JP2004037136A - パターン検査装置およびパターン検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】周期変動を有するパターンの欠陥を適切に検出する。
【解決手段】検査装置は、基板を撮像する撮像部2、撮像部2から画像信号が入力される検査出力部4およびコンピュータ5を有する。検査出力部4の画像メモリ41は撮像部2が取得した被検査画像を記憶し、コンピュータ5において、最大エントロピー法によるスペクトル解析により被検査画像中の複数の位置におけるパターン周期が高精度に算出される。画像メモリ41から被検査画像の各画素の値が比較検査部45およびTラインメモリ42に出力されると、Tラインメモリ42および1ラインメモリ43からそれぞれTラインおよび(T+1)ラインだけ離れた位置の画素値が少数補間演算部44に出力される。少数補間演算部44では、パターン周期に応じた線形補間により参照画素値が生成され、比較検査部45が被検査画像の画素値と参照画素値とを比較して欠陥判定が行われる。
【選択図】 図4
【解決手段】検査装置は、基板を撮像する撮像部2、撮像部2から画像信号が入力される検査出力部4およびコンピュータ5を有する。検査出力部4の画像メモリ41は撮像部2が取得した被検査画像を記憶し、コンピュータ5において、最大エントロピー法によるスペクトル解析により被検査画像中の複数の位置におけるパターン周期が高精度に算出される。画像メモリ41から被検査画像の各画素の値が比較検査部45およびTラインメモリ42に出力されると、Tラインメモリ42および1ラインメモリ43からそれぞれTラインおよび(T+1)ラインだけ離れた位置の画素値が少数補間演算部44に出力される。少数補間演算部44では、パターン周期に応じた線形補間により参照画素値が生成され、比較検査部45が被検査画像の画素値と参照画素値とを比較して欠陥判定が行われる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等に形成された周期性を有するパターンを検査する分野において、従来より主として多値画像による比較検査方式が用いられている。図1(a)は画像中の1ラインの画素値により被検査画像を模式的に示す図である。図1(a)に示すの被検査画像が取得された場合には、例えば、図1(b)に示すように被検査画像のパターンを周期の整数倍に対応する画素だけ遅延させたものが参照画像とされ、図1(c)に示すように被検査画像と参照画像との画素値の差の絶対値を示す画像(以下、「差分画像」という。)を求め、差分画像において所定のしきい値よりも大きな値を有する画素が欠陥として検出される。
【0003】
ところで、被検査画像のパターン周期は必ずしも画素の大きさの整数倍とはならないことから、被検査画像と参照画像との間で微小なずれが生じ、被検査画像において画素値が急激に変化するエッジ部92に対応する差分画像の画素92aの画素値が大きくなることがある。そして、場合によっては画素92aの画素値が図1(a)中の符号91を付す位置の欠陥画素91に対応する画素91aの画素値よりも大きくなり、欠陥が疑似検出されることとなる。そこで、特開平7−159343号公報では、図1(d)の被検査画像において、パターン周期の1画素以下の部分(すなわち、パターン周期を画素の大きさを単位とする整数部と小数部とに分けた場合の小数部)に対する補間演算を行い、図1(e)に示すような適切な参照画像を求める手法が開示されている。この手法により、被検査画像および参照画像から図1(f)に示す差分画像が求められ、エッジ部における欠陥の疑似検出が抑制される。
【0004】
また、特開平7−159344号公報では、自己相関関数を用いて精度よくパターン周期を求める手法が開示されている。この手法では、まず、図2(a)に示す被検査画像に対して第1の自己相関関数を求め、図2(b)に示すように、自己相関関数のピークに対応する画素数(シフト量とも呼ばれる。)P1が検出される。また、画素数P1に隣接する画素数P0,P2のうち自己相関関数の値がピーク値に近い画素数P0を特定し、画素数P0,P1の位置をそれぞれn倍した位置に挟まれる範囲において、第2の自己相関関数がさらに求められる。そして、求められた自己相関関数のピークに対応する画素数をnで除することにより、1/n画素単位でのパターン周期が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体ウエハ等の微細パターンの検査において被検査画像を取得する際には、電子ビームを用いた撮像が行われる場合があり、電子ビームによる撮像ではチャージアップによる画像の歪みが発生することがある。このような画像では、歪みが発生した位置において見かけ上のパターン周期が変化してしまう。また、シャドウマスクのパターンのように端部において局所的にパターンのピッチが変更される場合がある。
【0006】
一方、特開平7−159344号公報に開示された手法では、例えば、0.1画素単位で高精度にパターン周期を算出するには10周期に相当する被検査画像が必要となる。したがって、上記のようにパターン周期が局所的な範囲(例えば、パターン周期の数が9以下の範囲)において変化する場合には、その範囲における高精度なパターン周期を求めることが困難となる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、周期性を有する様々なパターンにおいて高精度に周期を算出し、欠陥を適切に検出することを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、対象物画像のデータを記憶する記憶部と、対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する周期データ取得手段と、最大エントロピー法によるスペクトル解析により周期データの周期を算出するする周期算出手段と、被検査画像中の被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する画素値生成手段と、被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン検査装置であって、前記周期データ取得手段が、被検査画像中に所定方向に並ぶ画素の値を加算することにより、前記所定方向に垂直な方向に関する周期を有するデータを生成する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン検査装置であって、周期データが有する周期の数が9以下である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン検査装置であって、前記画素値生成手段が、被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の3以上の画素から複数の画素を選択し、選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、対象物画像のデータを記憶する記憶部と、対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像のパターンの周期を算出するする周期算出手段と、被検査画像中の被検査画素から所定の距離だけ離れた位置近傍の3以上の画素の値を取得する画素値取得手段と、前記周期算出手段により求められた周期に基づいて取得された3以上の画素のうち複数の画素を選択する選択手段と、選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成する画素値生成手段と、被