JP2004038351A - 障害復旧方法及び障害復旧プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、障害復旧方法に関し、パソコンのような安価なコンピュータシステムにおいて障害から容易に復旧可能とすることを目的とする。
【解決手段】1個のディスク装置12に通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域12Aとこれと同一の第2の領域12Bとを設ける。起動プログラム21とロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイル22とを格納する記録媒体2を用意する。記録媒体2が読取装置13にセットされている場合、記録媒体2の起動プログラム21により定義ファイル22に従って第2の領域12Bの内容をロードすると共に、第1の領域12Aを無効とし、この後のシステム起動時において第2の領域12Bの内容により当該システムを立ち上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】1個のディスク装置12に通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域12Aとこれと同一の第2の領域12Bとを設ける。起動プログラム21とロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイル22とを格納する記録媒体2を用意する。記録媒体2が読取装置13にセットされている場合、記録媒体2の起動プログラム21により定義ファイル22に従って第2の領域12Bの内容をロードすると共に、第1の領域12Aを無効とし、この後のシステム起動時において第2の領域12Bの内容により当該システムを立ち上げる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害復旧方法及び障害復旧プログラムに関し、特に、コンピュータを制御するディスクが故障した場合に迅速に復旧することが可能な障害復旧方法及び障害復旧プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータは様々な業務に使用されるようになり、どこの会社でも不可欠な設備となっている。近年、その重要性は増しており、故障が発生した場合に迅速に修理を行わないと業務に支障をきたすおそれのある場合が増えている。
【0003】
例えば、近年、金融機関等への安価なパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)の導入が進んでいる。このようなパソコンは、サーバにLAN(Local AreaNetwork)経由でクライアントとして接続して使用されたり、又は、スタンドアローンシステムとして使用される。このような使用形態のパソコンでは、障害発生時において、ある程度の業務停止はやむ終えないが、できるだけ修復時間を短くすることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
金融機関等における業務において、市販のパソコンよりは高価な(従って、高機能な)コンピュータをサーバとして使用する場合、データが冗長性を持つようにされる。即ち、あるディスク装置においてデータ喪失しても、他のディスク装置に同一データが存在するようにされる。これにより、サーバのような停止により多大な損害を発生するような機器では、ディスク障害を発生しても、他のディスク装置の同一データを用いて業務を継続できるようにしていた。
【0005】
この場合、機器の構成としては、以下のような構成が考えられる。例えば、図11(A)に示すように、ディスク装置512を複数個用い、CPU511上で動作するソフトウェア側からは冗長性を意識せず、ディスク制御ボード513を用いてハードウェアに冗長性を持たせる。又は、図11(B)に示すように、ハードウェアに2個以上のディスク装置512を備え、OS514(ドライバ含む:サーバタイプ)にて冗長性(即ち、二重化)を確保する。いずれの場合も、通常の運用で使用されるディスク装置512Aにおいて情報(プログラム及びデータ)がDからD’に更新されると、他方のディスク装置512Bにおいても情報がDからD’に更新される。
【0006】
しかし、 図11(A)に示すようなハードウェアに冗長性を持たせる方法を採用すると、別に、冗長性を制御するハードウェアとしてディスク制御ボード(制御装置)513が必要となる。このような制御装置513は通常のパソコンには備えられていない。従って、別途このような制御装置513を用意する必要があるが、これは高価なものであり、安価なパソコンを採用した意味がなくなる。一方、図11(B)に示すようなソフトウェアで冗長性を確保する方法を採用すると、二重化を管理することができるOS514が必要となる。このような二重化を管理する機能はクライントシステムのように安価なOSではサポートしていない。従って、別途このようなOS514を用意する必要があるが、これも高価なものであり、安価なパソコンを採用した意味がなくなる。
【0007】
このため、実際には、金融機関等における業務においてパソコンを使用する場合、図11(A)に示す冗長性を制御するハードウェア(ディスク制御ボード513)を持たないか、又は、OS(ワークステーションタイプ)において図11(B)に示すディスク装置の二重化等の機能を持たない。即ち、パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバが、データの冗長性を持たないままで使用されている。このため、このようなパソコンでディスク障害が発生した場合、その都度、ディスク装置の交換及びシステムの再インストールが必要となっていた。従って、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止せざるをえなかった。
【0008】
本発明は、パソコンのような安価なコンピュータシステムにおいて障害から容易に復旧可能な障害復旧方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、パソコンのような安価なコンピュータシステムにおいて障害から容易に復旧可能な障害復旧方法を実現する障害復旧プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の障害復旧方法は、1個のディスク装置に通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを設け、ディスク装置からその内容をロードする起動プログラムと当該起動プログラムによりロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイルとを格納する記録媒体を用意し、記録媒体が読取装置にセットされている場合記録媒体から起動プログラムをロードし、ロードされた起動プログラムにより記録媒体の定義ファイルに従って第2の領域の内容をロードすると共に第1の領域を無効とし、この後のシステム起動時において第2の領域の内容により当該システムを立ち上げる。
【0011】
本発明の障害復旧方法によれば、通常動作するディスク装置の第1領域に障害が発生しても、第2領域に同一の内容が既にインストールされているので、第2領域からシステムを立ち上げれば、障害復旧時にディスク装置の交換及びシステムの再インストールを行わなくてもよい。即ち、冗長性を持たないので、第2領域の内容は第1領域の内容と共に更新されることはなく、ディスク装置において喪失したデータは復元できないが、システムのインストールを行わなくてもよいので、当該障害の状態からは迅速に復旧することができる。従って、金融機関等における業務において市販のパソコンを使用する場合、冗長性を制御するハードウェアやOSのディスク装置の二重化等の機能を別途持たなくとも、当該パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバでディスク障害が発生しても、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止する必要をなくすことができる。従って、安価なパソコンを採用した利点を活かしつつ、障害からの復旧を速やかに行うことができる。
【0012】
また、本発明の障害復旧プログラムは、ディスク装置の障害復旧を行なうプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを含む1個のディスク装置からロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイルに従って第2の領域の内容をロードさせ、第1の領域を無効とさせる。
【0013】
本発明の障害復旧プログラムによれば、ディスク装置の第2の領域の内容をロードすることにより、障害時に本発明の障害復旧方法により速やかに障害復旧するための状態(第2領域からシステムを立ち上げる状態)を実現することができる。本発明の障害復旧プログラムは、フレキシィブルディスク、CD−ROM、CDR/W、DVD等の種々のプログラム記録媒体に記録して提供されることができる。従って、パソコン等の安価なデータ処理装置において、容易に本発明の障害復旧方法を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1はデータ処理装置構成図であり、本発明の障害復旧方法が実行されるデータ処理装置の構成を示す。
【0015】
このデータ処理装置は、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)1からなる。パソコン1は、データ処理部11、(磁気)ディスク装置12、記録媒体2の読取装置(リーダ)13を備える。データ処理部11は、CPU(中央演算処理装置)と主メモリ及びブートROM(読出専用メモリ)111とからなる。ディスク装置12は、外部記憶装置又は補助記憶装置であれば、磁気ディスク装置以外の装置であってもよい。
【0016】
