JP2004037387A - 評価装置、評価方法、評価実行プログラム及び評価システム - Google Patents

評価装置、評価方法、評価実行プログラム及び評価システム Download PDF

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宮 誠一
Kazuyuki Yabuki
矢吹 和之
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Abstract

【課題】弾性糸を使用した布帛の品質を容易かつ定量的に評価する。
【解決手段】測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価する評価装置1は、評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶部201と、被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、基準データ記憶部201から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定部117とを備える。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価するための評価実行プログラム、評価装置、評価方法及び評価システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
繊維製造分野において、スパンデックス等の弾性糸を使用した布帛が、その優れた特性(伸縮性、対薬品性、耐候性等)を有する性質から多くの利点が注目され需要が拡大している。特に、肌着などのインナーウエア、水着やスポーツウエア等の機能性衣料分野を中心として幅広く使用されている。このスパンデックスの用途としては伸縮特性を活かしたストレッチ素材が中心であるが、用途の拡大の要請から、ストレッチ性に加えて、用途に応じた種々の機能性を付与するための商品開発として、汎用素材(ナイロン、エステル、綿等)との組み合わせによる生地構成の布帛の開発が進められている。
【0003】
しかし、上記スパンデックス等の弾性糸を使用した布帛は、布帛中の弾性糸の伸縮特性に起因する生地品質に関する問題を起こしやすい。生地品質は、主として布帛におけるウエール間隔の斑の有無や程度によって定められている。このため、通常ストリークと呼ばれる経編み等でのウエール間隔の目開きは、生地品質を貶めるものとして嫌われており、ストリークの有無や程度が生地の品質を判定する際の尺度となっている。上記のストリークは、評価対象となる布帛に含まれる弾性糸以外の他の素材との組み合わせによっても発生の度合いや程度が異なるため、一般人による判別が難しいこともあり、高度な熟練を要する専門家(検査員等)の目視による官能評価に頼っているのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の官能評価とは、評価対象となる布帛と見本となる布帛とを専門家の目視により比較するというものである。この官能評価による品質の等級付けは、例えば10段階評価に基づくランク付けに基づいて行なわれているが、人間(検査員)による官能評価であるため、検査員による評価結果にバラツキが生じやすいという問題がある。
【0005】
また、近年では、布帛の品質の官能評価を行う専門家等が激減しているため、布帛の品質の等級付けがますます困難となっている。特に、経編み等で編まれた布帛においては、ウエール間隔の斑が同じ程度であっても布帛中に含まれる他の素材との組み合わせによってストリークが目立つ場合と目立たない場合があり、布帛の品質を評価するための確固たる尺度がなく、現状のところ人間による官能評価に頼らざるを得ない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、弾性糸を使用した布帛の品質を容易かつ定量的に評価できる評価実行プログラム、評価装置、評価方法及び評価システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価するためのプログラムであって、評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の評価実行プログラムにおいて、前記第2の布帛の画像データに対して高速フーリエ変換を実行する高速フーリエ変換実行手段と、前記高速フーリエ変換実行手段により得られた前記パワースペクトルデータから複数のピークデータを算出するピークデータ算出手段として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、弾性糸を使用した布帛の画像データに対して高速フーリエ変換が実行され、得られたパワースペクトルから複数のピークデータが算出され、算出された複数のピークデータを基に作成された測定データと基準データを対応させることで当該布帛の品質評価が行なわれるため、布帛の画像データから得られる布帛の周期構造に基づいて布帛の品質評価を行うことができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の評価実行プログラムにおいて、前記高速フーリエ変換は、二次元フーリエ変換を含むことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、2次元高速フーリエ変換が実行されて布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータが算出されるため、1次元フーリエ変換法を用いる場合に比べて、布帛の周期構造に基づいたさらに精度の高い品質の評価を行うことができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の評価実行プログラムにおいて、前記品質評価データは、布帛の目視評価を基に作成された品質等級データを含み、前記基準データ記憶手段は、前記基準データと、前記品質等級データとを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、基準データ記憶手段に、基準データと、布帛の目視評価を基に作成された品質等級データとが対応付けて記憶されているので、弾性糸を使用した布帛の品質評価を行うとき、基準データに対応する目視評価を基に作成された品質等級データが求められる。このように、専門家等による目視評価を基に作成された品質等級データと、基準データとが対応付けられているので、熟練を要する専門家による官能検査を行わずとも、これらの専門家による布帛の目視評価が反映された精度の高い品質の評価を行うことが可能となる。
【0015】
請求項5記載の発明は、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価する評価装置であって、評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価するための評価方法であって、評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶ステップと、被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0018】
