JP2004041053A - 水槽等の加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒータHRを内蔵しているガラス管からなるヒータ本体1内に赤外線を発する光源LED を配設してヒータ本体1が空気中にある時と水中にある時とではヒータ本体1内からヒータ本体外に向かう方向に照射した光の屈折が相違するのを利用して、気中にある時にはヒータ本体1の表面で赤外線を反射させて受光体PHT2により受光させることにより、この受光体PHT2からの電気信号で上記ヒータHRを非通電状態にし、水中にある時には受光体PHT2に受光させることがないので、その電気信号によりヒータHRを通電状態にするように構成している。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バケツや水槽内に投入して内部の水を所定温度にまで加熱し、その水温を保持するようにした加熱装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば熱帯魚などを鑑賞する水槽においては、水槽内の温度を一定温度に加熱、保持するための加熱装置が使用されている。この加熱装置は通電によって発熱するヒータと、このヒータに電力を供給、遮断するスイッチ素子と、温度検知センサ及び温度制御回路とを備えてあり、水温が設定温度以下になるとヒータに電力を供給して水槽内の水を加熱し、水槽内の水が設定温度に達するとスイッチ素子により通電を遮断してヒータに対する電力の供給を停止し、これを繰り返し行わせて水槽内の水の温度を所定温度に保持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の加熱装置では水漏れや水槽の転倒、或いは、ヒータが誤って水槽外に出しておいた場合には空焚き状態となってヒータが異常に温度上昇し、火災が発生する等の極めて危険な事態となる虞れがある。このため、回路中に温度ヒューズを設けておき、異常に温度上昇した時にはその温度ヒューズを溶断させて電力を遮断するように構成しているが、一度、温度ヒューズが溶断すると加熱装置の構造上、その取り替えができないため、装置全体を破棄せざるを得ないという問題点がある。
【0004】
一方、加熱装置が空焚き状態になった時に、高温度に達したヒータの異常温度を検知してヒータへの通電を遮断するように構成した水槽等の加熱装置も開発されているが、気中においてこの異常温度を感知した時にはヒータが既に高温に達するまで発熱するので、安全性において問題があった。
【0005】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、気中と水中とでは光の屈折率が変化するのを利用してヒータが気中あるときにはヒータに対する通電を完全に遮断し、水中にあるときにヒータに対して通電して安全に使用することができる水槽等の加熱装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の水槽等の加熱装置は、請求項1に記載したように、ヒータを内装している透光性を有する筒状のヒータ本体と、このヒータ本体内に配設されてヒータ本体が気中にある時に該ヒータ本体の表面でヒータ本体内に向かって反射する一方、ヒータ本体が水中にある時にヒータ本体を透過する光源と、ヒータ本体内に配設されて上記反射光を受光する受光体と、この受光体が反射光を受光した時に上記ヒータを非通電状態にし、上記入射光がヒータ本体を透過して受光しない時に上記ヒータを通電状態にするスイッチ回路とから構成している。
【0007】
このように構成した水槽等の加熱装置において請求項2に係る発明は、上記受光体として、光源からの光を常時、直接受光する第1受光体と、光源からヒータ本体に入射した際の反射光を受光する第2受光体とを備えていることを特徴とする。
【0008】
