【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気を巻き込むことなく発熱体と放熱体とを接合させることができる熱伝導性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気・電子部品等においては、部品から発生する熱によって破損等しないように、放熱体を設けて発熱体から発生した熱を外部に放熱することが行われている。
【0003】
例えば、プラズマディスプレイ表示装置は、素子を挟み込んだ2枚のガラス基板からなるパネルを有し、パネルの1ドット毎にRGBの各要素があり、その各要素が放電により発光することにより各色を発現している。色の発現には色毎にRGBの各要素の放電状態が異なる。例えば、あるドットの発色が白の場合はRGBの各要素が全て放電することにより発色し、黒の場合はどの要素も放電していない。従って、発現させる色によって発熱量に差が生じる。このためプラズマディスプレイ表示装置に映している画面によっては、放電している要素が多い箇所と少ない箇所とにかなりの温度差が生じ、それぞれの部分での熱膨張率の違いからパネルに機械的負荷がかかり、パネル自体が割れを起こす危険性がある。更に、プラズマディスプレイ表示装置の映している画面によっては全体の発熱量が大きくなって、パネル自身の性能に影響を与える限界温度以上に高温になることもある。このため、パネルを構成するガラス基板の一方にアルミニウム等からなる放熱板を設け、プラズマディスプレイが限界以上に高温になったり、温度差が生じたりするのを防いでいる。
【0004】
このような発熱体と放熱体の間には、通常、発熱体から発生した熱を効率よく放熱体に伝えるために熱伝導性組成物が介在される。
従来、このような熱伝導性組成物としては、シリコン等の樹脂に熱伝導性充填材を分散させたシリコン系組成物が用いられていた。このようなシリコン系組成物は、高い熱伝導率を有すると同時に、必ずしも平滑ではない発熱体及び放熱体の表面によく追随できることから、効率よく発熱体から発生した熱を放熱体に伝えることができる。しかしながら、これらのシリコン系組成物は粘着性に乏しいことから、発熱体と放熱体とを接合させるためには、別に何らかの手段を講じる必要があった。例えば、特許第2885147号には、プラズマディスプレイ表示装置のパネルのガラス基板と放熱板とを両面テープで接着し、生じた両者の間の空隙にパテやシリコングリス等の熱伝導性組成物を充填する方法が開示されている。しかし、このような方法には、両面テープを用いて発熱体と放熱体とを接着する工程と、熱伝導性物質を充填する工程とが必要になることから、製造工程が増加し、製造効率に影響していた。
【0005】
これに対して、熱伝導性物質自体に粘着性を付与し、熱伝導性物質によって発熱体と放熱体とを接合する方法が検討されている。しかしながら、このような粘着力を有する熱伝導性組成物を用いて発熱体と放熱体とを接合する際には、熱伝導性組成物と発熱体又は放熱体との間に気泡を巻き込んでしまうことがあるという問題があった。空気は熱伝導率が低いことから、空気を巻き込んでしまった場合には、その部分では熱伝導性が低下し、効率よく発熱体から発生した熱を放熱体に伝えることができない。とりわけ、プラズマディスプレイ表示装置におけるガラス基板と放熱板との接合のように、接合する面積が大きい場合には気泡の巻き込みは大きな問題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、空気を巻き込むことなく発熱体と放熱体とを接合させることができる熱伝導性組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、アクリル酸アルキルエステルと特定の性質を有するマクロモノマーとを共重合させてなる共重合体を含有する熱伝導性組成物を用いることにより、熱伝導性組成物の有する粘着力により発熱体と放熱体とを接合させることができ、かつ、接合の際に空気を巻き込みにくいことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明1は、炭素数が2〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、ガラス転移点温度が10℃以下であるマクロモノマーとを共重合してなるアクリル系共重合体からなる熱伝導性組成物である。
本発明2は、炭素数が2〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、常温常圧で液状であるマクロモノマーとを共重合してなるアクリル系共重合体からなる熱伝導性組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の熱伝導性組成物はアクリル酸アルキルエステルとマクロモノマーとを共重合してなる共重合体を含有する。
上記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数の下限は2、上限は8である。アルキル基の炭素数がこの範囲にあるアクリル酸アルキルエステルを用いることにより、得られる共重合体は広い温度範囲で粘着性を示し、かつ、−30℃程度の低温下でも柔軟性を有する。
【0009】
上記炭素数が2〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
【0010】
上記マクロモノマーとは、主鎖となる骨格の末端に重合性不飽和二重結合を有する重合体である。
上記マクロモノマーとしては、上記主鎖となる骨格がポリアクリルであるアクリル系マクロモノマー、上記主鎖となる骨格がポリオレフィンであるオレフィン系マクロモノマー又はブタジエンが好適である。
また、上記末端の重合性不飽和二重結合としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基等が好適に挙げられる。
【0011】
本発明1の熱伝導性組成物においては、上記マクロモノマーのガラス転移点温度の上限は10℃である。10℃を超えると、得られる熱伝導性組成物が常温で硬くなってしまう。好ましい上限は0℃である。
このようなマクロモノマーとしては、例えば、主鎖となる骨格がブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートであるもの等が挙げられる。
【0012】
本発明2の熱伝導性組成物においては、上記マクロモノマーは常温常圧で液状であるものである。ここで常温常圧で液状とは、常温常圧で少なくとも固体状ではないという意味である。
このようなマクロモノマーとしては、例えば、主鎖となる骨格がブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートであるもの等が挙げられる。
【0013】
上記アクリル系共重合体において、炭素数が2〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル100重量部に対するマクロモノマーの好ましい配合量の下限は2重量部、好ましい上限は400重量部である。2重量部未満であると、後述するような気泡巻き込み防止効果が得られないことがあり、400重量部を超えると、熱伝導性組成物の接着力が低下することがある。
【0014】
上記アクリル酸アルキルエステルとマクロモノマーとを共重合する方法としては特に限定されず、溶液重合、塊状重合、乳化重合、パール重合等の従来公知の重合方法が挙げられる。上記溶液重合による方法では、酢酸エチル、トルエン等の溶媒存在下、アゾビスイソブチルニトリル、過酸化ベンゾイル等の熱重合開始剤が用いられる。また、上記塊状重合による方法としては、均一な共重合体が得られやすいことから、光重合開始剤を用いた紫外線(UV)による光重合が好ましい。
