JP2004041880A - Method of producing catalyst for acrylic acid production - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、プロパンの気相接触酸化によるアクリル酸の製法に適用される触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
一般にアクリル酸は、触媒の存在下にプロピレンと酸素を接触反応させてアクロレインを製造し、さらにこれを酸素と接触反応させる二段酸化により製造されている。
一方、近年プロパンとプロピレンの価格差または二段酸化に伴う工程の複雑さ等の理由で、プロパンを出発原料として一段階でアクリル酸を製造する方法が検討されており、その際に使用される触媒に関する提案が多数なされている。代表例としては、〔V、P、Te〕系の触媒[キャタリシス ツディー(Catal.Today)、13,679(1992)]、AgBiVMoO(特開平2−83348号公報)、BiMo12V5Nb0.5SbKOn(USP第5198580号)、〔Mo、Te、V、Nb〕系(特開平6ー279351号公報)および〔Mo、Sb、V、Nb〕系(特開平9−316023号)触媒等が挙げられる。
【0003】
しかしながら、上記の触媒では、目的とするアクリル酸の収率が不十分であったり、また触媒自体の寿命が短いという問題があった。たとえば、前記の特開平6−279351号公報で提案されている〔Mo、Te、V、Nb〕系の触媒によれば、高収率でアクリル酸が得られるが、Teが蒸散し易いため触媒の活性が経時的に損なわれ易い。
他方、〔Mo、Sb、V、Nb〕系触媒の調製方法としては、モリブデン、バナジウム及びアンチモン化合物を水性媒体中で70℃以上の温度で反応させる方法(特開平10−137585号公報)、モリブデン、バナジウム及びアンチモン化合物を水性媒体中で70℃以上の温度で反応させながら、酸素を含むガスを吹き込む方法(特開平10−230164号公報)、または、モリブデン、バナジウム及びアンチモン化合物を70℃以上の温度で反応させる間、または、反応終了後に過酸化水素を添加する方法(特開平11−285636号公報)等が 提案されている。しかし、上記の方法によって調製された触媒は製造バッチ間のバラツキが大きい、すなわち調製方法の再現性に劣るという問題があった。さらにまた、触媒充填スペースの単位容積、単位時間当りのアクリル酸の収量を現す空時収量が例えば0.20〜0.30g/ml・hrのように低くかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記特開平10−137585号公報に記載の触媒調製方法、すなわちモリブデン、バナジウム及びアンチモン化合物を水性媒体中で70℃以上の温度で反応させることを骨子とする〔Mo、Sb、V、Nb〕系触媒の調製方法において、モリブデンおよびアンチモンを2つに分割し、その一方を実質的にバナジウムの非存在下に水性媒体中で加熱し他方をバナジウムの存在下に水性媒体中で加熱した後、両者を合わせるという技術手段を採用した結果、アクリル酸の空時収量の高い触媒が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記組成式で表される金属酸化物からなるアクリル酸製造用触媒を製造するに際し、下記工程(1)、工程(2)および工程(3)を含む方法を採用することを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造方法である。
工程(1):Mo6+化合物およびSb3+化合物のうちの一部をV 5+化合物とともに水性媒体中で70℃以上に加熱して得られる水性液(イ)と、残余のMo6+化合物およびSb3+化合物を実質的にV 5+化合物の非存在下に水性媒体中で70℃以上に加熱して得られる水性液(ロ)の一部または全量とを混合する工程。
工程(2):上記工程(1)で得られた混合水性液に、下記金属Aを含有する化合物を添加するかまたは該化合物の添加と同時もしくはその後に工程(1)で使用しなかった水性液(ロ)の一部を添加する工程。
工程(3):上記工程(2)で得られた水性液を蒸発乾固して得た乾固物を乾燥し、さらに焼成する工程。
組成式; MoVi Sbj Ak Oy
(式中、Aは、Nb、Ta、W、Ti、Zr、Re、Fe、Ni、Co、Sn、Tl、Cu、希土類元素およびアルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。iおよびjは、各々0.01〜1.5で、かつj/i=0.3〜1.0であり、kは0.001〜3.0であり、またyは他の元素の酸化状態によって決定される数である。)
【0006】
さらには、本発明における第2発明は、使用されるMo6+の全量を基準として、実質的にV 5+化合物の非存在下に水性媒体中で70℃以上に加熱されるMo6+の割合が5〜95モル%であり、かつ使用されるSb3+の全量を基準として、実質的にV 5+化合物の非存在下に水性媒体中で70℃以上に加熱されるSb3+の割合が1〜70モル%である前記アクリル酸製造用触媒の製造方法である。なお、本発明において「実質的にV 5+化合物の非存在下に」とは、少量のV 5+化合物、具体的には全V 5+化合物の2〜3%程度のV 5+化合物が存在する場合も包含するものとする。
本発明によれば、アクリル酸の空時収量が0.4〜0.5g/ml・hrと高い触媒を製造することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における工程(1)における水性液(イ)(以下スラリーxという)の加熱によれば、Mo6+、V 5+およびSb3+の3者間で以下の反応が起こり、その際主反応は反応式(1)で表される反応である。主反応(1)の進行とともに水に難溶なSb3+化合物例えば三酸化アンチモンが減少して、反応系が全体として均一な水性分散液を形成する。
V 5+ + Sb3+ ─→ V 3+ + Sb5+ (1)
V 3+ + Mo6+ ─→ V 4+ + Mo5+ (2)
V 5+ + V 3+ ─→ 2V 4+ (3)