この例では、図2(A)に示すように、1個のディスク装置12に、第1の領域12A(以下、領域A)と第2の領域12B(以下、領域B)とを設ける。領域Aは、システム起動時に通常動作するプログラム及びデータを格納する(インストールされる)。領域Bは、これと同一の容量で同一の内容を記録する(インストールされる)。領域A及び領域Bは、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、設定される。この例では、ディスク装置12において、領域Aよりも後の位置(アドレスの大きい位置)に領域Bが設けられる。なお、ディスク装置12は、領域A及び領域B以外の領域を含んでいてもよい(以下において同じ)。
【0017】
領域Aの内容(プログラム及びデータ)は、ディスク装置12の正常時に、データ処理部11を構成する主メモリ(図示せず)に読み出される(即ち、ロードされる)。領域Bの内容は、ディスク装置12の異常時に読み出される。即ち、領域Aにおいて読み取り異常が発生した場合、領域Bの内容をロードして運用を行う。これにより、ディスク装置12を2個設けなくとも、領域Aにおいて運用により更新された情報(プログラム及びデータ)は失われるが、システムの再インストール(及びディスク装置12の交換)を必要としないため、速やかに障害から復旧させることができる。なお、後述するように、この後、領域Aの内容は無効にされる。
【0018】
データ処理部11はブートROM111を備える。ブートROM111は、当該システム起動時(即ち、電源投入時)に、最初に動作する制御プログラムである。即ち、ブートROM111は、システム起動時にローダ112を起動する。起動されたローダ112は、定義ファイル113に従って、当該パソコン1のOS(オペレーティングシステム、例えばWindows NT(登録商標)等)114をロードする。OS114は、必要に応じて、種々のアプリケーション(プログラム)115、例えばディスク区画設定ユーティリティプログラム(以下、区画設定ユーティリティ)をロードして実行する。なお、ディスク装置12の領域A及び領域Bからロードされたローダ112を区別する場合、前者をローダ112A後者をローダ112Bと表す。他についても同様である。
【0019】
この例では、ディスク装置12が正常な場合、ブートROM111は、システム起動時に、ディスク装置12の領域Aからローダ112A及びその定義ファイル113Aをロードして、ローダ112Aを起動する。定義ファイル113Aは、ロードすべき対象として領域A(の内容)を指示する。従って、この後、領域Aから、OS114A及びアプリケーション115Aがロードされる。
【0020】
従って、領域Aは、例えばローダ112、定義ファイル113、OS114及び各種のアプリケーション115を格納している。同様に、領域Bも、本発明に従って、業務の開始時点(例えば1日の営業の開始時)では、各々同一のローダ112、定義ファイル113、OS114及び各種のアプリケーション115を格納している。しかし、領域Aの内容は、運用内容に従って、運用時に随時更新される。一方、領域Bの内容は、本発明に従って、システムが冗長性を持たないので、領域Aの内容でシステムが運用されている間は、更新されない。従って、前述のように、領域Aにおいて運用により更新された情報(プログラム及びデータ)は、ディスク障害時(即ち、領域Aの障害時)には失われる。
【0021】
一方、ディスク装置12が異常な(障害が発生した)場合、ブートROM111は、システム起動時に、ディスク装置12の領域Bからローダ112B及びその定義ファイル113Bをロードして、ローダ112Bを起動する。この後、前述のように、OS114B及びアプリケーション115Bも、領域Bからロードされる。このように、障害時において、領域Aからではなく、領域Bからローダ112Bをロードするために、記録媒体2が用意される。また、記録媒体2の読取処理のために、パソコン1は読取装置13を備える。
【0022】
読取装置13は、記録媒体2に対応した読取装置である。例えば、記録媒体2がフレキシィブルディスクからなる場合、少なくとも当該ディスクの内容を読み取ることができる装置である。
【0023】
記録媒体2は、ローダ21とその定義ファイル22とを格納する。ローダ21は、ディスク装置12の障害復旧を行なうプログラムであって、ディスク装置12からその内容をロードする起動プログラムである。ローダ21は、ローダ112(A及びB)と同一のものである。定義ファイル22は、当該ローダ21によりロードすべき対象として、領域B(の内容)を指示する。定義ファイル22は、定義ファイル113とは同一のものであるが、指示する内容のみが異なる。記録媒体2は、例えばフレキシィブルディスクからなる。記録媒体2は、CD−ROM、CDR/W、DVD等の種々の記録媒体であってもよい。
【0024】
定義ファイル113及び22の一例を、図4(A)及び(B)に示す。定義ファイル113は、図4(A)に示すように、その3行目に「...disk(0)rdisk(0)partition(1)」とあることにより、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードすることを指示する。定義ファイル22は、図4(B)に示すように、その3行目に「...disk(0)rdisk(1)partition(1)」とあることにより、領域Bの内容をロードすることを指示する。
【0025】
ブートROM111は、システム起動時に、読取装置13に記録媒体2がセットされているか否かを調べる。記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ブートROM111は、定義ファイル113(A及びB)に従って、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードする。即ち、正常時においては、領域Aの内容をロードする。一方、記録媒体2が読取装置にセットされている場合、ブートROM111は、ディスク装置12ではなく、記録媒体2からローダ21をロードする。ローダ21は、定義ファイル22に従って、領域Bの内容をロードする。このために、ディスク障害発生時には、一旦システムの電源が遮断され、記録媒体2が読取装置13にセットされ、その後電源が再投入される。
【0026】
ロードされたローダ21は、定義ファイル22に従って、領域Bの内容をロードする。即ち、前述のように、ローダ112B及びその定義ファイル113Bをロードして、ローダ112Bを起動し、これにより、OS114B及びアプリケーション115Bも、領域Bからロードされる。OS114Bがロードされ当該システムが正常に立ち上がると、その後に、ローダ21は、OS114Bにディスク装置12を管理するアプリケーション115Bである区画設定ユーティリティをロードさせ、これに領域Aを無効とさせる。
【0027】
この後、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、システムを再起動する。このシステム再起動時において、ブートROM111は、ディスク装置12をアクセスすると、領域Aが無効であるので、領域Bから読み取りを開始し、ローダ112B及び定義ファイル113Bをロードする。ロードされたローダ112Bは、定義ファイル113Bに従って、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードする。即ち、領域Aは無効とされているので、領域BからOS114Bをロードする。これにより、OS114Bにより当該システムが立ち上がる。
【0028】
図3は、ディスク復旧処理フローであり、図1のデータ処理装置に図2(A)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。
【0029】
パソコン1の立ち上げ時に立ち上げ不可となったり、パソコン1の運用中にディスク装置12の読み取り異常が発生した場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体(起動用ディスク)2を読取装置13にセットし、パソコン1の電源を再投入する、即ち、再起動する(ステップS11)。
【0030】
電源投入に応じて、ブートROM111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、記録媒体2のローダ21を読み込む(ステップS12)。ローダ21は、記録媒体2の定義ファイル22(領域Bから立ち上げるように設定されている)を読込み、これに従ってディスク装置12の領域BのOS114Bを読み込みこれを実行する(ステップS13)。これにより、パソコン1が正常に立ち上がったら、この後、ローダ21は、区画設定ユーティリティ(アプリケーション)115Bを起動し、これに領域Aを使用不可とするために領域Aを無効とさせる(ステップS14)。更に、ローダ21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。
【0031】
これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入して、当該パソコン1の再立ち上げを実施する。これに応じて、ブートROM111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、領域Aは無効となっているので、領域Bからローダ112Bを読み込む。ローダ112Bは、定義ファイル113Bを読込み、これに従ってディスク装置12の領域BのOS114Bを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、領域Bから正常に立ち上がる(ステップS15)。
【0032】
なお、ステップS12において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS15と同様の手順で、パソコン1が領域Aから正常に立ち上がる。
【0033】
このように、通常は領域Aから立ち上がるように設定されてディスク装置12での障害の発生は、領域Aの異常を意味する。そこで、記録媒体2により同一内容で異常のない領域Bをロードして、かつ、領域Aを無効として、当該領域Bから再インストールなしで立ち上げる。これにより、故障箇所(領域A)を回避した運用を行い、比較的短い中断時間で業務を継続することができる。
