〜3の境界部分に縦筋が発生するという問題がある。
【0045】
以下に、このような縦筋が発生する原因について説明する。まず、データバスラインBUS12に格納された表示データについて説明する。
【0046】
本来、サンプリングパルスSUM1によりビデオ信号VIDEO12の映像データをデータバスラインBUS12のデータバスライン容量CBUS12にサンプルホールドした後は、次の水平走査期間において映像データのサンプルホールドが開始されて再びサンプリングパルスSUM1が出力されるまでは、データバスラインBUS12の容量CBUS12に格納された表示データにおいて、保持電圧(保持データ)に変動(変化)は生じないはずである。
【0047】
しかしながら、図19に示すように、表示部900のデータバスラインBUSKとBUS K+1の間には、各種寄生容量(表示部900を構成する各種導電層と絶縁層などとの間に存在する寄生容量)が存在している。例えばデータバスラインBUS10とBUS11との間には寄生容量CSS10が存在している。このため、図20に示すように、サンプリングパルスSUM2によりデータバスラインBUS13の容量CBUS13に映像データが格納される時点において、データバスラインBUS12とBUS13との間の寄生容量CSS12を介して、データバスラインBUS12の容量CBUS12にサンプルホールドされたデータがΔVだけ変動する。ここで、正極性の映像データVが書き込まれるときには正側にΔVだけ変動し、負極性の映像データが書き込まれるときには負側にΔVだけ変動する。
( 図20の補正信号Vcについてご教示下さい。)
例えば、データバスラインBUS Kの容量をCBUS、データバスラインBUS KとBUS K+1との間の寄生容量をCSSとし、ビデオ信号線に供給される映像データ(ビデオ信号VIDEO)を、図16に示すように、振幅V1で1水平走査期間毎にセンター電位に対して極性反転させる場合を考えると、データバスラインBUS12の容量CBUSにサンプルホールドしたデータの変動量ΔVは、
ΔV=2×V1×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、
ΔV=0.5V
となり、表示上、無視することができないような電位の変動が、データバスラインに発生する。これと同様に、データバスラインBUS24についても、データホールド後の電位変動ΔVが発生する。一方、データバスラインBUS1〜BUS11については、データホールド後に隣接するデータバスラインの電位が変動することはないので、上述したようなデータの変動ΔVは発生しない。
【0048】
なお、ここでは、走査方向(SUM1→SUM2→SUM3と進む)は左から右方向(SUM1→SUM2→SUM3に進む)の場合について説明したが、走査方向が右から左方向(SUM3→SUM2→SUM1に進む)の場合には、データバスラインBUS25およびBUS13に格納されたデータが、データバスラインBUS24およびBUS12へのデータ書き込み時に影響を受けて変動することは言うまでもない。
【0049】
このようなデータバスラインBUS12およびBUS24の変動電位ΔVによって、本来は中間調のベタ表示が行われるはずである液晶表示装置600において、表示画像に規則的な(上記例ではデータバスライン12本毎に現れる)縦筋状の表示不具合が発生することになる。
【0050】
このような表示不具合を改善するための方法として、一般に、データバスラインBUS1〜BUS36に対してプリチャージを行う方法が知られている。
【0051】
この方法では、1水平走査期間において映像データのサンプリング(サンプルホールド)が開始される以前に、一旦、全データバスラインBUS1〜BUS36に対して中間データ(プリチャージ電位)を書き込んでから、映像データのサンプリングを行う。これにより、上述したような表示領域間で隣接するデータバスラインのサンプリングによってデータバスラインに保持されているデータの電位変動が生じることを低減することができる。
【0052】
図21は、データバスラインに対してプリチャージを行う従来の液晶表示装置の駆動方法について説明するための信号波形図である。
【0053】
図21に示すように、プリチャージ電位をVP、表示される映像データをVMとすると、上述したデータバスラインの電位変動は、
ΔV=2×VM×CSS/CBUS
から、
ΔV’=│VM−VP│×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、VM=3.5V、VP=2V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、データバスラインの電位変動を、
ΔV=0.389V → ΔV’=0.083V
に低減できることになる。
【0054】
しかしながら、このようなデータバスラインのプリチャージを行う方法によっても、データバスラインの変動ΔV’が0.083Vだけ残っている。ここで、ビデオ信号のダイナミックレンジをV1=4.5Vとして仮定すると、256階調表示を行う場合、1階調=4.5/256=17.5MVであり、0.083V(83MV)では4階調以上の電位変動が残ることになる。また、ここでは、VM=3.5V、VP=2Vとしているが、VPとVMとの電位差が大きいほど、縦筋の発生(ΔV’)が顕著になる。
【0055】
さらに、データバスラインのプリチャージを行うためには、プリチャージ用ドライバを、表示部900を形成するガラス基板上に設ける必要があり、表示装置のサイズ増大やプリチャージ用ドライバの追加による歩留まりの低下、プリチャージ用ドライバを駆動するための外部駆動回路の増加なども伴うことになる。
【0056】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、プリチャージ用ドライバを新たに追加しなくても、隣接するデータバスラインの影響によるデータ変動を防いで高品位な表示画像を得ることができるデータドライバ、これを用いた表示装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0057】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータドライバは、1水平走査期間内の時系列の各映像信号をさらに時系列のN(Nは自然数)系統に展開した各映像データを同時にサンプリングするサンプリングパルスを順次生成するサンプリングパルス生成回路を有し、サンプリングパルスにより順次サンプリングしたN系統の各映像データを複数のデータ信号線群のそれぞれに順次供給する複数点順次方式のデータドライバにおいて、サンプリングパルス生成回路は、1水平走査期間内に、各映像データの同時サンプリングが同一表示領域毎のデータ信号線群に対応して複数回繰り返して行われるようにサンプリングパルスを生成するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0058】
また、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、N系統に展開した各映像データがそれぞれ入力されるN本の映像信号線と、時系列に順次遅延させた各サンプリングパルスによって順次サンプリングされる該N本の映像信号線の各映像データをN本のデータ信号線群のそれぞれに順次供給するスイッチ回路とを備える。
【0059】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、同一表示領域毎のデータ信号線群に対応したP(Pは自然数)回目のデータサンプリング時の走査方向と、P+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを逆方向に切り換える走査方向切換手段を有する。
【0060】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおける映像信号線には、1水平走査期間内に同じ各映像データが複数回入力される。
【0061】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、前記複数回は2回である。
【0062】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおける映像信号線には、映像信号を時間軸伸長処理した各映像データが入力されている。
【0063】
本発明の表示装置は、複数の走査信号線と複数のデータ信号線とが互いに交叉して配置され、各交叉部近傍に絵素容量がそれぞれ配置され、各絵素容量は駆動素子を介して交叉部近傍のデータ信号線に電気的に導通可能に接続され、駆動素子の制御端子は該交叉部近傍の走査信号線に接続された表示部と、各走査信号線に走査信号を順次供給するゲートドライバと、各データ信号線にそれぞれ映像データを供給する請求項1〜6の何れかに記載のデータドライバとを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0064】
また、好ましくは、本発明の表示装置における絵素容量は液晶からなる。
【0065】
さらに、好ましくは、本発明の表示装置における表示部、ゲートドライバおよびデータドライバが同一基板上に設けられる。
【0066】
さらに、好ましくは、本発明の表示装置におけるゲートドライバおよびデータドライバを構成する駆動素子および前記表示部の駆動素子は連続粒界結晶シリコンを用いて構成されている。
【0067】
本発明の表示装置の駆動方法は、請求項7〜10の何れかに記載の表示装置の駆動方法であって、1水平走査期間内に、データドライバに、1水平走査期間分の時系列の映像信号をさらに時系列のN系統に展開した各映像データをそれぞれ入力するステップと、時系列に順次遅延させたM(Mは自然数)番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、時系列に順次遅延させたM+1番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM+1群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、時系列に順次遅延させた2M番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM群目のN本のデータ信号線群のそれぞれに再度供給するステップと、時系列に順次遅延させた2(M+1)番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM+1群目のN本のデータ信号線群に再度供給するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0068】
上記構成により、以下、本発明の作用について説明する。
【0069】
本発明においては、本来の時系列の映像信号(アナログ映像信号)を、さらに時系列のN系統(N相)の各表示電圧レベルに展開した映像データとして入力し、サンプリングパルスによってN系統のビデオ信号(映像データ)を同時にサンプリングし、そのN系統のサンプリング映像データを複数のデータ信号線群のうちN本のデータ信号線群のそれぞれに供給する複数点同時サンプリングの複数点順次方式データドライバにおいて、1水平走査期間内に、複数点同時サンプリングを同一表示領域毎のデータ信号線群に対して複数回、少なくとも2回(繰り返し回数)行う。これによって、複数点同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で、データバスライン同士の容量結合によって、1回目の映像データの複数点同時サンプリング時に隣接表示領域のサンプリングの影響による電位変動ΔVが生じても、2回目(再度の)の映像データの複数点同時サンプリングによって本来のデータ電位にサンプリングし直すことが可能となり、これにより、従来発生していた縦筋を打ち消すことが可能となる。
【0070】
したがって、従来のように、1水平走査期間の映像データのサンプリング前にプリチャージ動作を行う必要がなく、プリチャージ駆動回路も不要になる。さらに、データバスラインに一旦プリチャージ電位を書き込む方法では、プリチャージ電位VPと映像データVMとの電位差が大きいほど、縦筋の発生(ΔV’)が顕著になるが、本発明によれば、1回目の複数点同時サンプリングが従来のプリチャージと同様に作用するため、VP≒VMとして縦筋を防ぐことができる。したがって、表示諧調の電位によらず、常に最適なプリチャージをデータバスラインに施すことが可能となる。
【0071】
さらに、同一表示領域毎のデータ信号線群に対応した繰り返しN回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えることによって、絵素容量へのデータ書き込み時間の平均化を図り、表示部の左右方向に輝度むらなどが生じることが防止される。
【0072】
なお、従来技術において、(1)特開平5−328266号公報および(2)特開平8−9308号公報には、液晶表示装置のデータドライバにおいて、走査方向を切り換えることについて記載されているが、上記従来技術(1)では、表示部を挟んで上下に設けられたデータドライバの走査方向を逆方向にしてサンプリングを行うことにより、表示領域(ブロック)間の継ぎ目を目立たなくするためのものである。
【0073】
これに対して、本発明では、データドライバによるスキャンを1水平走査期間で繰り返して複数回行うことにより、複数の映像データが同時サンプリングされる表示領域(ブロック)間で縦筋の発生原因となる電位変動量を低減するためのものであり、上記従来技術(1)とは根本的に技術思想が異なるものである。
【0074】
また、上記従来技術(2)では、プロジェクション型液晶表示装置の設置方向に対応してデータドライバの走査方向を切り換えることによって、投影される映像の向きを適切に合わせるためのものであって、本発明のように縦筋の発生原因となる電位変動量を低減するためのものではありません。
【0075】
本発明は、液晶表示装置などの表示装置を駆動するデータドライバがパネルサンプルホールド方式(複数点順次駆動方式)である場合を想定している。このようなデータドライバは、表示部とデータドライバおよびゲートドライバとが同一基板上に設けられたドライバモノリシック型の表示装置において用いている。また、表示部とデータドライバおよびゲートドライバとを構成する駆動素子を、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いて構成することによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を得ることが可能となり、各映像データの供給時間が短くてもデータバスラインへのデータ書き込みが可能となるので、本来の映像信号の相展開数(時系列にN系統の表示電圧レベルに展開された各映像データ数N)を減らすことができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の液晶表示装置の実施形態1〜3について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の液晶表示装置の実施形態1における要部構成を示すブロック図、図1(b)は、図1(a)と比較するための従来の液晶表示装置における要部構成を示すブロック図である。
【0077】
図1(a)において、本発明の液晶表示装置10は、複数の絵素容量がマトリックス状に配置された表示部20と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8に映像データを供給するデータドライバ30と、表示部20のゲートバスラインG1,G2・・GNに走査信号を順次供給するゲートドライバ40とを有している。
【0078】