また、水性液(ロ)(以下スラリーyという)の加熱により、Mo6+とSb3+の間で上記(1)〜(3)とは異なる反応が起きていると推測される。理由は定かではないが、上記(1)〜(3)およびその他の反応によって生じる特定の原子価の金属の酸化物が、プロパンからアクリル酸を製造する気相接触反応の優れた触媒として作用する。
【0008】
スラリーxにおいて、Mo6+とSb3+の使用割合は、目的とする金属酸化物すなわち下記組成式で表される組成を有する金属酸化物におけるMoとSbの割合と概略一致していることが好ましい。スラリーxにおけるMo6+とSb3+の使用割合が、下記組成式のMoとSbの割合から外れている場合には、スラリーyにおけるMo6+とSb3+の使用割合を変動させることにより、全体として下記の組成式で示されるMoとSbの割合に一致させる必要がある。
組成式; MoVi Sbj Ak Oy
(式中、Aは、Nb、Ta、W、Ti、Zr、Re、Fe、Ni、Co、Sn、Tl、Cu、希土類元素およびアルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。iおよびjは、各々0.01〜1.5で、かつj/i=0.3〜1.0であり、kは0.001〜3.0であり、またyは他の元素の酸化状態によって決定される数である。)
【0009】
スラリーxおよびスラリーyの加熱は、それぞれ別個の容器において行われ、加熱温度はいずれも70℃〜水性媒体の沸点の範囲であることが好ましい。さらに加熱時間としては、スラリーxおよびスラリーyともに1時間以上であることが好ましく、さらに好ましくは2〜5時間である。
【0010】
触媒の製造のために使用するMo6+とSb3+のうち、スラリーyの側に使用するMo6+とSb3+とスラリーxの側に使用するそれらの割合としては、以下の割合が好ましい。
すなわち、Mo6+に関しては、スラリーyの調製のために全Mo6+の5〜95モル%を使用し、残りをスラリーxの調製のために使用することが好ましく、さらにはスラリーyの調製のために全Mo6+の10〜80モル%を使用することがより好ましい。スラリーyにおけるMo6+の割合が5モル%未満であると、スラリーyの加熱中に起こる反応の進行が遅くなり易い。スラリーyにおけるMo6+の割合が95モル%を越えると、スラリーxにおけるMo6+の割合が過少となる。また、Sb3+に関しては、スラリーyの調製のために全Sb3+の1〜70モル%を使用し、残りをスラリーxの調製のために使用することが好ましく、さらにはスラリーyの調製のために全Sb3+の10〜60モル%を使用することがより好ましい。スラリーxにおけるSb3+の量の限定理由も、Mo6+の限定理由と同様である。
【0011】
スラリーxおよびスラリーyの濃度に関して、水100質量部あたり、金属化合物の合計重量3〜30質量部の割合であることが好ましい。金属化合物の合計重量が30質量部を越えると、Mo6+化合物またはV 5+化合物の一部が水に不溶解となり反応が不完全になり易い。加熱により水分が反応系外に蒸散しないように蒸発した水を冷却器により還流させることが好ましく、また必要により水の補充をすることも好ましい。また、上記加熱は攪拌下に行うことが好ましい。
【0012】
スラリーxおよびスラリーyの製造のために使用される金属化合物としては下記のものが挙げられる。
V5+化合物としては、メタバナジン酸アンモンニウムまたは五酸化バナジウムが好ましく、Sb3+化合物としては、三酸化アンチモンが好ましく、またMo6+化合物としては、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデンまたはモリブデン酸等が挙げられ、好ましくは、水溶性である点でモリブデン酸アンモニウムである。
Mo6+化合物およびSb3+化合物としてモリブデン酸アンモニウムおよび三酸化アンチモンを使用した場合には、スラリーyの加熱時に組成式Sb4Mo10O31 で表される化合物が生成することが確認されている。かかる化合物の生成により、本発明によって得られる触媒が高性能なものになると推測される。
【0013】
スラリーxおよびスラリーyを加熱した後、それらを合わせて1液とする。混合に際してはスラリーxを加熱下に攪拌しておき、その状態のスラリーx中にスラリーyを少しずつ滴下することが好ましい。両液を混合するための好ましい所要時間は10分から3時間程度である。混合時の両者の好ましい液温は70℃以上であり、両者は直前まで所定の温度に加熱されていたものを加熱状態のまま混合することが好ましい。
【0014】
なお、スラリーyの調製においては、2種類のスラリーyを調製することもできる。すなわち、所定量のMo6+化合物およびSb3+化合物を添加した水性分散液を9/1から1/9の範囲内の割合で2分割し、それらを前記の条件で加熱した後、そのうちの一方を工程(1)において上記のようにスラリーxと混合し、他方を後記する工程(2)で使用することもできる。その場合、工程(2)で使用するスラリーy〔以下スラリーy(2)ということがある〕としては、過酸化水素の存在下にMo6+化合物およびSb3+化合物を含む水性分散液を加熱して得られるスラリー(以下スラリーzという)を用いることが好ましい。スラリーzに添加される過酸化水素の好ましい量は、スラリーz中のSb3+に対してモル比で0.5〜2.0となる量である。
スラリーyの一部を上記のようにスラリーzとして使用する場合、スラリーzとスラリーyの好ましい量比は、スラリーz5〜50%対スラリーy95〜50%である。
【0015】
上記各スラリーの混合後、攪拌下に混合液を10℃〜室温にまで冷却した後、工程(2)の操作に移る。
工程(2)においては、上記工程(1)で得られた混合水性液に、金属Aを含有する化合物(以下A成分化合物という)を添加する。この操作により、反応液には微細な沈澱が形成される。金属Aは、Nb、Ta、W、Ti、Zr、Re、Fe、Ni、Co、Sn、Tl、Cu、希土類元素およびアルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
A成分化合物はできる限り短時間のうちに、工程(1)で得られた混合水性液に添加され、かつ直ちに均一に混合されることが好ましい。A成分化合物の添加に要する時間は3分以下が好ましく、さらに好ましくは1分以下である。A成分化合物は水溶液の状態で添加されることが好ましく、それが添加される水性反応液は、その添加の際には強力に攪拌されていることが好ましい。
