JP2004038269A - 設計支援装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上と環境負荷低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる設計支援装置、方法を提供する。
【解決手段】製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に当該製品のリサイクル性や環境負荷の評価を行った結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因や環境負荷の悪化要因を分析して、分析結果として得られた阻害要因や悪化要因に対応する改善策を表示する。この改善策に基づき評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更して、改善効果の試算として、当該製品のリサイクル性の評価を行うことによって得られた評価結果を表示する。変更された部品材料データはCADデータへ変換する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果に基づき、リサイクル性の向上と環境負荷低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援する設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品等のリサイクル性やライフサイクルにおける環境負荷の評価を行う評価装置は、主に、製品のリサイクル性向上を図った物造りのための部品材料選択の支援を目的としたもので、製品のリサイクル性や環境負荷を評価するために、製品を構成する各部品毎に、当該部品を構成する材料の種類や当該部品中の当該材料の質量などを入力し、これらを基に、当該製品についてのリサイクル率や、ライフサイクル全体から生じる環境負荷の量などが算出される。
【0003】
しかし、この評価装置を用いて製品についてのリサイクル率や環境負荷の量が算出されたとしても、それだけでは、一体何がリサイクル性を阻害しているのか、何が原因で環境負荷を悪化させているのかは不明である。製品についてのリサイクル性や環境負荷の評価結果が部品材料選択に反映されなければ、そもそも評価をすること自体無意味となってしまう。
【0004】
評価を行う目的は、そもそも、設計段階における部品材料選択を支援することにある。従って、この目的達成のために、ユーザに対し、製品についてのリサイクル性や環境負荷の評価結果を呈示するとともに、評価の結果、リサイクル性や環境負荷の面で、当該製品のどこに問題があり、どう改善すればよいのかが、ユーザが容易に把握することができる必要がある。
【0005】
一方、製品設計の段階では、CAD(Computer aided design)システムを利用することが一般的であり、このCADシステムにより作成されるCADデータには、当該製品を構成する部品や、それらの量、個数、各部品の形状などを表した情報などが含まれている。そこで、このCADデータを、製品のリサイクル性やライフサイクルにおける環境負荷の評価に用いることは、データ入力のための作業負荷を軽減するとともに、評価を効率よく行う上でも非常に有用である。
【0006】
製品についてのリサイクル性や環境負荷の評価結果に基づき、一体何がリサイクル性を阻害しているのか、また、何が環境負荷を悪化させているのかを分析し、それらを改善するための支援を行うことが可能であれば、さらに、一歩進めて、改善結果をCADデータに反映させることが、リサイクル性・環境負荷評価の目指す最終的な目的とも言えよう。
【0007】
例えば、特開平9−160959号公報には、設計情報等を入力する入力装置と、入力情報や判定のための基準を記憶する記憶装置と、その情報等に基づいて評価や判定等を行う演算装置と、設計情報、評価結果、評価結果に基づく変更案等を出力する出力装置を備える、設計支援方法及び装置について開示されているが、これは、解体分解・処分などにかかるコストを最小化するためのものであり、製品のリサイクル性向上やライフサイクルにおける環境負荷低減を目的とする評価・支援を行うものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、製品の設計段階において、当該製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果が得られても、それからリサイクル性の阻害要因や環境負荷の悪化要因を分析して、リサイクル性の阻害要因や環境負荷の悪化要因に直接結びつく改善策を講じることが困難であった。
【0009】
従って、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果を、当該製品を構成する部品/材料選択に容易に反映させることができないという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上と環境負荷低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる設計支援装置、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも、製品のリサイクル性の評価結果を基に当該製品の設計支援を行うものであって、製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う評価手段と、この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因に対応する改善策を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、製品のリサイクル性の評価結果からリサイクル性の阻害要因を分析して、リサイクル性の阻害要因に対応する改善策をユーザに表示することにより、製品のリサイクル性の評価結果を、当該製品を構成する部品/材料選択に容易に反映させることができる。
【0013】
また、前記表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う第2の評価手段と、この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段とをさらに具備したことにより、改善効果を試算することができる。
【0014】
また、前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computeraided design)データへ変換する変換手段をさらに具備したことにより、製品のリサイクル性の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上を図った物造りのための部品/材料選択を可能にする。
【0015】
好ましくは、前記表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりもリサイクル性の高い部品/材料をリサイクル性の改善策として表示する。
【0016】
好ましくは、前記表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の解体可能箇所をリサイクル性の改善策として表示する。
【0017】
さらに、前記阻害要因に対応する部品/材料のリサイクル方法として、リサイクル性を改善することのできるリサイクル方法を前記改善策として表示するようにしてもよい。
【0018】
本発明は、少なくとも、製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価結果を基に当該製品の設計支援を行うものであって、製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第1の評価手段と、この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品の環境負荷の悪化要因を分析し、分析結果として得られた悪化要因に対応する改善策を表示する第1の表示手段と、この第1の表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第2の評価手段と、この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段と、前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、製品の環境負荷の評価結果から環境負荷の悪化要因を分析して、環境負荷の悪化要因に直接結びつく改善策をユーザに表示することにより、製品の環境負荷の評価結果を、当該製品を構成する部品/材料選択に容易に反映させることができる。すなわち、本発明によれば、製品の環境負荷の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、環境負荷低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる。
【0020】
好ましくは、前記第1の表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記悪化要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりも環境負荷低減の図れる部品/材料を前記改善策として表示する。
【0021】
好ましくは、前記第1の表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記悪化要因に対応する部品/材料の解体可能箇所を前記改善策として表示する。
【0022】
さらに、前記悪化要因に対応する部品/材料のリサイクル方法として、環境負荷低減の図れるリサイクル方法を前記改善策として表示するようにしてもよい。
【0023】
本発明は、製品のリサイクル性の評価結果と当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価結果を基に当該製品の設計支援を行うものであって、製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性や当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第1の評価手段と、この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因と環境負荷の悪化要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因と悪化要因に対応する改善策を表示する第1の表示手段と、この第1の表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性と当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第2の評価手段と、この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段と、前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換手段とを具備したことを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果からリサイクル性の阻害要因や環境負荷の悪化要因を分析して、リサイクル性の阻害要因や環境負荷の悪化要因に直接結びつく改善策をユーザに表示することにより、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果を、当該製品を構成する部品/材料選択に容易に反映させることができる。すなわち、本発明によれば、製品のリサイクル性や環境負荷の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上と環境負荷低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の設計支援装置の一実施形態にかかる、製品のリサイクル性向上を図った物造りのための部品材料選択を支援することができるリサイクル性評価システムの機能構成例を概略的に示したものである。
【0027】
図1に示すように、リサイクル評価支援システムは、CAD(Computer aided design)システム200と、データ変換援装置300とリサイクル性評価装置400と環境負荷評価装置401と評価支援装置301とから構成されている。
【0028】
CADシステム200は、従来からあるもので、コンピュータを利用して、設計、製図などを行うためのシステムである。CADシステムには、機械、電気、建築など幅広い用途があるが、ここでは、特に、分野を限定するものではない。
【0029】
例えば、CADシステム200からは、例えば、製品毎に、その製品を製造するために用いられている部品と、その量・個数、当該部品の種類によっては当該部品の形状を示した形状情報などを含むCADデータ210が出力される。
【0030】
ここで、CADデータ210には、CADビュアのデータも含まれる。さらにCADデータに類する製品ごとの部品・数量・材料・質量等のデータも含む。
【0031】
データ変換装置300は、CADシステム200から出力されたCADデータ210が入力し、当該CADデータ210を基に、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401における処理対象データである部品材料データ310を作成するようになっている。なお、ここで作成された部品材料データ310は、部品材料データベース320に格納される。また、評価支援装置301からの指示を受けて、部品材料データベース320に格納された部品材料データをCADデータ210へ変換するようになっている。
【0032】
リサイクル性評価装置400は、部品材料データベースに格納されている部品材料データ(データ変換装置300で作成された部品材料データ310、評価支援装置301で変更した部品材料データ)を用いて、後述するリサイクル性の評価処理を実施するようになっている。
【0033】
環境負荷評価装置401は、部品材料データベースに格納されている部品材料データ(データ変換装置300で作成された部品材料データ310、評価支援装置301で変更した部品材料データ)を用いて、後述する環境負荷の評価処理を実施するようになっている。
【0034】
評価支援装置301は、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401での評価結果を基に、製品の設計支援を行うためのもので、改善案作成部311と改善効果試算部312とデータ更新部313とから構成されている。
【0035】
改善案作成部311は、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401での評価結果を基に、製品のリサイクル性の阻害要因/環境負荷の悪化要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因/悪化要因に対応する改善策を表示する。
【0036】
改善効果試算部312は、改善案作成部311で表示された改善策に基づき、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401での評価の際に用いる評価条件や部品材料データを暫定的に変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401で製品のリサイクル性や当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行わせて、改善効果を試算するようになっている。そして、リサイクル性評価装置400、環境負荷評価装置401での評価結果を、改善効果の試算結果として表示する。
【0037】
データ更新部313は、ユーザからの指示に基づき、上記改善効果の試算のために暫定的に変更した部品材料データ310で、部品材料データベース320に格納されている部品材料データを更新したり、また、データ変換装置300に、更新された部品材料データベース320中の部品材料データをCAD(Computeraided design)データへ変換させる。
【0038】
図2は、図1に示したリサイクル性評価システムを例えばコンピュータ(計算機)上で実現する場合の構成例を示したものである。
【0039】
すなわち、図2において、リサイクル性評価システムは、プロセッサ(CPU)、10、メモリ100、ディスプレイやプリンタなどの出力装置14、マウスやキーボードなどの入力装置15、記憶装置16から構成されている。
【0040】
これらのうち、メモリ100は、システムの制御の中枢を担うプログラム等の格納やデータ等の一時保持、プログラム実行の際のワーキングエリアなどに利用されるものであって、CADプログラム105、部品材料データ作成プログラム106、評価条件入力プログラムと評価計算プログラムなどを含むリサイクル性評価プログラム103、環境負荷評価プログラム107、改善提案作成処理プログラム108、評価結果出力処理プログラム104、データベース管理プログラム102、入出力プログラム101などを格納している。また、プロセッサ10はメモリ100内のプログラムを実行することにより、入出力制御や各種演算処理、評価処理を含め、必要な各種制御処理を実施するものである。
【0041】
記憶装置16には、例えばCADでの設計・製図の際に用いる部品データなどを管理保存するCADデータベース、リサイクル性情報データベース、部品基礎情報データベース、廃棄物分類情報データベース、プロセッサ10により改善提案作成処理プログラム108が実行されたときに用いられるデータを管理保存する改善提案基礎情報データベースが予め保持されている。また、これらに加えて環境負荷原単位データベースを保持しておくことも可能である。
【0042】
さらに、プロセッサ10がメモリ100内の部品材料データ作成プログラムを実行することにより作成される部品材料データを記憶・管理する部品材料データベースを保持する。
【0043】
プロセッサ10は、主に、メモリ100内のCADプログラム105を実行することにより、図2に示したリサイクル性評価システム上で、図1に示したCADシステム200に対応するCAD利用環境を提供するようになっている。
【0044】
また、プロセッサ10は、主に、メモリ100内の部品材料データ作成プログラム106を実行することにより、図2に示したリサイクル性評価システム上で、図1に示したデータ変換装置300に対応する機能を提供するようになっている。
【0045】
また、プロセッサ10は、主に、メモリ100内のリサイクル性評価プログラム103を実行することにより、図2に示したリサイクル性評価システム上で、図1に示したリサイクル性評価装置400に対応する機能を提供するようになっている。