【0034】
以上は、図1のデータ処理装置に図2(A)のディスク装置12を備えた場合における復旧処理であるが、図1のデータ処理装置に図2(B)のディスク装置12を備えるようにしてもよい。
【0035】
即ち、図2(A)においては、領域A及び領域Bが、各々、プログラム及びデータを領域の区別なく格納しているが、図2(B)においては、領域A及び領域Bが、各々、プログラムを格納するプログラム領域A1及びB1とデータを格納するデータ領域A2及びB2とからなる。そして、領域Aのプログラム領域A1と領域Bのプログラム領域B1とが同一の容量で同一の内容を記録(インストール)し、領域Aのデータ領域A2と領域Bのデータ領域B2とが同一の容量で同一の内容を記録する。領域A1、A2、B1及びB2は、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、設定される。この例では、ディスク装置12において、領域A1、A2、B1及びB2の順に(アドレスの大きい位置に)設けられる。
【0036】
この例でも、通常、領域Aがロードされるが、その障害時において、プログラムの異常時には当該プログラム領域A1のみが無効とされ、異常箇所が不明の場合には当該プログラム領域A1及びデータ領域A2の双方が無効とされる。プログラム領域A1(のみ)が無効とされた場合、データ領域A2には異常がないので、当該データ領域A2をデータ領域B2にコピーする。実際には、この後、データ領域A2も無効とされる。これにより、システム(OS)の再インストールを不要にできるのみでなく、データをも引き継ぐことができる。プログラム領域A1及びデータ領域A2の双方が無効とされた場合は、前述の図2(A)の例と同様である。
【0037】
図5は、ディスク復旧処理フローであり、図1のデータ処理装置に図2(B)のディスク装置12を備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。
【0038】
ステップS11と同様に、パソコン1の立ち上げ時に立ち上げ不可等となった場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1を再起動する(ステップS21)。
【0039】
ステップS12と同様に、起動されたブートROM111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、ローダ21を読み込む(ステップS22)。ステップS13と同様に、ローダ21は、定義ファイル22を読込み、領域B1のOS114Bを読み込みこれを実行する(ステップS23)。
【0040】
これにより、パソコン1が正常に立ち上がったら、この後、ローダ21は、領域B1の区画設定(ディスク)ユーティリティ115Bを起動し(ステップS24)、これに例えば当該パソコン1のステップS21での障害がパソコン1の立ち上げ不可(異常)であったか否かを調べさせる(ステップS25)。当該障害の記録は、通常のパソコン1においては、例えばイベントログ(図示せず)に残されているか、又は、全く起動不可の場合にはそれにより判断することができる。立ち上げ不可であった場合、ローダ21は、区画設定ユーティリティ115Bに、領域A1を使用不可とするために領域A1を無効とさせ、領域A2(の内容)を領域B2にコピーし、この後、領域A2をも無効とさせる(ステップS26)。これにより、実際には、領域Aの全体が無効とされる。
【0041】
障害が立ち上げ不可でなかった場合、ローダ21は、区画設定ユーティリティ115Bを介して、障害が運用中の各種プログラム(アプリケーション115A)の異常であったか否かを、イベントログを参照することにより調べさせ(ステップS27)、プログラムの異常であった場合、ステップS26を実行する。
【0042】
障害がプログラムの異常でなかった場合、ローダ21は、領域Aにおける異常箇所が不明であると判断して、領域A1を無効とさせ(ステップS28)、続いて領域A2を無効とさせる(ステップS29)。
【0043】
ステップS26又はステップS29の後、ローダ21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。これを見たユーザは、ステップS15と同様に、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入してパソコン1を立ち上げる。起動されたブートROM111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、領域A1は無効となっているので、領域B1からローダ112Bを読み込む。ローダ112Bは、定義ファイル113Bを読込み、これに従って領域B1のOS114Bを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、領域B1から正常に立ち上がる(ステップS210)。
【0044】
この時、ステップS26を実行した場合、障害発生の前まで更新されていた領域A2のデータが領域B2にコピーされているので、領域B1のOS114B等は領域B2のデータ(最新のデータ)を用いることができる。即ち、インストールを不要としたのみでなく、データまでを障害発生前の状態に復旧することができる。従って、直ちに業務を再開することができる。ステップS28及びS29を実行した場合は、図2(A)の場合と同様に、インストールを不要とすることができる。
【0045】
なお、ステップS22において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS210と同様の手順で、パソコン1が領域Aから正常に立ち上がる。
【0046】
図6は他のデータ処理装置構成図であり、本発明の障害復旧方法が実行される他のデータ処理装置の構成を示す。
【0047】
この例のデータ処理装置は、OS114として、広く用いられているWindows NT(登録商標)を搭載したパソコン1の例を示す。この例では、図2(A)と図7(A)の対比から判るように、領域A及び領域Bに対応する領域として、各々、Cドライブ及びDドライブが、ディスク装置12に設けられる。即ち、通常は、最初の領域であるCドライブ(の内容)がロードされ、Dドライブ(の内容)はロードされない。なお、Cドライブかロードされたローダ112をローダ112Cのように表す(他も同様である)。
【0048】
また、この例では、ブートROM111、ローダ112及び定義ファイル113の各々に対応して、BIOS111、プログラムntldr 112、ファイルboot.ini113が使用される。アプリケーション115である区画設定ユーティリティに代えて、ディスクアドミニストレータ115が使用される。これらは、ディスク装置12のCドライブ及びDドライブに格納される。
【0049】
更に、障害発生時に使用する記録媒体2には、起動用のプログラムntldr 21とファイルboot.ini22を格納する。これらは、各々、ローダ21と定義ファイル22に対応する。ファイルboot.ini113及び22の一例を、各々、図9(A)及び(B)に示す。実際には、これらは図4(A)及び(B)に示すものとほぼ同一であるので、説明を省略する。
【0050】
図8は、ディスク復旧処理フローであり、図6のデータ処理装置に図7(A)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。この処理は図3の処理とほぼ同一であるので、簡単に説明する。
【0051】
Cドライブにて異常が発生し、「OS NOT FOUND」等のメッセージが表示されOS114を起動できない場合や、運用中にアプリケーションエラーが発生しディスク関連エラー「不良ブロックを検出しました」等のメッセージの表示があった場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1の電源を再投入する(ステップS31)。
【0052】
電源投入に応じて、BIOS111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、プログラムntldr 21を読み込む(ステップS32)。プログラムntldr 21は、ファイルboot.ini22を読込み、これに従ってDドライブのWindows NT114Dを読み込む(ステップS33)。パソコン1が正常に立ち上がった後、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dを起動し、Cドライブを無効とさせる(ステップS34)。元の(旧)Dドライブは、最初の領域となるため、Cドライブとして立ち上がる。更に、プログラムntldr 21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。
【0053】
これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入して、当該パソコン1を再度立ち上げる。起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、元のCドライブは無効となっているので、新たなCドライブ(旧Dドライブ)からプログラムntldr 112Dを読み込む。プログラムntldr 112Dは、ファイルboot.ini113Dを読込み、これに従って旧DドライブのWindows NT114Dを読み込む。これにより、パソコン1が旧Dドライブから正常に立ち上がる(ステップS35)。
【0054】
なお、ステップS32において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS35と同様の手順で、パソコン1がCドライブから正常に立ち上がる。
【0055】
図10は、ディスク復旧処理フローであり、図6のデータ処理装置に図7(B)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。この処理は図5の処理とほぼ同一であるので、簡単に説明する。
【0056】
