JP2004042168A - 溝入れバイト及びスローアウェイチップ - Google Patents

溝入れバイト及びスローアウェイチップ Download PDF

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Tomoyoshi Sakamoto
坂本 知良
Toshimitsu Furuki
古木 俊充
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

【課題】チップの有効利用を図るとともに、チップの取付剛性を高く保つ。
【解決手段】チップ取付座30における第1チップ拘束面31と、チップ40の上面41の中央部分41Aとに、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とが交互に配列されてなるセレーション34,49を形成する。チップ取付座30における第2チップ拘束面32と、チップ40の下面42とに、軸線O方向に沿って延びる複数の溝部38…,53…と山部39…,54…とが交互に配列されてなるセレーション37,52を形成する。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として旋削加工においてワークの外周に溝入れ加工を行ったり、突切り切削を行うのに用いられる溝入れ用バイト及びこれに装着されるスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の溝入れバイトとしては、図9に示すようなものが知られており、この溝入れバイト60は、軸線O方向に沿って延在するバイト本体61の先端部に、互いに相対向する一対のチップ拘束面63,64と軸線O方向の先端側を向く壁面65とを有するチップ取付座62が形成されていて、このチップ取付座62に、上面71における長手方向P(軸線O方向)の両端側稜線にそれぞれ切刃73,74が形成されたチップ70が、その長手方向Pにおける一端側(軸線O方向の先端側)を向く端面75(先端面)を軸線O方向の先端側に向けるとともに一の切刃73をバイト本体61から軸線O方向の先端側に突出させるようにして装着されている。
そして、クランプ手段としてのクランプボルト66によって、チップ取付座62における一対のチップ拘束面63,64が互いに近づく方向に接近させられることで、これら一対のチップ拘束面63,64がチップ70の上下面71,72を押圧固定しているものである。
【0003】
また、チップ取付座62における一対のチップ拘束面63,64はそれぞれ、軸線O方向に沿った凹V状に形成されていて、これに対応するように、チップ70の上下面71,72もそれぞれ、軸線O方向(長手方向P)に沿った凸V状に形成されている。
さらに、このように一対のチップ拘束面63,64及びチップ70の上下面71,72が、軸線O方向に沿った凹V状あるいは凸V状に形成されていることから、切削抵抗でチップ70が軸線O方向の後端側へずれてしまうのを抑制するために、チップ70における長手方向Pの他端側(軸線O方向の後端側)を向く端面76(後端面)をチップ取付座62における軸線O方向の先端側を向く壁面65に接触させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような溝入れバイト60において、チップ70の上面71における長手方向Pの一端側稜線に形成された切刃73が摩耗した場合には、チップ70を、その長手方向Pにおける他端側を向く端面76を軸線O方向の先端側に向けるとともに他の切刃74をバイト本体61から軸線O方向の先端側に突出させるように装着し直して、新たな切刃74を切削に供することにより、2回の使い回しを行ってチップ70の有効利用を図るようにしている。
【0005】
しかしながら、ワークの切削の際に、チップ70の上面71における長手方向Pの一端側稜線に形成された切刃73だけでなく長手方向Pの一端側を向く端面75を含む部分までも欠損してしまった場合には、図10に示すように、チップ70の長手方向の一端側を向く端面75をチップ取付座62における軸線O方向の先端側を向く壁面65に接触させることができず、このチップ70が軸線O方向の後端側へずれてしまうのを抑制することができないため、チップ70の上面71における長手方向Pの他端側稜線に形成された切刃74を切削に供してチップ70の有効利用を図ることが不可能となってしまう。
さらには、チップ取付座62の一対のチップ拘束面63,64及びチップ70の上下面71,72とが互いに接触しあう接触面は、単なるV状をなしているだけであるため、チップ70の高い取付剛性を確保することが困難であるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、チップの有効利用を図ることができるとともに、チップの取付剛性を高く保つことができる溝入れバイト及びチップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明による溝入れバイトは、軸線方向に沿って延在するバイト本体の先端部に、互いに相対向する一対のチップ拘束面を有するチップ取付座が形成されるとともに、このチップ取付座には、上面における長手方向の一端側稜線に切刃が形成されたチップがその切刃を前記バイト本体から前記軸線方向の先端側に突出させるように装着されていて、クランプ手段によって前記一対のチップ拘束面が互いに近づく方向に接近させられることにより、これら一対のチップ拘束面が前記チップの上下面を押圧固定する溝入れバイトであって、前記一対のチップ拘束面のうちの少なくとも一方には、前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていて、前記チップの上下面のうちの少なくとも一方には、前記一対のチップ拘束面の形状に対応するようなセレーションが形成されていることを特徴とするものである。