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段とを備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のパターン検査装置であって、前記画素値取得手段が、被検査画像の画素値が順次入力される複数のラインメモリであり、前記選択手段が、前記複数のラインメモリからの出力のうちの2つを選択する選択回路である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査方法であって、対象物から取得された多階調の対象物画像のデータを準備する工程と、前記対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する工程と、最大エントロピー法によるスペクトル解析により前記周期データの周期を算出する工程と、前記被検査画像中の被検査画素から前記周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する工程と、前記被検査画素の値と前記参照画素値とを比較することにより判定を行う工程とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る検査装置1の構成を示す図である。検査装置1は、半導体基板(以下、「基板」という。)9上の周期性を有するパターンを検査する装置であり、基板9上の所定の領域を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部2、基板9を保持するステージ3、および、撮像部2に対してステージ3を相対的に移動するステージ駆動部31を有する。
【0016】
撮像部2は、照明光を出射する照明部21、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する光学系22、および、光学系22により結像された基板9の像を電気信号に変換する撮像デバイス23を有する。ステージ駆動部31はステージ3を図3中のX方向に移動するX方向移動機構32、および、Y方向に移動するY方向移動機構33を有する。X方向移動機構32はモータ321にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ321が回転することにより、Y方向移動機構33がガイドレール322に沿って図3中のX方向に移動する。Y方向移動機構33もX方向移動機構32と同様の構成となっており、モータ331が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール332に沿ってY方向に移動する。
【0017】
検査装置1は、電気的回路により構成される検査出力部4、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5さらに有する。検査出力部4は撮像部2から対象物画像を示すデータを取得して画素毎に欠陥の判定を行い、コンピュータ5は、欠陥の判定に利用されるパターン周期の算出を行うとともに、検査装置1の他の構成を制御する制御部としての役割を担う。
【0018】
図4は検査出力部4の構成およびコンピュータ5のCPUがメモリ中のプログラムに従って演算処理を行うことにより実現される機能構成を示す図である。また、図5は検査装置1が被検査画像に対する欠陥の判定を行う処理の流れを示す図である。以下、検査出力部4の構成およびコンピュータ5の機能構成について説明しつつ、検査装置1が欠陥の判定を行う処理について説明を行う。
【0019】
検査装置1では、コンピュータ5がステージ駆動部31を制御して撮像部2の撮像位置を基板9上の所定の位置(例えば、LSIのパターン中の周期性を有するセル領域上の位置)へと相対的に移動し、撮像部2によって撮像された対象物画像のデータが検査出力部4の画像メモリ41に記憶されて準備される(ステップS11)。画像メモリ41では対象物画像中の検査対象領域が被検査画像として取扱可能に特定される。例えば、図6(a)に示す対象物画像61のデータが撮像部2により取得され、対象物画像61の一部である被検査画像62が特定される。なお、図6(a)では被検査画像62のみにパターンを付しており、被検査画像62は図6(a)中のY方向に周期性を有した画像であるものとする。また、以下の説明では、被検査画像62のパターンのY方向に対する周期は一定ではなく、僅かに変化しているものとする。
【0020】
続いて、コンピュータ5の各機能構成により実現される周期算出処理により、被検査画像62中のパターンの複数の周期(すなわち、Y方向に対する複数の位置おけるパターン周期)が求められ、コンピュータ5の記憶部53に周期テーブル531として記憶される(ステップS12)。なお、ステップS12における周期算出処理については、欠陥判定処理の説明後に詳述する。
【0021】
周期テーブル531が作成されると、被検査画像62の画素値が画像メモリ41からTラインメモリ42および比較検査部45に順次出力される。ただし、被検査画像62の画素値は、図6(a)中のX方向に並ぶ画素群(以下、「ライン」という。)のうち(−Y)側のラインの画素値が(−X)側から(+X)側に向かって順に出力され、1ライン分の画素値の出力が終了する毎に(+Y)側に隣接する次のラインの画素値が(−X)側から(+X)側に向かって順次出力されるものとする。
【0022】
Tラインメモリ42は、Tライン分に相当する画素値を記憶するラインメモリであり、Tライン分を超える画素値がTラインメモリ42へと入力されると、最初に入力された画素値が少数補間演算部44および1ラインメモリ43へと順次出力される。1ラインメモリ43ではTラインメモリ42から入力された画素値が1ライン分だけ蓄積され、1ラインメモリ43から少数補間演算部44へと画素値が出力される。
【0023】
これにより、画像メモリ41から順次出力される被検査画像62の画素値をTラインだけ遅延した画素値、および、(T+1)ラインだけ遅延した画素値が、それぞれTラインメモリ42および1ラインメモリ43から少数補間演算部44に入力される。換言すれば、画像メモリ41から1つの画素値が出力される際に、Tライン先行して画像メモリ41から出力された画素値、および(T+1)ライン先行して画像メモリ41から出力された画素値が複数のラインメモリを用いて取得され、少数補間演算部44に入力される。
【0024】
例えば、Tラインメモリ42が26ライン分の画素値を記憶する場合には、画像メモリ41から出力される画素値よりも26ラインだけ先行して出力された画素値および27ラインだけ先行して出力された画素値がそれぞれTラインメモリ42および1ラインメモリ43から少数補間演算部44に入力される。
【0025】
なお、Tラインメモリ42のライン数Tは、コンピュータ5により求められるパターン周期がT画素から(T+1)画素の間(すなわち、T画素分の長さから(T+1)画素分の長さの間)であることを前提として設定されている。
【0026】
一方、記憶部53の周期テーブル531では、パターン周期が画素の大きさを単位とする整数部と、画素の大きさによる剰余である小数部とに分けられている。被検査画像62中の1つの画素が特定されて1つの画素値が画像メモリ41から出力される際には(ステップS13)、画素値に対応するパターン周期の小数部が周期テーブル531から取り出されて少数補間演算部44に入力される(ステップS14)。例えば、周期テーブル531中の対応するパターン周期が26.6画素である場合には、少数補間演算部44にパターン周期の小数部である0.6画素を示すデータが入力される。
【0027】