【0046】
また、プロセッサ10は、主に、メモリ100内の環境負荷評価プログラム107を実行することにより、図2に示したリサイクル性評価システム上で、図1に示した環境負荷評価装置401に対応する機能を提供するようになっている。
【0047】
さらに、プロセッサ10、主に、メモリ100内の改善提案作成処理プログラム108を実行することにより、図2に示したリサイクル性評価システム上で、図1に示した評価支援装置301に対応する機能を提供するようになっている。
【0048】
図2に示したリサイクル性評価システムに用いられるCADデータの作成過程は、本願の要旨ではないので説明は省略するが、ここでのCADデータは従来技術を用いれば作成される一般的なCADデータであり、CADデータ自体、特に特徴のあるものではない。
【0049】
一般的にCADデータには、図3に示すように、製品名(型番などの製品の識別情報であってもよい)と、当該製品の外形寸法や、当該製品の構成を示した構成情報、各構成部(ユニット)毎に、当該ユニットで用いられる部品の部品名や量・個数、当該部品の形状を示した形状情報などが含まれている。
【0050】
これらの情報を含むCADデータとして用いることのできるデータセット、すなわち、CADから出力されたデータ、CADに入力するためのデータ、例えばCADビュアデータ等も同様に扱うことができる。
【0051】
ここでは、プロセッサ10がCADプログラム105を実行することにより(図1のCADシステム200では)、図3に示したような内容のCADデータ210が作成されるものとする。
【0052】
このCADデータを処理対象として、プロセッサ10が部品材料データ作成プログラム106を実行することにより(図1のデータ変換装置300では)、図3に示したような内容の部品材料データ310が作成され、部品材料データ310は、記憶装置16の部品材料データベースに記憶される。
【0053】
プロセッサ10が部品材料データ作成プログラム106を実行することにより(図1のデータ変換装置300では)、リサイクル性評価システムでは、記憶装置16に保持されている部品基礎情報データベースに格納されている部品基礎データを参照しながら、CADデータ210に含まれる部品単位毎に、当該部品を構成する材料の種類(構成材料種類)と、当該部品中の当該材料の質量(構成材料質量)を求めて、少なくとも部品名と、当該部品を構成する材料の種類(構成材料種類)と、当該材料の質量(構成材料質量)を含む、製品毎の部品材料データ310を作成し、記憶装置16の部品材料データベースに記憶する。
【0054】
部品材料データを作成する際には、CADデータ中のユニット名を部品の階層構造上の位置(レベル)を表す識別情報(例えば、分解レベルを表す名称)に置き換えてもよい。
【0055】
また、プロセッサ10が部品材料データ作成プログラム106を実行することにより(図1のデータ変換装置300では)、記憶装置16に保持されている部品材料データベースに格納されている部品材料データをCADデータに変換する。すなわち、例えば、部品材料データに含まれる部品単位毎に、当該部品を構成する材料の種類(構成材料種類)と、当該材料の質量(構成材料質量)などの情報を省き、部品名やユニット名の名前の置換えを行った場合には、元のCADデータ上での名称に戻して、部品名と、その量・個数、当該部品の種類によっては当該部品の形状を示した形状情報などを含む、図3に示したような形式の元のCADデータ210に変換する。ここで部品材料データを変換することにより得られたCADデータは、もちろんCADシステム200において利用可能である。
【0056】
図4は、リサイクル性評価システムにおいて、CADデータ210を基に部品材料データを作成した際に、出力装置14としての所定のディスプレイに表示される、表示画面の一例を示したものである。
【0057】
図4に示した表示画面の表示領域R1には、例えば、CADデータに含まれている構成情報などに基づき、当該製品を構成するユニットの階層構造がツリー形式で表示されている。あるいは、製品自体の形状や構成を3D形式で表示するようにしてもよい。あるいは、ツリー形式と3D形式を併用して、製品の形状や構成を表示するようにしてもよい。
【0058】
表示領域R1から、例えば、所望の部品を選択することにより、当該選択された部品に関するCADデータが、表示領域R2に表示されるとともに、当該部品に対応する部品材料データが、記憶装置16の部品材料データベースから読み出されて、(リサイクル性評価、環境負荷評価へ供する)入力データとして、表示領域R3に表示される。
【0059】
例えば、表示領域R1から「部品A」が選択されると、表示領域R2には、当該部品Aの部品名、量・個数、形状などが表示されるとともに、表示領域R3には、当該部品の部品名と、当該部品を構成する材料の種類としての構成材料種類(材料名)と、当該材料の質量としての構成材料質量(質量)などが表示される。当該部品の複数の材料が含まれているときは、それら全てについての材料名と質量とが表示される。
【0060】
この状態において、表示領域R3に表示される、材料名などに修正があるときは、キーボードやマウスなどの入力装置15を用いて修正を行い、部品材料データベースの更新を行うことができる。
【0061】
領域R1における部品選択においては、選択部品と同材料あるいは同部品を使用しているユニットを、リスト表示や、3D形式で着色表示により表示可能にしても良い。これにより製品全体の材料把握を容易に行うことができる。さらにこれら同材料あるいは同部品について複数を同時に選択し、表示領域R2に表示してデータ変換を行いR3に表示してもよい。
【0062】
記憶装置16には、CADデータ210から部品材料データ310を作成する際に用いる部品基礎情報データベースが保持されている。
【0063】
部品基礎情報データベースには、例えば、図5に示すような形式で、部品基礎データが格納されている。
【0064】
図5に示すように、各部品毎の部品基礎データは、その部品を構成する材料の種類と、当該部品中の当該材料の質量あるいは密度などの情報からなる。
【0065】
材料の種類別に、部品中の当該材料の質量が部品基礎データとして含まれていることが好ましいが、部品の種類や材料の種類によっては、単純に質量に換算できない場合もあるであろう。このような場合には、好ましくは、部品の単位体積当たりの当該部品中の材料の種類別の質量である密度が部品基礎データに含まれているものとする。
【0066】
ここでは、部品毎に、当該部品を構成する材料の種類別の質量や密度が部品基礎データに含まれている場合について説明するが、この場合に限らず、各部品について、その部品を構成する材料の種類別の質量が算出できるような、質量換算係数、例えば、長さ、金額、ユニット当たりの質量などについてのデータが部品基礎データに含まれていればよい。
【0067】
製品について、リサイクル評価や環境負荷評価を行うためには、当該製品を構成する部品のそれぞれについて、当該部品を構成する材料の種類と、当該部品中の当該材料の質量を求める必要がある。
【0068】
この材料の種類別の質量は、部品基礎データに、材料の種類別に、それぞれの質量が含まれているときには、この質量をそのまま、あるいは、当該質量に、CADデータに含まれている、当該部品の個数や量を乗じることで算出することができる。また、部品基礎データに、材料の種類別にそれぞれの密度が含まれているときは、まず、CADデータに含まれている、当該部品の形状情報から、当該部品の体積を算出する。なお、形状情報とは、当該部品の形状や大きさを表した、例えば、当該部品の縦、横、高さ、長さ、太さなどの情報である。算出された当該部品の体積に部品基礎データに含まれている、材料の種類に対応した密度を乗じ、あるいは、さらに、CADデータに含まれている、当該部品の個数や量を乗じることで、当該部品を構成する材料の種類別に、材料毎の質量を算出することができる。
【0069】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、プロセッサ10が部品材料データ作成プログラムを実行したときのリサイクル性評価システムの処理動作(図1のデータ変換装置300の処理動作)について説明する。
【0070】
まず、プロセッサ10がCADプログラム105を実行することにより、CADデータ210が作成される(ステップS501)。ユーザが、プロセッサ10に部品材料データ作成プログラムを実行させると、CADデータ210を処理対象として、プロセッサ10は、記憶装置16に保持されている部品基礎情報データベースにアクセスして、CADデータ210に含まれている各部品について、その部品基礎データを検索する(ステップS502)。
【0071】
次に、この検索された部品基礎データを基に、部品単位に、当該部品を構成する材料の種類と、当該材料の質量を算出する(ステップS503)。
【0072】
材料の種類別の質量は、検索された部品基礎データに、材料の種類別に当該材料の質量の値が含まれているときは、例えば、当該質量に、CADデータに含まれている、当該部品の個数や量を乗じることで算出する。また、部品基礎データに、材料の種類別にそれぞれの密度の値が含まれているときは、まず、CADデータに含まれている、当該部品の形状情報から、当該部品の体積を算出する。そして、算出された当該部品の体積に部品基礎データに含まれている、材料の種類に対応した密度を乗じ、さらに、CADデータに含まれている、当該部品の個数や量を乗じることで算出する。
【0073】
このように、CADデータから、部品基礎データを参照しながら、各部品毎に、CADデータには含まれていない情報(例えば、当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の当該材料の質量など)を求めて、部品単位の部品材料データを作成し(ステップS504)、さらに、CADデータに含まれている、製品の構成情報を基に、上記部品単位の部品材料データを分類・整理しながら記憶装置16に格納することにより、例えば、図7に示したような部品材料データベースを作成することができる(ステップS505)。
【0074】
図7に示した部品材料データベースは、ある1つの製品についての部品材料データベースの一例を示したものである。
【0075】
この製品は、例えば、その機能・構成上、大きく3つの階層から構成されていて、この3つの階層を、ここでは、分解レベルと呼ぶ。分解レベルは、製品を製造する上で組み合わされる基本的な部品と、これら基本的な部品がいくつか組合わされて構成された第1のユニット(部品モジュール)と、この第1のユニットがいくつか組合わされて構成された第2のユニット、…に分けて管理するための部品の階層構造のレベルである。
【0076】
例えば、IC、配線基板などの電気・電子部品などが基本的な部品であって、これらを組み合わせて、第1のユニットとして例えばパッケージが構成され、この第1のユニットがいくつか組み合わせて、第2のユニットが構成され、これら第2のユニットが組み合わされて、完成品としての製品が構成されるとする。
【0077】
製品のCADデータに含まれる構成情報には、例えば、上記のように、基本的な部品と第1のユニットと第2のユニットとからなる部品の階層構造の情報などが含まれているので、図6のステップS505では、この構成情報を基に、例えば、部品毎の部品材料データを、上記部品の階層構造に従って集計しながら、図7に示したような部品材料データベースを作成する。
【0078】
図7では、部品(1)と部品(2)と部品(3)が第2のユニットに対応し、これらをここでは、第1の分解部品と呼ぶ。部品(1)は、部品(1−1)、部品(1−2)、部品(1−3)から構成され、これらが第1のユニットに対応し、ここでは、第2の分解部品と呼ぶ。部品(1−3)は、部品(1−3−1)、部品(1−3−2)から構成され、これらが基本的な部品に対応し、ここでは、第3の分解部品と呼ぶ。
【0079】
もちろん、第1の分解部品や第2の分解部品には、それ以上細分化される部品が存在しない場合には、それ以下の階層の部品は存在しない。すなわち、第1の分解部品や第2の分解部品であっても、階層構造の末端の部品である場合もある。
【0080】
図6のステップS504では、それ以上細分化される部品が存在しない(部品の階層構造の末端の)部品について、部品材料データを作成している。
【0081】
図7では、ステップS504で作成された、部品の階層構造の末端に位置する部品単位の部品材料データを基に、各部品について材料の種類別に算出された当該材料の質量を合計して、部品別の質量(図7では、重量)を算出している。各階層の部品の質量(重量)は、その下位階層にある部品の部品別の質量(重量)の合計値として示している。
【0082】
なお、各部品を構成している材料の種類は、大分類と小分類とに分類されており、例えば、図7に示す、金属、プラスチック類、その他などが大分類としての「素材」であり、金属において、金属1や金属2などが小分類としての「材料」である。
【0083】
このようにして、ステップS501で入力された、ある製品のCADデータ中の全ての部品について部品材料データを求めることにより、当該製品に対応する、例えば図7に示したような部品材料データベースが記憶装置16に作成される。
【0084】
図7に示した部品材料データベースでは、縦の列に部品名、横の行に材料名が列挙されている。部品ごとに含まれる材料の総質量が表中に入力される。図7では、製品に使用される材料を3段階の分解単位(分解レベル)に分割されている。
【0085】
具体的には、各製品(各部品)についてそれぞれ“分解レベル”,“素材分類”の情報を持たせる。“分解レベル”は更に“第1分解部品”,“第2分解部品”,“第3分解部品”の3種に分けてあり、“第3分解部品 ”は製品(または部品)をバラバラに分解した場合に、それ以上分解できない基本部品段階の部品で、例えば、ビスやバネ、キートップ、化粧パネル、配線基板といったような基本パーツレベルのものを指す。“第2分解部品”は、これら基本パーツがいくつか組み合わせて構成されている部品モジュールであり、“第1分解部品”は部品モジュールを組み合わせて構成したユニットである。完成品は必要な複数の部品ユニットを組み立てたものであり、従って、製品の分解レベルは、製品を部品ユニットに分解した“第1分解部品”、部品ユニットを部品モジュールに分解した“第2分解部品”、そして、部品モジュールを個別基本部品に分解した“第3分解部品”に分けて管理するようにした。
【0086】
各分解レベルでの部品は“部品名”とその部品別の“質量”が登録され、また、部品の階層構造の末端に位置する部品毎に、その部品を構成する材料の種類別に、当該材料の質量が登録されて管理されるようにした。
【0087】
このように、製品を構成する部品を何段階にも分けて部品材料データベースに登録しておくことにより、リサイクル可能質量あるいはリサイクル可能率を分解レベルの観点から考察する上で重要な情報を得ることが可能になる。また、製品あるいは部品の合計質量を出しておくことにより、製品に使われる材料のリデュースに対する情報を提供することもできる。
【0088】
なお、リサイクル性評価の段階では、図7に示した部品材料データベースの内容を基に処理を行うようになっているが、この処理の説明で用いる「部品」という用語は、部品材料データベース中の、例えば、第1分解部品、第2分解部品、第3分解部品のいずれかに属する部品であるとする。
【0089】
部品材料データベースに保持されているデータの内容は、例えば、図4に示したような表示画面上に表示されたり、あるいは、その表示内容に基づき、ユーザが修正することもできる(ステップS506)。
【0090】
次に、図2の説明に戻る。
【0091】
図2において、入出力処理プログラム101は、このメモリ100の持つプログラムの1つであって、キーボードの操作による入力コードの取り込み、ディスプレイへの表示情報出力、入出力インタフェースに対するデータの入出力制御、プリンタへのプリント出力制御などを実行する機能プログラムにて構成されている。
【0092】
データベース管理プログラム102もメモリ100の持つプログラムの1つであって、記憶装置16に構築されているデータベースの管理を司る機能プログラムにて構成されている。
【0093】
また、リサイクル性評価プログラム103もメモリ100の持つプログラムの1つであって、当該リサイクル性評価プログラム103は、これら101、102を介して与えられる情報に基づいてリサイクル性の評価処理を実施するものである。
【0094】
また、評価結果出力処理プログラム104もメモリ100の持つプログラムの1つであって、リサイクル性評価プログラム103による評価の結果等について出力のために表示形式を整えるためのものである。
【0095】
また、記憶装置16は種々のデータファイルなどを保持するためのものであって、本発明システムで使用するリサイクル性評価情報のデータベース(DB)160を含め、各種のデータベースも保持している。記憶装置16に構築されて保持されているリサイクル性評価情報のデータベース160は、例えば、金属の混合物に関しての利用可能性の情報である金属混合許容性情報、プラスチックの混合物に関しての利用可能性の情報であるプラスチック混合許容性情報といった材料別の“混合許容性”、“処理分類”、“原単位”、混合材料別の“不純物含有量(組み合わせと配合比)”、混合材料別の“除去容易性”、混合材料別の“相溶性”、“市場性”、などの個別データベース群から構成されており、情報追加や変更、削除などが可能な柔軟性のあるデータベースとなっている。
【0096】
環境負荷原単位データベースには、例えば産業連関法に基づき作成された、あるいは文献等により得られた原材料の環境負荷原単位が保存されている。リサイクル性情報データベースのリサイクル処理原単位情報が不足している場合に、リサイクル処理に投入されるエネルギー等の原材料の量を入力して環境負荷原単位データベースに保存された原材料の原単位に乗じて積算することにより、リサイクル処理原単位を作成する。
【0097】
リサイクル性評価プログラム103には、CADデータから部品材料データの作成を行わせる処理ステップ、評価条件設定の入力を行わせる処理ステップ、これらとリサイクル性情報DB160の情報を用いてリサイクル性を評価する処理ステップ、評価結果を表示させるための処理に移行させるための処理ステップとを備えている。
【0098】
<リサイクル性評価手順>
本実施形態に係るリサイクル系評価システムは、製品のリサイクル性向上を図った物造りのための部品材料選択を支援することができるようにするために、材料の混合許容性をまとめたデータベース(リサイクル性情報DB160)を作成しておき、入力された評価対象製品あるいは部品等についての材料混合情報から、リサイクルのために許容される混合組成についてこのリサイクル性情報DBの情報を参照してリサイクル性評価処理することで、評価判断する。
