JP2004042485A - 光記録媒体及び炭化水素化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長300〜500nmのレーザーで良好な記録及び再生が可能な光記録媒体を提供する。
【解決手段】フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物を記録層に含有する光記録媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物を記録層に含有する光記録媒体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に関するものであり、特に可視レーザーの一種である青色レーザー光により記録・再生可能である光記録媒体に関する。また本発明は、光記録媒体用の記録層材料として好適な新規炭化水素化合物にも関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(以下、CDと略す)規格に対応した追記型光記録媒体としてCD−R(CD−Recordable)が広く普及している。CD−Rの記憶容量は680MB程度であるが、情報量の飛躍的増加に伴い、情報記録媒体に対する高密度化及び大容量化への要求は高まっている。
【0003】
記録媒体の高密度化を行う手段としては、記録・再生に用いるレーザー波長の短波長化及び対物レンズの開口数(N.A.:Numerical Aperture)を大きくすることにより、ビームスポットを小さくすることが挙げられる。そして、光ディスクシステムに利用される短波長レーザーとして、500nm〜700nm、さらには630nm〜690nm前後、具体的には、680nm、670nm、660nm、650nm、635nm等の赤色レーザーが実用化されてきた。こうして半導体レーザーの短波長化、対物レンズの開口数大化、データ圧縮技術等により、動画記録及び大容量の情報の記録を可能にした光記録媒体の作製が可能となってきた。
【0004】
今日までに提案されている光記録媒体としては、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、カルコゲン酸化物系光記録媒体、有機色素系光記録媒体等があるが、これらの中で、安価かつプロセス上容易であるという点から、有機色素系光記録媒体は優位性を有すると考えられる。
【0005】
こうした状況を踏まえ、CDよりも高密度でTV品質並の動画の記録・再生が可能な光記録媒体として、普及しつつある市販のDVDビデオプレーヤーやDVD−ROMプレーヤーで再生できる、発振波長630〜690nmの赤色半導体レーザーで記録を施すことが可能な追記型光記録媒体として開発されたのが、追記型のデジタル多目的ディスク(以下、DVD−Rと略す)である。DVD−Rは、3.9GBあるいは4.7GBの記録容量を有する一度書き込み可能な光記録媒体であり、特にここ最近となって、片面4.7GB容量のDVD−R媒体が市場に供給され始めている。該DVD−R媒体も、シアニン系色素、アゾ系色素等を記録層に用い、反射層を設けた積層構造を採用しており、0.6mm厚の基板を2枚貼り合わせたディスク構造を特徴としている。この容量に合った記録特性良好な光ディスクについて、現在では高速記録対応の媒体開発が活発に進められている。
【0006】
さらに、将来的にはより高密度な記録が求められることが予想され、その情報量はディスク1枚あたり15〜30GBにも達すると予想される。その記録密度を実現する為の手段として、より波長の短いレーザーを使用することは避けられない。従って、将来の有機色素系光記録媒体に用いる記録用色素としては、300nm〜500nmの波長範囲において良好な記録特性を有する色素が望まれる。
【0007】
ところで、有機色素を記録層としたDVD−Rよりも高密度記録可能な媒体に関して、特開平10−302310号公報には、発振波長680nm以下のレーザーを用い、記録容量8GB以上の密度を達成したとの開示がある。該公報の提案では、10〜177μm厚さの光透過層越しに0.7以上の高開口数を有する対物レンズで680nm以下のレーザー光を収束することで、8GB以上の大容量記録を達成している。
【0008】
その一方で、ここ近年、発振波長390〜430nmの青色レーザーとしてGaN系材料を用いた410nmのレーザーや、半導体レーザーと光導波路素子の組合せによる波長425nmのSHGレーザーが開発されてきており〔例えば、日経エレクトロニクス、No.708、p.117、1998年1月26日号〕、このようなレーザーに合わせた青色半導体レーザー対応色素の開発が現在展開されている。
【0009】
更に、1999年初頭から発振波長400〜410nmの青紫色発光のGaN系半導体レーザーが試供(日亜化学工業)されるに当たり、片面15GB以上の更なる高密度容量を有するHDTV(high definition television)放送並の画質で、2時間程度の動画の記録が可能となる媒体(以下、HD−DVD−R媒体と称す)の検討が始められている。この様な高密度容量を有するHD−DVD−R媒体では、現行放送並の画質であれば6時間程度の録画も可能であるため、家庭用VTRに代わる新しい記録メディアとしても注目されている。すでに、相変化系の無機記録膜を用いた提案として、日経エレクトロニクス1999年9月6日号(No.751)の117頁に技術概要が紹介されている。
【0010】
現在のところ、400nm〜500nmの青色レーザーで記録できる有機色素化合物として、特開平4−74690号公報、特開平6−40161号公報、特開2001−232945号公報、特開2001−246851号公報、特開2001−260536号公報及び特開2001−301333号公報記載のシアニン系色素化合物や、特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−334207号公報、特開2001−39032号公報、特開2001−80217号公報、特開2001−84594号公報、特開2001−138633号公報、特開2001−138634号公報、特開2001−143317号公報、特開2001−180117号公報、特開2001−181524号公報及び特開2001−287462号公報記載のポルフィリン系色素化合物の他、特開平4−78576号公報及び特開平4−89279号公報記載のポリエン系色素化合物、特開平11−334204号公報、特開平11−334205公報及び特開2001−271001号公報記載のアゾ系色素化合物、特開平11−304206号公報記載のジシアノビニルフェニル色素化合物、特開2000−43423号公報及び特開2001−96918号公報記載のクマリン化合物、特開2000−163799号公報記載のピリミジン化合物、特開2000−228028号公報記載のナフタロシアニン化合物、特開2000−335110号公報記載のヘテロ5員環化合物、特開2000−343824号公報記載のビスアゾール化合物、特開2000−343825号公報記載のアミノピリジン化合物、特開2001−63211号公報記載のビスピリジニウム化合物、特開2001−71638号公報及び特開2001−328351号公報記載のオキソノール化合物、特開2001−71639号公報及び特開2002−2110号公報記載のスチリル化合物、特開2001−146074号公報記載のアミノブタジエン化合物、特開2001−158862号公報、特開2001−214084号公報及び特開2002−36727号公報記載の金属キレート化合物、特開2001−232944号公報記載のキノン化合物又はキノジメタン化合物、特開2001−234154号公報記載のヒドラゾン化合物、特開2001−277720号公報記載のトリアジン化合物、特開2001−287466号公報記載のカルボスチリル化合物又はナフチリジン化合物、特開2001−301329号公報記載の縮合複素環化合物、特開2002−2117号公報記載のスチルベン化合物等が提案されている。
【0011】
また、記録層形成用の有機色素としてポルフィリン系色素やシアニン系色素等を主とする記録層及び銀を主体とする金属反射層の2層が構成された特開平11−53758号公報に記載の光記録媒体や、媒体構成に工夫したものとして、青色レーザーに感応するシアニン系色素を含有した青色レーザー感応色素層ならびに赤色レーザー感応色素層を有することで、2波長領域の記録を可能とする特開平11−203729号公報記載の光記録媒体や、青色レーザー用色素及び赤色レーザー用色素の2種の色素を混合することで2波長領域の記録を可能とするインジゴイド系色素化合物を用いた特開平11−78239号公報記載の光記録媒体、シアノエテン系色素を用いた特開平11−105423号公報記載の光記録媒体、スクアリリウム系色素化合物を用いた特開平11−110815号公報記載の光記録媒体等が提案されている。
【0012】
一方、400〜500nmの青色領域で有機色素膜を記録に行う例として、特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報では、ポルフィリン系化合物の中心金属に配位する分子化合物及び高分子、あるいは中心金属を配位する分子構造を側鎖に有する高分子と混合することで、該ポルフィリン系化合物のソーレー(Soret)帯を長波長側にシフトさせて、488nmのArレーザーに対応させると共に、スピンコーティングによる成膜を可能ならしめて製造コストの低減を図る提案がなされている。又、特開平4−78576号公報、特開平4−89279号公報等に開示のポリエン系色素化合物は、本発明者らの検討によれば、光安定性が悪く、実用化にはクエンチャーのブレンド等の工夫が必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
最近の状況として、波長400nm〜410nmの青紫色半導体レーザーの実用化に目処がついたことで、該レーザーを用いた大容量追記型光記録媒体が盛んに開発され、特に高耐光性や良好な高速記録特性を有する色素の開発が望まれている。
【0014】
しかしながら、前述の光記録媒体では波長400nm〜410nmのレーザー光に対して十分に適応していないのが実情である。すなわち、前述の有機色素を使用した媒体では、記録した信号の再生について、搬送波(Career)と雑音(Noise)の比(C/N)が必ずしも良好な値でないために、信号の読み出しが必ずしも満足に行えない等の問題を我々は見い出した。この問題を克服し、波長400nm〜410nmのレーザー光で高密度記録・再生可能な光記録媒体の開発が急務となっている。
【0015】
本発明者らは、追記型光記録媒体に適した記録材料について検討したところ、次の2点の知見を得た。
【0016】
(1)大容量追記型光記録媒体は、記録の書き込み及び読み出しに300〜500nmのレーザー光を利用するので記録材料としてはレーザー波長近傍における吸光係数、屈折率、反射率の制御が重要である。
【0017】
(2)上記のように、該レーザーを用いた大容量追記型光記録媒体が盛んに開発され、特に高耐光性や良好な高速記録特性を有する色素の開発が望まれているにもかかわらず、該波長領域のレーザー光に対して記録・再生が可能な記録材料として前述の色素化合物は、未だ十分な特性が得られておらず、改善の余地があるのが現状である。また、記録膜形成が簡便なスピンコート法等の塗布法による媒体製造の際には、有利な特性の1つとして、塗布溶媒への高溶解性を有することが挙げられ、この点についても配慮することが必要である。
【0018】
また一般に、記録容量の増大を図るには、より高密度に記録を行う必要があり、そのため、記録に使用する光学ビームを絞るための対物レンズの開口数を高め、光学系のレーザー波長をより短波長化することが必須となる。ところが、絞り込んだ光学ビームは回折限界でその最小のビーム径が定められる。
【0019】
ところで、記録はビーム強度がある閾値を超えたところで成されるので、図1(a)に示すように、絞り込んだビームスポットよりも小さな記録ピットが得られる。この記録ピットの周囲はビームの強度ピークのすそ野にあたるが、より短波長化が進む現況では、記録ピットの周囲でも記録層の光化学反応を助長し、殊に、前述の青紫色レーザーの波長領域では、有機化合物の光化学反応が容易に生じる波長領域となるため、記録時にはピットエッジが劣化し、信号特性が悪化するという問題がある。すなわち、図1(b)に示すように、本来矩形波に対応して形成せねばならない記録情報(図1(b)の実線)が、ピットエッジの劣化によりブロードな波形(図1(b)の破線部)となってしまう。又、記録時と同一の青紫色レーザー波長で再生を行うと、再生光のような微弱な光照射でも光反応が促進され、再生の度に劣化が進むという問題もあり、前記特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報でも、記録光と再生光とを異なる波長、実質的には、再生光を記録光よりも長波長とする対策を講じねばならなくなり、結果として、十分な高密度化の要求に応えられないのが現状である。又、記録波長と再生光波長を異ならしめることは、記録装置と再生装置を個別に用意するか、1つの装置に2つの光学系及びその制御系を設けなければならず、光記録媒体としての用途が限定されたり、装置の大型化、コストの増大を招いたりと、汎用性の乏しいものとなってしまう。また、従来、CD−Rなどの光記録媒体においては、有機色素膜の融点、昇華点、相転移点或いは熱分解点などの物性上の明確な熱的閾値を境に記録のオン・オフが成されてきたものに対し、青紫色レーザー励起による光劣化モードの介在は、このコントラストを曖昧にし、とりわけ光学ビームよりも小さい細密記録ピットを形成せねばならない高密度記録系においては、著しく記録信号品位を損なう懸念があった。
【0020】
本発明の目的は、青色半導体レーザー光、殊に波長400nm〜410nmの範囲から選択される可視光域のレーザー光で良好な記録及び再生が可能な超高密度記録に適した記録層を有する光記録媒体を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
【0022】
〔1〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物より少なくとも1種以上の化合物を選択して、少なくとも一層の記録層に含有する光記録媒体、
【0023】
〔2〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(1)で表される化合物である前記〔1〕に記載の光記録媒体、
【0024】
【化9】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0025】
〔3〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(2)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0028】
〔4〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(3)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0029】
【化11】
【0030】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0031】
〔5〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(4)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0032】
【化12】
【0033】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0034】
〔6〕縮合多環式芳香族環がナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオランテン環、ピレン環、クリセン環又はペリレン環より選ばれるいずれかの環である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光記録媒体、
【0035】
〔7〕波長300nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光記録媒体、
【0036】
〔8〕波長390nm〜430nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔7〕に記載の光記録媒体、
【0037】
〔9〕波長400nm〜410nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔8〕に記載の光記録媒体、
【0038】
〔10〕一般式(1’)で表される炭化水素化合物、
【化13】
【0039】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、但し、X1及びX2の少なくとも一方は、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基である。j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0040】
〔11〕一般式(2’)で表される炭化水素化合物、
【化14】
【0041】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X21〜X26の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0042】
〔12〕一般式(3’)で表される炭化水素化合物、
【化15】
【0043】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X301〜X314の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0044】
〔13〕一般式(4’)で表される炭化水素化合物、
【化16】
【0045】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X41〜X47の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)に関する。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明は、光記録媒体の記録層中にフルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物(以下、本発明に係る化合物Aと略記する)を含有することを特徴とする光記録媒体に関し、波長300nm〜500nm、特に波長390nm〜430nm、更には波長400nm〜410nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である新規な光記録媒体に関するものである。
【0047】
本発明に係る光記録媒体とは、情報を記録して再生することのできる光記録媒体を示すものである。但し、ここでは適例として基板上に記録層、反射層を有する本発明の光記録媒体に関して説明する。尚、以下の説明では、光記録媒体として、光ディスクであって、支持基板上に例えば案内溝と、この案内溝上に反射膜と有機色素を主成分とする記録層とを有し、波長300〜500nmのレーザー光を照射して信号の記録再生を行う媒体に関して説明するが、本発明の光記録媒体は、この様な形状や構成に限定されるものではなく、カード状、シート状等その他各種の形状のもの、又、反射層を有さないもの、更に将来開発されるであろうより短波長のレーザーでの記録再生にも適用し得るものである。
【0048】
本発明の光記録媒体は、例えば、図2に示すような基板1、記録層2、反射層3、及び保護層4が順次積層している4層構造を有しているか、図3に示すような貼り合わせ構造を有している。即ち、基板1上に記録層2が形成されており、その上に密着して反射層3が設けられており、さらにその上に接着層5を介して保護層4が貼り合わされている。但し、記録層2の下又は上に別の層があっても良く、反射層3の上に別の層があっても構わない。また、図4に示すように基板1、反射層3、記録層2、保護層4の順に積層し、保護層側から記録再生する構造であっても良い。また、特開平10−326435号公報記載のように光透過層の厚みが、光学系の開口数N.A.及びレーザー波長λにより規定された媒体構造であっても構わない。また、本発明の光記録媒体は、必要に応じて特開平11−203729号公報記載のように記録層を2種以上有する構造であっても構わない。
【0049】
また、本発明を光ディスクに適用した例として、図5に示すような、基板11、記録層12、反射層13及び保護層14がこの順で積層され、更に接着層を兼ねる保護層14上にダミー基板15を貼り合わせたものが挙げられる。もちろん、基板15の無い構成であっても良く、基板11と記録層12の間、記録層12と反射層13の間、反射層13と保護層14との間、保護層14とダミー基板15との間に、他の層が存在していても良い。図5の光ディスクにおいては、基板11側から記録再生が行われる。
【0050】
又、別の実施形態として、特開平10−302310号公報に開示の構成、例えば、図6に示すように、案内溝の形成された支持基板11’上に、反射層13’、有機色素を主成分とする記録層12’がこの順で成膜され、この記録層12’上に任意に形成される透明保護層14’を介して光透過層15’が形成され、情報の記録及び再生は、光透過層15’側から実施される。尚、逆に光透過層15’側に案内溝を形成し、その上に透明保護層14’、記録層12’、反射層13’を積層し、支持基板11’と貼り合わせる構成としても良い。
【0051】
本発明においては、基板上に記録層を設けるが、本発明の記録層は、本発明に係る化合物A、特に一般式(1)で表される化合物を記録用色素として少なくとも1種含有するものである。ここで記録用色素とは、レーザー光の照射によりそれ自体の熱分解、昇華等が誘発され、記録層の変化、あるいは形状変化(ピット形成)等により反射率の変化する部分を形成できる色素である。本発明の光記録媒体は、特に300nm〜500nmの範囲から選択される記録レーザー波長に対して記録・再生が可能であり、中でも、波長400nm〜410nmの範囲から選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して良好な信号特性が得られる光記録媒体である。
【0052】
本発明に係る化合物Aは、置換基の選択により吸光係数を保持した状態で吸収波長を任意に選択できるため、前記レーザー光の波長において、記録層に必要な光学定数を満足することのできる極めて有用な有機色素である。
【0053】
以下、本発明についてさらに詳細を述べる。
本発明の光記録媒体においては、本発明に係る化合物Aを1種以上記録層に含有するが、該本発明に係る化合物Aは、重合体を含むものではなく、好ましくは、分子量2000以下の化合物であり、より好ましくは、分子量1000以下の化合物である。本発明に係る化合物Aとしては、一般式(1)で表される化合物が好ましい例として挙げられる。
【0054】
【化17】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0055】
一般式(1)で表される化合物において、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。
【0056】
尚、アリール基とは、フェニル基、ナフチル基等の炭素環式芳香族基、フリル基、チエニル基、ピリジル基等の複素環式芳香族基、さらにフェロセニル基、コバルトセニル基等のメタロセニル基を表す。
【0057】
X1及びX2の具体例としては、水素原子、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられ、
【0058】
X1及びX2の置換又は無置換のアルキル基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−メチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等の炭素数1〜15の無置換のアルキル基;
【0059】
クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロデシル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基;
【0060】
ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシデカリル基等のヒドロキシル基で置換された炭素数1〜10のアルキル基;
【0061】
ヒドロキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、2−(2’−ヒドロキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(3’−フルオロ−2’−ヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−クロロ−2’−ヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、ヒドロキシブチルオキシシクロヘキシル基等のヒドロキシアルコキシ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0062】
ヒドロキシメトキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2’−(2’−ヒドロキ−1’−メチルエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−フルオロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−クロロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基等のヒドロキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜10のアルキル基;
【0063】
シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、2−シアノ−3−メトキシプロピル基、2−シアノ−3−クロロプロピル基、2−シアノ−3−エトキシプロピル基、3−ブチルオキシ2−シアノプロピル基、2−シアノ−3−シクロヘキシルプロピル基、2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基等のシアノ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0064】
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロピルオキシメチル基、n−ブチルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロピルオキシエチル基、n−ブチルオキシエチル基、n−ヘキシルオキシエチル基、(4−メチルペンチルオキシ)エチル基、(1,3−ジメチルブチルオキシ)エチル基、(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、n−オクチルオキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、(2−メチル−1−イソプロピルプロピルオキシ)エチル基、(3−メチル−1−イソプロピルブチルオキシ)エチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、3−メトキシブチル基、(3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ)エチル基、(3,3,3−トリクロロプロピルオキシ)エチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数2〜15のアルキル基;
【0065】
メトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、n−プロピルオキシエトキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、デカリルオキシプロピルオキシエトキシ基、(1,2−ジメチルプロピルオキシ)エトキシエチル基、(3−メチル−1−イソブチルブチルオキシ)エトキシエチル基、(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)エチル基、(2−ブチルオキシ1−メチルエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、(3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ)エトキシエチル基、(3,3,3−トリクロロプロピルオキシ)エトキシエチル基等のアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0066】
メトキシメトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエトキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエトキシエチル基、n−プロピルオキシプロピルオキシプロピルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エトキシエトキシエチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシ)エトキシエトキシエチル基等のアルコキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数4〜15のアルキル基;
【0067】
ホルミルメチル基、2−オキソブチル基、3−オキソブチル基、4−オキソブチル基、2,6−ジオキソシクロヘキサン−1−イル基、2−オキソ−5−tert−ブチルシクロヘキサン−1−イル基等のアシル基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0068】
ホルミルオキシメチル基、アセトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエチル基、n−ブタノイルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)ヘキシル基、(3−フルオロブチリルオキシ)エチル基、(3−クロロブチリルオキシ)エチル基等のアシルオキシ基で置換された炭素数2〜15のアルキル基;
【0069】
ホルミルオキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)オキシブチルオキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エトキシエチル基、(2−フルオロプロピオニルオキシ)エトキシエチル基、(2−クロロプロピオニルオキシ)エトキシエチル基等のアシルオキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0070】
アセトキシメトキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(2−フルオロプロピオニルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(2−クロロプロピオニルオキシ)エトキシエトキシエチル基等のアシルオキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数5〜15のアルキル基;
【0071】
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−ブチルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、n−ブチルオキシカルボニルエチル基、(4−エチルシクロヘキシルオキシカルボニル)シクロヘキシル基、(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシカルボニル)メチル基、(2,2,3,3−テトラクロロプロピルオキシカルボニル)メチル基等のアルコキシカルボニル基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0072】
フェノキシカルボニルメチル基、(2−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(3−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(4−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(4−tert−ブチルフェノキシカルボニル)メチル基、フェノキシカルボニルエチル基、(4−tert−ブチルフェノキシカルボニル)エチル基、(1−ナフチルオキシカルボニ)メチル基、(2−ナフチルオキシカルボニ)メチル基、(2−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基、(3−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基、(4−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基等のアリールオキシカルボニル基で置換された炭素数8〜15のアルキル基;
