JP2004041489A - 医療用イメージング装置の遠隔操作システム - Google Patents

医療用イメージング装置の遠隔操作システム Download PDF

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Naoki Hirata
平田 直樹
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Abstract

【課題】遠隔操作により、被検体の磁気共鳴映像を正確に撮像することができる医療用イメージング装置の遠隔操作システムを提供する。
【解決手段】移動車両の内部に、被検体の磁気共鳴画像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置と、撮像操作および画像制御をおこなう第一の制御装置とを備え、移動車両と離隔した場所に設けた遠隔操作室に、磁気共鳴映像撮像装置の撮像操作基準となる撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう第二の制御装置とを備え、第一の制御装置と第二の制御装置間での撮像パラメータおよび情報データの送受信は光ファイバなどの通信媒体を介しておこなう。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動車両に搭載したイメージング装置(MRI装置)の操作を通信媒体を介して遠隔的におこなうイメージング装置の遠隔操作システムに関し、特に遠隔操作室からイメージング装置の撮像パラメータを設定することにより、イメージング装置の操作方法に精通していなくても被検体のイメージング映像を正確に撮像することができる医療用イメージング装置の遠隔操作システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置としては、核磁気共鳴現象を用いて撮影対象物の内部構造を画像化する磁気共鳴映像撮像装置(以下、「MRI装置」と称する)が知られている。核磁気共鳴現象は生体に対して無害であるため、MRI装置は、特に医療用として有用であり、全身の精密検査や脳腫瘍の診断などに用いられている。
【0003】
この核磁気共鳴現象とは、一様な静磁場が印加された物体において、物体を構成する原子の原子核のスピン方向が揃い、静磁場の強度に比例した周波数(以下、「共鳴周波数」と称する)の電磁波を吸収、放出する現象である。MRI装置は、特定の核種(主に水素原子)に対して核磁気共鳴現象を利用することで、撮影対象物の任意の断層面を任意の厚さで画像化することができる。
【0004】
核磁気共鳴現象を用いて撮影対象物の内部構造を画像化する場合、位置情報を調べるために、静磁場とは別に空間的および時間的に変動する勾配磁場を撮影対象物に対して印加する。勾配磁場を印加することによって、撮影対象物に印加される磁場は場所によって異なることとなり、撮影対象物を構成する各原子の共鳴周波数は場所によって変化する。したがって、勾配磁場を印加して一定範囲の周波数の磁気共鳴信号を受信し画像にすることで、撮影対象物の任意の断層面の任意の厚さの画像を得ることができる。
【0005】
そして、近年では、上述したMRI装置を専用の自動車(大型トラック)に搭載し、移動診療を可能にした車載型の移動式MRI装置によるメディカルモバイルサービス(移動診療)が普及している。この移動式MRI装置は、主に次の(1)〜(3)の用途として利用されている。
【0006】
(1)病院に据置されたMRI装置が何らかの故障や災害などにより稼動できなくなった際の、緊急時に指定された病院や災害地域に直接出向いてMRI診療を行う。
(2)MRI装置が設置されていない地域(遠隔地や過疎地)におけるMRI検査時に、直接、対象となる地域に移動式MRI装置を派遣してMRI診療をおこなう。
(3)新しくMRI装置を購入した際、旧MRI装置との入れ替え作業期間(通常2週間程度)の代替品(レンタル)としての臨時使用に用いる。
【0007】
移動式MRI装置によるMRI検査で撮像された被検体(患者)の検査データ(静止画像データ)は、MRI診療を専門とする病院などにNTT回線やCATV回線を通じて転送され、転送先の病院の医師や放射線技師による詳細な読影検査がおこなわれる。そして、この読影検査による検査結果に基いて再検査や手術、入院などが患者本人に通知されるとともに適切な診療処理がおこなわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の医療用イメージング装置の遠隔システムでは、以下のような問題があった。すなわち、(1)新しいMRI装置に入れ替えた際に、必ずしも以前と同種類のMRI装置が再度設置されるとは限らない。このため、他のメーカーのMRI装置が据置される場合には、操作手順である撮像パラメータによる操作方法が異なるため、操作の習得に時間が掛かり診療業務に支障を来たす恐れがある。また、一時的に代替品としてレンタルされたMRI装置の操作に精通したオペレータを常駐させることなどが考えらえるが、この場合、人件費に伴うコストが嵩む原因となり好ましくない。
【0009】
(2)また、病院にMRI装置が常設されている場合でもMRI装置の操作は複雑であるとともに、操作方法を確実に習得するには多くの時間を必要とする。つまり、MRI装置の操作を担当する医師や放射線技師は専門の講習会などに参加して操作技術を習得するが、実際の医療現場では操作方法を完全に習得するには時間がかかり、操作方法が不明の場合には、操作説明書を見るかメーカーに問い合わせて操作を確認する必要がある。このため、MRI検査に緊急を要する場合には、対応が難しくなり診療に大きな支障を生じる恐れがある。
