JP2004045140A - 荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】低廉で且つ製造が容易で、量産効果及び検出精度の高い改善された荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサを提供する。
【解決手段】金属ダイヤフラム圧力センサ(1)は、液体圧力の受圧部を有する円板状の金属ダイアフラム(2)と、金属ダイアフラムと同心円状に固定された、電気的に絶縁性の環状の絶縁架台(3)と、絶縁架台の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台に接着されたシリコンの短冊状のビーム部材(4)と、ビーム部材の中央部と金属ダイアフラムの中央部との間に接着されたピン状のピポット(5)と、ビーム部材に予め形成された歪みゲージとして作用する拡散抵抗素子(6a,6a’)を含むブリッジ回路とを備えている。検出されるべき液体圧力によるダイヤフラムの歪みは、ピポットを介してビーム部材に伝達され、拡散抵抗素子の電気抵抗の変化がブリッジ回路により電気信号として検出される。
【選択図】 図1
【解決手段】金属ダイヤフラム圧力センサ(1)は、液体圧力の受圧部を有する円板状の金属ダイアフラム(2)と、金属ダイアフラムと同心円状に固定された、電気的に絶縁性の環状の絶縁架台(3)と、絶縁架台の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台に接着されたシリコンの短冊状のビーム部材(4)と、ビーム部材の中央部と金属ダイアフラムの中央部との間に接着されたピン状のピポット(5)と、ビーム部材に予め形成された歪みゲージとして作用する拡散抵抗素子(6a,6a’)を含むブリッジ回路とを備えている。検出されるべき液体圧力によるダイヤフラムの歪みは、ピポットを介してビーム部材に伝達され、拡散抵抗素子の電気抵抗の変化がブリッジ回路により電気信号として検出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサに関し、特に、例えば薬液容器、薬液用配管における液体圧力を検出するのに適した荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薬液容器、薬液用配管における液圧を検出する圧力センサは、圧力感知部としてダイヤフラムを備え、圧力導入口を介して加えられた液体圧力によるダイヤフラムの歪み(圧力変形)を電気信号に変換して圧力を検出するように構成されている。
【0003】
このような液体圧力によるダイヤフラムの歪みを検出する方式として、ダイヤフラムの歪みを他の機構で直線運動に変換してその変位量を検出する荷重変換方式がある。
【0004】
荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、例えば、円板状のダイアフラムを橋桁状に横断し且つその両端に固定されている、弾性のある金属で構成された短冊状のビーム部材と、円板状のダイアフラムの加圧側(表側)とは反対側(裏側)の中央部とビーム部材の中央部との間に、例えば溶接により固定され、ピン状の部材として構成されたピポットと、このピポットの固定側(表側)とは反対側(裏側)に貼着され、圧力による変形を電気抵抗に変換する抵抗素子からなる歪みゲージと、歪みゲージの電気抵抗の変化を検出して電気信号として出力するブリッジ回路とを備えている。このような荷重変換型のダイヤフラム圧力センサによれば、液体圧力の加圧によって円板状のダイヤフラムに生じる応力のベクトル合成は、円板状のダイヤフラムの中央部に集中し、このベクトル合成力は、ピポットに円板状のダイヤフラムの面に対して垂直方向の直線運動を生じさせ、これによってビーム部材に伸張応力が発生する。このビーム部材の伸張応力は、そこに貼着された歪みゲージを変形し、それにより変化する電気抵抗が、加圧された液体圧力の関数としてブリッジ回路により電気信号として検出される。このように、円板状のダイヤフラムの中央部に設けられたピポットの上昇変位量はダイヤフラムに対する加圧力の関数であり、同様にピポットの下降変位量はダイヤフラムに対する減圧力の関数である。
【0005】
このような荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、液体圧力の加圧によって円板状のダイヤフラムに生じる応力がその中央部に集中し、そのベクトル合成力をピポットの直線運動に変換しているために、動作の直線性および再現性に優れ、ヒステリシス誤差が少ないという利点がある。
【0006】
また、荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、ダイアフラムの裏面に歪みゲージを直接貼着することがないので、ダイアフラムによる歪みゲージに対する加圧流体の熱伝導が少なく、従って歪みゲージによる検出信号への温度ドリフトの影響を少なくして検出精度の高い圧力測定を可能にする。
【0007】
しかしながら、従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサにおいて、弾性のある金属で形成される短冊状のビーム部材は、ダイヤフラムの両端に溶接されると共に、ピポットもまたビーム部材の中央部とダイアフラムの中央部との間に溶接されることから、製造時に精密な溶接工程を必要とし、そのため製造費が高価であるという欠点がある。
【0008】