【0073】
ベンジルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルエチル基、フェネチルオキシカルボニルメチル基、(4−シクロヘキシルオキシベンジルオキシカルボニル)メチル基等のアラルキルオキシカルボニル基で置換された炭素数9〜15のアルキル基;
【0074】
ビニルオキシカルボニルメチル基、ビニルオキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、シクロペンタジエニルオキシカルボニルメチル基、オクテノキシカルボニルメチル基等のアルケニルオキシカルボニル基で置換された炭素数4〜10のアルキル基;
【0075】
メトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニルオキシエチル基、ブチルオキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシ)エチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)エチル基等のアルコキシカルボニルオキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0076】
メトキシメトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エトキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシ)エトキシカルボニルオキシエチル基等のアルコキシアルコキシカルボニルオキシ基で置換された炭素数4〜15のアルキル基;
【0077】
ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジ−n−ブチルアミノメチル基、ジ−n−ヘキシルアミノメチル基、ジ−n−オクチルアミノメチル基、ジ−n−デシルアミノメチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノメチル基、ピペリジノメチル基、ジ(メトキシメチル)アミノメチル基、ジ(メトキシエチル)アミノメチル基、ジ(エトキシメチル)アミノメチル基、ジ(エトキシエチル)アミノメチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノメチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノメチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジ−n−ブチルアミノエチル基、ジ−n−ヘキシルアミノエチル基、ジ−n−オクチルアミノエチル基、ジ−n−デシルアミノエチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノエチル基、ピペリジノエチル基、ジ(メトキシメチル)アミノエチル基、ジ(メトキシエチル)アミノエチル基、ジ(エトキシメチル)アミノエチル基、ジ(エトキシエチル)アミノエチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノエチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノエチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジ−n−ブチルアミノプロピル基、ジ−n−ヘキシルアミノプロピル基、ジ−n−オクチルアミノプロピル基、ジ−n−デシルアミノプロピル基、N−イソアミル−N−メチルアミノプロピル基、ピペリジノプロピル基、ジ(メトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(メトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノプロピル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノプロピル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジエチルアミノブチル基、ジ−n−ブチルアミノブチル基、ジ−n−ヘキシルアミノブチル基、ジ−n−オクチルアミノブチル基、ジ−n−デシルアミノブチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノブチル基、ピペリジノブチル基、ジ(メトキシメチル)アミノブチル基、ジ(メトキシエチル)アミノブチル基、ジ(エトキシメチル)アミノブチル基、ジ(エトキシエチル)アミノブチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノブチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノブチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノブチル基等のジアルキルアミノ基で置換された炭素数3〜20のアルキル基;
【0078】
アセチルアミノメチル基、アセチルアミノエチル基、n−プロピオニルアミノエチル基、n−ブタノイルアミノエチル基、シクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、4−メチルシクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、スクシンイミノエチル基等のアシルアミノ基で置換された炭素数3〜10のアルキル基;
【0079】
メチルスルホンアミノメチル基、メチルスルホンアミノエチル基、エチルスルホンアミノエチル基、n−プロピルスルホンアミノエチル基、n−オクチルスルホンアミノエチル基等のアルキルスルホンアミノ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0080】
メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基、ブチルスルホニルメチル基、メチルスルホニルエチル基、エチルスルホニルエチル基、n−ブチルスルホニルエチル基、2−エチルヘキシルスルホニルエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスルホニルメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロピルスルホニルメチル基等のアルキルスルホニル基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0081】
フェニルスルホニルメチル基、フェニルスルホニルエチル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェニルスルホニルブチル基、2−メチルフェニルスルホニルメチル基、3−メチルフェニルスルホニルメチル基、4−メチルフェニルスルホニルメチル基、4−メチルフェニルスルホニルエチル基、4−メチルフェニルスルホニルプロピル基、4−メチルフェニルスルホニルブチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルメチル基、2,6−ジメチルフェニルスルホニルメチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルエチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルプロピル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルブチル基等のアリールスルホニル基で置換された炭素数7〜12のアルキル基;
【0082】
チアジアゾリノメチル基、ピロリノメチル基、ピロリジノメチル基、ピラゾリジノメチル基、イミダゾリジノメチル基、オキサゾリル基、トリアゾリノメチル基、モルホリノメチル基、インドーリノメチル基、ベンズイミダゾリノメチル基、カルバゾリノメチル基等の複素環基で置換された炭素数2〜13のアルキル基;
【0083】
フェロセニルメチル基、フェロセニルエチル基、フェロセニル−n−プロピル基、フェロセニル−イソプロピル基、フェロセニル−n−ブチル基、フェロセニル−イソブチル基、フェロセニル−sec−ブチル基、フェロセニル−tert−ブチル基、フェロセニル−n−ペンチル基、フェロセニル−イソペンチル基、フェロセニル−2−メチルブチル基、フェロセニル−1−メチルブチル基、フェロセニルネオペンチル基、フェロセニル−1,2−ジメチルプロピル基、フェロセニル−1,1−ジメチルプロピル基、フェロセニルシクロペンチル基、フェロセニル−n−ヘキシル基、フェロセニル−4−メチルペンチル基、フェロセニル−3−メチルペンチル基、フェロセニル−2−メチルペンチル基、フェロセニル−1−メチルペンチル基、フェロセニル−3,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−2,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−2,2−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,2−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,1−ジメチルブチル基、フェロセニル−3−エチルブチル基、フェロセニル−2−エチルブチル基、フェロセニル−1−エチルブチル基、フェロセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、フェロセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、フェロセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、フェロセニルシクロヘキシル基、フェロセニル−n−ヘプチル基、フェロセニル−2−メチルヘキシル基、フェロセニル−3−メチルヘキシル基、フェロセニル−4−メチルヘキシル基、フェロセニル−5−メチルヘキシル基、フェロセニル−2,4−ジメチルペンチル基、フェロセニル−n−オクチル基、フェロセニル−2−エチルヘキシル基、フェロセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、フェロセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、フェロセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、フェロセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、フェロセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、フェロセニル−n−ノニル基、フェロセニル−n−デシル基、
【0084】
コバルトセニルメチル基、コバルトセニルエチル基、コバルトセニル−n−プロピル基、コバルトセニル−イソプロピル基、コバルトセニル−n−ブチル基、コバルトセニル−イソブチル基、コバルトセニル−sec−ブチル基、コバルトセニル−tert−ブチル基、コバルトセニル−n−ペンチル基、コバルトセニル−イソペンチル基、コバルトセニル−2−メチルブチル基、コバルトセニル−1−メチルブチル基、コバルトセニルネオペンチル基、コバルトセニル−1,2−ジメチルプロピル基、コバルトセニル−1,1−ジメチルプロピル基、コバルトセニルシクロペンチル基、コバルトセニル−n−ヘキシル基、コバルトセニル−4−メチルペンチル基、コバルトセニル−3−メチルペンチル基、コバルトセニル−2−メチルペンチル基、コバルトセニル−1−メチルペンチル基、コバルトセニル−3,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−2,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−2,2−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,2−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,1−ジメチルブチル基、コバルトセニル−3−エチルブチル基、コバルトセニル−2−エチルブチル基、コバルトセニル−1−エチルブチル基、コバルトセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、コバルトセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、コバルトセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、コバルトセニルシクロヘキシル基、コバルトセニル−n−ヘプチル基、コバルトセニル−2−メチルヘキシル基、コバルトセニル−3−メチルヘキシル基、コバルトセニル−4−メチルヘキシル基、コバルトセニル−5−メチルヘキシル基、コバルトセニル−2,4−ジメチルペンチル基、コバルトセニル−n−オクチル基、コバルトセニル−2−エチルヘキシル基、コバルトセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、コバルトセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、コバルトセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、コバルトセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、コバルトセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、コバルトセニル−n−ノニル基、コバルトセニル−n−デシル基、
【0085】
ニッケロセニルメチル基、ニッケロセニルエチル基、ニッケロセニル−n−プロピル基、ニッケロセニル−イソプロピル基、ニッケロセニル−n−ブチル基、ニッケロセニル−イソブチル基、ニッケロセニル−sec−ブチル基、ニッケロセニル−tert−ブチル基、ニッケロセニル−n−ペンチル基、ニッケロセニル−イソペンチル基、ニッケロセニル−2−メチルブチル基、ニッケロセニル−1−メチルブチル基、ニッケロセニルネオペンチル基、ニッケロセニル−1,2−ジメチルプロピル基、ニッケロセニル−1,1−ジメチルプロピル基、ニッケロセニルシクロペンチル基、ニッケロセニル−n−ヘキシル基、ニッケロセニル−4−メチルペンチル基、ニッケロセニル−3−メチルペンチル基、ニッケロセニル−2−メチルペンチル基、ニッケロセニル−1−メチルペンチル基、ニッケロセニル−3,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−2,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−2,2−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,2−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,1−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−3−エチルブチル基、ニッケロセニル−2−エチルブチル基、ニッケロセニル−1−エチルブチル基、ニッケロセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、ニッケロセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、ニッケロセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、ニッケロセニルシクロヘキシル基、ニッケロセニル−n−ヘプチル基、ニッケロセニル−2−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−3−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−4−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−5−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,4−ジメチルペンチル基、ニッケロセニル−n−オクチル基、ニッケロセニル−2−エチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、ニッケロセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、ニッケロセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、ニッケロセニル−n−ノニル基、ニッケロセニル−n−デシル基、
【0086】
ジクロロチタノセニルメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメチル基、ビス(トリフルオメタンスルホナト)チタノセンメチル基、ジクロロジルコノセニルメチル基、ジメチルジルコノセニルメチル基、ジエトキシジルコノセニルメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロモリブデンメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメチル基等のメタロセニル基で置換された炭素数11〜20のアルキル基;
【0087】
フェロセニルメトキシメチル基、フェロセニルメトキシエチル基、フェロセニルメトキシプロピル基、フェロセニルメトキシブチル基、フェロセニルメトキシペンチル基、フェロセニルメトキシヘキシル基、フェロセニルメトキシヘプチル基、フェロセニルメトキシオクチル基、フェロセニルメトキシノニル基、フェロセニルメトキシデシル基、フェロセニルエトキシメチル基、フェロセニルエトキシエチル基、フェロセニルエトキシプロピル基、フェロセニルエトキシブチル基、フェロセニルエトキシペンチル基、フェロセニルエトキシヘキシル基、フェロセニルエトキシヘプチル基、フェロセニルエトキシオクチル基、フェロセニルエトキシノニル基、フェロセニルエトキシデシル基、フェロセニルプロピルオキシメチル基、フェロセニルプロピルオキシエチル基、フェロセニルプロピルオキシプロピル基、フェロセニルプロピルオキシブチル基、フェロセニルプロピルオキシペンチル基、フェロセニルプロピルオキシヘキシル基、フェロセニルプロピルオキシヘプチル基、フェロセニルプロピルオキシオクチル基、フェロセニルプロピルオキシノニル基、フェロセニルプロピルオキシデシル基、フェロセニルブチルオキシメチル基、フェロセニルブチルオキシエチル基、フェロセニルブチルオキシプロピル基、フェロセニルブチルオキシブチル基、フェロセニルブチルオキシペンチル基、フェロセニルブチルオキシヘキシル基、フェロセニルブチルオキシヘプチル基、フェロセニルブチルオキシオクチル基、フェロセニルブチルオキシノニル基、フェロセニルブチルオキシデシル基、フェロセニルデシルオキシメチル基、フェロセニルデシルオキシエチル基、フェロセニルデシルオキシプロピル基、フェロセニルデシルオキシブチル基、フェロセニルデシルオキシペンチル基、フェロセニルデシルオキシヘキシル基、フェロセニルデシルオキシヘプチル基、フェロセニルデシルオキシオクチル基、フェロセニルデシルオキシノニル基、フェロセニルデシルオキシデシル基、
【0088】
コバルトセニルメトキシメチル基、コバルトセニルメトキシエチル基、コバルトセニルメトキシプロピル基、コバルトセニルメトキシブチル基、コバルトセニルメトキシペンチル基、コバルトセニルメトキシヘキシル基、コバルトセニルメトキシヘプチル基、コバルトセニルメトキシオクチル基、コバルトセニルメトキシノニル基、コバルトセニルメトキシデシル基、コバルトセニルエトキシメチル基、コバルトセニルエトキシエチル基、コバルトセニルエトキシプロピル基、コバルトセニルエトキシブチル基、コバルトセニルエトキシペンチル基、コバルトセニルエトキシヘキシル基、コバルトセニルエトキシヘプチル基、コバルトセニルエトキシオクチル基、コバルトセニルエトキシノニル基、コバルトセニルエトキシデシル基、コバルトセニルプロピルオキシメチル基、コバルトセニルプロピルオキシエチル基、コバルトセニルプロピルオキシプロピル基、コバルトセニルプロピルオキシブチル基、コバルトセニルプロピルオキシペンチル基、コバルトセニルプロピルオキシヘキシル基、コバルトセニルプロピルオキシヘプチル基、コバルトセニルプロピルオキシオクチル基、コバルトセニルプロピルオキシノニル基、コバルトセニルプロピルオキシデシル基、コバルトセニルブチルオキシメチル基、コバルトセニルブチルオキシエチル基、コバルトセニルブチルオキシプロピル基、コバルトセニルブチルオキシブチル基、コバルトセニルブチルオキシペンチル基、コバルトセニルブチルオキシヘキシル基、コバルトセニルブチルオキシヘプチル基、コバルトセニルブチルオキシオクチル基、コバルトセニルブチルオキシノニル基、コバルトセニルブチルオキシデシル基、コバルトセニルデシルオキシメチル基、コバルトセニルデシルオキシエチル基、コバルトセニルデシルオキシプロピル基、コバルトセニルデシルオキシブチル基、コバルトセニルデシルオキシペンチル基、コバルトセニルデシルオキシヘキシル基、コバルトセニルデシルオキシヘプチル基、コバルトセニルデシルオキシオクチル基、コバルトセニルデシルオキシノニル基、コバルトセニルデシルオキシデシル基、
【0089】
ニッケロセニルメトキシメチル基、ニッケロセニルメトキシエチル基、ニッケロセニルメトキシプロピル基、ニッケロセニルメトキシブチル基、ニッケロセニルメトキシペンチル基、ニッケロセニルメトキシヘキシル基、ニッケロセニルメトキシヘプチル基、ニッケロセニルメトキシオクチル基、ニッケロセニルメトキシノニル基、ニッケロセニルメトキシデシル基、ニッケロセニルエトキシメチル基、ニッケロセニルエトキシエチル基、ニッケロセニルエトキシプロピル基、ニッケロセニルエトキシブチル基、ニッケロセニルエトキシペンチル基、ニッケロセニルエトキシヘキシル基、ニッケロセニルエトキシヘプチル基、ニッケロセニルエトキシオクチル基、ニッケロセニルエトキシノニル基、ニッケロセニルエトキシデシル基、ニッケロセニルプロピルオキシメチル基、ニッケロセニルプロピルオキシエチル基、ニッケロセニルプロピルオキシプロピル基、ニッケロセニルプロピルオキシブチル基、ニッケロセニルプロピルオキシペンチル基、ニッケロセニルプロピルオキシヘキシル基、ニッケロセニルプロピルオキシヘプチル基、ニッケロセニルプロピルオキシオクチル基、ニッケロセニルプロピルオキシノニル基、ニッケロセニルプロピルオキシデシル基、ニッケロセニルブチルオキシメチル基、ニッケロセニルブチルオキシエチル基、ニッケロセニルブチルオキシプロピル基、ニッケロセニルブチルオキシブチル基、ニッケロセニルブチルオキシペンチル基、ニッケロセニルブチルオキシヘキシル基、ニッケロセニルブチルオキシヘプチル基、ニッケロセニルブチルオキシオクチル基、ニッケロセニルブチルオキシノニル基、ニッケロセニルブチルオキシデシル基、ニッケロセニルデシルオキシメチル基、ニッケロセニルデシルオキシエチル基、ニッケロセニルデシルオキシプロピル基、ニッケロセニルデシルオキシブチル基、ニッケロセニルデシルオキシペンチル基、ニッケロセニルデシルオキシヘキシル基、ニッケロセニルデシルオキシヘプチル基、ニッケロセニルデシルオキシオクチル基、ニッケロセニルデシルオキシノニル基、ニッケロセニルデシルオキシデシル基、
【0090】
ジクロロチタノセニルメトキシメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメトキシエチル基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセンメトキシプロピル基、ジクロロジルコノセニルメトキシブチル基、ジメチルジルコノセニルメトキシペンチル基、ジエトキシジルコノセニルメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメトキシヘキシル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメトキシオクチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメトキシエチル基、オスモセニルメトキシエチル基等のメタロセニルアルキルオキシ基で置換された炭素数12〜30のアルキル基;
【0091】
フェロセンカルボニルオキシメチル基、フェロセンカルボニルオキシエチル基、フェロセンカルボニルオキシプロピル基、フェロセンカルボニルオキシブチル基、フェロセンカルボニルオキシペンチル基、フェロセンカルボニルオキシヘキシル基、フェロセンカルボニルオキシヘプチル基、フェロセンカルボニルオキシオクチル基、フェロセンカルボニルオキシノニル基、フェロセンカルボニルオキシデシル基、
【0092】
コバルトセンカルボニルオキシメチル基、コバルトセンカルボニルオキシエチル基、コバルトセンカルボニルオキシプロピル基、コバルトセンカルボニルオキシブチル基、コバルトセンカルボニルオキシペンチル基、コバルトセンカルボニルオキシヘキシル基、コバルトセンカルボニルオキシヘプチル基、コバルトセンカルボニルオキシオクチル基、コバルトセンカルボニルオキシノニル基、コバルトセンカルボニルオキシデシル基、
【0093】
ニッケロセンカルボニルオキシメチル基、ニッケロセンカルボニルオキシエチル基、ニッケロセンカルボニルオキシプロピル基、ニッケロセンカルボニルオキシブチル基、ニッケロセンカルボニルオキシペンチル基、ニッケロセンカルボニルオキシヘキシル基、ニッケロセンカルボニルオキシヘプチル基、ニッケロセンカルボニルオキシオクチル基、ニッケロセンカルボニルオキシノニル基、ニッケロセンカルボニルオキシデシル基、
【0094】
ジクロロチタノセニルカルボニルオキシメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルカルボニルオキシエチル基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセンカルボニルオキシメトキシプロピル基、ジクロロジルコノセンカルボニルオキシブチル基、ジメチルジルコノセンカルボニルオキシペンチル基、ジエトキシジルコノセンカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムカルボニルオキシヘキシル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブカルボニルオキシオクチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムカルボニルオキシエチル基、ビス(シクロペンタジエニル)オスミウムカルボニルオキシエチル基等のメタロセニルカルボニルオキシ基で置換された炭素数12〜30のアルキル基;
等が挙げられる。
【0095】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキル基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキル基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキル基であり、好ましくは、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フルフリル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−n−ヘキシルベンジル基、4−n−ノニルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−n−ブチルオキシベンジル基、4−n−ヘキシルオキシベンジル基、4−n−ノニルオキシベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基等の置換又は無置換のアラルキル基等が挙げられる。
【0096】
X1及びX2の置換又は無置換のアリール基とは、無置換の炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基、あるいは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有する炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有する炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基であり、好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、5−インダニル基、
【0097】
4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロピルオキシフェニル基、3−n−プロピルオキシフェニル基、4−イソプロピルオキシフェニル基、2−イソプロピルオキシフェニル基、4−n−ブチルオキシフェニル基、4−イソブチルオキシフェニル基、2−sec−ブチルオキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−(2’−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブチルオキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブチルオキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブチルオキシ−2−ナフチル基、
【0098】
4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−エチルフェニル)フェニル基、4−(4’−イソプロピルフェニル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ヘキシルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−オクチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブチルオキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、9,9−ジフェニル−2−フルオレニル基、9−メチル−9−フェニル−2−フルオレニル基、9−エチル−9−フェニル−2−フルオレニル基、
【0099】
4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジクロロ−1−ナフチル基、1,6−ジクロロ−2−ナフチル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基等の置換又は無置換の炭素環式芳香族基;
【0100】
4−キノリル基、3−キノリル基、4−メチル−2−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、4−メチル−2−ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、6−メチル−2−ピリジル基、6−フルオロ−3−ピリジル基、6−メトキシ−3−ピリジル基、6−メトキシ−2−ピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基,4−メチル−3−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、3−メチル−2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基等の置換又は無置換の複素環式芳香族基;
【0101】
フェロセニル基、コバルトセニル基、ニッケロセニル基、ジクロロチタノセニル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニル基、ビス(トリフルオメタンスルホナト)チタノセニル基、ジクロロジルコノセニル基、ジメチルジルコノセニル基、ジエトキシジルコノセニル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロモリブデン基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブ基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウム基、オクタメチルフェロセニル基、オクタメチルコバルトセニル基、オクタメチルニッケロセニル基等の置換又は無置換のメタロセニル基;
等が挙げられる。
【0102】