【0010】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、イメージング装置(MRI装置)の操作方法に精通していない場合であっても、MRI検査を遠隔操作により効率的且つ正確に支援することができる医療用イメージング装置の遠隔操作システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、第1の観点にかかる発明は、移動可能な車両の内部に、被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置と、当該イメージング装置の撮像操作および撮像制御をおこなう第一の制御装置とを備え、前記車両と離隔した場所に設けられた遠隔操作室に、前記イメージング装置の操作手順である撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう第二の制御装置を備えた医療用イメージング装置の遠隔操作システムであって、前記撮像パラメータおよび伝達情報データの送受信は、前記車両の第一の制御装置と遠隔操作室の第二の制御装置との間で通信媒体を介しておこなうことを特徴とする。
【0012】
この第1の観点にかかる発明によれば、移動車両の内部に、イメージング装置と、撮像操作および画像制御をおこなう第一の制御装置とを備えており、この移動車両と離隔した場所に設けられた遠隔操作室にイメージング装置の操作手順となる撮像パラメータの設定をおこなう第一の制御装置を備え、移動車両と遠隔操作室との両者間で撮像パラメータおよび情報データの送受信は通信媒体を介して遠隔的におこなうので、遠隔操作室から設定された撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体のイメージング映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0013】
第2の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であることを特徴とする。
【0014】
この第2の観点にかかる発明によれば、前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であるので、遠隔操作室から設定された撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体の磁気共鳴映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0015】
第3の観点にかかる発明は、第2の観点にかかる発明において、前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信することを特徴とする。
【0016】
この第3の観点にかかる発明によれば、前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信するので、MRI検査を直接実施する放射線技師などのオペレータがMRI装置の操作方法に精通していない場合であっても、遠隔操作室から設定される撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体の磁気共鳴映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0017】
第4の観点にかかる発明は、第2または第3の観点にかかる発明において、前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれることを特徴とする。
【0018】
この第4の観点にかかる発明によれば、前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれるので、第一の撮像パラメータの設定と第二の撮像パラメータの設定とを合わせて、より詳細且つ正確に被検体の磁気共鳴映像を撮像することができる。
【0019】
第5の観点にかかる発明は、第2、第3または第4の観点にかかる発明において、前記車両には、当該車両の内部を撮像する撮像手段をさらに備え、前記遠隔操作室には前記撮像手段により撮像された映像データを画像データとしてリアルタイムに画像化する撮像モニタをさらに備えることを特徴とする。
【0020】
この第5の観点にかかる発明によれば、移動車両の内部を撮像した撮像手段からの映像データは、遠隔操作室に備えた撮像モニタによりリアルタイムで画像データとして画像化されるので、この撮像モニタにより移動車両の内部や患者の動向を常時監視することができるため、撮像パラメータの設定にともなう的確な対応や送信された画像診断を正確におこなうことができる。
【0021】
第6の観点にかかる発明は、第2から第5の観点のいずれか一つに記載の発明において、前記車両の内部および前記遠隔操作室の内部のそれぞれには、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
この第6の観点にかかる発明によれば、音声入出力手段による移動車両と遠隔操作室との情報の伝達に基いて、移動車両側のオペレータおよび患者と遠隔操作室側の放射線技師との確実な意志の伝達をおこなうことができる。
【0023】
第7の観点にかかる発明は、第2から第6の観点のいずれか一つに記載の発明において、前記車両側の音声入出力手段と前記遠隔操作室側の音声入出力手段により送受信された伝達情報データに基いて、前記撮像パラメータの設定が再設定或いは調整されることを特徴とする。
【0024】
この第7の観点にかかる発明によれば、音声入出力手段による移動車両と遠隔操作室との情報の伝達に基いて、撮像パラメータの設定が再設定或いは調整されるので、移動車両側のオペレータおよび患者と遠隔操作室側の放射線技師との確実な意志の伝達により、正確に撮像パラメータの設定をおこなうことができる。
【0025】
第8の観点にかかる発明は、第2から第7の観点のいずれか一つに記載の発明において、前記第一の制御装置には、前記撮像パラメータの設定をおこなう機能をさらに備えることを特徴とする。
【0026】
この第8の観点にかかる発明によれば、第一の制御装置によっても撮像の操作基準となる撮像パラメータの設定をおこなうことができるので、遠隔操作室からの遠隔操作による設定がない場合でも撮像パラメータの設定をおこなうことができるうえ、遠隔操作による撮像パラメータの設定とともに、より詳細且つ正確に被検体の磁気共鳴映像を撮像することができる。
