JP2004035667A - 着色粉体 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量多孔質粉体が有する種々の機能を維持しつつ、様々な色相を表出することができ、さらには濡れ色の発生が抑制された着色粉体を提供する。
【解決手段】(I)かさ密度が0.01〜1g/ccの軽量多孔質粉体を、
(II)(a)合成樹脂、(b)顔料及び/または染料を含む着色剤
で表面処理してなる着色粉体において、前記(II)着色剤の使用量が下記式を満たすようにする。
<式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
(但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料用粉体等として好適に使用することが可能な着色粉体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、塗料用粉体として、塗膜の厚膜化、艶の調整等の目的で各種粉体が使用されている。このうち、珪藻土、シリカゲル、ゼオライト等の軽量多孔質粉体は、吸放湿性、光散乱性等の機能や性質を有することから、塗料に新たな機能性を付与する材料としてその活用が期待されている。これら軽量多孔質粉体に対して、その機能や性質を損なうことなく、自由に着色を施すことが可能となれば、さらなる活用化が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
軽量多孔質粉体に着色を施す技術としては、例えば特開昭55−115457号公報(従来技術1)が挙げられる。該公報では、樹脂バインダーと顔料等を含む溶液中に軽量多孔質粉体を浸漬し、軽量多孔質粉体の細孔中に溶液を含浸させた後に乾燥する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、従来技術1の方法で得られる着色粉体では、樹脂バインダーと顔料等を含む溶液中に軽量多孔質粉体を浸漬するために、細孔内が樹脂バインダーや顔料等で満たされてしまい、細孔に由来する多孔質粉体特有の各種機能や性質が損なわれてしまうおそれがある。具体的には、吸放湿性や有害物質吸着性の低下といった問題点が挙げられる。
また、従来技術1の方法では、着色処理によって多孔質粉体細孔内部の空気層が消失し、軽量多孔質粉体の光散乱効果が低下してしまうため、軽量多孔質粉体が着色された時点で黒ずんでしまい、粉体自体が濡れ色を帯びてしまうおそれもある。
【0005】
本発明は、以上ような問題点に鑑みなされたものであり、軽量多孔質粉体が有する種々の機能を維持しつつ、様々な色相を表出することができ、さらには濡れ色の発生が抑制された着色粉体を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、軽量多孔質粉体に対し着色剤を特定量使用して表面処理することにより、軽量多孔質粉体が本来有する吸放湿性能や有害物質吸着能等の機能を阻害することなく着色し得ること、及び着色処理時における濡れ色の発生が抑制されることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(I)かさ密度が0.01〜1g/ccの軽量多孔質粉体を、
(II)(a)合成樹脂、(b)顔料及び/または染料を含む着色剤
で表面処理してなる着色粉体であって、前記(II)着色剤の使用量が下記式を満たすことを特徴とする着色粉体。
<式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
(但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
2.前記(II)着色剤が、(a)合成樹脂を固形分で100重量部、(b)顔料及び/または染料を1〜300重量部含有するものであることを特徴とする1.記載の着色粉体。
3.(I)かさ密度が0.01〜1g/ccの軽量多孔質粉体を、
(II)(a)合成樹脂、(b)顔料及び/または染料、(c)撥水剤を含む着色剤
で表面処理してなる着色粉体であって、前記(II)着色剤の使用量が下記式を満たすことを特徴とする着色粉体。
<式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
(但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
4.前記(II)着色剤が、(a)合成樹脂を固形分で100重量部、(b)顔料及び/または染料を1〜300重量部、(c)撥水剤を0.01〜30重量部含むものであることを特徴とする3.記載の着色粉体。
5.前記(II)着色剤が、その形成被膜の水に対する接触角が90°以上となるものであることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の着色粉体。
6.前記(I)軽量多孔質粉体が、珪藻土、シリカゲル、及びゼオライトから選ばれる1種であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の着色粉体。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0009】
本発明に適用可能な軽量多孔質粉体は、そのかさ密度が0.01〜1.0g/ccであるものであれば特に制限されない。