さらに工程(2)においては、工程(1)で得られた混合水性液にA成分化合物を添加すると同時またはその添加後に、前記工程(1)で使用しなかったスラリーyの一部またはスラリーzを該混合水性液に添加する。勿論、所定量のMo6+化合物およびSb3+化合物を添加した水性分散液の全量を、工程(1)において前記スラリーxと混合させた場合には、工程(2)におけるスラリーy(2)またはスラリーzの添加は必要ない。
【0016 】
A成分化合物としては、酸化物、硝酸塩、カルボン酸塩、オキソ酸塩、蓚酸塩等が使用できる。A成分化合物は水に分散させた形で使用しても良いが、蓚酸等を併用した水溶液の形で用いることがさらに好ましい。A成分化合物の使用量は、得られる金属酸化物触媒における金属の原子比で、Moを1としたとき、Aが0.001〜3.0となる量である。同触媒におけるMoを1としたときのAの割合が、0.001未満であると触媒の劣化が起こり、一方3.0を越えると触媒が低活性となり、プロパンの転化率に劣る。
工程(2)においてA成分化合物を加えて得られる反応液に、硝酸または硝酸アンモニウムを添加すると、最終的に得られる金属酸化物触媒の物理的強度が向上する。硝酸または硝酸アンモニウムは、前記スラリーy(2)またはスラリーzと同時に添加してもよい。硝酸または硝酸アンモニウムの好ましい添加量は、Sbに対しモル比で0.7〜2.1であり、さらに好ましくは、0.5〜1.7である。
【0017】
上記工程(2)が終了後、得られる水性液は、蒸発乾固され、得られる固形物は乾燥後、焼成される。蒸発乾固および乾燥は従来公知の方法によって行うことができる。蒸発乾固の際に、窒素や空気などの不活性ガスを吹き付けるのは効率的である。蒸発乾固の温度は、50〜130℃の範囲が好ましい。
上記操作によって得れる乾燥固形物は、まず酸素存在下で温度280〜330℃で2〜20時間焼成した後、さらに酸素不在下で温度500〜660℃、好ましくは570〜620℃で1〜3時間焼成することにより、目的とする金属酸化物を得ることができる。
なお、上記焼成により得られる金属酸化物の中の金属元素の含有量の確認は、螢光X線分析によって行うことができる。
【0018】
上記方法により得られるアクリル酸製造用触媒は、そのままでも使用可能であるが、適当な粒度にまで粉砕して、表面積を増大させることがさらに好ましい。粉砕方法としては、乾式粉砕法または湿式粉砕法のいずれの方法も使用でき、粉砕装置としては、乳鉢、ボールミル等が挙げられる。湿式粉砕の場合に、粉砕の助剤として使用される溶媒の種類は水、アルコール類などが挙げられる。本触媒の好ましい粒度は、20μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。本発明におけるアクリル酸製造用触媒は、無担体の状態でも使用できるが、適当な粒度を有するシリカ、アルミナ、シリカアルミナおよびシリコンカーバイド等の担体に担持させた状態で使用することもできる。
【0019】
次に、気相酸化反応方法について説明する。アクリル酸製造の原料であるプロパンおよび酸素ガスは、別々に反応器に導入して反応器内で混合させてもよく、また予め両者を混合させた状態で反応器に導入してもよい。
酸素ガスとしては、純酸素ガスまたは空気、ならびにこれらを窒素、スチームまたは炭酸ガスで希釈したガスが挙げられる。プロパンおよび空気を使用する場合、空気のプロパンに対する使用割合は、容積比率で30倍以下が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜20倍の範囲である。
反応器の出口から得られる未反応の原料であるプロパンや、中間生成物のプロピレンはそのまま燃料として使うこともできるが、生成物の中の他の成分と分離させてから反応器へ導入して再利用することもできる。
好ましい反応温度は300〜600℃であり、より好ましくは350〜500℃である。また、ガス空間速度(以下SVという)としては、1000〜8000hr−1が適当である。
本発明によって得られる金属酸化物はアクロレインやプロピレンの酸化によるアクリル酸の合成に適用しても優れた効果を奏するものと推測される。
【0020】
【実施例および比較例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、各例で得られた触媒は、その2.0g(約1.5ml)を10mmφの石英製の反応管に充填した。反応管は400℃に加温し、そこにプロパン7.4容積%、酸素8.1容積%、窒素30.5容積%および水蒸気54.1容積%の混合ガスを4616/ hrの速度で供給することにより、アクリル酸を合成した。反応生成物に基づき以下の転化率および選択率を算出し、それらの値により使用した触媒の性能を評価し、その結果は後記の表1に記載した。プロパン転化率およびアクリル酸選択率は、以下の式に基づいて計算した(いずれもモル数により計算)。
・プロパン転化率(%)=(供給プロパン−未反応プロパン)/供給プロパン
・アクリル酸選択率(%)=生成アクリル酸/(供給プロパン−未反応プロパン)
・アクリル酸収率(%)=(プロパン転化率×アクリル酸選択率)/100
【0021】
【実施例1】
500mlのガラス製フラスコに、蒸留水80ml、三酸化アンチモン0.29g、モリブデン酸アンモニウム24.72gを加え、大量の窒素ガスを流通させて十分に窒素置換した後、上記の混合液を500回転/分の速度で攪拌機を回転させながら、水の沸点温度下、リフラックスさせながら、2.5時間加熱処理させる(スラリーy)。
別に、500mlのガラス製フラスコに、蒸留水70ml、三酸化アンチモン5.58g、モリブデン酸アンモニウム6.18g及びメタバナジン酸アンモニウム6.15gを加え、大量の窒素ガスを流通させて十分に窒素置換した後、上記の混合液を500回転/分の速度で攪拌機を回転させながら、水の沸点温度下、リフラックスさせながら、2.5時間加熱処理させる(スラリーx)。
2.5時間後、スラリーxを前記の攪拌、加熱条件を維持しながら、スラリーyを一定の速度で25分をかけてスラリーxに連続に添加し、青いコロイド分散液状のスラリーとして得られた。攪拌を続け、さらに、このスラリーを入れたフラスコを氷水で10℃までに冷却する。