この構成によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、クライアント端末装置と、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質の評価を行うサーバ装置とがネットワークを介して通信可能に接続された評価システムであって、前記サーバ装置は、評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データを前記クライアント端末装置から受信する画像データ受信手段と、前記画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段と、前記品質評価データ算出手段により求められた品質評価データを評価結果データとして前記クライアント端末装置に送信する評価結果データ送信手段とを備えることを特徴とするものである。
【0020】
この構成によれば、サーバ装置によって、クライアント端末装置から受信した画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された作成データに対応する基準データを、基準データに記憶されている基準データを参照して特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データが算出され、当該品質評価データが評価結果データとしてクライアント端末装置に送信される。
【0021】
このため、クライアント端末装置から、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の所定の箇所における画像データがサーバ装置に送信されれば、サーバ装置側で、この画像データを基に作成された測定データを予め記憶されている基準データと対応させて当該布帛の品質の評価が行なわれ、評価された結果が評価結果としてクライアント端末装置に送られてくるため、評価したい対象となる布帛についてわざわざ熟練を要する専門家等による目視評価を依頼しなくても、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の品質評価を容易かつ定量的に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る評価装置の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明に係る評価装置のハードウエア構成について詳細に説明する。 図1は、本発明に係る評価装置のハードウエア構成を示す図の一例である。コンピュータ1は、通常のパーソナルコンピュータ等から構成され、ROM(リードオンリメモリ)11、CPU(中央演算処理装置)12、RAM(ランダムアクセスメモリ)13、外部記憶装置14、入力部15、表示部16及び記録媒体駆動装置17、A/D変換器18を含む。なお、A/D変換器18には、画像データ読取部19が接続されている。
【0024】
コンピュータ内の上記の各ブロックは内部のバスに接続され、このバスを介して種々のデータ等がコンピュータ内部で入出力され、CPU12の制御の下、弾性糸を使用した布帛の品質の評価を行うための種々の処理が実行される。
【0025】
ROM11には、コンピュータを動作させるための基本プログラム等が予め記憶されている。RAM13は、CPU12の作業領域等として用いられる。記録媒体17aは、コンピュータ読み出し可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROMから構成される。このCD−ROMは、弾性糸を使用した布帛の品質の評価を行うための評価実行プログラム等が記憶されている。評価実行プログラムは、布帛のウエール間隔の乱れ度データを算出するプログラムが含まれている。
【0026】
記録媒体駆動装置17は、CD−ROMドライブ等から構成され、CPU12の制御の下、記録媒体17aから評価実行プログラム等を読み出し、評価実行プログラム等が外部記憶装置14にインストールされる。
【0027】
なお、記録媒体17aは、上記の例に特に限定されず、DVDドライブ、フレキシブルディスクドライブ等の他の記録媒体駆動装置が付加されている場合、DVD、フレキシブルディスク等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて評価実行プログラム等を外部記憶装置14にインストールするようにしてもよい。
【0028】
外部記憶装置14は、ハードディスクドライブ等の外部記憶装置から構成される。外部記憶装置14には、上記のようにして評価実行プログラムがインストールされるとともに、種々のプログラムが通常の方法によって予めインストールされている。
【0029】
CPU12は、ROM11から基本プログラム等を読み出すとともに、外部記憶装置14から評価実行プログラム等を読み出し、弾性糸を使用した布帛の品質の評価を行うための基準データ作成処理及び評価処理等を実行する。なお、ROM11に基本プログラム等に加えて評価実行プログラムを記録しておいてもよく、この場合には、CPU12が、ROM11から基本プログラム等と評価実行プログラムを読み出し、弾性糸を使用した布帛の品質の評価を行うための基準データ作成処理及び評価処理等を実行する。
【0030】
入力部15は、キーボード及びマウス等から構成され、本実施の形態では、主にマウスを用いて操作者の操作に応じた種々の指令等が入力される。表示部16は、CRT(陰極線管)又は液晶表示装置(LCD)等から構成され、CPU12の制御の下、弾性糸を使用した布帛の品質の評価の際に使用される種々の画面を静止画又は動画によって表示する。
【0031】
A/D変換器18は、画像データ読取部19を用いて測定されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。なお、アナログ信号をディジタル信号に変換する必要のない場合には、A/D変換器18ではなく、インターフェイス回路を用いてもよい。画像データ読取部19は、スキャナ等で構成され、布帛の画像を画像データとして読み取りを行う。
【0032】
なお、インターネット等のネットワークを介して他の端末装置との弾性糸を使用した布帛の品質の評価に必要なデータをデータ通信により行う必要がある場合には、モデムまたはルータ等から構成され、インターネット等のネットワークを介して他の端末装置とのデータ通信を制御するための通信部を備えてもよい。
【0033】
つづいて、本発明を完成するに至った背景について説明する。本発明は、以下で述べる事実を基礎とするものである。
【0034】
まず、高分子の結晶回折理論において、ホーゼマン(R.Hosemann)によって結晶の乱れが2種類に大別され、それぞれが第1種の乱れ(disorder of first kind)、第2種の乱れ(disorder of second kind)と名付けられている。
【0035】
そもそも、固体高分子の結晶部分は構造の乱れが著しい。原因としては、高分子特有の分子鎖長の分布、分子鎖の末端、分岐および架橋、ならびに分子鎖のコンホメーションやコンフィギュレーションの乱れ、あるいは不純物などである。
【0036】
