JP2004035351A - Method of recycling waste glass - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃ガラスを土木や建築等の材料に転換して、有効にリサイクルする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラスは家庭用や工業用の材料として使用されている。ガラスの材質としては、幾つかのものがある。窓ガラスや飲料ビンの材料となるガラスは、珪酸ソーダガラスであり、酸化珪素を50〜70質量%、酸化ナトリウムを10〜20質量%、酸化アルミニウムを10質量%程度、酸化カルシウムを数質量%含むものである。また、液晶の表面ガラスや耐熱性ガラスは、ホウ珪酸ガラスであり、酸化珪素と酸化ホウ素を多く含むものであり、電気の絶縁性能が高いという特徴を持つ。また、クリスタルガラスやブラウン管のガラスは、酸化珪素と酸化鉛を多く含むものである。
【0003】
このように、ガラスは酸化珪素を主原料として、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化鉛、酸化ホウ素などを添加剤として入れたものである。ガラスの内部では、酸化珪素の珪素原子と酸素原子が3次元の格子ネットワークを形成している。酸化ナトリウム等の添加剤は、この格子ネットワークに入りこんだり、置換したりして、格子ネットワークを歪ませる。この結果、ガラスは特定の融点を持たず、冷却されるに従い、液体、粘性の高い流動する状態、固体の順で変化する。また、流動性を持つ状態となる温度を軟化温度と言うが、ガラスの軟化温度は700〜1000℃である。この粘性の高い状態で加工しやすいことから、種々の形状を容易に作れる特徴がある。また、光沢があり、色も付けやすい。また、その物理・化学特性の優れていることから、容器や家庭用品から工業製品まで広く利用されている。
使用目的が終了した後には、ガラス製品は廃棄物となる。廃ガラスは再度溶融するとガラス製品とすることができるため、廃ガラスをガラス製品にリサイクルすることが一般に行われている。一般的な廃ガラスのリサイクルルートは以下のとおりである。廃ガラスは、家庭や工場から分別回収されて、分別・破砕工場に送られる。ここで、廃ガラスは、純度の高い状態で、破砕されて、ガラス粉砕物(以降、カレットと称す)となる。カレットは、ガラス工場に送られて、他の原料と混合されて、ガラス窯で溶融されて、ガラス製品となる。なお、ガラスは色々な種類があることと着色が種々あることから、ガラスの種類と色毎に分別されて、リサイクルされる。
【0004】
しかし、この用途では種々のリサイクル先の制約があり、必ずしも、全部の廃ガラスがガラス製品にリサイクルされているわけではない。例えば、ガラス以外の物質が混入した場合や、種類や色の異なるガラスが混在している状態の場合などは、廃ガラスを再利用した際に、製品の品質が悪化する問題が生じる。ビンガラス屑は比較的リサイクル率が高いものであり、透明のビンガラス屑はリサイクル先が広いものの、緑色や黒色の色付のガラスビン屑は、その色のガラス製品にしかならず、必ずしも需給が一致するものではない。特に、黒色や緑色のカレットはリサイクルされないものも多かった。
したがって、このような状況から、廃ガラスをガラス原料としてリサイクルする方法以外にも、リサイクルする方法が考案されており、実施されている。このリサイクル方法の中では、破砕されたガラスカレットを路盤材やセメントコンクリート製品の骨材にするなどのことが行われている。例えば、ガラス原料にリサイクルされない廃ガラスのうち、ビンガラス等の屑は、細かく破砕された後に、舗装のインターロッキングの骨材や道路の路盤材にリサイクルする開発が進められている。
【0005】
一方、テレビブラウン管などの電子機器のガラスは、珪酸ソーダガラスや硼珪酸ガラスなどの種々のガラスが混在しており、また、金属部品が付いている場合が多いために、廃棄された後に、ガラス原料としてリサイクルすることが困難である場合が多い。また、液晶のガラスや自動車の窓ガラスは、ガラスと樹脂や液晶が層状となっており、単一素材ではないことから、このままでは容易にリサイクルできるものではなかった。したがって、電子部品のガラス、自動車の窓ガラスなどは、廃棄物として、埋め立て処分場に最終処分されるものの比率が高かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前項で説明したガラス原料へのリサイクル用途以外に、廃ガラスを利用する場合には、各々に幾つかの問題があった。つまり、土木材料で使用する際には、ガラスの物性が用途に合致していないという問題があった。
まず、カレットをモルタルの骨材などに利用する際には、流動状態のモルタル(生モルタル)の流動性が悪化することと、モルタル内部で細骨材と水の分離する問題があった。廃ガラスを破砕したカレットは、角張っており、また、その粒度分布が細かいものと粗いものの両方に偏るため、生モルタルの流動性が悪くなる。その結果、施工時の作業の手間がかかり、また、均一な施工ができない場合があった。さらに、ガラスは水と馴染みが悪いため、生モルタルを施工した後に、モルタルから水が分離して、凝結後の表面が荒れてしまう問題もあった。
【0007】
セメントコンクリートの細骨材として使用する際にも、モルタル細骨材への使用と同様の問題を生じ、特に、生コンクリートの流動性悪化の問題が顕著であった。また、中程度の破砕を行い、粗い部分のカレットを道路表面材料として用いる、アスファルトコンクリートの骨材として用いる方法も検討されているが、この方法においても、形状が角張っていることと、耐磨耗性に劣ることから、実際に使用されている例はいない。
また、廃ガラスカレットを路盤材にリサイクルする方法においては、細かく粉砕したカレットを高炉スラグや砕石などの他の材料と混合して、下層や上層の路盤材とする試みも行われている。しかし、ガラスは高炉スラグや砕石などと異なり、粒子間の結合性が弱いことから、単体強度が弱い欠点がある。したがって、この方法で製造した路床は強度が低い。この問題があることから、路盤材全体への廃ガラスカレット混合比率を高くできない問題があった。
【0008】
また、他の土木材料としてリサイクルする方法としては、護岸ケーソン中込材、砂杭材料、又は、地盤改良材などの用途に用いることが考えられている。しかし、護岸ケーソン中込材の用途では、廃ガラスカレットの比重が小さいことから、波動が起こす揺動に対する対応するための重量が不足する問題があった。また、砂杭材料、又は、地盤改良材などの用途では、土壌とあまりにも物性や色が違うことから、採用されてこなかった。
また、液晶ガラスなどには、有機物が接着している。このように、有機物が接着しているガラスを最終処分場などに埋立処理する場合や、土木資材にリサイクルする場合は、有機物の中に混入している有害化合物が溶出する問題もあった。したがって、この問題からも液晶ガラスや自動車窓ガラスなどを土木資材にリサイクルすることは困難であった。特に、液晶ガラスからの有機物の溶出を防止するには、高温処理が必要であり、このための費用が高い問題があった。
以上に説明したように、従来技術で廃ガラスを土木や建築の材料としてリサイクルする方法においては、幾つかの大きな問題があった。特に、色付きのガラスビン屑、自動車窓ガラス、液晶ガラス、電子部品ガラスなどをリサイクルするためには、解決すべき課題が多かった。これらの問題を解決して、廃ガラスをリサイクルする新しい技術が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨は(1)から(12)の通りである。
(1)十分に遅い冷却速度で凝固した際に、酸化カルシウムと酸化珪素の化合物の鉱物相であり、場合によっては、他の酸化物を固溶しているカルシウムシリケート類、および、酸化第二鉄と酸化カルシウムの化合物であり、場合によっては、他の酸化物を固溶しているカルシウムフェライト類の、少なくとも一方の鉱物相を析出する化学組成である、少なくとも一部が溶融しているスラグと廃ガラスを混合して、これを凝固させることを特徴とする廃ガラスのリサイクル方法、なお、カルシウムシリケート類とは、カルシウムシリケート(CaO・SiO2)、ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO2)、トリカルシウムシリケート(3CaO・SiO2)などを、また、カルシウムフェライト類とは、カルシウムフェライト(CaO・Fe2O3)やダイカルシウムフェライト(CaO・2Fe2O3)などを言う。
(2)酸化カルシウムが酸化珪素に対する分子モル量比率が0.6〜3.5である、少なくとも一部が溶融しているスラグと廃ガラスを混合して、流動性のある混合物を製造し、当該混合物を完全に凝固した状態に冷却することを特徴とする廃ガラスのリサイクル方法。
【0010】
(3)廃ガラスの軟化温度よりも150℃以上高い温度である、少なくとも一部が溶融しているスラグに対して15質量%以下の比率で混合して形成した混合物を凝固させることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
(4)製鉄高炉から発生する溶融状態のスラグに廃ガラスを混合して、これを空冷もしくは水冷で凝固させることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
【0011】
(5)1250℃以上の温度であり、かつ、溶融状態である、製鉄高炉から発生するスラグと廃ガラスの混合物に水をかけて冷却することにより、凝固させることを特徴とする(4)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
(6)製鉄用酸素転炉から発生する、少なくとも一部が溶融状態のスラグに廃ガラスを混合して凝固させることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
【0012】