【0027】
第9の観点にかかる発明は、被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置を備えた検査室と、当該検査室と離隔した場所に設けられた遠隔操作室に、前記イメージング装置の操作手順となる撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう制御装置を備えた医療用イメージング装置の遠隔操作システムであって、前記検査室には、当該検査室の内部を撮像する撮像手段と、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、前記遠隔操作室には、前記撮像手段により撮像された映像データを画像データとしてリアルタイムに画像化する撮像モニタと、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、前記撮像パラメータおよび伝達情報データの送受信は、前記検査室と前記制御装置との間で通信媒体を介しておこなうことを特徴とする。
【0028】
この第9の観点にかかる発明によれば、被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置を備えた検査室と、当該検査室と離隔した場所に設けられた遠隔操作室に、前記イメージング装置の操作手順となる撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう制御装置を備えた医療用イメージング装置の遠隔操作システムであって、前記検査室には、当該検査室の内部を撮像する撮像手段と、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、前記遠隔操作室には、前記撮像手段により撮像された映像データを画像データとしてリアルタイムに画像化する撮像モニタと、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、前記撮像パラメータおよび伝達情報データの送受信は、前記検査室と前記制御装置との間で通信媒体を介しておこなうので、遠隔操作室から設定された撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体のイメージング映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0029】
第10の観点にかかる発明は、第9の観点に記載の発明において、前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であることを特徴とする。
【0030】
この第10の観点にかかる発明によれば、前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であるので、遠隔操作室から設定された撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体の磁気共鳴映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0031】
第11の観点にかかる発明は、第10の観点にかかる発明において、前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信することを特徴とする。
【0032】
この第11の観点にかかる発明によれば、前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信するので、MRI検査を直接実施する放射線技師などのオペレータがMRI装置の操作方法に精通していない場合であっても、遠隔操作室から設定される撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体の磁気共鳴映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0033】
第12の観点にかかる発明は、第10または第11の観点にかかる発明において、前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれることを特徴とする。
【0034】
この第12の観点にかかる発明によれば、前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれるので、第一の撮像パラメータの設定と第二の撮像パラメータの設定とを合わせて、より詳細且つ正確に被検体の磁気共鳴映像を撮像することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る医療用イメージング装置の遠隔操作システムについて詳細に説明する。ここで、本実施の形態1ではイメージング装置の一例として磁気共鳴映像撮像装置(MRI装置)を適用しているが、MRI装置に限らず被検体の断層写真やX線写真などの静止画像データを用いる医療画像の伝送装置やその他放射線機器(CT、DR等)などの医療用イメージング装置に関しても本発明を適用することができる。
【0036】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる磁気共鳴映像撮像装置(MRI装置)の遠隔操作システムの全体構成図を、図2は、MRI装置の概略構成図を、図3は、遠隔操作システム全体の機能ブロック図をそれぞれ示している。
【0037】
ここで、本発明の特徴は、移動車両10に搭載されたMRI装置11の操作をおこなうための撮像パラメータなどの設定を、移動車両10から離隔した位置(遠隔操作室40)に設けた遠隔操作用のMRI制御装置41により通信媒体35を介して遠隔的に操作をおこなうことにある。
【0038】