さらに、上記請求項1又は請求項2に記載の発明において、請求項3に係る発明は装置の回路構成であって、電源回路からの直流電圧の供給によって電気信号を発生する発振回路と、この発振回路からの信号によって駆動される発光素子からなる光源と、光源からの発光を直接、受光するフォトトランジスタからなる第1受光体と、光源からのヒータ本体の表面に対する反射光を受光するフォトトランジスタからなる第2受光体と、ヒータを通電、非通電状態にするスイッチ回路と、上記第1、第2受光体からの信号を比較して第1受光体が受光しているにもかかわらず第2受光体が受光していない時にスイッチ回路にヒータへの通電を行わせる信号を発し、第1、第2受光体が共に受光しているか受光していない時にスイッチ回路にヒータを非通電状態にする信号を発する比較回路とから構成していることを特徴とする。
【0009】
この請求項3に記載した発明において、請求項4に係る発明は、上記第1、第2受光体と比較回路との間に、第1、第2受光体からの矩形波の入力信号をそれぞれ波形整形する第1、第2シュミット回路と、これらの第1、第2シュミット回路からの入力信号の異同を検出して比較回路に入力する排他的論理和とを接続していると共に第1、第2シュミット回路からの入力信号が同じである時にヒータを非通電状態にするように上記比較回路を設定していることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、上記請求項1ないし請求項4に記載の発明において、上記透光性を有するヒータ本体としてはガラス管からなり、このヒータ本体内の一部に透明な合成樹脂を充填し、この充填合成樹脂内に上記光源と第1、第2受光体とを埋設してなる構造としている。
【0011】
【作用】
コンセント等による電源への接続によってヒータ本体内の回路に通電すると、ヒータ本体内に配設している光源が発光してヒータ本体の内面に対し所定の入射角でもって照射する。この際、ヒータ本体がガラス製であって、光源からの光がこのヒータ本体に入射する角度を、ヒータ本体が気中にある場合においてヒータ本体と空気との界面で全反射を起こす臨界角以下の角度であって、且つヒータ本体が水中にある場合には光がヒータ本体を透過する角度に設定しておくと、ヒータ本体が水中にある時には、光源からの光はヒータ本体を透過するので受光体に入射しないが、水槽が水漏れや転倒等によって空焚き状態となった時には、光源からの入射光がヒータ本体と空気との界面で反射して受光体に入射することになる。
【0012】
この受光体は比較回路に接続されてあり、この比較回路によって受光体が光源からの光を受光しているかどうかを検出し、受光体が受光していない時にはスイッチ回路にヒータへの通電を行わせる信号を発してヒータに通電可能な状態にして水槽内の水を所定温度にまで加熱、保持させるようにする一方、受光体が受光した時にはスイッチ回路に対して比較回路からヒータへの通電を遮断する信号を発してヒータの作動を停止させるものである。
【0013】
このような加熱装置の作用において、光源が故障等により発光しない状態になった場合には、受光体には光が入射しないので、ヒータ本体が気中であっても水中に配設された状態にあるものと検出されてヒータに対する通電が行われ、異常に上昇して火災が発生する虞れがある。そのため、受光体として、光源からの光を常に直接、受光する受光体と、光源からヒータ本体の内面に照射する光の反射光を受光する上記受光体とをそれぞれ第1、第2受光体として配設しておき、第1受光体によってヒータ本体内に通電されているかどうかを検出すると同時に第2受光体によりヒータ本体が気中にあるのか、水中にあるのかを検出するように構成しておくことが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面について説明すると、図1はバケツや水槽(以下、水槽という)内に投入して水槽内の水を所定温度にまで加熱する加熱装置の構造を示すもので、ガラス管からなる有底筒状のヒータ本体1の一半部内にニクロム線からなるヒータHRを配設している一方、他半部内に温度が高くなると抵抗値が下がる負特性抵抗素子からなる水温感知素子NTC と、回路部品2と異常温度になった時に溶断して電力を遮断する温度ヒューズ3とを一体に組み込んでいるプリント基板4とを配設し、さらに、ヒータ本体1の他端部内に発光ダイオード(発光素子)からなる光源LED と、この光源LED からの光(赤外線)を直接、受光する第1受光体PHT1と、ヒータ本体1が気中(空気中)にある場合に該光源LED の光がガラス管の表面で反射してその反射光を受光する第2受光体PHT2とを配設している。
【0015】
