JP2004040237A - 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 - Google Patents
画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004040237A JP2004040237A JP2002191133A JP2002191133A JP2004040237A JP 2004040237 A JP2004040237 A JP 2004040237A JP 2002191133 A JP2002191133 A JP 2002191133A JP 2002191133 A JP2002191133 A JP 2002191133A JP 2004040237 A JP2004040237 A JP 2004040237A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- noise
- visible
- multiplexed
- image
- pixel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06T—IMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
- G06T1/00—General purpose image data processing
- G06T1/0021—Image watermarking
- G06T1/005—Robust watermarking, e.g. average attack or collusion attack resistant
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06T—IMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
- G06T2201/00—General purpose image data processing
- G06T2201/005—Image watermarking
- G06T2201/0051—Embedding of the watermark in the spatial domain
Abstract
【解決手段】多値画像データにノイズを多重化し、そのノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む場合、画素単位に第1のノイズ多重化処理を行うのか、第2のノイズ多重化処理を行うのかを示す情報を、前記付加情報として入力する(S102)。そして、その付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素が、いずれの位置にあるのか否かを判定する(S106)。そして、この判定結果に基づいて、第1のノイズ付加処理(S108)、或いは、第2のノイズ付加処理(S110)のいずれか一方を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の著作権保護を実現するために、静止画像または動画像のデジタル画像データに対して、画質劣化を加える変換、画質劣化を除去する逆変換を行う画像処理装置及び方法、並びに、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像をデジタルデータとして扱うデジタル画像には、従来のアナログ画像と比較して、コンピュータ等によって画質を劣化すること無く簡単にコピーでき、通信回線を通じて電送することができるという特徴がある。しかし、その一方で、このような特徴により、著作権等に絡むデジタル画像が安易に不正コピーされ再配布されることにもなる。
【0003】
これを防ぐための方法の一つとして電子透かしと呼ばれる手法がある。電子透かしには、大きく分類して著作権情報、ユーザ情報等の透かし情報を目に見えない形で埋め込む不可視型と、画像上に著作権を保有する会社のロゴ等の透かし画像を目に見える形で形成する可視型とがある。
【0004】
不可視型の電子透かしでは、透かし情報が埋め込まれているということが、埋め込み画像を一見しただけでは認識できない、或いは認識し難い。このため、透かし情報の削除は行われにくいものの、不正コピー、不正配布は可視型に比べ行われ易い。但し、例えデジタル画像が不正にコピー又は配布された場合であっても、そのデジタル画像中には透かし情報が残っているので、透かし情報として埋め込まれたユーザID等により、不正ユーザを特定することができる。
【0005】
一方、可視型電子透かしでは、透かし情報は、デジタル画像上に目で見える形で書き込まれているので、そのままでは利用し辛く、不正コピーや不正配布を思いとどまらせる効果がある。可視型の電子透かしの埋め込み方法として、従来、著作権所有者のロゴ等の著作情報を表した画像の画素値を、原画像の画素値と置き換えることにより、著作情報を原画像に埋め込むという手法がよく用いられてきた。この手法の欠点としては、原画像の画素値が失われるため、差分情報なしには原画像を復元できないことが挙げられる。
【0006】
特開2000−184173では、可視型電子透かしを埋め込みたい位置において、画素の全てまたは一部のビットと埋め込みシリアル系列の間で演算処理(暗号化)を行い、可視の透かし画像形状情報を画像に埋め込む方法が提案されている。上記手法に基づき、完全に可逆な可視の電子透かしを実現可能である。
【0007】
また、特開平8−256321では、JPEGまたはMPEG圧縮符号化方式で圧縮符号化された画像のビット列の一部分を抽出し、その抽出部分以外を参照せずに、独立に定義された変換方式によって、抽出されたビット列を直接変換し、書き戻す方法が提案されている。この技術は通称、「半開示」と呼ばれ、開示する画像情報の画質をコントロールした状態でユーザに提供できる。この方法においてビット列を変換する領域を指定することで可逆な可視の電子透かしを実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような可視型電子透かしにおいて、鍵情報を持つ特定の利用者のみが除去を行え、その他の利用者には除去が難しいことが望ましい。
【0009】
しかし、可視型電子透かしは以下のような攻撃でも除去を試みることが出来る。
【0010】
一般に自然画像の特徴は近隣の画素値は相関性が高いという特徴をもつ。従って、可視型電子透かしが埋め込まれた領域の周囲を解析し、可視型電子透かしが埋め込まれた領域の画素値を、周囲の画素値を元に計算した値で置き換えることにより、可視型電子透かしの一部を除去することが可能であった。特に平坦で変化の少ない箇所の場合、上記の方法で埋め込まれた可視型電子透かしを簡単に除去することが可能である。つまり、従来までの可視型電子透かしの場合、上記の攻撃に対して適切な対処方法が存在しなかった。
【0011】
本発明はかかる課題に鑑み成されたものであり、原画像にノイズを多重化させ、そのノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を可逆的に埋め込むと共に、ノイズ除去に対する高い耐性を有する画像を生成することが可能な画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体を提供しようとするものである。
【0012】
また、他の発明は、上記のようにして可視付加情報が多重化された画像から付加情報を除去することでオリジナル画像、もしくはオリジナル画像に近い画像まで復元することが可能な画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
第1の可視強度でもってノイズを多重化する第1のノイズ多重化手段と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもってノイズを多重化する第2のノイズ多重化手段と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化するかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化すべきかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ多重化手段のいずれか一方を選択してノイズ多重化を行わせる制御手段とを備える。
【0014】
【本発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0015】
<前提の説明>
本実施形態においては、可視型電子透かしの埋め込みに用いる成分を、カラー画像を構成する輝度成分とする場合について説明する。輝度成分を操作する場合には、色成分の変化が無い為、人の目には明るさに変化が加わったように見える。従って、可視型電子透かしの埋め込みとしては好適な成分である。
【0016】
しかしながら、可視型電子透かしの埋め込みに用いる成分は輝度成分だけに限らない。R(赤)、G(緑)、B(青)の各成分を、画像の特徴を保存しつつ、可視型電子透かしが人の目に好ましく見えるように、バランスよく操作することも可能である。その他の成分(例えばC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)等)についても同様である。
【0017】
また、説明を簡単にする為、入力される画像は8ビットグレースケール画像とするが、R(赤)、G(緑)、B(青)やまたは、Y(輝度)、U、V(色差2成分)の色成分から構成される画像においても、本発明の実施の方法で処理可能である。
【0018】
図22は、本実施形態に於いて画像に埋め込む可視型電子透かしを表す透かし画像形状情報の一例である。図示の場合、単純な文字列「ABC、DEF」であるが、透かし画像形状情報としては著作権者のロゴ、画像撮影日時、個人名、企業名、ロゴ、印象的な効果を与える模様等のどのような画像情報になるであろう。また透かし画像形状情報は、画像の関心領域(例えば、医療用画像の患部等)であってもよい。
【0019】
また本発明においては、透かし画像形状情報は、図22のように第1、第2の可視型電子透かしが埋めこまれる位置を規定する各画素1ビット(2値)の情報を持つマスク画像(図22では白(=1)のアルファベットの領域が可視型電子透かしが埋めこまれる領域を示す)として説明を行う。
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を図面と共に説明する。
【0021】
図25は実施形態における画像処理を行う情報処理装置のブロック構成図である。図示において、1は装置全体の制御を司るCPUであり、2はブートプログラムやBIOS等を記憶しているROMである。3はCPU1のワークエリアとして使用されるRAMであり、ここにOS、画像処理に係るプログラム等がロードされ、実行されることになる。4はOS、画像処理プログラム、画像データファイル(処理前、処理後を含む)を格納するための外部記憶装置としてのハードディスク装置である。5が画像入力装置であって、例えばイメージスキャナ、デジタルカメラ、画像ファイルを格納している記憶媒体(メモリカードや、フレキシブルディスク、CDROM等)、或いは、ネットワーク上から画像をダウンロードするためのインタフェースであっても構わない。6は、画像を表示したり、各種操作を行うためのGUIを提供する表示装置であり、7はキーボード、8は表示画面上の所望とする位置を指定したり、各種メニューを選択するために用いられるポインティングデバイスである。
【0022】
上記構成における装置に電源が投入され、OSがRAM3上にロードされ、ユーザの指示、或いは、予め自動起動するように設定しておくことで、本実施形態における画像処理プログラムがRAM3にロードされ、実行されることになる。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態による、画像処理である可逆ノイズ加算の処理を示すフローチャートである。
【0024】
同図において、まず、ステップS102は初期設定のステップであり、画素位置と画素値で構成される複数の画素からなる原画像Iと、画像中にノイズを加算する領域の形状を示す画素位置からなる透かし画像形状情報Mと、2進数で表現される所定のシリアルビット系列を生成するための乱数キーR1及びR2と、加算するノイズの強度を定義する可視強度値S1及びS2と、入力原画像Iと等しい出力画像Wを設定する。