具体的に軽量多孔質粉体の種類としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、バーミキュライト、パーライト、大谷石粉、活性白土、炭、活性炭、木粉、シラスバルーン、フェライトバルーン、ガラスバルーン、合成樹脂粒子、合成樹脂繊維等が挙げられる。このうち本発明では、珪藻土、シリカゲル、及びゼオライトから選ばれる1種が好適である。
軽量多孔質粉体の平均粒子径は通常1μm〜10mmである。
【0010】
本発明では、着色剤を特定量使用して軽量多孔質粉体の表面処理を行う。着色剤の使用量は、下記式を満たすように設定する。
<式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
(但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
【0011】
例えば、吸油量が200[g/100g]である軽量多孔質粉体100[g]を着色する場合には、着色剤の使用量は0.1×(200×100/100)=20[g]以上、1×(200×100/100)=200[g]以下とすればよい。
着色剤の望ましい使用量は、
0.15×(LM/100)≦N≦0.85×(LM/100)、
さらに望ましい使用量は、
0.2×(LM/100)≦N≦0.8×(LM/100)
である。
【0012】
着色剤をこのような比率で使用すれば、十分な着色を施すことができるとともに、軽量多孔質粉体細孔内部の空気層が保持されるため、吸放湿性、有害物質吸着性等の軽量多孔質粉体の機能を維持することができる。さらに、着色処理時の濡れ色発生を抑制することもできる。
着色剤の使用量が上式より多い場合は、軽量多孔質粉体細孔内部に着色剤が含浸されるため、吸放湿性、有害物質吸着性等が低下してしまう。また、着色処理時に濡れ色が発生してしまう。着色剤の使用量が上式より少ない場合は、着色むらが生じ、均一な色相が得られない。
なお、本発明における吸油量とは、JIS K5101に規定されている方法によって求められる値であり、軽量多孔質粉体100gに対する煮アマニ油のg数で表されるものである。
【0013】
本発明における着色剤としては、(a)合成樹脂(以下「(a)成分」という)、(b)顔料及び/または染料(以下「(b)成分」という)を主成分とするものを使用することができる。
【0014】
(a)成分としては、結合剤として使用可能なものであれば特に限定されない。このような(a)成分としては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ふっ素樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。(a)成分の形態としては、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂等が挙げられる。このうち本発明では、水可溶型樹脂及び/または水分散型樹脂が好適である。
【0015】
(b)成分としては、所望の色相に応じて選択することができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物、その他カーボンブラック、モリブデンレッド、コバルトブルー、マンガンバイオレット、紺青、群青等の無機質顔料;
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾレッド、ファーストエロー、パーマネントイエロー、ジスアゾイエロー等のアゾ系顔料、ペリレンレッド等のペリレン系顔料、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料等の有機質顔料;
アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属粉顔料;
パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等の特殊顔料;
塩基性染料、酸性染料、直接染料、建染染料、分散染料、反応染料、けい光染料などの各種染料等が使用可能である。これらは1種または2種以上で使用することができるが、本発明における(b)成分としては顔料が好適である。
【0016】
着色剤における(b)成分の混合量は、(a)成分の固形分100重量部に対し、通常1〜300重量部、好ましくは5〜100重量部である。(b)成分がこの比率より少ない場合は、粉体表面の着色が不十分となり、目的とする色相が得られない。また、この比率より多い場合は、粉体表面に顔料を固定化する性能が低下するため、顔料が溶出するおそれがある。
【0017】
本発明における着色剤としては、撥水性被膜を形成することができるものが好適である。具体的には、その形成被膜の水に対する接触角が90°以上であるものが好適である。
このような着色剤によって得られる着色粉体を塗料(好適には水性塗料)に混合すれば、吸放湿性、有害物質吸着性等に優れた塗膜を形成することができる。さらに、塗膜表面に水分が付着した場合等においても、濡れ色の発生を防止することができる塗膜が得られる。
このような効果は、着色粉体表面に撥水性が付与され、着色粉体が樹脂や水分等と接触しても、着色粉体細孔内部への樹脂や水分等の浸入が抑制されることによって奏されるものと推測される。
なお、本発明における接触角は、着色剤をアルミニウム板に0.125mmの厚みで塗付し、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下にて72時間乾燥させた後に、接触角計で測定される値である。
【0018】