これらの第1、第2受光体PHT1、PHT2は、光を受けると電流が導通するスイッチ素子であるフォトトランジスタ又はフォトダイオードからなり、第1受光体PHT1は光源LED の近傍部における該光源LED からの光を直接、照射される位置に配設されている一方、第2受光体PHT2は図2、図3に示すように、光源LED に対して遮蔽板5により遮蔽され、且つ、光源LED からの上記反射光を受光する位置に配設されている。遮蔽板5はその先端面をヒータ本体1の内周面の一部に密着させてあり、この密着部のガラス面に向かって光源LED からの光線を所定の入射角でもって照射させるように構成している。
【0016】
光源LED からの上記ヒータ本体1のガラス面に対する光線の入射角は、ヒータ本体1が空気中にある場合において、光線がこのヒータ本体1(ガラス管)に入射した時に、ヒータ本体の表面と空気との境界面で屈折が起こって全反射する臨界角以下の入射角であって、ヒータ本体1が水中にある場合には、光線がヒータ本体1を透過してしまう角度に設定されている。そして、上記第2受光体PHT2は遮蔽板5を中央にして光源LED に対して対称位置、即ち、上記反射光を受光する位置に配設されている。
【0017】
なお、赤外線を発光する光源とヒータ本体1(ガラス管)の内面との間や第1、第2受光体PHT1、PHT2とヒータ本体1(ガラス管)の内面との間に空気が存在すると光がガラス管内を透過することなく、ヒータ本体1の内面側で反射してしまうので、これらの光源LED と第1、第2受光体PHT1、PHT2とは遮蔽板5と共にヒータ本体1の他端部内に充填してその外周面がヒータ本体1の内面に一体に固着している透明な密度の高い合成樹脂よりなる壁体6内に上記の配置状態でもって埋設されている。
【0018】
従って、光源LED からの照射光線(赤外線)は、この透明な合成樹脂よりなる壁体6内からヒータ本体1を形成しているガラス管の肉厚部を通過してヒータ本体1の表面にまで到達し、ヒータ本体1が気中にあるときは、ヒータ本体1から密度の低い空気中にはでることなくこのヒータ本体1の表面で反射して再び合成樹脂製壁体6中に戻り、上記第2受光体PHT2に到達するものであり、ヒータ本体1が水中にあるときには、水は空気よりも密度が高いので、光源LED からの光線はヒータ本体1の表面で反射することなく水中に所定の屈折角度でもって進入し、第2受光体PHT2に到達することはない。
【0019】
そして、ヒータ本体1が気中にあるときには、光源LED からの光線の反射光が上記第2受光体PHT2によって受光されてこの受光を行った信号を発信し、その信号により後述するスイッチ回路PSW を作動させて上記ヒータHRを非通電状態にする一方、ヒータ本体1が水中にあるときには、光源LED からの光線が反射することなく水中に進行するので、第2受光体PHT2がその光線を受光していない信号を発してこの信号によりスイッチ回路PSW を上記ヒータHRが通電状態となるように作動させるように構成している。
【0020】
上記光源LED から発光する光線は、可視光線であると第1、第2受光体PHT1、PHT2は日常の光で誤動作するので、上述したように赤外線を使用しているものであり、また、光を一定の周期で断続的に発光させてその断続周期の信号だけに第1、第2受光体PHT1、PHT2を反応させることにより自然に存在する光と区別し、信頼性のある装置を構成している。さらに、ヒータ本体1の他端部外周面に、上記第1、第2受光体PHT1、PHT2を被覆した円環形状のカバー7を装着してこのカバー7により自然光を遮り、第1、第2受光体PHT1、PHT2が自然光を受光しない構造にしている。このカバー7は図3に示すように、ヒータ本体1の他端部外周面数箇所に配設したスペーサ片8を介してヒータ本体1に固定されてあり、このカバー7とヒータ本体1の外周面との隙間に水槽内では水を、気中では空気を存在させて光源LED からの光を上述したように屈折させるように構成している。
【0021】
なお、ヒータ本体1の1半部内に設けている上記ヒータHRはニクロム線をマイカ板の両面に配設してマグネシア砂等で埋設されている点や、故障等によってヒータHRが異常高温に達した時に通電を遮断する上記温度ヒューズ3をヒータ本体1内に配設している点は従来の加熱装置と同じであり、また、このヒータHRと上記プリント基板4間に仕切ゴム9を設け、プリント基板4側のヒータ本体1の他半部内にシリコン樹脂を銃身している。