第1種の乱れは、格子点のそれぞれの位置は理想格子からずれているが、結晶中の全格子点についてその平均の位置をとると理想格子に対応し、長距離での秩序は保たれているというものである。一方、第2種の乱れは、各格子点は理想結晶の格子点にはなく、最近接格子点間に統計的なずれがあり、これをつぎつぎに繰り返した結果、長距離での秩序がなくなっているというものである。このような状態がホーゼマンによりパラクリスタル(paracrystal)と名付けられている。
【0037】
本願発明者らは、種々の実験を行い、上記の2種類の乱れをそれぞれ弾性糸を使用した布帛のウエール間隔の乱れに当てはめてみた結果、この布帛のウエール間隔の乱れは周期性の中のランダムな乱れ(第1種の乱れ)ではなく、ウエールの周期成分として長期に周期性を保存できない種類の乱れ(第2種の乱れ)に適合するものであるという知見を得た。そこで、弾性糸を使用した布帛についての第2種の乱れを求めれば、弾性糸を使用した布帛のウエール間隔の乱れを求めることができ、このウエール間隔の乱れを基に布帛の品質の評価が可能であるということを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0038】
ホーゼマンによれば、第2種の乱れは、反射次数の増加するにつれて反射強度の減少と反射幅の増大とを起こさせるという性質を有するとされている(著書名:「高分子のX線回折」,著者名:Leroy E.Alexander著,出版社名:(株)化学同人,P389〜P395を参照)。そこで、周期構造の解析によく利用される高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier transform)を用いて弾性糸を使用した布帛の画像からパワースペクトルデータを求め、上記の性質を応用し、後述する手順で布帛のウエール間隔の乱れ(以下、ウエール間隔の乱れ度という)を求めた。
【0039】
上述した反射次数が増大するにつれて反射強度の減少と反射幅の増大の両方を起こさせるという第2種の乱れの性質を用いて、回折次数の異なった一連の反射について半値幅を求め、複数の回折次数と半値幅からウエール間隔の乱れを算出する方法をとった。ウエール間隔の乱れは、上述したように、第2種の乱れに適用可能なため、回折次数の異なる反射について少なくとも2つから半値幅を求めるようにする。ここでは、回折次数として、1次、2次の異なった回折次数の反射について半値幅を求めるようにした。
【0040】
まず、イメージスキャナ等により布帛の画像の読み取りを行う。図2(a)は、イメージスキャナ等により読み取られた布帛裏面の画像を示す一例図である。次に、読み取られた画像に対し高速フーリエ変換を実行する。高速フーリエ変換が実行されると、布帛の画像のパワースペクトルデータから得られる。図2(b)は、高速フーリエ変換の実行により得られた布帛の画像のパワースペクトルを示す一例図である。このパワースペクトルデータから複数のピークデータを用いて半値幅を求める。図3(a)〜(c)は、複数のピークにおける半値幅の求め方を説明するための図を示すものであり、横軸は周期(単位はピクセル)、縦軸は頻度を表わしている。図3に示すように、半値幅は、各ピークの波形部分と接線a1,a2,a3により囲まれた部分の面積S1,S2,S3と、このピークの接線にピーク点から下ろされた垂線の長さh1,h2,h3(ピークの高さ)とから求められるものである。実際には、面積S÷ピークの高さhを計算することにより半値幅が求められる。ここでは、1次、2次のピークにおける半値幅をそれぞれ求めておく。図3では、右側のピークから0次,1次,2次,・・・となる。
【0041】
次に、ホーゼマンの理論を適用すると、これらの半値幅の2乗をそれぞれの回折次数の4乗に対してプロットすることで直線が得られ、この直線の傾き(以下、ホーゼマンプロットの傾きという)を求める。そして、このホーゼマンプロットの傾きを用いて、下記の式に代入することでウエール間隔の乱れ度(g2)を算出する。この式は、ホーゼマンプロットの傾き=(πg2)/(ウエール間隔)で表わされる(上記の「高分子のX線回折」のP395を参照)。なお、上記の文献においては、積分幅の2乗を回折次数の4乗に対してプロットすることで直線を得ているが、本発明では、ここでいう積分幅を半値幅に置き換えてホーゼマンプロットの傾きを求めている。また、ウエール間隔は、サンプルとなる布帛から測定されたウエールの間隔である。
【0042】
サンプルとなる布帛の画像データからこのウエール間隔の乱れ度が求められると、当該サンプルとなる布帛に対する専門家等による目視評価を示す品質等級を対応付ける。複数のサンプルとなる布帛に対して上記の手順を繰り返し、ウエール間隔の乱れ度(横軸)の値に対応する品質等級(縦軸)をプロットしていくことで、図4に示すように、布帛のウエール間隔の乱れ度(g2)と当該布帛の品質等級とが良好な相関関係を持つ所定の関数(例えば一次関数等)で表わされることが判明した。図4は、布帛のウエール間隔の乱れ度と品質等級との相関関係を示す一例図である。図4では、例えばウエール間隔の乱れ度データの値が0.16のとき、品質等級データの値が6級となり、ウエール間隔の乱れ度データの値が大きくなっていくに従って、品質等級データの値は減少していく。すなわち、図4では、布帛(生地)の品質としては、縦軸の品質等級が小さくなる程良い布帛となり、10級の布帛よりも5級の布帛の方が品質的には良い布帛と言える。図4に示すように、品質等級が10級の布帛と5級の布帛とでは、実際には、同一の製造条件でウエール間隔が一定になるように生産されたものであり、ウエール間隔の平均値は変わらないが、ウエール間隔のバラツキが大きくなることにより布帛の品質等級が悪くなるというものである。
【0043】
このように、布帛のウエール間隔の乱れ度に対して専門家等により格付けされた品質等級を対応付けることで、従来のように被測定物となる布帛の品質の等級付けを専門家の官能検査に依頼せずとも、容易かつ定量的に品質の評価を行うことが可能となった。
【0044】
上記の考察の実証には、以下の機器等を用いた。弾性糸を使用した布帛の画像入力機器としてフラットベッド式のカラーイメージスキャナ(エプソン(株)製、ES−6000H)を用いた。撮像条件としては、入力画像サイズを4096×4096ピクセル、画像解像度を300ドット/インチとし、濃度階調をグレースケール8ビット(256階調)とした。また、演算処理装置としてパーソナルコンピュータ(日本アイ・ビー・エム(株)製 NetVista A40p、プロセッサ;Pentium(登録商標)III−800MHz、メモリ;384MB)を用いて、二次元の高速フーリエ変換に汎用ソフトウエア(Scion Corporation製、Scion Image)を使用した。以下、上記画像入力機器と上記ソフトウエアを有するパーソナルコンピュータ等の計算機器を用いての評価の例を説明する。なお、弾性糸を使用した布帛の品質を評価するための画像入力機器或いはパーソナルコンピュータ等の計算機器については上述した機器は一例であり、これらの機器のみに限定されない。
【0045】