10℃に冷却したスラリーに、蓚酸8.82g、ニオブ酸2.33gを70mlの蒸留水に溶解した常温の水溶液を加えた。得られた混合液を30分間激しく攪拌した後、硝酸アンモニウム5.0g添加して均一させ、加熱濃縮し、さらに120℃で蒸発乾固させた。得られた固体を空気中300℃で5時間焼成した後、窒素ガス流通中において600℃で2時間焼成することにより特定な結晶系の触媒を得た。得られた触媒を触媒と同量の水を加え、ボールミルにて24時間湿式粉砕を行った。得られたスラリーを乾燥、打錠成形し、さらに16〜30メッシュに粉砕して、アクリル酸製造反応に使用した。この触媒の原子比は、Mo/V/Sb/Nb=1.0/0.3/0.23/0.08であった。本触媒を使用してアクリル酸合成試験を行った結果は、表1に示すとおりである。なお、表1中、AAはアクリル酸、P はプロパン、PPはプロピレンである。
【0022】
【実施例2】
スラリーyに仕込む三酸化アンチモンの量を0.88gとし、スラリーxに仕込む三酸化アンチモンの量を4.91gとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で触媒を製造した。本触媒を使用してアクリル酸合成試験を行った結果は、表1に示すとおりである。以下の各例により得られた触媒を使用するアクリル酸合成試験の結果も、すべて表1に記載した。
【0023】
【実施例3】
スラリーyに仕込む三酸化アンチモンの量を1.76gとし、スラリーxに仕込む三酸化アンチモンの量を4.11gとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で触媒を製造した。
【0024】
【実施例4】
スラリーyに仕込む三酸化アンチモンの量を2.94gとし、スラリーxに仕込む三酸化アンチモンの量を2.94gとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で触媒を製造した。
【0025】
【実施例5】
スラリーyに仕込む三酸化アンチモンの量を3.52gとし、スラリーxに仕込む三酸化アンチモンの量を2.35gとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で触媒を製造した。
【0026】
【実施例6】
スラリーyに仕込む三酸化アンチモンの量を4.11gとし、スラリーxに仕込む三酸化アンチモンの量を1.76gとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で触媒を製造した。
【0027】
【実施例7】
スラリーy、xに仕込むモリブデン酸アンモニウムの量を、それぞれ27.80g、3.10gにする以外は実施例4と同じ条件で触媒を製造した。
【0028】
【実施例8】
スラリーy、xに仕込むモリブデン酸アンモニウムの量を、それぞれ29.40g、1.50gにする以外は実施例4と同じ条件で触媒を製造した。
【0029】
【実施例9】
スラリーyの加熱時間を1時間にする以外は実施例4と同じ条件で触媒を製造した。
【0030】
【実施例10】
スラリーyの加熱時間を9.5時間にする以外は実施例4と同じ条件で触媒を製造した。
【0031】
【比較例1】
実施例1において、スラリーxとスラリーyとに分けることなく、すなわち三酸化アンチモン、モリブデン酸アンモニウムおよびメタバナジン酸アンモニウムの全量を合わせて水性媒体中で3時間加熱処理すること以外はすべて実施例1と同じ条件で触媒を製造した。
【0032】
【比較例2】
工程(1)の操作に関しては、比較例1と同様に、三酸化アンチモン、モリブデン酸アンモニウムおよびメタバナジン酸アンモニウムの全量を合わせて水性媒体中で16時間加熱した後、1.54重量%濃度の過酸化水素水40gを5時間かけて滴下した。それ以後は実施例1と同様な操作により触媒を製造した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、プロパンの気相接触酸化反応によるアクリル酸の製造に適用でき、アクリル酸の空時収量の高い触媒を再現性よく製造できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a catalyst applied to a method for producing acrylic acid by gas phase catalytic oxidation of propane.
[0002]
[Prior art and its problems]
In general, acrylic acid is produced by contacting propylene with oxygen in the presence of a catalyst to produce acrolein, and then by two-step oxidation of reacting this with oxygen.
On the other hand, in recent years, due to the price difference between propane and propylene or the complexity of the process involved in the two-stage oxidation, a method of producing acrylic acid in one step using propane as a starting material has been studied, and is used in that case. Many proposals have been made regarding catalysts. Representative examples include [V, P, Te] -based catalysts [Catalysis.Today, 13,679 (1992)], AgBiVMoO (Japanese Unexamined Patent Publication No. 2-83348), BiMo12V5Nb0.5SbKOn (USP No. 5,198,580). No.), [Mo, Te, V, Nb] (JP-A-6-279351) and [Mo, Sb, V, Nb] (JP-A-9-316023) catalysts.