【0015】
上記光重合開始剤としては特に限定されず、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[例えば、メルク社製:ダロキュア−2959]等のケトン系;α−ヒドロキシ−α、α’−ジメチル−アセトフェノン[例えば、メルク社製:ダロキュア1173]、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン[例えば、チバガイギー社製:イルガキュア651]、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン[例えば、チバガイギー社製:イルガキュア184]等のアセトフェノン系;ベンジルジメチルケタール等のケタール系;ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート等が挙げられる。
【0016】
上記光重合開始剤の添加量としては、アクリル系共重合体成分100重量部に対する好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。0.01重量部未満であると、重合度が低下し、モノマー臭の強い重合体しか得られないことがあり、5重量部を超えると、ラジカル発生量が多くなり、分子量が低下してしまい、必要な凝集力が得られなくなることがある。より好ましい下限は0.05重量部であり、より好ましい上限は3重量部である。
【0017】
上記光重合における光照射に用いられるランプ類としては、光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いられ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられる。なかでも、ケミカルランプは、光重合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光するとともに、光重合開始剤以外の組成物の光吸収が少ないため、内部まで光が透過し、高厚膜の熱導電性組成物を製造するのに好ましい。上記ランプによる光重合性組成物への光照射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であり、目的製品の性能毎に適宜制御されるのであるが、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の光重合開始剤を配合した場合には該光重合開始剤の光分解に有効な波長領域(光重合開始剤によって異なるが、通常365nm〜420nmの光が用いられる)の光強度の好ましい下限は0.1mW/cm2、好ましい上限は100mW/cm2で
ある。
【0018】
上記共重合の際には、得られるアクリル系共重合体のガラス転移点温度、極性を調整するために、不飽和二重結合を有する極性共重合体モノマーを添加してもよい。このような極性共重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のビニル基を有するカルボン酸及びビニル基を有するカルボン酸の無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記極性共重合性モノマーの添加量は、アクリル系共重合体の共重合成分に対して20重量%以下が好ましい。20重量%を超えると、得られる熱伝導性組成物の柔軟性が低下し、密着性が低下することがある。
【0019】
上記アクリル系共重合体は、必要に応じて、耐熱性やクリープ特性を向上させるために架橋されてもよい。上記架橋方法としては、例えば、アクリル系共重合体を溶媒中で重合する溶液重合又は水中で重合するエマルジョン重合等において、反応性の極性基を有する重合性モノマーを含有させ、この極性基と反応可能な架橋剤を添加することにより架橋させる方法等が挙げられる。
【0020】
上記架橋剤としては、例えば、トリレンジイソアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル等のエポキシ系架橋剤;N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系架橋剤等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0021】
また、上記アクリル系共重合体を光重合により重合する場合には、架橋剤として多官能(メタ)アクリレート化合物を添加することが好ましい。このような架橋剤を用いることにより、アクリル系共重合体の重合と同時に架橋を行なうことができる。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0022】
上記架橋剤の添加量の好ましい下限はアクリル系共重合体成分100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。0.01重量部未満であると、得られる熱伝導性組成物の凝集力が低下して耐熱性やクリープ特性に劣ることがあり、5重量部を超えると、柔軟性が損なわれて密着性が低下することがある。より好ましい下限は0.02重量部、より好ましい上限は3重量部である。
【0023】
本発明の熱伝導性組成物は、上記アクリル系共重合体の他に、熱伝導率を向上させることを目的として熱伝導性充填材を含有することが好ましい。上記熱伝導性充填材としては特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の無機充填材;銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属充填材;チタン等の金属合金充填材;ダイヤモンド、炭素繊維、カーボンブラック等の炭素系充填材;石英、石英ガラス等のシリカ紛類等が挙げられ、また、無機充填材の粒子に銀や銅、炭素材料を表面被覆したもの;金属充填材の粒子に無機材料や炭素材料を表面被覆したもの等も挙げられる。これらの熱伝導性充填剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、これらの熱伝導性充填材とベースとなる樹脂との親和性を向上させるために、シラン処理等の各種表面処理を行った熱伝導性充填材を用いてもよい。
上記熱伝導性充填材の形状としては特に限定されず、例えば、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状、不定形等のものが用いられる。
上記熱伝導性充填材の配合量の好ましい下限は5体積%、好ましい上限は90体積%である。5体積%未満であると、充分な熱伝導率向上効果が得られないことがあり、90体積%を超えると、熱伝導性組成物の硬度が高くなり、反りや凹凸に追従しにくくなることがある。
【0024】
上記熱伝導性組成物には、発熱体、放熱体との密着性を向上させるために、粘着付与剤が添加されてもよい。上記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、C5及びC9系石油樹脂、クロマン樹脂等、及び、これらの水添物等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよい。
なお、上記粘着付与剤を上記アクリル系共重合体の重合時に添加する場合には、重合速度の低下や分子量の低下を生じる場合があるので、連鎖移動剤や架橋性モノマーの量を適宜調節したり、重合阻害性の低い粘着付与剤を用いることが好ましい。このような重合阻害性の低い粘着付与剤としては、例えば、水添テルペン樹脂、水添ロジン樹脂、不均化ロジン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられる。