すなわち、図1に示すように移動車両10側には、MRI装置11と、このMRI装置11を操作するためのMRI制御装置(デスクトップ・コンソール)12とが据置されている。MRI装置11とMRI制御装置12とは、信号ケーブルにより接続されている。移動車両10には、専用の磁気シールドが施された大型のトラックなどが使用され、この移動車内10にはMRI制御装置12の基本的な操作および患者21の検査補助をおこなうオペレータ13が同乗している。
【0039】
ここで、MRI装置11およびMRI制御装置12が搭載される移動車両10に、電源供給用の電源ユニットを配設した場合には、移動車両10自体の全長が長くなり大型化してしまうため、電源ユニットは別の車両(小型車両など)に搭載するものとなる。また、後述するように、本発明ではMRI装置11の重要な操作は移動車両10側のオペレータ13により行われるものではなく、遠隔操作室40の医師や放射線技師による遠隔操作により行われるため、移動車両10側に常駐するオペレータ13は、特に、MRI装置11の操作方法に精通している医者や放射線技師ではなく看護婦などとしてもよい。
【0040】
図2に示すように、MRI装置11は、最外周にリング状の静磁場発生磁石16、17を配し、その内側に円筒状の勾配磁場発生コイル18を設けている。これら静磁場発生磁石16、17および勾配磁場発生コイル18によりマグネットアセンブリ19を構成する。また、勾配磁場発生コイル18の内側に円筒状のRFコイル20を設け、このRFコイル20の内部に患者(被検体)21を載置した検査台22を搬入可能としている。
【0041】
ここで、本発明に適用するMRI装置には、垂直磁場型或は永久磁石型を採用することができるが、一般に永久磁石型のMRI装置の場合、マグネット重量が嵩むため(9トン程度)、好ましくは、重量が嵩まないうえ、永久磁石型MRI装置より画質も良く用途が広い超伝導高磁場MRI装置(例えば、1.5テスラ超伝導MRI装置「Signa TwinSpeed 1.5T」)を移動車両10に搭載するものとする。
【0042】
MRI制御装置12は、MRI装置11のコントローラとしての操作機能を有する装置で、撮像画像を生成する磁気共鳴画像生成部23、撮像画像を処理する撮像画像処理部24、撮像画像データ処理部25を備えた制御部26、表示部27、入力部28とを備えている。
【0043】
磁気共鳴画像生成部23は、静磁場発生磁石16、17、勾配磁場発生コイル18、RFコイル20(図2)にそれぞれ接続され、静磁場発生磁石16、17および勾配磁場発生コイル18に対して電力を供給してマグネットアセンブリ19内に静磁場および勾配磁場を印加する処理をおこなう。
【0044】
また、磁気共鳴映像生成部23により、RFコイル20からマグネットアセンブリ19内に電磁波を照射して患者21に共鳴周波数の電磁波を吸収させるとともに、患者21から放出された共鳴周波数の電磁波をRFコイル20によって吸収し、吸収した電磁波をもとに磁気共鳴映像を生成する。
【0045】
撮像画像処理部24は、上述のようにして撮像された、磁気共鳴映像の画像データの加工、編集などの処理を行う。この画像データは、患者21の患部を複数にスライスした断層撮像データとして取り込まれ処理される。
【0046】
表示部27にはディスプレイ(CRT)などが使用され、この表示部27にはMRI装置11の撮像初期設定や撮像処理を制御するための重要な撮像パラメータ設定を行うコントロール画面が表示される。
【0047】
入力部28は、キーボードやマウス(トラックボール)などが使用され、表示部27に表示されるコントロール画面に配設された設定キーやスイッチをマウスによりクリックすることにより各種の撮像パラメータの設定を行うことができる。また、この入力部28は、テンキー操作によりデータを入力したり、設定されたデータの修正(追加、変更、削除)を行う操作機能を有している。
【0048】
具体的には、このコントロール画面に表示される機能選択キーを操作して撮像パラメータを設定することによりMRI装置11で患者21の磁気共鳴映像を撮像し、所望の撮像データ(静止画像)を取得することができる。この撮像された画像データはコントロール画面のグラフィック表示部に表示される。
【0049】
撮像パラメータには、患者の名前、年齢、体重、フリップアングル、受信バンド幅、撮像位置、撮像視野(FOV)など撮像に必要な基本のパラメータが複数の項目として設定される。さらに、この撮像パラメータには、スキャンの実行、リストパルスシーケンス、イメージングオプション、などのスキャンパラメータの概要の設定、TEやTRなどのスキャンタイミングの設定、画像のコントラスト、スキャン範囲の設定、画像の空間分解能を決定する設定、スキャン時間の設定などのパラメータがある。撮像パラメータの種類は撮像方法により異なり、その都度それぞれ設定する。
【0050】
また、撮像画像データ処理部25により加工、編集などの処理が施された画像データを変換して遠隔操作室40側に伝送することができる。ここで、撮像された画像データの送信は、静止画像のため通常はインターネット系のGifによるファィルフォーマットが適用される。また、撮像画像データ処理部25に静止画/動画変換部としての機能を持たせることにより、静止画像データを動画像データとすることもできる。
【0051】
具体的には、多数枚の静止画像を動画像に変換するために、各静止画データを時系列に並べ、それらをデジタルビデオフォーマットの各フレームに1枚ずつ埋め込んでデジタルビデオ信号を作成し、これにより多数枚の静止画像をコマ送りすることにより得られる動画像を作成する。
【0052】
ここで、画像データのファイルとしては、通信媒体35を利用したインターネット回線を介して移動車両10と遠隔操作室40との間で送受信できるタイプのものであれば、いかなるファイルフォーマットとされていてもよく、具体的には、BMP形式、TIF形式、PCX形式、JIF形式、といったこれまで知られているいかなる形式でも用いることができる。
【0053】
また、30は、音声入出力手段で、この音声入出力手段30は、マイク31とスピーカ32とを有するインターコムシステム(intercom system)を適用することができる。マイク31は、オペレータ13或いは患者21の近傍付近に設けられ、スピーカ32は、MRI制御装置12の上方から傾斜した位置に設けられている。