[0003]
However, the above-mentioned catalyst has problems that the yield of the intended acrylic acid is insufficient and the life of the catalyst itself is short. For example, according to the [Mo, Te, V, Nb] -based catalyst proposed in the above-mentioned JP-A-6-279351, acrylic acid can be obtained in a high yield, but since the Te is easily evaporated, the catalyst is Is easily lost with time.
On the other hand, as a method for preparing the [Mo, Sb, V, Nb] -based catalyst, a method in which molybdenum, vanadium and antimony compounds are reacted at a temperature of 70 ° C. or more in an aqueous medium (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 10-137585), A method of blowing a gas containing oxygen while reacting a vanadium and antimony compound in an aqueous medium at a temperature of 70 ° C. or more (Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 10-230164), or A method of adding hydrogen peroxide during the reaction at the temperature or after the reaction is completed (Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-285636) has been proposed. However, there is a problem that the catalyst prepared by the above method has a large variation between production batches, that is, the reproducibility of the preparation method is poor. Furthermore, the space-time yield representing the yield of acrylic acid per unit volume and unit time of the catalyst-filled space was as low as, for example, 0.20 to 0.30 g / ml · hr.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention provide a method for preparing a catalyst described in JP-A-10-137585, that is, reacting molybdenum, vanadium and antimony compounds in an aqueous medium at a temperature of 70 ° C. or more [Mo, Sb , V, Nb] -based catalyst, molybdenum and antimony are divided into two parts, one of which is heated in an aqueous medium substantially in the absence of vanadium, and the other is heated in an aqueous medium in the presence of vanadium. As a result of adopting a technical means of combining the two, after heating, it was found that a catalyst having a high space-time yield of acrylic acid could be produced, and the present invention was completed.
[0005]
That is, the present invention employs a method including the following steps (1), (2) and (3) when producing a catalyst for producing acrylic acid comprising a metal oxide represented by the following composition formula. And a method for producing a catalyst for producing acrylic acid.
Step (1): An aqueous liquid (a) obtained by heating a part of the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound together with the V 5+ compound in an aqueous medium at 70 ° C. or higher, and the remaining Mo 6+ compound and the Sb 3+ Mixing the compound with a part or all of an aqueous liquid (b) obtained by heating the compound in an aqueous medium to 70 ° C. or higher in the substantial absence of a V 5+ compound.
Step (2): A compound containing the following metal A is added to the mixed aqueous solution obtained in the above step (1), or an aqueous solution not used in the step (1) simultaneously with or after the addition of the compound. A step of adding a part of the liquid (b).
Step (3): a step of drying the dried liquid obtained by evaporating the aqueous liquid obtained in the above step (2) to dryness, and further baking it.
Formula; MoV i Sb j A k O y
(In the formula, A is at least one element selected from the group consisting of Nb, Ta, W, Ti, Zr, Re, Fe, Ni, Co, Sn, Tl, Cu, a rare earth element and an alkali metal element. I and j are each 0.01 to 1.5 and j / i = 0.3 to 1.0, k is 0.001 to 3.0, and y is the other element. It is a number determined by the oxidation state.)
[0006]
Furthermore, the second invention in the present invention is based on the fact that the proportion of Mo 6+ heated to 70 ° C. or more in an aqueous medium in the absence of a V 5+ compound is 5% based on the total amount of Mo 6+ used. 9595 mol% and based on the total amount of Sb 3+ used, the proportion of Sb 3+ heated above 70 ° C. in an aqueous medium in the substantial absence of V 5+ compounds is from 1 to 70 mol% % Of the catalyst for producing acrylic acid. The "in the substantial absence of V 5+ compound" in the present invention, a small amount of V 5+ compound, even if in particular the presence of V 5+ compound of about 2 to 3% of the total V 5+ compound Shall be included.
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the space-time yield of acrylic acid can be manufactured as high as 0.4-0.5 g / ml * hr.
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
According to the heating of the aqueous liquid (a) (hereinafter referred to as slurry x) in the step (1) in the present invention, the following reaction occurs between Mo 6+ , V 5+, and Sb 3+ , with the main reaction being the reaction This is a reaction represented by the formula (1). With the progress of the main reaction (1), the water-insoluble Sb 3+ compound such as antimony trioxide decreases, and the reaction system forms a uniform aqueous dispersion as a whole.
V 5 ++ Sb 3+ ─ → V 3 ++ Sb 5+ (1)
V 3+ + Mo 6+ ─ → V 4+ + Mo 5+ (2)
V 5+ + V 3+ ─ → 2V 4+ (3)
It is also assumed that the heating of the aqueous liquid (b) (hereinafter referred to as slurry y) causes a different reaction between Mo 6+ and Sb 3+ from the above (1) to (3). Although the reason is not clear, the oxide of a metal having a specific valence generated by the above (1) to (3) and other reactions acts as an excellent catalyst for a gas phase catalytic reaction for producing acrylic acid from propane. .
[0008]
In the slurry x, it is preferable that the use ratio of Mo 6+ and Sb 3+ approximately coincides with the ratio of Mo and Sb in a target metal oxide, that is, a metal oxide having a composition represented by the following composition formula. When the use ratio of Mo 6+ and Sb 3+ in the slurry x is out of the ratio of Mo and Sb in the following composition formula, the use ratio of Mo 6+ and Sb 3+ in the slurry y is varied to obtain the following overall It is necessary to match the ratio of Mo and Sb represented by the following composition formula.
Formula; MoV i Sb j A k O y
(In the formula, A is at least one element selected from the group consisting of Nb, Ta, W, Ti, Zr, Re, Fe, Ni, Co, Sn, Tl, Cu, a rare earth element and an alkali metal element. I and j are each 0.01 to 1.5 and j / i = 0.3 to 1.0, k is 0.001 to 3.0, and y is the other element. It is a number determined by the oxidation state.)