このような構成とすると、チップ取付座における一対のチップ拘束面とチップの上下面とが互いに接触しあってできる2つの接触面のうちの少なくとも一方は、複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面となり、しかも、このセレーションを構成する複数の溝部と山部とがバイト本体の軸線方向に交差する方向に延びているので、チップ取付座に装着されたチップを軸線方向で確実に固定できることとなる。
それゆえ、このチップをチップ取付座に装着した際には、チップ取付座における一対のチップ拘束面によってチップの上下面を押圧固定するだけで、チップの軸線方向の後端側へのズレを確実に防止できるので、チップにおける長手方向の他端側(軸線方向の後端側)を向く端面をチップ取付座における軸線方向の先端側を向く壁面に接触させることは、必ずしも必要とならない。
このため、チップを、その上面における長手方向の他端側稜線にも切刃が形成されている構成としたならば、たとえ、ワークの切削の際に、チップの長手方向の一端側を向く端面を含む部分まで欠損してしまったとしても、チップの上面における長手方向の他端側稜線に形成された切刃を切削に供することが可能となって、チップの2回の使い回しを行って、その有効利用を図ることができる。
さらには、チップ取付座における一対のチップ拘束面とチップの上下面とが互いに接触しあってできる接触面のうちの少なくとも一方が、セレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面をなすことにより、その接触面積を増大させることができて、チップの取付剛性を高めることができる。
【0008】
また、前記一対のチップ拘束面のうちのいずれか一方には、前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されているとともに、他方には、前記軸線方向に沿って延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていて、前記チップの上下面には、前記一対のチップ拘束面の形状に対応するようなセレーションが形成されていることが好ましい。
このような構成とすると、チップ取付座における一対のチップ拘束面とチップの上下面とが互いに接触しあってできる2つの接触面のうちの一方は、軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面となるとともに、他方は、軸線方向に沿って延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面となるので、チップをチップ取付座に対して軸線方向で確実に固定できるのに加えて、軸線方向に交差する方向へも確実に固定することができる。
【0009】
また、前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とは、前記軸線方向に直交する方向に延びていることが好ましい。
このような構成とすると、チップが軸線方向の後端側へ向かって受ける切削抵抗を確実に受けとめることができるので、このチップを軸線方向でより確実に固定することができる。
【0010】
また、本発明によるチップは、下面に対向する上面における長手方向の一端側稜線に切刃が形成されたチップであって、前記上下面のうちの少なくとも一方には、前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていることを特徴とするものである。
また、前記上下面のうちのいずれか一方には、前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されているとともに、他方には、前記長手方向に沿って延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていることが好ましい。
また、前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とは、前記長手方向に直交する方向に延びていることが好ましい。
また、前記上面における長手方向の他端側稜線にも切刃が形成されていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図7を用いて説明する。
本第1実施形態による溝入れバイト10は、図1〜図3に示すように、軸線O方向に沿って延在し、軸線Oを中心とした略四角柱状をなすバイト本体11を有しており、このバイト本体11の先端部12は、その上面12Aが軸線O方向に直交する厚み方向(図1及び図3における上下方向)の上方側に張り出したような肉厚形状となっている。
【0012】
バイト本体11の先端面13は、下方側に向かうにしたがい軸線O方向の先端側に向かって傾斜するような傾斜面13Aを有しているとともに、この先端面13Aには、軸線O方向に直交する幅方向(図2における上下方向、図3における左右方向)の一端側(図2における下方側、図3における右方側)部分から、軸線O方向の先端側に突出するような略平板状の突出部14が形成されている。