【0099】
そして、その評価実現のための処理は、図8で示される手順で実施される。本実施形態におけるリサイクル性評価の全体の流れを、図8に示す基本手順としてのリサイクル性評価フローを参照して説明する。
【0100】
[処理ステップS1](部品材料データベースの作成)
まずはじめに、プロセッサ10はリサイクル性評価プログラム103を実行するが、これによりリサイクル性評価プログラム103は、前述したように(図6参照)、CADデータから部品材料データを作成する処理を実施し、例えば、図7に示したような部品材料データベースを作成する。
【0101】
[処理ステップS2](評価条件設定(入力))
部品材料データの作成処理が終了すると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は評価条件の設定入力の要求に変わる。ここでは要求に従って、ユーザは評価条件を設定する。この評価条件の入力も例えば、ユーザが入力装置15を操作して入力する。この入力情報は入出力処理プログラム101により取り込まれる。
【0102】
評価条件の設定内容としては、例えばリサイクルに含める範囲、これは例えば“プラスチックの熱回収を含めるか否か”、あるいは“混合許容性判断における混合許容レベル”、等といったようなリサイクルのレベルを設定する。この設定が終わるとプロセッサ10は次に混合許容性判定を実施する。
【0103】
[処理ステップS3(処理S31)](混合許容性判定)
評価条件設定が終了すると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は混合許容性判定の処理に移る。
【0104】
混合許容性判定の処理は処理ステップS3の処理であり、この処理において、リサイクル性情報DB160における金属混合許容性データベース、およびプラスチック混合許容性データベースを参照して、評価対象となる部品単位ごとに含まれる材料の混合許容性を判定する(処理S31)。
【0105】
[処理ステップS3(処理S32)](処理内容判定)
評価対象となる部品単位ごとに含まれる材料の混合許容性の判定が終了すると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は処理内容判定の処理に移る。この処理は処理ステップS3におけるS32の処理であり、この処理においてはモデル化された複数種の廃棄・リサイクル内容(モデル化された複数種の廃棄・リサイクル処理の手法)のうち、どれを適用するかの判定を実施して評価対象となる部品単位ごとに、どの処理を適用するかを選択する(図10参照)。
【0106】
[処理ステップS3(処理S33)](リサイクル可能質量、リサイクル可能率算出)
適用する廃棄・リサイクル内容(適用する廃棄・リサイクル処理手法)が選択されると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は、その選択した廃棄・リサイクル内容(選択した廃棄・リサイクル処理手法)に対しての処理に回すことのできる量(リサイクル可能質量)、およびその割合(リサイクル可能率)の算出の処理に移る。この処理は処理ステップS3(処理S33)の処理であり、この処理においては評価対象部品材料ごとにリサイクル性情報DB160における廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースから、回収歩留り率等を抽出し、適用廃棄・リサイクル手法ごと、及び部品ごとに積算し、リサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出する。さらに部品ごとのリサイクル可能質量を積算し、製品全体のリサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出する。
【0107】
[処理ステップS4](評価結果出力表示)
この算出処理が終わると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は表示処理に移り、リサイクル性評価プログラム103による評価の結果等を評価結果出力処理プログラム104に渡して、出力のために表示形式を整える処理をさせる。評価結果出力処理プログラム104はリサイクル性評価プログラム103により選択・算出された処理法、リサイクル可能質量、リサイクル可能率を形式を整えて入出力処理プログラム101に渡し、入出力処理プログラム101はこれを出力装置14としてのディスプレイに表示させるべく処理する。
【0108】
その結果、ディスプレイには入力条件に基づき、評価対象の回収品についての処分法と、その処分法に適用可能な算出されたリサイクル可能質量、リサイクル可能率の情報が、形式を整えられて評価結果として出力表示され、ユーザは、評価対象の混合物(回収品)についての処分法、そして、リサイクル可能質量、リサイクル可能率を知ることができる。なお、出力表示はこれら全部ではなく、必要に応じて一部のみとすることもできる。
【0109】
前述したように、部品材料データベースには、製品を構成する部品単位に、構成部品がさらに細かい小部品で構成されている場合にはその小部品ごとに分割されて、各部品毎に、その部品を構成する材料の種類と当該材料の当該部品中の総質量が格納されている。
【0110】
このように構成部品を何段階にも分けて、部品材料データが部品材料データベースに格納されているので、リサイクル可能質量あるいはリサイクル可能率を分解レベルの観点から考察する上で重要な情報を得ることが可能になる。
【0111】
この結果、製品開発にあたり、製品のリサイクル性向上のための改善を図った物造りが可能な部品材料選択をすることができるようになる。
【0112】
尚、前記の評価条件設定入力(処理ステップS2)において、構成部品のうちどの分解レベルまでを解体(分解)するかを仮定する分解レベル設定や、出力画面に表示する項目を設定する出力レベル設定などを行ってもよい。
【0113】
分解レベル(分解深さ)は、図7を参照して説明したように、例えば、部品構成の階層構造に対応したものであってもよい。
【0114】
分解レベルを設定した場合には、分解レベルに対応して一体となっている小部品単位の素材ごとに重量を合計、分解部品単位でのリサイクル性評価を行うことができる。このとき部品材料データベース中の図7に示したような材料表を分解部品単位ごと、さらに解体順に再構成し直してもよい。これにより分解部品に含まれる材料の種類と数、および分解の深さレベルの情報をリサイクル性評価と付加して出力することができる。
【0115】
また、リサイクル可能率の算出(処理ステップS3における処理S34))においては、処理ステップS3における処理S31で各判断要素ごとに行われる評価を点数化して積算し、リサイクル性指標として点数化して表示することも可能である。
【0116】
また、出力表示(処理ステップS4)において、リサイクル性評価における付加情報として改善点を提案表示しても良い。これらは例えば、リサイクル率の低い部品または材料の表示、混合不可の部品材料および理由表示が挙げられる。また分解レベルに対応して一体となっている小部品(分解部品)に含まれる材料の種類と数、および分解の深さレベルの情報などが出力表示可能である。
【0117】
以上は、リサイクル性評価、すなわち、製品や材料などの回収品について、最終的にどのような処分(廃棄、各種リサイクル処理)にどのくらいの量を廻すことができるか、割合としてはどのくらいかといったことを評価できるようにした基本手順としてのリサイクル性評価処理を行うシステムについて説明したが、これを一歩進めて、分解レベルを変更すると適用可能な処理法はどう変化して、どの処分法による処分(廃棄、各種リサイクル処理)にどのくらいの量を廻すことができ、割合としてはどのくらいかといったことを評価できるようにし、解体性をも含めた設計支援に有用な評価システムを実現できるようにした例を次に説明する。
【0118】
<リサイクル性評価手順の別の例>
この場合の評価処理例を図9に示す。図9は、図8で示した基本手順に加え、分解レベル情報、改善点情報などを付加したリサイクル性評価手順の一例を示したものである。
【0119】
[処理ステップS1](部品材料データベース作成)
まずはじめに、図8と同様、プロセッサ10はリサイクル性評価プログラム103を実行するが、これによりリサイクル性評価プログラム103は、前述したように(図6参照)、CADデータから部品材料データを作成する処理を実施することになる。
【0120】
[処理ステップS2](評価条件設定(入力))
次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は評価条件の設定入力の要求に変わる。ここでは要求に従って、ユーザは評価条件を設定する。この評価条件設定の入力も例えば、評価者が入力装置15を操作して入力する。この入力情報は入出力処理プログラム101により取り込まれる。
【0121】
評価条件の設定内容としては、分解レベル、リサイクルレベル、出力レベルなどであり、リサイクルレベルとしては、例えばリサイクルに含める範囲、これは例えば“プラスチックの熱回収を含めるか否か”、あるいは“混合許容性判断における混合許容レベル”、等である。これらの設定が終わるとプロセッサ10は次にリサイクル性評価の処理を実施する。
【0122】
[処理ステップS3(処理S301)](解体性指標算出)
評価条件設定が終了すると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は解体性指標算出の処理に移る。
【0123】
解体性指標算出の処理は処理ステップS3におけるS301の処理であり、この処理において、リサイクル性情報DBを用いて解体性指標を算出する。これが終わると次に混合許容性判定を行う。
【0124】
[処理ステップS3(処理S302)](混合許容性判定)
混合許容性判定の処理は処理ステップS3におけるS301の処理であり、金属混合許容性データベース、およびプラスチック混合許容性データベースを用いて、評価対象となる部品単位ごとに含まれる材料の混合許容性を判定する。これが終わると次にリサイクル対象判定を行う。
【0125】
[処理ステップS3(処理S303)](リサイクル対象判定)
リサイクル対象判定の処理は処理ステップS3におけるS303の処理であり、リサイクル対象物がどのようなものであり、不純物除去が容易なのか否か、相溶性はどうか、市場性はどうかといったことをリサイクル性情報データベースの情報を参照して判定する。これが終わると次にリサイクル工程仮定を行う。
【0126】
[処理ステップS3(処理S304)](リサイクル工程仮定)
リサイクル工程仮定は処理ステップS3におけるS304の処理であり、リサイクル対象物をどのような処理工程により処理するかを仮定する。ここではモデル化された複数種の廃棄・リサイクル内容(モデル化された複数種の廃棄・リサイクル処理の手法)のうちから適用する内容をどれにするかの判定を実施して評価対象となる部品単位ごとに、どの処理手法を適用するかを選択する。これが終わると次にリサイクル質量算出を行う。
【0127】
[処理ステップS3(処理S305,S306)](リサイクル質量算出、リサイクル率算出)
適用する廃棄・リサイクル内容(適用する廃棄・リサイクル処理手法)が選択されると、次にプロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理はリサイクル質量算出、リサイクル率算出の処理に移る。リサイクル質量算出の処理は処理ステップS3(処理S305)の、そして、リサイクル率算出はS306の処理であり、これらの処理においては評価対象部品材料ごとに廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースから、回収歩留り率等を抽出し、適用廃棄・リサイクル手法ごと、及び部品ごとに積算し、リサイクル可能な質量およびリサイクル可能な率を算出する。さらに部品ごとのリサイクル可能質量を積算し、製品全体のリサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出する。これが終わると次にリサイクルにかかるコストの指標を求める。
【0128】
[処理ステップS3(処理S307)](コスト指標算出)
コスト指標算出は処理ステップS3におけるS307の処理であり、リサイクル対象物のリサイクルにかかるコストの指標を求める。コストの指標は、廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースから、処理手法ごとの処理単価、処理回収品単価等を抽出し、適用廃棄・リサイクル手法ごと、及び部品ごとに積算し、コスト指標を算出する。これが終わると次に改善提案表示処理に移る。
【0129】
[処理ステップS3(処理S308)]改善提案表示
上記のリサイクル性の評価結果を基に、製品のリサイクル性の阻害要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因に対応する改善策を作成・表示する。また表示された改善策に基づき、上記のリサイクル性評価の際に用いる評価条件や部品材料データを暫定的に変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、再び、上記リサイクル性の評価を行わせて、改善効果を試算するようになっている。
【0130】
[処理ステップS4]
プロセッサ10の実行するリサイクル性評価プログラム103での処理は表示処理に移り、リサイクル性評価プログラム103による評価の結果等を評価結果出力処理プログラム104に渡して、出力のために表示形式を整える処理をさせる。評価結果出力処理プログラム104はリサイクル性評価プログラム103により選択・算出された処理法、リサイクル可能質量、リサイクル可能率、部品分解対象/非対象、リサイクル可能/不可能、コスト指標、改善提案(低リサイクル率部品(どれがリサイクル性の低い部品か、要分解部品(どれが分解作業を要する部品か)、混合不可部品(どれが混合出来ない部品か))、といった情報の形式を整えて入出力処理プログラム101に渡し、入出力処理プログラム101はこれを出力装置14であるディスプレイに表示させるべく処理する。
【0131】
その結果、ディスプレイにはリサイクル対象物に対しての選択された処理法、そしてその処理法を適用する算出されたリサイクル可能質量、リサイクル可能率等を含め、様々な解析結果の情報が、形式を整えられて評価結果として出力表示され、ユーザは、リサイクル対象物についてのリサイクル評価結果を知ることができる。
【0132】
特にこの例では、分解レベルを種々に変更して評価することができるから、分解レベル変更による評価内容変化がわかるので、製品開発にあたり、リサイクルに主眼をおいた最適設計の支援に効力を発揮する。
【0133】
ユーザは、本発明によるリサイクル性評価結果を元に解体性評価ツールによる分解性向上や、部品情報データベースなどからの部品材料情報を利用して、製品のリサイクル性向上のための改善をはかる。
【0134】
すなわち、表示された評価結果をみて目標に見合うものであればその評価結果をリサイクル計画に採用すべく評価解析を終了する(図9のステップS11)。目標に見合うものでなければリサイクルを考慮した製品つくりのための用いる部品材料を再検討し(図9のステップS12)、更に解体性を再検討し(図9のステップS13)、これら再検討して決めた部品や、当該部品を構成する材料で、部品材料データベースを更新する処理を繰り返すことにより、最終的に製品のリサイクル性向上のための改善を図った物造りのための部品材料選択ができるようになる。
【0135】
本実施形態に係るシステムは、評価対象の回収品のリサイクルに当たって必要な中古材料としての価値判断(材料の混合許容性の判断)、そして、リサイクル処理内容の判断、すなわち、製品や材料などの回収品について、最終的にどのような処分(廃棄、各種リサイクル処理)が可能かといったことを評価するが、その評価処理の具体例を次に説明する。
【0136】
[処理ステップS3での混合許容性判定S302及びリサイクル処理内容判定の詳細]
図10は、図9のリサイクル性評価の処理工程におけるS302の混合許容性判定についてさらに詳細に示したフロー図である。混合許容性判定S302では混合材料の利用価値の判断を含めて許容性を判断するが、ここでは更に一歩進めて最終的なリサイクル処理内容の判定までも行えるようにした場合の例を示してある。
【0137】
評価対象の回収品(製品あるいは部品)を構成している材料の混合情報(異種の材料が混在している場合の混在されることになる全材料種別の情報)に基づき、廃棄・リサイクルの内容を判定する判断フローの例である。
【0138】
金属、プラスチック、ガラス、その他異種の素材が用いられている製品あるいは部品が回収され、当該回収品が解体による分別を行わずそのまま廃棄・リサイクル処理される場合は、通常、原姿のままではなく、一旦、破砕してそれを分別する機械破砕選別を経てマテリアルリサイクルあるいは熱回収が行われる。
【0139】
すなわち、機械破砕選別により選別可能な材料とそれ以外の残渣に分別される。リサイクル率には、選別歩留り率が考慮された値と共に、図17に例示したような原単位データベースにより回収物純度などのデータを付加することが可能である。
【0140】
回収品に異種の素材が含まれていない場合、あるいは異種の素材を解体により分離した後、処理する場合には、“プラスチック類”、“金属類”、“ガラス類”、“陶磁器・セラミック類”、“薬品類”、“木材類”、“動植物性・液状物”等、任意の素材分類において同系素材同士の混合許容性評価が行われる。
【0141】
図10のフローに従って処理を説明する。金属、プラスチック、ガラス、その他異種の素材が用いられている製品や部品は、部品をそのまま転用する場合(リユース)を除き、廃棄やリサイクル処理されることになるが、それに当たってまずは機械破砕処理する。
【0142】
従って、回収品はこの粉砕処理により材料化することになるが、材料化されたものは同種素材の混合材料の場合と、異種素材の混合材料となっているので、本システムでは混合材料化した後のリサイクル性の評価を行うことになる。
【0143】
具体的には、部品材料データベースに格納されている部品毎の部品材料データから、まず、リサイクル対象とするものは異種素材の混合材料であるのか否かを判別する(ステップS101)。その結果、異種素材混合材料であった場合には機械破砕選別とし(ステップS118)、処分はマテリアルサイクルおよび熱回収を選択する(ステップS119)。つまり、機械破砕選別処理後、選別による分別された単成分のものはマテリアルサイクルによる再利用そして、残渣分は焼却処分により熱回収するものと決定する。
【0144】