[0009]
The heating of the slurry x and the slurry y is performed in separate vessels, and the heating temperature is preferably in the range of 70 ° C. to the boiling point of the aqueous medium. Further, the heating time of each of the slurry x and the slurry y is preferably at least 1 hour, more preferably 2 to 5 hours.
[0010]
Among Mo 6+ and Sb 3+ used for the production of the catalyst, the following ratios are preferable as the ratio of Mo 6+ and Sb 3+ used on the slurry y side and those used on the slurry x side.
That is, with respect to Mo 6+, it is preferable to use 5 to 95 mol% of the total Mo 6+ for the preparation of slurry y and use the remainder for the preparation of slurry x. It is more preferable to use 10 to 80 mol% of the total Mo 6+ . When the proportion of Mo 6+ in the slurry y is less than 5 mol%, the progress of the reaction occurring during the heating of the slurry y tends to be slow. When the proportion of Mo 6+ in the slurry y exceeds 95 mol%, the proportion of Mo 6+ in the slurry x becomes too small. Further, as for Sb 3+, it is preferable to use 1 to 70 mol% of the total Sb 3+ for preparing slurry y and use the remainder for preparing slurry x. It is more preferable to use 10 to 60 mol% of the total Sb 3+ . The reason for limiting the amount of Sb 3+ in the slurry x is the same as the reason for limiting Mo 6+ .
[0011]
The concentration of the slurry x and the slurry y is preferably a ratio of 3 to 30 parts by mass of the total weight of the metal compound per 100 parts by mass of water. When the total weight of the metal compound exceeds 30 parts by mass, a part of the Mo 6+ compound or the V 5+ compound is insoluble in water, and the reaction tends to be incomplete. It is preferable to reflux the evaporated water by a cooler so that the water does not evaporate out of the reaction system by heating, and it is also preferable to replenish the water if necessary. Further, it is preferable that the heating is performed with stirring.
[0012]
The following metal compounds are used for producing the slurry x and the slurry y.
As the V 5+ compound, ammonium metavanadate or vanadium pentoxide is preferable, as the Sb 3+ compound, antimony trioxide is preferable, and as the Mo 6+ compound, ammonium molybdate, molybdenum oxide, molybdic acid, or the like can be mentioned. Preferably, it is ammonium molybdate in that it is water-soluble.
It has been confirmed that when ammonium molybdate and antimony trioxide are used as the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound, a compound represented by the composition formula Sb 4 Mo 10 O 31 is generated when the slurry y is heated. It is presumed that the production of such a compound results in a catalyst obtained by the present invention having high performance.
[0013]
After heating the slurry x and the slurry y, they are combined into one liquid. At the time of mixing, it is preferable to stir the slurry x while heating, and to drop the slurry y little by little into the slurry x in that state. The preferable required time for mixing both solutions is about 10 minutes to 3 hours. The preferable liquid temperature of the two at the time of mixing is 70 ° C. or higher, and it is preferable that both of them are heated to a predetermined temperature until immediately before and mixed in a heated state.
[0014]
In the preparation of the slurry y, two types of slurries y can be prepared. That is, the aqueous dispersion to which the predetermined amounts of the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound are added is divided into two portions at a ratio in the range of 9/1 to 1/9, and after heating them under the above-described conditions, one of them is heated. In step (1), it can be mixed with the slurry x as described above, and the other can be used in step (2) described below. In that case, as the slurry y (hereinafter sometimes referred to as slurry y (2)) used in the step (2), the aqueous dispersion containing the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound is heated in the presence of hydrogen peroxide. It is preferable to use the obtained slurry (hereinafter referred to as slurry z). The preferred amount of hydrogen peroxide added to the slurry z is such that the molar ratio with respect to Sb 3+ in the slurry z is 0.5 to 2.0.
When a part of the slurry y is used as the slurry z as described above, a preferable ratio between the slurry z and the slurry y is 5 to 50% of the slurry z to 95 to 50% of the slurry y.
[0015]
After mixing the above slurries, the mixture is cooled to 10 ° C. to room temperature with stirring, and then the operation proceeds to step (2).
In step (2), a compound containing metal A (hereinafter, referred to as a component A compound) is added to the mixed aqueous liquid obtained in step (1). By this operation, a fine precipitate is formed in the reaction solution. The metal A is at least one element selected from the group consisting of Nb, Ta, W, Ti, Zr, Re, Fe, Ni, Co, Sn, Tl, Cu, a rare earth element and an alkali metal element.
It is preferable that the component A compound is added to the mixed aqueous solution obtained in the step (1) within a short time as possible, and that the compound is immediately and uniformly mixed. The time required for adding the component A compound is preferably 3 minutes or less, more preferably 1 minute or less. The component A compound is preferably added in the form of an aqueous solution, and the aqueous reaction solution to which it is added is preferably stirred vigorously during the addition.
Further, in the step (2), simultaneously with or after the addition of the component A compound to the mixed aqueous liquid obtained in the step (1), a part of the slurry y or the slurry z not used in the step (1) is used. Is added to the mixed aqueous solution. Of course, when the entire amount of the aqueous dispersion to which the predetermined amounts of the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound are added is mixed with the slurry x in the step (1), the slurry y (2) or the slurry y (2) in the step (2) is used. No addition of z is necessary.
[0016]
As the component A compound, oxides, nitrates, carboxylate salts, oxo acid salts, oxalates and the like can be used. The component A compound may be used in the form of being dispersed in water, but is more preferably used in the form of an aqueous solution using oxalic acid or the like. The amount of the component A compound used is such that A is 0.001 to 3.0 when Mo is 1 in the atomic ratio of the metal in the obtained metal oxide catalyst. If the ratio of A in the same catalyst when Mo is 1 is less than 0.001, the catalyst deteriorates. On the other hand, if it exceeds 3.0, the catalyst becomes low in activity and the conversion of propane is inferior.