【0022】
さらに、ヒータ本体1の他端側に設けている開口端を水密状態に密閉したゴム製キャップ10から上記プリント基板上の回路に接続している電源コード11を引き出し、この電源コード11の先端にプラグ12を接続している。なお、この場合、温度設定部を設けていない固定温度式加熱装置を構成しているが、電源コード11の中間部に温度設定部(図示せず)を設けている設定温度可変式加熱装置を構成しておいてもよい。上記固定温度式加熱装置の場合には、ヒータHRに通電、遮断するスイッチ回路をヒータ本体1内に設けているが、この設定温度可変式加熱装置では、スイッチ回路は、温度設定部またはヒータ本体1内のどちらに組み入れておいてもよい。
【0023】
次に、ヒータ本体1が水中にある時にこれを検出して上記ヒータHRを通電状態にし、気中(空気中)にある時にこれを検出してヒータHRを非通電状態にする電気回路の具体的な構成を図4に基づいて説明する。
【0024】
同図において、この電気回路は、回路を作動させる直流電圧を作る電源回路PSと、この電源回路PSに接続して電源回路PSからの直流電圧の供給により交流(電気信号)を発生する発振回路OSC と、この発振回路OSC の出力側に接続して電気信号の勢力を強くする励振増幅回路EXT と、発振回路OSC からの信号によって駆動される発光素子からなる上記光源LED と、この光源LED からの発光を直接、受光する上記第1受光体PHT1と、光源LED から発する光線の反射光を受光する上記第2受光体PHT2と、これらの第1、第2受光体PHT1、PHT2の出力側にそれぞれ接続して第1、第2受光体PHT1、PHT2からの入力信号を波形整形する第1、第2シュミット回路ST1 、ST2 と、これらの第1、第2シュミット回路ST1 、ST2 からの入力信号が異なるか同じであるかを検出して検波回路RCを通じて電圧比較回路CMP2に入力する排他的論理和EXORと、電圧比較回路CMP2の出力側に接続してこの電圧比較回路CMP2からの出力電圧の高低の信号によりヒータHRを通電、非通電状態にする電力スイッチ回路PSW とから構成されている。
【0025】
さらに、ヒータ本体1内に設けている水温感知素子NTC と温度設定部の設定温度に対応した基準電圧Vrefとは、上記電圧比較回路CMP2とは別の電圧比較回路CMP1を介して電力スイッチ回路PSW に接続している。なお、温度設定部は、摘まみの回動操作によって抵抗値を変化させて温度設定を行うように構成している。
【0026】
このように構成した電気回路を有する加熱装置の作用を述べる。電源コード11のプラグ12を電源に接続すると、電源回路PSによって回路動作に必要な直流電圧が給電され、発振回路OSC で一定周期の信号が発生してこの信号が励振増幅回路EXT によりその勢力を強くされて光源LED を駆動し、この光源LED が一定の周期で赤外線を発光し続ける。
【0027】
光源LED が発光すると、第1受光体PHT1に対してはその赤外線が遮蔽されることなく直接、照射する一方、第2受光体PHT2に対しては該赤外線が遮蔽板5によって遮断されているので、この遮蔽板5の先端面が接しているヒータ本体1を形成しているガラス管の内面に所定の入射角度でもって入射する。この際、ヒータ本体1が水槽内の水中にあると、水は空気よりも密度が高いので、ガラス管(ヒータ本体1)を肉厚方向に入射してヒータ本体1の表面に達した赤外線はそのまま屈折しながら水中に照射され、第2受光体PHT2には受光されないが、ヒータ本体1が空気中にあると、ガラス管(ヒータ本体1)の表面に達した赤外線は密度の低い空気中にでることなく、ヒータ本体1の表面で反射して遮蔽板5を乗り越えて第2受光体PHT2に達し、この第2受光体PHT2によって受光される。
【0028】
上記第1、第2受光体PHT1、PHT2はフォトトランジスタからなるので、赤外線を受けると一定周期の矩形波の電気信号を発生し、これらの電気信号はシュミット回路ST1 、ST2 によって波形整形され、同じ周期で同じ矩形波の信号となって排他的論理和EXOR側に高いレベル「1」の信号が出力される。これに対して、第1、第2受光体PHT1、PHT2は受光しない時には、低いレベル「0」の信号が出力される。