上記粘着付与剤の添加量の好ましい下限はアクリル系共重合体100重量部に対して5重量部、好ましい上限は50重量部である。5重量部未満であると、密着性の向上効果が少なく、50重量部を超えると、熱伝導性組成物の柔軟性が低下し、かえって密着性が低下することがある。好ましい下限は10重量部、好ましい上限は40重量部である。
【0025】
本発明の熱伝導性組成物には、必要に応じて、各種の添加剤が添加されてもよい。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、軟化剤、無機充填剤、有機充填剤、顔料、染料等が挙げられる。
【0026】
本発明の熱伝導性組成物を用いて発熱体と放熱体とを接合させると、驚くべきことに、接合の初期には熱伝導性組成物と発熱体又は放熱体との間に気泡が巻き込まれたとしても、数時間放置した後には巻き込まれた気泡のほとんどが消失し、熱伝導性組成物は発熱体及び放熱体に密着する。これにより、高い効率で発熱体から発生した熱を放熱体に伝えることができる。従って、本発明の熱伝導性組成物は、プラズマディスプレイ表示装置におけるガラス基板と放熱板との接合のように、接合する面積が大きい場合に特に好適に用いることができる。
【0027】
本発明の熱伝導性組成物は、広い温度範囲で粘着力を示し電子部品の発熱体と放熱体との接合に好適に用いることができる。また、空気を巻き込まずに発熱体又は放熱体と密着することから高い効率で発熱体から発生した熱を放熱体に伝えることができる。本発明の熱伝導性組成物は、プラズマディスプレイ表示装置におけるガラス基板と放熱板との接合のように、接合する面積が大きい場合に特に好適に用いることができる。
本発明の熱伝導性組成物を用いて発熱体と放熱体とを接合する方法としては特に限定されず、例えば、本発明の熱伝導性組成物をシート状に成形し、これを介して発熱体及び放熱体を接合する方法等が挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル90重量部、アクリル系マクロモノマー(商品名:AB−6、東亜合成社製)10重量部、ヘキサンジオールジアクリレート0.1重量部、ドデカンチオール0.05重量部、光重合開始剤(商品名:イルカギュアー651、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.3重量部、及び、熱伝導性充填材として炭酸カルシウム(商品名:♯100、三共精粉社製)400重量部を均一になるまでプラネタリーミキサーにて攪拌した後、窒素ガスによるバブリングを行って溶存酸素を除去して重合性モノマー溶液を調製した。
次いで離型処理した50μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に1mm厚みのスペーサーを設置し、得られた重合性モノマー溶液をPETフィルム上に展開した後、このPETフィルムを折り曲げて、離型処理面が重合性モノマー溶液に接するよう被覆した。この状態で、被覆側のPETフィルム上における紫外線照射強度が5.0(mW/cm2)となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射することにより重合して、シート状の熱伝導性組成物を作製した。
【0030】
(実施例2)
アクリル系マクロモノマー10重量部の代わりに、オレフィン系マクロモノマー(商品名:HPVM−L1253、クレイトン・ポリマージャパン社製)10重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてシート状の熱伝導性組成物を作製した。
【0031】
(比較例1)
アクリル酸2−エチルヘキシルを90重量部から100重量部とし、アクリル系マクロモノマーを用いなかった以外は実施例1と同様にして熱伝導性組成物からなるシートを作製した。
【0032】
(比較例2)
ヘキサンジオールジアクリレートを0.1重量部から0.05重量部に、ドデカンチオール0.05重量部から0.1重量部に、光重合開始剤を0.3重量部から0.5重量部にした以外は比較例1と同様にして熱伝導性組成物からなるシートを作製した。
【0033】
(比較例3)
アクリル系マクロモノマー10重量部の代わりに、液状粘着付与剤(商品名:スーパーエステルA−18、荒川化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして熱伝導性組成物からなるシートを作製した。
【0034】
実施例1、2及び比較例1〜3で作製したシートについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
【0035】
(1)ゲル分率の測定
シートの重量を測定した後、テトラヒドロフラン中に浸漬し、24時間後にテトラヒドロフランに溶けずに残った固形分を取り出し、乾燥させた後その重量を測定した。下記式によりゲル分率を求めた。
ゲル分率=[(浸漬前重量−浸漬後重量)/浸漬前重量]×100
【0036】
(2)アスカーC硬度の測定
C型ゴム硬度計(高分子計器社製)にて23℃雰囲気でのアスカーC硬度を測定した。
【0037】
(3)接着力の測定
JIS Z 6850引張剪断接着強さ試験方法に準拠して、25mm×25mmに切断したシートをアルミニウム板とガラス板との間に挟み込み、引張剪断接着強さを測定した。
評価は、23℃及び60℃の2雰囲気下で行った。
【0038】
(4)保持性の評価
JIS Z 0237保持力の試験方法に準拠して、25mm×25mmに切断したシートを、アルミニウム板とガラス板の間に挟み込み、625gの錘をかけてガラス板と合わせた負荷荷重を100g/cm2として、60℃下24時間後の錘の落下の有無を確認した。
【0039】
(5)密着性の評価
図1に示したように、平坦な平面に210mm×150mmの大きさのシートを貼り付け、この上から300mm×210mm×2mmのガラスをガラスの中央部分にシートが来るように静かに載せた。次いで、図2に示した12点の位置に4kgの錘を載せた。
錘を載せた直後、30分後及び3時間後に、ガラスとシートとが気泡に妨げられずに密着している部分の面積がシート全体の面積に占める割合を目視にて観察した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から、実施例1及び2で作製したシートは充分な保持力を発揮することがわかった。また、錘を載せた直後には気泡を巻き込んでいたが、時間の経過とともに密着が進み、3時間後にはほとんどの気泡が消失してガラスとシートとが密着した。これより、高い熱伝導効率が期待できる。
一方、比較例1で作製したシートは、接着力は高いものの、錘を載せてから3時間後でも多くの気泡が残存しガラスとシートとが密着していないことから、高い熱伝導効率は期待できない。また、比較例2で作製したシートは、比較例1に比べれば気泡の残存は少ないものの、接着力が低く保持性も低いものであった。比較例3で作成したシートは、接着力、保持性が低く、密着性も不充分であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、空気を巻き込むことなく発熱体と放熱体とを接合させることができる熱伝導性組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の密着性の評価において熱伝導性組成物とガラス板との配置を示す模式図である。