表示部20は、少なくとも表示領域1,2を有しており、それぞれ、複数本。例えば4本のデータバスラインBUS1〜4と4本のデータバスラインBUS5〜8によって各絵素容量に各表示データが供給されるようになっている。
【0079】
データドライバ30は、サンプリングパルスSAM1−N(本実施形態1ではSAM1−1,1−2)およびSAM2−N(本実施形態1ではSAM2−1,2−2)を生成するサンプリングパルス生成回路31と、各サンプリングパルスSAM1−N,SAM2−Nによってビデオ信号線(映像信号用配線)32〜35に供給されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを複数点同時サンプリングするアナログスイッチSW1〜SW4およびSW5〜SW8とを有している。
【0080】
サンプリングパルス生成回路31は、1水平走査期間内に、複数点同時サンプリングを繰り返して複数回、本実施形態1では2回(例えばサンプリングパルスSAM1−1,1−2)行う。
【0081】
これに対して、図1(b)の比較例としての従来の液晶表示装置16は、複数の絵素容量がマトリックス状に設けられた表示部26と、表示部26のデータバスラインBUS1〜BUS8に映像データを供給するデータドライバ36と、表示部26のゲートバスラインG1,G2,・・Gi・・GNに走査信号を順次供給するゲートドライバ40とを有している。表示部26は表示領域1〜4を有しており、それぞれ、2本づつのデータバスラインBUS1,2と、BUS3,4と、BUS5,6と、BUS7,8とによって各絵素容量に表示データが順次供給されるようになっている。データドライバ36は、サンプリングパルスSAM1〜SAM4を生成するサンプリングパルス生成回路37と、各サンプリングパルスSAM1〜SAM4によってビデオ信号線38,39に供給されているビデオ信号VIDEO1,VIDEO2を複数点同時サンプリングするアナログスイッチSW1〜4およびSW5〜8とを有している。
【0082】
本実施形態1の液晶表示装置10では、上記比較例の液晶表示装置16と比べてビデオ信号線の数が2倍の4本となっており、表示部20に4本のデータバスラインを含む表示領域(ブロック)1,2が設けられている。また、本実施形態1の液晶表示装置10では、各ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データに対して、1水平走査期間内に同じ映像データが繰り返して2回供給され、サンプリングパルス生成回路31から同じ映像データを2回サンプリング(再度サンプリング)するためのサンプリング信号(SAM1−1,SAM1−2またはSAM2−1,SAM2−2)が出力されるようになっている。これによって、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で、データバスライン同士の容量結合によって、1回目の映像データの複数点同時サンプリング(例えばサンプリングパルスSAM1−1によるサンプリング動作)のときに隣接表示領域のサンプリングの影響による電位変動ΔVが生じても(上記比較例では1回の映像データの複数点同時サンプリング動作しかない)、2回目の映像データの複数点同時サンプリング(例えばサンプリングパルスSAM1−2によるサンプリング動作)によって本来のデータ電位にサンプリングし直すことができる。
【0083】
図2は、図1(a)の液晶表示装置10を駆動する駆動回路システム1の要部構成を示すブロック図である。ここでは、映像信号をN=2倍に時間軸伸長して元の映像信号を4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データとして液晶表示装置10に供給する場合を示している。
【0084】
この駆動回路システム1は、タイミングジェネレータ2と、A/D変換およびメモリ回路ブロック3と、D/A変換および信号調整用回路ブロック4とを有している。
【0085】
タイミングジェネレータ2は、図15に示すタイミングジェネレータ501の場合と同様に、映像信号に同期した同期信号SYNCが入力される。タイミングジェネレータ2は、入力された同期信号SYNCを元に、ドライバモノリシック型液晶表示装置などの液晶表示装置10に対してドライバ駆動用の各種制御信号(SP、CK、CKB、SPG、CKG、CKGBなど)と、液晶表示装置10に入力される4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを生成するために信号調整用回路ブロック4を制御するための映像データ生成用の制御信号とを生成する。
【0086】
A/D変換およびメモリ回路ブロック3には、ビデオ信号VIDEO・INが入力される。A/D変換およびメモリー回路ブロック3は、入力されたビデオ信号VIDEO・INをA/D変換した後でメモリに格納し、1水平走査期間の間に2回、デジタル映像データを信号調整用回路ブロック4に供給する。
【0087】
D/A変換および信号調整用回路ブロック4は、入力されたデジタル映像データをアナログ映像データ(各ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データ)に変換した後、正極性と負極性とに極性が反転する信号に変換し、また、入力ビデオ信号VIDEO・INの振幅Vを振幅V1に増幅する。さらに、D/A変換および信号調整用回路ブロック4は、タイミングジェネレータ2から供給される映像データ生成用の制御信号にしたがって、1水平走査期間分の映像信号を4系統に展開したビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを液晶表示装置10に出力する。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データは、本来の入力ビデオ信号VIDEO・INと比べて2倍の長さに伸長されており、それぞれ、1水平走査期間の間に同一データ信号線群(BUS1〜4またはBUS5〜8)に対して複数回、ここでは2回繰り返して出力されるようになっている。
【0088】
上記構成により、本実施形態1の液晶表示装置10の駆動方法について説明する。
【0089】
図3(a)は、図1(a)の液晶表示装置10の駆動方法を説明するための概念図、図3(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16の駆動方法を説明するための概念図である。
【0090】
本実施形態1の液晶表示装置10では、図3(a)に示すように、サンプリングパルスSAM1−1およびSAM1−2によって本来の1走査期間分の映像データを1水平走査期間の間に2回繰り返してサンプリングして各データバスラインBUS1〜BUS4に格納(サンプルホールド)し、サンプリングパルスSAM2−1およびSAM2−2によって本来の1走査期間分の映像データを1水平走査期間の間に2回っ繰り返してサンプリングして各データバスラインBUS5〜BUS8に格納している。
【0091】
つまり、1回目の映像データのサンプリング(サンプリングパルスSAM1−1およびSAM2−1)により各データバスラインBUS1〜BUS8に表示データを格納して従来のプリチャージに相当する動作を行うことにより、従来のようにプリチャージ用ドライバを設ける必要がなくなる。次に、2回目の映像データのサンプリング(サンプリングパルスSAM1−2およびSAM2−2)により各データバスラインBUS1〜BUS8に正確な表示データを格納し直して、従来のようにサンプリングブロックの境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0092】
これに対して、比較例の液晶表示装置16では、図3(b)に示すように、1水平走査期間の間に、サンプリングパルスSAM1〜SAM4によって本来の1走査期間分の映像データを1回だけサンプリングして各データバスラインBUS1〜BUS8に格納している。このため、図3(b)に矢印で示すように、サンプリングパルスSAM1によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS1およびBUS2に格納される表示領域(サンプリングブロック)と、サンプリングパルスSAM2によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS3およびBUS4に格納される表示領域との境界、サンプリングパルスSAM2によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS3およびBUS4に格納される表示領域と、サンプリングパルスSAM3によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS5およびBUS6に格納される表示領域との境界、およびサンプリングパルスSAM3によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS5およびBUS6に格納される表示領域と、サンプリングパルスSAM4によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS7およびBUS8に格納される表示領域との境界で、縦筋が発生するという問題がある。また、1水平走査期間の映像データのサンプリングが開始される以前にプリチャージを行うため、プリチャージ用ドライバを設ける必要がある。
【0093】
図4(a)は、図1(a)の液晶表示装置10におけるデータドライバ30の動作を説明するための信号波形図、図4(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16におけるデータドライバ36の動作を説明するための信号波形図である。
【0094】
図4(a)に示すように、本実施形態1のデータドライバ30では、サンプリングパルス生成回路31に、各種制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKがロウレベルでクロック信号CKBがハイレベルであるときに、サンプリングパルスSAM1−1,SAM1−2が順次出力される。
【0095】
データドライバ30のビデオ信号線32〜35にはそれぞれ、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した4系統の映像データ(ビデオ信号)VIDEO1〜VIDEO4が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号BUS1〜BUS8に対応する映像データであり、ビデオ信号線32にはビデオ信号VIDEO1として映像データ▲1▼および▲5▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回(映像データ▲1▼が2回、映像データ▲5▼が2回)供給され、ビデオ信号線33にはビデオ信号VIDEO2として映像データ▲2▼および▲6▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給され、ビデオ信号線34にはビデオ信号VIDEO3として映像データ▲3▼および▲7▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給され、ビデオ信号線35にはビデオ信号VIDEO4として映像データ▲4▼および▲8▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給されている。
【0096】
ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データは、上記サンプリングパルスSAM1−1のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−1のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が同時にサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチSW1〜SW4およびアナログスイッチSW5〜SW8と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8とをホールド容量とするサンプルホールド回路により、データバスライン容量CBUS1〜CBUS8のそれぞれに表示データが書き込まれる。
【0097】
サンプリングパルスSAM2−1により、データバスラインBUS5〜BUS8への各映像データのサンプリングが終了すると、表示部20において、表示領域1を構成するデータバスラインBUS1〜BUS4と、表示領域2を構成するデータバスラインBUS5〜BUS8には表示するべき各映像データが格納されることになるが、データバスラインBUS4には、隣接するデータバスラインBUS5の影響によりΔVだけ変動した表示データ(映像データ)が格納される。
【0098】
例えば、データバスラインBUS Kの容量をCBUS、データバスラインBUS KとBUS K+1との間の寄生容量をCSSとし、ビデオ信号線に供給されるビデオ信号(映像データ)を、図16に示すように、振幅V1で1水平走査期間毎にセンタ電位に対して極性反転させる場合を考えると、データバスラインBUS4の容量CBUS4にサンプルホールドしたデータの変動量ΔVは、
ΔV=2×V1×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、ΔV=0.5Vとなる。
【0099】
次に、サンプリングパルスSAM2−1が出力される少し前にスタートパルスSPが再度アクティブ(ハイレベル)となると、2回目のサンプリングパルスSAM1−2およびSAM2−2が順次出力される。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM1−2のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が再びサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−2のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が再びサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチSW1〜SW4およびアナログスイッチSW5〜SW8と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8とをホールド容量とするサンプルホールド回路により、データバスライン容量CBUS1〜CBUS8のそれぞれに表示データとして書き込まれる。
【0100】
ここで、2回目の各映像データのサンプリングが終了した後のデータバスラインBUS4およびBUS5に格納されているデータの変動について考察する。
【0101】
上述したように、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、1回目の各映像データのサンプリングにより、データバスラインBUS4には、ΔV4−1=0.5Vの電位変動が発生する。
【0102】
次に、2回目の各映像データのサンプリング時に、データバスラインBUS4には、サンプリングパルスSAM1−2により、本来のデータレベルである4.5Vが再度格納される。この時点で、データバスラインBUS5のデータは、データバスラインBUS4の2回目のサンプリングによる電位変動(ここではΔV4ー1=0.5V)により、
ΔV5=ΔV4−1×CSS/CBUS
となり、
ΔV5=0.5×0.5/9=0.027V
だけ変動する。
【0103】
しかしながら、サンプリングパルスSAM2−2が出力されると、データバスラインBUS5は、本来のデータレベルである4.5Vが再度格納されることとなり、2回目のサンプリングが行われた後にデータ(電位)の変動は生じない。