次に、本発明に係る評価装置1の機能構成について説明する。図5は、評価装置1の機能構成を示すブロック図である。評価装置1は、機能的には、プログラム実行部10、データ記憶部20及びプログラム記憶部30を含む。プログラム実行部10は、例えばCPU12等で実現され、CPU12等がRAM13に記憶されている評価実行プログラムを実行することによって、画像データ入力受付部111、画像データ変換処理部112、高速フーリエ変換実行部113、ピークデータ算出部114、半値幅データ算出部115、ウエール間隔乱れ度データ算出部116、品質評価データ特定部117及び評価結果データ出力部118として機能する。
【0046】
画像データ入力受付部111は、スキャナ等の画像データ読取部19から読み込まれた布帛裏面の画像データの入力を受け付ける。
【0047】
画像データ変換処理部112は、画像データ入力受付部111によって受け付けられた画像データに対して、画像全体の光度や、明度、コントラストの調節、カラーのデータの場合には、色補正や、特定の色の強調等の処理を行うものである。なお、上記処理は、画像データの取り込み時に必要に応じて選択することが可能であり、すべてのデータ変換処理を必ずしも行う必要はない。
【0048】
高速フーリエ変換実行部113は、画像データ変換処理部112によって変換処理された後の画像データに対して二次元高速フーリエ変換を実行し、画像データのパワースペクトルデータを算出する。高速フーリエ変換(FFT)は、種々の公知のアルゴリズムを用いて実現可能である。
【0049】
ピークデータ算出部114は、高速フーリエ変換実行部113による高速フーリエ変換後のパワースペクトルデータの複数のピークデータを算出する。
【0050】
半値幅データ算出部115は、ピークデータ算出部114によって算出された複数のピークデータから各ピークの半値幅データを算出する。
【0051】
ウエール間隔乱れ度データ算出部116は、半値幅データ算出部115によって算出された複数の半値幅データの2乗をそれぞれのピークの次数の4乗に対してプロットし、プロットされた点と点を結ぶことで、直線を作成し、該直線の傾き(ホーゼマンプロットの傾き)を求める。そして、ホーゼマンプロットの傾き=(πg2)/(ウエール間隔)の式に代入してウエール間隔の乱れ度データを算出する。
【0052】
品質評価データ特定部117は、ウエール間隔乱れ度データ算出部116によって求められたウエール間隔の乱れ度データ(測定データ)に対応する基準データを、基準データ記憶部201から特定し、特定されたウエール間隔の乱れ度データに対応付けられている品質評価データを求める。評価結果データ出力部118は、品質評価データ特定部117によって算出された被測定物となる布帛の品質評価データを評価結果データとして出力する。
【0053】
データ記憶部20は、例えばRAM13等により実現され、基準データ記憶部201を含む。基準データ記憶部201は、評価基準となる弾性糸を使用した布帛(第1の布帛)の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを用いて作成された基準データ(ウエール間隔の乱れ度データ)と、当該布帛(第1の布帛)の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する。
【0054】
基準データとは、画像データとして取り込まれた評価基準となる布帛(第1の布帛)の周期構造の乱れを示すウエール間隔の乱れ度データであり、被測定物となる弾性糸を使用した布帛(第2の布帛)の周期構造の乱れを示す測定データに対応付け可能なデータである。品質評価データとは、布帛について専門家による目視評価を基に作成された布帛の品質のランク又は等級等を示す品質等級データを含んでいる。基準データと品質評価データは、RAM13等にテーブル形式で対応付けられている。
【0055】
プログラム記憶部30は、例えば記録媒体ドライブ等で実現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体が装着される。記録媒体は各種の記録媒体で実現され、評価実行プログラムを記録している。なお,記録媒体から評価実行プログラムが読み取られ、当該プログラムがRAM13に記憶されている場合、RAM13がプログラム記憶部として機能する。
【0056】
本実施の形態では、CPU12等が高速フーリエ変換実行手段、ピークデータ算出手段、品質評価データ特定手段に相当し、RAM13等が基準データ記憶手段に相当する。
【0057】
次に、上記のように構成された評価装置1を用いた評価方法について詳細に説明する。まず、評価装置1が行う基準データ作成処理について説明する。図6は、評価装置1が行う基準データ作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、当該処理はCPU12等が評価実行プログラム等を実行することによって行われる基準データ作成処理である。
【0058】
まず、被測定物となる布帛(サンプル)をイメージスキャナで取り込む際の前準備として、専門家の目視評価により予め作成された品質等級が異なる弾性糸を使用した布帛(弾性糸44T、ナイロン44Tの経編み生地)を4種類(同一条件で製造された布帛であり、ウエール間隔の平均値が同一のもの)を用意し、ストレッチャーを使用してこれらに約20%のストレッチを与えて枠に固定し、イメージスキャナの読取部にセットしておく。この際、サンプルのセットが悪いとウエール間隔の乱れ度データの値が大きくなるので、できるだけ経糸がまっすぐかつ並行にならぶようにサンプルをセットする。
【0059】
本実施形態で使用されるサンプルとなる布帛は、カールマイヤー社製のトリコット編機(HKS2、仕掛幅180インチ、32ゲージ/インチ、2枚筬)を使用し、下記のような条件で生地(布帛)を編成したものである。使用筬として、F(フロント)筬とB(バック)筬とをそれぞれ使用し、前者(F(フロント)筬)は、編組織が10/23、使用糸種がナイロン44T−34F、ランナー(cm/Rack)が147.0であり、後者(B(バック)筬)は、編組織が12/10、使用糸種がエスパ44T、ランナー(cm/Rack)が85.0である。なお、エスパ44Tの整経ドラフトは100%である。上記の編成条件で得られた編地を精錬し、190℃,45秒でプレセットした。プレセット時の密度設定は、115コース/インチ、X60ウエール/インチとし、プレセット後に液流染色機を使用して100℃,30分の染色を行った。更にこの後、170℃,45秒のファイナルセットを行い、120コース/インチ,66ウエール/インチの密度に仕上げた。なお、生地の規格については、トリコット生地の場合の規格は、縦方向の密度(コース密度)(コース/インチで表現)、横密度(ウエール密度)(ウエール/インチで表現)である。
【0060】
図6に示すように、まず、ステップS1において、CPU12は、スキャナ等の画像データ読取部19から読み取られた被測定物となる布帛裏面の画像データの入力を受け付ける。ステップS1で画像データが受け付けられると、上述した図2(a)で示したように、表示部16に画像が表示され、この画像は縞模様が観察されるが、これが大きく蛇行しているとウエール間隔の乱れ度が大きくなるので、そのときはもう一度サンプルをセットし直してからステップS1の処理を行う。
【0061】