一方、ステップS101での判断の結果、異種素材混合でなければ対象がプラスチックであるのか、金属であるのか、ガラスであるのか、…により次のように処理を進める。
【0145】
対象がプラスチックの場合にはステップS102以降の処理を行う。すなわち、その混合材料の不純物量から判断して(不純物量データベースの情報を参照して判断する)要求水準を満たしているか否か(OK/NG)を判断し(ステップS103)、その結果、要求水準を満たしていればマテリアルリサイクル材料(クローズ)としての利用と決定する(ステップS107)。つまり、外部処理業者による精製などの処理を行わなくても製造メーカ内で再成形加工のみで同一用途の原材料として再利用できるクローズ型のマテリアルリサイクルが可能と判断するわけである。
【0146】
これに対して、その混合材料の不純物量が要求水準以下であれば(NGであれば)用意してある除去容易性データベースの情報を参照して除去容易性を判断する(OK/NG)(ステップS104)。そして、その結果、除去容易性が良ければ(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS108)。つまり、外部処理業者による精製を必要とするオープン型のマテリアルリサイクルが可能と判断する。この場合の回収品用途は、同一用途(ホリゾンタル)及び別用途(カスケード)となる。
【0147】
また、ステップS104における除去容易性判断の結果、除去容易性が良くなければ(NGならば)用意してある相溶性データベースの情報を参照して相溶性の良し悪しを判断し(ステップS105)、相溶性が良いものであれば(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS108)。この場合は製品使用材料と組成が変わるため、外部業者を経由するオープン型として、別用途(カスケード)への利用となる。
【0148】
しかし、ステップS105における相溶性の良し悪しの判断の結果、相溶性が良くないものであれば(NGならば)次に、市場性を判断する(ステップS106)。
【0149】
その結果、ブレンドポリマーとして市場性があるものであれば(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS108)。この場合も製品使用材料と組成が変わるため、外部業者を経由するオープン型として、別用途(カスケード)への利用となる。
【0150】
しかし、ステップS106における市場性判断の結果、市場性がなければ(NGならば)使い捨て(マテリアルリサイクル・ワンウエイ)および焼却して熱回収することに決定する(ステップS109)。
【0151】
また、ステップS101での判断の結果、対象が金属であった場合にはステップS110以降の処理を行う。すなわち、その混合材料の不純物量から判断して要求水準を満たしているか否か(OK/NG)を判断し(ステップS111)、その結果、要求水準を満たしていればマテリアルリサイクル材料(クローズ)としての利用と決定する(ステップS107)。つまり、外部処理業者による精錬などの処理を行わなくても製造メーカ内で再成形加工のみで同一用途の原材料として再利用できるクローズ型のマテリアルリサイクルが可能と判断するわけである。
【0152】
これに対して、その混合材料の不純物量が要求水準以下であれば(NGであれば)用意してある除去容易性データベースの情報を参照して除去容易性を判断する(OK/NG)(ステップS112)。そして、その結果、除去容易性が良ければ(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS116)。つまり、外部処理業者による精錬を必要とするオープン型のマテリアルリサイクルが可能と判断する。この場合の回収品用途は、同一用途(ホリゾンタル)及び別用途(カスケード)となる。
【0153】
また、ステップS112における除去容易性判断の結果、除去容易性が良くなければ(NGならば)用意してある相溶性データベースの情報を参照して相溶性の良し悪しを判断し(ステップS113)、相溶性が良いものであれば(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS116)。この場合は製品使用材料と組成が変わるため、外部業者を経由するオープン型として、別用途(カスケード)への利用となる。
【0154】
しかし、ステップS113における相溶性の良し悪しの判断の結果、相溶性が良くないものであれば(NGならば)次に、用意してある市場性データベースの情報を参照して市場性を判断する(ステップS114)。市場性データベースには、例えば合金としての需要や有価性情報を反映した判断基準が設定される。
【0155】
その結果、市場性があるものであれば(OKならば)マテリアルリサイクル材料(オープン)としての利用と決定する(ステップS116)。この場合も製品使用材料と組成が変わるため、外部業者を経由するオープン型として、別用途(カスケード)への利用となる。
【0156】
しかし、ステップS114における市場性判断の結果、市場性がなければ(NGならば)廃棄(埋立)と決定する(ステップS117)。
【0157】
同様に、混合材料がガラスなどの場合にもその材料について、不純物量、除去容易性、相溶性、市場性などを判断してオープンとして、あるいはクローズとして、あるいは廃棄、熱回収として利用できるか否かを判断して最終的な利用形態を決定する。
【0158】
そして、これにより、対象とする混合材料がどのようなリサイクルが行えるか、あるいは廃棄となるのかなどの処分法を決定することができる。
【0159】
尚、図10のフロー中で示した不純物許容量、除去容易性、相溶性、市場性などの個々の判断要素は、それぞれの判断要素に対応する図11〜図14に例示したような個別のデータベース、あるいは図15、図16に例示したような個々の判断要素を統合した素材ごとの混合許容性データベースを用いて判断が行われることになる。
【0160】
これらの判断要素は、図10に掲げた例に限定されるものではなく、種々の判断要素を取り入れることが可能である。また、判定順序は図10の例に限定されず、任意の順に判定作業を行うことができる。さらに判定結果は、技術革新、市場の変化等の時間の経過と共に生ずる変化に対応して随時更新すべきであり、図10の例に限定されるものではない。このフローにより評価対象製品あるいは部品の混合状態を反映したリサイクル対象材料、廃棄・リサイクル内容が判定される。ここでの判定を元に図17に例示した原単位データベースにより、リサイクル可能率、リサイクル指標、リサイクルコスト等の想定が可能となる。
【0161】
上述したように、上記システムではリサイクル性評価データベースのそれぞれ一要素を構成する各種のデータベースを用意して、これらのデータベースにより提供される情報に基づいて評価対象の材料のリサイクル性を評価するが、用いる個別のデータベースについて少し触れておく。
【0162】
[個別データベース]
図11〜図14には図10のフローに沿った詳細データベースの例を示した。これらのうち、図11はプラスチックの不純物含有量データベースの例であり、図12はプラスチックの除去容易性データベースの例である。また、図13はプラスチックの相溶性データベースの例であり、図14はプラスチックの市場性データベースの例である。
【0163】
図11に示すように、プラスチックの不純物含有量データベースでは、樹脂の組み合わせと配合比(重量比)の情報をデータベースとして保持している。また、混合プラスチックの除去容易性データベースは図12に示すように、判別・分離技術データベースがあり、これには各種樹脂の組み合わせ毎にその樹脂の組み合わせに対しては“自動選別技術がある(O)”のか、“自動判別技術がある(Δ)”のか、“選別困難(×)”なのかを情報として保持させてあり、プラスチックの相溶性データベースでは図13に示すように、各種樹脂の組み合わせ別にその組み合わせでは“相溶性ポリマーブレンドである(s)”のか、“相容化剤によるポリマーアロイ化が可能である(c)”のか、“相容化情報なし(n)”なのかなどの情報がデータベースとして保持されている。
【0164】
また、混合プラスチック材料の市場性をまとめたデータベースは図14に示すように、各種樹脂の組み合わせ別にその組み合わせでは“市販品に同じブレンド組成のものがある(O)”のか、“市場性が期待できる組み合わせである(Δ)”のか、“市場性に乏しい組み合わせである(×)”のかなどの情報がデータベースとして保持される。
【0165】
尚、これら図11〜図14には対象の材料としてプラスチック類の場合のみの例を掲げたが、同様にして金属類、ガラス類、他の素材分類についてもデータベースが用意されることはいうまでもない。
【0166】
材料の混合許容性を判定するための判断要素としては図10のフローに示した以外の要素を加えることも可能であり、この場合、それぞれに対応したデータベースが用意される。また、図10のフローの判断要素全てを用いる必要はなく、これらの判断要素の選択された単数あるいは複数の要素について、詳細データベースをもとに判定していくことができる。また、これらの複数の判断要素を統合し、混合許容性データベースとして用いることも可能である。
【0167】
図15及び図16は、このような統合された混合許容性データベースのプラスチック類、および金属類の例である。
【0168】
マテリアルリサイクルのためのプラスチック混合許容性をまとめたデータベースは図15に示すように、各種樹脂の組み合わせ別にその組み合わせでは“再生品潜在需要がある(A)”のか、“再生用途開拓により混合しても許容される可能性がある組み合わせとなる(B)”のか、“将来、技術開発により混合許容性が見出せる組み合わせである(C)”のか、“分別することを推奨し、解体性を更に向上させる必要がある(D)”のか、などの情報がデータベースとして保持される。
【0169】
マテリアルリサイクルのための金属混合許容性をまとめたデータベースは図16に示すように、各種金属の組み合わせ別にその組み合わせでは“再生品潜在需要がある(A)”のか、“再生用途開拓により混合しても許容される可能性がある組み合わせとなる(B)”のか、“将来、技術開発により混合許容性が見出せる組み合わせである(C)”のか、“分別することを推奨し、解体性を更に向上させる必要がある(D)”のか、などの情報がデータベースとして保持される。
【0170】
上述した図11〜図14のデータベース例では、縦の列に第1成分のプラスチックの種類名を、横の行には第2成分のプラスチックの種類名が列挙されている。列挙の順番は特に問わず、また列挙される種類についても第1成分と第2成分のプラスチックで完全に一致している必要はない。
【0171】
しかし、わかり易さの観点から、図11〜図14の例では第1成分と第2成分のプラスチックとして同じ種類を項目として取り上げ、かつ、同じ順番で列挙した。この表の第1成分のプラスチックの列と、第2成分のプラスチックの行との交点となる区画に、2つのプラスチックについてそれぞれ、不純物許容性、除去容易性、相溶性、市場性等の個別判断要素ごとの混合許容性評価レベルが記憶されている。
【0172】
図11では、第1成分のプラスチックが、単成分として取り扱われるために、不純物として第2成分が混入した場合に許容される不純物濃度を、第1成分に対する重量%で表示した。この許容量以下の場合に、“混合許容”と判定される。
【0173】
図12では、“自動選別技術が存在する組み合わせ”/“自動判別技術はあるが、選別技術は形状等の条件に依存して可能な場合と不可能な場合がある組み合わせ”/“選別困難な組み合わせ”の計3段階で区分した例を示した。評価者の設定に応じて3段階のうちの最上位段階あるいは第2段階のレベルについて“混合許容”と判定される。
【0174】
図13において、“相溶性評価レベルは相溶”/“相溶性評価レベルは非相溶”の2段階以上、必要に応じて何段階に区分しておいてもかまわない。図13では、“相溶性ポリマーブレンド”/“非相溶性ポリマーブレンドを相容化剤の添加により相容化が可能なポリマーアロイ”/“相容化事例のない組み合わせ”の3段階で区分した例を示した。評価者の設定に応じて3段階のうちの最上位あるいは第2段階のレベルについて“混合許容”と判定される。
【0175】
図14では、“製品として市販されているポリマーブレンド組成”/“市場性のある組み合わせ”/“現在市場性が低い組み合わせ”の3段階に区分した例を示した。評価者の設定に応じて3段階のうちの上位1あるいは2段階のレベルについて混合許容と判定される。
【0176】
データベースを作成する際のプラスチック類の分類としては、種々の熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂が挙げられる。
これらは例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアセタール、石油樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ウレタンエラストマー、発泡ウレタン、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ケイ素樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性樹脂一般、熱硬化性樹脂一般などが挙げられる。
【0177】
また、樹脂製品のブランド名及びグレードや、樹脂を成形時に一体となる添加剤等、例えば臭素系、りん系、無機系等の難燃剤、ジオクチルフタレート(DOP)、ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)等の可塑剤、着色剤、バルクモールド樹脂(BMC)、シートモールド樹脂(SMC)等の無機充填材、木材チップ等の有機充填材、繊維強化プラスチック(FRP)、プリント基板、ハロゲンフリー基板等の強化繊維類の混合量、種類、グレードにより分類しておくこともマテリアルリサイクルにおいて有効である。
【0178】
金属類の分類としては、例えば金属元素として鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、クロミウム、亜鉛、鉛、スズ、コバルト、マンガン、モリブデン、チタン、シリコン、マグネシウム、ヒ素、ビスマス、カドミウム、アンチモン、リチウム、などが挙げられる。さらに材料製品としての合金、あるいは組成が調整されている材料として分類しておくことも有効である。これらは例えば、炭素工具鋼、クロム−モリブデン鋼、SUS304、SUS316、亜鉛鉄板、メッキ鋼板、塗装鋼板、H2鋼、黄銅、青銅、ベリリウム銅、マグネ合金、チタン合金、錫鉛ハンダ、錫銀系ハンダ、錫亜鉛系ハンダ等であり、これらはさらに組成割合により詳細に分類することもできる。また、板、はく、ダイカスト等の形状、製法による分類も可能である。
【0179】
これらの他の素材においても、例えばガラス類も、無色、緑色、茶色等の着色による分類や、鉛ガラス、耐熱ガラスなどの成分による分類等による、また紙・繊維類も、パルプ、合板、木材チップ、段ボール、洋紙・和紙一般、表面コート紙等による混合許容性評価が行われる。
【0180】
図15のプラスチックの混合許容性データベースとしてまとめるにあたって、図11〜図14に例示したような2段階以上の複数段階に区分してある複数のデータベース中から、評価したい内容に応じて、評価ツール設計者あるいはユーザにより混合許容レベルを設定し、混合許容性データベースを作成するようにする。
【0181】
例えば、図13に示したプラスチックの相溶性により、まとめられた詳細データベース、および図14に示したポリマーブレンドの市場性によりまとめられた詳細データベースの、2つの詳細データベースによる評価を1つにまとめた混合許容性データベースを作成することができる。
【0182】
データベースにおける混合許容性評価レベルは、少なくとも“許容/非許容”の2段階のレベルとし、必要に応じてそれ以上の何段階に区分しておいてもよい。プラスチックが、リサイクル評価対象の製品あるいは部品中に2種類以上含まれている場合、データベースとして2段階以上の複数段階に区分してある中から、評価したい内容に応じてユーザによる定義により、混合許容とされる区分を選択する。例えば、5段階に混合許容性をランク付けし、この中から上位2段階までを混合許容として出力する。
【0183】
この例では図13と図14の相溶性および市場性の観点から作成された混合許容性データベースから、相溶性ポリマーブレンドの組み合わせ、または既に市販されている市場性の高いポリマーブレンドについて混合許容と判断し、混合許容として選択されなかった区分については混合不可と判断される。
【0184】
図16は金属類の混合許容性をまとめたデータベースの例である。金属類の混合許容性データベースも、プラスチック類の場合と同様に、列と行とに金属種類を列挙し、交点となる区画に混合許容性評価レベルが記憶されている。ここでは、“混合している金属の精錬による分離除去可能な組み合わせ”/“分離が困難であるが不純物としての蓄積度が低く緊急の対策を要しない組み合わせ”/“分離が困難で不純物としての蓄積度が高く緊急の対策を要する組み合わせ”の計3段階の区分で除去容易性の観点でまとめたデータベースの例を示した。
【0185】
この他、金属同士の相溶性による詳細データベース、合金として市販されている組成など市場性をまとめた詳細データベース、精錬以外の選別手段による分離可能性をまとめた詳細データベースなどをもとに、混合許容性をまとめたデータベースを作成することができる。
【0186】
これらのデータベースを用いて図8のフローによる処理を実施することにより、求められるリサイクルの内容および算出されるリサイクル可能率の値を、製品の環境負荷評価に用いることができる。すなわち、製品ライフサイクルにおける製品の環境負荷評価において必要となる、使用済み製品のうち、リサイクル処理がなされる量とその処理内容”、および“これらに対応する原単位”を与えるために、本発明による製品あるいは部品に含まれる材料の混合情報を元に導出されるリサイクル可能率およびその処理内容を用いることが可能である。
【0187】
図17は、想定された廃棄・リサイクル処理分類ごとの原単位のデータベースの例である。
【0188】
図10で示した廃棄・リサイクルの内容判断フローにより想定された処理分類に応じて、必要な原単位データが抽出される。図17に示すように、原単位の項目としては、例えば、リサイクル性の評価として、“回収歩留り率”、“工程還元率”、“リサイクル率”、“リサイクル指標”、“廃棄あるいはリサイクル処理ランニングコスト”、“廃棄あるいはリサイクル設備コスト”、“処理品の売却あるいは引渡し価格”など、さらに環境負荷評価として、“エネルギ”、“CO”(二酸化炭素)、“NOx”(窒素酸化物)、“SOx”(硫黄酸化物)、“COD”(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)、“BOD”(Biochemical Oxygen Demand:生化学的酸素要求量)などの排出原単位が挙げられる。また、これら排出原単位を算出するための元データとなる各々の処理において投入される電力、燃料、薬品、等の品目の投入量としてもよい。この原単位データベースから必要な原単位を抽出することにより、リサイクル性評価、および環境負荷評価を行うことが可能となる。