(7)溶銑から珪素や燐などの除去する溶銑処理工程で発生する、少なくとも一部が溶融状態のスラグに廃ガラスを混合して凝固させることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
(8)製鉄電炉で発生する、少なくとも一部が溶融状態のスラグに廃ガラスを混合して凝固させることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法。
【0013】
(9)廃ガラスの種類として、珪酸アルカリガラス、アルミノ珪酸ガラス、又は、ホウ珪酸ガラスを用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃ガラスのリサイクル方法、
(10)液晶ガラスや自動車のフロントガラスのようなガラスと有機物が接着している廃ガラスを、必要があれば破砕処理して、当該廃ガラスを少なくとも一部が溶融しているスラグに混合して凝固させることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の廃ガラスのリサイクル方法。
【0014】
(11)スラグと混合する廃ガラスの比表面積をガラス1kg当たり0.07平方メートル以上とすることを特徴とする(3)に記載の廃ガラスのリサイクル方法、および、
(12)廃ガラスを処理するのに、前出(1)または(2)に記載の方法で、スラグと混合した後に凝固させて製造した固化物を、路盤材、セメントコンクリート骨材、アスファルトコンクリート骨材、モルタル骨材、砂杭材料、護岸ケーソン中込材、又は、地盤改良材として使用することを特徴とする廃ガラスのリサイクル方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、廃ガラスをリサイクルする方法を研究して、廃ガラスを溶融スラグと混合して、溶融物を形成して、この溶融物を凝固させることにより、特に、土木材料として良好な物を製造する方法を発明した。上記に説明したように、廃ガラスカレットは単独では、土木材料に向かない性質を持っているが、溶融した高炉スラグや転炉スラグと混合して、これを凝固させて固化物を作ることにより、土木材料等の適した物理特性を持った材料に転換する。
ガラスは酸化珪素を主体としており、また、酸化珪素の量に比べて、比較的少量のナトリウム、カリウム、鉛、ホウ素等の酸化物を含む。つまり、一般的なガラスは、大量の酸性の強い酸化珪素に、少量の塩基性酸化物が固溶した物質である。
【0016】
一方、鉄鋼生産にともなって発生するスラグは、酸化硅素、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化燐、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、その他の酸化物を含む、複雑な化学構成の複合酸化物である。酸化カルシウム等の塩基性酸化物の比率が高い場合は、単独相の酸化カルシウム等の水和して膨張する鉱物相が析出する。また、酸化硅素等の酸性酸化物が多い場合は、鉄中の酸性不純物である硫黄や燐などを除去する際に、反応平衡値が悪くなり、本来のスラグの不純物除去の機能を発揮しない問題がある。したがって、所定の温度でスラグが溶融しており、かつ、鉄中の酸性不純物の除去効率が良い化学成分となっている。
溶融状態のスラグと廃ガラスを混合して、混合溶融物(以降、溶融体と称す)を形成する。なお、スラグの全量が溶融している必要はなく、一部が溶融している状態でも良い。ただし、混合前のスラグ溶融相比率は50%以上であることが望ましい。この混合物である溶融体を凝固させることにより、土木材料として良好な物性を有する酸化物固体(以降、凝固体と称する)を製造する。製造する凝固体に必要な物性は、土木材料としての要求性能である、強度が高く、かつ、緻密なことが重要な項目である。この物性を得るためには、凝固体の化学組成を制御することと、適切な凝固を行うことが重要である。
【0017】
本発明者らは、ガラスとスラグを混合して高強度の凝固体を製造できる化学組成について研究した。この結果、ガラスとスラグの化学組成から、凝固体は酸化珪素と酸化カルシウムを最も多く含み、また、酸化鉄や酸化アルミニウムなどを比較的多く含む。
酸化珪素と酸化カルシウムを多く含む凝固体で、酸化珪素濃度が高すぎる場合は、ガラス相当の組成となり、冷却条件によっては、凝固体は、また、ガラス状態となる。したがって、この組成条件では、通常のガラスと同様の高強度としかならない。また、酸化カルシウムのモル数が酸化珪素のモル数の3倍以上である場合は、酸化カルシウムの分離結晶相が現れて、この部分の強度が低下する。したがって、土木材料として適正な物性の凝固体には、酸化カルシウムと酸化珪素のモル比率には適正な範囲がある。本発明者らは、酸化カルシウム/酸化珪素のモル比(以降、C/Sと称す)の範囲が0.5〜3である場合には、高強度であることを見出した。この範囲の組成では、凝固体の鉱物相の多くは、カルシウムシリケート類であるカルシウムシリケート(CaO−SiO2)、ダイカルシウムシリケート(2CaO−SiO2)、トリカルシウムシリケート(3CaO−SiO2)であることを突き止めた。これらの鉱物相はいずれも比較的安定であるが、トリカルシウムシリケートはやや膨張性があるものである。また、5質量%以上の酸化第二鉄を含むスラグは、これらに加えて、カルシウムフェライト類(カルシウムフェライト(CaO・Fe2O3)、ダイカルシウムフェライト(2CaO・Fe2O3)など)を含む。これも安定鉱物相である。
【0018】
溶融体が酸化鉄を約5質量%以下しか含まない場合は、C/Sの範囲がおおよそ0.5〜2であることが良い。これは、このC/Sの範囲では、生成する鉱物相がカルシウムシリケートとダイカルシウムシリケートが多く、これらは、トリカルシウムシリケートよりも安定鉱物相であるためである。この条件であれば、凝固体の強度が高くまた、安定した鉱物相が多くなるためである。ただし、酸化アルミニウムや酸化ホウ素等の酸化物を多く含む場合は、C/Sの範囲がおおよそ2.5以下であればよい。これは、共存元素の影響でダイカルシウムシリケートの生成域が広がるためである。
また、5〜30質量%の酸化第二鉄を含む凝固体の場合は、カルシウムシリケート類以外に、カルシウムフェライト(CaO−Fe2O3)やダイカルシウムフェライト(2CaO−Fe2O3)などのカルシウムフェライト類の鉱物相が生成する。本発明者らは、このカルシウムフェライト類が比較的多く存在している凝固体は、特に高強度であることを見出した。
【0019】
凝固体が上記の化学組成を満足するためには、廃ガラスと混合する溶融スラグの化学組成と温度がある条件内である必要がある。溶融スラグのC/Sは、0.6以上である必要がある。この理由は、これ以下のC/Sでは、混合後の溶融体のC/Sが0.5以上とならないことである。その結果、C/Sが0.6以下では、酸化カルシウムの濃度が低すぎて、カルシウムシレケートを形成しづらくなる問題が生ずる。
したがって、土木材料として適切な物性の凝固体を製造するには、全体的に均一な混合状態であり、かつ、C/Sの範囲が0.5〜3であることが重要であり、この凝固体にはカルシウムシリケート類とカルシウムフェライト類が多く含まれることが重要である。この結果、この組成条件の凝固体は、土木原料として十分な強度を有している。
【0020】
また、溶融スラグのC/Sは、3.5以下であることも重要な条件である。C/Sが3.5以上の場合では、廃ガラスと混合する前の溶融スラグには、酸化カルシウムの固体単独相が分離しており、これは廃ガラスと混合後も固体として残る。この結果、処理を終えた凝固体内部には、酸化カルシウム単独相が存在することなり、この結果、凝固体の強度が低下する。また、酸化カルシウム単独相は、数ヶ月間、放置すると、空気中の水分と水和反応を起こし、膨張して凝固体を崩壊させる問題点もある。
以上の条件を満たす製鉄業で発生するスラグは、高炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電炉スラグなどがある。ちなみに、高炉スラグは、酸化鉄をほとんど含まず、C/Sは1.1〜1.4である。溶銑予備処理スラグは、酸化鉄を少量含み、C/Sは0.6〜2.5である。転炉スラグは、酸化鉄を15〜30質量%含み、C/Sは2.5〜4である。電炉スラグは、酸化鉄を10〜20質量%含み、C/Sは2〜3.5である。
【0021】
なお、転炉スラグと廃ガラスと混合する場合には、高炉スラグ等の他のスラグに混合する場合の効果以外に、凝固体の物性を改善する効果がある。これは、転炉スラグの余剰酸化カルシウムと廃ガラス中の酸化珪素が化合して、ダイカルシウムシリケートが生成される。この反応が余剰酸化カルシウムを固定するため、凝固後の転炉スラグの析出酸化カルシウム単独相が発生することを防止するためにも役立つ効果である。
廃ガラスと混合する際の溶融スラグの温度も、良好な物性の凝固体を製造するために重要である。本発明では、溶融スラグの熱で廃ガラスを融体として溶融スラグ内に取りこむことから、溶融スラグの温度は廃ガラスの軟化温度よりも高い必要がある。本発明者らは、混合するスラグの温度が廃ガラスの軟化温度よりも150℃以上高い場合は、スラグとガラスの混合が良好であることを見出した。一般に、ガラスの軟化温度は800〜1000℃以上の温度である。したがって、スラグの温度は、950〜1150℃以上が望ましい。また、スラグの少なくとも一部は溶融している必要があるため、一般には、1000〜1500℃の温度とする。
【0022】
スラグと廃ガラスの混合を良くするためには、スラグへの廃ガラスの混合比率は、15質量%以下が望ましいことも解明した。これらの条件は、混合後の溶融体の温度と流動性の観点から決まるものである。また、廃ガラスへの熱伝導を良好するためには、廃ガラスの比表面積を大きくすることが良い。本発明者らは、ガラス1kg当たり0.07平方メートル以上とすると、廃ガラスの溶解が良好となり、また、溶融した廃ガラスのスラグへの溶解が早いことも解明した。
本発明の方法では、液晶ガラスや自動車の窓ガラスのように、ガラスと有機物が複合的に接合している廃ガラスも、全く問題なくスラグに混合して溶融することができる。廃ガラスがスラグと接触すると、ガラスに接合している有機物は完全に燃焼して、凝固体には残留しない。また、発生した燃焼ガスは附属の集塵設備で適正に処理することができる。