次に、ステップS2において、CPU12は、ステップS1で受け付けられた画像データに対して、画像全体の光度、明度やコントラスト調整等の編集処理を行う。本実施の形態では、編集処理として、次のステップS3で受け付けた画像データを高速フーリエ変換処理するので、ここでは、4096×4096ピクセルのサイズに変更する。特に、色調補正として、「明るさ」、「コントラスト」の値は経糸とその間隙の差がわかりやすいように値を設定する。なお、上記の4つのサンプル間で比較するため、この「明るさ」、「コントラスト」は、この4つのサンプルから得られた画像データに対して同じ値を用いる必要がある。また、FFT処理ができるように、画像データを高速フーリエ変換が使用できるデータ形式、例えばTIFF形式に変換しておく。
【0062】
次に、ステップS3において、CPU12は、ステップS2で編集処理された後の画像データに対して二次元高速フーリエ変換を実行し、当該画像データのパワースペクトルデータを算出する。このとき、図2(b)で示したような画像が表示部16に表示される。そして、ステップS4において、CPU12は、ステップS3で算出されたパワースペクトルデータから所定の周期位置における複数のピークデータを算出する。
【0063】
次に、ステップS5において、CPU12は、ステップS4で算出された複数のピークデータを基に各ピークの半値幅データを算出する。本実施の形態では、表示部16で、図3(a)〜(c)に示す1次と2次のピークデータに対する接線(a2とa1)を引き、これらのピークと接線とで囲まれた部分の面積(S2とS1)を算出し、各ピークの頂点から接線に垂線を下ろし、各ピークの高さ(h2とh1)を算出する。このように、1次と2次のピークの面積と高さを基に半値幅データを算出する。
【0064】
次に、ステップS6において、CPU12は、ステップS5で算出された半値幅データから所定の関係式を用いてウエール間隔の乱れ度データを算出する。このウエール間隔の乱れ度データの算出時に用いられる当該サンプルのウエール間隔は予め評価装置1に入力されている。このウエール間隔は、下記の計算式によって算出される。計算式は、ウエール間隔(mm)=25.4/300×r(1次の周期をピクセルで表わした値)で表わされるものである。
【0065】
次に、ステップS7において、CPU12は、ステップS6で算出されたウエール間隔の乱れ度データを当該サンプルの品質等級データに対応付けてRAM13に記憶させる。このステップS1〜S7までの処理を上記の4種類のサンプル全てについて行い、CPU12が行う一連の基準データ作成処理を終了する。
【0066】
つづいて、本発明に係る評価装置1が行う評価処理について説明する。図7は、評価装置1のCPU12等が行う評価処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す被測定物となる弾性糸を使用した布帛の評価処理は、CPU12等が評価実行プログラム等を実行することによって行われる処理である。
【0067】
ここでも、被測定物となる布帛(第2の布帛)をイメージスキャナで取り込む際の前準備として、上述した図6の手順と同様に、被測定物となる布帛をストレッチャーを使用してこれらに約20%のストレッチを与えて枠に固定しておく。また、予め被測定物となる布帛のウエール間隔を測定しておき、入力部15等から入力し、RAM13等に記憶させておく。なお、上述したように、ウエール間隔は、ウエール間隔(mm)=25.4/300×r(1次の周期をピクセルで表わした値)で表わされる。
【0068】
図7に示すように、まず、ステップS11において、CPU12は、スキャナ等の画像データ読取部19から読み取られた被測定物となる布帛の画像データの入力を受け付ける。このとき、ステップS11で受け付けられた画像データがモニタ上に縞模様の画像として表示されるが、上述した理由と同様に、操作者はこの縞模様が大きく蛇行していないかどうかを確認しておく。
【0069】
次に,ステップS12において、CPU12は、ステップS11で受け付けられた画像データに対して、画像全体の光度、明度やコントラストの調節等の編集処理を行う。この際、RAM13に記憶されているウエール間隔の乱れ度データを算出した際の同じ設定値で画像の編集処理を行う。また、次のステップS13で高速フーリエ変換を実行するため、画像データのデータ形式を、例えばTIFF形式等に変換しておく。
【0070】
次に、ステップS13において、CPU12は、ステップS12で編集処理された後の画像に対して2次元高速フーリエ変換を実行してパワースペクトルデータを算出する。この2次元高速フーリエ変換実行後の画像も必要に応じて明るさやコントラストを調整し、また、このパワースペクトルデータのピークが分かり易いように画像のノイズを減らしておく。
【0071】
次に、ステップS14において、CPU12は、ステップS13で得られたパワースペクトルデータを基に所定の周期位置における複数のピークデータを算出する。表示部16に表示される右側のピークから左側のピークにかけて0次ピーク、1次ピーク、2次ピーク、・・・とし、この1次ピークと2次ピークが、後述のステップS15において、半値幅データを算出する際に用いられる。
【0072】
次に、ステップS15において、CPU12は、ステップS14で算出された複数の所定の周期位置(ここでは、1次ピークと2次ピーク)におけるピークデータから半値幅データを算出する。半値幅データの算出方法については、図3の手法と同様のため、ここでは説明を省略する。
【0073】
次に、ステップS16において、CPU12は、ステップS15で算出された半値幅データからを基に所定の関係式を用いてウエール間隔の乱れ度データを算出する。具体的には、布帛のウエール間隔と半値幅データとを用いてホーゼマンプロットの傾きを求め、これらの関係式に含まれているウエール間隔の乱れ度を求める。
【0074】
次に、ステップS17において、CPU12は、ステップS16で算出された被測定物となる布帛のウエール間隔の乱れ度データに対応する基準データをRAM13から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質等級データを求める。次に、ステップS18において、CPU12は、ステップS17で求められた品質等級データを評価結果データとしてモニタ等に出力し、CPU12が行う一連の評価実行処理を終了させる。
【0075】
このように、専門家等の目視評価であるサンプル布帛の品質等級を示す品質等級データと、イメージスキャナ等により読み取られた画像データを基に得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを用いて算出された当該布帛のウエール間隔の乱れ度データとが基準データとして対応付けてRAM等に記憶されているため、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータからウエール間隔の乱れ度データを得て、このデータに対応するRAM13等に記憶されている基準データを特定し、この基準データに対応付けられている品質等級データを求めることで、被測定物となる布帛の品質評価を容易かつ定量的に行うことができる。
【0076】