本発明では、上述のような撥水性被膜が形成可能な着色剤を得るために、(a)成分、(b)成分に加えて(c)撥水剤(以下「(c)成分」という)を混合することが望ましい。(c)成分は、軽量多孔質粉体を着色処理する場合における濡れ色発生防止にも寄与する。
(c)成分としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のシリコン系撥水剤;パーフロロアルキルカルボン酸塩、パーフロロアルキルリン酸エステル、パーフロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のフッ素系撥水剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このうち、本発明においてはシリコン系撥水剤が好ましく用いられる。
(c)成分の形態としては、溶剤可溶型、非水分散型、水可溶型、水分散型等が挙げられる。このうち、本発明では水分散型が好適であり、(c)成分としては、水分散型シリコン系撥水剤が最も好適である。
【0019】
着色剤における(c)成分の混合量は、(a)成分の固形分100重量部に対して、通常0.01〜30重量部であり、好ましくは0.03〜20重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部である。(c)成分がこの比率より少ない場合は、濡れ色発生を抑制することが困難となる。(c)成分が多い場合は、顔料を固定化する性能が低下するため、顔料が溶出するおそれがある。
【0020】
着色剤においては、上述の成分の他に通常塗料に使用可能な添加剤、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を使用することもできる。
また、本発明における着色剤は、着色剤全体の固形分が1重量%以上(好ましくは2〜40重量%)であることが望ましい。
【0021】
本発明着色粉体の製造においては、
(1)軽量多孔質粉体と着色剤とを混合する工程、及び
(2)該混合物を乾燥する工程
が必要である。(1)混合工程と(2)乾燥工程は順に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
軽量多孔質粉体と着色剤とを混合する方法としては、例えば、軽量多孔質粉体に、直接着色剤を一括混合する方法や、着色剤をスプレーする方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、熱風乾燥、真空乾燥、直接加熱乾燥、高周波加熱乾燥、遠赤外線加熱乾燥、除湿乾燥等が使用できる。このうち、本発明では真空乾燥が好適である。真空乾燥を用いた場合は、軽量多孔質粉体の乾燥性を向上させることができ、また軽量多孔質粉体の飛散を防止することができる。
乾燥工程において乾燥容器を使用する場合、乾燥容器としては各種の形状のものが使用可能である。乾燥容器は、排気口、加熱装置、攪拌装置等を備えたものであってもよい。
乾燥温度については、軽量着色粉体及び着色剤の耐熱温度以下の範囲内で適宜設定することができるが、通常は30〜200℃である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(試験例1)
着色粉体1
 水溶性アクリル樹脂(アクリルスチレン共重合樹脂、固形分31重量%)13重量部、水分散型シリコン系撥水剤(ジメチルポリシロキサンのポリオキシエチレンアルキルエーテル乳化物、固形分55重量%)0.5重量部、及び酸化鉄系顔料0.5重量部を水86重量部に均一に分散させることにより、液状着色剤Aを製造した。この液状着色剤Aによって形成される被膜について、水に対する接触角を測定したところ、105°となった。
この液状着色剤A50重量部を、焼成珪藻土100重量部(かさ密度0.34g/cc、平均粒径30μm、吸油量200g/100g)に添加、混合した上で真空加熱乾燥を行うことにより着色粉体1を得た。
【0024】
着色粉体2
 上述の液状着色剤A300重量部に対して、焼成珪藻土100重量部(かさ密度0.34g/cc、平均粒径30μm、吸油量200g/100g)を浸漬したのち濾別し、さらに真空加熱乾燥を行うことで着色粉体2を得た。
【0025】
着色粉体3
 水溶性アクリル樹脂(アクリルスチレン共重合樹脂、固形分31重量%)13重量部、及び酸化鉄系顔料0.5重量部を水86.5重量部に均一に分散させることにより、液状着色剤Bを製造した。この液状着色剤Bによって形成される被膜について、水に対する接触角を測定したところ、70°となった。
この液状着色剤B50重量部を、焼成珪藻土100重量部(かさ密度0.34g/cc、平均粒径30μm、吸油量200g/100g)に添加、混合した上で真空加熱乾燥を行うことにより着色粉体3を得た。
【0026】
以上のようにして得られた着色粉体1〜3を、110℃雰囲気下に1時間静置して絶乾状態にした後、一定の相対湿度雰囲気下に静置して水蒸気の吸着量を測定した。
その結果、着色粉体1及び着色粉体3においては、未処理の珪藻土と比較すると若干の効果の低下はみられるものの比較的良好な水蒸気吸着作用を示した。これに対し、着色剤を過剰に用いた着色粉体2においては、ほとんどその作用が確認されなかった。
次いで、それぞれの着色粉体30重量部に対してアクリル樹脂エマルション(固形分50重量%)70重量部を加えて均一に混合することにより塗料を作製した。得られた塗料を合板に均一にスプレー塗装した後、標準状態(23℃、50%RH)で7日間乾燥させたものについて、その初観(初期外観)を確認し、さらに、水を付着させることによる色相変化を確認した。その結果、着色粉体1では、初期、水付着時のいずれにおいても濡れ色発生の度合が最も軽微であった。着色粉体2については、水付着時における色相変化は小さかったが、使用した粉体自体が黒ずんでいたために外観が濡れ色となった。着色粉体3は、初期の黒ずみが大きく、水付着時における色相変化の度合も最も大きかった。