【0029】
排他的論理和EXORは、上記第1、第2受光体PHT1、PHT2からの入力信号が高低何れであってもこれらの2つの入力信号が同じ時、即ち、「1」と「1」又は「0」と「0」の時にこの排他的論理和EXORからの出力が低レベル「0」となり、いずれか一方が「1」で他方が「0」の時、排他的論理和EXORからの出力が高レベル「1」となるように設定されている。
【0030】
従って、ヒータ本体1が空気中にある場合、及び光源LED が故障によって赤外線を発光しなくなった場合には、排他的論理和EXORからの出力が低レベルとなり、この低レベルの出力信号が発生した場合に、ヒータHRを非通電にするように電圧比較回路CMP2を設定しているものであり、この電圧比較回路CMP2からスイッチ回路PSW に対してヒータHRに通電を遮断する信号を発してヒータHRの作動を停止させるものである。
【0031】
さらに、ヒータ本体1が水中にある時には、第2受光体PHT2には光源LED からの赤外線が到達しなく、第1受光体PHT1が出力する矩形波信号のみとなって、排他的論理和EXORの第2受光体PHT2からの入力は低レベルのままとなり、もう一方の入力は発振回路OSC の周期の矩形波信号となって出力もこの周期の矩形波形信号となる。この矩形波信号を整流回路RCで直流レベルに変換し、この直流レベルの信号が発生したときに、ヒータHRを通電にするように電圧比較回路CMP2を設定しているものである。従って、この状態においては、電圧比較回路CMP2からスイッチ回路に、ヒータHRに対する通電を行う信号を発してヒータHRにより水槽中の水の加熱を行わせるものである。
【0032】
このようにヒータHRによって水を加熱している場合には、その水温が水温感知素子(温度抵抗素子)NTC によって検出され、この水温感知素子NTC の電圧と、予め、温度設定(26℃)された基準電圧Vrefとをもう一方の電圧比較回路CMP1で比較し、この比較した電圧出力で電力スイッチ回路PSW をオン、オフして水温を所定の温度に保持するように構成しているのは従来と同様である。なお、以上の実施の形態においては、ヒータ本体1としてガラス管からなるものを用いているが、透明な硬質合成樹脂製管から形成しておいてもよく、要するに、透光性を有する材料であって強度的に優れた材料から形成しておけばよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明の水槽等の加熱装置によれば、ヒータを内装している透光性を有する筒状のヒータ本体と、このヒータ本体内に配設されてヒータ本体が気中にある時に該ヒータ本体の表面でヒータ本体内に向かって反射する一方、ヒータ本体が水中にある時にヒータ本体を透過する光源と、ヒータ本体内に配設されて上記反射光を受光する受光体と、この受光体が反射光を受光した時に上記ヒータを非通電状態にし、上記入射光がヒータ本体を透過して受光しない時に上記ヒータを通電状態にするスイッチ回路とから構成しているので、水槽内にヒータ本体を配設して該ヒータ本体が水中にあるときには、上記光源からの光がヒータ本体内を通過して反射することなく水中側にでていくから、スイッチ回路によってヒータを通電状態にして通常の加熱装置と同様に、水槽内の水温を所定の温度に達するまで加熱することができるのは勿論、ヒータ本体が不測に水槽からでてしまったり、水槽の転倒等によって空焚き状態となった場合には、ヒータ本体が空気中に存在することになってこのヒータ本体内で発光する光源からの光は密度の低い空気により、該ヒータ本体の表面でヒータ本体内に向かって反射し、受光体によって受光されてヒータを直ちに且つ確実に非通電状態にすることができるものである。
【0034】
このように、気中と水中とでは光の屈折率が変化するのを利用してヒータ本体が空気中にあるのか水中にあるのかを検出するので、スイッチ回路を正確に作動させることができると共に、ヒータ本体が空気中にある時には直ちにヒータを非通電状態にするので、ヒータが高温度に達することもなく極めて信頼性、安全性が高く、しかも、電源に接続した状態でヒータ本体を空気中から再び水槽内に投入すればヒータが直ちに通電状態となり、便益に使用することができる。
【0035】