【図2】実施例の密着性の評価において錘を配置する位置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 熱伝導性組成物(シート)
2 ガラス板
3 平坦な台
4 錘を配置する位置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat conductive composition capable of joining a heating element and a heat radiator without involving air.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In an electric / electronic component, a heat radiator is provided to radiate heat generated from a heat generator to the outside so as not to be damaged by heat generated from the component.
[0003]
For example, a plasma display device has a panel composed of two glass substrates sandwiching elements, and each dot of the panel has RGB components, and each component emits light by discharging to express each color. are doing. For the appearance of color, the discharge state of each element of RGB differs for each color. For example, when the color of a certain dot is white, the color is generated by discharging all the RGB elements, and when the color is black, no element is discharged. Therefore, the calorific value differs depending on the color to be developed. For this reason, depending on the screen displayed on the plasma display device, a considerable temperature difference occurs between a portion where many elements are discharged and a portion where the number of discharged elements is small, and the difference in the coefficient of thermal expansion in each portion causes a mechanical load on the panel. And there is a danger of the panel itself cracking. Further, depending on the screen on which the plasma display device is projected, the total amount of heat generated may increase, and the temperature may become higher than the limit temperature which affects the performance of the panel itself. For this reason, a heat radiating plate made of aluminum or the like is provided on one of the glass substrates constituting the panel to prevent the temperature of the plasma display from becoming higher than the limit or causing a temperature difference.
[0004]
Usually, a heat conductive composition is interposed between such a heating element and a heat radiating element in order to efficiently transmit heat generated from the heating element to the heat radiating element.
Conventionally, as such a thermally conductive composition, a silicon-based composition in which a thermally conductive filler is dispersed in a resin such as silicon has been used. Since such a silicon-based composition has high thermal conductivity and can well follow the surface of the heating element and the heat radiator that are not always smooth, it is possible to efficiently transfer the heat generated from the heating element to the heat radiator. it can. However, since these silicon-based compositions have poor adhesiveness, it is necessary to take some other means in order to join the heat generating element and the heat radiating element. For example, Japanese Patent No. 2885147 discloses that a glass substrate of a panel of a plasma display device is bonded to a heat sink with a double-sided tape, and a gap between the two is filled with a thermally conductive composition such as putty or silicon grease. A method for doing so is disclosed. However, such a method requires a step of bonding a heating element and a heat radiating element using a double-sided tape and a step of filling a heat conductive substance. Was affected.