図7(B)においては、図2(B)と同様に、Cドライブ及びDドライブが、各々、プログラムを格納するC1ドライブ及びD1ドライブとデータを格納するC2ドライブ及びD2ドライブとからなる。C1ドライブとD1ドライブとが同一の容量で同一の内容を記録(インストール)し、C2ドライブとD2ドライブとが同一の容量で同一の内容を記録する。C1ドライブ、C2ドライブ、D1ドライブ及びD2ドライブは、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、この順に設定される。
【0057】
この例でも、プログラムの異常時にはC1ドライブのみが無効とされ、異常箇所が不明の場合にはC1ドライブ及びC2ドライブの双方が無効とされる。C1ドライブ(のみ)が無効とされた場合、C2ドライブをD2ドライブにコピーし、C2ドライブも無効とされる。これにより、OSの再インストールを不要にでき、データをも引き継ぐことができる。C1ドライブ及びC2ドライブの双方が無効とされた場合は、前述の図7(A)の例と同様である。
【0058】
図10において、ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1を再起動する(ステップS41)。
【0059】
起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、プログラムntldr 21を読み込む(ステップS42)。プログラムntldr 21は、ファイルboot.ini22を読込み、D1ドライブのOS114Dを読み込む(ステップS43)。
【0060】
パソコン1が正常に立ち上がったら、プログラムntldr 21は、D1ドライブのディスクアドミニストレータ115Dを起動し(ステップS44)、これに例えばステップS41での障害がパソコン1の立ち上げ不可(異常)であったか否かを調べさせる(ステップS45)。立ち上げ不可であった場合、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dに、C1ドライブを無効とさせ、C2ドライブ(のデータ)をD2ドライブにコピーし、C2ドライブを無効とさせる(ステップS46)。
【0061】
障害が立ち上げ不可でなかった場合、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dを介して、障害が運用中の各種プログラム(アプリケーション115C)の異常であったか否かを調べさせ(ステップS47)、プログラムの異常であった場合、ステップS46を実行する。
【0062】
障害がプログラムの異常でなかった場合、プログラムntldr 21は、Cドライブにおける異常箇所が不明であると判断して、C1ドライブを無効とさせ(ステップS48)、C2ドライブを無効とさせる(ステップS49)。
【0063】
ステップS46又はステップS49の後、プログラムntldr 21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入してパソコン1を立ち上げる。起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、C1ドライブは無効となっているので、D1ドライブ(新C1ドライブ)からプログラムntldr 112Dを読み込む。プログラムntldr 112Dは、ファイルboot.ini113Dを読込み、これに従ってD1ドライブのOS114Dを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、D1ドライブから正常に立ち上がる(ステップS410)。
【0064】
この時、前述と同様に、ステップS46を実行した場合、C2ドライブのデータがD2ドライブにコピーされているので、OS114D等はD2ドライブのデータ(最新のデータ)を用いることができる。即ち、インストールを不要とし、データを障害発生前の状態に復旧することができる。ステップS48及びS49を実行した場合は、図7(A)の場合と同様である。
【0065】
なお、ステップS42において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS410と同様の手順で、パソコン1がCドライブから正常に立ち上がる。
【0066】
以上から判るように、本発明の実施の形態の特徴を列記すると以下の通りである。
(付記1) 1個のディスク装置に、通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域と、これと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを設け、
前記ディスク装置からその内容をロードする起動プログラムと、当該起動プログラムによりロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルとを格納する記録媒体を用意し、
前記記録媒体が読取装置にセットされている場合、前記記録媒体から前記起動プログラムをロードし、
前記ロードされた起動プログラムにより、前記記録媒体の定義ファイルに従って前記第2の領域の内容をロードすると共に、前記第1の領域を無効とし、
この後のシステム起動時において、前記第2の領域の内容により当該システムを立ち上げる
ことを特徴とする障害復旧方法。
(付記2) 前記ディスク装置において、前記第1の領域よりも後の位置に前記第2の領域を設け、
前記記録媒体が前記読取装置にセットされていない場合、前記第1及び第2の領域の中の有効であって先の位置に格納された一方の内容をロードする
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記3) 前記第1の領域は、当該システムが正常に立ち上がった後に、無効とされる
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記4) 前記第1及び第2の領域が、各々、プログラムを格納するプログラム領域とデータを格納するデータ領域とからなり、
前記第1の領域のプログラム領域と前記第2の領域のプログラム領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、前記第1の領域のデータ領域と前記第2の領域のデータ領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、
前記第1の領域は、プログラムの異常時には当該プログラム領域のみを無効とされ、異常箇所が不明の場合には当該プログラム領域及びデータ領域の双方を無効とされる
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記5) ディスク装置の障害復旧を行なうプログラムであって、
前記プログラムは、コンピュータに、
通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを含む1個のディスク装置から、ロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルに従って、前記第2の領域の内容をロードさせ、
前記第1の領域を無効とさせる
ことを特徴とする障害復旧プログラム。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、障害復旧方法において、
通常動作するディスク装置の第1領域に障害が発生しても、第2領域に同一の内容が既にインストールされているので、第2領域からシステムを立ち上げれば、障害復旧時にディスク装置の交換及びシステムの再インストールを行わなくてもよい。即ち、ディスク装置において喪失したデータは復元できないが、システムのインストールを行わなくてもよい。従って、市販のパソコンを使用する場合、高価なハードウェアやソフトウェアを用意しなくとも、当該パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバでディスク障害が発生しても、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止する必要をなくすことができる。従って、安価なパソコンを採用した利点を活かしつつ、障害からの復旧を速やかに行うことができる。
【0068】
また、本発明の障害復旧プログラムによれば、ディスク装置の第2の領域の内容をロードすることにより、障害時に本発明の障害復旧方法により速やかに障害復旧するための状態を実現することができる。本発明の障害復旧プログラムは、フレキシィブルディスク等の種々のプログラム記録媒体に記録して提供されることができる。従って、パソコン等の安価なデータ処理装置において、容易に本発明の障害復旧方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ処理装置構成図である。
【図2】ディスク説明図である。
【図3】ディスク復旧処理フローである。
【図4】ディスク復旧処理説明図である。
【図5】ディスク復旧処理フローである。
【図6】他のデータ処理装置構成図である。
【図7】ディスク説明図である。
【図8】ディスク復旧処理フローである。
【図9】ディスク復旧処理説明図である。
【図10】ディスク復旧処理フローである。
【図11】従来技術説明図である。
【符号の説明】
1 パソコン
2 記録媒体
11 データ処理部
12 ディスク装置
13 読取装置
111 ブートROM(BIOS)
112 ローダ(プログラムntldr )
113 定義ファイル(ファイルboot.ini)
114 OS(Windows NT)
115 アプリケーション(ディスクアドミニストレータ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害復旧方法及び障害復旧プログラムに関し、特に、コンピュータを制御するディスクが故障した場合に迅速に復旧することが可能な障害復旧方法及び障害復旧プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータは様々な業務に使用されるようになり、どこの会社でも不可欠な設備となっている。近年、その重要性は増しており、故障が発生した場合に迅速に修理を行わないと業務に支障をきたすおそれのある場合が増えている。