少数補間演算部44では、Tラインメモリ42からの画素値および1ラインメモリ43からの画素値が小数部に基づいて線形補間され、参照画素値が生成される(ステップS15)。上記例の場合、被検査画像62の画素から26ラインだけ離れた画素の値と27ラインだけ離れた画素の値とを2対3の割合で足し合わせて26.6ライン離れた画素の値が参照画素値として生成される。参照画素値は比較検査部45へと出力される。
【0028】
比較検査部45は、被検査画像62の画素値と参照画素値とから差分絶対値を求め(ステップS16)、予め設定されたしきい値に基づいて、欠陥または非欠陥(すなわち、正常)の判定が行われる(ステップS17)。判定結果はコンピュータ5へと出力され、記憶部53に記憶される。
【0029】
以上の処理が画像メモリ41から順次出力される各画素値に対して繰り返され(ステップS18)、検査装置1では被検査画像62の各画素に対する欠陥の判定結果が検査結果データ532として記憶部53に記憶される。なお、検査結果は欠陥または非欠陥を示す2値化画像としてコンピュータ5の表示部に表示されてもよい。
【0030】
次に、前述のステップS12における周期算出処理について説明を行う。図7は検査装置1の周期算出処理の流れを示す図である。
【0031】
まず、被検査画像62のデータが画像メモリ41からコンピュータ5に出力され、コンピュータ5の周期データ取得部51において、被検査画像62のライン方向に並ぶ画素の画素値を加算することにより、ライン方向に垂直な方向に関する周期を有する周期データが生成される(ステップS21)。例えば、図6(b)に示すように被検査画像62の各画素値をライン方向(すなわち、X方向)に足し合わせることにより、パターンの周期に対応した周期を有する周期データ63が生成される。これにより、被検査画像62のノイズ等の影響を低減した周期データ63が生成される。なお、前述のように被検査画像62はY方向に関してパターン周期が僅かに変動しており(局所的な変動であってもよい。)、周期データ63においても周期が僅かに変動している。
【0032】
被検査画像62には、予めパターン周期を求める際の基準となるラインが数ライン毎に複数定められており、周期データ63が生成されると、周期算出部52においてパターン周期を算出するための1つのラインが特定される(ステップS22)。さらに、特定されたライン近傍の予め決められた範囲(例えば、3〜4周期に相当する範囲)が周期データ63から抽出され、周期算出部52は最大エントロピー法によるスペクトル解析により特定されたライン近傍のパターン周期を算出する(ステップS23,S24)。
【0033】
最大エントロピー法によるスペクトル解析とは、有限な測定データから、それだけでは測定不可能な大きなラグをもつ自己相関関数を、情報エントロピーが最大となるように推定することにより、スペクトル推定を行うことである。この解析手法では、時系列データに対して自己回帰モデルを仮定し、時系列データの自己相関関数を用いて自己回帰モデルの係数を求め、求められた係数を用いてスペクトル推定(パワースペクトルの算出)が行われる。最大エントロピー法によるスペクトル解析の基本原理は1967年にBurgにより提案され、その後、様々な研究がなされている。
【0034】
例えば、N. Andersenによる「On the Calculation of Filter Coefficients for Maximum Entropy Spectral Analysis」(Geophysics, Vol.39, No.1(February 1974), P.69−72)には、自己回帰モデルの係数を効率よく求める手法が開示されている。
【0035】
また、パワースペクトルを求める際、自己回帰モデルの次数の決定がスペクトル推定の精度に大きく影響する。そこで、例えば、Hirotugu Akaikeによる「Fitting Autoregressive Models for Prediction」(Ann. Inst. Statist. Math., Vol.21, pp243−pp249(1969a))では、自己回帰モデルの次数を、FPE(Final Prediction Error)が最小となるように決定する手法が紹介されている。
【0036】
図8(a)ないし(e)は、最大エントロピー法によるスペクトル解析の一例を示す図である。図8(a)に示すように余弦波にノイズを付加したような波形(時系列データ)に対しては、図8(b)に示すFPEのグラフが求められる。図8(b)のグラフにおいて、横軸は自己回帰モデルの次数を示し、縦軸はFPEを示す。図8(c)は図8(b)の一部を縦軸方向に拡大して示す図であり、FPEが最小となる次数m1が最適な次数として決定される様子を示している(ステップS23)。続いて、求められた次数m1を適用することにより、図8(d)に示すパワースペクトルP(f)が得られる。図8(e)は図8(d)の一部を横軸方向に拡大し、縦軸方向に縮小して上方向に移動した図である。図8(e)に示すように、パワースペクトルP(f)が最大となる周波数f1から図8(a)の波形の周期が求められる(ステップS24)。
【0037】
以上のように、最大エントロピー法によるスペクトル解析では有限区間から正確にパワースペクトルを求めることができる。パワースペクトルは連続関数として求められるため、無限のピーク分解能を有し、さらに、周期データ63がノイズや撮像時の輝度変動等の影響を受けている場合であっても、高精度に周期を求めることができる。また、最大エントロピー法によるスペクトル解析では、周期データ63中の9周期以下に相当する範囲のデータであっても、高精度なパターン周期を算出することができる。なお、周期データ63中の1周期以下に相当する範囲のデータによりパターン周期を求めることも可能であるが、経験的には3〜4周期に相当する範囲のデータにより、安定して高精度なパターン周期を求めることができる。
【0038】
1つのラインを基準とするパターン周期が求められると、周期テーブル531にパターン周期がラインの位置(Y座標)(または、パターン周期が適用されるY座標の範囲)とともに書き込まれる(ステップS25)。コンピュータ5は、次にパターン周期を求める基準となるラインが存在するか否かを確認し、存在する場合にはステップS22〜S25を繰返す。全ての求められるべきパターン周期が取得されると、図5のステップS13へと進む(ステップS26)。なお、全てのラインがパターン周期を求める際の基準とされてもよい。
【0039】
以上のように、検査装置1では最大エントロピー法によるスペクトル解析により、被検査画像62のノイズの影響や撮像時に輝度の変動等が生じた場合であっても、被検査画像62中のパターン周期が高精度に求められる。また、検査装置1では周期データ63中の数周期に対応するデータのみでパターン周期の算出が可能であるため、被検査画像62中のパターンの周期が被検査画像62中の様々な位置で異なる(あるいは、局所的に変動している)場合であっても、被検査画像62中の(Y方向に関する)複数の位置におけるパターン周期を高精度に求めることができる。その結果、参照画素値の生成および欠陥判定が適切に行われ、欠陥の疑似検出を抑制することができる。
【0040】
図9は本発明の第2の実施の形態に係る検査装置1の検査出力部4aの構成を示す図である。図9に示す検査出力部4aでは、3つの1ラインメモリ43a,43b,43cおよび選択回路であるマルチプレクサ46が設けられる。他の構成は第1の実施の形態と同様であり、同符号を付している。
【0041】
検査出力部4aを有する検査装置1が欠陥判定の処理を行う際には、まず、第1の実施の形態と同様に、被検査画像を含む対象物画像のデータが画像メモリ41に保存され、周期テーブル531が作成される(図4参照)。
【0042】
