JP2004042881A - 非対称船尾フィン構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非対称船尾フィン構造1は、一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分71から開放端側72に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィン7a(7b)を、当該平坦面がプロペラ9の回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置し、かつ、前記船尾フィン7a、7bの船体取付部分の側面仰角θを所定の値にし、前記船尾フィン7a、7bの後端高さをプロペラ半径の60〜70%の範囲に配置し、かつ、前記船尾フィン7a(7b)の後端が略0.5ステーションの位置付近に配置したものである。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶の船尾に船尾フィンを固定してなる非対称船尾フィン構造に関する。さらに説明すると、本発明は、一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分から開放端側に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィンを、その平坦の面がプロペラの回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置してなる非対称船尾フィン構造に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、この種の船尾フィン構造としては、船尾のプロペラの前方において、船体の外板の両側に渡って整流フィンを取り付け、かつ、この整流フィンの後端の高さと当該整流フィンの取付角度を所定の値に設定したものが提供されている(登録実用新案公報(実用新案登録第3074059号))。
【0003】
図15は、上述した従来の船尾フィン構造を示す側面図である。図16は、上述した従来の船尾フィン構造を示す背面図である。
これらの図において、従来の船尾フィン構造は、船舶103の船尾のプロペラ105の前方において、船体107の外板の両側に渡って整流フィン109を取り付け、かつ、当該整流フィン109の寸法と、当該整流フィン109の後端の高さ及び長さと、当該整流フィン109の取付角度と、当該整流フィン109の断面形状とを次のように規定したものである。
【0004】
ここで、前記整流フィン109の寸法は、フィン幅がWで、フィン長さがLとしたものである。また、前記整流フィン109は、船体107の中心(CL)上での整流フィン109の後端高さがプロペラ半径の60〜70%の範囲にし、かつ、整流フィン109の後端止まり位置109Bがプロペラ位置からプロペラ直径の30%前方に配置し、前記整流フィン109の前端取付位置109Aを船尾後部垂線より前方7〜10%船長に配置されている。また、前記整流フィン109は、船体取付部の側面仰角6°〜15°の上向き角度を持たせて配置されている。前記整流フィン109は、選択取付部から先端に向かって薄くなる楔型の断面形状をしたものである。また、前記整流フィン109は、全体として略V字形状をしており、船体外板の両側に渡り設置されている。すなわち、この従来の船尾フィン構造の特徴を一言で言えば、幅の狭い左右対称のフィン構造であって、そのフィン位置は、プロペラ位置からプロペラ直径の30%前方、すなわち、スターンフレームとプロペラの間にフィン後端が位置し、フィン前端はA.Pから7〜10%Lpp前方に位置するように配置構成し、いわば、プロペラへの流入をスムースにするために、整流フィンのプロペラサクション効果を利用せんとした原理にかかるものといえる。
【0005】
このような従来の船尾フィン構造によれば、プロペラ105の前方で乱れた流線が整流されるとともに増速されてプロペラ105に供給されることになり、整流・増速されることで渦抵抗が減少し、推進性能を向上させることができる。
このように推進性能が向上する理由は、以下に説明するように、整流・増速されることで渦抵抗が減少し、船舶が液体上を移動するときの全抵抗RTが減少したことにある。
【0006】
すなわち、船舶が液体上を移動するときの全抵抗RTは、そのときの剰余抵抗をRR、摩擦抵抗をRFとすると、次の数式1で与えられる。
[数1]
RT=RR+RF
また、剰余抵抗RRは、造波抵抗をRw、粘性圧力をRvpとすると、次の数式2で与えられる。
[数2]
RR=Rw+Rvp
【0007】
そして、上述したような従来の船尾フィン構造にすることにより、整流フィン109でプロペラ直前の液体の流れを整流・増速することで渦抵抗を減少させた結果、粘性圧力Rvpが低下することになって、船舶に加わる全抵抗RTが減少し、プロペラサクション効果によって自航要素が改善されることになった。ここで、自航要素とは、スラスト減少係数、伴流率、推進器効率比のことをいう。また、伴流とは、流体の粘性による粘性伴流、ポテンシャル伴流および波の運動による波伴流のことをいい、これらにより船舶が受ける影響を比率で表したものが伴流率である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の船尾フィン構造によれば、上述したように自航要素は改善できるものの、整流フィンの固有抵抗により船体抵抗が増加するという欠点があった。