なお、それぞれの着色粉体50重量部に対して水100重量部を加え、1時間超音波処理を行うことにより顔料溶出の有無を確認したが、いずれも溶出は確認されず良好な結果となった。
【0027】
(試験例2)
着色粉体4
水溶性アクリル樹脂(アクリルスチレン共重合樹脂、固形分31重量%)13.8重量部、水分散型シリコン系撥水剤(ジメチルポリシロキサンのポリオキシエチレンアルキルエーテル乳化物、固形分55重量%)5.7重量部、及び酸化鉄系顔料0.5重量部を水80重量部に均一に分散させることにより、液状着色剤Cを製造した。この液状着色剤Cによって形成される被膜について、水に対する接触角を測定したところ、130°となった。
この液状着色剤C200重量部を、シリカパウダー100重量部(かさ密度0.27g/cc、平均粒径40μm、吸油量300g/100g)に添加、混合した上で真空加熱乾燥を行うことにより着色粉体4を得た。
【0028】
着色粉体5
 水溶性アクリル樹脂(アクリルスチレン共重合樹脂、固形分31重量%)3重量部、及び酸化鉄系顔料1重量部を水96重量部に均一に分散させることにより、液状着色剤Dを製造した。
この液状着色剤D400重量部に対して、シリカパウダー100重量部(かさ密度0.27g/cc、平均粒径40μm、吸油量300g/100g)を浸漬したのち濾別し、さらに真空加熱乾燥を行うことで着色粉体5を得た。
【0029】
以上のようにして得られた着色粉体4〜5を、110℃雰囲気下に1時間静置して絶乾状態にした後、一定の相対湿度雰囲気下に静置して水蒸気の吸着量を測定した。
その結果、着色粉体4においては、未処理のシリカパウダーに匹敵する水蒸気吸着作用を示した。これに対して、過剰な着色剤を用いた着色粉体5においては、未処理シリカパウダーの水蒸気吸着性能を大きく低下させる結果となった。
次いで、それぞれの着色粉体30重量部に対してアクリル樹脂エマルション(固形分50重量%)70重量部を加えて均一に混合することにより塗料を作製した。得られた塗料を合板に均一にスプレー塗装した後、標準状態で7日間乾燥させたものについて、その初観(初期外観)を確認し、さらに、水を付着させることによる色相変化を確認した。その結果、着色粉体4では、初期、水付着時のいずれにおいても濡れ色発生の度合は軽微であった。これに対し、着色粉体5については、初期の黒ずみが大きく、水付着時における色相変化の度合も大きかった。
なお、それぞれの着色粉体50重量部に対し、水100重量部加えて1時間超音波処理を行うことにより顔料溶出の有無を確認したところ、着色粉体4は顔料溶出も無く良好な結果となったのに対して、着色粉体5では顔料溶出が発生してしまった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、軽量多孔質粉体が有する種々の機能を維持しつつ、様々な色相を表出することができ、さらには濡れ色の発生が抑制された着色粉体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】未処理珪藻土、着色粉体1、2および3における水蒸気吸着率を示す図である。
【図2】未処理シリカパウダー、着色粉体4および5における水蒸気吸着率を示す図である。

Claims (6)

  1. (I)かさ密度が0.01〜1g/ccの軽量多孔質粉体を、
    (II)(a)合成樹脂、(b)顔料及び/または染料を含む着色剤
    で表面処理してなる着色粉体であって、前記(II)着色剤の使用量が下記式を満たすことを特徴とする着色粉体。
    <式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
    (但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
  2. 前記(II)着色剤が、(a)合成樹脂を固形分で100重量部、(b)顔料及び/または染料を1〜300重量部含有するものであることを特徴とする請求項1記載の着色粉体。
  3. (I)かさ密度が0.01〜1g/ccの軽量多孔質粉体を、
    (II)(a)合成樹脂、(b)顔料及び/または染料、(c)撥水剤を含む着色剤
    で表面処理してなる着色粉体であって、前記(II)着色剤の使用量が下記式を満たすことを特徴とする着色粉体。
    <式>0.1×(LM/100)≦N≦1×(LM/100)
    (但し、Lは軽量多孔質粉体の吸油量(g/100g)、Mは軽量多孔質粉体の使用量(g)、Nは着色剤の使用量(g))
  4. 前記(II)着色剤が、(a)合成樹脂を固形分で100重量部、(b)顔料及び/または染料を1〜300重量部、(c)撥水剤を0.01〜30重量部含むものであることを特徴とする請求項3記載の着色粉体。
  5. 前記(II)着色剤が、その形成被膜の水に対する接触角が90°以上となるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色粉体。
  6. 前記(I)軽量多孔質粉体が、珪藻土、シリカゲル、及びゼオライトから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着色粉体。
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