周期テーブル531が作成されると、画像メモリ41に記憶された被検査画像の画素値がTラインメモリ42および比較検査部45に出力され、Tライン分の画素値がTラインメモリ42に記憶される。さらに、第1の実施の形態と同様に、1ラインメモリ43aに1ライン分の画素値が記憶されるとともに、1ラインメモリ43bおよび1ラインメモリ43cにも、それぞれ1ライン分の画素値が記憶される。
【0043】
これにより、画像メモリ41から出力される被検査画像の画素値に対して、Tラインだけ先行して画像メモリ41から出力された画素値がTラインメモリ42から出力され、(T+1)ライン、(T+2)ラインおよび(T+3)ラインだけ先行して出力された画素値が1ラインメモリ43a,43b,43cからそれぞれマルチプレクサ46に出力される。換言すれば、検査対象となる画素からTライン、(T+1)ライン、(T+2)ラインおよび(T+3)ラインだけ離れた位置の画素の値が複数のラインメモリにより取得されてマルチプレクサ46に入力される。
【0044】
マルチプレクサ46には、画像メモリ41から出力された画素値に対応するパターン周期の整数部を示すデータが、コンピュータ5の周期テーブル531から入力され、マルチプレクサ46は入力されたデータに基づいて、Tラインメモリ42および1ラインメモリ43a〜43cからの4つの画素値のうち2つを選択する。具体的には、周期テーブル531が示すパターン周期が26.6画素であり、Tラインメモリ42が24ライン分の画素値を記憶する場合には、マルチプレクサ46は、1ラインメモリ43bから出力された画素値(画像メモリ41からの画素値から26ライン分離れた位置の画素値)、および、1ラインメモリ43cから出力された画素値(画像メモリ41からの画素値から27ライン分離れた位置の画素値)を選択し、選択された2つの画素値が少数補間演算部44へと出力される。
【0045】
少数補間演算部44では、第1の実施の形態と同様に、入力された画素値を線形補間して参照画素値を求め、比較検査部45へと出力する。比較検査部45において、画像メモリ41から出力された被検査画像62の画素値と参照画素値との差分絶対値が算出され、所定のしきい値に基づいて欠陥の判定が行われる。
【0046】
以上のように、第2の実施の形態に係る検査装置1では、画像メモリ41から出力される画素値に対応する画素の位置からパターン周期だけ離れた位置近傍の画素値を出力するTラインメモリ42および複数の1ラインメモリ43a〜43cを有し、パターン周期に基づいてこれらのラインメモリからの複数の画素値の一部が選択され、選択された画素値を補間して参照画素値が生成される。これにより、被検査画像の周期の変動が1画素以上であっても対応する参照画素値を生成することができ、適切な欠陥判定を行うことができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0048】
例えば、検査出力部4の各構成はコンピュータ5によりソフトウェア的に実現されてもよい。この場合、判定の前に被検査画像の各画素に対応する参照画素値を求めて参照画像を生成し、被検査画像と参照画像との差分画像に基づいて各画素の欠陥の判定が行われてもよい。
【0049】
周期データ63は、必ずしもライン方向に並ぶ全ての画素を足し合わせることにより生成される必要はなく、一部の画素が足し合わされるだけであってもよい。また、ノイズ等の影響がない適切な被検査画像のデータが撮像部2により取得される場合には、ライン方向に垂直な方向に並ぶ一列の画素群の画素値が周期データとされてもよい。さらに、ノイズ成分を取り除く等のために画像処理した被検査画像に基づいて周期データ63が生成されてもよい。このように、周期データ63は被検査画像の周期に応じた周期を有するものであれば様々な手法により生成されてよい。
【0050】
上記第2の実施の形態では、4つの画素値がマルチプレクサ46に入力されるが、マルチプレクサ46に入力される画素値の数はパターン周期の変動の程度に応じて3以上の任意の数とされてよい。
【0051】
少数補間演算部44では線形補間以外の補間処理が行われてもよく、参照画素値は3以上の画素値を補間することにより求められてもよい。この場合、第2の実施の形態ではマルチプレクサ46により3以上の画素値の選択が行われる。さらに、参照画素値は、検査対象となる画素からパターン周期のn倍(ただし、nは整数)だけ離れた位置近傍の複数の画素値から求められてもよい。その場合、例えば、第1の実施の形態においてTラインメモリ42は(T×n)ライン分のラインメモリに置き換えられる。
【0052】
上記実施の形態では、半導体の基板9に対して欠陥検査が行われるが、検査装置1は、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等に形成された周期性を有するパターンの検査にも利用することができる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1ないし4、並びに、請求項7の発明では、最大エントロピー法によるスペクトル解析により高精度にパターンの周期が求められ、適切な欠陥判定を行うことができる。また、請求項2の発明では、適切な周期データが生成される。
【0054】
請求項4ないし6の発明では、周期の変動が1画素以上である被検査画像の各画素値に対する参照画素値を生成することができ、適切な欠陥判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(d)は被検査画像を示す図であり、(b)および(e)は参照画像を示す図であり、(c)および(f)は差分画像を示す図である。
【図2】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)は自己相関関数を示す図である。
【図3】検査装置の概略構成を示す図である。
【図4】検査出力部の構成およびコンピュータの機能構成を示す図である。
【図5】欠陥判定の処理の流れを示す図である。
【図6】(a)は対象物画像を示す図であり、(b)は周期データが生成される様子を説明するための図である。
【図7】周期算出処理の流れを示す図である。
【図8】(a)ないし(e)は最大エントロピー法によるスペクトル解析により周期が算出される様子を説明するための図である。
【図9】第2の実施の形態に係る検査出力部を示す図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 撮像部
9 基板
41 画像メモリ
51 周期データ取得部
52 周期算出部
61 対象物画像
62 被検査画像
63 周期データ
42 Tラインメモリ
43,43a〜43c 1ラインメモリ
44 少数補間演算部
45 比較検査部
46 マルチプレクサ
S11,S15〜S17,S21,S24,S25 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等に形成された周期性を有するパターンを検査する分野において、従来より主として多値画像による比較検査方式が用いられている。図1(a)は画像中の1ラインの画素値により被検査画像を模式的に示す図である。図1(a)に示すの被検査画像が取得された場合には、例えば、図1(b)に示すように被検査画像のパターンを周期の整数倍に対応する画素だけ遅延させたものが参照画像とされ、図1(c)に示すように被検査画像と参照画像との画素値の差の絶対値を示す画像(以下、「差分画像」という。)を求め、差分画像において所定のしきい値よりも大きな値を有する画素が欠陥として検出される。
【0003】