【0025】
なお、原画像Iは画像入力装置5より直接入力したもので良いし、HDD4に一旦保存した画像ファイルでも構わない。また、画像形状情報Mは、HDD4に予め記憶されているものを利用するものとするが、ユーザが自由に作成しても良い。乱数キーR1、R2については、乱数発生するための関数(プログラム)を実行すればよいし、可視強度値S1、S2はキーボード等から入力しても良いし、予めこれらをファイルとしてHDDに保存してあるものを採用しても構わない。また、出力画像Wの出力先は、HDD4であるものとする。更に、シリアルビット系列は画像全体で固定としてもよいが、秘匿性を高めるため、乱数キーR1、R2に基づき画像の埋め込み位置に応じて変化するものとする。
【0026】
また、このステップS102では、以下の処理に先立ち、原画像I中の特定の画素を順次選択していくよう設定するが、この選択順は、原画像Iの左上隅を開始位置とし、そこから右水平方向の1ラインをスキャンし、ラインエンドになった場合には、次のライン(2ライン目)の左から右方向へスキャンすることを繰り返し行うものとする。これは、ノイズ除去でも同じであるし、後述する各実施形態でも同様である。画像形状情報も同様である。ただし、画像形状情報のサイズが原画像よりも小さい場合には、画像形状情報を反復的に使用するものとする。
【0027】
次にステップS104において、入力画像の未処理の画素を選択し、ステップS106において、その画素位置が、透かし画像形状情報のどの位置に相当するかを判定する。すなわち、画像形状情報中の“1”(図22における白文字内)の位置にあるのか、“0”(図22の黒領域)の位置にあるのかを判断する。形状情報内(白画素位置)にあると判断した場合にはステップS108に進んで第1のノイズ付加処理(ノイズ多重化処理)を行ない、そうでない場合にはステップS110に進んで第2のノイズ付加処理(ノイズ多重化処理)を行う。
【0028】
ここで、ステップS108の第1のノイズ付加処理では、ステップS102で設定された乱数キーR1および可視強度値S1に基づき、第1のノイズ付加処理を実行する。ステップS110の第2のノイズ付加処理では、ステップ102で設定された乱数キーR2および可視強度値S2に基づき、第2のノイズ付加処理を実行する。
【0029】
いずれの処理を行った場合にも、処理はステップS112に進み、入力画像の全画素についてのノイズの付加処理が終了したと判断するまで、ステップS108、S110を行う。
【0030】
以上、本実施形態における可逆ノイズ付加処理の概要について簡単に述べたが、次に可逆ノイズが付加された画像からそのノイズを除去する可逆ノイズ除去の処理手順について図2を参照して説明する。なお、ノイズを除去する装置の構成は、図25に示したものと実質的に同様であるので、その詳述は省略する。
【0031】
同図において、まず、ステップS202において初期設定を行う。ここでは、画素位置と画素値で構成される複数の画素からなる原画像I、埋め込む画像の形状を示す画素位置からなる透かし画像形状情報M、2進数で表現される所定のシリアルビット系列を生成するための乱数キーR1及びR2、可視型電子透かしの強度を定義する異なる可視強度値S1及びS2、そして、入力原画像Iと等しい出力画像Wを設定する。なお、R1とR2は同じ鍵でもよいし、異なる鍵でもよい。また、原画像Iは主走査方向の画素数×副走査方向の画素数が定義された上で、主走査方向の1ライン毎の画素データが順次並んだ構造を成しているので、或る画素データを着目するとき、その画素位置は自ずと決まっている。従って、原画像が画素位置をその構成情報の1つとしているのは「画素位置」は便宜的なものである。
【0032】
次にステップS204において、入力画像(ノイズが多重化された画像)の未処理の画素を選択する。
【0033】
次にステップS206において、そして、その選択画素の位置が透かし画像形状情報のどの位置に相当するかを判定する。すなわち、画像形状情報中の“1”(図22における白文字内)の位置にあるのか、“0”(図22の黒領域)の位置にあるのかを判断する。形状情報内(白画素位置)にあると判断した場合にはステップS208に進んで第1のノイズ除去処理を行ない、そうでない場合にはステップS210に進んで第2のノイズ除去処理を行う。
【0034】
そして、ステップS212では全ての画素が処理されたかを判定し、未処理の画素があるならステップS204に戻り、前述の処理を全ての画素が終了するまで続行する。
【0035】
以上、本実施形態における可視型電子透かし除去処理の概要について簡単に述べた。
【0036】
次に、本実施形態における、第1のノイズ付加処理(ステップS108)と第2のノイズ付加処理(ステップS110)の内部処理を詳しく述べる。
【0037】
なお、第1のノイズ付加処理と第2のノイズ付加処理は、それぞれ同じ原理に基づき行うものとするが、異なる原理に基づきノイズ付加を行ってもよい。要は、結果として付加されるノイズが人の目に異なって知覚されればよい(実施形態では、可視強度値S1と可視強度値S2は、画像に異なる強度のノイズを付加するので、異なる知覚強度のノイズが多重化されることになる)。
【0038】
本実施形態の特徴は、第1と第2のノイズ付加処理において付加されるノイズ量を異ならせ、画像の閲覧者に透かし画像形状を明示するものである。
【0039】
図3は本実施の形態における、第1と第2のノイズ付加処理の内部処理の手順を示すフローチャートである。
【0040】
ノイズ付加処理では、まず、演算ビット領域決定処理(ステップS304)において、可視強度値S(S1またはS2のいずれか)に従って、演算ビット領域を決定する。
【0041】
次に演算処理306において、選択された演算ビット領域のビット値と乱数キーR(R1またはR2のいずれか)から生成されるシリアルビット系列の間で所定の演算処理を実行する。
【0042】
最後に書き込み処理(ステップS308)において、演算処理(ステップS306)の演算結果を選択された画素の演算ビット領域に書き込む。
【0043】
図4は可視強度値と演算ビット領域の関係を図的に示した図である。図中、402、404、406、408は8ビットで表現される各画素値(ここでは各画素の輝度成分の値とする)を2進数のビットで表現した図である。最上位ビット(MSB, Most Significant Bit)をB7とし、最下位ビット(LSB, Least Siginificant Bit)をB0とし、中間のビットをそれぞれ大きいものから、B6、B5、B4、B3、B2、B1としている。
【0044】
図4では、可視強度値が「1」のとき、402に示すようにMSBを除くB6以下の7ビットが演算ビット領域に指定されている(MSBは不変であることを意味する)。同様に、可視強度値が「2」のときにはB5以下の6ビットが、可視強度値が「3」のときB4以下の5ビットが、可視強度値が「4」のときB3以下の4ビットが、それぞれ404、406、408に図示するように演算ビット領域に指定されている。なお、S=2〜4において上位の「白」のビットも不変=演算対象外)を意味する。
【0045】
図示の関係において、演算ビット領域(サイズ)が大きいほど、その輝度の変化する割合が高くなり、オリジナル画素値に対する変更量が相対的に大きくなることがわかるであろう。
【0046】
本実施形態における第1、第2のノイズ付加処理は、可視強度値Sに応じてこのように演算ビット領域が変化するように設計されている。例えば、第1のノイズ付加処理での可視強度値S1は例えば図4のS=2を採用し、第2のノイズ付加処理での可視強度S2を、図4のS=4を採用する。この結果、図22に示す画像形状情報の白い部分では可視強度が大きなノイズが多重化されることで、目視できる程度の変化を与えることができるようになる。逆に、画像形状情報の黒い部分は可視強度が小さくなり、その変化量は相対的に小さなものとなり、その変化はあまり目立たないようにする。すなわち、原画像に付加する大部分は、画像形状情報における黒い部分であろうから、その部分についてはオリジナル画像の持つ雰囲気を損ねないようにするため、可視強度を小さなものした。
【0047】
次に図5を用いながら演算処理(ステップS306)の内部処理の概要を説明する。図示の場合、可視強度S=2の場合を示している。
【0048】
502は入力画素値、504は乱数キーR(R1、R2のいずれか)から生成されるシリアルビット系列、506は入力画素とシリアルビット系列の対応するビット位置の排他的論理和(XOR)、508は演算処理後の出力画素を示す。シリアルビット系列504はノイズ付加の鍵であると同時に、画素を復号化する際の鍵でもある。なお演算ビット領域以外は演算対象外であるので、対応するシリアルビット系列は必要ない(あっても無視する)。
【0049】
506の太枠内は、入力画素の演算ビット領域と対応するシリアルビット系列(乱数)のビット領域を演算処理結果(ここでは排他的論理和)である。
【0050】
508は506の演算処理結果を対応する入力画素の演算ビット領域の値に書き込んだ結果である。
【0051】
図示の場合、演算結果の画素値と原画素値との差(以下でBは2進数を意味する)は、
10011101(B)−10110101(B)
=157−181=−24
となり、着目画素値は「−24」変化したことを意味する。
【0052】
B5,B4,B3,B2,B1,B0の6ビットが演算ビット領域である場合、演算ビット領域が全て反転すると、最大で 2^5 + 2^4 + 2^3 + 2^2 + 2^1 + 2^0 = 32 + 16 + 8 +4 + 2 + 1 = 63 (x^yはxのy乗を示す)の画素値の変化が実現する。従って、演算ビット領域を指定することで、演算処理で変化する画素値の最大量を決定することが出来る。可視強度値はノイズ付加処理により生成されるノイズの量を表す指標でもあるのは容易に理解できよう。
【0053】
図6は、図2の可視型電子透かし除去装置における第1のノイズ除去処理(ステップS208)と第2のノイズ除去処理(ステップS210)の内部処理手順を示したフローチャートである。
【0054】
図3とほぼ同様の手順でノイズの除去を行うことが出来るため、簡単に述べる。
【0055】
ノイズ除去処理では、先ず、演算ビット領域決定処理において、可視強度S(S1またはS2)に従って、演算ビット領域を決定する(ステップS604)。
【0056】
次に演算処理(ステップS606)において、選択された演算ビット領域のビット値と乱数キーR(R1またはR2)から生成されるシリアルビット系列の間で所定の演算処理(復元処理)を実行する。復元が可能であることは、図5の例の場合、処理済み画素値とシリアルビット列とを排他論理和を行って同図における「入力画素値」にまで完全に復元できることからも明らかであろう。
【0057】
そして、最後に、書き込み処理(ステップS608)において、演算処理(ステップS606)の演算結果を選択された画素の演算ビット領域に書き込む。
【0058】
以上、本実施形態におけるノイズ除去処理について述べた。
【0059】
本実施形態では、第1の演算処理と第2の演算処理において、異なる可視強度値S1、S2を用いて、透かし画像形状内部/外部で演算処理(暗号化)を施す。
【0060】
画像全体が演算処理(暗号化)されているにも関わらず、第1の領域(透かし画像形状内)と第2の領域(透かし画像形状外)のノイズ量が異なるように設定されている為、透かし画像形状情報を画像の利用者に提示することが可能である。
【0061】
このとき可視強度値S1とS2の差が大きいほど、画像の利用者に透かし画像形状情報をはっきりと提示することが可能である。
【0062】
図22に示す画像形状情報は、簡単に説明するため、単純な文字列ABCとDEFとを2行にして示したが、実際はオリジナル画像の作成者や撮影者名等が可視的に付加(多重化)されることになる。背景となる部分(図22における黒色に相当する部分)は面積的に大きいから、それによってオリジナル画像の雰囲気が余り変更されないことが望ましい。従って、背景となる部分に適用される可視強度S2は、付加情報部分の可視強度S1よりも、小さいことが望ましい。この意味から、図4の例で示すのであれば、S1=S=1とし、S2=S=4とすることが望ましい。
【0063】
以上の結果、本実施形態では可視型電子透かしの埋め込みによって画像全体が演算処理(暗号化)されている。従って、従来の周囲の画素から演算処理された可視型電子透かし領域の画素を計算して、可視型電子透かしを除去するという攻撃に耐性を持つ。