【0013】
また、バイト本体11の先端部12の上面12Aにおいて、その幅方向の一端側部分には、この上面12Aから一段凹むとともに先端部12の側面及びバイト本体11の先端面13に開口するような嵌合部15が形成されている。
この嵌合部15における後端側部分には、軸線O方向の後端側に向かうにしたがい下方側に向かって傾斜する第1傾斜面15Aと、この第1傾斜面15Aの後端側に連なるとともに軸線O方向の後端側に向かうにしたがい上方側に向かって傾斜して、先端部12の上面12Aに切れ上がる第2傾斜面15Bとが形成されている。
【0014】
そして、バイト本体11には、突出部14の上方側まで延出するようにバイト本体11の先端面13から突出させられる突出部21を有するクランプ部材20が設けられていて、突出部21の後端側に連なってクランプ部材20の後端側部分をなす固定部分22が、上記の嵌合部15に嵌合させられている。
【0015】
クランプ部材20の固定部分22の下面における軸線O方向の後端側部分には、バイト本体11の幅方向に沿って延びる略円柱体の一部をなして、この下面から下方側に突出する円柱部分23が形成されており、クランプ部材20の固定部分22が嵌合部15に嵌合させられた状態では、円柱部分23が嵌合部15における第1傾斜面15Aと第2傾斜面15Bとのそれぞれに線接触した状態となっている。
【0016】
クランプ部材20の突出部21は、突出部14の上方側まで延出するようにして配置されているため、この突出部21の下面21Aは、突出部14の上面14Aと所定の間隔を介して対向するように配置されることとなり、突出部21の下面21Aがチップ取付座30における第1チップ拘束面31とされ、突出部14の上面14Aがチップ取付座30における第2チップ拘束面32とされるのである。
【0017】
また、第1チップ拘束面31と第2チップ拘束面32との間に位置する隙間の軸線O方向の後端側には、バイト本体11の先端面13における傾斜面13Aの幅方向の一端側部分が位置しているとともに、この傾斜面13Aの一端側部分から軸線O方向の後端側に一段凹むようにして軸線O方向の先端側を向く壁面33が形成されている。
すなわち、バイト本体11の先端部12に、互いに相対向して配置される一対のチップ拘束面31,32と、軸線O方向の先端側を向く壁面33とからなるチップ取付座30が形成されているのである。
【0018】
このようなチップ取付座30における第1チップ拘束面31には、図5に示すように、軸線O方向に直交して交差する方向に延びる複数の溝部35…と山部36…とが、一定のピッチで軸線O方向に沿って交互に配列されてなるセレーション34が形成されている。
これに対し、チップ取付座30における第2チップ拘束面32には、同じく図5に示すように、軸線O方向に沿って(軸線O方向と平行な方向に)延びる複数の溝部38…と山部39…とが、一定のピッチで軸線O方向に直交する方向に沿って交互に配列されてなるセレーション37が形成されている。
【0019】
一方、上記のようなチップ取付座30に装着されるチップ40は、図4に示すように、略直方体状をなしているものであり、下面42に対向する上面41には、チップ40の長手方向Pにおける一端側(図4(a),(b),(c)における左方側)及び他端側(図4(a),(b),(c)における右方側)の稜線に、長手方向Pに直交する方向に延びる切刃43,44がそれぞれ形成されている。
これら切刃43,44に連なって、チップ40の長手方向Pの一端側及び他端側を向く端面45,46は切刃43,44の逃げ面とされていて、下面42側に向かうにしたがいチップ40の長手方向Pの中央部側に向かうように傾斜させられてポジの逃げ角が与えられている。
【0020】
チップ40の上面41には、切刃43,44に連なるように、長手方向Pの両端側部分にそれぞれすくい面47,48が形成されており、これらすくい面47,48を接続する上面41の中央部分41Aには、長手方向Pに直交して交差する方向に延びる複数の溝部50…と山部51…とが、一定のピッチで長手方向Pに沿って交互に配列されてなるセレーション49が形成されている。
これに対し、チップ40の下面42には、長手方向Pに沿って(長手方向Pとと平行な方向に)延びる複数の溝部53…と山部54…とが、一定のピッチで長手方向Pに直交する方向に沿って交互に配列されてなるセレーション52が形成されている。
【0021】
このような構成とされたチップ40は、その長手方向Pをバイト本体11の軸線O方向と平行にし、かつ、長手方向Pの一端側を向く端面45を軸線O方向の先端側に向けるようにして、バイト本体11の先端部12に形成されたチップ取付座30に取り付けられていて、上面41における長手方向Pの一端側稜線に形成された切刃43を、バイト本体11の突出部14から軸線O方向の先端側に突出させている。
【0022】
このとき、チップ40の上面41の中央部分41Aがチップ取付座30の第1チップ拘束面31に対向して配置されるとともに互いに接触させられ、チップ40の下面41がチップ取付座30の第2チップ拘束面32に対向するように配置されて互いに接触させられ、さらに、チップ40の長手方向Pの他端側(軸線O方向の後端側)を向く端面46がチップ取付座30の軸線O方向の先端側を向く壁面33と対向するように配置させられている。
【0023】