【0189】
[廃棄処理方法の決定]
次に廃棄処分について説明する。
【0190】
本システムは、製品等のライフサイクルにおける環境負荷評価を行うための、廃棄処理方法を決定することができるが、当該決定に当たり、複数の廃棄処理分類モデルと、該分類モデル毎に設定された配分比を有するデータベースから、評価対象に適した分類をユーザが任意に選択する。
【0191】
廃棄工程での環境負荷評価手順を図19に示す。廃棄工程の環境負荷評価は以下のような手順で行われる。
【0192】
[ステップS141](部品材料データベースの作成)
まずはじめに、プロセッサ10はリサイクル性評価プログラム103を実行するが、これによりリサイクル性評価プログラム103は、前述したように(図6参照)、CADデータから部品材料データを作成する処理を実施し、例えば、図7に示したような、ある製品(ここでは、評価対象の使用済み製品に対応する)についての部品材料データベースを作成する。
【0193】
[ステップS142](評価条件設定(入力))
次に評価条件を設定する。廃棄処理フローは、汎用的にモデル化されたフローを基本とし、特に変更を加える場合にのみ再設定する。例えば、特開平10−57936号公報に開示されているようなモデル化された廃棄・リサイクル工程処理フローを用いる。また、使用済み製品、あるいはリサイクル材料を除いた使用済み製品の材料組成を考慮して、廃棄物分類情報データベースから廃棄物分類を選択する。この選択は例えば、図18の如き内容の配分比データベースによる分類に基づいて実施する。
【0194】
[ステップS143](廃棄物処理工程負荷評価)
廃棄物分類情報データベースより、配分比情報及び処理原単位情報を入手する。さらに配分比に従って廃棄製品質量に処理原単位を乗じ、積算することにより、環境負荷の値を算出する。例えば、図18の配分比データベースによる配分比情報及び図17の原単位データベースによる処理原単位情報を元に算出する。
【0195】
[ステップS144](評価結果出力表示)
算出された環境負荷の値を出力表示する。
【0196】
評価装置の中で、上述のステップS141、S142は入力装置15からの入力により行い、S144の処理については出力装置14に対して行われる。また、ステップS143の処理については、評価装置内部で処理させる(評価装置を構成するプロセッサ10の実行する環境負荷評価プログラム107での処理)。
【0197】
図18はモデル化された廃棄・リサイクル工程の処理フローにおける配分比を決定するための配分比データベースの例である。
【0198】
図18において、第1列は“分類ランク1”として、日本の廃棄物全体、第2列は“分類ランク2”として、日本の廃棄物を分類した産業廃棄物と一般廃棄物、第3列は“分類ランク3”として、産業廃棄物を主とする中間処理の内容により分類した、脱水処理を主とする分類、焼却処理を主とする分類およびその他破砕処理等を主とする分類、及び一般廃棄物を排出源により分類した都市ゴミ系、事業系、第4列は“分類ランク4”として、各々主とする中間処理による分類に対応して分類された産業廃棄物及び一般廃棄物の廃棄物分類、が項目として列挙されている。
【0199】
また、当該データベースはその第1行には、モデル化された廃棄・リサイクル工程の処理フローに応じて配分比を決定すべき工程ごとに配分比項目が列挙されている。その内容としては、例えば、使用済み製品のうち、“中間処理により再生利用される工程における配分比”、“再生利用されない残りのうち焼却処理される量と埋立処理される量の配分比“、“焼却処分される量のうち焼却残渣として埋立処理される量の配分比”などが挙げられる。各行には、各分類ランクでの分類項目における代表値として工程ごとの配分比の値が記憶されている。
【0200】
本発明の特徴として特に、中間処理内容の観点に従って廃棄物分類を数種類ごとに分類統合した“分類ランク3”を設けたことが挙げられる。
【0201】
環境負荷を簡便に評価するために製品の処理内容を特定のフローに代表させて汎用化し、予め用意した統計データに基づく原単位や配分比の値を用いて評価を行うためには、統計データをいかに整理して活用するかが重要なカギを握る。すなわち、本システムではモデル化された処理フローに沿って評価を実施するが、評価に必要な情報は、当該モデル化された処理フローに完全一致しない処理フローによってまとめられた統計データから得ることになる。
【0202】
一例を挙げると、例えば、廃棄物分類は統計上、再生利用量、減量化処理量、埋立処分量の3分類でまとめられている。このとき、減量化処理の具体的内容は明らかではない。一方、本システムは、環境負荷評価を行うために、減量化処理が、焼却処理なのか、脱水処理なのかといった処理内容の違いにより、算出に使用すべき原単位が異なるが、これを考慮しないまま、例えば全て焼却処分とみなしたりすることは評価結果に大きな誤差を生じる原因となる。
【0203】
この課題に対し、廃棄物分類の分類観点として主たる中間処理が何であるかを廃棄物分類ごとに代表させることにより、大きく評価内容が改善されることが明らかとなった。中間処理の観点による分類においては、特にエネルギー投入量や二酸化炭素排出量などの環境負荷の大きさをよく吟味して分類設定する必要がある。
【0204】
図18における分類ランク3では、主とする中間処理による分類として“脱水”/“焼却”/“破砕・その他”の3種類に分類しモデル化した例を示したが、分類の内容および数はこれに限らず、任意の内容による分類が可能である。例えば、中間処理のさらに詳細を反映した、“乾燥”、“洗浄”、“圧縮”、“選別”、“無害化”、“中和”、“薬剤処理”、“コンポスト化”、“燃料化”などで分類することができる。また中間処理による分類以外でも、処理取扱いルートなどによる分類にすることも可能である。一般廃棄物の分類においても、上記の中間処理の詳細に分類することができる。
【0205】
図18では分類ランク3を排出源による分類の例としたが、一般廃棄物も“焼却”/“破砕”/“堆肥化”/“その他”などの中間処理による分類とすることもできる。この場合の分類ランク4の例としては、焼却として厨芥類、紙類、プラスチック類、破砕としてガラスびん、カン、電気製品類、家具類、堆肥化として草木類、その他として電池、蛍光灯などである。
【0206】
また、処理取扱ルートとして“可燃ごみ”、“不燃ごみ”、“粗大ごみ”をはじめとする自治体による収集分類による詳細化も可能である。評価を行うユーザは、モデル化された処理フローにおける配分比を決定するために必要な配分比データを表から任意に抽出して使用することができる。分類ランクは、評価対象に最も適当と判断される分類ランクの各項目の中から選択し、この項目行から必要な配分比データを抽出して使用する。
【0207】
評価を行うユーザは、図18に示した廃棄物統計に基づき包括的に分類整理して、あらかじめ作成されたデータベースの中から最も適当な分類を選択するだけで、環境負荷評価に用いる処理フローにおける配分比を決定することができるため、短時間で簡便かつ精緻な環境負荷評価を行うことが可能となる。
【0208】
本システムでは、評価対象をシンプルモデル化して環境負荷評価することができる。実際の値を積み上げるのが本来の姿であるが、設計者(評価者)が環境負荷を簡単に出したい場合のために、本発明では統計データ及びモデル化したフローを利用するようにした。これにより、廃棄リサイクルあたり埋立に何[%]、リサイクルに何[%]、焼却に何[%]といった具合に、大まかな値を把握することができるようになる。
【0209】
次に、本システムにて実際に評価して得た結果の例を具体的に説明する。
【0210】
<評価例1>
金属系混合素材の製品Aについてリサイクル性評価を行った。製品Aの主要組成は、鉄系部品50[%]、銅系部品40[%]、鉄−亜鉛系部品10[%]である。未分解のままの製品全体を評価対象としてリサイクル性評価を行った。図16如き構成の金属混合許容性データベースから、鉄と銅が混合している場合の混合許容性データを抽出すると、評価は“C((詳細)分別推奨、要解体性向上、(分類)精錬分離困難、蓄積度(緊急対策度)大)であったとする。この場合、当該評価結果より、製品Aは未分解の場合、精錬による除去が困難なことがわかる。
【0211】
また、銅と鉄の混合物は市場性も無い。
【0212】
従って、図10のリサイクル内容判断フローに従った処理により、リサイクル評価対象の製品Aは、金属で不純物量はNGであり(S110,S111)、除去容易性および相溶性はNGで(S112,S113)で、市場性もないことから処理内容としては“廃棄”と判断される。
【0213】
この結果、スクラップ市場において有価性のない鉄、銅混合部品のリサイクル性が低く判断され、リサイクル可能率0[%]と算出される。実際にスクラップ市場における鉄、銅混合品の有価性は低く、ほとんどが埋立処分されており、実際のリサイクル可能率の算出精度が高められていることがわかる。
【0214】
このように、製品Aはそのままではリサイクルには向かないという評価結果が得られたから、少しでもリサイクルのみちを拓くべく、解体すればどのようになるかを評価してみる。
【0215】
製品Aは、銅系部品と、鉄系および鉄−亜鉛系部品の組み合わせによる構成物であったわけであるから、従って、この場合、製品Aの解体レベルを上げて銅系部品を解体分離し、銅系部品と、鉄系および鉄−亜鉛系部品、の2つに解体分離することを設計上可能にした場合どうなるか、そのリサイクル性を評価してみることになる。
【0216】
この条件で製品Aを調べるべく、図16の金属混合許容性データベースから、鉄と亜鉛が混合している場合の混合許容性データを抽出すると、その評価結果は、“A” ((詳細)再生品潜在需要あり、(分類)精錬分離可能、または合金用途あり)であったとする。このことから、製品Aは銅系部品を解体分離できるよう銅系部品と、鉄系および鉄−亜鉛系部品の2つに解体分離できる構造にすれば、製品Aはこのレベルまで解体処理して分別回収することで精錬により亜鉛を除去分離することが可能であることがわかる。
【0217】
また、図10のリサイクル内容判断フローにより処理内容は、単成分である銅系部品については精錬などの処理をしなくても同水準の部品材料としてマテリアルリサイクルできる可能性が高いと判断される。外部処理業者による精錬などの処理を行わなくても製造メーカ内で再成形加工のみで同一用途へも再利用できるクローズ型のマテリアルリサイクルが可能と判断されることから、リサイクル率は銅系部品として100[%]として出力される。
一方、単成分ではないが、除去分離技術が確立されている鉄および鉄−亜鉛系部品については、山元還元などの精錬処理を行うことによりマテリアルリサイクルが可能である。従って、これら鉄及び鉄−亜鉛系部品はオープン型のマテリアルリサイクル(すなわち、外部処理業者による精錬を必要とするマテリアルリサイクル)が可能と判断される。そして、評価に当たっては精錬による再生歩留り率が考慮され、その結果として鉄および鉄−亜鉛系部品としてのリサイクル率は例えば、90[%]として出力される。
【0218】
この結果、未解体状態ではリサイクル可能率0[%]と判断されていた製品Aが、混合非許容材料を含む部品を解体により分離することを設計上、可能にする変更を実施すれば、リサイクル可能になり、しかも、その場合、銅系部品50[%]と鉄および鉄−亜鉛系部品45[%]を積算した製品全体としては95[%]にも達するリサイクル可能率を確保できることがこの解析によって明らかになる。
【0219】
さらに上述のリサイクル性評価により決定された処理方法と部品重量を用い、図17の廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースより抽出される処理方法ごとの単位重量あたりの廃棄・リサイクルコストおよび回収品の売却価格を積算し、本評価例における評価条件での廃棄・リサイクルコストを算出することができる。製品を分解しない場合は全て廃棄と判断されたことから、埋立廃棄費用を製品1台に対し40円と計算される。製品分解した場合には、解体費用、鉄系部品の機械破砕選別費用、回収品売却価格を積算し、−50円の費用、つまり50円のリサイクルにより利益が得られることがわかる。
【0220】
図20に、リサイクル性評価結果の表示画面の例を示す。図20の例では、リサイクルに含める範囲について処理方法の範囲や回収品の売却価格が有償であるか否かにより区別するか等の出力条件を設定、表示すると共に、製品名等の製品プロファイル、リサイクル可能質量、廃棄質量、リサイクル可能率、廃棄リサイクルコストなどが表示される。さらに異なる製品あるいは同じ製品に対して異なる解体レベルでの試算などの比較データを表示できる。評価内容について部品単位あるいは処理法単位でまとめた詳細情報を得たい場合にはこの画面より呼び出しが可能な別画面により表示できる。図20ではリサイクルに含める範囲をリユース、同一用途へのマテリアルリサイクル、カスケード利用のマテリアルリサイクルに限定し、回収品が有償で引き取られる場合のみをリサイクル可能質量に積算している。製品リサイクル性評価結果として、本評価例における製品Aを鉄系部品と銅系部品に分解した場合の評価結果を表示している。また比較データには、本評価例における製品Aを分解せず製品そのままでリサイクル性を評価した場合の結果を転記し表示させた。
【0221】
このように、材料の混合状態を反映したリサイクル性評価を行うようにしたことにより、評価精度が高まると共に、解体によるリサイクル性の改善効果が明示されるほか、どのレベルまで解体可能すればどの程度のリサイクル可能率が確保できるか、その具体的数値も知ることができるようになる。
【0222】
さらに上記のようにして導出されたリサイクルの内容およびリサイクル率の値を用いて、環境負荷評価を行った。製品設計において、1つの製品の中で組合せて用いられる金属材料の選択と、どの部品をどのレベルまで解体を容易に設計するかといった検討内容を反映して、環境負荷評価結果が変動することにより、より詳細に環境調和型製品の設計を行うことが可能になった。
【0223】
<評価比較例1>
この評価比較例1は従来法による評価例であり、実施例1で示した製品Aに対する評価を行ったものである。鉄や銅は元々リサイクル可能な材料であるから、これらは材料名だけを考えてリサイクル可能材料として処理することとなるので、それぞれリサイクル可能率100[%]として積算してしまうことになる。そして、鉄と銅が混合したままの部品でもリサイクル率100[%]と算出してしまう。その結果、実際のスクラップ市場における有価性の評価と大きくずれが生じる評価結果を出力することとなる。また、銅系部品と鉄および鉄−亜鉛系部品を事前に解体したと仮定した評価においても積算してやはり100[%]と算出される。そのため、従来手法では解体によるリサイクル性の改善効果が全く不明であり、解体の必要性を判断することは不可能である。
【0224】
<評価例2>
本発明のシステムにより、プラスチック系混合素材の製品Bについてリサイクル性評価を行った。当該製品Bの主要組成は、ポリエチレン(以下、PEと略称する)系部品30[%]、ポリ塩化ビニル(以下、PVCと略称する)系部品20[%]、ポリスチレン(以下、PSと略称する)系部品40[%]、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略称する)10[%]である。
【0225】
未分解の製品全体を評価対象としてリサイクル性評価を行った。図15のプラスチック混合許容性データベースから、含有する4種類の材料同士の混合許容性データを抽出する。
【0226】
その結果、PEとPMMAの組み合わせには、相溶性あるいは相溶化剤の開発事例、および市場性の観点から混合許容性が低いことがわかる。また、図10のリサイクル内容判断フローにより処理内容は、高炉還元材料化などのワンウェイのマテリアルリサイクル、あるいは固形燃料化や油化処理後熱回収が相当であると判断される。この結果、製品Bの廃プラスチックは低レベル品としてのカスケードリサイクルのみが可能と判断される。
【0227】
リサイクル可能率は、リサイクルに含める範囲を、材料としてのマテリアルリサイクルに絞った場合は0[%]と算出される。実際の廃プラスチック市場におけるプラスチック混合品の材料原料としての有価性は低く、リサイクル可能率の精度が高められている。
【0228】
そこで、次に製品Bの解体レベルを上げてPE系およびPVC部品と、PS系およびPMMA系部品、の2つに解体分離することを設計上可能にした場合のリサイクル性を評価してみる。
【0229】
この条件をもとに図15のプラスチック混合許容性データベースから、PEとPVCが混合している場合の混合許容性データを抽出すると、相容化剤によるポリマーアロイ化が可能であり、PE−PVCポリマーブレンド市販品が存在することから特性的にもある程度市場性を期待できることがわかる。
【0230】
また、図10のリサイクル内容判断フローにより処理内容は、単成分ではなくかつ分離除去も完全には難しいために同一用途へのクローズ型のマテリアルリサイクルは不可能であるが、外部処理業者を通し、別用途へのオープン型のマテリアルリサイクルが可能と判断される。再生歩留り率が考慮され、PEおよびPVC系部品としてのリサイクル率は80[%]として出力される。
【0231】
一方、PSとPMMAが混合している場合の混合許容性データを抽出すると、相容化剤によるポリマーアロイ化の事例はあるが、PS−PMMAポリマーブレンド市販品が存在しないことから特性、実用性等の観点から現時点では材料としての市場性はあまり期待できないことがわかる。
【0232】
また、図9のリサイクル内容判断フローにより処理内容は、高炉還元材料化などのワンウェイのマテリアルリサイクル、あるいは固形燃料化や油化処理後熱回収が相当であると判断される。この結果、PSおよびPMMA系混合部品は低レベル品としてのカスケードリサイクルのみが可能と判断される。リサイクル可能率は、リサイクルに含める範囲を、材料としてのマテリアルリサイクルに絞った場合は0[%]と算出される。
【0233】
この結果、解体を行うことにより、リサイクル可能率0[%]と判断されていた製品が、混合非許容材料を含む部品を解体により分離することを設計上可能にすることにより、PEおよびPVC系部品40[%]とPSおよびPMMA系部品0[%]を積算し、製品全体としては40[%]のリサイクル可能率に上げることができることが明らかになる。そして、材料の混合状態を反映したリサイクル性評価により精度が高まると共に、解体によるリサイクル性の改善効果が明示される。