【0064】
また本実施形態においては、透かし画像形状内部と外部でそれぞれ所定の演算処理を実行するとして説明したが、透かしの除去を難しくする目的では、透かし画像形状内部とその周囲でそれぞれ所定の演算処理を実行し、それ以外の領域では演算処理を施さないとしてもよい。
【0065】
以上、実施形態では、
(1)透かし画像形状情報を画像の利用者に提示する、
(2)透かし画像形状情報の除去を困難にする、
という2つの目的を同時に実現することが可能である。
【0066】
上記例の具体的な利用方法は、例えば、次のようなものである。
【0067】
インターネット上で画像をサービスするサーバを設置し、図1の処理を施した付加情報を多重化した画像、及び、それぞれの画像を復元するための特有の情報(画像形状情報M、可視強度値S1、S2、乱数キーR1、R2)を記憶管理しておき、ユーザ(クライアント)は所望とする画像を選択し、ダウンロードできるようしておく。このダウンロードした画像には、上記のように付加情報(例えば撮影者や撮影日時等)が可視化して多重化され、尚且つ、その画像の全体の雰囲気を十分に伝えるものができるようになる。ユーザはダウンロードした画像について、オリジナルに復元したいことをサーバに伝えると(例えばブラウザ等で対応するボタンをクリックするとう操作で伝える)、サーバは、オリジナルそのものではなく、その画像に特有の復元に必要な鍵情報(画像形状情報M、乱数キーR1、R2、可視強度値S1、S2(もしくはそれぞれにおける演算ビット領域のサイズを指定する情報))を送信する(これにより、オリジナルそのものが漏洩することを防ぐことができる)。なお、送信する際に、これらの情報を秘密キーでもって暗号化しておけば更に安全なものとすることができる。ユーザ側のPCでは、これらの情報を受けとって、図2に示す処理を実行させる処理を行う。
【0068】
なお、乱数キーR1、R2については、乱数そのものを送信するのでなく、乱数を発生する共通の関数をサーバ及びクライアント側で保有するようにし、その乱数を発生するため初期化パラメータのみを送信するようにする。勿論、全ての画像について同じパラメータとしてしまうと、サーバが保有している全画像を復元できてしまうので、個々の画像毎にこのパラメータを異なるようにしておく。
【0069】
また、医療用画像(例えばX線透視画像)への適用した場合、予め患部部分を示す領域に対応する画像形状情報を用意しておけば良いであろう。この場合、患部については大きなノイズが多重化されるようにし、患部外が小さなノイズが多重化させるようにする。この結果、一個人の情報の漏洩を防ぐことができるようになるであろう。
【0070】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施形態では、それぞれ、透かし画像形状の内部と外部において付加されるノイズ量は、画素値に関わらず一定で可視強度値に従って変化した。
【0071】
本第2の実施形態で述べるノイズ処理を用いても同様に、除去が困難な可逆の可視型電子透かしを実現するものであるが、第1の実施形態に対して異なる点は、ノイズ付加処理及びノイズ除去処理における演算ビット領域が画素値に従って変化する点である。
【0072】
ところで、人間の視覚特性は、輝度値が小さいほど輝度値の変化に敏感で、輝度値が大きいほど輝度値の変化が目立たたないという特性がある。本第2の実施形態では、かかる特性をも利用するものである。
【0073】
可視型電子透かしの埋め込みや除去に係る基本の処理手順は、第1の実施形態における図1、図2と同じであるので、その説明については省略し、第2の実施形態における第1、第2のノイズ付加処理を説明する。
【0074】
図7は本第2の実施形態におけるノイズ付加処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0075】
まず、ステップS702で判定ビット領域の参照を行い、次にステップS704で判定ビット領域のビット値と可視強度値の値を元に演算ビット領域を決定する。そして、ステップS706では、演算ビット領域に演算処理を施し、最後にステップS708では、演算処理の結果を出力画像の画素の演算ビット領域に書き込む処理を実行する、という手順を踏む。
【0076】
ここで、本第2の実施形態における判定ビット領域、演算ビット領域について説明する。
【0077】
図8は8ビットで表現される各画素値(ここでは各画素の輝度成分の値とする)を2進数のビットで表現した図である。最上位ビット(MSB, Most SignificantBit)をB7とし、最下位ビット(LSB, Least Siginificant Bit)をB0とし、中間のビットをそれぞれ大きいものから、B6、B5、B4、B3、B2、B1としている。
【0078】
図示における判定ビット領域、演算ビット領域、非演算ビット領域について簡単に説明すると、判定ビット領域は演算ビット領域を決める為に参照するビット領域であり、演算ビット領域は、ノイズ付加のために所定の演算が行われるビット領域であり、非演算ビット領域は何の操作も行われないビット領域である。
【0079】
本第2の実施形態では判定ビット領域(判定)は第1または第2のノイズ付加処理において、固定(MSB(B7)及びB6の2ビット)であるとする。B7、B6とする理由は、原画像の成分の値はビット位置が大きいほど、その値に対して支配的であり、オリジナル画像の持つ雰囲気を保存するためである。
【0080】
図7における、ステップS702の判定ビット領域参照処理では、この判定ビット領域のビット値を読み出す。これはこの8ビット表現の対象画素の概略値(おおよその輝度)を参照することに相当する。なお、ステップS702の時点では、演算ビット領域、非演算ビット領域は未決定である。
【0081】
図9は、ステップ704の演算ビット領域決定処理で用いられる演算ビット領域決定テーブルTの一例である。同図(a)が可視強度S1用のテーブルであり、同図(b)が可視強度S2用のテーブルである。
【0082】
演算ビット領域決定テーブル901では、判定ビット領域(B7、B6)のビット値は演算ビット領域と対応付けられて定義されている。901の演算ビット領域中のYが記入されているビット位置は、演算ビット領域を示し、無記入のビット位置は、非演算ビット領域を示す。即ち演算ビット領域は、判定ビット領域のビット値の関数で与えられる。図示に示す如く、可視強度S2は、S1よりも演算ビット領域が総じて小さい(下位ビット側にシフトしている)。この意味は、可視強度S2の方が原画像に近い状態でノイズ多重化が行われることを意味する。
【0083】
例えば、所定の可視強度値において、B7のビット値が1、 B6のビット値が0の場合、演算ビット領域決定テーブル901を参照した場合、同図(a)の場合(可視強度S1)は演算ビット領域はB4、B3、B2、B1、B0となる。また、同条件においては、同図(b)によれば演算ビット領域はB2、B1、B0となることからも容易に理解できよう。そして、いずれの場合であっても、輝度が高い程、演算ビット領域は大きく、逆に、輝度が低いほど演算ビット領域は小さくなる。これは、先に説明したように、人間の視覚特性は、輝度値が小さいほど輝度値の変化に敏感で、輝度値が大きいほど輝度値の変化が目立たたないという特性に併せてのものである。
【0084】
図10はステップS704の演算ビット領域決定処理を実行する、演算ビット領域決定部のブロック図である。なお、以下では、可視強度S1における説明であるが、可視強度S2でも同様である。テーブル1004の内容が、図9(a)であるか同図(b)であるかの違いだけである。
【0085】
演算ビット領域決定部1000には、ステップS702の判定ビット領域参照処理手段から判定ビット領域のビット値1002、初期設定で設定された可視強度値S(この場合はS1)、演算ビット領域決定テーブルTがそれぞれ入力される。
【0086】
演算ビット領域決定部1000では、既に説明したように、判定ビット領域のビット値と演算ビット領域決定テーブルT、さらには可視強度値Sとに基づいて演算ビット領域を決定し、演算ビット領域情報として出力する。
【0087】
図11はステップS706の演算処理を実行する、演算部のブロック図である。
【0088】
演算部1100には、処理対象である入力画素値1102、乱数キーR(ここではR1)から生成される位置ごとに異なるシリアルビット系列1104、ステップ704で決定された演算ビット領域情報1110がそれぞれ入力される。演算手段1100は可逆である所定の演算処理に基づき、演算処理(例えば排他的論理和)を施し、演算結果1106を出力する。
【0089】
演算部1100の動作の一例を以下、図5を用いて再び説明すると次の通りである。説明が重複するが、502は入力画素値、504は乱数キーRから生成されるシリアルビット系列、506は入力画素とシリアルビット系列の対応するビット位置の排他的論理和(XOR)、508は演算処理後の出力画素を示す。
【0090】
まず入力画素502の判定ビット領域を参照し、演算ビット領域を決定する。502の太枠で囲まれたビット位置は演算ビット領域を示す。シリアルビット系列504は画素を復号化する際の鍵となる。なお演算ビット領域以外に対応するシリアルビット系列は必要ない(もしくは0)。
【0091】
506の太枠内は、入力画素の演算ビット領域と対応するシリアルビット系列のビット領域を演算処理結果(ここでは排他的論理和)である。
【0092】
508は506の演算処理結果を対応する入力画素の演算ビット領域の値に書き込んだ結果である。
【0093】
このように本実施形態は、判定ビット領域から演算ビット領域を決定する処理を導入し、画像情報の一部を保存すると同時に、原画像の画素値の大きさに応じて画素値の最大変化量(Δmax)を決定することが出来る。
【0094】
図9(a)の902は、演算ビット領域決定テーブル901に対応する画素値の最大変化量(Δmax)を示している。
【0095】
一方、可視強度S2の場合の構成及び動作は、上記説明からすれば容易に理解できるであろうから、その説明は省略する。
【0096】
図7のステップS706の演算処理により演算ビット領域のビットのランダマイズ的な効果が予測されるが、演算ビット領域を決定することで、ノイズを加算する透かし画像形状領域内部は、最大変化量Δmaxの範囲内でのランダム的な輝度変化を実現できる。
【0097】
以上の通り、人間の視覚特性は、輝度値が小さいほど輝度値の変化に敏感で、輝度値が大きいほど輝度値の変化が目立たたないという特性がある。従って、演算ビット領域(最大変化量Δmax)は上記の人間の視覚特性を考慮して設計することが好ましい。
【0098】
かかる点、図9(a)、(b)によれば、人間の視覚特性を考慮して設計された演算ビット領域決定テーブルとなっているので、画質劣化を抑制するように作用する。
【0099】
なお、空間上の色の変化が人間の知覚に変化と一致する均等知覚色空間CIE1976L*u*v*やCIE 1976 L*a*b*(以降L*a*b*色空間と呼ぶ)が1976年にCIEから推奨されている。
【0100】
上記の均等知覚色空間は、上記の最大変化量Δmaxを決定する際にも有用である。
【0101】
次に本第2の実施形態におけるノイズ除去処理について述べる。
【0102】
図12は第2の本実施形態における、ノイズ除去処理の処理を示すフローチャートである。本第2の実施形態におけるノイズ除去処理は、ほぼノイズ付加処理と同一の処理で実現できる。
【0103】
先ず、ステップS1202では、指定された原画像の画素値中の判定ビット領域のビット情報を読み出す(このとき、注目画素の位置が画像形状情報の白の領域にあるのか、黒の領域にあるのかは既に判定済みである点に注意されたい)。
【0104】
次にステップS1204では、ステップS1202で読み出した判定ビット領域の値に基づき、ステップS1206演算処理で処理対象となる演算ビット領域を決定する。
【0105】
次にステップS1206では、ステップS1204で決定された演算ビット領域のビットと初期設定で入力される乱数キーから生成されるシリアルビット系列の間で逆演算処理を行う。この演算は埋め込み時の演算と対応した逆演算処理(復号処理)である。
【0106】
次にステップS1208では、出力画像Eに対応する入力画素のビット領域の値を処理された演算ビット領域の値で書き込む、書き込み処理を実行する。
【0107】
以上、第2の本実施形態のノイズ除去処理の動作について述べた。
【0108】