X1及びX2の置換又は無置換のアルコキシ基とは、前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有しても良いアルコキシ基であり、具体例としては、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,1,2−トリメチルプロピルオキシ基、1,2,2−トリメチルプロピルオキシ基、1−エチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、1−エチル−2−メチルプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、n−へプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルペンチルオキシ基、1,3−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3,4−ジメチルペンチルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルブチルオキシ基、1,1,3−トリメチルブチルオキシ基、1,2,3−トリメチルブチルオキシ基、1,2,2−トリメチルブチルオキシ基、1,3,3−トリメチルブチルオキシ基、2,3,3−トリメチルブチルオキシ基、1−エチル−1−メチルブチルオキシ基、1−エチル−2−メチルブチルオキシ基、1−エチル−3−メチルブチルオキシ基、2−エチル−1−メチルブチルオキシ基、2−エチル−3−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピルブチルオキシ基、1−イソプロピルブチルオキシ基、1−イソプロピル−2−メチルプロピルオキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、3−メチルヘプチルオキシ基、4−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,2−ジメチルヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルヘキシルオキシ基、2,3−ジメチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘキシルオキシ基、2,5−ジメチルヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルヘキシルオキシ基、3,4−ジメチルヘキシルオキシ基、3,5−ジメチルヘキシルオキシ基、4,4−ジメチルヘキシルオキシ基、4,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルヘキシルオキシ基、4−エチルヘキシルオキシ基、1−n−プロピルペンチルオキシ基、2−n−プロピルペンチルオキシ基、1−イソプロピルペンチルオキシ基、2−イソプロピルペンチルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、3,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、3,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−n−ブチルブチルオキシ基、1−イソブチルブチルオキシ基、1−sec−ブチルブチルオキシ基、1−tert−ブチルブチルオキシ基、2−tert−ブチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−1−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−2−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−3−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−1−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−2−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−3−メチルブチルオキシ基、1,1−ジエチルブチルオキシ基、1,2−ジエチルブチルオキシ基、1−エチル−1,2−ジメチルブチルオキシ基、1−エチル−1,3−ジメチルブチルオキシ基、1−エチル−2,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,1−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,2−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状の無置換アルコキシ基;
【0103】
メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロピルオキシエトキシ基、イソプロピルオキシエトキシ基、nーブチルオキシエトキシ基、イソブチルオキシエトキシ基、tert−ブチルオキシエトキシ基、sec−ブチルオキシエトキシ基、nーペンチルオキシエトキシ基、イソペンチルオキシエトキシ基、tert−ペンチルオキシエトキシ基、sec−ペンチルオキシエトキシ基、シクロペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、エチルシクロヘキシルオキシエトキシ基、n−ノニルオキシエトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)ブチルオキシ基、n−デシルオキシエトキシ基、n−ウンデシルオキシエトキシ基、n−ドデシルオキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−エトキシプロピルオキシ基、3−(n−プロピルオキシ)プロピルオキシ基、2−イソプロピルオキシプロピルオキシ基、2−メトキシブチルオキシ基、2−エトキシブチルオキシ基、2−(n−プロピルオキシ)ブチルオキシ基、4−イソプロピルオキシブチルオキシ基、デカリルオキシエトキシ基、アダマンチルオキシエトキシ基等の、アルコキシ基で置換された炭素数2〜15のアルコキシ基;
【0104】
メトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、プロピルオキシメトキシメトキシ基、ブチルオキシメトキシメトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、プロピルオキシエトキシメトキシ基、ブチルオキシエトキシメトキシ基、メトキシプロピルオキシメトキシ基、エトキシプロピルオキシメトキシ基、プロピルオキシプロピルオキシメトキシ基、ブチルオキシプロピルオキシメトキシ基、メトキシブチルオキシメトキシ基、エトキシブチルオキシメトキシ基、プロピルオキシブチルオキシメトキシ基、ブチルオキシブチルオキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、プロピルオキシメトキシエトキシ基、ブチルオキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキシ基、メトキシプロピルオキシエトキシ基、エトキシプロピルオキシエトキシ基、プロピルオキシプロピルオキシエトキシ基、ブチルオキシプロピルオキシエトキシ基、メトキシブチルオキシエトキシ基、エトキシブチルオキシエトキシ基、プロピルオキシブチルオキシエトキシ基、ブチルオキシブチルオキシエトキシ基、メトキシメトキシプロピルオキシ基、エトキシメトキシプロピルオキシ基、プロピルオキシメトキシプロピルオキシ基、ブチルオキシメトキシプロピルオキシ基、メトキシエトキシプロピルオキシ基、エトキシエトキシプロピルオキシ基、プロピルオキシエトキシプロピルオキシ基、ブチルオキシエトキシプロピルオキシ基、メトキシプロピルオキシプロピルオキシ基、エトキシプロピルオキシプロピルオキシ基、プロピルオキシプロピルオキシプロピルオキシ基、ブチルオキシプロピルオキシプロピルオキシ基、メトキシブチルオキシプロピルオキシ基、エトキシブチルオキシプロピルオキシ基、プロピルオキシブチルオキシプロピルオキシ基、ブチルオキシブチルオキシプロピルオキシ基、メトキシメトキシブチルオキシ基、エトキシメトキシブチルオキシ基、プロピルオキシメトキシブチルオキシ基、ブチルオキシメトキシブチルオキシ基、メトキシエトキシブチルオキシ基、エトキシエトキシブチルオキシ基、プロピルオキシシエトキシブチルオキシ基、ブチルオキシエトキシブチルオキシ基、メトキシプロピルオキシブチルオキシ基、エトキシプロピルオキシブチルオキシ基、プロピルオキシプロピルオキシブチルオキシ基、ブチルオキシプロピルオキシブチルオキシ基、メトキシブチルオキシブチルオキシ基、エトキシブチルオキシブチルオキシ基、プロピルオキシブチルオキシブチルオキシ基、ブチルオキシブチルオキシブチルオキシ基、(4−エチルシクロへキシルオキシ)エトキシエトキシ基、(2−エチル−1−へキシルオキシ)エトキシプロピルオキシ基、〔4−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)ブチルオキシ〕エトキシ基等の、アルコキシアルコキシ基で置換された直鎖、分岐又は環状の炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0105】
メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロピルオキシカルボニルメトキシ基、イソプロピルオキシカルボニルメトキシ基、(4’−エチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニル基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0106】
アセチルメトキシ基、エチルカルボニルメトキシ基、n−オクチルカルボニルメトキシ基、フェナシルオキシ基等のアシル基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0107】
アセチルオキシメトキシ基、アセチルオキシエトキシ基、アセチルオキシヘキシルオキシ基、n−ブタノイルオキシシクロヘキシルオキシ基等のアシルオキシ基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0108】
メチルアミノメトキシ基、2−メチルアミノエトキシ基、2−(2−メチルアミノエトキシ)エトキシ基、4−メチルアミノブチルオキシ基、1−メチルアミノプロパン−2−イルオキシ基、3−メチルアミノプロピルオキシ基、2−メチルアミノ−2−メチルプロピルオキシ基、2−エチルアミノエトキシ基、2−(2−エチルアミノエトキシ)エトキシ基、3−エチルアミノプロピルオキシ基、1−エチルアミノプロピルオキシ基、2−イソプロピルアミノエトキシ基、2−(n−ブチルアミノ)エトキシ基、3−(n−ヘキシルアミノ)プロピルオキシ基、4−(シクロヘキシルアミノ)ブチルオキシ基等のアルキルアミノ基で置換された炭素数2〜10のアルコキシ基;
【0109】
メチルアミノメトキシメトキシ基、メチルアミノエトキシエトキシ基、メチルアミノエトキシプロピルオキシ基、エチルアミノエトキシプロピルオキシ基、4−(2’−イソブチルアミノプロピルオキシ)ブチルオキシ基等のアルキルアミノアルコキシ基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0110】
ジメチルアミノメトキシ基、2−ジメチルアミノエトキシ基、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エトキシ基、4−ジメチルアミノブチルオキシ基、1−ジメチルアミノプロパン−2−イルオキシ基、3−ジメチルアミノプロピルオキシ基、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロピルオキシ基、2−ジエチルアミノエトキシ基、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エトキシ基、3−ジエチルアミノプロピルオキシ基、1−ジエチルアミノプロピルオキシ基、2−ジイソプロピルアミノエトキシ基、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エトキシ基、2−ピペリジルエトキシ基、3−(ジ−n−ヘキシルアミノ)プロピルオキシ基等のジアルキルアミノ基で置換された炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0111】
ジメチルアミノメトキシメトキシ基、ジメチルアミノエトキシエトキシ基、ジメチルアミノエトキシプロピルオキシ基、ジエチルアミノエトキシプロピルオキシ基、4−(2’−ジイソブチルアミノプロピルオキシ)ブチルオキシ基等のジアルキルアミノアルコキシ基で置換された炭素数4〜15のアルコキシ基;
【0112】
メチルチオメトキシ基、2−メチルチオエトキシ基、2−エチルチオエトキシ基、2−n−プロピルチオエトキシ基、2−イソプロピルチオエトキシ基、2−n−ブチルチオエトキシ基、2−イソブチルチオエトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルチオ)ヘキシルオキシ基等のアルキルチオ基で置換された炭素数2〜15のアルコキシ基;
【0113】
フェロセニルメトキシ基、フェロセニルエトキシ基、フェロセニルプロピルオキシ基、フェロセニルブチルオキシ基、フェロセニルペンチルオキシ基、フェロセニルヘキシルオキシ基、フェロセニルヘプチルオキシ基、フェロセニルオクチルオキシ基、フェロセニルノニルオキシ基、フェロセニルデシルオキシ基、
【0114】
コバルトセニルメトキシ基、コバルトセニルエトキシ基、コバルトセニルプロピルオキシ基、コバルトセニルブチルオキシ基、コバルトセニルペンチルオキシ基、コバルトセニルヘキシルオキシ基、コバルトセニルヘプチルオキシ基、コバルトセニルオクチルオキシ基、コバルトセニルノニルオキシ基、コバルトセニルデシルオキシ基、
【0115】
ニッケロセニルメトキシ基、ニッケロセニルエトキシ基、ニッケロセニルプロピルオキシ基、ニッケロセニルブチルオキシ基、ニッケロセニルペンチルオキシ基、ニッケロセニルヘキシルオキシ基、ニッケロセニルヘプチルオキシ基、ニッケロセニルオクチルオキシ基、ニッケロセニルノニルオキシ基、ニッケロセニルデシルオキシ基、
【0116】
ジクロロチタノセニルメトキシ基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメトキシ基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセニルメトキシ基、ジクロロジルコノセニルメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)オスミウムメトキシ基等のメタロセニル基で置換された炭素数11〜20のアルコキシ基;
【0117】
等が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、デカリルオキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、フェロセニルメトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
【0118】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキルオキシ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルオキシ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルオキシ基であり、好ましくは、ベンジルオキシ基、4−ニトロベンジルオキシ基、4−シアノベンジルオキシ基、4−ヒドロキシベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、4−シアノ−1−ナフチルメトキシ基、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメトキシ基、6−ヒドロキシ−2−ナフチルメトキシ基、4−メチル−1−ナフチルメトキシ基、6−メチル−2−ナフチルメトキシ基、4−トリフルオロメチル−1−ナフチルメトキシ基、フルオレン−9−イルエトキシ基等の炭素数7〜15のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0119】
X1及びX2の置換又は無置換のアリールオキシ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールオキシ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールオキシ基であり、好ましくは、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、フェロセニルオキシ基、コバルトセニルオキシ基、ニッケロセニルオキシ基、オクタメチルフェロセニルオキシ基、オクタメチルコバルトセニルオキシ基、オクタメチルニッケロセニルオキシ基等の炭素数6〜18のアリールオキシ基等が挙げられる。
【0120】
X1及びX2の置換又は無置換のアルキルチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアルキルチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアルキルチオ基であり、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、メチルカルボキシルエチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、デカリルチオ基等の炭素数1〜10のアルキルチオ基等が挙げられる。
【0121】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキルチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルチオ基であり、好ましくは、ベンジルチオ基、4−シアノベンジルチオ基、4−ヒドロキシベンジルチオ基、2−メチルベンジルチオ基、3−メチルベンジルチオ基、4−メチルベンジルチオ基、4−トリフルオロメチルベンジルチオ基、1−ナフチルメチルチオ基、4−ニトロ−1−ナフチルメチルチオ基、4−シアノ−1−ナフチルメチルチオ基、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルメチルチオ基、4−トリフルオロメチル−1−ナフチルメチルチオ基、フルオレン−9−イルエチルチオ基等の炭素数7〜12のアラルキルチオ基等が挙げられる。
【0122】
X1及びX2の置換又は無置換のアリールチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールチオ基であり、好ましくは、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、フェロセニルチオ基、コバルトセニルチオ基、ニッケロセニルチオ基、オクタメチルフェロセニルチオ基、オクタメチルコバルトセニルチオ基、オクタメチルニッケロセニルチオ基等の炭素数6〜10のアリールチオ基等が挙げられる。
【0123】
X1及びX2の置換又は無置換のアミノ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアルキルアミノ基であり、好ましくは、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、3,5,5−トリメチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基等の炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基やジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジ(アセチルオキシエチル)アミノ基、ジ(プロピオニルオキシエチル)アミノ基等の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基;
【0124】
前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルアミノ基であり、好ましくは、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、3−フェニルプロピルアミノ基、4−エチルベンジルアミノ基、4−イソプロピルベンジルアミノ基等の炭素数7〜10のモノアラルキルアミノ基や、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(4−エチルベンジル)アミノ基、ビス(4−イソプロピルベンジル)アミノ基等の炭素数14〜20のジアラルキルアミノ基;
【0125】
前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールアミノ基であり、好ましくは、フェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、2−メチルフェニルアミノ基、3−メチルフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、2,4−ジメチルフェニルアミノ基、2,6−ジメチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、4−イソプロピルフェニルアミノ基、4−メトキシフェニルアミノ基、4−クロロフェニルアミノ基、4−アセチルフェニルアミノ基、4−メトキシカルボニルフェニルアミノ基、4−エトキシカルボニルフェニルアミノ基、4−プロピルオキシカルボニルフェニルアミノ基等、炭素数6〜10のモノアリールアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ブチルオキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(1−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−n−オクチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−エトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フルオロフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基等の炭素数12〜20のジアリールアミノ基;
等が挙げられる。
【0126】
一般式(1)で表される化合物において、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表す。
【0127】
A1、A2、F1、F2及びF3が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基が挙げられる。
【0128】
A1、A2、F1、F2及びF3が置換基を有する場合の置換基の具体例としては、X1及びX2の具体例として挙げたハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を挙げることができる。
【0129】
A1及びA2は、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表す。縮合多環式芳香族環とは、少なくとも二つの芳香族環が縮合した構造を有する炭素環式芳香族環であり、好ましくは、2〜6個の芳香族環が縮合した炭素環式芳香族環であり、より好ましくは、2〜4個の芳香族環が縮合した炭素環式芳香族環である。
【0130】
A1及びA2の具体例としては、例えば、置換または無置換のナフタレンジイル基、置換または無置換のアセナフチレンジイル基、置換または無置換のアントラセンジイル基、置換または無置換のフェナントレンジイル基、置換または無置換のフルオランテンジイル基、置換または無置換のアセフェナントリレンジイル基、置換または無置換のトリフェニレンジイル基、置換または無置換のピレンジイル基、置換または無置換のクリセンジイル基、置換または無置換のナフタセンジイル基、置換または無置換のペリレンジイル基、置換または無置換のベンゾ[a]アントラセンジイル基、置換または無置換のペンタフェンジイル基、置換または無置換のペンタセンジイル基、であり、好ましくは、置換または無置換のナフタレンジイル基、置換または無置換のアントラセンジイル基、置換または無置換のフェナントレンジイル基、置換または無置換のフルオランテンジイル基、置換または無置換のピレンジイル基、置換または無置換のクリセンジイル基、置換または無置換のペリレンジイル基であり、より好ましくは、置換または無置換のナフタレン−1,3−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,4−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,5−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,6−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,7−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−1,4−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−1,5−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−2,6−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−2,7−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−9,10−ジイル基、置換または無置換のフェナントレン−2,10−ジイル基、置換または無置換のフェナントレン−9,10−ジイル基、置換または無置換のフルオランテン−3,8−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,5−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,6−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,8−ジイル基、置換または無置換のクリセン−6,12−ジイル基、置換または無置換のペリレン−1,7−ジイル基である。
【0131】
F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−1,3−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、より好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−1,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、さらに好ましくは、、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、特に好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基である。
【0132】
一般式(1)で表される化合物において、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表す。好ましくは、▲1▼kが1である、▲2▼j及びnが0であり、lが1であり、k+mが2である、▲3▼j+l+nが2であり、kが1であり、mが0である、及び▲4▼j、m及びnが0であり、k及びlが1である場合を挙げることができる。
【0133】
一般式(1)で表される化合物は、j、k、l、m及びnの値により以下の構造に大別することができる。
【0134】
【化18】
〔式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1及びX2は一般式(1)の場合と同じ意味を表す。〕
【0135】
これらの構造のうち、好ましくは、(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1f)、(1g)、(1i)、(1l)、(1m)、(1n)、(1r)、(1v)及び(1y)で表される構造であり、より好ましくは、(1a)、(1b)、(1c)、(1f)、(1g)、(1i)、(1m)、及び(1v)で表される構造であり、さらに好ましくは、(1a)、(1b)及び(1c)で表される構造である。
【0136】
さらに、一般式(1)で表される化合物の好ましい形態としては、下記一般式(2)、下記一般式(3)及び下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0137】
【化19】
【0138】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0139】
【化20】
【0140】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0141】
【化21】
【0142】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0143】
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物において、R21、R22、R31〜R34、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表す。但し、R21、R22、R31〜R34、R41及びR42は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。
【0144】
R21、R22、R31〜R34、R41及びR42は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜15の無置換のアルキル基、炭素数6〜25の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数3〜25の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数5〜16の置換又は無置換のアラルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数6〜12の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数4〜12の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキル基であり、
【0145】
さらに好ましくは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数4〜10の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数7〜10の置換又は無置換のアラルキル基である。
【0146】
R21、R22、R31〜R34、R41及びR42の具体例としては、水素原子、又はX1及びX2の具体例として挙げた置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換の炭素環式芳香族基、置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を挙げることができる。
【0147】
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物において、X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。
【0148】
X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキル基、炭素数1〜16の置換又は無置換のアルコキシ基、炭素数6〜25の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数3〜25の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜20の置換又は無置換のメタロセニル基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、あるいは炭素数4〜12の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜16の置換又は無置換のメタロセニル基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、あるいは炭素数4〜10の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜14の置換又は無置換のメタロセニル基である。
【0149】
X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47の具体例としては、水素原子、又はX1及びX2の具体例として挙げたハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を挙げることができる。
【0150】
式(2)におけるA3及び式(4)におけるA5は、それぞれ独立に、置換または無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表す。
【0151】