【0054】
オペレータ13は、マイク31を利用して音声により遠隔操作室40内の放射線技師55に患者21の動向を伝えたり、MRI制御装置12の操作状況を伝達することができる。また、スピーカ32により遠隔操作室40の放射線技師55からの操作指示やアドバイスを聞くことができる。ここで、患者21の近傍(口元付近)にマイク31を設けた場合には、このマイク31から直接放射線技師55に要望などを伝達することができるうえ、放射線技師55からは患者21に対して各種の指示を確実に伝達することができる。
【0055】
また、33は撮像手段で、この撮像手段33には、監視用カメラ(ビデオカメラ)などが使用され移動車両10の内部やオペレータ13および患者21の状態や動向を監視することができる。この撮像手段52により撮影された映像は画像データとして遠隔操作室40に送信され、撮像モニタ52によりリアルタイムで映し出される。音声入出力手段30および撮像手段33は、入出力制御部34によりその入出力が制御される。
【0056】
36は、通信インターフェースとしての機能を有するI/F部(インターフェース部)で、このI/F部36は、ネットワークとしての通信媒体35を介して遠隔操作室側40のI/F部54と相互に通信自在となっている。後述するように、これらI/F部36、54と通信媒体35間でMRI装置11により撮像された撮像データや情報データの送受信を相互に行うことができる。
【0057】
ここで、通信媒体35としては、インターネット回線による光ファイバケーブルを使用した有線による光ファイバ通信を使用することができる。この光ファイバケーブルによる光ファイバ通信を使用した場合には、コストも低価格となり電磁波による影響も少ないうえ、高速で大容量の画像データ通信を実現することができる。つまり、通信媒体35が光ファイバによる光通信の場合には、遠隔地などから大量の画像データを高速に伝送できるため通信コストを削減することができる。
【0058】
なお、光ファイバケーブルを使用する場合には、光ファイバケーブルによる光ファイバ通信網が構築された施設を中継地点として、この中継地点の光ファイバケーブルと移動車両10側のI/F部36を光ファイバコネクタにより接続し遠隔操作室40との間で光ファイバ通信を行う。光ファイバコネクタには接続損失の少ないうえ、着脱が容易となる光ファイバコネクタを選定する。
【0059】
ここで、本実施の形態1において、実際に通信を必要とするのは、▲1▼撮像パラメータの送信時、▲2▼撮像した画像の受信時、▲3▼患者および室内の様子を映し出すモニター映像の受信時、▲4▼遠隔操作室側と移動車両側との間で音声を伝達する時などである。このため、上述したように光ファイバーケーブルのような大容量の回線の場合には、前記▲1▼〜▲4▼の全てを1回線でおこなうことができるが、病院などのISDN通信回線(128Kb/s)を利用する場合には、1回線のISDN通信だけでは画像受信の遅延などが生じるため、前記▲1▼〜▲4▼をそれぞれ独立回線(4回線)でおこなうのが好ましい。さらに、ADSL回線(8Mb/s)を通信回線として使用した場合には、▲1▼と▲2▼、▲3▼と▲4▼を同一回線にすることができるため、通信回線の総和を2回線とすることが可能である。
【0060】
一方、遠隔操作室40には、移動車両10側と同様の機能を備えたMRI制御装置(デスクトップ・コンソール)41が据置されている。すなわち、図3に示すように、遠隔操作室40内にはMRI制御装置41を備えており、このMRI制御装置41は、撮像画像を処理するための撮像画像処理部42、撮像画像データ処理部43、表示部46、入力部47とを備えている。
【0061】
また、この遠隔操作室40には、移動車両10に据置されたMRI装置11の操作に熟練した医師や放射線技師55(図1)がオペレータとして待機している。後述するように、MRI装置11の操作に精通した放射線技師55により移動車両10側のMRI装置11を効率良く且つ正確に遠隔操作することができる。なお、遠隔操作室40内のオペレータは超音波技師55ではなくMRI装置61の製造元であるメーカの担当者などを選定することもできる。
【0062】
また、遠隔操作室40には、移動車両10と同様に音声入出力手段48が設けられている。この音声入出力手段48も、マイク50とスピーカ51とを有するインターコムシステム(intercom system)が適用され、マイク50は、放射線技師55の口元などの近傍付近に設けられ、スピーカ51は、MRI制御装置41の上方から傾斜して設けられている。
【0063】
後述するように、放射線技師55は、マイク50を利用して音声により移動車両10側のオペレータ13や患者21に対して撮像位置(部位)を選定するために身体の向きなどを指示することができる。また、スピーカ51により移動車両10側のオペレータ13や患者21の音声を聞くことができ、オペレータ13および患者21との間で相互のコミュニュケーションを図ることができる。
【0064】
また、52は撮像モニタで、この撮像モニタ52には、移動車両10側に設けた撮像手段33により撮像された患者21およびMRI装置11の周辺がリアルタイムで送信され画像データとして映し出される。このため、放射線技師55は撮像モニタ52により移動車両10の内部や患者21の動向を常時監視することができるため、撮像パラメータの設定にともなう的確な対応や送信された画像診断を正確におこなうことができる。
【0065】
54は、通信インターフェースとしての機能を有するI/F部(インターフェース部)54で、このI/F部54は、通信媒体35を介して移動車両10側のI/F部36と通信接続されている。そして、これらI/F部36とI/F部54との間で撮像パラメータおよび画像データの送受を相互に行うことができる。
【0066】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、遠隔操作システムにより移動車両10側のMRI装置11を遠隔的に操作する手順を詳細に説明する。ここで、以下の説明では脳梗塞の診療のため、頭部(脳)のMRI検査をおこなう患者のを事例として説明する。