【0003】
例えば、近年、金融機関等への安価なパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)の導入が進んでいる。このようなパソコンは、サーバにLAN(Local AreaNetwork)経由でクライアントとして接続して使用されたり、又は、スタンドアローンシステムとして使用される。このような使用形態のパソコンでは、障害発生時において、ある程度の業務停止はやむ終えないが、できるだけ修復時間を短くすることが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
金融機関等における業務において、市販のパソコンよりは高価な(従って、高機能な)コンピュータをサーバとして使用する場合、データが冗長性を持つようにされる。即ち、あるディスク装置においてデータ喪失しても、他のディスク装置に同一データが存在するようにされる。これにより、サーバのような停止により多大な損害を発生するような機器では、ディスク障害を発生しても、他のディスク装置の同一データを用いて業務を継続できるようにしていた。
【0005】
この場合、機器の構成としては、以下のような構成が考えられる。例えば、図11(A)に示すように、ディスク装置512を複数個用い、CPU511上で動作するソフトウェア側からは冗長性を意識せず、ディスク制御ボード513を用いてハードウェアに冗長性を持たせる。又は、図11(B)に示すように、ハードウェアに2個以上のディスク装置512を備え、OS514(ドライバ含む:サーバタイプ)にて冗長性(即ち、二重化)を確保する。いずれの場合も、通常の運用で使用されるディスク装置512Aにおいて情報(プログラム及びデータ)がDからD’に更新されると、他方のディスク装置512Bにおいても情報がDからD’に更新される。
【0006】
しかし、 図11(A)に示すようなハードウェアに冗長性を持たせる方法を採用すると、別に、冗長性を制御するハードウェアとしてディスク制御ボード(制御装置)513が必要となる。このような制御装置513は通常のパソコンには備えられていない。従って、別途このような制御装置513を用意する必要があるが、これは高価なものであり、安価なパソコンを採用した意味がなくなる。一方、図11(B)に示すようなソフトウェアで冗長性を確保する方法を採用すると、二重化を管理することができるOS514が必要となる。このような二重化を管理する機能はクライントシステムのように安価なOSではサポートしていない。従って、別途このようなOS514を用意する必要があるが、これも高価なものであり、安価なパソコンを採用した意味がなくなる。
【0007】
このため、実際には、金融機関等における業務においてパソコンを使用する場合、図11(A)に示す冗長性を制御するハードウェア(ディスク制御ボード513)を持たないか、又は、OS(ワークステーションタイプ)において図11(B)に示すディスク装置の二重化等の機能を持たない。即ち、パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバが、データの冗長性を持たないままで使用されている。このため、このようなパソコンでディスク障害が発生した場合、その都度、ディスク装置の交換及びシステムの再インストールが必要となっていた。従って、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止せざるをえなかった。
【0008】
本発明は、パソコンのような安価なコンピュータシステムにおいて障害から容易に復旧可能な障害復旧方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、パソコンのような安価なコンピュータシステムにおいて障害から容易に復旧可能な障害復旧方法を実現する障害復旧プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の障害復旧方法は、1個のディスク装置に通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを設け、ディスク装置からその内容をロードする起動プログラムと当該起動プログラムによりロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイルとを格納する記録媒体を用意し、記録媒体が読取装置にセットされている場合記録媒体から起動プログラムをロードし、ロードされた起動プログラムにより記録媒体の定義ファイルに従って第2の領域の内容をロードすると共に第1の領域を無効とし、この後のシステム起動時において第2の領域の内容により当該システムを立ち上げる。
【0011】
本発明の障害復旧方法によれば、通常動作するディスク装置の第1領域に障害が発生しても、第2領域に同一の内容が既にインストールされているので、第2領域からシステムを立ち上げれば、障害復旧時にディスク装置の交換及びシステムの再インストールを行わなくてもよい。即ち、冗長性を持たないので、第2領域の内容は第1領域の内容と共に更新されることはなく、ディスク装置において喪失したデータは復元できないが、システムのインストールを行わなくてもよいので、当該障害の状態からは迅速に復旧することができる。従って、金融機関等における業務において市販のパソコンを使用する場合、冗長性を制御するハードウェアやOSのディスク装置の二重化等の機能を別途持たなくとも、当該パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバでディスク障害が発生しても、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止する必要をなくすことができる。従って、安価なパソコンを採用した利点を活かしつつ、障害からの復旧を速やかに行うことができる。
【0012】
また、本発明の障害復旧プログラムは、ディスク装置の障害復旧を行なうプログラムであって、前記プログラムは、コンピュータに、通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを含む1個のディスク装置からロードすべき対象として第2の領域を指示する定義ファイルに従って第2の領域の内容をロードさせ、第1の領域を無効とさせる。
【0013】
本発明の障害復旧プログラムによれば、ディスク装置の第2の領域の内容をロードすることにより、障害時に本発明の障害復旧方法により速やかに障害復旧するための状態(第2領域からシステムを立ち上げる状態)を実現することができる。本発明の障害復旧プログラムは、フレキシィブルディスク、CD−ROM、CDR/W、DVD等の種々のプログラム記録媒体に記録して提供されることができる。従って、パソコン等の安価なデータ処理装置において、容易に本発明の障害復旧方法を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1はデータ処理装置構成図であり、本発明の障害復旧方法が実行されるデータ処理装置の構成を示す。
【0015】
このデータ処理装置は、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)1からなる。パソコン1は、データ処理部11、(磁気)ディスク装置12、記録媒体2の読取装置(リーダ)13を備える。データ処理部11は、CPU(中央演算処理装置)と主メモリ及びブートROM(読出専用メモリ)111とからなる。ディスク装置12は、外部記憶装置又は補助記憶装置であれば、磁気ディスク装置以外の装置であってもよい。
【0016】
この例では、図2(A)に示すように、1個のディスク装置12に、第1の領域12A(以下、領域A)と第2の領域12B(以下、領域B)とを設ける。領域Aは、システム起動時に通常動作するプログラム及びデータを格納する(インストールされる)。領域Bは、これと同一の容量で同一の内容を記録する(インストールされる)。領域A及び領域Bは、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、設定される。この例では、ディスク装置12において、領域Aよりも後の位置(アドレスの大きい位置)に領域Bが設けられる。なお、ディスク装置12は、領域A及び領域B以外の領域を含んでいてもよい(以下において同じ)。
【0017】
領域Aの内容(プログラム及びデータ)は、ディスク装置12の正常時に、データ処理部11を構成する主メモリ(図示せず)に読み出される(即ち、ロードされる)。領域Bの内容は、ディスク装置12の異常時に読み出される。即ち、領域Aにおいて読み取り異常が発生した場合、領域Bの内容をロードして運用を行う。これにより、ディスク装置12を2個設けなくとも、領域Aにおいて運用により更新された情報(プログラム及びデータ)は失われるが、システムの再インストール(及びディスク装置12の交換)を必要としないため、速やかに障害から復旧させることができる。なお、後述するように、この後、領域Aの内容は無効にされる。
【0018】
データ処理部11はブートROM111を備える。ブートROM111は、当該システム起動時(即ち、電源投入時)に、最初に動作する制御プログラムである。即ち、ブートROM111は、システム起動時にローダ112を起動する。起動されたローダ112は、定義ファイル113に従って、当該パソコン1のOS(オペレーティングシステム、例えばWindows NT(登録商標)等)114をロードする。OS114は、必要に応じて、種々のアプリケーション(プログラム)115、例えばディスク区画設定ユーティリティプログラム(以下、区画設定ユーティリティ)をロードして実行する。なお、ディスク装置12の領域A及び領域Bからロードされたローダ112を区別する場合、前者をローダ112A後者をローダ112Bと表す。他についても同様である。
【0019】
この例では、ディスク装置12が正常な場合、ブートROM111は、システム起動時に、ディスク装置12の領域Aからローダ112A及びその定義ファイル113Aをロードして、ローダ112Aを起動する。定義ファイル113Aは、ロードすべき対象として領域A(の内容)を指示する。従って、この後、領域Aから、OS114A及びアプリケーション115Aがロードされる。