また、従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサを製造する場合に、歪みゲージは、マニュアル作業で金属のビーム部材に直接貼着される。このために、歪みゲージを貼着する際に、正確な位置だしが困難であり、特殊技能が要求され、量産効果が薄く、更に、歪みゲージとビーム部材の貼着に接着剤が使用されるために、接着工程で接着剤が硬化する際に、歪みゲージに特性変化が生じて、高い検出精度が得られない場合があるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前述のような従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサの欠点に鑑みて、低廉で且つ製造が容易で量産効果の高い、しかも検出精度の高い、改善された荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、液体圧力を検出する荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサは、液体圧力に対する受圧部を有する円板状の金属ダイアフラムと、金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、金属ダイアフラムと同心円状に固定された、電気的に絶縁性の環状の絶縁架台と、絶縁架台の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台に接着されたシリコンの短冊状のビーム部材と、金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、ビーム部材の中央部と金属ダイアフラムの中央部との間に接着されたピン状のピポットと、ビーム部材のピポットの接着側とは反対側において、予め形成された歪みゲージとして作用する拡散抵抗素子を含むブリッジ回路と、を備えている。
【0011】
このような荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサにおいて、検出されるべき液体圧力による金属ダイヤフラムの歪みは、ピポットを介してビーム部材に伝達され、それにより拡散抵抗素子の電気抵抗の変化がブリッジ回路により電気信号として検出される。
【0012】
【実施例】
図1および図2は、本発明による荷重変換型のダイヤフラム圧力センサ1の実施例の主要構造を示し、特に、図1は、ダイヤフラム圧力センサ1の中心断面図であり、図2は、その平面図である。
【0013】
図示のように、ダイヤフラム圧力センサ1は、主として、金属薄板製の円板状のダイアフラム2と、環状の絶縁架台3と、短冊状のビーム部材4とを含む。ダイアフラム2、絶縁架台3、ビーム部材4は、液圧が検出される薬液に対して耐腐食性の材料で製造された収納部材(図示せず)に収納され、例えば薬液容器または薬液用配管内の薬液に浸漬される。ダイアフラム2のフランジ2aの内側に形成される凹部2bは、薬液の液体圧力に対する受圧部を構成する。
【0014】
電気的に絶縁性の耐熱性ガラス、例えばパイレックス(登録商標)ガラスで製造される環状の絶縁架台3は、ダイアフラム2の受圧部(凹部2b)とは反対側において、フランジ2aの内側に同心円状に固定され、金属薄板製のダイアフラム2と、後述のように導電性の薄膜シリコンで形成されるビーム部材4との間の電気的絶縁を与え、ビーム部材4からダイアフラム2に電流がリークしないようにしている。
【0015】
短冊状のビーム部材4は、応力変化に高い感度を有し且つ大量生産に適した、例えば、薄膜シリコンで製造され、シリコンウェハー上に短冊状のビーム部材を焼き付けて形成される。更にシリコンウェハー上に形成された短冊状のビーム部材のそれぞれには、ブリッジ回路を構成する圧力検出用の拡散抵抗素子とシリコン単結晶の導体が形成される。
【0016】
ビーム部材4は、環状の絶縁架台3の直径方向、従ってダイアフラム2の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台3に接着される。橋桁状のビーム部材4はまた、その中央部に接着されたピン状のピポット5を介して、ダイアフラム2の受圧部とは反対側において、その中央部に接着される。
【0017】
更に、短冊状のビーム部材4には、ピポット5の接着側とは反対側において、歪みゲージとして作用する、即ち応力変化により原子間距離が変化して抵抗値が変化する(ピエゾ抵抗効果)少なくとも2つの拡散抵抗素子6a,6a’を分散して配置し、これらの拡散抵抗素子とシリコン単結晶の導体7とによってフルブリッジ回路を構成する。拡散抵抗素子6a,6a’は、ビーム部材4に加わる応力変化に比例した抵抗変化を示し、且つ十分な検出感度を得られるような位置に適切に配置される。
【0018】
このように構成されたダイヤフラム圧力センサ1によれば、液体圧力の加圧によって、円板状のダイヤフラム2の受圧部(凹部2b)に生じる応力のベクトル合成は、円板状のダイヤフラム2の中央部に集中し、このベクトル合成力は、ピポット5にダイヤフラム2の面に対して垂直方向の直線運動を生じさせ、これによってビーム部材4に伸張応力を生じさせる。このビーム部材4の伸張応力は、そこに形成された拡散抵抗素子6a,6a’を変形し、それにより変化する電気抵抗が、加圧された液体圧力の関数としてブリッジ回路により電気信号として検出される。このように、円板状のダイヤフラム2の中央部に設けられたピポット5の上昇変位量はダイヤフラム2に対する加圧力の関数であり、同様にピポット5の下降変位量はダイヤフラム2対する減圧力の関数となり、ダイヤフラム2に掛かる液体圧力が測定可能となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ブリッジ回路を含む短冊状のビーム部材が薄膜シリコンで製造され、従来の金属製のビーム部材に比較して、応力変化に対する抵抗変化率が高く、従って高感度で且つ高精度の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサを提供することが可能である。