【0104】
このとき、データバスラインBUS4のデータは、データバスラインBUS5の電位変動の影響により再度変動するが、その変動量ΔV4−2は、
ΔV4−2=ΔV5×CSS/CBUS=0.027×0.5/9
=0.0015V
となる。
【0105】
これに対して、図1(b)の比較例である液晶表示装置16では、図4(b)に示すように、1水平走査期間にサンプリングパルスSAM1〜SAM4により各映像データ▲1▼〜▲8▼をそれぞれ1回サンプリングするだけであるので、プリチャージ動作を行わない場合の変動量ΔVおよびプリチャージを行う場合の変動量ΔV’はそれぞれ、ΔV=0.5VおよびΔV’=0.083Vとなる。
【0106】
したがって、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、比較例の液晶表示装置16の場合と比べて、データ変動量の大幅な低減が可能となり、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界部分で発生する縦筋を大幅に改善(解消)することができる。
【0107】
さらに、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、プリチャージ用ドライバを、表示部20が形成されるガラス基板上に設ける必要がなく、表示装置のサイズ増大やプリチャージ用ドライバの追加による歩留まりの低下、およびプリチャージ用ドライバを駆動する外部駆動回路の増加などといった不具合も改善される。
【0108】
さらに、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、ビデオ信号線数が比較例の液晶表示装置16の場合に比べて2倍の4本となっており、4系統のビデオ信号(映像データ)を入力しているため、比較例と同様の駆動クロック周波数で1水平走査期間に映像信号のサンプリングを2回行うことができる。
【0109】
なお、本実施形態1では、データドライバ30の詳細構成については特に説明しなかったが、液晶表示装置10を駆動するデータドライバ30がパネルサンプルホールド方式(複数点順次駆動方式)である場合を想定している。このようなドライバは、液晶表示装置10がドライバモノリシック型である場合に用いられることが多く、本発明は、液晶表示装置10がドライバモノリシック型液晶表示装置である場合に特に有効である。
【0110】
また、本実施形態1の液晶表示装置10において、表示部20やデータドライバ30およびゲートドライバ40を構成する各駆動素子として、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を実現することができる。この場合には、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることができて、ビデオ信号線数(例えば2本;図1(b)と同じ構成および図5(a)参照)を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0111】
図5(a)は、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、図5(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16のデータドライバ36の動作を説明するための信号波形図である。
【0112】
上記図1(a)に示す液晶表示装置10においては、データドライバ30の駆動クロック信号の周波数を変えることなく、1水平走査期間の間に映像データのサンプリングを繰り返し2回行うために、データドライバ30に接続されるビデオ信号線数(ここでは4本)を比較例の液晶表示装置16の場合(2本)と比較して2倍としている。
【0113】
これに対して、駆動素子に連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を構成する場合には、図1(b)および図5(a)に示すように、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることによって、ビデオ信号線数(2本)を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0114】
ところで、上記実施形態1では、データドライバ30を構成するシフトレジスタは、左から右方向の同一方向に2回繰り返して走査している。この場合、図6に示すように、データバスラインBUS1〜BUS4に正確なデータが格納される時間と、データバスラインBUS5〜BUS8に正確なデータが格納される時間とに差が生じる。
【0115】
上記説明では、表示部20を構成するデータバスライン数を8本としているが、実際にはデータバスライン数が数百以上である場合が殆どであり、データバスラインBUS1とBUS500とでは正確なデータが格納される時間に大きな差が生じる。
【0116】
ここで、表示部20を構成するTFTのオン抵抗と絵素容量とのなす時定数によっては、データバスラインBUS1に接続される絵素容量に表示データ(映像データ)が書き込まれる時間と、データバスラインBUS1に接続される絵素容量に表示データが書き込まれる時間とが異なることにより、中間調のべた表示を行った場合などに、表示部20の左右で輝度むらなどの不具合が生じる虞がある。
【0117】
そこで、以下の実施形態2では、N回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えて、以上のような不具合を防止する。
(実施形態2)
図7は、本発明の液晶表示装置の実施形態2におけデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【0118】
図7において、このデータドライバ30Aは、サンプリングパルス生成回路311と、サンプリングスイッチ312(SP_SW)と、走査方向切換回路313とを有している。
【0119】
一般に、最近のドライバモノリシック型液晶表示装置において、データドライバの走査方向は双方向にシフトできるようになっており、図7に示すように、サンプリングパルス生成回路311から出力される走査方向の最終サンプリングパルス(右方向に走査している場合にはSAM4で、左方向に走査している場合にはSAM1)を走査方向切換回路313に出力して、走査方向切換回路313で走査方向切換信号を生成し、その走査方向切換信号をサンプリングパルス生成回路311に入力する。これによって、サンプリングパルス生成回路311による走査方向を切り換えるようにしている。1水平走査期間の間に映像データを繰り返して2回サンプリングする際に、1回目と2回目とでサンプリング時の走査方向を逆方向に切り換えることができる。
【0120】
上記構成により、サンプリングスイッチ312にスタートパルスSPが入力されると、サンプリングスイッチ312はサンプリングパルス生成回路311にスタートパルスSPを出力し、1回目の映像データのサンプリングが開始される。ここでは、左から右方向に走査が行われるように走査方向制御信号が設定されており、1回目の映像データサンプリング時の走査方向は、SAM1→SAM2→SAM3→SAM4の右方向となる。
【0121】
サンプリングが進んでサンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM4が出力されると、これを走査方向切換回路313が検出して、右から左方向に走査が行われるように走査方向切換回路313から走査方向切換信号が出力され、これをサンプリングパルス生成回路311が検出して走査方向が逆方向に切り換わる。これによって、サンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM4が再度出力されて、2回目の映像データのサンプリングが開始される。この2回目の映像データのサンプリング時の走査方向は、SAM4→SAM3→SAM2→SAM1の左方向となり、これは1回目のサンプリング時と逆方向である。
【0122】
一方、右から左方向に走査が行われるように走査方向制御信号が設定されている場合には、1回目の映像データサンプリングが、SAM4→SAM3→SAM2→SAM1の左方向に行われる。サンプリングが進んでサンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM1が出力されると、左から右方向に走査が行われるように走査方向切換回路313から出力される走査方向切換信号の極性が切り換わると共に、サンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM1が再度出力されて、2回目の映像データのサンプリングがSAM1→SAM2→SAM3→SAM4の右方向に行われる。
【0123】
図8(a)は、図7のデータドライバ30Aの動作を説明するための信号波形図、図8(b)は、図1(b)のデータドライバ36の動作を示す信号波形図である。
【0124】
図8(a)に示すように、このデータドライバ30Aでは、サンプリングパルス生成回路311に、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKがロウレベルでクロック信号CKBがハイレベルのときに、サンプリングパルスSAM1−1が出力され、さらにSAM1−2が順次出力される。
【0125】
データドライバ30Aの4本のビデオ信号線にはそれぞれ、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号BUS1〜BUS8に対応する映像データであり、図1(a)の場合と同様に、ビデオ信号線32にはビデオ信号VIDEO1としては映像データ▲1▼および▲5▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線33にはビデオ信号VIDEO2としては映像データ▲2▼および▲6▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線34にはビデオ信号VIDEO3としては映像データ▲3▼および▲7▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線35にはビデオ信号VIDEO4として映像データ▲4▼および▲8▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給されている。
【0126】
ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM1−1のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−1のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が同時にサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチと、表示部のデータバスラインとをホールド容量とするサンプルホールド回路により、それぞれのデータバスライン容量に表示データとして書き込まれる。
【0127】
次に、サンプリングパルスSAM2−1が出力される少し前にスタートパルスSPが再度アクティブ(ハイレベル)となると、1回目の映像データのサンプリング時と走査方向が逆となり、サンプリングパルスSAM2−2およびSAM1−2が順次出力される。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM2−2のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が再びサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM1−2のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が再びサンプリングされる。このサンプリングされた各映像データは、アナログスイッチと、表示部のデータバスラインとをホールド容量とするサンプルホールド回路により、それぞれのデータバスライン容量に表示データが書き込まれる。
【0128】
以上により、本実施形態2の液晶表示装置によれば、1回目の映像データのサンプリングが終了した後、サンプリングパルス生成回路311の走査方向を切り換えて2回目の映像データのサンプリングを行うことにより、例えば1回目の映像データのサンプリング時にはデータバスラインBUS1に接続された絵素容量への映像データの書き込み時間が長くなり、2回目の映像データのサンプリング時にはデータバスラインBUS500に接続された絵素容量への映像データの書き込み時間が長くなり、映像データの書き込み時間を平均化することができる。このように、2回目の映像データのサンプリングが後に行われるデータバスラインに対して、1回目の映像データのサンプリングを早く行うことによって、2回目の映像データのサンプリングからゲートバスラインが非アクティブとなる期間(絵素容量に映像データが格納される期間)が短くなることを、1回目の映像データのサンプリングからゲートバスラインが非アクティブとなる期間を長くすることによって補うことができ、上述したような左右の輝度ムラを均一化することができる。
【0129】
また、本実施形態2の液晶表示装置においても、表示部やドライバを構成する駆動素子として、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を実現することができる。
【0130】
図9(a)は、本実施形態2の液晶表示装置において、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、図9(b)は、比較例としての液晶表示装置16におけるデータドライバ36の信号波形図である。
【0131】
駆動素子に連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を構成する場合には、図9(a)に示すように、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることによって、ビデオ信号線の数を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、本来の映像信号をN系統に展開した各映像データを入力して、そのN系統の各映像データを同時サンプリングする複数点順次方式のデータドライバにおいて、1水平走査期間の間に、各映像データの同時サンプリングを繰り返して複数回行うことにより、同時サンプリングが行われる表示領域の境界部分で、1回目の映像データのサンプリング時に、データバスライン同士の容量結合によって隣接表示領域の映像データのサンプリングの影響による電位変動を、2回目の映像データのサンプリングによって本来のデータ電位にサンプリングし直して、従来生じていた表示画面上の縦筋の発生を抑制することができる。
【0133】
したがって、1水平走査期間の映像データのサンプリング前にプリチャージ動作を行う従来技術のようなプリチャージ駆動回路が不要であり、表示装置の小型化、および歩留まりの向上を図ることができる。また、1回目の映像データのサンプリングがプリチャージとして作用するため、表示諧調の電位によらず、常に最適なプリチャージをデータバスラインに施すことができる。
【0134】