【0234】
さらに上記のようにして導出されたリサイクルの内容およびリサイクル率の値を用いて、環境負荷評価を行った。製品設計において、1つの製品の中で組合せて用いられるプラスチック材料の選択と、どの部品をどのレベルまで解体を容易に設計するかといった検討内容を反映して、環境負荷評価結果が変動することにより、より詳細に環境調和型製品の設計を行うことが可能になった。
【0235】
参考までに、この場合での評価結果の出力画面例を図21に示しておく。
【0236】
<評価比較例2>
評価例2に対する比較例として従来法による評価比較例を示す。
【0237】
PE、PVC、PS、PMMAはそれぞれが単成分であることを想定した場合には、溶融再成形が可能であり、リサイクル可能材料としてそれぞれリサイクル可能率100[%]として積算される。複数のプラスチックが混合したままの部品でもリサイクル率100[%]と算出されてしまい、実際のスクラップ市場における有価性の評価と大きくずれが生じる結果となった。また、PEおよびPVC系部品と、PSおよびPMMA系部品を事前に解体したと仮定した評価においても積算してやはり100[%]と算出されることから、解体によるリサイクル性の改善効果が全く不明であり、解体の必要性を判断することは不可能である。
【0238】
<評価例3>
次に、本発明のシステムにより、プラスチック系混合素材、ガラス、金属系混合素材からなる製品Cについてリサイクル性評価を行った。
【0239】
これは例えば、デスクトップ型パソコンのリサイクル評価が該当する。この場合、リサイクル性および環境負荷評価を実施するための廃棄・リサイクル処理工程でのモデル化されたフローにおける配分比を決定する。
【0240】
事前に入手できた一般的な情報として、デスクトップ型パソコンの約6割は事業所用、4割が家庭用としては全国で販売および使用されていることや、一般的な処理ルートとしては、事業所からの使用済み製品は産業廃棄物として引き取られ、処理業者により中間処理、減量化処理などが行われた後、最終処分として埋め立てられること、また家庭からの使用済み製品は、一般廃棄物の粗大ごみとして回収、あるいは小売店や中古品取扱店により回収されるが、やはり処理業者により中間処理、減量化処理などが行われた後最終処分として埋め立てられることがわかっている。これ以上の詳細な処理内容および量については、実地調査を行わなければ入手できない。
【0241】
しかし、経済的、作業的負担を抑え、短時間で簡便な手段により評価を行いたいため、図18の廃棄物分類統計を元にした分類から、評価対象に相応しい分類を選択して評価に用いることにした。
【0242】
デスクトップ型パソコンについては、筐体の鉄部品、およびCRTディスプレイのガラスは中間処理によりリサイクルされるものとして除外すると、残りの部分については、廃棄物分類として廃プラスチック類が最も相応しいと考えられる。そこで、廃プラスチック類の分類を選択し、中間処理残渣から、埋め立て処分される配分比と焼却処分される配分比、さらに焼却処分後埋め立てられる残渣率の値を図18より抽出し、処理フローにおける配分比として使用して環境負荷評価を行った。
【0243】
短時間で簡便に日本の廃棄物処理の標準的な値を用いた環境負荷評価を行うことができた。
【0244】
<評価比較例3>
評価例3に対する比較例として従来法による評価比較例を示す。評価例3と同様の条件の製品に対しての評価を従来技術で実施すると次のようになる。まず、想定される処理フローにおける配分比を実地調査によりデータ収集し、決定する。使用済み製品の処理事例を5例追跡調査した結果に基づき配分比を決定し、環境負荷評価を行う。
【0245】
この場合、実際に行ってみたところ、評価が完了するまでにおよそ2ヶ月の調査期間を要し、また、調査にかかる経済的および作業的負担を要した。それにもかかわらず、求められた配分比は実地調査に基づく値ではあるものの、調査母体数が限られていることから、日本全体における平均的な値であるとするには調査不足と言わざるを得ないという欠点が残る。
【0246】
このため、この配分比を用いて算出される環境負荷評価結果についても評価対象製品の標準的な評価とすることは難しい。
【0247】
以上、種々の実施例を説明したが要するに本発明は、材料の種別毎の混合許容性に対するデータを予め格納した混合許容性データベースと、再利用評価対象製品(評価対象の回収品)についての構成部品ごとに構成材料の種類及び質量のデータおよび評価条件を入力する入力手段と、この入力手段による入力データについて、混合許容性データベースを参照して、評価対象となる部品単位ごとに含まれる材料の混合許容性を判定する判定手段と、予め用意されたモデル化された複数種の廃棄・リサイクル処理手法について前記混合許容性判定結果から評価対象となる部品単位ごとに、どの処理を適用するかを選択する選択手段と、廃棄・リサイクル処理分類・原単位、回収歩留り率等の情報を保持した廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースを用い、前記選択手段にて選択された適用廃棄・リサイクル処理手法別に、その選択した廃棄・リサイクル処理手法に回すことのできる評価対象品の量であるリサイクル可能質量、および全体に対するその割合としてのリサイクル可能率を算出すると共に、回収歩留り率等を抽出し、部品ごとに積算して、リサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出し、部品ごとのリサイクル可能質量を積算して製品全体のリサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出する算出手段と、これら算出手段および選択手段により得た結果の少なくともいずれかを評価結果として表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0248】
本発明においては、材料の種別毎の混合許容性に対するデータを予め格納した混合許容性データベースと、廃棄・リサイクル処理分類・原単位、回収歩留り率等の情報を保持した廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースを用意し、再利用評価対象製品(評価対象の回収品)についての構成部品ごとに構成材料の種類及び質量のデータおよび評価条件を入力することにより、この入力データについて、混合許容性データベースを参照して、評価対象となる部品単位ごとに含まれる材料の混合許容性を判定すると共に、予め用意されたモデル化された複数種の廃棄・リサイクル処理手法について前記混合許容性判定結果から評価対象となる部品単位ごとに、どの処理手法を適用するかを選択し、廃棄・リサイクル処理分類・原単位、回収歩留り率等の情報を保持した廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースから得た情報を用い、前記選択手段にて選択された適用廃棄・リサイクル処理手法別に、その選択した廃棄・リサイクル処理手法に回すことのできる評価対象品の量であるリサイクル可能質量、および全体に対するその割合としてのリサイクル可能率を算出すると共に、回収歩留り率等を抽出し、部品ごとに積算して、リサイクル可能質量およびリサイクル可能率を算出し、これらの算出結果および前記選択された適用廃棄・リサイクル手法の少なくとも一つを提示する。
【0249】
すなわち、金属材料やポリマー系材料などといった各種材料別材料の混合許容性をまとめたデータベースを新たに作成し、入力された評価対象製品あるいは部品等について、材料混合情報からリサイクルのために許容される混合組成について評価判断し、製品構成物再利用のための評価をする。
【0250】
従って、机上で種々の条件を変えながら複数の材料混合製品等について簡便かつ精密なリサイクル性および環境負荷評価が可能になり、製品設計に当たり、寿命が尽きた製品を資源としてリサイクルして有効活用できるようにするために、リサイクル性を考慮した製品設計をすることができるような有効な評価支援が可能になる。
【0251】
<リサイクル性評価システムの動作>
次に、図1あるいは図2に示したリサイクル性評価システムの全体の動作について図22に示すフローチャートを参照して説明する。
【0252】
なお、ここでは、図2に示した構成のリサイクル性評価システムに基づき、その動作を説明する。
【0253】
プロセッサ10は、主に、メモリ100内のCADプログラム105を実行することにより、CADデータが作成される(ステップS601)。
【0254】
CADデータは、プロセッサ10がメモリ100内の部品材料データ作成プログラム106を実行することにより、部品材料データに変換され、この部品材料データは、例えば図7に示したように、部品材料データベースに格納される(ステップS602)。
【0255】
次にステップS603では、部品材料データべースに格納された、製品毎の部品材料データを基に、当該製品についてのリサイクル性評価、環境負荷評価が行われる。すなわち、プロセッサ10がメモリ100内のリサイクル性評価プログラム103を実行することにより、図7に示したような部品材料データを基に、前述したようなリサイクル性評価が行われる。また、プロセッサ10がメモリ100内の環境負荷評価プログラム107を実行することにより、図7に示したような部品材料データを基に、前述したような環境負荷の評価が行われる。
【0256】
リサイクル性や環境負荷の評価結果は、出力装置14としての所定のディスプレイに表示される(ステップS604)。
【0257】
次に、ユーザにより所定の操作が行われることにより、プロセッサ10がメモリ100内の改善提案作成処理プログラム108の実行を開始し、出力装置14としてのディスプレイに、図23に示すような画面が表示される。
【0258】
図23に示したように、この画面上の領域R1からは、改善項目として、リサイクル性と環境負荷と、発生コストのうちの1つが選択可能になっている。これら3つの項目の中から、ユーザが、所望の1つを選択すると、次に、領域R12には、前述のリサイクル性や環境負荷の評価結果に基づき、例えば、改善項目としてリサイクル性が選択されているときには、当該製品を構成している部品/材料のうち、例えばリサイクル不可質量の多い順に、部品/材料がリストアップされる。また、改善項目として環境負荷や発生コストが選択されているときには、当該製品を構成している部品/材料のうち、例えば環境負荷やコストの多い順に、部品/材料がリストアップされる。さらに、領域R12に表示された各部品/材料について、リサイクル性を悪くしている原因(リサイクル性の阻害要因)/環境負荷やコストが多い原因(環境負荷やコストの悪化要因)を分析し、分析結果として得られた、リサイクル性の阻害要因/環境負荷やコストの悪化要因と、これら阻害要因/悪化要因に対応する改善策を領域R13に表示する(ステップS605〜ステップS606)。
【0259】
なお、改善策としては、リサイクル性や環境負荷(コストを含む)の評価の際に用いられた評価条件の変更を行う場合と、部品材料データを改善する場合とがある。
【0260】
領域R13に表示されたリサイクル性の阻害要因/環境負荷やコストの悪化要因と、これら阻害要因/悪化要因に対応する改善策(これらが複数表示されているときは、それらのうち、ユーザにより選択された1つ)についてのより具体的な改善策として、例えば、代替の部品/材料のリストや、代替のリサイクル方法のリスト、当該部品/材料の解体可能箇所などは、図23の画面上の領域R14に表示される。
【0261】
図23に示した画面上の領域R14に表示された、代替の部品/材料、代替のリサイクル方法、当該部品/材料の解体可能箇所のうち、所望のものが選択されると(マウス等のポインティングデバイスでクリックなどの選択操作がなされると)、部品材料データベースに格納されている部品材料データのうち、上記選択された部品/材料に対応するデータなどを暫定的に変更したり、評価条件を変更したりなどして、そのように変更した場合のリサイクル性や環境負荷(コストを含む)の改善効果を試算する(ステップS607〜ステップS608)。
【0262】
なお、ここで変更される部品材料データや評価条件は、あくまでも暫定的なものであって、ステップS603で用いた部品材料データベース内に保持されている部品材料データやリサイクル性や環境負荷(コストを含む)の評価のために保持(記憶)された評価条件については何ら更新はされていない。
【0263】
改善効果の試算は、変更された部品材料データや評価条件に基づき、プロセッサ10にメモリ100内のリサイクル性評価プログラム103、環境負荷評価プログラム107を実行させることにより実現することができる。
【0264】
改善効果の試算の実行は、例えば、図23の領域R15内に設けられた「効果試算実行」ボタンB4をマウス等で選択することで開始される。
【0265】
この改善効果の評価結果は、図23の画面上の領域R15に表示される(ステップS609)。
【0266】
ユーザは、この評価結果をみて、先に変更した部品材料データや評価条件に基づき、部品材料データベース内の部品材料データや、記憶された評価条件を更新するときには、例えば、図23の画面上の領域R16内に設けられた「製品データ保存」ボタンB6、「評価条件保存」ボタンB6をマウス等で選択すればよい。すると、部品材料データベース内の部品材料データや、記憶された評価条件自体が、先の変更内容と同様に更新される。すなわち、記憶装置16内の部品材料データベースや評価条件などが、改善効果の試算に用いた部品材料データや評価条件で書き換えられる(ステップS610〜ステップS611)。
【0267】
部品材料データベース内の部品材料データを更新した後に、ユーザにより所定の操作が行われることにより、当該部品材料データを、少なくとも製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCADデータに変換する(ステップS612〜ステップS613)。
【0268】
リサイクル性や環境負荷、コストについての改善提案を作成するために、記憶装置16には、改善提案基礎情報データベースが記憶されているが、このデータベースには、例えば、図31〜図35に示すような情報テーブルが保持されていてもよい。
【0269】
図31に示す第1のテーブルには、部品/材料毎のリサイクルの可否、リサイクル可能であるならば、当該部品/材料に適用可能なリサイクル方法、その各リサイクル方法のそれぞれに対応する環境負荷やコストの値などの情報が予め登録されている。また、第1のテーブルには、各部品/材料について、それが複数の部品/材料を接続(接合)して構成されるものであるか否かを表した情報であって、複数の部品/材料を接続(接合)して構成されるものであるときには、図32に示した第2のテーブル上のリンク先のアドレスが格納されている。さらに、第1のテーブルには、各部品/材料について、その輸送手段の種類について特に指定するものがあるか否かを表した情報であって、輸送手段の種類について指定があるときには、図33に示した第3のテーブル上のリンク先のアドレスが格納されている。
【0270】
図32に示す第2のテーブルには、複数の部品/材料を接続(接合)して構成される部品/材料について、当該部品/材料の接続(接合)箇所、その接続箇所について解体できるか否か、解体可能であるならば、当該箇所の接続方法(例えば、半田で接続(接合)されている、ねじで接続(接合)されているなどの接続方法の種類)と、各接続方法の種類に応じた解体方法の種類(例えば、ねじを手ではずす、ドリルではずし、半田を溶かす、切断する、引き剥がすなど)と、各解体方法の種類に応じた環境負荷やコストの値などの情報予め登録されている。
【0271】
図33に示す第3のテーブルには、輸送手段の種類に指定のある部品/材料について、当該部品/材料に指定する輸送手段の種類と各輸送手段の種類に応じた環境負荷やコストの値などが予め登録されている。
【0272】
図34に示す第4のテーブルは、全ての部品/材料について、同一の機能を有する部品/材料を分類したテーブルである。
【0273】
図35に示す第5のテーブルは、例えば、実際には、複数の部品/材料から構成される部品/材料であるが、通常、1つの部品/材料として取引されるものなどについて、当該部品/材料を構成する材料の種類や、その質量・密度などの標準値が登録されており、さらに、図35に示した情報の他に、図31〜図33に示したような情報が登録されていてもよい。
【0274】
なお、図31〜図35に示した改善提案基礎データベースに登録されているテーブルのうち、特に、図31、図32に示した第1、第2のテーブルは、記憶装置16内に既に記憶されている各種データベースに保持されている情報を基に、作成することができるものである。従って、その基となるデータベース内の情報が更新されれば、改善提案基礎データベース内の上記第1、第2のテーブルの登録内容も更新されるものとする。また、以下の説明で登録とは、特に断り書きがない場合には、改善提案基礎データベース内のテーブルへの登録ではなく、当該テーブルを作成する際に用いた基のデータベース内のデータとして登録するものであるとする。
【0275】
ユーザが図23に示す画面上の領域R11から、改善項目として「リサイクル性」を選択した場合における、図22のステップS605〜ステップS66の処理動作について、図24に示すフローチャートに従って、図25〜図26を参照して説明する。
【0276】
図25〜図26には、リサイクル性の阻害要因の分析方法と、その結果判明したリサイクル性の阻害要因(原因)と、当該阻害要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示したものである。
【0277】
前述したように、図8のステップS33では、部品/材料毎に、リサイクル可能質量を算出するようになっているが、これと同時に、部品/材料毎にリサイクル不可能な質量(リサイクル不可質量)を算出することもできる。例えば、当該部品/材料についてのその質量からリサイクル可能質量を差し引いた値をリサイクル不可質量として求めることもできる。
【0278】
出力装置14としてのディスプレイに表示された、図23に示すような画面上の領域R12には、部品/材料毎に算出されたリサイクル不可質量を基に、当該リサイクル不可質量の多い順に部品/材料を表示する(ステップS621)。そして、表示した各部品/材料について、リサイクル性の阻害要因(原因)を分析する(ステップS622)。
【0279】
まず、リサイクル不可質量の多い部品/材料(当該部品/材料)について、例えば、図7に示したような部品材料データベース内の部品材料データを参照し、以下に示すような項目をチェックする(図25〜図26では、「原因チェック項目」の欄に対応するA1〜A4)。
【0280】
(A1)当該部品/材料自体がリサイクル不可な部品/材料か?