When nitric acid or ammonium nitrate is added to the reaction solution obtained by adding the component A compound in the step (2), the physical strength of the finally obtained metal oxide catalyst is improved. Nitric acid or ammonium nitrate may be added simultaneously with the slurry y (2) or the slurry z. A preferable addition amount of nitric acid or ammonium nitrate is 0.7 to 2.1, more preferably 0.5 to 1.7, in a molar ratio to Sb.
[0017]
After the above step (2) is completed, the obtained aqueous liquid is evaporated to dryness, and the obtained solid is dried and fired. Evaporation to dryness and drying can be performed by a conventionally known method. It is efficient to blow an inert gas such as nitrogen or air during evaporation to dryness. The temperature of evaporation to dryness is preferably in the range of 50 to 130 ° C.
The dried solid obtained by the above operation is first calcined at a temperature of 280 to 330 ° C for 2 to 20 hours in the presence of oxygen, and then at a temperature of 500 to 660 ° C, preferably 570 to 620 ° C and 1 to 3 in the absence of oxygen. By firing for a time, a target metal oxide can be obtained.
The content of the metal element in the metal oxide obtained by the above-mentioned calcination can be confirmed by fluorescent X-ray analysis.
[0018]
The catalyst for producing acrylic acid obtained by the above method can be used as it is, but it is more preferable to increase the surface area by pulverizing to a suitable particle size. As a pulverization method, any of a dry pulverization method and a wet pulverization method can be used, and examples of a pulverization device include a mortar, a ball mill and the like. In the case of wet grinding, examples of the type of the solvent used as a grinding aid include water and alcohols. The preferred particle size of the present catalyst is 20 μm or less, more preferably 5 μm or less. The catalyst for producing acrylic acid in the present invention can be used in the state of no carrier, but can also be used in the state of being supported on a carrier such as silica, alumina, silica-alumina and silicon carbide having an appropriate particle size.
[0019]
Next, a gas phase oxidation reaction method will be described. Propane and oxygen gas, which are the raw materials for producing acrylic acid, may be separately introduced into the reactor and mixed in the reactor, or may be introduced into the reactor in a state where both are mixed in advance.
Examples of the oxygen gas include pure oxygen gas or air, and a gas obtained by diluting them with nitrogen, steam, or carbon dioxide. When propane and air are used, the ratio of air to propane is preferably 30 times or less by volume, and more preferably 0.2 to 20 times.
Propane, an unreacted raw material obtained from the outlet of the reactor, and propylene, an intermediate product, can be used as fuel as it is, but after being separated from other components in the product, it is introduced into the reactor. It can be reused.
The preferred reaction temperature is from 300 to 600 ° C, more preferably from 350 to 500 ° C. Further, 1000 to 8000 hr -1 is appropriate as the gas space velocity (hereinafter referred to as SV).
It is presumed that the metal oxide obtained by the present invention exerts excellent effects even when applied to the synthesis of acrylic acid by oxidation of acrolein or propylene.
[0020]
[Examples and Comparative Examples]
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples.
2.0 g (about 1.5 ml) of the catalyst obtained in each example was filled in a 10 mmφ quartz reaction tube. The reaction tube was heated to 400 ° C., and a mixed gas of 7.4% by volume of propane, 8.1% by volume of oxygen, 30.5% by volume of nitrogen and 54.1% by volume of steam was supplied thereto at a rate of 4616 / hr. Thus, acrylic acid was synthesized. The following conversions and selectivities were calculated based on the reaction products, and the performance of the catalyst used was evaluated based on those values. The results are shown in Table 1 below. The propane conversion and the acrylic acid selectivity were calculated based on the following formulas (all calculated by moles).
-Propane conversion (%) = (supply propane-unreacted propane) / supply propane-acrylic acid selectivity (%) = produced acrylic acid / (supply propane-unreacted propane)
・ Acrylic acid yield (%) = (propane conversion rate × acrylic acid selectivity) / 100
[0021]
Embodiment 1
80 ml of distilled water, 0.29 g of antimony trioxide and 24.72 g of ammonium molybdate were added to a 500 ml glass flask, and a large amount of nitrogen gas was passed therethrough to sufficiently purge with nitrogen. Heating is performed for 2.5 hours while refluxing at the boiling point of water while rotating the stirrer at a speed of minutes (slurry y).
Separately, 70 ml of distilled water, 5.58 g of antimony trioxide, 6.18 g of ammonium molybdate, and 6.15 g of ammonium metavanadate were added to a 500 ml glass flask, and a large amount of nitrogen gas was passed to sufficiently purge with nitrogen. The above liquid mixture is heated for 2.5 hours while refluxing at the boiling point of water while rotating the stirrer at a speed of 500 rpm (slurry x).
2.5 hours later, while maintaining the stirring and heating conditions of the slurry x, the slurry y was continuously added to the slurry x at a constant speed over 25 minutes to obtain a blue colloid-dispersed liquid slurry. . The stirring is continued, and the flask containing the slurry is cooled to 10 ° C. with ice water.