[0005]
On the other hand, a method of imparting adhesiveness to the heat conductive substance itself and joining the heat generator and the heat radiator with the heat conductive substance is being studied. However, when joining the heating element and the heat radiator using the heat conductive composition having such adhesive strength, air bubbles are involved between the heat conductive composition and the heating element or the heat radiator. There was a problem. Since air has a low thermal conductivity, if air is entrained, the thermal conductivity is reduced at that portion, and the heat generated from the heating element cannot be efficiently transmitted to the radiator. In particular, when a bonding area is large, such as when a glass substrate and a heat sink are bonded in a plasma display device, entrapment of air bubbles has been a serious problem.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and has as its object to provide a heat conductive composition that can join a heat generator and a heat radiator without involving air.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies and found that by using a heat conductive composition containing a copolymer obtained by copolymerizing an alkyl acrylate and a macromonomer having a specific property, It has been found that the heat generating element and the heat radiating element can be joined together by the adhesive force of the object, and that it is difficult for air to be involved in the joining, and the present invention has been completed.
The present invention 1 is a heat transfer material comprising an acrylic copolymer obtained by copolymerizing an alkyl acrylate having an alkyl group having 2 to 8 carbon atoms and a macromonomer having a glass transition temperature of 10 ° C. or lower. It is an acidic composition.
The present invention 2 provides a heat conductive composition comprising an acrylic copolymer obtained by copolymerizing an alkyl acrylate having an alkyl group having 2 to 8 carbon atoms and a macromonomer which is liquid at normal temperature and normal pressure. It is.
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0008]
The heat conductive composition of the present invention contains a copolymer obtained by copolymerizing an alkyl acrylate and a macromonomer.
The lower limit of the number of carbon atoms in the alkyl group of the acrylic acid alkyl ester is 2, and the upper limit is 8. By using an alkyl acrylate having an alkyl group having the carbon number in this range, the obtained copolymer exhibits tackiness in a wide temperature range and has flexibility even at a low temperature of about -30 ° C.
[0009]
Examples of the alkyl acrylate having an alkyl group having 2 to 8 carbon atoms include ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, butyl acrylate, sec-butyl acrylate, and t-butyl acrylate. , Cyclohexyl acrylate, n-octyl acrylate, isooctyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0010]
The macromonomer is a polymer having a polymerizable unsaturated double bond at a terminal of a skeleton serving as a main chain.
As the macromonomer, an acrylic macromonomer in which the main chain skeleton is polyacryl, an olefin macromonomer in which the main chain skeleton is polyolefin, or butadiene are preferable.
Further, as the above-mentioned terminal polymerizable unsaturated double bond, for example, an acryloyl group, a methacryloyl group and the like are preferably mentioned.
[0011]
In the thermally conductive composition of the present invention 1, the upper limit of the glass transition temperature of the macromonomer is 10 ° C. When the temperature exceeds 10 ° C., the obtained heat conductive composition becomes hard at room temperature. A preferred upper limit is 0 ° C.
Examples of such a macromonomer include those in which the skeleton serving as the main chain is butyl acrylate or 2-ethylhexyl acrylate.
[0012]
In the thermally conductive composition of the second aspect, the macromonomer is a liquid at normal temperature and normal pressure. Here, “liquid at normal temperature and normal pressure” means that the liquid is at least not solid at normal temperature and normal pressure.
Examples of such a macromonomer include those in which the skeleton serving as the main chain is butyl acrylate or 2-ethylhexyl acrylate.
[0013]
In the acrylic copolymer, the lower limit of the preferred amount of the macromonomer to 100 parts by weight of the alkyl acrylate having an alkyl group having 2 to 8 carbon atoms is 2 parts by weight, and the preferred upper limit is 400 parts by weight. If the amount is less than 2 parts by weight, the effect of preventing air bubbles from being entrained as described below may not be obtained. If the amount is more than 400 parts by weight, the adhesive strength of the heat conductive composition may decrease.
[0014]
The method for copolymerizing the alkyl acrylate and the macromonomer is not particularly limited, and includes conventionally known polymerization methods such as solution polymerization, bulk polymerization, emulsion polymerization, and pearl polymerization. In the above solution polymerization method, a thermal polymerization initiator such as azobisisobutylnitrile and benzoyl peroxide is used in the presence of a solvent such as ethyl acetate or toluene. In addition, as the method using the bulk polymerization, photopolymerization using ultraviolet light (UV) using a photopolymerization initiator is preferable because a uniform copolymer is easily obtained.