(A2)当該部品/材料の素材分類が「その他」か?
(A3)当該部品/材料の素材構成が複数素材か?
(A4)当該部品/材料の材料構成が複数材料か?
当該部品/材料が上記A1に該当するか否かをチェックする場合、例えば、図31に示すような第1のテーブルを参照して、当該第1のテーブルに登録されている当該部品/材料のリサイクル可否をチェックする。ここで「リサイクル不可」と登録されていれば、当該部品/材料が、リサイクル可能ではないということがリサイクル性の阻害要因であると判断できる(ステップS622)。この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因「リサイクル可能部品/材料でない」と表示する(ステップS623)。さらに、当該阻害要因に対応する改善策として、例えば、図25から、評価条件の変更する方法では、当該部品/材料をリサイクル可能な部品/材料として登録する(例えば、図31に示した第1のテーブル上に「リサイクル可」と書き換える)という方法があり、部品材料データを改善する方法では、当該部品/材料をリサイクル可能な部品/材料に変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因に対応するリサイクル性の改善手段として当該阻害要因とともに表示される(ステップS624)。
【0281】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを改善する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料と機能が同一で、しかもリサイクル可能な他の部品/材料を当該部品/材料の変更候補として図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。
【0282】
ここでは、例えば、まず、図34に示した第4のテーブルを参照して、当該部品/材料と同一機能の他の部品/材料を求める。そして、図31に示した第1のテーブルを参照して、これら部品/材料のうち、「リサイクル可」と登録されている部品/材料が、図23の領域R14に表示される。
【0283】
次に、当該部品/材料が上記A2に該当するか否かをチェックする場合、図7に示した部品材料データを参照して、当該部品/材料を構成する素材が「その他」に分類されているか否かをチェックする。ここで「その他」に分類されていれば、当該部品/材料の材料の不詳のためリサイクル可否の判定ができないか、あるいは、例えば素材分類が「その他」に対応する当該部品/材料に適用可能なリサイクル方法がないということがリサイクル性の阻害要因であると判断できる(ステップS622)。この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因「材料情報が不詳のためリサイクル可否が不明である」と「当該部品/材料に適用可能なリサイクル方法がない」と表示する(ステップS623)。さらに、当該阻害要因に対応する改善策として、例えば、図25から、前者の阻害要因の場合、評価条件を変更する方法では、当該部品/材料についての部品材料データを詳細にするという方法があり、後者の阻害要因の場合、評価条件を変更する方法では、当該部品/材料に適用可能なリサイクル方法を新規に登録するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因に対応するリサイクル性の改善手段として当該阻害要因とともに表示される(ステップS624)。
【0284】
また、図25から、前者の阻害要因の場合、部品材料データを改善する方法では、図35に示した第5のテーブルから当該部品/材料について、その標準値として予め登録されている部品材料データを読み出して、それを図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。また、図25から、後者の阻害要因の場合、部品材料データを改善する方法では、図31に示した第1のテーブルから当該部品/材料について適用可能なリサイクル方法を読み出して、それを変更候補として、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。
【0285】
次に、当該部品/材料が上記A3に該当するか否かをチェックする場合、例えば、図7に示した部品材料データを参照して、当該部品/材料が複数の素材から構成されているか否かをチェックする。ここで複数の素材から構成されていれば(素材とは、材料の大分類の項目に対応し、例えば、金属とプラスチックなどから構成されている場合である)、回収可能材料およびリサイクル率が限定されるということがリサイクル性の阻害要因であると判断できる(ステップS622)。この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因「複数素材の場合、回収可能材料およびリサイクル率が限定される」と表示する(ステップS623)。さらに、当該阻害要因に対応する改善策として、例えば、図25から、評価条件を変更する方法では、異種素材を解体可能にして、別の部品/材料に設定するという方法があり、部品材料データを改善する方法では、当該部品/材料を単一の素材で構成されたものに変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因に対応するリサイクル性の改善手段として当該阻害要因とともに表示される(ステップS624)。
【0286】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料の解体可能な箇所をテキストまたはイメージにて、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。
【0287】
ここでは、例えば、まず、図31に示した第1のテーブルを参照して、当該部品/材料についての解体箇所の有無を調べ、解体箇所がある場合には、さらに、第2のテーブルを参照して、当該部品/材料についての解体箇所とその解体可否から、解体可能な箇所を求める。そして、図23の領域R14に、例えば当該部品/材料のイメージ中に、当該解体可能な箇所を表示する。
【0288】
また、例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料内の素材構成を質量の多い順に図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。ここでは、例えば、図7に示した部品材料データから、当該部品/材料について、素材毎に、その質量の合計値を算出し、その合計値が多い順に図23に示した画面上の領域R14に表示する。
【0289】
当該部品/材料が上記A4に該当するか否かをチェックする場合、例えば、図7に示した部品材料データを参照して、当該部品/材料が複数の材料から構成されているか否かをチェックする。ここで複数の材料から構成されていれば(材料とは、材料の小分類の項目に対応し、例えば、金属という素材のうち金属1、金属2などから構成されている場合である)、混合許容判定が不可ならリサイクル不可能と判定されるので、このことがリサイクル性の阻害要因であると判断できる(ステップS622)。この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因が表示される(ステップS623)。さらに、当該阻害要因に対応する改善策として、例えば、図26から、評価条件の変更する方法では、材料の種別毎に解体(可能)にして複数の部品/材料とするという方法があり、部品材料データを改善する方法では、単一材料からなる部品・材料に変更するという方法と、混合許容判定不可の材料を混合許容材料に変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記阻害要因に対応するリサイクル性の改善手段として当該阻害要因とともに表示される(ステップS624)。
【0290】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、前述同様にして、当該部品/材料の解体可能な箇所をテキストまたはイメージにて、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。
【0291】
また、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを改善する2つの方法のうちの前者がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料内の材料構成を質量の多い順に図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。ここでは、例えば、図7に示した部品材料データから、当該部品/材料について、材料毎に、その質量の合計値を算出し、その合計値が多い順に図23に示した画面上の領域R14に表示する。
【0292】
また、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを改善する2つの方法のうちの後者がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、当該部品/材料について、他の材料と混合許容性のある部品/材料を変更候補として図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS625)。あるいは、当該部品/材料と機能が同一で、しかもリサイクル可能な異種材料あるいは単一材料から構成されている他の部品/材料を変更候補として表示するようにしてもよい。
【0293】
ここでは、例えば、リサイクル性評価情報データベース160に格納されている、金属の混合物に関しての利用可能性の情報である金属混合許容性情報、プラスチックの混合物に関しての利用可能性の情報であるプラスチック混合許容性情報といった材料別の“混合許容性”を参照することで、上記のような具体案を作成・表示することができる。
【0294】
ユーザが図23に示す画面上の領域R11から、改善項目として「環境負荷」や「発生コスト」を選択した場合における、図22のステップS605〜ステップS66の処理動作について、図27に示すフローチャートに従って、図28〜図30を参照して説明する。
【0295】
図28〜図30には、環境負荷やコストの悪化要因の分析方法と、その結果判明した悪化要因(原因)と、当該悪化要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示したものである。
【0296】
なお、以下の説明において、本システムでは、廃棄物としての製品を回収して、それを解体し、リサイクル処理するまでの工程について環境負荷やコストを算出する場合について説明する。さらには、製品の製造工程から回収、解体、リサイクル処理までの全工程について、各工程から生ずる環境負荷やコストを算出するものであってもよい。
【0297】
廃棄物として製品を回収する際に生ずる環境負荷原単位やコストは、当該製品を輸送する、トラックなどの輸送手段の種類に応じて異なる。また、解体時に生じる環境負荷原単位やコストも、例えば、解体方法(手段)の種類に応じて異なる。そこで、本システムでは、環境負荷原単位データベースには、例えば産業連関法に基づき作成された、あるいは文献等により得られた輸送手段の種類別、解体方法(手段)の種類別の環境負荷原単位が保存されており、部品材料データベースとは別個に入力された、製品毎の回収時の輸送手段の種類や輸送距離、解体方法の種類などを示したデータ(これも記憶装置16に記憶されている)と、環境負荷原単位データベースに格納されている環境負荷原単位とを用いて、回収時や解体時の環境負荷やコストを算出する。
【0298】
このようにして、環境負荷評価装置からは、部品/材料毎に、製品の回収、解体、リサイクル処理の各工程別に、さらには、製品のライフサイクル全体から生じる環境負荷やコストを算出するようになっている。従って、ここで作成される改善案も、製品のライフサイクル全体(少なくとも、製品の回収から解体、リサイクル処理に至るリサイクル過程)について、そこから発生する環境負荷やコストを改善するためのものである。
【0299】
なお、以下の説明では、改善項目として「環境負荷」が選択された場合について説明するが、「発生コスト」を選択した場合も同様である。すなわち、以下の説明において、「環境負荷」を「発生コスト」あるいは「コスト」に置き換えればよく、従って、改善項目として「発生コスト」を選択した場合の説明は省略する。
【0300】
出力装置14としてのディスプレイに表示された、図23に示すような画面上の領域R12には、部品/材料毎に算出された環境負荷を基に、環境負荷の多い順に部品/材料を表示する(ステップS631)。そして、表示した各部品/材料について、環境負荷の悪化要因(原因)を分析する(ステップS632)。
【0301】
まず、環境負荷の多い部品/材料(当該部品/材料)について、当該部品/材料についての各工程別に算出された環境負荷の値を比較することにより、リサイクル処理工程(図28の原因チェック項目B1に対応)と、回収時の輸送工程(図29の原因チェック項目B2に対応)と、解体工程(図30の原因チェック項目B3に対応)のうちのいずれにおいて最も環境負荷が多いかをチェックする(図28〜図30では、「原因チェック項目」の欄に対応するB1〜B3)。
【0302】
当該部品/材料が上記B1に該当する場合、当該部品/材料について、環境負荷の大きい(高い)リサイクル処理を行っていることが環境負荷の悪化要因であると判断できる(ステップS632)。
【0303】
この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因を表示する(ステップS633)。さらに、当該悪化要因に対応する改善策として、例えば、図28から、評価条件の変更する方法では、当該部品/材料に対し適用可能なリサイクル処理の中から環境負荷の小さい処理を選択するという方法があり、部品材料データを改善する方法では、当該部品/材料を環境負荷の小さいリサイクル処理を適用可能な部品/材料に変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因に対応する環境負荷の改善手段として当該悪化要因とともに表示される(ステップS634)。
【0304】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料に適用可能なリサイクル方法(リサイクル処理)を環境負荷の小さいものから順に変更候補として、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。
【0305】
ここでは、例えば、まず、図31に示した第1のテーブルを参照して、当該部品/材料について適用可能なリサイクル方法を読み出し、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示される。
【0306】
また、例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料と機能が同一の部品/材料を、その部品/材料に適用可能なリサイクル方法の環境負荷の小さいものから順に変更候補として図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。
【0307】
ここでは、例えば、まず、図34に示した第4のテーブルを参照して、当該部品/材料と同一機能の他の部品/材料を求める。そして、図31に示した第1のテーブルを参照して、これら部品/材料に適用可能なリサイクル方法とその環境負荷を読み出して、環境負荷の小さいリサイクル処理を適用可能な部品/材料の順に、図23の領域R14に表示する。あるいは、当該部品/材料の解体可能な箇所をテキストまたはイメージにて、図23に示した画面上の領域R14に表示するようにしてもよい。
【0308】
当該部品/材料が上記B2に該当する場合、当該部品/材料について、環境負荷の大きい輸送を行っていることが環境負荷の悪化要因であると判断できる(ステップS632)。
【0309】
この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因を表示する(ステップS633)。さらに、当該悪化要因に対応する改善策として、例えば、図29から、評価条件を変更する方法では、当該部品/材料に対し適用可能な輸送手段の中から環境負荷の小さい手段を選択するという方法があり、部品材料データを改善する方法では、当該部品/材料を環境負荷の小さい輸送手段を適用可能な他の部品/材料に変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因に対応する環境負荷の改善手段として当該悪化要因とともに表示される(ステップS634)。
【0310】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料に適用可能な輸送手段を環境負荷の小さいものから順に変更候補として、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。
【0311】
ここでは、例えば、まず、図31に示した第1のテーブルを参照して、当該部品/材料について輸送手段の指定の有無をチェックし、輸送手段の指定があるときは、図33に示した第3のテーブルを参照して、適用可能な輸送手段を読み出し、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示する。当該部品/材料について輸送手段の指定の有無をチェックし、輸送手段の指定がないときは、例えば、環境負荷原単位データベースに登録されている輸送手段の種類別の環境負荷原を基に、その値の小さいものから順に輸送手段の種類を図23の領域R14に表示するようにしてもよい。
【0312】
また、例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料と機能が同一の部品/材料を、その部品/材料に適用可能な輸送手段の環境負荷の小さいものから順に変更候補として図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。
【0313】
ここでは、例えば、まず、図34に示した第4のテーブルを参照して、当該部品/材料と同一機能の他の部品/材料を求める。そして、図31に示した第1のテーブルを参照して、これら部品/材料について輸送手段の指定の有無をチェックし、輸送手段の指定があるときは、図33に示した第3のテーブルを参照して、適用可能な輸送手段を読み出し、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示する。当該部品/材料について輸送手段の指定の有無をチェックし、輸送手段の指定がないときは、例えば、環境負荷原単位データベースに登録されている輸送手段の種類別の環境負荷原を基に、その値の小さいものから順に輸送手段の種類を図23の領域R14に表示するようにしてもよい。あるいは、当該部品/材料の解体可能な箇所をテキストまたはイメージにて、図23に示した画面上の領域R14に表示するようにしてもよい。
【0314】
なお、環境負荷の悪化要因として、輸送工程が該当する場合、その改善策として、常に、環境負荷原単位データベースに登録されている輸送手段の種類別の環境負荷原を基に、その値の小さいものから順に輸送手段の種類を図23の領域R14に表示するようにしてもよい。
【0315】
当該部品/材料が上記B3に該当する場合、当該部品/材料について、環境負荷の大きい解体を行っていることが環境負荷の悪化要因であると判断できる(ステップS632)。
【0316】
この場合、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因を表示する(ステップS633)。さらに、当該悪化要因に対応する改善策として、例えば、図30から、評価条件の変更する方法では、当該部品/材料に対し適用可能な解体手段の中から環境負荷の小さい手段を選択するという方法と、分解レベルを詳細化するという方法があり、部品材料データを改善する方法では、当該部品/材料を環境負荷の小さい解体手段を適用可能な部品/材料に変更するという方法があるので、これらが、図23に示した画面上の領域R13に、上記悪化要因に対応する環境負荷の改善手段として当該悪化要因とともに表示される(ステップS634)。