本第2の実施形態によれば、第1の実施形態に加えて、原画像の透かし画像形状情報で示される領域において、原画像の特徴を維持しつつ、演算処理によって付加されるノイズ量が画像の階調に従って変化するように、画素値の変更量を設定することが出来る。なお、演算ビット領域を決定する際に演算ビット領域決定テーブルTを用いたが、数式で表現される演算ビット領域決定関数Fを用いることも可能であり、この様な方法も本発明の範疇に含まれる。
【0109】
また、演算ビット領域を決定するテーブルを2つ示したが、そのテーブルが3以上あって、そのいずれを選択するかS1、S2で決定するようにしてもよい。
【0110】
<第3の実施の形態>
次に、本第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態でも、付加されたノイズの除去が困難な可逆の可視型電子透かしを実現するものである。
【0111】
第1、第2の実施形態と異なる点は、注目画素に対してノイズを多重化する場合、その多重化する領域が可視強度S1、S2により決定され、最大でもその領域は7ビットであったが、本第3の実施形態では、演算処理により発生するノイズ量が可視強度値S1、S2だけでなく、注目画素の近傍領域の画素値に従って変化するようにすることで、この制限を撤廃できる点に在る。
【0112】
ノイズ付加や除去の全体の処理は、第1、第2の実施形態における図1、図2と同様であるものとし、その説明は省略し、第1、第2のノイズ付加処理について説明する。
【0113】
図13は本第3の実施形態におけるノイズ付加処理(第1、第2のノイズ付加処理のいずれか)の処理手順を示したフローチャートである。本第3の実施形態のノイズ付加処理は、付加するノイズ量が可視強度値、及び近傍領域としての隣接画素値に従って変化する点を特徴とする。以下、本第3の実施形態のノイズ付加処理について説明する。
【0114】
ノイズ付加処理では、まず、ステップS1302において、初期設定で設定された近傍領域選択方法NSに基づき、埋め込み対象画素の近傍領域を決定する。次に同じく初期設定で設定された近傍解析方法NAに従い、近傍領域内の画素値を解析し、近傍領域解析値を生成する。ここで、近傍領域解析値は、近傍領域から得られる埋め込み対象画素の予測値である近傍領域画素値と、近傍領域の周波数的特性等を含む近傍領域特性値から成る。
【0115】
次にステップS1304では、ステップS1302で生成した近傍領域解析値や可視強度値S(S1、S2のいずれか)に基づき、ステップS1306の演算処理で処理対象となる演算ビット領域を決定する。
【0116】
次にステップS1306では、ステップS1304で決定された演算ビット領域のビットと初期設定で入力される乱数キーRから生成されるシリアルビット系列の間で演算処理を行う。このとき演算は可逆の処理である必要がある。演算処理としては、排他的論理和やモジュロ加算、モジュロ乗算等の可逆な演算は全て含まれる。
【0117】
次にステップS1308では、出力画像Wに対応する入力画素のビット領域の値を処理された演算ビット領域の値で書き込む、書き込み処理を実行する。
【0118】
以上、本実施の形態におけるノイズ付加処理の概要を述べた。
【0119】
次に、近傍領域解析処理、近傍領域解析値について詳細に説明する。
【0120】
本第3の実施形態においては、埋め込み対象画素に可逆のノイズを埋め込むために隣接画素等から構成される近傍領域の解析に基づいて、演算処理する演算ビット領域を決定する。
【0121】
一般に自然画像では隣接画素の間では画素値に相関が大きい。即ち、隣接する画素にはよく似た画素値が配置されている場合が多い。そのため、自然画像では、近隣画素における人の目に知覚可能な変更量は、埋め込み対象画素における人の目に知覚可能な変更量として適切である可能性が高い。
【0122】
本第3の実施形態では、埋め込み対象画素と相関性の高い近隣画素を参照し、埋め込み対象画素の最大変化量Δmaxをきめ細かく設定することで、原画像のどの階調においてもほぼ同様に知覚されるノイズの加算を実現する。
【0123】
本実施形態において、埋め込み対象画素への可逆ノイズの埋め込みの為の演算ビット領域を決める近隣画素で構成される領域を近傍領域と呼ぶこととする。
【0124】
この近傍領域を構成する画素は実施形態では単一の画素とするが、複数の画素でもよい。また近傍領域は、埋め込み対象画素と相関が高いと予想される領域であればよく、必ずしも埋め込み対象画素に隣接している必要はないが、ある程度の距離以内にあることが望ましい。
【0125】
また、近傍領域内の画素を解析する場合、画素値だけでなく、近傍領域内の画素値の周波数特性や近傍領域内の画素値の分散等の統計的性質を利用してもよい。
【0126】
また高周波部分やテクスチャ領域において最大変化量Δmaxを大きく設定した演算領域決定テーブルT_Nを設計すれば、高周波成分から成る領域やテクスチャ領域でも、人の目に均等に認識され易い可逆のノイズを付加することが出来る。
【0127】
次に本実施の形態における近傍領域選択解析処理について詳しく説明する。
【0128】
図18は図13のステップS1302の近傍領域選択解析処理を実行する近傍領域選択解析部の内部構成を示すブロック図であり、近傍領域選択部1802と近傍領域解析部1804で構成される。
【0129】
近傍領域選択部1802には、画像情報(画素位置、画素値)、埋め込み対象画素の位置情報、近傍領域選択方法NSが入力される。近傍領域選択部1802は、前記の入力情報に基づき、近傍領域を決定するが、近傍領域は画像全体で固定でなく、画素位置や所定の鍵情報に従って変化させる形態にしてもよい。
【0130】
近傍領域選択部1802は後段の近傍領域解析部1804に近傍領域情報(画素の位置、画素値等)を出力する。
【0131】
後段の近傍領域解析部1804には、近傍領域情報(画素の位置、画素値等)と近傍領域解析方法NAが入力され、前記の入力情報に基づき、近傍領域の画素値を解析する。そして、近傍領域解析部1804は近傍領域解析値(近傍領域画素値と近傍領域特性値)を出力する。
【0132】
次に近傍領域選択解析手段の処理について図を用いて具体的に説明する。
【0133】
図15は8ビットグレースケールの入力画像1501と可視型電子透かしが埋め込まれた出力画像1502の関係を示している。
【0134】
図中の太枠で囲まれた画素(画素13a、14a、15a、18a、19a、20a)は、透かし画像形状内に相当し、可逆ノイズの埋め込み対象画素である。
【0135】
今、画素13aを着目画素とし、その演算ビット領域は、画素13aの近傍領域に基づいて選択され、その近傍領域はまず、近傍領域選択手段1802を用いて決定される。
【0136】
一例として、近傍領域選択部1802は、画素13aの近傍領域として左横の画素12a(画素値112)を選択するとする(近傍領域として複数の画素領域を選択する場合については、後に説明する)。
【0137】
次に近傍領域解析部1804に画素12a(画素値112)を入力する。図15では説明を簡単にするため、近傍領域解析部1804は、入力画素値112をそのまま近傍領域解析値として出力するとする。
【0138】
次に、演算ビット領域決定処理では、前段の近傍領域選択解析処理から得られる近傍領域解析値を元に、埋め込み対象画素13aの演算ビット領域を決定する。
【0139】
次に、演算ビット領域決定処理について詳しく説明する。
【0140】
図16はステップS1304の演算ビット領域決定処理を実行する、演算ビット領域決定部のブロック図である。
【0141】
演算ビット領域決定部1600には、ステップS1302の近傍領域選択解析処理から入力される近傍領域解析値1602、初期設定で設定された可視強度値S1606、演算ビット領域決定テーブルT_N1604がそれぞれ入力される。
【0142】
演算ビット領域決定部1600では、近傍領域解析値1602と演算ビット領域決定テーブルT_N1604、さらには可視強度値S1606とに基づいて、埋め込み対象画素の演算ビット領域を決定し、演算ビット領域情報1608として出力する。
【0143】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_Nについて説明する。
【0144】
演算ビット領域決定テーブルT_Nは、ステップS1304の演算ビット領域決定処理で演算ビット領域を決定する際に用いられる参照テーブルである。
【0145】
図17に近傍領域解析値(近傍領域内の画素の画素値)と対応付けられた演算ビット領域決定テーブルT_Nの一例を示す。同図(a)は可視強度S1用の者であり、同図(b)は可視強度S2用のものである。なお、図示では2種類示したが、3以上あって、その何れを使用するかを示す情報を可視強度S1、S2に割り当てても構わない。
【0146】
図17の1701は近傍領域解析値を表し(図17では簡単のために近傍領域画素値のみを表示している)、1702は近傍領域解析値に対応する埋め込み対象画素の演算ビット領域(図17ではYが記入されているビット位置が演算ビット領域)を表し、1703は演算ビット領域から計算される最大変化量Δmaxを表している。
【0147】
上記のように演算ビット領域決定テーブルT_Nは、近傍領域解析値(図17では近傍領域から計算される近傍領域画素値)及び可視強度値S1、S2が演算ビット領域と対応付けられた値を持っている。演算ビット領域決定部1600では、上記の演算ビット領域決定テーブルT_Nを参照し、入力される近傍領域解析値1602及び可視強度値S(1606)に対応する演算ビット領域を読み取り、出力する。
【0148】
最後にステップS1306の演算処理では、既に述べた方法で決定された演算ビット領域において、図5に図示したようなシリアルビット系列と演算ビット領域のビットの間でビット演算を実行する。ステップS1308の書き込み処理では、ステップS1306の演算結果を出力画像の対応する演算ビット領域に書き込む。
【0149】
次に、図14を用いて、本実施の形態におけるノイズ除去処理の概要を簡単に述べる。
【0150】
ノイズ除去処理は、ステップS1402では、初期設定で設定された近傍領域選択方法NSに基づき、埋め込み対象画素の近傍領域を決定する。次に同じく初期設定で設定された近傍解析方法NAに従い、近傍領域内の画素値を解析し、近傍領域解析値を生成する。
【0151】
次にステップS1404では、ステップS1402で生成した近傍領域解析値や可視強度値S(S1、S2のいずれか)に基づき、ステップS1406の演算処理で処理対象となる演算ビット領域を決定する。
【0152】
次にステップS1406では、ステップS1404で決定された演算ビット領域のビットと初期設定で入力される乱数キーから生成されるシリアルビット系列の間で逆演算処理を行う。この演算は埋め込み時の演算と対応した逆演算処理(復号処理)である。
【0153】
ステップS1408では、入力画素のビット領域の値を処理された演算ビット領域の値を出力画像Eの対応画素に書き込む、書き込み処理を実行する。
【0154】
以上、本第3の実施形態のノイズ除去処理の動作について述べた。
【0155】
完全に可逆のノイズの付加を実現するためには、近傍領域選択方法に関して若干の条件が必要となる。即ち、逆演算時に、埋め込み時に演算処理された演算ビット領域を正しく知る必要がある。従って、近傍領域選択方法は、逆演算時(可逆ノイズ除去時)に演算ビット領域の決定に用いた近傍領域の画素値を参照できるように近傍領域を選択する必要がある。
【0156】
上記の条件を満たすような近傍領域の選択方法は、多数考えられるが、埋め込む処理及び除去処理で処理対象となる画素を順次選択する場合のスキャン方向が左から右へ進む場合には、埋め込み対象画素の左横を近傍領域とすることでる。以下、図15を用いて埋め込みと原画像を必要としない除去方法の一例を説明する。
【0157】
まず埋め込みから簡単に説明する。なお、可視強度S1、S2の何れであっても処理内容は同じであるので、ここでは可視強度S1について説明することとする。
【0158】
今、埋め込み対象画素が画素13aであるとする。この状況において、その左隣の画素12aが近傍領域としているわけであるから、先ず、その左隣の画素12a(画素値112)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値の近傍領域画素値が「112」として出力される。