ところで、被検査画像のパターン周期は必ずしも画素の大きさの整数倍とはならないことから、被検査画像と参照画像との間で微小なずれが生じ、被検査画像において画素値が急激に変化するエッジ部92に対応する差分画像の画素92aの画素値が大きくなることがある。そして、場合によっては画素92aの画素値が図1(a)中の符号91を付す位置の欠陥画素91に対応する画素91aの画素値よりも大きくなり、欠陥が疑似検出されることとなる。そこで、特開平7−159343号公報では、図1(d)の被検査画像において、パターン周期の1画素以下の部分(すなわち、パターン周期を画素の大きさを単位とする整数部と小数部とに分けた場合の小数部)に対する補間演算を行い、図1(e)に示すような適切な参照画像を求める手法が開示されている。この手法により、被検査画像および参照画像から図1(f)に示す差分画像が求められ、エッジ部における欠陥の疑似検出が抑制される。
【0004】
また、特開平7−159344号公報では、自己相関関数を用いて精度よくパターン周期を求める手法が開示されている。この手法では、まず、図2(a)に示す被検査画像に対して第1の自己相関関数を求め、図2(b)に示すように、自己相関関数のピークに対応する画素数(シフト量とも呼ばれる。)P1が検出される。また、画素数P1に隣接する画素数P0,P2のうち自己相関関数の値がピーク値に近い画素数P0を特定し、画素数P0,P1の位置をそれぞれn倍した位置に挟まれる範囲において、第2の自己相関関数がさらに求められる。そして、求められた自己相関関数のピークに対応する画素数をnで除することにより、1/n画素単位でのパターン周期が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体ウエハ等の微細パターンの検査において被検査画像を取得する際には、電子ビームを用いた撮像が行われる場合があり、電子ビームによる撮像ではチャージアップによる画像の歪みが発生することがある。このような画像では、歪みが発生した位置において見かけ上のパターン周期が変化してしまう。また、シャドウマスクのパターンのように端部において局所的にパターンのピッチが変更される場合がある。
【0006】
一方、特開平7−159344号公報に開示された手法では、例えば、0.1画素単位で高精度にパターン周期を算出するには10周期に相当する被検査画像が必要となる。したがって、上記のようにパターン周期が局所的な範囲(例えば、パターン周期の数が9以下の範囲)において変化する場合には、その範囲における高精度なパターン周期を求めることが困難となる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、周期性を有する様々なパターンにおいて高精度に周期を算出し、欠陥を適切に検出することを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、対象物画像のデータを記憶する記憶部と、対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する周期データ取得手段と、最大エントロピー法によるスペクトル解析により周期データの周期を算出するする周期算出手段と、被検査画像中の被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する画素値生成手段と、被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン検査装置であって、前記周期データ取得手段が、被検査画像中に所定方向に並ぶ画素の値を加算することにより、前記所定方向に垂直な方向に関する周期を有するデータを生成する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン検査装置であって、周期データが有する周期の数が9以下である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン検査装置であって、前記画素値生成手段が、被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の3以上の画素から複数の画素を選択し、選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、対象物画像のデータを記憶する記憶部と、対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像のパターンの周期を算出するする周期算出手段と、被検査画像中の被検査画素から所定の距離だけ離れた位置近傍の3以上の画素の値を取得する画素値取得手段と、前記周期算出手段により求められた周期に基づいて取得された3以上の画素のうち複数の画素を選択する選択手段と、選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成する画素値生成手段と、被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段とを備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のパターン検査装置であって、前記画素値取得手段が、被検査画像の画素値が順次入力される複数のラインメモリであり、前記選択手段が、前記複数のラインメモリからの出力のうちの2つを選択する選択回路である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査方法であって、対象物から取得された多階調の対象物画像のデータを準備する工程と、前記対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する工程と、最大エントロピー法によるスペクトル解析により前記周期データの周期を算出する工程と、前記被検査画像中の被検査画素から前記周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する工程と、前記被検査画素の値と前記参照画素値とを比較することにより判定を行う工程とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る検査装置1の構成を示す図である。検査装置1は、半導体基板(以下、「基板」という。)9上の周期性を有するパターンを検査する装置であり、基板9上の所定の領域を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部2、基板9を保持するステージ3、および、撮像部2に対してステージ3を相対的に移動するステージ駆動部31を有する。
【0016】
撮像部2は、照明光を出射する照明部21、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する光学系22、および、光学系22により結像された基板9の像を電気信号に変換する撮像デバイス23を有する。ステージ駆動部31はステージ3を図3中のX方向に移動するX方向移動機構32、および、Y方向に移動するY方向移動機構33を有する。X方向移動機構32はモータ321にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ321が回転することにより、Y方向移動機構33がガイドレール322に沿って図3中のX方向に移動する。Y方向移動機構33もX方向移動機構32と同様の構成となっており、モータ331が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール332に沿ってY方向に移動する。
【0017】