【0023】
上記の条件で、廃ガラスが溶融状態となったものと溶融スラグを混合して、比較的均一な化学組成の溶融体を製造する。この溶融体を冷却することにより、凝固体を形成する。冷却方法はヤードや保持容器内で徐々に冷却する方法と水で急速冷却する方法がある。前者の方法では、大きな塊ができるため、凝固体の温度が低下した後に、破砕して製品とする。後者の方法は、溶融体のC/Sが1.7以下の場合に用いられ、平均粒子径が1〜5ミリメートル程度の砂状の凝固体を製造する際に行われる方法である。この条件に入るスラグは、高炉スラグと溶銑予備処理スラグの一種である。特に、おおよそ1350℃程度、またはこれ以上の温度の溶融高炉スラグと廃ガラスを混合する。冷却条件としては、冷却前の溶融体の温度を1250℃以上として、これを水中に入れて冷却する。
徐々に冷却する方法で製造した凝固体は、使用目的にあった大きさに整粒される。整粒のために、破砕処理と篩処理が行われることが多い。路盤材製造の場合は、40ミリメートル以下のサイズで、かつ、比較的3ミリメートル以下の粉が多い製品とする。他の材料、例えば、破砕した廃コンクリートや砕石と混合して、混合路盤材を製造することもある。セメントコンクリートの粗骨材とする用途もある。この場合は、5〜25ミリメートルのサイズとする。特に、酸化鉄を含有している強固な凝固体の場合は、5〜25ミリメートルのサイズとしてアスファルトコンクリート骨材とする。水冷して急速凝固した粒状の凝固体は、砂代替の用途に用いる。具体的な用途は、コンクリートセメントやモルタルの細骨材、地盤強化材、砂杭材料などである。
【0024】
以上に、製鉄業で発生するスラグに廃ガラスを混合してリサイクルする方法を説明したが、本発明には、一般的な酸化カルシウムと酸化硅素のモル比率が0.6〜3.5であるスラグに混合することは可能であり、ニッケル精錬などの非鉄精錬工程で発生するスラグ、灰やごみを溶融する溶融炉のスラグ、鉄やクロム鉱石などの溶融還元炉からのスラグも用いることができる。
【0025】
【実施例】
まず、実施例1として、図1を用いて、本発明の廃ガラスリサイクル方法を説明する。この実施例は製鉄用高炉から排出されるスラグと混合する方法である。使用した高炉スラグは、酸化カルシウムと酸化珪素にモル比率は約1.4である。緩冷却時の場合に生成する鉱物種は、主にカルシウムシリケートとエトリンガイト(CaO−SiO2−Al2O3化合物)である。実施例1で使用した廃ガラスは、廃棄物のガラスビンを平均粒子径4.5ミリメートルに砕いたカレットであり、比表面積は、0.05平方メートル/キログラムであった。その主な化学組成は、SiO2 73質量%、Na2O 15質量%、CaO 7質量%のいわゆる珪酸ソーダガラスであった。
【0026】
高炉炉体1に設置してある出銑孔2から、溶銑と溶融した高炉スラグの混合物が排出される。この溶銑と高炉スラグは、大樋3に設置してあるスキンマー4にて、分離される。その後に、高炉スラグはスラグ樋5を流れて、流銑鉢6で一時滞留して、混在している溶銑を分離する。この時点で、廃ガラスを破砕したものを溶融状態の高炉スラグに混合させた。本実施例では、廃ガラスカレットを廃ガラス備蓄槽8に入れておき、流銑鉢6に入る直前の高炉スラグ中に投入した。高炉スラグと廃ガラスが混合した溶融体は、スラグ樋5の続きを流れて行く。スラグ樋5の末端まで来た高炉スラグは、スラグ搬送容器7に落ちた。なお、溶融している高炉スラグに廃ガラスを供給する位置は、大樋3、スラグ樋5、流銑鉢6、スラグ樋からスラグ搬送装置7に高炉スラグが落下している最中、又は、スラグ搬送容器7の内部で混合しても、混合結果は良かった。この混合操作の際の混合前高炉スラグ温度は1450℃であって、高炉スラグの液相率はほぼ100%であった。この結果、高炉スラグの流動性が高いので廃ガラスとの混合特性は良かった。なお、この温度は、廃ガラスの軟化温度よりも580℃高かった。
【0027】
本実施例では、全体および局所的な温度低下廃ガラスの溶解が不良になる問題を防止する観点から、廃ガラスの添加比率は12質量%とした。また、廃ガラスの比表面積は1kg当たり0.05平方メートルであり、比較的比表面積の小さいものであった。この廃ガラスの溶解速度はやや遅く、溶解に18分間かかった。ただし、スラグ搬送容器7での輸送時間は、25分間であったため、溶解遅れの問題はなかった。
以上の操作により、高炉スラグと廃ガラスが混合している溶融体のC/Sは低下して、約1.25となった。この溶融体の大半が溶融している状態で、この溶融体をスラグ搬送容器8から流出させて、スラグ冷却ヤードまで搬送して、ここで、空冷で冷却した。この方法で製造した凝固体の主な鉱物相は、カルシウムシリケートとエトリンガイトであった。
【0028】
この方法で製造した凝固体は大きな塊であることから、冷却終了後に、破砕装置で、ほとんどのものが40ミリメートル以下となるように、これを破砕した。この破砕された凝固体を篩にかけて、40ミリメートル以下サイズの製品とした。この製品の1軸圧縮強度は、1.2メガパスカル(パスカルはニュートン/平方メートル)と良好であった。これを下層路盤材として道路工事に使用した。次に、実施例2では、実施例1と同一の処理設備と処理手順で、ほぼ同じ処理条件で、廃ガラスと溶融高炉スラグを混合して、路盤材を製造した。ただし、廃ガラスの比表面積は0.12平方メートル/キログラムと比表面積が大きいものを用いた。なお、高炉スラグへの廃ガラスの混合比率は12質量%と実施例1と同一であった。廃ガラスの溶解速度は、実施例1よりも速く、約11分間で高炉スラグへの溶解が終了していた。この結果、スラグ搬送容器7の輸送時間が14分間と短いにもかかわらず、実施例1とほぼ同一の路盤材が製造できた。
【0029】
実施例3では、実施例2で作った溶融体に噴出水をかけて急速冷却した。図1中に記載はないが、この溶融体を冷却する方法としては、スラグ搬送容器7から溶融体を流出させて、高速でノズルから噴出している流水中に入れて、水中で急速冷却する方法と、スラグ樋5からの溶融物が流出している位置に、高速でノズルから噴出している流水を流して、ここで、溶融物を急速冷却することにより、粒状の固化スラグを得る方法があるが、本実施例では前者の方法での処理を行った。
この凝固体は、ガラス化率95%であり、また、95%のものが5mm以下の粒子であった。これを無加工、又は、軽く破砕して、土木・建築向けの資材として使用した。具体的な用途は、セメントコンクリート細骨材、モルタル細骨材、軟弱地盤に混合して地盤強度を向上させる材料、サンドコンパクションやドレーン抜きの砂杭材料、護岸ケーソンの裏に詰める材料などに用いた。
【0030】
実施例4として、製鋼酸素転炉から生成するスラグと廃ガラスを混合した処理を説明する。本実施例で用いた転炉スラグは、酸化カルシウムと酸化珪素のモル比率が3.1であり、酸化鉄濃度が24質量%のものであった。この転炉スラグは、固体状態のダイカルシウムシリケートと液体状態の酸化カルシウム、酸化鉄、酸化珪素、酸化マグネシウムなどの混合体であった。転炉スラグを緩冷却した場合に生成する鉱物種は、主にダイカルシウムシリケートとカルシウムフェライトである。また、使用した廃ガラスは、屑となった液晶ガラスであり、硼珪酸ガラスを用いた。主な成分は、酸化珪素が77質量%、硼素が13質量%、酸化アルミニウムが8質量%のものであった。この廃ガラスは、2枚合わせのガラスの間に有機物である液晶が存在しているものであった。また、厚みは0.15ミリメートルであり、比表面積は1.1平方メートル/キログラムであった。
【0031】
本実施例では、図2に示す装置を用いて、上記に説明した条件の転炉スラグと廃ガラスを処理した。転炉スラグを転炉9からスラグ搬送容器8から流出させる。同時に、廃ガラスを廃ガラス備蓄槽7から排出して、転炉9から払い出しているスラグ落下流に入れ、スラグ搬送容器8の内部で混合した。スラグ搬送容器8でスラグ冷却ヤードまで搬送して、ここで、空冷と散水しながら冷却した。ただし、スラグ搬送容器8の内部に廃ガラスを入れ置いてこれに、スラグを入れる方法などもある。転炉スラグに混合する廃ガラスの混合比率は9質量%であった。混合時のスラグ温度は、1450℃であり、この温度では、この転炉スラグの液相率は65%であった。この温度は、ガラスの軟化温度よりも560℃高かった。
この処理で製造された凝固体は、酸化珪素比率が増加して、C/Sが2.6となり、酸化鉄濃度が21質量%であった。この凝固体の鉱物組成は、ダイカルシウムシリケートとカルシウムフェライトが主体であり、一部、マグネシアの粒子が混在していた。この鉱物組織では、カルシウムシリケート類の粒子の周りをカルシウムフェライトが包むように埋めている状態で、非常に緻密な組織であった。
【0032】
この凝固体を破砕して、5〜25ミリメートルのサイズの製品を製造した。この製品の1軸圧縮強度は、3.2メガパスカルと非常に高かった。また、耐磨耗性も良好であった。この製品を道路の最上層に使用するアスファルトコンクリートの骨材として使用した。耐磨耗性が高いことから、天然砕石の骨材に比べて、約2倍の寿命を持つ高品質のアスファルトコンクリートであった。
実施例5では、図2の装置を用いて、転炉スラグとアルミノ珪酸ガラスの廃ガラス破砕物を混合した処理の実施例である。転炉スラグの条件は実施例4と同一であった。廃ガラスの主な成分は、酸化珪素が55質量%、酸化アルミニウムが19質量%、酸化ナトリウムが15質量%であった。廃ガラスの混合率は10質量%であった。
本実施例での処理で生成した凝固体のC/Sは2.45であり、また、酸化鉄濃度は20質量%であった。その鉱物相は、ダイカルシウムシリケートとカルシウムフェライトが主体であり、このカルシウムフェライトには、酸化アルミニウムが相当比率で固溶体として含まれていた。この凝固体は、実施例4の凝固体よりもやや強度が高かった。この凝固体を破砕して、やはり、道路の最上層に使用するアスファルトコンクリートの骨材として使用した。その性能はほぼ実施例4の製品と同等であった。