A3及びA5の具体例としては、例えば、置換又は無置換のナフチル基、置換又は無置換のアセナフチレニル基、置換又は無置換のアントリル基、置換又は無置換のフェナントリル基、置換又は無置換のフルオランテニル基、置換又は無置換のアセフェナントリレニル基、置換又は無置換のトリフェニレニル基、置換又は無置換のピレニル基、置換又は無置換のクリセニル基、置換又は無置換のナフタセニル基、置換又は無置換のペリレニル基、置換又は無置換のベンゾ[a]アントラセニル基、置換又は無置換のペンタフェニル基、置換又は無置換のペンタセニル基であり、好ましくは、置換又は無置換のナフチル基、置換又は無置換のアントリル基、置換又は無置換のフェナントリル基、置換又は無置換のフルオランテニル基、置換又は無置換のピレニル基、置換又は無置換のクリセニル基、置換又は無置換のペリレニル基であり、より好ましくは、置換又は無置換の1−ナフチル基、置換又は無置換の2−ナフチル基、置換又は無置換の1−アントリル基、置換又は無置換の2−アントリル基、置換又は無置換の9−アントリル基、置換又は無置換の2−フェナントリル基、置換又は無置換の9−フェナントリル基、置換又は無置換の3−フルオランテニル基、置換又は無置換の8−フルオランテニル基、置換又は無置換の1−ピレニル基、置換又は無置換の5−ピレニル基、置換又は無置換の9−ピレニル基、置換又は無置換の6−クリセニル基、置換又は無置換の1−ペリレニル基である。
一般式(3)におけるA1は一般式(1)におけるA1と同じ意味を表す。
【0152】
本発明の光記録媒体に用いられる本発明に係る化合物Aの具体例としては、例えば、以下のA−1〜A−45、B−1〜B−35、C−1〜C−30、D−1〜D−30およびE−1〜E−30の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
【表8】
【0161】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】
【表12】
【0165】
【表13】
【0166】
【表14】
【0167】
【表15】
【0168】
【表16】
【0169】
【表17】
【0170】
【表18】
【0171】
【表19】
【0172】
【表20】
【0173】
【表21】
【0174】
【表22】
【0175】
【表23】
【0176】
【表24】
【0177】
【表25】
【0178】
【表26】
【0179】
【表27】
【0180】
【表28】
【0181】
【表29】
【0182】
【表30】
【0183】
【表31】
【0184】
【表32】
【0185】
【表33】
【0186】
【表34】
【0187】
本発明の光記録媒体に用いられる本発明に係る化合物Aは、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、例えば、縮合多環式芳香族化合物のハロゲン化物を、フルオレニルホウ酸誘導体と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0188】
また、例えば、縮合多環式芳香族化合物のホウ酸誘導体を、ハロゲノフルオレン誘導体と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0189】
本発明の光記録媒体に用いられる一般式(1)で表わされる化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、例えば、下記一般式(5)で表されるホウ酸化合物を、下記一般式(6)で表される化合物と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0190】
【化22】
〔上式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1、X2、j、k、l、m及びnは、一般式(1)の場合と同じ意味を表し、Y1はハロゲン原子を表す〕
【0191】
一般式(6)において、Y1はハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0192】
また、一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(7)で表される化合物を、下記一般式(8)で表されるホウ酸化合物と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0193】
【化23】
〔上式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1、X2、j、k、l、m及びnは、一般式(1)の場合と同じ意味を表し、Y2はハロゲン原子を表す〕
【0194】
一般式(7)において、Y2はハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0195】
尚、一般式(5)及び一般式(8)で表される化合物は、例えば、それぞれ一般式(7)及び一般式(6)で表される化合物に、例えば、n−ブチルリチウム、金属マグネシウムを作用させて調製できるリチオ化合物又はグリニヤール試薬と、例えば、トリメトキシホウ素、トリイソプロピルオキシホウ素等を反応させることにより製造することができる。
【0196】
本発明の光記録媒体においては基板上に記録層を設けるが、該記録層は、本発明に係る化合物Aを少なくとも1種含有するものである。本発明の光記憶媒体は、波長300nm〜500nmから選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して記録・再生が可能であり、中でも、波長390nm〜430nm、更には波長400nm〜410nmの範囲から選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して良好なC/N比を得ることができ、また、再生光安定性も良く、高品位な信号特性が得られるものである。
【0197】
本発明の光記録媒体を構成している記録層の色素は、実質的に1種又はそれ以上の本発明に係る化合物Aからなるものであるが、波長290nm〜690nmに吸収極大を持ち、300nm〜700nmでの屈折率が大きい前記以外の化合物と混合しても良い。具体的には、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、テトラピラポルフィラジン系化合物、インドフェノール系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、アズレニウム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、インダスレン系化合物、インジゴ系化合物、チオインジゴ系化合物、メロシアニン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、ジピロメテン系化合物、オキサゾール系化合物、アザポルフィリン系化合物、ポルフィリン系化合物等があり、複数の化合物の混合であっても良い。これらの化合物の混合割合は、0.1質量%〜30質量%程度である。
【0198】
記録層を成膜する際に、必要に応じて本発明に係る化合物Aに、クエンチャー、化合物熱分解促進剤、紫外線吸収剤、接着剤、吸熱性又は吸熱分解性化合物、あるいは溶解性を向上させる高分子等の添加剤を混合するか、あるいは、そのような効果を有する化合物を本発明に係る化合物Aの置換基として導入することも可能である。
【0199】
クエンチャーの具体例としては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系等のビスジチオール系、チオカテコナール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯体が好ましい。また、アミン系も好適である。
【0200】
化合物熱分解促進剤としては、熱減量分析(TG分析)等により、化合物の熱分解の促進が確認できるのもであれば特に限定されず、例えば、金属系アンチノッキング剤、メタロセン化合物、アセチルアセトナート系金属錯体等の金属化合物が挙げられる。
【0201】
吸熱性又は吸熱分解性化合物としては、特開平10−291366号公報記載の化合物、又は、該公報に記載される置換基を有する化合物等が挙げられる。
【0202】
上述した各種のクエンチャー、化合物熱分解促進剤及び吸熱性又は吸熱分解性化合物は、必要に応じて、1種類で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0203】
さらに、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等の添加物質を加えても良い。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0204】
記録層を基板の上に成膜する際に、基板の耐溶剤性や反射率、記録感度等を向上させるために、基板の上に無機物やポリマーからなる層を設けても良い。
【0205】
ここで、記録層における本発明に係る化合物Aの含有量は、記録・再生が可能な任意の量を選択することができるが、通常、30%以上、好ましくは60%以上である。尚、実質的に100%であることも好ましい。
【0206】
記録層を設ける方法は、例えば、スピンコート法、スプレー法、キャスト法、スライド法、カーテン法、エクストルージョン法、ワイヤー法、グラビア法、スプレッド法、ローラーコート法、ナイフ法、浸漬法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法が挙げられるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0207】
スピンコート法等の塗布法を用いる場合には、本発明に係る化合物Aを1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%となるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用いるが、この際、溶媒は基板にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。塗布法に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、あるいは、複数混合しても良い。
【0208】
なお、必要に応じて、記録層の化合物を高分子薄膜等に分散して用いたりすることもできる。
【0209】
また、基板にダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が有効である。
【0210】
記録層の膜厚は、10nm〜1000nmであるが、好ましくは20nm〜300nmである。記録層の膜厚を10nmより薄くすると、熱拡散が大きいため記録できないか、記録信号に歪が発生する上、信号振幅が小さくなる場合がある。また、膜厚が1000nmより厚い場合は反射率が低下し、再生信号特性が悪化する場合がある。
【0211】
次に記録層の上に、好ましくは50nm〜300nmの厚さの反射層を形成する。反射率を高めるためや密着性をよくするために、記録層と反射層の間に反射増幅層や接着層を設けることができる。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Ag、Alは反射率が高く反射層の材料として適している。青色レーザーでの記録・再生を行う場合には、Al又はAgが好適である。これ以外でも下記のものを含んでいても良い。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biの金属及び半金属を挙げることができる。また、Ag又はAlを主成分とするものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適である。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0212】
反射層を形成する方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、再生光安定性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0213】
さらに、反射層の上に形成する保護層の材料としては反射層を外力から保護するものであれば特に限定しない。無機物質としては、SiO2、Si3N4、MgF2、AlN、SnO2、TiO2等が挙げられる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂はそのままもしくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
【0214】
保護層の形成の方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0215】
保護層の膜厚は、一般には0.1μm〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3μm〜30μmであり、より好ましくは、5μm〜20μmである。
【0216】
保護層の上にさらにレーベル、バーコード等の印刷を行うこともできる。
【0217】
また、反射層面に保護シート又は基板を貼り合わせる、あるいは反射層面相互を内側とし対向させ、光記録媒体2枚を貼り合わせる等の手段を用いても良い。
【0218】
基板鏡面側に、表面保護やごみ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜しても良い。
【0219】
また、図4のような光記録媒体を作製する場合、基板の上に、好ましくは1nm〜300nmの厚さの反射層を形成する。反射率を高めるためや密着性をよくするために、記録層と反射層の間に反射増幅層や接着層を設けることができる。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Al、Ag、Ni及びPtの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAg、Alは反射率が高く反射層の材料として適している。これ以外でも必要に応じて下記のものを含んでいても良い。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Au、Cu、Ti、Cr、Pd、Taの金属及び半金属を挙げることができる。Ag又はAlを主成分とするもので反射率の高い反射層が容易に得られるものが好適である。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0220】
反射層を形成する方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0221】
次に、記録層を反射層の上に成膜する際に、反射層の耐溶剤性や反射率、記録感度等を向上させるために、反射層の上に無機物やポリマーからなる層を設けても良い。
【0222】
ここで、記録層における本発明に係る化合物Aの含有量は、記録・再生が可能な任意の量を選択することができるが、通常、30質量%以上、好ましくは60質量%以上である。尚、実質的に100質量%であることも好ましい。
【0223】
記録層を設ける方法は、スピンコート法、スプレー法、キャスト法、スライド法、カーテン法、エクストルージョン法、ワイヤー法、グラビア法、スプレッド法、ローラーコート法、ナイフ法、浸漬法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0224】
スピンコート法等の塗布法を用いる場合には本発明に係る化合物Aを1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%となるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用いるが、この際、溶媒は反射層にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。塗布法に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、あるいは、複数混合しても良い。
【0225】
なお、必要に応じて、記録層の化合物を高分子薄膜等に分散して用いたりすることもできる。
【0226】
また、反射層にダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が有効である。
【0227】
記録層の膜厚は、通常1nm〜1000nmであるが、好ましくは5nm〜300nmである。記録層の膜厚を1nmより薄くすると、記録できないか、記録信号に歪が発生する上、信号振幅が小さくなる場合がある。また、膜厚が1000nmより厚い場合は反射率が低下し、再生信号特性が悪化する場合がある。
【0228】
さらに、記録層の上に形成する保護層の材料としては記録層を外力や雰囲気等、外部からの悪影響保護するものであれば特に限定しない。無機物質としては、SiO2、Si3N4、MgF2、AlN、SnO2、TiO2等が挙げられる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂はそのままもしくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
【0229】
保護層の形成の方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0230】
保護層の膜厚は、一般には0.01μm〜1000μmの範囲であるが、場合により0.1μm〜100μm、さらには、1μm〜20μmとすることができる。
【0231】
また、基板面に保護シート又は反射層を貼り合わせる、あるいは基板面相互を内側とし対向させ、光記録媒体2枚を貼り合わせる等の手段を用いても良い。
【0232】
保護層面側に、表面保護やごみ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜しても良い。
【0233】
本発明の光記録媒体において、媒体全体を保護する目的で、例えば、フロッピーディスクや光磁気ディスク等に見られるようにディスクを保護するケース型の保護ユニットを設置しても構わない。材質はプラスチックや、アルミニウム等の金属を使用することができる。
【0234】
基材の材質としては、基本的には記録光及び再生光の波長で透明であればよい。支持基板の材質としては、図5に示すように基板11を通じて青紫色レーザーの照射が行われる場合も加味すると、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料等の透明な材料が利用される。一方、図6に示す構成のように、基板11’とは逆の光透過層15’側からレーザー照射が行われる場合、基板の材質としては光学的諸要件を満たす必要はなく、より広範な材料から選択することができる。基板に要求される機械的特性、また基板生産性の観点からは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂等の射出成型或いはキャスト成型可能な材料が好ましい。これらの基板材料は射出成形法等により円盤状に基板に成形してもよい。
【0235】
また、必要に応じて、これらの基板の表層には、サブミクロンオーダーの案内溝及び/又はプレピットが螺旋状又は同心円上に形成されていても良い。これら案内溝及びプレピットは、基板形成時に付与されているのが好ましく、スタンパー原盤を用いての射出成型や、フォトポリマーを用いた熱転写法により付与することができる。尚、図6における光透過層15’に案内溝及び/又はプレピットを形成しても良く、付与する場合も同様の方法を適用できる。案内溝のピッチ及び深さは、DVDよりも高密度記録を行うHD−DVD−Rの場合、ピッチとして0.25〜0.80μm、深さとして20〜150nmの範囲から選択するのが好ましい。
【0236】
通常、光ディスクとして用いる場合は、厚さ1.2mm程度、直径80ないし120mm程度の円盤状であってもよく、中央に直径15mm程度の穴が開いていても構わない。
【0237】
ここで、本発明で言う波長300nm〜500nmのレーザーは、特に制限はないが、可視光領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザーや、窒素レーザー(337nm)等のガスレーザー、波長445nmのヘリウムカドミウムレーザー、波長457nmあるいは波長488nmのアルゴンレーザー等のイオンレーザー、波長400〜410nmのGaN系レーザー、CrドープしたLiSnAlF6を用いた波長860nmの赤外線レーザーの第2高調波430nmを発振するレーザー他、波長415nm、波長425nm等の可視半導体レーザー等の半導体レーザー等があげられる。本発明では、上述のレーザー等を記録又は再生を行う記録層の感応する波長に応じて適宜選択することができる。高密度記録及び再生は各々、上述の該レーザーから選択される1波長又は複数波長において可能となる。
【0238】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
【0239】
製造例1 例示化合物番号A−5の化合物の製造
9,9−ジメチルフルオレン−2−イルほう酸2.38部、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部、炭酸ナトリウム2.12部およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.35部、トルエン100部および水50部からなる混合物を5時間加熱還流した。反応混合物よりトルエンを留去した後、析出している固体を濾過した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)で処理した。トルエンを減圧下留去した後、残渣をトルエンとアセトンの混合溶媒より再結晶し、淡黄色結晶3.35部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−5の化合物であることを確認した。
【0240】
製造例2 例示化合物番号A−6の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、1−ブロモ−4−フェロセニルナフタレン3.91部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.86部を得た。
質量分析測定により例示化合物番号A−6の化合物であることを確認した。
【0241】
製造例3 例示化合物番号A−13の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、9−ブロモ−10−フェニルチオアントラセン3.65部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.41部を得た。
質量分析測定により例示化合物番号A−13の化合物であることを確認した。
【0242】
製造例4 例示化合物番号A−30の化合物の製造
製造例1において、9,9−ジメチルフルオレン−2−イルほう酸2.38部を使用する代わりに、アントラセン−9−イルほう酸2.22部を使用し、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、2−ブロモ−7−フェロセニル−9,9−ジメチルフルオレン4.57部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶4.26部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−30の化合物であることを確認した。
【0243】
製造例5 例示化合物番号A−45の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、2−ブロモ−6−ベンジルチオナフタレン3.29部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.52部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−45の化合物であることを確認した。
【0244】
実施例1
ポリカーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッチ:0.74μm)を有する外径120mmφ、厚さ0.6mmの円盤状の基板上に、例示化合物番号A−2の化合物を真空蒸着法にて厚さ70nmとなるように成膜し、記録層を形成した。
【0245】
この記録層の上にバルザース社製スパッタ装置(CDI−900)を用いて銀をスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。スパッタガスにはアルゴンガスを用いた。スパッタ条件は、スパッタパワー2.5kW、スパッタガス圧1.33Pa(1.0×10−2Torr)で行った。
【0246】
さらに、反射層の上に紫外線硬化樹脂「SD−1700」(商品名、大日本インキ化学工業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ5μmの保護層を形成した。更に、保護層の上に紫外線硬化樹脂「デフライトKZ−8681」(商品名、JSR株式会社製)をスピンコートした後、前記基板と同様な案内溝のないポリカーボネート樹脂基板をのせ、紫外線照射して基板を貼り合わせ、光記録媒体を作製した。
【0247】
以上のようにして記録層が形成された光記録媒体について、以下のように評価試験を行った。
【0248】
波長403nm、開口数0.65の青色レーザーヘッドを搭載した評価機により記録周波数9.7MHz、記録レーザーパワー8.0mW、線速9.0m/s、最短ピット長0.30μmとして記録を行った。良好な形状のピットが規則正しく形成され、高密度に記録できた。記録後、同評価装置により、再生レーザーパワー0.6mWにて線速9.0m/sで再生を行ったところ、ピットを読み取ることができた。、再生を繰り返し1000回以上行ったが、ピットを読み取ることができ、再生光安定性に優れていた。
【0249】
また、4万ルクスのXe光を当てる耐光性試験を行った。試験後も、ピットを読み取ることができた。
【0250】
更に湿度85%RH、80℃の雰囲気下で放置する耐湿熱性試験を行った。試験後もピットを読み取ることができた。
【0251】
実施例2〜46
実施例1において、記録層の形成に際して、例示化合物番号A−2の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号A−5の化合物(実施例2)、例示化合物番号A−6の化合物(実施例3)、例示化合物番号A−8の化合物(実施例4)、例示化合物番号A−10の化合物(実施例5)、例示化合物番号A−13の化合物(実施例6)、例示化合物番号A−15の化合物(実施例7)、例示化合物番号A−16の化合物(実施例8)、例示化合物番号A−23の化合物(実施例9)、例示化合物番号A−30の化合物(実施例10)、例示化合物番号A−38の化合物(実施例11)、例示化合物番号A−40の化合物(実施例12)、例示化合物番号A−41の化合物(実施例13)、例示化合物番号A−45の化合物(実施例14)、例示化合物番号B−1の化合物(実施例15)、例示化合物番号B−3の化合物(実施例16)、例示化合物番号B−4の化合物(実施例17)、例示化合物番号B−6の化合物(実施例18)、例示化合物番号B−10の化合物(実施例19)、例示化合物番号B−13の化合物(実施例20)、例示化合物番号B−19の化合物(実施例21)、例示化合物番号B−23の化合物(実施例22)、例示化合物番号B−25の化合物(実施例23)、例示化合物番号B−26の化合物(実施例24)、例示化合物番号B−29の化合物(実施例25)、例示化合物番号B−33の化合物(実施例26)、例示化合物番号C−1の化合物(実施例27)、例示化合物番号C−2の化合物(実施例28)、例示化合物番号C−3の化合物(実施例29)、例示化合物番号C−10の化合物(実施例30)、例示化合物番号C−14の化合物(実施例31)、例示化合物番号C−15の化合物(実施例32)、例示化合物番号C−20の化合物(実施例33)、例示化合物番号C−22の化合物(実施例34)、例示化合物番号C−25の化合物(実施例35)、例示化合物番号C−28の化合物(実施例36)、例示化合物番号C−30の化合物(実施例37)、例示化合物番号D−2(実施例38)、例示化合物番号D−3(実施例39)、例示化合物番号D−12(実施例40)、例示化合物番号D−25(実施例41)、例示化合物番号E−1(実施例42)、例示化合物番号E−3(実施例43)、例示化合物番号E−11(実施例44)、例示化合物番号E−22(実施例45)、例示化合物番号E−25(実施例46)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により光記録媒体を作製し、実施例1と同様に記録と再生を行った。良好な形状のピットが形成され、ピットを読み取ることができた。また、再生光安定性に優れていた。
耐光性試験および耐湿熱性試験後もピットを読み取ることができた。
【0252】
比較例1
実施例1において、記録層の形成に際して、例示化合物番号A−2の化合物を使用する代わりに、式(a)
【0253】
【化24】
の化合物を使用した以外は、実施例1に記載の方法により光記録媒体を作製し、実施例1と同様に記録と再生を行った。C/N比が20dB以下と低く再生が困難であった。
【0254】
実施例1〜46に記載されるように、本発明の光記録媒体は、青色レーザー波長領域において、記録再生が可能であり、記録特性に優れている。
【0255】
このことから、本発明で規定する構造の化合物を含有する記録層は、波長300〜500nmから選択されるレーザー光による信号記録が可能であり、本発明の光記録媒体は波長300〜500nmから選択されるレーザー光を記録再生に用いる光記録媒体に用いることができる。
【0256】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明のフルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物を記録層に用いることにより、高密度光記録媒体として非常に注目されている波長300〜500nmレーザー、特に波長400〜410nm青紫色レーザーでの記録及び再生が可能な光記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の課題を説明する概念図である。
【図2】本発明の光記録媒体の一構成例を示す模式図である。
【図3】本発明の光記録媒体の他の一構成例を示す模式図である。
【図4】本発明の光記録媒体の更に他の一構成例を示す模式図である。
【図5】本発明の光記録媒体の他の一構成例を示す模式図である。
【図6】本発明の光記録媒体の更に他の一構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 :基板
2 :記録層
3 :反射層
4 :保護層
5 :接着層
11 :基板
12 :記録層
13 :反射層
14 :保護層
15 :ダミー基板層
11’:支持基板
12’:記録層
13’:反射層
14’:透明保護層
15’:光透過層
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に関するものであり、特に可視レーザーの一種である青色レーザー光により記録・再生可能である光記録媒体に関する。また本発明は、光記録媒体用の記録層材料として好適な新規炭化水素化合物にも関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(以下、CDと略す)規格に対応した追記型光記録媒体としてCD−R(CD−Recordable)が広く普及している。CD−Rの記憶容量は680MB程度であるが、情報量の飛躍的増加に伴い、情報記録媒体に対する高密度化及び大容量化への要求は高まっている。
【0003】
記録媒体の高密度化を行う手段としては、記録・再生に用いるレーザー波長の短波長化及び対物レンズの開口数(N.A.:Numerical Aperture)を大きくすることにより、ビームスポットを小さくすることが挙げられる。そして、光ディスクシステムに利用される短波長レーザーとして、500nm〜700nm、さらには630nm〜690nm前後、具体的には、680nm、670nm、660nm、650nm、635nm等の赤色レーザーが実用化されてきた。こうして半導体レーザーの短波長化、対物レンズの開口数大化、データ圧縮技術等により、動画記録及び大容量の情報の記録を可能にした光記録媒体の作製が可能となってきた。
【0004】
今日までに提案されている光記録媒体としては、光磁気記録媒体、相変化記録媒体、カルコゲン酸化物系光記録媒体、有機色素系光記録媒体等があるが、これらの中で、安価かつプロセス上容易であるという点から、有機色素系光記録媒体は優位性を有すると考えられる。
【0005】
こうした状況を踏まえ、CDよりも高密度でTV品質並の動画の記録・再生が可能な光記録媒体として、普及しつつある市販のDVDビデオプレーヤーやDVD−ROMプレーヤーで再生できる、発振波長630〜690nmの赤色半導体レーザーで記録を施すことが可能な追記型光記録媒体として開発されたのが、追記型のデジタル多目的ディスク(以下、DVD−Rと略す)である。DVD−Rは、3.9GBあるいは4.7GBの記録容量を有する一度書き込み可能な光記録媒体であり、特にここ最近となって、片面4.7GB容量のDVD−R媒体が市場に供給され始めている。該DVD−R媒体も、シアニン系色素、アゾ系色素等を記録層に用い、反射層を設けた積層構造を採用しており、0.6mm厚の基板を2枚貼り合わせたディスク構造を特徴としている。この容量に合った記録特性良好な光ディスクについて、現在では高速記録対応の媒体開発が活発に進められている。