また、N回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えることによって、絵素容量へのデータ書き込み時間の平均化を図ることができ、表示部の左右方向に輝度むらなどが生じることを防いで、高品位な表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の液晶表示装置の実施形態1における要部構成を示すブロック図、(b)は、図1(a)と比較するための比較例としての従来の液晶表示装置における要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1(a)の液晶表示装置を駆動する駆動回路システムの要部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1(a)の液晶表示装置の駆動方法を説明するための概念図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置の駆動方法を説明するための概念図である。
【図4】(a)は、図1(a)の液晶表示装置におけるデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置におけるデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図5】(a)は、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置のデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図6】実施形態1の液晶表示装置において、表示部を構成する絵素容量への書き込み時間を説明するための信号波形図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の実施形態2におけデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【図8】(a)は、図7のデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)のデータドライバの動作を示す信号波形図である。
【図9】(a)は、実施形態2の液晶表示装置において、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、比較例としての液晶表示装置におけるデータドライバの信号波形図である。
【図10】従来の一般的なアクティブマトリックス方式のドライバモノリシック型液晶表示装置の要部構成を示す回路図である。
【図11】図10のデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【図12】図11のサンプリングパルス生成回路の構成を示す回路図である。
【図13】図12のサンプリングパルス生成回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図14】図11のデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図15】従来の液晶表示装置を駆動する駆動回路システムの要部構成を示すブロック図である。
【図16】従来の液晶表示装置の駆動回路システムにおいて、サンプルホールドLSIに入力される映像信号を説明するための信号波形図である。
【図17】(a)〜(l)はそれぞれ、従来の液晶表示装置の駆動回路システムにおいて、サンプルホールドLSIに入力される映像信号と、サンプルホールドLSIから出力される12相に展開されたビデオ信号との関係を説明するための信号波形図である。
【図18】従来の液晶表示装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図19】液晶表示装置の表示部におけるデータバスライン同士の寄生容量について説明するための回路図である。
【図20】従来の液晶表示装置に生じるデータバスライン変動ΔVについて説明するための信号波形図である。
【図21】従来の液晶表示装置におけるプリチャージ電位について説明するための信号波形図である。
【符号の説明】
1 駆動回路システム
2 タイミングジェネレータ
3 A/D変換およびメモリー回路ブロック
4 D/A変換および信号調整用回路ブロック
10 液晶表示装置
20 表示部
30,30A データドライバ
40 ゲートドライバ
31,311 サンプリングパルス生成回路
32〜35 ビデオ信号線
312 サンプリングスイッチ
313 走査方向切り換え回路
SW1〜SW8 アナログスイッチ
BUS1〜8 データバスライン(データ信号線)
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ信号線に表示用の映像データを順次供給するデータドライバ、そのデータドライバを備えた液晶表示装置などの表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置などの表示装置として、互いに交叉して配置された複数の走査信号線(ゲートバスライン)と複数のデータ信号線(データバスライン)との交叉部近傍に絵素容量をそれぞれマトリックス状に配置して、各絵素容量をTFTなどの駆動素子を介してデータ信号線に接続し、駆動素子の制御端子を走査信号線に接続することによって、各絵素容量が選択的に駆動されるようにしたアクティブマトリックス型表示装置が知られている。
【0003】
また、各データ信号線にそれぞれ映像データを供給するデータドライバ、および各走査信号線に走査信号を順次供給するゲートドライバを表示部と同じ基板上に設けたドライバモノリシック型表示装置が知られている。
【0004】
このようなドライバモノリシック型の表示装置では、連続粒界結晶シリコン(例えばTFTのチャンネル方向を結晶粒界で遮らないために、結晶粒界がほぼ平行になるように基板表面形状、不純物添加領域などを制御して作製したシリコン(SI)膜)を用いてデータドライバやゲートドライバを構成する駆動素子、および表示部の駆動素子が構成されている。
【0005】
図10は、従来の一般的なアクティブマトリックス方式のドライバモノリシック型液晶表示装置100の要部構成を示す回路図である。
【0006】
図10において、この液晶表示装置100は、ガラス基板または石英基板などの透明基板の上に、データドライバ200、ゲートドライバ300および表示部400が形成されている。
【0007】
データドライバ200には、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CKおよびCKBおよび、1水平期間において、表示領域毎に対応して時系列に分割された映像信号を、さらに時系列に2系統の表示電圧レベルに展開したビデオ信号VIDEO1およびVIDEO2が入力される。データドライバ200の信号出力端にはデータバスライン(データ信号線)S1,S2,・・,Si,・・,SNがそれぞれに接続されている。
【0008】
ゲートドライバ300には、スタートパルスSPGおよびクロック信号CKG,CKGBが入力される。ゲートドライバ300の各信号出力端には、ゲートバスライン(走査信号線)G1,G2,・・,Gi,・・,GMがそれぞれに接続されている。
【0009】
表示部400には、複数のゲートバスライン(走査信号線)G1,G2,・・,Gi,・・,GMと複数のデータバスライン(データ信号線)S1,S2,・・,Si,・・,SNとの各交叉部近傍に薄膜トランジスタ(TFT)401および絵素容量402がマトリックス状に配置されている。
【0010】
各TFT401のゲート端子(制御端子)はそれぞれ各ゲートバスラインG1,G2,・・,Gi,・・,GMにそれぞれ接続され、その各ソース端子(一方の駆動端子)はそれぞれ各データバスラインS1,S2,・・,Si,・・,SNにそれぞれ接続され、その各ドレイン端子(他方の駆動端子)はそれぞれ各絵素容量402の一端にそれぞれ接続されている。
【0011】
各絵素容量402は、透明基板上に設けられた透明電極と、他方の対向基板(図示せず)上に設けられた対向電極との間に表示媒体の液晶層が挟持されて構成されている。
【0012】
図11は、図10のデータドライバ200の要部構成を示すブロック図である。
【0013】
図11において、このデータドライバ200は、サンプリングパルス生成回路201と、ビデオ信号VIDEO1,VIDEO2がそれぞれ供給される映像信号用配線202a,202b(ビデオ信号線)と、複数のアナログスイッチ203a,203b,204a,204b,205a,205b,・・・とを有している。
【0014】
サンプリングパルス生成回路201は、スタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力され、映像信号を時系列に順次サンプリングするために順次遅延させたサンプリングパルスSAM1,SAM2,SAM3,・・・を生成する。このサンプリングパルスSAM1,SAM2,SAM3,・・・はそれぞれ、一対のアナログスイッチ203aおよび203b,204aおよび204b,205aおよび205b,・・・に順次供給される。
【0015】
アナログスイッチ203a,203b・・・は、入力されたサンプリングパルスSAM1・・に基づいて、一対のビデオ信号線202a,202b上の各映像信号からサンプリングした各映像データをそれぞれデータバスラインS1,S2,・・・にそれぞれ出力する。
【0016】
図12は、図11のサンプリングパルス生成回路201の構成を示す回路図である。
【0017】
図12において、このサンプリングパルス生成回路201は、Dフリップフロップ210a,210b,210c、・・・からなるシフトレジスタ210と、AND回路220a,220b,220c,・・・とを有している。
【0018】
シフトレジスタ210において、Dフリップフロップ210aのデータ入力端子DにはスタートパルスSPが入力されている。また、各Dフリップフロップ210aの出力端子Qは後段のDフリップフロップ210bのデータ入力端子Dに接続されている。また同様に、Dフリップフロップ210bの出力端子Qは、Dフリップフロップ210cの入力端子Dと接続されている。各Dフリップフロップ210a・・のクロック入力端子CK,CKBにはそれぞれクロック信号CK,CKBがそれぞれ入力されている。
【0019】
隣接するDフリップフロップの出力端子QはそれぞれAND回路220の二つの入力端に接続され、AND回路220からサンプリングパルスが出力される。AND回路220として例えばAND回路220aの場合、Dフリップフロップ210a,210bの各出力端子Qはそれぞれ、AND回路220aの二つの入力端に接続され、AND回路220aからサンプリングパルスSAMP1が出力される。
【0020】
以下に、上記従来の液晶表示装置の動作について説明する。
【0021】
図13は、図12のサンプリングパルス生成回路201の動作を説明するための信号波形図、図14は、図11のデータドライバ200の動作を説明するための信号波形図である。
【0022】
図13に示すように、サンプリングパルス生成回路201に、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKの立ち上がり時から次のクロック信号CKBの立ち下がり時まで、Dフリップフロップ210aからの出力信号Q1が図13に点線で示すようにハイレベルになり、また、クロック信号CKBの立ち上がり時から次のクロック信号CKの立ち下がり時まで、Dフリップフロップ210bからの出力信号Q2が図13に点線で示すようにハイレベルになる。これによって、AND回路220aからは出力信号Q1,Q2が共にハイレベルであるときに、映像データをサンプリングするためのサンプリングパルスSAM1が出力される。これと同様に、AND回路220b,220c、・・・から順次サンプリングパルスSAM2、SAM3、・・・が出力される。
【0023】
データドライバ200のビデオ信号線202a,202bにはそれぞれ、図14に示すようなタイミングで、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した2系統のビデオ信号VIDEO1,VIDEO2が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号S1〜S8にそれぞれ対応する映像データであり、ビデオ信号線202aにはビデオ信号VIDEO1として映像データ▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼、・・・を2倍に時間軸伸長した映像データが順次供給され、ビデオ信号線202bにはビデオ信号VIDEO2として映像データ▲2▼、▲4▼、▲6▼、▲8▼、・・・を2倍に時間軸伸長した映像データが順次供給されている。
【0024】
ビデオ信号VIDEO1,VIDEO2は、上記サンプリングパルスSAM1のタイミングで映像データ▲1▼および▲2▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2のタイミングで映像データ▲3▼および▲4▼が同時にサンプリングされ、続いてサンプリングパルスSAM3のタイミングで映像データ▲5▼および▲6▼が同時にサンプリングされる。同様に、各映像データが順次サンプリングされ、アナログスイッチ203a,203b,・・・と、表示部400のデータバスラインS1、S2、S3、・・・とをホールド容量とするサンプルホールド回路201により、データバスライン容量のそれぞれに表示データが書き込まれる。
【0025】
サンプリングパルスSAMによって、各データバスラインSiに表示データが書き込まれている間、ゲートドライバ300の出力端に接続されているゲートバスラインGiはアクティブとなっており、ゲートバスラインGiに接続されているTFT401を介してデータバスラインSiに書き込まれた表示データは、表示部400の各絵素容量402に順次格納される。
【0026】
1水平走査期間分の映像データのサンプリングが終了し、一列の各絵素容量402にデータが書き込まれた後、ゲートバスラインGiは非アクティブとなり、次の水平走査期間に表示データが書き込まれるまで、絵素容量400に書き込まれたデータを保持する。絵素容量400に書き込まれたデータによって、液晶による光の透過・散乱などの特性が変化し、表示画面上に画像が表示される。
【0027】
上記従来の液晶表示装置100において、データドライバ200には、本来の映像データ信号を2倍に時間軸伸長した2系統の映像データが入力されているため、図14に示すように、本来の映像信号をサンプリングする場合に比べて、映像データのサンプリング速度を1/2に遅くすることができる。
【0028】
一般に、ドライバモノリシック型の液晶表示装置を構成するデータドライバにおいて、アナログスイッチとデータバスライン容量とによってサンプルホールド回路を構成すると、アナログスイッチとホールドコンデンサ(データバスライン容量)とによる時定数が大きくなるため、データドライバのサンプルホールド回路は、動作速度(充放電)に時定数による限界を有する。
【0029】
これを改善するために、従来、データドライバを構成するTFTの移動度など、トランジスタ特性に合わせて、本来の映像信号をN倍に時間軸伸長したN系統のビデオ信号をデータドライバに入力して、データドライバによるサンプリング速度を、元の映像信号をサンプリングする場合に比べて、1/Nに遅くすることが行われる。これによって、単結晶シリコントランジスタよりも移動度の低いポリシリコンやその他のTFTによって、液晶表示装置を構成するドライバ回路(データドライバやゲートドライバ)を表示部と同一基板上に形成することが可能になる。
【0030】
以下に、本来の映像信号をN倍に時間軸伸長してN系統のビデオ信号(映像データ)に変換して液晶表示装置を駆動する方法について説明する。
【0031】
図15は、従来の液晶表示装置を駆動する駆動回路システム500の要部構成を示すブロック図である。ここでは、映像信号をN=12倍に時間軸伸長して元の映像信号を12系統のビデオ信号として液晶表示装置に入力する場合を示している。