【0067】
ここで、本発明の医療用イメージング装置の遠隔システムでは、移動車両10側に常駐するオペレータの役目は、▲1▼患者を、MRI装置11にセッティングし、▲2▼検査が終わったら患者をMRI装置11から搬出し、▲3▼緊急時にMRI装置11による撮像をストップすることである。一方、MRI装置11における撮像に関する全ての情報(撮像パラメータ、撮影の開始など)は、全て遠隔操作室40側から送信される。
【0068】
すなわち、図4に示すフローチャートに示すように、先ず移動車両10側では、MRI検査を実施する前準備が行なわれる(ステップS310)。具体的には、MRI検査の受診対象である被検体(患者)21をMRI装置11の検査台21に乗せ、患者21の体位(頭部の向き調整)などのセッティングを行う。この段階は、頭部のどの位置を撮像するかを決めるための頭部の全体像を撮像する「位置決め用の初期撮像」となる。また、この時オペレータ13によりMRI装置11およびMRI制御装置12の基本的なセットアップ作業も行なわれる。
【0069】
一方、遠隔操作室40側では、放射線技師55がMRI制御装置41のコントロールパネルを操作し、撮像パラメータの基本設定を行う(ステップS320)。この基本設定である撮像パラメータは、前述したように患者の名前、年齢、体重などの個人データの他、MRI撮像に必要なフリップアングル、受信バンド幅、撮像位置、撮像視野(FOV)などの撮像パラメータである。
【0070】
ここで、放射線技師55は、撮像パラメータの設定を行う際に、撮像モニタ52にモニタリングされる患者の状態を監視しながら、また、必要であれば、移動車両10側のオペレータ13や患者21に対してにマイク48を利用して「撮像位置(部位)」などの移動や向きを音声により指示することができる。
【0071】
ステップS320の操作により設定された基本設定となる撮像パラメータが移動車両10側のMRI制御装置12に送信される(ステップS330)。具体的には、MRI制御装置41のI/F部54から通信媒体35を介してI/F部36からMRI制御装置12に撮像パラメータが送信される。
【0072】
この送信された撮像パラメータは、受信データとしてMRI制御装置12のコントロールパネル上に表示されるとともに(ステップS340)、その設定された撮像パラメータに基いてMRI制御装置12のコントロールが行われ、MRI装置11による患者21のMRI検査(撮像)がおこなわれる(ステップS350)。
【0073】
具体的には、遠隔操作室40から撮像パラメータの受信を確認したオペレータ13によりMRI制御装置12のスタートボタンを押下することにより、設定された撮像パラメータに基いたMRI装置11による撮像が行なわれる。この際、より精密な撮像を行うため遠隔操作室40の放射線技師55からマイク48を利用した音声により、移動車両10側のオペレータ13に対して直接撮像パラメータの設定変更や調整などの指示を報知するようにしてもよい。
【0074】
次いで、設定された撮像パラメータに基いて、MRI装置11により撮像された撮像データが遠隔操作室40に転送される(ステップS360)。具体的には、撮像データは、移動車両10側のMRI制御装置12のI/F部38から通信媒体35を介して遠隔操作室40のI/F部58に送信され、MRI制御装置41により受信され、画像データとして保存される(ステップS370)。
【0075】
また、この画像データは、コントロールパネルのグラフィック表示部に表示される。前述したように、グラフィック表示部に表示される画像は静止画像であるが動画像とすることもできる。また、移動車両10側から送信された画像データ(ファイル)から患者名を特定するには、予め患者21に対して識別標識(ID番号)付与し、受信した画像データに付与されたID番号などにより特定することができる。
【0076】
以下、遠隔操作室40の放射線技師55はコントロールパネルのグラフィック表示部にリアルタイムに表示される撮像画像を確認しながら、順次、次の段階の撮像パラメータの再設定を行う(ステップS380)。この次の段階の撮像パラメータの設定とは、前段階で行った撮像パラメータに基いて、撮像された撮像画像を見て、次の撮像パラメータを判断する設定のことである。
【0077】
具体的には、通常、脳のMRI検査の場合、(1)位置決め用の初期撮像、(2)位置決めされた患部を描写するための撮像、(3)患部をより高精密に映し出す撮像、(4)血管の状態を調べる脳の血管の撮像などが順次おこなわれることとなり、撮像パラメータの再設定は、(1)〜(2)で撮像した画像を見て、(3)の撮像方法を決めるときにおこない、次いで、(3)で撮像した画像を見て、(4)の撮像方法を決めるときに、その都度おこなわれる。
【0078】
この、次の撮像パラメータの設定を行う際にも、撮像モニタ52にモニタリングされる患者21の状態を監視しながら、また、グラフィック表示部にリアルタイムに映し出される撮像画像を確認しながら、撮像パラメータの調整を行う。そして、必要であれば、その都度移動車両10側のオペレータ13や患者21に対してマイク50を利用して「撮像位置(部位)」などの向きを指示する。
【0079】
図4のフローチャートに戻り、ステップS380により撮像パラメータの再設定が有るか否かの判定がおこなわれる。これにより、再度の撮像パラメータの設定が有る場合(Yes)、ステップS330に戻り、その設定された撮像パラメータの設定が移動車両10側のMRI制御装置12に再度送信される。
【0080】
そして、前記ステップS340〜ステップ360の手順により再度設定された撮像パラメータに基いてMRI装置11の撮像がおこなわれ、撮像された撮像データが遠隔操作40側のMRI制御装置41に転送される。この段階で撮像データは、撮像モニタ52により放射線技師55が再度確認する。
【0081】