また、チップ取付座30の第1チップ拘束面31及びチップ40の上面41の中央部分41Aには、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とが交互に配列されてなるセレーション34,49が形成されていることから、これら第1チップ拘束面31とチップ40の上面41の中央部分41Aとが互いに接触しあってできる接触面が、図5(a)に示すように、セレーション34,49同士が噛み合わされた波形状をなすことになる。
【0024】
さらに、チップ取付座30の第2チップ拘束面32及びチップ40の下面42には、軸線O方向に沿って延びる複数の溝部38…,53…と山部39…,54…とが交互に配列されてなるセレーション37,52が形成されていることから、これら第2チップ拘束面32とチップ40の下面42とが互いに接触しあってできる接触面が、図5(b)に示すように、セレーション37,52同士が噛み合わされた波形状をなすことになる。
【0025】
そして、クランプ手段としてのクランプボルト17が、クランプ部材20の固定部分22を貫通するように、バイト本体11の先端部12の嵌合部15に形成された雌ねじ部16にねじ込まれていて、このクランプボルト17の頭部17Aが固定部分22に形成された段差部22Aに嵌め込まれてこの段差部22Aが押圧されている。
これにより、クランプ部材20が円柱部分23を中心に回転移動させられ、突出部21の下面21Aとしての第1チップ拘束面31が、突出部14の上面14Aとしての第2チップ拘束面32に接近するように移動させられている。
【0026】
すなわち、クランプボルト17によって、チップ取付座30の第1チップ拘束面31と第2チップ拘束面32とが互いに接近させられていることにより、これら第1チップ拘束面31と第2チップ拘束面32とが、チップ40の上面41の中央部分41Aと下面42とを押圧固定して、チップ40がチップ取付座30に装着されて固定されているのである。
【0027】
なお、チップ40がチップ取付座30に装着されて固定された状態においては、このチップ40の長手方向Pの他端側(軸線O方向の後端側)を向く端面46と、チップ取付座30における軸線O方向の先端側を向く壁面33との間に隙間が形成されていて、これら端面46と壁面33とが互いに接触していない状態となっている。
【0028】
このようにしてチップ30が装着された溝入れバイト10は、そのチップ40の上面41における長手方向Pの一端側稜線に形成されて、バイト本体11の突出部14から軸線O方向の先端側へ突出させられている切刃43によって、軸線回りに回転させられているワークの外周に溝入れ加工を行ったり、突切り切削を施していく。
【0029】
そして、ワークの切削において、チップ40の上面41における長手方向Pの一端側稜線に形成された切刃43が摩耗した場合には、図6に示すように、チップ40を、その長手方向Pにおける他端側を向く端面46を軸線O方向の先端側に向けるとともに上面41の長手方向Pの他端側稜線に形成された切刃44をバイト本体11の突出部14から軸線O方向の先端側に突出させるように装着し直して、新たな切刃44を切削に供することにより、2回の使い回しを行ってチップ40の有効利用を図るのである。
【0030】
本第1実施形態による溝入れバイト10では、チップ40がチップ取付座30に装着されて固定されたとき、チップ取付座30における第1チップ拘束面31とチップ40における上面41の中央部分41Aとが接触しあってできる接触面が、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とが交互に配列されてなるセレーション34,49同士が噛み合わされた波形状となっている。
【0031】
それゆえ、従来のように、チップ40における軸線O方向の後端側を向く端面(チップ40の長手方向Pの他端側を向く端面46、あるいは、チップ40の長手方向Pの一端側を向く端面45)をチップ取付座30における軸線O方向の先端側を向く壁面33に接触させなくても、ワークの切削の際に受ける切削抵抗を、セレーション34,49同士が噛み合わされていることによって確実に受け止めて、このチップ40の軸線O方向でのズレを確実に防止することができる。
【0032】
これにより、ワークの切削の際、チップ40の上面41における長手方向Pの一端側稜線に形成された切刃43だけでなく長手方向Pの一端側を向く端面45を含む部分までも欠損してしまった場合に、図7に示すように、チップ40の上面41における長手方向Pの他端側稜線に形成された切刃44を切削に供するようにチップ40を装着し直したとしても、切削抵抗によるチップ40の軸線O方向でのズレが生じることなく、チップ40の有効利用を図ることができる。
【0033】
また、チップ40がチップ取付座30に装着されて固定されたときには、チップ取付座30における第2チップ拘束面32とチップ40における下面42とが接触しあってできる接触面が、軸線O方向に沿って延びる複数の溝部38…,53…と山部39…,54…とが交互に配列されてなるセレーション37,52同士が噛み合わされた波形状となっている。
【0034】
これにより、ワークの切削の際に、軸線O方向に交差する方向に切削抵抗を受けたとしても、この切削抵抗を、セレーション37,52同士が噛み合わされていることによって確実に受け止めて、このチップ40の軸線O方向に交差する方向でのズレを確実に防止することができる。
【0035】