検査装置1は、電気的回路により構成される検査出力部4、および、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5さらに有する。検査出力部4は撮像部2から対象物画像を示すデータを取得して画素毎に欠陥の判定を行い、コンピュータ5は、欠陥の判定に利用されるパターン周期の算出を行うとともに、検査装置1の他の構成を制御する制御部としての役割を担う。
【0018】
図4は検査出力部4の構成およびコンピュータ5のCPUがメモリ中のプログラムに従って演算処理を行うことにより実現される機能構成を示す図である。また、図5は検査装置1が被検査画像に対する欠陥の判定を行う処理の流れを示す図である。以下、検査出力部4の構成およびコンピュータ5の機能構成について説明しつつ、検査装置1が欠陥の判定を行う処理について説明を行う。
【0019】
検査装置1では、コンピュータ5がステージ駆動部31を制御して撮像部2の撮像位置を基板9上の所定の位置(例えば、LSIのパターン中の周期性を有するセル領域上の位置)へと相対的に移動し、撮像部2によって撮像された対象物画像のデータが検査出力部4の画像メモリ41に記憶されて準備される(ステップS11)。画像メモリ41では対象物画像中の検査対象領域が被検査画像として取扱可能に特定される。例えば、図6(a)に示す対象物画像61のデータが撮像部2により取得され、対象物画像61の一部である被検査画像62が特定される。なお、図6(a)では被検査画像62のみにパターンを付しており、被検査画像62は図6(a)中のY方向に周期性を有した画像であるものとする。また、以下の説明では、被検査画像62のパターンのY方向に対する周期は一定ではなく、僅かに変化しているものとする。
【0020】
続いて、コンピュータ5の各機能構成により実現される周期算出処理により、被検査画像62中のパターンの複数の周期(すなわち、Y方向に対する複数の位置おけるパターン周期)が求められ、コンピュータ5の記憶部53に周期テーブル531として記憶される(ステップS12)。なお、ステップS12における周期算出処理については、欠陥判定処理の説明後に詳述する。
【0021】
周期テーブル531が作成されると、被検査画像62の画素値が画像メモリ41からTラインメモリ42および比較検査部45に順次出力される。ただし、被検査画像62の画素値は、図6(a)中のX方向に並ぶ画素群(以下、「ライン」という。)のうち(−Y)側のラインの画素値が(−X)側から(+X)側に向かって順に出力され、1ライン分の画素値の出力が終了する毎に(+Y)側に隣接する次のラインの画素値が(−X)側から(+X)側に向かって順次出力されるものとする。
【0022】
Tラインメモリ42は、Tライン分に相当する画素値を記憶するラインメモリであり、Tライン分を超える画素値がTラインメモリ42へと入力されると、最初に入力された画素値が少数補間演算部44および1ラインメモリ43へと順次出力される。1ラインメモリ43ではTラインメモリ42から入力された画素値が1ライン分だけ蓄積され、1ラインメモリ43から少数補間演算部44へと画素値が出力される。
【0023】
これにより、画像メモリ41から順次出力される被検査画像62の画素値をTラインだけ遅延した画素値、および、(T+1)ラインだけ遅延した画素値が、それぞれTラインメモリ42および1ラインメモリ43から少数補間演算部44に入力される。換言すれば、画像メモリ41から1つの画素値が出力される際に、Tライン先行して画像メモリ41から出力された画素値、および(T+1)ライン先行して画像メモリ41から出力された画素値が複数のラインメモリを用いて取得され、少数補間演算部44に入力される。
【0024】
例えば、Tラインメモリ42が26ライン分の画素値を記憶する場合には、画像メモリ41から出力される画素値よりも26ラインだけ先行して出力された画素値および27ラインだけ先行して出力された画素値がそれぞれTラインメモリ42および1ラインメモリ43から少数補間演算部44に入力される。
【0025】
なお、Tラインメモリ42のライン数Tは、コンピュータ5により求められるパターン周期がT画素から(T+1)画素の間(すなわち、T画素分の長さから(T+1)画素分の長さの間)であることを前提として設定されている。
【0026】
一方、記憶部53の周期テーブル531では、パターン周期が画素の大きさを単位とする整数部と、画素の大きさによる剰余である小数部とに分けられている。被検査画像62中の1つの画素が特定されて1つの画素値が画像メモリ41から出力される際には(ステップS13)、画素値に対応するパターン周期の小数部が周期テーブル531から取り出されて少数補間演算部44に入力される(ステップS14)。例えば、周期テーブル531中の対応するパターン周期が26.6画素である場合には、少数補間演算部44にパターン周期の小数部である0.6画素を示すデータが入力される。
【0027】
少数補間演算部44では、Tラインメモリ42からの画素値および1ラインメモリ43からの画素値が小数部に基づいて線形補間され、参照画素値が生成される(ステップS15)。上記例の場合、被検査画像62の画素から26ラインだけ離れた画素の値と27ラインだけ離れた画素の値とを2対3の割合で足し合わせて26.6ライン離れた画素の値が参照画素値として生成される。参照画素値は比較検査部45へと出力される。
【0028】
比較検査部45は、被検査画像62の画素値と参照画素値とから差分絶対値を求め(ステップS16)、予め設定されたしきい値に基づいて、欠陥または非欠陥(すなわち、正常)の判定が行われる(ステップS17)。判定結果はコンピュータ5へと出力され、記憶部53に記憶される。
【0029】
以上の処理が画像メモリ41から順次出力される各画素値に対して繰り返され(ステップS18)、検査装置1では被検査画像62の各画素に対する欠陥の判定結果が検査結果データ532として記憶部53に記憶される。なお、検査結果は欠陥または非欠陥を示す2値化画像としてコンピュータ5の表示部に表示されてもよい。
【0030】
次に、前述のステップS12における周期算出処理について説明を行う。図7は検査装置1の周期算出処理の流れを示す図である。
【0031】
まず、被検査画像62のデータが画像メモリ41からコンピュータ5に出力され、コンピュータ5の周期データ取得部51において、被検査画像62のライン方向に並ぶ画素の画素値を加算することにより、ライン方向に垂直な方向に関する周期を有する周期データが生成される(ステップS21)。例えば、図6(b)に示すように被検査画像62の各画素値をライン方向(すなわち、X方向)に足し合わせることにより、パターンの周期に対応した周期を有する周期データ63が生成される。これにより、被検査画像62のノイズ等の影響を低減した周期データ63が生成される。なお、前述のように被検査画像62はY方向に関してパターン周期が僅かに変動しており(局所的な変動であってもよい。)、周期データ63においても周期が僅かに変動している。
【0032】
被検査画像62には、予めパターン周期を求める際の基準となるラインが数ライン毎に複数定められており、周期データ63が生成されると、周期算出部52においてパターン周期を算出するための1つのラインが特定される(ステップS22)。さらに、特定されたライン近傍の予め決められた範囲(例えば、3〜4周期に相当する範囲)が周期データ63から抽出され、周期算出部52は最大エントロピー法によるスペクトル解析により特定されたライン近傍のパターン周期を算出する(ステップS23,S24)。
【0033】