さらに、上記受光体として、光源からの光を常時、直接受光する第1受光体と、光源からヒータ本体に入射した際の反射光を受光する第2受光体とを備えているので、第1受光体によって光源が故障していないかどうかを検出すると同時に第2受光体によってヒータ本体が気中にあるのか、水中にあるのかを正確に検出することができ、光源が故障した場合に、ヒータ本体が気中であっても水中に配設された状態にあるものと検出されるような誤作動を確実になくして一層安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱装置の簡略縦断側面図、
【図2】プリント基板部分の簡略斜視図、
【図3】その光源と受光体部分の縦断正面図、
【図4】加熱装置の回路構成図。
【符号の説明】
1 ヒータ本体
5 遮蔽板
HR ヒータ
LED 光源
PHT1 第1受光体
PHT2 第2受光体
PSW 電力スイッチ回路
CMP1、CMP2 電圧比較回路
OSC 発振回路
ST1 、ST2 シュミット回路
RC 検波回路
EXOR 排他的論理和
NTC 水温感知素子
Claims (5)
- ヒータを内装している透光性を有する筒状のヒータ本体と、このヒータ本体内に配設されてヒータ本体が気中にある時に該ヒータ本体の表面でヒータ本体内に向かって反射する一方、ヒータ本体が水中にある時にヒータ本体を透過する光源と、ヒータ本体内に配設されて上記反射光を受光する受光体と、この受光体が反射光を受光した時に上記ヒータを非通電状態にし、上記入射光がヒータ本体を透過して受光しない時に上記ヒータを通電状態にするスイッチ回路とから構成していることを特徴とする水槽等の加熱装置。
- 光源からの光を直接受光する第1受光体と、光源からヒータ本体に入射した際の反射光を受光する第2受光体とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の水槽等の加熱装置。
- 電源回路からの直流電圧の供給によって電気信号を発生する発振回路と、この発振回路からの信号によって駆動される発光素子からなる光源と、光源からの発光を直接、受光するフォトトランジスタからなる第1受光体と、光源からのヒータ本体の表面に対する反射光を受光するフォトトランジスタからなる第2受光体と、ヒータを通電、非通電状態にするスイッチ回路と、上記第1、第2受光体からの信号を比較して第1受光体が受光しているにもかかわらず第2受光体が受光していない時にスイッチ回路にヒータへの通電を行わせる信号を発し、第1、第2受光体が共に受光しているか受光していない時にスイッチ回路にヒータを非通電状態にする信号を発する比較回路とから構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水槽等の加熱装置。
- 第1、第2受光体と比較回路との間に、第1、第2受光体からの矩形波の入力信号をそれぞれ波形整形する第1、第2シュミット回路と、これらの第1、第2シュミット回路からの入力信号の異同を検出して比較回路に入力する排他的論理和とを接続していると共に第1、第2シュミット回路からの入力信号が同じである時にヒータを非通電状態にするように上記比較回路を設定していることを特徴とする請求項3に記載の水槽等の加熱装置。
- ヒータ本体はガラス管からなり、このヒータ本体内の一部に透明な合成樹脂を充填し、この充填合成樹脂内に光源と第1、第2受光体とを埋設していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の水槽等の加熱装置。
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JP2011188808A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Kyoei Aqua Tec Kk | 水槽用ヒーターの空焚き防止装置 |
JP2018078872A (ja) * | 2016-11-19 | 2018-05-24 | 株式会社ステップ・ケイ・スリー | 水中ヒータ |
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2002
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