本発明は、上述した欠点を解消し、フィンの固有抵抗を打ち消し、船体抵抗を減少させると同時に、プロペラへの非対象流れを発生させることにより自航要素を改善させた非対称船尾フィン構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明にかかる非対称船尾フィン構造は、船舶の船尾に船尾フィンを固定してなる非対称船尾フィン構造において、一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分から開放端側に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィンを、その平坦の面がプロペラの回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置し、かつ、前記船尾フィンの船体取付部分の側面仰角を所定の値にし、前記船尾フィンの後端高さをプロペラ半径の60〜70%の範囲に配置し、かつ、前記船尾フィンの後端が略0.5ステーションの位置付近に配置してなることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に係る非対称船尾フィン構造において、前記船尾フィン構造は、正面から見て略台形状であることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1に係る非対称船尾フィン構造において、前記船尾フィン構造は、前記一方の面を平坦面に構成するとともに、他方の面を船体取付部から前記船体取付部と開放端側との中間部分まで徐々に厚みが減少する形状ないし船体取付部から開放端まで徐々に厚みが減少する形状であることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1に係る非対称船尾フィン構造において、前記船尾フィン構造は、左舷測船尾フィンおよび右舷測船尾フィンにおいて、左舷測船尾フィンの前端および後端のそれぞれを右舷測船尾フィン位置より後退して位置せしめたことを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項4に係る非対称船尾フィン構造において、前記左舷測船尾フィンの前端位置を0.75ステーションから1.0ステーションの間に位置せしめ、後端位置をスターンフレーム位置と0.5ステーションの間に位置せしめたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図8は、本発明の第1の実施の形態を説明するものである。まず、図1ないし図6を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の構造を説明する。ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を示す側面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の図1のA−A線から見た図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を背面から見た図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造に使用する船尾フィンを示す平面図である。図5は、図4のB−B線に沿う断面図である。図6は図4のC−C線に沿う断面図である。
【0011】
本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1は、詳細は後述するが、図1ないし図6に示すように船舶3の船尾5に船尾フィン7を固定してなるものである。すなわち、本第1実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1は、図4ないし図6に示すように一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分71から開放端側72に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィン7a(7b)を、図2および図3に示すように当該平坦面がプロペラ9の回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置し、かつ、前記船尾フィン7a,7bの船体取付部分の側面仰角を5度〜16度の上向角に配置し、前記船尾フィン7a,7bの後端高さをプロペラ半径の60〜70%の範囲に配置し、かつ、図1に示すように前記船尾フィン7a(7b)の後端が略0.5ステーションの位置付近にし、前記船尾フィン7a(7b)の前端が略1.0ステーションより後方の所定位置の付近に配置したものである。
【0012】
この本発明の第1の実施の形態にかかる非対称船尾フィン構造の特徴を前述するように一言で言えば、幅広の左右非対称の船尾フィン構造であって、そのフィン位置は、前記船尾フィン7a(7b)の後端は、スターンフレーム(船尾骨材)12より前方の船尾剥離発生箇所に位置する一方、前記船尾フィン7a(7b)の前端は、A.Pから10%Lpp前方に位置するように配置構成され、いわば、船尾域に発生する水流の剥離域の流れを加速させる、プロペラへの回転流を積極的に作り出し、船尾フィンで船尾剥離を消し、プロペラ回転エネルギーを回収する原理に基づくものといえる。
【0013】
なお、前記船尾フィン7a(7b)の前端の位置は、当該船舶の航行速度によって決定され、航行速度が早くなればなるほど前記船尾フィン7a(7b)の前端の位置は0.5ステーション側に後退してゆくことになる。また、符号11は舵である。
また、前記船尾フィン7a(7b)は、図4に示すように平面から見て略台形をしたものである。また、前記船尾フィン7a(7b)は、図5に示すように、前記一方の面を平坦面に構成するとともに、他方の面を船体取付部71から船体取付部分71と開放端側72との中間部分まで徐々に厚みが減少する形状にしたものである。さらに、前記船尾フィン7a(7b)は、図6に示すように、全体として長手方向に薄い台形形状に構成されている。
【0014】
このような構造の非対称船尾フィン構造1の作用を図1ないし図6を基に、図7および図8を参照して説明する。ここに、図7は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造による船尾フィンのある場合と船尾フィンのない場合の剰余抵抗係数を水槽実験によって得た特性図であり、横軸にフィールド数Fnを、縦軸に剰余抵抗係数rRを、それぞれとったものである。図7において、実線で示すグラフは、船尾フィンの無いものの特性を、点線で示すグラフは船尾フィンのある前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンの特性を示す。
【0015】
この図7において、剰余抵抗RRは上記数式1からもわかるように全抵抗RTから摩擦抵抗RFを引いた値であって、剰余抵抗係数r
Rは剰余抵抗RRを排水容積と速度とで割ることにより無次元化したものである。すなわち、剰余抵抗係数rRは以下の数式3で与えられる。