また、例えば、経編み等で編まれた布帛におけるウエール間隔の斑が同じ程度であっても布帛中に含まれる他の素材との組み合わせによってストリークが目立つ場合と目立たない場合にも、画像の周期構造の解析が可能な高速フーリエ変換を用いて布帛の画像データのパワースペクトルデータを基に周期構造の乱れをウエール間隔の乱れ度として求めることができるので、熟練を要する専門家等の目視評価に頼らずとも、被測定物となる布帛の品質評価を容易かつ定量的に行うことができる。
【0077】
また、被測定物となる布帛の画像に対する2次元高速フーリエ変換の実行により求められたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に算出されたウエール間隔の乱れ度に対応する布帛の品質等級から布帛の品質評価を行っているため、1次元高速フーリエ変換の実行により得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に算出されたものから布帛の品質評価を行う場合に比べて、布帛の品質等級の定量評価をより高精度で行うことができる。
【0078】
つづいて、本発明に係る評価装置1を用いた応用例として、本発明に係る評価システムについて詳細に説明する。
【0079】
図8は、本発明に係る評価システムの構成図の一例である。本発明に係る評価システムは、インターネット等のネットワーク上に設置されたサーバ装置100(評価装置1に相当する。)と、当該ネットワークを介して通信可能に接続されたクライアント端末装置200とから構成される。
【0080】
サーバ装置100は、本発明に係る評価実行プログラムを備えたサーバコンピュータ等であり、ネットワークを介してクライアント端末装置200とデータ通信を行ない、評価実行プログラムに基づいてクライアント端末装置200から受信した被測定物となる布帛の画像データを基に当該布帛の品質等級を評価する。
【0081】
次に、サーバ装置100のハードウエア構成について説明する。サーバ装置100は、ROM101、CPU102、RAM103、外部記憶装置104及び通信部105を含む。
【0082】
サーバコンピュータ内の上記の各ブロックは内部のバスに接続され、このバスを介して種々のデータ等がコンピュータ内部で入出力され、CPU102の制御の下、被測定物となる布帛の品質等級の評価を行うための種々の処理が実行される。
【0083】
CPU102は、ROM101から基本プログラム等を読み出すとともに、外部記憶装置104から評価実行プログラム等を読み出し、被測定物となる布帛の品質等級の評価を行うための評価処理等を実行する。なお、ROM101に基本プログラム等に加えて評価実行プログラムを記録しておいてもよく、この場合には、CPU102が、ROM101から基本プログラム等と評価実行プログラムを読み出し、被測定物となる布帛の品質等級の評価を行うための評価処理等を実行する。RAM103は、CPU102の作業領域等として用いられる。
【0084】
外部記憶装置104は、ハードディスクドライブ等の外部記憶装置から構成される。外部記憶装置104には、評価実行プログラムがインストールされているとともに、種々のプログラムが通常の方法によって予めインストールされている。
【0085】
通信部105は、モデムまたはルータ等から構成され、インターネット等のネットワークを介してクライアント端末装置200とのデータ通信を制御する。通信部105は、CPU102の制御下で、被測定物となる布帛の画像データをクライアント端末装置200から受信すると共に、当該布帛の品質等級データを評価結果データとしてクライアント端末装置200に送信する。
【0086】
本実施の形態では、CPU102が品質評価データ特定手段に相当し、CPU102及び通信部105が、画像データ受信手段及び評価結果データ受信手段に相当し、RAM103や外部記憶装置104が、基準データ記憶手段に相当する。
【0087】
クライアント端末装置200は、例えばポリウレタン弾性糸を使用した布帛等を製造する製造業者等により使用される端末装置である。クライアント端末装置200は、スキャナ等から読み込まれた被測定物となる弾性糸を使用した布帛の画像データの入力を受け付け、ネットワークを介してサーバ装置100と通信可能に接続されている。
【0088】
クライアント端末装置200のハードウエア構成について説明する。クライアント端末装置200は、通常のパーソナルコンピュータ等から構成され、ROM201、CPU202、RAM203、外部記憶装置204、入力部205、表示部206、記録媒体駆動装置207、A/D変換器208及び通信部209を含む。
【0089】
コンピュータ内の上記の各ブロックは内部のバスに接続され、このバスを介して種々のデータ等がコンピュータ内部で入出力され、CPU202の制御の下、種々の処理が実行される。
【0090】
ROM201には、コンピュータを動作させるための基本プログラム等が予め記憶されている。RAM203は、CPU202の作業領域等として用いられる。記録媒体207aは、コンピュータ読み出し可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等から構成される。これらには、イメージスキャナ等から読み取られた布帛の画像データの入力受付を行うためのプログラム等が記憶されている。
【0091】
記録媒体駆動装置207は、CD−ROMドライブやDVD−ROMドライブ等から構成され、CPU202の制御の下、記録媒体207aから布帛の画像データの入力受付を行うためのプログラム等を読み出し、外部記憶装置204にインストールされる。
【0092】
なお、記録媒体207aは、上記の例に特に限定されず、DVD−ROMドライブ、フレキシブルディスクドライブ等の他の記録媒体駆動装置が付加されている場合、DVD、フレキシブルディスク等の他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて上記プログラム等を外部記憶装置204にインストールするようにしてもよい。
【0093】
外部記憶装置204は、ハードディスクドライブ等の外部記憶装置から構成される。外部記憶装置204には、上記のようにしてイメージスキャナ等から読み取られた布帛の画像データの入力受付を行うためのプログラムがインストールされるとともに、種々のプログラムが通常の方法によって予めインストールされている。
【0094】
CPU202は、ROM201から基本プログラム等を読み出すとともに、外部記憶装置204からスキャナ等から読み取られた布帛の画像データの入力受付を行うためのプログラム等を読み出し、当該プログラム等を実行する。なお、ROM201に基本プログラム等に加えてスキャナ等から読み出された画像データの入力受付プログラムを記録しておいてもよく、この場合には、CPU202が、ROM201から基本プログラム等と上記プログラムを読み出し、スキャナ等により読み取られた布帛の画像データの入力受付処理を実行する。
【0095】
入力部205は、キーボード及びマウス等から構成され、本実施の形態では、主にマウスを用いて操作者の操作に応じた種々の指令等が入力される。表示部206は、CRT(陰極線管)又は液晶表示装置等から構成され、CPU202の制御の下、スキャナ等を介して入力受付された被測定物となる布帛の画像データ及びサーバ装置100から受信した評価結果データ等の種々の画面を静止画又は動画によって表示する。