【0159】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_N(図17(a))の中で「112」を持つデータを探し出し、画素13aの演算ビット領域を決定する。そして、画素13aの演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理により、画素13a(画素値116)に対して画素値126が計算され、出力画像1502の画素13aに画素値126が書き込まれる。
【0160】
次に画素14aに対する処理を行うことになる(注目画素位置を1つ右隣に進める)。入力画像1501の左横の画素13a(変更前の画素116)を参照し、演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いて、画素14aの演算ビット領域を決定する。そして、演算ビット領域とシリアルビット系列の演算処理により、画素14a(画素値114)に対して画素値98が計算され、出力画像1502の画素14aに画素98が書き込まれる。
【0161】
以上の処理を1ラインのエンドまで行なうことを各ラインについて行うことで、原画像に対するノイズの埋め込み(多重化)を行うことになる。
【0162】
次に上述のようにして付加されたノイズを除去するステップについて説明する。説明を簡単なものとするため、ここでも、可視強度S1の場合について説明する。
【0163】
まず、画素13a(ノイズ加算後の画素値「126」の画素)が除去対象画素の場合、近傍領域として出力画像1502の左横の画素値112の画素12a(既に復元処理が行われた画素である点に注意されたい)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値の近傍領域画素値が112として出力される。
【0164】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_N(図17(a))を用いて、画素13aの演算ビット領域を決定する。そして演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理により、画素13a(透かし埋め込み後の画素値126)に対して復元画素値116が計算され、出力画像1501(原画像)の画素13aに画素値116が書き込まれる。
【0165】
次に画素14aが除去対象画素の場合、入力画像1501の左横の画素13aではなく、既に復元された出力画像1502内の左横の画素13a(復元画素値116)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値の近傍領域画素値が116として出力される。
【0166】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いて、画素14aの演算ビット領域を決定する。そして演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理により、画素14a(画素値98)に対して画素値114が計算され、出力画像1501(原画像)の画素14aに画素値114が書き込まれる。
【0167】
このようにして、順次、復元処理済の近隣画素の画素値を選択、解析することで、埋め込み時と同じ演算ビット領域を決定することが出来、付加されたノイズを完全に除去することが出来る。
【0168】
簡単な説明の為に上記の説明では近傍領域として埋め込み対象画素の左横の画素を選択したが、直前のラインにおける、主走査方向の同じ位置の画素でも構わない。要するに、参照する近傍領域は復元処理が済んでいるものであれば良い。
【0169】
また、以下に説明するように、複数の画素にまたがる領域を近傍領域として選択、解析してもよい。
【0170】
例えば、近傍領域選択部は、画素13aの近傍領域として、画素7a、8a、12aを選択する。次に近傍領域解析部は、画素7a、8a、12aの画素値から、埋め込み対象画素13aの画素値を予測し(例えば平均値)、その予測値を近傍領域画素値としてもよい。
【0171】
それ以外にも、近傍領域選択部は、画素13aの近傍領域として、左上の画素1a、2a、6a、7aの4画素を選択する方法なども考えられる。この場合、近傍領域解析部は、近傍領域内の分散値、周波数係数等も合わせて計算し、近傍領域特性値としてもよい。この場合、演算ビット領域決定テーブルT_Nには、分散値、周波数係数等の近傍領域特性値にも対応する演算ビット領域が定義されているとする。
【0172】
以上は、スキャンする順序が1ラインの左から右、各ラインは上から下に向かうことを前提にしているが、スキャンする方向が異なればこれに限るものではない。
【0173】
図17の演算ビット領域決定テーブルT_Nの場合、近傍領域解析値(近傍領域画素値)である入力画素値112に対応する演算ビット領域は、B4, B3, B1となる。このとき、最大変化量(Δmax)を計算すると2^4+2^3+2^1=26となる。例えば、埋め込み対象画素の画素値が112の場合には、112のB4,B3,B1はそれぞれ1,0,0であるから、変更量は+方向には2^3+2^1=10, −方向には2^4=16 の幅を持つ。
【0174】
本第3の実施形態のノイズ付加方法は、埋め込み対象画素に近い値を持つ近傍領域画素値や埋め込み対象画素近傍の近傍領域特性値からなる近傍領域解析値に基づき、きめ細かな演算ビット領域の設定が可能であることが分かる。
【0175】
次に、本第3の実施形態のノイズ付加方法を用い、入力画像の全画素に可逆ノイズを付加する場合について述べる。
【0176】
以上の説明からもわかるように、注目画素に対し、その近傍領域が左画素とした場合、各ラインの先頭画素に着目したとき、近傍領域は存在しない。以下、近傍領域が存在しない場合の対処方法例を幾つか述べる。
【0177】
例えば、入力画像の端近くで近傍領域が存在しない画素が埋め込み対象画素の場合は、ノイズの付加を中止する方法をとってもよい。このとき、近傍領域が存在しない画素からノイズを除去する際には、ノイズは付加されていないことが分かっているので、近傍領域が得られるまでノイズの除去は実行しなくてよい。
【0178】
また、入力画像の端近くで近傍領域が存在しない画素が埋め込み対象画素の場合は、可視強度値Sに従ってのみ決められる固定の演算ビット領域に対して、演算ビット処理を行ってもよい。このとき、近傍領域が存在しない画素からノイズを除去する際には、可視強度値Sに従ってのみ決められる演算ビット領域に対して、逆演算処理を施し、ノイズの除去は実行するとよい。
【0179】
近傍領域選択方法NSによって決められる近傍領域の大きさが得られるような入力画像の画素値に対しては、既に詳しく述べてきたように、近傍領域解析値に従って、演算ビット領域を決定する。
【0180】
人間の視覚特性は、輝度値が小さいほど輝度値の変化に敏感で、輝度値が大きいほど輝度値の変化が目立たたないという特性がある。従って、演算ビット領域(最大変化量Δmax)は上記の人間の視覚特性を考慮して設計することが好ましい。
【0181】
既に第1の実施形態でも述べた均等知覚色空間は、上記の演算ビット領域(最大変化量Δmax)を決定する際にも有用である。
【0182】
本実施の形態によれば、原画像の透かし画像形状情報で示される領域において、原画像の特徴を維持しつつ、演算処理によって付加されるノイズ量が画像の階調に従って変化するように、画素値の変更量を設定することが出来る。
【0183】
また本第3の実施形態におけるノイズ付加処理は、既に述べたようにノイズ除去処理を行う際に復元されている近傍領域が必要となる。
【0184】
従って、透かし画像形状内部に本第3の実施形態で述べたノイズ付加処理を用った後、透かし画像形状外部に第1または第2の実施の形態で述べたノイズ付加処理を用いてノイズを付加するとすれば、透かし画像形状外部のノイズが除去処理されることなしに、透かし画像形状内部のノイズ除去がより困難になる。従って、透かし画像形状内部のノイズ除去には、透かし画像形状内部のノイズ除去のための鍵情報と透かし画像形状外部のノイズ除去のための鍵情報が二重に必要になるという更なる効果も得られる。
【0185】
なお、演算ビット領域を決定する際に演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いたが、数式で表現される演算ビット領域決定関数Fを用いることも可能であり、この様な方法も本発明の範疇に含まれる。
【0186】
<第4の実施の形態>
以上説明した第1乃至第3の実施形態では、画素単位での埋め込みを想定したが、本第4の実施形態では、JPEGやJPEG2000等の圧縮符号化画像に対して、可視型電子透かしを埋め込む場合について説明する。
【0187】
JPEGやJPEG2000等の圧縮符号化方式では、入力色成分は規定されないが、一般にR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分を、Y(輝度)、Cb(色差)、Cr(色差)に変換後、離散コサイン変換や離散ウェーブレット変換を実行する場合が多い。
【0188】
従って、JPEGやJPEG2000圧縮符号化されたカラー画像の輝度成分を表す周波数変換係数を可視型電子透かしの埋め込み成分として用いることで、特別な工夫なしに輝度値に埋め込むことが可能となる。
【0189】
JPEG圧縮符号化方式では、ブロック単位の圧縮符号化が行われている。例えば、JPEG圧縮符号化画像には、最小符号化単位(通常8x8画素)が存在し、その単位毎に圧縮符号化の基本的な処理が行われている。従って、JPEG圧縮符号化画像に可視型電子透かしを埋め込む場合、透かし画像形状情報は、画素単位でなく、最小符号化単位とすると、第1乃至第3の実施の形態の手法を応用し易い。
【0190】
より詳しく説明すると、画像を8×8画素ブロック単位に周波数成分データに変換するために先ずDCT変換を行う。そして、この画素ブロックが、画像形状情報の0の領域にあるのか否かを判断し、「1」の領域にあると判断した場合には、DCT変換した結果得られる直流成分DCの値を構成するビットに対し、第1乃至第3の実施形態における第1のノイズ付加処理を行ない、「0」の領域にあると判断した場合には第1乃至第3の実施形態における第2のノイズ付加処理を行うことになる。
【0191】
図19の1901は、JPEG圧縮符号化方式において、画像を最小符号化単位毎にブロック化して図示した図である。JPEG圧縮符号化画像の場合、最小符号化単位内(1901)で離散コサイン変換(DCT)が実行される。1902は最小符号化単位ごとに得られるDCT係数を図示したものである。DCT係数は直流(平均値)と交流(周波数成分)からなる。
【0192】
従って、最小符号化単位ごとに、DCT係数のDC成分(直流)に対して、第1の実施の形態で述べた演算ビット領域の演算処理を行えば、最小符号化単位内(1901)の平均値を変化させることが出来、ブロック単位の可視型電子透かし埋め込みが実現できる。
【0193】
従って透かし画像形状情報は、埋め込み対象最小符号化単位ブロックを指定する情報とすれば、第1乃至第3の実施形態を適用できる。
【0194】
なお、第3の実施形態に適用する場合、参照する近傍領域としては、注目画素ブロックの、例えば左隣の画素ブロックのDC成分を参照すると良いであろう。
【0195】
以下、各画素ブロックのDCT変換後の直流成分にノイズを多重化した後は、公知の符号化処理を行ない、符号化することになる。ただし、JPEG圧縮符号化では、量子化処理により或る程度のデータを破棄することになる。通常、この量子化処理では、量子化ステップ(例えば、2とか4等)を決めているので、LSBもしくは、LSBから上位に向かう数ビットは除去されることになるので、ノイズ多重化する際には、可視強度S1、S2のいずれであっても、この除去されるビットは演算ビット領域から除外することになるであろう。
【0196】
一方、ノイズ除去する場合、逆量子化を行うことになるが、これによって得られる直流成分を、第1乃至第3の実施形態における注目画素と見たてて処理すれば良い。第3の実施形態に適用するのであれば、近傍領域は、例えば、復号済みの左隣の画素ブロックにおける直流成分を近傍領域として採用すれば良いであろう。ただし、第3の実施形態に適用する場合、処理単位が8×8画素単位となるので、その画素ブロックが左端にある場合には近傍領域は存在しないので、ノイズ埋め込み時、及び、ノイズ除去時においては、近傍領域を参照せず、自身の画素ブロックに対して固定の演算ビット領域で処理することになるであろう。
【0197】