【0033】
実施例6では、溶銑予備処理スラグにホウ珪酸ガラスである液晶の廃ガラスを混合した。この溶銑予備処理スラグは、酸化カルシウムと酸化硅素のモル比率が0.9である脱珪スラグを使用した。緩冷却時に析出する鉱物種は、シリカ(クリストバライト)、カルシウムシリケートが主体であった。このスラグの酸化鉄濃度は9質量%であった。廃ガラスの混合比率は6質量%であった。混合前のスラグ温度は1190℃であり、液相率は100%であった。この温度は、ガラスの軟化温度よりも180℃高かった。この処理で、ガラスに接着していた有機物は完全に燃焼して、回収物には有機物の残留はなかった。このように、溶融スラグと混合する場合は、ガラスに接着している有機物を処理する費用がかからない、安価な処理が実施できる。この溶融体を冷却して、凝固体を製造して、さらに破砕し、5〜25ミリメートルのサイズの製品を製造した。この製品の1軸圧縮強度は、2.5メガパスカルと非常に高かった。この製品を防波堤コンクリート用粗骨材とした。このコンクリートの強度上の問題はなかった。
【0034】
実施例7では、製鋼電炉で発生するスラグに廃ガラスを混合してリサイクルした。この方法は転炉スラグと混合してリサイクルする方法と同一であった。製鋼電炉のC/Sが2.7、酸化鉄比率が17質量%であった。混合前のスラグ温度は1390℃であり、液相率は70%であった。廃ガラスは自動車フロントガラスを破砕したものを用いた。自動車フロントは、珪酸ソーダガラスの合わせガラスの間に、樹脂をはさんだものである。廃ガラスの混合比率は、9質量%であった。混合時に、ガラス間の樹脂は完全に燃焼してしまい、凝固体の品質には問題がなかった。なお、樹脂が燃焼して生成した燃焼ガスは集塵機で適性に処理された。
この実施例で製造した凝固体のC/Sは2.2となり、鉱物相は、ダイカルシウムシリケートとカルシウムフェライトが中心であった。凝固体を5ミリメートル以下として、この製品をテトラポットの細骨材とした。このテトラポットの強度上の問題はなかった。この凝固体は真比重が3.7キログラム/リットルと重いものであることから、テトラポットの比重が大きくなり、耐波性が向上した。
【0035】
本発明者らは、さらに、各種の廃ガラスを、ニッケル精錬スラグ、同精錬スラグ、および、ゴミ溶融炉スラグと混合して、凝固体を製造した。これを凝固させて、破砕加工を行い、路盤材、セメントコンクリートの粗骨材、アスファルトコンクリートの粗骨材の原料、また、砂状のものはサンドコンパクションやドレーン抜きの砂杭の材料を製造した。これらを他の材料と同様に、土木工事に用いた。
【表1】
なお、表中の記号は以下の通りである。
C:酸化カルシウム単独相、S:酸化珪素相(クリストバライト)、CS:カルシウムシリケート、
C2S:ダイカルシウムシリケート、C3S:トリカルシウムシリケート、CSA:エトリンガイト
【0036】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、リサイクルが困難な廃ガラスを土木材料やコンクリート骨材としてリサイクルすることができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉スラグと廃ガラスを混合して、この混合物を凝固させて、スラグ凝固体を製造する装置と方法を示す図である。
【図2】高炉スラグと廃ガラスを混合して、この混合物を凝固させて、スラグ凝固体を製造する装置と方法を示す図である。
【符号の説明】
1:高炉炉体、
2:出銑孔、
3:大樋、
4:スキンマー、
5:スラグ樋、
6: 流銑鉢、
7:スラグ搬送容器、
8:廃ガラス備蓄槽、
9:転炉[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for converting waste glass into materials for civil engineering, architecture, and the like, and recycling the glass effectively.
[0002]
[Prior art]
Glass is used as a domestic and industrial material. There are several types of glass materials. The glass used as the material of the window glass and the beverage bottle is sodium silicate glass, and 50 to 70% by mass of silicon oxide, 10 to 20% by mass of sodium oxide, approximately 10% by mass of aluminum oxide, and several% by mass of calcium oxide. Including. Further, the surface glass and the heat-resistant glass of the liquid crystal are borosilicate glass, which contain a large amount of silicon oxide and boron oxide, and are characterized by high electric insulation performance. Further, crystal glass and glass of a cathode ray tube contain a large amount of silicon oxide and lead oxide.
[0003]
As described above, glass contains silicon oxide as a main raw material and contains sodium oxide, potassium oxide, calcium oxide, lead oxide, boron oxide, and the like as additives. Inside the glass, silicon atoms and oxygen atoms of silicon oxide form a three-dimensional lattice network. Additives such as sodium oxide can penetrate or displace the lattice network, distorting the lattice network. As a result, the glass does not have a specific melting point, and as it cools, changes in the order of liquid, viscous flowing state, and solid. The temperature at which the glass has fluidity is called the softening temperature, and the softening temperature of the glass is 700 to 1000 ° C. Since it is easy to work in this high viscosity state, there is a feature that various shapes can be easily made. It is glossy and easy to color. Also, because of their excellent physical and chemical properties, they are widely used in containers and household goods to industrial products.
After the end of the intended use, the glassware becomes waste. Since waste glass can be made into glass products when it is melted again, it is common practice to recycle waste glass into glass products. The general waste glass recycling route is as follows. Waste glass is separated and collected from homes and factories and sent to a sorting and crushing factory. Here, the waste glass is crushed in a state of high purity to become a crushed glass (hereinafter referred to as cullet). The cullet is sent to a glass factory, mixed with other raw materials, and melted in a glass kiln to form a glass product. In addition, since there are various types of glass and various kinds of coloring, the glass is separated for each type and color and recycled.
[0004]