[0015]
The photopolymerization initiator is not particularly limited and includes, for example, ketones such as 4- (2-hydroxyethoxy) phenyl (2-hydroxy-2-propyl) ketone [for example, Darocure-2959] manufactured by Merck; -Hydroxy-α, α'-dimethyl-acetophenone [eg, Darocure 1173, manufactured by Merck Ltd.], methoxyacetophenone, 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone [eg, Irgacure 651, manufactured by Ciba Geigy], 2-hydroxy- Examples include acetophenones such as 2-cyclohexyl acetophenone [for example, Irgacure 184, manufactured by Ciba Geigy Corporation]; ketals such as benzyldimethyl ketal; halogenated ketones, acylphosphinoxides, acylphosphonates and the like.
[0016]
As for the addition amount of the photopolymerization initiator, a preferable lower limit is 0.01 part by weight and a preferable upper limit is 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the acrylic copolymer component. When the amount is less than 0.01 part by weight, the degree of polymerization is reduced, and only a polymer having a strong monomer odor may be obtained. When the amount exceeds 5 parts by weight, the amount of generated radicals increases, and the molecular weight decreases. In some cases, a necessary cohesive force cannot be obtained. A more preferred lower limit is 0.05 parts by weight, and a more preferred upper limit is 3 parts by weight.
[0017]
As lamps used for light irradiation in the photopolymerization, those having a light emission distribution at a light wavelength of 400 nm or less are used. For example, low-pressure mercury lamps, medium-pressure mercury lamps, high-pressure mercury lamps, ultrahigh-pressure mercury lamps, chemical lamps, black light lamps , A microwave excitation mercury lamp, a metal halide lamp, and the like. Above all, chemical lamps efficiently emit light in the active wavelength region of the photopolymerization initiator, and light absorption through the composition other than the photopolymerization initiator is small, so that light penetrates to the inside and has a high thickness. It is preferred for producing a thermally conductive composition. The light irradiation intensity on the photopolymerizable composition by the lamp is a factor that affects the degree of polymerization of the obtained polymer, and is appropriately controlled for each performance of the target product, but is usually a cleavage type having a normal acetophenone group. When the photopolymerization initiator is blended, the preferred lower limit of the light intensity in the wavelength region effective for photodecomposition of the photopolymerization initiator (it varies depending on the photopolymerization initiator, but light of 365 nm to 420 nm is usually used) is 0.1 mW / cm 2 , and a preferable upper limit is 100 mW / cm 2 .
[0018]
In the above copolymerization, a polar copolymer monomer having an unsaturated double bond may be added in order to adjust the glass transition temperature and the polarity of the obtained acrylic copolymer. Examples of such a polar copolymerizable monomer include styrene monomers such as styrene, α-methylstyrene, o-methylstyrene, and p-methylstyrene; carboxylic acid vinyl esters such as vinyl acetate; acrylic acid, methacrylic acid, Carboxylic acid having a vinyl group such as itaconic acid and anhydride of a carboxylic acid having a vinyl group; 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 4-hydroxybutyl acrylate, modified caprolactone (meth) acrylate, poly Examples thereof include vinyl monomers having a hydroxyl group such as oxyethylene (meth) acrylate and polyoxypropylene (meth) acrylate. These may be used alone or in combination of two or more.
The amount of the polar copolymerizable monomer added is preferably 20% by weight or less based on the copolymerization component of the acrylic copolymer. If it exceeds 20% by weight, the flexibility of the obtained heat conductive composition may be reduced, and the adhesiveness may be reduced.
[0019]
The acrylic copolymer may be crosslinked as needed to improve heat resistance and creep characteristics. Examples of the crosslinking method include, for example, in a solution polymerization in which an acrylic copolymer is polymerized in a solvent or an emulsion polymerization in which water is polymerized in water, a polymerizable monomer having a reactive polar group is contained, and the polymerizable monomer is reacted with the polar group. Examples of the method include crosslinking by adding a possible crosslinking agent.
[0020]
Examples of the cross-linking agent include isocyanate-based cross-linking agents such as tolylene diisoanate, naphthylene-1,5-diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, xylene diisocyanate, and trimethylolpropane-modified tolylene diisocyanate; Epoxy crosslinking agents such as glycol diglycidyl ether, propylene glycol diglycidyl ether, 1,6-hexanediol glycidyl ether; aziridine crosslinking such as N, N-hexamethylene-1,6-bis (1-aziridinecarboxamide) Agents and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0021]
When the acrylic copolymer is polymerized by photopolymerization, it is preferable to add a polyfunctional (meth) acrylate compound as a crosslinking agent. By using such a crosslinking agent, crosslinking can be performed simultaneously with polymerization of the acrylic copolymer.
Examples of the polyfunctional (meth) acrylate compound include 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, ( Poly) ethylene glycol di (meth) acrylate, (poly) propylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, pentaerythritol di (meth) acrylate, glycerin methacrylate acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, Trimethylolpropane trimethacrylate, allyl (meth) acrylate, vinyl (meth) acrylate, divinylbenzene, epoxy (meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, urethane (meth) a Relate and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0022]
The preferred lower limit of the amount of the crosslinking agent added is 0.01 part by weight, and the preferred upper limit is 5 parts by weight, based on 100 parts by weight of the acrylic copolymer component. When the amount is less than 0.01 part by weight, the cohesive force of the obtained heat conductive composition is reduced, and the heat resistance and the creep characteristics may be inferior. May decrease. A more preferred lower limit is 0.02 parts by weight, and a more preferred upper limit is 3 parts by weight.