一方、JPEG2000圧縮符号化画像では、離散ウェーブレット変換(DWT)を用いて、画像の形状情報を保持しつつ、画像を低周波から高周波成分に渡って段階的に帯域ごとに分割し、圧縮符号化する。
【0198】
図20はJPEG2000圧縮符号化方式における離散ウェーブレット変換による帯域分割の様子を図的に示した図である。
【0199】
離散ウェーブレット変換では、画像に影響が大きい低周波画像成分はLLに集まり、LLは原画像の画像特徴をよく保存している。従って、埋め込みに用いる要素を離散ウェーブレット変換(DWT)の低周波成分(LL)とすると、第1乃至第3の実施形態と比較的近い形で可視型電子透かしを埋め込むことが可能である。
【0200】
図20の場合、LLは2回DWTを行った結果の低周波成分のサブブロックであるが、そのサブブロックを構成している全ての画素に対して、第1乃至第3の実施形態と同様の埋め込みを行えばよい。
【0201】
なお、第1乃至第3の実施形態で説明した手法をJPEG2000圧縮符号化画像の離散ウェーブレット変換(DWT)係数に適用する場合、DWT係数は正負の値を取りうることを考慮し、演算ビット領域決定テーブルを設計する必要がある。
【0202】
また第1の実施形態をJPEG2000圧縮符号化方式に適応する場合、ノイズ付加処理対象となるDWT係数をツリー構造内から、可視強度値に応じて、選択してもよい。またサブバンド毎に量子化ステップが設定されている場合、量子化後のDWT係数を処理対象とすることで可逆のノイズ付加が可能となる。
【0203】
また、以下のようにしても良いであろう。
【0204】
図21の2101は、図20から所定の位置のLLとツリー構造の関係を満たすDWT係数を各サブバンドから抜き出したDWT係数列である。図中、2102は、可視強度値とノイズ付加処理対象となるDWT係数の関係を示す表である。2102では、可視強度値の強さに従って、ノイズ付加処理するDWT係数も変化している。LLに対するノイズ付加処理は、第2の実施の形態のように判定ビット領域を設けて、演算ビット領域を決定した上でノイズ付加処理を施してもよい。その他のサブバンドのDWT係数は、演算ビット領域を所定の固定値とし、ノイズ付加処理を施してもよい。
【0205】
また、JPEG2000圧縮符号化画像の場合、ROI(Region ofInterest:関心領域)のために、画像サイズと同じサイズを持つ1ビットのビットプレーンが用意される(JPEG2000の基本符号化システムでは、ROI領域だけシフトアップして符号化される)。
【0206】
従って、関心領域が特に存在せず、透かし画像形状情報を透かし画像として画像閲覧者に示したい場合、透かし画像形状情報をROIに設定してもよい。
【0207】
例えば、著作権情報を示す可視のロゴ情報をROIに記述しておけば、コンテンツ配信で画像情報を伝送する際に、ロゴ情報から先に視聴者に示すことが出来、利用者にコンテンツの著作権者を明示する効果も実現できる。
【0208】
さらに、透かし画像形状情報は既にROI情報として、画像と共に符号化されているため、可視型電子透かしを除去する際に必要な鍵情報が僅かですむというメリットがある。
【0209】
また、可視型電子透かしの除去に必要な透かし画像形状情報は、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付することも可能である。このとき、可視型電子透かしが埋め込まれた画像から原画像に戻すときに、画像ファイル以外に必要な鍵情報だけですみ、配送する情報量を削減できる効果もある。
【0210】
また、可視型電子透かしの除去に必要な鍵(および透かし画像形状情報)は比較的情報量が少ない為、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付することも可能である。このとき、特定の利用者のみ可視型電子透かしの除去を可能にするため、上記の鍵(および透かし画像形状情報)を所定の暗号方式(例えば、公開鍵暗号方式)で暗号化し、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付してもよい。第1乃至第3の実施の形態では、暗号方式としては、非排他的論理和(XOR演算)の場合のみ説明したが、所定の処理単位(例えば64ビット)となるように複数の演算ビット領域を集め、DES等の共通鍵暗号方式や、公開鍵暗号方式を用いることも可能である。
【0211】
また、DES等の所定の処理単位毎に処理を行うブロック暗号方式に属する共通鍵暗号方式を用いる場合には、集めたビット数が所定の処理単位に満たない場合には、足りないビット数だけ0や1をパディングし所定単位を満たし、暗号化を行うとよい。このとき元の画素位置に格納できないビットは、ヘッダ等のファイルの所定位置に付加するとよい。
【0212】
あるいは、1〜数ビット単位で処理できる(共通鍵暗号方式に属する)ストリーム暗号方式に属する暗号方式を用いてもよい。
【0213】
このとき第1〜第3の実施の形態において、初期設定で入力されるのは乱数キーではなく、共通鍵暗号方式では共通鍵、公開鍵暗号方式では埋め込み時には公開鍵、抽出時に秘密鍵となる。
【0214】
本実施の形態では、暗号化方式としてDESを例に挙げたが、他の共通鍵暗号方式、例えば、AES、FEAL、IDEA、RC2、RC4、RC5、MISTY、シーザー型暗号、ビジネル暗号・ビューフォート暗号、プレイフェア暗号、ヒル暗号、バーナム暗号等を用いることもできる。
【0215】
また本実施の形態では、静止画像についてのみ説明を行ったが、動画像に対しても同様の原理が適用できることは容易に想像できる。例えば、MPEG圧縮符号化方式の場合、中間フレームを埋め込みの対象とすることで、比較的容易に可視型電子透かしを埋め込むことが出来る。MotionJPEG2000の場合は時間フレーム方向にJPEG2000圧縮符号化画像と同様の手法で可視型電子透かしの埋め込みを繰り返すことで埋め込み可能である。従って、動画像に対して可視型電子透かしを適用することも本発明の範疇であるとする。
【0216】
<ノイズ多重化のサンプルの説明>
最後に、第1の実施形態で述べたノイズ付加処理を用いて可視型電子透かしを埋め込んだサンプルを添付する。
【0217】
ただし、各画像は、本来は多値、すなわち、1画素が多ビットで構成される階調画像であるが、特許出願の明細書に添付する図面は2値画像のみであって多値画像が扱えない。従って、以下に説明する各画像はノイズ多重化した後の多値階調画像そのものではなく、それを更に誤差拡散処理でもって2値化した結果で示していることに留意されたい。
【0218】
図23は横640画素×縦480画素の8ビットグレースケール画像(原画像)である。図24は図23の原画像に対し、図22で示される透かし画像形状を埋め込んだ画像である。
【0219】
図24では、透かし画像形状内部はMSB以外のビット位置が演算ビット領域であり、透かし画像形状外部はMSB, B6, B5以外のビット位置が演算ビット領域である。それぞれ鍵から生成されるシリアルビット列との間でXOR演算を実行し、演算結果で置き換え、可視型電子透かしが埋め込まれた画像(図24)を生成している。
【0220】
図24の透かし画像形状外部では、上位ビットを多く残していることから、階調性を維持しているが、透かし画像形状内部では、MSBしか残していないため、非常に階調性が乏しい画像となっている。しかし画像全体が演算処理されているにも関わらず、透かし画像形状内外でノイズ量が異なるため、画像の閲覧者は透かし画像形状情報ははっきりと見ることが出来る。
【0221】
上記の実施形態からも明らかなように、本実施形態を実現するその殆どは、ソフトウェアでもって実現できるものである。通常、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置にコンピュータプログラムを導入する場合、フロッピー(登録商標)ディスクやCDROM、或いは、半導体メモリカード等のコンピュータ可読記憶媒体を装置にセットし、インストールプログラムを実行するか、或いは、システムにコピーすることになるので、かかるコンピュータ可読記憶媒体も本願発明の範疇に含まれるのは明らかである。
【0222】
また、コンピュータ上で稼働しているOS等が処理の一部又は全部を行う場合、あるいは記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された拡張機能ボードやコンピュータに接続された拡張機能ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づいて、上記拡張機能ボードや拡張機能ユニットに備わるCPU等が処理の一部又は全部を行う場合にも、各実施の形態と同等の機能を実現できると共に、同等の効果を得ることができ、本発明の目的を達成することができる。
【0223】
以上説明したように、本実施形態によれば、画像及び鍵及び透かし画像形状情報を入力し、画像の構成要素の要素値を選択し、透かし画像形状情報内部であれば、第1のノイズ付加処理を構成要素の要素値に対し実行し、透かし画像形状情報外部であれば、第2のノイズ付加処理を構成要素の要素値に対し実行し、画像に可視の電子透かしを埋め込む。上記の埋め込みにより、可視型電子透かしは、可視型電子透かしが埋め込まれた領域の周囲を解析し、周囲の画素値を元に計算した値で可視型電子透かしの一部を除去することを困難にすると同時に、第1のノイズ付加処理と第2のノイズ付加処理で付加するノイズを視覚的に異ならせることにより、画像の閲覧者に可視型電子透かしを明示することが出来る。
【0224】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、原画像にノイズを多重化させ、そのノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を可逆的に埋め込むと共に、ノイズ除去に対する高い耐性を有する画像を生成することが可能になる。
【0225】
また、他の発明によれば、可視付加情報が多重化された画像から付加情報を除去することでオリジナル画像、もしくはオリジナル画像に近い画像まで復元することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における可視型電子透かし埋め込み処理を示すフローチャートである。
【図2】実施形態における可視型電子透かし除去処理を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態におけるノイズ付加処理のフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態における演算ビット領域を表す図である。
【図5】演算処理の具体例を示す図である。
【図6】第1の実施形態におけるノイズ除去処理のフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるノイズ付加処理のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における判定ビット領域、演算ビット領域、非演算ビット領域の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における演算ビット領域決定テーブルの一例を示す図である。
【図10】第2の実施形態における演算ビット領域決定処理を実行する演算ビット領域決定部の内部構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態における演算処理を実行する演算部の内部構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態におけるノイズ除去処理のフローチャートである。
【図13】第3の実施形態におけるノイズ付加処理のフローチャートである。
【図14】第3の実施形態におけるノイズ除去処理のフローチャートである。
【図15】第3の実施形態における原画像とノイズ多重化後の画像の関係を示す図である。
【図16】第3の実施形態における演算ビット領域決定処理を実行する演算ビット領域決定部の内部構成を示すブロック図である。
【図17】第3の実施形態における演算ビット領域決定テーブルの一例を示す図である。
【図18】近傍領域選択解析処理を実行する近傍領域選択解析部の内部構成を示すブロック図である。
【図19】JPEG圧縮符号化方式における最小符号化単位を図的に示した図である。