【0032】
図15において、この駆動回路システム500は、タイミングジェネレータ501と、信号調整用回路ブロック502と、サンプルホールド回路503(サンプルホールドLSI)とを有している。
【0033】
タイミングジェネレータ501には、映像信号に同期した同期信号SYNCが入力されている。タイミングジェネレータ501は、入力された同期信号SYNCを元に、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に設けられたドライバを駆動するための各種制御信号(SP、CK、CKB、SPG、CKG、CKGBなど)と、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に入力される12系統のビデオ信号VIDEO1〜12を生成するためのサンプルホールドLSI用制御信号を生成する。この各種制御信号はドライバモノリシック型液晶表示装置504に供給され、サンプルホールドLSI用制御信号はサンプルホールドLSI503に供給される。
【0034】
信号調整用回路ブロック502には図16に示すようなビデオ信号VIDEO・INが入力されている。信号調整用回路ブロック502は、ビデオ信号VIDEO・INの極性反転と、コントラスト・振幅の調整とを行う機能を有しており、図16に示すように、入力されるビデオ信号VIDEO・INを、1水平走査期間毎に正極性と負極性とに極性が反転する信号に変換し、さらに、入力されるビデオ信号VIDEO・INの振幅Vを振幅V1に増幅する。このように、1水平走査期間毎に映像信号の極性を反転させる理由は、表示部400を構成する液晶に直流電圧が印加されて液晶が劣化することを防止すると共に、フリッカを目立たなくするためである。極性反転および振幅調整などが行われたビデオ信号VIDEOは、サンプルホールドLSI503に入力される。
【0035】
サンプルホールドLSI503は、タイミングジェネレータ501から供給される制御信号にしたがって、信号調整用回路ブロック502から供給されたビデオ信号VIDEOを元に、図17(a)〜図17(l)に示すような12系統に展開されたビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12をドライバモノリシック型液晶表示装置504に出力する。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12は、本来のビデオ信号VIDEO・INと比べて12倍の長さに伸長されており、動作速度が1/12であるので、ドライバモノリシック型液晶表示装置504に備わったデータドライバの動作速度も、それに応じて遅くすることができる。
【0036】
図18は、映像信号の伸長数をN=12として、本来の映像信号を12系統の映像データ(表示電圧レベル)に展開したビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12が入力される従来の液晶表示装置600の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、三つの表示領域1〜3に分割したが実際にはもっと多数である。
【0037】
図18において、この液晶表示装置600は、データドライバ700と、図10のゲートドライバ300と同様のゲートドライバ800と、表示部900とを有している。
【0038】
データドライバ700は、サンプリングパルスSUM1〜SUM3を生成するサンプリングパルス生成回路710と、各サンプリングパルスSUM1〜SUM3によってビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12をサンプリングするアナログスイッチSW1〜SW36とを有している。
【0039】
表示部900は、三つの表示領域1〜3を有しており、それぞれ、12本のデータバスラインBUS1〜BUS12bUS13〜BUS24およびBUS25〜BUS36によって絵素容量に表示データが供給されるようになっている。
【0040】
上記構成により、データドライバ700のサンプリングパルス生成回路710では、図11および図12を用いて説明したサンプリングパルス生成回路201の場合と同様に、データドライバ駆動用クロック信号CK,CKBに同期してサンプリングパルスSUM1が出力され、アナログスイッチSW1〜SW12とデータバスライン容量CBUS1〜CBUS12とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域1の表示データとして、各データバスラインBUS1〜BUS12の容量CBUS1〜CBUS12に格納される。
【0041】
サンプリングパルスSUM1によるビデオ信号VIDEOのサンプルホールドが完了した後、次に、サンプリングパルス生成回路700からデータドライバ駆動用クロック信号CKおよびCKBに同期してサンプリングパルスSUM2が出力され、アナログスイッチSW13〜SW24とデータバスライン容量CBUS13〜CBUS24とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域2の表示データとして、各データバスラインBUS13〜BUS24のデータバスライン容量CBUS13〜CBUS24に書き込まれる。
【0042】
これと同様に、サンプリングパルスSUM2によるビデオ信号のサンプルホールドが完了した後、次に、サンプリングパルス生成回路710からデータドライバ駆動用クロック信号CK,CKBに同期してサンプリングパルスSUM3が出力され、アナログスイッチSW25〜SW36とデータバスライン容量CBUS25〜CBUS36とからなるサンプルホールド回路によって、ビデオ信号線701〜712に入力されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO12の映像データが、表示領域3の表示データとして、各データバスラインBUS25〜BUS36のデータバスライン容量CBUS25〜CBUS36に格納される。これによって、1水平走査期間分の映像信号のサンプルホールドが終了する。
【0043】
以上のようにして、中間調のベタ表示を行う場合、サンプリングパルスSUM1により映像データがサンプリングされて表示領域1に表示され、サンプリングパルスSUM2により映像データがサンプリングされて表示領域2に表示され、サンプリングパルスSUM3により映像データがサンプリングされて表示領域3に表示される。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の液晶表示装置600にて中間調のベタ表示を行う場合、各表示領域1〜3の境界部分に縦筋が発生するという問題がある。
【0045】
以下に、このような縦筋が発生する原因について説明する。まず、データバスラインBUS12に格納された表示データについて説明する。
【0046】
本来、サンプリングパルスSUM1によりビデオ信号VIDEO12の映像データをデータバスラインBUS12のデータバスライン容量CBUS12にサンプルホールドした後は、次の水平走査期間において映像データのサンプルホールドが開始されて再びサンプリングパルスSUM1が出力されるまでは、データバスラインBUS12の容量CBUS12に格納された表示データにおいて、保持電圧(保持データ)に変動(変化)は生じないはずである。
【0047】
しかしながら、図19に示すように、表示部900のデータバスラインBUSKとBUS K+1の間には、各種寄生容量(表示部900を構成する各種導電層と絶縁層などとの間に存在する寄生容量)が存在している。例えばデータバスラインBUS10とBUS11との間には寄生容量CSS10が存在している。このため、図20に示すように、サンプリングパルスSUM2によりデータバスラインBUS13の容量CBUS13に映像データが格納される時点において、データバスラインBUS12とBUS13との間の寄生容量CSS12を介して、データバスラインBUS12の容量CBUS12にサンプルホールドされたデータがΔVだけ変動する。ここで、正極性の映像データVが書き込まれるときには正側にΔVだけ変動し、負極性の映像データが書き込まれるときには負側にΔVだけ変動する。
( 図20の補正信号Vcについてご教示下さい。)
例えば、データバスラインBUS Kの容量をCBUS、データバスラインBUS KとBUS K+1との間の寄生容量をCSSとし、ビデオ信号線に供給される映像データ(ビデオ信号VIDEO)を、図16に示すように、振幅V1で1水平走査期間毎にセンター電位に対して極性反転させる場合を考えると、データバスラインBUS12の容量CBUSにサンプルホールドしたデータの変動量ΔVは、
ΔV=2×V1×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、
ΔV=0.5V
となり、表示上、無視することができないような電位の変動が、データバスラインに発生する。これと同様に、データバスラインBUS24についても、データホールド後の電位変動ΔVが発生する。一方、データバスラインBUS1〜BUS11については、データホールド後に隣接するデータバスラインの電位が変動することはないので、上述したようなデータの変動ΔVは発生しない。
【0048】
なお、ここでは、走査方向(SUM1→SUM2→SUM3と進む)は左から右方向(SUM1→SUM2→SUM3に進む)の場合について説明したが、走査方向が右から左方向(SUM3→SUM2→SUM1に進む)の場合には、データバスラインBUS25およびBUS13に格納されたデータが、データバスラインBUS24およびBUS12へのデータ書き込み時に影響を受けて変動することは言うまでもない。
【0049】
このようなデータバスラインBUS12およびBUS24の変動電位ΔVによって、本来は中間調のベタ表示が行われるはずである液晶表示装置600において、表示画像に規則的な(上記例ではデータバスライン12本毎に現れる)縦筋状の表示不具合が発生することになる。
【0050】
このような表示不具合を改善するための方法として、一般に、データバスラインBUS1〜BUS36に対してプリチャージを行う方法が知られている。
【0051】
この方法では、1水平走査期間において映像データのサンプリング(サンプルホールド)が開始される以前に、一旦、全データバスラインBUS1〜BUS36に対して中間データ(プリチャージ電位)を書き込んでから、映像データのサンプリングを行う。これにより、上述したような表示領域間で隣接するデータバスラインのサンプリングによってデータバスラインに保持されているデータの電位変動が生じることを低減することができる。
【0052】
図21は、データバスラインに対してプリチャージを行う従来の液晶表示装置の駆動方法について説明するための信号波形図である。
【0053】
図21に示すように、プリチャージ電位をVP、表示される映像データをVMとすると、上述したデータバスラインの電位変動は、
ΔV=2×VM×CSS/CBUS
から、
ΔV’=│VM−VP│×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、VM=3.5V、VP=2V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、データバスラインの電位変動を、
ΔV=0.389V → ΔV’=0.083V
に低減できることになる。
【0054】
しかしながら、このようなデータバスラインのプリチャージを行う方法によっても、データバスラインの変動ΔV’が0.083Vだけ残っている。ここで、ビデオ信号のダイナミックレンジをV1=4.5Vとして仮定すると、256階調表示を行う場合、1階調=4.5/256=17.5MVであり、0.083V(83MV)では4階調以上の電位変動が残ることになる。また、ここでは、VM=3.5V、VP=2Vとしているが、VPとVMとの電位差が大きいほど、縦筋の発生(ΔV’)が顕著になる。
【0055】
さらに、データバスラインのプリチャージを行うためには、プリチャージ用ドライバを、表示部900を形成するガラス基板上に設ける必要があり、表示装置のサイズ増大やプリチャージ用ドライバの追加による歩留まりの低下、プリチャージ用ドライバを駆動するための外部駆動回路の増加なども伴うことになる。
【0056】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、プリチャージ用ドライバを新たに追加しなくても、隣接するデータバスラインの影響によるデータ変動を防いで高品位な表示画像を得ることができるデータドライバ、これを用いた表示装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
【0057】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータドライバは、1水平走査期間内の時系列の各映像信号をさらに時系列のN(Nは自然数)系統に展開した各映像データを同時にサンプリングするサンプリングパルスを順次生成するサンプリングパルス生成回路を有し、サンプリングパルスにより順次サンプリングしたN系統の各映像データを複数のデータ信号線群のそれぞれに順次供給する複数点順次方式のデータドライバにおいて、サンプリングパルス生成回路は、1水平走査期間内に、各映像データの同時サンプリングが同一表示領域毎のデータ信号線群に対応して複数回繰り返して行われるようにサンプリングパルスを生成するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0058】
また、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、N系統に展開した各映像データがそれぞれ入力されるN本の映像信号線と、時系列に順次遅延させた各サンプリングパルスによって順次サンプリングされる該N本の映像信号線の各映像データをN本のデータ信号線群のそれぞれに順次供給するスイッチ回路とを備える。
【0059】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、同一表示領域毎のデータ信号線群に対応したP(Pは自然数)回目のデータサンプリング時の走査方向と、P+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを逆方向に切り換える走査方向切換手段を有する。
【0060】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおける映像信号線には、1水平走査期間内に同じ各映像データが複数回入力される。
【0061】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおいて、前記複数回は2回である。
【0062】
さらに、好ましくは、本発明のデータドライバにおける映像信号線には、映像信号を時間軸伸長処理した各映像データが入力されている。
【0063】
本発明の表示装置は、複数の走査信号線と複数のデータ信号線とが互いに交叉して配置され、各交叉部近傍に絵素容量がそれぞれ配置され、各絵素容量は駆動素子を介して交叉部近傍のデータ信号線に電気的に導通可能に接続され、駆動素子の制御端子は該交叉部近傍の走査信号線に接続された表示部と、各走査信号線に走査信号を順次供給するゲートドライバと、各データ信号線にそれぞれ映像データを供給する請求項1〜6の何れかに記載のデータドライバとを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0064】
また、好ましくは、本発明の表示装置における絵素容量は液晶からなる。
【0065】