[数3]
rR=RR/{ρ×排水容積^(2/3)×速度^(2)}
ここに、ρは流体の密度である。
【0016】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造による船尾フィンのある場合と従来の船尾フィン構造の自航要素を水槽実験によって得た特性図であり、横軸にフィールド数Fnを、縦軸に自航要素(1−t,1−Wm,ηr)を、それぞれとったものである。本実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素を点線で、従来の船尾フィン構造の自航要素を点線で示されている。
この図8において、ηrは推進器効率であり、推進器(プロペラ)が船尾にあることで変わることを示す値であり、通常、0.99〜1.02で値が高いほど自航要素がよいとする値である。
【0017】
また、この図8において、(1−t)は推力減少係数であり、推進器(プロペラ)が船尾にあることで、プロペラ推力が減少することを表す値であり、通常、(1−t)は0.76〜0.83で値が高いほど自航要素がよいとする値である。
さらに、図8において、Wmは伴流係数で、推進器(プロペラ)の位置での船の伴流係数を示すものであり、通常、1−Wmは0.5〜0.7で、値が低いほど自航要素がよくなるという値である。
【0018】
本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1によれば、船尾フィン7a,7bが図2および図3に示すように当該平坦面がプロペラ9の回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置されており、かつ、船尾フィン7a,7bの断面形状が図5および図6に示すような形状していることから、図1に示すように当該船尾フィン7a(7b)の平坦面側を流れる流体L1の速度より当該船尾フィン7a(7b)の厚みのある側の流体L2の流れが速くなり、その結果、流体は図3に示すようにプロペラ9の回転方向に向けて捩じられたような状態(後方から見て右回転流となった状態)でプロペラ9に供給されることになる。これによって、プロペラ9の推力の補助がされることになる。
【0019】
このような本発明の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1によれば、剰余抵抗係数rRは、図7の点線で示すように、従来の船尾フィン7a,7bのもの(図7の実線で示されているもの)から比較して、小さな値を示すことがわかる。
また、本発明の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1の船尾フィン7a,7bのあるものの方が(図8の点線)、従来の船尾フィン7a,7b(図8の実線)より、ηrおよび(1−t)は大きな値になっており、かつ、(1−Wm)は小さな値になっていて、自航要素が改善されていることがわかる。
【0020】
本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1では、従来のように粘性圧力Rvpが低下させるという作用を応用したものではなく、自航要素を改善させることにより、船体抵抗の減少をさせているものである。
本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1では、プロペラ9の前方の流体の流れを左右非対象に配置した船尾フィン7a,7bにより、プロペラ9の回転方向に向けて捩じられたような状態(後方から見て右回転流となった状態)でプロペラ9に供給されることによってプロペラ9の推力を補助することより、船体抵抗値が3%、自航要素が4%改善されることになる。
【0021】
図9は本発明の第2の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造に使用する船尾フィンを示す平面図である。図10は図9のD−D線に沿う断面図である。
これらの図において、本発明の第2の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造で使用する船尾フィン7Aは、前記一方の面を平坦面に構成するとともに、船体取付部71から開放端72まで徐々に厚みが減少する形状に構成したものである。また、船尾フィン7Aは、図示しないが第1の実施の形態と同様に、厚みのある面を長手方向に流線型に構成してある。
【0022】
このような形状によっても、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造と同様な作用効果を奏するものとなる。
次に、本発明の第3の実施の携帯に係る非対称船尾フィン構造について図面に基づいて説明する。図11ないし図13は、本発明の第3の実施の形態を説明するための図である。ここに、図11は、本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を示す側面図であり、前記図1に相当する図である。
【0023】
なお、以降、本実施の形態に係る船尾フィン7a3、7b3の位置を明らかにするため、図11に示すように、第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン7a3、7b3の反対側のフィンを投影して表現することとする。また、図12は、本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の図1のA−A線と同様の線からみたものであって、本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造のA−A線から見た図である。図13は、同様に、前記本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の背面から見た図と同様に、本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の背面から見た図である。図において、同一の符号は従前に説明した部材と同じものを示し、その説明を省略する。
【0024】