【図20】JPEG2000圧縮符号化方式における離散ウェーブレット変換による帯域分割の様子を図的に示した図である。
【図21】所定のLLとツリー関係にある離散ウェーブレット変換係数と可視強度値との関係である。
【図22】本実施形態における透かし画像形状情報の一例を示す図である。
【図23】第1の実施形態を方法を適用する為の原画像サンプルである。
【図24】第1の実施形態の方法を適用し、透かし画像形状を埋め込んだ画像サンプルである。
【図25】実施形態における装置の具体的なブロック構成図である。
Claims (15)
- 多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
第1の可視強度でもってノイズを多重化する第1のノイズ多重化手段と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもってノイズを多重化する第2のノイズ多重化手段と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化するかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化すべきかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ多重化手段のいずれか一方を選択してノイズ多重化を行わせる制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1、第2のノイズ多重化手段それぞれは、
注目画素領域のノイズ多重化する対象となる演算ビット領域を、与えられた可視強度に基づいて決定し、決定された演算ビット領域に、乱数によるノイズのビット情報を可逆的な論理演算を行うことで、ノイズを多重化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記演算ビット領域は、更に、前記所定画素領域のデータを参照して決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記第1、第2のノイズ多重化手段それぞれは、
注目する画素領域のノイズ多重化する対象となる演算ビット領域を、注目画素領域の近傍領域のデータ及び与えられた可視強度に基づいて決定し、決定された演算ビット領域に、乱数によるノイズのビット情報を可逆的な論理演算を行うことで、ノイズを多重化することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 所定画素領域は単一画素であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記所定画素領域は、所定サイズの画素ブロックであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記所定画素領域は、JPEG圧縮符号化の際の直交変換によって得られた直流成分であることを特徴とする請求項第1項乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記所定画素領域は、JPEG2000圧縮符号化の際のウェーブレット変換によって得られた低域成分ブロックであることを特徴とする請求項第1項乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- ノイズが可逆的に埋め込まれ、目視可能な付加情報が多重化された多値画像データから、前記付加情報を除去する画像処理装置であって、
第1の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第1のノイズ除去手段と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第2のノイズ除去手段と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化されたかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれによって多重化されたかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ除去手段のいずれか一方を選択して多重化されたノイズを除去する制御手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理方法であって、
第1の可視強度でもってノイズを多重化する第1のノイズ多重化工程と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもってノイズを多重化する第2のノイズ多重化工程と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化するかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力工程と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化すべきかを判定する判定工程と、
該判定工程の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ多重化工程のいずれか一方を選択してノイズ多重化を行わせる制御工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - ノイズが可逆的に埋め込まれ、目視可能な付加情報が多重化された多値画像データから、前記付加情報を除去する画像処理方法であって、第1の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第1のノイズ除去工程と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第2のノイズ除去工程と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化されたかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力工程と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれによって多重化されたかを判定する判定工程と、
該判定工程の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ除去手段のいずれか一方を選択して多重化されたノイズを除去する制御工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置として機能するコンピュータプログラムであって、
第1の可視強度でもってノイズを多重化する第1のノイズ多重化手段と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもってノイズを多重化する第2のノイズ多重化手段と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化するかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化すべきかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ多重化手段のいずれか一方を選択してノイズ多重化を行わせる制御手段と
して機能することを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項12に記載のコンピュータプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
- ノイズが可逆的に埋め込まれ、目視可能な付加情報が多重化された多値画像データから、前記付加情報を除去する画像処理装置として機能するコンピュータプログラムであって、
第1の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第1のノイズ除去手段と、
前記第1の可視強度とは異なる第2の可視強度でもって多重化されたノイズを除去する第2のノイズ除去手段と、
所定の画素領域単位に、前記第1、第2の可視強度のいずれで多重化されたかを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記付加情報に基づき、多値画像データ中の注目画素領域が、前記第1、第2の可視強度のいずれによって多重化されたかを判定する判定手段と、
該判定手段の判定結果に基づいて、注目画素領域に対し、前記第1、第2のノイズ除去手段のいずれか一方を選択して多重化されたノイズを除去する制御手段と
して機能することを特徴とするコンピュータプログラム。 - 請求項14に記載のコンピュータプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002191133A JP3919613B2 (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 |
US10/600,620 US7200242B2 (en) | 2002-06-28 | 2003-06-23 | Image processing apparatus and method, computer program, and computer-readable storage medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002191133A JP3919613B2 (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004040237A true JP2004040237A (ja) | 2004-02-05 |
JP2004040237A5 JP2004040237A5 (ja) | 2005-10-13 |
JP3919613B2 JP3919613B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=31492009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002191133A Expired - Fee Related JP3919613B2 (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7200242B2 (ja) |
JP (1) | JP3919613B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009147788A1 (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-10 | パナソニック株式会社 | 暗号化装置及び暗号化システム |
JP2019220925A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 撮像装置及び映像出力方法 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8049933B2 (en) | 2003-09-17 | 2011-11-01 | Canon Kabushiki Kaisha | Copy-forgery-inhibited pattern image generation method and image processing apparatus |
US20050058476A1 (en) | 2003-09-17 | 2005-03-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Copy-forgery-inhibited pattern density parameter determination method, copy-forgery-inhibited pattern image generation method, and image processing apparatus |
JP4428036B2 (ja) * | 2003-12-02 | 2010-03-10 | ソニー株式会社 | 情報処理装置および方法、プログラム、並びに、情報処理システムおよび方法 |
US8355018B2 (en) * | 2007-06-15 | 2013-01-15 | Ricoh Co., Ltd. | Independent pixel waveforms for updating electronic paper displays |