【0020】
従って、領域Aは、例えばローダ112、定義ファイル113、OS114及び各種のアプリケーション115を格納している。同様に、領域Bも、本発明に従って、業務の開始時点(例えば1日の営業の開始時)では、各々同一のローダ112、定義ファイル113、OS114及び各種のアプリケーション115を格納している。しかし、領域Aの内容は、運用内容に従って、運用時に随時更新される。一方、領域Bの内容は、本発明に従って、システムが冗長性を持たないので、領域Aの内容でシステムが運用されている間は、更新されない。従って、前述のように、領域Aにおいて運用により更新された情報(プログラム及びデータ)は、ディスク障害時(即ち、領域Aの障害時)には失われる。
【0021】
一方、ディスク装置12が異常な(障害が発生した)場合、ブートROM111は、システム起動時に、ディスク装置12の領域Bからローダ112B及びその定義ファイル113Bをロードして、ローダ112Bを起動する。この後、前述のように、OS114B及びアプリケーション115Bも、領域Bからロードされる。このように、障害時において、領域Aからではなく、領域Bからローダ112Bをロードするために、記録媒体2が用意される。また、記録媒体2の読取処理のために、パソコン1は読取装置13を備える。
【0022】
読取装置13は、記録媒体2に対応した読取装置である。例えば、記録媒体2がフレキシィブルディスクからなる場合、少なくとも当該ディスクの内容を読み取ることができる装置である。
【0023】
記録媒体2は、ローダ21とその定義ファイル22とを格納する。ローダ21は、ディスク装置12の障害復旧を行なうプログラムであって、ディスク装置12からその内容をロードする起動プログラムである。ローダ21は、ローダ112(A及びB)と同一のものである。定義ファイル22は、当該ローダ21によりロードすべき対象として、領域B(の内容)を指示する。定義ファイル22は、定義ファイル113とは同一のものであるが、指示する内容のみが異なる。記録媒体2は、例えばフレキシィブルディスクからなる。記録媒体2は、CD−ROM、CDR/W、DVD等の種々の記録媒体であってもよい。
【0024】
定義ファイル113及び22の一例を、図4(A)及び(B)に示す。定義ファイル113は、図4(A)に示すように、その3行目に「...disk(0)rdisk(0)partition(1)」とあることにより、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードすることを指示する。定義ファイル22は、図4(B)に示すように、その3行目に「...disk(0)rdisk(1)partition(1)」とあることにより、領域Bの内容をロードすることを指示する。
【0025】
ブートROM111は、システム起動時に、読取装置13に記録媒体2がセットされているか否かを調べる。記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ブートROM111は、定義ファイル113(A及びB)に従って、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードする。即ち、正常時においては、領域Aの内容をロードする。一方、記録媒体2が読取装置にセットされている場合、ブートROM111は、ディスク装置12ではなく、記録媒体2からローダ21をロードする。ローダ21は、定義ファイル22に従って、領域Bの内容をロードする。このために、ディスク障害発生時には、一旦システムの電源が遮断され、記録媒体2が読取装置13にセットされ、その後電源が再投入される。
【0026】
ロードされたローダ21は、定義ファイル22に従って、領域Bの内容をロードする。即ち、前述のように、ローダ112B及びその定義ファイル113Bをロードして、ローダ112Bを起動し、これにより、OS114B及びアプリケーション115Bも、領域Bからロードされる。OS114Bがロードされ当該システムが正常に立ち上がると、その後に、ローダ21は、OS114Bにディスク装置12を管理するアプリケーション115Bである区画設定ユーティリティをロードさせ、これに領域Aを無効とさせる。
【0027】
この後、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、システムを再起動する。このシステム再起動時において、ブートROM111は、ディスク装置12をアクセスすると、領域Aが無効であるので、領域Bから読み取りを開始し、ローダ112B及び定義ファイル113Bをロードする。ロードされたローダ112Bは、定義ファイル113Bに従って、領域A及び領域Bの中の有効であって、ディスク装置12においてより先の位置に格納された一方の内容をロードする。即ち、領域Aは無効とされているので、領域BからOS114Bをロードする。これにより、OS114Bにより当該システムが立ち上がる。
【0028】
図3は、ディスク復旧処理フローであり、図1のデータ処理装置に図2(A)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。
【0029】
パソコン1の立ち上げ時に立ち上げ不可となったり、パソコン1の運用中にディスク装置12の読み取り異常が発生した場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体(起動用ディスク)2を読取装置13にセットし、パソコン1の電源を再投入する、即ち、再起動する(ステップS11)。
【0030】
電源投入に応じて、ブートROM111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、記録媒体2のローダ21を読み込む(ステップS12)。ローダ21は、記録媒体2の定義ファイル22(領域Bから立ち上げるように設定されている)を読込み、これに従ってディスク装置12の領域BのOS114Bを読み込みこれを実行する(ステップS13)。これにより、パソコン1が正常に立ち上がったら、この後、ローダ21は、区画設定ユーティリティ(アプリケーション)115Bを起動し、これに領域Aを使用不可とするために領域Aを無効とさせる(ステップS14)。更に、ローダ21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。
【0031】
これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入して、当該パソコン1の再立ち上げを実施する。これに応じて、ブートROM111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、領域Aは無効となっているので、領域Bからローダ112Bを読み込む。ローダ112Bは、定義ファイル113Bを読込み、これに従ってディスク装置12の領域BのOS114Bを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、領域Bから正常に立ち上がる(ステップS15)。
【0032】
なお、ステップS12において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS15と同様の手順で、パソコン1が領域Aから正常に立ち上がる。
【0033】
このように、通常は領域Aから立ち上がるように設定されてディスク装置12での障害の発生は、領域Aの異常を意味する。そこで、記録媒体2により同一内容で異常のない領域Bをロードして、かつ、領域Aを無効として、当該領域Bから再インストールなしで立ち上げる。これにより、故障箇所(領域A)を回避した運用を行い、比較的短い中断時間で業務を継続することができる。
【0034】
以上は、図1のデータ処理装置に図2(A)のディスク装置12を備えた場合における復旧処理であるが、図1のデータ処理装置に図2(B)のディスク装置12を備えるようにしてもよい。
【0035】
即ち、図2(A)においては、領域A及び領域Bが、各々、プログラム及びデータを領域の区別なく格納しているが、図2(B)においては、領域A及び領域Bが、各々、プログラムを格納するプログラム領域A1及びB1とデータを格納するデータ領域A2及びB2とからなる。そして、領域Aのプログラム領域A1と領域Bのプログラム領域B1とが同一の容量で同一の内容を記録(インストール)し、領域Aのデータ領域A2と領域Bのデータ領域B2とが同一の容量で同一の内容を記録する。領域A1、A2、B1及びB2は、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、設定される。この例では、ディスク装置12において、領域A1、A2、B1及びB2の順に(アドレスの大きい位置に)設けられる。
【0036】
この例でも、通常、領域Aがロードされるが、その障害時において、プログラムの異常時には当該プログラム領域A1のみが無効とされ、異常箇所が不明の場合には当該プログラム領域A1及びデータ領域A2の双方が無効とされる。プログラム領域A1(のみ)が無効とされた場合、データ領域A2には異常がないので、当該データ領域A2をデータ領域B2にコピーする。実際には、この後、データ領域A2も無効とされる。これにより、システム(OS)の再インストールを不要にできるのみでなく、データをも引き継ぐことができる。プログラム領域A1及びデータ領域A2の双方が無効とされた場合は、前述の図2(A)の例と同様である。
【0037】
図5は、ディスク復旧処理フローであり、図1のデータ処理装置に図2(B)のディスク装置12を備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。
【0038】
ステップS11と同様に、パソコン1の立ち上げ時に立ち上げ不可等となった場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1を再起動する(ステップS21)。
【0039】