However, in this application, there are restrictions on various recycling destinations, and not all waste glass is necessarily recycled into glass products. For example, when a substance other than glass is mixed in, or when glass of different types and colors is mixed, there arises a problem that the quality of the product is deteriorated when the waste glass is reused. Recycling rate of bottle glass waste is relatively high, and transparent bottle glass waste has a wide range of recycling destinations, but green and black colored glass bottle waste is only glass products of that color, and supply and demand are not necessarily the same. Absent. In particular, black and green cullet were not often recycled.
Under such circumstances, a recycling method other than the method of recycling waste glass as a glass material has been devised and implemented. In this recycling method, crushed glass cullet is used as an aggregate for roadbed materials and cement concrete products. For example, among waste glass that is not recycled into glass raw materials, debris such as bottle glass is finely crushed and then developed to be recycled into pavement interlocking aggregates and roadbed materials.
[0005]
On the other hand, glass for electronic devices such as television cathode-ray tubes contains various glasses such as sodium silicate glass and borosilicate glass, and often has metal parts. It is often difficult to recycle as a raw material. In addition, liquid crystal glass and window glass for automobiles are not easily recyclable as they are because they are not a single material because glass and resin or liquid crystal are layered. Accordingly, the proportion of electronic component glass, automobile window glass, and the like, which is finally disposed of at landfill sites as waste, was high.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the case where waste glass is used in addition to the use for recycling glass raw materials described in the preceding section, there are some problems in each case. In other words, when used in civil engineering materials, there is a problem that the physical properties of glass do not match the intended use.
First, when cullet is used as an aggregate of mortar, there is a problem that the fluidity of the mortar in a fluid state (raw mortar) is deteriorated and that fine aggregate and water are separated inside the mortar. The cullet obtained by crushing the waste glass is angular and its particle size distribution is biased to both fine and coarse ones, so that the fluidity of the raw mortar deteriorates. As a result, the work at the time of construction took time, and there was a case where uniform construction was not possible. Furthermore, since glass has poor affinity with water, there is also a problem that water is separated from the mortar after construction of the raw mortar and the surface after setting is roughened.
[0007]
When used as fine aggregate for cement concrete, the same problems as those for use in mortar fine aggregate occurred, and in particular, the problem of deterioration in fluidity of ready-mixed concrete was remarkable. In addition, a method of using medium crushing and using coarse cullet as a road surface material and using it as an asphalt concrete aggregate is also being studied. Due to poor wear properties, there is no practical example.
In a method of recycling waste glass cullet into a roadbed material, attempts have been made to mix finely ground cullet with other materials such as blast furnace slag and crushed stone to form a lower or upper layer roadbed material. However, glass, unlike blast furnace slag and crushed stone, has a weak point that the strength of a single substance is weak because the bonding between particles is weak. Therefore, the subgrade manufactured by this method has low strength. Because of this problem, there was a problem that the mixing ratio of waste glass cullet to the entire roadbed material could not be increased.
[0008]
In addition, as a method of recycling as another civil engineering material, it is considered to use it for applications such as seawall caisson filling material, sand pile material, or soil improvement material. However, in the application of seawall caisson glazing, there is a problem that the specific gravity of the waste glass cullet is so small that the weight to cope with the fluctuation caused by the wave is insufficient. In addition, it has not been used in applications such as sand pile materials or ground improvement materials because the physical properties and colors are too different from those of soil.