また、チップ取付座30における一対のチップ拘束面(第1チップ拘束面31,第2チップ拘束面32)とチップ40の上下面(上面41の中央部分41A,下面42)とが互いに接触しあう接触面は、それらに形成されたセレーション34,37,49,52同士が噛み合わされた波形状をなしていることから、従来のV状の接触面と比較して、その接触面積を増大させることができ、チップ40の取付剛性を高めることができる。
【0036】
さらには、チップ取付座30における第1チップ拘束面31とチップ40の上面41の中央部分41Aとが互いに接触しあってできる接触面、すなわち、軸線O方向に直交する(交差する)方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とが交互に配列されてなるセレーション34,49同士が噛み合わされた波形状の接触面は、互いに噛み合わされることになる溝部35…,50…と山部36…,51…とがずれていたとしても、その波形状の接触面を維持することができるので、チップ40のチップ取付座30に対する軸線O方向での装着位置を、溝部35…,50…及び山部36…,51…が形成される一定のピッチ(セレーションピッチ)で変更することができ、切刃43(44)の突出量を調整することも可能となる。
【0037】
なお、上述した第1実施形態による溝入れバイト10では、チップ取付座30における第1チップ拘束面31及びチップ40の上面41の中央部分41Aに、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とが交互に配列されてなるセレーション34,49を形成し、チップ取付座30における第2チップ拘束面32及びチップ40の下面42に、軸線O方向に沿って延びる複数の溝部38…,53…と山部39…,54…とが交互に配列されてなるセレーション37,52を形成しているが、これに限定されることはなく、チップ取付座30における第1チップ拘束面31及び第2チップ拘束面32のうちの少なくとも一方に、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションを形成し、チップ40の上下面41,42のうちの、上記セレーションが形成されたチップ拘束面と対向する方に、このセレーションに対応するような形状のセレーションを形成していればよい。
【0038】
例えば、図8に示す本発明の第2実施形態による溝入れバイト10′のように(上述した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する)、チップ取付座30における第1チップ拘束面31及びチップ40の上面41の中央部分41Aに、軸線O方向に沿って延びる複数の溝部38…,53…と山部39…,54…とが交互に配列されてなるセレーション37,52を形成し、チップ取付座30における第2チップ拘束面32及びチップ40の下面42に、軸線O方向に直交する方向に延びる複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とからなるセレーション34,49を形成してもよく、このような第2実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記の第1及び第2実施形態による溝入れバイト10,10′では、セレーション34,49を構成する複数の溝部35…,50…と山部36…,51…とを軸線O方向に直交する方向に延びるようにしているが、これに限定されることはなく、チップ40をチップ取付座30に対して軸線O方向で確実に固定できるのであれば、例えば、軸線O方向に斜めに交差するような複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーション34,49を形成しても構わない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、チップ取付座における一対のチップ拘束面とチップの上下面とが互いに接触しあってできる2つの接触面のうちの少なくとも一方が、複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面となり、しかも、このセレーションを構成する複数の溝部と山部とがバイト本体の軸線方向に交差する方向に延びているので、チップ取付座に装着されたチップを軸線方向で確実に固定できることとなる。
それゆえ、このチップをチップ取付座に装着した際には、チップ取付座における一対のチップ拘束面によってチップの上下面を押圧固定するだけで、チップの軸線方向の後端側へのズレを確実に防止できるので、チップにおける長手方向の他端側(軸線方向の後端側)を向く端面をチップ取付座における軸線方向の先端側を向く壁面に接触させることは、必ずしも必要とならない。
このため、チップを、その上面における長手方向の他端側稜線にも切刃が形成されている構成としたならば、たとえ、ワークの切削の際に、チップの長手方向の一端側を向く端面を含む部分まで欠損してしまったとしても、チップの上面における長手方向の他端側稜線に形成された切刃を切削に供することが可能となって、チップの2回の使い回しを行って、その有効利用を図ることができる。