本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の構造1は、図11ないし図13に示すように、フィン形状としては、本発明の前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造とは変わらず、フィン位置において、左右のフィンの取り付け位置をずらして構成したものである。すなわち、右舷のフィンについては、前記第1の実施の形態に係るフィンとその形状ならびにその取り付け位置は変わらないが、左舷のフィン7b3について、その取り付け位置のうち、後端がスターンフレーム(船尾骨材)の位置とA.P.(舵中心位置)から5%Lpp(船の長さ:正確には、前記A.P.とF.P.間)の長さの間で後方に位置させて配置している。なお、フィン形状は、前記図4ないし図6に示した前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造のものと同じであるのでその説明を省略する。
【0025】
本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造1の取り付け位置は、図11ないし図13に示すように、基本的には、前述の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造と同じ幅広の左右非対称形状であるが、その取り付け位置において、左右の取り付け位置をずらして取り付けられている。すなわち、図11に示すように、左舷の船尾フィン7b3を、前記第1の実施の形態の船尾フィンの取り付け延長線上で後方に下げて取り付けるようにしている。
【0026】
この関係を図面に基づいて説明する。図11は、前記第3の実施の形態に係る非対称船尾フィンの取り付け位置を示す船尾右側図であり、図1に示す第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンと同じものであるが、該右側図に反対側のフィンを投影させて点線にて描いたものである。
【0027】
図11に示される第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造と、図1に示される前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン1構造を比較すると、船尾フィン7a、7bが、右舷、左舷とも、その前端、後端の取り付け位置を同じくして取り付けられている。しかしながら、前記第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン7a3、7b3は、左舷側の船尾フィン7b3の取り付け位置が前端、後端ともに、その取り付け線上で後方にずらして取り付けられている。すなわち、該船尾フィン7a3、7b3の取り付け位置は、右舷のフィン7a3の後端ではスターンフレーム(船尾骨材)12よりやや前方に位置せしめているのに対し、左舷のフィン7b3の後端では、その位置が、ほぼスターンフレーム12位置に位置するように取り付け配置される。
【0028】
また、同フィン7a3、7b3の前端位置は、前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン7a、7bでは、A.Pから10%Lpp前方に位置するのに対し、第3の実施に形態に係る非対称船尾フィン7a3、7b3では、A.Pから5%Lpp前方位置に位置するように取り付け配置され、左舷のフィン7b3が、第1の実施に形態に係る船尾フィン7bより後方に位置するように取付配置される。これは、図1に示されるように、第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン7a(7b)の後端が略0.5ステーションの位置付近に位置し、前端が略1.0ステーションより後方に所定位置付近に位置するのに対して、第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン7a3(7b3)は、図11に示されるように、右舷側の船尾フィン7a3の前端は、第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンの左舷側のフィン7aと同じ後端が略0.5ステーションの位置付近に位置し、前端が略1.0ステーションより後方の所定一付近に位置するのに対して、左舷側のフィン7b3は、後端が、スターンフレーム12の位置と0.5ステーションの間に位置し、かつ、前端が、0.75ステーションから1.0ステーションの間にあり、前記第1の実施の形態に係る船尾フィン7bより後方に位置する。
【0029】
なお、当該第3に実施の形態に係る非対称船尾フィン7a3、7b3においては、図11に示すように、図2および図3に示した前記第1に実施の形態に係る非対称船尾フィン7a、7bと同じく、当該平坦面がプロペラ9の回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置し、かつ、前記船尾フィン7a3,7b3の船体取付部分の側面仰角を5度〜16度の上向角に配置し、前記船尾フィン7a3,7b3の後端高さをプロペラ半径の60〜70%の範囲に配置させている、このような第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンおよび第3の実施の形態に係る非対称船尾フィンの馬力節減効果について検証し、従来のそれと比較する。
【0030】
従来の船体(A船、B船、C船)について、それぞれFULL(満載喫水)およびBALLAST(軽荷喫水)について検証すると、それぞれ、A船においては、FULLにおいて4.7%、BALLASTにおいて2.0%、B船のEULLにおいては、2.0%、同BALLASTにおいては、4.6%、C船のEULLにおいては2.0%、BALLASTにおいては、4.3%であり、船型によっては、FULLとBALLASTにおいて、どちらかが2.0%程度の馬力節減効果があるのに付して、上記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンでは、FULLにおいては,3.8%、BALLASTにおいては、3.1%と、FULL、BALLASTともに3.0%以上の馬力節減効果が見いだされ、また、上記第3に実施の形態に係る非対称船尾フィンにおいては、痩せ型船2隻、小型船1隻、肥大船2隻の係隻で確認したところ、いずれも、上記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィンより、さらに、1%アップの馬力節減効果が見いだされた。