一方、ステップS380により撮像パラメータの再設定をおこなわない場合(No)には、ステップS390に移行し、最適な撮像データの取得がおこなわれたかの判定がなされる。具体的には、最適な撮像データの取得がおこなわれていないと判定された場合には(ステップ390否定)、ステップS380に移行し、再度撮像パラメータの設定がおこなわれるとともに、最適な撮像データの取得がおこなわれるまで、撮像パラメータの設定が繰り返しおこなわれる。そして、放射線技師55が最適な撮像データを取得したと判定した時点(ステップ390肯定)で、MRI装置11によるMRI検査が終了する(エンド)。
【0082】
以上説明したように、この実施の形態1では、移動車両10の内部に、MRI装置11と、撮像操作および撮像制御をおこなうMRI制御装置12とを備えており、この移動車両10と離隔した場所に設けられた遠隔操作室40にMRI装置11の撮像操作基準となる撮像パラメータの設定をおこなうMRI制御装置41を備え、移動車両10と遠隔操作室40との両者間で撮像パラメータおよび情報データの送受信は通信媒体を介して遠隔的におこなうので、MRI検査を直接実施するオペレータがMRI装置11の操作方法に精通していなくても、遠隔操作室40から遠隔的に送信される撮像パラメータに基づく撮像操作により、患者21に対するMRI検査を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0083】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかる磁気共鳴映像撮像装置(MRI装置)の遠隔操作システムの全体構成図を示している。ここで、この実施の形態2の特徴は、車載型の移動式MRI装置が対象ではなく、通常の病院内などに据置されているMRI装置を対象とするもので、その他の構成は前述した実施の形態1と同様であるため、同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
すなわち、前記実施の形態1と同様、遠隔操作室40には、MRI制御装置(デスクトップ・コンソール)41が据置されている。また、この遠隔操作室40には、病院内の撮像検査室60に据置されたMRI装置61の操作に精通した放射線技師55がオペレータとして待機している。
【0085】
また、遠隔操作室40には、マイク50とスピーカ51とを有する音声入出力手段48が設けられている。マイク50は、放射線技師55の口元付近に設けられ、スピーカ51は、MRI制御装置41の上方から傾斜して設けられている。
【0086】
また、52は撮像モニタで、この撮像モニタ52には、撮像検査室60側に設けた撮像手段62により撮像された患者21およびMRI装置61の周辺をリアルタイムで映像化している。このため、超音波技師55は、撮像手段62により撮像される患者21の状態や動向を、撮像モニタ52により常時監視することができるため撮像パラメータの設定を正確におこなうことができるうえ、MRI検査に必要な対応や指示を的確におこなうことができる。
【0087】
一方、撮像検査室60にも、マイク64とスピーカ63とを有する音声入出力手段65が設けられている。マイク64は、患者21の口元付近に設けられ、スピーカ63は、MRI装置61の上方に傾斜して設けられている。
【0088】
そして、前述した実施の形態1と同様、遠隔操作室40内の超音波技師55によりMRI制御装置41が操作され、コントロールパネルにより撮像パラメータが設定される。この設定された撮像パラメータは通信媒体35を介して、MRI装置61に送信されるものとなる。本実施の形態2の場合、通信媒体35は病院内に構築された有線式の光ファイバが使用される。また、本実施の形態2では撮像検査室60内にMRI制御装置を設けていないが、撮像パラメータの基本設定や調整用にMRI制御装置を設ける構成としてもよい。
【0089】
以上説明したように、この実施の形態2では、病院内の撮像検査室60に備えたMRI装置61の撮像操作基準となる撮像パラメータの設定および情報データの送受信は遠隔操作室40側の制御装置により通信媒体35を介して遠隔的におこなうので、MRI検査を直接実施するオペレータがMRI装置61の操作方法に精通していなくても、遠隔操作室40から遠隔的に送信される撮像パラメータに基づく撮像操作により、患者21の磁気共鳴映像を効率的且つ正確におこなうことができる。
【0090】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、移動車両や病院の内部に据置されたMRI装置に対して、光ファイバなどの通信媒体を介する遠隔操作によりMRI装置の撮像操作基準となる撮像パラメータを設定するとともに、その撮像操作および支援をおこなうので、MRI検査を直接実施する放射線技師などのオペレータがMRI装置の操作方法に精通していない場合であっても、遠隔操作室から設定される撮像パラメータに基いて、遠隔操作により被検体の磁気共鳴映像の撮像を効率的且つ正確におこなうことができるうえ、その都度、MRI装置の操作に精通したオペレータを常駐させる必要がないため、人件費などのコストダウンを図ることができるという効果を奏する。
【0091】
また、本発明によれば、移動車両や病院の内部に設けられる音声入出力手段や撮像手段による伝達情報に基いて、撮像パラメータの設定が再設定或いは調整されるので、移動車両や病院内のオペレータおよび患者と遠隔操作室側の放射線技師との確実な意志の伝達により、操作手順となる撮像パラメータの設定をより詳細に且つ、正確におこなうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる磁気共鳴映像撮像装置の遠隔操作システムを示す概要構成図である。
【図2】磁気共鳴映像撮像装置の概要を示す概要構成図である。
【図3】磁気共鳴映像撮像装置の遠隔操作システムの機能ブロック図を示す全体構成図である。
【図4】磁気共鳴映像撮像装置の遠隔操作システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる磁気共鳴映像撮像装置の遠隔操作システムを示す概要構成図である。