さらには、チップ取付座における一対のチップ拘束面とチップの上下面とが互いに接触しあってできる接触面のうちの少なくとも一方が、セレーション同士が噛み合わされた波形状の接触面をなすことにより、その接触面積を増大させることができて、チップの取付剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による溝入れバイトを示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による溝入れバイトを示す上面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による溝入れバイトを示す先端面図である。
【図4】(a)は本発明の第1実施形態による溝入れバイトのチップを示す側面図、(b)は同チップの上面図、(c)は同チップの下面図、(d)は同チップの先端面図である。
【図5】(a)は本発明の第1実施形態による溝入れバイトを示す要部拡大側面図、(b)は同溝入れバイトの要部拡大先端面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による溝入れバイトのチップ装着状態を説明するための拡大側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による溝入れバイトのチップ装着状態を説明するための拡大側面図である。
【図8】(a)は本発明の第2実施形態による溝入れバイトを示す要部拡大側面図、(b)は同溝入れバイトの要部拡大先端面図である。
【図9】従来の溝入れバイトのチップ装着状態を説明するための拡大側面図である。
【図10】従来の溝入れバイトのチップ装着状態を説明するための拡大側面図である。
【符号の説明】
10,20 溝入れバイト
11 バイト本体
12 先端部
30 チップ取付座
31 第1チップ拘束面
32 第2チップ拘束面
33 軸線方向の先端側を向く壁面
34,37 セレーション
35,38 溝部
36,39 山部
40 チップ
41 上面
42 下面
43,44 切刃
45,46 端面
49,52 セレーション
50,53 溝部
51,54 山部
O バイト本体の軸線
P チップの長手方向

Claims (8)

  1. 軸線方向に沿って延在するバイト本体の先端部に、互いに相対向する一対のチップ拘束面を有するチップ取付座が形成されるとともに、このチップ取付座には、上面における長手方向の一端側稜線に切刃が形成されたスローアウェイチップがその切刃を前記バイト本体から前記軸線方向の先端側に突出させるように装着されていて、クランプ手段によって前記一対のチップ拘束面が互いに近づく方向に接近させられることにより、これら一対のチップ拘束面が前記スローアウェイチップの上下面を押圧固定する溝入れバイトであって、
    前記一対のチップ拘束面のうちの少なくとも一方には、前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていて、
    前記スローアウェイチップの上下面のうちの少なくとも一方には、前記一対のチップ拘束面の形状に対応するようなセレーションが形成されていることを特徴とする溝入れバイト。
  2. 請求項1に記載の溝入れバイトにおいて、
    前記一対のチップ拘束面のうちのいずれか一方には、前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されているとともに、他方には、前記軸線方向に沿って延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていて、
    前記スローアウェイチップの上下面には、前記一対のチップ拘束面の形状に対応するようなセレーションが形成されていることを特徴とする溝入れバイト。
  3. 請求項1または請求項2に記載の溝入れバイトにおいて、
    前記軸線方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とは、前記軸線方向に直交する方向に延びていることを特徴とする溝入れバイト。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の溝入れバイトにおいて、
    前記スローアウェイチップは、前記上面における長手方向の他端側稜線にも切刃が形成されていることを特徴とする溝入れバイト。
  5. 下面に対向する上面における長手方向の一端側稜線に切刃が形成されたスローアウェイチップであって、
    前記上下面のうちの少なくとも一方には、前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  6. 請求項5に記載のスローアウェイチップにおいて、
    前記上下面のうちのいずれか一方には、前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されているとともに、他方には、前記長手方向に沿って延びる複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  7. 請求項5または請求項6に記載のスローアウェイチップにおいて、
    前記長手方向に交差する方向に延びる複数の溝部と山部とは、前記長手方向に直交する方向に延びていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のスローアウェイチップにおいて、
    前記上面における長手方向の他端側稜線にも切刃が形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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