【0096】
A/D変換器208は、画像データ読取部209により読み取られた被測定物となる布帛の画像データのアナログ信号をディジタル信号に変換する。なお、アナログ信号をディジタル信号に変換する必要のない場合には、A/D変換器208ではなく、インターフェイス回路を用いてもよい。
【0097】
通信部209は、モデムまたはルータ等から構成され、インターネット等のネットワークを介してサーバ装置100とのデータ通信を制御する。通信部209は、CPU202の制御下で、被測定物となる弾性糸を使用する布帛の画像データをサーバ装置100に送信すると共に、当該布帛の品質等級データを評価結果データとしてサーバ装置100から受信する。
【0098】
本実施の形態では、CPU102が品質評価データ特定手段に相当し、CPU102及び通信部105等が画像データ受信手段、評価結果データ送信手段に相当し、RAM103等が基準データ記憶手段に相当する。
【0099】
なお、サーバ装置100とクライアント端末装置200との機能構成を示す機能ブロック図の説明は省略する。
【0100】
図9は、本発明に係る評価システムにおける弾性糸を使用した布帛の品質評価処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9に示す弾性糸を使用した布帛の品質評価処理は、サーバ装置100側のCPU102によって行なわれる処理をSA、クライアント端末装置200側のCPU202によって行なわれる処理をSBとして時系列で示している。
【0101】
図9に示すように、まず、ステップSB1において、CPU202は、イメージスキャナ等から読み取られた被測定物となる布帛裏面の画像データの入力を受け付ける。ステップSB1で画像データが受け付けられると、モニタ上に縞模様の画像が観察されるが、これが大きく蛇行しているとウエール間隔の乱れ度が大きくなるので、そのときはもう一度サンプルをセットし直してからステップSB1の処理を行う。次に、ステップSB2において、CPU202は、通信部209を介して、ステップSB1で受け付けた布帛裏面の画像データをサーバ装置100に送信する。
【0102】
次に、ステップSA1において、CPU102は、通信部105を介して、ステップSB2で送信された布帛裏面の画像データをクライアント端末装置200から受信する。ステップSA1で受信した画像データがモニタ上に縞模様の画像として観察されるが、上述した理由と同様に、この縞模様が大きく蛇行していないかどうかを確認してから次のステップSA2に進む。
【0103】
次に,ステップSA2において、CPU102は、ステップSA1で受信した画像データに対して、画像全体の光度、明度やコントラストの調節等の編集処理を行う。この際、RAM103に記憶されているウエール間隔の乱れ度データを算出した際と同じ設定値で画像の編集処理を行う。また、次のステップSA3でFFTを実行するため、例えばTIFF形式等にデータ形式を変換しておく。
【0104】
次に、ステップSA3において、CPU102は、ステップSA2で編集処理された後の画像に対して2次元高速フーリエ変換を実行してパワースペクトルデータを算出する。この2次元高速フーリエ変換実行後の画像も必要に応じて明るさやコントラストを調整し、またピークが分かり易いように画像のノイズを減らしておく。
【0105】
次に、ステップSA4において、CPU102は、ステップSA3で抽出されたパワースペクトルデータから複数の所定の周期位置におけるピークデータ(ここでは1次ピークと2次ピークデータ)を算出する。次に、ステップSA5において、CPU102は、ステップSA4で算出された複数の所定の周期位置におけるピークデータを基に各ピークの半値幅データを算出する。次に、ステップSA6において、CPU102は、ステップSA5で算出された半値幅データからを基に所定の関係式を用いてウエール間隔の乱れ度データを算出する。
【0106】
次に、ステップSA7において、CPU102は、ステップSA6で算出された被測定物となる布帛のウエール間隔の乱れ度データに対応する評価基準となる布帛の基準データをRAM103から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質等級データを求める。次に、ステップSA8において、CPU102は、ステップSA7で求められた品質等級データを評価結果データとして出力し、ステップSA9において、CPU102は、ステップSA8で出力された評価結果データをクライアント端末装置200に送信し、CPU102が行う一連の品質評価処理を終了する。
【0107】
次に、ステップSB3において、CPU202は、通信部209を介して、ステップSA9で送信された評価結果データをサーバ装置100から受信し、CPU202が行う一連の品質評価処理を終了する。
【0108】
このように、クライアント端末装置から、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の所定の箇所における画像データがサーバ装置に送信されれば、サーバ装置側で、この画像データを基に作成されたウエール間隔の乱れ度データ(測定データ)を予め記憶されている基準データと対応させて当該布帛の品質の評価が行なわれ、評価された結果が評価結果としてクライアント端末装置に送られてくるため、評価したい対象となる布帛についてわざわざ熟練を要する専門家等による目視評価を依頼しなくても、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の品質評価を容易かつ定量的に行うことができる。
【0109】
なお、本実施形態では、図1、図5に示すように、弾性糸を使用した布帛の画像からパワースペクトルデータを得るための高速フーリエ変換処理を行うためのプログラムをコンピュータに記憶させているが、この例に限定されるものではなく、例えばFFT計測器とコンピュータとを接続する構成を採用し、FFT計測器で測定されたパワースペクトルデータを受けてコンピュータが品質の評価処理を行ってもよい。
【0110】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0111】
請求項2記載の発明によれば、弾性糸を使用した布帛の画像データに対して高速フーリエ変換が実行され、得られたパワースペクトルから複数のピークデータが算出され、算出された複数のピークデータを基に作成された測定データと基準データを対応させることで当該布帛の品質評価が行なわれるため、布帛の画像データから得られる布帛の周期構造に基づいて布帛の品質評価を行うことができる。
【0112】
請求項3記載の発明によれば、2次元高速フーリエ変換が実行されて布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータが算出されるため、1次元フーリエ変換法を用いる場合に比べて、布帛の周期構造に基づいたさらに精度の高い品質の評価を行うことができる。
【0113】