[0023]
The heat conductive composition of the present invention preferably contains a heat conductive filler for the purpose of improving the heat conductivity, in addition to the acrylic copolymer. The thermal conductive filler is not particularly limited, and examples thereof include oxides such as aluminum oxide, magnesium oxide, beryllium oxide, and titanium oxide; inorganic fillers such as aluminum nitride, boron nitride, silicon nitride, and silicon carbide; copper. Metal fillers such as silver, iron, aluminum, and nickel; metal alloy fillers such as titanium; carbon-based fillers such as diamond, carbon fiber, and carbon black; silica powders such as quartz and quartz glass; In addition, those obtained by surface-coating particles of an inorganic filler with silver, copper, or a carbon material; those obtained by surface-coating particles of a metal filler with an inorganic material or a carbon material; These heat conductive fillers may be used alone or in combination of two or more. Further, in order to improve the affinity between these heat conductive fillers and the base resin, heat conductive fillers subjected to various surface treatments such as silane treatment may be used.
The shape of the above-mentioned heat conductive filler is not particularly limited, and for example, spherical, needle-like, fibrous, scale-like, tree-like, plate-like, amorphous and the like are used.
The preferable lower limit of the amount of the heat conductive filler is 5% by volume, and the preferable upper limit is 90% by volume. If the content is less than 5% by volume, a sufficient effect of improving the thermal conductivity may not be obtained. If the content is more than 90% by volume, the hardness of the heat conductive composition becomes high, and it is difficult to follow the warpage and the unevenness. There is.
[0024]
A tackifier may be added to the heat conductive composition in order to improve the adhesion between the heat generating body and the heat radiating body. As the tackifier, for example, rosin resins, modified rosin resins, terpene resins, terpene phenol resins, C 5 and C 9 petroleum resin, chroman resin and the like, and, like these hydrogenated products such as Can be These may be used alone or in combination of two or more.
When the tackifier is added during the polymerization of the acrylic copolymer, the polymerization rate may decrease or the molecular weight may decrease.Therefore, the amounts of the chain transfer agent and the crosslinkable monomer are appropriately adjusted. In addition, it is preferable to use a tackifier having low polymerization inhibition. Examples of such a tackifier having a low polymerization inhibiting property include a hydrogenated terpene resin, a hydrogenated rosin resin, a disproportionated rosin resin, an alicyclic saturated hydrocarbon resin, and the like.
The preferred lower limit of the amount of the tackifier is 5 parts by weight and the preferred upper limit is 50 parts by weight based on 100 parts by weight of the acrylic copolymer. When the amount is less than 5 parts by weight, the effect of improving the adhesiveness is small, and when it exceeds 50 parts by weight, the flexibility of the heat conductive composition is reduced, and the adhesiveness may be reduced instead. A preferred lower limit is 10 parts by weight, and a preferred upper limit is 40 parts by weight.
[0025]
Various additives may be added to the heat conductive composition of the present invention as needed. Examples of the additive include a plasticizer, a softener, an inorganic filler, an organic filler, a pigment, a dye, and the like.
[0026]
When a heating element and a heat radiator are joined using the heat conductive composition of the present invention, surprisingly, air bubbles are trapped between the heat conductive composition and the heating element or the heat radiator in the initial stage of joining. Even if it does, most of the trapped air bubbles disappear after being left for several hours, and the heat conductive composition adheres to the heat generator and the heat radiator. Thereby, the heat generated from the heating element can be transmitted to the radiator with high efficiency. Therefore, the heat conductive composition of the present invention can be particularly suitably used when the bonding area is large, such as the bonding between a glass substrate and a heat sink in a plasma display device.
[0027]
The heat conductive composition of the present invention exhibits an adhesive force in a wide temperature range and can be suitably used for bonding a heat generator and a heat radiator of an electronic component. In addition, since the heat generator or the heat radiator is in close contact with the air without being involved, air generated from the heat generator can be transmitted to the heat radiator with high efficiency. The heat conductive composition of the present invention can be particularly suitably used when the area to be bonded is large, such as the bonding between a glass substrate and a heat sink in a plasma display device.
There is no particular limitation on the method of joining the heat generating body and the heat radiating body using the heat conductive composition of the present invention. For example, the heat conductive composition of the present invention is formed into a sheet, and heat is generated through the sheet. And a method of joining the body and the heat radiator.
[0028]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0029]
(Example 1)
90 parts by weight of 2-ethylhexyl acrylate, 10 parts by weight of an acrylic macromonomer (trade name: AB-6, manufactured by Toagosei Co., Ltd.), 0.1 part by weight of hexanediol diacrylate, 0.05 part by weight of dodecanethiol, photopolymerization 0.3 parts by weight of an initiator (trade name: Irkaguer 651, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) and 400 parts by weight of calcium carbonate (trade name: $ 100, manufactured by Sankyo Seiko Co., Ltd.) as a thermally conductive filler are uniformly distributed. After stirring with a planetary mixer, the mixture was bubbled with nitrogen gas to remove dissolved oxygen, thereby preparing a polymerizable monomer solution.