最大エントロピー法によるスペクトル解析とは、有限な測定データから、それだけでは測定不可能な大きなラグをもつ自己相関関数を、情報エントロピーが最大となるように推定することにより、スペクトル推定を行うことである。この解析手法では、時系列データに対して自己回帰モデルを仮定し、時系列データの自己相関関数を用いて自己回帰モデルの係数を求め、求められた係数を用いてスペクトル推定(パワースペクトルの算出)が行われる。最大エントロピー法によるスペクトル解析の基本原理は1967年にBurgにより提案され、その後、様々な研究がなされている。
【0034】
例えば、N. Andersenによる「On the Calculation of Filter Coefficients for Maximum Entropy Spectral Analysis」(Geophysics, Vol.39, No.1(February 1974), P.69−72)には、自己回帰モデルの係数を効率よく求める手法が開示されている。
【0035】
また、パワースペクトルを求める際、自己回帰モデルの次数の決定がスペクトル推定の精度に大きく影響する。そこで、例えば、Hirotugu Akaikeによる「Fitting Autoregressive Models for Prediction」(Ann. Inst. Statist. Math., Vol.21, pp243−pp249(1969a))では、自己回帰モデルの次数を、FPE(Final Prediction Error)が最小となるように決定する手法が紹介されている。
【0036】
図8(a)ないし(e)は、最大エントロピー法によるスペクトル解析の一例を示す図である。図8(a)に示すように余弦波にノイズを付加したような波形(時系列データ)に対しては、図8(b)に示すFPEのグラフが求められる。図8(b)のグラフにおいて、横軸は自己回帰モデルの次数を示し、縦軸はFPEを示す。図8(c)は図8(b)の一部を縦軸方向に拡大して示す図であり、FPEが最小となる次数m1が最適な次数として決定される様子を示している(ステップS23)。続いて、求められた次数m1を適用することにより、図8(d)に示すパワースペクトルP(f)が得られる。図8(e)は図8(d)の一部を横軸方向に拡大し、縦軸方向に縮小して上方向に移動した図である。図8(e)に示すように、パワースペクトルP(f)が最大となる周波数f1から図8(a)の波形の周期が求められる(ステップS24)。
【0037】
以上のように、最大エントロピー法によるスペクトル解析では有限区間から正確にパワースペクトルを求めることができる。パワースペクトルは連続関数として求められるため、無限のピーク分解能を有し、さらに、周期データ63がノイズや撮像時の輝度変動等の影響を受けている場合であっても、高精度に周期を求めることができる。また、最大エントロピー法によるスペクトル解析では、周期データ63中の9周期以下に相当する範囲のデータであっても、高精度なパターン周期を算出することができる。なお、周期データ63中の1周期以下に相当する範囲のデータによりパターン周期を求めることも可能であるが、経験的には3〜4周期に相当する範囲のデータにより、安定して高精度なパターン周期を求めることができる。
【0038】
1つのラインを基準とするパターン周期が求められると、周期テーブル531にパターン周期がラインの位置(Y座標)(または、パターン周期が適用されるY座標の範囲)とともに書き込まれる(ステップS25)。コンピュータ5は、次にパターン周期を求める基準となるラインが存在するか否かを確認し、存在する場合にはステップS22〜S25を繰返す。全ての求められるべきパターン周期が取得されると、図5のステップS13へと進む(ステップS26)。なお、全てのラインがパターン周期を求める際の基準とされてもよい。
【0039】
以上のように、検査装置1では最大エントロピー法によるスペクトル解析により、被検査画像62のノイズの影響や撮像時に輝度の変動等が生じた場合であっても、被検査画像62中のパターン周期が高精度に求められる。また、検査装置1では周期データ63中の数周期に対応するデータのみでパターン周期の算出が可能であるため、被検査画像62中のパターンの周期が被検査画像62中の様々な位置で異なる(あるいは、局所的に変動している)場合であっても、被検査画像62中の(Y方向に関する)複数の位置におけるパターン周期を高精度に求めることができる。その結果、参照画素値の生成および欠陥判定が適切に行われ、欠陥の疑似検出を抑制することができる。
【0040】
図9は本発明の第2の実施の形態に係る検査装置1の検査出力部4aの構成を示す図である。図9に示す検査出力部4aでは、3つの1ラインメモリ43a,43b,43cおよび選択回路であるマルチプレクサ46が設けられる。他の構成は第1の実施の形態と同様であり、同符号を付している。
【0041】
検査出力部4aを有する検査装置1が欠陥判定の処理を行う際には、まず、第1の実施の形態と同様に、被検査画像を含む対象物画像のデータが画像メモリ41に保存され、周期テーブル531が作成される(図4参照)。
【0042】
周期テーブル531が作成されると、画像メモリ41に記憶された被検査画像の画素値がTラインメモリ42および比較検査部45に出力され、Tライン分の画素値がTラインメモリ42に記憶される。さらに、第1の実施の形態と同様に、1ラインメモリ43aに1ライン分の画素値が記憶されるとともに、1ラインメモリ43bおよび1ラインメモリ43cにも、それぞれ1ライン分の画素値が記憶される。
【0043】
これにより、画像メモリ41から出力される被検査画像の画素値に対して、Tラインだけ先行して画像メモリ41から出力された画素値がTラインメモリ42から出力され、(T+1)ライン、(T+2)ラインおよび(T+3)ラインだけ先行して出力された画素値が1ラインメモリ43a,43b,43cからそれぞれマルチプレクサ46に出力される。換言すれば、検査対象となる画素からTライン、(T+1)ライン、(T+2)ラインおよび(T+3)ラインだけ離れた位置の画素の値が複数のラインメモリにより取得されてマルチプレクサ46に入力される。
【0044】
マルチプレクサ46には、画像メモリ41から出力された画素値に対応するパターン周期の整数部を示すデータが、コンピュータ5の周期テーブル531から入力され、マルチプレクサ46は入力されたデータに基づいて、Tラインメモリ42および1ラインメモリ43a〜43cからの4つの画素値のうち2つを選択する。具体的には、周期テーブル531が示すパターン周期が26.6画素であり、Tラインメモリ42が24ライン分の画素値を記憶する場合には、マルチプレクサ46は、1ラインメモリ43bから出力された画素値(画像メモリ41からの画素値から26ライン分離れた位置の画素値)、および、1ラインメモリ43cから出力された画素値(画像メモリ41からの画素値から27ライン分離れた位置の画素値)を選択し、選択された2つの画素値が少数補間演算部44へと出力される。
【0045】
少数補間演算部44では、第1の実施の形態と同様に、入力された画素値を線形補間して参照画素値を求め、比較検査部45へと出力する。比較検査部45において、画像メモリ41から出力された被検査画像62の画素値と参照画素値との差分絶対値が算出され、所定のしきい値に基づいて欠陥の判定が行われる。
【0046】
以上のように、第2の実施の形態に係る検査装置1では、画像メモリ41から出力される画素値に対応する画素の位置からパターン周期だけ離れた位置近傍の画素値を出力するTラインメモリ42および複数の1ラインメモリ43a〜43cを有し、パターン周期に基づいてこれらのラインメモリからの複数の画素値の一部が選択され、選択された画素値を補間して参照画素値が生成される。これにより、被検査画像の周期の変動が1画素以上であっても対応する参照画素値を生成することができ、適切な欠陥判定を行うことができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0048】