ステップS12と同様に、起動されたブートROM111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、ローダ21を読み込む(ステップS22)。ステップS13と同様に、ローダ21は、定義ファイル22を読込み、領域B1のOS114Bを読み込みこれを実行する(ステップS23)。
【0040】
これにより、パソコン1が正常に立ち上がったら、この後、ローダ21は、領域B1の区画設定(ディスク)ユーティリティ115Bを起動し(ステップS24)、これに例えば当該パソコン1のステップS21での障害がパソコン1の立ち上げ不可(異常)であったか否かを調べさせる(ステップS25)。当該障害の記録は、通常のパソコン1においては、例えばイベントログ(図示せず)に残されているか、又は、全く起動不可の場合にはそれにより判断することができる。立ち上げ不可であった場合、ローダ21は、区画設定ユーティリティ115Bに、領域A1を使用不可とするために領域A1を無効とさせ、領域A2(の内容)を領域B2にコピーし、この後、領域A2をも無効とさせる(ステップS26)。これにより、実際には、領域Aの全体が無効とされる。
【0041】
障害が立ち上げ不可でなかった場合、ローダ21は、区画設定ユーティリティ115Bを介して、障害が運用中の各種プログラム(アプリケーション115A)の異常であったか否かを、イベントログを参照することにより調べさせ(ステップS27)、プログラムの異常であった場合、ステップS26を実行する。
【0042】
障害がプログラムの異常でなかった場合、ローダ21は、領域Aにおける異常箇所が不明であると判断して、領域A1を無効とさせ(ステップS28)、続いて領域A2を無効とさせる(ステップS29)。
【0043】
ステップS26又はステップS29の後、ローダ21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。これを見たユーザは、ステップS15と同様に、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入してパソコン1を立ち上げる。起動されたブートROM111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、領域A1は無効となっているので、領域B1からローダ112Bを読み込む。ローダ112Bは、定義ファイル113Bを読込み、これに従って領域B1のOS114Bを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、領域B1から正常に立ち上がる(ステップS210)。
【0044】
この時、ステップS26を実行した場合、障害発生の前まで更新されていた領域A2のデータが領域B2にコピーされているので、領域B1のOS114B等は領域B2のデータ(最新のデータ)を用いることができる。即ち、インストールを不要としたのみでなく、データまでを障害発生前の状態に復旧することができる。従って、直ちに業務を再開することができる。ステップS28及びS29を実行した場合は、図2(A)の場合と同様に、インストールを不要とすることができる。
【0045】
なお、ステップS22において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS210と同様の手順で、パソコン1が領域Aから正常に立ち上がる。
【0046】
図6は他のデータ処理装置構成図であり、本発明の障害復旧方法が実行される他のデータ処理装置の構成を示す。
【0047】
この例のデータ処理装置は、OS114として、広く用いられているWindows NT(登録商標)を搭載したパソコン1の例を示す。この例では、図2(A)と図7(A)の対比から判るように、領域A及び領域Bに対応する領域として、各々、Cドライブ及びDドライブが、ディスク装置12に設けられる。即ち、通常は、最初の領域であるCドライブ(の内容)がロードされ、Dドライブ(の内容)はロードされない。なお、Cドライブかロードされたローダ112をローダ112Cのように表す(他も同様である)。
【0048】
また、この例では、ブートROM111、ローダ112及び定義ファイル113の各々に対応して、BIOS111、プログラムntldr 112、ファイルboot.ini113が使用される。アプリケーション115である区画設定ユーティリティに代えて、ディスクアドミニストレータ115が使用される。これらは、ディスク装置12のCドライブ及びDドライブに格納される。
【0049】
更に、障害発生時に使用する記録媒体2には、起動用のプログラムntldr 21とファイルboot.ini22を格納する。これらは、各々、ローダ21と定義ファイル22に対応する。ファイルboot.ini113及び22の一例を、各々、図9(A)及び(B)に示す。実際には、これらは図4(A)及び(B)に示すものとほぼ同一であるので、説明を省略する。
【0050】
図8は、ディスク復旧処理フローであり、図6のデータ処理装置に図7(A)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。この処理は図3の処理とほぼ同一であるので、簡単に説明する。
【0051】
Cドライブにて異常が発生し、「OS NOT FOUND」等のメッセージが表示されOS114を起動できない場合や、運用中にアプリケーションエラーが発生しディスク関連エラー「不良ブロックを検出しました」等のメッセージの表示があった場合、 ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1の電源を再投入する(ステップS31)。
【0052】
電源投入に応じて、BIOS111が起動され、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、プログラムntldr 21を読み込む(ステップS32)。プログラムntldr 21は、ファイルboot.ini22を読込み、これに従ってDドライブのWindows NT114Dを読み込む(ステップS33)。パソコン1が正常に立ち上がった後、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dを起動し、Cドライブを無効とさせる(ステップS34)。元の(旧)Dドライブは、最初の領域となるため、Cドライブとして立ち上がる。更に、プログラムntldr 21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。
【0053】
これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入して、当該パソコン1を再度立ち上げる。起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、元のCドライブは無効となっているので、新たなCドライブ(旧Dドライブ)からプログラムntldr 112Dを読み込む。プログラムntldr 112Dは、ファイルboot.ini113Dを読込み、これに従って旧DドライブのWindows NT114Dを読み込む。これにより、パソコン1が旧Dドライブから正常に立ち上がる(ステップS35)。
【0054】
なお、ステップS32において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS35と同様の手順で、パソコン1がCドライブから正常に立ち上がる。
【0055】
図10は、ディスク復旧処理フローであり、図6のデータ処理装置に図7(B)のディスクを備えた場合における本発明のディスク復旧処理を示す。この処理は図5の処理とほぼ同一であるので、簡単に説明する。
【0056】
図7(B)においては、図2(B)と同様に、Cドライブ及びDドライブが、各々、プログラムを格納するC1ドライブ及びD1ドライブとデータを格納するC2ドライブ及びD2ドライブとからなる。C1ドライブとD1ドライブとが同一の容量で同一の内容を記録(インストール)し、C2ドライブとD2ドライブとが同一の容量で同一の内容を記録する。C1ドライブ、C2ドライブ、D1ドライブ及びD2ドライブは、ディスク装置12のフォーマット時に予め使用する領域に対して領域を定義する際に、この順に設定される。
【0057】
この例でも、プログラムの異常時にはC1ドライブのみが無効とされ、異常箇所が不明の場合にはC1ドライブ及びC2ドライブの双方が無効とされる。C1ドライブ(のみ)が無効とされた場合、C2ドライブをD2ドライブにコピーし、C2ドライブも無効とされる。これにより、OSの再インストールを不要にでき、データをも引き継ぐことができる。C1ドライブ及びC2ドライブの双方が無効とされた場合は、前述の図7(A)の例と同様である。
【0058】
図10において、ユーザは、パソコン1の電源を遮断し、再起動用の記録媒体2を読取装置13にセットし、パソコン1を再起動する(ステップS41)。
【0059】
起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされているので、プログラムntldr 21を読み込む(ステップS42)。プログラムntldr 21は、ファイルboot.ini22を読込み、D1ドライブのOS114Dを読み込む(ステップS43)。
【0060】
パソコン1が正常に立ち上がったら、プログラムntldr 21は、D1ドライブのディスクアドミニストレータ115Dを起動し(ステップS44)、これに例えばステップS41での障害がパソコン1の立ち上げ不可(異常)であったか否かを調べさせる(ステップS45)。立ち上げ不可であった場合、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dに、C1ドライブを無効とさせ、C2ドライブ(のデータ)をD2ドライブにコピーし、C2ドライブを無効とさせる(ステップS46)。
【0061】
障害が立ち上げ不可でなかった場合、プログラムntldr 21は、ディスクアドミニストレータ115Dを介して、障害が運用中の各種プログラム(アプリケーション115C)の異常であったか否かを調べさせ(ステップS47)、プログラムの異常であった場合、ステップS46を実行する。