【0006】
さらに、将来的にはより高密度な記録が求められることが予想され、その情報量はディスク1枚あたり15〜30GBにも達すると予想される。その記録密度を実現する為の手段として、より波長の短いレーザーを使用することは避けられない。従って、将来の有機色素系光記録媒体に用いる記録用色素としては、300nm〜500nmの波長範囲において良好な記録特性を有する色素が望まれる。
【0007】
ところで、有機色素を記録層としたDVD−Rよりも高密度記録可能な媒体に関して、特開平10−302310号公報には、発振波長680nm以下のレーザーを用い、記録容量8GB以上の密度を達成したとの開示がある。該公報の提案では、10〜177μm厚さの光透過層越しに0.7以上の高開口数を有する対物レンズで680nm以下のレーザー光を収束することで、8GB以上の大容量記録を達成している。
【0008】
その一方で、ここ近年、発振波長390〜430nmの青色レーザーとしてGaN系材料を用いた410nmのレーザーや、半導体レーザーと光導波路素子の組合せによる波長425nmのSHGレーザーが開発されてきており〔例えば、日経エレクトロニクス、No.708、p.117、1998年1月26日号〕、このようなレーザーに合わせた青色半導体レーザー対応色素の開発が現在展開されている。
【0009】
更に、1999年初頭から発振波長400〜410nmの青紫色発光のGaN系半導体レーザーが試供(日亜化学工業)されるに当たり、片面15GB以上の更なる高密度容量を有するHDTV(high definition television)放送並の画質で、2時間程度の動画の記録が可能となる媒体(以下、HD−DVD−R媒体と称す)の検討が始められている。この様な高密度容量を有するHD−DVD−R媒体では、現行放送並の画質であれば6時間程度の録画も可能であるため、家庭用VTRに代わる新しい記録メディアとしても注目されている。すでに、相変化系の無機記録膜を用いた提案として、日経エレクトロニクス1999年9月6日号(No.751)の117頁に技術概要が紹介されている。
【0010】
現在のところ、400nm〜500nmの青色レーザーで記録できる有機色素化合物として、特開平4−74690号公報、特開平6−40161号公報、特開2001−232945号公報、特開2001−246851号公報、特開2001−260536号公報及び特開2001−301333号公報記載のシアニン系色素化合物や、特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−334207号公報、特開2001−39032号公報、特開2001−80217号公報、特開2001−84594号公報、特開2001−138633号公報、特開2001−138634号公報、特開2001−143317号公報、特開2001−180117号公報、特開2001−181524号公報及び特開2001−287462号公報記載のポルフィリン系色素化合物の他、特開平4−78576号公報及び特開平4−89279号公報記載のポリエン系色素化合物、特開平11−334204号公報、特開平11−334205公報及び特開2001−271001号公報記載のアゾ系色素化合物、特開平11−304206号公報記載のジシアノビニルフェニル色素化合物、特開2000−43423号公報及び特開2001−96918号公報記載のクマリン化合物、特開2000−163799号公報記載のピリミジン化合物、特開2000−228028号公報記載のナフタロシアニン化合物、特開2000−335110号公報記載のヘテロ5員環化合物、特開2000−343824号公報記載のビスアゾール化合物、特開2000−343825号公報記載のアミノピリジン化合物、特開2001−63211号公報記載のビスピリジニウム化合物、特開2001−71638号公報及び特開2001−328351号公報記載のオキソノール化合物、特開2001−71639号公報及び特開2002−2110号公報記載のスチリル化合物、特開2001−146074号公報記載のアミノブタジエン化合物、特開2001−158862号公報、特開2001−214084号公報及び特開2002−36727号公報記載の金属キレート化合物、特開2001−232944号公報記載のキノン化合物又はキノジメタン化合物、特開2001−234154号公報記載のヒドラゾン化合物、特開2001−277720号公報記載のトリアジン化合物、特開2001−287466号公報記載のカルボスチリル化合物又はナフチリジン化合物、特開2001−301329号公報記載の縮合複素環化合物、特開2002−2117号公報記載のスチルベン化合物等が提案されている。
【0011】
また、記録層形成用の有機色素としてポルフィリン系色素やシアニン系色素等を主とする記録層及び銀を主体とする金属反射層の2層が構成された特開平11−53758号公報に記載の光記録媒体や、媒体構成に工夫したものとして、青色レーザーに感応するシアニン系色素を含有した青色レーザー感応色素層ならびに赤色レーザー感応色素層を有することで、2波長領域の記録を可能とする特開平11−203729号公報記載の光記録媒体や、青色レーザー用色素及び赤色レーザー用色素の2種の色素を混合することで2波長領域の記録を可能とするインジゴイド系色素化合物を用いた特開平11−78239号公報記載の光記録媒体、シアノエテン系色素を用いた特開平11−105423号公報記載の光記録媒体、スクアリリウム系色素化合物を用いた特開平11−110815号公報記載の光記録媒体等が提案されている。
【0012】
一方、400〜500nmの青色領域で有機色素膜を記録に行う例として、特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報では、ポルフィリン系化合物の中心金属に配位する分子化合物及び高分子、あるいは中心金属を配位する分子構造を側鎖に有する高分子と混合することで、該ポルフィリン系化合物のソーレー(Soret)帯を長波長側にシフトさせて、488nmのArレーザーに対応させると共に、スピンコーティングによる成膜を可能ならしめて製造コストの低減を図る提案がなされている。又、特開平4−78576号公報、特開平4−89279号公報等に開示のポリエン系色素化合物は、本発明者らの検討によれば、光安定性が悪く、実用化にはクエンチャーのブレンド等の工夫が必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
最近の状況として、波長400nm〜410nmの青紫色半導体レーザーの実用化に目処がついたことで、該レーザーを用いた大容量追記型光記録媒体が盛んに開発され、特に高耐光性や良好な高速記録特性を有する色素の開発が望まれている。
【0014】
しかしながら、前述の光記録媒体では波長400nm〜410nmのレーザー光に対して十分に適応していないのが実情である。すなわち、前述の有機色素を使用した媒体では、記録した信号の再生について、搬送波(Career)と雑音(Noise)の比(C/N)が必ずしも良好な値でないために、信号の読み出しが必ずしも満足に行えない等の問題を我々は見い出した。この問題を克服し、波長400nm〜410nmのレーザー光で高密度記録・再生可能な光記録媒体の開発が急務となっている。
【0015】
本発明者らは、追記型光記録媒体に適した記録材料について検討したところ、次の2点の知見を得た。
【0016】
(1)大容量追記型光記録媒体は、記録の書き込み及び読み出しに300〜500nmのレーザー光を利用するので記録材料としてはレーザー波長近傍における吸光係数、屈折率、反射率の制御が重要である。
【0017】
(2)上記のように、該レーザーを用いた大容量追記型光記録媒体が盛んに開発され、特に高耐光性や良好な高速記録特性を有する色素の開発が望まれているにもかかわらず、該波長領域のレーザー光に対して記録・再生が可能な記録材料として前述の色素化合物は、未だ十分な特性が得られておらず、改善の余地があるのが現状である。また、記録膜形成が簡便なスピンコート法等の塗布法による媒体製造の際には、有利な特性の1つとして、塗布溶媒への高溶解性を有することが挙げられ、この点についても配慮することが必要である。
【0018】
また一般に、記録容量の増大を図るには、より高密度に記録を行う必要があり、そのため、記録に使用する光学ビームを絞るための対物レンズの開口数を高め、光学系のレーザー波長をより短波長化することが必須となる。ところが、絞り込んだ光学ビームは回折限界でその最小のビーム径が定められる。
【0019】
ところで、記録はビーム強度がある閾値を超えたところで成されるので、図1(a)に示すように、絞り込んだビームスポットよりも小さな記録ピットが得られる。この記録ピットの周囲はビームの強度ピークのすそ野にあたるが、より短波長化が進む現況では、記録ピットの周囲でも記録層の光化学反応を助長し、殊に、前述の青紫色レーザーの波長領域では、有機化合物の光化学反応が容易に生じる波長領域となるため、記録時にはピットエッジが劣化し、信号特性が悪化するという問題がある。すなわち、図1(b)に示すように、本来矩形波に対応して形成せねばならない記録情報(図1(b)の実線)が、ピットエッジの劣化によりブロードな波形(図1(b)の破線部)となってしまう。又、記録時と同一の青紫色レーザー波長で再生を行うと、再生光のような微弱な光照射でも光反応が促進され、再生の度に劣化が進むという問題もあり、前記特開平7−304256号公報、特開平7−304257号公報でも、記録光と再生光とを異なる波長、実質的には、再生光を記録光よりも長波長とする対策を講じねばならなくなり、結果として、十分な高密度化の要求に応えられないのが現状である。又、記録波長と再生光波長を異ならしめることは、記録装置と再生装置を個別に用意するか、1つの装置に2つの光学系及びその制御系を設けなければならず、光記録媒体としての用途が限定されたり、装置の大型化、コストの増大を招いたりと、汎用性の乏しいものとなってしまう。また、従来、CD−Rなどの光記録媒体においては、有機色素膜の融点、昇華点、相転移点或いは熱分解点などの物性上の明確な熱的閾値を境に記録のオン・オフが成されてきたものに対し、青紫色レーザー励起による光劣化モードの介在は、このコントラストを曖昧にし、とりわけ光学ビームよりも小さい細密記録ピットを形成せねばならない高密度記録系においては、著しく記録信号品位を損なう懸念があった。
【0020】
本発明の目的は、青色半導体レーザー光、殊に波長400nm〜410nmの範囲から選択される可視光域のレーザー光で良好な記録及び再生が可能な超高密度記録に適した記録層を有する光記録媒体を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
【0022】
〔1〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物より少なくとも1種以上の化合物を選択して、少なくとも一層の記録層に含有する光記録媒体、
【0023】
〔2〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(1)で表される化合物である前記〔1〕に記載の光記録媒体、
【0024】
【化9】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0025】
〔3〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(2)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0028】
〔4〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(3)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0029】
【化11】
【0030】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0031】
〔5〕フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(4)で表される化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光記録媒体、
【0032】
【化12】
【0033】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0034】
〔6〕縮合多環式芳香族環がナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオランテン環、ピレン環、クリセン環又はペリレン環より選ばれるいずれかの環である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光記録媒体、
【0035】
〔7〕波長300nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光記録媒体、
【0036】
〔8〕波長390nm〜430nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔7〕に記載の光記録媒体、
【0037】
〔9〕波長400nm〜410nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である前記〔8〕に記載の光記録媒体、
【0038】
〔10〕一般式(1’)で表される炭化水素化合物、
【化13】
【0039】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、但し、X1及びX2の少なくとも一方は、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基である。j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0040】
〔11〕一般式(2’)で表される炭化水素化合物、
【化14】
【0041】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X21〜X26の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0042】
〔12〕一般式(3’)で表される炭化水素化合物、
【化15】
【0043】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X301〜X314の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0044】
〔13〕一般式(4’)で表される炭化水素化合物、
【化16】
【0045】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X41〜X47の少なくとも一つは、置換アルキル基、置換又は無置換のメタロセニル基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、あるいは置換又は無置換のアリールチオ基より選ばれる基であり、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)に関する。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明は、光記録媒体の記録層中にフルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物(以下、本発明に係る化合物Aと略記する)を含有することを特徴とする光記録媒体に関し、波長300nm〜500nm、特に波長390nm〜430nm、更には波長400nm〜410nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である新規な光記録媒体に関するものである。
【0047】
本発明に係る光記録媒体とは、情報を記録して再生することのできる光記録媒体を示すものである。但し、ここでは適例として基板上に記録層、反射層を有する本発明の光記録媒体に関して説明する。尚、以下の説明では、光記録媒体として、光ディスクであって、支持基板上に例えば案内溝と、この案内溝上に反射膜と有機色素を主成分とする記録層とを有し、波長300〜500nmのレーザー光を照射して信号の記録再生を行う媒体に関して説明するが、本発明の光記録媒体は、この様な形状や構成に限定されるものではなく、カード状、シート状等その他各種の形状のもの、又、反射層を有さないもの、更に将来開発されるであろうより短波長のレーザーでの記録再生にも適用し得るものである。
【0048】
本発明の光記録媒体は、例えば、図2に示すような基板1、記録層2、反射層3、及び保護層4が順次積層している4層構造を有しているか、図3に示すような貼り合わせ構造を有している。即ち、基板1上に記録層2が形成されており、その上に密着して反射層3が設けられており、さらにその上に接着層5を介して保護層4が貼り合わされている。但し、記録層2の下又は上に別の層があっても良く、反射層3の上に別の層があっても構わない。また、図4に示すように基板1、反射層3、記録層2、保護層4の順に積層し、保護層側から記録再生する構造であっても良い。また、特開平10−326435号公報記載のように光透過層の厚みが、光学系の開口数N.A.及びレーザー波長λにより規定された媒体構造であっても構わない。また、本発明の光記録媒体は、必要に応じて特開平11−203729号公報記載のように記録層を2種以上有する構造であっても構わない。
【0049】
また、本発明を光ディスクに適用した例として、図5に示すような、基板11、記録層12、反射層13及び保護層14がこの順で積層され、更に接着層を兼ねる保護層14上にダミー基板15を貼り合わせたものが挙げられる。もちろん、基板15の無い構成であっても良く、基板11と記録層12の間、記録層12と反射層13の間、反射層13と保護層14との間、保護層14とダミー基板15との間に、他の層が存在していても良い。図5の光ディスクにおいては、基板11側から記録再生が行われる。
【0050】
又、別の実施形態として、特開平10−302310号公報に開示の構成、例えば、図6に示すように、案内溝の形成された支持基板11’上に、反射層13’、有機色素を主成分とする記録層12’がこの順で成膜され、この記録層12’上に任意に形成される透明保護層14’を介して光透過層15’が形成され、情報の記録及び再生は、光透過層15’側から実施される。尚、逆に光透過層15’側に案内溝を形成し、その上に透明保護層14’、記録層12’、反射層13’を積層し、支持基板11’と貼り合わせる構成としても良い。
【0051】
本発明においては、基板上に記録層を設けるが、本発明の記録層は、本発明に係る化合物A、特に一般式(1)で表される化合物を記録用色素として少なくとも1種含有するものである。ここで記録用色素とは、レーザー光の照射によりそれ自体の熱分解、昇華等が誘発され、記録層の変化、あるいは形状変化(ピット形成)等により反射率の変化する部分を形成できる色素である。本発明の光記録媒体は、特に300nm〜500nmの範囲から選択される記録レーザー波長に対して記録・再生が可能であり、中でも、波長400nm〜410nmの範囲から選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して良好な信号特性が得られる光記録媒体である。
【0052】
本発明に係る化合物Aは、置換基の選択により吸光係数を保持した状態で吸収波長を任意に選択できるため、前記レーザー光の波長において、記録層に必要な光学定数を満足することのできる極めて有用な有機色素である。
【0053】
以下、本発明についてさらに詳細を述べる。
本発明の光記録媒体においては、本発明に係る化合物Aを1種以上記録層に含有するが、該本発明に係る化合物Aは、重合体を含むものではなく、好ましくは、分子量2000以下の化合物であり、より好ましくは、分子量1000以下の化合物である。本発明に係る化合物Aとしては、一般式(1)で表される化合物が好ましい例として挙げられる。
【0054】
【化17】
(式中、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表し、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表し、kが2であるときA1同士は同一でも異なるものであってもよく、lが2であるときF2同士は同一でも異なるものであってもよい。)
【0055】
一般式(1)で表される化合物において、X1及びX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。
【0056】
尚、アリール基とは、フェニル基、ナフチル基等の炭素環式芳香族基、フリル基、チエニル基、ピリジル基等の複素環式芳香族基、さらにフェロセニル基、コバルトセニル基等のメタロセニル基を表す。
【0057】
X1及びX2の具体例としては、水素原子、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げられ、
【0058】
X1及びX2の置換又は無置換のアルキル基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−メチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラエチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、n−トリデシル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、3,5−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2,4−ジメチルヘプチル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等の炭素数1〜15の無置換のアルキル基;
【0059】
クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロデシル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基;
【0060】
ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシデカリル基等のヒドロキシル基で置換された炭素数1〜10のアルキル基;
【0061】
ヒドロキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、2−(2’−ヒドロキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(3’−フルオロ−2’−ヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−クロロ−2’−ヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、ヒドロキシブチルオキシシクロヘキシル基等のヒドロキシアルコキシ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0062】
ヒドロキシメトキシメトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、[2’−(2’−ヒドロキ−1’−メチルエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−フルオロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基、[2’−(2’−クロロ−1’−ヒドロキシエトキシ)−1’−メチルエトキシ]エトキシエチル基等のヒドロキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜10のアルキル基;
【0063】
シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、2−シアノ−3−メトキシプロピル基、2−シアノ−3−クロロプロピル基、2−シアノ−3−エトキシプロピル基、3−ブチルオキシ2−シアノプロピル基、2−シアノ−3−シクロヘキシルプロピル基、2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基等のシアノ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0064】
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロピルオキシメチル基、n−ブチルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロピルオキシエチル基、n−ブチルオキシエチル基、n−ヘキシルオキシエチル基、(4−メチルペンチルオキシ)エチル基、(1,3−ジメチルブチルオキシ)エチル基、(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、n−オクチルオキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エチル基、(2−メチル−1−イソプロピルプロピルオキシ)エチル基、(3−メチル−1−イソプロピルブチルオキシ)エチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、3−メトキシブチル基、(3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ)エチル基、(3,3,3−トリクロロプロピルオキシ)エチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数2〜15のアルキル基;
【0065】
メトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、n−プロピルオキシエトキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、デカリルオキシプロピルオキシエトキシ基、(1,2−ジメチルプロピルオキシ)エトキシエチル基、(3−メチル−1−イソブチルブチルオキシ)エトキシエチル基、(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)エチル基、(2−ブチルオキシ1−メチルエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシ−1’−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、(3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ)エトキシエチル基、(3,3,3−トリクロロプロピルオキシ)エトキシエチル基等のアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0066】
メトキシメトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエトキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエトキシエチル基、n−プロピルオキシプロピルオキシプロピルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エトキシエトキシエチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシ)エトキシエトキシエチル基等のアルコキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数4〜15のアルキル基;
【0067】
ホルミルメチル基、2−オキソブチル基、3−オキソブチル基、4−オキソブチル基、2,6−ジオキソシクロヘキサン−1−イル基、2−オキソ−5−tert−ブチルシクロヘキサン−1−イル基等のアシル基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0068】
ホルミルオキシメチル基、アセトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエチル基、n−ブタノイルオキシエチル基、バレリルオキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)ヘキシル基、(3−フルオロブチリルオキシ)エチル基、(3−クロロブチリルオキシ)エチル基等のアシルオキシ基で置換された炭素数2〜15のアルキル基;
【0069】
ホルミルオキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)オキシブチルオキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エトキシエチル基、(2−フルオロプロピオニルオキシ)エトキシエチル基、(2−クロロプロピオニルオキシ)エトキシエチル基等のアシルオキシアルコキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0070】
アセトキシメトキシメトキシメチル基、アセトキシエトキシエトキシエチル基、n−プロピオニルオキシエトキシエトキシエチル基、バレリルオキシエトキシエトキシエチル基、(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(2−フルオロプロピオニルオキシ)エトキシエトキシエチル基、(2−クロロプロピオニルオキシ)エトキシエトキシエチル基等のアシルオキシアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数5〜15のアルキル基;
【0071】
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−ブチルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、n−ブチルオキシカルボニルエチル基、(4−エチルシクロヘキシルオキシカルボニル)シクロヘキシル基、(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシカルボニル)メチル基、(2,2,3,3−テトラクロロプロピルオキシカルボニル)メチル基等のアルコキシカルボニル基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0072】
フェノキシカルボニルメチル基、(2−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(3−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(4−メチルフェニキシカルボニル)メチル基、(4−tert−ブチルフェノキシカルボニル)メチル基、フェノキシカルボニルエチル基、(4−tert−ブチルフェノキシカルボニル)エチル基、(1−ナフチルオキシカルボニ)メチル基、(2−ナフチルオキシカルボニ)メチル基、(2−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基、(3−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基、(4−フェニルフェニルオキシカルボニル)エチル基等のアリールオキシカルボニル基で置換された炭素数8〜15のアルキル基;
【0073】
ベンジルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルエチル基、フェネチルオキシカルボニルメチル基、(4−シクロヘキシルオキシベンジルオキシカルボニル)メチル基等のアラルキルオキシカルボニル基で置換された炭素数9〜15のアルキル基;
【0074】
ビニルオキシカルボニルメチル基、ビニルオキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、シクロペンタジエニルオキシカルボニルメチル基、オクテノキシカルボニルメチル基等のアルケニルオキシカルボニル基で置換された炭素数4〜10のアルキル基;
【0075】
メトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニルオキシエチル基、ブチルオキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルオキシ)エチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)エチル基等のアルコキシカルボニルオキシ基で置換された炭素数3〜15のアルキル基;
【0076】
メトキシメトキシカルボニルオキシメチル基、メトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、エトキシエトキシカルボニルオキシエチル基、n−ブチルオキシエトキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エトキシカルボニルオキシエチル基、(2,2,2−トリクロロエトキシ)エトキシカルボニルオキシエチル基等のアルコキシアルコキシカルボニルオキシ基で置換された炭素数4〜15のアルキル基;
【0077】
ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジ−n−ブチルアミノメチル基、ジ−n−ヘキシルアミノメチル基、ジ−n−オクチルアミノメチル基、ジ−n−デシルアミノメチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノメチル基、ピペリジノメチル基、ジ(メトキシメチル)アミノメチル基、ジ(メトキシエチル)アミノメチル基、ジ(エトキシメチル)アミノメチル基、ジ(エトキシエチル)アミノメチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノメチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノメチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジ−n−ブチルアミノエチル基、ジ−n−ヘキシルアミノエチル基、ジ−n−オクチルアミノエチル基、ジ−n−デシルアミノエチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノエチル基、ピペリジノエチル基、ジ(メトキシメチル)アミノエチル基、ジ(メトキシエチル)アミノエチル基、ジ(エトキシメチル)アミノエチル基、ジ(エトキシエチル)アミノエチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノエチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノエチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジ−n−ブチルアミノプロピル基、ジ−n−ヘキシルアミノプロピル基、ジ−n−オクチルアミノプロピル基、ジ−n−デシルアミノプロピル基、N−イソアミル−N−メチルアミノプロピル基、ピペリジノプロピル基、ジ(メトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(メトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシメチル)アミノプロピル基、ジ(エトキシエチル)アミノプロピル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノプロピル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノプロピル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジエチルアミノブチル基、ジ−n−ブチルアミノブチル基、ジ−n−ヘキシルアミノブチル基、ジ−n−オクチルアミノブチル基、ジ−n−デシルアミノブチル基、N−イソアミル−N−メチルアミノブチル基、ピペリジノブチル基、ジ(メトキシメチル)アミノブチル基、ジ(メトキシエチル)アミノブチル基、ジ(エトキシメチル)アミノブチル基、ジ(エトキシエチル)アミノブチル基、ジ(n−プロピルオキシエチル)アミノブチル基、ジ(n−ブチルオキシエチル)アミノブチル基、ビス(2−シクロヘキシルオキシエチル)アミノブチル基等のジアルキルアミノ基で置換された炭素数3〜20のアルキル基;
【0078】
アセチルアミノメチル基、アセチルアミノエチル基、n−プロピオニルアミノエチル基、n−ブタノイルアミノエチル基、シクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、4−メチルシクロヘキシルカルボニルアミノエチル基、スクシンイミノエチル基等のアシルアミノ基で置換された炭素数3〜10のアルキル基;
【0079】
メチルスルホンアミノメチル基、メチルスルホンアミノエチル基、エチルスルホンアミノエチル基、n−プロピルスルホンアミノエチル基、n−オクチルスルホンアミノエチル基等のアルキルスルホンアミノ基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0080】
メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基、ブチルスルホニルメチル基、メチルスルホニルエチル基、エチルスルホニルエチル基、n−ブチルスルホニルエチル基、2−エチルヘキシルスルホニルエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルスルホニルメチル基、2,2,3,3−テトラクロロプロピルスルホニルメチル基等のアルキルスルホニル基で置換された炭素数2〜10のアルキル基;
【0081】
フェニルスルホニルメチル基、フェニルスルホニルエチル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェニルスルホニルブチル基、2−メチルフェニルスルホニルメチル基、3−メチルフェニルスルホニルメチル基、4−メチルフェニルスルホニルメチル基、4−メチルフェニルスルホニルエチル基、4−メチルフェニルスルホニルプロピル基、4−メチルフェニルスルホニルブチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルメチル基、2,6−ジメチルフェニルスルホニルメチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルエチル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルプロピル基、2,4−ジメチルフェニルスルホニルブチル基等のアリールスルホニル基で置換された炭素数7〜12のアルキル基;
【0082】
チアジアゾリノメチル基、ピロリノメチル基、ピロリジノメチル基、ピラゾリジノメチル基、イミダゾリジノメチル基、オキサゾリル基、トリアゾリノメチル基、モルホリノメチル基、インドーリノメチル基、ベンズイミダゾリノメチル基、カルバゾリノメチル基等の複素環基で置換された炭素数2〜13のアルキル基;
【0083】
フェロセニルメチル基、フェロセニルエチル基、フェロセニル−n−プロピル基、フェロセニル−イソプロピル基、フェロセニル−n−ブチル基、フェロセニル−イソブチル基、フェロセニル−sec−ブチル基、フェロセニル−tert−ブチル基、フェロセニル−n−ペンチル基、フェロセニル−イソペンチル基、フェロセニル−2−メチルブチル基、フェロセニル−1−メチルブチル基、フェロセニルネオペンチル基、フェロセニル−1,2−ジメチルプロピル基、フェロセニル−1,1−ジメチルプロピル基、フェロセニルシクロペンチル基、フェロセニル−n−ヘキシル基、フェロセニル−4−メチルペンチル基、フェロセニル−3−メチルペンチル基、フェロセニル−2−メチルペンチル基、フェロセニル−1−メチルペンチル基、フェロセニル−3,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−2,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,3−ジメチルブチル基、フェロセニル−2,2−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,2−ジメチルブチル基、フェロセニル−1,1−ジメチルブチル基、フェロセニル−3−エチルブチル基、フェロセニル−2−エチルブチル基、フェロセニル−1−エチルブチル基、フェロセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、フェロセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、フェロセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、フェロセニルシクロヘキシル基、フェロセニル−n−ヘプチル基、フェロセニル−2−メチルヘキシル基、フェロセニル−3−メチルヘキシル基、フェロセニル−4−メチルヘキシル基、フェロセニル−5−メチルヘキシル基、フェロセニル−2,4−ジメチルペンチル基、フェロセニル−n−オクチル基、フェロセニル−2−エチルヘキシル基、フェロセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、フェロセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、フェロセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、フェロセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、フェロセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、フェロセニル−n−ノニル基、フェロセニル−n−デシル基、
【0084】
コバルトセニルメチル基、コバルトセニルエチル基、コバルトセニル−n−プロピル基、コバルトセニル−イソプロピル基、コバルトセニル−n−ブチル基、コバルトセニル−イソブチル基、コバルトセニル−sec−ブチル基、コバルトセニル−tert−ブチル基、コバルトセニル−n−ペンチル基、コバルトセニル−イソペンチル基、コバルトセニル−2−メチルブチル基、コバルトセニル−1−メチルブチル基、コバルトセニルネオペンチル基、コバルトセニル−1,2−ジメチルプロピル基、コバルトセニル−1,1−ジメチルプロピル基、コバルトセニルシクロペンチル基、コバルトセニル−n−ヘキシル基、コバルトセニル−4−メチルペンチル基、コバルトセニル−3−メチルペンチル基、コバルトセニル−2−メチルペンチル基、コバルトセニル−1−メチルペンチル基、コバルトセニル−3,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−2,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,3−ジメチルブチル基、コバルトセニル−2,2−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,2−ジメチルブチル基、コバルトセニル−1,1−ジメチルブチル基、コバルトセニル−3−エチルブチル基、コバルトセニル−2−エチルブチル基、コバルトセニル−1−エチルブチル基、コバルトセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、コバルトセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、コバルトセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、コバルトセニルシクロヘキシル基、コバルトセニル−n−ヘプチル基、コバルトセニル−2−メチルヘキシル基、コバルトセニル−3−メチルヘキシル基、コバルトセニル−4−メチルヘキシル基、コバルトセニル−5−メチルヘキシル基、コバルトセニル−2,4−ジメチルペンチル基、コバルトセニル−n−オクチル基、コバルトセニル−2−エチルヘキシル基、コバルトセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、コバルトセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、コバルトセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、コバルトセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、コバルトセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、コバルトセニル−n−ノニル基、コバルトセニル−n−デシル基、
【0085】
ニッケロセニルメチル基、ニッケロセニルエチル基、ニッケロセニル−n−プロピル基、ニッケロセニル−イソプロピル基、ニッケロセニル−n−ブチル基、ニッケロセニル−イソブチル基、ニッケロセニル−sec−ブチル基、ニッケロセニル−tert−ブチル基、ニッケロセニル−n−ペンチル基、ニッケロセニル−イソペンチル基、ニッケロセニル−2−メチルブチル基、ニッケロセニル−1−メチルブチル基、ニッケロセニルネオペンチル基、ニッケロセニル−1,2−ジメチルプロピル基、ニッケロセニル−1,1−ジメチルプロピル基、ニッケロセニルシクロペンチル基、ニッケロセニル−n−ヘキシル基、ニッケロセニル−4−メチルペンチル基、ニッケロセニル−3−メチルペンチル基、ニッケロセニル−2−メチルペンチル基、ニッケロセニル−1−メチルペンチル基、ニッケロセニル−3,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−2,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,3−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−2,2−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,2−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−1,1−ジメチルブチル基、ニッケロセニル−3−エチルブチル基、ニッケロセニル−2−エチルブチル基、ニッケロセニル−1−エチルブチル基、ニッケロセニル−1,2,2−トリメチルブチル基、ニッケロセニル−1,1,2−トリメチルブチル基、ニッケロセニル−1−エチル−2−メチルプロピル基、ニッケロセニルシクロヘキシル基、ニッケロセニル−n−ヘプチル基、ニッケロセニル−2−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−3−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−4−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−5−メチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,4−ジメチルペンチル基、ニッケロセニル−n−オクチル基、ニッケロセニル−2−エチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,5−ジメチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,5,5−トリメチルペンチル基、ニッケロセニル−2,4−ジメチルヘキシル基、ニッケロセニル−2,2,4−トリメチルペンチル基、ニッケロセニル−3,5,5−トリメチルヘキシル基、ニッケロセニル−n−ノニル基、ニッケロセニル−n−デシル基、
【0086】
ジクロロチタノセニルメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメチル基、ビス(トリフルオメタンスルホナト)チタノセンメチル基、ジクロロジルコノセニルメチル基、ジメチルジルコノセニルメチル基、ジエトキシジルコノセニルメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロモリブデンメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメチル基等のメタロセニル基で置換された炭素数11〜20のアルキル基;
【0087】
フェロセニルメトキシメチル基、フェロセニルメトキシエチル基、フェロセニルメトキシプロピル基、フェロセニルメトキシブチル基、フェロセニルメトキシペンチル基、フェロセニルメトキシヘキシル基、フェロセニルメトキシヘプチル基、フェロセニルメトキシオクチル基、フェロセニルメトキシノニル基、フェロセニルメトキシデシル基、フェロセニルエトキシメチル基、フェロセニルエトキシエチル基、フェロセニルエトキシプロピル基、フェロセニルエトキシブチル基、フェロセニルエトキシペンチル基、フェロセニルエトキシヘキシル基、フェロセニルエトキシヘプチル基、フェロセニルエトキシオクチル基、フェロセニルエトキシノニル基、フェロセニルエトキシデシル基、フェロセニルプロピルオキシメチル基、フェロセニルプロピルオキシエチル基、フェロセニルプロピルオキシプロピル基、フェロセニルプロピルオキシブチル基、フェロセニルプロピルオキシペンチル基、フェロセニルプロピルオキシヘキシル基、フェロセニルプロピルオキシヘプチル基、フェロセニルプロピルオキシオクチル基、フェロセニルプロピルオキシノニル基、フェロセニルプロピルオキシデシル基、フェロセニルブチルオキシメチル基、フェロセニルブチルオキシエチル基、フェロセニルブチルオキシプロピル基、フェロセニルブチルオキシブチル基、フェロセニルブチルオキシペンチル基、フェロセニルブチルオキシヘキシル基、フェロセニルブチルオキシヘプチル基、フェロセニルブチルオキシオクチル基、フェロセニルブチルオキシノニル基、フェロセニルブチルオキシデシル基、フェロセニルデシルオキシメチル基、フェロセニルデシルオキシエチル基、フェロセニルデシルオキシプロピル基、フェロセニルデシルオキシブチル基、フェロセニルデシルオキシペンチル基、フェロセニルデシルオキシヘキシル基、フェロセニルデシルオキシヘプチル基、フェロセニルデシルオキシオクチル基、フェロセニルデシルオキシノニル基、フェロセニルデシルオキシデシル基、
【0088】
コバルトセニルメトキシメチル基、コバルトセニルメトキシエチル基、コバルトセニルメトキシプロピル基、コバルトセニルメトキシブチル基、コバルトセニルメトキシペンチル基、コバルトセニルメトキシヘキシル基、コバルトセニルメトキシヘプチル基、コバルトセニルメトキシオクチル基、コバルトセニルメトキシノニル基、コバルトセニルメトキシデシル基、コバルトセニルエトキシメチル基、コバルトセニルエトキシエチル基、コバルトセニルエトキシプロピル基、コバルトセニルエトキシブチル基、コバルトセニルエトキシペンチル基、コバルトセニルエトキシヘキシル基、コバルトセニルエトキシヘプチル基、コバルトセニルエトキシオクチル基、コバルトセニルエトキシノニル基、コバルトセニルエトキシデシル基、コバルトセニルプロピルオキシメチル基、コバルトセニルプロピルオキシエチル基、コバルトセニルプロピルオキシプロピル基、コバルトセニルプロピルオキシブチル基、コバルトセニルプロピルオキシペンチル基、コバルトセニルプロピルオキシヘキシル基、コバルトセニルプロピルオキシヘプチル基、コバルトセニルプロピルオキシオクチル基、コバルトセニルプロピルオキシノニル基、コバルトセニルプロピルオキシデシル基、コバルトセニルブチルオキシメチル基、コバルトセニルブチルオキシエチル基、コバルトセニルブチルオキシプロピル基、コバルトセニルブチルオキシブチル基、コバルトセニルブチルオキシペンチル基、コバルトセニルブチルオキシヘキシル基、コバルトセニルブチルオキシヘプチル基、コバルトセニルブチルオキシオクチル基、コバルトセニルブチルオキシノニル基、コバルトセニルブチルオキシデシル基、コバルトセニルデシルオキシメチル基、コバルトセニルデシルオキシエチル基、コバルトセニルデシルオキシプロピル基、コバルトセニルデシルオキシブチル基、コバルトセニルデシルオキシペンチル基、コバルトセニルデシルオキシヘキシル基、コバルトセニルデシルオキシヘプチル基、コバルトセニルデシルオキシオクチル基、コバルトセニルデシルオキシノニル基、コバルトセニルデシルオキシデシル基、
【0089】
ニッケロセニルメトキシメチル基、ニッケロセニルメトキシエチル基、ニッケロセニルメトキシプロピル基、ニッケロセニルメトキシブチル基、ニッケロセニルメトキシペンチル基、ニッケロセニルメトキシヘキシル基、ニッケロセニルメトキシヘプチル基、ニッケロセニルメトキシオクチル基、ニッケロセニルメトキシノニル基、ニッケロセニルメトキシデシル基、ニッケロセニルエトキシメチル基、ニッケロセニルエトキシエチル基、ニッケロセニルエトキシプロピル基、ニッケロセニルエトキシブチル基、ニッケロセニルエトキシペンチル基、ニッケロセニルエトキシヘキシル基、ニッケロセニルエトキシヘプチル基、ニッケロセニルエトキシオクチル基、ニッケロセニルエトキシノニル基、ニッケロセニルエトキシデシル基、ニッケロセニルプロピルオキシメチル基、ニッケロセニルプロピルオキシエチル基、ニッケロセニルプロピルオキシプロピル基、ニッケロセニルプロピルオキシブチル基、ニッケロセニルプロピルオキシペンチル基、ニッケロセニルプロピルオキシヘキシル基、ニッケロセニルプロピルオキシヘプチル基、ニッケロセニルプロピルオキシオクチル基、ニッケロセニルプロピルオキシノニル基、ニッケロセニルプロピルオキシデシル基、ニッケロセニルブチルオキシメチル基、ニッケロセニルブチルオキシエチル基、ニッケロセニルブチルオキシプロピル基、ニッケロセニルブチルオキシブチル基、ニッケロセニルブチルオキシペンチル基、ニッケロセニルブチルオキシヘキシル基、ニッケロセニルブチルオキシヘプチル基、ニッケロセニルブチルオキシオクチル基、ニッケロセニルブチルオキシノニル基、ニッケロセニルブチルオキシデシル基、ニッケロセニルデシルオキシメチル基、ニッケロセニルデシルオキシエチル基、ニッケロセニルデシルオキシプロピル基、ニッケロセニルデシルオキシブチル基、ニッケロセニルデシルオキシペンチル基、ニッケロセニルデシルオキシヘキシル基、ニッケロセニルデシルオキシヘプチル基、ニッケロセニルデシルオキシオクチル基、ニッケロセニルデシルオキシノニル基、ニッケロセニルデシルオキシデシル基、
【0090】
ジクロロチタノセニルメトキシメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメトキシエチル基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセンメトキシプロピル基、ジクロロジルコノセニルメトキシブチル基、ジメチルジルコノセニルメトキシペンチル基、ジエトキシジルコノセニルメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメトキシヘキシル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメトキシオクチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメトキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメトキシエチル基、オスモセニルメトキシエチル基等のメタロセニルアルキルオキシ基で置換された炭素数12〜30のアルキル基;
【0091】
フェロセンカルボニルオキシメチル基、フェロセンカルボニルオキシエチル基、フェロセンカルボニルオキシプロピル基、フェロセンカルボニルオキシブチル基、フェロセンカルボニルオキシペンチル基、フェロセンカルボニルオキシヘキシル基、フェロセンカルボニルオキシヘプチル基、フェロセンカルボニルオキシオクチル基、フェロセンカルボニルオキシノニル基、フェロセンカルボニルオキシデシル基、
【0092】
コバルトセンカルボニルオキシメチル基、コバルトセンカルボニルオキシエチル基、コバルトセンカルボニルオキシプロピル基、コバルトセンカルボニルオキシブチル基、コバルトセンカルボニルオキシペンチル基、コバルトセンカルボニルオキシヘキシル基、コバルトセンカルボニルオキシヘプチル基、コバルトセンカルボニルオキシオクチル基、コバルトセンカルボニルオキシノニル基、コバルトセンカルボニルオキシデシル基、
【0093】
ニッケロセンカルボニルオキシメチル基、ニッケロセンカルボニルオキシエチル基、ニッケロセンカルボニルオキシプロピル基、ニッケロセンカルボニルオキシブチル基、ニッケロセンカルボニルオキシペンチル基、ニッケロセンカルボニルオキシヘキシル基、ニッケロセンカルボニルオキシヘプチル基、ニッケロセンカルボニルオキシオクチル基、ニッケロセンカルボニルオキシノニル基、ニッケロセンカルボニルオキシデシル基、
【0094】
ジクロロチタノセニルカルボニルオキシメチル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルカルボニルオキシエチル基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセンカルボニルオキシメトキシプロピル基、ジクロロジルコノセンカルボニルオキシブチル基、ジメチルジルコノセンカルボニルオキシペンチル基、ジエトキシジルコノセンカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムカルボニルオキシヘキシル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブカルボニルオキシオクチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムカルボニルオキシメチル基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムカルボニルオキシエチル基、ビス(シクロペンタジエニル)オスミウムカルボニルオキシエチル基等のメタロセニルカルボニルオキシ基で置換された炭素数12〜30のアルキル基;
等が挙げられる。
【0095】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキル基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキル基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキル基であり、好ましくは、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フルフリル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−n−ヘキシルベンジル基、4−n−ノニルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−n−ブチルオキシベンジル基、4−n−ヘキシルオキシベンジル基、4−n−ノニルオキシベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基等の置換又は無置換のアラルキル基等が挙げられる。
【0096】
X1及びX2の置換又は無置換のアリール基とは、無置換の炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基、あるいは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有する炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有する炭素環式芳香族基、複素環式芳香族基、メタロセニル基であり、好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、5−インダニル基、
【0097】
4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロピルオキシフェニル基、3−n−プロピルオキシフェニル基、4−イソプロピルオキシフェニル基、2−イソプロピルオキシフェニル基、4−n−ブチルオキシフェニル基、4−イソブチルオキシフェニル基、2−sec−ブチルオキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−(2’−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブチルオキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブチルオキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブチルオキシ−2−ナフチル基、
【0098】
4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−エチルフェニル)フェニル基、4−(4’−イソプロピルフェニル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ヘキシルフェニル)フェニル基、4−(4’−n−オクチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブチルオキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、9,9−ジフェニル−2−フルオレニル基、9−メチル−9−フェニル−2−フルオレニル基、9−エチル−9−フェニル−2−フルオレニル基、
【0099】
4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジクロロ−1−ナフチル基、1,6−ジクロロ−2−ナフチル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基等の置換又は無置換の炭素環式芳香族基;
【0100】
4−キノリル基、3−キノリル基、4−メチル−2−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、4−メチル−2−ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、6−メチル−2−ピリジル基、6−フルオロ−3−ピリジル基、6−メトキシ−3−ピリジル基、6−メトキシ−2−ピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基,4−メチル−3−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、3−メチル−2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基等の置換又は無置換の複素環式芳香族基;
【0101】
フェロセニル基、コバルトセニル基、ニッケロセニル基、ジクロロチタノセニル基、トリクロロチタンシクロペンタジエニル基、ビス(トリフルオメタンスルホナト)チタノセニル基、ジクロロジルコノセニル基、ジメチルジルコノセニル基、ジエトキシジルコノセニル基、ビス(シクロペンタジエニル)クロム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロモリブデン基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブ基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウム基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウム基、オクタメチルフェロセニル基、オクタメチルコバルトセニル基、オクタメチルニッケロセニル基等の置換又は無置換のメタロセニル基;
等が挙げられる。
【0102】
X1及びX2の置換又は無置換のアルコキシ基とは、前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有しても良いアルコキシ基であり、具体例としては、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,1,2−トリメチルプロピルオキシ基、1,2,2−トリメチルプロピルオキシ基、1−エチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、1−エチル−2−メチルプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、n−へプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルペンチルオキシ基、1,3−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3,4−ジメチルペンチルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルブチルオキシ基、1,1,3−トリメチルブチルオキシ基、1,2,3−トリメチルブチルオキシ基、1,2,2−トリメチルブチルオキシ基、1,3,3−トリメチルブチルオキシ基、2,3,3−トリメチルブチルオキシ基、1−エチル−1−メチルブチルオキシ基、1−エチル−2−メチルブチルオキシ基、1−エチル−3−メチルブチルオキシ基、2−エチル−1−メチルブチルオキシ基、2−エチル−3−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピルブチルオキシ基、1−イソプロピルブチルオキシ基、1−イソプロピル−2−メチルプロピルオキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、3−メチルヘプチルオキシ基、4−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,2−ジメチルヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルヘキシルオキシ基、2,3−ジメチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘキシルオキシ基、2,5−ジメチルヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルヘキシルオキシ基、3,4−ジメチルヘキシルオキシ基、3,5−ジメチルヘキシルオキシ基、4,4−ジメチルヘキシルオキシ基、4,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルヘキシルオキシ基、4−エチルヘキシルオキシ基、1−n−プロピルペンチルオキシ基、2−n−プロピルペンチルオキシ基、1−イソプロピルペンチルオキシ基、2−イソプロピルペンチルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、3,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、3,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−n−ブチルブチルオキシ基、1−イソブチルブチルオキシ基、1−sec−ブチルブチルオキシ基、1−tert−ブチルブチルオキシ基、2−tert−ブチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−1−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−2−メチルブチルオキシ基、1−n−プロピル−3−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−1−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−2−メチルブチルオキシ基、1−イソプロピル−3−メチルブチルオキシ基、1,1−ジエチルブチルオキシ基、1,2−ジエチルブチルオキシ基、1−エチル−1,2−ジメチルブチルオキシ基、1−エチル−1,3−ジメチルブチルオキシ基、1−エチル−2,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,1−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,2−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−1,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチル−2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ基、1,2−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状の無置換アルコキシ基;