Next, a 1-mm-thick spacer was placed on a 50-μm-thick polyethylene terephthalate (PET) film that had been release-treated, and the obtained polymerizable monomer solution was spread on the PET film. Then, the PET film was bent and released. The surface was coated so as to be in contact with the polymerizable monomer solution. In this state, the lamp intensity of the chemical lamp was adjusted so that the UV irradiation intensity on the PET film on the coating side was 5.0 (mW / cm 2 ), and the sheet was polymerized by irradiating with UV light for 15 minutes to form a sheet. A thermally conductive composition in the form of was prepared.
[0030]
(Example 2)
Heat conduction in sheet form in the same manner as in Example 1 except that 10 parts by weight of an acryl-based macromonomer (trade name: HPVM-L1253, manufactured by Clayton Polymer Japan Ltd.) was used instead of 10 parts by weight of an acrylic macromonomer. A composition was prepared.
[0031]
(Comparative Example 1)
A sheet made of a heat conductive composition was prepared in the same manner as in Example 1 except that 2-ethylhexyl acrylate was used in an amount of 90 to 100 parts by weight and no acrylic macromonomer was used.
[0032]
(Comparative Example 2)
Hexanediol diacrylate from 0.1 part by weight to 0.05 part by weight, dodecanethiol from 0.05 part by weight to 0.1 part by weight, photopolymerization initiator from 0.3 part by weight to 0.5 part by weight A sheet made of the heat conductive composition was produced in the same manner as in Comparative Example 1 except that the above procedure was performed.
[0033]
(Comparative Example 3)
A sheet made of a heat conductive composition in the same manner as in Example 1 except that a liquid tackifier (trade name: Superester A-18, manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd.) was used instead of the acrylic macromonomer 10 parts by weight. Was prepared.
[0034]
The sheets prepared in Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 to 3 were evaluated by the following methods.
The results are shown in Table 1.
[0035]
(1) Measurement of Gel Fraction After the weight of the sheet was measured, the sheet was immersed in tetrahydrofuran, and after 24 hours, the solid content remaining without being dissolved in tetrahydrofuran was taken out and dried, and the weight was measured. The gel fraction was determined by the following equation.
Gel fraction = [(weight before immersion−weight after immersion) / weight before immersion] × 100
[0036]
(2) Measurement of Asker C hardness The Asker C hardness in a 23 ° C. atmosphere was measured with a C-type rubber hardness meter (manufactured by Kobunshi Keiki Co., Ltd.).
[0037]
(3) Measurement of Adhesive Strength According to JIS Z 6850 tensile shear adhesive strength test method, a sheet cut into 25 mm × 25 mm was sandwiched between an aluminum plate and a glass plate, and the tensile shear adhesive strength was measured.
The evaluation was performed under two atmospheres of 23 ° C. and 60 ° C.
[0038]
(4) Evaluation of Retention According to the test method of JIS Z 0237 Retention, a sheet cut to 25 mm × 25 mm was sandwiched between an aluminum plate and a glass plate, and a load of 625 g weight was applied to the glass plate. Was set to 100 g / cm 2 , and the presence or absence of falling of the weight after 24 hours at 60 ° C. was confirmed.
[0039]
(5) Evaluation of Adhesion As shown in FIG. 1, a sheet having a size of 210 mm × 150 mm is stuck on a flat surface, and a 300 mm × 210 mm × 2 mm glass sheet comes to the center of the glass from above. I put it quietly. Next, a 4 kg weight was placed on the twelve points shown in FIG.
Immediately after the weight was placed, 30 minutes later, and 3 hours later, the ratio of the area of the portion where the glass and the sheet were in close contact with each other without being hindered by air bubbles was visually observed.
[0040]
[Table 1]
[0041]
From Table 1, it was found that the sheets produced in Examples 1 and 2 exhibited sufficient holding power. In addition, bubbles were involved immediately after the weight was placed, but the adhesion progressed with the passage of time, and after 3 hours, most of the bubbles disappeared, and the glass and the sheet adhered. Thus, high heat conduction efficiency can be expected.
On the other hand, although the sheet prepared in Comparative Example 1 has a high adhesive strength, even after 3 hours from placing the weight, many bubbles remain and the glass and the sheet do not adhere to each other. Can not. In addition, the sheet produced in Comparative Example 2 had less adhesive bubbles and lower retention than Comparative Example 1 although the air bubbles remained less. The sheet prepared in Comparative Example 3 was low in adhesive strength and retention, and insufficient in adhesion.
[0042]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the heat conductive composition which can join a heating element and a heat radiator without involving air can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the arrangement of a heat conductive composition and a glass plate in the evaluation of adhesion in Examples.
FIG. 2 is a schematic diagram showing positions where weights are arranged in the evaluation of adhesion in an example.
[Explanation of symbols]
1 thermal conductive composition (sheet)
2 Glass plate 3 Flat base 4 Position where weight is placed