【0317】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する上記2つの方法にうちの前者がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料に適用可能な解体手段を環境負荷の小さいものから順に変更候補として、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。ここでは、例えば、まず、図31に示した第1のテーブルを参照して、当該部品/材料について接続箇所の有無をチェックし、接続箇所がある場合には、次に、図32に示した第2のテーブルから、当該部品/材料が解体可能か否かをチェックする。解体可能であるならば、当該部品/材料に適用可能な解体方法(解体手段)と、その環境負荷を読み出し、解体方法が複数あれば、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示する。
【0318】
例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、評価条件を変更する上記2つの方法にうちの後者がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料の解体可能箇所を、その箇所に適用可能な解体手段(解体方法)の環境負荷の小さい(低い)順に変更候補として、図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。ここでは、例えば、まず、図31に示した第1のテーブルを参照して、当該部品/材料について接続箇所の有無をチェックし、接続箇所がある場合には、次に、図32に示した第2のテーブルから、当該部品/材料が解体可能か否かをチェックする。解体可能であるならば、当該部品/材料に適用可能な解体方法(解体手段)と、その環境負荷を読み出し、解体方法が複数あれば、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示する。
【0319】
また、例えば、領域R13に表示された改善手段のうち、部品材料データを変更する方法がユーザにより選択されると、当該方法のさらに具体的な対策案として、例えば、当該部品/材料と機能が同一の部品/材料を、その部品/材料に適用可能な解体方法(解体手段)の環境負荷の小さいものから順に変更候補として図23に示した画面上の領域R14に表示する(ステップS635)。
【0320】
ここでは、例えば、まず、図34に示した第4のテーブルを参照して、当該部品/材料と同一機能の他の部品/材料を求める。そして、図31に示した第1のテーブルを参照して、これら部品/材料の接続箇所の有無をチェックし、接続箇所がある場合には、次に、図32に示した第2のテーブルから、当該部品/材料が解体可能か否かをチェックする。解体可能であるならば、当該部品/材料に適用可能な解体方法(解体手段)と、その環境負荷を読み出し、解体方法が複数あれば、それを環境負荷の小さいものから順に図23の領域R14に表示する。あるいは、当該部品/材料の解体可能な箇所をテキストまたはイメージにて、図23に示した画面上の領域R14に表示するようにしてもよい。
【0321】
以上は、図23の画面上から改善項目として「環境負荷」が選択された場合について説明したが、「発生コスト」を選択した場合も、上記の環境負荷についての改善案作成・表示の場合と同様にして、コスト低減が図れるような部品/材料の選択を支援する改善案の作成・表示を行うことができる。
【0322】
このように、図24のステップS625や、図27のステップS635で改善のための具体案が表示されたとき、ユーザがその表示内容から所望のものを選択することにより、改善効果の試算に用いる、評価条件や、部品材料データなどが、当該選択されたものに書き換えられる。
【0323】
図1の改善効果試算部312、すなわち、プロセッサ10が図2の改善提案作成処理プログラム108を実行して、本システムが図22のステップS607、ステップS608の改善効果試算部312の処理動作を行う際には、例えば、記憶装置16に記憶されている部品材料データや評価条件などをコピーして、それを、ユーザにより選択された改善のための具体案に基づき書換え、その書き換えたものをリサイクル性や環境負荷、コストの評価に用いるようにしてもよい。
【0324】
以上説明したように、上記実施形態によれば、製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に当該製品のリサイクル性や環境負荷(コスト)の評価を行った結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因や環境負荷(コスト)の悪化要因を分析して、分析結果として得られた阻害要因や悪化要因に対応する改善策を表示する。そして、この改善策に基づき、評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、改善効果の試算として当該製品のリサイクル性の評価を行うことによって得られた評価結果を表示する。さらに、変更された部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する。このようにして、製品のリサイクル性や環境負荷(コスト)の評価結果からリサイクル性の阻害要因や環境負荷(コスト)の悪化要因を分析して、リサイクル性の阻害要因や環境負荷(コスト)の悪化要因に直接結びつく改善策をユーザに表示することにより、製品のリサイクル性や環境負荷(コスト)の評価結果を、当該製品を構成する部品/材料選択に容易に反映させることができる。すなわち、本発明によれば、製品のリサイクル性や環境負荷(コスト)の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上と環境負荷(コスト)低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる。
【0325】
なお、表示されるリサイクル性の改善策としては、例えば、(1)当該製品を構成する部品/材料のうち、阻害要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりもリサイクル性の高い部品/材料、(2)当該製品を構成する部品/材料のうち、阻害要因に対応する部品/材料の解体可能箇所、(3)阻害要因に対応する部品/材料のリサイクル方法として、リサイクル性を改善することのできるリサイクル方法、などがある。
【0326】
また、表示される環境負荷(コスト)の改善策としては、(1)当該製品を構成する部品/材料のうち、悪化要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりも環境負荷(コスト)低減の図れる部品/材料、(2)当該製品を構成する部品/材料のうち、悪化要因に対応する部品/材料の解体可能箇所、(3)悪化要因に対応する部品/材料のリサイクル方法として、環境負荷(コスト)低減の図れるリサイクル方法などがある。
【0327】
なお、本発明の上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0328】
また、本発明における実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、MOなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもでき、また、ネットワークを介しての伝送により、頒布することもできる。
【0329】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、製品のリサイクル性や環境負荷(コスト)の評価結果を部品/材料選択に容易に反映させることができ、リサイクル性の向上と環境負荷(コスト)低減を図った物造りのための部品/材料選択を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの機能的な構成例を概略的に示した図。
【図2】図1に示したリサイクル性評価システムを例えばコンピュータ(計算機)上で実現する場合の構成例を示した図。
【図3】CADデータと部品材料データについて説明するための図。
【図4】CADデータを基に部品材料データを作成した際に、ディスプレイに表示される表示画面の一例を示した図。
【図5】部品基礎データベースの一例を示した図。
【図6】部品材料データの作成手順を説明するためのフローチャート。
【図7】部品材料データベースの一例を示した図。
【図8】リサイクル性評価の基本手順を示すフロー図。
【図9】リサイクル性評価手順の一例を示すフロー図。
【図10】廃棄・リサイクル内容(廃棄・リサイクル処理手法)判定手順を示すフロー図。
【図11】プラスチックの不純物許容量データベースの例を説明する図。
【図12】プラスチックの除去容易性データベースの例を説明する図。
【図13】プラスチックの相溶性データベースの例を説明する図。
【図14】プラスチックの市場性データベースの例を説明する図。
【図15】プラスチックの混合許容性データベースの例を説明する図。
【図16】金属の混合許容性データベースの例を説明する図。
【図17】廃棄・リサイクル処理分類・原単位データベースの例を説明する図。
【図18】廃棄物分類による配分比データベースの例を説明する図。
【図19】廃棄工程の環境負荷評価の基本手順を示すフロー図。
【図20】評価結果の出力画面例を示す図。
【図21】評価結果の出力画面例を示す図。
【図22】図1あるいは図2に示したリサイクル性評価システムの全体の動作について説明するためのフローチャート。
【図23】プロセッサがメモリ内の改善提案作成処理プログラムの実行を開始した際に、出力装置としてのディスプレイに表示される画面の表示例を示した図。
【図24】リサイクル性の改善案作成・表示動作を説明するためのフローチャート。
【図25】リサイクル性の阻害要因の分析方法と、その結果判明したリサイクル性の阻害要因(原因)と、当該阻害要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示した図。
【図26】リサイクル性の阻害要因の分析方法と、その結果判明したリサイクル性の阻害要因(原因)と、当該阻害要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示した図。
【図27】環境負荷/コストの改善案作成・表示動作を説明するためのフローチャート。
【図28】環境負荷やコストの悪化要因の分析方法と、その結果判明した悪化要因(原因)と、当該悪化要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示した図。
【図29】環境負荷やコストの悪化要因の分析方法と、その結果判明した悪化要因(原因)と、当該悪化要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示した図。
【図30】環境負荷やコストの悪化要因の分析方法と、その結果判明した悪化要因(原因)と、当該悪化要因に対応する評価条件や部品材料データへの改善策との対応関係を示した図。
【図31】改善提案基礎情報データベースに格納されている情報テーブルの1つとしての第1のテーブルの登録内容を説明するための図。
【図32】改善提案基礎情報データベースに格納されている情報テーブルの1つとしての第2のテーブルの登録内容を説明するための図。
【図33】改善提案基礎情報データベースに格納されている情報テーブルの1つとしての第3のテーブルの登録内容を説明するための図。
【図34】改善提案基礎情報データベースに格納されている情報テーブルの1つとしての第4のテーブルの登録内容を説明するための図。
【図35】改善提案基礎情報データベースに格納されている情報テーブルの1つとしての第5のテーブルの登録内容を説明するための図。
【符号の説明】
10…プロセッサ(CPU)
14…出力装置、
15…入力装置
16…記憶装置
100…メモリ
101…入出力処理プログラム
102…データベース管理プログラム
103…リサイクル性評価プログラム
104…評価結果出力処理プログラム
105…CADプログラム
106…部品材料データ作成プログラム
107…環境負荷評価プログラム
108…改善提案作成処理プログラム
200…CADシステム
210…CADデータ
300…データ変換装置
301…評価支援装置
310…部品材料データ
311…改善案作成部
312…改善効果試算部
313…データ更新部
320…部品材料データベース
400…リサイクル性評価装置
401…環境負荷評価装置

Claims (15)

  1. 少なくとも、製品のリサイクル性の評価結果を基に当該製品の設計支援を行う設計支援装置であって、
    製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う評価手段と、
    この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因に対応する改善策を表示する表示手段と、
    を具備したことを特徴とする評価支援装置。
  2. 前記表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う第2の評価手段と、
    この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段と、
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の評価支援装置。
  3. 前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換手段と、
    をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載の設計支援装置。
  4. 前記表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりもリサイクル性の高い部品/材料をリサイクル性の改善策として表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援装置。
  5. 前記表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の解体可能箇所をリサイクル性の改善策として表示することを特徴とする請求項1記載の設計支援装置。
  6. 少なくとも、製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価結果を基に当該製品の設計支援を行う設計支援装置であって、
    製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第1の評価手段と、
    この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品の環境負荷の悪化要因を分析し、分析結果として得られた悪化要因に対応する改善策を表示する第1の表示手段と、
    この第1の表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第2の評価手段と、
    この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段と、
    前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換手段と、
    を具備したことを特徴とする設計支援装置。
  7. 前記第1の表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記悪化要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりも環境負荷低減の図れる部品/材料を前記改善策として表示することを特徴とする請求項6記載の設計支援装置。
  8. 前記第1の表示手段は、前記製品を構成する部品/材料のうち、前記悪化要因に対応する部品/材料の解体可能箇所を前記改善策として表示することを特徴とする請求項6記載の設計支援装置。
  9. 製品のリサイクル性の評価結果と当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価結果を基に当該製品の設計支援を行う設計支援装置であって、
    製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性や当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第1の評価手段と、
    この第1の評価手段での評価結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因と環境負荷の悪化要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因と悪化要因に対応する改善策を表示する第1の表示手段と、
    この第1の表示手段で表示された改善策に基づき、前記評価手段での評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性と当該製品のリサイクル過程で生ずる環境負荷の評価を行う第2の評価手段と、
    この第2の評価手段での評価結果を表示する第2の表示手段と、
    前記第2の評価手段での評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換手段と、
    を具備したことを特徴とする設計支援装置。
  10. 製品のリサイクル性の評価結果を基に当該製品の設計支援を行うための設計支援方法であって、
    製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に当該製品のリサイクル性の評価を行った結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因を分析して、分析結果として得られた阻害要因に対応する改善策を表示することを特徴とする設計支援方法。
  11. 前記改善策に基づき、前記評価の際に用いた評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行うことによって得られた評価結果を表示することを特徴とする請求項10記載の設計支援方法。
  12. 前記変更された部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換することを特徴とする請求項11記載の設計支援方法。
  13. 前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の代替として、当該部品/材料よりもリサイクル性の高い部品/材料をリサイクル性の改善策として表示することを特徴とする請求項10記載の設計支援方法。
  14. 前記製品を構成する部品/材料のうち、前記阻害要因に対応する部品/材料の解体可能箇所をリサイクル性の改善策として表示することを特徴とする請求項10記載の設計支援方法。
  15. 製品のリサイクル性の評価結果を基に当該製品の設計支援を行うためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    製品を構成する部品と当該部品を構成する材料の種類と、材料の種類別の質量を含む部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う第1の評価ステップと、
    この第1の評価ステップでの評価結果を基に、当該製品のリサイクル性の阻害要因を分析し、分析結果として得られた阻害要因に対応する改善策を表示する第1の表示ステップと、
    この第1の表示ステップで表示された改善策に基づき、前記第1の評価ステップでの評価の際の評価条件/前記部品材料データを変更し、この変更された評価条件/前記部品材料データを基に、当該製品のリサイクル性の評価を行う第2の評価ステップと、
    この第2の評価ステップでの評価結果を表示する第2の表示ステップと、
    前記第2の評価ステップでの評価の際に用いた部品材料データを、少なくとも、前記製品を構成する部品名と、その量あるいは個数を含むCAD(Computer aided design)データへ変換する変換ステップと、
    実行させるプログラム。
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