【0103】
メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロピルオキシエトキシ基、イソプロピルオキシエトキシ基、nーブチルオキシエトキシ基、イソブチルオキシエトキシ基、tert−ブチルオキシエトキシ基、sec−ブチルオキシエトキシ基、nーペンチルオキシエトキシ基、イソペンチルオキシエトキシ基、tert−ペンチルオキシエトキシ基、sec−ペンチルオキシエトキシ基、シクロペンチルオキシエトキシ基、n−ヘキシルオキシエトキシ基、エチルシクロヘキシルオキシエトキシ基、n−ノニルオキシエトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)ブチルオキシ基、n−デシルオキシエトキシ基、n−ウンデシルオキシエトキシ基、n−ドデシルオキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−エトキシプロピルオキシ基、3−(n−プロピルオキシ)プロピルオキシ基、2−イソプロピルオキシプロピルオキシ基、2−メトキシブチルオキシ基、2−エトキシブチルオキシ基、2−(n−プロピルオキシ)ブチルオキシ基、4−イソプロピルオキシブチルオキシ基、デカリルオキシエトキシ基、アダマンチルオキシエトキシ基等の、アルコキシ基で置換された炭素数2〜15のアルコキシ基;
【0104】
メトキシメトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、プロピルオキシメトキシメトキシ基、ブチルオキシメトキシメトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、プロピルオキシエトキシメトキシ基、ブチルオキシエトキシメトキシ基、メトキシプロピルオキシメトキシ基、エトキシプロピルオキシメトキシ基、プロピルオキシプロピルオキシメトキシ基、ブチルオキシプロピルオキシメトキシ基、メトキシブチルオキシメトキシ基、エトキシブチルオキシメトキシ基、プロピルオキシブチルオキシメトキシ基、ブチルオキシブチルオキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、プロピルオキシメトキシエトキシ基、ブチルオキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキシ基、メトキシプロピルオキシエトキシ基、エトキシプロピルオキシエトキシ基、プロピルオキシプロピルオキシエトキシ基、ブチルオキシプロピルオキシエトキシ基、メトキシブチルオキシエトキシ基、エトキシブチルオキシエトキシ基、プロピルオキシブチルオキシエトキシ基、ブチルオキシブチルオキシエトキシ基、メトキシメトキシプロピルオキシ基、エトキシメトキシプロピルオキシ基、プロピルオキシメトキシプロピルオキシ基、ブチルオキシメトキシプロピルオキシ基、メトキシエトキシプロピルオキシ基、エトキシエトキシプロピルオキシ基、プロピルオキシエトキシプロピルオキシ基、ブチルオキシエトキシプロピルオキシ基、メトキシプロピルオキシプロピルオキシ基、エトキシプロピルオキシプロピルオキシ基、プロピルオキシプロピルオキシプロピルオキシ基、ブチルオキシプロピルオキシプロピルオキシ基、メトキシブチルオキシプロピルオキシ基、エトキシブチルオキシプロピルオキシ基、プロピルオキシブチルオキシプロピルオキシ基、ブチルオキシブチルオキシプロピルオキシ基、メトキシメトキシブチルオキシ基、エトキシメトキシブチルオキシ基、プロピルオキシメトキシブチルオキシ基、ブチルオキシメトキシブチルオキシ基、メトキシエトキシブチルオキシ基、エトキシエトキシブチルオキシ基、プロピルオキシシエトキシブチルオキシ基、ブチルオキシエトキシブチルオキシ基、メトキシプロピルオキシブチルオキシ基、エトキシプロピルオキシブチルオキシ基、プロピルオキシプロピルオキシブチルオキシ基、ブチルオキシプロピルオキシブチルオキシ基、メトキシブチルオキシブチルオキシ基、エトキシブチルオキシブチルオキシ基、プロピルオキシブチルオキシブチルオキシ基、ブチルオキシブチルオキシブチルオキシ基、(4−エチルシクロへキシルオキシ)エトキシエトキシ基、(2−エチル−1−へキシルオキシ)エトキシプロピルオキシ基、〔4−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)ブチルオキシ〕エトキシ基等の、アルコキシアルコキシ基で置換された直鎖、分岐又は環状の炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0105】
メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、n−プロピルオキシカルボニルメトキシ基、イソプロピルオキシカルボニルメトキシ基、(4’−エチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニル基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0106】
アセチルメトキシ基、エチルカルボニルメトキシ基、n−オクチルカルボニルメトキシ基、フェナシルオキシ基等のアシル基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0107】
アセチルオキシメトキシ基、アセチルオキシエトキシ基、アセチルオキシヘキシルオキシ基、n−ブタノイルオキシシクロヘキシルオキシ基等のアシルオキシ基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0108】
メチルアミノメトキシ基、2−メチルアミノエトキシ基、2−(2−メチルアミノエトキシ)エトキシ基、4−メチルアミノブチルオキシ基、1−メチルアミノプロパン−2−イルオキシ基、3−メチルアミノプロピルオキシ基、2−メチルアミノ−2−メチルプロピルオキシ基、2−エチルアミノエトキシ基、2−(2−エチルアミノエトキシ)エトキシ基、3−エチルアミノプロピルオキシ基、1−エチルアミノプロピルオキシ基、2−イソプロピルアミノエトキシ基、2−(n−ブチルアミノ)エトキシ基、3−(n−ヘキシルアミノ)プロピルオキシ基、4−(シクロヘキシルアミノ)ブチルオキシ基等のアルキルアミノ基で置換された炭素数2〜10のアルコキシ基;
【0109】
メチルアミノメトキシメトキシ基、メチルアミノエトキシエトキシ基、メチルアミノエトキシプロピルオキシ基、エチルアミノエトキシプロピルオキシ基、4−(2’−イソブチルアミノプロピルオキシ)ブチルオキシ基等のアルキルアミノアルコキシ基で置換された炭素数3〜10のアルコキシ基;
【0110】
ジメチルアミノメトキシ基、2−ジメチルアミノエトキシ基、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エトキシ基、4−ジメチルアミノブチルオキシ基、1−ジメチルアミノプロパン−2−イルオキシ基、3−ジメチルアミノプロピルオキシ基、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロピルオキシ基、2−ジエチルアミノエトキシ基、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エトキシ基、3−ジエチルアミノプロピルオキシ基、1−ジエチルアミノプロピルオキシ基、2−ジイソプロピルアミノエトキシ基、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エトキシ基、2−ピペリジルエトキシ基、3−(ジ−n−ヘキシルアミノ)プロピルオキシ基等のジアルキルアミノ基で置換された炭素数3〜15のアルコキシ基;
【0111】
ジメチルアミノメトキシメトキシ基、ジメチルアミノエトキシエトキシ基、ジメチルアミノエトキシプロピルオキシ基、ジエチルアミノエトキシプロピルオキシ基、4−(2’−ジイソブチルアミノプロピルオキシ)ブチルオキシ基等のジアルキルアミノアルコキシ基で置換された炭素数4〜15のアルコキシ基;
【0112】
メチルチオメトキシ基、2−メチルチオエトキシ基、2−エチルチオエトキシ基、2−n−プロピルチオエトキシ基、2−イソプロピルチオエトキシ基、2−n−ブチルチオエトキシ基、2−イソブチルチオエトキシ基、(3,5,5−トリメチルヘキシルチオ)ヘキシルオキシ基等のアルキルチオ基で置換された炭素数2〜15のアルコキシ基;
【0113】
フェロセニルメトキシ基、フェロセニルエトキシ基、フェロセニルプロピルオキシ基、フェロセニルブチルオキシ基、フェロセニルペンチルオキシ基、フェロセニルヘキシルオキシ基、フェロセニルヘプチルオキシ基、フェロセニルオクチルオキシ基、フェロセニルノニルオキシ基、フェロセニルデシルオキシ基、
【0114】
コバルトセニルメトキシ基、コバルトセニルエトキシ基、コバルトセニルプロピルオキシ基、コバルトセニルブチルオキシ基、コバルトセニルペンチルオキシ基、コバルトセニルヘキシルオキシ基、コバルトセニルヘプチルオキシ基、コバルトセニルオクチルオキシ基、コバルトセニルノニルオキシ基、コバルトセニルデシルオキシ基、
【0115】
ニッケロセニルメトキシ基、ニッケロセニルエトキシ基、ニッケロセニルプロピルオキシ基、ニッケロセニルブチルオキシ基、ニッケロセニルペンチルオキシ基、ニッケロセニルヘキシルオキシ基、ニッケロセニルヘプチルオキシ基、ニッケロセニルオクチルオキシ基、ニッケロセニルノニルオキシ基、ニッケロセニルデシルオキシ基、
【0116】
ジクロロチタノセニルメトキシ基、トリクロロチタンシクロペンタジエニルメトキシ基、ビス(トリフルオロメタンスルホナト)チタノセニルメトキシ基、ジクロロジルコノセニルメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)クロムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロハフニウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロニオブメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロバナジウムメトキシ基、ビス(シクロペンタジエニル)オスミウムメトキシ基等のメタロセニル基で置換された炭素数11〜20のアルコキシ基;
【0117】
等が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、デカリルオキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、フェロセニルメトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
【0118】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキルオキシ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルオキシ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルオキシ基であり、好ましくは、ベンジルオキシ基、4−ニトロベンジルオキシ基、4−シアノベンジルオキシ基、4−ヒドロキシベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、4−シアノ−1−ナフチルメトキシ基、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメトキシ基、6−ヒドロキシ−2−ナフチルメトキシ基、4−メチル−1−ナフチルメトキシ基、6−メチル−2−ナフチルメトキシ基、4−トリフルオロメチル−1−ナフチルメトキシ基、フルオレン−9−イルエトキシ基等の炭素数7〜15のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0119】
X1及びX2の置換又は無置換のアリールオキシ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールオキシ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールオキシ基であり、好ましくは、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、フェロセニルオキシ基、コバルトセニルオキシ基、ニッケロセニルオキシ基、オクタメチルフェロセニルオキシ基、オクタメチルコバルトセニルオキシ基、オクタメチルニッケロセニルオキシ基等の炭素数6〜18のアリールオキシ基等が挙げられる。
【0120】
X1及びX2の置換又は無置換のアルキルチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアルキルチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアルキルチオ基であり、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、メチルカルボキシルエチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、デカリルチオ基等の炭素数1〜10のアルキルチオ基等が挙げられる。
【0121】
X1及びX2の置換又は無置換のアラルキルチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルチオ基であり、好ましくは、ベンジルチオ基、4−シアノベンジルチオ基、4−ヒドロキシベンジルチオ基、2−メチルベンジルチオ基、3−メチルベンジルチオ基、4−メチルベンジルチオ基、4−トリフルオロメチルベンジルチオ基、1−ナフチルメチルチオ基、4−ニトロ−1−ナフチルメチルチオ基、4−シアノ−1−ナフチルメチルチオ基、4−ヒドロキシ−1−ナフチルメチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルメチルチオ基、4−トリフルオロメチル−1−ナフチルメチルチオ基、フルオレン−9−イルエチルチオ基等の炭素数7〜12のアラルキルチオ基等が挙げられる。
【0122】
X1及びX2の置換又は無置換のアリールチオ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールチオ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールチオ基であり、好ましくは、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、フェロセニルチオ基、コバルトセニルチオ基、ニッケロセニルチオ基、オクタメチルフェロセニルチオ基、オクタメチルコバルトセニルチオ基、オクタメチルニッケロセニルチオ基等の炭素数6〜10のアリールチオ基等が挙げられる。
【0123】
X1及びX2の置換又は無置換のアミノ基とは、前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアルキルアミノ基であり、好ましくは、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、3,5,5−トリメチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基等の炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基やジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジ(アセチルオキシエチル)アミノ基、ジ(プロピオニルオキシエチル)アミノ基等の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基;
【0124】
前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアラルキルアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアラルキルアミノ基であり、好ましくは、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、3−フェニルプロピルアミノ基、4−エチルベンジルアミノ基、4−イソプロピルベンジルアミノ基等の炭素数7〜10のモノアラルキルアミノ基や、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(4−エチルベンジル)アミノ基、ビス(4−イソプロピルベンジル)アミノ基等の炭素数14〜20のジアラルキルアミノ基;
【0125】
前記に挙げたアルキル基を置換基として有してもよいアリールアミノ基、又は前記に挙げたアルキル基が有する置換基と同様な置換基を有してもよいアリールアミノ基であり、好ましくは、フェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、2−メチルフェニルアミノ基、3−メチルフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、2,4−ジメチルフェニルアミノ基、2,6−ジメチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、4−イソプロピルフェニルアミノ基、4−メトキシフェニルアミノ基、4−クロロフェニルアミノ基、4−アセチルフェニルアミノ基、4−メトキシカルボニルフェニルアミノ基、4−エトキシカルボニルフェニルアミノ基、4−プロピルオキシカルボニルフェニルアミノ基等、炭素数6〜10のモノアリールアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ブチルオキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(1−ナフチル)アミノ基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(3−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−n−オクチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−エトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フルオロフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基等の炭素数12〜20のジアリールアミノ基;
等が挙げられる。
【0126】
一般式(1)で表される化合物において、A1及びA2はそれぞれ独立に、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表す。
【0127】
A1、A2、F1、F2及びF3が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基が挙げられる。
【0128】
A1、A2、F1、F2及びF3が置換基を有する場合の置換基の具体例としては、X1及びX2の具体例として挙げたハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を挙げることができる。
【0129】
A1及びA2は、置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表す。縮合多環式芳香族環とは、少なくとも二つの芳香族環が縮合した構造を有する炭素環式芳香族環であり、好ましくは、2〜6個の芳香族環が縮合した炭素環式芳香族環であり、より好ましくは、2〜4個の芳香族環が縮合した炭素環式芳香族環である。
【0130】
A1及びA2の具体例としては、例えば、置換または無置換のナフタレンジイル基、置換または無置換のアセナフチレンジイル基、置換または無置換のアントラセンジイル基、置換または無置換のフェナントレンジイル基、置換または無置換のフルオランテンジイル基、置換または無置換のアセフェナントリレンジイル基、置換または無置換のトリフェニレンジイル基、置換または無置換のピレンジイル基、置換または無置換のクリセンジイル基、置換または無置換のナフタセンジイル基、置換または無置換のペリレンジイル基、置換または無置換のベンゾ[a]アントラセンジイル基、置換または無置換のペンタフェンジイル基、置換または無置換のペンタセンジイル基、であり、好ましくは、置換または無置換のナフタレンジイル基、置換または無置換のアントラセンジイル基、置換または無置換のフェナントレンジイル基、置換または無置換のフルオランテンジイル基、置換または無置換のピレンジイル基、置換または無置換のクリセンジイル基、置換または無置換のペリレンジイル基であり、より好ましくは、置換または無置換のナフタレン−1,3−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,4−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,5−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,6−ジイル基、置換または無置換のナフタレン−1,7−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−1,4−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−1,5−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−2,6−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−2,7−ジイル基、置換または未置換のアントラセン−9,10−ジイル基、置換または無置換のフェナントレン−2,10−ジイル基、置換または無置換のフェナントレン−9,10−ジイル基、置換または無置換のフルオランテン−3,8−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,5−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,6−ジイル基、置換または無置換のピレン−1,8−ジイル基、置換または無置換のクリセン−6,12−ジイル基、置換または無置換のペリレン−1,7−ジイル基である。
【0131】
F1、F2及びF3はそれぞれ独立に、置換又は無置換のフルオレンジイル基を表し、好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−1,3−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、より好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−1,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,6−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、さらに好ましくは、、置換又は無置換のフルオレン−1,8−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基、置換又は無置換のフルオレン−3,6−ジイル基であり、特に好ましくは、置換又は無置換のフルオレン−2,7−ジイル基である。
【0132】
一般式(1)で表される化合物において、j、m及びnは0又は1を表し、k及びlは1又は2を表す。好ましくは、▲1▼kが1である、▲2▼j及びnが0であり、lが1であり、k+mが2である、▲3▼j+l+nが2であり、kが1であり、mが0である、及び▲4▼j、m及びnが0であり、k及びlが1である場合を挙げることができる。
【0133】
一般式(1)で表される化合物は、j、k、l、m及びnの値により以下の構造に大別することができる。
【0134】
【化18】
〔式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1及びX2は一般式(1)の場合と同じ意味を表す。〕
【0135】
これらの構造のうち、好ましくは、(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(1f)、(1g)、(1i)、(1l)、(1m)、(1n)、(1r)、(1v)及び(1y)で表される構造であり、より好ましくは、(1a)、(1b)、(1c)、(1f)、(1g)、(1i)、(1m)、及び(1v)で表される構造であり、さらに好ましくは、(1a)、(1b)及び(1c)で表される構造である。
【0136】
さらに、一般式(1)で表される化合物の好ましい形態としては、下記一般式(2)、下記一般式(3)及び下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0137】
【化19】
【0138】
(式中、A3及びA4はそれぞれ独立に、置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X21〜X26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R21、R22及びX21〜X26は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0139】
【化20】
【0140】
(式中、A1は置換又は無置換の二価の縮合多環式芳香族環基を表し、R31〜R34はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X301〜X314はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R31〜R34及びX301〜X314は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0141】
【化21】
【0142】
(式中、A5は置換又は無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表し、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表し、X41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、R41、R42及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。)
【0143】
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物において、R21、R22、R31〜R34、R41及びR42はそれぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を表す。但し、R21、R22、R31〜R34、R41及びR42は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。
【0144】
R21、R22、R31〜R34、R41及びR42は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜15の無置換のアルキル基、炭素数6〜25の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数3〜25の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数5〜16の置換又は無置換のアラルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数6〜12の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数4〜12の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数7〜12の置換又は無置換のアラルキル基であり、
【0145】
さらに好ましくは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数6〜10の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数4〜10の置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは炭素数7〜10の置換又は無置換のアラルキル基である。
【0146】
R21、R22、R31〜R34、R41及びR42の具体例としては、水素原子、又はX1及びX2の具体例として挙げた置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換の炭素環式芳香族基、置換又は無置換の複素環式芳香族基、あるいは置換又は無置換のアラルキル基を挙げることができる。
【0147】
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表される化合物において、X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を表す。但し、X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47は縮合多環式芳香族環基及びフルオレニル基ではない。
【0148】
X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜15の置換又は無置換のアルキル基、炭素数1〜16の置換又は無置換のアルコキシ基、炭素数6〜25の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、炭素数3〜25の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜20の置換又は無置換のメタロセニル基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、あるいは炭素数4〜12の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜16の置換又は無置換のメタロセニル基であり、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換又は無置換の炭素環式芳香族基、あるいは炭素数4〜10の置換又は無置換の複素環式芳香族基、炭素数10〜14の置換又は無置換のメタロセニル基である。
【0149】
X21〜X26、X301〜X314及びX41〜X47の具体例としては、水素原子、又はX1及びX2の具体例として挙げたハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアラルキルオキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアラルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基、あるいは置換又は無置換のアミノ基を挙げることができる。
【0150】
式(2)におけるA3及び式(4)におけるA5は、それぞれ独立に、置換または無置換の一価の縮合多環式芳香族環基を表す。
【0151】