US8416197B2 (en) * | 2007-06-15 | 2013-04-09 | Ricoh Co., Ltd | Pen tracking and low latency display updates on electronic paper displays |
US8319766B2 (en) * | 2007-06-15 | 2012-11-27 | Ricoh Co., Ltd. | Spatially masked update for electronic paper displays |
US8913000B2 (en) * | 2007-06-15 | 2014-12-16 | Ricoh Co., Ltd. | Video playback on electronic paper displays |
US8279232B2 (en) | 2007-06-15 | 2012-10-02 | Ricoh Co., Ltd. | Full framebuffer for electronic paper displays |
US8203547B2 (en) * | 2007-06-15 | 2012-06-19 | Ricoh Co. Ltd | Video playback on electronic paper displays |
JP5046047B2 (ja) * | 2008-10-28 | 2012-10-10 | セイコーインスツル株式会社 | 画像処理装置、及び画像処理プログラム |
BR102014007666B1 (pt) * | 2014-03-28 | 2023-01-10 | Samsung Eletrônica Da Amazônia Ltda | Método para autenticação de transações móveis usando criptografia de vídeo e método para criptografia de vídeo |
EP4207736A4 (en) | 2020-08-27 | 2024-01-31 | Panasonic Ip Corp America | IMAGE PROCESSING DEVICE, METHOD FOR TRAINING A MACHINE LEARNING MODEL, IDENTIFICATION DEVICE AND IMAGE PROCESSING METHOD |
CN115439702B (zh) * | 2022-11-08 | 2023-03-24 | 武昌理工学院 | 一种基于频域处理的弱噪声图像分类方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6611607B1 (en) * | 1993-11-18 | 2003-08-26 | Digimarc Corporation | Integrating digital watermarks in multimedia content |
JP3434088B2 (ja) | 1995-01-17 | 2003-08-04 | 日本電信電話株式会社 | 画像データ変換装置およびその逆変換装置 |
US5530759A (en) | 1995-02-01 | 1996-06-25 | International Business Machines Corporation | Color correct digital watermarking of images |
US6233347B1 (en) * | 1998-05-21 | 2001-05-15 | Massachusetts Institute Of Technology | System method, and product for information embedding using an ensemble of non-intersecting embedding generators |
US6154571A (en) * | 1998-06-24 | 2000-11-28 | Nec Research Institute, Inc. | Robust digital watermarking |
JP3748495B2 (ja) | 1998-12-11 | 2006-02-22 | キヤノン株式会社 | 画像処理方法、画像処理装置、画像配付システム及び記憶媒体 |
US6801636B2 (en) * | 2000-01-31 | 2004-10-05 | Canon Kabushiki Kaisha | Image processing apparatus and method, and storage medium |
JP4218920B2 (ja) * | 2000-04-07 | 2009-02-04 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置及び画像処理方法並びに記憶媒体 |
US6996248B2 (en) * | 2001-06-13 | 2006-02-07 | Qualcomm, Incorporated | Apparatus and method for watermarking a digital image |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002191133A patent/JP3919613B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2003
- 2003-06-23 US US10/600,620 patent/US7200242B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009147788A1 (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-10 | パナソニック株式会社 | 暗号化装置及び暗号化システム |
US8484485B2 (en) | 2008-06-04 | 2013-07-09 | Panasonic Corporation | Encryption device and encryption system |
JP5346933B2 (ja) * | 2008-06-04 | 2013-11-20 | パナソニック株式会社 | 暗号化装置及び暗号化システム |
JP2019220925A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 撮像装置及び映像出力方法 |
JP7149514B2 (ja) | 2018-06-22 | 2022-10-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 撮像装置及び映像出力方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7200242B2 (en) | 2007-04-03 |
JP3919613B2 (ja) | 2007-05-30 |
US20040028256A1 (en) | 2004-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3958128B2 (ja) | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 | |
Kutter et al. | Digital signature of color images using amplitude modulation | |
Busch et al. | Digital watermarking: From concepts to real-time video applications | |
US6973195B1 (en) | Method for embedding electronic watermark and method for decoding the same | |
Yang et al. | A contrast-sensitive reversible visible image watermarking technique | |
US6697498B2 (en) | Method and computer program product for hiding information in an indexed color image | |
JP3919613B2 (ja) | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 | |
JP3960597B2 (ja) | 符号生成装置、画像処理装置、符号生成プログラム、画像処理プログラムおよび記憶媒体 | |
US20020120849A1 (en) | Parallel processing of digital watermarking operations | |
Yao et al. | Content-adaptive reversible visible watermarking in encrypted images | |
JP2004173072A (ja) | 符号生成装置、画像処理装置、符号生成プログラム、画像処理プログラムおよび記憶媒体 | |
JP3919612B2 (ja) | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 | |
JP4054619B2 (ja) | 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 | |
Phadikar et al. | Quality access control of compressed color images using data hiding | |
Ogihara et al. | Data embedding into pictorial images with less distortion using discrete cosine transform | |
Chen et al. | Robust spatial LSB watermarking of color images against JPEG compression | |
Negrat et al. | Variable length encoding in multiple frequency domain steganography | |
Kumar | Steganography using visual cryptography | |
Verma et al. | Robust color image watermarking scheme using JFIF-YCbCr color space in wavelet domain | |
Sadh et al. | Dual plane multiple spatial watermarking with self-encryption | |
Kao et al. | Information Hiding in Lossy Compression Gray Scale Image | |
Kothari et al. | Video watermarking in spatial domain | |
JP2004343474A (ja) | 暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置 | |
Muñoz-Ramírez et al. | Steganographic framework for hiding a color image into digital images | |
Patil et al. | DWT Based Mosaic Image Steganography |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050609 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050609 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |