JP2004037414A - 漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム - Google Patents
漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004037414A JP2004037414A JP2002198491A JP2002198491A JP2004037414A JP 2004037414 A JP2004037414 A JP 2004037414A JP 2002198491 A JP2002198491 A JP 2002198491A JP 2002198491 A JP2002198491 A JP 2002198491A JP 2004037414 A JP2004037414 A JP 2004037414A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filtering
- signal
- signal data
- water leakage
- filter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Examining Or Testing Airtightness (AREA)
Abstract
【課題】例えば建物内や水道管等での漏水を探知するための漏水探知装置について、安価にして誰でも操作でき親しみやすいうえに、誤診もなくすことができるようにすること。
【解決手段】センサ2で検出した音波または振動波の信号データを、そのスペクトルを示すべく変換して表示装置6に表示する検出信号表示ステップn2と、上記検出した信号データを、フィルタリング指令を待って、予め作成し記憶した雑音除去フィルタ、または予め記憶した雑音サンプル信号を基に作成した雑音除去フィルタでフィルタリングするフィルタリングステップn4と、該フィルタリングステップn4で絞り込んだ絞込み信号のスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップn5とを有する漏水探知方法。
【選択図】 図5
【解決手段】センサ2で検出した音波または振動波の信号データを、そのスペクトルを示すべく変換して表示装置6に表示する検出信号表示ステップn2と、上記検出した信号データを、フィルタリング指令を待って、予め作成し記憶した雑音除去フィルタ、または予め記憶した雑音サンプル信号を基に作成した雑音除去フィルタでフィルタリングするフィルタリングステップn4と、該フィルタリングステップn4で絞り込んだ絞込み信号のスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップn5とを有する漏水探知方法。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば建物内や水道管等での漏水を探知するための漏水探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
漏水を探知するには、検査員の熟練した技術が不可欠であった。しかし、個々人の感覚に頼ることになるので、判定に統一性がない不都合がある。そこで、様々な装置が開発された。例えば、特公平5−22171号は、配水管に取り付けたセンサで検出した信号データを記憶し、記憶された信号データから、車両の通行などによる音または振動の一過性の信号データを除去して、これを正常時の信号データと比較することにより漏水の有無を判断し、漏水があれば警報を出すようにした装置である。
【0003】
しかしこの装置では、正常時の信号データと比較して判断するものであるため、判定の結果は、予め記憶しておく正常時の信号データに大きく依存する。漏水の程度等様々な要因によって信号データは当然に異なるので、一過性の信号データを除去したとしても、誤診を引き起こす可能性がある。また正常時の信号データを予め記憶させるが、そもそもその正常時の信号データの作成が、地域(例えば交通の激しい場所か、飛行機の航路近くか等)、時期(近くで建築や道路工事などが行われているか、台風が来たか、強風の吹く季節か等)などにより差異があるため、とても難しい。その上に、上記理由から、同一の装置をどの地域でも使用できるものではない。
【0004】
また、ある程度の時間連続して信号データを取る必要がある。
【0005】
上述例のようにセンサを配管に取り付けて使用する大掛かりな装置の他に、ポータブルな形態の相関式検査装置もあるが、回路構成が複雑すぎるためか、非常に高価であって、零細な水道工事業者には手の届かないものである。また、性能が予め限定されているため、必要に応じて別の高度の機能を付与したりできるものではない。
【0006】
また検査装置の表示は、針の振りやランプの点灯等、中身の見えないものであるために面白みがなく、顧客にとっては漏水の現実を理解しにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、安価にして誰でも操作でき親しみやすいうえに、誤診もなくすことができるようにすることを主たる課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのための手段は、センサで検出した音波または振動波の信号データを、そのスペクトルを示すべく変換して表示装置に表示する検出信号表示ステップと、上記検出した信号データを、フィルタリング指令を待って、予め作成し記憶した雑音除去フィルタ、または予め記憶した雑音サンプル信号を基に作成した雑音除去フィルタでフィルタリングするフィルタリングステップと、該フィルタリングステップで絞り込んだ絞込み信号のスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知方法であることを特徴とする。上記「雑音除去」には、「減衰」も含む意味で使用している。
【0009】
検出した音波または振動波は、検出信号表示ステップでスペクトル表示されるので、その音の周波数成分が明瞭に分かる。そして、フィルタリングステップでフィルタリングして検出した信号データを絞り込むと、絞込み信号表示ステップでその音波または振動波をスペクトル表示して、その周波数成分を明確に表す。そして雑音を除去・減衰した後の信号データから漏水の有無を判断する。雑音の除去・減衰は、漏水有無の判断の上で紛らわしいものに対して行えば足り、必ずしもすべの雑音を除かねばらないわけではない。
【0010】
前記フィルタリングは、漏水音以外の音、すなわち雑音の種類に応じて複数段で行うとよい。雑音の種類は、例えば冷蔵庫等の家電製品の発する音や、交通機関が発する音、外部の気象状況によって生じる音などさまざま考えられる。
【0011】
この場合には特に、前記検出信号表示ステップおよび/または絞込み信号表示ステップで、フィルタリングに用いる雑音除去フィルタに関する画像を表示するとよい。雑音除去フィルタに関する画像とは、その雑音除去フィルタの種類を見た目に分かるように表示するもので、スペクトル表示とともに、見た目に分かりやすく、親しみを持たせることもできる。
【0012】
またフィルタリングは、漏水音以外の音からなる雑音を、例えば大通りの近くの雑音、繁華街近くの雑音、農村部の雑音、集合住宅の雑音などというように、騒音の体系別に分けた雑音除去フィルタを用いて一度または数回で絞込みを行うようにするもよい。
【0013】
前記漏水の有無の判定は、操作者がスペクトル表示を見て判断するもよいが、前記フィルタリングステップでフィルタリングした後の信号データを予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定し、この判定結果に基づいて報知を行うようにするもよい。報知をする場合、その報知は、ランプの表示や音で行うとよく、いずれの場合でも、予め設定した音圧レベルを越えるほどそのことを強く報知できるようにして、漏水箇所に対する距離の遠近が分かるようにするとよい。
【0014】
別の手段は、前記漏水探知方法で漏水検査を行う漏水検査装置であることを特徴とする。
【0015】
より好ましくは、音波または振動波を検出するセンサと、該センサからの信号データを入力し、前記漏水検査方法の各ステップでの処理動作を行うプログラムによって駆動するパソコンとを有する漏水探知装置であるのが好ましい。
既存のセンサがあれば、あとはパソコンに上記プログラムを記憶した記憶媒体をインストールすれば使用できる。
【0016】
別の手段は、音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、フィルタリング指令を待って、記憶装置のフィルタ記憶部から対応する雑音除去フィルタを読み出すフィルタ読み出しステップと、読み出した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知プログラムであることを特徴とする。
【0017】
また、音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、フィルタリング指令を待って、記憶装置のサンプル音声記憶部から対応する信号データを読み出して雑音除去フィルタを作成するフィルタ作成ステップと、作成した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知プログラムであることを特徴とする。
【0018】
前記絞込み信号表示ステップの後段には、検査結果を要求する検査結果要求信号が入力されたときに、予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定ステップを設けるとよい。
【0019】
さらに別の手段は、前記漏水探知プログラムを記憶した記憶媒体であることを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
上述のようにこの発明では、センサで検出した信号データは変換されて表示装置にスペクトル表示されるので、検出した音波または振動波の周波数分布等の状態が一目でわかる状態になる。そしてフィルタリングにより、漏水有無の判断に支障をきたすような余分な雑音を除去したあとの絞込み信号データも表示装置にスペクトル表示する。このため、表示装置を見ていれば、センサが検出した音波または振動波を視覚的に捉えことができ、場合によってはそれだけで漏水の有無を判断できる。必要に応じて雑音種別のフィルタリングを複数段階で行って、漏水に基づく音波または振動波のみを残せば、容易に漏水の探知が行える。
【0021】
針の振れやランプの点灯のように無味乾燥な表示ではなく、音波または振動波の周波数分布を示すスペクトルで表示するので面白みがあり、またフィルタリングするたびに雑音を除去または減衰した状態が分かるので、操作者はもちろんのこと、素人が見ても面白みのある親しみ易いものとなる。
【0022】
しかも、雑音を除去して探知するので、いわば消去法で探知するので、雑音除去フィルタや雑音サンプルの情報を充分に備えておけば、確実に、誤診なしに漏水の探知が行える。そのうえ、雑音の混合状態が異なる場所でも使用できる。
【0023】
また、検出信号表示ステップや絞込み信号表示ステップで、雑音除去フィルタに関する画像を表示すると、どの雑音を除去・減衰するのか、又はしたのかがよりよく分かるので、使いやすい。
【0024】
さらに漏水を判定し報知する機能を持たせることにより、より画一化した漏水判断ができるようになり、正確性の高い判断が行えるようになる。
【0025】
そしてこのような発明は、既存のセンサとパソコン、それに前述の処理動作を行うプログラム等を記憶した記憶媒体があればよいので、誤診のない漏水探知装置を、従来の漏水探知器に比して安価で得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を、以下図面を用いて説明するが、この発明は、以下の構成に限定されるものではない。
図1は、漏水探知装置1とその使用状態の概略を示す説明図であり、図2がその構成図である。
【0027】
この漏水探知装置1は、漏水音を検出するセンサ2と、このセンサ2で検出した検出信号データを入力して後述するような処理を行うパソコン3と、上記センサ2が検出した音を聞くために検査員Pが付けるヘッドホン4とで構成している。センサ2で検出した音には、漏水音以外の音、雑音が多く含まれるので、それを除去し、または減衰させ、精度の高い漏水探知を行う。
【0028】
センサ2は周知のもので、図示したように平面に押し当てて使用する形態のセンサのほかにも、隙間や地中に差し込んで使用するセンサなどが有り、使用するセンサはその場にあったものであればよい。
【0029】
前記パソコン3は、持ち運びに便利なように、入力装置5、表示装置6およびスピーカ(図示せず)を一体に有したコンパクトなノート型パソコンを使用するとよい。パソコン3は、CD−ROM、MO等の記憶媒体7に、または記憶媒体7からハードディスク8にインストールして記憶した漏水探知プログラムに従って、受信した検出信号データを処理し、必要なデータを出力する。
【0030】
図2の構成図におけるスピーカ9は、上記ヘッドホンのスピーカで、パソコン3からの出力信号を入力する。
【0031】
前記パソコン3のハードディスク8には、図3に示したように、漏水音以外の音、雑音を除去し、または衰退させるためのフィルタを記憶するフィルタ記憶部10と、上記フィルタに関する画像を記憶するフィルタ情報画像記憶部11と、探知した結果についての画像を記憶する結果画像記憶部12とを有している。
【0032】
フィルタ記憶部10には、雑音として考えられるあらゆる音を種類別にサンプルとして採集して、採集した音を基にして、サンプル音に特有の周波数成分を除去・減衰するためのフィルタを作成して、種類別に記憶している。例えば、冷蔵庫やエアコン、換気扇等が作動している音や、水の流れの音、風の音、工事現場の音、排水の音、車が通過する音など、様々ある。このようにフィルタを雑音の種類ごとに作成することによって、探知場所、地域の特性に応じてフィルタを選択して使用すれば、精度の高い探知が効率よく行える。
【0033】
フィルタ情報画像記憶部11には、上記フィルタがどのようなフィルタであるのかを示す適宜画像をフィルタに対応させて記憶している。つまり、例えば冷蔵庫の音を除去するフィルタの場合には、冷蔵庫の形をあらわすイラストなどのフィルタ情報画像を記憶している。
【0034】
結果画像表示部12には、漏水が発見された場合にそのことを報知するための、また発見されない場合にはその旨を報知するための文と絵などからなる適宜の画像を2種類の結果に対応させて記憶している。
【0035】
図4は、この漏水探知装置1のブロック図であり、この図に示すようにセンサ2が検出した音波や振動波の信号データを増幅器13で増幅した後、AD変換器14でデジタル信号に変換する。その後フーリエ変換器15で変換して、上記信号データをスペクトル表示可能な状態にする。
【0036】
この後段には、切換えスイッチとフィルタ書き込み部とで構成される絞込み部16を介して、表示装置17に接続し、また表示装置17に表示される信号データに漏水音が含まれているか否かを比較判定する判定部18、その結果に基づいて報知信号をパソコン3とヘッドホン4のスピーカ9に出力する報知信号出力回路19を接続している。
【0037】
絞込み部16は、電子回路により適宜構成すればよいが、この例では、フーリエ変換器15の後段に、第1スイッチ20を配置した後、上記表示装置17へ接続する無絞込みの第1経路21、上記第1スイッチ20の前段から枝分かれさせて第2スイッチ22と第1フィルタ書き込み部23を配置したのち表示装置17へ接続する1回絞込みの第2経路24、上記第1フィルタ書き込み部23の後段から枝分かれして第3スイッチ25と第2フィルタ書き込み部26を配置した後、表示装置17へ接続する2回絞込みの第3経路27、というように、複数のフィルタでのフィルタリングが適宜行えるようにしている。フィルタは、前記ハードディスク8のフィルタ記憶部10から読み出し、書き込んで使用するが、読み出す順番に応じて、第1フィルタ書き込み部24に、第2フィルタ書き込み部27に、第3フィルタ書き込み部にと、その都度順番に書き込みが行われる。
【0038】
以下に、コンピュータが行う制御動作を、図5のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0039】
検査員が大方の予想をつけてセンサ2で漏水箇所の音の検出を行うと、センサ2が検出した信号データは、増幅器13を経てヘッドホン14のスピーカ9から検査員の耳に聞こえる。一方でまた、パソコン3に送られてAD変換され、さらにフーリエ変換がなされる。その信号データを受信すると(第1ステップn1)、第1スイッチ20を閉じて、パソコン3の表示装置6に、例えば図6の出力レイアウト例に示したように、スペクトル表示がなされる(第2ステップn2)。
【0040】
そして、入力装置5からの入力でフィルタリングの指令があれば(第3ステップn3)、その指令内容に応じて、ハードディスク8から対応するフィルタを読み出してきて第1フィルタ書き込み部23に書き込むとともに、第1スイッチ20を開き、第2スイッチ22を閉じて、信号データのフィルタリングを行う(第4ステップn4)。そして絞り込んだ信号データを表示装置17にスペクトル表示するとともに、ハードディスク8のフィルタ情報画像記憶部11からフィルタ情報画像を読み出してきて、図7の出力レイアウト例に示したように、スペクトルと同一画面に表示する(第5ステップn5)。フィルタ情報画像は、バ締めから全て表示しておき、表示装置上で指定するとその指定されたフィルタ情報が層に対応するフィルタでのフィルタリングが行えるようにすると、より使いやすい。
【0041】
引き続いてフィルタリング指令があれば(第6ステップn6)、上述と同様にして別のフィルタを用いた再度の絞込みを行い、表示も行う(図8参照)。
【0042】
充分に絞込みを行った後、検査結果を求める信号が入力装置5から入力されれば(第7ステップn7)、判定部18で、絞込みによって残った信号データの音圧レベルを、コンピュータのメモリ等に予め記憶しておいた音圧レベル(閾値α)と比較処理して(第8ステップn8)、大きければ漏水有り、低ければ漏水なしと判断し(第9ステップn9)する。そしてハードディスク8の結果画像記憶部12から対応する結果画像を読み出してきて、図9や図10の出力レイアウト例に示したように表示装置6に表示する(第10ステップn10、第11ステップn11)。そして、漏水有りの場合には、音でその旨を報知する(第12ステップn12)。すなわち、パソコン3のスピーカとヘッドホン4のスピーカ9に報知信号を出力する。報知信号は、予め記憶した音圧レベルとの差の程度に応じて、強さの異なる音を発するようにしている。この音の強さで漏水箇所に近いか遠いかの判断がつく。強い音がする方向に移動すれば、容易に漏水箇所を探知できる。
【0043】
なお、この例では、ハードディスク8には、予め作成したフィルタを記憶させたが、図11に示したように、先の例のフィルタ記憶部10に代えて、フィルタ作成の基となる雑音サンプルの信号データを記憶する雑音サンプル信号記憶部28を設けるもよい。この場合には、読み出した雑音サンプルの信号データを基にして適宜回路で構成されるフィルタ作成部でフィルタの作成を行ってからフィルタリングを行う。フィルタ情報画像記憶部11のフィルタ画像データは、上記雑音サンプルの信号データに対応させて記憶しておく。
【0044】
また、漏水探知装置1を構成する各部材、すなわちセンサ2とパソコン3とヘッドホン4は、図12に示したように、ワイヤレスで構成するもよい。作業性が向上する。
【0045】
上述のように、この漏水検知装置1を用いれば、適宜フィルタリングを行って、漏水に基づく音波または振動波のみを残すことができるので、容易に漏水の探知が行える。しかも、センサ2で検出した信号データは表示装置17にスペクトル表示されるので、検出した音波または振動波の周波数分布等の状態が一目でわかる。このため、検出した音のあらかたの状態が見て取れるとともに、見た目に面白さが得られる。そしてフィルタリングにより、漏水有無の判断に支障をきたすような余分な雑音を順次除去して、必要な音のみを残すようにする。しかもその絞込み後の信号データも表示装置17にスペクトル表示するので、場合によってはスペクトル表示のみからでも、漏水の有無の判定が可能な状態となる。
【0046】
信号データを表示装置17にスペクトル表示できるということはまた、熟練した職人の勘に頼っていた探知を、顧客に対して分かりやすく説明し親しみを持たせる上で効果的である。つまり、針の振れやランプの点灯のように無味乾燥な表示ではなく、音波または振動波の周波数分布を示すスペクトルで表示するので面白みがあり、またフィルタリングするたびに雑音を除去または減衰した状態が分かるので、操作者はもちろんのこと、素人が見ても面白みのある親しみ易いものとなる。
【0047】
しかも、雑音を除去して探知するので、いわば消去法で探知するので、フィルタや雑音サンプルの信号データを充分に備えておけば、探知を行う現場の騒音情況に応じて適宜フィルタを選択することによって、確実に、誤診なしに漏水の探知が行える。
【0048】
また、検出信号表示ステップ(第2ステップn2)や絞込み信号表示ステップ(第5ステップn5)で、フィルタに関する画像を表示するように構成しているので、どの雑音を除去・減衰するのか、又はしたのかがよりよく分かるので使いやすい。
【0049】
さらに漏水を判定し報知する構成であるので、見落としなどのミスをなくすことができ、正確性の高い探知が行える。
【0050】
そしてこの漏水探知装置は、周知のセンサ2とパソコン4、それに前述の処理動作を行うプログラム等を記憶した記憶媒体7があればよいので、正確性の高い漏水探知装置1を、従来の漏水探知器に比して安価で得ることができる。
【0051】
なお、以上の構成におけるフィルタは、この発明の雑音除去フィルタに対応し、ハードディスク8は、記憶装置に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】漏水探知装置の説明図。
【図2】漏水探知装置の構成図。
【図3】ハードディスクの構成図。
【図4】ブロック図。
【図5】コンピュータが行う処理動作のフローチャート。
【図6】出力レイアウト例。
【図7】出力レイアウト例。
【図8】出力レイアウト例。
【図9】出力レイアウト例。
【図10】出力レイアウト例。
【図11】他の例に係るハードディスクの構成図。
【図12】他の例に係る漏水探知装置の構成図。
【符号の説明】
1…漏水探知装置
2…センサ
3…パソコン
6…表示装置
7…記憶媒体
8…ハードディスク
10…フィルタ記憶部
11…フィルタ情報画像記憶部
12…結果画像記憶部
28…雑音サンプル信号記憶部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば建物内や水道管等での漏水を探知するための漏水探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
漏水を探知するには、検査員の熟練した技術が不可欠であった。しかし、個々人の感覚に頼ることになるので、判定に統一性がない不都合がある。そこで、様々な装置が開発された。例えば、特公平5−22171号は、配水管に取り付けたセンサで検出した信号データを記憶し、記憶された信号データから、車両の通行などによる音または振動の一過性の信号データを除去して、これを正常時の信号データと比較することにより漏水の有無を判断し、漏水があれば警報を出すようにした装置である。
【0003】
しかしこの装置では、正常時の信号データと比較して判断するものであるため、判定の結果は、予め記憶しておく正常時の信号データに大きく依存する。漏水の程度等様々な要因によって信号データは当然に異なるので、一過性の信号データを除去したとしても、誤診を引き起こす可能性がある。また正常時の信号データを予め記憶させるが、そもそもその正常時の信号データの作成が、地域(例えば交通の激しい場所か、飛行機の航路近くか等)、時期(近くで建築や道路工事などが行われているか、台風が来たか、強風の吹く季節か等)などにより差異があるため、とても難しい。その上に、上記理由から、同一の装置をどの地域でも使用できるものではない。
【0004】
また、ある程度の時間連続して信号データを取る必要がある。
【0005】
上述例のようにセンサを配管に取り付けて使用する大掛かりな装置の他に、ポータブルな形態の相関式検査装置もあるが、回路構成が複雑すぎるためか、非常に高価であって、零細な水道工事業者には手の届かないものである。また、性能が予め限定されているため、必要に応じて別の高度の機能を付与したりできるものではない。
【0006】
また検査装置の表示は、針の振りやランプの点灯等、中身の見えないものであるために面白みがなく、顧客にとっては漏水の現実を理解しにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、安価にして誰でも操作でき親しみやすいうえに、誤診もなくすことができるようにすることを主たる課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのための手段は、センサで検出した音波または振動波の信号データを、そのスペクトルを示すべく変換して表示装置に表示する検出信号表示ステップと、上記検出した信号データを、フィルタリング指令を待って、予め作成し記憶した雑音除去フィルタ、または予め記憶した雑音サンプル信号を基に作成した雑音除去フィルタでフィルタリングするフィルタリングステップと、該フィルタリングステップで絞り込んだ絞込み信号のスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知方法であることを特徴とする。上記「雑音除去」には、「減衰」も含む意味で使用している。
【0009】
検出した音波または振動波は、検出信号表示ステップでスペクトル表示されるので、その音の周波数成分が明瞭に分かる。そして、フィルタリングステップでフィルタリングして検出した信号データを絞り込むと、絞込み信号表示ステップでその音波または振動波をスペクトル表示して、その周波数成分を明確に表す。そして雑音を除去・減衰した後の信号データから漏水の有無を判断する。雑音の除去・減衰は、漏水有無の判断の上で紛らわしいものに対して行えば足り、必ずしもすべの雑音を除かねばらないわけではない。
【0010】
前記フィルタリングは、漏水音以外の音、すなわち雑音の種類に応じて複数段で行うとよい。雑音の種類は、例えば冷蔵庫等の家電製品の発する音や、交通機関が発する音、外部の気象状況によって生じる音などさまざま考えられる。
【0011】
この場合には特に、前記検出信号表示ステップおよび/または絞込み信号表示ステップで、フィルタリングに用いる雑音除去フィルタに関する画像を表示するとよい。雑音除去フィルタに関する画像とは、その雑音除去フィルタの種類を見た目に分かるように表示するもので、スペクトル表示とともに、見た目に分かりやすく、親しみを持たせることもできる。
【0012】
またフィルタリングは、漏水音以外の音からなる雑音を、例えば大通りの近くの雑音、繁華街近くの雑音、農村部の雑音、集合住宅の雑音などというように、騒音の体系別に分けた雑音除去フィルタを用いて一度または数回で絞込みを行うようにするもよい。
【0013】
前記漏水の有無の判定は、操作者がスペクトル表示を見て判断するもよいが、前記フィルタリングステップでフィルタリングした後の信号データを予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定し、この判定結果に基づいて報知を行うようにするもよい。報知をする場合、その報知は、ランプの表示や音で行うとよく、いずれの場合でも、予め設定した音圧レベルを越えるほどそのことを強く報知できるようにして、漏水箇所に対する距離の遠近が分かるようにするとよい。
【0014】
別の手段は、前記漏水探知方法で漏水検査を行う漏水検査装置であることを特徴とする。
【0015】
より好ましくは、音波または振動波を検出するセンサと、該センサからの信号データを入力し、前記漏水検査方法の各ステップでの処理動作を行うプログラムによって駆動するパソコンとを有する漏水探知装置であるのが好ましい。
既存のセンサがあれば、あとはパソコンに上記プログラムを記憶した記憶媒体をインストールすれば使用できる。
【0016】
別の手段は、音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、フィルタリング指令を待って、記憶装置のフィルタ記憶部から対応する雑音除去フィルタを読み出すフィルタ読み出しステップと、読み出した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知プログラムであることを特徴とする。
【0017】
また、音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、フィルタリング指令を待って、記憶装置のサンプル音声記憶部から対応する信号データを読み出して雑音除去フィルタを作成するフィルタ作成ステップと、作成した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する漏水探知プログラムであることを特徴とする。
【0018】
前記絞込み信号表示ステップの後段には、検査結果を要求する検査結果要求信号が入力されたときに、予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定ステップを設けるとよい。
【0019】
さらに別の手段は、前記漏水探知プログラムを記憶した記憶媒体であることを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
上述のようにこの発明では、センサで検出した信号データは変換されて表示装置にスペクトル表示されるので、検出した音波または振動波の周波数分布等の状態が一目でわかる状態になる。そしてフィルタリングにより、漏水有無の判断に支障をきたすような余分な雑音を除去したあとの絞込み信号データも表示装置にスペクトル表示する。このため、表示装置を見ていれば、センサが検出した音波または振動波を視覚的に捉えことができ、場合によってはそれだけで漏水の有無を判断できる。必要に応じて雑音種別のフィルタリングを複数段階で行って、漏水に基づく音波または振動波のみを残せば、容易に漏水の探知が行える。
【0021】
針の振れやランプの点灯のように無味乾燥な表示ではなく、音波または振動波の周波数分布を示すスペクトルで表示するので面白みがあり、またフィルタリングするたびに雑音を除去または減衰した状態が分かるので、操作者はもちろんのこと、素人が見ても面白みのある親しみ易いものとなる。
【0022】
しかも、雑音を除去して探知するので、いわば消去法で探知するので、雑音除去フィルタや雑音サンプルの情報を充分に備えておけば、確実に、誤診なしに漏水の探知が行える。そのうえ、雑音の混合状態が異なる場所でも使用できる。
【0023】
また、検出信号表示ステップや絞込み信号表示ステップで、雑音除去フィルタに関する画像を表示すると、どの雑音を除去・減衰するのか、又はしたのかがよりよく分かるので、使いやすい。
【0024】
さらに漏水を判定し報知する機能を持たせることにより、より画一化した漏水判断ができるようになり、正確性の高い判断が行えるようになる。
【0025】
そしてこのような発明は、既存のセンサとパソコン、それに前述の処理動作を行うプログラム等を記憶した記憶媒体があればよいので、誤診のない漏水探知装置を、従来の漏水探知器に比して安価で得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を、以下図面を用いて説明するが、この発明は、以下の構成に限定されるものではない。
図1は、漏水探知装置1とその使用状態の概略を示す説明図であり、図2がその構成図である。
【0027】
この漏水探知装置1は、漏水音を検出するセンサ2と、このセンサ2で検出した検出信号データを入力して後述するような処理を行うパソコン3と、上記センサ2が検出した音を聞くために検査員Pが付けるヘッドホン4とで構成している。センサ2で検出した音には、漏水音以外の音、雑音が多く含まれるので、それを除去し、または減衰させ、精度の高い漏水探知を行う。
【0028】
センサ2は周知のもので、図示したように平面に押し当てて使用する形態のセンサのほかにも、隙間や地中に差し込んで使用するセンサなどが有り、使用するセンサはその場にあったものであればよい。
【0029】
前記パソコン3は、持ち運びに便利なように、入力装置5、表示装置6およびスピーカ(図示せず)を一体に有したコンパクトなノート型パソコンを使用するとよい。パソコン3は、CD−ROM、MO等の記憶媒体7に、または記憶媒体7からハードディスク8にインストールして記憶した漏水探知プログラムに従って、受信した検出信号データを処理し、必要なデータを出力する。
【0030】
図2の構成図におけるスピーカ9は、上記ヘッドホンのスピーカで、パソコン3からの出力信号を入力する。
【0031】
前記パソコン3のハードディスク8には、図3に示したように、漏水音以外の音、雑音を除去し、または衰退させるためのフィルタを記憶するフィルタ記憶部10と、上記フィルタに関する画像を記憶するフィルタ情報画像記憶部11と、探知した結果についての画像を記憶する結果画像記憶部12とを有している。
【0032】
フィルタ記憶部10には、雑音として考えられるあらゆる音を種類別にサンプルとして採集して、採集した音を基にして、サンプル音に特有の周波数成分を除去・減衰するためのフィルタを作成して、種類別に記憶している。例えば、冷蔵庫やエアコン、換気扇等が作動している音や、水の流れの音、風の音、工事現場の音、排水の音、車が通過する音など、様々ある。このようにフィルタを雑音の種類ごとに作成することによって、探知場所、地域の特性に応じてフィルタを選択して使用すれば、精度の高い探知が効率よく行える。
【0033】
フィルタ情報画像記憶部11には、上記フィルタがどのようなフィルタであるのかを示す適宜画像をフィルタに対応させて記憶している。つまり、例えば冷蔵庫の音を除去するフィルタの場合には、冷蔵庫の形をあらわすイラストなどのフィルタ情報画像を記憶している。
【0034】
結果画像表示部12には、漏水が発見された場合にそのことを報知するための、また発見されない場合にはその旨を報知するための文と絵などからなる適宜の画像を2種類の結果に対応させて記憶している。
【0035】
図4は、この漏水探知装置1のブロック図であり、この図に示すようにセンサ2が検出した音波や振動波の信号データを増幅器13で増幅した後、AD変換器14でデジタル信号に変換する。その後フーリエ変換器15で変換して、上記信号データをスペクトル表示可能な状態にする。
【0036】
この後段には、切換えスイッチとフィルタ書き込み部とで構成される絞込み部16を介して、表示装置17に接続し、また表示装置17に表示される信号データに漏水音が含まれているか否かを比較判定する判定部18、その結果に基づいて報知信号をパソコン3とヘッドホン4のスピーカ9に出力する報知信号出力回路19を接続している。
【0037】
絞込み部16は、電子回路により適宜構成すればよいが、この例では、フーリエ変換器15の後段に、第1スイッチ20を配置した後、上記表示装置17へ接続する無絞込みの第1経路21、上記第1スイッチ20の前段から枝分かれさせて第2スイッチ22と第1フィルタ書き込み部23を配置したのち表示装置17へ接続する1回絞込みの第2経路24、上記第1フィルタ書き込み部23の後段から枝分かれして第3スイッチ25と第2フィルタ書き込み部26を配置した後、表示装置17へ接続する2回絞込みの第3経路27、というように、複数のフィルタでのフィルタリングが適宜行えるようにしている。フィルタは、前記ハードディスク8のフィルタ記憶部10から読み出し、書き込んで使用するが、読み出す順番に応じて、第1フィルタ書き込み部24に、第2フィルタ書き込み部27に、第3フィルタ書き込み部にと、その都度順番に書き込みが行われる。
【0038】
以下に、コンピュータが行う制御動作を、図5のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0039】
検査員が大方の予想をつけてセンサ2で漏水箇所の音の検出を行うと、センサ2が検出した信号データは、増幅器13を経てヘッドホン14のスピーカ9から検査員の耳に聞こえる。一方でまた、パソコン3に送られてAD変換され、さらにフーリエ変換がなされる。その信号データを受信すると(第1ステップn1)、第1スイッチ20を閉じて、パソコン3の表示装置6に、例えば図6の出力レイアウト例に示したように、スペクトル表示がなされる(第2ステップn2)。
【0040】
そして、入力装置5からの入力でフィルタリングの指令があれば(第3ステップn3)、その指令内容に応じて、ハードディスク8から対応するフィルタを読み出してきて第1フィルタ書き込み部23に書き込むとともに、第1スイッチ20を開き、第2スイッチ22を閉じて、信号データのフィルタリングを行う(第4ステップn4)。そして絞り込んだ信号データを表示装置17にスペクトル表示するとともに、ハードディスク8のフィルタ情報画像記憶部11からフィルタ情報画像を読み出してきて、図7の出力レイアウト例に示したように、スペクトルと同一画面に表示する(第5ステップn5)。フィルタ情報画像は、バ締めから全て表示しておき、表示装置上で指定するとその指定されたフィルタ情報が層に対応するフィルタでのフィルタリングが行えるようにすると、より使いやすい。
【0041】
引き続いてフィルタリング指令があれば(第6ステップn6)、上述と同様にして別のフィルタを用いた再度の絞込みを行い、表示も行う(図8参照)。
【0042】
充分に絞込みを行った後、検査結果を求める信号が入力装置5から入力されれば(第7ステップn7)、判定部18で、絞込みによって残った信号データの音圧レベルを、コンピュータのメモリ等に予め記憶しておいた音圧レベル(閾値α)と比較処理して(第8ステップn8)、大きければ漏水有り、低ければ漏水なしと判断し(第9ステップn9)する。そしてハードディスク8の結果画像記憶部12から対応する結果画像を読み出してきて、図9や図10の出力レイアウト例に示したように表示装置6に表示する(第10ステップn10、第11ステップn11)。そして、漏水有りの場合には、音でその旨を報知する(第12ステップn12)。すなわち、パソコン3のスピーカとヘッドホン4のスピーカ9に報知信号を出力する。報知信号は、予め記憶した音圧レベルとの差の程度に応じて、強さの異なる音を発するようにしている。この音の強さで漏水箇所に近いか遠いかの判断がつく。強い音がする方向に移動すれば、容易に漏水箇所を探知できる。
【0043】
なお、この例では、ハードディスク8には、予め作成したフィルタを記憶させたが、図11に示したように、先の例のフィルタ記憶部10に代えて、フィルタ作成の基となる雑音サンプルの信号データを記憶する雑音サンプル信号記憶部28を設けるもよい。この場合には、読み出した雑音サンプルの信号データを基にして適宜回路で構成されるフィルタ作成部でフィルタの作成を行ってからフィルタリングを行う。フィルタ情報画像記憶部11のフィルタ画像データは、上記雑音サンプルの信号データに対応させて記憶しておく。
【0044】
また、漏水探知装置1を構成する各部材、すなわちセンサ2とパソコン3とヘッドホン4は、図12に示したように、ワイヤレスで構成するもよい。作業性が向上する。
【0045】
上述のように、この漏水検知装置1を用いれば、適宜フィルタリングを行って、漏水に基づく音波または振動波のみを残すことができるので、容易に漏水の探知が行える。しかも、センサ2で検出した信号データは表示装置17にスペクトル表示されるので、検出した音波または振動波の周波数分布等の状態が一目でわかる。このため、検出した音のあらかたの状態が見て取れるとともに、見た目に面白さが得られる。そしてフィルタリングにより、漏水有無の判断に支障をきたすような余分な雑音を順次除去して、必要な音のみを残すようにする。しかもその絞込み後の信号データも表示装置17にスペクトル表示するので、場合によってはスペクトル表示のみからでも、漏水の有無の判定が可能な状態となる。
【0046】
信号データを表示装置17にスペクトル表示できるということはまた、熟練した職人の勘に頼っていた探知を、顧客に対して分かりやすく説明し親しみを持たせる上で効果的である。つまり、針の振れやランプの点灯のように無味乾燥な表示ではなく、音波または振動波の周波数分布を示すスペクトルで表示するので面白みがあり、またフィルタリングするたびに雑音を除去または減衰した状態が分かるので、操作者はもちろんのこと、素人が見ても面白みのある親しみ易いものとなる。
【0047】
しかも、雑音を除去して探知するので、いわば消去法で探知するので、フィルタや雑音サンプルの信号データを充分に備えておけば、探知を行う現場の騒音情況に応じて適宜フィルタを選択することによって、確実に、誤診なしに漏水の探知が行える。
【0048】
また、検出信号表示ステップ(第2ステップn2)や絞込み信号表示ステップ(第5ステップn5)で、フィルタに関する画像を表示するように構成しているので、どの雑音を除去・減衰するのか、又はしたのかがよりよく分かるので使いやすい。
【0049】
さらに漏水を判定し報知する構成であるので、見落としなどのミスをなくすことができ、正確性の高い探知が行える。
【0050】
そしてこの漏水探知装置は、周知のセンサ2とパソコン4、それに前述の処理動作を行うプログラム等を記憶した記憶媒体7があればよいので、正確性の高い漏水探知装置1を、従来の漏水探知器に比して安価で得ることができる。
【0051】
なお、以上の構成におけるフィルタは、この発明の雑音除去フィルタに対応し、ハードディスク8は、記憶装置に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】漏水探知装置の説明図。
【図2】漏水探知装置の構成図。
【図3】ハードディスクの構成図。
【図4】ブロック図。
【図5】コンピュータが行う処理動作のフローチャート。
【図6】出力レイアウト例。
【図7】出力レイアウト例。
【図8】出力レイアウト例。
【図9】出力レイアウト例。
【図10】出力レイアウト例。
【図11】他の例に係るハードディスクの構成図。
【図12】他の例に係る漏水探知装置の構成図。
【符号の説明】
1…漏水探知装置
2…センサ
3…パソコン
6…表示装置
7…記憶媒体
8…ハードディスク
10…フィルタ記憶部
11…フィルタ情報画像記憶部
12…結果画像記憶部
28…雑音サンプル信号記憶部
Claims (10)
- センサで検出した音波または振動波の信号データを、そのスペクトルを示すべく変換して表示装置に表示する検出信号表示ステップと、
上記検出した信号データを、フィルタリング指令を待って、予め作成し記憶した雑音除去フィルタ、または予め記憶した雑音サンプル信号を基に作成した雑音除去フィルタでフィルタリングするフィルタリングステップと、
該フィルタリングステップで絞り込んだ絞込み信号のスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する
漏水探知方法。 - 前記フィルタリングステップを雑音の種類に応じて複数段で行う
請求項1に記載の漏水探知方法。 - 前記検出信号表示ステップおよび/または絞込み信号表示ステップで、フィルタリングに用いる雑音除去フィルタに関する画像を表示する
請求項1または請求項2に記載の漏水探知方法。 - 前記フィルタリングステップでフィルタリングした後の信号データを予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定ステップと、
該漏水判定ステップでの判定結果に基づいて報知を行う報知ステップとを有する
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の漏水探知方法。 - 前記請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の漏水探知方法で漏水検査を行う
漏水検査装置。 - 音波または振動波を検出するセンサと、
該センサからの信号データを入力し、前記請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載された漏水検査方法の各ステップでの処理動作を行うプログラムによって駆動するパソコンとを有する
漏水探知装置。 - 音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、
フィルタリング指令を待って、記憶装置のフィルタ記憶部から対応する雑音除去フィルタを読み出すフィルタ読み出しステップと、
読み出した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、
該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する
漏水探知プログラム。 - 音波または振動波を検出するセンサから受信した信号データを変換して信号データのスペクトルを表示する表示信号を表示装置に送信する表示ステップと、
フィルタリング指令を待って、記憶装置のサンプル信号記憶部から対応する信号データを読み出して雑音除去フィルタを作成するフィルタ作成ステップと、
作成した雑音除去フィルタでフィルタリングを行うフィルタリングステップと、
該フィルタリングステップでフィルタリングした後の絞り込んだ信号データのスペクトルを表示する絞込み信号表示ステップとを有する
漏水探知プログラム。 - 前記絞込み信号表示ステップの後段に、検査結果を要求する検査結果要求信号が入力されたときに、予め設定した音圧レベルと比較して漏水の有無を判定する漏水判定ステップを設けた
請求項7または請求項8に記載の漏水探知プログラム。 - 前記請求項7から請求項8のうちのいずれか一項に記載の漏水探知プログラムを記憶した
記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198491A JP2004037414A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198491A JP2004037414A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004037414A true JP2004037414A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31705923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002198491A Pending JP2004037414A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004037414A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002873A (ja) * | 2007-06-23 | 2009-01-08 | Fuji Tecom Inc | 漏洩探知装置 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198491A patent/JP2004037414A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002873A (ja) * | 2007-06-23 | 2009-01-08 | Fuji Tecom Inc | 漏洩探知装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7371954B2 (en) | Tuner apparatus for aiding a tuning of musical instrument | |
CN110060685A (zh) | 语音唤醒方法和装置 | |
JP7284426B2 (ja) | 機器制御システム | |
CN111770427A (zh) | 麦克风阵列的检测方法、装置、设备以及存储介质 | |
JPH0651930A (ja) | 計算機 | |
WO2017199455A1 (ja) | 漏水判定装置及び漏水判定方法 | |
CN105979462A (zh) | 一种基于麦克风的测试处理方法和装置 | |
US20110254703A1 (en) | Pedestrian safety system | |
CN106123242A (zh) | 定速空调拍振确定方法和装置 | |
Lee et al. | Development of a model to predict the likelihood of complaints due to assorted tone-in-noise combinations | |
US20070239456A1 (en) | Audio accessibility enhancement for computer audio events | |
JP2004037414A (ja) | 漏水探知方法、装置およびそれに用いるプログラム | |
JPH08201210A (ja) | ガス配管の漏洩探知システム | |
JP2001108563A (ja) | 異常箇所検出装置 | |
CN111767083B (zh) | 误唤醒音频数据的收集方法、播放设备、电子设备、介质 | |
Deowan et al. | A warning and detection system for elephant intrusions utilizing signal processing and iot | |
JPH11160188A (ja) | ガス漏洩検知システム | |
JPH10240291A (ja) | 音声認識装置における音声入力可能状態報知方法及びその装置 | |
JP2000193551A (ja) | 流体漏洩位置標定装置 | |
CN113365190B (zh) | 一种测漏设备的抗干扰检测方法、电路及电子设备 | |
JP2009020457A (ja) | 音声処理装置およびプログラム | |
Misdariis et al. | Mobility and life quality relationships–Measurement and perception of noise in urban context | |
JP7466294B2 (ja) | 通信システム及び通信方法 | |
CN118209320A (zh) | 发动机异常检测方法、装置、电子设备及存储介质 | |
Govilkar et al. | Multi-environment Audio Dataset Using RPi-Based Sound Logger |