Further, an organic substance is bonded to the liquid crystal glass or the like. As described above, when the glass to which the organic substance is adhered is landfilled in a final disposal site or the like, or when recycled into civil engineering materials, there is a problem in that harmful compounds mixed in the organic substance are eluted. Therefore, it has been difficult to recycle liquid crystal glass, automobile window glass, and the like into civil engineering materials also from this problem. In particular, a high-temperature treatment is required to prevent the elution of organic substances from the liquid crystal glass, and there is a problem that the cost is high.
As described above, there are some major problems in the method of recycling waste glass as a material for civil engineering and construction in the related art. In particular, there are many problems to be solved in order to recycle colored glass bottle waste, automotive window glass, liquid crystal glass, electronic component glass, and the like. A new technology for resolving these problems and recycling waste glass has been required.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made as a result of intensive studies in order to solve the above-mentioned problems, and the gist thereof is as described in (1) to (12).
(1) When solidified at a sufficiently low cooling rate, it is a mineral phase of a compound of calcium oxide and silicon oxide, and in some cases, calcium silicates in which other oxides are dissolved, and A slag that is a chemical composition that precipitates at least one mineral phase of calcium ferrite, which is a compound of iron and calcium oxide, and in some cases, forms a solid solution with another oxide, and is at least partially molten. And waste glass are mixed and solidified, and the waste glass is recycled. The calcium silicates are calcium silicates (CaO.SiO). 2 ), Dicalcium silicate (2CaO.SiO) 2 ), Tricalcium silicate (3CaO.SiO) 2 ) And calcium ferrites are calcium ferrite (CaO.Fe) 2 O 3 ) And die calcium ferrite (CaO.2Fe) 2 O 3 ).
(2) Calcium oxide has a molecular molar ratio to silicon oxide of 0.6 to 3.5, and at least a part of the molten slag and waste glass are mixed to produce a fluid mixture, A method for recycling waste glass, comprising cooling the mixture to a completely solidified state.
[0010]
And (3) solidifying a mixture formed by mixing at a rate of 15% by mass or less with respect to at least a part of the slag that is at least 150 ° C. higher than the softening temperature of the waste glass. The method for recycling waste glass according to (1) or (2).
(4) The method for recycling waste glass according to (1) or (2), wherein waste glass is mixed with slag in a molten state generated from a steelmaking blast furnace and solidified by air cooling or water cooling.
[0011]
(5) The method of (4), wherein the mixture of the slag and the waste glass generated from the steelmaking blast furnace, which is at a temperature of 1250 ° C. or more and is in a molten state, is cooled by applying water thereto and cooled. The recycling method of the waste glass described.
(6) The method for recycling waste glass according to (1) or (2), wherein waste glass is mixed with solidified slag at least partially generated from the oxygen converter for ironmaking and solidified.
[0012]
(7) The method according to (1) or (2), wherein waste glass is mixed with slag at least partially in a molten state, which is generated in a hot metal processing step of removing silicon, phosphorus, and the like from hot metal, and solidified. Waste glass recycling method.
(8) The method for recycling waste glass according to (1) or (2), wherein waste glass is mixed with solidified slag at least partially generated in an iron making electric furnace and solidified.
[0013]
(9) The method of recycling waste glass according to (1) or (2), wherein alkali glass, aluminosilicate glass, or borosilicate glass is used as the type of waste glass.
(10) Waste glass in which organic matter is adhered to glass such as a liquid crystal glass or a windshield of an automobile is crushed if necessary, and the waste glass is mixed with slag at least partially melted. The method for recycling waste glass according to any one of (1) to (8), wherein the waste glass is coagulated.
[0014]
(11) The method for recycling waste glass according to (3), wherein the specific surface area of the waste glass mixed with the slag is 0.07 square meters or more per kg of glass.
(12) In treating waste glass, a solidified material produced by mixing with slag and then solidifying by the method described in (1) or (2) above is used as a roadbed material, cement concrete aggregate, asphalt concrete. This is a method for recycling waste glass, which is used as aggregate, mortar aggregate, sand pile material, seawall caisson filling material, or ground improvement material.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present inventors have studied a method of recycling waste glass, mixing the waste glass with molten slag, forming a melt, and solidifying the melt, particularly as a good civil material. Invented a method of manufacturing a product. As explained above, waste glass cullet by itself has properties that are not suitable for civil engineering materials, but it is mixed with molten blast furnace slag and converter slag and solidified to form a solidified product. To materials with suitable physical properties, such as civil engineering materials.
The glass is mainly composed of silicon oxide, and contains a relatively small amount of oxides such as sodium, potassium, lead, and boron as compared with the amount of silicon oxide. That is, general glass is a substance in which a small amount of a basic oxide is dissolved in a large amount of strongly acidic silicon oxide.
[0016]
On the other hand, slag generated during steel production is a complex oxide having a complex chemical composition including silicon oxide, calcium oxide, iron oxide, phosphorus oxide, aluminum oxide, magnesium oxide, and other oxides. When the ratio of the basic oxide such as calcium oxide is high, a hydrated and expanding mineral phase such as calcium oxide in a single phase is precipitated. Also, if there are many acidic oxides such as silicon oxide, the reaction equilibrium value will be poor when removing acidic impurities such as sulfur and phosphorus in iron, and the original function of removing impurities from slag will not be exhibited. There is. Therefore, the slag is melted at a predetermined temperature, and is a chemical component having a high efficiency of removing acidic impurities in iron.
The molten slag and the waste glass are mixed to form a mixed melt (hereinafter, referred to as a melt). It is not necessary that the entire amount of the slag is melted, and a part of the slag may be melted. However, the slag molten phase ratio before mixing is desirably 50% or more. By solidifying the melt which is this mixture, an oxide solid having good physical properties as a civil engineering material (hereinafter, referred to as a solidified body) is produced. The physical properties required for the solidified body to be manufactured are important items that are high in strength and dense, which are required performances of civil engineering materials. In order to obtain these physical properties, it is important to control the chemical composition of the solidified body and to perform appropriate solidification.
[0017]
The present inventors have studied a chemical composition that can produce a high-strength solidified substance by mixing glass and slag. As a result, from the chemical composition of glass and slag, the solidified body contains the largest amount of silicon oxide and calcium oxide, and also contains a relatively large amount of iron oxide, aluminum oxide, and the like.
If the solidified body contains a large amount of silicon oxide and calcium oxide and the silicon oxide concentration is too high, the solidified body has a composition equivalent to that of glass, and the solidified body is again in a glassy state depending on cooling conditions. Therefore, under these composition conditions, only high strength similar to that of ordinary glass can be obtained. When the number of moles of calcium oxide is three times or more the number of moles of silicon oxide, a separated crystal phase of calcium oxide appears, and the strength of this portion decreases. Therefore, the solidified material having proper physical properties as a civil engineering material has an appropriate molar ratio between calcium oxide and silicon oxide. The present inventors have found that when the molar ratio of calcium oxide / silicon oxide (hereinafter referred to as C / S) is 0.5 to 3, the strength is high. In the composition in this range, most of the mineral phase of the coagulate is composed of calcium silicates (CaO—SiO 2). 2 ), Dicalcium silicate (2CaO-SiO) 2 ), Tricalcium silicate (3CaO-SiO) 2 ). While all of these mineral phases are relatively stable, tricalcium silicate is somewhat swellable. In addition, slag containing 5% by mass or more of ferric oxide may be used in addition to calcium ferrites (calcium ferrite (CaO.Fe). 2 O 3 ), Die calcium ferrite (2CaO.Fe) 2 O 3 ))). This is also a stable mineral phase.