【0031】
なお、これらの馬力節減効果は、船型水槽試験で確認したものである。
これらの水槽試験の結果から導き出された白航要素を図8に示すと同じように、図14に示す。
図14は、従来の船尾フィン構造に係る自航要素(実線で示す)と、前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素(波線で示す)と、当該第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素(点線で示す)を示したものである。図14から知りうるように、これらの日航要素のうち、推進器効率(μr)および伴流係数Wmについては、第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造と第3の実施の形態に係る非対称船尾フイン構造の自航要素と変化は見いだしがたいが、推力減少係数(1−t)においては、第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素(点線で示す)が約1%改善されている。なお、図14において、第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素と第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素において、両者間に変化の見られない自航要素については、波線で示した。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分から開放端側に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィンを、当該船尾フィンの後端がプロペラの前方の略0.5ステーションの位置に左右非対象に配置したにより、プロペラの前方の流体をプロペラの回転方向に向けて捩じられたような状態でプロペラに供給できるようにしたので、プロペラの推力が補助されて、船体抵抗値および自航要素が所定の値改善されるという効果がある。
また、同船尾フィン構造のうち、右舷の船尾フィンを所定位置だけ後退せしめて、左右の位置をずらした構造のものは、自航要素の推力減少係数において,さらに、改善されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の図1のA−A線から見た図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を背面から見た図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造に使用する船尾フィンを示す平面面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図4のC−C線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造による船尾フィンのある場合と船尾フィンのない場合の剰余抵抗係数を水槽実験によって得た特性図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造による船尾フィンのある場合と船尾フィンのない場合の自航要素を水槽実験によって得た特性図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造に使用する船尾フィンを示す平面図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造を示す側面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造のA−A線から見た図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の背面から見た図である。
【図14】従来の船尾フィン構造に係る自航要素(実線で示す)と、前記第1の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素(波線で示す)と、当該第3の実施の形態に係る非対称船尾フィン構造の自航要素(点線で示す)を示したものである。
【図15】従来の船尾フィン構造を示す側面図である。
【図16】従来の船尾フィン構造を示す背面図である。
【符号の説明】
1 非対称船尾フィン構造
3 船舶
5 船尾
7、7a、7b、7A 船尾フィン
71 船体取付部
72 開放端
9 プロペラ
11 舵
12 スターンフレーム
Claims (5)
- 船舶の船尾に船尾フィンを固定してなる船尾フィン構造において、
一方の面を平坦面に構成するとともに他方の面を船体取付部分から開放端側に向けて厚みが減少する断面形状とした船尾フィンを、その平坦の面がプロペラの回転方向に向けて左右両舷にそれぞれ配置し、かつ、前記船尾フィンの船体取付部分の側面仰角を所定の値にし、前記船尾フィンの後端高さをプロペラ半径の60〜70%の範囲に配置し、かつ、前記船尾フィンの後端が略0.5ステーションの位置付近に配置してなることを特徴とする非対称船尾フィン構造。 - 前記船尾フィン構造は、正面から見て略台形状であることを特徴とする請求項1記載の非対称船尾フィン構造。
- 前記船尾フィン構造は、前記一方の面を平坦面に構成するとともに、他方の面を船体取付部から前記船体取付部と開放端側との中間部分まで徐々に厚みが減少する形状ないし船体取付部から開放端まで徐々に厚みが減少する形状であることを特徴とする請求項1記載の非対称船尾フィン構造。
- 前記船尾フィン構造は、左舷側船尾フィンおよび右舷側船尾フィンにおいて、左舷側船尾フィンの前端および後端のそれぞれを右舷側船尾フィン位置より後退して位置せしめたことを特徴とする請求項1に記載の非対称船尾フィン構造。
- 前記左舷側船尾フィンの前端位置を0.75ステーションから1.0ステーションの間に位置せしめ、後端位置をスターンフレーム位置と0.5ステーションの間に位置せしめたことを特徴とする請求項4に記載の非対称船尾フィン構造。
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