A3及びA5の具体例としては、例えば、置換又は無置換のナフチル基、置換又は無置換のアセナフチレニル基、置換又は無置換のアントリル基、置換又は無置換のフェナントリル基、置換又は無置換のフルオランテニル基、置換又は無置換のアセフェナントリレニル基、置換又は無置換のトリフェニレニル基、置換又は無置換のピレニル基、置換又は無置換のクリセニル基、置換又は無置換のナフタセニル基、置換又は無置換のペリレニル基、置換又は無置換のベンゾ[a]アントラセニル基、置換又は無置換のペンタフェニル基、置換又は無置換のペンタセニル基であり、好ましくは、置換又は無置換のナフチル基、置換又は無置換のアントリル基、置換又は無置換のフェナントリル基、置換又は無置換のフルオランテニル基、置換又は無置換のピレニル基、置換又は無置換のクリセニル基、置換又は無置換のペリレニル基であり、より好ましくは、置換又は無置換の1−ナフチル基、置換又は無置換の2−ナフチル基、置換又は無置換の1−アントリル基、置換又は無置換の2−アントリル基、置換又は無置換の9−アントリル基、置換又は無置換の2−フェナントリル基、置換又は無置換の9−フェナントリル基、置換又は無置換の3−フルオランテニル基、置換又は無置換の8−フルオランテニル基、置換又は無置換の1−ピレニル基、置換又は無置換の5−ピレニル基、置換又は無置換の9−ピレニル基、置換又は無置換の6−クリセニル基、置換又は無置換の1−ペリレニル基である。
一般式(3)におけるA1は一般式(1)におけるA1と同じ意味を表す。
【0152】
本発明の光記録媒体に用いられる本発明に係る化合物Aの具体例としては、例えば、以下のA−1〜A−45、B−1〜B−35、C−1〜C−30、D−1〜D−30およびE−1〜E−30の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
【表8】
【0161】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】
【表12】
【0165】
【表13】
【0166】
【表14】
【0167】
【表15】
【0168】
【表16】
【0169】
【表17】
【0170】
【表18】
【0171】
【表19】
【0172】
【表20】
【0173】
【表21】
【0174】
【表22】
【0175】
【表23】
【0176】
【表24】
【0177】
【表25】
【0178】
【表26】
【0179】
【表27】
【0180】
【表28】
【0181】
【表29】
【0182】
【表30】
【0183】
【表31】
【0184】
【表32】
【0185】
【表33】
【0186】
【表34】
【0187】
本発明の光記録媒体に用いられる本発明に係る化合物Aは、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、例えば、縮合多環式芳香族化合物のハロゲン化物を、フルオレニルホウ酸誘導体と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0188】
また、例えば、縮合多環式芳香族化合物のホウ酸誘導体を、ハロゲノフルオレン誘導体と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0189】
本発明の光記録媒体に用いられる一般式(1)で表わされる化合物は、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、例えば、下記一般式(5)で表されるホウ酸化合物を、下記一般式(6)で表される化合物と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0190】
【化22】
〔上式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1、X2、j、k、l、m及びnは、一般式(1)の場合と同じ意味を表し、Y1はハロゲン原子を表す〕
【0191】
一般式(6)において、Y1はハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0192】
また、一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(7)で表される化合物を、下記一般式(8)で表されるホウ酸化合物と、例えば、パラジウム化合物〔例えば、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド〕及び塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン)の存在下で反応させる〔例えば、Chem. Rev., 95, 2457(1995)に記載の方法を参考にすることができる〕ことにより製造することができる。
【0193】
【化23】
〔上式中、A1、A2、F1、F2、F3、X1、X2、j、k、l、m及びnは、一般式(1)の場合と同じ意味を表し、Y2はハロゲン原子を表す〕
【0194】
一般式(7)において、Y2はハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
【0195】
尚、一般式(5)及び一般式(8)で表される化合物は、例えば、それぞれ一般式(7)及び一般式(6)で表される化合物に、例えば、n−ブチルリチウム、金属マグネシウムを作用させて調製できるリチオ化合物又はグリニヤール試薬と、例えば、トリメトキシホウ素、トリイソプロピルオキシホウ素等を反応させることにより製造することができる。
【0196】
本発明の光記録媒体においては基板上に記録層を設けるが、該記録層は、本発明に係る化合物Aを少なくとも1種含有するものである。本発明の光記憶媒体は、波長300nm〜500nmから選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して記録・再生が可能であり、中でも、波長390nm〜430nm、更には波長400nm〜410nmの範囲から選択される記録レーザー波長及び再生レーザー波長に対して良好なC/N比を得ることができ、また、再生光安定性も良く、高品位な信号特性が得られるものである。
【0197】
本発明の光記録媒体を構成している記録層の色素は、実質的に1種又はそれ以上の本発明に係る化合物Aからなるものであるが、波長290nm〜690nmに吸収極大を持ち、300nm〜700nmでの屈折率が大きい前記以外の化合物と混合しても良い。具体的には、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、テトラピラポルフィラジン系化合物、インドフェノール系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、アズレニウム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、インダスレン系化合物、インジゴ系化合物、チオインジゴ系化合物、メロシアニン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、ジピロメテン系化合物、オキサゾール系化合物、アザポルフィリン系化合物、ポルフィリン系化合物等があり、複数の化合物の混合であっても良い。これらの化合物の混合割合は、0.1質量%〜30質量%程度である。
【0198】
記録層を成膜する際に、必要に応じて本発明に係る化合物Aに、クエンチャー、化合物熱分解促進剤、紫外線吸収剤、接着剤、吸熱性又は吸熱分解性化合物、あるいは溶解性を向上させる高分子等の添加剤を混合するか、あるいは、そのような効果を有する化合物を本発明に係る化合物Aの置換基として導入することも可能である。
【0199】
クエンチャーの具体例としては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系等のビスジチオール系、チオカテコナール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯体が好ましい。また、アミン系も好適である。
【0200】
化合物熱分解促進剤としては、熱減量分析(TG分析)等により、化合物の熱分解の促進が確認できるのもであれば特に限定されず、例えば、金属系アンチノッキング剤、メタロセン化合物、アセチルアセトナート系金属錯体等の金属化合物が挙げられる。
【0201】
吸熱性又は吸熱分解性化合物としては、特開平10−291366号公報記載の化合物、又は、該公報に記載される置換基を有する化合物等が挙げられる。
【0202】
上述した各種のクエンチャー、化合物熱分解促進剤及び吸熱性又は吸熱分解性化合物は、必要に応じて、1種類で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0203】
さらに、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等の添加物質を加えても良い。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0204】
記録層を基板の上に成膜する際に、基板の耐溶剤性や反射率、記録感度等を向上させるために、基板の上に無機物やポリマーからなる層を設けても良い。
【0205】
ここで、記録層における本発明に係る化合物Aの含有量は、記録・再生が可能な任意の量を選択することができるが、通常、30%以上、好ましくは60%以上である。尚、実質的に100%であることも好ましい。
【0206】
記録層を設ける方法は、例えば、スピンコート法、スプレー法、キャスト法、スライド法、カーテン法、エクストルージョン法、ワイヤー法、グラビア法、スプレッド法、ローラーコート法、ナイフ法、浸漬法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法が挙げられるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0207】
スピンコート法等の塗布法を用いる場合には、本発明に係る化合物Aを1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%となるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用いるが、この際、溶媒は基板にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。塗布法に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、あるいは、複数混合しても良い。
【0208】
なお、必要に応じて、記録層の化合物を高分子薄膜等に分散して用いたりすることもできる。
【0209】
また、基板にダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が有効である。
【0210】
記録層の膜厚は、10nm〜1000nmであるが、好ましくは20nm〜300nmである。記録層の膜厚を10nmより薄くすると、熱拡散が大きいため記録できないか、記録信号に歪が発生する上、信号振幅が小さくなる場合がある。また、膜厚が1000nmより厚い場合は反射率が低下し、再生信号特性が悪化する場合がある。
【0211】
次に記録層の上に、好ましくは50nm〜300nmの厚さの反射層を形成する。反射率を高めるためや密着性をよくするために、記録層と反射層の間に反射増幅層や接着層を設けることができる。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Ag、Alは反射率が高く反射層の材料として適している。青色レーザーでの記録・再生を行う場合には、Al又はAgが好適である。これ以外でも下記のものを含んでいても良い。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biの金属及び半金属を挙げることができる。また、Ag又はAlを主成分とするものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適である。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0212】
反射層を形成する方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、再生光安定性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0213】
さらに、反射層の上に形成する保護層の材料としては反射層を外力から保護するものであれば特に限定しない。無機物質としては、SiO2、Si3N4、MgF2、AlN、SnO2、TiO2等が挙げられる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂はそのままもしくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
【0214】
保護層の形成の方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0215】
保護層の膜厚は、一般には0.1μm〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3μm〜30μmであり、より好ましくは、5μm〜20μmである。
【0216】
保護層の上にさらにレーベル、バーコード等の印刷を行うこともできる。
【0217】
また、反射層面に保護シート又は基板を貼り合わせる、あるいは反射層面相互を内側とし対向させ、光記録媒体2枚を貼り合わせる等の手段を用いても良い。
【0218】
基板鏡面側に、表面保護やごみ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜しても良い。
【0219】
また、図4のような光記録媒体を作製する場合、基板の上に、好ましくは1nm〜300nmの厚さの反射層を形成する。反射率を高めるためや密着性をよくするために、記録層と反射層の間に反射増幅層や接着層を設けることができる。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Al、Ag、Ni及びPtの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAg、Alは反射率が高く反射層の材料として適している。これ以外でも必要に応じて下記のものを含んでいても良い。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi、Au、Cu、Ti、Cr、Pd、Taの金属及び半金属を挙げることができる。Ag又はAlを主成分とするもので反射率の高い反射層が容易に得られるものが好適である。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0220】
反射層を形成する方法としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0221】
次に、記録層を反射層の上に成膜する際に、反射層の耐溶剤性や反射率、記録感度等を向上させるために、反射層の上に無機物やポリマーからなる層を設けても良い。
【0222】
ここで、記録層における本発明に係る化合物Aの含有量は、記録・再生が可能な任意の量を選択することができるが、通常、30質量%以上、好ましくは60質量%以上である。尚、実質的に100質量%であることも好ましい。
【0223】
記録層を設ける方法は、スピンコート法、スプレー法、キャスト法、スライド法、カーテン法、エクストルージョン法、ワイヤー法、グラビア法、スプレッド法、ローラーコート法、ナイフ法、浸漬法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられるが、スピンコート法が簡便で好ましい。
【0224】
スピンコート法等の塗布法を用いる場合には本発明に係る化合物Aを1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%となるように溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を用いるが、この際、溶媒は反射層にダメージを与えないものを選ぶことが好ましい。塗布法に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、あるいは、複数混合しても良い。
【0225】
なお、必要に応じて、記録層の化合物を高分子薄膜等に分散して用いたりすることもできる。
【0226】
また、反射層にダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法等が有効である。
【0227】
記録層の膜厚は、通常1nm〜1000nmであるが、好ましくは5nm〜300nmである。記録層の膜厚を1nmより薄くすると、記録できないか、記録信号に歪が発生する上、信号振幅が小さくなる場合がある。また、膜厚が1000nmより厚い場合は反射率が低下し、再生信号特性が悪化する場合がある。
【0228】
さらに、記録層の上に形成する保護層の材料としては記録層を外力や雰囲気等、外部からの悪影響保護するものであれば特に限定しない。無機物質としては、SiO2、Si3N4、MgF2、AlN、SnO2、TiO2等が挙げられる。また、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂はそのままもしくは適当な溶媒に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
【0229】
保護層の形成の方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0230】
保護層の膜厚は、一般には0.01μm〜1000μmの範囲であるが、場合により0.1μm〜100μm、さらには、1μm〜20μmとすることができる。
【0231】
また、基板面に保護シート又は反射層を貼り合わせる、あるいは基板面相互を内側とし対向させ、光記録媒体2枚を貼り合わせる等の手段を用いても良い。
【0232】
保護層面側に、表面保護やごみ等の付着防止のために紫外線硬化性樹脂、無機系薄膜等を成膜しても良い。
【0233】
本発明の光記録媒体において、媒体全体を保護する目的で、例えば、フロッピーディスクや光磁気ディスク等に見られるようにディスクを保護するケース型の保護ユニットを設置しても構わない。材質はプラスチックや、アルミニウム等の金属を使用することができる。
【0234】
基材の材質としては、基本的には記録光及び再生光の波長で透明であればよい。支持基板の材質としては、図5に示すように基板11を通じて青紫色レーザーの照射が行われる場合も加味すると、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料等の透明な材料が利用される。一方、図6に示す構成のように、基板11’とは逆の光透過層15’側からレーザー照射が行われる場合、基板の材質としては光学的諸要件を満たす必要はなく、より広範な材料から選択することができる。基板に要求される機械的特性、また基板生産性の観点からは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂等の射出成型或いはキャスト成型可能な材料が好ましい。これらの基板材料は射出成形法等により円盤状に基板に成形してもよい。
【0235】
また、必要に応じて、これらの基板の表層には、サブミクロンオーダーの案内溝及び/又はプレピットが螺旋状又は同心円上に形成されていても良い。これら案内溝及びプレピットは、基板形成時に付与されているのが好ましく、スタンパー原盤を用いての射出成型や、フォトポリマーを用いた熱転写法により付与することができる。尚、図6における光透過層15’に案内溝及び/又はプレピットを形成しても良く、付与する場合も同様の方法を適用できる。案内溝のピッチ及び深さは、DVDよりも高密度記録を行うHD−DVD−Rの場合、ピッチとして0.25〜0.80μm、深さとして20〜150nmの範囲から選択するのが好ましい。
【0236】
通常、光ディスクとして用いる場合は、厚さ1.2mm程度、直径80ないし120mm程度の円盤状であってもよく、中央に直径15mm程度の穴が開いていても構わない。
【0237】
ここで、本発明で言う波長300nm〜500nmのレーザーは、特に制限はないが、可視光領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザーや、窒素レーザー(337nm)等のガスレーザー、波長445nmのヘリウムカドミウムレーザー、波長457nmあるいは波長488nmのアルゴンレーザー等のイオンレーザー、波長400〜410nmのGaN系レーザー、CrドープしたLiSnAlF6を用いた波長860nmの赤外線レーザーの第2高調波430nmを発振するレーザー他、波長415nm、波長425nm等の可視半導体レーザー等の半導体レーザー等があげられる。本発明では、上述のレーザー等を記録又は再生を行う記録層の感応する波長に応じて適宜選択することができる。高密度記録及び再生は各々、上述の該レーザーから選択される1波長又は複数波長において可能となる。
【0238】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
【0239】
製造例1 例示化合物番号A−5の化合物の製造
9,9−ジメチルフルオレン−2−イルほう酸2.38部、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部、炭酸ナトリウム2.12部およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.35部、トルエン100部および水50部からなる混合物を5時間加熱還流した。反応混合物よりトルエンを留去した後、析出している固体を濾過した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)で処理した。トルエンを減圧下留去した後、残渣をトルエンとアセトンの混合溶媒より再結晶し、淡黄色結晶3.35部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−5の化合物であることを確認した。
【0240】
製造例2 例示化合物番号A−6の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、1−ブロモ−4−フェロセニルナフタレン3.91部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.86部を得た。
質量分析測定により例示化合物番号A−6の化合物であることを確認した。
【0241】
製造例3 例示化合物番号A−13の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、9−ブロモ−10−フェニルチオアントラセン3.65部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.41部を得た。
質量分析測定により例示化合物番号A−13の化合物であることを確認した。
【0242】
製造例4 例示化合物番号A−30の化合物の製造
製造例1において、9,9−ジメチルフルオレン−2−イルほう酸2.38部を使用する代わりに、アントラセン−9−イルほう酸2.22部を使用し、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、2−ブロモ−7−フェロセニル−9,9−ジメチルフルオレン4.57部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶4.26部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−30の化合物であることを確認した。
【0243】
製造例5 例示化合物番号A−45の化合物の製造
製造例1において、1−ブロモ−4−フェニルオキシナフタレン2.99部を使用する代わりに、2−ブロモ−6−ベンジルチオナフタレン3.29部を使用した以外は、製造例1に記載した方法に従い、淡黄色結晶3.52部を得た。質量分析測定により例示化合物番号A−45の化合物であることを確認した。
【0244】
実施例1
ポリカーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッチ:0.74μm)を有する外径120mmφ、厚さ0.6mmの円盤状の基板上に、例示化合物番号A−2の化合物を真空蒸着法にて厚さ70nmとなるように成膜し、記録層を形成した。
【0245】
この記録層の上にバルザース社製スパッタ装置(CDI−900)を用いて銀をスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。スパッタガスにはアルゴンガスを用いた。スパッタ条件は、スパッタパワー2.5kW、スパッタガス圧1.33Pa(1.0×10−2Torr)で行った。
【0246】
さらに、反射層の上に紫外線硬化樹脂「SD−1700」(商品名、大日本インキ化学工業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ5μmの保護層を形成した。更に、保護層の上に紫外線硬化樹脂「デフライトKZ−8681」(商品名、JSR株式会社製)をスピンコートした後、前記基板と同様な案内溝のないポリカーボネート樹脂基板をのせ、紫外線照射して基板を貼り合わせ、光記録媒体を作製した。
【0247】
以上のようにして記録層が形成された光記録媒体について、以下のように評価試験を行った。
【0248】
波長403nm、開口数0.65の青色レーザーヘッドを搭載した評価機により記録周波数9.7MHz、記録レーザーパワー8.0mW、線速9.0m/s、最短ピット長0.30μmとして記録を行った。良好な形状のピットが規則正しく形成され、高密度に記録できた。記録後、同評価装置により、再生レーザーパワー0.6mWにて線速9.0m/sで再生を行ったところ、ピットを読み取ることができた。、再生を繰り返し1000回以上行ったが、ピットを読み取ることができ、再生光安定性に優れていた。
【0249】
また、4万ルクスのXe光を当てる耐光性試験を行った。試験後も、ピットを読み取ることができた。
【0250】
更に湿度85%RH、80℃の雰囲気下で放置する耐湿熱性試験を行った。試験後もピットを読み取ることができた。
【0251】
実施例2〜46
実施例1において、記録層の形成に際して、例示化合物番号A−2の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号A−5の化合物(実施例2)、例示化合物番号A−6の化合物(実施例3)、例示化合物番号A−8の化合物(実施例4)、例示化合物番号A−10の化合物(実施例5)、例示化合物番号A−13の化合物(実施例6)、例示化合物番号A−15の化合物(実施例7)、例示化合物番号A−16の化合物(実施例8)、例示化合物番号A−23の化合物(実施例9)、例示化合物番号A−30の化合物(実施例10)、例示化合物番号A−38の化合物(実施例11)、例示化合物番号A−40の化合物(実施例12)、例示化合物番号A−41の化合物(実施例13)、例示化合物番号A−45の化合物(実施例14)、例示化合物番号B−1の化合物(実施例15)、例示化合物番号B−3の化合物(実施例16)、例示化合物番号B−4の化合物(実施例17)、例示化合物番号B−6の化合物(実施例18)、例示化合物番号B−10の化合物(実施例19)、例示化合物番号B−13の化合物(実施例20)、例示化合物番号B−19の化合物(実施例21)、例示化合物番号B−23の化合物(実施例22)、例示化合物番号B−25の化合物(実施例23)、例示化合物番号B−26の化合物(実施例24)、例示化合物番号B−29の化合物(実施例25)、例示化合物番号B−33の化合物(実施例26)、例示化合物番号C−1の化合物(実施例27)、例示化合物番号C−2の化合物(実施例28)、例示化合物番号C−3の化合物(実施例29)、例示化合物番号C−10の化合物(実施例30)、例示化合物番号C−14の化合物(実施例31)、例示化合物番号C−15の化合物(実施例32)、例示化合物番号C−20の化合物(実施例33)、例示化合物番号C−22の化合物(実施例34)、例示化合物番号C−25の化合物(実施例35)、例示化合物番号C−28の化合物(実施例36)、例示化合物番号C−30の化合物(実施例37)、例示化合物番号D−2(実施例38)、例示化合物番号D−3(実施例39)、例示化合物番号D−12(実施例40)、例示化合物番号D−25(実施例41)、例示化合物番号E−1(実施例42)、例示化合物番号E−3(実施例43)、例示化合物番号E−11(実施例44)、例示化合物番号E−22(実施例45)、例示化合物番号E−25(実施例46)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により光記録媒体を作製し、実施例1と同様に記録と再生を行った。良好な形状のピットが形成され、ピットを読み取ることができた。また、再生光安定性に優れていた。
耐光性試験および耐湿熱性試験後もピットを読み取ることができた。
【0252】
比較例1
実施例1において、記録層の形成に際して、例示化合物番号A−2の化合物を使用する代わりに、式(a)
【0253】
【化24】
の化合物を使用した以外は、実施例1に記載の方法により光記録媒体を作製し、実施例1と同様に記録と再生を行った。C/N比が20dB以下と低く再生が困難であった。
【0254】
実施例1〜46に記載されるように、本発明の光記録媒体は、青色レーザー波長領域において、記録再生が可能であり、記録特性に優れている。
【0255】
このことから、本発明で規定する構造の化合物を含有する記録層は、波長300〜500nmから選択されるレーザー光による信号記録が可能であり、本発明の光記録媒体は波長300〜500nmから選択されるレーザー光を記録再生に用いる光記録媒体に用いることができる。
【0256】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明のフルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物を記録層に用いることにより、高密度光記録媒体として非常に注目されている波長300〜500nmレーザー、特に波長400〜410nm青紫色レーザーでの記録及び再生が可能な光記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の課題を説明する概念図である。
【図2】本発明の光記録媒体の一構成例を示す模式図である。
【図3】本発明の光記録媒体の他の一構成例を示す模式図である。
【図4】本発明の光記録媒体の更に他の一構成例を示す模式図である。
【図5】本発明の光記録媒体の他の一構成例を示す模式図である。
【図6】本発明の光記録媒体の更に他の一構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 :基板
2 :記録層
3 :反射層
4 :保護層
5 :接着層
11 :基板
12 :記録層
13 :反射層
14 :保護層
15 :ダミー基板層
11’:支持基板
12’:記録層
13’:反射層
14’:透明保護層
15’:光透過層
Claims (13)
- フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物より少なくとも1種以上の化合物を選択して、少なくとも一層の記録層に含有する光記録媒体。
- フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の光記録媒体。
- フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(2)で表される化合物である請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(3)で表される化合物である請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- フルオレン環と縮合多環式芳香族環が直接結合している炭化水素化合物が一般式(4)で表される化合物である請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 縮合多環式芳香族環がナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオランテン環、ピレン環、クリセン環又はペリレン環より選ばれるいずれかの環である請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
- 波長300nm〜500nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である請求項1〜6のいずれかに記載の光記録媒体。
- 波長390nm〜430nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である請求項7に記載の光記録媒体。
- 波長400nm〜410nmの範囲から選択されるレーザー光により記録及び再生が可能である請求項8に記載の光記録媒体。
- 一般式(1’)で表される炭化水素化合物。
- 一般式(2’)で表される炭化水素化合物。
- 一般式(3’)で表される炭化水素化合物。
- 一般式(4’)で表される炭化水素化合物。
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