請求項4記載の発明によれば、基準データ記憶手段に、基準データと、布帛の目視評価を基に作成された品質等級データとが対応付けて記憶されているので、弾性糸を使用した布帛の品質評価を行うとき、基準データに対応する目視評価を基に作成された品質等級データが求められる。このように、専門家等による目視評価を基に作成された品質等級データと、基準データとが対応付けられているので、熟練を要する専門家による官能検査を行わずとも、これらの専門家による布帛の目視評価が反映された精度の高い品質の評価を行うことができる。
【0114】
請求項5記載の発明によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0115】
請求項6記載の発明によれば、被測定物となる布帛の画像データから得られたパワースペクトルの複数のピークデータを基に作成された測定データが得られ、この測定データに対応する評価基準となる基準データが予め品質評価データと対応付けて記憶されているので、熟練を要する専門家等の官能検査等に頼ることなく、被測定物となる布帛の品質を容易かつ定量的に評価することができる。
【0116】
請求項7記載の発明によれば、クライアント端末装置から、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の所定の箇所における画像データがサーバ装置に送信されれば、サーバ装置側で、この画像データを基に作成された測定データを予め記憶されている基準データと対応させて当該布帛の品質の評価が行なわれ、評価された結果が評価結果としてクライアント端末装置に送られてくるため、評価したい対象となる布帛についてわざわざ熟練を要する専門家等による目視評価を依頼しなくても、被測定物となる弾性糸を使用した布帛の品質評価を容易かつ定量的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る評価装置のハードウエア構成を示す図の一例である。
【図2】高速フーリエ変換の概念図を示す一例図であり、(a)はイメージスキャナ等により取り込まれた布帛裏面の画像データを示し、(b)は高速フーリエ変換の実行により得られたパワースペクトルを示す。
【図3】複数のピークにおける半値幅を求め方を説明するための図である。
【図4】布帛のウエール間隔乱れ度と品質評価との相関関係を示す一例図である。
【図5】図1に示す評価装置の機能構成を示す機能ブロック図のである。
【図6】本発明に係る評価装置が行う基準データ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る評価装置が行う被測定物となる布帛についての評価処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る評価システムの構成図の一例である。
【図9】本発明に係る評価システムにおいてクライアント端末装置及びサーバ装置によってそれぞれ行なわれる被測定物となる布帛の評価処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 評価装置(コンピュータ)
100 サーバ装置
200 クライアント端末装置
11,101,201 ROM
12,102,202 CPU
13,103,203 RAM
14,104,204 外部記憶装置
15,205 入力部
16,206 表示部
17,207 記録媒体駆動装置
18,208 A/D変換器
105,209 通信部
10 プログラム実行部
111 画像データ入力受付部
112 画像データ変換処理部
113 高速フーリエ変換実行部
114 ピークデータ算出部
115 半値幅データ算出部
116 ウエール間隔乱れ度データ算出部
117 品質評価データ特定部
118 評価結果データ出力部
20 データ記憶部
201 基準データ記憶部
30 プログラム記憶部
301 記録媒体

Claims (7)

  1. 被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価するためのプログラムであって、
    評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、
    被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする評価実行プログラム。
  2. 前記第2の布帛の画像データに対して高速フーリエ変換を実行する高速フーリエ変換実行手段と、前記高速フーリエ変換実行手段により得られた前記パワースペクトルデータから複数のピークデータを算出するピークデータ算出手段として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項1記載の評価実行プログラム。
  3. 前記高速フーリエ変換は、二次元フーリエ変換を含むことを特徴とする請求項2記載の評価実行プログラム。
  4. 前記品質評価データは、布帛の目視評価を基に作成された品質等級データを含み、
    前記基準データ記憶手段は、前記基準データと、前記品質等級データとを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の評価実行プログラム。
  5. 被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価する評価装置であって、
    評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、
    被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段と
    を備えることを特徴とする評価装置。
  6. 被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質を評価するための評価方法であって、
    評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶ステップと、
    被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする評価方法。
  7. クライアント端末装置と、被測定物から得られた画像データを用いて当該被測定物の品質の評価を行うサーバ装置とがネットワークを介して通信可能に接続された評価システムであって、
    前記サーバ装置は、
    評価基準となる弾性糸を使用した第1の布帛の画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した基準データと、当該第1の布帛の品質の評価を示す品質評価データとを対応付けて記憶する基準データ記憶手段と、
    被測定物となる弾性糸を使用した第2の布帛の所定の箇所における画像データを前記クライアント端末装置から受信する画像データ受信手段と、
    前記画像データから得られたパワースペクトルデータの複数のピークデータを基に作成した測定データに対応する基準データを、前記基準データ記憶手段から特定し、特定された基準データに対応付けられている品質評価データを求める品質評価データ特定手段と、
    前記品質評価データ算出手段により求められた品質評価データを評価結果データとして前記クライアント端末装置に送信する評価結果データ送信手段と
    を備えることを特徴とする評価システム。
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