A normal temperature aqueous solution in which 8.82 g of oxalic acid and 2.33 g of niobic acid were dissolved in 70 ml of distilled water was added to the slurry cooled to 10 ° C. After the obtained mixture was vigorously stirred for 30 minutes, 5.0 g of ammonium nitrate was added to homogenize the mixture, concentrated by heating, and further evaporated to dryness at 120 ° C. The obtained solid was calcined in air at 300 ° C. for 5 hours, and then calcined at 600 ° C. for 2 hours in flowing nitrogen gas to obtain a specific crystalline catalyst. The same amount of water as the catalyst was added to the obtained catalyst, and wet pulverization was performed for 24 hours by a ball mill. The obtained slurry was dried, tablet-molded, pulverized to 16 to 30 mesh, and used for an acrylic acid production reaction. The atomic ratio of this catalyst was Mo / V / Sb / Nb = 1.0 / 0.3 / 0.23 / 0.08. The results of conducting an acrylic acid synthesis test using this catalyst are as shown in Table 1. In Table 1, AA is acrylic acid, P is propane, and PP is propylene.
[0022]
Embodiment 2
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 1 except that the amount of antimony trioxide charged in slurry y was 0.88 g and the amount of antimony trioxide charged in slurry x was 4.91 g. The results of conducting an acrylic acid synthesis test using this catalyst are as shown in Table 1. Table 1 also shows the results of acrylic acid synthesis tests using the catalysts obtained in the following examples.
[0023]
Embodiment 3
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 1 except that the amount of antimony trioxide charged into slurry y was 1.76 g and the amount of antimony trioxide charged into slurry x was 4.11 g.
[0024]
Embodiment 4
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 1 except that the amount of antimony trioxide charged into slurry y was 2.94 g and the amount of antimony trioxide charged into slurry x was 2.94 g.
[0025]
Embodiment 5
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 1 except that the amount of antimony trioxide charged into slurry y was 3.52 g and the amount of antimony trioxide charged into slurry x was 2.35 g.
[0026]
Embodiment 6
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 1 except that the amount of antimony trioxide charged into slurry y was 4.11 g and the amount of antimony trioxide charged into slurry x was 1.76 g.
[0027]
Embodiment 7
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 4 except that the amounts of ammonium molybdate charged into the slurries y and x were respectively set to 27.80 g and 3.10 g.
[0028]
Embodiment 8
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 4, except that the amounts of ammonium molybdate charged to the slurries y and x were 29.40 g and 1.50 g, respectively.
[0029]
Embodiment 9
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 4 except that the heating time of the slurry y was changed to 1 hour.
[0030]
Embodiment 10
A catalyst was produced under the same conditions as in Example 4 except that the heating time of the slurry y was changed to 9.5 hours.
[0031]
[Comparative Example 1]
Example 1 is the same as Example 1 without dividing into slurry x and slurry y, that is, except that the total amount of antimony trioxide, ammonium molybdate and ammonium metavanadate was combined and heat-treated in an aqueous medium for 3 hours. The catalyst was produced under the same conditions.
[0032]
[Comparative Example 2]
Regarding the operation in the step (1), as in Comparative Example 1, the total amount of antimony trioxide, ammonium molybdate and ammonium metavanadate was combined and heated in an aqueous medium for 16 hours. 40 g of hydrogen oxide water was added dropwise over 5 hours. Thereafter, a catalyst was produced in the same manner as in Example 1.
[0033]
[Table 1]
[0034]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, it can be applied to the production of acrylic acid by a gas phase catalytic oxidation reaction of propane, and a catalyst having a high space-time yield of acrylic acid can be produced with good reproducibility.
Claims (2)
工程(1):Mo6+化合物およびSb3+化合物のうちの一部をV 5+化合物とともに水性媒体中で70℃以上に加熱して得られる水性液(イ)と、残余のMo6+化合物およびSb3+化合物を実質的にV 5+化合物の非存在下に水性媒体中で70℃以上に加熱して得られる水性液(ロ)の一部または全量とを混合する工程。
工程(2):上記工程(1)で得られた混合水性液に、下記金属Aを含有する化合物を添加するかまたは該化合物の添加と同時もしくはその後に工程(1)で使用しなかった水性液(ロ)の一部を添加する工程。
工程(3):上記工程(2)で得られた水性液を蒸発乾固して得た乾固物を乾燥し、さらに焼成する工程。
組成式; MoVi Sbj Ak Oy
(式中、Aは、Nb、Ta、W、Ti、Zr、Re、Fe、Ni、Co、Sn、Tl、Cu、希土類元素およびアルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。iおよびjは、各々0.01〜1.5で、かつj/i=0.3〜1.0であり、kは0.001〜3.0であり、またyは他の元素の酸化状態によって決定される数である。)In producing an acrylic acid production catalyst comprising a metal oxide represented by the following composition formula, a method comprising the following steps (1), (2) and (3) is employed. A method for producing a production catalyst.
Step (1): An aqueous liquid (a) obtained by heating a part of the Mo 6+ compound and the Sb 3+ compound together with the V 5+ compound in an aqueous medium at 70 ° C. or higher, and the remaining Mo 6+ compound and the Sb 3+ Mixing the compound with a part or all of an aqueous liquid (b) obtained by heating the compound in an aqueous medium to 70 ° C. or higher in the substantial absence of a V 5+ compound.
Step (2): A compound containing the following metal A is added to the mixed aqueous solution obtained in the above step (1), or an aqueous solution not used in the step (1) simultaneously with or after the addition of the compound. A step of adding a part of the liquid (b).
Step (3): a step of drying the dried liquid obtained by evaporating the aqueous liquid obtained in the above step (2) to dryness, and further baking it.
Formula; MoV i Sb j A k O y
(In the formula, A is at least one element selected from the group consisting of Nb, Ta, W, Ti, Zr, Re, Fe, Ni, Co, Sn, Tl, Cu, a rare earth element and an alkali metal element. I and j are each 0.01 to 1.5 and j / i = 0.3 to 1.0, k is 0.001 to 3.0, and y is the other element. It is a number determined by the oxidation state.)
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