[0018]
If the melt contains less than about 5% by weight of iron oxide, the C / S range should be approximately 0.5-2. This is because, in this C / S range, the generated mineral phases are mostly calcium silicate and dicalcium silicate, and these are more stable mineral phases than tricalcium silicate. Under these conditions, the strength of the solidified body is high and the number of stable mineral phases increases. However, when a large amount of an oxide such as aluminum oxide or boron oxide is contained, the C / S range may be about 2.5 or less. This is because the formation area of dicalcium silicate expands due to the effect of coexisting elements.
In the case of a coagulated material containing 5 to 30% by mass of ferric oxide, calcium ferrite (CaO—Fe) is used in addition to calcium silicates. 2 O 3 ) And die calcium ferrite (2CaO-Fe) 2 O 3 ) And other mineral phases of calcium ferrites. The present inventors have found that a solidified body in which a relatively large amount of calcium ferrite is present has particularly high strength.
[0019]
In order for the solidified material to satisfy the above chemical composition, the chemical composition and temperature of the molten slag mixed with the waste glass must be within certain conditions. C / S of the molten slag needs to be 0.6 or more. The reason is that if the C / S is lower than this, the C / S of the melt after mixing does not become 0.5 or more. As a result, when the C / S is 0.6 or less, there is a problem that the concentration of calcium oxide is too low and it is difficult to form calcium silicate.
Therefore, in order to produce a solidified material having proper physical properties as a civil engineering material, it is important that the solidified material is in a uniformly mixed state as a whole and the C / S range is 0.5 to 3. It is important that the body is rich in calcium silicates and calcium ferrites. As a result, the solidified body under this composition condition has sufficient strength as a civil engineering raw material.
[0020]
It is also an important condition that the C / S of the molten slag is 3.5 or less. When C / S is 3.5 or more, a solid single phase of calcium oxide is separated from the molten slag before mixing with the waste glass, and this remains as a solid after mixing with the waste glass. As a result, a single phase of calcium oxide is present inside the solidified body after the treatment, and as a result, the strength of the solidified body is reduced. Further, there is also a problem that the calcium oxide single phase causes a hydration reaction with moisture in the air when left alone for several months, and expands to disintegrate the coagulated body.
Slag generated in the steel industry satisfying the above conditions includes blast furnace slag, hot metal pretreatment slag, converter slag, electric furnace slag, and the like. Incidentally, the blast furnace slag contains almost no iron oxide, and the C / S is 1.1 to 1.4. The hot metal pretreatment slag contains a small amount of iron oxide and has a C / S of 0.6 to 2.5. The converter slag contains 15 to 30% by mass of iron oxide, and C / S is 2.5 to 4. The electric furnace slag contains 10 to 20% by mass of iron oxide, and C / S is 2 to 3.5.
[0021]
In addition, when the converter slag and the waste glass are mixed, there is an effect of improving the physical properties of the solidified body in addition to the effect of mixing with the other slag such as the blast furnace slag. This is because excess calcium oxide of the converter slag and silicon oxide in the waste glass are combined to generate dicalcium silicate. Since this reaction fixes the excess calcium oxide, it has an effect to help prevent the generation of the precipitated calcium oxide single phase of the converter slag after solidification.
The temperature of the molten slag at the time of mixing with the waste glass is also important for producing a solidified product having good physical properties. In the present invention, since the waste glass is taken into the molten slag as heat by the heat of the molten slag, the temperature of the molten slag needs to be higher than the softening temperature of the waste glass. The present inventors have found that when the temperature of the slag to be mixed is higher than the softening temperature of the waste glass by 150 ° C. or more, the mixing of the slag and the glass is good. Generally, the softening temperature of glass is a temperature of 800 to 1000 ° C. or higher. Therefore, the temperature of the slag is desirably 950 to 1150 ° C or higher. In addition, since at least a part of the slag needs to be melted, the temperature is generally set to 1000 to 1500 ° C.
[0022]
In order to improve the mixing of the slag and the waste glass, it was also found that the mixing ratio of the waste glass to the slag is desirably 15% by mass or less. These conditions are determined from the viewpoint of the temperature and fluidity of the melt after mixing. Further, in order to improve the heat conduction to the waste glass, it is preferable to increase the specific surface area of the waste glass. The present inventors have clarified that, when the glass content is 0.07 square meters or more per kg of glass, the melting of the waste glass becomes good and the melting of the molten waste glass into the slag is fast.
According to the method of the present invention, waste glass in which glass and an organic substance are combined in a complex manner, such as liquid crystal glass and window glass for automobiles, can be mixed and melted with slag without any problem. When the waste glass comes into contact with the slag, the organic matter bonded to the glass is completely burned and does not remain in the solidified body. Further, the generated combustion gas can be properly treated by the attached dust collection equipment.
[0023]
Under the above conditions, the waste glass in a molten state and the molten slag are mixed to produce a melt having a relatively uniform chemical composition. By cooling the melt, a solidified body is formed. The cooling method includes a method of gradually cooling in a yard or a holding container and a method of rapidly cooling with water. In the former method, since a large lump is formed, after the temperature of the solidified body is lowered, it is crushed to obtain a product. The latter method is used when the C / S of the melt is 1.7 or less, and is a method performed when producing a sand-like solidified body having an average particle diameter of about 1 to 5 mm. The slag which satisfies this condition is a kind of blast furnace slag and hot metal pretreatment slag. In particular, the molten blast furnace slag at a temperature of about 1350 ° C. or higher and waste glass are mixed. As a cooling condition, the temperature of the melt before cooling is set to 1250 ° C. or higher, and the melt is put in water and cooled.
The solidified body produced by the method of gradually cooling is sized to a size suitable for the purpose of use. Crushing and sieving are often performed for sizing. In the case of roadbed material production, a product having a size of 40 mm or less and a relatively large amount of powder of 3 mm or less is used. It may be mixed with other materials, such as crushed waste concrete or crushed stone, to produce a mixed roadbed material. It is also used as coarse aggregate for cement concrete. In this case, the size is 5 to 25 mm. In particular, in the case of a solidified solid containing iron oxide, a size of 5 to 25 mm is used as the asphalt concrete aggregate. The granular solidified rapidly solidified by water cooling is used in place of sand. Specific applications are fine aggregate of concrete cement and mortar, ground reinforcement, sand pile material, and the like.
[0024]
The method of recycling waste glass mixed with slag generated in the steel industry has been described above. In the present invention, a general molar ratio of calcium oxide to silicon oxide is 0.6 to 3.5. It is possible to mix with slag, slag generated in non-ferrous refining process such as nickel refining, slag of melting furnace for melting ash and garbage, slag from smelting reduction furnace such as iron and chromium ore can also be used .
[0025]
【Example】
First, as Example 1, the waste glass recycling method of the present invention will be described with reference to FIG. This embodiment is a method of mixing with slag discharged from a blast furnace for steelmaking. The blast furnace slag used has a molar ratio of about 1.4 to calcium oxide and silicon oxide. The mineral species generated during slow cooling are mainly calcium silicate and ettringite (CaO-SiO2). 2 -Al 2 O 3 Compound). The waste glass used in Example 1 was cullet obtained by crushing a waste glass bottle into an average particle size of 4.5 mm, and the specific surface area was 0.05 square meters / kg. Its main chemical composition was a so-called sodium silicate glass of 73% by mass of SiO2, 15% by mass of Na2O and 7% by mass of CaO.
[0026]
A mixture of hot metal and molten blast furnace slag is discharged from a
[0027]
In this example, the addition ratio of the waste glass was set to 12% by mass from the viewpoint of preventing the problem that the melting of the whole and local temperature-reduced waste glass becomes poor. Further, the specific surface area of the waste glass was 0.05 square meters per kg, and the specific surface area was relatively small. The melting rate of this waste glass was rather slow, and it took 18 minutes to melt. However, since the transport time in the
By the above operation, the C / S of the melt in which the blast furnace slag and the waste glass were mixed was reduced to about 1.25. In a state where most of the melt was in a molten state, the melt was discharged from the slag transport container 8 and transported to a slag cooling yard where it was cooled by air cooling. The main mineral phases of the solids produced in this way were calcium silicate and ettringite.
[0028]
Since the solidified body produced by this method is a large lump, it was crushed by a crushing device after cooling was completed so that most of the solidified material was 40 mm or less. The crushed solidified product was sieved to obtain a product having a size of 40 mm or less. The uniaxial compressive strength of this product was as good as 1.2 megapascal (Pascal was Newton / square meter). This was used for road construction as a lower subgrade material. Next, in Example 2, a roadbed material was manufactured by mixing waste glass and molten blast furnace slag under substantially the same processing conditions using the same processing equipment and processing procedure as in Example 1. However, the waste glass used had a large specific surface area of 0.12 square meters / kilogram. The mixing ratio of the waste glass to the blast furnace slag was 12% by mass, which was the same as in Example 1. The melting rate of the waste glass was faster than that of Example 1, and the melting into the blast furnace slag was completed in about 11 minutes. As a result, although the transportation time of the
[0029]
In Example 3, the melt produced in Example 2 was sprayed with water and rapidly cooled. Although not described in FIG. 1, as a method for cooling the melt, the melt is discharged from the
This coagulated product had a vitrification ratio of 95%, and 95% of the coagulated product was particles having a size of 5 mm or less. This was unprocessed or lightly crushed and used as a material for civil engineering and construction. Specific applications include cement concrete fine aggregate, mortar fine aggregate, material mixed with soft ground to improve ground strength, sand compaction material without sand compaction and drain, material for packing behind seawall caisson, etc. Was.
[0030]
Example 4 describes a process in which slag generated from a steelmaking oxygen converter and waste glass are mixed. The converter slag used in this example had a molar ratio of calcium oxide to silicon oxide of 3.1 and an iron oxide concentration of 24% by mass. This converter slag was a mixture of dicalcium silicate in a solid state and calcium oxide, iron oxide, silicon oxide, magnesium oxide and the like in a liquid state. Mineral species generated when the converter slag is slowly cooled are mainly dicalcium silicate and calcium ferrite. The waste glass used was liquid crystal glass that became waste, and borosilicate glass was used. The main components were 77% by mass of silicon oxide, 13% by mass of boron, and 8% by mass of aluminum oxide. This waste glass had an organic liquid crystal present between two pieces of laminated glass. The thickness was 0.15 mm and the specific surface area was 1.1 square meters / kilogram.
[0031]
In this example, the converter slag and the waste glass under the conditions described above were treated using the apparatus shown in FIG. The converter slag flows out of the converter 9 and the slag transport container 8. At the same time, the waste glass was discharged from the waste
The solidified body produced by this treatment had an increased silicon oxide ratio, a C / S of 2.6, and an iron oxide concentration of 21% by mass. The mineral composition of the solidified material was mainly composed of dicalcium silicate and calcium ferrite, and a part of magnesia particles was mixed. The mineral structure was very dense with calcium ferrite wrapping around the particles of calcium silicate.
[0032]
The solidified product was crushed to produce a product having a size of 5 to 25 millimeters. The uniaxial compressive strength of this product was as high as 3.2 megapascals. The abrasion resistance was also good. This product was used as aggregate for asphalt concrete used for the top layer of roads. Because of its high abrasion resistance, it was a high quality asphalt concrete having a service life approximately twice as long as the aggregate of natural crushed stone.
Example 5 is an example of a process in which converter slag and crushed waste glass of aluminosilicate glass are mixed using the apparatus of FIG. 2. The converter slag conditions were the same as in Example 4. The main components of the waste glass were 55% by mass of silicon oxide, 19% by mass of aluminum oxide, and 15% by mass of sodium oxide. The mixing ratio of the waste glass was 10% by mass.
The C / S of the solidified product produced by the treatment in this example was 2.45, and the iron oxide concentration was 20% by mass. The mineral phase was mainly composed of dicalcium silicate and calcium ferrite, and the calcium ferrite contained aluminum oxide as a solid solution at a considerable ratio. This solidified product had a slightly higher strength than the solidified product of Example 4. This solidified product was crushed and used as an aggregate of asphalt concrete used for the uppermost layer of the road. Its performance was almost equivalent to the product of Example 4.
[0033]
In Example 6, liquid crystal waste glass, which was borosilicate glass, was mixed with the hot metal pretreatment slag. As the hot metal pretreatment slag, a desiliconized slag having a molar ratio of calcium oxide to silicon oxide of 0.9 was used. Mineral species precipitated during slow cooling were mainly silica (cristobalite) and calcium silicate. The iron oxide concentration of this slag was 9% by mass. The mixing ratio of the waste glass was 6% by mass. The slag temperature before mixing was 1190 ° C., and the liquid phase ratio was 100%. This temperature was 180 ° C. higher than the softening temperature of the glass. In this treatment, the organic matter that had adhered to the glass was completely burned, and no organic matter remained in the collected matter. As described above, when mixing with the molten slag, an inexpensive treatment that does not require the cost of treating the organic substance adhered to the glass can be performed. The melt was cooled to produce a solidified body, which was further crushed to produce a product having a size of 5 to 25 millimeters. The uniaxial compressive strength of this product was as high as 2.5 megapascals. This product was used as coarse aggregate for breakwater concrete. There was no problem with the strength of this concrete.
[0034]
In Example 7, waste glass was mixed with slag generated in a steelmaking electric furnace and recycled. This method was the same as the method of mixing and recycling with converter slag. The C / S of the steelmaking electric furnace was 2.7, and the iron oxide ratio was 17% by mass. The slag temperature before mixing was 1390 ° C., and the liquid phase ratio was 70%. Waste glass used was obtained by crushing an automobile windshield. The car front is made by sandwiching resin between laminated glass of sodium silicate glass. The mixing ratio of the waste glass was 9% by mass. During mixing, the resin between the glasses completely burned, and there was no problem with the quality of the solidified body. The combustion gas generated by the burning of the resin was properly treated by a dust collector.
The C / S of the solidified product produced in this example was 2.2, and the mineral phase was mainly composed of dicalcium silicate and calcium ferrite. This product was used as a fine aggregate of a tetrapot with a coagulated body of 5 mm or less. There was no problem with the strength of this tetrapot. Since the solidified substance had a heavy true specific gravity of 3.7 kg / L, the specific gravity of the tetrapod was increased, and the wave resistance was improved.
[0035]
The present inventors further mixed various types of waste glass with nickel refining slag, the same refining slag, and refuse melting furnace slag to produce a solidified body. This was solidified and crushed to produce materials for roadbed materials, coarse aggregate of cement concrete, coarse aggregate of asphalt concrete, and sand piles without sand compaction and drain piles. . These were used for civil engineering as well as other materials.
[Table 1]
The symbols in the table are as follows.
C: calcium oxide single phase, S: silicon oxide phase (cristobalite), CS: calcium silicate,
C2S: dicalcium silicate, C3S: tricalcium silicate, CSA: ettringite
[0036]
【The invention's effect】
By implementing the present invention, waste glass that is difficult to recycle can be recycled as civil engineering material or concrete aggregate, and has a remarkable industrially useful effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an apparatus and a method for producing a slag coagulated body by mixing a blast furnace slag and a waste glass and solidifying the mixture.
FIG. 2 is a diagram showing an apparatus and a method for manufacturing a slag solidified body by mixing blast furnace slag and waste glass and solidifying the mixture.
[Explanation of symbols]
1: Blast furnace body,
2: taphole,
3: Ohi,
4: Skinmer,
5: Slag gutter,
6: Hot pot,
7: slag transport container,
8: Waste glass storage tank,
9: Converter
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2002
- 2002-07-05 JP JP2002196985A patent/JP2004035351A/en active Pending
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