例えば、検査出力部4の各構成はコンピュータ5によりソフトウェア的に実現されてもよい。この場合、判定の前に被検査画像の各画素に対応する参照画素値を求めて参照画像を生成し、被検査画像と参照画像との差分画像に基づいて各画素の欠陥の判定が行われてもよい。
【0049】
周期データ63は、必ずしもライン方向に並ぶ全ての画素を足し合わせることにより生成される必要はなく、一部の画素が足し合わされるだけであってもよい。また、ノイズ等の影響がない適切な被検査画像のデータが撮像部2により取得される場合には、ライン方向に垂直な方向に並ぶ一列の画素群の画素値が周期データとされてもよい。さらに、ノイズ成分を取り除く等のために画像処理した被検査画像に基づいて周期データ63が生成されてもよい。このように、周期データ63は被検査画像の周期に応じた周期を有するものであれば様々な手法により生成されてよい。
【0050】
上記第2の実施の形態では、4つの画素値がマルチプレクサ46に入力されるが、マルチプレクサ46に入力される画素値の数はパターン周期の変動の程度に応じて3以上の任意の数とされてよい。
【0051】
少数補間演算部44では線形補間以外の補間処理が行われてもよく、参照画素値は3以上の画素値を補間することにより求められてもよい。この場合、第2の実施の形態ではマルチプレクサ46により3以上の画素値の選択が行われる。さらに、参照画素値は、検査対象となる画素からパターン周期のn倍(ただし、nは整数)だけ離れた位置近傍の複数の画素値から求められてもよい。その場合、例えば、第1の実施の形態においてTラインメモリ42は(T×n)ライン分のラインメモリに置き換えられる。
【0052】
上記実施の形態では、半導体の基板9に対して欠陥検査が行われるが、検査装置1は、カラーフィルタ、シャドウマスク、プリント配線基板等に形成された周期性を有するパターンの検査にも利用することができる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1ないし4、並びに、請求項7の発明では、最大エントロピー法によるスペクトル解析により高精度にパターンの周期が求められ、適切な欠陥判定を行うことができる。また、請求項2の発明では、適切な周期データが生成される。
【0054】
請求項4ないし6の発明では、周期の変動が1画素以上である被検査画像の各画素値に対する参照画素値を生成することができ、適切な欠陥判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(d)は被検査画像を示す図であり、(b)および(e)は参照画像を示す図であり、(c)および(f)は差分画像を示す図である。
【図2】(a)は被検査画像を示す図であり、(b)は自己相関関数を示す図である。
【図3】検査装置の概略構成を示す図である。
【図4】検査出力部の構成およびコンピュータの機能構成を示す図である。
【図5】欠陥判定の処理の流れを示す図である。
【図6】(a)は対象物画像を示す図であり、(b)は周期データが生成される様子を説明するための図である。
【図7】周期算出処理の流れを示す図である。
【図8】(a)ないし(e)は最大エントロピー法によるスペクトル解析により周期が算出される様子を説明するための図である。
【図9】第2の実施の形態に係る検査出力部を示す図である。
【符号の説明】
1 検査装置
2 撮像部
9 基板
41 画像メモリ
51 周期データ取得部
52 周期算出部
61 対象物画像
62 被検査画像
63 周期データ
42 Tラインメモリ
43,43a〜43c 1ラインメモリ
44 少数補間演算部
45 比較検査部
46 マルチプレクサ
S11,S15〜S17,S21,S24,S25 ステップ
Claims (7)
- 対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、
対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、
対象物画像のデータを記憶する記憶部と、
対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する周期データ取得手段と、
最大エントロピー法によるスペクトル解析により周期データの周期を算出するする周期算出手段と、
被検査画像中の被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する画素値生成手段と、
被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段と、を備えることを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項1に記載のパターン検査装置であって、
前記周期データ取得手段が、被検査画像中に所定方向に並ぶ画素の値を加算することにより、前記所定方向に垂直な方向に関する周期を有するデータを生成することを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項1または2に記載のパターン検査装置であって、
周期データが有する周期の数が9以下であることを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン検査装置であって、
前記画素値生成手段が、被検査画素から周期の整数倍だけ離れた位置近傍の3以上の画素から複数の画素を選択し、選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成することを特徴とするパターン検査装置。 - 対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査装置であって、
対象物を撮像して多階調の対象物画像のデータを取得する撮像部と、
対象物画像のデータを記憶する記憶部と、
対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像のパターンの周期を算出するする周期算出手段と、
被検査画像中の被検査画素から所定の距離だけ離れた位置近傍の3以上の画素の値を取得する画素値取得手段と、
前記周期算出手段により求められた周期に基づいて取得された3以上の画素のうち複数の画素を選択する選択手段と、
選択された複数の画素の値を補間して参照画素値を生成する画素値生成手段と、
被検査画素の値と参照画素値とを比較することにより判定を行う判定手段と、を備えることを特徴とするパターン検査装置。 - 請求項5に記載のパターン検査装置であって、
前記画素値取得手段が、被検査画像の画素値が順次入力される複数のラインメモリであり、前記選択手段が、前記複数のラインメモリからの出力のうちの2つを選択する選択回路であることを特徴とするパターン検査装置。 - 対象物上の周期性を有するパターンの検査を行うパターン検査方法であって、
対象物から取得された多階調の対象物画像のデータを準備する工程と、
前記対象物画像中の少なくとも一部である被検査画像からパターンの周期性に応じた周期を有する周期データを取得する工程と、
最大エントロピー法によるスペクトル解析により前記周期データの周期を算出する工程と、
前記被検査画像中の被検査画素から前記周期の整数倍だけ離れた位置近傍の複数の画素の値に基づいて参照画素値を生成する工程と、
前記被検査画素の値と前記参照画素値とを比較することにより判定を行う工程と、
を有することを特徴とするパターン検査方法。
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