さらに、好ましくは、本発明の表示装置における表示部、ゲートドライバおよびデータドライバが同一基板上に設けられる。
【0066】
さらに、好ましくは、本発明の表示装置におけるゲートドライバおよびデータドライバを構成する駆動素子および前記表示部の駆動素子は連続粒界結晶シリコンを用いて構成されている。
【0067】
本発明の表示装置の駆動方法は、請求項7〜10の何れかに記載の表示装置の駆動方法であって、1水平走査期間内に、データドライバに、1水平走査期間分の時系列の映像信号をさらに時系列のN系統に展開した各映像データをそれぞれ入力するステップと、時系列に順次遅延させたM(Mは自然数)番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、時系列に順次遅延させたM+1番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM+1群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、時系列に順次遅延させた2M番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM群目のN本のデータ信号線群のそれぞれに再度供給するステップと、時系列に順次遅延させた2(M+1)番目のサンプリングパルスによって、N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM+1群目のN本のデータ信号線群に再度供給するステップとを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0068】
上記構成により、以下、本発明の作用について説明する。
【0069】
本発明においては、本来の時系列の映像信号(アナログ映像信号)を、さらに時系列のN系統(N相)の各表示電圧レベルに展開した映像データとして入力し、サンプリングパルスによってN系統のビデオ信号(映像データ)を同時にサンプリングし、そのN系統のサンプリング映像データを複数のデータ信号線群のうちN本のデータ信号線群のそれぞれに供給する複数点同時サンプリングの複数点順次方式データドライバにおいて、1水平走査期間内に、複数点同時サンプリングを同一表示領域毎のデータ信号線群に対して複数回、少なくとも2回(繰り返し回数)行う。これによって、複数点同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で、データバスライン同士の容量結合によって、1回目の映像データの複数点同時サンプリング時に隣接表示領域のサンプリングの影響による電位変動ΔVが生じても、2回目(再度の)の映像データの複数点同時サンプリングによって本来のデータ電位にサンプリングし直すことが可能となり、これにより、従来発生していた縦筋を打ち消すことが可能となる。
【0070】
したがって、従来のように、1水平走査期間の映像データのサンプリング前にプリチャージ動作を行う必要がなく、プリチャージ駆動回路も不要になる。さらに、データバスラインに一旦プリチャージ電位を書き込む方法では、プリチャージ電位VPと映像データVMとの電位差が大きいほど、縦筋の発生(ΔV’)が顕著になるが、本発明によれば、1回目の複数点同時サンプリングが従来のプリチャージと同様に作用するため、VP≒VMとして縦筋を防ぐことができる。したがって、表示諧調の電位によらず、常に最適なプリチャージをデータバスラインに施すことが可能となる。
【0071】
さらに、同一表示領域毎のデータ信号線群に対応した繰り返しN回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えることによって、絵素容量へのデータ書き込み時間の平均化を図り、表示部の左右方向に輝度むらなどが生じることが防止される。
【0072】
なお、従来技術において、(1)特開平5−328266号公報および(2)特開平8−9308号公報には、液晶表示装置のデータドライバにおいて、走査方向を切り換えることについて記載されているが、上記従来技術(1)では、表示部を挟んで上下に設けられたデータドライバの走査方向を逆方向にしてサンプリングを行うことにより、表示領域(ブロック)間の継ぎ目を目立たなくするためのものである。
【0073】
これに対して、本発明では、データドライバによるスキャンを1水平走査期間で繰り返して複数回行うことにより、複数の映像データが同時サンプリングされる表示領域(ブロック)間で縦筋の発生原因となる電位変動量を低減するためのものであり、上記従来技術(1)とは根本的に技術思想が異なるものである。
【0074】
また、上記従来技術(2)では、プロジェクション型液晶表示装置の設置方向に対応してデータドライバの走査方向を切り換えることによって、投影される映像の向きを適切に合わせるためのものであって、本発明のように縦筋の発生原因となる電位変動量を低減するためのものではありません。
【0075】
本発明は、液晶表示装置などの表示装置を駆動するデータドライバがパネルサンプルホールド方式(複数点順次駆動方式)である場合を想定している。このようなデータドライバは、表示部とデータドライバおよびゲートドライバとが同一基板上に設けられたドライバモノリシック型の表示装置において用いている。また、表示部とデータドライバおよびゲートドライバとを構成する駆動素子を、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いて構成することによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を得ることが可能となり、各映像データの供給時間が短くてもデータバスラインへのデータ書き込みが可能となるので、本来の映像信号の相展開数(時系列にN系統の表示電圧レベルに展開された各映像データ数N)を減らすことができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の液晶表示装置の実施形態1〜3について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の液晶表示装置の実施形態1における要部構成を示すブロック図、図1(b)は、図1(a)と比較するための従来の液晶表示装置における要部構成を示すブロック図である。
【0077】
図1(a)において、本発明の液晶表示装置10は、複数の絵素容量がマトリックス状に配置された表示部20と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8に映像データを供給するデータドライバ30と、表示部20のゲートバスラインG1,G2・・GNに走査信号を順次供給するゲートドライバ40とを有している。
【0078】
表示部20は、少なくとも表示領域1,2を有しており、それぞれ、複数本。例えば4本のデータバスラインBUS1〜4と4本のデータバスラインBUS5〜8によって各絵素容量に各表示データが供給されるようになっている。
【0079】
データドライバ30は、サンプリングパルスSAM1−N(本実施形態1ではSAM1−1,1−2)およびSAM2−N(本実施形態1ではSAM2−1,2−2)を生成するサンプリングパルス生成回路31と、各サンプリングパルスSAM1−N,SAM2−Nによってビデオ信号線(映像信号用配線)32〜35に供給されているビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを複数点同時サンプリングするアナログスイッチSW1〜SW4およびSW5〜SW8とを有している。
【0080】
サンプリングパルス生成回路31は、1水平走査期間内に、複数点同時サンプリングを繰り返して複数回、本実施形態1では2回(例えばサンプリングパルスSAM1−1,1−2)行う。
【0081】
これに対して、図1(b)の比較例としての従来の液晶表示装置16は、複数の絵素容量がマトリックス状に設けられた表示部26と、表示部26のデータバスラインBUS1〜BUS8に映像データを供給するデータドライバ36と、表示部26のゲートバスラインG1,G2,・・Gi・・GNに走査信号を順次供給するゲートドライバ40とを有している。表示部26は表示領域1〜4を有しており、それぞれ、2本づつのデータバスラインBUS1,2と、BUS3,4と、BUS5,6と、BUS7,8とによって各絵素容量に表示データが順次供給されるようになっている。データドライバ36は、サンプリングパルスSAM1〜SAM4を生成するサンプリングパルス生成回路37と、各サンプリングパルスSAM1〜SAM4によってビデオ信号線38,39に供給されているビデオ信号VIDEO1,VIDEO2を複数点同時サンプリングするアナログスイッチSW1〜4およびSW5〜8とを有している。
【0082】
本実施形態1の液晶表示装置10では、上記比較例の液晶表示装置16と比べてビデオ信号線の数が2倍の4本となっており、表示部20に4本のデータバスラインを含む表示領域(ブロック)1,2が設けられている。また、本実施形態1の液晶表示装置10では、各ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データに対して、1水平走査期間内に同じ映像データが繰り返して2回供給され、サンプリングパルス生成回路31から同じ映像データを2回サンプリング(再度サンプリング)するためのサンプリング信号(SAM1−1,SAM1−2またはSAM2−1,SAM2−2)が出力されるようになっている。これによって、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で、データバスライン同士の容量結合によって、1回目の映像データの複数点同時サンプリング(例えばサンプリングパルスSAM1−1によるサンプリング動作)のときに隣接表示領域のサンプリングの影響による電位変動ΔVが生じても(上記比較例では1回の映像データの複数点同時サンプリング動作しかない)、2回目の映像データの複数点同時サンプリング(例えばサンプリングパルスSAM1−2によるサンプリング動作)によって本来のデータ電位にサンプリングし直すことができる。
【0083】
図2は、図1(a)の液晶表示装置10を駆動する駆動回路システム1の要部構成を示すブロック図である。ここでは、映像信号をN=2倍に時間軸伸長して元の映像信号を4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データとして液晶表示装置10に供給する場合を示している。
【0084】
この駆動回路システム1は、タイミングジェネレータ2と、A/D変換およびメモリ回路ブロック3と、D/A変換および信号調整用回路ブロック4とを有している。
【0085】
タイミングジェネレータ2は、図15に示すタイミングジェネレータ501の場合と同様に、映像信号に同期した同期信号SYNCが入力される。タイミングジェネレータ2は、入力された同期信号SYNCを元に、ドライバモノリシック型液晶表示装置などの液晶表示装置10に対してドライバ駆動用の各種制御信号(SP、CK、CKB、SPG、CKG、CKGBなど)と、液晶表示装置10に入力される4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを生成するために信号調整用回路ブロック4を制御するための映像データ生成用の制御信号とを生成する。
【0086】
A/D変換およびメモリ回路ブロック3には、ビデオ信号VIDEO・INが入力される。A/D変換およびメモリー回路ブロック3は、入力されたビデオ信号VIDEO・INをA/D変換した後でメモリに格納し、1水平走査期間の間に2回、デジタル映像データを信号調整用回路ブロック4に供給する。
【0087】
D/A変換および信号調整用回路ブロック4は、入力されたデジタル映像データをアナログ映像データ(各ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データ)に変換した後、正極性と負極性とに極性が反転する信号に変換し、また、入力ビデオ信号VIDEO・INの振幅Vを振幅V1に増幅する。さらに、D/A変換および信号調整用回路ブロック4は、タイミングジェネレータ2から供給される映像データ生成用の制御信号にしたがって、1水平走査期間分の映像信号を4系統に展開したビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データを液晶表示装置10に出力する。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データは、本来の入力ビデオ信号VIDEO・INと比べて2倍の長さに伸長されており、それぞれ、1水平走査期間の間に同一データ信号線群(BUS1〜4またはBUS5〜8)に対して複数回、ここでは2回繰り返して出力されるようになっている。
【0088】
上記構成により、本実施形態1の液晶表示装置10の駆動方法について説明する。
【0089】
図3(a)は、図1(a)の液晶表示装置10の駆動方法を説明するための概念図、図3(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16の駆動方法を説明するための概念図である。
【0090】
本実施形態1の液晶表示装置10では、図3(a)に示すように、サンプリングパルスSAM1−1およびSAM1−2によって本来の1走査期間分の映像データを1水平走査期間の間に2回繰り返してサンプリングして各データバスラインBUS1〜BUS4に格納(サンプルホールド)し、サンプリングパルスSAM2−1およびSAM2−2によって本来の1走査期間分の映像データを1水平走査期間の間に2回っ繰り返してサンプリングして各データバスラインBUS5〜BUS8に格納している。
【0091】
つまり、1回目の映像データのサンプリング(サンプリングパルスSAM1−1およびSAM2−1)により各データバスラインBUS1〜BUS8に表示データを格納して従来のプリチャージに相当する動作を行うことにより、従来のようにプリチャージ用ドライバを設ける必要がなくなる。次に、2回目の映像データのサンプリング(サンプリングパルスSAM1−2およびSAM2−2)により各データバスラインBUS1〜BUS8に正確な表示データを格納し直して、従来のようにサンプリングブロックの境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0092】
これに対して、比較例の液晶表示装置16では、図3(b)に示すように、1水平走査期間の間に、サンプリングパルスSAM1〜SAM4によって本来の1走査期間分の映像データを1回だけサンプリングして各データバスラインBUS1〜BUS8に格納している。このため、図3(b)に矢印で示すように、サンプリングパルスSAM1によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS1およびBUS2に格納される表示領域(サンプリングブロック)と、サンプリングパルスSAM2によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS3およびBUS4に格納される表示領域との境界、サンプリングパルスSAM2によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS3およびBUS4に格納される表示領域と、サンプリングパルスSAM3によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS5およびBUS6に格納される表示領域との境界、およびサンプリングパルスSAM3によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS5およびBUS6に格納される表示領域と、サンプリングパルスSAM4によって映像データがサンプリングされてデータバスラインBUS7およびBUS8に格納される表示領域との境界で、縦筋が発生するという問題がある。また、1水平走査期間の映像データのサンプリングが開始される以前にプリチャージを行うため、プリチャージ用ドライバを設ける必要がある。
【0093】
図4(a)は、図1(a)の液晶表示装置10におけるデータドライバ30の動作を説明するための信号波形図、図4(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16におけるデータドライバ36の動作を説明するための信号波形図である。
【0094】
図4(a)に示すように、本実施形態1のデータドライバ30では、サンプリングパルス生成回路31に、各種制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKがロウレベルでクロック信号CKBがハイレベルであるときに、サンプリングパルスSAM1−1,SAM1−2が順次出力される。
【0095】
データドライバ30のビデオ信号線32〜35にはそれぞれ、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した4系統の映像データ(ビデオ信号)VIDEO1〜VIDEO4が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号BUS1〜BUS8に対応する映像データであり、ビデオ信号線32にはビデオ信号VIDEO1として映像データ▲1▼および▲5▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回(映像データ▲1▼が2回、映像データ▲5▼が2回)供給され、ビデオ信号線33にはビデオ信号VIDEO2として映像データ▲2▼および▲6▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給され、ビデオ信号線34にはビデオ信号VIDEO3として映像データ▲3▼および▲7▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給され、ビデオ信号線35にはビデオ信号VIDEO4として映像データ▲4▼および▲8▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回供給されている。
【0096】
ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4の各映像データは、上記サンプリングパルスSAM1−1のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−1のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が同時にサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチSW1〜SW4およびアナログスイッチSW5〜SW8と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8とをホールド容量とするサンプルホールド回路により、データバスライン容量CBUS1〜CBUS8のそれぞれに表示データが書き込まれる。
【0097】
サンプリングパルスSAM2−1により、データバスラインBUS5〜BUS8への各映像データのサンプリングが終了すると、表示部20において、表示領域1を構成するデータバスラインBUS1〜BUS4と、表示領域2を構成するデータバスラインBUS5〜BUS8には表示するべき各映像データが格納されることになるが、データバスラインBUS4には、隣接するデータバスラインBUS5の影響によりΔVだけ変動した表示データ(映像データ)が格納される。
【0098】
例えば、データバスラインBUS Kの容量をCBUS、データバスラインBUS KとBUS K+1との間の寄生容量をCSSとし、ビデオ信号線に供給されるビデオ信号(映像データ)を、図16に示すように、振幅V1で1水平走査期間毎にセンタ電位に対して極性反転させる場合を考えると、データバスラインBUS4の容量CBUS4にサンプルホールドしたデータの変動量ΔVは、
ΔV=2×V1×CSS/CBUS
となる。ここで、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、ΔV=0.5Vとなる。
【0099】
次に、サンプリングパルスSAM2−1が出力される少し前にスタートパルスSPが再度アクティブ(ハイレベル)となると、2回目のサンプリングパルスSAM1−2およびSAM2−2が順次出力される。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM1−2のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が再びサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−2のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が再びサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチSW1〜SW4およびアナログスイッチSW5〜SW8と、表示部20のデータバスラインBUS1〜BUS8とをホールド容量とするサンプルホールド回路により、データバスライン容量CBUS1〜CBUS8のそれぞれに表示データとして書き込まれる。
【0100】
ここで、2回目の各映像データのサンプリングが終了した後のデータバスラインBUS4およびBUS5に格納されているデータの変動について考察する。
【0101】
上述したように、V1=4.5V、CSS=0.5PF、CBUS=9PFと仮定すると、1回目の各映像データのサンプリングにより、データバスラインBUS4には、ΔV4−1=0.5Vの電位変動が発生する。
【0102】
次に、2回目の各映像データのサンプリング時に、データバスラインBUS4には、サンプリングパルスSAM1−2により、本来のデータレベルである4.5Vが再度格納される。この時点で、データバスラインBUS5のデータは、データバスラインBUS4の2回目のサンプリングによる電位変動(ここではΔV4ー1=0.5V)により、
ΔV5=ΔV4−1×CSS/CBUS
となり、
ΔV5=0.5×0.5/9=0.027V
だけ変動する。
【0103】
しかしながら、サンプリングパルスSAM2−2が出力されると、データバスラインBUS5は、本来のデータレベルである4.5Vが再度格納されることとなり、2回目のサンプリングが行われた後にデータ(電位)の変動は生じない。
【0104】
このとき、データバスラインBUS4のデータは、データバスラインBUS5の電位変動の影響により再度変動するが、その変動量ΔV4−2は、
ΔV4−2=ΔV5×CSS/CBUS=0.027×0.5/9
=0.0015V
となる。
【0105】
これに対して、図1(b)の比較例である液晶表示装置16では、図4(b)に示すように、1水平走査期間にサンプリングパルスSAM1〜SAM4により各映像データ▲1▼〜▲8▼をそれぞれ1回サンプリングするだけであるので、プリチャージ動作を行わない場合の変動量ΔVおよびプリチャージを行う場合の変動量ΔV’はそれぞれ、ΔV=0.5VおよびΔV’=0.083Vとなる。
【0106】
したがって、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、比較例の液晶表示装置16の場合と比べて、データ変動量の大幅な低減が可能となり、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界部分で発生する縦筋を大幅に改善(解消)することができる。
【0107】
さらに、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、プリチャージ用ドライバを、表示部20が形成されるガラス基板上に設ける必要がなく、表示装置のサイズ増大やプリチャージ用ドライバの追加による歩留まりの低下、およびプリチャージ用ドライバを駆動する外部駆動回路の増加などといった不具合も改善される。
【0108】
さらに、本実施形態1の液晶表示装置10によれば、ビデオ信号線数が比較例の液晶表示装置16の場合に比べて2倍の4本となっており、4系統のビデオ信号(映像データ)を入力しているため、比較例と同様の駆動クロック周波数で1水平走査期間に映像信号のサンプリングを2回行うことができる。
【0109】
なお、本実施形態1では、データドライバ30の詳細構成については特に説明しなかったが、液晶表示装置10を駆動するデータドライバ30がパネルサンプルホールド方式(複数点順次駆動方式)である場合を想定している。このようなドライバは、液晶表示装置10がドライバモノリシック型である場合に用いられることが多く、本発明は、液晶表示装置10がドライバモノリシック型液晶表示装置である場合に特に有効である。
【0110】
また、本実施形態1の液晶表示装置10において、表示部20やデータドライバ30およびゲートドライバ40を構成する各駆動素子として、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を実現することができる。この場合には、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることができて、ビデオ信号線数(例えば2本;図1(b)と同じ構成および図5(a)参照)を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0111】
図5(a)は、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、図5(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置16のデータドライバ36の動作を説明するための信号波形図である。
【0112】
上記図1(a)に示す液晶表示装置10においては、データドライバ30の駆動クロック信号の周波数を変えることなく、1水平走査期間の間に映像データのサンプリングを繰り返し2回行うために、データドライバ30に接続されるビデオ信号線数(ここでは4本)を比較例の液晶表示装置16の場合(2本)と比較して2倍としている。
【0113】
これに対して、駆動素子に連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を構成する場合には、図1(b)および図5(a)に示すように、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることによって、ビデオ信号線数(2本)を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0114】
ところで、上記実施形態1では、データドライバ30を構成するシフトレジスタは、左から右方向の同一方向に2回繰り返して走査している。この場合、図6に示すように、データバスラインBUS1〜BUS4に正確なデータが格納される時間と、データバスラインBUS5〜BUS8に正確なデータが格納される時間とに差が生じる。
【0115】
上記説明では、表示部20を構成するデータバスライン数を8本としているが、実際にはデータバスライン数が数百以上である場合が殆どであり、データバスラインBUS1とBUS500とでは正確なデータが格納される時間に大きな差が生じる。
【0116】
ここで、表示部20を構成するTFTのオン抵抗と絵素容量とのなす時定数によっては、データバスラインBUS1に接続される絵素容量に表示データ(映像データ)が書き込まれる時間と、データバスラインBUS1に接続される絵素容量に表示データが書き込まれる時間とが異なることにより、中間調のべた表示を行った場合などに、表示部20の左右で輝度むらなどの不具合が生じる虞がある。
【0117】
そこで、以下の実施形態2では、N回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えて、以上のような不具合を防止する。
(実施形態2)
図7は、本発明の液晶表示装置の実施形態2におけデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【0118】
図7において、このデータドライバ30Aは、サンプリングパルス生成回路311と、サンプリングスイッチ312(SP_SW)と、走査方向切換回路313とを有している。
【0119】
一般に、最近のドライバモノリシック型液晶表示装置において、データドライバの走査方向は双方向にシフトできるようになっており、図7に示すように、サンプリングパルス生成回路311から出力される走査方向の最終サンプリングパルス(右方向に走査している場合にはSAM4で、左方向に走査している場合にはSAM1)を走査方向切換回路313に出力して、走査方向切換回路313で走査方向切換信号を生成し、その走査方向切換信号をサンプリングパルス生成回路311に入力する。これによって、サンプリングパルス生成回路311による走査方向を切り換えるようにしている。1水平走査期間の間に映像データを繰り返して2回サンプリングする際に、1回目と2回目とでサンプリング時の走査方向を逆方向に切り換えることができる。
【0120】
上記構成により、サンプリングスイッチ312にスタートパルスSPが入力されると、サンプリングスイッチ312はサンプリングパルス生成回路311にスタートパルスSPを出力し、1回目の映像データのサンプリングが開始される。ここでは、左から右方向に走査が行われるように走査方向制御信号が設定されており、1回目の映像データサンプリング時の走査方向は、SAM1→SAM2→SAM3→SAM4の右方向となる。
【0121】
サンプリングが進んでサンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM4が出力されると、これを走査方向切換回路313が検出して、右から左方向に走査が行われるように走査方向切換回路313から走査方向切換信号が出力され、これをサンプリングパルス生成回路311が検出して走査方向が逆方向に切り換わる。これによって、サンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM4が再度出力されて、2回目の映像データのサンプリングが開始される。この2回目の映像データのサンプリング時の走査方向は、SAM4→SAM3→SAM2→SAM1の左方向となり、これは1回目のサンプリング時と逆方向である。
【0122】
一方、右から左方向に走査が行われるように走査方向制御信号が設定されている場合には、1回目の映像データサンプリングが、SAM4→SAM3→SAM2→SAM1の左方向に行われる。サンプリングが進んでサンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM1が出力されると、左から右方向に走査が行われるように走査方向切換回路313から出力される走査方向切換信号の極性が切り換わると共に、サンプリングパルス生成回路311からサンプリングパルスSAM1が再度出力されて、2回目の映像データのサンプリングがSAM1→SAM2→SAM3→SAM4の右方向に行われる。
【0123】
図8(a)は、図7のデータドライバ30Aの動作を説明するための信号波形図、図8(b)は、図1(b)のデータドライバ36の動作を示す信号波形図である。
【0124】
図8(a)に示すように、このデータドライバ30Aでは、サンプリングパルス生成回路311に、制御信号であるスタートパルスSP、クロック信号CK,CKBが入力されると、クロック信号CKがロウレベルでクロック信号CKBがハイレベルのときに、サンプリングパルスSAM1−1が出力され、さらにSAM1−2が順次出力される。
【0125】
データドライバ30Aの4本のビデオ信号線にはそれぞれ、本来の映像信号を2倍に時間軸伸長した4系統のビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4が入力されている。本来の映像信号において、▲1▼〜▲8▼はそれぞれ、データ信号BUS1〜BUS8に対応する映像データであり、図1(a)の場合と同様に、ビデオ信号線32にはビデオ信号VIDEO1としては映像データ▲1▼および▲5▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線33にはビデオ信号VIDEO2としては映像データ▲2▼および▲6▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線34にはビデオ信号VIDEO3としては映像データ▲3▼および▲7▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給され、ビデオ信号線35にはビデオ信号VIDEO4として映像データ▲4▼および▲8▼をそれぞれ2倍に時間軸伸長した映像データが1水平走査期間の間にそれぞれ2回、1回目と2回目とで逆の順番で供給されている。
【0126】
ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM1−1のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が同時にサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM2−1のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が同時にサンプリングされる。サンプリングされた各映像データは、アナログスイッチと、表示部のデータバスラインとをホールド容量とするサンプルホールド回路により、それぞれのデータバスライン容量に表示データとして書き込まれる。
【0127】
次に、サンプリングパルスSAM2−1が出力される少し前にスタートパルスSPが再度アクティブ(ハイレベル)となると、1回目の映像データのサンプリング時と走査方向が逆となり、サンプリングパルスSAM2−2およびSAM1−2が順次出力される。ビデオ信号VIDEO1〜VIDEO4は、上記サンプリングパルスSAM2−2のタイミングで映像データ▲5▼〜▲8▼が再びサンプリングされ、次に、サンプリングパルスSAM1−2のタイミングで映像データ▲1▼〜▲4▼が再びサンプリングされる。このサンプリングされた各映像データは、アナログスイッチと、表示部のデータバスラインとをホールド容量とするサンプルホールド回路により、それぞれのデータバスライン容量に表示データが書き込まれる。
【0128】
以上により、本実施形態2の液晶表示装置によれば、1回目の映像データのサンプリングが終了した後、サンプリングパルス生成回路311の走査方向を切り換えて2回目の映像データのサンプリングを行うことにより、例えば1回目の映像データのサンプリング時にはデータバスラインBUS1に接続された絵素容量への映像データの書き込み時間が長くなり、2回目の映像データのサンプリング時にはデータバスラインBUS500に接続された絵素容量への映像データの書き込み時間が長くなり、映像データの書き込み時間を平均化することができる。このように、2回目の映像データのサンプリングが後に行われるデータバスラインに対して、1回目の映像データのサンプリングを早く行うことによって、2回目の映像データのサンプリングからゲートバスラインが非アクティブとなる期間(絵素容量に映像データが格納される期間)が短くなることを、1回目の映像データのサンプリングからゲートバスラインが非アクティブとなる期間を長くすることによって補うことができ、上述したような左右の輝度ムラを均一化することができる。
【0129】
また、本実施形態2の液晶表示装置においても、表示部やドライバを構成する駆動素子として、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって、高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を実現することができる。
【0130】
図9(a)は、本実施形態2の液晶表示装置において、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、図9(b)は、比較例としての液晶表示装置16におけるデータドライバ36の信号波形図である。
【0131】
駆動素子に連続粒界結晶シリコン(SI)を用いることによって高速動作可能なドライバモノリシック型液晶表示装置を構成する場合には、図9(a)に示すように、駆動クロック信号の周波数を従来の2倍とすることによって、ビデオ信号線の数を増やすことなく、同時サンプリングが行われる表示領域(ブロック)の境界で発生する縦筋を低減することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、本来の映像信号をN系統に展開した各映像データを入力して、そのN系統の各映像データを同時サンプリングする複数点順次方式のデータドライバにおいて、1水平走査期間の間に、各映像データの同時サンプリングを繰り返して複数回行うことにより、同時サンプリングが行われる表示領域の境界部分で、1回目の映像データのサンプリング時に、データバスライン同士の容量結合によって隣接表示領域の映像データのサンプリングの影響による電位変動を、2回目の映像データのサンプリングによって本来のデータ電位にサンプリングし直して、従来生じていた表示画面上の縦筋の発生を抑制することができる。
【0133】
したがって、1水平走査期間の映像データのサンプリング前にプリチャージ動作を行う従来技術のようなプリチャージ駆動回路が不要であり、表示装置の小型化、および歩留まりの向上を図ることができる。また、1回目の映像データのサンプリングがプリチャージとして作用するため、表示諧調の電位によらず、常に最適なプリチャージをデータバスラインに施すことができる。
【0134】
また、N回目のデータサンプリング時の走査方向と、N+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを切り換えることによって、絵素容量へのデータ書き込み時間の平均化を図ることができ、表示部の左右方向に輝度むらなどが生じることを防いで、高品位な表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の液晶表示装置の実施形態1における要部構成を示すブロック図、(b)は、図1(a)と比較するための比較例としての従来の液晶表示装置における要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1(a)の液晶表示装置を駆動する駆動回路システムの要部構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1(a)の液晶表示装置の駆動方法を説明するための概念図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置の駆動方法を説明するための概念図である。
【図4】(a)は、図1(a)の液晶表示装置におけるデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置におけるデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図5】(a)は、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)の比較例としての液晶表示装置のデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図6】実施形態1の液晶表示装置において、表示部を構成する絵素容量への書き込み時間を説明するための信号波形図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の実施形態2におけデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【図8】(a)は、図7のデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、図1(b)のデータドライバの動作を示す信号波形図である。
【図9】(a)は、実施形態2の液晶表示装置において、連続粒界結晶シリコン(SI)を用いた高速動作可能なデータドライバの動作を説明するための信号波形図、(b)は、比較例としての液晶表示装置におけるデータドライバの信号波形図である。
【図10】従来の一般的なアクティブマトリックス方式のドライバモノリシック型液晶表示装置の要部構成を示す回路図である。
【図11】図10のデータドライバの要部構成を示すブロック図である。
【図12】図11のサンプリングパルス生成回路の構成を示す回路図である。
【図13】図12のサンプリングパルス生成回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図14】図11のデータドライバの動作を説明するための信号波形図である。
【図15】従来の液晶表示装置を駆動する駆動回路システムの要部構成を示すブロック図である。
【図16】従来の液晶表示装置の駆動回路システムにおいて、サンプルホールドLSIに入力される映像信号を説明するための信号波形図である。
【図17】(a)〜(l)はそれぞれ、従来の液晶表示装置の駆動回路システムにおいて、サンプルホールドLSIに入力される映像信号と、サンプルホールドLSIから出力される12相に展開されたビデオ信号との関係を説明するための信号波形図である。
【図18】従来の液晶表示装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図19】液晶表示装置の表示部におけるデータバスライン同士の寄生容量について説明するための回路図である。
【図20】従来の液晶表示装置に生じるデータバスライン変動ΔVについて説明するための信号波形図である。
【図21】従来の液晶表示装置におけるプリチャージ電位について説明するための信号波形図である。
【符号の説明】
1 駆動回路システム
2 タイミングジェネレータ
3 A/D変換およびメモリー回路ブロック
4 D/A変換および信号調整用回路ブロック
10 液晶表示装置
20 表示部
30,30A データドライバ
40 ゲートドライバ
31,311 サンプリングパルス生成回路
32〜35 ビデオ信号線
312 サンプリングスイッチ
313 走査方向切り換え回路
SW1〜SW8 アナログスイッチ
BUS1〜8 データバスライン(データ信号線)
Claims (11)
- 1水平走査期間内の時系列の各映像信号をさらに時系列のN(Nは自然数)系統に展開した各映像データを同時にサンプリングするサンプリングパルスを順次生成するサンプリングパルス生成回路を有し、該サンプリングパルスにより順次サンプリングした該N系統の各映像データを複数のデータ信号線群のそれぞれに順次供給する複数点順次方式のデータドライバにおいて、
該サンプリングパルス生成回路は、該1水平走査期間内に、該各映像データの同時サンプリングが同一表示領域毎の該データ信号線群に対応して複数回繰り返して行われるように該サンプリングパルスを生成するデータドライバ。 - 前記N系統に展開した各映像データがそれぞれ入力されるN本の映像信号線と、
時系列に順次遅延させた各サンプリングパルスによって順次サンプリングされる該N本の映像信号線の各映像データをN本のデータ信号線群のそれぞれに順次供給するスイッチ回路とを備えた請求項1記載のデータドライバ。 - 前記同一表示領域毎のデータ信号線群に対応したP(Pは自然数)回目のデータサンプリング時の走査方向と、P+1回目のデータサンプリング時の走査方向とを逆方向に切り換える走査方向切換手段を有する請求項1または2記載のデータドライバ。
- 前記映像信号線には、1水平走査期間内に同じ前記各映像データが複数回入力される請求項1〜3の何れかに記載のデータドライバ。
- 前記複数回は2回である請求項1、3または4記載のデータドライバ。
- 前記映像信号線には、前記映像信号を時間軸伸長処理した前記各映像データが入力されている請求項2記載のデータドライバ。
- 複数の走査信号線と複数のデータ信号線とが互いに交叉して配置され、各交叉部近傍に絵素容量がそれぞれ配置され、各絵素容量は駆動素子を介して該交叉部近傍のデータ信号線に電気的に導通可能に接続され、該駆動素子の制御端子は該交叉部近傍の走査信号線に接続された表示部と、
該各走査信号線に走査信号を順次供給するゲートドライバと、
該各データ信号線にそれぞれ映像データを供給する請求項1〜6の何れかに記載のデータドライバとを備えた表示装置。 - 前記絵素容量は液晶からなる請求項7記載の表示装置。
- 前記表示部、ゲートドライバおよびデータドライバが同一基板上に設けられた請求項7または8記載の表示装置。
- 前記ゲートドライバおよびデータドライバを構成する駆動素子および前記表示部の駆動素子は連続粒界結晶シリコンを用いて構成されている請求項7記載の表示装置。
- 請求項7〜10の何れかに記載の表示装置の駆動方法であって、1水平走査期間内に、
前記データドライバに、該1水平走査期間分の時系列の映像信号をさらに時系列のN系統に展開した各映像データをそれぞれ入力するステップと、
時系列に順次遅延させたM(Mは自然数)番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、
この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、
時系列に順次遅延させたM+1番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時にサンプリングするステップと、
この同時にサンプリングされたN系統の各映像データをM+1群目のN本のデータ信号線群にそれぞれ供給するステップと、
時系列に順次遅延させた2M番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、
この同時にサンプリングされたN系統の各映像データを該M群目のN本のデータ信号線群のそれぞれに再度供給するステップと、
時系列に順次遅延させた2(M+1)番目のサンプリングパルスによって、該N系統の各映像データを同時に再度サンプリングするステップと、
この同時にサンプリングされたN系統の各映像データを該M+1群目のN本のデータ信号線群に再度供給するステップとを含む表示装置の駆動方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201870A JP2004045665A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | データドライバ、表示装置およびその駆動方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100432760C (zh) * | 2004-03-19 | 2008-11-12 | 精工爱普生株式会社 | 电光装置和电子设备 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201870A patent/JP2004045665A/ja not_active Withdrawn
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