【符号の説明】
10 移動車両
11 MRI装置
12、41 MRI制御装置
13 オペレータ
16、17 静磁場発生磁石
18 勾配磁場発生コイル
20 RFコイル
21 患者
22 検査台
23 磁気共鳴画像生成部
24、42 撮像画像処理部
27、46 表示部
28、47 入力部
25、43 撮像画像データ処理部
30、48、65 音声入出力手段
31、50、64 マイク
32、51、63 スピーカ
35 通信媒体
36、54 I/F部
40 遠隔操作室
52 撮像モニタ
55 放射線技師

Claims (12)

  1. 移動可能な車両の内部に、被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置と、当該イメージング装置の撮像操作および撮像制御をおこなう第一の制御装置とを備え、前記車両と離隔した場所に設けられた遠隔操作室に、前記イメージング装置の操作手順である撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう第二の制御装置を備えた医療用イメージング装置の遠隔操作システムであって、
    前記撮像パラメータおよび伝達情報データの送受信は、前記車両の第一の制御装置と遠隔操作室の第二の制御装置との間で通信媒体を介しておこなうことを特徴とする医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  2. 前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  3. 前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信することを特徴とする請求項2に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  4. 前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれることを特徴とする請求項2または3に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  5. 前記車両には、当該車両の内部を撮像する撮像手段をさらに備え、前記遠隔操作室には前記撮像手段により撮像された映像データを画像データとしてリアルタイムに画像化する撮像モニタをさらに備えることを特徴とする請求項2、3または4に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  6. 前記車両の内部および前記遠隔操作室の内部のそれぞれには、音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  7. 前記車両側の音声入出力手段と前記遠隔操作室側の音声入出力手段により送受信された伝達情報データに基いて、前記撮像パラメータの設定が再設定或いは調整されることを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  8. 前記第一の制御装置には、前記撮像パラメータの設定をおこなう機能をさらに備えることを特徴とする請求項2から7のいずれか一つに記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  9. 被検体のイメージング映像を撮像するイメージング装置を備えた検査室と、当該検査室と離隔した場所に設けられた遠隔操作室に、前記イメージング装置の操作手順となる撮像パラメータの設定を遠隔的におこなう制御装置を備えた医療用イメージング装置の遠隔操作システムであって、
    前記検査室には、当該検査室の内部を撮像する撮像手段と、
    音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、
    前記遠隔操作室には、前記撮像手段により撮像された映像データを画像データとしてリアルタイムに画像化する撮像モニタと、
    音声による伝達情報の入力および出力をおこなう音声入出力手段とを備え、
    前記撮像パラメータおよび伝達情報データの送受信は、前記検査室と前記制御装置との間で通信媒体を介しておこなうことを特徴とする医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  10. 前記イメージング装置は、勾配磁場を発生する勾配磁場発生手段、静磁場を発生する静磁場発生磁石およびRFコイルを設けたマグネットアセンブリを備え、該マグネットアセンブリ内に載置した前記被検体の磁気共鳴映像を撮像する磁気共鳴映像撮像装置であることを特徴とする請求項9に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  11. 前記第二の制御装置は、前記第一の制御装置に対して、前記磁気共鳴映像撮像装置に関する撮像パラメータの設定情報を前記通信媒体を介して送信し、前記第一の制御装置は、前記第二の制御装置に対して、前記撮像パラメータに基づいて撮像した前記被検体の撮像画像データを前記通信媒体を介して送信することを特徴とする請求項10に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
  12. 前記撮像パラメータの設定は、前記被検体の患部を撮像するとともに、前記患部に対する撮像位置を限定する第一の撮像パラメータ設定工程と、当該第一の撮像パラメータ設定工程により限定された前記患部の位置を拡大して撮像する第二の撮像パラメータ設定工程とを備え、前記第一の撮像パラメータの設定により撮像された撮像データに基いて、前記第二の撮像パラメータの設定が調整され、当該第二の撮像パラメータの設定による撮像操作に基いて、前記被検体の撮像がおこなわれることを特徴とする請求項10または11に記載の医療用イメージング装置の遠隔操作システム。
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