【0062】
障害がプログラムの異常でなかった場合、プログラムntldr 21は、Cドライブにおける異常箇所が不明であると判断して、C1ドライブを無効とさせ(ステップS48)、C2ドライブを無効とさせる(ステップS49)。
【0063】
ステップS46又はステップS49の後、プログラムntldr 21は、例えば当該パソコン1の再起動を求める表示を、表示画面に表示する。これを見たユーザは、電源を遮断し、記録媒体2を読取装置13から抜き取り、再度電源を投入してパソコン1を立ち上げる。起動されたBIOS111が、記録媒体2が読取装置13にセットされているか否かを調べ、セットされていないので、ディスク装置12をアクセスするが、C1ドライブは無効となっているので、D1ドライブ(新C1ドライブ)からプログラムntldr 112Dを読み込む。プログラムntldr 112Dは、ファイルboot.ini113Dを読込み、これに従ってD1ドライブのOS114Dを読み込みこれを実行する。これにより、パソコン1が、D1ドライブから正常に立ち上がる(ステップS410)。
【0064】
この時、前述と同様に、ステップS46を実行した場合、C2ドライブのデータがD2ドライブにコピーされているので、OS114D等はD2ドライブのデータ(最新のデータ)を用いることができる。即ち、インストールを不要とし、データを障害発生前の状態に復旧することができる。ステップS48及びS49を実行した場合は、図7(A)の場合と同様である。
【0065】
なお、ステップS42において記録媒体2が読取装置13にセットされていない場合、ステップS410と同様の手順で、パソコン1がCドライブから正常に立ち上がる。
【0066】
以上から判るように、本発明の実施の形態の特徴を列記すると以下の通りである。
(付記1) 1個のディスク装置に、通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域と、これと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを設け、
前記ディスク装置からその内容をロードする起動プログラムと、当該起動プログラムによりロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルとを格納する記録媒体を用意し、
前記記録媒体が読取装置にセットされている場合、前記記録媒体から前記起動プログラムをロードし、
前記ロードされた起動プログラムにより、前記記録媒体の定義ファイルに従って前記第2の領域の内容をロードすると共に、前記第1の領域を無効とし、
この後のシステム起動時において、前記第2の領域の内容により当該システムを立ち上げる
ことを特徴とする障害復旧方法。
(付記2) 前記ディスク装置において、前記第1の領域よりも後の位置に前記第2の領域を設け、
前記記録媒体が前記読取装置にセットされていない場合、前記第1及び第2の領域の中の有効であって先の位置に格納された一方の内容をロードする
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記3) 前記第1の領域は、当該システムが正常に立ち上がった後に、無効とされる
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記4) 前記第1及び第2の領域が、各々、プログラムを格納するプログラム領域とデータを格納するデータ領域とからなり、
前記第1の領域のプログラム領域と前記第2の領域のプログラム領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、前記第1の領域のデータ領域と前記第2の領域のデータ領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、
前記第1の領域は、プログラムの異常時には当該プログラム領域のみを無効とされ、異常箇所が不明の場合には当該プログラム領域及びデータ領域の双方を無効とされる
ことを特徴とする付記1に記載の障害復旧方法。
(付記5) ディスク装置の障害復旧を行なうプログラムであって、
前記プログラムは、コンピュータに、
通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを含む1個のディスク装置から、ロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルに従って、前記第2の領域の内容をロードさせ、
前記第1の領域を無効とさせる
ことを特徴とする障害復旧プログラム。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、障害復旧方法において、
通常動作するディスク装置の第1領域に障害が発生しても、第2領域に同一の内容が既にインストールされているので、第2領域からシステムを立ち上げれば、障害復旧時にディスク装置の交換及びシステムの再インストールを行わなくてもよい。即ち、ディスク装置において喪失したデータは復元できないが、システムのインストールを行わなくてもよい。従って、市販のパソコンを使用する場合、高価なハードウェアやソフトウェアを用意しなくとも、当該パソコンで構成されたクライアント、スタンドアローン型コンピュータ、又は、安価なサーバでディスク障害が発生しても、再インストールが完了するまでの長い間、当該業務を停止する必要をなくすことができる。従って、安価なパソコンを採用した利点を活かしつつ、障害からの復旧を速やかに行うことができる。
【0068】
また、本発明の障害復旧プログラムによれば、ディスク装置の第2の領域の内容をロードすることにより、障害時に本発明の障害復旧方法により速やかに障害復旧するための状態を実現することができる。本発明の障害復旧プログラムは、フレキシィブルディスク等の種々のプログラム記録媒体に記録して提供されることができる。従って、パソコン等の安価なデータ処理装置において、容易に本発明の障害復旧方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ処理装置構成図である。
【図2】ディスク説明図である。
【図3】ディスク復旧処理フローである。
【図4】ディスク復旧処理説明図である。
【図5】ディスク復旧処理フローである。
【図6】他のデータ処理装置構成図である。
【図7】ディスク説明図である。
【図8】ディスク復旧処理フローである。
【図9】ディスク復旧処理説明図である。
【図10】ディスク復旧処理フローである。
【図11】従来技術説明図である。
【符号の説明】
1 パソコン
2 記録媒体
11 データ処理部
12 ディスク装置
13 読取装置
111 ブートROM(BIOS)
112 ローダ(プログラムntldr )
113 定義ファイル(ファイルboot.ini)
114 OS(Windows NT)
115 アプリケーション(ディスクアドミニストレータ)
Claims (3)
- 1個のディスク装置に、通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域と、これと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを設け、
前記ディスク装置からその内容をロードする起動プログラムと、当該起動プログラムによりロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルとを格納する記録媒体を用意し、
前記記録媒体が読取装置にセットされている場合、前記記録媒体から前記起動プログラムをロードし、
前記ロードされた起動プログラムにより、前記記録媒体の定義ファイルに従って前記第2の領域の内容をロードすると共に、前記第1の領域を無効とし、
この後のシステム起動時において、前記第2の領域の内容により当該システムを立ち上げる
ことを特徴とする障害復旧方法。 - 前記第1及び第2の領域が、各々、プログラムを格納するプログラム領域とデータを格納するデータ領域とからなり、
前記第1の領域のプログラム領域と前記第2の領域のプログラム領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、前記第1の領域のデータ領域と前記第2の領域のデータ領域とが同一の容量で同一の内容を記録し、
前記第1の領域は、プログラムの異常時には当該プログラム領域のみを無効とされ、異常箇所が不明の場合には当該プログラム領域及びデータ領域の双方を無効とされる
ことを特徴とする請求項1に記載の障害復旧方法。 - ディスク装置の障害復旧を行なうプログラムであって、
前記プログラムは、コンピュータに、
通常動作するプログラム及びデータが格納された第1の領域とこれと同一の容量で同一の内容を記録する第2の領域とを含む1個のディスク装置から、ロードすべき対象として前記第2の領域を指示する定義ファイルに従って、前記第2の領域の内容をロードさせ、
前記第1の領域を無効とさせる
ことを特徴とする障害復旧プログラム。
Priority Applications (1)
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JP2002191599A JP2004038351A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 障害復旧方法及び障害復旧プログラム |
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JP2007102349A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Tokiko Techno Kk | データ処理装置 |
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2002
- 2002-07-01 JP JP2002191599A patent/JP2004038351A/ja not_active Withdrawn
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