【0020】
また、本発明によれば、短冊状のビーム部材が薄膜シリコンで製造されることから、シリコン半導体の製造工程と同様に、バッチ処理による大量生産が可能であり、低廉な圧力センサを提供することが可能であると共に、その製造において、特にマニュアルによる歪みゲージの接着工程が不要となり、接着不良や歪みゲージの位置だし誤差がなくなることから製造が容易な圧力センサを提供することが可能である。
【0021】
また、本発明によれば、薄膜シリコンでビーム部材を大量生産できることから、同一のビーム部材を使用して、構造的に簡単で製造の容易な金属製のダイアフラムの厚みを単に調整することによって、計測可能な圧力定格を自在に変更することができる多用途の圧力センサを容易に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサの実施例の主要構造を示す中心断面図である。
【図2】図2は、本発明による荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサの実施例の主要構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1:ダイヤフラム圧力センサ
2:ダイヤフラム
2a:フランジ
2b:受圧部
3:絶縁架台
4:ビーム部材
5:ピポット
6a、6a’:拡散抵抗素子
7:薄膜導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサに関し、特に、例えば薬液容器、薬液用配管における液体圧力を検出するのに適した荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薬液容器、薬液用配管における液圧を検出する圧力センサは、圧力感知部としてダイヤフラムを備え、圧力導入口を介して加えられた液体圧力によるダイヤフラムの歪み(圧力変形)を電気信号に変換して圧力を検出するように構成されている。
【0003】
このような液体圧力によるダイヤフラムの歪みを検出する方式として、ダイヤフラムの歪みを他の機構で直線運動に変換してその変位量を検出する荷重変換方式がある。
【0004】
荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、例えば、円板状のダイアフラムを橋桁状に横断し且つその両端に固定されている、弾性のある金属で構成された短冊状のビーム部材と、円板状のダイアフラムの加圧側(表側)とは反対側(裏側)の中央部とビーム部材の中央部との間に、例えば溶接により固定され、ピン状の部材として構成されたピポットと、このピポットの固定側(表側)とは反対側(裏側)に貼着され、圧力による変形を電気抵抗に変換する抵抗素子からなる歪みゲージと、歪みゲージの電気抵抗の変化を検出して電気信号として出力するブリッジ回路とを備えている。このような荷重変換型のダイヤフラム圧力センサによれば、液体圧力の加圧によって円板状のダイヤフラムに生じる応力のベクトル合成は、円板状のダイヤフラムの中央部に集中し、このベクトル合成力は、ピポットに円板状のダイヤフラムの面に対して垂直方向の直線運動を生じさせ、これによってビーム部材に伸張応力が発生する。このビーム部材の伸張応力は、そこに貼着された歪みゲージを変形し、それにより変化する電気抵抗が、加圧された液体圧力の関数としてブリッジ回路により電気信号として検出される。このように、円板状のダイヤフラムの中央部に設けられたピポットの上昇変位量はダイヤフラムに対する加圧力の関数であり、同様にピポットの下降変位量はダイヤフラムに対する減圧力の関数である。
【0005】
このような荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、液体圧力の加圧によって円板状のダイヤフラムに生じる応力がその中央部に集中し、そのベクトル合成力をピポットの直線運動に変換しているために、動作の直線性および再現性に優れ、ヒステリシス誤差が少ないという利点がある。
【0006】
また、荷重変換型のダイヤフラム圧力センサは、ダイアフラムの裏面に歪みゲージを直接貼着することがないので、ダイアフラムによる歪みゲージに対する加圧流体の熱伝導が少なく、従って歪みゲージによる検出信号への温度ドリフトの影響を少なくして検出精度の高い圧力測定を可能にする。
【0007】
しかしながら、従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサにおいて、弾性のある金属で形成される短冊状のビーム部材は、ダイヤフラムの両端に溶接されると共に、ピポットもまたビーム部材の中央部とダイアフラムの中央部との間に溶接されることから、製造時に精密な溶接工程を必要とし、そのため製造費が高価であるという欠点がある。
【0008】
また、従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサを製造する場合に、歪みゲージは、マニュアル作業で金属のビーム部材に直接貼着される。このために、歪みゲージを貼着する際に、正確な位置だしが困難であり、特殊技能が要求され、量産効果が薄く、更に、歪みゲージとビーム部材の貼着に接着剤が使用されるために、接着工程で接着剤が硬化する際に、歪みゲージに特性変化が生じて、高い検出精度が得られない場合があるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前述のような従来の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサの欠点に鑑みて、低廉で且つ製造が容易で量産効果の高い、しかも検出精度の高い、改善された荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、液体圧力を検出する荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサは、液体圧力に対する受圧部を有する円板状の金属ダイアフラムと、金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、金属ダイアフラムと同心円状に固定された、電気的に絶縁性の環状の絶縁架台と、絶縁架台の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台に接着されたシリコンの短冊状のビーム部材と、金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、ビーム部材の中央部と金属ダイアフラムの中央部との間に接着されたピン状のピポットと、ビーム部材のピポットの接着側とは反対側において、予め形成された歪みゲージとして作用する拡散抵抗素子を含むブリッジ回路と、を備えている。
【0011】
このような荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサにおいて、検出されるべき液体圧力による金属ダイヤフラムの歪みは、ピポットを介してビーム部材に伝達され、それにより拡散抵抗素子の電気抵抗の変化がブリッジ回路により電気信号として検出される。
【0012】
【実施例】
図1および図2は、本発明による荷重変換型のダイヤフラム圧力センサ1の実施例の主要構造を示し、特に、図1は、ダイヤフラム圧力センサ1の中心断面図であり、図2は、その平面図である。
【0013】
図示のように、ダイヤフラム圧力センサ1は、主として、金属薄板製の円板状のダイアフラム2と、環状の絶縁架台3と、短冊状のビーム部材4とを含む。ダイアフラム2、絶縁架台3、ビーム部材4は、液圧が検出される薬液に対して耐腐食性の材料で製造された収納部材(図示せず)に収納され、例えば薬液容器または薬液用配管内の薬液に浸漬される。ダイアフラム2のフランジ2aの内側に形成される凹部2bは、薬液の液体圧力に対する受圧部を構成する。
【0014】
電気的に絶縁性の耐熱性ガラス、例えばパイレックス(登録商標)ガラスで製造される環状の絶縁架台3は、ダイアフラム2の受圧部(凹部2b)とは反対側において、フランジ2aの内側に同心円状に固定され、金属薄板製のダイアフラム2と、後述のように導電性の薄膜シリコンで形成されるビーム部材4との間の電気的絶縁を与え、ビーム部材4からダイアフラム2に電流がリークしないようにしている。
【0015】
短冊状のビーム部材4は、応力変化に高い感度を有し且つ大量生産に適した、例えば、薄膜シリコンで製造され、シリコンウェハー上に短冊状のビーム部材を焼き付けて形成される。更にシリコンウェハー上に形成された短冊状のビーム部材のそれぞれには、ブリッジ回路を構成する圧力検出用の拡散抵抗素子とシリコン単結晶の導体が形成される。
【0016】
ビーム部材4は、環状の絶縁架台3の直径方向、従ってダイアフラム2の直径方向に橋架され、その両端で絶縁架台3に接着される。橋桁状のビーム部材4はまた、その中央部に接着されたピン状のピポット5を介して、ダイアフラム2の受圧部とは反対側において、その中央部に接着される。
【0017】
更に、短冊状のビーム部材4には、ピポット5の接着側とは反対側において、歪みゲージとして作用する、即ち応力変化により原子間距離が変化して抵抗値が変化する(ピエゾ抵抗効果)少なくとも2つの拡散抵抗素子6a,6a’を分散して配置し、これらの拡散抵抗素子とシリコン単結晶の導体7とによってフルブリッジ回路を構成する。拡散抵抗素子6a,6a’は、ビーム部材4に加わる応力変化に比例した抵抗変化を示し、且つ十分な検出感度を得られるような位置に適切に配置される。
【0018】
このように構成されたダイヤフラム圧力センサ1によれば、液体圧力の加圧によって、円板状のダイヤフラム2の受圧部(凹部2b)に生じる応力のベクトル合成は、円板状のダイヤフラム2の中央部に集中し、このベクトル合成力は、ピポット5にダイヤフラム2の面に対して垂直方向の直線運動を生じさせ、これによってビーム部材4に伸張応力を生じさせる。このビーム部材4の伸張応力は、そこに形成された拡散抵抗素子6a,6a’を変形し、それにより変化する電気抵抗が、加圧された液体圧力の関数としてブリッジ回路により電気信号として検出される。このように、円板状のダイヤフラム2の中央部に設けられたピポット5の上昇変位量はダイヤフラム2に対する加圧力の関数であり、同様にピポット5の下降変位量はダイヤフラム2対する減圧力の関数となり、ダイヤフラム2に掛かる液体圧力が測定可能となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ブリッジ回路を含む短冊状のビーム部材が薄膜シリコンで製造され、従来の金属製のビーム部材に比較して、応力変化に対する抵抗変化率が高く、従って高感度で且つ高精度の荷重変換型のダイヤフラム圧力センサを提供することが可能である。
【0020】
また、本発明によれば、短冊状のビーム部材が薄膜シリコンで製造されることから、シリコン半導体の製造工程と同様に、バッチ処理による大量生産が可能であり、低廉な圧力センサを提供することが可能であると共に、その製造において、特にマニュアルによる歪みゲージの接着工程が不要となり、接着不良や歪みゲージの位置だし誤差がなくなることから製造が容易な圧力センサを提供することが可能である。
【0021】
また、本発明によれば、薄膜シリコンでビーム部材を大量生産できることから、同一のビーム部材を使用して、構造的に簡単で製造の容易な金属製のダイアフラムの厚みを単に調整することによって、計測可能な圧力定格を自在に変更することができる多用途の圧力センサを容易に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサの実施例の主要構造を示す中心断面図である。
【図2】図2は、本発明による荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサの実施例の主要構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1:ダイヤフラム圧力センサ
2:ダイヤフラム
2a:フランジ
2b:受圧部
3:絶縁架台
4:ビーム部材
5:ピポット
6a、6a’:拡散抵抗素子
7:薄膜導体
Claims (4)
- 液体圧力を検出する荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサにおいて、
前記液体圧力に対する受圧部を有する円板状の金属ダイアフラムと、
前記金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、前記金属ダイアフラムと同心円状に固定された、電気的に絶縁性の環状の絶縁架台と、
前記絶縁架台の直径方向に橋架され、その両端で前記絶縁架台に接着されたシリコンの短冊状のビーム部材と、
前記金属ダイアフラムの受圧部とは反対側において、前記ビーム部材の中央部と、前記金属ダイアフラムの中央部との間に接着されたピン状のピポットと、
前記ビーム部材の前記ピポットの接着側とは反対側において、予め形成された歪みゲージとして作用する拡散抵抗素子を含むブリッジ回路と、
を備え、
検出されるべき液体圧力による前記金属ダイヤフラムの歪みが前記ピポットを介して前記ビーム部材に伝達され、それにより前記拡散抵抗素子の電気抵抗の変化が前記ブリッジ回路により電気信号として検出されること、
を特徴とする金属ダイヤフラム圧力センサ。 - 前記絶縁架台が耐熱性ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の金属ダイヤフラム圧力センサ。
- 前記短冊状のビーム部材がシリコンウェハー上に焼き付けられて形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の金属ダイヤフラム圧力センサ。
- 計測可能な圧力定格を自在に変更するために、前記金属ダイアフラムの厚みが調整されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属ダイヤフラム圧力センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201335A JP2004045140A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201335A JP2004045140A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004045140A true JP2004045140A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31707902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002201335A Pending JP2004045140A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 荷重変換型の金属ダイヤフラム圧力センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004045140A (ja) |
Cited By (8)
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JP7460388B2 (ja) | 2020-02-19 | 2024-04-02 | アズビル株式会社 | 圧力センサ |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201335A patent/JP2004045140A/ja active Pending
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